JP5388240B2 - 放熱器 - Google Patents
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Description
[構造]
図1は、本発明の第1実施形態による日よけの構成の一例を示す斜視図である。図2は、図1の日よけの側面図である。図3は、図1の日よけの正面図である。図4は、図1の日よけの平面図である。なお、説明のために図2ないし図4では日よけの向きを特定して示したが、実際の日よけの向きはこれに限定されない。以下、図1ないし図4を参照しながら、本実施形態の日よけについて説明する。
本実施形態の日よけによれば、日よけ自体の温度が上昇しにくくなるため、日よけからの赤外放射により被遮蔽物に負荷される熱も少なくなり、結果として被遮蔽物の温度を低く保つことができる。
図5は、本実施形態の日よけ製造方法の一例を示すフローチャートである。図6は、図5の日よけ製造方法において、最初に用意された板材がなす1番目の平行四辺形211を示す平面図である。図7は、図5の日よけ製造方法において、板材200に対し、1回目の切れ込みを入れたとき(i=1)の切れ込みのパターンを示す図である。図8は、図5の日よけ製造方法において、板材200に対し、2回目の切れ込みを入れたとき(i=2)の切れ込みのパターンを示す図である。図9は、図5の日よけ製造方法において、板材200に対し、3回目の切れ込みを入れたとき(i=3)の切れ込みのパターンを示す図である。以下、図5ないし9を参照しつつ、日よけ100の製造方法を説明する。
かかる製造方法によれば、本発明の日よけを一枚の板材から極めて容易かつ効率的に製造できる。
図12は、実施例および比較例の日よけの構造を模式的に示す図である。説明のため、一部のみを取り出して描いている。以下、図12を参照しつつ、実施例および比較例について説明する。
黒色で厚さ0.5mmの塩化ビニル板を1辺16cmの正三角形が2つ結合したダイヤモンド型に切り抜いた板材を4枚用意した。用意された板材から、各日よけ片に対応する単位四面体の1辺が2cmとなるように、図10に示すパターンでホットナイフを用いて切れ込みを入れた。切れ込みの入った板材を折り曲げることで、図11に示すような3次近似シェルピンスキー四面体の単位四面体を構成する4つの面のうち互いに異なる2つの方向を向く面を全て遮光面に形成した形状(第3のクラスター)を形成した。得られた構造体を4つ結合して、図1に示すような4次近似シェルピンスキー四面体の単位四面体を構成する4つの面のうち互いに異なる2つの方向を向く面を全て遮光面に形成した形状(第4のクラスター)を形成し、実施例の日よけ(フラクタル日よけ)とした。
黒色で厚さ0.5mmの塩化ビニル板を1辺32cmの正三角形が2つ結合したダイヤモンド型に切り抜いた。得られた板材を短い方の対角線に沿って折り曲げることで、比較例1の日よけ(大屋根日よけ)とした。
黒色で厚さ0.5mmの塩化ビニル板を1辺32cmの正三角形が2つ結合したダイヤモンド型に切り抜いた。得られた板材を、1辺2cmの正三角形が2つ結合した256個のダイヤモンド型に切り抜いた。得られた1辺2cmのダイヤモンド型の板材を、短い方の対角線に沿って折り曲げて多数の小さな日よけ片を作った。得られた日よけ片を、上方から見て実質的に隙間および重なり合いが生じないように、非常に細い金属線で互いに結合して正方形に並べることで、比較例2の日よけ(こま切れ日よけ)とした。
黒色で厚さ0.5mmの塩化ビニル板を1辺32cmの正三角形が2つ結合したダイヤモンド型に切り抜いた。得られた板材を、V字の底が短い方の対角線を向くように、1辺を2cmとするV字型の切れ込みを入れた。まず比較例1のように折り曲げて一つの大きな屋根を作り、その後でそれぞれのV字型の切れ込みを内側に折り曲げることで、比較例3の日よけ(パンチ穴日よけ)とした。
実施例および比較例1ないし3で得られた日よけを、アルミニウムコートされた鏡面(可視光および赤外光を反射する)の上に配置した。鏡面を用いる理由は、支持台自体が太陽光を吸収して熱くならないようにするためである。鏡面を太陽光に対して直角に配置することとし、遮光性を有する面がなす角の二等分線と平行な直線上に太陽が位置するように、また、互いに重なり合わないように、該鏡面上にそれぞれの日よけを、細い金属ワイヤなどで固定した。かかる配置によると、それぞれの日よけは等量の太陽光を浴びることになる。
実験中、気温は28〜30℃であり、天気は晴れ、風はほぼ無風であった。鏡面を太陽光に対して直角に配置した上で、10分程度放置した後サーモカメラで撮影を行った。得られた画像を用いて、10秒毎に50回分、実施例および比較例の日よけの温度を測定した。なお、塩化ビニルの熱容量は小さく計算上は数秒で熱平衡に達するので、測定中はほぼ熱平衡に達していたと考えられる。
[測定結果]
図13は、実施例および比較例の測定結果を示すグラフである。横軸は、実施例の日よけが示した温度と周辺気温(29℃)との温度差(ΔT[実施例])であり、縦軸は、それぞれの日よけが示した温度と周辺気温との温度差(ΔT)である。いずれも単位は℃である。
実験結果からは、実施例(フラクタル日よけ)が最も低温であることが分かった。特に、比較例2(こま切れ日よけ)、比較例3(パンチ穴日よけ)と実施例とは、同じ形状および大きさの日よけ片を同数備えており、日射を受ける面の大きさという意味では等価である。実施例(フラクタル日よけ)が最も低温となった理由は、日よけ片そのものの有する特性ではなく、日よけ片が複数の三次元的なクラスターをなすという構造、あるいは日よけ片がフラクタル構造をなすように分布する態様で該日よけ片が複数の三次元的なクラスターをなすことにあると考えられた。
実験1で得られた推論を検証するため、実験1で作成した実施例および比較例3の日よけを用いて風洞実験(実験2)を行った。
図14は、実験2における実験装置の概略構成を示す図である。以下、図14を参照しつつ、実験2における実験方法について説明する。
図15は、実験2において対照実験で得られた濃度分布を示す図である。図16は、実験2において比較例3による日よけを用いた場合に得られた濃度分布を示す図である。図17は、実験2において実施例による日よけを用いた場合に得られた濃度分布を示す図である。なお、図中の数値は、最大濃度に対する割合(%)を示す。
図17に示された結果は、実施例の日よけにおいて、ファンで生じた乱流よりも強い乱流が日よけの下流で形成されていることを示唆する。ただし、この程度の乱流は、1本の棒を流れに垂直に置いただけでもできる。よって、実施例の日よけが乱流を作りやすいというよりも、減衰させにくいというほうが適切ではないかと思われた。
本実施形態の日よけはN次近似のシェルピンスキー四面体の単位四面体を構成する4つの面のうち互いに異なる2つの方向を向く面を全て遮光面に形成した形状を有するが、構造物などに固定するための固定部材や、接合点を補強するための補強部材などを備えていてもよいことは言うまでもない。また、日よけ全体がN次近似のシェルピンスキー四面体を構成する4つの面のうち互いに異なる2つの方向を向く面を全て遮光面に形成した形状を有する必要は必ずしもなく、その一部に該形状を含んでいてもよい。あるいは、日よけ全体がN次近似のシェルピンスキー四面体を構成する4つの面のうち互いに異なる2つの方向を向く面を全て遮光面に形成した形状の一部をなすような形状であってもよい。
図1のように形成された構造体は、単に日よけとしてのみならず、日よけ部を放熱部とした放熱器としても有用である。かかる構成により、効率的な放熱が可能となる。
101 日よけ片
111 第1のクラスター
112 第2のクラスター
113 第3のクラスター
121 第1の隙間
122 第2の隙間
123 第3の隙間
124 第4の隙間
125 第5の隙間
126 第6の隙間
127 第7の隙間
128 第8の隙間
130 単位日よけ
131 辺
132 点
133 辺
134 辺
140 日よけ
141 日よけ
150 重六角錐
151 重六角錐
152 一次近似重六角錐フラクタル
153 一次近似重六角錐フラクタル
154 二次近似重六角錐フラクタル
160 三角錐柱
161 三角錐柱
162 一次近似三角錐柱フラクタル
163 一次近似三角錐柱フラクタル
164 二次近似三角錐柱フラクタル
200 板材
211 1番目の平行四辺形
212 2番目の平行四辺形
213 3番目の平行四辺形
214 4番目の平行四辺形
221 1回目の切れ込み
222 2回目の切れ込み
223 3回目の切れ込み
301 日よけ
302 流路
303 ファン
304 線香
305 スリット光
306 デジタルビデオカメラ
307 金属板
411 第1のクラスター
412 第2のクラスター
511 第1のクラスター
512 第2のクラスター
611 第1のクラスター
612 第2のクラスター
Claims (3)
- 熱伝導性を有する4以上の放熱部を備え、
前記放熱部が複数の三次元的なクラスターをなし、
複数の前記放熱部からなる第1のクラスターを立体的に配列することで得られる第2のクラスターを有する、放熱器。 - 前記放熱部が熱伝導手段により伝熱可能に接続されている、請求項1に記載の放熱器。
- 前記熱伝導手段はヒートパイプである、請求項2に記載の放熱器。
Priority Applications (1)
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JP2011285639A JP5388240B2 (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 放熱器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011285639A JP5388240B2 (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 放熱器 |
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