JP5387820B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、発電セルと集電体とセパレータから成る単セルを複数積層した構造の固体酸化物型燃料電池に関し、特にスタックの積層方向の温度を均一にすることが可能な固体酸化物形燃料電池に関するものである。
近年、燃料の有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する固体酸化物形燃料電池が高効率でクリーンな発電装置として注目されている。この固体酸化形燃料電池は、固体電解質層の両面に燃料極層(アノード)と空気極層(カソード)を配置して成る発電セルの外側に燃料極集電体と空気極集電体を配置し、これらの集電体の外側にセパレータを配置した単セルを複数積層することによりスタック化されている。
上記固体酸化形燃料電池では、反応用ガスとして空気極層側に酸化剤ガスが供給され、燃料極層側に燃料ガスが供給されることにより発電反応が生じている。このため、空気極集電体と燃料極集電体は、反応ガスが空気極層と燃料極層との界面に到達することができるように、いずれも多孔質の層で形成されている。
そして、発電セル内において、空気極層側に供給された酸素は、空気極集電体内の気孔を通って空気極層との界面近傍に到達し、この部分で空気極層から電子を受け取って酸化物イオン(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極層に向かって固体電解質層内を拡散移動し、燃料極層との界面近傍に到達した酸化物イオンはこの部分で燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2等)を生じ、燃料極層に電子を放出する。電極反応で生じた電子は、別ルートの外部負荷にて電力として取り出すことができる。
ここで、上記した燃料電池スタックを使用する際、上記単セルを複数積層して構成される平板積層型の燃料電池スタックは、積層方向の温度分布が積層方向の中央部で極端に高くなることが知られている、これは、燃料電池スタックが積層構造であるため中央部の熱放射性が悪く、発電時のジュール熱を単セル外に発散し難くなっていることに起因している。
一方、上記燃料電池スタックは、積層方向の温度分布が積層方向の両端部付近で極端に低下することが知られている。これは、スタックの境界部分である両端部は、中央部に比べて発電セルの発電反応で生じたジュール熱が単セル外に発散し易いことに起因している。
そして、単セルの温度が低下すると、発電セルの電気抵抗が上昇し、電気伝導性が低下するために、燃料極層の活性化過電圧が上昇する。そして、燃料極層の活性化過電圧が上昇すると、燃料極層において水素が水素イオンと成る際に活性化エネルギーが必要となり、この活性化エネルギーの損失により、単セルのセル電圧が低下してしまう。
このように、単セルを直列に複数積層することにより構成される燃料電池スタックは、単セルの積層方向の中央部から両端部に向けて温度が低下して温度分布が生じると、燃料電池全体の発電性能が両端部のセル電圧の低下により制限され、効率的な発電が行えなくなる。
このため、上記の不具合を防止すべく、燃料電池スタックの積層方向の温度分布が殆どなく、上記積層方向の温度分布が均一となる燃料電池スタックが望まれている。
この燃料電池スタック積層方向の作動温度を均一化する方法として、下記特許文献1に示すように、燃料電池スタック積層方向の高温となる中央部に、ジュール熱を放出する放熱体をもうけることにより、放熱体と隣接する単セルの温度を低下させるものが提案されている。
また、下記特許文献2に示すように、燃料電池スタックのセパレータの側面の熱輻射率を変えることにより作動温度を均一化する方法が提案されている。これは、上記セパレータの母材として金属を用い、且つ中央部の上記セパレータの側面を母材が露出した状態にして、高温時に母材の露出した側面に酸化皮膜を形成することにより、上記セパレータの側面の熱輻射率が高くなり、ジュール熱の放熱量が増加するために、単セルの温度を低下させることが可能となる。
さらに、これら下記特許文献1および特許文献2の発明においては、両端部のセパレータの全面に、銀めっきを施しているために、熱輻射率が低くなり、ジュール熱の放熱量が減少するので、両端部の温度の低下を防止することができる。これにより、単セルの温度低下によるセル電圧の低下を抑制することが可能となる。
このように、高温になりやすい中央部の温度を低下させて、両端部の温度の低下を防ぐことにより、燃料電池スタックの積層方向の温度差を減らして、温度を均一にすることが可能となり、燃料電池スタックの発電効率が向上する。
特開2006−222074号公報 特開2006−195325号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明にあっては、放熱体を燃料電池スタックの積層方向に配置するために、積層方向に長くなり、燃料電池スタックの体積が増加してしまうという問題点があった。
また、特許文献2に記載の発明にあっては、セパレータの側面の熱輻射率を高くして、熱の放熱量を増加させても、熱を放出する面積(放熱面積)が小さいために、中央部の熱を十分に放熱することが困難であった。加えて、燃料電池スタックのコンパクト化を実施する際、セパレータの積層方向の厚みを薄く形成するために、セパレータの側面の放熱面積がさらに小さくなり、熱の放熱量が減少してしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、燃料電池スタックの積層方向の温度差を減少させて、温度を均一化することにより、燃料電池スタックの発電効率の向上を図った固体酸化物形燃料電池を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、固体電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配置して成る円型状の発電セルと、当該発電セルの外形寸歩より大きな矩形状のセパレータとを交互に積層して燃料電池スタックを構成し、各発電セルに反応ガスを供給することにより発電反応が生ずる固体酸化物形燃料電池において、上記セパレータの母材として金属を用いるとともに、上記中央部の上記空気極層側に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記発電セルとの対向面であって、当該発電セルとの対向位置に、高温時において電気伝導性を有するとともに光沢のある金属から成る電気導電性層を形成し、かつ上記発電セルとの対向位置以外の当該発電セルとの非対向位置を上記母材が露出した状態にし、上記燃料電池スタックの積層方向の中央部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータにおける上記発電セルとの対向面の熱輻射率を、上記積層方向の両端部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面の熱輻射率より高くしたことを特徴とするものである。
また、請求項に記載の本発明は、上記両端部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面全体に、高温時に電気導電性を有するとともに光沢のある金属から成る電気導電性層を形成したことを特徴するものである。
そして、請求項に記載の本発明は、上記中央部の空気極側に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面であって、上記発電セルとの非対向位置に、フィン状の突起部を形成したことを特徴とするものである。
請求項1に記載の本発明によれば、燃料電池スタックの積層方向の中央部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータにおける発電セルとの対向面の熱輻射率を、上記積層方向の両端部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面の熱輻射率より高くしているために、上記中央部のセパレータのジュール熱の放熱量が増加するので、中央部の温度を従来よりも低下させることができる。これにより、中央部と両端部との温度差が減少し、燃料電池スタック積層方向の温度を均一にすることが可能となる。
このように、高温になりやすい中央部の温度を低下させて、両端部との温度差を減少させることにより、燃料電池スタックの積層方向の温度を均一にすることが可能となり、燃料電池全体の発電性能が両端部のセル電圧に制限されることが無くなるために、燃料電池スタックの発電効率の向上が可能となる。
また、上記セパレータの母材として金属を用い、且つ上記中央部の上記空気極層側に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記発電セルとの対向面であって、当該発電セルとの対向位置に、高温時において電気伝導性を有するとともに光沢のある金属から成る電気導電性層を形成しているために、高温時の際、上記対向面の上記対向位置に酸化皮膜が形成されることがないので、セパレータの電気抵抗が増加することがなくなる。
さらに上記発電セルとの対向位置以外の当該発電セルとの非対向位置を、上記母材が露出した状態にしているために、作動温度により上記非対向位置の母材である上記金属が酸化して黒色の酸化被膜を形成する。一般的に黒色は、熱放射を吸収するので熱輻射率が高くなるために、中央部のセパレータのジュール熱の放熱量が増加し、中央部の温度が低下する。これにより、中央部と両端部との温度差が減少し、燃料電池スタックの積層方向の温度を均一にすることが可能となる。
また、請求項に記載の本発明によれば、上記両端部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面全体に、高温時に電気導電性を有するとともに光沢のある金属からなる電気導電性層を形成しているために、光沢のある金属から成る電気導電性層が熱放射を反射する。これにより、熱輻射率が低くなるために、両端部のセパレータのジュール熱の放熱量が減少するので、両端部の温度の低下を防止することが可能となる。これにより、中央部と両端部との温度差が減少し、燃料電池スタックの積層方向の温度を一層均一にすることが可能となる。
そして、、請求項に記載の本発明によれば、上記中央部の空気極層側に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面であって、上記発電セルとの非対向位置に、フィン状の突起部を形成しているために、放熱面積を増加させて、より一層中央部の温度を低下させることが可能である。
本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第1実施形態を示す正面図及び単セルの拡大断面図である。 図1のA−A矢視図である。 本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第1実施形態の両端部に位置するセパレータの平面図である。 本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第1実施形態の中央部に位置するセパレータの平面図である。 本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第2実施形態の中央部に位置するセパレータの断面概略図である。 本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第3実施形態を示す正面図及び単セルの拡大断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この固体酸化物形燃料電池は、平板型のものであり、固体電解質層2の両面に燃料極層3と空気極層4を配した発電セル5と、燃料極層3の外側に配した燃料極集電体6と、空気極層4の外側に配した空気極集電体7と、各集電体6,7の外側に配したセパレータ8によって単セル19が構成されている。
この固体電解質層2は、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンガレート系などで構成されている。
一方、燃料極層3は、Ni、Co等の金属、あるいはNi−YSZ、Co−YSZ等のサーメットで構成され、空気極層4はLaMnO3、LaCoO3、または、これらのLaの一部をSr、Ca等に置換した固溶体(LSM、LSC、SSC等)で構成されている。
そして、燃料極集電体6は、Ni基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、空気極集電体7は、Ag基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成されている。これら集電体を構成する多孔質金属板は、集電機能、ガス透過機能、ガス拡散機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備えている。
また、セパレータ8は、ステンレスで構成されている。ここで、図4に示すように、中央部20に位置するセパレータ8の空気極層4側の発電セル5との対向面22は、発電セル5との対向位置23に、650℃程度の低温、中温作動において殆ど電気抵抗が増加せず、良好な導電性を維持する銀めっきが成膜されるとともに、発電セル5との非対向位置24がステンレスを露出した状態にされている。
一方、図3に示すように、両端部21のセパレータ8は、対向面22全体に銀めっきが成膜されている。
そして、セパレータ8は、発電セル5間が電気的に接続されると共に、その内部には、燃料ガスをセパレータ8の縁部から導入してセパレータ8の燃料極集電体6に対向する面のほぼ中央部に吐出する燃料ガス通路9と、酸化剤ガスをセパレータ8の縁部から導入してセパレータ8の空気極集電体7に対向する面のほぼ中央に吐出する酸化剤ガス通路10が形成されている。
さらに、図2に示すように、セパレータ8の一対角線上の角部には、板厚方向に貫通する一対のガス孔11,12が対向配置されており、一方のガス孔11は燃料ガス通路9に、他方のガス孔12は酸化剤ガス通路10に連通し、各々のガス孔から、これらのガス通路9,10を通して各発電セル5の各電極面3,4に燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されるようなっている。尚、上下に積層されるセパレータ8のガス孔11,12は、それぞれ絶縁リング13,14にて連結されている。
そして、単セル19は、絶縁リング13,14を介在して多数積層されるとともに、その上下端部にフランジ15を配して周縁部をボルト16にて締め付けられ、その締め付け荷重によって各構成要素が一体的に密着して構成されることにより燃料電池スタック1が形成されている。
さらに、各々の絶縁リング13,14がセパレータ8の各ガス孔11,12と機械的に密着・固定された状態で多数積層方向に連結されることにより、スタック内部を縦方向に延びる燃料ガス用のマニホールド17と酸化剤ガス用のマニホールド18が形成されている。
(第2実施形態)
次に、本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第2実施形態を、図5に基づいて説明する。中央部20に位置するセパレータ8の対向面22において、発電セル5との非対向位置24をステンレスが露出した状態にするのに加え、突起部25を形成している点が第1実施形態と異なっている。なお、図1〜図4に示した燃料電池スタック1の構成などの第1実施形態と同一の構成については、同一符号を用いることにより説明を省略する。
本実施形態では、中央部20に位置するセパレータ8の対向面22の発電セル5との対向位置23に銀めっきが成膜されているとともに、セパレータ8の対向面22の発電セル5との非対向位置24をステンレスが露出した状態にされている。
加えて、セパレータ8の対向面22の発電セル5との非対向位置24には、全体に図5に示すように、フィン状の突起部25が形成されている。
(第3実施形態)
次に、本発明に係わる固体酸化物形燃料電池の第3実施形態について図6に基づいて説明する。本実施形態は、ステンレスの露出およびフィン状の突起部25の形成に加えて、中央部20と両端部21の外形寸法がそれぞれ異なって形成されている点が第1実施形態および第2実施形態と異なっている。なお、図1〜図5に示した燃料スタック1の構成などの第1実施形態および第2実施形態と同一の構成については、同一符号を用いることにより説明を省略する。
本実施形態では、中央部20に位置するセパレータ8の対向面22の発電セル5との対向位置23に銀めっきが成膜されているとともに、セパレータ8の対向面22の発電セル5との非対向位置24をステンレスが露出した状態にされている。
そして、セパレータ8の対向面22の発電セル5との非対向位置24の全体には、フィン状の突起部25が形成されている。
さらに、図6に示すように、中央部20のセパレータ8が、円型状の発電セル5の外形寸法より大きな矩形に形成されている。また、両端部21のセパレータ8が、中央部20のセパレータ8の外形寸法より小さな矩形にされている。
以上の構成からなる固体酸化物形燃料電池は、作動時、各マニホールド17、18に、外部から供給される反応用ガスとしての燃料ガスと酸化剤ガスを供給する。すると、この各反応用ガスは、各セパレータ8のガス孔より各ガス通路9、10を介して燃料極集電体6側と空気極集電体7側に吐出して、これら集電体6、7の内部を拡散・移動する。さらに、この各反応ガスが各発電セル5の各電極3、4面に誘導されることにより、発電反応が生じる。
上述記載の第1実施形態の固体酸化物形燃料電池においては、中央部20に位置するセパレータ8の空気極層4側の発電セル5との対向面22の対向位置23に、銀めっきが成膜されているために、高温時の際、対向面22の対向位置23に酸化皮膜が形成されることがないので、セパレータ8の電気抵抗が増加することがなくなる。
そして、セパレータ8の対向面22の発電セル5との非対向位置24をステンレスが露出した状態にしているために、非対向位置24のステンレスが600℃以上になることにより黒色の酸化皮膜を形成する。一般的に黒色は、熱放射を吸収するために、熱輻射率が0.4〜0.5、最大で0.9と非常に高く、中央部20のセパレータのジュール熱の放熱量が増加するので、中央部20の温度が低下する。これにより、中央部と両端部との温度差が減少し、燃料電池スタックの積層方向の温度を均一にすることが可能となる。
また、両端部21のセパレータ8は、対向面22の全体に銀めっきが成膜されている。銀のように光沢のある金属は、熱を反射する。特に、銀は、熱放射の反射率が90%と高いために、熱輻射率が0.055と非常に低く、ジュール熱の放熱量が減少するので、温度が低下しやすい両端部21のセパレータ8の温度の低下を防止する。これにより、温度低下による電気抵抗の増加を防止するために、両端部21のセル電圧の低下を防止することが可能である。これにより、中央部と両端部との温度差が減少し、燃料電池スタックの
温度を均一にすることが可能となる。
このように、高温になり易い中央部20の温度を低下させて、両端部21の温度の低下を防ぐことにより、中央部と両端部との温度差が減少して、燃料電池スタック1の積層方向の温度を均一にすることが可能となり、燃料電池全体の発電性能が両端部20のセル電圧に制限されることが無くなるために、燃料電池スタック1の発電効率の向上が可能となる。
加えて、第2実施形態の固体酸化物形燃料電池においては、中央部20のセパレータ8の対向面22において、発電セル5との非対向位置24をステンレスが露出した状態にしているに加えて、非対向位置24全体にフィン状の突起部25を形成しているために、放熱面積が大きくなり、中央部20のセパレータ8の熱の放熱量が増加するので、より一層中央部20の温度を低下させることが可能となる。
さらに、第3実施形態の固体酸化物形燃料電池においては、中央部20のセパレータ8を発電セル5の外形寸法より大きな矩形に形成しているために、放熱面積が大きくなり、中央部20のセパレータ8の熱の放熱量が増加するので、中央部20の温度をより低下させることが可能となる。また、両端部21のセパレータ8を中央部20のセパレータ8より小さな矩形に形成しているために、放熱面積が小さくなり、両端部21ジュールの熱の放熱量が減少するので、より一層両端部21の温度の低下を防止することができる。
また、第1〜第3実施形態においては、セパレータ8の対向面22の熱輻射率を変えているために、セパレータ8の積層方向の厚さを薄く形成しても、セパレータ8の対向面22の放熱面積は変わることがないので、燃料電池スタック1のコンパクト化を実施する際にも対応可能である。
なお、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態に用いた中央部20のセパレータ8の対向面22の非対向位置24のステンレスの露出、フィン状の突起部25の形成、中央部20および両端部21のセパレータ8の外形寸法の変化と3つの構成の組み合わせを、燃料電池スタック1の積層方向の温度に応じて変えることにより、細かく燃料電池スタック1の温度を調整することができるために、燃料電池スタック1の温度をより均一とすることが可能となる。
また、本実施形態では、めっきを銀めっきとしたが、電気伝導性を有する白金、パラジウムなどの金属によるめっきを施しても対応可能である。
固体電解質層2の両面に燃料極層3と空気極層4を配した発電セル5と、燃料極層3の外側に配した燃料極集電体6と、空気極層4の外側に配した空気極集電体7と、各集電体6,7の外側に配したSUS430からなるセパレータ8とで構成した単セル19を、縦方向に積層した燃料電池スタック1を用いて発電試験を実施した。
ここで、燃料電池スタック1の積層方向の中央部20のセパレータ8の空気極層4側の発電セル5との対向面22において、発電セル5との対向位置23に銀めっきを成膜し、発電セル5との非対向位置24をSUS430が露出した状態にして、燃料電池スタック1中の最高温度と最低温度との差を測定した。
この際、上記実施形態の固体酸化物形燃料電池と比較するために、従来型の対向面22を含む全面に銀めっきを成膜した燃料電池スタック1と、特許文献2に記載の中央部20のセパレータ8の側面部分をSUS430が露出した状態にするとともに他のセパレータ8の対向面22を含む全面に銀めっきを成膜した燃料電池スタック1を用いて、運転条件を同条件にして燃料電池スタック1中の最高温度と最低温度との差を測定した。
その結果、従来型の燃料電池スタック1の最高温度と最低温度の差が120℃であり、特許文献2の燃料電池スタック1の最高温度と最低温度の差が75℃であり、かつ上記実施形態の燃料電池スタック1の最高温度と最低温度の差が40℃であった。
これらを比較すると、本実施形態の燃料電池スタック1と従来型の燃料電池スタック1を比較すると、最高温度と最低温度の差が80℃下がっており、温度分布の改善がなされたことが確認できた。
また、本実施形態の燃料電池スタック1と特許文献2の燃料電池スタック1を比較すると、最高温度と最低温度の差が35℃下がっており、より温度分布の改善がなされたことが確認できた。
以上のことから、燃料電池スタック1の積層方向の中央部20のセパレータ8の空気極層4側の発電セル5との対向面22において、発電セル5との対向位置23に銀めっきを成膜し、発電セル5との非対向位置24をSUS430が露出した状態にすることにより、燃料電池スタック1の温度差が減少して、温度を均一にすることが可能であることを実証できた。
1 燃料電池スタック
2 固体電解質層
3 燃料極層
4 空気極層
5 発電セル
8 セパレータ
20 中央部
21 両端部
22 対向面
23 対向位置
24 非対向位置
25 フィン状の突起部

Claims (3)

  1. 固体電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配置して成る円型状の発電セルと、当該発電セルの外形寸歩より大きな矩形状のセパレータとを交互に積層して燃料電池スタックを構成し、各発電セルに反応ガスを供給することにより発電反応が生ずる固体酸化物形燃料電池において、
    上記セパレータの母材として金属を用いるとともに、上記中央部の上記空気極層側に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記発電セルとの対向面であって、当該発電セルとの対向位置に、高温時において電気伝導性を有するとともに光沢のある金属から成る電気導電性層を形成し、かつ上記発電セルとの対向位置以外の当該発電セルとの非対向位置を上記母材が露出した状態にし、
    上記燃料電池スタックの積層方向の中央部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータにおける上記発電セルとの対向面の熱輻射率を、上記積層方向の両端部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面の熱輻射率より高くしたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 上記両端部に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面側全体に、高温時に電気導電性を有するとともに光沢のある金属から成る電気導電性層を形成したことを特徴する請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 上記中央部の空気極側に位置する少なくとも1層以上の上記セパレータの上記対向面側であって、上記発電セルとの非対向位置に、フィン状の突起部を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池。
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