JP5387744B1 - 光ネットワーク及びノード - Google Patents

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Abstract

【課題】 リング接続及びカスケード接続に容易に対応できる簡単かつ低消費電力のノードを提供する。
【解決手段】 波長λ1の光信号は、リング状伝送路を反時計回りに伝搬してきてノードに入力され、波長λ2の光信号は、リング状伝送路を時計回りに伝搬してきてノードに入力され、当該ノードはドロップ又は透過させる。当該ノードは、波長λ1の光信号を反時計回りに伝搬するようにアドし、波長λ2の光信号を時計回りに伝搬するようにアドする。このような経路操作を実行できるように、ノードは、FBG光符号器、FBG光復号器、波長と入力ポートとにより内部での経路が変換するルータ、サーキュレータ、光アイソレータなどの光受動部品で構成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は光ネットワーク及びノードに関し、例えば、広域加入者向け光アクセスネットワークに適用し得るものである。
今後、ネットワークの大容量化が促進されると、ユーザからの多種多様なサービス要求を受けるアクセスネットワークでは、トラフィック需要が時間及び空間的に偏在する。そこで、今後は、アクセスネットワークにおいても、高効率なネットワーク制御を行うための新たなネットワークアーキテクチャが必要である。最適な通信容量の提供を可能とするネットワークアーキテクチャとして、現在、アクセスネットワークとメトロネットワークを統合したシステムが検討されている。非特許文献1に示されているのは、メトロネットワークで使用されているROADM(Reconfiguration Optical Add/Drop Multiplexer;再構築可能なアッド/ドロップマルチプレクサ)であるが、小規模にすればフレキシブルなリング状のアクセスネットワークが構成可能である。非特許文献2に示されているのは、ROADMと、WDM(Wavelength Division Multiplexing;波長分割多重方式)フィルタを用いたメトロアクセスを統合した例である。
特開2010−171684号公報
http://www.nec.co.jp/spectralwave/dw4200/" Thomas Pfeiffer,"Converged Heterogeneous Optical Metro−Access Networks",ECOC2010,Tu5.B.1
しかし、現在のネットワークはメトロネットワークの箇所にアクティブ装置(ROADM)が取り付けられているため、消費電力が大きいといった課題がある。消費電力の低減を行うためには、パッシブルーティングによる制御が必要である。パッシブルーティングの方法として光波長多重や光符号多重技術をハイブリッドで用いる方法がある。しかし、光受動品としてFBG(Fiber Bragg Grating;ファイバブラッグ回折格子)タイプの光符号復号器を用いた場合、特許文献1に示されるように、反射信号にのみ光符号信号や光復号信号が出力されるため、リング接続やカスケード接続においてアドドロップ(Add/Drop)を実現するためには、光受動品を複雑な構成にする必要があった。一方、簡易な構成の光受動品の多くは、パッシブルーティングに対応できず、ノード間に障害が発生したときに、通信を復旧することができない。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、リング接続及びカスケード接続に容易に対応できる簡単かつ低消費電力のノードや、そのようなノードを有する、障害発生時に通信復旧を容易に行うことができる光ネットワークを提供しようとしたものである。
第1の本発明は、自己が収容している第1の通信装置と、リング状伝送路を終端している集中局に設けられている第2の通信装置との光通信に介在し、上記リング状伝送路への上り光信号のアド、上記リング状伝送路からの下り光信号のドロップ、到来した光信号の通過のいずれかを行う、上記リング状伝送路に複数配設された中の一つのノードにおいて、(1)上記リング状伝送路を反時計回りに伝搬する第1の波長を有する光信号が入力される第1の入出力ポートと、(2)上記リング状伝送路を時計回りに伝搬する第2の波長を有する光信号が入力される第2の入出力ポートと、(3)自己が収容している第1の通信装置側との間で光信号を授受する第3の入出力ポートと、(4)当該ノードに割り当てられた第1の符号で符号化された第1の波長を有する光信号を復号する第1のFBG光復号器と、当該ノードに割り当てられた第2の符号で符号化された第2の波長を有する光信号を復号する第2のFBG光復号器とを縦続接続した復号器群と、(5)第1の波長を有する光信号を上記第1の符号で符号化する第1のFBG光符号器と、第2の波長を有する光信号を上記第2の符号で符号化する第2のFBG光符号器とを縦続接続した符号器群と、(6)上記復号器群から上記符号器群への光信号の進行を許容し、逆方向の光信号の進行を阻止する光アイソレータと、(7)PL1ポート、PR1ポート、PL2ポート及びPR2ポートを有し、PL1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PL2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PR1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力し、PR2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力するものであって、PL2ポートが上記第1の入出力ポートに接続されている第1のルータと、(8)PL1ポート、PR1ポート、PL2ポート及びPR2ポートを有し、PL1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PL2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PR1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力し、PR2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力するものであって、PR2ポートが上記第2の入出力ポートに接続され、PR1ポートが第1のルータのPR1ポートに接続され、PL1ポートが第1のルータのPL1ポートに接続されている第2のルータと、(9)それぞれ複数のポートを有する第1〜第3のサーキュレータとを備え、(10)上記第1のサーキュレータは、上記第1のルータのPR2ポートから入力された光信号を上記復号器群に与え、上記復号器群から入力された光信号を上記第3のサーキュレータに与え、(11)上記第2のサーキュレータは、上記第3のサーキュレータから入力された光信号を上記符号器群に与え、上記符号器群から入力された光信号を上記第2のルータのPL2ポートに与え、(12)上記第3のサーキュレータは、上記第1のサーキュレータから入力された光信号を上記第3の入出力ポートに与え、上記第3の入出力ポートから入力された光信号を上記第2のサーキュレータに与えることを特徴とする。
第2の本発明の光ネットワークは、集中局が終端するリング状伝送路に、第1の本発明のノードを複数配設したことを特徴とする。
本発明によれば、リング接続及びカスケード接続に容易に対応できる簡単かつ低消費電力のノードを提供できる。また本発明によれば、そのようなノードを適用し、障害発生時に通信復旧を容易に行うことができる光ネットワークを提供できる。
実施形態の光ネットワークの全体構成を示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるリング接続の説明図である。 実施形態の光ネットワークにおけるカスケード接続の説明図である。 実施形態の光ネットワークにおけるOHFノードの詳細構成を示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるOHFノード内のルータのルーティングの説明図である。 実施形態の光ネットワークにおける集中局の詳細構成を示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるルート制御部内のエンコーダの内部構成を示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるルート制御部内のデコーダの内部構成を示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるONUと対をなしている信号変換器の詳細構成を示すブロック図である。 実施形態の光ネットワーク全体の平常時の通信動作を示す説明図である。 実施形態の光ネットワークにおけるOHFノードの動作パターンを整理して示す説明図である。 図11の第1の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第2の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第3の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第4の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第5の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第6の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第7の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 図11の第8の動作パターンにおけるOHFノード内の光信号の流れを示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおける集中局内の光信号の流れを示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるルート制御部のエンコーダ内の光信号の流れを示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるルート制御部のデコーダ内の光信号の流れを示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおけるONUと対をなしている信号変換器内の光信号の流れを示すブロック図である。 実施形態の光ネットワークにおける隣接OHFノード間の障害発生時の通信復旧動作の説明図である。 実施形態の光ネットワークにおけるルート制御部内のλ1パルス発生器の故障時の通信復旧動作の説明図である。 変形実施形態の光ネットワークの説明図である。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による光ネットワーク及びノードの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)光ネットワークの全体構成
図1は、実施形態の光ネットワーク1の全体構成を示すブロック図である。
図1において、実施形態の光ネットワーク1は、メトロネットワーク2と、複数(図1ではN個)のアクセスネットワーク3−1〜3−Nを統合しているネットワークである。
メトロネットワーク2は、集中局4のルート制御部6と、アクセスネットワーク3−1〜3−Nの数と同数の光ハイブリッドフィルタ(Optical Hybrid Filter;以下、OHFと呼ぶ)ノード7−1〜7−Nとを、光ファイバを介してリング状に接続したリング状ネットワークになっている。
集中局4は、アクセスネットワーク3−1〜3−Nの数と同数のOLT(Optical Line Terminal;光加入者線局側装置)5−1〜5−Nと上述したルート制御部6を有する。OLT5−1〜5−Nは、ルート制御部6を介してメトロネットワーク2に接続されている。ルート制御部6は、OLT5−1〜5−Nを、OLT5−1〜5−Nに対応するアクセスネットワーク3−1〜3−N(の配下の後述するONU(Optical Network Unit;光加入者線加入者側装置))に接続するかを制御するものである。ここで、OLT5−n(nは1〜N)は、アクセスネットワーク3−nに対応している。
OHFノード7−nは、メトロネットワーク2とアクセスネットワーク3−nの双方の構成要素となっており、メトロネットワーク2を巡回している光信号をアクセスネットワーク3−nにドロップ(Drop)したり、アクセスネットワーク3−nからの光信号をメトロネットワーク2にアド(Add)したりするものである。
アクセスネットワーク3−nは、OHFノード7−nに加え、光カプラ8−nと、複数(図1ではM個)のONU9−n1〜9−nMと、各ONUに対応した信号変換器10−n1〜10−nMとを有する。なお、アクセスネットワーク3−1〜3−Nによって、ONUの数が異なっていても良い(すなわち、Mがアクセスネットワーク3−1〜3−Nによって異なる値でも良い;以下では、最多ONU数のアクセスネットワークでのONU数をMで表す)。OHFノード7−nとM個のONU9−n1〜9−nMとは、光カプラ8−nを介して1対M通信構成となっており、ONU9−n1〜9−nMの光カプラ8−n側に対応する信号変換器10−n1〜10−nMが設けられている。信号変換器10−n1〜10−nMは、後述するように、NRZ(Non−Return to Zero)光信号及びRZ(Return to Zero)光信号間の変換を行うものである。OHFノード7−nと光カプラ8−nとの間、並びに、信号変換器10−n1〜10−nと光カプラ8−nとの間は、それぞれ、光ファイバによって接続されている(以下、アクセスネットワークでの光ファイバをフィーダ線と呼ぶことがある。
なお、OLT5(5−1〜5−N)とONU9(9−11〜9−NM)との間には光カプラ以外の構成要素が介在しているが、実施形態の光ネットワーク1は、機能的には、恰もPON(Passive Optical Network)システムと同様な通信が可能となっている。
(A−1−2)リング接続及びカスケード接続
実施形態の光ネットワーク1におけるメトロネットワーク2は、通信可能な接続形態として、リング接続とカスケード接続とを取り得る。以下、OHFノード7(7−1〜7−N)における光信号の進行方向の面から、リング接続とカスケード接続について説明する。
OHFノード7は入出力ポートとして3ポートP1〜P3を有する。以下では、OLT5からONU9への光信号を下り光信号と呼び、ONU9からOLT5への光信号を上り光信号と呼ぶこととする。集中局4から反時計回りに下り光信号が出るとしたとき、下り光信号が入力されるOHFノード7−nの入出力ポートをP1とし、入出力ポートP1の反対側の入出力ポートをP2とし、フィーダ線が接続される入出力ポートをP3とする。
リング接続とは、図2に示すように、OLT5からの下り光信号を入出力するOHFノード7の入出力ポート対とONU9からの上り光信号を入出力するOHFノード7の入出力ポート対とが、進行方向を問題としない場合でも異なる接続形態である。
リング接続においては、OHFノード7は、下り光信号をメトロネットワーク2からONU9側にドロップする(破線矢印AR1)、ONU9側からの上り光信号をメトロネットワーク2にアドする(破線矢印AR2)、到来した下り光信号若しくは上り光信号を透過する(破線矢印AR3)、のいずれかの処理を行う。ドロップ時には、ポートP1が入力ポート、ポートP3が出力ポートとなり、アド時には、ポートP3が入力ポート、ポートP2が出力ポートとなり、2つの処理で入出力ポート対が異なっている。なお、透過時には、ポートP1が入力ポート、ポートP2が出力ポートとなる。
実施形態の光ネットワーク1におけるリング状のメトロネットワーク2は、反時計回りの光信号の巡回にも時計回りの光信号の巡回にも応じられるものであるが、リング接続では、これらのうちの一方の巡回(図2は反時計回りの光信号の巡回の場合を示している)を採用しているものとする。
カスケード接続とは、図3で示すように、OLT5からの下り光信号を入出力するOHFノード7の入出力ポート対とONU9からの上り光信号を入出力するOHFノード7の入出力ポート対とが、進行方向を問題としない場合、同じになる接続形態である。
カスケード接続は、メトロネットワーク2がリング状でなくなった場合の接続形態である。カスケード接続においては、OHFノード7は、下り光信号をメトロネットワーク2からONU9側にドロップする(破線矢印AR4)、ONU9側からの上り光信号をメトロネットワーク2にアドする(破線矢印AR5)、到来した下り光信号を透過する(図3では破線矢印を省略)、到来した上り光信号を透過する(図3では破線矢印を省略)、のいずれかの処理を行う。なお、リング状でなくなったために、終端に位置することとなったOHFノード7は、ドロップ及びアドの2種類の処理を行う。ドロップ時には、ポートP1が入力ポート、ポートP3が出力ポートとなり、アド時には、ポートP3が入力ポート、ポートP1が出力ポートとなり、2つの処理で入出力ポート対が同じになっている。
(A−1−3)OHFノードの詳細構成
図4は、OHFノード7(7−1〜7−N)の詳細構成を示すブロック図である。全てのOHFノード7−1〜7−Nは、図4に示す同一の詳細構成を有している。
図4において、OHFノード7は、3個のサーキュレータ20〜22と、波長λ1用のFBG型光符号器23と、波長λ2用のFBG型光符号器24と、波長λ1用のFBG型光復号器25と、波長λ2用のFBG型光復号器26と、2つのルータ27、28と、光アイソレータ29とを有する。
ルータ27及び28はそれぞれ、4つの入出力ポートPL1、PL2、PR1、PR2を有し、図5に示すようなルーティングを行う。ルータ27及び28は、例えば、1の光合分波器、又は、複数の光合分波器の組合せなどによって構成されており、能動部品を含んでいない。
波長λ1の光信号がポートPL1に入力されたときにはポートPR1から出力され、波長λ1の光信号がポートPR1に入力されたときにはポートPL1から出力される。また、波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたときにはポートPR2から出力され、波長λ1の光信号がポートPR2に入力されたときにはポートPL2から出力される。
一方、波長λ2の光信号がポートPL1に入力されたときにはポートPR2から出力され、波長λ2の光信号がポートPR1に入力されたときにはポートPL2から出力される。また、波長λ2の光信号がポートPL2に入力されたときにはポートPR1から出力され、波長λ2の光信号がポートPR2に入力されたときにはポートPL1から出力される。
ルータ27及び28の内部構成により、光信号が必ずしも内部を直進若しくはたすき掛け進行するわけではないが、イメージ的には、波長λ1の光信号はルータ27及び28内部を直進し、波長λ2の光信号はルータ27及び28内部をたすき掛け進行する。
サーキュレータ20〜22はそれぞれ、3つの入出力ポートを有している。図4に示すように、サーキュレータ20及び22は、入力ポートと出力ポートとの関係が時計回りのものであり、サーキュレータ21は、入力ポートと出力ポートとの関係が反時計回りのものである。
OHFノード7の上述した入出力ポートP1は、ルータ27のポートPL2に接続されている。OHFノード7の上述した入出力ポートP2は、ルータ28のポートPR2に接続されている。OHFノード7の上述した入出力ポートP3は、サーキュレータ21の入出力ポートに接続している。
サーキュレータ20及び22間には、サーキュレータ20側から、波長λ2用のFBG型光復号器26、波長λ1用のFBG型光復号器25、光アイソレータ29、波長λ1用のFBG型光符号器23及び波長λ2用のFBG型光符号器24が縦続接続されている。なお、波長λ2用のFBG型光復号器26及び波長λ1用のFBG型光復号器25の配置は逆であっても良く、また、波長λ1用のFBG型光符号器23及び波長λ2用のFBG型光符号器24の配置も逆であっても良い。
ルータ27のポートPR2は、サーキュレータ20の入出力ポートに接続されている。サーキュレータ20は、ルータ27(のポートPR2)からの光信号を波長λ2用のFBG型光復号器26に与え、波長λ2用のFBG型光復号器26からの光信号をサーキュレータ21に与え、サーキュレータ21からの光信号をルータ27(のポートPR2)に与えるものである。
ルータ28のポートPL2は、サーキュレータ22の入出力ポートに接続されている。サーキュレータ22は、ルータ28(のポートPL2)からの光信号をサーキュレータ20に与え、サーキュレータ21からの光信号を波長λ2用のFBG型光符号器24に与え、波長λ2用のFBG型光符号器24からの光信号をルータ28(のポートPL2)に与えるものである。
サーキュレータ21は、サーキュレータ20からの光信号を入出力ポートP3に与え、入出力ポートP3からの光信号をサーキュレータ22に与えるものである。
波長λ2用のFBG型光復号器26は、サーキュレータ20からの光信号が、波長がλ2であって当該OHFノード7に固有な符号で符号化されているときに、復号してサーキュレータ20側に戻すものであり、上記条件を満たさない光信号を透過させるものである。
波長λ1用のFBG型光復号器25は、波長λ2用のFBG型光復号器26からの光信号が、波長がλ1であって当該OHFノード7に固有な符号で符号化されているときに、復号して波長λ2用のFBG型光復号器26側に戻すものであり、上記条件を満たさない光信号を透過させるものである。
ここで、当該OHFノード7がOHFノード7−iであれば、波長λ2用のFBG型光復号器26は固有符号λ2codeiを用いて復号し、当該OHFノード7がOHFノード7−jであれば、波長λ2用のFBG型光復号器26は固有符号λ2codejを用いて復号する。同様に、当該OHFノード7がOHFノード7−iであれば、波長λ1用のFBG型光復号器25は固有符号λ1codeiを用いて復号し、当該OHFノード7がOHFノード7−jであれば、波長λ1用のFBG型光復号器26は固有符号λ1codejを用いて復号する。
光アイソレータ29は、波長λ1用のFBG型光復号器25側からの光信号を透過させるが、波長λ1用のFBG型光符号器23側からの光信号の透過を阻止するものである。
波長λ2用のFBG型光符号器24は、サーキュレータ22からの光信号が、波長λ2であるときに、符号化してサーキュレータ22側に戻すものであり、上記条件を満たさない光信号を透過させるものである。
波長λ1用のFBG型光符号器23は、波長λ2用のFBG型光符号器24からの光信号が、波長λ1であるときに、符号化して波長λ2用のFBG型光符号器24側に戻すものであり、上記条件を満たさない光信号を透過させるものである。なお、透過させても、光アイソレータ29によって破棄される。
ここで、当該OHFノード7がOHFノード7−iであれば、波長λ2用のFBG型光符号器24は固有符号λ2codeiを用いて符号化し、当該OHFノード7がOHFノード7−jであれば、波長λ2用のFBG型光符号器24は固有符号λ2codejを用いて符号化する。同様に、当該OHFノード7がOHFノード7−iであれば、波長λ1用のFBG型光符号器23は固有符号λ1codeiを用いて符号化し、当該OHFノード7がOHFノード7−jであれば、波長λ1用のFBG型光符号器23は固有符号λ1codejを用いて符号化する。
波長λ1用のFBG型光符号器23及びFBG型光復号器25が適用する固有符号は同一である。また、波長λ2用のFBG型光符号器24及びFBG型光復号器26が適用する固有符号も同一である。
上述した2つのルータ27及び28は、一部のポートが他方のルータのポートに直結されている。すなわち、ルータ27のポートPL1はルータ28のポートPL1に接続され、ルータ27のポートPR1はルータ28のポートPR1に接続されている。
後述する動作説明から明らかになるように、OHFノード7が、図4に示す構成を有することにより、光ネットワーク1の接続状態がリング接続、カスケード接続のいずれであっても対応することができる。
(A−1−4)集中局の詳細構成
図6は、集中局4の詳細構成、特に、ルート制御部6の詳細構成を示すブロック図である。
集中局4は、上述したように、アクセスネットワーク数に等しい数のOLT5−1〜5−Nと、ルート制御部6を有する。
ルート制御部6は、ネットワーク状態管理部30、λ1パルス発生器31、λ2パルス発生器32、N個の波長選択部(λsel部)33−1〜33−N、N個のNRZ/RZ変換部34−1〜34−N、N個のエンコーダ35−1〜35−N、波長合分波器36、2個のサーキュレータ37、38、光カプラ39、N個のデコーダ40−1〜40−N、N個のRZ/NRZ変換部41−1〜41−Nを有する。
ネットワーク状態管理部30は、OLT5−1〜5−Nからのメトロネットワーク2についての障害情報などを受信し、現在のメトロネットワーク2の状態を監視し、ONUとの通信に供しているOLT(1個とは限らない)と、そのONUとの通信を、リング接続で行うかカスケード接続で行うかを決定するものである。ネットワーク状態管理部30は、通信に供しているOLT及びONUの組が複数ある場合に、全ての組に同じ接続形態を適用するように決定する。決定方法については、後述する動作の説明で明らかにする。ネットワーク状態管理部30は、決定した内容に応じて、波長選択部33−1〜33−Nに対して、波長選択制御信号を送信したり、OLT5−1〜5−Nから、配下のONUに対応する信号変換器で選択する光パルスの波長を指示する制御信号を送出させたりする。
NRZ/RZ変換部34−nは、対応するOLT5−n(の送信部(Tx))からのNRZ光信号を、対応する波長選択部33−nで選択された波長を有するRZ光信号に変換するものである。ここで、対応するOLT5−nからのNRZ光信号の波長は問われないものである。NRZ/RZ変換部34−nは、全光学処理のものであっても良く、電気信号での処理を利用するものであっても良い。例えば、対応するOLT5−nからのNRZ光信号を電気信号に変換し、電気信号の段階でRZ信号に変換し、電気的なRZ信号を光信号に変換する際に、対応する波長選択部33−nで選択された波長を有するようにしても良い。
この実施形態の場合、OLT5−1〜5−Nからの光信号がNRZ信号であったが、OLT5−1〜5−Nからの光信号がRZ信号であっても良く、RZ信号である場合には、NRZ/RZ変換部に代えて、信号形式を変換せずに波長だけを変換する波長変換部を適用することとなる。
λ1パルス発生器31及びλ2パルス発生器32はそれぞれ、波長λ1、λ2を有する短パルス(以下、λ1パルス、λ2パルスと呼ぶ)を発生するものである。
波長選択部(λsel部)33−nは、ネットワーク状態管理部30からの波長選択制御信号に応じて、λ1パルス又はλ2パルスを選択して対応するNRZ/RZ変換部34−nに与えるものである。
エンコーダ35−nは、対応するNRZ/RZ変換部34−nから与えられたRZ光信号を符号化するものである。エンコーダ35−1〜35−Nは同様な構成を有し、適用する符号だけが異なっている。
図7は、代表して、エンコーダ35−1の内部構成を示すブロック図である。エンコーダ35−1は、サーキュレータ50、波長λ2用のFBG型光符号器51及び波長λ1用のFBG型光符号器52を有する。波長λ2用のFBG型光符号器51及び波長λ1用のFBG型光符号器52の配置は、図7の逆であっても良い。
サーキュレータ50は、NRZ/RZ変換部34−nからの光信号を波長λ2用のFBG型光符号器51に与え、波長λ2用のFBG型光符号器51側からの符号化された光信号を波長合分波器36(図6参照)に与えるものである。波長λ2用のFBG型光符号器51は、サーキュレータ50からの光信号の波長がλ1のときに透過し、波長λ2のときに、OHFノード7−1について定まっている符号λ2code1を用いて符号化してサーキュレータ50に戻すものである。波長λ1用のFBG型光符号器52は、波長λ2用のFBG型光符号器51を透過してきた波長λ1の光信号に対し、OHFノード7−1について定まっている符号λ1code1を用いて符号化してサーキュレータ50側に戻すものである。波長λ2用のFBG型光符号器51及び波長λ1用のFBG型光符号器52は、OHFノード7−1における波長λ2用のFBG型光復号器(図4の符号26参照)及び波長λ1用のFBG型光復号器(図4の符号25参照)に対応するものである。
図6に戻り、波長合分波器36は、エンコーダ35−1〜35−Nからの波長λ1の光信号をサーキュレータ37に与え、エンコーダ35−1〜35−Nからの波長λ2の光信号をサーキュレータ38に与えるものである。
サーキュレータ37及び38は、メトロネットワーク2のリング状伝送路を終端する位置に設けられている。サーキュレータ37は、波長合分波器36からの波長λ1の光信号をメトロネットワーク2へ反時計回りに巡回するように導入し、メトロネットワーク2からの時計回りに巡回してきたような光信号(この光信号の波長はλ2)を光カプラ39に与えるものである。サーキュレータ38は、波長合分波器36からの波長λ2の光信号をメトロネットワーク2へ時計回りに巡回するように導入し、メトロネットワーク2からの反時計回りに巡回してきたような光信号(この光信号の波長はλ1)を光カプラ39に与えるものである。
光カプラ39は、メトロネットワーク2側からのサーキュレータ37を介した波長λ2の光信号と、メトロネットワーク2側からのサーキュレータ38を介した波長λ1の光信号とを合波してデコーダ40−1に与えるものである。
N個のデコーダ40−1〜40−Nは、入力された光信号が自己に割当られた符号で符号化されている場合に復号して対応するRZ/NRZ変換部41−1〜41−Nに与え、入力された光信号が自己に割当られた符号で符号化されていない場合に入力された光信号を次の段のデコーダへ透過させるものである(但し、最終段のデコーダ40−Nは自己に割当られた符号で符号化されていない場合には入力された光信号を終端処理する)。デコーダ40−1〜40−Nは同様な構成を有し、適用する符号だけが異なっている。
図8は、代表して、デコーダ40−1の内部構成を示すブロック図である。デコーダ40−1は、サーキュレータ60、波長λ1用のFBG型光復号器61及び波長λ2用のFBG型光復号器62を有する。波長λ1用のFBG型光復号器61及び波長λ2用のFBG型光復号器62の配置は、図8の逆であっても良い。
サーキュレータ60は、光カプラ39からの光信号を波長λ1用のFBG型光復号器61に与え、波長λ1用のFBG型光復号器61側からの復号された光信号をRZ/NRZ変換部41−1(図6参照)に与えるものである。波長λ1用のFBG型光復号器61は、サーキュレータ60からの光信号の波長がλ2のときに透過し、波長λ1のときにおいて、OHFノード7−1について定まっている符号λ1code1で符号化されている場合には復号してサーキュレータ51に戻し、波長λ1を有していてもOHFノード7−1について定まっている符号λ1code1で符号化されていない場合には透過するものである。波長λ2用のFBG型光復号器62は、波長λ1用のFBG型光復号器61からの光信号の波長がλ2であって、OHFノード7−1について定まっている符号λ2code1で符号化されている場合には復号して波長λ1用のFBG型光復号器61側に戻し、それ以外の場合には透過するものである。波長λ1用のFBG型光復号器61及び波長λ2用のFBG型光復号器62は、OHFノード7−1における波長λ1用のFBG型光符号器(図4の符号23参照)及び波長λ2用のFBG型光符号器(図4の符号24参照)に対応するものである。
図6に戻り、RZ/NRZ変換部41−nは、対応するデコーダ40−nからの光信号(RZ光信号)をNRZ光信号に変換して対応するOLT5−nの受信部(Rx)に与えるものである。RZ/NRZ変換部41−nは、到来する光信号の波長がλ1であってもλ2であっても変換処理を実行できるものである。ここで、対応するOLT5−nへのNRZ光信号の波長は問われないものである。RZ/NRZ変換部41−nは、全光学処理のものであっても良く、電気信号での処理を利用するものであっても良い。例えば、入力されたRZ光信号を電気信号に変換し、電気信号の段階でNRZ信号に変換し、電気的なNRZ信号を光信号に変換する際に、対応するOLT5−nへの波長を有するようにしても良い。
この実施形態の場合、OLT5−1〜5−Nへの光信号がNRZ信号であったが、OLT5−1〜5−Nへの光信号がRZ信号であっても良く、RZ信号である場合には、RZ/NRZ変換部に代えて、信号形式を変換せずに波長だけを変換する波長変換部を適用することとなる。
(A−1−5)信号変換器の詳細構成
図9は、ONU9(9−11〜9−NM)と対をなしている信号変換器10(10−11〜10−NM)の詳細構成を示すブロック図である。なお、この実施形態の場合、ONU9と信号変換器10とで新たなONUを構成していると見ることもできる。
信号変換器10は、λ1パルス発生器70、λ2パルス発生器71、NRZ/RZ変換部72、サーキュレータ73及びRZ/NRZ変換部74を有する。
NRZ/RZ変換部72は、ONU9の(の送信部(Tx))からのNRZ光信号を、λ1パルス発生器70又はλ2パルス発生器71からの光パルスを適用してRZ光信号に変換するものである。
λ1パルス発生器70及びλ2パルス発生器71はそれぞれ、ONU9の送信部(Tx)からの信号(電気信号でなる)に基づいて、波長λ1、λ2を有する光パルスを発生するものである。ONU9は、ほぼ既存のONUの構成と同様なものであるが、さらに、送信波長の指示構成が追加されたものである。対応するOLTからの制御信号の中には、送信波長を指示するものがあり、ONU9は、そのような制御信号の受信時において、指示が波長λ1であればλ1パルス発生器70から光パルスを発生させ、指示が波長λ2であればλ2パルス発生器71から光パルスを発生させる。以上のように、λ1パルス発生器70又はλ2パルス発生器71が択一的に発生動作を行うため波長選択部は設けられていない。因みに、ルート制御部6からの信号は複数のアクセスネットワークへ与えられ、波長λ1の光信号を送信するアクセスネットワークもあれば波長λ2の光信号を送信するアクセスネットワークもあるため、波長λ1及びλ2を有する光パルスを同時に発生させ、送信先のアクセスネットワーク(従って、OHFノード)毎に、波長成分を選択させることとしている。
ONU9は、上り光信号の送信動作に関係なく、OLT5からの制御信号の受信時に、発生するλ1パルス発生器70又はλ2パルス発生器71を切り替えるようにしても良く、上り光信号の送信動作毎に、λ1パルス発生器70及びλ2パルス発生器71の一方に発生を指示するものであっても良い。
λ1パルス発生器70及びλ2パルス発生器71として、可変波長のパルス発生器を適用し、発生波長を切り替えるものであっても良い。
サーキュレータ73は、NRZ/RZ変換部72からのRZ光信号をメトロネットワーク2側に与え、メトロネットワーク2側から到来した光信号(RZ光信号)をRZ/NRZ変換部74に与えるものである。
RZ/NRZ変換部74は、メトロネットワーク2側から到来した光信号(RZ光信号)をNRZ光信号に変換して対応するONU9に与えるものである。RZ/NRZ変換部74は、到来する光信号の波長がλ1であってもλ2であっても変換処理を実行できるものである。
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態の光ネットワーク1の動作を説明する。
(A−2−1)光ネットワーク1全体の平常時の通信動作
まず、実施形態の光ネットワーク1全体の、障害が発生していない平常時の通信動作を、図10を参照しながら説明する。
平常時においては、集中局4は、宛先が、どのアクセスネットワーク3−1〜3−Nに所属するONUであっても、波長λ1の下り光信号を送出する。後述する集中局4の内部動作のように、波長λ1の下り光信号はメトロネットワーク2に対して反時計回りに巡回するように送り出される。
後述するOHFノード7の内部動作のように、OHFノード7−nは、自己に係るアクセスネットワーク3−nに所属するONU9−n1〜9−nMへの波長λ1の下り光信号はドロップし(図13参照)、他のアクセスネットワークに所属するONUへの波長λ1の下り光信号や、波長λ1の上り光信号は透過させる(図14、図15参照)。
集中局4内のOLT5−nは、平常時においては、制御信号によって、対応するアクセスネットワーク3−n配下のONU9−n1〜9−nMに対して、波長λ1で上り光信号を送出するように指示し、ONU9−n1〜9−nMは、対応する信号変換器10−n1〜10−nMに対して波長λ1のパルス発生を指示する。これにより、信号変換器10−n1〜10−nMからは波長λ1の上り信号が送出される。
後述するOHFノード7の内部動作のように、OHFノード7−nは、自己に係るアクセスネットワーク3−nからの波長λ1の上り光信号を、メトロネットワーク2内を反時計回りに巡回するようにアドする(図12参照)。
(A−2−2)OHFノードの動作
次に、OHFノード7−nの動作を8個のパターンについて説明する。
各動作パターンは、下り光信号の波長と上り光信号の波長を集中局4内で選定することで切り替えることができる。図11は、8個の動作パターンの相違を整理して示す説明図である。図11において、「入力光信号の波長」、「動作種類」、「通信方向」、「入力ポート」、「出力ポート」、「符号・復号」の面から、8個の動作パターンは区別することができる。
光信号の波長がλ1である第1〜第4の動作パターンは、平常時や、障害発生に伴う通信復旧時に係る動作パターンであるが、光信号の波長がλ2である第5〜第8の動作パターンは、障害発生に伴う通信復旧時に係る動作パターンであり、平常時において、第5〜第8の動作パターンの動作が実行されることはない。
(A−2−2−1)OHFノードの第1の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第1(図11の1番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図12を参照しながら説明する。
対応するアクセスネットワーク3−nからの波長λ1の上り光信号は、ポートP3に入力され、サーキュレータ21、22、波長λ2用FBG型光符号器24を経由して、波長λ1用FBG型光符号器23に入力される。入力された光信号の波長がλ1であるので、入力された光信号は、波長λ1用FBG型光符号器23において、当該波長λ1用FBG型光符号器23に割り当てられている符号λ1codenが適用されて反射されながら符号化される。符号化された上り光信号は、波長λ2用FBG型光符号器24、サーキュレータ22を経由して、ルータ28のポートPL2に入力される。波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ28はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がポートP2を介してメトロネットワーク2にアドされる。
(A−2−2−2)OHFノードの第2の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第2(図11の2番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図13を参照しながら説明する。
メトロネットワーク2内を反時計回りに巡回している波長λ1の下り光信号であって、OHFノード7−n配下のアクセスネットワーク3−n内のいずれかのONU9−n1〜9−nMを宛先とする下り光信号は、ポートP1に入力され、ルータ27のポートPL2に入力される。波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ27はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がサーキュレータ20、波長λ2用FBG型光復号器26を経由して、波長λ1用FBG型光復号器25に入力される。入力された光信号の波長がλ1であって、波長λ1用FBG型光復号器25に割り当てられている符号λ1codenで符号化されているので、入力された光信号は、波長λ1用FBG型光復号器25において、符号λ1codenが適用されて反射されながら復号される。復号された下り光信号は、波長λ2用FBG型光復号器26、サーキュレータ20、21を経由し、ポートP3からアクセスネットワーク3−nにドロップされる。
(A−2−2−3)OHFノードの第3の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第3(図11の3番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図14を参照しながら説明する。
反時計回りの巡回方向で手前側のOHFノードが既にメトロネットワーク2にアドした波長λ1の上り光信号が、当該OHFノード7−nに入力されることもある。このような上り光信号は、ポートP1に入力され、ルータ27のポートPL2に入力される。波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ27はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がサーキュレータ20、波長λ2用FBG型光復号器26を経由して、波長λ1用FBG型光復号器25に入力される。入力された光信号は、波長λ1用FBG型光復号器25に割り当てられている符号λ1codenで符号化されていないので、波長λ1用FBG型光復号器25を透過し、その後、光アイソレータ29、波長λ1用FBG型光符号器23、波長λ2用FBG型光符号器24、サーキュレータ22を経由して、ルータ28のポートPL2に入力される。波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ28はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がポートP2を介してメトロネットワーク2に送出される。
以上のように、第3の動作パターンでは、ポートP1に入力された上り光信号がそのままポートP2から出ていく。
(A−2−2−4)OHFノードの第4の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第4(図11の4番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図15を参照しながら説明する。
メトロネットワーク2内を反時計回りに巡回している波長λ1の下り光信号であって、OHFノード7−nより巡回方向で先に位置しているOHFノード配下のアクセスネットワーク内のいずれかのONUを宛先とする下り光信号も、ポートP1に入力され、ルータ27のポートPL2に入力される。波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ27はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がサーキュレータ20、波長λ2用FBG型光復号器26を経由して、波長λ1用FBG型光復号器25に入力される。入力された光信号は、波長λ1用FBG型光復号器25に割り当てられている符号λ1codenで符号化されていないので、波長λ1用FBG型光復号器25を透過し、その後、光アイソレータ29、波長λ1用FBG型光符号器23、波長λ2用FBG型光符号器24、サーキュレータ22を経由して、ルータ28のポートPL2に入力される。波長λ1の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ28はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がポートP2を介してメトロネットワーク2に送出される。
以上のように、第4の動作パターンでは、ポートP1に入力された下り光信号がそのままポートP2から出ていく。
第3の動作パターンと第4の動作パターンとは、入力された光信号が、当該OHFノード7−nより巡回方向で手前のOHFノードがアドした上り光信号であるか、当該OHFノード7−nより巡回方向で先のOHFノードがドロップすべき下り光信号であるかの相違はあるが、当該OHFノード7−nが入力された光信号をそのまま透過させる点は、同様である。
(A−2−2−5)OHFノードの第5の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第5(図11の5番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図16を参照しながら説明する。
対応するアクセスネットワーク3−nからの波長λ2の上り光信号は、ポートP3に入力され、サーキュレータ21、22を経由して、波長λ2用FBG型光符号器24に入力される。入力された光信号の波長がλ2であるので、入力された光信号は、波長λ2用FBG型光符号器24において、当該波長λ2用FBG型光符号器24に割り当てられている符号λ2codenが適用されて反射されながら符号化される。符号化された上り光信号は、サーキュレータ22を経由して、ルータ28のポートPL2に入力される。波長λ2の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ28はポートPR1からその光信号を出力し、これにより、ルータ27のポートPR1に入力される。波長λ2の光信号がポートPR1に入力されたので、ルータ27はポートPL2からその光信号を出力し、この光信号がポートP1を介してメトロネットワーク2にアドされる。
(A−2−2−6)OHFノードの第6の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第6(図11の6番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図17を参照しながら説明する。
メトロネットワーク2内を時計回りに巡回している波長λ2の下り光信号であって、OHFノード7−n配下のアクセスネットワーク3−n内のいずれかのONU9−n1〜9−nMを宛先とする下り光信号は、ポートP2に入力され、ルータ28のポートPR2に入力される。波長λ2の光信号がポートPR2に入力されたので、ルータ28はポートPL1Lからその光信号を出力し、これにより、ルータ27のポートPL1に入力される。波長λ2の光信号がポートPL1に入力されたので、ルータ27はポートPR2からその光信号を出力し、この光信号がサーキュレータ20を経由して、波長λ2用FBG型光復号器26に入力される。入力された光信号の波長がλ2であって、波長λ2用FBG型光復号器26に割り当てられている符号λ2codenで符号化されているので、入力された光信号は、波長λ2用FBG型光復号器26において、符号λ2codenが適用されて反射されながら復号される。復号された下り光信号は、サーキュレータ20、21を経由し、ポートP3からアクセスネットワーク3−nにドロップされる。
(A−2−2−7)OHFノードの第7の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第7(図11の7番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図18を参照しながら説明する。
時計回りの巡回方向で手前側のOHFノードが既にメトロネットワーク2にアドした波長λ2の上り光信号が、当該OHFノード7−nに入力されることもある。このような上り光信号は、ポートP2に入力され、ルータ28のポートPR2に入力される。波長λ2の光信号がポートPR2に入力されたので、ルータ28はポートP1Lからその光信号を出力し、これにより、ルータ27のポートPL1に入力される。波長λ2の光信号がポートPL1に入力されたので、ルータ27はポートPR2からその光信号を出力する。この光信号は、他のOHFノードで符号化された信号であるので、サーキュレータ20、波長λ2用FBG型光復号器26、波長λ1用FBG型光復号器25、光アイソレータ29、波長λ1用FBG型光符号器23、波長λ2用FBG型光符号器24、サーキュレータ22を経由して、ルータ28のポートPL2に入力される。波長λ2の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ28はポートPR1からその光信号を出力し、これにより、ルータ27のポートPR1に入力される。波長λ2の光信号がポートPR1に入力されたので、ルータ27はポートPL2からその光信号を出力し、この光信号がポートP1を介してメトロネットワーク2に送出される。
以上のように、第7の動作パターンでは、ポートP2に入力された上り光信号がそのままポートP1から出ていく。
(A−2−2−8)OHFノードの第8の動作パターン
次に、OHFノード7−nの第8(図11の8番目)の動作パターンにおける信号の流れを、図19を参照しながら説明する。
メトロネットワーク2内を時計回りに巡回している波長λ2の下り光信号であって、OHFノード7−nより巡回方向で先に位置しているOHFノード配下のアクセスネットワーク内のいずれかのONUを宛先とする下り光信号も、ポートP2に入力され、ルータ28のポートPR2に入力される。波長λ2の光信号がポートPR2に入力されたので、ルータ28はポートP1Lからその光信号を出力し、これにより、ルータ27のポートPL1に入力される。波長λ2の光信号がポートPL1に入力されたので、ルータ27はポートPR2からその光信号を出力する。この光信号は、先のOHFノードに向けた信号であるので、サーキュレータ20、波長λ2用FBG型光復号器26、波長λ1用FBG型光復号器25、光アイソレータ29、波長λ1用FBG型光符号器23、波長λ2用FBG型光符号器24、サーキュレータ22を経由して、ルータ28のポートPL2に入力される。波長λ2の光信号がポートPL2に入力されたので、ルータ28はポートPR1からその光信号を出力し、これにより、ルータ27のポートPR1に入力される。波長λ2の光信号がポートPR1に入力されたので、ルータ27はポートPL2からその光信号を出力し、この光信号がポートP1を介してメトロネットワーク2に送出される。
以上のように、第8の動作パターンでは、ポートP2に入力された下り光信号がそのままポートP1から出ていく。
第7の動作パターンと第8の動作パターンとは、入力された光信号が、当該OHFノード7−nより巡回方向で手前のOHFノードがアドした上り光信号であるか、当該OHFノード7−nより巡回方向で先のOHFノードがドロップすべき下り光信号であるかの相違はあるが、当該OHFノード7−nが入力された光信号をそのまま透過させる点は、同様である。
(A−2−3)集中局の動作
次に、集中局4の動作を、図20を参照しながら説明する。図20は、主として、OLT5−1が通信する際のルート制御部6内の光信号の流れを示している。以下では、OLT5−1が通信するとして、集中局4の動作を説明するが、他のOLTが通信する場合でも同様な動作が実行される。
(A−2−3−1)集中局における下り方向の処理
ネットワーク状態管理部30が、現在のネットワーク状態がメトロネットワーク2などに障害が発生していない状態であると判断しているときに、OLT5−1が下り光信号の送信要求があると、ネットワーク状態管理部30は、波長選択部33−1に対して波長λ1を指示する波長選択制御信号を与える。波長選択部33−1は、これに応じて、λ1パルス発生器31が発生した波長λ1の光パルスをNRZ/RZ変換部34−1に与える。
NRZ/RZ変換部34−1は、対応するOLT5−1(の送信部(Tx))からのNRZ光信号(下り光信号)を、対応する波長選択部33−1で選択された波長λ1を有するRZ光信号に変換してエンコーダ35−1に与え、エンコーダ35−1は、入力された光信号を自己に割り当てられている波長λ1に係る符号λ1code1を用いて符号化する。符号化された波長λ1の光信号は波長合分波器36に与えられ、その波長λ1用のポートから出力され、サーキュレータ37を介して、メトロネットワーク2に対して反時計回り方向に導入される。
エンコーダ35−1において、波長λ1の光信号が入力ポートに到来したときには(なお、波長λ2の光信号が入力ポートに到来したときの動作は図21に図示されているので、参照になる)、サーキュレータ50、波長λ2用FBG型光符号器51を経由して、波長λ1用FBG型光符号器52に与えられ、波長λ1用FBG型光符号器52において、波長λ1用FBG型光符号器52に割り当てられている符号λ1code1が適用されて反射されながら符号化される。符号化された波長λ1の光信号は、波長λ2用FBG型光符号器51、サーキュレータ50を経由して、出力ポートから送出される。
一方、ネットワーク状態管理部30が、OLT5−1からの下り光信号の送信要求があったときに、現在のネットワーク状態が平常ではなく、メトロネットワーク2を時計回りに巡回するようにOLT5−1からの下り光信号を送出すべきと判断した場合には、ネットワーク状態管理部30は、波長選択部33−1に対して波長λ2を指示する波長選択制御信号を与える。波長選択部33−1は、これに応じて、λ2パルス発生器32が発生した波長λ2の光パルスをNRZ/RZ変換部34−1に与える。
NRZ/RZ変換部34−1は、対応するOLT5−1(の送信部(Tx))からのNRZ光信号(下り光信号)を、対応する波長選択部33−1で選択された波長λ2を有するRZ光信号に変換してエンコーダ35−1に与え、エンコーダ35−1は、入力された光信号を自己に割り当てられている波長λ2に係る符号λ2code1を用いて符号化する。符号化された波長λ2の光信号は波長合分波器36に与えられ、その波長λ2用のポートから出力され、サーキュレータ37を介して、メトロネットワーク2に対して時計回り方向に導入される。
エンコーダ35−1において、波長λ2の光信号が入力ポートに到来したときには、図21に示すように、サーキュレータ50を経由して、波長λ2用FBG型光符号器51に与えられ、波長λ2用FBG型光符号器51において、波長λ2用FBG型光符号器51に割り当てられている符号λ2code1が適用されて反射されながら符号化される。符号化された波長λ2の光信号は、サーキュレータ50を経由して、出力ポートから送出される。
(A−2−3−2)集中局における上り方向の処理
波長λ1の上り光信号は、メトロネットワーク2を反時計回りに巡回した光信号が入力されるポートに入力される。仮に、メトロネットワーク2に障害が発生し、リングネットワークになっていない場合でも、リングネットワークになっていたときと同様なポートに入力される。
OLT5−1宛の波長λ1の上り光信号は、メトロネットワーク2からサーキュレータ38に入力され、さらに、波長λ1の上り光信号と波長λ2の上り光信号とを合波する光カプラ39を経由して、デコーダ40−1に与えられる。デコーダ40−1は、入力された光信号を自己に割り当てられている波長λ1に係る符号λ1code1を用いて復号する。復号された波長λ1の光信号(RZ光信号)は、RZ/NRZ変換部41−1に与えられ、RZ/NRZ変換部41−1においてNRZ光信号に変換された後、OLT5−1(の受信部(Rx))に与えられる。
デコーダ40−1において、波長λ1の光信号が入力ポートに到来したときには(なお、波長λ2の光信号が入力ポートに到来したときの動作は図22に図示されているので、参照になる)、サーキュレータ60を経由して、波長λ1用FBG型光復号器61に与えられ、波長λ1用FBG型光復号器61において、波長λ1用FBG型光復号器61に割り当てられている符号λ1code1が適用されて反射されながら復号される。復号された波長λ1の光信号は、サーキュレータ60を経由して、出力ポートから送出される。
また、OLT5−1宛の波長λ2の上り光信号は、メトロネットワーク2からサーキュレータ38に入力され、さらに、波長λ1の上り光信号と波長λ2の上り光信号とを合波する光カプラ39を経由して、デコーダ40−1に与えられる。デコーダ40−1は、入力された光信号を自己に割り当てられている波長λ2に係る符号λ2code1を用いて復号する。復号された波長λ2の光信号(RZ光信号)は、RZ/NRZ変換部41−1に与えられ、RZ/NRZ変換部41−1においてNRZ光信号に変換された後、OLT5−1(の受信部(Rx))に与えられる。
デコーダ40−1において、波長λ2の光信号が入力ポートに到来したときには、図22に示すように、サーキュレータ60、波長λ1用FBG型光復号器61を経由して、波長λ2用FBG型光復号器62に与えられ、波長λ2用FBG型光復号器62において、波長λ2用FBG型光復号器62に割り当てられている符号λ2code1が適用されて反射されながら復号される。復号された波長λ2の光信号は、波長λ1用FBG型光復号器61、サーキュレータ60を経由して、出力ポートから送出される。
(A−2−4)ONU及び信号変換器の動作
次に、ONU9及び信号変換器10の対の動作を、図23を参照しながら説明する。
同一のアクセスネットワーク3の要素であるOHFノード7でドロップされた下り光信号(RZ光信号)は、信号変換器10のサーキュレータ73を介してRZ/NRZ変換部74に与えられ、RZ/NRZ変換部74においてNRZ光信号に変換された後、ONU9(の受信部(Rx))に与えられる。
ONU9(の送信部(Rx))は、対応するOLT5からの指示に応じて、λ1パルス発生器70又はλ2パルス発生器71の一方にパルス発生を指示しておく。
ONU9(の送信部(Rx))から送出された上り光信号(NRZ信号)は、NRZ/RZ変換部72に与えられ、NRZ/RZ変換部72において、λ1パルス発生器70又はλ2パルス発生器71からの光パルスが適用されてRZ光信号に変換され、変換後の上り光信号がサーキュレータ73を経由して、同一のアクセスネットワーク3の要素であるOHFノード7に向けて送出される。
(A−2−5)隣接OHFノード間の障害発生時の通信復旧動作
次に、隣接するOHFノード(この項の説明ではOHFノード7−i及び7−(i+1)とする)の間で障害が発生した場合の通信復旧動作を、図24を参照しながら説明する。
上述したように、平常時においては、OLT5からONU9への下り光信号も、ONU9からOLT5への上り光信号も、メトロネットワーク2を反時計回りに巡回するように転送されていく。
このような平常状態から、OHFノード7−i及び7−(i+1)の間で障害が発生した状態に変化すると、OHFノード7−1〜7−iに接続されているONUからの上り光信号は、OLT5−1〜5−iに到達することができず、OHFノード7−(i+1)〜7−Nに接続されているONUへの下り光信号はONUに到達することができない。
ネットワーク状態管理部30は、各OLT5−1〜5−Nからのネットワーク状態情報を収集することにより、いずれかの隣接OHFノード間に障害が発生したことを認識する。各OLT5−1〜5−Nは、下り光信号に応じて送信された上り光信号が到達するか否かをモニタし、到達しないときにはそのことをネットワーク状態管理部30に通知する。ONUが故障しても上り光信号が到達しないことはあるが、この場合は、1つのOLTだけが不達を通知するので、ネットワーク状態管理部30は、隣接OHFノード間の障害発生と区別することができる。
以下、通信復旧動作を具体的に説明する。ネットワーク状態管理部30は、全てのOLT5−1〜5−Nに対して、OLTからの下り信号に、配下のONUの上り光信号の波長をλ2に切り替える命令信号を含ませるようにさせる。このときも、全ての波長選択部33−1〜33−Nが、波長λ1の光パルスを選択する状態を維持させる。すなわち、波長λ2へ切り替える命令を含む、全てのOLT5−1〜5−Nからの下り光信号は、メトロネットワーク2を反時計回りに巡回するように送出される。
しかし、この下り光信号が到達するONUは、OHFノード7−1〜7−i配下のONUだけであり、これらONUは、対をなしている信号変換器に対して波長λ2の光パルスに切り替える。その結果、OHFノード7−1〜7−i配下のONUからの上り光信号は、メトロネットワーク2を時計回りに巡回して対応するOLT5−1〜5−iに到達する。
この時点では、OHFノード7−1〜7−i配下のONUは、下り光信号を受信でき、自己からの上り光信号が対応するOLT5−1〜5−iに到達するので、通信が復旧したということになる。
ネットワーク状態管理部30は、上り光信号を受信できたOLT5−1〜5−iなどに基づいて、OHFノード7−i及び7−(i+1)の間に障害が発生したと認識する。
そこで、通信が復旧していないOHFノード7−(i+1)〜7−N配下のONUについては、ネットワーク状態管理部30は、波長λ2の下り光信号を、メトロネットワーク2に対して、時計回りに巡回するように導入する。このときの波長λ2の下り光信号には、上り送信波長をλ1に切り替える命令信号を含ませる。上述したように、直前の下り光信号には、上り送信波長をλ2に切り替える命令信号が含まれているが、今回の下り光信号の送信先のONUは、上り送信波長をλ2に切り替える命令信号を受信できておらず、上り送信波長はλ1のままとなっている。そのため、今回の下り光信号が、上り送信波長をλ1に切り替える命令信号が含まれていても、その受信時には送信波長λ1が維持される。
OHFノード7−(i+1)〜7−N配下のONUからの上り光信号の波長は、上記命令信号に基づいて波長λ1となり、メトロネットワーク2に対して、反時計回りになるようにアドされる。
この時点で、OHFノード7−(i+1)〜7−N配下のONUは、下り光信号を受信でき、自己からの上り光信号が対応するOLT5−(i+1)〜5−Nに到達するので、通信が復旧したということになる。
以上のように、隣接するOHFノード7−i及び7−(i+1)の間で障害が発生した場合には、OHFノード7−1〜7−Nの接続形態を、リング接続からカスケード接続に切り替えるように、下り光信号及び上り光信号の波長を選定することにより、全てのOHFノード7−1〜7−N配下のONUが通信できる状態に復旧させることができる。
上記で、任意の整数であるパラメータ「i」を用いて説明したように、障害発生箇所が、メトロネットワーク(リングネットワーク)2のどの箇所であっても、通信を復旧させることができる。
ここで、上り送信波長を切り替える命令信号を含む下り光信号は、その下り光信号をドロップするOHFノード7−n配下の全てのONUを宛先とするものであっても良く、OHFノード7−n配下のONU毎の下り光信号で、上り送信波長を切り替える命令信号を与えるようにしても良い。
(A−2−6)ルート制御部のλ1パルス発生器の故障時の通信復旧動作
次に、ルート制御部6のλ1パルス発生器31に故障が生じたときの通信復旧動作を、図25を参照しながら説明する。
上述したように、平常時においては、OLT5からONU9への下り光信号が、メトロネットワーク2を反時計回りに巡回するように転送されていく。このようにすべく、ルート制御部6内の全ての波長選択部33−1〜33−Nが、λ1パルス発生器31が発生した波長λ1の光パルスを選択する。しかし、λ1パルス発生器31に故障が生じたときには、下り光信号の波長をλ1にすることができず、メトロネットワーク2に正常な下り光信号を送出することができない。
そこで、ネットワーク状態管理部30は、全ての波長選択部33−1〜33−Nが、λ2パルス発生器32が発生した波長λ2の光パルスを選択するように切り替えて、正常な波長がλ2の下り光信号を、時計回りに巡回するようにメトロネットワーク2に導入させる。
また、ネットワーク状態管理部30は、OLT5−1〜5−Nに対し、下り信号に、上り送信波長をλ2に切り替える命令信号を盛り込むことを指示する。これにより、ONU側からの上り光信号の波長もλ2に切り替わり、波長がλ2の上り光信号を、時計回りに巡回するようにメトロネットワーク2にアドされ、集中局4に到達する。
すなわち、ネットワーク状態管理部30の制御を通じて、時計回りのリングネットワーク構成に切り替わり、全ての通信が復旧する。
なお、図6では省略しているが、例えば、λ1パルス発生器31からの光パルスをモニタするモニタ部を設け、そのモニタ出力をネットワーク状態管理部30に与えてネットワーク状態管理部30がλ1パルス発生器31の故障発生を検出する。
(A−3)実施形態の効果
実施形態のOHFノードは、リング接続及びカスケード接続に容易に対応できる簡単かつ低消費電力のノードである。
実施形態のOHFノードは、3ポート構成であり、そのうちの2ポートをメトロネットワーク2に接続させる構成であるので、メトロネットワーク2への増廃設が容易である。また、集中局4のルート制御部6内において、OLT単位に設けられる波長選択部33−n、NRZ/RZ変換部34−n、エンコーダ35−n、デコーダ40−n及びRZ/NRZ変換部41−nを全て搭載したユニットを準備しておくことで、増廃設を容易に行うことができる。
実施形態の光ネットワークは、そのような実施形態のOHFノードをリング状に接続したものであるので、ネットワーク全体としても、低消費電力を達成することができる。
また、リング接続及びカスケード接続に容易に対応できる実施形態のOHFノードを複数、リング状に接続して光ネットワークを構成し、各OHFノードをカスケード接続に適宜切り替えられるようにしたので、障害発生時に容易にルートを切り替えて通信を復旧させることができる。
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
上記実施形態では、平常時は、全てのOHFノード7−1〜7−Nがリング接続の動作を行うものを示したが、平常時に、全てのOHFノード7−1〜7−Nがカスケード接続の動作を行うものであっても良い。図26は、このような変形実施形態の光ネットワークの説明図である。
平常時、OHFノード7−1〜7−i配下のONUについて、下り光信号の波長にλ1を、上り光信号の波長にλ2を適用すると共に、OHFノード7−(i+1)〜7−N配下のONUについて、下り光信号の波長にλ2を、上り光信号の波長にλ1を適用する。言い換えると、OHFノード7−1〜7−i配下のONUとの通信のため、下り光信号はメトロネットワーク2を反時計回りに巡回し、上り光信号はメトロネットワーク2を時計回りに巡回し、他方、OHFノード7−(i+1)〜7−N配下のONUとの通信のため、下り光信号はメトロネットワーク2を時計回りに巡回し、上り光信号はメトロネットワーク2を反時計回りに巡回する。
以上のような変形実施形態によれば、メトロネットワーク2などの使用状況に応じて、上り光信号及び下り光信号の波長が異なっているメトロネットワーク2上の境界位置(OHFノード7−i及びOHFノード7−(i+1)の間)を、平常時においても変更することができる。例えば、波長λ1の下り光信号及び波長λ2の上り光信号を用いて通信を行っているONUが多く、一方、波長λ2の下り光信号及び波長λ1の上り光信号を用いて通信を行っているONUが少ないならば、境界位置を、反時計回りに進め、波長λ1の下り光信号及び波長λ2の上り光信号を用いて通信を行っているONUを減らし、一方、波長λ2の下り光信号及び波長λ1の上り光信号を用いて通信を行っているONUを増やして、帯域のバランスをとるようにしても良い。
上述した変形実施形態の光ネットワークにおいても、メトロネットワーク2に障害が発生した場合の通信復旧動作は、上記実施形態の場合と同様である。
上述した通信復旧動作は、全てのOHFノード7−1〜7−Nがカスケード接続の動作を行うように切り替えるものであったが、上述した変形実施形態は、平常時においても、全てのOHFノード7−1〜7−Nがカスケード接続の動作を行うので、実際に、切り替えを実行するOHFノード7−1〜7−Nの数を抑えることができる。このことは、障害が発生しても、障害発生に拘らず通信を継続できるONUが多くなっていることを意味する。
上記実施形態では、平常時において上り光信号と下り光信号の巡回方向が同じものを示したが、平常時において、上り光信号と下り光信号の巡回方向が逆であっても良い。例えば、上り光信号は反時計回りに伝搬し、下り光信号は時計回りに伝搬するものであっても良い。但し、隣り合うOHFノード間に障害が発生したときには、上記実施形態と同様に、最終的に図24に示す状態を形成させるようにする。
上記実施形態では、アクセスネットワーク3−n及びOLT5−nとが1対1であるものを示したが、通信に供するアクセスネットワーク3−n及びOLT5−nの対をダイナミックに切り替えられるものであっても良い。例えば、ルート制御部6と、OLT5−1〜5−Nの一群との間に、N×Nの光クロススイッチを設け、OLT5−1〜5−N側からの通信相手信号に応じ、ルート制御部6のネットワーク状態管理部30が光クロススイッチを切り替えるようにして、アクセスネットワーク及びOLTの対をダイナミックに切り替えられるようにしても良い。
上記実施形態では、平常時において、ONUへの下り光信号の波長(中心波長)が同じものを示したが、アクセスネットワーク3−1〜3−Nによって下り光信号の波長(中心波長)が異なっていても良い。但し、反時計回りの波長と時計回りの波長とが、弁別できるようになされていることを要する。例えば、アクセスネットワーク3−1〜3−Nへの反時計回りの下り光信号に係るN個の波長λ1−1〜λ1−Nのグループと、アクセスネットワーク3−1〜3−Nへの時計回りの下り光信号に係るN個の波長λ2−1〜λ2−Nのグループとの波長帯がオーバーラップしていないことが好ましい。
同様に、アクセスネットワーク3−1〜3−N(従って、ONU)によって、上り光信号の波長(中心波長)が異なっていても良い。ここで、アクセスネットワーク3−nへの反時計回りの下り光信号とアクセスネットワーク3−nからの反時計回りの上り光信号の波長λ1−iが等しく、アクセスネットワーク3−nへの時計回りの下り光信号とアクセスネットワーク3−nからの時計回りの上り光信号の波長λ2−iが等しいことが好ましい。
上記実施形態では、OHFノード7−1〜7−Nに収容されているものがアクセスネットワーク3−1〜3−Nであるものを示したが、OHFノード7−1〜7−Nの一部又は全てが、1個のONUだけ(アクセスネットワークになっていない)を収容するものであっても良い。
ネットワーク状態管理部30が隣接するOHFノード間の障害発生を認識する方法は、上記実施形態の方法に限定されるものではない。例えば、ネットワーク状態管理部30が、ONUから監視用の上り光信号を送出させるように制御し、障害有無を監視するようにしても良い。
隣り合うOHFノード間に障害が発生したときに、通信を復旧させる処理の流れは、上述した実施形態の流れに限定されない。要は、図24に示す状態に最終的にできる、通信を復旧させる処理の流れであれば良い。例えば、OHFノード7−1〜7−iのカスケード接続への変化より先に、OHFノード7−(i+1)〜7−Nのカスケード接続への変化を実行するものであっても良い。
上記実施形態では、通信に供する通信装置がOLT及びONUであるものを示したが、通信装置は、これに限定されるものではない。
1…光ネットワーク、2…メトロネットワーク、3−1〜3−N…アクセスネットワーク、4…集中局、5−1〜5−N…OLT、6…ルート制御部、7、7−1〜7−N…OHFノード、8−1〜8−N…光カプラ、9−11〜9−NL…ONU、10−11〜10−NL…信号変換器、
20〜22…サーキュレータ、23…波長λ1用FBG型光符号器、24…波長λ2用FBG型光符号器、25…波長λ1用FBG型光復号器、26…波長λ2用FBG型光復号器、27、28…ルータ、29…光アイソレータ、
30…ネットワーク状態管理部、31…λ1パルス発生器、32…λ2パルス発生器、33−1〜33−N…波長選択部、34−1〜34−N…NRZ/RZ変換部、35−1〜35−N…エンコーダ、36…波長合分波器、37、38…サーキュレータ、39…光カプラ、40−1〜40−N…デコーダ、41−1〜41−N…RZ/NRZ変換部、50…サーキュレータ、51…波長λ2用FBG型光符号器、52…波長λ1用FBG型光符号器、60…サーキュレータ、61…波長λ1用FBG型光復号器、62…波長λ2用FBG型光復号器、
70…λ1パルス発生器、71…λ2パルス発生器、72…NRZ/RZ変換部、73…サーキュレータ、74…RZ/NRZ変換部。

Claims (6)

  1. 自己が収容している第1の通信装置と、リング状伝送路を終端している集中局に設けられている第2の通信装置との光通信に介在し、上記リング状伝送路への上り光信号のアド、上記リング状伝送路からの下り光信号のドロップ、到来した光信号の通過のいずれかを行う、上記リング状伝送路に複数配設された中の一つのノードにおいて、
    上記リング状伝送路を反時計回りに伝搬する第1の波長を有する光信号が入力される第1の入出力ポートと、
    上記リング状伝送路を時計回りに伝搬する第2の波長を有する光信号が入力される第2の入出力ポートと、
    自己が収容している第1の通信装置側との間で光信号を授受する第3の入出力ポートと、
    当該ノードに割り当てられた第1の符号で符号化された第1の波長を有する光信号を復号する第1のFBG光復号器と、当該ノードに割り当てられた第2の符号で符号化された第2の波長を有する光信号を復号する第2のFBG光復号器とを縦続接続した復号器群と、
    第1の波長を有する光信号を上記第1の符号で符号化する第1のFBG光符号器と、第2の波長を有する光信号を上記第2の符号で符号化する第2のFBG光符号器とを縦続接続した符号器群と、
    上記復号器群から上記符号器群への光信号の進行を許容し、逆方向の光信号の進行を阻止する光アイソレータと、
    PL1ポート、PR1ポート、PL2ポート及びPR2ポートを有し、PL1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PL2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PR1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力し、PR2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力するものであって、PL2ポートが上記第1の入出力ポートに接続されている第1のルータと、
    PL1ポート、PR1ポート、PL2ポート及びPR2ポートを有し、PL1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PL2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPR1ポートに出力し、PL2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPR2ポートに出力し、PR1ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR1ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力し、PR2ポートに第1の波長を有する光信号が入力されたときPL1ポートに出力し、PR2ポートに第2の波長を有する光信号が入力されたときPL2ポートに出力するものであって、PR2ポートが上記第2の入出力ポートに接続され、PR1ポートが第1のルータのPR1ポートに接続され、PL1ポートが第1のルータのPL1ポートに接続されている第2のルータと、
    それぞれ複数のポートを有する第1〜第3のサーキュレータとを備え、
    上記第1のサーキュレータは、上記第1のルータのPR2ポートから入力された光信号を上記復号器群に与え、上記復号器群から入力された光信号を上記第3のサーキュレータに与え、
    上記第2のサーキュレータは、上記第3のサーキュレータから入力された光信号を上記符号器群に与え、上記符号器群から入力された光信号を上記第2のルータのPL2ポートに与え、
    上記第3のサーキュレータは、上記第1のサーキュレータから入力された光信号を上記第3の入出力ポートに与え、上記第3の入出力ポートから入力された光信号を上記第2のサーキュレータに与える
    ことを特徴とするノード。
  2. 集中局が終端するリング状伝送路に、請求項1に記載のノードを複数配設したことを特徴とする光ネットワーク。
  3. 上記集中局は、第1の通信装置及び第2の通信装置の通信に供する上り光信号及び下り光信号の波長を決定すると共に、下り光信号を利用して、上記第1の通信装置に対し、決定した波長を通知する通信波長決定部を有することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワーク。
  4. 上記通信波長決定部は、平常時の通信波長として、
    上記集中局から反時計回りに境界点に至る上記リング状伝送路の部分に介在されているノードに収容されている第1の通信装置について、上り光信号の波長を第1の波長に決定すると共に、下り光信号の波長を第2の波長に決定し、
    上記集中局から時計回りに境界点に至る上記リング状伝送路の部分に介在されているノードに収容されている第1の通信装置について、上り光信号の波長を第2の波長に決定すると共に、下り光信号の波長を第1の波長に決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ネットワーク。
  5. 上記通信波長決定部は、通信状況に応じて、上記境界点の位置を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の光ネットワーク。
  6. 上記通信波長決定部は、
    平常時の通信波長として、全ての上り光信号及び下り光信号共に第1又は第2の波長に決定し、
    下り光信号のベースとなる、決定された波長を有する光信号を発生する発生部が故障した場合に、全ての上り光信号及び下り光信号の通信波長として、他方の波長に切り替える
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ネットワーク。
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