JP5287956B2 - 受動光ネットワーク通信方法及び受動光ネットワーク通信システム - Google Patents
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Description
この発明は、事業者と加入者とが、受動光ネットワーク(PON: Passive Optical Network)を利用して通信する受動光ネットワーク通信システムに関し、特に通信障害の発生による通信不能状態を回避するための冗長構成を備える受動光ネットワーク通信方法及び受動光ネットワーク通信システムに関する。
近年、加入者系光アクセスシステムは、1つの局側光回線終端装置(OLT: Optical Line Terminal)と複数の加入者側光回線終端装置(ONU: Optical Network Unit)を、光ファイバを介して接続し、OLTを複数のONUが共有する形態に構成される光ネットワーク通信システムが主流となっている。
OLTと複数のONUとの間でギガビットの通信速度を有するイーサネット(Ethernet)フレームを送受信するGE(Gigabit Ethernet)-PONシステムは、米国電気電子学会(IEEE: The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)によってIEEE802.3規格として標準化されて以来急速に普及が進んでいる。
ここで、イーサネット(Ethernet)とは、光ネットワーク通信システム等で一般的に利用されている通信メディアであって、「Ethernet」及び日本語の「イーサネット」はそれぞれ登録商標である。
GE-PONシステムでは、上り通信(ONUからOLTに向けた通信)に使う光搬送波の波長を1310nm、下り通信(OLTからONUに向けた通信)に使う光搬送波の波長を1490nmと、異なる波長に設定されている。また、OLTは各ONUに対して上り信号の送信タイミング及び送信期間を通知して、異なるONUからの上り信号同士が互いに時間軸上で衝突を起こさないように時分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)制御している。
PONを介して接続して構成される光ネットワーク通信システムを構築するためには、一本の光ファイバ伝送路に複数通信チャンネルの光パルス信号をまとめて伝送する光多重伝送技術が必要とされる。この光多重伝送技術として、光符号分割多重伝送(OCDM: Optical Code Division Multiplexing)技術が盛んに研究されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。特許文献1及び非特許文献1には、OCDMを用いたPONシステムの一例が開示されている。このPONシステムは、スター型のネットワーク構造で形成されている。
また、光多重伝送技術として、後述の波長多重伝送(WDM: Wavelength Division Multiplexing)技術も盛んに研究されている。
OCDM技術を利用するPONシステムでは、OLT内でマルチポート符号器と呼ばれる符号器を用い、1つの光符号器で全チャンネルの信号を符号化あるいは復号化することでシステムの簡素化が図られている。各ONUでは、超格子構造型ファイバブラック回折格子(SSFBG: Superstructure Fiber Bragg Grating)を用いてチャンネルごとに符号化あるいは復号化が行われている。
また、光アクセス網の広域化、高効率化を目指した研究も活発に行われている。例えば、既存のGE-PONシステムで用いられているOCDM技術を用いたGE-PONアクセスシステム(GE-PON over OCDMA: GE-PON over Optical Code Division Multiplexing Access System)が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。このGE-PON over OCDMAでは、複数のGE-PONシステムの信号をOCDM技術によって多重し、信号を1本の光ファイバで送信することができる。この技術によって複数のGE-PONのOLTを1つの局に集約することが可能となり、運用面でも高効率化が実現される。
また、WDMとTDMとを組み合わせたWDM/TDM-PONを用いたリング型受動光ネットワークシステムが提案されている(非特許文献3参照)。あるいは、自己回復機能を有するTDM-PONを用いたリング型受動光ネットワークシステムも提案されている(非特許文献4参照)。さらに、OCDM技術をリング型受動光ネットワークシステムへ適用することも検討されている(非特許文献5参照)。なお、上述のGE-PON over OCDMAは、リング型受動光ネットワークシステムにおいても実現可能である。
N. Kataoka, et al., "Field Trial of Duplex, 10 Gbps×8-User DPSK-OCDMA System Using a Single 16×16 Multi-Port Encoder/Decoder and 16-Level Phase-Shifted SSFBG Encoder/Decoders", Journal of Lightwave Technology Vol. 27, No. 3, February 1, 2009 pp. 299-305.
N. Nakagawa, et al., "Scalable GE-PON over OCDMA without sacrifice of upstream bandwidth: Principle and Its Experimental Demonstration of 2×GE-PON Systems over 2×63-chip Code", in Proc. ECOC 2008, Brussels, Belgium, Paper We. 1. F. 7.
J. A. Lazaro, et al., "Scalable Extended Reach PON", OFC/NFOEC2008 in Proc. Sn Diego, CA, Paper OThL2.
Chien-Hung Yeh and Sien Chi, "Self-Healing Ring-Based Time-Sharing Passive Optical Networks", IEEE Photonics. Technology., Vol. 19, NO. 15, pp. 1139-1141.
Ken-ich Kitayama, et al., "Optical Code Division Multiplexing (OCDM) and Its Applications to Photonic Networks", IEICE Trans. Fundamentals Vol. E82-A, No. 12, pp. 2616-2626.
ところで、PONシステムも他の通信システムと同様に、装置故障や伝送路故障によって回線断絶が発生することがある。現状の加入者系光サービスにおいては、電話やテレビといった通信不可能状態が許されないサービスを数多く提供しており、今後加入者系光ネットワークの故障に対応するための技術が不可欠となる。
上述の課題を解決するため、この出願に係る発明者は研究を行った結果、リング型光ネットワークシステムにおいて、OLT及び各ONUが送受信するリング経路を伝播する信号の流れの方向に冗長性をもたせることによって、何れか一方の方向に信号が流れる信号回路に障害が発生しても、障害が発生していない他方の方向に信号が流れる通信回路を使用することで、OLTとONUとの通信不能状態の発生を回避することが可能となることに思い至った。
そこで、この発明の目的は、OLT及び各ONUが送受信する信号の流れの方向を反時計回り及び時計回りの何れにも設定可能とするように信号伝達方向に冗長性をもたせた通信方法及びリング型光ネットワークシステムを提供することにある。
上述の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成の受動光ネットワーク通信方法及び受動光ネットワーク通信システムが提供される。
この発明の受動光ネットワーク通信方法は、OLTと複数台のONUとをリング型受動光伝送路で結んで行われる受動光ネットワーク通信方法である。
複数のONUのそれぞれにおいて、OLTから送信された下り信号をモニターして、この下り信号がリング型受動光伝送路の反時計回りあるいは時計回りの2つの伝播方向の何れを伝播してこのONUに到達したかを判定するステップと、下り信号の伝播してきた経路を選択して、このONUからOLTに向けた上り信号を送信するステップとを含んでいる。
この発明の受動光ネットワーク通信システムは、局側終端装置と複数台の加入者側終端装置とをリング型受動光伝送路で結び、複数台の該加入者側終端装置に対して互いに異なる符号を割り当てて光符号分割多重通信を行う受動光ネットワーク通信システムである。
局側終端装置から加入者側終端装置へ向けた下り信号を担う光搬送波の波長と、加入者側終端装置のそれぞれから当該局側終端装置向けて送信される上り信号を担う光搬送波の波長とが互いに異なる波長に設定されている。
複数の加入者側終端装置のそれぞれは、割り当てられた符号が設定された第1符号器と第2符号器の2つの符号器及び第1復号器と第2復号器の2つの復号器と、第1及び第2入出力端が形成された送受信部と、第1〜第4光サーキュレータとを備えており、送受信部は、さらに第1送信部と第2送信部の2つの送信部と、第1受信部と第2受信部の2つの受信部と、受信部セレクタと、送信部セレクタとを備えている。
複数の加入者側終端装置のそれぞれにおいて、加入者側終端装置の一方の入出力端から入力される、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号で符号化された下り信号は、第1光サーキュレータ、第1符号器及び第2光サーキュレータを通過して、第1復号器で復号化された後、第2光サーキュレータを通過して、第1入出力端から送受信部の第1受信部に入力される一方、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、第1光サーキュレータ、第1符号器、第2光サーキュレータ、第1復号器及び第4光サーキュレータを通過して当該加入者側終端装置の他方の入出力端から出力される。また、加入者側終端装置の他方の入出力端から入力される、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号で符号化された下り信号は、第4光サーキュレータ、第2符号器及び第3光サーキュレータを通過して、第2復号器で復号化された後、第3光サーキュレータを通過して、第2入出力端から送受信部の第2受信部に入力される一方、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、第4光サーキュレータ、第2符号器、第3光サーキュレータ、第2復号器及び第1光サーキュレータを通過して当該加入者側終端装置の一方の入出力端から出力される。また、第1送信部から出力される上り信号は、送受信部の第1入出力端から出力されて、第2光サーキュレータを経て第1符号器で符号化された後、第2光サーキュレータ、第1復号器及び第4光サーキュレータを通過して、加入者側終端装置の他方の入出力端から局側終端装置へ送信され、第2送信部から出力される上り信号は、送受信部の第2入出力端から出力されて、第3光サーキュレータを経て2符号器で符号化された後、第3光サーキュレータ、第2復号器及び第1光サーキュレータを通過して、加入者側終端装置の一方の入出力端から局側終端装置へ送信される。上述の受動光ネットワーク通信方法は、この受動光ネットワーク通信システムによって実現される。
局側終端装置から加入者側終端装置へ向けた下り信号を担う光搬送波の波長と、加入者側終端装置のそれぞれから当該局側終端装置向けて送信される上り信号を担う光搬送波の波長とが互いに異なる波長に設定されている。
複数の加入者側終端装置のそれぞれは、割り当てられた符号が設定された第1符号器と第2符号器の2つの符号器及び第1復号器と第2復号器の2つの復号器と、第1及び第2入出力端が形成された送受信部と、第1〜第4光サーキュレータとを備えており、送受信部は、さらに第1送信部と第2送信部の2つの送信部と、第1受信部と第2受信部の2つの受信部と、受信部セレクタと、送信部セレクタとを備えている。
複数の加入者側終端装置のそれぞれにおいて、加入者側終端装置の一方の入出力端から入力される、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号で符号化された下り信号は、第1光サーキュレータ、第1符号器及び第2光サーキュレータを通過して、第1復号器で復号化された後、第2光サーキュレータを通過して、第1入出力端から送受信部の第1受信部に入力される一方、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、第1光サーキュレータ、第1符号器、第2光サーキュレータ、第1復号器及び第4光サーキュレータを通過して当該加入者側終端装置の他方の入出力端から出力される。また、加入者側終端装置の他方の入出力端から入力される、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号で符号化された下り信号は、第4光サーキュレータ、第2符号器及び第3光サーキュレータを通過して、第2復号器で復号化された後、第3光サーキュレータを通過して、第2入出力端から送受信部の第2受信部に入力される一方、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、第4光サーキュレータ、第2符号器、第3光サーキュレータ、第2復号器及び第1光サーキュレータを通過して当該加入者側終端装置の一方の入出力端から出力される。また、第1送信部から出力される上り信号は、送受信部の第1入出力端から出力されて、第2光サーキュレータを経て第1符号器で符号化された後、第2光サーキュレータ、第1復号器及び第4光サーキュレータを通過して、加入者側終端装置の他方の入出力端から局側終端装置へ送信され、第2送信部から出力される上り信号は、送受信部の第2入出力端から出力されて、第3光サーキュレータを経て2符号器で符号化された後、第3光サーキュレータ、第2復号器及び第1光サーキュレータを通過して、加入者側終端装置の一方の入出力端から局側終端装置へ送信される。上述の受動光ネットワーク通信方法は、この受動光ネットワーク通信システムによって実現される。
複数のONUのそれぞれにおいて、OLTから送信された下り信号をモニターして、この下り信号がリング型受動光伝送路の反時計回りあるいは時計回りの2つの伝播方向の何れを伝播してこのONUに到達したかを判定し、下り信号の伝播してきた経路を選択して、このONUからOLTに向けた上り信号を送信することを特徴とする。
この発明の受動光ネットワーク通信システムによれば、OLTから送信された信号をモニターして、OLTから送信された信号の伝播してきた方向に上り信号を送信する構成とされている。すなわち、OLT及び各ONUが送受信する信号の流れの方向を反時計回りあるいは時計回りに通信線路を選択して設定することが可能となるように構成されているので、信号伝達方向に冗長性をもたせたリング型光ネットワークシステムとなっている。このような冗長性を持たせた構成とすることによって、装置故障や伝送路故障による回線断絶障害箇所を避けてOLT及び各ONUが送受信可能である信号の流れの方向、すなわち送受信可能な経路を選定できる。
このように、この発明の受動光ネットワーク通信システムは、回線断絶障害が一箇所発生してもOLTとONUとの通信線路を確保することが可能とされており、回線断絶障害に対応するための有効な手段を備えた通信システムとなっている。
以下、図1〜図12を参照して、この発明の実施形態につき説明する。なお、各図は、この発明に係る一構成例を示し、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、各図において同様の構成要素については、同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
<第1の受動光ネットワーク通信システム>
図1〜図7を参照してこの発明の実施形態の第1の受動光ネットワーク通信システムの構成及びその動作について説明する。
図1〜図7を参照してこの発明の実施形態の第1の受動光ネットワーク通信システムの構成及びその動作について説明する。
<構成の説明>
まず、図1〜図3を参照して、第1の受動光ネットワーク通信システムの構成について説明する。
まず、図1〜図3を参照して、第1の受動光ネットワーク通信システムの構成について説明する。
第1の受動光ネットワーク通信システムは、図1に示すように、OLT 30と複数台のONU 32-1〜ONU 32-4とをリング型受動光伝送路で結び、ONU 32-1〜ONU 32-4に対して互いに異なる符号を割り当てて光符号分割多重通信を行う受動光ネットワーク通信システムである。以下、第1の受動光ネットワーク通信システムの構成において、ONU 32-1をONU-1、ONU 32-2をONU-2、ONU 32-3をONU-3、ONU 32-4をONU-4ということもある。
図1では、リング型受動光伝送路を反時計回りあるいは時計回りに伝播してOLT及び各ONUが送受信する信号の流れの方向を、それぞれ方向1及び方向2と示してある。また、図1には、ONU4台(ONU-1〜ONU-4)がOLT 30とング型受動光伝送路で結ばれた構成を示してあるが、第1の受動光ネットワーク通信システムは、ONUの数が4台である場合に限定されることはない。
図1に示す第1の受動光ネットワーク通信システムでは、上り通信の光搬送波の波長(上り信号波長ということもある)を1310 nmに設定し、下り通信の光搬送波の波長(下り信号波長ということもある)を1490 nmに設定している。これらの波長は、幾らに設定してもよく、上り信号波長と下り信号波長とを識別可能な程度に異なる値に設定すればよい。
複数台のONUに対しては、互いに異なる符号が割り当てられており、OLT 30とこれらのONUとの通信に使われる信号は、この符号によって符号化された信号である。
図2(A)及び(B)を参照して、ONUの構成について説明する。ONU-1〜ONU-4は何れも同一の構造であるので、ここでは代表としてONU-1を取り上げて説明する。ONU-1は、図2(A)に示すように、ONU-1に割り当てられた符号が設定された第1符号器22と第2符号器28の2つの符号器及び第1復号器26と第2復号器24の2つの復号器と、第1入出力端TRx1及び第2入出力端TRx2が形成された送受信部20と、第1〜第4光サーキュレータ10、12、14及び16を備えている。
上述の第1符号器22、第2符号器28、第1復号器26、及び第2復号器24は、SSFBGを用いて構成されたSSFBG型波長フィルタである。ただし、SSFBG型波長フィルタ以外でもSSFBG型波長フィルタと同種の動作をする符号器あるいは復号器であれば利用可能である。
図2(A)に示すように、第1光サーキュレータ10の第1入出力端10-1はONU-1の入出力端P1に接続され、第2入出力端10-2は第1符号器22に接続され、第3入出力端10-3は第2復号器24に接続されている。また、第4光サーキュレータ16の第1入出力端16-1はONU-1の入出力端Q1に接続され、第2入出力端16-2は第2符号器28に接続され、第3入出力端10-3は第1復号器26に接続されている。
第2光サーキュレータ12の第1入出力端12-1は第1符号器22に接続され、第2入出力端12-2は第1復号器26に接続され、第3入出力端12-3は送受信部20の第1入出力端TRx1に接続されている。第3光サーキュレータ14の第1入出力端14-1は第2符号器28に接続され、第2入出力端14-2は第2復号器24に接続され、第3入出力端14-3は送受信部20の第2入出力端TRx2に接続されている。
送受信部20は、図2(B)に示すように、第1送信部20-3と第2送信部20-4の2つの送信部と、第1受信部20-5と第2受信部20-6の2つの受信部と、受信部セレクタ20-8と、送信部セレクタ20-7とを備えている。また、第1光合分岐器20-1に第1送信部20-3と第1受信部20-5が接続されており、第2光合分岐器20-2に第2送信部20-4と第2受信部20-6が接続されている。
第1送信部20-3及び第2送信部20-4は、送信部セレクタ20-7から入力される電気信号を光信号に変換する機能を有しており、第1受信部20-5及び第2受信部20-6は、光信号を電気信号に変換して受信部セレクタ20-8に入力する機能を有している。
送受信部20が備える第1入出力端TRx1及び第2入出力端TRx2は、それぞれ第1光合分岐器20-1及び第2光合分岐器20-2と接続されている。
送受信部20の送信機能部分は第1送信部20-3、第2送信部20-4及び送信部セレクタ20-7で構成され、受信機能部分は第1受信部20-5、第2受信部20-6及び受信部セレクタ20-8で構成されている。
ONU-1からOLT 30に向けて送信される上り信号は、送信部セレクタ20-7に入力されて、第1送信部20-3あるいは第2送信部20-4のいずれかが選択されていずれか一方の送信部に送られる。第1送信部20-3が選択された場合は、第1合分岐器20-1を介して第1入出力端TRx1から出力される。一方、第2送信部20-4が選択された場合は、第2合分岐器20-2を介して第2入出力端TRx2から出力される。
OLT 30からONU-1に向けて送信されてきた下り信号は、第1入出力端TRx1から入力され第1合分岐器20-1を介して第1受信部20-5に入力されるか、あるいは第2入出力端TRx2から入力され第2合分岐器20-2を介して第2受信部20-6に入力される。第1受信部20-5あるいは第2受信部20-6から出力される下り信号は受信部セレクタ20-8によって選択され下り信号として受信される。
図3を参照して、OLT 30の構成について説明する。図3に示すように、OLT 30は、この受動光ネットワーク通信システムと上位ネットワーク(図示を省略してある)とのインターフェースである上位インターフェース36と、上位ネットワークから上位インターフェース36を介して取り込んだ下り信号をONU(ONU-1〜ONU-4)に送信する下り信号送信器(OCDM-Tx)40と、下り信号を符号化するマルチポート符号器44とを備えている。
また、符号化されてONU(ONU-1〜ONU-4)から受信される上り信号を復号化するマルチポート復号器42と、復号化された上り信号を上位インターフェース36を介して上位ネットワークに送信する上り信号受信器(OCDM-Rx)38とを備えている。
さらに、上り信号と下り信号とを合分波する波長分割多重(WDM)フィルタ46と、この発明の第1の受動光ネットワーク通信システムを構成するリング型受動光伝送路の方向1及び方向2何れの方向に下り信号を伝播させるか、あるいは方向1及び方向2何れの方向から伝播して到達した上り信号かに従って分岐される入出力端L及びRを備える合分岐器48を備えている。以後、第1の受動光ネットワーク通信システムに関する説明において、合分岐器48の入出力端L及びRは、OLT 30の入出力端L及びRということもある。
また、符号化された4つの符号化光信号(図3では1、2、3、4と示してある。)を合波して多重し、WDMフィルタ46に入力する合波器45と、WDMフィルタ46から出力される上り信号を分割してマルチポート復号器42に入力させる分岐器47とを備えている。
<動作の説明>
図2(B)及び図3〜図7を参照して、第1の受動光ネットワーク通信システムの動作について説明する。
図2(B)及び図3〜図7を参照して、第1の受動光ネットワーク通信システムの動作について説明する。
≪下り信号に対する処理動作≫
まず、OLT 30からONU(ONU-1〜ONU-4)に向けて送信される下り通信に対して、この発明の実施形態の第1の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。
まず、OLT 30からONU(ONU-1〜ONU-4)に向けて送信される下り通信に対して、この発明の実施形態の第1の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。
図3に示すように、OLT 30が上位インターフェース36を介して取り込んだ下り信号は、下り信号送信器(OCDM-Tx)40によって光信号(1490 nmの光信号)に変換される。ここで示す実施形態では、ONUが4つ備えられリング型受動光伝送路で結ばれて構成されるシステムであるから、上位ネットワークから各ONU宛送られてきた4通りの下り信号がOLT 30によって取り込まれる。
下り信号送信器40から出力される光信号は、4つの入力ポートを備えるマルチポート符号器44に入力される。
マルチポート符号器44に入力された光信号は、ONU-1〜ONU-4に割り当てた符号でそれぞれ符号化され符号化光信号として出力される。符号化された4つの符号化光信号(図3では1、2、3、4と示してある。)は、合波器45で合波されて多重化されWDMフィルタ46に入力される。波長1490 nmの光搬送波成分はこのWDMフィルタ46を透過して、合分岐器48で2分割される。2分割された一方がOLT 30の入出力端Lから出力されて、リング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播し、他方がOLT 30の入出力端Rから出力されて、時計回り(方向2)に伝播する。
OLT 30の入出力端Lから出力されてリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播する下り信号は、ONU-1の入出力端P1からONU-1に入力される。一方、OLT 30の入出力端Rから出力されて、方向2に伝播する下り信号は、ONU-4、ONU-3、ONU-2を経てONU-1の入出力端Q1からONU-1に入力される。
図4(A)を参照して、OLT 30から出力されてONU-1の入出力端P1から入力された下り信号のONU-1内における伝達経路について説明する。ここでは、OLT 30からOUN-1に向けて送信される下り通信を取り上げて説明するが、OLT 30からONU-2、ONU-3あるいはONU-4に向けて送信される下り通信についても同様である。
入出力端P1から入力された下り信号は、OLT 30から出力される際にONU-1に割り当てられている符号1で符号化された信号を含む多重信号である。この多重信号に含まれている符号1で符号化された下り信号は、図4(A)において実線で示す経路をたどって、第1入出力端TRx1から送受信部20に入力される。
すなわち、ONU-1の入出力端P1から入力された符号1で符号化された信号を含む下り多重信号は、第1光サーキュレータ10の第1入出力端10-1から第1光サーキュレータ10に入力され、第2入出力端10-2から出力されて第1符号器22に入力される。第1符号器22に入力された下り多重信号は、この第1符号器22を透過して第2光サーキュレータ12の第1入出力端12-1から第2光サーキュレータ12に入力され、第2入出力端12-2から出力されて、第1復号器26に入力される。第1復号器26に入力された下り多重信号に含まれている符号1で符号化された下り信号は、第1復号器26によって復号化されて反射されて第1復号器26から出力されて第2光サーキュレータ12の第2入出力端12-2から第2光サーキュレータ12に入力されて第3入出力端12-3から出力される。第3入出力端12-3から出力された復号化された下り信号は、第1入出力端TRx1から送受信部20に入力される。
一方、下り多重信号に含まれる符号1以外の符号(符号2、符号3、あるいは符号4)で符号化された下り多重信号は、図4(A)において破線で示す経路をたどって、第2光サーキュレータ12の第2入出力端12-2から出力された後、第1復号器26を透過して第4光サーキュレータ16の第3入出力端16-3から第4光サーキュレータ16に入力されて第1入出力端16-1から出力され、ONU-1の入出力端Q1から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-1の入出力端Q1から出力された符号2、符号3、あるいは符号4で符号化された下り多重信号は、ONU 32-2(ONU-2)の入出力端P2からONU-2に入力される。
ONU-2においても、上述のONU-1における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 30から出力される際にONU-2に割り当てられている符号2で符号化された下り多重信号は、ONU-1が備える送受信部20と同様の送受信部の第1入出力端TRx1から送受信部に入力される。一方、下り多重信号に含まれる符号以外の符号(符号3あるいは符号4)で符号化された下り多重信号は、ONU-1が備えているのと同様の第1復号器26を透過してONU-2の入出力端Q2から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-2の入出力端Q2から出力された符号3あるいは符号4で符号化された下り多重信号は、入出力端P3からONU-3に入力される。
ONU-3においても、上述のONU-1及びONU-2における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 30から出力される際にONU-3に割り当てられている符号3で符号化された下り信号は、ONU-1が備える送受信部20と同様の送受信部の第1入出力端TRx1から送受信部に入力される。一方、下り多重信号に含まれる符号以外の符号(符号4)で符号化された下り信号は、ONU-1が備えているのと同様の第1復号器を透過してONU-3の入出力端Q3から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-3の入出力端Q3から出力された符号4で符号化された下り信号は、ONU-4の入出力端P4からONU-4に入力される。
ONU-4においても、上述のONU-1〜ONU-3における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 30から出力される際にONU-4に割り当てられている符号4で符号化された下り信号は、ONU-1が備える送受信部20と同様の送受信部の第1入出力端TRx1から送受信部に入力される。
以上説明したように、OLT 30の入出力端Lから出力された下り多重信号は、ONU-1〜ONU-4においてそれぞれ割り当てられた符号で符号化された下り信号が取り込まれる。すなわち、ONU 1〜ONU-4宛にそれぞれOLT 30から送信された下り信号は、ONU-1〜ONU-4のそれぞれに取り込まれる。
一方、OLT 30の入出力端Rから出力されてリング型受動光伝送路の時計回り(方向2)に伝播する下り信号は、ONU 32-4(ONU-4)の入出力端Q4からONU-4に入力される。
図4(B)を参照して、OLT30から出力されてONU 32-4(ONU-4)の入出力端Q4から入力された下り多重信号のONU-4内における伝達経路について説明する。入出力端Q4から入力された下り多重信号は、OLT 30から出力される際にONU-4に割り当てられている符号4で符号化された信号を含む多重信号である。この多重信号に含まれている符号4で符号化された下り信号は、図4(B)において実線で示す経路をたどって、第2入出力端TRx2から送受信部20に入力される。
すなわち、ONU-4の入出力端Q4から入力された符号4で符号化された信号を含む下り多重信号は、第4光サーキュレータ16の第1入出力端16-1から第4光サーキュレータ16に入力され、第2入出力端16-2から出力されて第2符号器28に入力される。第2符号器28に入力された下り多重信号は、この第2符号器28を透過して第3光サーキュレータ14の第1入出力端14-1から第3光サーキュレータ14に入力され、第2入出力端14-2から出力されて、第2復号器24に入力される。第2復号器24に入力された下り多重信号に含まれている符号4で符号化された下り信号は、第2復号器24によって復号化されて反射され第2復号器24から出力されて第3光サーキュレータ14の第2入出力端14-2から第3光サーキュレータ14に入力されて第3入出力端14-3から出力される。第3入出力端14-3から出力された復号化された下り信号は、第2入出力端TRx2から送受信部20に入力される。
一方、下り多重信号に含まれる符号4以外の符号(符号1、符号2、あるいは符号3)で符号化された下り多重信号は、図4(B)において破線で示す経路をたどって、第3光サーキュレータ14の第2入出力端14-2から出力された後、第2復号器24を透過して第1光サーキュレータ10の第3入出力端10-3から第1光サーキュレータ10に入力されて第1入出力端10-1から出力され、ONU-4の入出力端P4から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-4の入出力端P4から出力された符号1、符号2、あるいは符号3で符号化された下り信号は、ONU-3の入出力端Q3からONU-3に入力される。
ONU-3においても、上述のONU-4における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 30から出力される際にONU-3に割り当てられている符号3で符号化された下り信号は、送受信部20の第2入出力端TRx2から送受信部20に入力される。一方、下り多重信号に含まれる符号以外の符号(符号2あるいは符号1)で符号化された下り多重信号は、第2復号器24を透過してONU-3の入出力端P3から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-3の入出力端P3から出力された符号2あるいは符号1で符号化された下り多重信号は、ONU-2の入出力端Q2からONU-2に入力される。
ONU-2においても、上述のONU-4及びONU-3における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 30から出力される際にONU-2に割り当てられている符号2で符号化された下り多重信号は、第2入出力端TRx2から送受信部20に入力される。一方、下り多重信号に含まれる符号以外の符号(符号1)で符号化された下り多重信号は、第2復号器24を透過してONU-2の入出力端P2から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-2の入出力端P2から出力された符号1で符号化された下り多重信号は、ONU-1の入出力端Q1からONU-1に入力される。
ONU-1においても、上述のONU-4〜ONU-2における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 30から出力される際にONU-1に割り当てられている符号1で符号化された下り信号は、第2入出力端TRx2から送受信部20に入力される。
以上説明したように、合分岐器48の入出力端Rから出力された下り多重信号は、ONU-4〜ONU-1においてそれぞれ割り当てられた符号で符号化された下り信号が取り込まれる。すなわち、ONU 4〜ONU-1宛にそれぞれOLT 30から送信された下り信号は、ONU-4〜ONU-1のそれぞれに取り込まれる。
以上をまとめると次のようになる。
ONUの一方の入出力端から入力される、このONUに割り当てられた符号で符号化された下り信号は、第1符号器22を通過して第1復号器26で復号化されて送受信部20の第1入出力端TRx1から第1受信部20-5に入力される一方、このONUに割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、第1符号器22及び第1復号器26を通過してこのONUの他方の入出力端から出力される。
また、ONUの他方の入出力端からこのONUに割り当てられた符号で符号化された下り信号は、第2符号器28を通過して第2復号器24で復号化されて送受信部20の第2入出力端TRx2から第2受信部20-6に入力される一方、このONUに割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、第2符号器28及び第2復号器24を通過してこのONUの一方の入出力端から出力される。
すなわち、OLT 30からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)あるいは時計回り(方向2)に伝播するようにOLT 30の入出力端LあるいはRから出力された下り信号は、各ONUにおいて復号化されて各ONUが備えている送受信部20に第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2から入力されて受信される。そして、各ONUでは、送受信部20の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2に入力された下り信号の内どちらの入出力端から入力された下り信号を受信するかが選択される。
図5を参照して、各ONUにおいて実行される送受信部20の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2に入力された下り信号の内どちらの入出力端から入力された下り信号を受信するかについての選択動作について説明する。
第1受信部20-5において復号化された下り信号をモニターして、第1受信部20-5がこの復号化された下り信号を受信した場合は受信部セレクタ20-8によって送受信部20の第1入出力端TRx1で受信した信号を選択し、第1受信部20-5がOLT 30から送信された信号を受信していない場合は受信部セレクタ20-8によって送受信部20の第2入出力端TRx2で受信した信号を選択する。
図5に示すように、まず送受信部20を構成する第1受信部20-5において、下り信号(光信号)を、光パワーモニター(図示を省略してある)等を利用して信号が到達しているか否かを判定する(ステップS1)。そして、光信号受信選択ステップ(ステップS2)において、第1受信部20-5において下り信号が到達していると判定された場合は、受信部セレクタ20-8によって第1入出力端TRx1から入力された下り信号を選択する(ステップS3)。一方、第1受信部20-5において下り信号が到達していないと判定された場合は、受信部セレクタ20-8によって第2入出力端TRx2から入力された下り信号を選択する(ステップS4)。
このように、受信部セレクタ20-8によって送受信部20の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2に入力された下り信号の内どちらの入出力端から入力された下り信号を受信するかについての選択が行われ、それぞれに対して第1受信部20-5あるいは第2受信部20-6のいずれかが下り信号を受信する(ステップS5)。
以上説明した受信部セレクタ20-8による選択動作は、下り信号のパケットごとの到着に対して実行される。第1入出力端TRx1から入力された下り信号あるいは第2入出力端TRx2から入力された下り信号のいずれかが1つのパケットに対して選択された後、引き続いて到達する下り信号のパケットについても同様の動作が繰り返される。
第1受信部20-5において下り信号が到達していると判定された場合は、リング型受動光伝送路の方向1を伝播してONUに到達したと判断される。すなわち、第1受信部20-5において下り信号が到達していると判定された場合は、少なくともOLT 30から出力されてリング型受動光伝送路の方向1を伝播してこのONUに到達する光伝送路中には、途中に配置されているONUを含めて、装置故障や伝送路故障による回線断絶障害箇所がないと判断される。この場合は、OLT 30に向けて送受信部20から出力される上り信号もリング型受動光伝送路の方向1を伝播するようにONUから出力させれば無事にOLT 30に到達すると判断される。
一方、リング型受動光伝送路の方向1に伝播する光伝送路中に装置故障や伝送路故障による回線断絶障害箇所があって、下り信号が第1入出力端TRx1から入力されなかった場合は、OLT 30に向けて送受信部20から出力される信号を、リング型受動光伝送路の方向2を伝播するようにONUから出力させれば無事にOLT 30に到達させることが可能であると判断される。勿論、リング型受動光伝送路の方向2に伝播する光伝送路中にも回線断絶障害箇所が存在する場合は、送受信部20から出力される信号をOLT 30に伝送する手段はなくなるが、回線断絶障害箇所の存在によって通信が不能となる確率は、信号の伝達方向に方向1及び方向2という冗長性を持たせることによって通信が不能となる確率の自乗となる。すなわち、通信が不能となる確率pは一般に1より十分小さいので、通信が不能となる確率が自乗の大きさとなることによって、非常に小さいものとなる。
上述の選択動作については、第1受信部20-5において下り信号が到達しているか否かによって実行させたが、第2受信部20-6において下り信号が到達しているか否かを判定して実行することも可能である。
≪上り信号に対する処理動作≫
ONU(ONU-1〜ONU-4)からOLT 30に向けて送信される上り通信に対して、この発明の実施形態の第1の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。ここでは、OUN-2からOLT 30に向けて送信される上り通信を取り上げて説明するが、ONU-1、ONU-3あるいはONU-4からOLT 30に向けて送信される上り通信についても同様である。
ONU(ONU-1〜ONU-4)からOLT 30に向けて送信される上り通信に対して、この発明の実施形態の第1の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。ここでは、OUN-2からOLT 30に向けて送信される上り通信を取り上げて説明するが、ONU-1、ONU-3あるいはONU-4からOLT 30に向けて送信される上り通信についても同様である。
ONU-2からOLT 30に向けた上り信号の伝送経路は図1に示すように、2つある。1つは、上り信号がONU-2の入出力端Q2から出力され、OLT 30の入出力端RからOLT 30に受信される経路(方向1)、もう1つは、上り信号がONU-2の入出力端P2から出力され、OLT 30の入出力端LからOLT 30に受信される経路(方向2)である。
ONU-2からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播するようにOLT 30に向けて送信される上り信号は、図2(B)に示す第1送信部20-3によって生成され送受信部20の第1入出力端TRx1から出力される。また、ONU-2からリング型受動光伝送路の時計回り(方向2)に伝播するようにOLT 30に向けて送信される上り信号は、図2(B)に示す第2送信部20-4によって生成され送受信部20の第2入出力端TRx2から出力される。
すなわち、ONU-2からOLT 30に向けて送信される上り信号は、第1送信部20-3あるいは第2送信部20-4から送受信部20の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2からそれぞれ出力される。
まず、ONU-2からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播するようにONU-2の入出力端Q2から出力される上り信号の伝達経路について、図2(B)及び図6(A)を参照して説明する。
第1入出力端TRx1から出力された上り信号は、図6(A)において実線で示す経路をたどってONU-2の入出力端Q2から出力され、リング型受動光伝送路の方向1を伝播してOLT 30に向けて出力される。
すなわち、第1入出力端TRx1から出力された上り信号は、第2光サーキュレータ12の第3入出力端12-3から第2光サーキュレータ12に入力され、第1入出力端12-1から出力されて第1符号器22に入力される。第1符号器22に入力された上り信号は、第1符号器22に設定された符号2によって符号化されて反射され、第2光サーキュレータ12の第1入出力端12-1から第2光サーキュレータ12に入力される。さらに、符号2で符号化された上り信号は、第2入出力端12-2から出力されて第1復号器26に入力されるが、この第1復号器26を透過し第4光サーキュレータ16の第3入出力端16-3から第4光サーキュレータ16に入力される。そして、第1入出力端16-1から出力されて、ONU-2の入出力端Q2からリング型受動光伝送路へ出力される。
一方、ONU-2以外のONUからOLT 30に向けて、符号2以外の符号(符号1、符号3、あるいは符号4)で符号化され方向1の向きに伝播するよう送信された上り信号は、ONU-2の入出力端P2から入力され、図6(A)において破線で示す経路をたどって、第1光サーキュレータ10、第1符号器22、第2光サーキュレータ12、第1復号器26、及び第4光サーキュレータ16を通過してONU-2の入出力端Q2からリング型受動光伝送路へ出力される。
また、第2入出力端TRx2から出力された上り信号は、図6(B)において実線で示す経路をたどってONU-2の入出力端P2から出力され、リング型受動光伝送路の方向2を伝播してOLT 30に向けて出力される。
すなわち、第2入出力端TRx2から出力された上り信号は、第3光サーキュレータ14の第3入出力端14-3から第3光サーキュレータ14に入力され、第1入出力端14-1から出力されて第2符号器28に入力される。第2符号器28に入力された上り信号は、第2符号器28に設定された符号2によって符号化されて反射され、第3光サーキュレータ14の第1入出力端14-1から第3光サーキュレータ14に入力される。さらに、符号2で符号化された上り信号は、第2入出力端14-2から出力されて第2復号器24に入力されるが、この第2復号器24を透過し第1光サーキュレータ10の第3入出力端10-3から第1光サーキュレータ10に入力される。そして、第1入出力端10-1から出力されて、ONU-2の入出力端P2からリング型受動光伝送路へ出力される。
一方、ONU-2以外のONUからOLT 30に向けて符号2以外の符号(符号1、符号3、あるいは符号4)で符号化され方向2の向きに伝播するよう送信された上り信号は、ONU-2の入出力端Q2から入力され、図6(B)において破線で示す経路をたどって、第4光サーキュレータ16、第2符号器28、第3光サーキュレータ14、第2復号器24、及び第1光サーキュレータ10を通過してONU-2の入出力端P2からリング型受動光伝送路へ出力される。
以上をまとめると次のようになる。
送受信部20の第1入出力端TRx1から出力され、ONUからOLTへ送信される上り信号は、第1符号器22で符号化され第1復号器26を通過してこのONUの他方の入出力端から出力される。
また、送受信部20の第2入出力端TRx2から出力され、ONUからOLTへ送信される上り信号は、第2符号器28で符号化され第2復号器24を通過してこのONUの一方の入出力端から出力される。
図3を参照して、OLT 30における上り信号の処理動作について説明する。各ONUから方向1の伝送方向に伝播させてOLT 30に送信された上り信号は、OLT 30が備える合分岐器48の入出力端Rから入力される。また、各ONUから方向2の伝送方向に伝播させてOLT 30に送信された上り信号は、合分岐器48の入出力端Lから入力される。
合分岐器48に入力された上り信号は、上り信号に割り当てられた波長1310 nmの光信号以外の波長の光も含まれているので、WDMフィルタ46によって、1310 nmの上り信号をフィルタして取り出す。WDMフィルタ46から出力される波長1310 nmの上り信号は、分岐器47で4分割されて、マルチポート復号器42に入力される。
マルチポート復号器42に入力された上り信号は、ONU-1〜ONU-4に割り当てた符号でそれぞれ復号化されて出力される。復号化された4つの光信号(図3では1a、2a、3a、4aと示してある。)は、上り信号受信器38に入力されて、上り信号受信器38から、上位インターフェース36を介して、上位ネットワークに送信される。
図7を参照して、各ONUにおいて実行される送受信部20の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2から出力される上り信号の内どちらの入出力端から出力された上り信号を送信するかについての選択動作について説明する。
図7に示すように、まずONU-2が備える送受信部20を構成する第1受信部20-5において、光パワーモニター(図示を省略してある)等を利用して下り信号(光信号)が到達しているか否かを判定する(ステップS10)。そして、光信号受信選択ステップ(ステップS12)において、第1受信部20-5において下り信号が到達していると判定された場合は、送信部セレクタ20-7によって第2送信部20-4から出力される上り信号を選択する(ステップS13)。第2送信部20-4から出力される上り信号は第2入出力端TRx2から出力される。
一方、第1受信部20-5において下り信号が到達していないと判定された場合は、ONU-2の入出力端P2とOLT 30が備える合分岐器48の入出力端Lとの間の伝送路中に装置故障や伝送路故障による回線断絶障害箇所があったと判断し、送信部セレクタ20-7によって第1送信部20-3から出力される上り信号を選択する(ステップS14)。第1送信部20-3から出力される上り信号は第1入出力端TRx1から出力される。
このように、送信部セレクタ20-7によって、送受信部20の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2から出力される上り信号の内どちらの上り信号を送信するかについての選択が行われ、それぞれに対して第1送信部20-3あるいは第2送信部20-4のいずれかから生成された上り信号を送信する(ステップS15)。
以上説明した送信部セレクタ20-7による選択動作は、上り信号のパケットごとの到着に対して実行される。図7に示すように、第1入出力端TRx1から出力された上り信号あるいは第2入出力端TRx2から出力された上り信号のいずれかが1つのパケットに対して選択された後、引き続いて送信する上り信号のパケットについても同様の動作が繰り返される。
勿論、リング型受動光伝送路の方向1及び方向2に伝播する光伝送路中にも回線断絶障害箇所が存在する場合は、ONU-2からOLT 30に伝送する手段はなくなるが、回線断絶障害箇所の存在によって通信が不能となる確率は、信号の伝達方向に方向1及び方向2という冗長性を持たせることによって非常に小さくなることは、上述の下り信号の伝送の場合と同様である。
以上説明したことをまとめると以下のとおりとなる。
第1受信部20-5においてOLT 30から送信された信号をモニターして、信号が受信された場合は送信部セレクタ20-7によって第2入出力端TRx2を選択してONU-2からOLT 30に向けた上り信号を送信し、第1受信部20-5がOLT 30から送信された信号を受信していない場合は送信部セレクタ20-7によって第1入出力端TRx1を選択してONU-2からOLT 30に向けた上り信号を送信する。
このように、第1の受動光ネットワーク通信システムは、複数のONUのそれぞれにおいて、送受信部20に入力される復号化された下り信号を第1受信部20-5あるいは第2受信部20-6の何れが受信するかによって、復号化された下り信号がリング型受動光伝送路の方向1あるいは方向2の2つの伝播方向の何れを伝播してONUに到達したかを判定し、復号化された下り信号が伝播してきた経路にこのONUからOLT 30に向けた上り信号が送信されるように、送受信部20から出力される上り信号を第1送信部20-3あるいは第2送信部20-4の何れから出力させるかを送信部セレクタ20-7によって選択する機能を備えている。
<第2の受動光ネットワーク通信システム>
図8〜図12を参照して第2の受動光ネットワーク通信システムの構成及びその動作について説明する。
図8〜図12を参照して第2の受動光ネットワーク通信システムの構成及びその動作について説明する。
<構成の説明>
まず、図8〜図10を参照して、第2の受動光ネットワーク通信システムの構成について説明する。
まず、図8〜図10を参照して、第2の受動光ネットワーク通信システムの構成について説明する。
第2の受動光ネットワーク通信システムは、図8に示すように、OLT 70と複数台のONU 72-1〜ONU 72-4とをリング型受動光伝送路で結び、波長分割多重通信を行う受動光ネットワーク通信システムである。以下、第2の受動光ネットワーク通信システムの構成において、ONU 72-1をONU-1、ONU 72-2をONU-2、ONU 72-3をONU-3、ONU 72-4をONU-4ということもある。
図8では、リング型受動光伝送路を反時計回りあるいは時計回りに伝播してOLT及び各ONUが送受信する信号の流れの方向を、それぞれ方向1及び方向2と示してある。また、図8には、ONU4台(ONU-1〜ONU-4)がOLT 70とリング型受動光伝送路で結ばれた構成を示してあるが、第2の受動光ネットワーク通信システムは、ONUの数が4台である場合に限定されることはない。
図8に示す第2の受動光ネットワーク通信システムでは、ONU-1には上り通信の光搬送波の波長(上り信号波長ということもある)として1300 nmを割り当て、下り通信の光搬送波の波長(下り信号波長ということもある)として1480 nmを割り当ててある。ONU-2には上り信号波長として1305 nmを割り当て、下り信号波長として1485 nmを割り当ててある。ONU-3には上り信号波長として1315 nmを割り当て、下り信号波長として1495 nmを割り当ててある。ONU-4には上り信号波長として1310 nmを割り当て、下り信号波長として1490 nmを割り当ててある。これらの波長は、幾らに割り当ててもよく、ONU-1〜ONU-4のそれぞれの上り信号波長と下り信号波長とを識別可能な程度に異なる値に割り当てればよい。
図9(A)及び(B)を参照して、ONUの構成について説明する。ONU-1〜ONU-4は何れも同一の構造であるので、ここでは代表としてONU-1を取り上げて説明する。ONU-1は、図9(A)に示すように、ONU-1の上り信号波長として割り当てられた1300 nmにブラッグ波長が設定された上り通信用第1波長フィルタ62と上り通信用第2波長フィルタ68の2つの上り通信用波長フィルタを備えている。及び、ONU-1の下り信号波長として割り当てられた1480 nmにブラッグ波長が設定された下り通信用第1波長フィルタ66と下り通信用第2波長フィルタ64の2つの下り通信用波長フィルタを備えている。さらに、第1入出力端TRx1及び第2入出力端TRx2が形成された送受信部60を備えている。
上述の上り通信用第1波長フィルタ62、下り通信用第1波長フィルタ66、上り通信用第2波長フィルタ68、及び下り通信用第2波長フィルタ64は、SSFBGを用いて構成されたSSFBG型波長フィルタである。ただし、SSFBG型波長フィルタ以外でもSSFBG型波長フィルタと同種の動作をする波長フィルタであれば利用可能である。
送受信部60は、図9(B)に示すように、第1光合分岐器60-1、第2光合分岐器60-2、第1送信部60-3、第2送信部60-4、第1受信部60-5、第2受信部60-6、送信部セレクタ60-7、及び受信部セレクタ60-8を備えている。
第1送信部60-3及び第2送信部60-4は、送信部セレクタ60-7から入力される電気信号を光信号に変換する機能を有しており、第1受信部60-5及び第2受信部60-6は、光信号を電気信号に変換して受信部セレクタ60-8に入力する機能を有している。
送受信部60は、図9(B)に示すように、第1送信部60-3と第2送信部60-4の2つの送信部と、第1受信部60-5と第2受信部60-6の2つの受信部と、受信部セレクタ60-8と、送信部セレクタ60-7とを備えている。また、第1光合分岐器60-1に第1送信部60-3と第1受信部60-5が接続されており、第2光合分岐器60-2に第2送信部60-4と第2受信部60-6が接続されている。
送受信部60の送信機能部分は第1送信部60-3、第2送信部60-4及び送信部セレクタ60-7で構成され、受信機能部分は第1受信部60-5、第2受信部60-6及び受信部セレクタ60-8で構成されている。
図9(A)に示すように、ONU-1の入出力端P1は第1光サーキュレータ50の第1入出力端50-1に接続され、第1光サーキュレータ50の第2入出力端50-2は上り通信用第1波長フィルタ62に接続され、第3入出力端50-3は下り通信用第2波長フィルタ64に接続されている。また、ONU-1の入出力端Q1は第4光サーキュレータ56の第1入出力端56-1に接続され、第2入出力端56-2は上り通信用第2波長フィルタ68に接続され、第4光サーキュレータ56の第3入出力端56-3は下り通信用第1波長フィルタ66に接続されている。
第2光サーキュレータ52の第1入出力端52-1は上り通信用第1波長フィルタ62に接続され、第2入出力端52-2は下り通信用第1波長フィルタ66に接続され、第3入出力端52-3は送受信部60の第1入出力端TRx1に接続されている。第3光サーキュレータ54の第1入出力端54-1は上り通信用第2波長フィルタ68に接続され、第2入出力端54-2は下り通信用第2波長フィルタ64に接続され、第3入出力端54-3は送受信部60の第2入出力端TRx2に接続されている。
送受信部60が備える第1入出力端TRx1及び第2入出力端TRx2は、それぞれ第1光合分岐器60-1及び第2光合分岐器60-2と接続されている。第1光合分岐器60-1は、第1送信部60-3及び第1受信部60-5と接続され、第2光合分岐器60-2は第2送信部60-4及び第2受信部60-6と接続されている。
ONU-1からOLT 70に向けて送信される上り信号は、送信部セレクタ60-7に入力されて、第1送信部60-3あるいは第2送信部60-4のいずれかが選択されて送信される。第1送信部60-3が選択された場合は、第1光合分岐器60-1を介して第1入出力端TRx1から出力される。一方、第2送信部60-4が選択された場合は、第2光合分岐器60-2を介して第2入出力端TRx2から出力される。
OLT 70からONU-1向けて送信されてきた下り信号は、第1光合分岐器60-1を介して第1受信部60-5に入力されるか、あるいは第2光合分岐器60-2を介して第2受信部60-6に入力される。第1受信部60-5あるいは第2受信部60-6から出力される下り信号は、受信部セレクタ60-8によって選択され下り信号として受信される。
図10に示すように、OLT 70は、この受動光ネットワーク通信システムと上位ネットワーク(図示を省略してある)とのインターフェースである上位インターフェース76と、上位ネットワークから上位インターフェース76を介して取り込んだ下り信号を各ONU(ONU-1〜ONU-4)に送信する下り信号送信器80を備えている。
また、各ONU(ONU-1〜ONU-4)からOLT 70に向けて送信される上り信号を、上位インターフェース76を介して上位ネットワークに送信する上り信号受信器78を備えている。
さらに、上り信号と下り信号とを合分波するWDMフィルタ86と、この第2の受動光ネットワーク通信システムを構成するリング型受動光伝送路の方向1及び方向2何れの方向に下り信号を伝播させるか、あるいは方向1及び方向2何れの方向から伝播して到達した上り信号かに従って選択される入出力端L及びRを備える合分岐器88を備えている。以後、第2の受動光ネットワーク通信システムに関する説明において、合分岐器88の入出力端L及びRは、OLT 70の入出力端L及びRということもある。
<動作の説明>
図9(B)及び図10〜図12を参照して、第2の受動光ネットワーク通信システムの動作について説明する。
図9(B)及び図10〜図12を参照して、第2の受動光ネットワーク通信システムの動作について説明する。
≪下り信号に対する処理動作≫
まず、OLT 70からONU(ONU-1〜ONU-4)に向けて送信される下り通信に対してこの発明の実施形態の第2の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。
まず、OLT 70からONU(ONU-1〜ONU-4)に向けて送信される下り通信に対してこの発明の実施形態の第2の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。
図10に示すように、OLT 70が上位インターフェース76を介して取り込んだ下り信号は、下り信号送信器(WDM-Tx)80によって光信号に変換される。ここで示す実施形態では、ONUが4つ備えられリング型受動光伝送路で結ばれて構成されるシステムであるから、上位ネットワークから各ONU宛送られてきた4通りの下り信号がOLT 70によって取り込まれる。
各ONUには、それぞれ相異なる下り信号波長が割り当てられている。すなわち、ONU-1宛の信号には、1480 nmが、ONU-2宛の信号には1485 nmが、ONU-3宛の信号には1495 nmが、ONU-4宛の信号には1490 nmの波長の光搬送波が割り当てられ、それぞれの波長の光搬送波に下り信号が載せられる。すなわち、ONU-1〜ONU-4の各ONUが備える下り信号送信器(WDM-Tx)80は、それぞれのONUに割り当てられた波長の光信号に変換する。
ONU-1〜ONU-4のそれぞれに宛てた下り信号は、WDMフィルタ86で多重された後、合分岐器88で2分割されて、一方がリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播するようにOLT 70の入出力端Lから出力され、他方が時計回り(方向2)に伝播するようにOLT 70の入出力端Rから出力される。
ここで、OLT 70からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播するように合分岐器88の入出力端L(OLT 70の入出力端L)から出力される下り信号を取り上げる。合分岐器88の入出力端Lから出力された下り信号は、ONU-1の入出力端P1からONU-1に入力される。
図11(A)を参照して、ONU-1の入出力端P1から入力された下り信号のONU-1内の伝達経路について説明する。ここでは、OLT 70からONU-1に向けて送信される下り通信を取り上げて説明するが、OLT 70からONU-2、ONU-3あるいはONU-4に向けて送信される下り信号についても同様である。
入出力端P1から入力された下り信号は、OLT 70から出力される際にONU-1に割り当てられている波長(1480 nm)の光搬送波に載せられた信号を含む多重信号である。この多重信号に含まれている波長(1480 nm)の光搬送波に載せられた下り信号は、図11(A)において実線で示す経路をたどって、第1入出力端TRx1から送受信部60に入力される。
すなわち、ONU-1の入出力端P1から入力された波長1480 nmの光搬送波に載せられた信号を含む下り多重信号は、第1光サーキュレータ50の第1入出力端50-1から第1光サーキュレータ50に入力され、第2入出力端50-2から出力されて上り通信用第1波長フィルタ62(ブラッグ波長が1300 nmに設定されている)に入力される。上り通信用第1波長フィルタ62に入力された下り多重信号は、この上り通信用第1波長フィルタ62を透過して第2光サーキュレータ52の第1入出力端52-1から第2光サーキュレータ52に入力され、第2入出力端52-2から出力されて、下り通信用第1波長フィルタ66(ブラッグ波長が1480 nmに設定されている)に入力される。下り通信用第1波長フィルタ66に入力された下り多重信号に含まれている波長1480 nmの光搬送波に載せられた下り信号は、下り通信用第1波長フィルタ66によって反射されて下り通信用第1波長フィルタ66から出力され、第2光サーキュレータ52の第2入出力端52-2から第2光サーキュレータ52に入力されて第3入出力端52-3から出力される。第3入出力端52-3から出力された波長1480 nmの光搬送波に載せられた下り信号は、第1入出力端TRx1から送受信部60に入力される。
一方、下り多重信号に含まれる波長1480 nm以外の波長(波長1485 nm、波長1495 nm、あるいは波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、図11(A)において破線で示す経路をたどって、第2光サーキュレータ52の第2入出力端52-2から出力された後、下り通信用第1波長フィルタ66を透過して第4光サーキュレータ56の第3入出力端56-3から第4光サーキュレータ56に入力されて第1入出力端56-1から出力されて、ONU-1の入出力端Q1から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-1の入出力端Q1から出力された波長1485 nm、波長1495 nm、あるいは波長1490 nmの光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU 72-2(ONU-2)の入出力端P2からONU-2に入力される。
ONU-2においても、上述のONU-1における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 70から出力される際にONU-2に割り当てられている波長1485 nmの光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-1が備える送受信部60と同様の送受信部の第1入出力端TRx1から送受信部に入力される。一方、下り多重信号に含まれる波長以外の波長(波長1495 nm、あるいは波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-1が備えているのと同様の下り通信用第1波長フィルタ66を透過してONU-2の入出力端Q2から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-2の入出力端Q2から出力された波長(波長1495 nm、あるいは波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU 72-3(ONU-3)の入出力端P3からONU-3に入力される。
ONU-3においても、上述のONU-1及びONU-2における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 70から出力される際にONU-3に割り当てられている波長の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-1が備える送受信部60と同様の送受信部の第1入出力端TRx1から送受信部に入力される。一方、下り多重信号に含まれる波長以外の波長(波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-1が備えているのと同様の下り通信用第1波長フィルタ66を透過してONU-3の入出力端Q3から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-3の入出力端Q3から出力された波長1490 nmの光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-4の入出力端P4からONU-4に入力される。
ONU-4においても、上述のONU-1〜ONU-3における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 70から出力される際にONU-4に割り当てられている波長(波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-1が備える送受信部60と同様の送受信部の第1入出力端TRx1から送受信部に入力される。
以上説明したように、合分岐器88の入出力端Lから出力された下り多重信号は、ONU-1〜ONU-4においてそれぞれ割り当てられた下り信号波長の下り信号が取り込まれる。すなわち、ONU 1〜ONU-4宛にそれぞれOLT 70から送信された下り信号は、ONU-1〜ONU-4のそれぞれに取り込まれる。
次に、OLT 70からリング型受動光伝送路の時計回り(方向2)に伝播するように合分岐器88の入出力端R(OLT 70の入出力端R)から出力される下り信号を取り上げる。合分岐器88の入出力端Rから出力された下り信号は、ONU 72-4(ONU-4)の入出力端Q4からONU 72-4に入力される。
図11(B)を参照して、ONU 72-4(ONU-4)の入出力端Q4から入力された下り多重信号の伝達経路について説明する。入出力端Q4から入力された下り多重信号は、OLT 70から出力される際にONU-4に割り当てられている波長(波長1490 nm)の光搬送波に載せられた信号を含む多重信号である。この多重信号に含まれている波長(波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、図11(B)において実線で示す経路をたどって、第2入出力端TRx2から送受信部60に入力される。
すなわち、ONU-4の入出力端Q4から入力された波長(波長1490 nm)の光搬送波に載せられた信号を含む下り多重信号は、第4光サーキュレータ56の第1入出力端56-1から第4光サーキュレータ56に入力され、第4光サーキュレータ56の第2入出力端56-2から出力されて上り通信用第2波長フィルタ68(ブラッグ波長が1310 nmに設定されている)に入力される。上り通信用第2波長フィルタ68に入力された下り多重信号は、この上り通信用第2波長フィルタ68を透過して第3光サーキュレータ54の第1入出力端54-1から第3光サーキュレータ54に入力され、第2入出力端54-2から出力されて、下り通信用第2波長フィルタ64(ブラッグ波長が1490 nmに設定されている)に入力される。下り通信用第2波長フィルタ64に入力された下り多重信号に含まれている波長(波長1490 nm)の光搬送波に載せられた下り信号は、下り通信用第2波長フィルタ64によって反射されて下り通信用第2波長フィルタ64から出力されて第3光サーキュレータ54の第2入出力端54-2から第3光サーキュレータ54に入力されて第3入出力端54-3から出力される。第3入出力端54-3から出力された下り信号は、第2入出力端TRx2から送受信部60に入力される。
一方、下り多重信号に含まれる波長1490 nm以外の波長(波長1480 nm、波長1485 nm、あるいは波長1495 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、図11(B)において破線で示す経路をたどって、第3光サーキュレータ54の第2入出力端54-2から出力された後、下り通信用第2波長フィルタ64を透過して第1光サーキュレータ50の第3入出力端50-3から第1光サーキュレータ50に入力されて第1入出力端50-1から出力されて、ONU-4の入出力端P4から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-4の入出力端P4から出力された波長(波長1480 nm、波長1485 nm、あるいは波長1495 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-3の入出力端Q3からONU-3に入力される。
ONU-3においても、上述のONU-4における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 70から出力される際にONU-3に割り当てられている波長(波長1495 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、送受信部60の第2入出力端TRx2から送受信部60に入力される。一方、下り多重信号に含まれる波長以外の波長(波長1480 nm、あるいは波長1485 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、下り通信用第2波長フィルタ64を透過してONU-3の入出力端P3から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-3の入出力端P3から出力された波長(波長1480 nm、あるいは波長1485 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU 72-2(ONU-2)の入出力端Q2からONU-2に入力される。
ONU-2においても、上述のONU-4及びONU-3における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 70から出力される際にONU-2に割り当てられている波長の光搬送波に載せられた下り多重信号は、第2入出力端TRx2から送受信部60に入力される。一方、下り多重信号に含まれる波長以外の波長(波長1480 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、下り通信用第2波長フィルタ64を透過してONU-2の入出力端P2から再びリング型受動光伝送路へ出力される。
ONU-2の入出力端P2から出力された波長(波長1480 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、ONU-1の入出力端Q1からONU-1に入力される。
ONU-1においても、上述のONU-4〜ONU-2における動作と同様に、入力された下り多重信号に含まれている、OLT 70から出力される際にONU-1に割り当てられている波長(波長1480 nm)の光搬送波に載せられた下り多重信号は、同様の送受信部60の第2入出力端TRx2から送受信部60に入力される。
以上説明したように、OLT 70の入出力端Rから出力された下り多重信号は、ONU-4〜ONU-1においてそれぞれ割り当てられた波長の光搬送波に載せられた下り信号が取り込まれる。すなわち、ONU 4〜ONU-1宛にそれぞれOLT 70から送信された下り信号は、ONU-4〜ONU-1のそれぞれに取り込まれる。
以上説明した様に、OLT 70からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)あるいは時計回り(方向2)に伝播するようにOLT 70の入出力端LあるいはRから出力された下り信号は、各ONUにおいて各ONUが備えている送受信部60に第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2から入力されて受信される。
以上をまとめると次のようになる。
ONUの一方の入出力端から入力される、このONUに割り当てられた波長の光搬送波に載せられた下り多重信号は、上り通信用第1波長フィルタ62を通過して下り通信用第1波長フィルタ66で反射されて送受信部60の第1入出力端TRx1から送受信部60に入力される一方、このONUに割り当てられた波長以外の波長の光搬送波に載せられた下り多重信号は、上り通信用第1波長フィルタ62及び下り通信用第1波長フィルタ66を通過してこのONUの他方の入出力端から出力される。
また、ONUの他方の入出力端から入力される、このONUに割り当てられた波長の光搬送波に載せられた下り多重信号は、上り通信用第2波長フィルタ68を通過して下り通信用第2波長フィルタ64で反射されて送受信部60の第2入出力端TRx2から送受信部60に入力される一方、このONUに割り当てられた波長以外の波長の光搬送波に載せられた下り多重信号は、上り通信用第2波長フィルタ68及び下り通信用第2波長フィルタ64を通過してこのONUの一方の入出力端から出力される。
送受信部60の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2に入力された下り信号の内どちらの入出力端から入力された下り信号を受信するかについての受信部セレクタ60-8による選択動作は、上述の第1の受動光ネットワーク通信システムの場合と同様であるので重複する説明を省略するが、以下のとおりである。
第1受信部60-5においてOLT 70から送信された信号をモニターして、第1受信部60-5が信号を受信した場合は受信部セレクタ60-8によって送受信部60の第1入出力端TRx1で受信した信号を選択し、第1受信部60-5がOLT 70から送信された信号を受信していない場合は受信部セレクタ60-8によって送受信部60の第2入出力端TRx2で受信した信号を選択する。
≪上り信号に対する処理動作≫
ONU(ONU-1〜ONU-4)からOLT 70に向けて送信される上り通信に対してこの発明の実施形態の第2の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。ここでは、OUN-2からOLT 70に向けて送信される上り通信を取り上げて説明するが、ONU-1、ONU-3あるいはONU-4からOLT 70に向けて送信される上り通信についても同様である。
ONU(ONU-1〜ONU-4)からOLT 70に向けて送信される上り通信に対してこの発明の実施形態の第2の受動光ネットワーク通信システムが実行する動作について説明する。ここでは、OUN-2からOLT 70に向けて送信される上り通信を取り上げて説明するが、ONU-1、ONU-3あるいはONU-4からOLT 70に向けて送信される上り通信についても同様である。
ONU-2からOLT 70に向けた上り信号の伝送経路は2つある。1つは、上り信号がONU-2の入出力端Q2から出力され、OLT 70の入出力端RからOLT 70に受信される経路(方向1)、もう1つは、上り信号がONU-2の入出力端P2から出力され、OLT 70の入出力端LからOLT 70に受信される経路(方向2)である。
ONU-2からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播するようにOLT 70に向けて送信される上り信号は、図9(B)に示す第1送信部60-3によって生成され送受信部60の第1入出力端TRx1から出力される。また、ONU-2からリング型受動光伝送路の時計回り(方向2)に伝播するようにOLT 70に向けて送信される上り信号は、図9(B)に示す第2送信部60-4によって生成され送受信部60の第2入出力端TRx2から出力される。
すなわち、ONU-2からOLT 70に向けて送信される上り信号は、第1送信部60-3あるいは第2送信部60-4から送受信部60の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2からそれぞれ出力される。
まず、ONU-2からリング型受動光伝送路の反時計回り(方向1)に伝播するようにONU-2の入出力端Q2から出力される上り信号の伝達経路について、図9(B)及び図12(A)を参照して説明する。
第1入出力端TRx1から出力された上り信号は、図12(A)において実線で示す経路をたどってONU-2の入出力端Q2から出力され、リング型受動光伝送路の方向1を伝播してOLT 70に向けて出力される。
すなわち、第1入出力端TRx1から出力された上り信号は、第2光サーキュレータ52の第3入出力端52-3から第2光サーキュレータ52に入力され、第2光サーキュレータ52の第1入出力端52-1から出力されて上り通信用第1波長フィルタ62(ブラッグ波長が1305 nmに設定されている)に入力される。上り通信用第1波長フィルタ62に入力された上り信号は、上り通信用第1波長フィルタ62に設定された波長(1305 nm)の信号が反射され、第2光サーキュレータ52の第1入出力端52-1から第2光サーキュレータ52に入力される。さらに、上り信号波長(波長1305 nm)の光搬送波に載せられた上り信号は、第2入出力端52-2から出力されて下り通信用第1波長フィルタ66(ブラッグ波長が1485 nmに設定されている)に入力されるが、この下り通信用第1波長フィルタ66を透過し第4光サーキュレータ56の第3入出力端56-3から第4光サーキュレータ56に入力される。そして、第1入出力端56-1から出力されて、ONU-2の入出力端Q2からリング型受動光伝送路へ出力される。
一方、ONU-2以外のONUからOLT 70に向けて、波長(波長1305 nm)の光搬送波以外の波長(波長1300 nm、波長1315 nm、あるいは波長1310 nm)の光搬送波に載せられ方向1の向きに伝播するよう送信された上り信号は、ONU-2の入出力端P2から入力され、図12(A)において破線で示す経路をたどって、第1光サーキュレータ50、上り通信用第1波長フィルタ62、第2光サーキュレータ52、下り通信用第1波長フィルタ66、及び第4光サーキュレータ56を通過してONU-2の入出力端Q2からリング型受動光伝送路へ出力される。
また、第2入出力端TRx2から出力された上り信号は、図12(B)において実線で示す経路をたどってONU-2の入出力端P2から出力され、リング型受動光伝送路の方向2を伝播してOLT 70に向けて出力される。
すなわち、第2入出力端TRx2から出力された上り信号は、第3光サーキュレータ54の第3入出力端54-3から第3光サーキュレータ54に入力され、第1入出力端54-1から出力されて上り通信用第2波長フィルタ68(ブラッグ波長が1305 nmに設定されている)に入力される。上り通信用第2波長フィルタ68に入力された上り信号は、上り通信用第2波長フィルタ68に設定された上り信号波長の信号が反射され、第3光サーキュレータ54の第1入出力端54-1から第3光サーキュレータ54に入力される。さらに、下り信号波長(波長1305 nm)の光搬送波に載せられた上り信号は、第2入出力端54-2から出力されて下り通信用第2波長フィルタ64(ブラッグ波長が1485 nmに設定されている)に入力されるが、この下り通信用第2波長フィルタ64を透過して第1光サーキュレータ50の第3入出力端50-3から第1光サーキュレータ50に入力される。そして、第1入出力端50-1から出力されて、ONU-2の入出力端P2からリング型受動光伝送路へ出力される。
一方、ONU-2以外のONUからOLT 70に向けて波長1305 nm以外の波長(波長1300 nm、波長1315 nm、あるいは波長1310 nm)の光搬送波に載せられ方向2の向きに伝播するよう送信された上り信号は、ONU-2の入出力端Q2から入力され、図12(B)において破線で示す経路をたどって、第4光サーキュレータ56、上り通信用第2波長フィルタ68、第3光サーキュレータ54、下り通信用第2波長フィルタ64、及び第1光サーキュレータ50を通過してONU-2の入出力端P2からリング型受動光伝送路へ出力される。
図10を参照して、OLT 70における上り信号の処理動作について説明する。各ONUから方向1の伝送方向に伝播させてOLT 70に送信された上り信号は、OLT 70が備える合分岐器88の入出力端Rから入力される。また、各ONUから方向2の伝送方向に伝播させてOLT 70に送信された上り信号は、合分岐器88の入出力端Lから入力される。
合分岐器88に入力された上り信号は、上り信号に割り当てられた波長(ONU-1に割り当てられた波長1300 nm、ONU-2に割り当てられた波長1305 nm、ONU-3に割り当てられた波長1315 nm、ONU-4に割り当てられた波長1310 nm)以外の波長の光も含まれているので、WDMフィルタ86によって上り信号をフィルタして取り出す。WDMフィルタ86から出力される上り信号は、上り信号受信器78から、上位インターフェース76を介して、上位ネットワークに送信される。
以上をまとめると次のようになる。
送受信部60の第1入出力端TRx1から出力され、ONUからOLTへ送信される上り信号は、上り通信用第1波長フィルタ62で反射され下り通信用第1波長フィルタ66を通過してこのONUの他方の入出力端から出力される。
また、送受信部60の第2入出力端TRx2から出力され、ONUからOLTへ送信される上り信号は、上り通信用第2波長フィルタ68で反射され下り通信用第2波長フィルタ64を通過してこのONUの一方の入出力端から出力される。
各ONUにおいて実行される送受信部60の第1入出力端TRx1あるいは第2入出力端TRx2から出力される上り信号の内どちらの入出力端から出力された上り信号を送信するかについての選択動作は、上述の第1の受動光ネットワーク通信システムの場合と同様であるので重複する説明を省略するが、送受信部60における動作は以下のとおりとなる。
第1受信部60-5においてOLT 70から送信された信号をモニターして、信号が受信された場合は送信部セレクタ60-7によって第1入出力端TRx1を選択してONU-2からOLT 70に向けた光信号を送信し、第1受信部60-5がOLT 70から送信された信号を受信していない場合は送信部セレクタ60-7によって第2入出力端TRx2を選択してONU-2からOLT 70に向けた信号を送信する。
このように、第2の受動光ネットワーク通信システムは、複数のONUのそれぞれにおいて、送受信部60に入力される下り信号を第1受信部60-5あるいは第2受信部60-6の何れが受信するかによってリング型受動光伝送路の方向1あるいは方向2の2つの伝播方向の何れを伝播してONUに到達したかを判定し、OLT 70から送信された下り信号が伝播してきた経路にこのONUからOLT 70に向けた上り信号が送信されるように、送受信部60から出力される上り信号を第1送信部60-3あるいは第2送信部60-4の何れから出力するかを送信部セレクタ60-7によって選択する機能を備えている。
10、50:第1光サーキュレータ
12、52:第2光サーキュレータ
14、54:第3光サーキュレータ
16、56:第4光サーキュレータ
20、60:送受信部
20-1、60-1:第1光合分岐器
20-2、60-2:第2光合分岐器
20-3、60-3:第1送信部
20-4、60-4:第2送信部
20-5、60-5:第1受信部
20-6、60-6:第2受信部
20-7、60-7:送信部セレクタ
20-8、60-8:受信部セレクタ
22:第1符号器
24:第2復号器
26:第1復号器
28:第2符号器
30、70:局側終端装置(OLT)
32-1〜32-4、72-1〜72-4:加入者側終端装置(ONU-1〜ONU-4)
36、76:上位インターフェース
38、78:上り信号受信器
40、80:下り信号送信器
42:マルチポート復号器
44:マルチポート符号器
45:合波器
47:分岐器
46、86:波長分割多重(WDM)フィルタ
48、88:合分岐器
62:上り通信用第1波長フィルタ
64:下り通信用第2波長フィルタ
66:下り通信用第1波長フィルタ
68:上り通信用第2波長フィルタ
12、52:第2光サーキュレータ
14、54:第3光サーキュレータ
16、56:第4光サーキュレータ
20、60:送受信部
20-1、60-1:第1光合分岐器
20-2、60-2:第2光合分岐器
20-3、60-3:第1送信部
20-4、60-4:第2送信部
20-5、60-5:第1受信部
20-6、60-6:第2受信部
20-7、60-7:送信部セレクタ
20-8、60-8:受信部セレクタ
22:第1符号器
24:第2復号器
26:第1復号器
28:第2符号器
30、70:局側終端装置(OLT)
32-1〜32-4、72-1〜72-4:加入者側終端装置(ONU-1〜ONU-4)
36、76:上位インターフェース
38、78:上り信号受信器
40、80:下り信号送信器
42:マルチポート復号器
44:マルチポート符号器
45:合波器
47:分岐器
46、86:波長分割多重(WDM)フィルタ
48、88:合分岐器
62:上り通信用第1波長フィルタ
64:下り通信用第2波長フィルタ
66:下り通信用第1波長フィルタ
68:上り通信用第2波長フィルタ
Claims (3)
- 局側終端装置と複数台の加入者側終端装置とをリング型受動光伝送路で結び、複数台の該加入者側終端装置に対して互いに異なる符号を割り当てて光符号分割多重通信を行う受動光ネットワーク通信システムであって、
前記局側終端装置から前記加入者側終端装置へ向けた下り信号を担う光搬送波の波長と、前記加入者側終端装置のそれぞれから当該局側終端装置向けて送信される上り信号を担う光搬送波の波長とが互いに異なる波長に設定されており、
複数の前記加入者側終端装置のそれぞれは、
割り当てられた符号が設定された第1符号器と第2符号器の2つの符号器及び第1復号器と第2復号器の2つの復号器と、
第1及び第2入出力端が形成された送受信部と、
第1〜第4光サーキュレータと
を備えており、
前記送受信部は、さらに第1送信部と第2送信部の2つの送信部と、第1受信部と第2受信部の2つの受信部と、受信部セレクタと、送信部セレクタを備えており、
複数の前記加入者側終端装置のそれぞれにおいて、
前記加入者側終端装置の一方の入出力端から入力される、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号で符号化された下り信号は、前記第1光サーキュレータ、前記第1符号器及び前記第2光サーキュレータを通過して、前記第1復号器で復号化された後、前記第2光サーキュレータを通過して、前記第1入出力端から前記送受信部の前記第1受信部に入力される一方、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、前記第1光サーキュレータ、前記第1符号器、前記第2光サーキュレータ、前記第1復号器及び前記第4光サーキュレータを通過して当該加入者側終端装置の他方の入出力端から出力され、
前記加入者側終端装置の他方の入出力端から入力される、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号で符号化された下り信号は、前記第4光サーキュレータ、前記第2符号器及び前記第3光サーキュレータを通過して、前記第2復号器で復号化された後、前記第3光サーキュレータを通過して、前記第2入出力端から前記送受信部の前記第2受信部に入力される一方、当該加入者側終端装置に割り当てられた符号以外の符号で符号化された下り信号は、前記第4光サーキュレータ、前記第2符号器、前記第3光サーキュレータ、前記第2復号器及び前記第1光サーキュレータを通過して当該加入者側終端装置の一方の入出力端から出力され、
前記第1送信部から出力される上り信号は、前記送受信部の前記第1入出力端から出力されて、前記第2光サーキュレータを経て前記第1符号器で符号化された後、前記第2光サーキュレータ、前記第1復号器及び前記第4光サーキュレータを通過して、前記加入者側終端装置の他方の入出力端から前記局側終端装置へ送信され、
前記第2送信部から出力される上り信号は、前記送受信部の前記第2入出力端から出力されて、前記第3光サーキュレータを経て前記第2符号器で符号化された後、前記第3光サーキュレータ、前記第2復号器及び前記第1光サーキュレータを通過して、前記加入者側終端装置の一方の入出力端から前記局側終端装置へ送信される
ことを特徴とする受動光ネットワーク通信システム。 - 前記局側終端装置は、
当該受動光ネットワーク通信システムと上位ネットワークとのインターフェースである上位インターフェースと、
前記上位ネットワークから前記上位インターフェースを介して取り込んだ下り信号を受信する下り信号送信器と、
前記下り信号を符号化するマルチポート符号器と、
符号化されて送信される前記上り信号を復号化するマルチポート復号器と、
復号化された上り信号を、前記上位インターフェースを介して上位ネットワークに送信する上り信号受信器と、
前記上り信号と前記下り信号とを合分波する波長分割多重フィルタと
を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の受動光ネットワーク通信システム。 - 請求項1又は2に記載の受動光ネットワーク通信システムの複数の前記加入者側終端装置のそれぞれにおいて行われる受動光ネットワーク通信方法であって、
前記第1受信部において前記復号化された下り信号をモニターするステップと、
当該第1受信部が該復号化された下り信号を受信した場合は前記送信部セレクタによって前記第2入出力端を選択して前記送受信部から前記上り信号を出力することによって、当該加入者側終端装置から前記局側終端装置に向けた上り信号を送信するステップと、
前記第1受信部が前記復号化された下り信号を受信していない場合は前記送信部セレクタによって前記第1入出力端を選択して前記送受信部から前記上り信号を出力することによって、当該加入者側終端装置から前記局側終端装置に向けた上り信号を送信するステップと
を含むことを特徴とする受動光ネットワーク通信方法。
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