JP6457914B2 - 光伝送装置、光集線ネットワークシステム、運用制御方法およびプログラム - Google Patents
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Description
図8の光集線ネットワークシステム10は、代表ノードとしての光伝送装置11と、ノードとしての複数の光伝送装置12,13,14とが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ16および第2光ファイバ17によってリング状に接続されている。この2本のリング状の光ファイバ16,17の伝送路によって、矢印で示す互いに異なる方向の右回り方向と左回り方向にデータを伝送でき、何れか一方の伝送路に障害が発生して伝送不能となった場合に、他方の伝送路で伝送が可能となっている。これが上述した1+1プロテクションの構成である。なお、光伝送装置11は代表ノード11とも称し、各光伝送装置12,13,14はノード12,13,14とも称す。
IO部34aは、第1光ファイバ16を介して矢印Y1で示す右回り、または第2光ファイバ17を介して矢印Y2で示す左回りそれぞれの経路にデータを流すため、同じデータをコピーして伝送する。そして、IO部20aは、右回り、左回りそれぞれから同じデータを受信すると、それらを1つのデータとして(例えばどちらか片方のデータを破棄して)ホストコンピュータ41aに転送する。
つまり、同じ上り方向として、2つのリング状の経路を利用して右回りと左回りとにデータ伝送が可能となっている。このため、何れか一方の経路に障害が発生して伝送不能となった場合に、他方の経路でデータ伝送を行うことができる。例えば、第1光ファイバ16に障害が発生して伝送不能となった場合に、第2光ファイバ17でデータ伝送を行うことができる。したがって、一方の経路に障害が発生した場合でも、データ伝送の遮断を抑制できる。
代表ノード11は、複数のIO(入出力処理)部20a〜20nと、OLT21と、光多重分離部23a,23bと、を備えて構成される。OLT21は、SW(スイッチ)部25と、OSU26a,26bと、DWBA(Dynamic Wavelength and Bandwidth Assignment)機能部27と、を備える。
ノード12,13,14は何れも同構成であり、ノード13を代表して示す。ノード13は、複数の光多重分離部31a,31bと、複数のONU(Optical Network Unit)32a,32bと、MUX/SW部33と、複数のIO部34a〜34nと、を備えて構成される。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光集線ネットワークシステムを示す構成図である。図8と同一構成部分には同一符号を付している。本実施形態は、PONに代表される、光TDM技術を用いた通信用のデバイスおよび装置を活用した光伝送装置、光集線ネットワークシステムに適用する例である。
図1に示すように、光集線ネットワークシステム100は、代表ノードとしての光伝送装置110と、ノードとしての複数の光伝送装置120,130,140とが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ16および第2光ファイバ17によってリング状に接続されている。そのリングトポロジのPONにおけるOLT21−ONU32間が2本の経路として冗長化(耐障害化)されている。
ここで、光伝送路の数について本実施形態では、2本(1+1や1:1)を例示するが、複数本であれば2本以上でもよい。
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、後記する各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
代表ノード110(第1光伝送装置)は、複数のIO部20a〜20nと、OLT111(第1OLT)と、光多重分離部23a,23bと、を備えて構成される。OLT111は、SW部25と、OSU26a,26bと、DWBA機能部127(パス設定制御手段)と、を備える。
・DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)演算やDWBA演算を行い、その演算結果をOSU26、SW部25に通知することで、PONの帯域や波長リソースをONUに動的に割り当てる。
・IO部20、34に対して、受信波長切替用のアイドル信号の挿入を指示したり、送信対象のデータ信号のリオーダリング(送信順序の入れ替え)を指示したりする。
ノード120,130,140(第2光伝送装置)の少なくとも1つは、後記するOLT機能が配備されるノードである。ノード120,130,140が、OLT機能部を備える場合、ノード120,130,140は何れも同構成である。ノード130を代表して示す。
ノード130は、複数の光多重分離部131a,131bと、複数のOSU132a,132b(OLT機能部)(第2OLT)と、複数のONU32a,32bと、MUX/SW部33と、複数のIO部34a〜34nと、を備えて構成される。
以下の説明において、光多重分離部131a,131bを総称する場合は、光多重分離部131と呼び、OSU132a,132bを総称する場合は、OSU132と呼び、ONU32a,32bを総称する場合は、ONU32と呼ぶ。
IO部34a〜34nは、ホスト43a〜43nからのクライアント信号の終端を行い、MUX/SW部33へ送る。MUX/SW部33からの信号をクライアント信号としてホスト43a〜43nへ送る。他のノード120,140においても、同様に図示せぬIO部にホスト42a〜42n,44a〜44n(図示は1つのみ)が1対1で接続されている。
図2に示すように、ノード130は、光多重分離部131と、OSU132と、ONU32と、MUX/SW部33と、UNI−LT部35と、を備えて構成される。
光多重分離部131は、BPF51a,51bと、カプラ152と、を備える。
OSU132は、送受信器であるTRX部153と、データ転送処理用のプロトコル処理部(OSI(Open Systems Interconnection)第1層を処理する「L1」と第2層を処理する「L2」とを有するL1/L2部154と、を備える。
ONU32は、送受信器であるTRX部53と、データ転送処理用のプロトコル処理部第1層を処理する「L1」と第2層を処理する「L2」とを有するL1/L2部54と、を備える。
なお、ITU(International Telecommunication Union)によって標準化されているアクセス系の標準規格NG−PON2(Next-Generation Passive Optical Network 2)では、ONU32側のトランシーバ(TRX)に波長可変性を持たせることが示唆されている。
[全体動作]
図1に示すように、光集線ネットワークシステム100は、代表ノード110ではないノード130に、OSU132a,132b(OLT機能部)を配備している。例えばノード120を送信ノード、ノード140を受信ノードとし、ノード120に接続されたホスト43a〜42nから送信されるクライアント信号をノード140に接続されたホスト44a〜44nへ伝送する。
OSU26a,26b(第1OLT)は、下り波長λD1でデータを送信する。OSU132a,132b(第2OLT)に到着した中継通信データは、OSU132a,132bで一旦終端されて、OSU132a,132bから送信するときには、下り波長λD2を使って送信する。
送信側のノード120のUNI−LTでデータをコピーし、それぞれの経路へ送信する。
ノード130は、OSU132a,132bを配備しており、送受信ノード120,140間の通信を中継する。OSU132a,132bにおける折り返しパスは、送信ノード120からノード130のOLT折り返しまでは上りとして送信され、ノード130のOLTで折り返され下りとして受信側のノード140へ転送される。
受信側のノード140のONUでは、2経路からのデータを選択する。
図2に示すように、BPF51a,51bで下りをスルーさせ、上り信号は中継通信信号を含めて全てOSU132a,132bで終端させる。他ノードが送信した代表ノード宛の上り信号に対しては、ノード130のONU32a,32bから転送し、ONU間の中継通信はOSU132a,132bで上りから下りに折り返して転送する。すなわち、
・通常の上り:OSU132のTRX部153(OLT−Rx)で受信し、MUX/SW部33で折り返し、ONU32のTRX部53から送信する。
・ONU間:折り返した後、OSU132のTRX部153(OLT−Tx)から送信する。
次に、OLT機能部が配備されるノード130の詳細動作について説明する。
光集線ネットワークシステム100は、上り波長λU(最低1波)、下り波長λD1,λD2(最低2波)を使用する。λD1は、通常の下り信号用、λD2は中継信号用である。本明細書では、ONU間通信用に中継する信号を中継信号と表記している。ここで、下りは連続信号のため、通常の下り信号用と中継信号用は別波長とする必要がある。このため、下り波長ではλD1,λD2(最低2波)を使用する。なお、OLT機能部が配備されるノード数だけ、中継信号用の波長を増やす必要がある。例えば、OLT機能部が配備されるノード数が10の場合、中継信号用の波長も10となる。ただし、代表ノードでないノードの全てにOLT機能部を配備する必要はない。
<自ノードからの上り送信>
図2に示すように、UNI−LT部35からのデータは、MUX/SW部33からONU32のL1/L2部54、さらにTRX部53を通って、波長λUで隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
ingress側のBPF51aで上りと下り波長帯を分離し、上り波長のλUの信号が一旦、OSU132a(OLT機能部)のTRX部153、さらにL1/L2部154で終端され、MUX/SW部33でONU32へ折り返される。そして、ONU32のL1/L2部54およびTRX部53を通って波長λUで隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、通常の下り信号用のλD1の信号がカプラで光分岐され、ONU32のTRX部53、さらにL1/L2部154で終端する。L1/L2部54は、自ノード宛信号であることを識別し、MUX/SW部33からUNI−LT部35で受信する。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、通常の下り信号用のλD1の信号がカプラ152を通過し、egress側のBPF51bで上り波長と多重され、隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。なお、egress側のBPF51bは、カプラによる光MUX機能でもよい。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、λUの信号が一旦、OSU132aのTRX部153、さらにL1/L2部154で終端され、L1/L2部154内部もしくはMUX/SW部33で再度、OSU132aへ折り返される。そして、OSU132aのL1/L2部154、さらにTRX部153を通って中継信号用のλD2の信号として送信され、カプラ152(またはAWG)、egress側のBPF51bを通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。
UNI−LT部35からのデータがMUX/SW部33、OSU132aのL1/L2部154、さらにTRX部153を通って波長λD2で送信され、カプラ152、egress側のBPF51bを通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。
ingress側のBPF51aで上りと下り波長帯を分離し、λUの信号をOSU132aのTRX部153、さらにL1/L2部154で終端し、電気的に自ノード宛信号を識別してMUX/SW部33からUNI−LT部35で受信する。
図3は、光集線ネットワークシステム100のノードの帯域割当管理を示す図である。図3の帯域割当管理は、上り波長帯と、下り波長帯とに分けられ、図の横方向がデータの通信方向を、縦方向が時間をそれぞれ示している。また、図3のブロック内の数値「1」「2」「3」「4」は、4ノードリング構成(図1参照)の各ノード、すなわちノード110(ノード<1>)、ノード120(ノード<2>)、ノード130(ノード<3>)、ノード140(ノード<4>)にそれぞれ対応する。ノード110(ノード<1>)は、通常のOLTを有する代表ノード、ノード130(ノード<3>)はOSU132a,132b(OLT機能部)が配備されるノードである。また、図2および図3のブロック内網掛け部分は、OLT機能部の対応動作であることを示している。
上り波長帯では、通常の上り信号と、中継信号と、をTDMAにより多重して伝送する。
図1および図3に示すように、ノード120(ノード<2>)で送信したデータを代表ノード110(ノード<1>)に届ける場合、ノード120(ノード<2>)からノード130(ノード<3>)→ノード140(ノード<4>)→代表ノード110(ノード<1>)のデータ通信方向である。
下り波長帯では、通常の下り信号のTDM伝送(ONU32における受信波長切替制御あり)と、中継信号のTDM伝送(ONU32における受信波長切替制御あり)と、を用いる。
図3に示す例では、代表ノード110(ノード<1>)は、下り波長帯において、通常の下り信号用のλD1の信号を用いて、代表ノード110(ノード<1>)からノード120(ノード<2>)にデータを送る(「1→2」(図3のS109参照))。次いで、代表ノード110(ノード<1>)からノード130(ノード<3>)にデータを送り(「1→3」(図3のS110参照))、ノード140(ノード<4>)にデータを送る(「1→4」(図3のS111参照))。なお、上記S109〜S111は、通常の下り信号(λD1の信号)を用いたデータ転送機能である。また、上記「1→2」(図3のS109参照)および「1→3」(図3のS109参照)のデータ伝送後の部分(図3のハッチング参照)は、光カプラによるパッシブな分岐を用いた際に他のノードが使用できない部分である。
ノード140(ノード<4>)は、上記「1→4」(図3のS111参照)のデータ送信後で、後記する中継の下り信号(λD2の信号)を用いた中継後に、中継の下り信号の波長λD2を、通常の下り信号の波長λD1に、受信λ切替を行う(図3のS112参照)。
ノード130(ノード<3>)は、下り波長帯において、中継の下り信号(λD2の信号)を用いて、折り返したデータをノード140(ノード<4>)に送る(「2→4」(図3のS115参照))。そして、ノード130(ノード<3>)は、下り波長帯において、中継の下り信号(λD2の信号)を用いて、ノード130(ノード<3>)からノード140(ノード<4>)にデータを送る(「3→4」(図3のS116参照))。
また、ノード140(ノード<4>)は、通常の下り信号/中継信号の両方を受信するために受信波長切替(チューナブルフィルタが透過する波長の設定変更)が必要となる。このため、波長切替オペレーション中ならびに中継信号の受信中は、通常の下り信号を受信することはできない。
第1の実施形態では、OSU間通信において、通常の上り信号(λUの信号)を、OSU132で受信して終端し、通常の上り信号(λUの信号)を中継の下り信号(λD2の信号)に切り替えてデータを転送している。
第2の実施形態は、OSU間通信において、さらに上りに関しても通常の上り信号と中継の上り信号に分ける例である。
光集線ネットワークシステム200は、図1の光集線ネットワークシステム100と同様に、代表ノード110と、代表ノード110ではないノード120,130,140とが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ16および第2光ファイバ17によってリング状に接続されている。
ノード130は、光多重分離部231と、OSU132と、ONU32と、MUX/SW部33と、UNI−LT部35と、を備えて構成される。
光多重分離部231は、BPF51a,51bと、AWG(Arrayed Waveguide Grating)251と、カプラ252,253と、を備える。
光集線ネットワークシステム200の全体動作は、図1の光集線ネットワークシステム100と同様である。すなわち、代表ノード110ではないノード130に、OSU132を配備する。送受信ノード120,140間で右回り/左回りのパスについて、一方をOLT折り返しパス(矢印Y1で示す右回りの現用パス)と設定し、他方はデータ転送機能が配備されたノード130を通過するパス(矢印Y2で示す左回りの冗長用パス)と設定する。
送信側のノードでデータをコピーし、それぞれの経路へ送信する。
OSU132における折り返しパスは、送信ノード120からノード130の折り返しまでは上りとして送信され、ノード130で折り返され下りとして受信側のノード140へ転送される。
受信側のノード140のONUでは、2経路からのデータを選択する。
図4に示すように、ノード130は、BPF51aの後段にAWG251を配備し、上り中継とONU間通信をAWG251で分離し、ONU間通信だけOSU132で終端させる。換言すれば、上り中継はλU1を用いてスルーして送信し、ONU間通信はλU2を用いてOSU132で上りから下りに折り返して転送する。すなわち、
・通常の上り:λU1を用いて、スルーする。
・ONU間:λU2を用いてOSU132のTRX部153(OLT−Rx)で受信し、折返後、OSU132のTRX部153(OLT−Tx)から送信する。
次に、OLT機能部が配備されるノード130の詳細動作について説明する。
光集線ネットワークシステム200は、上り波長がλU1,λU2(最低2波)、下り波長がλD1,λD2(最低2波)を使用する。
λU1は、通常の上り信号用、λU2は、中継信号用である。また、λD1は、通常の下り信号用、λD2は、中継信号用である。
ここで、下りは連続信号のため、通常の下り信号用と中継信号用は別波長とする必要がある。このため、下り波長ではλD1,λD2(最低2波)を使用する。なお、OLT機能部が配備されるノード数だけ、中継信号用の波長を増やす必要がある。ただし、代表ノードでないノードの全てにOLT機能部を配備する必要はない。
<自ノードからの上り送信>
図4に示すように、UNI−LT部35からのデータは、MUX/SW部33からONU32のL1/L2部54、さらにTRX部53を通って、波長λU(λU1,λU2をまとめて表記)で隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
ingress側のBPF51aで上りと下り波長帯を分離し、AWG251で上り信号を分波する。上り波長のλU1の信号がONU32側のカプラ253を通過して他信号と多重され隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、通常の下り信号用のλD1の信号がカプラ252で光分岐され、ONU32のTRX部53、さらにL1/L2部154で終端する。L1/L2部54は、自ノード宛信号であることを識別し、MUX/SW部33からUNI−LT部35で受信する。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、通常の下り信号用のλD1の信号がカプラ252で光多重分岐され、ONU32のTRX部53、そしてL1/L2部54で終端する。自ノード宛信号であることをL1/L2部54で識別し、MUX/SW部33を経由しUNI−LT部35で受信する。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、AWG251で上り信号を分波する。そして、λU2の信号が一旦、OSU132のTRX部153、さらにL1/L2部154で終端され、L1/L2部154内部もしくはMUX/SW部33で再度、OSU132へ折り返される。そして、OSU132のL1/L2部154、さらにTRX部153を通って中継信号用のλD2の信号として送信され、カプラ252(またはAWG)、egress側のBPF51bを通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。
UNI−LT部35からのデータがMUX/SW部33、OSU132のL1/L2部154、さらにTRX部153を通って波長λD2で送信され、カプラ252、egress側のBPF51bを通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。
ingress側のBPF51aで上りと下り波長帯を分離し、AWG251で上り信号を分波する。そして、λU2の信号をOSU132のTRX部153、さらにL1/L2部154で終端し、電気的に自ノード宛信号を識別してMUX/SW部33からUNI−LT部35で受信する。
図5は、光集線ネットワークシステム200のノードの帯域割当管理を示す図である。図3と同一処理部分には、同一符号を付している。図5の帯域割当管理は、上り波長帯と、下り波長帯とに分けられ、図の横方向がデータの通信方向を、縦方向が時間をそれぞれ示している。また、図5のブロック内の数値「1」「2」「3」「4」は、4ノードリング構成(図1参照)の各ノード、すなわち代表ノード110(ノード<1>)、ノード120(ノード<2>)、ノード130(ノード<3>)、ノード140(ノード<4>)にそれぞれ対応する。代表ノード110(ノード<1>)は、通常のOLTを有する代表ノード、ノード130(ノード<3>)はOSU132(OLT機能部)が配備されるノードである。また、図4および図5のブロック内網掛け部分は、OLT機能部の対応動作であることを示している。
上り波長帯では、通常の上り信号のTDMA(ONUにおける送信λ切替制御あり)と、中継信号のTDMA(ONUにおける送信λ切替制御あり)と、を用いる。
図1および図5に示すように、ノード120(ノード<2>)で送信したデータを代表ノード110(ノード<1>)に届ける場合、上りがノード120(ノード<2>)で終端するので、ノード120(ノード<2>)で送信したデータを代表ノード110(ノード<1>)に届ける場合、一回、上り波長帯において通常の上り信号(λU1の信号)で、ノード120(ノード<2>)から代表ノード110(ノード<1>)にデータを送る(「2→1」(図5のS101参照))。
下り波長帯では、通常の下り信号のTDM伝送(ONUにおける受信λ切替制御あり)と、中継信号のTDM伝送(ONUにおける受信λ切替制御あり)と、を用いる。
図5に示す例では、代表ノード110(ノード<1>)は、下り波長帯において、通常の下り信号用のλD1の信号を用いて、代表ノード110(ノード<1>)からノード120(ノード<2>)にデータを送る(「1→2」(図5のS109参照))。次いで、代表ノード110(ノード<1>)からノード130(ノード<3>)にデータを送り(「1→3」(図5のS110参照))、
ノード140(ノード<4>)は、後記する中継の下り信号(λD2の信号)を用いた中継後に、中継の下り信号の波長λD2を、通常の下り信号の波長λD1に、受信λ切替を切り替える(図5のS112参照)。
ノード140(ノード<4>)は、通常のデータ受信時には、通常の下り信号(λD1の信号)を用いた通常のデータ転送を行っている。このため、ノード140(ノード<4>)は、中継信号伝送時には、通常の下り信号の波長λD1を中継の下り信号の波長λD2に、受信λ切替を行う(図5のS114参照)。
ノード130(ノード<3>)は、下り波長帯において、中継の下り信号(λD2の信号)を用いて、折り返したデータをノード140(ノード<4>)に送る(「2→4」(図5のS115参照))。そして、ノード130(ノード<3>)は、下り波長帯において、中継の下り信号(λD2の信号)を用いて、ノード130(ノード<3>)からノード140(ノード<4>)にデータを送る(「3→4」(図5のS116参照))。
また、ノード140(ノード<4>)における波長切替におけるリソース割当制御に加え、ノード120(ノード<2>)が通常の上り信号/中継信号の両方を送信するために送信波長切替(チューナブルレーザが出力する波長の設定変更)が必要となる。したがって、波長切替オペレーション中ならびに中継信号の送信中は通常の上り信号を送信することはできない。
第1の実施形態は、通常の下りと中継の下りとで信号の波長を分け、第2の実施形態は、さらに通常の上りと中継の上りとで信号の波長を分けている。第3の実施形態では、通常の下りと中継の下りとでは信号の波長を分けるが、通常の上りと中継の上りの信号の波長を分けず、かつ終端せずにカプラでコピーして分岐する例である。
光集線ネットワークシステム300は、図1の光集線ネットワークシステム100と同様に、代表ノード110と、代表ノード110ではないノード120,130,140とが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ16および第2光ファイバ17によってリング状に接続されている。
図6に示すように、光集線ネットワークシステム300の代表ノード110ではないノード130は、OSU132が配備される。
ノード130は、光多重分離部331と、OSU132と、ONU32と、MUX/SW部33と、UNI−LT部35と、を備えて構成される。
光多重分離部331は、BPF51a,51bと、カプラ351,352,353と、を備える。
光集線ネットワークシステム200の全体動作は、図1の光集線ネットワークシステム100と同様である。
図6に示すように、ノード130は、カプラ351,352,353で上り/ONU間全てをスルー(Through)し、かつ信号を受信(Drop)する。すなわち、
・通常の上りおよびONU間はいずれもカプラで分岐し、スルー/Dropする。
上り:Dropされたものは無視する。
ONU間:Drop信号を折返後、OSU132のTRX部153(OLT−Tx)で送信する。
次に、OSU132(OLT機能部)が配備されるノード130の詳細動作について説明する。
光集線ネットワークシステム300は、上り波長がλU(最低1波)、下り波長がλD1,λD2(最低2波)を使用する。
λD1は、通常の下り信号用、λD2は、中継信号用である。ここで、下りは連続信号のため、通常の下り信号用と中継信号用は別波長とする必要がある。このため、下り波長ではλD1,λD2(最低2波)を使用する。なお、OLT機能部が配備されるノード数だけ、中継信号用の波長を増やす必要がある。
<自ノードからの上り送信>
図6に示すように、UNI−LT部35からのデータは、MUX/SW部33からONU32のL1/L2部54、さらにTRX部53を通って波長λUで送信された信号がカプラ353で多重され隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
ingress側のBPF51aで上りと下り波長帯を分離し、λUの信号がカプラ351、353を通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、通常の下り信号用のλD1の信号がカプラ352で光分岐され、ONU32のTRX部53、さらにL1/L2部154で終端する。L1/L2部54は、自ノード宛信号であることを識別し、MUX/SW部33からUNI−LT部35で受信する。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、通常の下り信号用のλD1の信号がカプラ352を通過し、egress側のBPF51b(カプラでもよい)で上り波長と多重され隣のノード(ここではノード140)へ伝送される。
BPF51aで上りと下り波長帯を分離し、カプラ351で分岐されたλUの信号が一旦、OSU132のTRX部153、さらにL1/L2部154で終端され、L1/L2部154内部もしくはMUX/SW部33で再度、OSU132へ折り返される。そして、OSU132のL1/L2部154、さらにTRX部153を通って中継信号用のλD2の信号として送信され、カプラ352、egress側のBPF51bを通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。
UNI−LT部35からのデータがMUX/SW部33、OSU132のL1/L2部154、さらにTRX部153を通って波長λD2で送信され、カプラ352、egress側のBPF51bを通過して隣のノード(ここではノード140)へ伝送する。
ingress側のBPF51aで上りと下り波長帯を分離し、カプラ351で分岐されたλUの信号をOSU132のTRX部153、さらにL1/L2部154で終端し、電気的に自ノード宛信号を識別してMUX/SW部33からUNI−LT部35で受信する。
図7は、光集線ネットワークシステム300のノードの帯域割当管理の例を示す図である。図3と同一処理部分には、同一符号を付している。
図7の帯域割当管理は、上り波長帯と、下り波長帯とに分けられ、図の横方向がデータの通信方向を、縦方向が時間をそれぞれ示している。また、図7のブロック内の数値「1」「2」「3」「4」は、4ノードリング構成(図1参照)の各ノード、すなわちノード110(ノード<1>)、ノード120(ノード<2>)、ノード130(ノード<3>)、ノード140(ノード<4>)にそれぞれ対応する。ノード110(ノード<1>)は、通常のOLTを有する代表ノード、ノード130(ノード<3>)はOSU132が配備されるノードである。また、図6および図7のブロック内網掛け部分は、OLT機能部の対応動作であることを示している。
上り波長帯では、通常の下り信号と、中継信号が伝送される。
第2の実施形態と異なり、通常の上りと中継の上りの信号の波長を分けずにカプラ351でコピーして分岐する。
図7に示すように、ノード120(ノード<2>)で送信したデータを代表ノード110(ノード<1>)に届ける場合、第2の実施形態と異なり、通常の上りと中継の上りとを分けずにカプラ352でコピーして分岐する。
下り波長帯では、通常の下り信号のTDM伝送(ONUにおける受信λ切替制御あり)と、中継信号のTDM伝送(ONUにおける受信λ切替制御あり)と、を用いる。
図7に示すように、代表ノード110(ノード<1>)は、下り波長帯において、通常の下り信号用のλD1の信号を用いて、代表ノード110(ノード<1>)からノード120(ノード<2>)にデータを送る(「1→2」(図7のS109参照))。次いで、代表ノード110(ノード<1>)からノード130(ノード<3>)にデータを送り(「1→3」(図7のS110参照))、ノード140(ノード<4>)にデータを送る(「1→4」(図7のS111参照))。
ノード140(ノード<4>)は、上記「1→4」(図7のS111参照)のデータ送信後で、中継の下り信号(λD2の信号)を用いた中継後に、異なるタイミングで中継の下り信号の波長λD2を、通常の下り信号の波長λD1に、受信λ切替を行う(図7のS112参照)。
ノード130(ノード<3>)は、下り波長帯において、中継の下り信号(λD2の信号)を用いて、折り返したデータをノード140(ノード<4>)に送る(「2→4」(図7のS115参照))。そして、ノード130(ノード<3>)は、下り波長帯において、中継の下り信号(λD2の信号)を用いて、ノード130(ノード<3>)からノード140(ノード<4>)にデータを送る(「3→4」(図7のS116参照))。
また、ノード140(ノード<4>)は、通常の下り信号/中継信号の両方を受信するために受信波長切替(チューナブルフィルタが透過する波長の設定変更)が必要となる。このため、波長切替オペレーション中ならびに中継信号の受信中は、通常の下り信号を受信することはできない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
20a〜20n IO部(SNI−LT)
23a,23b,131a,131b,231,331 光多重分離部
25 SW部
26a,26 OSU
32a,32b ONU
33 MUX/SW部
34a〜34n IO部(UNI−LT)
35 UNI−LT部
41a〜41n,42a〜42n,43a〜43n,44a〜44n ホストコンピュータ(外部装置)
51a,51b BPF
54,154 L1/L2部
100,200,300 光集線ネットワークシステム
110 代表ノード(第1光伝送装置)
120〜140 (第2光伝送装置)
111 OLT(第1OLT)
127 DWBA機能部(パス設定制御手段)
132a,132b OSU(OLT機能部)(第2OLT)
152,252,253,351,352,353 カプラ
153 TRX部
251 AWG
Claims (8)
- 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としての第1OLT(Optical Line Terminal)と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONU(Optical Network Unit)とが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一の2つのデータが互いに反対方向に経由する際に、一方の前記ONUから前記第1OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記第1OLTを有する光伝送装置であって、
一方の前記ONUから他方の前記ONUへデータ転送を折り返す当該ONUと同じ客体の光回線終端装置として同じノード内に備えられた中継用の第2OLTを介したONU間の経路に、当該第2OLTで折り返されたデータを転送するパスを設定する制御を行うパス設定制御手段を備え、
前記パス設定制御手段は、
前記ONU間で右回りまたは左回りのパスについて、一方を前記第1OLTの折り返しパスと設定し、他方を前記第2OLTと同じノード内に備えられたONUを通過するパスと設定する
ことを特徴とする光伝送装置。 - 前記パス設定制御手段は、
前記ONU間で前記2本の光伝送路を同一の2つのデータが互いに反対方向に経由する際に、一方の光伝送路を一方向に伝送するデータを、前記第2OLTで他方の光伝送路を他方向へ伝送するように折り返す第2OLTの折り返しパスを設定し、
前記第1OLTの折り返しパスにおいて、送信側の前記ONUから前記第1OLTの折り返しまでは上りとして送信され、前記第1OLTで折り返されて下りとして受信側の前記ONUへ転送され、
前記第2OLTの折り返しパスにおいて、送信側の前記ONUから前記第1OLTへ一方の光伝送路を上り方向に伝送するデータを、前記第2OLTで他方の光伝送路を下り方向へ伝送するように折り返して伝送するようにパスの設定を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。 - 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としての第1OLT(Optical Line Terminal)を有する第1光伝送装置と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONU(Optical Network Unit)を有する複数の第2光伝送装置とが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一の2つのデータが互いに反対方向に経由する際に、一方の前記ONUから前記第1OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送される光集線ネットワークシステムであって、
複数の第2光伝送装置のうち、少なくとも一つは、
一方の前記ONUから他方の前記ONUへデータ転送を折り返す中継用の第2OLTを備え、
前記第1光伝送装置は、前記第2OLTを介した前記ONU間の経路に、当該第2OLTで折り返されたデータを転送するパスを設定する制御を行うパス設定制御手段を備え、
前記パス設定制御手段は、
前記第2光伝送装置間で右回りまたは左回りのパスについて、一方を前記第1OLTの折り返しパスと設定し、他方を前記第2OLTを有する前記第2光伝送装置を通過するパスと設定する
ことを特徴とする光集線ネットワークシステム。 - 前記第2OLTを有する第2光伝送装置内のONUは、
他の前記ONUから前記第1OLTへの上り中継、および、前記ONU間通信を中継する場合、
前記上り中継は、前記ONUから転送し、前記ONU間通信は、前記第2OLTがデータを一方の光伝送路の上り方向から、他方の光伝送路の下り方向へ折り返して転送する
ことを特徴とする請求項3に記載の光集線ネットワークシステム。 - 前記第2OLTを有する第2光伝送装置内のONUは、
他の前記ONUから前記第1OLTへの上り中継、および、前記ONU間通信を中継する場合、
前記上り中継は、スルーして送信し、前記ONU間通信は、前記第2OLTがデータを一方の光伝送路の上り方向から、他方の光伝送路の下り方向へ折り返して転送する
ことを特徴とする請求項3に記載の光集線ネットワークシステム。 - 前記第2OLTを有する第2光伝送装置内のONUは、
他の前記ONUから前記第1OLTへの上り中継、および、前記ONU間通信を中継する場合、前記上り中継およびONU間通信をともに光分岐してスルーおよび分離を両方行い、前記上り中継は、スルーして送信した側を利用して伝送し、前記ONU間通信は分離した側を利用し、前記第2OLTでデータを一方の光伝送路の上り方向から、他方の光伝送路の下り方向へ折り返して転送する
ことを特徴とする請求項3に記載の光集線ネットワークシステム。 - 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としての第1OLT(Optical Line Terminal)を有する第1光伝送装置と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONU(Optical Network Unit)を有する複数の第2光伝送装置とが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一の2つのデータが互いに反対方向に経由する際に、一方の前記ONUから前記第1OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送される光集線ネットワークシステムの運用制御方法であって、
複数の第2光伝送装置のうち、少なくとも一つは、
一方の前記ONUから他方の前記ONUへデータ転送を折り返す中継用の第2OLTを備え、
前記第1光伝送装置は、前記第2OLTを介した前記ONU間の経路に、当該第2OLTで折り返されたデータを転送するパスを設定する制御を行うパス設定制御ステップを実行し、
前記パス設定制御ステップにおいて、
前記第2光伝送装置間で右回りまたは左回りのパスについて、一方を前記第1OLTの折り返しパスと設定し、他方を前記第2OLTを有する前記第2光伝送装置を通過するパスと設定する
ことを特徴とする運用制御方法。 - 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としての第1OLT(Optical Line Terminal)と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONU(Optical Network Unit)とが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一の2つのデータが互いに反対方向に経由する際に、一方の前記ONUから前記第1OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記第1OLTを有する光伝送装置としてのコンピュータを、
一方の前記ONUから他方の前記ONUへデータ転送を折り返す当該ONUと同じ客体の光回線終端装置として同じノード内に備えられた中継用の第2OLTを介したONU間の経路に、当該第2OLTで折り返されたデータを転送するパスを設定する制御を行うとともに、前記ONU間で右回りまたは左回りのパスについて、一方を前記第1OLTの折り返しパスと設定し、他方を前記第2OLTと同じノード内に備えられたONUを通過するパスと設定するパス設定制御手段、
として機能させるためのプログラム。
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