以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアや、色図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄や色図柄(「第4図柄」ともいう)を可変表示する。この飾り図柄や色図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、「左」及び「右」の色図柄表示エリア5A、5Bが配置されている。そして、特図ゲームとして第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動が開始されるときには、「左」の色図柄表示エリア5Aにて色図柄の変動(例えば表示色の更新)が開始される。他方、特図ゲームとして第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動が開始されるときには、「右」の色図柄表示エリア5Bにて色図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、色図柄の変動が終了して、色図柄の可変表示結果となる確定色図柄が停止表示される。
「左」及び「右」の色図柄表示エリア5A、5Bにて可変表示される色図柄には、例えば4種類の図柄(例えば「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」など)が含まれていればよい。色図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」の色図柄それぞれに対して、「1」〜「4」の図柄番号が付されている。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口58a(図2参照)に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、発生する。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口58a(図2参照)に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。ここで、この実施の形態では、保留記憶表示を行う際に、可変表示ゲームの始動条件が成立したことに基づく特図保留記憶数は特定できたものの、その始動条件が第1始動条件であるか第2始動条件であるかを特定できない場合に、例えば特図保留記憶数に対応する個数の表示部位を灰色に変化させることなどにより、特図保留記憶数の表示態様を所定の表示態様に変更する。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口58a(図2参照)に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここで、第1始動条件と第2始動条件の双方が成立した場合には、第2始動条件に基づく第2特図を用いた特図ゲームを、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先的に実行するようにしてもよい。このようにすれば、後述するように第1特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が、賞球の払出が行われない「突確」となり得るが、第2特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が「突確」となり得ないため、第2始動入賞口58aの開放時間が通常状態よりも長い、確変状態では、大当り種別が「突確」となって2ラウンド大当り遊技状態になる可能性を極めて低くすることができる。これにより、確変状態における賞球の払出性能を高めることができるとともに、遊技者に不快感を与えることを防止することができる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用ソレノイド59(図11参照)によって開閉駆動される一対の回動羽根301a、301b(図2参照)を有する電動チューリップ型の可変入賞球装置であり、始動領域としての第2始動入賞口58a(図2参照)を形成している。普通可変入賞球装置6Bでは、回動羽根301a,301bが垂直位置にあるときに第2始動入賞口58aを閉止状態して、普通電動役物用ソレノイド59によって回動羽根301a,301bを傾動位置に移動させることで第2始動入賞口58aを開放する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図11に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口58a(図2参照)に進入した遊技球は、例えば図11に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
次に、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bの詳細な構造について、図2〜図10に基づいて説明する。図2は、普通入賞球装置及び普通可変入賞球装置を示す斜視図であり、図3(a)は、普通入賞球装置及び普通可変入賞球装置を示す平面図であり、図3(b)は、普通入賞球装置及び普通可変入賞球装置を示す右側面図である。図4(a)は、支持部材を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の右側面図である。図5は、伝達機構を示す正面図であり、図6は、伝達機構の内部構造を示す分解斜視図である。図7(a)は、開状態における普通可変入賞球装置を示す縦断面図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A断面図であり、図8(a)は、閉状態における普通可変入賞球装置を示す縦断面図であり、図8(b)は、図8(a)のA’−A’断面図である。図9は、ソレノイドと開閉羽根と伝達部材との連動状態及び作用を示す図であって、図9(a)は、ソレノイドoff状態、図9(b)は、ソレノイドon初期状態を示す概略図である。図10は、同じくソレノイドと開閉羽根と伝達部材との連動状態及び作用を示す図であって、図10(a)は、ソレノイドon状態、図10(b)は、ソレノイドoff初期状態、を示す概略図である。尚、図2の左斜め下側、図3(a)の下側及び図3(b)の左側が普通可変入賞球装置6Bの前側であり、図2の右斜め上側、図3(a)の上側及び図3(b)の右側が普通可変入賞球装置6Bの後側である。
普通可変入賞球装置6Bは、図2及び図3に示されるように、遊技盤2の遊技領域の前面側に配設される台板300と、台板300の前面側に回動自在に設けられる左右一対の開閉羽根301a,301b(開閉片)と、該開閉羽根301a,301bの前面側に配設され、台板300、開閉羽根301a,301bとともに第2始動入賞口58aを構成する前板302と、台板300の後側(背面側)に配設され、普通可変入賞球装置6Bの本体の一部を構成する支持部材303と、支持部材303の後面上方位置に配設される普通電動役物用ソレノイド59(以下、ソレノイド59と略称する)と、台板300の上部に配設される普通入賞球装置6A及び該普通可変入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞した入賞球を遊技盤2の背面側に誘導する誘導路を構成する入賞球誘導部材304と、から主に構成される。
これら台板300、前板302、支持部材303は普通可変入賞球装置6Bの本体を構成する部材であるとともに、台板300及び支持部材303は、開閉羽根301a,301b、電気的駆動部としてのソレノイド59、及び後述する伝達部材302を支持する本発明の支持部材を構成している。
前板302は、左右方向の中央に配置される縦向き紡錘形状をなす紡錘状部と、該中央の紡錘状部の左右位置それぞれに上下方向に3つずつ配置される扇状部と、によりチューリップの「がく片」等の一部分を模した形状に形成されるとともに、これら紡錘状部及び扇状部は所定色に着色された透明な合成樹脂材にて構成されており、その後面側に配設される左右の開閉羽根301a,301bを前側から視認可能になっている。
左右の開閉羽根301a,301bは、図7及び図8に示されるように、チューリップの花弁を模してなる略三角柱状に形成されている。それぞれの基部、つまり図8(b)における下部後面所定箇所からは、前後方向を向く回動軸305が後向きに突設され、該回動軸305が台板300に枢支されている。そして、該回動軸305を中心として、垂直方向を向いて第2始動入賞口58aを閉塞する、つまり遊技球が進入しない閉止位置(閉止状態、図8(b)参照)と、該閉止位置から外向きに傾動して第2始動入賞口58aを開放する、つまり球が進入しやすい開放位置(開放状態、図7(b)参照)と、の間で回動自在に設けられている。
開閉羽根301a,301bの基端、つまり前記閉止位置における下端位置には突出片301cが突設されており、開放位置にて前板302の背面所定高さ位置に突設された規制片302bに突出片301cが当接されることで、開放位置にて回転が規制されるようになっている。
これら開閉羽根301a,301bには、開放位置において外側から中央に向けて若干下方に傾斜する(図7(b)参照)平坦状の球受面301cが形成されており、開放位置において該球受面301c上に落下した球を中央に向けて誘導するようになっているとともに、閉止位置において互いの球受面301cが遊技球の直径よりも若干大寸な幅寸法分離間した状態で対向するように配置されている。
よって、開放位置において球受面301cにより中央に向けて誘導された球は、両開閉羽根301a,301b間に形成された隙間に落下し、前板302の底板302a上面から上方に向けて立設された左右一対の球誘導リブ307aにより背面側に向けて誘導され、台板300に形成された開口、つまり第2始動入賞口58aを通過して背面側の支持部材303内に流入するようになっている。
また、図6〜図8に示されるように、開閉羽根301a,301bそれぞれの背面における回動軸305から偏心した偏心位置には連係ピン306a,306bが後向きに突設されている。該連係ピン306a,306bの先端306cは台板300を貫通して支持部材303内まで延出されており、該先端306cは、後述する伝達部材320に連係されており、伝達部材320の回動に連動して開閉羽根301a,301bが開閉するようになっている。
入賞球誘導部材304は、透明な合成樹脂材により遊技球を後側に向けて誘導可能な前後方向を向く筒状部材にて構成され、その上面及び後面は開口されており、前側に普通入賞球装置6Aを構成しているとともに、後側に誘導された遊技球を後面開口から図示しない誘導路に向けて流出できるようになっている。また、普通入賞球装置6Aの前面を構成する前面板304aはハート型に形成されており、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞した遊技球を前面板304aを通して前側から視認可能になっている。
支持部材303は、図4に示されるように、伝達部材320を内部に収容した状態で回動自在に支持し、またソレノイド59のプランジャ59aを収容するとともに、第2始動入賞口58aを通過して内部に進入してきた遊技球を、該支持部材303の背面側に設けられる第2始動口スイッチ22Bに向けて誘導可能な大きさを有する筒状に形成されている。
支持部材303は、内部を透視可能な透明な合成樹脂材により筒状に形成され、その前端面、つまり台板300の背面との当接面の下部左右側には、台板300に形成された嵌合穴(図示略)に嵌合される位置決め用凸部309が突設されているとともに、下部に配置される底壁303aの下面左右側には、取付孔310aを有する取付片310が形成されている。よって、位置決め用凸部309を台板300に形成された嵌合穴(図示略)に嵌合して位置決めした状態で、取付孔310aに取り付けた取付ネジ312を台板300の背面下部左右側から後向きに突設された取付ボス311(図3(b)参照)の後端面に螺入することで、台板300の背面に固定されるようになっている。
底壁303aは、遊技球の誘導路を形成するために中央部が外向き、すなわち下向きに膨出されており、該膨出部の上面には、前述した球誘導リブ307aの後端に連設される左右一対の球誘導リブ307bが立設されている。球誘導リブ307bの上面は、背面側に向けて下方に傾斜する傾斜面とされており、支持部材303の背面側に設けられる第2始動口スイッチ22B(図11参照)に向けて遊技球を誘導可能とされている。
左右に配置される側壁303b,303cには、後述する伝達部材320の回動軸324を回動自在に、かつ、前後方向(プランジャ59aの進退方向)に移動自在に支持するための軸受長孔313が形成されているとともに、その上方には、後述する伝達部材320の案内ピン326を移動案内する移動案内部を構成する案内溝314が形成されている。具体的には、案内溝314は、軸受長孔313を中心とした円弧状に形成される円弧溝部315(第1案内部)と、該円弧溝部315の前端から前方に向けて連設される直線状の直線溝部316(第2案内部)と、から構成されている。
円弧溝部315は、支持部材303の後端面から前方に向けて切欠形成されている。より詳しくは、該円弧溝部315の上円弧面315a(湾曲面)は、回動軸324が軸受長孔313の後端、つまりソレノイド58側(図9(b)に示される位置)に位置しているときの案内ピン326を中心とした円周の約1/4をなす円弧状に形成されているとともに、下円弧面315b(湾曲面)は、後述する下直線面316bから案内ピン326を乗り上げ可能な緩やかな上向き湾曲面をなすとともに、後側に向かう従い上円弧面315aとの離間幅が漸次広がるように形成されている。
直線溝部316は、上円弧面315aの前端から連設され、前方に向けて略水平(プランジャ59aの軸心方向)に延びるとともに、案内ピン326の上方移動を規制する上直線面316a(規制面)と、下円弧面315bの前端から連設され、前方に向けて略水平(プランジャ59aの軸心方向)に延びる下直線面316bと、上直線面316aと下直線面316bとを連結するように円弧状に形成され、案内ピン326の前方移動を規制する前端面316cと、から構成されている。
直線溝部316は、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、案内ピン326を収容して上直線面316aにより回転方向への移動を当接により規制可能に形成されるとともに(図9(a)参照)、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)に位置しているときに、上直線面316aによる当接規制が解除されて回転方向への移動が許容される程度の長さに形成されている(図9(b)参照)。
このように伝達部材320は、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、開閉羽根301a,301bを閉止位置(閉止状態)とする閉止姿勢(図8(a)参照)と、開閉羽根301a,301bを開放位置(開放状態)とする開放姿勢(図7(a)参照)と、の間で回動自在に軸支されている。つまり、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、開閉羽根301a,301bを開放位置から閉止位置に向けて回転させる第1方向と、開閉羽根301a,301bを閉止位置から開放位置に向けて回転させる第2方向と、に回動自在に軸支され、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)、つまり開閉羽根301a,301b側(図9(a)に示される位置)に位置しているときに、前記第1方向及び第2方向への回転が案内ピン326と上直線面316a及び下直線面316bとにより規制され、前後方向(プランジャ59aの進退方向)へのみ移動可能に支持される。
このように直線溝部316は、軸受長孔313と平行をなすように形成されている。また、側壁303b,303cの内面における軸受長孔313の後端からは、収容凹部303の後端面にかけて凹溝317が後向きに凹設されており、回動軸324を支持部材303の背面側から押し込んで軸受長孔313内に枢支できるようになっている。
伝達部材320は、合成樹脂材にて形成される。詳しくは、開閉羽根301aに連係する左側の連係アーム321aと、該連係アーム321aから離間して配置され、開閉羽根301bに連係する右側の連係アーム321bと、これら左右の両連係アーム321a,321bの上部間を連結する連結部材としての連結アーム322と、から構成される。
左右の連係アーム321a,321bは、所定長さに形成されたアーム部323と、アーム部323の基端側の外面から外向きに突設される回動軸324と、アーム部323の先端に連設され、連係ピン306a,306bの先端306cに係止する側面視略C字形の連係ピン係止部325と、から構成されている。
連係ピン係止部325は、図5及び図6に示されるように、上係止片325aと下係止片325bとの間に連係ピン306a,306bを遊挿可能に形成されているとともに、回動軸305を中心として回動する開閉羽根301a,301bに連動して、該回動軸305を中心とした円弧に沿って昇降する際における連係ピン306a,306bの左右方向の移動を許容可能な左右幅寸法を有している。つまりこの連係ピン係止部325は、本発明の開閉羽根連係部を構成している。
連結アーム322は、左右の連係アーム321a,321b間に架設される左右方向(プランジャ59aの軸心方向に対して直交する方向)を向く棒状部材にて構成されており、その両端は、左右の連係アーム321a,321bにおけるアーム部323の前後方向の中央位置上部、つまり連係ピン係止部325と回動軸324との間の上部に連結されている。
また、連結アーム322の左右両端には、前述した案内溝314内に摺動自在に嵌合される案内ピン326が外向きに突設されている。つまり、この案内ピン326は、伝達部材320の回動中心となる回動軸324から偏心した偏心位置に配置されており、アーム部323の先端の連係ピン係止部325の移動案内を行うようになっている。
また、この連結アーム322には、その上方に配設されるソレノイド59のプランジャ59aの先端に取り付けられる下向き二股状に形成される連結アーム係止部材330が係止、つまり連係される。つまり、連結アーム322は本発明のソレノイド連係部を構成している。
連結アーム係止部材330は、プランジャ59aの先端に取り付けられる取付部331と、該取付部331の下部左右側からそれぞれ下方に垂設される左右一対の係止部332と、から構成されている。
左右の係止部332は、それぞれ所定長さを有する上下方向を向く前係止片332a及び後係止片332bと、これら前係止片332aと後係止片332bとの間に連結アーム322を遊嵌可能な前後幅を有するとともに、連結アーム322の昇降を許容可能な上下幅を有する係止凹部322cと、から構成されている。
このように前後の前係止片332aと後係止片332bとの間に形成される係止凹部322c内に連結アーム322が遊嵌されることにより、プランジャ59aの前後移動に応じて、回動軸324を中心として回動する連結アーム322が前後移動及び昇降自在に係止される。
ソレノイド59は、本体部と、該本体部に対して出退自在に嵌合されたプランジャ59aと、ソレノイド59の非励磁状態(off状態)において、プランジャ59aを突出位置(図8(a)参照)に付勢するコイルバネ59bと、から構成され、ソレノイド59の励磁状態(on状態)において、プランジャ59aがコイルバネ59bの付勢力に抗して後退位置(図7(a)参照)に移動されるようになっている。
ソレノイド59の本体部は、図3に示されるように、台板300の背面から後向きに突設された取付ボス340に取付ネジ341を介して取り付けられている。このように台板300に取り付けられた状態において、プランジャ59aは、図8に示されるように、支持部材303の内部上方位置において、左右の開閉羽根301a,301bの間であり、かつ、開閉羽根301a,301bに対して進退自在に、つまり前後移動自在に略水平方向に向けて配設されている。
ここで、上述した開閉羽根301a,301b、伝達部材320、ソレノイド59からなる伝達機構の組み付け状態を説明すると、図6に示されるように、開閉羽根301a,301bとソレノイド330とは、伝達部材320を介して連動するようになっている。具体的に説明すると、開閉羽根301a,301bと伝達部材320とは、開閉羽根301a,301bの連係ピン306a,306bが連係ピン係止部325の上下の係止部525a,525b間に遊嵌されることにより連係され、伝達部材320とソレノイド59とは、伝達部材320の連結アーム322が、プランジャ59aの先端に取り付けられた連結アーム係止部材330の前後の係止片332a,332b間に形成された係止凹部322c内に遊嵌されることにより連係されている。
従って、ソレノイド59が励磁及び励磁が解除されることでプランジャ59aが前後方向に移動すること、つまり開閉羽根301a,301bに対して進退移動することで、その進退移動力が連結アーム係止部材330から連結アーム322を介して伝達部材320に伝達され、伝達部材320がプランジャ59aに対して略直交する方向を向く回動軸324を中心として前後方向に回動する。
そして、この伝達部材320の回動力が連係ピン係止部325から連係ピン306a,306bを介して開閉羽根301a,301bに伝達され、開閉羽根301a,301bがプランジャ59aと平行をなす前後方向を向く回動軸305周りに回動する。
また、本実施の形態における伝達部材320は、左右一対の開閉羽根301a,301bそれぞれに連係する左右一対の連係アーム321a,321bが支持部材303の内部における左右側に離間配置されており、これら左右一対の連係アーム321a,321bの上部間が連結アーム322により連結されて連動するようになっているとともに、連係アーム321a,321bの上部間に架設された連結アーム322がプランジャ59aに係止(連係)されていることで、1本のプランジャ59aの進退移動力を左右の連係アーム321a,321bを介して左右の開閉羽根301a,301bに伝達して回動させるため、伝達機構の構造が簡素化されるとともに、左右の開閉羽根301a,301bを別々のソレノイド59にて駆動しなくて済むため、左右の開閉羽根301a,301bを互いに同期して回動させることができる。
また、これら左右の連係アーム321a,321bがその上部間に架設された連結アーム322にて連結されることで、図5に示されるように、左右の連係アーム321a,321bと上部の連結アーム322と底板303aとにより囲まれた空間が遊技球の誘導路として構成されているため、装置を極力コンパクト化できる。
また、伝達部材320及びソレノイド59が筒状に形成された支持部材303の内部に収容されていることで、伝達部材320やプランジャ59a等を外部から強制的に可動させること等が困難な構成とされているため、不正行為が効果的に防止される。
さらに、支持部材303が透明な合成樹脂材にて構成され、内部に収容された伝達部材320及びソレノイド59が装置の側方から視認可能とされているため、各部材の組み付け作業時において伝達部材320と連係ピン306a,306bやプランジャ59aとの連係等の状況を外部から目視により確認しながら行うことができるばかりか、伝達部材320と連係ピン306a,306bやプランジャ59aとの連係や、球詰まり等の不具合を、遊技盤2に取り付けられている状態でも容易に確認することができる。
次に、図9及び図10に基づいて、ソレノイド59と開閉羽根301a,301bと伝達部材320との連動状態及びその作用について説明する。尚、図9及び図10においては、コイルバネ59b等の一部の部材の図示を省略している。
まず、図9(a)に示されるように、ソレノイド59が非励磁状態(off状態)であるときは、プランジャ59aがコイルバネ59b(図8(a)参照)の付勢力によって突出位置に位置している。このとき、伝達部材320は、開閉羽根301a,301bを閉止位置(閉止状態)とする閉止姿勢をなしており、かつ、連結アーム322の後端が後係止片332bの前面により前方の開閉羽根301a,301bに向けて付勢され、前方の回動規制位置に配置されるため、回動軸324は軸受長孔313の前端(規制位置)に位置するとともに、案内ピン326は直線溝部316における前端面316cに当接する前方位置に位置する。
また、連係ピン306a,306bは下限位置に位置しているため、開閉羽根301a,301bは閉止位置に位置している。連係ピン306a,306bは、この下限位置において連係ピン係止部325の上係止片325aと下係止片325bとの間に配置され、上下動によりいずれかに係止(連係)可能な状態とされている。
このようにソレノイド59が非励磁状態(off状態)である状態において、例えば開閉羽根301a,301bを強制的に開放させようとする応力が少なくとも一方の開閉羽根301a,301bに加えられた場合、連係ピン306a,306bが下限位置から上昇して上係止片325aに係止され、連係アーム321a,321bが回動軸324を中心として上方(図10(a)中白矢印で示される方向)に回転しようとする。
しかし、案内ピン326が直線溝部316内前方に位置していることで、該案内ピン326の上方移動が上直線面316aにより当接規制される。すなわち、伝達部材320の上方への回転(第2方向への回転)が案内ピン326と上直線面316aとの当接により規制されることで、上係止片325aに係止された連係ピン306a,306bの上方移動も上係止片325aにより当接規制される。
従って、開閉羽根301a,301bを強制的に開放位置に向けて回転させようとする応力が加えられても、回転規制されている伝達部材320により連係ピン306a,306bの上昇が規制されることで閉止位置に維持され、強制的に開放されることが防止される。
また、開閉羽根301a,301bに強制的に加えられた応力が連係ピン306a,306bから連係ピン係止部325に伝達されても、伝達部材320の案内ピン326が、装置本体の一部を構成する支持部材303の側壁303b,303cに形成された直線溝部316の上直線面316aに当接して回転規制されることで、連結アーム係止部材330を介してプランジャ59aに直接伝達されることがないため、ソレノイド59が保護されて故障しにくくなる。
つまり、開閉羽根301a,301bを強制的に開放させようとすると、案内ピン326が上直線面316aに当接することで伝達部材320の回転が規制され、これにより開閉羽根301a,301bに強制的に加えられた応力による負荷が、伝達部材320を支持するのに必要な強度を有する強固な支持部材303に加わるだけで済み、プランジャ59aに加わることを回避できる。
さらに、案内ピン326の移動規制が、プランジャ59aと伝達部材320との連係部とは別個箇所にて行われるため、プランジャ59aと伝達部材320との連係に支障をきたす虞がない。
次に、ソレノイド59が非励磁状態(off状態)から励磁状態(on状態)となると、プランジャ59aがコイルバネ59b(図8(a)参照)の付勢力に抗して本体部側、つまり後方に向けて移動する。このプランジャ59aの後方移動、つまり励磁動作(第2動作)が開始されると、前係止片332aの背面が連結アーム322の前端に当接して連結アーム322を後方に向けて付勢する。このとき、伝達部材320は、案内ピン326が直線溝部316の上下直線面316a,316bとにより後方に向けて案内され、また、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に向けて案内されることで、プランジャ59aとともに後方に向けて水平にスライド移動する。つまり、伝達部材320は閉止姿勢のまま回転しないまま後方に移動するので、開閉羽根301a,301bは閉止位置にて維持されている。
そして、プランジャ59aの後方移動が開始されてから所定距離Lだけ後方移動した段階、つまり励磁初期動作が完了した段階で、図9(b)に示されるように、回動軸324は軸受長孔313の後端に位置するとともに、案内ピン326は直線溝部316における後方位置、つまり円弧溝部315の下端位置に位置し、上直線面316aによる当接規制が解除されるため、上方に向けて回転可能な状態となる。
さらにプランジャ59aが後方に向けて移動し、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置して後方移動が規制されたときに、軸受長孔313と直線溝部316とが互いに平行に、かつ、案内ピン326を案内する直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていることで、案内ピン326は上後方に向けて回転する。さらにこのとき、案内ピン326が下円弧面315bの前端に当接して乗り上がる、つまり下円弧面315bが案内ピン326を上後方に向けて確実に案内する。そして下円弧面315bは、案内ピン326を介して、軸受長孔313の後端に位置した回動軸324を中心として連係アーム321a,321bを上方に向けて移動案内するとともに、連結アーム322が前係止片332aの背面により後方に向けて付勢されることで、伝達部材320が上方、つまり第2方向(図9中時計回り)に向けて回転する。
そして、図10(a)に示されるように、この伝達部材320の回転により、連係ピン係止部325の下係止片325bが連係ピン306a,306bを下方から係止して連係ピン306a,306bを上昇させるため、これにより開閉羽根301a,301bが回動軸305を中心に回転して開放位置に位置する。プランジャ59aが後退位置(図10(a)の状態)まで移動し、ソレノイド59が励磁状態(on状態)に維持されると、伝達部材320は、連係アーム321a,321bは連係ピン係止部325が上向きとなる傾倒姿勢となって連係ピン306a,306bが上限位置となる開放姿勢にて維持されるため、開閉羽根301a,301bは開放位置に維持される。
次に、ソレノイド59が励磁状態(on状態)から非励磁状態(off状態)となると、図10(b)に示されるように、プランジャ59aがコイルバネ59b(図8(a)参照)の付勢力によって突出位置に向けて前方に移動、つまり励磁解除動作(第1動作)が開始されると、これにより連結アーム322の後端が後係止片332bの前面により前方の開閉羽根301a,301bに向けて付勢される。
この連結アーム322の前方移動に伴い、案内ピン326も前方に向けて付勢されるが、案内ピン326が上円弧面315aにより、前方、かつ下方に向けて摺接案内されることで、軸受長孔313の後端(回動位置)に回動軸324が保持された状態で該回動軸324を中心として連係アーム321a,321bを下方に向けて移動案内するとともに、連結アーム322が後係止片332bの前面により前方に向けて付勢されることで、伝達部材320が下方、つまり第1方向(図10中反時計回り)に向けて回転する。
そして、この伝達部材320が開放姿勢から閉止姿勢となる第1方向への回転により、連係ピン係止部325の上係止片325aが連係ピン306a,306bを上方から係止して連係ピン306a,306bを下降させるため、開閉羽根301a,301bが回動軸305を中心に回転して閉止位置に位置する。
そしてプランジャ59aが後退位置(図9(a)の状態)まで移動し、ソレノイド59が非励磁状態(off状態)に維持されていると、伝達部材320は、連係アーム321a,321bは連係ピン係止部325がやや下向きとなる水平姿勢にとなって連係ピン306a,306bが下限位置となる閉止姿勢に維持されるため、開閉羽根301a,301bは閉止位置に維持される。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用ソレノイド60(図11参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図11に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口58a(図2参照)及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる普通入賞口53a〜53cが設けられている。この場合には、普通入賞口53a〜53cのいずれかに進入した遊技球が所定の普通入賞口スイッチ55a〜55cによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図11に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図11に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口58aに進入した遊技球が図11に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、通常大当り図柄(「非確変大当り図柄」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口58aに遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このような確変状態や時短状態を総じて「特別遊技状態」という。なお、特別遊技状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
可変表示結果が「ハズレ」となることに対応する特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示(全図柄変動)を開始してから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち一部の飾り図柄表示部にて飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示した後にリーチ演出を実行し、そのリーチ演出が終了したときにリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
可変表示結果が「ハズレ」となることに対応する特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、全図柄変動を開始してから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち一部の飾り図柄表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)にて飾り図柄をリーチ表示状態とは異なる非リーチ表示状態で導出表示した後に、リーチ演出を実行することなく、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「非リーチハズレ」あるいは「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」や「確変」となることに対応して確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となるとともに、通常大当り組合せや確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示された後などには、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了した後に、時短状態や確変状態に制御されることになる。こうして15ラウンド大当り状態の終了後に時短状態や確変状態となった場合には、通常の演出モードとは異なる演出モードとなるようにしてもよい。例えば、15ラウンド大当り状態の終了後における時短状態では、「チャンスタイム」といった時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、画像表示装置5の表示画面における背景画像の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、時短状態であることを遊技者が認識できる時短中の演出モードとなるようにしてもよい。また、15ラウンド大当り状態の終了後における確変状態では、「確変中」といった確変状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、画像表示装置5の表示画面における背景画像の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態であることを遊技者が認識できる確変中の演出モードとなるようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることに対応する特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる特別図柄が導出表示される場合には、全図柄変動を開始してから、全部演出あるいは完全演出とは異なる突確演出としての突確モード開始演出を実行する。そして、突確モード開始演出を開始するとき、あるいは、突確モード開始演出を実行した後に、例えば図12に示すような突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、突確モード開始演出が開始されるときには、可変表示中の飾り図柄を消去して、突確モード開始演出が実行された後には、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。この場合、可変表示中の飾り図柄が消去された後でも、例えば色図柄表示エリアにおける色図柄の可変表示を継続して行うことにより、可変表示が継続していることを認識できるようにしてもよい。突確モード開始演出では、大当り種別が「突確」となることに対応して予め定められた演出動作が行われる。突確モード開始演出が行われた後には、突確モードと称される通常の演出モードとは異なる演出モードが開始される。また、突確モード開始演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作に限定されず、2ラウンド大当り状態となる期間の一部または全部においても、可変表示中から継続して実行される演出動作であってもよい。
こうして可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることに対応して確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了した後に、確変状態に制御されるとともに、演出モードが突確モードとなる。例えば、突確モードでは、確変中の演出モードと同様の演出態様あるいは異なる演出態様で、確変状態であることを遊技者が認識できる演出動作が行われるようにしてもよい。
可変表示結果が「小当り」となることに対応する特図ゲームにおける確定特別図柄として、小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示態様が「突確」である場合と同様にして飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が小当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「小当り」の可変表示態様と称される。ここで、図12に示す突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄は、飾り図柄の可変表示態様が「突確」となる場合に限り停止表示され、可変表示態様が「小当り」となる場合などには確定飾り図柄として停止表示されない。すなわち、飾り図柄の可変表示にて突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示された場合には、「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となることが確定する。可変表示結果が「小当り」となった後には、2ラウンド大当り状態と同様の可変入賞動作が行われる小当り遊技状態に制御され、その小当り遊技状態が終了すると、遊技状態が変更されないことから、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。なお、可変表示結果が「小当り」となる可変表示ゲームに対応して、確変状態や時短状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に、通常状態へと制御されることになる。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」または「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rの有効ライン上に通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄と、通常大当り組合せとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「通常」であることに対応して再抽選演出が実行される場合には、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」であることに対応して再抽選演出が実行される場合には、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が実行されることもあれば、変動中昇格失敗演出が実行されることもある。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」または「確変」となる場合には、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態が終了するまでの期間にて、確変状態に制御するか否かの報知演出としての大当り中昇格演出が実行されてもよい。ここで、大当り中昇格演出が実行されるタイミングは、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態における最初のラウンドが開始される以前の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが実行中の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから、次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間であってもよい。あるいは、15ラウンド大当り状態の終了後における最初の特別図柄や飾り図柄の変動中に、大当り中昇格演出に相当する演出動作が行われるようにしてもよい。15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されたのであれば、大当り中昇格演出が実行されないようにすればよい。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させ、通常図柄と、確変図柄のうちいずれかを、演出表示結果として停止表示させる。このとき、大当り中昇格失敗演出では通常図柄を演出表示結果として停止表示させる一方、大当り中昇格成功演出では確変図柄を演出表示結果として停止表示させればよい。他の一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にてルーレットゲームを示す演出画像の表示を行う。このとき、大当り中昇格失敗演出では回転するルーレットに投入されたボールが「偶数」に入って「残念!」という演出画像の表示を行う一方、大当り中昇格成功演出では回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入って「確変!」という演出画像の表示を行う。大当り種別が「確変」でありながら通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示された場合には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行することにより、確変状態となる昇格がある旨を報知すればよい。大当り種別が「通常」である場合には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行せず、確変状態となる昇格がある旨の報知は行われないようにすればよい。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して「左」の色図柄表示エリア5Aにおける色図柄の可変表示が行われ、第2特別図柄表示装置4Bによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して「右」の色図柄表示エリア5Bにおける図柄の可変表示が行われる。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにて確定特別図柄が停止表示されるときには、「左」の色図柄表示エリア5Aにて確定色図柄が停止表示される。一例として、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリア5Aでは確定色図柄として「黄色」を示す色図柄が停止表示される。また、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかが停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリア5Aでは確定色図柄として「赤色」を示す色図柄が停止表示される。さらに、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄が停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリア5Aでは確定色図柄として「青色」を示す色図柄が停止表示される。その一方で、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリア5Aでは確定色図柄として「緑色」を示す色図柄が停止表示される。第2特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかが停止表示される場合には、「右」の色図柄表示エリア5Bでは確定色図柄として「赤色」を示す色図柄が停止表示される。第2特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄が停止表示される場合には、「右」の色図柄表示エリア5Bでは確定色図柄として「青色」を示す色図柄が停止表示される。
パチンコ遊技機1には、例えば図11に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。さらに、パチンコ遊技機1には、乱数回路104といった、各種の集積回路(IC:integrated circuit)も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド59、60に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
乱数回路104は、主基板11とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う集積回路であり、クロック回路や、カウンタ回路、ラッチ回路などから構成されている。また、乱数回路104には、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bからの検出信号を伝送する配線が接続されている。乱数回路104では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから検出信号が入力されたことに基づき、カウンタ回路により更新可能にカウントされるカウント値データが、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データとしてラッチ回路に記憶される。
図11に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、遊技開始スイッチ24、普通入賞口スイッチ55a〜55cからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、遊技開始スイッチ24、普通入賞口スイッチ55a〜55cは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、ゲーム制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
主基板11では、例えば図11に示す乱数回路104や遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図13は、主基板11の側において、カウントされる乱数値を例示する説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路104は、これらの乱数値MR1及びMR2の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図16に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1及びMR2の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、飾り図柄の可変表示態様を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類の特定可変表示種別としての大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
ROM101が記憶する決定テーブルには、例えば図14(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図14(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが含まれている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第1特図表示結果決定テーブル130は、図16に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データや小当り判定値データ、ハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データやハズレ判定値データに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROM101が記憶する決定テーブルには、図15に示す大当り種別決定テーブル131が含まれている。大当り種別決定テーブル131は、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131は、図16に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2が、「通常」、「確変」、「突確」の大当り種別に割り振られている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1開始条件の成立により第1特別図柄表示装置4Aにて第1特図を用いた特図ゲームを開始するときに「1」が設定される一方で、第2開始条件の成立により第2特別図柄表示装置4Bにて第2特図を用いた特図ゲームを開始するときに「2」が設定される。大当り種別決定テーブル131において大当り種別決定用の乱数値MR2を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するか2ラウンド大当り遊技状態に制御するかの決定結果や、15ラウンド大当り状態に制御する場合に確変状態に制御するか否かの決定結果に割り振られる決定用データとなっている。例えば、「通常」または「確変」の大当り種別に割り振られている乱数値MR2を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果を示す一方で、「突確」の大当り種別に割り振られている乱数値MR2を示すテーブルデータは、2ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果を示している。また、「通常」の大当り種別に割り振られている乱数値MR2を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果を示す一方で、「確変」または「突確」の大当り種別に割り振られている乱数値MR2を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。また、大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定された大当り種別に対応する「0」〜「2」のいずれかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいる。
図15に示す大当り種別決定テーブル131の設定では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する大当り種別決定用の乱数値MR2の割当てが異なっている。すなわち、変動特図指定バッファ値が「1」であれば大当り種別決定用の乱数値MR2のうち「83」〜「100」の範囲の値が「突確」の大当り種別に割り振られる一方で、変動特図指定バッファ値が「2」であれば大当り種別決定用の乱数値MR2が「突確」の大当り種別に割り振られていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。
図11に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図16に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図16に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口58aに遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口58aへの入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口と第2始動入賞口58aのいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口58aへの入賞に対応した「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、確変フラグ、時短フラグ、第2始動口異常入賞フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図19のステップS18や図23に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図19のステップS19や図29に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「大当り」とする旨の判定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「小当り」とする旨の判定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。第2始動口異常入賞フラグは、閉止状態となっている第2始動入賞口58aに進入した遊技球を検出する第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となったことに対応して、オン状態にセットされる一方で、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作が開始されることに対応して、クリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマ、第2始動口異常入賞エラー無効タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームの実行時間である普図変動時間といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
第2始動口異常入賞エラー無効タイマは、第2始動口異常入賞エラー無効時間といった、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作の終了後の第2始動入賞口への入賞を無効にするまでの時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、第2始動口異常入賞エラー無効タイマは、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作の終了後の第2始動入賞口への入賞を無効にするまでの時間に対応したタイマ値を示すデータを、第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、第2始動口異常入賞エラー無効タイマは、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作の終了時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファ、前回ポートバッファ、前々回ポートバッファ、スイッチオンバッファ、前回データバッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が“1”に設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値が“2”に設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が“0”に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様を、「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれに決定するかの決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図15に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)が「0」に設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別バッファ値が「1」に設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別バッファ値が「2」に設定される。
前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納される1バイトのバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納される1バイトのバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定される1バイトのバッファである。また、前回データバッファは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられる1バイトのバッファ領域である。
図17は、各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、及びスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図18に示すビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号、及び乱数確認信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、及びスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図11に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ100における遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図18に示すように、入力ポート0のビット0〜4、6、及び7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ21、普通入賞口スイッチ55a〜55c、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、遊技開始スイッチ24の検出信号、及び乱数回路104から出力される乱数確認信号が入力される。なお、入力ポート0は、図11に示されたI/Oポート105の一部である。また、乱数確認信号は、乱数回路104が内蔵するクロック回路が内部クロックを正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロックのレベルが低下した場合には)オフ状態になる。
図11に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対して情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30からの情報信号としての操作検出信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作ボタン30から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図19のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図19に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM102をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、乱数回路17が出力する乱数確認信号や、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、遊技開始スイッチ24、及び普通入賞口スイッチ55a〜55cといった各スイッチの状態を示す検出信号を取り込み、これらのうち、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、及び普通入賞口スイッチ55a〜55cにおける検出状態の判定が行われる。
ステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20における表示動作を制御するための駆動信号、第1保留表示器25Aや、第2保留表示器LED25B、普図保留表示器25Cにおける点灯動作を制御するための駆動信号などが、各表示装置や各表示器へと出力される。表示制御処理が終了すると、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口58aに遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための異常入賞報知処理を行う(ステップS14)。
異常入賞報知処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2を生成するための数値データを、CPU103がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS16)。この初期値決定用乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。CPU103は、さらに、所定の表示用の乱数値を生成するための数値データを更新する表示用乱数更新処理を行う(ステップS17)。表示図柄乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS18)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順でおこなうために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS19)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄の可変表示を行うための表示制御や、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の位置制御などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、コマンド制御処理が実行される(ステップS20)。このコマンド制御処理では、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信される。コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS21)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、盤用外部端子板などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS22)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。例えば、ステップS22の賞球処理では、カウントスイッチ23からの検出信号のいずれかがオン状態である場合に、賞球数を同一の「10」とする設定が行われればよい。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS23)。この試験端子処理では、例えば特別図柄可変表示中の設定や特別図柄当り、特別可変入賞球装置の作動中設定、普通可変入賞球装置6Bの作動中設定、普通図柄可変表示中の設定といった、各種の信号が出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS24)。この出力処理では、各ソレノイドやモータを駆動あるいは停止させるために、例えば後述する図32のステップS451での設定に基づき駆動制御信号が出力される一方で、駆動制御信号の出力が停止される。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS25)。この記憶処理では、第1保留表示器25Aや、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cにおける点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS26)。この特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS27)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置20における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS28)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS29)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図20は、スイッチ処理として、図19に示すステップS12で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すスイッチ処理において、CPU103は、まず、遊技制御バッファ設定部155に設けられた前回ポートバッファの内容を、前回データバッファに設定する(ステップS171)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データバッファの内容との排他的論理和をとる(ステップS172)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データバッファに設定する(ステップS173)。この段階で、前回データバッファにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS174)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS175)、入力したデータとスイッチ入力判定マスク値1F(H)との論理積をとるとともに(ステップS176)、論理積演算の結果を前回ポートバッファに設定する(ステップS177)。この段階で、入力ポート0に入力したデータにおいて、遊技開始スイッチ24からの検出信号に対応するビット6、及び乱数確認信号に対応するビット7が「1」であっても、前回ポートバッファにおいて、未使用のビット5、遊技開始スイッチ24の検出信号に対応するビット6、及び乱数確認信号に対応するビット7には、常に「0」が設定される。なお、ステップS174、S178の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU103は、前回データバッファの内容と前回ポートバッファの内容との論理積をとる(ステップS178)。この段階で、前回データバッファにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第1始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、普通入賞口スイッチ55a〜55cからの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS178で前回データバッファの内容と前回ポートバッファとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU103は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS179)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU103は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続しているとみなせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
その後、CPU103は、第2始動口異常入賞無効処理を実行してから(ステップS180)、スイッチ処理を終了する。
図21は、第2始動口異常入賞無効処理として、図20に示すステップS180にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す第2始動口異常入賞無効処理において、CPU103は、まず、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値が“3”であるか否かを判定する(ステップS181)。このとき、普図プロセスフラグの値が“3”であれば(ステップS181;Yes)、そのまま第2始動口異常入賞無効処理を終了する。
ステップS181にて普図プロセスフラグの値が“3”以外であると判定された場合には(ステップS181;No)、遊技制御タイマ設定部153に設けられた第2始動口異常入賞エラー無効タイマの値(第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値)が「0」に合致したか否かを判定する(ステップS182)。このとき、第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値が「0」に合致していなければ(ステップS182;No)、第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値を1減算して更新してから(ステップS183)、第2始動口異常入賞無効処理を終了する。
ステップS182にて第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値が「0」に合致したと判定された場合には(ステップS182;Yes)、スイッチオンバッファの内容をレジスタなどにロードする(ステップS184)。そして、CPU103は、ロードしたスイッチオンバッファにおいて、第2始動口スイッチ22Bに対応するビット4が「1」であるか否かチェックすることにより、閉止状態となっている第2始動入賞口58aに進入した遊技球を検出する第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS185)。
ステップS185にて第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS185;No)、閉止状態となっている第2始動入賞口58aに入賞がなかったとして、そのまま第2始動口異常入賞無効処理を終了する。これに対して、ステップS185にてスイッチオンバッファのビット4が「1」であれば(ステップS185;Yes)、閉止状態となっている第2始動入賞口58aに入賞があったとして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた第2始動口異常入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS186)。
ステップS186にて第2始動口異常入賞フラグがオフであれば(ステップS186;No)、第2始動口異常入賞フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS187)、第2始動口異常入賞エラー無効時間(例えば1.0秒間)に対応して予め定められたタイマ初期値を第2始動口異常入賞エラー無効タイマにセットしてから(ステップS188)、第2始動口異常入賞無効処理を終了する。ここで、第2始動口異常入賞エラー無効時間は、球噛みした遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されるために必要な時間であればよい。また、必要な時間とは、球噛みした状態から1球目が入賞した後、全ての球噛みしていた遊技球が検出されるまでに十分な時間であればよい。なお、第2始動口異常入賞エラー無効時間は、1.0秒間以外の時間でも、球噛みした遊技球を第2始動口スイッチ22Bによって確実に検出可能な時間であれば、他の時間を用いてもよい。ステップS188の処理では、球噛みした遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されるために十分な時間であれば、例えば後述する図32のステップS453にてセットされる2.0秒間に対応するタイマ初期値がセットされても構わない。つまり、このような第2始動口異常入賞エラー無効時間に対応するタイマ初期値の第2始動口異常入賞エラー無効タイマへのセットは、普通可変入賞球装置6Bに2個以上の遊技球が進入して球噛みした場合に、これらの球噛みした遊技球の全てが有効に入賞するために、必要とされる。これにより、普通可変入賞球装置6Bに2個以上の遊技球が進入したときに発生する球噛みが起こった場合でも、普通可変入賞球装置6Bが閉状態に移行する以前に進入した遊技球の入賞が無効とされることを防止することができる。なお、ステップS188にてセットされるタイマ初期値は、後述する図32のステップS453にてセットされるタイマ初期値と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
これに対して、ステップS186にて第2始動口異常入賞フラグがオンであれば(ステップS186;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグがオンであるか否かをチェックすることにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されるか否かを判定する(ステップS189)。このとき、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であれば(ステップS189;No)、スイッチオンバッファのビット4をクリアして「0」にすることにより、第2始動入賞口58aへの入賞を無効にする(ステップS190)。具体的にスイッチオンバッファのビット4をクリアして「0」とすることにより、この実施の形態では、所定個数(例えば3個)の遊技球の賞球としての払出や、第2始動条件が成立したことに基づく第2特図を用いた特図ゲーム、図19に示すステップS21の情報出力処理におけるホール用管理コンピュータへの出力が行われないようになる。なお、所定個数の遊技球の賞球としての払出、第2始動条件が成立したことに基づく第2特図を用いた特図ゲーム、情報出力処理におけるホール用管理コンピュータへの出力のうち、少なくともいずれか一つ、あるいは二つ以上を組み合わせたものが行われるものであってもよい。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた異常入賞報知フラグをオン状態にセットしてから(ステップS191)、第2始動口異常入賞無効処理を終了する。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であれば(ステップS189;Yes)、スイッチオンバッファのビット4をクリアすることなく、そのまま第2始動口異常入賞無効処理を終了する。
図22は、異常入賞報知処理として、図19に示すステップS14で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す異常入賞報知処理において、CPU103は、まず、所定の報知禁止期間であるか否かを判定する(ステップS161)。ここで、報知禁止期間は、例えばパチンコ遊技機1への電力供給が開始されたことに対応した初期報知が開始された場合に異常入賞の報知を禁止する期間として、予め定められたものであればよい。ステップS161にて報知禁止期間であれば(ステップS161;Yes)、そのまま異常入賞報知処理を終了する。
ステップS161にて報知禁止期間ではないと判定された場合には(ステップS161;No)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた異常入賞報知フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS162)。このとき、異常入賞報知フラグがオフであれば(ステップS162;No)、そのまま異常入賞報知処理を終了する。
ステップS162にて異常入賞報知フラグがオンであると判定された場合には(ステップS162;Yes)、異常入賞フラグをクリアしてオフ状態にした後(ステップS163)、第2異常入賞報知指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS164)。例えば、ステップS164の処理では、ROM101に予め格納されている第2異常入賞報知指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を、送信コマンドバッファに含まれる演出制御コマンドバッファにて、送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域にセットする。こうして設定された第2異常入賞報知指定コマンドは、例えば異常入賞報知処理が終了した後に図19に示すステップS20のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図23は、特別図柄プロセス処理として、図19に示すステップS18にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図24は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図24に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、図11に示す第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の処理では、例えばスイッチオンバッファの内容をレジスタなどにロードし、ロードしたスイッチオンバッファにおいて、第1始動口スイッチ22Aに対応するビット3が「1」であるか否かがチェックされることにより、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数に対応した第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第1保留記憶数を特定すればよい。
ステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えば第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算する(ステップS203)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS204)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。続いて、例えばROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。こうして設定された第1始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS20のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS206の処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS207)。そして、始動データ記憶部151Cにおける空きエントリの先頭に、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データを記憶させる(ステップS208)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS209)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS20のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS210)。ステップS210の処理では、例えばスイッチオンバッファの内容をレジスタなどにロードし、ロードしたスイッチオンバッファにおいて、第2始動口スイッチ22Bに対応するビット4が「1」であるか否かがチェックされることにより、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であるか否かが判定される。このとき、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS210;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS210;Yes)、第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数に対応した第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS211)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第2保留記憶数を特定すればよい。
ステップS211にて第2保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS211;No)、例えば第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算する(ステップS212)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS213)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS214)。続いて、例えばROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS215)。こうして設定された第2始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS20のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS215の処理を実行した後には、例えば合計保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS216)。そして、始動データ記憶部151Cにおける空きエントリの先頭に、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを記憶させる(ステップS217)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS218)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図19に示すステップS20のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第2始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図23に示すステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄、色図柄などの可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定結果や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かの判定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、こうして計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグと小当りフラグのいずれかがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。また、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大入賞口開放回数最大値の設定に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口開放回数最大値が15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。これに対して、大入賞口開放回数最大値が2ラウンド大当り状態に対応した「2」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、所定のソレノイドに対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、その大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることにより大入賞口開放回数最大値が「2」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、所定のソレノイドに対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図25は、図23のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値などに基づき、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、合計保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読み出す(ステップS232)。このときには、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読み出せばよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した始動データが「第1」と「第2」のいずれであるかを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて始動データが「第1」であると判定された場合には(ステップS234;第1)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS235)。このときには、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第1保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS236)。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS237)。
ステップS237の処理を実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、図14(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aを選択してセットする(ステップS238)。例えば、ステップS238の処理では、RAM102の所定領域に設けられた判定テーブルポインタなどに、ROM101における第1特図表示結果判定テーブル130Aの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。CPU103は、こうしてセットされた第1特図表示結果判定テーブル130Aを参照することにより、ステップS235にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS239)。
ステップS239にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS239;No)、ステップS235にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、小当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS240)。このとき、小当り判定値データと合致すれば(ステップS240;Yes)、小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
ステップS234にて始動データが「第2」であると判定された場合には(ステップS234;第2)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS242)。このときには、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS243)。そして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS244)。
ステップS244の処理を実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、図14(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bを選択してセットする(ステップS245)。例えば、ステップS245の処理では、ROM101における第2特図表示結果判定テーブル130Bの記憶アドレスを、判定テーブルポインタなどにセットすればよい。CPU103は、こうしてセットされた第2特図表示結果判定テーブル130Bを参照することにより、ステップS242にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS246)。
ステップS239またはステップS246にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS239;Yes、または、ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図15に示す大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS248)。そして、ステップS235またはステップS242にて読み出した大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、ステップS248にてセットした大当り種別判定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「確変」、「突確」という複数種類のいずれかに決定する(ステップS249)。なお、ステップS244の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別判定テーブル131にて「突確」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2が割り当てられていないことから、大当り種別が「突確」に決定されることはない。こうしてステップS249にて決定された大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値を、「0」〜「2」のいずれかに設定する(ステップS250)。
ステップS241とステップS250の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS251)。このときには、例えば図26に示すように、大当り種別が「通常」、「確変」のいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」である場合や、小当り種別が「小当り」である場合には、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。
ステップS240にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致しない場合や(ステップS240;No)、ステップS246にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合(ステップS246;No)、あるいは、ステップS251の処理を実行した後には、可変表示結果の判定や大当り種別の決定を行った結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS252)。一例として、ステップS240にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致しない場合や、ステップS246にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS240にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致した場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の判定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、ステップS239またはステップS246にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には、ステップS249における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS252にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS253)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS254)、特別図柄通常処理を終了する。
図27は、図23のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS295)。例えば、ステップS295では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数をカウントするための特図変動回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS297)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS297;No)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS298)。例えば、ステップS298の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS298の処理に続いて、ステップS293の処理と同様に、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS299)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS300)。そして、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS301)。
また、ステップS297にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS297;No)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS302)。ステップS301、S302の処理のいずれかを実行した後には、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS303)。例えば、ステップS303の処理では、特図変動回数カウンタの値(特図変動回数カウント値)を、例えば1減算または1加算するなどして更新し、更新後の特図変動回数カウント値が所定の特別遊技状態終了判定値と合致するか否かの判定が行われる。このとき、特別遊技状態終了判定値と合致すれば、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、確変状態や時短状態を終了して通常状態に制御すればよい。他方、特別遊技状態終了判定値と合致しなければ、確変フラグや時短フラグの状態を維持して、ステップS303の処理を終了すればよい。こうした確変状態や時短状態の終了判定を実行した後には、特別図柄停止処理が終了する。なお、特図変動回数カウント値に基づく終了判定は、時短状態である場合のみ行うようにして、確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続されるようにしてもよい。あるいは、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変状態終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変状態終了判定テーブルを参照することにより、確変状態を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。また、ステップS297にて小当りフラグがオンであるときには、遊技者にとって有利な特別遊技状態を最大限確保すべく、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を、特別図柄停止処理内で行わないようにし、ステップS120の小当り終了処理内で行われるようにしてもよい。
図28は、図23のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図23に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、ステップS312にて読み出した大当り種別バッファ値が「通常」の大当り種別に対応した「00」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、大当り種別バッファ値が「0」であれば(ステップS313;Yes)、時短状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS314)。一例として、ステップS314の処理では、時短フラグがオン状態にセットされるとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS313にて大当り種別バッファ値が「0」以外である場合には(ステップS313;No)、確変状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS315)。一例として、ステップS315の処理では、確変フラグがオン状態にセットされるとともに、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。また、確変状態の場合には、次回大当り遊技状態になるまで確変状態と時短状態とを維持するようにしてもよい。
ステップS314、S315の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS316)、大当り終了処理を終了する。
図29は、図23のステップS19にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、例えばレジスタなどにロードしたスイッチオンバッファにおいて、ゲートスイッチ21に対応するビット1が「1」であることにより、通過ゲート41を遊技球が通過してゲートスイッチ21がオン状態となったことを検出すると(ステップS131)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS132)を実行する。そして、CPU103は、普図プロセスフラグの値に応じてステップS140〜S143に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。すなわち、まず、CPU103は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か判定する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を1加算して更新する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普図保留表示器25CのLEDが点灯される。そして、CPU103は、普通図柄当り判定用の乱数値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普図プロセスフラグの値がステップS140を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器20において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器20に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく普通可変入賞球装置6Bの開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄表示器20による普図ゲームにおいて普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、普図プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄の変動が行われるとともに、普図プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定が行われる。そして、普図プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄表示器20における普通図柄の変動を停止し、普図プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを判定する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普図プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。普図プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口58aへの入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(普通可変入賞球装置6Bの開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図30は、図29のステップS142にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄停止処理において、CPU103は、先ず、遊技制御タイマ設定部153に設けられた普図プロセスタイマの値(普図プロセスタイマ値)が「0」になったかどうか、すなわち、普図プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS431)。このとき、普図プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS431;No)、CPU103は、普図プロセスタイマ値を1減算して更新する(ステップS432)。
普図プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS431;Yes)、CPU103は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(図29に示すステップS141の普通図柄通常処理にて当りと判定されたかどうかを判定する(ステップS433)。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS433;Yes)、普図プロセスタイマに普通電動役物作動時間対応するタイマ初期値をセットする(ステップS434)。ここで、普通電動役物作動時間は、普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには普通電動役物作動時間として6.0秒を設定し、低ベース状態のときには普通電動役物作動時間として1.5秒を設定するものとする。
次いで、CPU103は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判定する(ステップS435)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、確変フラグや時短フラグがセットされているかどうかによって判定することができる。確変フラグ及び時短フラグのいずれかがセットされているときは高ベース状態であると判定し、確変フラグ及び時短フラグのいずれもセットされていないときは低ベース状態であると判定することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。また、確変状態に移行する場合に、確変フラグと時短フラグとの両方がオン状態にセットされ、時短状態に移行する場合に、時短フラグのみがオン状態にセットされるときには、時短フラグのみを確認するようにすればよい。このときには、図21に示すステップS189の処理でも、時短フラグのみを確認するようにすればよい。
ステップS435にて高ベース状態であると判定されたときには(ステップS435;Yes)、普通電動役物の開放パターンとして図31に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS436)。一方、低ベース状態であると判定されたときには(ステップS435;No)、普通電動役物の開放パターンとして図31に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS437)。
図31に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、低ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として1.5秒が設定されており、普通可変入賞球装置6Bが0.5秒間1回だけ開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする。また、図31に示す例では、高ベース時テーブルには、開放時間が2.0秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として6秒が設定されており、普通可変入賞球装置6Bが2.0秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び普通可変入賞球装置6Bが開放される。そして、開放時間2.0秒間経過すると再び普通可変入賞球装置6Bが閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする。なお、閉鎖時間(本例では1.0秒)は、所定のインターバル期間に相当する。したがって、この実施の形態では、図31に示す開放パターンに示される開放時間に従って普通可変入賞球装置6Bが物理的に開放されている状態と、開放パターンに示される閉鎖時間の間に普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されている状態とが、普通可変入賞球装置6Bの開状態に相当する。
そして、CPU103は、ステップS436またはS437で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS438)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは普通可変入賞球装置6Bが最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS439)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS433にて普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS433;No)、普図プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS440)、普通図柄停止処理を終了する。
図32は、図29のステップS143にて実行される普通電動役物作動処理の一例を示すフローチャートである。この普通電動役物作動処理において、CPU103は、普図プロセスタイマ値が「0」になったかどうか、すなわち、普図プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS441)。普図プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS441;No)、CPU103は、普図プロセスタイマ値を1減算して更新する(ステップS442)。
そして、CPU103は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS443)。そして、CPU103は、ロードしたスイッチオンバッファにおいて、第2始動口スイッチ22Bに対応するビット4が「1」であるか否かをチェックすることにより、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS444)。このとき、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS444;No)、ステップS448の処理に移行する。
これに対して、ステップS444にて第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であると判定されたときには(ステップS444;Yes)、普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタの値(普通電動役物入賞個数カウント値)を1加算して更新する(ステップS445)。そして、CPU103は、普通電動役物入賞個数カウント値が8未満であるか否かを判定する(ステップS446)。このとき、普通電動役物入賞個数カウント値が8未満でない場合には、つまり8以上である場合には(ステップS436;No)、ソレノイド59を駆動して普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)を閉鎖した後(ステップS447)、ステップS452の処理に進む。これらの処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS441;Yes、ステップS454参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU103は、普通電動役物開放パターンタイマの値(普通電動役物開放パターンタイマ値)を1減算して更新する(ステップS448)。そして、CPU103は、普通電動役物開放パターンタイマ値が「0」であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS449)。このとき、タイムアウトしていなければ(ステップS449;No)、そのまま普通電動役物作動処理を終了する。これ対して、タイムアウトしていれば(ステップS449;Yes)、CPU103は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS450)。そして、CPU103は、ソレノイド59を駆動して普通電動役物(普通可変入賞球装置6B)を開放または閉鎖する(ステップS451)。
具体的には、普通可変入賞球装置6Bが閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bを開放する。普通可変入賞球装置6Bが開いた状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bを閉鎖する。
以上のステップS448〜S451の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、ステップS450にて普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として0.5秒の開放時間がセットされるとともに、ステップS451にて出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bが開放されて開いた状態となる。その後、0.5秒の開放時間が経過したときに、ステップS449にて普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたと判定されて、ステップS450にて普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として1.0秒の閉鎖時間がセットされるとともに、ステップS451にて出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる。その後、1.0秒の閉鎖時間が経過したときに、ステップS441にて普図プロセスタイマがタイムアウトしたと判定される。
また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.0秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、ステップS450にて普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として2.0秒の開放時間がセットされるとともに、ステップS451にて出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bが開放されて開いた状態となる。その後、2.0秒の開放時間が経過したときに、ステップS449にて普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたと判定されて、ステップS450にて普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として1.0秒の閉鎖時間がセットされるとともに、ステップS451にて出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる。その後、再び1.0秒の閉鎖時間が経過したときに、ステップS450にて普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として2.0秒の開放時間がセットされるとともに、ステップS451にて出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bが開放されて開いた状態となる。その後、再び2.0秒の開放時間が経過したときに、ステップS449にて普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたと判定されて、ステップS450にて普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として1.0秒の閉鎖時間がセットされるとともに、ステップS451にて出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物用ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる。その後、1.0秒の閉鎖時間が経過したときに、ステップS441にて普図プロセスタイマがタイムアウトしたと判定される。
ステップS441にて普図プロセスタイマがタイムアウトしたと判定されたときや(ステップS441;Yes)、ステップS447の処理を実行した後には、遊技制御フラグ設定部152に設けられた第2始動口異常入賞フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS452)、第2始動口異常入賞エラー無効時間(例えば2.0秒間)に対応して予め定められたタイマ初期値を第2始動口異常入賞エラー無効タイマにセットする(ステップS453)。ここで、第2始動口異常入賞エラー無効時間は、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる直前に、第2始動入賞口58aに進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されるために必要な時間であればよい。なお、第2始動口異常入賞エラー無効時間は、2.0秒間以外の時間でも、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる直前に、第2始動入賞口58aに進入した遊技球を第2始動口スイッチ22Bによって確実に検出可能な時間であれば、他の時間を用いてもよい。ステップS453の処理では、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる直前に、第2始動入賞口58aに進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されるために十分な時間であれば、例えば後述する図21のステップS188にてセットされる1.0秒間に対応するタイマ初期値がセットされても構わない。そして、CPU103は、普図プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS454)、普通電動役物作動処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動し、図33のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図33に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値のうち、例えばRAM122に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば4ms)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作といった、演出用の電気部品を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS405のコマンド解析処理内では、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信したときに、画像表示装置5の始動入賞記憶表示部5Hにおける保留記憶表示を更新するための保留記憶表示更新処理が実行されてもよい。この保留記憶表示更新処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御コマンド受信用バッファに格納された演出制御コマンドをチェックすることなどにより、主基板11から伝送される保留記憶数通知コマンドの受信があるか否かを判定する。このとき、保留記憶数通知コマンドの受信がなければ、そのまま保留記憶表示更新処理を終了する。これに対して、保留記憶数通知コマンドの受信があると判定された場合には、保留記憶数通知コマンドにより保留記憶数の減少が指定されたか増加が指定されたかを判定する。例えば、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた可変表示保留カウンタの値(可変表示保留カウント値)などにより、保留記憶数を特定することができればよい。この場合には、保留記憶数通知コマンドにより通知された保留記憶数と可変表示保留カウント値とを比較し、通知された保留記憶数の方が大きければ保留記憶数の増加が指定されたと判定する一方で、通知された保留記憶数の方が小さければ保留記憶数の減少が指定されたと判定すればよい。
そして、保留記憶数の減少が指定された場合には、保留記憶数の減少に対応して始動入賞記憶表示部5Hにおける保留記憶表示を更新するための保留表示減少更新設定が行われる。この保留表示減少更新設定では、例えば始動入賞記憶表示部5Hにて不透過色表示に変化している表示部位のうちの1つ(例えば不透過色となっている表示部位のうち左端の表示部位)における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ隣に移動させるための表示設定が行われる。このときには、所定の不透過色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば不透過色となっていた表示部位のうち右端の表示部位)を透過色表示に戻すための表示設定も行われる。また、保留表示減少更新設定では、可変表示保留カウント値を1減算するように更新すればよい。こうした保留表示減少更新設定を行った後には、保留記憶表示更新処理を終了する。
他方、保留記憶数の増加が指定された場合には、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのうちいずれかの始動口入賞指定コマンドを受信済みであるか否かを判定する。ここで、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドについては、ステップS405のコマンド解析処理にて受信があったか否かの判定が行われ、いずれかの始動口入賞指定コマンドの受信があると判定された場合には、受信した始動口入賞指定コマンドに対応したコマンド受信フラグをオン状態にセットすればよい。一例として、第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1始動口入賞指定コマンド受信フラグをオン状態にセットする一方で、第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2始動口入賞指定コマンド受信フラグをオン状態にセットする。この場合には、第1始動口入賞指定コマンド受信フラグと第2始動口入賞指定コマンド受信フラグのいずれかがオンであれば、始動口入賞指定コマンドを受信済みであると判定すればよい。
始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定された場合には、始動口入賞指定がないときに対応して始動入賞記憶表示部5Hにおける保留記憶表示を更新するための始動口入賞指定なし時表示更新設定が行われる。この始動口入賞指定なし時表示更新設定では、例えば始動入賞記憶表示部5Hにて青色表示(第1始動条件の成立に対応する表示色)や赤色表示(第2始動条件の成立に対応する表示色)となっている表示部位の全部を灰色表示に変化させるための表示設定と、始動入賞記憶表示部5Hにて非表示となっている表示部位の1つを灰色表示に変化させるための表示設定とが行われる。こうした始動口入賞指定なし時表示更新設定を行った後には、保留記憶表示更新処理が終了する。
他方、始動口入賞指定コマンドを受信済みであると判定された場合には、例えば第1始動口入賞指定コマンド受信フラグがオンであるか否かなどに応じて、受信した始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドである旨の判定がなされれば、第1保留記憶数の増加に対応して始動入賞記憶表示部5Hにおける保留記憶表示を更新するための第1保留表示増加更新設定が行われる。この第1保留表示増加更新設定では、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにて非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口に遊技球が進入したことによる第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定が行われる。こうした第1保留表示増加更新設定を行った後には、保留記憶表示更新処理が終了する。また、第2始動口入賞指定コマンドである旨の判定がなされた場合には、第2保留記憶数の増加に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための第2保留表示増加更新設定が行われる。この第2保留表示増加更新設定では、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにて非表示となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口58aに遊技球が進入したことによる第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定が行われる。こうした第2保留表示増加更新設定を行った後には、保留記憶表示更新処理が終了する。
このように、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信するより前に、始動口入賞指定コマンドとなる第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを正常に受信できたときには、第1保留表示増加更新設定や第2保留表示増加更新設定が行われる。このときには、始動入賞記憶表示部5Hにて、第1始動条件の成立に基づく第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数である第1保留記憶数と、第2始動条件の成立に基づく第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である第2保留記憶数とを、特定可能に表示させることができる。
他方、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドが保留記憶数の増加を通知するものであり、その保留記憶数通知コマンドを受信するより前に始動口入賞指定コマンドとなる第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドをいずれも受信していないときには、始動口入賞指定なし時表示更新設定が行われる。このときには、始動入賞記憶表示部5Hにおける保留記憶表示の表示態様を、所定の表示態様に変更する。例えば、保留記憶表示の表示態様を灰色表示とすることにより、合計保留記憶数は特定可能であるが第1保留記憶数や第2保留記憶数は特定できないように表示させることができる。その後、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信したときに、始動口入賞指定コマンドを正常に受信できていれば、第1保留表示増加更新設定と第2保留表示増加更新設定のいずれかが行われることにより、灰色表示となっている表示部位での表示態様は維持したまま、受信した始動口入賞指定コマンドに対応した新たな表示を加えることができる。一例として、第1始動口入賞指定コマンドを正常に受信してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、第1保留表示増加更新設定が行われることにより、第1始動入賞口への入賞に対応した青色表示が加えられることになる。
さらに、画像表示装置5等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS406)。その後、ステップS402に移行する。
ステップS406の報知制御処理内では、主基板11から伝送された第2異常入賞報知指定コマンドを受信したときに、所定の異常入賞報知画面表示設定が行われてもよい。このときには、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に対して所定の表示制御指令を送信することなどにより、画像表示装置5の表示領域に図34に示すような、第2始動入賞口58aに異常入賞があったしたことを報知する異常入賞報知画面を表示させる。なお、第2始動入賞口58aに異常入賞があったしたことの報知では、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることなどといったことが行われてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図32のステップS441にて普図プロセスタイマがタイムアウトしたと判定されて、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作を終了して閉状態に移行するときに、ステップS453にて第2始動口異常入賞エラー無効タイマがセットされる。
その後、図21に示す第2始動口異常入賞無効処理では、ステップS181にて普図プロセスフラグの値が“3”以外であると判定されることから、ステップS182にて第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトしたと判定されるまで、ステップS183〜S191の処理が実行せずに待つ。これにより、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる直前に第2始動入賞口58aに進入した遊技球を、第2始動口スイッチ22Bによって有効に検出することができる。
そして、第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後に、ステップS185にて最初に第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態になっていると判定された場合には、ステップS188にて再度第2始動口異常入賞エラー無効タイマがセットされる。これにより、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となる直前に第2始動入賞口58aに進入したにも関われず、球噛みなどにより、第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出が遅れた場合でも、これを有効に検出することができるため、遊技者に不利益が発生しない。
その後、ステップS188にて再度セットされた第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後に、ステップS185にて第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態になっていると判定された場合には、第2始動入賞口58aへ異常入賞があったとして、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態である場合を除き、スイッチオンバッファにおいて、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に対応するビット4がクリアされるとともに、異常入賞報知フラグがオン状態にセットされる。これにより、第2始動入賞口58aへの異常入賞を無効にすることができる。
このように、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作を終了して閉状態に移行した後に、第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトする以前に、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出された場合には、スイッチオンバッファのビット4がクリアされず有効とされる。これに対して、第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後に、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出された場合には、スイッチオンバッファのビット4がクリアされて無効とされる。これにより、普通可変入賞球装置6Bが閉状態に移行した後に進入して第2始動口スイッチ22Bによって検出された遊技球の入賞を無効にして不正対策を確保しつつ、普通可変入賞球装置6Bが閉状態に移行する直前に進入し、閉状態に移行した後に第2始動口スイッチ22Bによって検出された遊技球の入賞が無効になって遊技者に不利益を与えてしまうといったことを防止することができる。
また、第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後、最初に第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態になったには、再度第2始動口異常入賞エラー無効タイマをセットすることにより、球噛したときなどに、第2始動入賞口58aへの正常な入賞が無効になって、遊技者に不利益を与えてしまうといったことを防止することができる。
そして、異常入賞報知フラグがオン状態にセットされた場合には、図22に示すステップS164にて第2異常入賞報知指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信される。これに対して、演出制御基板12では、演出制御用CPU120が、図33に示すステップS406の報知制御処理にて、第2始動入賞口58aに異常入賞があったしたことを報知する異常入賞報知画面を表示させる。これにより、パチンコ遊技機1は、異常な状態が発生したことを遊技店の店員に認識させることができる。
これに対して、ステップS188にて再度セットされた第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後に、ステップS185にて第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態になっていると判定された場合でも、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、スイッチオンバッファのビット4がクリアされない。これにより、不正が行われる可能性が低い確変状態や時短状態に制御されているときには、スイッチオンバッファのビット4をクリアするなどの処理を省略することができるため、CPU103の処理負担の増大を防止することができる。
また、図20に示すスイッチ処理では、ステップS175にて入力ポート0のデータが定期的に入力され、ステップS176にてスイッチ入力判定マスク値1F(H)との論理積がとられる。続く、ステップS178の処理では、この演算結果と、前々回とられた論理積及び前回とられた論理積の排他的論理和と、の論理積がとられて、ステップS179にてこの演算結果がスイッチオンバッファに格納される。
そして、CPU103は、入力ポート0に異なるタイミングで入力されたデータからとられた演算結果を格納するスイッチオンバッファの内容に基づいて、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、普通入賞口スイッチ55a〜55cのからの検出信号の入力状態を一括して判定することができる。これにより、複数のスイッチ毎に検出信号の入力状態を判定したり、スイッチ回路110にマスクをして第2始動口スイッチ22Bにからの検出信号が入力されないようにしたりするなどして、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖されて閉状態となっているときに、スイッチオンバッファのビット4がセットされて「1」にならないようにするためのプログラムを設ける必要がなくなる。このため、プログラム構成の複雑化により、CPU103での処理負担が増大することを防止することができる。
さらに、図30に示すステップS435にて遊技状態が確変状態や時短状態といった高ベース状態に制御されていると判定された場合には、ステップS436にて高ベース時テーブルに設定されている開放パターンが選択されることにより、図29に示すステップS143の普通電動役物作動処理では、普通可変入賞球装置6Bが2.0秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び普通可変入賞球装置6Bが開放され、そして、開放時間2.0秒間経過すると再び普通可変入賞球装置6Bが閉鎖される制御が行われる。
これに対して、ステップS435にて遊技状態が通常状態といった低ベース状態に制御されていると判定された場合には、ステップS437にて低ベース時テーブルに設定されている開放パターンが選択されることにより、ステップS143の普通電動役物作動処理では、普通可変入賞球装置6Bが0.5秒間1回だけ開放された後に閉鎖される制御が行われる。
このように、ステップS435にて遊技状態が確変状態や時短状態といった高ベース状態に制御されていると判定された場合には、通常状態といった低ベース状態に制御されていると判定された場合よりも長い期間、普通可変入賞球装置6Bを開放させる制御が行われる。これにより、遊技状態が確変状態や時短状態といった高ベース状態に制御されている場合には、通常状態といった低ベース状態に制御されている場合よりも、多くの遊技球が賞球として払い出される割合を高くすることができる。この結果、遊技興趣を向上させることができる。
加えて、図15に示す大当り種別決定テーブル131の設定では、変動特図指定バッファ値が「1」であれば大当り種別決定用の乱数値MR2のうち一部が「突確」の大当り種別に割り振られる一方で、変動特図指定バッファ値が「2」であれば大当り種別決定用の乱数値MR2が「突確」の大当り種別に割り振られていない。このような設定により、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づいて第1始動条件が成立した後、第1開始条件が成立した場合には、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口58aに進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づいて第2始動条件が成立した後、第2開始条件が成立した場合とは異なる割合で、大当り種別が決定される。これにより、遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口と、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口58aとのいずれに進入したことに基づき、大当り遊技状態に制御されたかに対して、遊技者に注意を惹かせることができる。この結果、遊技興趣を向上させることができる。
そして、上記実施の形態における普通可変入賞球装置6Bにあっては、ソレノイド59のプランジャ59aが開閉羽根301a,301bに対して進退移動(前後移動)することで、プランジャ59aの直線的な進退移動力がプランジャ連係部としての連結アーム322を介して伝達部材320の回動力に変換されるとともに、該伝達部材320の回動力が開閉羽根連係部としての連係ピン係止部325を介して開閉羽根301a,301bの回動力に変換され、該開閉羽根301a,301bが開放位置と閉止位置との間で回動することになる。
また、伝達部材320は、プランジャ59aの進退移動、つまりソレノイド59の励磁に基づく励磁動作(第2動作)である後退移動及びソレノイド59の励磁解除に基づく励磁解除動作(第1動作)である前進移動に連動して回動する。具体的には、プランジャ59aの励磁動作に応じて、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)から後端(回動位置)に移動することで、回転規制部である上直線面316aによる案内ピン326の第2方向への回転規制が解除され、第2方向に回転して閉止姿勢から開放姿勢となることで、開閉羽根301a,301bが開放状態となる。
また、プランジャの励磁解除動作に応じて、軸受長孔313の後端(回動位置)に位置する回動軸324を中心として第1方向に回転し、開放姿勢から閉止姿勢となった後、閉止姿勢のまま回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)から前端(規制位置)に移動することにより、案内ピン326が回転規制部である上直線面316aに当接して第2方向への回転が規制されることで、開閉羽根301a,301bを閉止位置から開放位置に強制的に回動させることができないため、針金等の不正部材により開閉羽根301a,301bを不正に回動させて遊技球を入賞させるといった不正行為等を極力防止することができる。
また、開閉羽根301a,301bが一度開放状態となったときに、ピアノ線などを開閉羽根301a,301bに引っ掛けて遊技球の入賞を容易にさせるといった外力を加える不正が行われたとしても、図21に示すステップS188にて再度セットされた第2始動口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後は、第2始動入賞口58aへの異常入賞が全て無効にされるため、遊技者の不利益を防止しつつ、被害を最小限に収めることができる。
このような不正行為等の防止を目的とするものとして、特開2003−340020号公報には、ソレノイドと、一対の開閉羽根と、ソレノイドの駆動を各開閉羽根に駆動伝達する伝達部材とを備え、ソレノイドの駆動に連動して開閉羽根が回動し、通常時、伝達部材は、ソレノイドのプランジャによって回動困難なように回動規制されており、これに基づき開閉羽根の回動も規制されている可変入賞球装置が記載されている。
また、特開2001−314579号公報には、前側に一対の開閉羽根を配置し、裏側には水平に配置されるソレノイドと、そのプランジャの先端に固着されるソレノイドクランクと連結され上下に回動すると共に各開閉部材に連結されるクランク部材とからなり、ソレノイドを消磁して伝達部材を下向回動させて両開閉羽根を起立保持し、ソレノイドを励磁して伝達部材を上向回動させて両開閉羽根を開かせるものにおいて、ソレノイドクランクが所定の長さ後退したとき初めて伝達部材を上向回動させる係合手段を備え、ソレノイドクランクには上向回動を阻止しかつソレノイドが励磁してソレノイドクランクが所定の長さ後退する間に阻止を解除する抑え片を設けたことを特徴とする可変入賞球装置が記載されている。
しかしながら、特開2003−340020号公報及び特開2001−314579号公報に記載の可変入賞球装置にあっては、開閉羽根を強制的に開放させようとする応力が加えられると、その力が伝達部材を介してダイレクトにプランジャに伝達されてしまうため、ソレノイドが故障しやすいという問題がある。また、閉止位置において伝達部材の上昇がプランジャにより当接規制する際に、伝達部材とプランジャとの連係が解除されてしまうとともに、伝達部材は回動軸のみにより支持されていることで、伝達部品とプランジャとの連係が不安定になる虞があった。
しかしながら、上記実施の形態における普通可変入賞球装置6Bにあっては、開閉羽根301a,301bが閉止位置に位置している状態において、伝達部材320の回動が装置本体を構成する支持部材303の側壁303b,303cに形成された直線溝部316にて案内規制されることで、開閉羽根301a,301bに加わる負荷が伝達部材320を介してプランジャ59aに直接伝達されることがなく、これによりソレノイド59が保護されるので故障しにくくなる。
また、特に回動軸326が、伝達部材320が回動自在となる軸受長孔313の後端(回動位置)と、伝達部材320の回動が規制される軸受長孔313の前端(規制位置)と、の間で移動可能に支持されており、プランジャ59aの前進(励磁解除動作)または後退(励磁動作)に応じて伝達部材320を支持部材303に対して前進または後退させるだけで、該伝達部材320の回動規制及び回動規制の解除が行われるようになっていることで、伝達部材320の第2方向への回転を規制する回転規制部を、プランジャ59aの励磁動作や励磁解除動作に応じて規制位置と規制解除位置とに移動させる必要がないため、構造を簡素化できる。
また、伝達部材320が案内ピン326を介して案内溝314により移動案内されていることで、伝達部材320の回転規制及び回転規制の解除が、プランジャ59aの突出位置と後退位置との間での進退移動、つまり励磁動作または励磁解除動作の間でスムーズに行われるようにすることができる。
さらに、伝達部材320の移動が回動軸324のみならず案内溝314によっても安定的に支持され、かつ、プランジャ59aが突出位置と後退位置との間で進退移動する際において常に連結アーム322とプランジャ59aとの連係が解除されることがないので、安定性が高まる。
また、普通可変入賞球装置6Bの本体の一部は、伝達部材320を内部に収容した状態で支持する筒状の支持部材303を有することで、伝達部品320が筒状の支持部材303により覆われ、伝達部材320やプランジャ59a等を外部から強制的に可動させること等が困難な構成とされているため、伝達部材320が針金等の不正部材により直接回動されるといった不正行為を防止できる。
また、移動案内部としての案内溝314は、伝達部材320に突設された案内凸部としての案内ピン326を摺接案内する円弧状の湾曲面である上円弧面315a及び下円弧面315bと、直線状の平坦面である上直線面316a及び下直線面316bと、からなる移動案内面にて構成されることで、これら移動案内面315a,315b,316a,316bに対して案内ピン326を当接させることにより伝達部材320を容易に移動案内することができるため、移動案内部を簡単に構成することができる。
また、回動軸324は、直線溝部316に対して平行に配設された軸受長孔313に枢支されていることで、伝達部材320の案内ピン326が直線溝部316にて前後移動案内されるときに、回動軸324は軸受長孔313によって直線溝部316に対して平行に移動案内されることで、連結アーム322と連結アーム係止部材330の係止部332との位置関係が変わることがないため、プランジャ59aと伝達部材320との連係が解除することがない。
また、伝達部材320は、一対の開閉羽根301a,301bそれぞれに連係する左右一対の連係アーム321a,321bと、該左右一対の連係アーム321a,321b同士を連結するように架設された連結部材としての連結アーム322を有することで、一つのプランジャ59aの進退移動が、連結アーム322を介して左右一対の連係アーム321a,321bそれぞれに伝達されて開閉羽根301a,301bを連動させることができるため、構造が簡素化される。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bの開閉動作を終了して閉状態に移行するときに、図30に示すステップS453にて第2始動口異常入賞エラー無効時間に対応して予め定められたタイマ初期値が第2始動口異常入賞エラー無効タイマにセットされるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特別可変入賞球装置7の開閉動作を終了して閉状態に移行するときにも、例えば図23に示すステップS117の大当り終了処理やステップS120の小当り終了処理にて大入賞口異常入賞エラー無効時間(例えば2.0秒間)に対応して予め定められたタイマ初期値が大入賞口異常入賞エラー無効タイマにセットされるようにしてもよい。ここで、大入賞口異常入賞エラー無効時間は、特別可変入賞球装置7が閉鎖されて閉状態となる直前に、大入賞口に進入した遊技球がカウントスイッチ23によって検出されるために必要な時間であればよい。なお、大入賞口異常入賞エラー無効時間は、2.0秒間以外の時間でも、特別可変入賞球装置7が閉鎖されて閉状態となる直前に、大入賞口に進入した遊技球をカウントスイッチ23によって確実に検出可能な時間であれば、他の時間を用いてもよい。図23に示すステップS117の大当り終了処理やステップS120の小当り終了処理では、特別可変入賞球装置7が閉鎖されて閉状態となる直前に、大入賞口に進入した遊技球がカウントスイッチ23によって検出されるために十分な時間であれば、例えば後述する図35のステップS688にてセットされる1.0秒間に対応するタイマ初期値がセットされても構わない。
このとき、図19に示すステップS12のスイッチ処理内では、図35に示すような大入賞口異常入賞無効処理が実行されればよい。図35に示す大入賞口異常入賞無効処理において、CPU103は、まず、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値が“4”以上であるか否かを判定する(ステップS681)。このとき、特図プロセスフラグの値が“4”以上であれば(ステップS681;Yes)、そのまま大入賞口異常入賞無効処理を終了する。
ステップS681にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であると判定された場合には(ステップS681;No)、遊技制御タイマ設定部153に設けられた大入賞口異常入賞エラー無効タイマの値(大入賞口異常入賞エラー無効タイマ値)が「0」に合致したか否かを判定する(ステップS682)。このとき、大入賞口異常入賞エラー無効タイマ値が「0」に合致していなければ(ステップS682;No)、大入賞口異常入賞エラー無効タイマ値を1減算して更新してから(ステップS683)、大入賞口異常入賞無効処理を終了する。
ステップS682にて大入賞口異常入賞エラー無効タイマ値が「0」に合致していないと判定された場合には(ステップS682;No)、スイッチオンバッファの内容をレジスタなどにロードする(ステップS684)。そして、CPU103は、ロードしたスイッチオンバッファにおいて、カウントスイッチ23に対応するビット0が「1」であるか否かチェックすることにより、閉止状態となっている大入賞口に進入した遊技球を検出するカウントスイッチからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS685)。
ステップS685にてカウントスイッチ23からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS685;No)、閉止状態となっている大入賞口に異常入賞がなかったとして、そのまま大入賞口異常入賞無効処理を終了する。これに対して、ステップS685にてスイッチオンバッファのビット0が「1」であれば(ステップS685;Yes)、閉止状態となっている大入賞口に異常入賞があったとして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大入賞口異常入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS686)。
ステップS686にて大入賞口異常入賞フラグがオフであれば(ステップS686;No)、大入賞口異常入賞フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS687)、大入賞口異常入賞エラー無効時間(例えば1.0秒間)に対応して予め定められたタイマ初期値を大入賞口異常入賞エラー無効タイマにセットしてから(ステップS688)、大入賞口異常入賞無効処理を終了する。ここで、大入賞口異常入賞エラー無効時間は、球噛みした遊技球がカウントスイッチ23によって検出されるために必要な時間であればよい。また、必要な時間とは、球噛みした状態から1球目が入賞した後、全ての球噛みしていた遊技球が検出されるまでに十分な時間であればよい。なお、大入賞口異常入賞エラー無効時間は、1.0秒間以外の時間でも、球噛みした遊技球をカウントスイッチ23によって確実に検出可能な時間であれば、他の時間を用いてもよい。ステップS688の処理では、球噛みした遊技球がカウントスイッチ23によって検出されるために十分な時間であれば、例えば図23に示すステップS117の大当り終了処理やステップS120の小当り終了処理にてセットされる2.0秒間に対応するタイマ初期値がセットされても構わない。つまり、このような第2始動口異常入賞エラー無効時間に対応するタイマ初期値の第2始動口異常入賞エラー無効タイマへのセットは、普通可変入賞球装置6Bに2個以上の遊技球が進入して球噛みした場合に、これらの球噛みした遊技球の全てが有効に入賞するために、必要とされる。これにより、特別可変入賞球装置7に2個以上の遊技球が進入したときに発生する球噛みが起こった場合でも、特別可変入賞球装置7が閉状態に移行する以前に進入した遊技球の入賞が無効とされることを防止することができる。なお、ステップS688にてセットされるタイマ初期値は、図23に示すステップS117の大当り終了処理やステップS120の小当り終了処理にてセットされるタイマ初期値と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
これに対して、ステップS686にて大入賞口異常入賞フラグがオンであれば(ステップS686;Yes)、スイッチオンバッファのビット0をクリアして「0」にすることにより、大入賞口への異常入賞を無効にする(ステップS689)。具体的にスイッチオンバッファのビット0をクリアして「0」とすることにより、この変形例では、所定個数(例えば14個)の遊技球の賞球としての払出や、図19に示すステップS21の情報出力処理におけるホール用管理コンピュータへの出力が行われないようになる。なお、所定個数の遊技球の賞球としての払出、情報出力処理におけるホール用管理コンピュータへの出力のうち、少なくともいずれか一つ、あるいは二つ以上を組み合わせたものが行われるものであってもよい。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた異常入賞報知フラグをオン状態にセットしてから(ステップS690)、大入賞口異常入賞無効処理を終了する。
このようにすれば、第2始動入賞口58aの場合と同様に、特別可変入賞球装置7が閉状態に移行した後に進入してカウントスイッチ23によって検出された遊技球の入賞を無効にして不正対策を確保しつつ、特別可変入賞球装置7が閉状態に移行する直前に進入し、閉状態に移行した後にカウントスイッチ23によって検出された遊技球の入賞が無効になって遊技者に不利益を与えてしまうといったことを防止することができる。また、大入賞口異常入賞エラー無効タイマがタイムアウトした後、最初にカウントスイッチ23からの検出信号がオン状態になったには、再度大入賞口異常入賞エラー無効タイマをセットすることにより、球噛したときなどに、正常な入賞が無効になって、遊技者に不利益を与えてしまうといったことを防止することができる。
そして、異常入賞報知フラグをオン状態にセットされた場合には、図19に示すステップS14の異常入賞報知処理内にて、大入賞口異常入賞報知指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。これに対して、演出制御基板12では、演出制御用CPU120が、図33に示すステップS406の報知制御処理にて、大入賞口に異常入賞があったしたことを報知する異常入賞報知画面を表示させればよい。これにより、パチンコ遊技機1は、異常な状態が発生したことを遊技店の店員に認識させることができる。
上記実施の形態では、図25に示す特別図柄通常処理において、第1開始条件が成立したときに、図14(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aが使用テーブルとして選択されてセットされ、第2開始条件が成立したには、図14(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bが使用テーブルとして選択されてセットされるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の特図表示結果決定テーブルが使用テーブルとして選択されてセットされてもよい。このようにすれば、ROM101に記憶されるデータ容量の削減を図ることができる。
上記実施の形態において、図21に示す第2始動口異常入賞無効処理では、ステップS182にて第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値が「0」に合致したと判定された後に、ステップS185にて第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、ステップS185にて第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態となっていると判定された後に、ステップS182にて第2始動口異常入賞エラー無効タイマ値が「0」に合致している否かの判定を行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、図21に示すステップS190にて第2始動入賞口58aへの入賞が無効にされた場合、第2始動口異常入賞無効処理内のステップS191にて異常入賞報知フラグがオン状態にセットされ、これに基づき、図22に示す異常入賞報知処理内のステップS164にて第2異常入賞報知指定コマンドを送信するための設定が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図21に示すステップS190にて第2始動入賞口58aへの入賞が無効にされた場合、異常入賞報知フラグがオン状態にセットされることなく、第2始動口異常入賞無効処理内で第2異常入賞報知指定コマンドを送信するための設定が行われるようにし、図22に示す異常入賞報知処理内では、第2異常入賞報知指定コマンドを送信するための設定が行われないようにしてもよい。
上記実施の形態では、図22に示すステップS163にて異常入賞報知フラグがクリアされてオフ状態になった後に、ステップS164にて第2異常入賞報知指定コマンドを送信するための設定が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2異常入賞報知指定コマンドを送信するための設定が行われた後に、異常入賞報知フラグがクリアされてオフ状態になるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図29に示すステップS143の普通電動役物作動処理における普通可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数とが、遊技状態が確変状態や時短状態といった高ベース状態であるか、通常状態といった低ベース状態であるかに応じて、ともに異なるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、普通可変入賞球装置6Bの開放時間を、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかに関わらず、同一にし、開放回数のみを遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異ならせてもよい。また、これとは反対に、普通可変入賞球装置6Bの開放回数を、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかに関わらず、同一にし、開放時間のみを遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異ならせてもよい。
上記実施の形態では、第2始動入賞口58aに異常入賞があった場合には、その旨を報知する異常入賞報知画面が表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2始動入賞口58aに異常入賞があった場合でも、その旨を報知する異常入賞報知画面が表示されないようにしてもよい。このようにすれば、パチンコ遊技機1に不正がなされた場合には、第2始動入賞口58aへの異常入賞が無効とされるので問題が生じず、逆にパチンコ遊技機1に球詰等の不具合により第2始動入賞口58aへの入賞が無効とされてしまったときには、第2始動入賞口58aに異常入賞があった旨の報知がなされないため、遊技者が不快に思うことを防止することができる。
上記実施の形態において、ソレノイド59は、非励磁状態(off状態)においては、プランジャ59aがコイルバネ59bの付勢力によって突出位置に位置し、励磁状態(on状態)においては、プランジャ59aがコイルバネ59bの付勢力に抗して後退位置に移動されるようになっているものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、ソレノイド59は、非励磁状態(off状態)においては、プランジャ59aの後端側に設けられたコイルバネ59bの付勢力により、該プランジャ59aが開閉羽根301a,301bに対して後退した後退位置に位置し、励磁状態(on状態)においては、コイルバネ59bの付勢力に抗してプランジャ59aが開閉羽根301a,301bに対して近接する突出位置に位置するようになっていてもよい。
図36は、本発明の変形例における普通可変入賞装置を示す概略図であって、図36(a)は、開閉羽根が開放位置に位置している状態を示す図であり、図36(b)は、開閉羽根が開放位置に位置している状態を示す図である。なお、本変形例における普通可変入賞球装置6B’において、上記実施の形態における普通可変入賞球装置6Bと機能的に同様な部位や構成等は、同一の符号を付すことで詳細な説明は省略するものとする。
まず、上記実施の形態における普通可変入賞球装置6Bとの大きな相違点としては、ソレノイド59は、非励磁状態(off状態)においては、プランジャ59aの後端側に設けられたコイルバネ59bの付勢力により、該プランジャ59aが開閉羽根301a,301bに対して後退した後退位置に位置し、励磁状態(on状態)においては、コイルバネ59bの付勢力に抗してプランジャ59aが開閉羽根301a,301bに対して近接する突出位置に位置するようになっている。
また、連結アーム322及び案内ピン326は、連係アーム321a,321bにおける回動軸324よりも後方の後端部に設けられており、円弧溝部315及び直線溝部316からなる案内溝314は、軸受長孔313よりも後側に左右反転した状態で形成されている。
一方、開閉羽根301a,301bの連係ピン306a,306bは、回動軸305に対して偏心する偏心位置に突設されるが、回動軸305の外側に偏心した偏心位置に突設されている。従って、連係ピン306a,306bが回動軸305を中心として下向きに回動する、つまり下降することで開閉羽根301a,301bが開放位置まで回転するようになっている。
図36(a)に示されるように、ソレノイド59の非励磁状態(off状態)においては、コイルバネ59bの付勢力によりプランジャ59aが後退位置に位置していることで、伝達部材320の回動軸324は軸受長孔313の後方位置に位置し、案内ピン326は直線溝部316の後端位置に位置する。つまり伝達部材320は、連係ピン係止部325が上限位置に位置し、下係止片325bが連係ピン306a,306bを下方から係止して上限位置となる閉止姿勢に維持されるため、開閉羽根301a,301bは閉止位置に維持される。
このとき、案内ピン326は直線溝部316の後端位置に位置し、前記実施例と同様に案内ピン326の上方への移動が規制されることで、伝達部材320が回転規制されているため、開閉羽根301a,301bは閉止位置にて維持される。従って、開閉羽根301a,301bを強制的に開放位置に向けて回転させようとする応力が加えられても、回転規制されている伝達部材320により連係ピン306a,306bの上昇が規制されることで閉止位置に維持され、強制的に開放されることが防止される。
そして、図36(b)に示されるように、ソレノイド59が非励磁状態(off状態)から励磁状態(on状態)になると、プランジャ59aがコイルバネ59bの付勢力に抗して前方に移動、つまり励磁動作が開始されると、該前方移動が開始されてから所定距離だけ移動した段階、つまり励磁初期動作が完了した段階で、伝達部材320の回動軸324は軸受長孔313の前方位置に位置し、案内ピン326は直線溝部316の前端位置に位置まで移動し、下円弧面315bに乗り上がり上方に向けて移動案内される。
さらに、プランジャ59aが前方に移動すると、伝達部材320が下方(図48中反時計回り)に向けて回転し、上係止片325bが連係ピン306a,306bを上方から係止して下限位置に向けて下降させるため、これにより開閉羽根301a,301bが回動軸305を中心に回転して開放位置に位置する。プランジャ59aが突出位置(図48(b)の状態)まで移動し、ソレノイド59が励磁状態(on状態)に維持されていると、伝達部材320は、連係アーム321a,321bは連係ピン係止部325が下向きとなる傾倒姿勢となって連係ピン306a,306bが下限位置となる開放姿勢に維持されるため、開閉羽根301a,301bは開放位置に維持される。
このように、開閉羽根301a,301bの開放位置及び閉止位置とプランジャ59aの突出位置及び後退位置との関係は、上記実施の形態に記載したものでも本変形例に記載したものでもよく、種々に変更可能であり、このようにした場合においても、上記実施の形態と同様の作用・効果が得られることになる。
例えば、上記実施の形態では、開閉羽根は左右一対の開閉羽根301a,301b(開閉片)を含むものであったが、左右いずれか一方、すなわち、単体の開閉羽根を開閉させる伝達機構としてもよいし、あるいは3以上の開閉羽根を開閉させる伝達機構としてもよい。
また、上記実施の形態では、案内ピン326は連結アーム322の左右端部、つまり、アーム部323の長手方向の略中央位置に形成されていたが、連係アーム321a,321bの先端を回動軸324周りに回動案内しうるもの、つまり回動軸324に対して偏心した偏心位置に形成されていれば、例えば連係ピン係止部325等に形成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、案内ピン326を移動案内する移動案内部が、側壁303b,303cを貫通する案内溝314にて構成されていたが、移動案内できるものであれば必ずしも貫通溝や凹溝等である必要はない。具体的には、例えば側壁303b,303cの内面に、移動案内方向に延設される移動案内凸部等を内向きに立設し、伝達部材320側に該移動案内凸部が摺動自在に嵌合される溝部等を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、回動軸324が伝達部材320に形成され、該回動軸324を受支する軸受長孔313が支持部材303に形成されていたが、回動軸324が支持部材303に形成され、該回動軸324を受支する軸受長孔313が伝達部材320に形成されていてもよい。
また、案内溝314の形状は、上記実施の形態や上記変形例に記載の形状に限定されるものではなく、種々に変形可能であり、例えば上記実施の形態では、第2案内部としての直線溝部316(上直線面316a)は、直線状に形成されていたが、案内ピン326の上方への回転を規制しうる形状であれば、必ずしも直線状のものに限定されるものではなく、例えば湾曲状のものであってもよい。
また、直線溝部316の長さ、つまり回動軸324の前後移動幅寸法の設定は任意であり、プランジャ59aのストローク長さや回動羽根301a,301bの回動範囲等に応じて種々に変更可能である。
さらに、上記実施の形態では、直線溝部316は、軸受長孔313に対して平行に設けられていたが、平行としてなくてもよいし、あるいは、上円弧面315aの一端から、該上円弧面315aの接線に対して垂直に交わる方向、つまり軸受長孔313の後端(回動位置)に位置する回動軸324の中心を通過する直線に沿って延設するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、プランジャ59aの励磁動作、つまり後方移動に伴って回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)から後端(回動位置)まで移動していたときに、案内ピン326を上後方に向けて案内する下円弧面315bが形成されていたが、前述したように軸受長孔313と直線溝部316とが互いに平行に、かつ、案内ピン326を案内する直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていれば、必ずしもこのような下円弧面315bが形成されていなくてもよい。
逆に、下円弧面315bが形成されていれば、案内ピン326を案内する直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていなくても、例えば直線溝部316が軸受長孔313と同じ高さ位置、つまり直線溝部316と軸受長孔313とが一直線上に形成されていてもよい。
また、案内溝314は、軸受長孔313とは別個に形成されていたが、回動軸324を受支する軸受部自体が、回動軸320の回動及び前後移動を案内する移動案内部として機能するようになっていてもよく、この場合、案内溝314等を軸受部と別に設けなくて済む。
また、上記実施の形態では、電気的駆動部の一例としてソレノイド59が適用されていたが、開閉羽根を開閉するためのプランジャを有するものであれば、プランジャをソレノイドの励磁動作(第2動作)、励磁解除動作(第1動作)により動作(進退移動)させるものに限定されるものではなく、例えば電気的駆動部としてモータを適用し、該モータの駆動軸の回転力をギヤ等を介してプランジャに伝達されるようにし、該駆動軸を正逆回転(第1動作、第2動作)させることにより、プランジャを動作(進退移動)させるようにしてもよい。
また、プランジャ連係部や開閉羽根連係部の連係形状や連係形態等は上記実施の形態に記載のものに限定されるものではなく、ソレノイド59のプランジャ59aの進退移動力を伝達部材320を介して開閉羽根301a,301bの回動力に変換して伝達しうるものであれば種々に変更可能である。
また、上記実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bの開閉羽根301a,301bは、通過ゲート41を通過した球がゲートスイッチ21により検出されたことに基づいて実行される普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「当り」となることで所定条件が成立し、ソレノイド59が駆動して開放位置まで回転し、所定時間が経過すると閉止位置まで戻るようになっていたが、前記所定条件としては、単に普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出されることや、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「当り」となることや、単に特図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出されること等により成立するものであってもよい。また、単に始動入賞口への入賞により成立するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bの開閉羽根301a,301bの開放により第2始動入賞口58aや普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口といった始動領域に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、賞球や、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームや画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の変動表示が所定の遊技価値として付与されるようになっていたが、第1特別可変入賞球装置7の開放や、大当たり遊技状態等が遊技価値として付与されるようになっていてもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が図33に示す報知制御処理を実行することにより、所定の異常入賞報知画面表示設定が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、所定の異常入賞報知画面表示設定を分担して実行するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、図37に示すような表示制御基板16を設ける。表示制御基板16には、表示制御用CPU140と、ROM141と、RAM142と、乱数回路143と、I/O144とが搭載されている。この場合、表示制御基板16に搭載された表示制御用CPU140が画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は設けられていなくてもよい。表示制御基板16では、例えば表示制御用CPU140がROM141から読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPU140がROM141から固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPU140がRAM142に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPU140がRAM142に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPU140がI/O144を介して表示制御基板16の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPU140がI/O144を介して表示制御基板16の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、表示制御用CPU140は、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの効果音信号や電飾信号を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
また、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。上記実施の形態では、図11に示す構成において、音声制御基板13やランプ制御基板14に制御用のCPU等を含んだマイクロコンピュータが搭載されず、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120により、音声や効果音の出力制御、及び、ランプや装飾用LED等の点灯制御といった、各種の演出動作を制御するための処理が行われるものとした。これに対して、図11に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9などにおける点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、図15に示す大当り種別判定テーブル131において、変動特図指定バッファ値が“2”である場合には、「突確」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2が割り当てられないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、変動特図指定バッファ値が“2”である場合でも、「突確」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2が割り当てられるようにしてもよい。この場合、変動特図指定バッファ値が“1”であるか“2”であるかに応じて、「突確」の大当り種別に割り当てられる大当り種別判定用の乱数値MR2の個数を異ならせることで、第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別が「突確」に決定される割合を、異ならせてもよい。
上記実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、第1始動条件が成立したときには青色表示を行い、第2始動条件が成立したときには赤色表示を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1始動条件が成立したときには丸型の記号を表示し、第2始動条件が成立したときには三角型の記号を表示するといったように、互いに異なる形の記号を表示するようにしてもよい。あるいは、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した回数を示す数字を、特定可能に表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われない。その一方で、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突確」となったことに基づいて2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別判定テーブル131は、変動特図指定バッファ値に応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2を、「突然時短」や「突然通常」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態に制御される。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態に制御される。これにより、2ラウンド大当り状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
このような「突然時短」や「突然通常」を設ける場合には、「突然時短」及び「突然通常」以外である場合とは異なる変動パターン種別や変動パターンに決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」であることにより2ラウンド大当り状態に制御されるにもかかわらず、15ラウンド大当り状態に制御される場合と同様の演出動作が行われて遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。また、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合には、可変表示結果が「小当り」となる場合、あるいは、大当り種別が「突確」となる場合と、共通の変動パターン種別に決定可能としてもよい。これにより、変動パターンを決定する際には、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合であるか、可変表示結果が「小当り」となる場合あるいは大当り種別が「突確」となる場合であるかに関わりなく、共通の変動パターン判定テーブルを用いることができ、データ容量の削減を図ることができる。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、確変状態や時短状態といった遊技状態に制御できるものとして説明した。そして、確変状態や時短状態では、第2始動入賞口58aに遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば確変状態には、継続して確変制御が行われるとともに、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高める有利開放制御が行われる高確高ベース状態と、確変制御は行われるが有利開放制御は行われない高確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。また、時短状態には、特図変動時間が短縮されるとともに有利開放制御が行われる低確高ベース状態と、特図変動時間は短縮されるが有利開放制御は行われない低確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。一例として、大当り種別が「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大当り遊技状態の終了後に、高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御されるようにしてもよい。他の一例として、大当り種別が「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御される割合を、互いに異ならせるようにしてもよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5の表示領域において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられ、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて1個の飾り図柄が停止表示されることで、予め定められた1個の有効ライン上に最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて「上段」、「中段」、「下段」の3カ所に飾り図柄を停止表示可能とし、5個あるいは8個の有効ライン上に最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるようにしてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、本発明の遊技機は、所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口(第1大入賞口)を開放状態とする特別可変入賞球装置7(第1特別可変入賞球装置)を備えるものに限定されるものではなく、これに代えてあるいはこれに加えて、開閉部材が所定回数開閉されるまでの期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて開閉部材の開閉動作を繰り返すことにより第2大入賞口を開放状態とする第2特別可変入賞球装置を備えるパチンコ遊技機であってもよい。このようなパチンコ遊技機では、始動条件が成立した後に開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定を行うようにし、特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた場合には、第2特別可変入賞球装置の開閉部材を所定期間開成する。そして、第2特別可変入賞球装置内に進入した遊技球が特定領域を通過(V入賞)した場合や、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には、第1大入賞口、あるいは第2大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御すればよい。例えば、第1特別可変入賞球装置と第2特別可変入賞球装置との双方を備えるパチンコ遊技機においては、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合に、第1大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に、特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた後、V入賞した場合に、第2大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御されるようにすればよい。あるいは、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合、及び特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた後、V入賞した場合のいずれの場合にも、第1大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御されるようにしてもよいし、これとは反対に、第2大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、第1特別可変入賞球装置のみを備えるパチンコ遊技機においては、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合、及び特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた後、V入賞した場合のいずれの場合にも、第1大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御されればよい。さらに、第2特別可変入賞球装置のみを備えるパチンコ遊技機においては、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合、及び特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた後、V入賞した場合のいずれの場合にも、第2大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御されればよい。このような特定遊技状態が終了した後には、確変状態や時短状態といった特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。こうしたパチンコ遊技機に本発明を適用するに当たっては、始動入賞口として、遊技状態に関わらず遊技球が進入可能な始動入賞口とは別に、例えば普図当りなどといった所定条件が成立したときに、遊技球が進入可能に開放される始動入賞口を設け、当該始動入賞口に関して本発明の技術内容を適用すればよい。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本願発明に係る遊技機において、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄など)を可変表示する可変表示装置(例えば画像表示装置5など)と、前記識別情報の可変表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り組合せとなる最終停止図柄など)となった後に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する特定遊技状態制御手段(例えばCPU103がステップS114〜S117の処理を実行する部分など)と、前記所定条件としての入賞条件が成立したこと(例えばゲートスイッチ21によって遊技球が検出されたこと)に基づいて、前記可変入賞装置を前記第2状態から前記第1状態に変化させる制御を行う可変入賞制御手段(例えばCPU103がステップS144の普通電動役物動作処理を実行する部分など)と、常時入賞可能な非可変入賞装置(例えば普通入賞球装置6A)と、前記非可変入賞装置に進入した前記遊技媒体を検出する非可変入賞検出手段(例えば第1始動口スイッチ22Aなど)と、前記非可変入賞検出手段と前記可変入賞検出手段のいずれかによって前記遊技媒体が検出されたことに基づいて、前記識別情報の可変表示結果を前記特定表示結果とするか否かと、前記特定遊技状態の種別と、を当該可変表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(例えばCPU103がステップS110の特別図柄通常処理を実行する部分など)と、前記事前決定手段によって前記識別情報の可変表示結果を前記特定遊技結果とする旨の決定がなされたことに基づいて制御された前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定遊技状態の種別に基づいて、通常遊技状態よりも有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えばCPU103がステップS374、S375の処理を実行した後に、ステップS239、S246の処理やステップS140〜S144の処理を実行する部分など)と、をさらに備え、前記可変入賞制御手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態に制御されている場合、前記通常遊技状態に制御されている場合よりも長い期間、前記可変入賞装置を前記第1状態に変化させる制御を行い(例えばCPU103は、ステップS436、S438、及びS439の処理を実行した後に、ステップS144の普通電動役物動作処理などを実行し)、前記事前決定手段は、前記特定表示結果とするときに、前記非可変入賞検出手段によって前記遊技媒体が検出された場合、前記可変入賞検出手段によって当該遊技媒体が検出された場合とは異なる割合で、前記特定遊技状態の種別を決定する(例えばCPU103は、ステップS248及びS249の処理にて大当り種別決定テーブル131を参照することなどにより、大当り種別などを決定する)。
本願発明に係る遊技機において、特別遊技状態制御手段によって特別遊技状態に制御されている場合には、通常遊技状態に制御されている場合よりも長い期間、可変入賞装置を第1状態に変化させる制御が行われる。これにより、特別遊技状態に制御されている場合には、通常遊技状態に制御されている場合よりも、多くの遊技媒体が景品として払い出される割合を高くすることができる。
また、非可変入賞検出手段によって遊技媒体が検出された場合には、可変入賞検出手段によって遊技媒体が検出された場合とは異なる割合で、特定遊技状態の種別が決定される。これにより、遊技媒体が非可変入賞装置と可変入賞装置とのいずれに進入したことに基づき、特定遊技状態に制御されたかに対して、遊技者に注意を惹かせることができる。
この結果、遊技興趣を向上させることができる。
また、本件発明に係る遊技機において、前記特定遊技状態が終了した後に、通常遊技状態よりも有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えばCPU103がステップS303やステップS374、S375の処理を実行した後に、ステップS239、S246の処理やステップS140〜S144の処理を実行する部分など)をさらに備え、前記入賞データクリア手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態に制御されている場合、前記タイマセット手段によってセットされた前記タイマがタイムアウトしても、前記入賞データをクリアしない(例えばCPU103は、ステップS189の処理にてYesと判定された場合、ステップS190の処理を実行しない)。
本願発明に係る遊技機において、特別遊技状態制御手段によって特別遊技状態に制御されている場合には、タイマセット手段によってセットされたタイマがタイムアウトしても、入賞データがクリアされない。これにより、不正が行われる可能性が低い特別遊技状態中においては、入賞データのクリアなどの処理を省略することができるため、処理負担の増大を防止することができる。