以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[機能フロー]
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。同図に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。
また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えていてもよい。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。
当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[パチンコ遊技機の構造]
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。図2は、パチンコ遊技機の正面図、図3は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図、図4は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。なお、以下の説明においては、基本的に特に断らない限り、パチンコ遊技機1の正面側を前方向、パチンコ遊技機1の背面側を後方向、パチンコ遊技機1の前方から見て左側を左方向、パチンコ遊技機1の前方から見て右側を右方向、パチンコ遊技機1の上側を上方向、パチンコ遊技機1の下側を下方向、パチンコ遊技機1を正面から見て時計回りの方向を右回りの方向、その逆に反時計回りの方向を左回りの方向として説明する。
パチンコ遊技機1は、図2及び図3に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。
ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出ユニット16と、基板ユニット17とが取り付け可能である。遊技盤12には、液晶表示装置13と、後述する演出用の可動役物に係る装置としてシャッタ装置8と、突出装置9とが取り付けられる(図15及び図16参照)。液晶表示装置13、シャッタ装置8、及び突出装置9は、後述する演出表示ユニット10として構成(一体化、組合せ、設置)されている。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール(具体的には後述のガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。
さらに、遊技領域12aには、図示しない複数の遊技釘が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、図5(a)を参照して後述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面一部の領域を占めるような大きさに設定される。なお、液晶表示装置13の表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面全体の領域を占める大きさであってもよい。
この液晶表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄(装飾図柄)、演出画像、装飾用画像等の各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置として液晶表示装置13を用いたが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置13に代えて、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と液晶表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。
スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、遊技球の貸出、遊技球の払出(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。
所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a又は払出口22aから遊技球が排出され、それぞれ排出された遊技球が上皿21や下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ジョグダイヤル24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及びジョグダイヤル24の少なくともいずれか一方を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及びジョグダイヤル24の少なくともいずれか一方の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2及び図3には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータが設けられる。また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレールに案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出ユニット16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出ユニット16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出ユニット16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払出す。
基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200、払出・発射制御回路300等が設けられる(後述の図33参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、矩形枠状に形成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、ロゴユニット58が設けられる。ここで、本実施形態のロゴユニット58は、本発明の装飾ユニットを構成する。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。
したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。図2に示すように、ガラスドア4の開口4aの左右両端及び下端には、電飾カバー58A〜58Cが設けられている。電飾カバー58A〜58Cの後面には、LED(Light Emitting Diode)59A〜59C(図33参照)が設けられている。LED59A〜59Cは、後述するシャッタ装置8及び突出装置9の動作、液晶表示装置13に表示される演出、演出ボタン、電飾カバー58A、58Bの発光などと連動して点灯あるいは点滅するように制御される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図5(a)を参照して説明する。図5(a)は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図5(a)に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51、52と、第1大入賞口53と、第2大入賞口54と、アウト口55と、図示しない複数の遊技釘とが設けられる。
また、遊技盤12の前面において第2大入賞口54付近は、膨出カバー(図示略)が設けられており、膨出カバーは、遊技盤12の前面から前方に膨れ出ている。以後、遊技盤12の前方とは、遊技盤12に対して遊技者側を表し、遊技盤12の後方とは、遊技盤12に対して遊技者側と反対側を表す。また、遊技盤12に対して右側、左側とは、遊技盤12を正面から見て右側、左側を表す。したがって、遊技盤12を後方から見た場合には、紙面において遊技盤12の右側が左側となり、遊技盤12の左側が右側となる。
さらに、遊技盤12の前面において、その右下部には、特別図柄表示装置61と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる(図5(a)において符号省略し、図33参照)。
なお、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LEDや、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LED等を設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画するように円弧状に延在し、ガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール41a(図5(a)において破線で示す)と、この外レール41aの内側(内周側)に配置されて円弧状に延在する内レール41bとで構成される。
遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へと案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。
この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側における第1大入賞口53の上部付近に配置される。球通過検出器43には、通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図33参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、普通図柄ゲームの「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。
以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、所定数(例えば3個)の遊技球が払出される。
また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」であるか否かの抽選及び「小当り」であるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて第1特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」であるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて第2特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄及び第2特別図柄は、それぞれ特図1及び特図2という場合がある。
第1始動口44には、入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図33参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図33参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、遊技盤1の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作する羽根状の部材であり、第2始動口45への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口45への遊技球の入賞を不可能又は困難とする閉鎖状態とを切り替え可能に構成されている。普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46a(後述の図33参照)により開閉駆動される。
なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。また、普通電動役物46としては、羽根状の部材を前後方向に開閉するように動作させるものに限らず、例えば遊技盤1の左右方向に回動することで始動口を拡開するいわゆる電動チューリップ型のものや、遊技盤1の前後方向に水平移動することで始動口を開閉する舌状部材であってもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の右方に配置され、かつ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。
一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、所定数(例えば10個)の遊技球が払出される。
一般入賞口51には、入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図33参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図33参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、かつ、第1始動口44及び第1始動口45の右方に配置される。第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a,54aと、これらのシャッタ53a,54aを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図33中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタ53a,54aが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。
以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、所定数(例えば10個)の遊技球が払出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、所定数(例えば15個)の遊技球が払出される。
また、第1大入賞口53には、入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図33参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(図5(a)及び後述の図33参照)が設けられる。
本実施形態のパチンコ遊技機1において、第1大入賞口53は、遊技球が複数個同時に入賞可能となるように比較的横幅寸法が大きい開口として遊技盤1の前面に形成されている一方、第2大入賞口54は、遊技球が1個ずつ入賞し得るように比較的寸法が小さい開口として図示しない膨出カバーの上端面一部に形成されている。
第1大入賞口53に対応するシャッタ53aは、遊技盤1の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作することにより、第1大入賞口53を開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第1大入賞口53を覆うように配置されている。すなわち、シャッタ53aは、第1大入賞口53への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第1大入賞口ソレノイド53b(後述の図33参照)により駆動される。
第2大入賞口54に対応するシャッタ54aは、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、第2大入賞口54を開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第2大入賞口54を覆うように配置されている。すなわち、シャッタ54aは、第2大入賞口54への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第2大入賞口ソレノイド54b(後述の図33参照)により駆動される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1において、膨出カバーの内側には、第2大入賞口54を通過してカウントセンサ54cにより検知された遊技球が通過可能な特定領域38A及び非特定領域38Bが設けられている。第2大入賞口54から特定領域38A及び非特定領域38Bに至る遊技球の球通路は、膨出カバーの内面に設けられた仕切り壁(図示略)により形成される。第2大入賞口54に入賞した遊技球は、特定領域38A及び非特定領域38Bのいずれか一方を通過した後、遊技盤1の背後へと導かれて回収される。第2大入賞口54から特定領域38A及び非特定領域38Bへと至るまでの球通路の途中位置には、カウントセンサ54cが配置されている。特定領域38Aには、特定領域センサ380Aが配置されており、特定領域38Aにおける遊技球の通過は、特定領域センサ380Aにより検出される。非特定領域38Bには、非特定領域センサ380Bが配置されており、非特定領域38Bへの遊技球の通過は、非特定領域センサ380Bにより検知される。また、特定領域38Aの近傍には、これを開閉するための変位部材39が設けられている。
変位部材39は、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、特定領域38Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態では特定領域38Aを覆うように位置する。すなわち、変位部材39は、特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な開放状態と、通過が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように変位部材ソレノイド390(後述の図33参照)により駆動される。特定領域38Aが閉鎖状態にある場合、特定領域38Aを通過できない遊技球は、非特定領域38Bを通過することとなる。
以下では、遊技球が特定領域38Aを通過することを、「V入賞」という場合がある。また、特定領域38Aが設けられた第2大入賞口54については、「Vアタッカー」という場合がある。本実施形態のパチンコ遊技機1において、V入賞に成功した大当り遊技状態の終了後は、確変遊技状態に移行する。そのため、V入賞を「V確」という場合がある。変位部材39については、「Vベロ」という場合がある。
なお、V入賞を実現するための構成としては、図5(b)に示すような構成としてもよい。すなわち、第2大入賞口54の内部には、下方へと遊技球を導くための球通路が形成され、球通路の下端には、左右に隣接するように特定領域38Aと非特定領域38Bとを設ける。第2大入賞口54から球通路へと進入する位置には、カウントセンサ54cが配置される。特定領域38Aには、特定領域センサ380Aが配置されており、特定領域38Aへの遊技球のV入賞は、特定領域センサ380Aにより検出される。非特定領域38Bには、非特定領域センサ380Bが配置されており、非特定領域38Bへの遊技球の通過は、非特定領域センサ380Bにより検知される。そして、球通路において特定領域38A及び非特定領域38Bの近傍には、左右に回動可能な変位部材39を設ける。変位部材39は、実線で示す姿勢が変位後の開放姿勢であり、仮想線で示す位置が通常の閉鎖姿勢である。
変位部材39は、特定領域38Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものである。変位部材39は、実線で示す開放姿勢にあるとき、特定領域38Aを開放状態とし、当該特定領域38Aへの遊技球のV入賞を容易な状態とする。このとき、変位部材39は、球通路の右側にある特定領域38Aへと遊技球を案内する。これにより、第2大入賞口54から球通路へと導かれてきた遊技球は、特定領域38Aを通過することでV入賞となる。また、変位部材39は、仮想線で示す閉鎖姿勢にあるとき、特定領域38Aを閉鎖状態とし、当該特定領域38Aへの遊技球のV入賞を不可能あるいは困難な状態とするとともに、球通路の左側にある非特定領域38Bへと遊技球を案内する。これにより、第2大入賞口54から球通路へと導かれてきた遊技球は、特定領域38Aを通過せずに非特定領域38Bを通過する。このような構成でもV入賞を実現することができる。なお、カウントセンサ54cが遊技球の通過を検出したときに賞球を払出し、カウントセンサ54c、特定領域センサ380A、非特定領域センサ380Bからの信号に基づいて、第2大入賞口54から遊技球が排出されたか否か(第2大入賞口54内に遊技球が残留しているか否か)を判定するようにしてもよい。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図5(a)に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(いわゆる右打ちの場合)、遊技釘等により遊技球が第2始動口45に誘導される。
この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。
それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になるいわゆる「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
膨出カバーは、第1大入賞口53の下方に設けられており、膨出カバーの上面は、傾斜面として形成されている。この傾斜面は、遊技者側から見て右上方から左下方に向かって左下がりに傾斜している。傾斜面は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する遊技球を第2大入賞口54へと導くようになっており、傾斜面上を転動する遊技球が図示しないリブ等に衝突すると、遊技球の速度が低下してシャッタ54aが開放状態にある第2大入賞口54に遊技球が入賞し易くなる。
また、図5(a)に示すように、遊技盤12の表示領域13aの周囲には電飾カバー58E〜58Hが設けられており、電飾カバー58E〜58Hの後面にはLED59e〜59h(図33参照)が設けられている。電飾カバー58E〜58Hは、LED59e〜59hの点灯あるいは点滅によって後述するシャッタ装置8や突出装置9に関連する演出表示を行う。
[ロゴユニット]
図6〜図13は、ロゴユニット58を示している。図6に示すように、ロゴユニット58は、導電性を有する金属製のフレーム部材111に対して取り付けられる。フレーム部材111は、ベースドア3の前面側の周囲に取り付けられる。これにより、ロゴユニット58は、遊技機1の前方に突出するように配置される。
図8及び図9によく示すように、ロゴユニット58は、前面カバー580、上面カバー581、複数の側方カバー582A〜582D、ベース部材583、複数の基板支持部材584、複数のLED基板585、複数の導光板586を有する。
前面カバー580は、前面カバー本体580Aと、複数のアウターレンズ580Bとを有する。前面カバー本体580Aは、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。複数のアウターレンズ580Bは、機種名などのロゴを一文字ずつ照らし出すためのものであり、前面カバー本体580Aの前面に沿って左右方向に並ぶように設けられている。アウターレンズ580Bは、背後の対応するLED基板585から導光板586を経て照射された光を外方へと導くように透光性を有する。また、アウターレンズ580Bは、一般的なプラスチックやガラスのような非導電性の透光性部材が想定されるが、例えば、表面に導電性を有する透光性塗料を塗布することや、透光性を有する導電性部材(導電性を有するプラスチックなど)を使用することも可能である。また、前面カバー本体580Aは、例えば表面にアルミ蒸着処理を施すことによって導電性を有するようにしてもよい。その際、アルミの蒸着量を調節することによって電気伝導性(導電性、導電量)を調節することも可能である。
上面カバー581は、前面カバー580と一体になってフレーム部材111の上部に取り付けられる。上面カバー581の上部には、複数のネジ581Aを介して前面カバー580の前面カバー本体580Aが固定される。上面カバー581においてネジ581Aが固定される部分には、いわゆるスナップフィット式の再脱着困難な係止キャップ581Bが嵌め合わされる。これにより、上面カバー581は、係止キャップ581Bが一旦嵌め合わされると、この係止キャップ581Bを取り外してネジ581Aの締緩作業を行うことが困難とされ、前面カバー580と実質分離不可能となって一体化される。このような上面カバー581は、前面カバー本体580Aと同様に、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。なお、上面カバー581についても、例えば表面にアルミ蒸着処理を施すことによって導電性を有するようにしてもよい。
このような前面カバー580及び上面カバー581は、再脱着困難な係止キャップ581B及びネジ581Aを介した相互結合によりロゴユニット58のアセンブリパーツとして一体的に取り扱うことができる一方、互いに連結されて係止キャップ581Bが嵌め合わせられると、容易には互いに分離することができないので、ロゴユニット58から内部への不正行為等による進入を効果的に防止することができる。
側方カバー582A、582Bは、前面カバー580を前方から見た状態において、前面カバー580の左端部に固定され、電飾カバー58Aの上端と重なるように配置される。側方カバー582Aは、側方カバー582Bの上方に位置し、電飾カバー58Aに対応するLED59Aからの光を外方へと導くように透光性を有する。側方カバー582Aは、良好な透光性を得るためにメッキ処理等が施されていないことから、非導電性を有する。側方カバー582Bは、前面カバー本体580A及び上面カバー581と同様に、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。側方カバー582C、582Dは、前面カバー580を前方から見た状態において、前面カバー580の右端部に固定され、電飾カバー58Bの上端と重なるように配置される。側方カバー582Cは、側方カバー582Dの上方に位置し、電飾カバー58Bに対応するLED59Bからの光を外方へと導くように透光性を有する。側方カバー582Cは、良好な透光性を得るためにメッキ処理等が施されていないことから、非導電性を有する。側方カバー582Dは、前面カバー本体580A及び上面カバー581と同様に、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。なお、図9においては、側方カバー582C、582Dを分解した状態を示している。また、側方カバー582Cの固定構造については、図12及び図13を参照して後述する。このような側方カバー582B、582Dについては、樹脂製のカバーとして非導電性の部材であってもよく、あるいはメッキ処理が施されたものよりも導電性が低い部材であってもよい。さらに、側方カバー582Dについては、例えば表面にアルミ蒸着処理を施すことによって導電性を有するようにしてもよい。
ベース部材583には、複数の基板支持部材584が取り付けられる。ベース部材583の左右両端には、その左右両端よりも左右外方に張り出すように基板支持部材584が支持され、その基板支持部材584の背後にスピーカホルダ110Aやスピーカカバー110Bが配置される。スピーカホルダ110Aは、フレーム部材111の上部にスピーカ11と一体に取り付けられる。スピーカ11は、フレーム部材111に直接触れないようにスピーカホルダ110Aに保持される。スピーカカバー110Bは、スピーカ11の前方を覆うメッシュ部分とスピーカホルダ110Aを覆うように接する側面部分を有し、スピーカ11の前面及びスピーカホルダ110Aを覆うようにロゴユニット58に組み込まれる。スピーカカバー110Bのメッシュ部分は、導電性を有さない一方、その余の側面部分は、例えば表面にメッキ処理が施されることで導電性を有する。このようなロゴユニット58は、フレーム部材111の上部に取り付けられる。なお、スピーカホルダ110Aは、基本的に非導電性の部材であるが、例えばスピーカ11と当接又は近接する部分を非導電性としつつ、スピーカカバー110Bと当接又は近接する部分については導電性を有するようにしてもよい。また、フレーム部材111は、非導電性のカバーを前面に備えるとともに、導電性のフレームを後面に備えている。このフレーム部材111の前面側における非導電性のカバーとスピーカホルダ110Aにより、フレーム部材111とスピーカ11との間には、所定の間隔が設けられる。これにより、スピーカ11には、フレーム部材111からの静電気の飛来が防止される。また、スピーカホルダ110Aやスピーカカバー110Bのメッシュ部分は、導電性を有さない一方、スピーカホルダ110Aと接するスピーカカバー110Bの側面部分は、導電性を有しており、さらに、フレーム部材111は、導電性を有するものの、フレーム部材111の前面側には、樹脂又はプラスチック製の非導電性のカバーが配置されている。そのため、スピーカ11に近接又は接する部材は、全て非導電性部材となっており、これによっても静電気の飛来が効果的に防止される。
複数の基板支持部材584は、複数のアウターレンズ580Bと対応するように左右方向に並んで配置されるとともに、それぞれに固定されたLED基板585及び導光板586の前方に臨む姿勢が異なるようにベース部材583に対する取付角度が少しずつ異なる。
複数のLED基板585のそれぞれには、複数のLED59が離散的に設けられている。導光板586は、各LED59の光を対応するアウターレンズ580Bへと導くようにLED基板585の前面に配置され、LED基板585と一体になって基板支持部材584に固定されている。
図12及び図13に示すように、前面カバー本体580Aの後面には、基板支持部材584が配置され、この基板支持部材584の後面には、側方カバー582Cを直接ネジ止めするためのネジ固定部580Aaが設けられている。また、前面カバー本体580Aの後面には、側方カバー582Cを挟んだ状態で導電性部材582Eをネジ止めするためのネジ固定部580Abが設けられている。側方カバー582Cには、ネジ固定部580Aaに対応するネジ孔部582Caと、ネジ固定部580Abの先端が挿通可能な挿通口582Cbとが設けられている。導電性部材582Eには、フレーム部材111に対してネジ止めするためのネジ固定部582Eaが設けられている。
側方カバー582Cは、挿通口582Cbにネジ固定部580Abの先端を露出させつつ、ネジ孔部582Caがネジ固定部580Aaに対してネジ582Ccにより直接固定される。導電性部材582Eは、挿通口582Cbから露出したネジ固定部580Abに対してネジ582Ebにより固定される。これにより、側方カバー582Cは、前面カバー本体580Aや基板支持部材584と導電性部材582Eとの間に挟まれた状態で固定される。
以上のようにして側方カバー582Cが前面カバー580に固定された状態において、導電性部材582Eは、ネジ固定部582Eaがフレーム部材111に対して図示しないネジにより固定される。また、導電性部材582Eを固定したネジ582Ebには、図示しないアース線の一端が接続される。このアース線の他端は、フレーム部材111の適部に接続される。これにより、前面カバー580は、その右端部が非導電性で透光性を有する側方カバー582Cと重なるものの、導電性部材582E及びアース線を通じてフレーム部材111に導通接続される。特に図示しないが、前面カバー本体580Aの前方から見て左端部も、右端部と同様に、側方カバー582Aを固定しつつ導電性部材及びアース線を介してフレーム部材111に導通接続される。
これにより、前面カバー580及び上面カバー581並びに側方カバー582A〜582Dが一対となったアセンブリパーツは、光の視認性やフレーム部材111に対する脱着の簡便性が阻害されることなく、装飾パーツとしての機能を損なわずに一体的に取り扱うことができる。また、例えば主として前面カバー580においては、帯電した静電気が導電性部材582E及びアース線を通じてフレーム部材111へと導かれることにより、静電気が効率よく除去される。そのため、遊技者等が前面カバー580にたとえ触れても、電気的に不快に感じられないようにすることができる。また、静電気が効率よく除去されるため、ベース部材583に設けられた接続ユニット(基板)やLED基板585等に静電気が飛来することを防止し、各基板の電気回路について静電気障害や回路破壊を防ぐことができる。
また、スピーカ11を保持する非導電性のスピーカホルダ110Aは、側面部分が導電性のスピーカカバー110Bと当接し、スピーカカバー110Bは、複数のネジ固定部がベース部材583の後部にネジ止めされる。特に、スピーカカバー110Bのネジ固定部110Cには、ネジを介して図示しないアース線の一端が接続される。このアース線の他端は、フレーム部材111の適部に接続される。これにより、スピーカ11に比較的近いスピーカカバー110Bにおいても、帯電した静電気がネジ固定部110Cからアース線を通じてフレーム部材111へと導かれ、静電気が効率よく除去される。すなわち、ロゴユニット58の内部に多数の電気部品が配置されることでその付近に静電気が帯電しやすいものの、そのような静電気が導電性部材582Eだけでなくスピーカ11の周辺からも効率よく除去されるので、ロゴユニット58全体において発生する静電気を十分に排除することができる。
特に図示しないが、電飾カバー58A〜58Cの背面にも、図8等と同様に複数のLED59A〜59Cを搭載したLED基板が設けられている。電飾カバー58A〜58Cは、例えば表面にアルミ蒸着処理あるいはメッキ処理が施されることで導電性を有し、金属製のフレーム部材111に取り付けられる。これにより、電飾カバー58A〜58Cにおいても、帯電した静電気がフレーム部材111へと導かれることで効率よく除去される。そのため、遊技者等が電飾カバー58A〜58Cにたとえ触れても、電気的に不快に感じられないようにすることができる。また、静電気が効率よく除去されるため、電飾カバー58A〜58Cに対応して設けられたLED基板等にも静電気が飛来することを防止し、各基板の電気回路について静電気障害や破壊を防ぐことができる。
[演出表示ユニット]
次に、図14〜図16を参照して、本実施形態の演出表示ユニット10について説明する。図14は、演出表示ユニット10を示す正面図、図15は、演出表示ユニット10を示す斜視図、図16は、演出表示ユニット10を示す分解斜視図である。
図16に示すように、演出表示ユニット10は、後方から前方へと向かう順に、液晶表示装置13、シャッタ装置8、突出装置9を備えて構成される。突出装置9は、第1突出装置9Aと第2突出装置9Bとに分解可能とされ、第1突出装置9Aの前方に第2突出装置9Bが配置される。図15に示すように、演出表示ユニット10は、遊技盤12の背面に取り付けられる。
液晶表示装置13は、開口部130aを有するフレーム部材130の背面に支持される。液晶表示装置13の表示領域13aは、開口部130aに臨むように配置され、光透過性の遊技盤12を通して前方の遊技者に視認可能とされる。
シャッタ装置8は、フレーム部材130の前面側最奥部に設けられる。シャッタ装置8は、待機状態(非動作状態)において開口部130aと(一部又は全部が)重ならないように配置されており、動作状態においては、後述する一対の可動ユニット81が左右両側から開口部130aの中央の方へと移動するように構成されている。これにより、シャッタ装置8は、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。シャッタ装置8については、図17〜図22を参照して詳述する。
第1突出装置9Aは、シャッタ装置8と第2突出装置9Bとの間に設けられる。第1突出装置9Aは、待機状態(非動作状態)において後述する複数の突出ユニット91A〜91Gが部分的に開口部130aの周囲から露出するように配置されており、動作状態においては、複数の突出ユニット91A〜91Gが開口部130aの中央の方へとより大きく突出するように構成されている。これにより、第1突出装置9Aは、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。第1突出装置9Aについては、図23〜図32を参照して詳述する。なお、図23等に示すように、突出ユニット91A〜91Gは、部分的に関口部130aの周囲から露出するように配置されているが、突出ユニット91A〜91Gの全体が全く露出しないように配置されていてもよいし、その全体が露出していてもよい。また、ここでいう露出とは、視認困難でないことを意味するが、例えば演出装置としての突出装置に含まれる装飾部材が透光性や発光性を有している場合には、その装飾部材の位置に関係なくその発光を確認可能であって演出内容を伝えることが可能であれば、特に装飾部材が露出する位置まで移動しなくてもよい。つまり、演出動作を行う部材としては、待機状態において第1の態様で視認され、動作状態において第1の態様とは異なる第2の態様で視認されるというように視認性が変化するものであればよい。また、視認性が変化する態様としては、例えば突出ユニット91A〜91Gが前方に設けられた他の部材と重なる状態か重ならない状態かによって異なるといった態様も含まれる。
第2突出装置9Bは、第1突出装置9Aと遊技盤12との間に設けられる。第2突出装置9Bは、待機状態(非動作状態)において後述する突出部材96が部分的に開口部130aの下端から露出するように配置されており、動作状態においては、突出部材96が開口部130aの中央の方へと大きく上昇移動するように構成されている。これにより、第2突出装置9Bは、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。なお、第2突出装置9Bは、待機状態において突出部材96が部分的に関口部130aの下端から露出していてもよいし、待機状態において突出部材96の全体が露出していない場合、移動することでその全体が完全に露出するようにしてもよい。ここでいう露出も、視認困難でないことを意味するが、例えば待機状態においては突出部材96が第1の態様で視認され、動作状態において第1の態様とは異なる第2の態様で突出部材96が視認されるようにしてもよい。また、突出部材96は、前方に設けられた他の部材と重なる状態か重ならない状態かによって視認性が異なる態様に変化するようにしてもよい。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、液晶で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的に、本実施形態では、後述する特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する(対応する)演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、液晶表示装置13の表示領域13aに、後述する第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域13aに表示される。
また、本実施形態では、後述する普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
[シャッタ装置]
次に、図17〜図22を参照して、本実施形態のシャッタ装置8について説明する。
シャッタ装置8は、複数のベース部材80A〜80Cと、左右一対の可動ユニット81A、81Bと、可動ユニット81A、81Bをそれぞれ駆動するための駆動ユニット82A、82Bとを有して構成される。
複数のベース部材80A〜80Cは、それぞれ独立しており、ベース部材80Aは、フレーム部材130の下部左側に固定され、ベース部材80Bは、フレーム部材130の下部右側に固定され、ベース部材80Cは、フレーム部材130の上部に固定される。ベース部材80Aとベース部材80Bとの間は、後述する第2突出装置9Bの突出部材96を配置可能な所定間隔の空間が設けられる。
ベース部材80Aには、左側の可動ユニット81Aの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Aが設けられ、ベース部材80Bには、右側の可動ユニット81Bの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Bが設けられる。ガイド孔800Aは、左端部から右端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ低位となるように形成されており、概ね中間部から右端部に至るまで下降傾斜している。ガイド孔800Bは、ガイド孔800Aと左右対称の形状として、右端部から左端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ低位となるように形成されており、概ね中間部から左端部に至るまで下降傾斜している。また、ベース部材80A、80Bのそれぞれには、可動ユニット81A、81Bのそれぞれを全体的に支持しつつ左右方向に移動可能とするための案内溝801が設けられている。
ベース部材80Cには、駆動ユニット82A、82Bが組み込まれる。また、ベース部材80Cの左側下部には、左側の可動ユニット81Aの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Caがガイド孔800Aと対向するように設けられ、ベース部材80Cの右側下部には、右側の可動ユニット81Bの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Cbがガイド孔800Bと対向するように設けられる。これらのガイド孔800Ca、800Cbは、ガイド孔800A、800Bと上下対称の形状をなすように形成されている。すなわち、ガイド孔800Caは、左端部から右端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ高位となるように形成されており、概ね中間部から右端部に至るまで上昇傾斜している。ガイド孔800Cbは、右端部から左端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ高位となるように形成されており、概ね中間部から左端部に至るまで上昇傾斜している。また、ベース部材8Cの下部の左右両側には、可動ユニット81A、81Bのそれぞれを全体的に支持しつつ左右方向に移動可能とするための案内溝802が設けられている。
左右一対の可動ユニット81A、81Bは、互いに左右対称の形態をなすように設けられている。左側の可動ユニット81Aは、左右方向にのみ移動可能なスライド部材810と、スライド部材810の前面に支持されつつ上側に配置され、右回りの方向に所定角度回動可能なアーチ部材811と、スライド部材810の前面に支持されつつアーチ部材811の下側に配置され、左回りの方向に所定角度回動可能なアーチ部材812と、スライド部材810の後面に回動可能に支持されつつアーチ部材811、812のそれぞれに連結される第1リンク部材813、814と、スライド部材810の後面に上下動可能に保持されつつ第1リンク部材813、814のそれぞれに連結される第2リンク部材815、816とを有して構成される。なお、右側の可動ユニット81Bは、左側の可動ユニット81Aに対して左右対称の形状や逆向きの動作となる以外、左側の可動ユニット81Aと同様の構成部材を有して構成される。これら同様の構成部材については、図面において同一符号を付し、以下の説明では、特に断らない限り、左側の可動ユニット81Aに係るものとして説明する。
スライド部材810は、前面に装飾が施されており、上下両端部が案内溝801、802に沿って左右方向に移動可能となるように支持されている。
上側のアーチ部材811は、図21に示すように、基板ベース部材8110と、電飾基板8111と、レンズカバー8112と、装飾カバー8113とを有して構成される。なお、下側のアーチ部材812は、上側のアーチ部材811と一対となり、このアーチ部材811に対して上下対称の形状や逆向きの動作となる以外、上側のアーチ部材811と同様の構成部材を有して構成される。下側のアーチ部材812の構成部材については、上側のアーチ部材811の構成部材と同一符号を付してその説明を省略する。
基板ベース部材8110は、スライド部材810の前面略中央部に回動可能に支持される。電飾基板8111は、シャッタ装置8全体の動きに連動して点灯あるいは点滅可能なLED59Dを有し、基板ベース部材8110の前面に固定される。電飾基板8111の表面は、反射効率に優れた反射材の塗布あるいは表面加工によって反射面として機能するように形成されている。レンズカバー8112は、背後のLED59Dからの光を外方へと導く複数の透光部8112aを有し、装飾カバー8113に一体的に取り付けられる。このレンズカバー8112の透光部8112aは、前面側に向けて突状の凸部をなすように形成されており、少なくとも透光部8112aは、外方に向けて光を導くように透光性を有する。これにより、透光部8112aは、透光面として機能する。装飾カバー8113は、前面に装飾が施され、レンズカバー8112の透光部8112aを外方に露出させる複数の開口部8113aを有し、レンズカバー8112と一体になって電飾基板8111を覆うように基板ベース部材8110に取り付けられる。この装飾カバー8113の少なくとも背面は、例えば乱反射に優れた反射材の塗布あるいは表面加工によって反射面として機能するように形成されている。なお、レンズカバー8112の全体を透光性を有するものとし、このレンズカバー8112の一部のみを装飾カバー8113の開口部8113aに露出させるようにしてもよい。また、装飾カバー8113は、少なくとも遮光性を有するものであれば、背面が光の反射性に優れたものでなくともよい。
図22の断面図に示すように、電飾基板8111上の複数のLED59Dは、レンズカバー8112の透光部8112aや装飾カバー8113の開口部8113aと対向しない位置に配置される。すなわち、複数のLED59Dから出射した殆どの光は、装飾カバー8113の背面で乱反射して電飾基板8111の表面へと進み、さらに電飾基板8111の表面で反射した後、透光部8112aを通って外方へと出射する。これにより、比較的高輝度とされるLED59Dは、装飾カバー8113の背面と対向する位置にあるので、外方から透光部8112aを介して直接視認されることなくその視認性を低減させることができるため、LED59Dによる発光斑を目立たせないようにすることができる。その結果、シャッタ装置8の動的な演出効果とともに、LED59Dの光の演出による視覚的効果を向上させることができる。なお、「出射」には、光の出力や直進などといった意味合いが含まれる。また、「発光斑」とは、LEDなどの光源を発光部として、これを覆うように設けられた透光性を有する部材(レンズ部材、光拡散シート、透光シートなど)を通して発光部付近を視認すると、その発光部付近の輝度が比較的高くなって濃淡が目立ちやすくなることを意味する。例えば発光部が円形状の場合には、その中心部分の輝度が最も高くなりやすく、光の拡散度合いにもよるが、LED等の光源から照射される光の指向性が強いと発光斑が生じやすい。高輝度の点又は斑点のように視認される発光部は、その周りの低輝度となる部分に対して輝度や色合い、視認性などが異なる(差が生じる、強調される等)ため、できる限り均一に発光させることで発光班を生じさせない必要性がある。これにより、本実施形態においては、発光部の視認を困難としたり又はその視認性を低下させ、あるいは発光部を目立たないように工夫が施されている。
上側のアーチ部材811及び下側のアーチ部材812は、いずれもスライド部材810の中央部に設定された支点Sを中心に回動可能とされる。すなわち、アーチ部材812は、アーチ部材811の下方でスライド部材810の前面中央部に回動可能に支持され、アーチ部材811の動作と連動するように構成されている。このようなアーチ部材812も、内部に配置された複数のLED59Dによって発光する。これにより、下側のアーチ部材812は、上側のアーチ部材811と連動しつつ発光することによって演出効果を向上させる。
第1リンク部材813は、略L字状に屈曲した部材により構成され、上側のアーチ部材811の近傍となるスライド部材810の背面に回動可能に支持された中間部8130を有する。第1リンク部材813の下端には、支点Sから所定距離となるアーチ部材811の背面適部に設けられたピン811Aが遊嵌される。ピン811Aは、スライド部材810に設けられた長孔810Aに挿通されている。第1リンク部材813の上端は、中間部8130よりも開口部130の中央側に概ね近寄るように配置され、この上端には、第2リンク部材815の下端に設けられたピン815Aが回動可能に連結される。
第2リンク部材815は、短冊状の部材により構成され、概ね鉛直方向に沿って上下動可能にスライド部材810の背面に保持される。第2リンク部材815の下端は、ピン815Aを介して第1リンク部材813の上端に連結される。第2リンク部材815の上端には、ピン815Bが設けられ、このピン815Bがベース部材80Cのガイド孔800Caに遊嵌される。
図17及び図18に示すように、左側のスライド部材810が待機位置となる左寄りに位置する状態では、第2リンク部材815の上端がガイド孔800Caの低位となる左端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材813の下端は、ピン811Aを最も左側に寄せた状態となる。これにより、ピン811Aと一体になったアーチ部材811は、スライド部材810とともに開口部130の左端より外側に位置し、表示領域13aと重なることなく概ね起立した姿勢で隠れた状態になる。
一方、図19及び図20に示すように、左側のスライド部材810が右方向に移動することにより、スライド部材810が開口部130の中央寄りに位置する状態になると、第2リンク部材815の上端がガイド孔800Caの高位となる右端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材813の下端は、ピン811Aを右側に寄せた状態となる。これにより、ピン811Aと一体になったアーチ部材811は、スライド部材810とともに開口部130の中央寄りに位置しつつも、概ね起立した姿勢から大きく傾いた姿勢となり、表示領域13aの一部と重なりつつ出現した状態になる。
下側の第1リンク部材814及び第2リンク部材816も、上下対称の動作となる以外は、上側の第1リンク部材813及び第2リンク部材815と同様であり、次のように構成されている。
第1リンク部材814は、略L字状に屈曲した部材により構成され、下側のアーチ部材812の近傍となるスライド部材810の背面に回動可能に支持された中間部8140を有する。第1リンク部材814の上端には、支点Sから所定距離となるアーチ部材812の背面適部に設けられたピン812Aが遊嵌される。ピン812Aは、スライド部材810に設けられた長孔(図示略)に挿通されている。なお、ピン812Aが設けられたアーチ部材812の近傍部分は、コイルバネ817の一端(図示略)により開口部130の中央方向へと弾性的に動き易くなるように付勢されている(図18の拡大円部分を参照)。第1リンク部材814の下端は、中間部8140よりも開口部130の中央側に概ね近寄るように配置され、この下端には、第2リンク部材816の上端に設けられたピン816Aが回動可能に連結される。
第2リンク部材816は、短冊状の部材により構成され、概ね鉛直方向に沿って上下動可能にスライド部材810の背面に保持される。第2リンク部材816の上端は、ピン816Aを介して第1リンク部材814の下端に連結される。第2リンク部材816の下端には、ピン816Bが設けられ、このピン816Bがベース部材80Aのガイド孔800Aに遊嵌される。
図17及び図18に示すように、左側のスライド部材810が待機位置となる左寄りに位置する状態では、第2リンク部材816の下端がガイド孔800Aの高位となる左端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材814の上端は、ピン812Aを最も左側に寄せた状態となる。これにより、ピン812Aと一体になったアーチ部材812は、スライド部材810とともに開口部130の左端より外側に位置し、表示領域13aと重なることなく概ね起立した姿勢で隠れた状態になる。
一方、図19及び図20に示すように、左側のスライド部材810が右方向に移動することにより、スライド部材810が開口部130の中央寄りに位置する状態になると、第2リンク部材816の下端がガイド孔800Aの低位となる右端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材814の上端は、ピン812Aを右側に寄せた状態となる。これにより、ピン812Aと一体になったアーチ部材812は、スライド部材810とともに開口部130の中央寄りに位置しつつも、概ね起立した姿勢から大きく傾いた姿勢となり、表示領域13aの一部と重なりつつ出現した状態になる。このとき、アーチ部材812は、重力に反して上向きに回動するが、コイルバネ817の付勢力によりスムーズに回動させられる。
図17〜図20に示すように、右側の可動ユニット81Bも、左側の可動ユニット81Aと同様に構成されていることから、左側の可動ユニット81Aと左右対称の動作を行う。すなわち、図17及び図18に示すように、右側の可動ユニット81Bのスライド部材810が待機位置となる右寄りに位置する状態では、この可動ユニット81Bのアーチ部材811、812は、スライド部材810とともに開口部130の右端より外側に位置し、表示領域13aと重なることなく概ね起立した姿勢で隠れた状態になる。
一方、図19及び図20に示すように、右側の可動ユニット81Bのスライド部材810が左方向に移動し、このスライド部材810が開口部130の中央寄りに位置する状態になると、可動ユニット81Bのアーチ部材811、812は、スライド部材810とともに開口部130の中央寄りに位置しつつも、概ね起立した姿勢から大きく傾いた姿勢となり、表示領域13aの一部と重なりつつ出現した状態になる。このとき、右側のアーチ部材811、812の先端は、左側のアーチ部材811、812の先端に当接するか、あるいはほとんど接触する位置まで回動する。すなわち、表示領域13aの前方においては、左右両側のアーチ部材811、812が中央寄りに移動しつつも回動することで互いに合体した形を形成する演出が行われる。
駆動ユニット82Aは、左側の可動ユニット81Aを駆動するためにベース部材80Cの左側に配置されており、駆動ユニット82Bは、右側の可動ユニット81Bを駆動するためにベース部材80Cの右側に配置されている。駆動ユニット82A、82Bは、スライド部材810の上端に固定されたラックギア820と、このラックギア820と噛み合うピニオンギア821と、ピニオンギア821と噛み合うことで駆動力を伝えながら回転速度を減速するための複数の減速ギア822と、一の減速ギア822と噛み合って駆動力を発生する演出用駆動モータ60A、60Bとを有して構成される。また、ベース部材80Cには、ラックギア820の一部を光学的に検出可能な演出用センサ210A、210Bが配置されている。
例えば、左側の駆動ユニット82Aに着目すると、図17に示す状態において演出用駆動モータ60Aが所定の回転方向に作動し、複数の減速ギア822を介して左側のピニオンギア821が反時計回りの方向に回転した場合には、左側のラックギア820が右方向に移動させられる。これにより、左側のスライド部材810は、左側のアーチ部材811、812とともに右方向に移動させられ、最終的に図19に示す位置まで移動させられる。
一方、図19に示す状態においてピニオンギア821が時計回りの方向に回転すると、左側のラックギア820が左方向に移動させられることとなり、左側のスライド部材810は、左側のアーチ部材811、812とともに再び図17に示す待機位置まで移動させられる。このとき、左側のラックギア820の一部が演出用センサ210Aにより検出されることにより、左側のスライド部材810が待機位置に達したことが認識可能とされる。
一方、右側の駆動ユニット82Bに着目すると、この右側の駆動ユニット82Bも左側の駆動ユニット82Aと同様に動作しつつ連動する。すなわち、図17に示す状態において左側の駆動ユニット82Aが動作する際、右側の演出用駆動モータ60Bが所定の回転方向に作動し、複数の減速ギア822を介して右側のピニオンギア821が時計回りの方向に回転することにより、右側のラックギア820が右方向に移動させられる。これにより、右側のスライド部材810は、右側のアーチ部材811、812とともに左方向に移動させられ、最終的に図19に示す位置まで移動させられる。
一方、図19に示す状態において右側のピニオンギア821が反時計回りの方向に回転すると、右側のラックギア820が右方向に移動させられることとなり、右側のスライド部材810は、右側のアーチ部材811、812とともに再び図17に示す待機位置まで移動させられる。このとき、右側のラックギア820の一部が演出用センサ210Bにより検出されることにより、右側のスライド部材810が待機位置に達したことが認識可能とされる。
このような左右一対の可動ユニット81A、81Bによれば、スライド部材810が左右方向に移動する際、第2リンク部材815、816は、ガイド孔800A、800A、800Ca、800Cbに沿って左右方向に移動しつつも上下方向に変位し、それに応じて第1リンク部材813、814は、中間部8130、8140を支点に回動する。その結果、アーチ部材811、812は、スライド部材810とともに左右方向に移動しながらも第1リンク部材813、814を介して支点Sを中心に回動する。すなわち、アーチ部材811、812は、左右方向に移動しながら回動する方向にも同時に動くので、複数の方向に沿う複雑な動きによって合体するような形状を形成することができ、シャッタ装置8として動的な演出効果が高められる。
[突出装置]
次に、図23〜図32を参照して、本実施形態の突出装置9について説明する。突出装置9は、先述したように、第1突出装置9Aと第2突出装置9Bとを有して構成される。
<第1突出装置>
第1突出装置9Aは、ベース部材90と、複数の突出ユニット91A〜91Gと、突出ユニット91A〜91Gを動作させるための左右一対のリンク機構92A、92Bと、突出ユニット91Dの動作を補助するための動作補助機構93と、リンク機構92A、92Bをそれぞれ駆動する演出用駆動モータ60C、60Dとを有して構成される。
ベース部材90は、正面視略C字状の板状部材であり、下方に開口部が配置される。この開口部と対応する位置には、シャッタ装置8のベース部材80A、80Bや第2突出装置9Bが配置される。ベース部材90は、フレーム部材130との間にシャッタ装置8等を配置可能な間隔を設けてフレーム部材130の背面に固定される。ベース部材90には、複数の突出ユニット91A〜91Gを開口部130aの周囲に支持しつつ、開口部130aの外側から内側に進む方向やその逆の方向に突出ユニット91A〜91Gを移動案内するためのガイド孔900が設けられている。このガイド孔900には、リンク機構92A、92Bの後述する第1関節部J1が移動可能に連結されており、この第1関節部J1を介して突出ユニット91A〜91Gがガイド孔900に間接的に支持されている。
複数の突出ユニット91A〜91Gのそれぞれは、基本的に同様の部材により構成されており、ベース部材910と、ベース部材910を覆う装飾用のカバー部材911とを有して構成される。なお、カバー部材911については、図25以降の図面において図示を省略している。
ベース部材910は、カバー部材911と一体になりつつ、開口部130aの周囲において内外に変動可能となるように設けられる。図25及び図26に示すように、ベース部材910は、ガイド孔900と対応する位置にあってガイド孔900と同方向に沿う形状の長孔910Aと、開口部130aの周囲において内側に配置される先端部910Bとを有する。長孔910Aには、リンク機構92A、92Bの後述する第1関節部J1が移動可能に連結される。先端部910Bには、リンク機構92A、92Bの後述する第2関節部J2が回動可能に連結される。
左右一対のリンク機構92A、92Bは、ベース部材90の左右両側に配置された演出用駆動モータ60C、60Dの駆動力を、左側の突出ユニット91A〜91C及び右側の突出ユニット91E〜91G、並びに最上部の突出ユニット91Dへと効率よく伝えるためのものである。左側のリンク機構92Aは、主として左側の突出ユニット91A〜91C及び最上部の突出ユニット91Dに駆動力を伝えるように設けられ、右側のリンク機構92Bは、主として右側の突出ユニット91E〜91G及び最上部の突出ユニット91Dに駆動力を伝えるように設けられる。すなわち、リンク機構92A、92Bは、双方共に突出ユニット91Dに連結され、全体として正面視略C字状に配置されている。なお、左右両側のリンク機構92A、92Bは、互いに左右対称の構造や逆向きの動作となる以外、同様の構成部材を有して構成される。これら同様の構成部材については、図面において同一符号を付し、以下の説明では、特に断らない限り、左側のリンク機構92Aに係るものについて説明する。
図25〜図27に示すように、リンク機構92Aは、演出用駆動モータ60Cの作動に応じて回転する駆動ギア920と、駆動ギア920と噛み合うことで所定の方向に揺動する揺動ギア921と、揺動ギア921の突出部が先端部の長孔に案内可能に連結され、基端部がベース部材90に対して回動可能に支持された揺動アーム922と、揺動アーム922の長孔にピンを介して軸支された連結部材923と、開口部130aに対する外側及び内側の先端部を第1関節部J1及び第2関節部J2として互いに回動可能に連結されるとともに、中間部を第3関節部J3として互いに交差角を変更可能に連結される複数のアーム部材924A〜924Fとを有して構成される。なお、ベース部材90には、左右両側の揺動アーム922の一部をそれぞれ光学的に検出可能な演出用センサ210C、210Dが配置されている。これらの演出用センサ210C、210Dにより揺動アーム922の一部が検出されることにより、リンク機構92A、92Bとともに突出ユニット91A〜91Gが待機状態にあることが認識される。
連結部材923は、ベース部材910の長孔910Aに移動可能に係合されている。この連結部材923には、第1関節部J1が回動可能に連結されており、連結部材923上の第1関節部J1には、連結部材923に対してアーム部材924Aの外側先端部とアーム部材924Cの外側先端部とが回動可能に連結されている。他の第1関節部J1は、ベース部材910の長孔910Aに移動可能に係合されており、これらの第1関節部J1には、他のアーム部材924B、924D、924E、924Fの外側先端部が回動可能に連結されている。第2関節部J2は、ベース部材910の背面に軸支されており、この第2関節部J2には、アーム部材924A〜924Fの内側先端部が回動可能に連結されている。
次に、図26を参照してリンク機構92Aの動作について説明する。同図に示すように、揺動アーム922が実線で示す状態において、演出用駆動モータ60Cの作動に応じて駆動ギア920が時計回りの方向に回転し、それに応じて揺動ギア921が反時計回りの方向に所定角度回転すると、揺動ギア921の突出部は、揺動アーム922の長孔に沿いつつ揺動アーム922の先端部を開口部130aの内側へと揺動させる。これにより、ピンを介して揺動アーム922の長孔に連結された連結部材923は、開口部130aの内側へと所定距離だけスライドする。
このとき、第1関節部J1も、連結部材923に従って開口部130aの内側へと所定距離だけスライドする。そうすると、第1関節部J1に外側先端部が連結された2つのアーム部材924A、924Cは、全体的に開口部130aの内側へと移動しようとする。その一方、2つのアーム部材924A、924Cは、これらの内側先端部となる第2関節部J2が内側に移動するほど互いの離間距離が狭まるため、これらの第3関節部J3となる中間部に連結された他のアーム部材924B、924Dとの交差角が大きく開く。
すなわち、突出ユニット91A〜91Dに各々対応する第1関節部J1及び第2関節部J2に着目すると、第1関節部J1は、ベース部材910の長孔910Aに沿って相対的に外向きに変位するとともに、第2関節部J2は、ベース部材910と一体になって開口部130aの内側へと変位し、第1関節部J1と第2関節部J2との間隔が大きくなる。その結果、図26に仮想線で示すように、リンク機構92Aは、開口部130aの内側へと突出ユニット91A〜91Dを押し出すような変形姿勢となり、突出ユニット91A〜91Dは、開口部130aの周囲において待機した状態から表示領域13aの前方に出現した状態となる。
なお、突出ユニット91A〜91Dが出現した状態から待機する状態に戻る際には、上述した動作とは逆向きにリンク機構92Aが動作される。また、左側のリンク機構92Aと同様に右側のリンク機構92Bも同時に動作される。これにより、全ての突出ユニット91A〜91Gが同時に出現した状態や待機した状態となる。
ここで、特に最上部の突出ユニット91Dは、左右両側のリンク機構92A、92Bが協動することによって待機位置から出現位置へと下降移動する一方、出現位置から待機位置に戻る際には上昇移動することとなる。その一方、最上部の突出ユニット91Dは、駆動源となる演出用駆動モータ60C、60Dから最も遠くに位置し、また、左右両側のアーム部材924E、924Fが同時に変形して連動させられることもあり、突出ユニット91Dがスムーズに動作しないことも考えられる。そのため、以下に説明する動作補助機構93が設けられている。
図28〜図31に示すように、動作補助機構93は、ベース部材90の背面において突出ユニット91Dが配置される付近に組み込まれており、略U字状の揺動部材930と、揺動部材930に対して付勢力を付与するトーションバネ931と、ベース部材910の背面に固定された突出ピン932とを有して構成される。なお、動作補助機構93について、図29は待機状態を示し、図30は動作途中の状態を示し、図31は出現時の状態を示す。ベース部材90には、揺動部材930に対して突出ピン932を当接可能としつつ揺動部材930を揺動可能とするために空間部が形成されている。
揺動部材930は、屈曲した中間部930Aが回転自在にベース部材90の背面に支持されている。揺動部材930は、図29の待機状態において上側に位置する先端部930Bに、トーションバネ931の先端部931Aが回転自在に巻回されている。この揺動部材930には、突出ピン932が入出可能な凹部930Cが形成されている。トーションバネ931は、本体がコイルバネにより構成され、先端部931Aと基端部931Bとの間隔が小さくなるほどこれらを互いに離反させる方向に付勢力を増す。トーションバネ931の基端部931Bは、ベース部材90の背面における支持部931Cに回転自在に巻回されている。このようなトーションバネ931は、図29の待機状態や図31の出現時の状態において、付勢力をほとんど生じないか生じたとしても比較的小さい付勢力しか生じ得ない体勢とされる。一方、図30の動作途中の状態において、トーションバネ931は、比較的大きな付勢力を付与可能な体勢となる。突出ピン932は、図29の待機状態や図30の動作途中の状態において、揺動部材930の凹部930Cに入り込んで当接した状態とされる。一方、図31の出現時の状態において、突出ピン932は、揺動部材930の凹部930Cから完全に外出した状態となる。
次に、図32(A)〜(D)を参照して動作補助機構93の動作について説明する。まず、図32(A)に示すように、待機状態にある場合、揺動部材930は、先端部930Bが最高位に位置する状態とされ、突出ピン932は、図示しないベース部材910とともに比較的上方に位置し、揺動部材930の凹部930Cに入った状態とされる。
このとき、トーションバネ931は、その先端部931Aから揺動部材930の先端部930Bに対して弾性的に付勢する力(付勢力)を付与するが、この付勢力は、揺動部材930の中間部930Aと先端部930Bとを結ぶ回転半径dに対して少なくとも下向きに回転させる方向に作用しない。これにより、揺動部材930は、トーションバネ931の付勢力が比較的弱く作用するものの、ベース部材910とともに突出ピン932が下方に移動しない限り、先端部930Bが最高位に位置する状態に維持される。
次に、図32(B)に示すように、ベース部材910とともに突出ピン932が下方に移動し始めると、揺動部材930は、突出ピン932によって凹部930Cの内壁が下方に押しやられることで先端部930Bが下方に揺動する。
このとき、揺動部材930の先端部930Bが支持部931Cに対して近づくことから、トーションバネ931の先端部931Aと基端部931Bとは、互いの間隔が徐々に小さくなり、先端部931Aから揺動部材930の先端部930Bに対する付勢力が増す。一方、このようにして増加する付勢力であっても、その作用する方向が回転半径dに対して概ね平行となるまでは、揺動部材930を下向きに回転させる方向には作用しない。これにより、揺動部材930は、トーションバネ931の付勢力が次第に強く作用するものの、ある程度傾いた姿勢となるまでは下向きの力を突出ピン932に作用させない。
さらに、図32(C)に示すように、ベース部材910とともに突出ピン932が下方に移動すると、揺動部材930は、突出ピン932によって凹部930Cの内壁がさらに下方へと押しやられることで先端部930Bがより下方に揺動する。
このときも、揺動部材930の先端部930Bが支持部931Cに対して比較的接近していることから、トーションバネ931の先端部931Aと基端部931Bとは、互いの間隔が比較的小さくなっている。その結果、トーションバネ931の先端部931Aからは、揺動部材930の先端部930Bに対して十分な付勢力が作用する。そして、この付勢力は、作用する方向が回転半径dに対して下向きに回転させる方向に作用する。これにより、揺動部材930は、図32(B)に示す途中の位置までは突出ピン932に従って下方に揺動するものの、図32(C)に示すような位置まで揺動すると、上記とは逆に、凹部930Cの内壁に当接する突出ピン932に対して下向きに押し出す力を付与する。これにより、突出ユニット91Dは、左右両側のアーム部材924E、924Fによって移動する力だけでなく、揺動部材930及びトーションバネ931を用いた動作補助機構93の作用する力によってもスムーズに下降移動させられる。
最終的に、図32(D)に示すように、ベース部材910とともに突出ピン932が最低位の位置まで移動すると、突出ピン932は、凹部930Cから外出した状態となり、揺動部材930は、先端部930Bが最も下方に位置した状態となる。このとき、トーションバネ931は、付勢力をほとんど生じない自然な姿勢となる。これにより、揺動部材930の先端部930Bから支持部931Cまでの間隔は、トーションバネ931が自然な姿勢とる際の先端部931Aと基端部931Bとの離間距離と同等程度となり、その離間距離以上に拡大しないように規制される。その結果、揺動部材930が凹部930Cを概ね下方に向けた姿勢のまま維持され、突出ユニット91Dは、最低位の位置まで下降した状態で維持される。
なお、突出ユニット91A〜91Dが最低位の位置まで下降して出現した状態から、待機位置となる最高位の位置まで上昇して待機状態へと戻る際には、上述した動作とは逆の手順に従って動作補助機構93が動作する。これにより、突出ユニット91Dは、下降移動の際だけでなく上昇移動する際にも、揺動部材930及びトーションバネ931を用いた動作補助機構93の作用力を介してスムーズに動作させられる。また、トーションバネ931の付勢力は、図32(D)の状態では0ではなく図32(A)の状態よりも小さい付勢力が作用する状態でもよい。具体的に、トーションバネ931の付勢力の大きさについては、図32(A)〜(D)の参照符号を用いて表すと、(D)<(C)≦(A)≦(B)となるように変化してもよい。また、上記のような付勢力の大きさ変化に限定されるものではなく、図32(D)の状態では、比較的大きく揺動することで下方へと変位する先端部930Bに対してトーションバネ931の付勢力が同図(D)の位置に留めようとする力として作用するようにしてもよい。すなわち、揺動部材930が所定方向に回転することで下方の所定位置へと回転させられる際にその所定位置を越えると、トーションバネ931の付勢力が所定方向とは逆方向に作用するようにしてもよい。
このような動作補助機構93によれば、突出ユニット91Dが最高位から最低位の位置へと下降移動する途中において、トーションバネ931は、その基端部931Bを支点に姿勢変化することにより、先端部931Aから揺動部材930に対して上向きから下向きの付勢力に切り替えて付与することができる。揺動部材930は、突出ピン932を介して突出ユニット91Dに連動することで揺動しつつ、突出ピン932に対してトーションバネ931からの付勢力を伝えることできる。
すなわち、突出ユニット91Dは、下向きに下降移動する際、途中から下向きの付勢力が揺動部材930によって加えられる一方、最低位から最高位の位置へと上昇移動する際においても、途中から上向きの付勢力に切り替えて加えられるので、従来のように別途重りを用いることなく、上下方向に沿ったスムーズな動きを実現することができる。これにより、突出ユニット91Dを含む複数の突出ユニット91A〜91Gを同時に支障なく出現させることができ、第1突出装置9Aによる動的な演出効果を高めることができる。
<第2突出装置>
第2突出装置9Bは、図23等を参照して簡単に説明する。第2突出装置9Bは、ベース部材95と、突出部材96と、突出部材96を上下方向に動作させるための揺動アーム97と、揺動アーム97を駆動する演出用駆動モータ60Eとを有して構成される。なお、図23には示されないが、揺動アーム97を駆動する部材の一部を光学的に検出可能な演出用センサ210Eが配置されている(図33参照)。
ベース部材95は、開口部130aの下方に配置される。突出部材96は、ベース部材95に設けられた案内溝に沿って上下方向に移動可能に支持される。この突出部材96は、待機状態においては開口部130aの下方に位置することにより、表示領域13aと概ね重なることなく隠れた状態になる。このとき、演出用センサ210Eにより揺動アーム97を駆動する部材の一部が検出されることにより、突出部材96が待機状態にあることが認識される。一方、演出用駆動モータ60Eが所定の回転方向に作動すると、揺動アーム97が上側に揺動させられる。これにより、突出部材96は、開口部130aの中央へと上昇し、表示領域13aの前方に出現した状態となる。なお、突出部材96が出現した状態から待機する状態に戻る際には、上述した動作とは逆向きに揺動アーム97が動作される。また、突出部材96は、透光性を有するカバーを備え、内部には、LED59E(図33参照)を搭載した電飾基板が設けられている。
このような第2突出装置9Bの突出部材96は、シャッタ装置8の可動ユニット81A、81Bや、第1突出装置9Aの突出ユニット91A〜91Gと同時に出現したり、あるいは単独で出現させられる。このような第2突出装置9Bによっても動的な演出効果を高めることができる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。特別図柄表示装置61は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する7セグ表示器により特別図柄表示装置61を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。
一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。具体的には、第1特別図柄の保留球よりも第2特別図柄の保留球が優先的に消化されるようになっている。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置であり、普通図柄表示装置62は、複数のLED(普通図柄表示LED)により構成される。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置であり、普通図柄保留表示装置63は、複数の普通図柄保留表示LEDを備えており、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて普通図柄保留表示LEDが表示され、普通図柄保留表示LEDは、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、第1特別図柄保留表示装置64は、複数の第1特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的に、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第1特別図柄保留表示LEDが表示され、第1特別図柄保留表示LEDは、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置であり、第2特別図柄保留表示装置65は、複数の第2特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的には、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第2特別図柄保留表示LEDが表示され、第2特別図柄保留表示LEDは、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[パチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図33を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図33は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図33に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200と、主に遊技球の払出や発射に関する制御を行う払出・発射制御回路300とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory:Read Write Memoryを略して「RWM」ともいう)73とを備える。また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、本実施形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域として機能し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図33に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。
これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図33に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c,54c、一般入賞球センサ51a,52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a及び第2始動口入賞球センサ45a、特定領域センサ380A及び非特定領域センサ380B、バックアップクリアスイッチ121等が接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。
一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
特定領域センサ380Aは、遊技球が特定領域38Aを通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。非特定領域センサ380Bは、遊技球が非特定領域38Bを通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出・発射制御回路300に出力する。
主制御回路70には、払出・発射制御回路300が接続される。ここで、主制御回路70は、所定の払出条件が成立したことを条件に払出される遊技球の数である賞球数を決定する。所定の払出条件は、上述した各種始動口や各種入賞口に遊技球が入賞したことである。
また、主制御回路70は、上述のように決定された賞球数を含む情報を賞球制御コマンドとして払出・発射制御回路300に送信する。
[払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路300は、CPU、ROM、RAMといったマイクロコンピュータを備える。払出・発射制御回路300には、払出装置170が接続され、払出・発射制御回路300のマイクロコンピュータは、例えば払出装置170による遊技球の払出動作を制御する。
また、払出・発射制御回路300には、遊技球の発射を行う発射装置15、外部端子板140、及びカードユニット150が接続される。外部端子板140には、データ表示器141が接続され、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
ここで、カードユニット150は、所定の払出条件が成立したことを条件に払出される遊技球の数である貸し球数を決定する。なお、所定の払出条件は、上述した貸し出し用操作部151が操作されたことである。
払出・発射制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
外部端子板140は、ホール(遊技場)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部にホールの付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸出を要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路300に送信する。
このような払出・発射制御回路300は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、払出装置170に対して所定の信号を送信する。これにより、払出装置170は、遊技球を払出す。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、LED59A〜59E、59e〜59hの制御、シャッタ装置8や突出装置9による演出動作の制御等を行う。
すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
副制御回路200は、図33に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、LED制御回路207と、駆動制御回路208とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206、LED制御回路207及び駆動制御回路208が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブルが記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。
また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、メインRAM73やワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域として機能し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、及び、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。
なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御回路205は、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、装飾図柄(演出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置13に供給する。これにより、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、及び、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
LED制御回路207は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路、及び複数種類のLED点灯パターンが記憶されているLEDデータROM等を有する。ドライブ回路は、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、LEDデータROMに記憶されている複数の点灯・点滅パターンから一つのLED点灯・点滅パターンを選択する。これにより、点灯・点滅パターンに応じてLED59A〜59E、59e〜59hが点灯あるいは点滅する。
駆動制御回路208は、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、シャッタ装置8や突出装置9の演出用駆動モータ60A〜60Eを駆動する。
また、副制御回路200には、シャッタ装置8や突出装置9の動作を検出するための演出用センサ210A〜210Eと、演出ボタン23が押下操作されたことを検出する演出ボタンスイッチ230と、ジョグダイヤル24が回転操作された際の回転方向や操作量を検出するジョグダイヤルスイッチ240とが接続される。サブCPU201は、演出用センサ210A〜210Eからの検出信号がオンとして入力されると、シャッタ装置8や突出装置9が待機状態にあると認識し、演出用センサ210A〜210Eからの検出信号がオフとして入力されると、シャッタ装置8や突出装置9が演出動作状態にあると認識する。また、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230やジョグダイヤルスイッチ240からの検出信号(入力信号)に応じて所定の演出表示が行われるように制御する。
このような副制御回路200は、所定の演出画像を液晶表示装置13に表示させるとともに、シャッタ装置8や突出装置9に所定の演出動作を行わせ、それに伴い、スピーカ11から音声を発生させたり、LED59A〜59E、59e〜59hを点灯あるいは点滅させることによって演出表示を行わせる。
[各種制御回路へのメッセージ送信]
図34は、ホスト制御回路となるサブCPU201から各種制御回路205〜208へと演出指定情報(メッセージ)を送信する際の手順を説明するための説明図である。
図34に示すように、サブCPU201は、各制御回路205〜208に対してメッセージという通信フォーマットに従い、演出動作を指定する演出指定情報を送信する。メッセージは、コマンドとも称され、例えば8バイトで構成される。メッセージには、上位のバイトから順に、「デバイス」(1バイト)、「システム」(1バイト)、「予備領域」(2バイト)、「カテゴリ」(2バイト)、「イベント」(2バイト)といった制御情報を格納するための領域が設けられている。
「デバイス」には、メッセージの送信先となるデバイス(制御回路)を指定するための制御情報が格納される。「システム」には、副制御回路200全体のシステム動作やデバッグ処理といった特殊な動作を実行させるための制御情報が格納される。「予備領域」は、予備用に確保されている。「カテゴリ」には、演出単位を区切るための制御情報が格納される。「イベント」には、主として予告演出の動作パターンを設定するための制御情報が格納される。なお、予備領域には、遊技機の設計に応じて様々な情報を格納するように設定することができる。
メッセージは、以下に説明するディレクトテーブルの内容に従い、ディレクトバッファを介して所定のタイミングでサブCPU201から指定のデバイス(制御回路)に送信される。メッセージを受信した各制御回路205〜208は、当該メッセージに基づいて演出に係る動作を制御する。なお、本実施形態においては、液晶表示装置13による表示動作と、スピーカ11やLED59A〜59E、59e〜59h、演出用駆動モータ60A〜60Eによる他の動作との同期をとるため、当該他の動作は、対応する各制御回路206〜208がメッセージを受信して一旦記憶することにより、表示動作よりも所定周期(本実施形態では、例えば1フレーム(1/30s)に相当する1周期)遅れて実行される。ディレクトバッファは、メッセージを送信するまで一時格納しておくための領域であり、例えばワークRAM203の所定の領域に確保される。本実施形態においては、音声制御回路206及びLED制御回路207を別体としたが、これに限られるものではなく、例えば音声・LED制御回路として一の制御回路により構成してもよい。また、他の動作は、1フレームに相当する1周期遅れて実行されるとしたが、これに限られるものではなく、各制御回路206〜208にスタックされたメッセージに応じて数フレームないし数周期遅れるものであってもよい。また、ホスト制御回路となるサブCPU201によって各制御回路206〜208への送信タイミングを制御し、各制御回路206〜208が受信後すぐに各制御を実行するものであってもよい。いずれにしても、実行周期を遅らせるようにしてもよいし、遅らせないようにしてもよい。
ディレクトテーブルは、所定のタイミングで演出に係る動作を発生させるための情報を規定したテーブルである。ここで、「演出に係る動作を発生させる」とは、メッセージを送信することと同義である。ディレクトテーブルには、マスターテーブル、スレーブテーブル、シングルテーブルといった3種類がある。
マスターテーブルは、同時に複数登録されないテーブルであり、主として装飾図柄の変動時等に使用される。スレーブテーブルは、マスターテーブルが登録されている場合のみ登録可能なテーブル、すなわちマスターテーブルに従属するテーブルであり、主として予告演出等に使用される。スレーブテーブルは、同時に複数登録可能である。また、スレーブテーブルは、異なるマスターテーブルでも同種のものが登録可能である。スレーブテーブルの登録の際には、ID番号が必要とされ、空き番号となったID番号が自動的に割り振られる場合がある。スレーブテーブルは、マスターテーブルが破棄されると、その時点で登録されていたものが全て破棄される。シングルテーブルは、マスターテーブルやスレーブテーブルに依存(従属)しないテーブルであり、マスターテーブルとは別に登録や破棄が可能とされ、保留に係る演出等、様々な状態において任意に発生する演出に使用される。シングルテーブルは、同時に複数登録可能である。シングルテーブルの登録の際にも、ID番号が必要とされるが、ID番号が自動的に割り振られることなく指定されたID番号に登録される。なお、本実施形態において、スレーブテーブルは、マスターテーブルが破棄されると、その時点で登録されていたものが全て破棄されるようになっているが、これに限られるものではなく、破棄されたマスターテーブルに対応するスレーブテーブルのみが破棄されるようにしてもよい。また、複数のマスターテーブルを同時に登録することは無いが、実行する演出に対応して順番にマスターテーブルを登録した結果、複数のマスターテーブルが併存する状況も考えられる。このような状況においては、例えば第1マスターテーブルが破棄されたとしても、それによって第2マスターテーブルが破棄されることはない。このとき、第1マスターテーブルに従属するスレーブテーブルと、第2マスターテーブルに従属するスレーブテーブルとにおいて、同一となる特定のスレーブテーブルが存在する場合には、第1マスターテーブルを破棄することによっても、当該特定のスレーブテーブルについては破棄しないようにすればよい。このような特定のスレーブテーブルは、第2マスターテーブルの破棄に応じて破棄することができる。
例えば、13秒はずれの変動パターンに対応するディレクトテーブルは、以下のような内容を規定している。
(1)13秒はずれの変動パターンに対応するテーブル(マスターテーブル)
1.変動開始時情報送信用のテーブル群を呼び出し
2.図柄変動開始用のメッセージがディレクトバッファにセットされていれば、対応するテーブル(変動開始情報送信用のテーブル)をスレーブテーブルとしてセットし、当該メッセージを送信
3.指定IDに予告演出用のテーブルをスレーブテーブルとしてセット
4.270フレーム(9s)ウェイト
5.図柄変動停止用のメッセージがディレクトバッファにセットされていれば、対応するテーブル(変動停止情報送信用のテーブル)をスレーブテーブルとしてセットし、当該メッセージを送信
6.90フレーム(3s)ウェイト
7.テーブルの終了(当該マスターテーブルの破棄)
(2)変動開始情報送信用・変動停止情報送信用のテーブル(スレーブテーブル)
・背景情報用のメッセージがディレクトバッファにセットされていれば当該メッセージを送信
・数字図柄情報用のメッセージがディレクトバッファにセットされていれば当該メッセージを送信
(3)予告演出用のテーブル(スレーブテーブル)
1.ミニキャラ予告用のメッセージがディレクトバッファにセットされていれば、対応するテーブル(ミニキャラ予告用のテーブル)をスレーブテーブルとしてセットし、当該メッセージを送信
2.30フレーム(1s)ウェイト
3.SU予告用メッセージがディレクトバッファにセットされていれば、対応するテーブル(SU予告用のテーブル)をスレーブテーブルとしてセットし、当該メッセージを送信
4.100フレーム(約3.3s)ウェイト
5.セリフ予告用のメッセージがディレクトバッファにセットされていれば、対応するテーブル(セリフ予告用のテーブル)をスレーブテーブルとしてセットし、セリフ予告用のメッセージ送信
上記(1)〜(3)のマスターテーブル及びスレーブテーブルによれば、13秒はずれの変動パターンが決定されるのに伴いこれに対応する、図柄変動開始用及び図柄変動停止用のメッセージ、背景情報用及び数字図柄情報用のメッセージ、ミニキャラ予告用、SU予告用、及びセリフ予告用のメッセージがディレクトバッファに格納されるだけで、0フレーム目に図柄変動開始用メッセージ、並びに、背景情報用及び数字図柄情報用のメッセージ、ミニキャラ予告用のメッセージが送信され、30フレーム後にSU予告用のメッセージが送信され、100フレーム後にセリフ予告用のメッセージが送信され、270フレーム後に図柄変動停止用メッセージ、並びに、背景情報用及び数字図柄情報用のメッセージが送信される。これにより、各メッセージの送信(受信)タイミングに応じて一連の演出動作が実行される。なお、ディレクトテーブルは、送信するメッセージの種別や内容を直接規定するようにしてもよい。
次に、図35〜48を参照しながら、主制御回路70及び副制御回路200のデータ構成等について説明する。
[当り乱数判定テーブル]
図35は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている当り乱数判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、第1始動口44に遊技球が入賞した際に取得される当り判定用乱数値に基づいて、「大当り」、「小当り」、及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定するために参照される。当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、第2始動口45に遊技球が入賞した際に取得される当り判定用乱数値に基づいて「大当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照される。
当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値である。より具体的にいうと、当り判定用乱数値は、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す値である。本実施形態において、当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定される。確変フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「非確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
本実施形態では、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「205」〜「409」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「409」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1092」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、1093/65536(≒1/60)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「1093」〜「1297」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となり、確変フラグが「0」である場合と同一となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1297」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口44に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時の約5倍程度高くなる。
同様に、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「205」〜「409」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1092」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、1093/65536(≒1/60)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1092」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合には、「小当り」に当選することなく、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動し、遊技状態が「確変遊技状態」である時の大当り確率は、「確変遊技状態」でない時の約5倍程度高くなる。
[図柄判定テーブル]
図36は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第1始動口44あるいは第2始動口45に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を選択するために参照される。「当り時選択図柄コマンド」は、当たり当選時の当たり種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99(100種類)の中から抽出される。
本実施形態の図柄判定テーブル(第1始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「49」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z0」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「50」〜「99」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z1」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、小当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドとして「z2」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA2」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA3」が選択される。
また、本実施形態の図柄判定テーブル(第2始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「49」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z3」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「50」〜「99」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z4」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA5」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA6」が選択される。
[大当り種類決定テーブル]
図37は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている大当り種類決定テーブルを示す図である。大当り種類決定テーブルは、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、ラウンド数やV入賞の容易性といった大当りの種類を決定するために参照される。なお、本実施形態では、大当りの種類に関係なく大当りに当選すれば、時短フラグが「1」にセットされ、時短回数が例えば100回としてセットされる。また、大当り遊技状態においてV入賞となった場合に限り、確変回数が例えば124回としてセットされる。時短フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。時短回数は、時短遊技状態が継続可能な特別図柄ゲームの変動回数であり、確変回数は、確変遊技状態が継続可能な特別図柄ゲームの変動回数である。すなわち、時短遊技状態において大当りに当選することなく時短回数分(100回)の特別図柄変動が行われると、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に移行する。確変遊技状態において大当りに当選することなく確変回数分の特別図柄変動が行われると、確変遊技状態が終了して非確変遊技状態に移行する。
本実施形態の大当り種類決定テーブルによれば、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「10」でV入賞が困難な大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」でV入賞が容易な大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「4」でV入賞が容易な大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「16」でV入賞が容易な大当りが決定される。
[変動パターンテーブル]
図38は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている前半変動パターン、後半変動パターン、及びこれらを組み合わせた変動パターンのテーブルを示す図である。これらのテーブルは、入賞時の当選種別や図柄指定コマンド等に基づいて、変動パターン種別並びに前半及び後半変動パターンを決定するために参照される。メインCPU71は、前半及び後半変動パターンに対応するコマンドを組み合わせたものを変動パターン指定コマンドとして副制御回路200に送信する。なお、以下の説明では、前半及び後半変動パターンを組み合わせたものを単に「変動パターン」という。
まず、メインCPU71は、入賞時の当選種別及び図柄指定コマンド等に基づいて変動パターンの種別(例えば、はずれ変動パターン9種類及び当り変動パターン9種類のうちのいずれか)を決定し、さらに、対応する前半変動パターンと後半変動パターンとを決定する。例えば、変動パターンとして、はずれ変動パターンの「通常変動」が決定されると、前半変動パターンとしてコマンド「00H」の「なし」が決定されるとともに、後半変動パターンとしてコマンド「00H」の「低確 変動1(4.0秒)」又はコマンド「01H」の「低確 変動2(8.0秒)」のいずれかが決定される。このような「通常変動」に対応する変動パターン指定コマンドは、前半及び後半変動パターンのコマンドを組み合わせた「0000H」又は「0001H」として副制御回路200に送信される。なお、変動パターン指定コマンドは、例えば「00H00H」や「00H01H」と記す場合もある。
変動パターンの変動時間は、前半及び後半変動パターンの変動時間を合わせた時間となる。例えば、変動パターン指定コマンド「0000H」では、前半変動パターンの変動時間(0ms)と後半変動パターンの変動時間(4000ms)とを合わせた時間(4000ms)となり、変動パターン指定コマンド「0102H」では、前半変動パターンの変動時間(11000ms)と後半変動パターンの変動時間(10000ms)とを合わせた時間(21000ms)となる。このように、変動パターンについては、大まかな種別が決定された後、前半及び後半変動パターンが段階的に決定されるため、変動パターンの組み合わせとしては多様化が図られ、ひいては演出パターンのバリエーションを容易に増やすことができる。
なお、図38には、便宜上、はずれと当りとを合わせて18種類の変動パターンしか示されていないが、もちろん同図に示す以上であってもよい。「擬似1〜4」、「特殊擬似1〜3」は、いわゆる擬似連に対応する変動パターンである。詳細については後述するが、「擬似1〜4」は、例えば、通常の擬似連、高速擬似連などといった擬似連を実行する変動パターンとして設けられている。例えば、「擬似1〜擬似4 当り」とは、例えば擬似連実行後にノーマルリーチやSPリーチを経由して大当りとなる変動パターンである。「低確」、「ST」、「潜確」とは、それぞれ「非確変遊技状態」、「確変かつ時短遊技状態」、「確変かつ非時短遊技状態」を意味する。本実施形態においては、「プレミア」に係る変動パターンが当り変動パターンのみ設定されているが、これに限られるものではなく、「当り」かつ「V入賞容易」である場合や、「当り」であることが濃厚である(当りの期待度が高い)ことを示す変動パターンとしてもよい。
[遊技状態遷移テーブル]
図39は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている遊技状態遷移テーブルを示す図である。遊技状態遷移テーブルは、V確失敗・V確成功、当り図柄を示す当り選択図柄コマンド(z0,z1,z3,z4)、後述のテーブルパターン1〜3、及び大当り遊技状態終了後の変動回数(1〜700、701〜)に基づいて、遊技状態を移行させるために参照される。「低時序」及び「高時序」は、大当り遊技状態終了後の序盤(本実施形態では変動回数1〜20回の間)における「非確変かつ時短遊技状態」及び「確変かつ時短遊技状態」を意味する。「低時」及び「高時」は、「非確変かつ時短遊技状態」及び「確変かつ時短遊技状態」を意味する。「低時最終」及び「高時最終」は、時短遊技状態が最終となる変動回数(本実施形態では100回目)における「非確変かつ時短遊技状態」及び「確変かつ時短遊技状態」を意味する。「低」は、「プレミア」に係る変動パターンの選択確率が相対的に低いテーブル(「低テーブル」ともいう)を用いて制御される「非確変かつ非時短遊技状態」であり、「低プレ」は、「プレミア」に係る変動パターンの選択確率が相対的に高いテーブル(「低プレテーブル」ともいう)を用いて制御される「非確変かつ非時短遊技状態」である。「潜伏」は、確変非時短状態であり、「潜伏最終」は、確変遊技状態が最終となる変動回数(本実施形態では124回目)における「確変かつ非時短遊技状態」を意味する。なお、「潜伏」は「潜確」ともいう。なお、本実施形態においては、大当り終了後の変動回数に基づいて遊技状態を移行させるため、後述のテーブルパターン1〜3ごとに大当り終了後の変動回数に応じて遊技状態を変更するようになっているが、これに限られるものではなく、例えば小当り終了後の変動回数に応じてテーブルパターン1〜3を切り替えるようにしてもよい。また、当り(大当り・小当り)終了後からの変動回数を算出する方法としては、例えば減算カウンタあるいは加算カウンタなどを用いて様々な算出方法を採用することができる。
「V確失敗」は、大当り中にV入賞(特定領域38Aの通過)が発生しなかった場合であり、「V確成功」は、大当り中にV入賞が発生した場合である。当り図柄を示す当り選択図柄コマンドの「z0」は、V入賞が困難な特図1(第1特別図柄)に係る10ラウンドの大当りに相当し、「z1」は、V入賞が容易な特図1に係る10ラウンドの大当りに相当し、「z3」は、V入賞が容易な特図2(第2特別図柄)に係る4ラウンドの大当りに相当し、「z4」は、V入賞が容易な特図2(第2特別図柄)に係る16ラウンドの大当りに相当する。テーブルパターン1は、電源投入後の最初に選択されるテーブルパターンであり、テーブルパターン2は、V確失敗となった大当り遊技状態終了後に選択されるテーブルパターンであり、テーブルパターン3は、V確成功となった大当り遊技状態終了後に選択されるテーブルパターンである。
図39に示すように、遊技状態遷移テーブルによれば、電源投入後においては、テーブルパターン1が選択され、変動回数に関係なく大当り遊技状態に移行するまで遊技状態が「低」となる。また、大当り遊技状態に移行してもV確失敗の場合は、テーブルパターン2が選択され、当該大当り終了後の遊技状態としては、変動回数が1〜20回目まで「低時序」、21〜99回目まで「低時」、100回目に「低時最終」、101〜200回目まで「低」、201〜220回目まで「低プレ」、221〜300回目まで再び「低」、301〜320回目まで再び「低プレ」、321〜400回目まで再び「低」、401〜420回目まで再び「低プレ」、421〜500回目まで再び「低」、501〜520回目まで再び「低プレ」、521〜600回目まで再び「低」、601〜620回目まで再び「低プレ」、621〜700回目まで再び「低」、701回目以降は引き続き「低」となる。一方、大当り遊技状態に移行してV確成功の場合は、テーブルパターン3が選択され、当該大当り終了後の遊技状態としては、変動回数が1〜20回目まで「高時序」、21〜99回目まで「高時」、100回目に「高時最終」、101〜123回目まで「潜伏」、124回目に「潜伏最終」、125回目以降は、テーブルパターン2の場合(V確失敗の場合)と同様に、所定変動回数ごとに繰り返し「低」及び「低プレ」となり、701回目以降は「低」となる。
[遊技状態別変動パターン選択用テーブル]
図40は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている遊技状態別変動パターン選択用テーブルを示す図である。遊技状態別変動パターン選択用テーブルは、はずれ時と当り時とに分けられ、各種の遊技状態に応じて変動パターンを選択するために参照される。遊技状態別変動パターン選択用テーブルによれば、「低」、「低プレ」、「低時序」、「低時」、「低時最終」、「高時序」、「高時」、「高時最終」、「潜伏」、「潜伏最終」といった遊技状態別に、変動パターン種別(9種類のはずれ変動パターン及び9種類の当り変動パターンのいずれか)が所定の確率で選択される。変動パターン種別が選択されると、その変動パターンに対応する前半及び後半変動パターンがそれぞれ所定の抽選確率で決定される。変動パターン種別は、演出パターンの種別にも対応しており、変動パターンに基づいて演出パターンが決定付けられる。例えば、遊技状態が「低」で低テーブルが用いられる場合、大当りに対応する当り変動パターンとして「擬似1〜擬似4 当り」あるいは「擬似1〜擬似4 プレミア」等が決定されると、演出パターンとしては、「擬似1〜4 当り」あるいは「擬似1〜4 プレミア」等といった演出パターンが選択可能とされる。一方、遊技状態が「低プレ」で低プレテーブルが用いられる場合、大当りに対応する当り変動パターンとして「擬似1〜擬似4 当り」あるいは「擬似1〜擬似4 プレミア」等が決定されると、演出パターンとしては、同様に「擬似1〜4 当り」あるいは「擬似1〜4 プレミア」等といった演出パターンが選択可能とされるが、低テーブルよりも低プレテーブルの方が「擬似1〜4 プレミア」に係る演出パターンの選択確率が高くなっている。一方、「擬似1〜4 当り」に係る演出パターンの選択確率は、低プレテーブルよりも低テーブルの方が高くなっている。
前半及び後半変動パターンの抽選確率は、保留個数(始動記憶数)や遊技状態等に応じて変動パターン種別ごとに規定されているが、特にこれらの抽選確率については図示を省略する。特に、「低時最終」の場合、大当りに当選しなければ、はずれ変動パターンとして「ST通常変動」が必ず選択され、前半及び後半変動パターンとしては「なし」及び「ST 変動2(3秒)」(変動パターン指定コマンド「00H05H」)が一義的に決定される一方、大当りに当選すれば、当り変動パターンとして「ST当り」が必ず選択され、前半及び後半変動パターンとしては「なし」及び「ST 最終変動用当り」(変動パターン指定コマンド「00H18H」)が一義的に決定されるように抽選確率が規定されている。「高時最終」の場合も、大当りに当選しなければ、はずれ変動パターンとして「ST通常変動」が必ず選択され、前半及び後半変動パターンとしては「なし」及び「ST 最終変動」(変動パターン指定コマンド「00H06H」)が一義的に決定される一方、大当りに当選すれば、当り変動パターンとして「ST当り」が必ず選択され、前半及び後半変動パターンとしては「なし」及び「ST 最終変動用当り」(変動パターン指定コマンド「00H18H」)が一義的に決定されるように抽選確率が規定されている。また、「潜伏最終」の場合、大当りに当選しなければ、はずれ変動パターンとして「潜確通常変動」が必ず選択され、前半及び後半変動パターンとしては「なし」及び「潜確 最終用変動」(変動パターン指定コマンド「00H0AH」)が一義的に決定される一方、大当りに当選すれば、当り変動パターンとして「潜確当り」が必ず選択され、前半及び後半変動パターンとしては「なし」及び「潜確 潜確用リーチ当り」(変動パターン指定コマンド「00H1BH」)が一義的に決定されるように抽選確率が規定されている。
図41に一例として示すように、V確成功の場合において、「高時序」では、大当りの当選結果別に所定の抽選確率に基づいて、「04H」、「05H」、あるいは「14H」、「15H」の後半変動パターンが選択可能とされる。「高時」では、大当りの当選結果別に所定の抽選確率に基づいて、「04H」、「05H」、「07H」、あるいは「16H」、「17H」、「19H」の後半変動パターンが選択可能とされる。「高時最終」では、大当りの当選結果別に所定の抽選確率に基づいて、「06H」あるいは「18H」の後半変動パターンが選択可能とされる。「潜伏」では、大当りの当選結果別に所定の抽選確率に基づいて、「08H」、「09H」、「0BH」、「0CH」、あるいは「1AH」、「1BH」、「1CH」、「1DH」の後半変動パターンが選択可能とされる。「潜伏最終」では、大当りの当選結果別に所定の抽選確率に基づいて、「0AH」あるいは「1BH」の後半変動パターンが選択可能とされる。ちなみに、「高時序」は、後述するストーリー演出が実行される区間に対応し、「高時」は、後述するバトル演出が実行される区間に対応している。
なお、「プレミア」に係る変動パターンは、確変遊技状態中の大当り当選時のみ選択されるようにしてもよい。「低」あるいは「低プレ」といった非確変遊技状態において第2特別図柄に係る大当り当選の場合は、必ず「プレミア」に係る変動パターンが選択されるようにしてもよい。時短遊技状態中は、第2特別図柄に係る大当り当選時のみ「プレミア」に係る変動パターンが選択されるようにしてもよい。「低時最終」と「高時最終」とではずれ当選の場合は、異なるはずれ変動パターンが選択されるが、同じはずれ変動パターンが選択されるようにしてもよい。「潜伏」において第2特別図柄に係る大当り当選の場合は、変動パターン指定コマンド「00H1AH」の当り変動パターンが選択されるようにしてもよい。本実施形態では、「低確序」と「高確序」とにおいて同一の変動パターンが選択可能とされるが、これに限らず、例えば「高確序」の場合のみ「高時」においても選択可能な「19H」の後半変動パターンを選択可能となるようにしてもよい。
[変動演出テーブル]
図42の上側2つのテーブルは、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されている変動演出テーブル(プレミア低確率、プレミア高確率)を示す図である。変動演出テーブルは、プレミア低確率とプレミア高確率とに分けられ、サブCPU201が変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを選択するために参照される。変動演出テーブルは、主制御回路70から送信される変動パターン指定コマンド、それに応じた変動時間、副制御回路200の抽選条件としての乱数値範囲及び選択率、抽選結果としての演出パターン及び演出内容を規定している。同図には、変動演出テーブルの一部を抜粋して示している。同図に示すように、変動演出テーブル(プレミア低確率、プレミア高確率)では、プレミアに係る演出パターン(一例として、「擬似1プレミア」)の選択率がプレミア低確率よりもプレミア高確率の方が高くなっている。一方、プレミア以外となる演出パターン(一例として、「擬似1SP(B)」)については、プレミア高確率よりもプレミア低確率の方が選択率が高くなっている。なお、「擬似1プレミア」や「擬似1SP(B)」の選択率は、一方の変動演出テーブルにおいて0であってもよい。
このようなプレミア演出に係る変動演出テーブルは、先述の遊技状態遷移テーブルに規定された「低」及び「低プレ」に応じて切り替えられる。すなわち、変動回数に応じて「低」となる状態では、変動演出テーブル(プレミア低確率)が適用されることで「プレミア」に係る変動パターンに基づいてプレミア演出が選択される可能性が相対的に低い一方、変動回数に応じて「低プレ」となる状態では、変動演出テーブル(プレミア高確率)が適用されることで「プレミア」に係る変動パターンに基づいてプレミア演出が選択される可能性が相対的に高くなる。このように、プレミア演出に係る変動演出テーブルが変動回数に応じて切り替えられることから、プレミア演出の出現可能性が変動回数に応じて高くなったり低くなり、プレミア演出の出現しやすさを変化させることで興趣を高めることができる。なお、プレミア演出に係る変動演出テーブルは、主制御回路70において管理され、このテーブルを用いてメインCPU71がプレミア演出に係る抽選を行うようにしてもよい。
[チャンス演出テーブル]
図42の下側2つのテーブルは、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されているチャンス演出テーブル(Aパターン、Bパターン)を示す図である。チャンス演出テーブルは、AパターンとBパターンとに分けられ、サブCPU201が変動パターン指定コマンドに基づいて後述するチャンス演出の演出パターンを選択するために参照される。チャンス演出テーブルは、主制御回路70から送信される変動パターン指定コマンド、それに応じた変動時間、副制御回路200の抽選条件としての乱数値範囲及び選択率、抽選結果としての演出パターン及び演出内容を規定している。同図には、チャンス演出テーブルの一部を抜粋して示している。同図に示すように、チャンス演出テーブル(Aパターン)では、比較的遅いタイミングでチャンス演出が実行される「通常変動演出B」の演出パターンが選択される可能性があるものの、早いタイミングでチャンス演出が実行される「通常変動演出C」の演出パターンが選択される可能性がない一方、チャンス演出テーブル(Bパターン)では、当該「通常変動演出C」の演出パターンが選択される可能性もあるようになっている。なお、図42に示す変動演出テーブル(プレミア低確率)、変動演出テーブル(プレミア高確率)、チャンス演出テーブル(Aパターン)、チャンス演出テーブル(Bパターン)のテーブルは、いずれも一例として示すものであり、変動演出テーブル(プレミア低確率)の代わりにチャンス演出テーブル(Aパターン)を使用する場合、変動演出テーブル(プレミア高確率)の代わりにチャンス演出テーブル(Bパターン)を使用する場合を示しているが、これに限られるものではなく、例えばチャンス演出テーブル(Aパターン)及びチャンス演出テーブル(Bパターン)の選択率が、各々チャンス演出なし、遅いタイミングでチャンス演出を実行、早いタイミングでチャンス演出を実行の選択率として、通常変動演出以外の各種演出で実行されるように制御することも可能である。
[先読み演出テーブル]
図43は、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されている先読み演出テーブルを示す図である。先読み演出テーブルは、サブCPU201が変動パターン指定コマンドに基づいて、いわゆる先読み演出に係る演出パターンを選択するために参照される。先読み演出テーブルは、変動パターン指定コマンド、乱数値範囲、選択率、抽選結果となる演出パターン及び演出内容を規定している。同図には、先読み演出テーブルの一部を抜粋して示している。同図に示すように、先読み演出テーブルでは、変動パターン指定コマンドに基づいて後述する先読み演出が決定される。
[演出パターン決定テーブル]
図44は、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されている演出パターン決定テーブル(通常ステージ用、特定ステージ用)を示す図である。演出パターン決定テーブルは、通常ステージ用と特定ステージ用とに分けられ、サブCPU201が変動パターン指定コマンドに基づいてバトル演出用の演出パターンを選択するために参照される。演出パターン決定テーブルは、主制御回路70から送信される変動パターン指定コマンド、それに応じた変動時間、副制御回路200の抽選条件としての乱数値範囲及び選択率、抽選結果としての演出パターン及び演出内容を規定している。同図には、演出パターン決定テーブルの一部を抜粋して示している。同図に示すように、演出パターン決定テーブル(通常ステージ用、特定ステージ用)では、後述する「大役またぎ演出」の選択率が通常ステージ用よりも特定ステージ用の方が高くなっている。このような演出パターン決定テーブルは、確変かつ時短遊技遊技状態(「高時序」、「高時」、「高時最終」)、及び確変かつ非時短遊技遊技状態(「潜伏」、「潜伏最終」)において用いられる。なお、後半変動パターン「19H」は、16R大当りの場合のみ選択されるようにしてもよい。また、本実施形態では、非確変かつ時短遊技遊技状態(「低時序」、「低時」、「低時最終」)において選択可能な演出パターンと、確変かつ時短遊技遊技状態(「高時序」、「高時」、「高時最終」)において選択可能な演出パターンとが同一となっているが、異なるようにしてもよい。「潜伏最終」における変動時の当りに係る演出パターンは、「高時最終」における変動時の当りに係る演出パターンとは異なり、「潜伏最終」専用の演出パターンでなくてもよい。本実施形態においては、複数のステージが存在するが、例えば通常ステージに分類されるステージと特定ステージに分類されるステージとが、各々複数存在するようにしてもよい。また、一方のステージが複数存在するとともに他方のステージが単独で存在する場合や、いずれのステージも単独で存在する場合など様々な組み合わせが考えられる。
[高速擬似連]
図45は、高速擬似連を説明するための説明図である。本実施形態では、前半変動パターンが「擬似1」、「擬似2」、「擬似3」、「擬似4」である場合に高速擬似連が行われる。ここで、擬似連とは、装飾図柄を例えば揺れ変動させつつ仮停止表示させた後、再び変動表示させる演出であり、高速擬似連とは、比較的短いスパンの再変動表示パターン(例えば3.5sあるいは7s)を含む擬似連を意味する。本実施形態では、図45を参照して以下に説明するように、便宜上8種類の高速擬似連が設けられている。
「擬似1」は、通常の擬似連1回に相当する時間内(例えば14s)に高速擬似連を3回又は4回行う演出である。高速擬似連3回では、3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→7s(発展1)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。高速擬似連4回では、3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(発展1)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。なお、「段階1」や「発展1」等は、装飾図柄の表示態様や演出内容を意味する。
「擬似2」は、通常の擬似連2回に相当する時間内(例えば28sあるいは35s)に高速擬似連を8回行う演出である。高速擬似連8回(A)では、3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(発展1)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(発展2)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。高速擬似連8回(B)では、3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→7s(発展1)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→7s(発展2)→3.5s(段階3)→3.5s(発展3)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。
「擬似3」は、通常の擬似連3回に相当する時間内(例えば52.5s)に高速擬似連を13回あるいは15回行う演出である。高速擬似連13回では、3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→7s(発展1)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→7s(発展2)→3.5s(段階3)→3.5s(発展3)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(発展4)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。高速擬似連15回では、33.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(発展1)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(発展2)→3.5s(段階3)→3.5s(発展3)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(発展4)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。
「擬似4」は、通常の擬似連4回に相当する時間内(例えば70s)に高速擬似連を19回あるいは20回行う演出である。高速擬似連19回では、33.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(発展1)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(発展2)→3.5s(段階3)→3.5s(発展3)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(発展4)→3.5s(段階5)→3.5s(段階5)→3.5s(段階5)→7s(発展5)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。高速擬似連20回では、3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(段階1)→3.5s(発展1)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(段階2)→3.5s(発展2)→3.5s(段階3)→3.5s(発展3)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(段階4)→3.5s(発展4)→3.5s(段階5)→3.5s(段階5)→3.5s(段階5)→3.5s(段階5)→3.5s(発展5)といった再変動表示パターンが繰り返し実行される。特に、高速擬似連20回では、いわゆるばらけ目(例えば「556」のような装飾図柄の表示態様)での仮停止が19回行われ、リーチ目(例えば「5↓5」のような左右の装飾図柄が同じで、中央の装飾図柄が変動表示している表示態様)での仮停止が1回行われる。通常の擬似連あるいは高速擬似連は、複数の変動にわたって実行可能としてもよい。
[ボタン連打ランクアップシナリオテーブル]
図46は、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されているボタン連打ランクアップシナリオテーブルを示す図である。ボタン連打ランクアップシナリオテーブルは、演出ボタン23を用いる後述のボタン連打演出に際して演出内容のランクアップを決定付ける閾値(LV1〜4)や抽選パターンを選択するために参照される。ボタン連打ランクアップシナリオテーブルは、例えば300msごとに区切られた演出ボタン23の操作有効時間、ボタン連打演出に際して予め選択されるシナリオ(1〜8)、シナリオ別に操作有効時間に応じて定められた閾値(LV1〜4)及び後述のランクアップ抽選パターンを規定している。ボタン連打演出に際しては、演出ボタン23を操作するごとに後述のランクアップ抽選パターンに基づいてポイントを付与するか否かの抽選が行われ、その抽選結果に応じて付与されたポイントの累積値(レベル)が所定の操作有効時間において閾値(LV1〜4)以上になると、当該閾値に応じたLV1〜4にランクアップすることとなる。ランクアップの初期レベルはLV0であり、最終的にLV4までランクアップすると、大当りの期待度が大きいことを示唆するように例えばアイコン画像を表示する演出が実行される。なお、閾値は、LV1、LV2、LV3、LV4となるに従い高くなっている。大当りの期待度は、ボタン連打演出だけでなく他の演出においても示唆されるものであり、各演出パターンの実行時に「大当り」となる確率に相当するものとして、演出パターンを規定したテーブルの内容から算術的に求められるになっている。
例えば、シナリオ4が選択された場合、操作有効時間0〜900msまでは、ランクアップ抽選パターンに基づいて付与されたポイントの累計値が閾値のLV2に達しているか否かが判定される。このとき、閾値LV2と初期レベルLV0との差が2以上であるため、ランクアップ抽選パターンとしては高確率に設定され、ポイントが付与されやすくなっている。これにより、ポイント累計値が閾値LV2に達すれば、当該閾値に応じたLV2にランクアップする。一方、ポイント累計値が閾値LV2に達していなければ、初期レベルLV0が維持される。次に、操作有効時間900〜2400msまでは、ランクアップ抽選パターンに基づいて付与されたポイントの累計値がより高い閾値LV3に達しているか否かが判定される。このとき、現時点でのポイント累計値に基づくレベルがLV2であると、当該LV2と閾値LV3とのレベル差が2未満であるため、ランクアップ抽選パターンとしては低確率が設定され、ポイントが付与され難くなる。これにより、ポイント累計値が閾値LV3に達していなければ、レベルLV2あるいはLV0が維持される。一方、ポイント累計値が閾値LV3に達すれば、当該閾値に応じたLV3にランクアップする。
同様に、操作有効時間2400〜3600msまでは、ポイント累計値が閾値LV4に達しているか否かが判定され、ポイント累計値が閾値LV4に達していなければ、レベルがLV3、LV2、あるいはLV0に維持される一方、ポイント累計値が閾値LV4に達すれば、当該閾値に応じたレベルのLV4にランクアップする。さらに、操作有効時間3600〜6000msまでは、ランクアップ抽選パターンが後述の「否」に設定されることでポイントが付与されない。その結果、現状のレベルが維持されることとなる。このように、現時点でのレベルと閾値とのレベル差が2以上のようにある程度大きくなると、ランクアップ抽選パターンが高確率となり、その結果、操作有効時間内の操作回数が少なくてもポイント累計値が増加しやすく、ひいてはランクアップが行われやすくなる。なお、ランクアップ抽選パターンには、その他に後述の「成否」があり、この「成否」の場合は、低確率よりもさらにポイントが付与され難くなるものの、ポイント付与の確率が0になることはなく、ある程度の確率でポイントが付与される。なお、図46に示すように、各操作有効時間には、LV1〜4の上限となる閾値を定めているが、これに限られるものではなく、例えば所定の確率(例えば1/250)でLV1〜4の上限を超えてレベルが上がるように例外処理を行うようにしてもよい。例えば、シナリオ2の操作有効時間が300のときに、演出ボタン23を操作した結果、ランクアップ抽選を行い、その抽選結果として1/250の確率で当選すると、例外的にLV1からLV4へとレベルが上がるようにすることができる。
[ランクアップ抽選テーブル]
図47は、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されているランクアップ抽選テーブルを示す図である。ランクアップ抽選テーブルは、先述したボタン連打ランクアップシナリオテーブルとともに参照される。ランクアップ抽選テーブルは、ランクアップ抽選パターン(「抽選なし」、「低確率」、「高確率」、「成否」、「否」)ごとに昇格有り(ポイント付与有り)とするか無し(ポイント付与無し)とするかの抽選確率を規定している。ランクアップ抽選パターンの「抽選なし」は、ボタン連打ランクアップシナリオテーブルに基づいて最終的にLV4に達した場合に選択される。ランクアップ抽選パターンの「低確率」及び「高確率」は、ボタン連打ランクアップシナリオテーブルにおいて該当する閾値「LV1〜4」を参照する際に適用され、現時点でのレベルと閾値との差が2未満の場合、昇格有り(ポイント付与有り)の確率として「低確率」(100/250)が適用される一方、現時点でのレベルと閾値との差が2以上になると、昇格有り(ポイント付与有り)の確率として「高確率」(200/250)が適用される。ランクアップ抽選パターンの「成否」及び「否」は、ボタン連打ランクアップシナリオテーブルにおいて「成否」及び「否」を参照する際に適用され、「成否」では、昇格有り(ポイント付与有り)の確率が50/250でポイントが付与される可能性があるため、ランクアップの可能性がある一方、「否」では、昇格有り(ポイント付与有り)の確率が0でポイントが付与されないためにランクアップの可能性がない。
以下に、パチンコ遊技機1で実行される各種の処理を図48〜83に示す。
[電源投入時処理]
図48は、メインCPU71による電源投入時処理を示している。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU71は、初期値をスタックポインタに設定する(S11)。
次に、メインCPU71は、電断検知信号がONか否かを判別する(S12)。電断検知信号は、例えば所定レベルまで電圧が降下するとONとなる。電断検知信号がONの場合、メインCPU71は、電断検知状態と判別し、電断検知信号がOFFになるまでS12の処理を繰り返し行う。電断検知信号がOFFの場合、メインCPU71は、電断検知状態と判別し、S13の処理に移る。
S13において、メインCPU71は、RWM(メインRAM)に対するアクセスを許可する。
次に、メインCPU71は、副制御回路200が信号を受け付け可能になるまで待機する副制御受信受付ウェイト処理を行う(S14)。
次に、メインCPU71は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(S15)。
次に、メインCPU71は、バックアップクリア信号がONか否かを判別する(S16)。バックアップクリア信号は、主制御回路70を構成するメインCPU71に備えられたメインRAM73や、払出・発射制御回路300を構成するRAM(図示せず)のバックアップ内容のクリアを指令するための信号である。バックアップクリア信号がONの場合、メインCPU71は、S23の処理に移る。バックアップクリア信号がOFFの場合、メインCPU71は、S17の処理に移る。
S17において、メインCPU71は、電断検知フラグが設定オンである否かを判別する。電断検知フラグは、電断発生に応じて電断処理を実行したことを示すフラグである。電断検知フラグが設定オンである場合、メインCPU71は、S18の処理に移る。電断検知フラグが設定オフである場合、メインCPU71は、S23の処理に移る。
S18において、メインCPU71は、メインRAM73について例えばチェックサムを用いて作業領域損傷チェックを行う。
次に、メインCPU71は、作業領域が正常か否かを判別する(S19)。作業領域が正常である場合、メインCPU71は、S20の処理に移る。作業領域が正常でない場合、メインCPU71は、S23の処理に移る。
S20において、メインCPU71は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、メインCPU71は、電断復旧時の高確率遊技状態(確変遊技状態)についての報知設定を行う(S21)。
次に、メインCPU71は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)を副制御回路200に対して送信する処理を行う(S22)。この処理を終了すると、メインCPU71は、電源投入時処理を終了する。
S23において、メインCPU71は、メインRAM73の作業領域をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU71は、RWM(メインRAM)初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う(S24)。
次に、メインCPU71は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)を副制御回路200に対して送信する処理を行う(S25)。
次に、メインCPU71は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(S26)。変動パターンテーブル設定処理については、図59を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU71は、電源投入時処理を終了する。
[システムタイマ割込処理]
図49は、メインCPU71によるシステムタイマ割込処理を示している。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU71は、各レジスタの値をメインRAM73のスタックエリアに退避する(S31)。
次に、メインCPU71は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(32)。
次に、メインCPU71は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(33)。スイッチ入力検出処理については、図50を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(S34)。
次に、メインCPU71は、副制御回路200に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(S35)。
次に、メインCPU71は、副制御回路200に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(S36)。遊技情報は、主制御回路70、副制御回路200、払出・発射制御回路300などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、副制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータに送信される。
次に、メインCPU71は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(S37)。この処理を終了すると、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図50は、メインCPU71によるスイッチ入力検出処理を示している。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を実行する(S41)。始動口入賞検出処理については、図51を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、一般入賞口通過検出処理を行う(S42)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口51、52への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU71は、大入賞口通過検出処理を行う(S43)。大入賞口通過検出処理では、例えば第1大入賞口53又は第2大入賞口54への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU71は、球通過検出器通過検出処理を行う(S44)。球通過検出器通過検出処理では、球通過検出器43による遊技球の通過検出に応じて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を取得する。この処理を終了すると、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[始動口入賞検出処理]
図51は、メインCPU71による始動口入賞検出処理を示している。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出したか否かを判別する(S51)。第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出した場合、メインCPU71は、S52の処理に移る。第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出していない場合、メインCPU71は、S59の処理に移る。
S52において、メインCPU71は、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(S53)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU71は、S54の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU71は、S59の処理に移る。
S54において、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM73に格納する処理を行う(S55)。
次に、メインCPU71は、第1特別停止図柄判断処理を行う(S56)。第1特別停止図柄判断処理では、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第1始動口)及び図柄判定テーブル(第1始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第1特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU71は、変動パターン決定処理を実行する(S57)。変動パターン決定処理では、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態やテーブルパターンに基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、第1特別図柄に係る変動パターンを決定する。変動パターン決定処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(S58)。第1始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、S57の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともに副制御回路200へと送信される。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出したか否かを判別する(S59)。第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出した場合、メインCPU71は、S60の処理に移る。第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出していない場合、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了する。
S60において、メインCPU71は、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(S61)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU71は、S62の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了する。
S62において、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM73に格納する処理を行う(S63)。
次に、メインCPU71は、第2特別停止図柄判断処理を行う(S64)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第2始動口)及び図柄判定テーブル(第2始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第2特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU71は、変動パターン決定処理を実行する(S65)。この変動パターン決定処理も、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態やテーブルパターンに基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、第2特別図柄に係る変動パターンを決定する。変動パターン決定処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(S66)。第2始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、S65の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともに副制御回路200へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了する。
[変動パターン決定処理]
図52は、メインCPU71による変動パターン決定処理を示している。変動パターン決定処理は、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、後述するテーブルパターン、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、変動パターン種別を選択する処理を行う(S71)。
次に、メインCPU71は、選択された変動パターン種別の中から所定の抽選確率に基づいて前半及び後半変動パターンを選択する処理を行う(S72)。この処理を終了すると、メインCPU71は、変動パターン決定処理を終了する。
[主制御メイン処理]
図53は、メインCPU71による主制御メイン処理を示している。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU71は、初期設定処理を行う(S81)。この処理において、メインCPU71は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU71は、初期値乱数更新処理を行う(S82)。この処理において、メインCPU71は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(S83)。特別図柄制御処理については、図54を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(S84)。普通図柄制御処理については、図60を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、図柄表示装置制御処理を行う(S85)。この処理において、メインCPU71は、S83及びS84でメインRAM73に記憶された特別図柄制御処理の結果及び普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62を駆動するための制御信号をメインRAM73に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU71は、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62に制御信号を送信し、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄を変動表示及び停止表示する。
次に、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(S86)。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータに送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM73に記憶する。
次に、メインCPU71は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(S87)。この処理において、メインCPU71は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM73に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU71は、S82の処理に移る。
[特別図柄制御処理]
図54は、メインCPU71による特別図柄制御処理を示している。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図54に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする処理を行う(S91)。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU71は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のS92〜S100の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、S92〜S100のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU71は、S92〜S100の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図49参照)も実行する。
次に、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を行う(S92)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた当り判定結果、特別図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU71は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(S93)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図55を参照して詳述する。
次に、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S93)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(S94)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S94)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(S95)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(S100)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図56を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を行う(S95)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、S94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるため、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(S96)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を行う(S96)。この処理において、まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を閉鎖させるため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S97)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S97でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、副制御回路200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を行う(S97)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判断する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU71は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、S97において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S98)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU71は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(S96)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、副制御回路200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(S99)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S99の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。このとき、大当り中のV入賞に成功していた場合、メインCPU71は、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、大当り中のV入賞に失敗していた場合には、遊技状態を非確変遊技状態に移行させる制御を行う。なお、大当り図柄が「小当り」に対応する図柄である場合、メインCPU71は、遊技状態を維持するような制御を行う。
次に、メインCPU71は、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S100)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S100の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(S92)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU71は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S92)、特別図柄変動時間管理処理(S93)、特別図柄表示時間管理処理(S94)及び特別図柄ゲーム終了処理(S100)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU71は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S92)、特別図柄変動時間管理処理(S93)、特別図柄表示時間管理処理(S94)及び大当り開始インターバル管理処理(S95)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S96)、大入賞口内残留球監視処理(S57)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S98)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU71は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S96)、大入賞口内残留球監視処理(S97)、大当り終了インターバル処理(S99)及び特別図柄ゲーム終了処理(S100)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図53に示す主制御メイン処理中のS84の普通図柄制御処理(後述の図60参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図55は、メインCPU71による特別図柄記憶チェック処理を示している。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU71は、メインRAM73内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(S111)。
次に、メインCPU71は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(S112)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合、メインCPU71は、S113の処理に移る。
S113において、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、S114の処理に移る。第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、S119の処理に移る。
S114において、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第2始動口45の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S115)。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU71は、S116の処理に移る。
S116において、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
次に、メインCPU71は、大当り・小当り判定処理を行う(S117)。この処理において、メインCPU71は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する当り判定テーブル(図35参照)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU71は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次に、メインCPU71は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする(S118)。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
S119において、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、S120の処理に移る。第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、S122の処理に移る。
S120において、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第1始動口44の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S121)。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU71は、S116の処理に移る。
S122において、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図56は、メインCPU71による特別図柄表示時間管理処理を示している。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合、メインCPU71は、S132の処理に移る。
S132において、メインCPU71は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、S133の処理に移る。
S133において、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU71は、S142の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU71は、S134の処理に移る。
S134において、メインCPU71は、さらに特別図柄ゲームが「小当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「小当り」であると判別した場合、メインCPU71は、S137の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「小当り」でないと判別した場合、すなわち特別図柄ゲームが「はずれ」の場合、メインCPU71は、S135の処理に移る。
S135において、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を行う。この時短・確変回数減算処理については、図57を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(S136)。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
S137において、メインCPU71は、小当りを示す小当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、S138の処理に移る。
S138において、メインCPU71は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(S139)。
次に、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをメインRAM73にセットする処理を行う(S140)。これにより、副制御回路200には、大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図37参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM73にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(S141)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
S142において、メインCPU71は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、S143の処理に移る。
S143において、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタ、並びに時短フラグ及び確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、S138の処理に移る。
[時短・確変回数減算処理]
図57は、メインCPU71による時短・確変回数減算処理を示している。時短・確変回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理あるいは後述の大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(S151)。時短状態変動回数カウンタは、セットされた時短回数(本実施形態では一例として100回)が0になるまで計数する減算カウンタである。時短状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、S155の処理に移る。時短状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、S152の処理に移る。
S152において、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、再び時短状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(S153)。時短状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、S154の処理に移る。時短状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、S155の処理に移る。
S154において、メインCPU71は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、S155の処理に移る。
S155において、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する。確変状態変動回数カウンタは、セットされた確変回数(本実施形態では一例として124回)が0になるまで計数する減算カウンタである。確変状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を終了する。確変状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、S156の処理に移る。
S156において、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、再び確変状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(S157)。確変状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、S158の処理に移る。確変状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を終了する。
S158において、メインCPU71は、確変フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図58は、メインCPU71による大当り終了インターバル処理を示している。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(S161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(S161:NO)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合、メインCPU71は、S162の処理に移る。
S162において、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、S163の処理に移る。
S163において、メインCPU71は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU71は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(S164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ第1大入賞口53又は第2大入賞口54を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも第1大入賞口53又は第2大入賞口54を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して特別図柄当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(S165)。
次に、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(S166)。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU71は、S167の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU71は、S174の処理に移る。
S167において、メインCPU71は、メインRAM34の所定領域に大当りフラグをセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、大当り中にV入賞に成功したか否かを判別する(S168)。V入賞に成功した場合、メインCPU71は、S169の処理に移る。V入賞に失敗した場合、メインCPU71は、S171の処理に移る。
S169において、メインCPU71は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタに規定の確変回数(本実施形態では一例として124回)をセットする処理を行う(S170)。
次に、メインCPU71は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(S171)。
次に、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタに規定の時短回数(本実施形態では一例として100回)をセットする処理を行う(S172)。
次に、メインCPU71は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(S173)。変動パターンテーブル設定処理については、図59を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。
S174において、メインCPU71は、小当りフラグの値をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU71は、先述の時短・確変回数減算処理を実行する(S175)。この処理を終了すると、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[変動パターンテーブル設定処理]
図59は、メインCPU71による変動パターンテーブル設定処理を示している。変動パターンテーブル設定処理は、先述した電源投入時処理あるいは大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、電源投入時であるか否かを判別する(S181)。電源投入時である場合、メインCPU71は、S182の処理に移る。電源投入時でない場合、メインCPU71は、S183の処理に移る。
S182において、メインCPU71は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン1をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S183)。確変フラグの値が「1」である場合、メインCPU71は、S184の処理に移る。確変フラグの値が「0」である場合、メインCPU71は、S185の処理に移る。
S184において、メインCPU71は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン2をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
S185において、メインCPU71は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン3をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
[普通図柄制御処理]
図60は、メインCPU71による普通図柄制御処理を示している。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図60に示すフローチャート中の各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図60に示すように、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(S191)。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU71は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のS192〜S196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S162〜S166のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU71は、S162〜S166の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図49参照)も実行する。
次に、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を行う(S192)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄変動時間監視処理(S193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、S192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を行う(S193)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(S194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、S193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を行う(S194)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、S193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU71は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(S195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(S196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、S194において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(S195)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物46の開放中において所定数の入賞があったという条件、及び、普通電動役物46の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判断する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU71は、普通電動役物46である羽根状の部材を閉鎖状態にするため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(S196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(S196)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、S196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(S192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU71は、普通図柄制御処理を終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図61を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
図61に示すように、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(S201)。
次に、サブCPU201は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(S202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、操作手段入力処理を実行する(S203)。操作手段入力処理については、図64を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、コマンド解析処理を実行する(S204)。コマンド解析処理については、図65を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理を実行する(S205)。演出態様決定処理は、後述する確変中演出制御処理、インターフェイス予告設定処理、擬似連演出決定処理、V演出設定処理、ボタン連打演出設定処理、セーフモード設定処理、特殊演出設定処理といったサブルーチンにより構成される。これらの処理については、図70〜84を参照して後述する。なお、図62に示すように、演出態様決定処理の各処理により演出態様として、変動演出パターン、演出パターン、予告演出内容、演出エフェクト等といった演出に係る態様が決定されると、これを示す演出情報が生成される。
次に、サブCPU201は、コマンド送信処理を実行する(S206)。コマンド送信処理については、図66を参照して後述する。なお、図62に示すように、コマンド送信処理では、演出情報に基づいて先述のメッセージ(演出指定情報)が生成され、このメッセージが各制御回路に送信されることとなる。
次に、表示制御回路205は、描画制御処理を実行する(S207)。この処理において、表示制御回路205は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて液晶表示装置13に画像を表示させるための描画制御を行う。
次に、音声制御回路206は、音声制御処理を実行する(S208)。この処理において、音声制御回路206は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてスピーカ11に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、LED制御回路207は、LED制御処理を実行する(S209)。この処理において、LED制御回路207は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてLED59A〜59E、59e〜59hを点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、駆動制御回路208は、役物制御処理を実行する(S210)。この処理において、駆動制御回路208は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて可動役物に係る演出用駆動モータ60A〜60Eを動作させるための駆動制御を行う。このような副制御回路メイン処理においては、S201の初期化処理が終了した後、S202からS210の各処理が繰り返し実行される。
[ボタン入力割込処理]
図63は、サブCPU201によるボタン入力割込処理を示している。ボタン入力割込処理は、測定用のタイマ更新により例えば1msごとに副制御回路メイン処理に並行して実行される。同図に示すように、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230から入力信号があるか否かを判別している(S221)。演出ボタンスイッチ230から入力信号がある場合、サブCPU201は、S222の処理に移る。演出ボタンスイッチ230から入力信号がない場合、サブCPU201は、ボタン入力割込処理を終了する。
S222において、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230からの入力信号に基づいて演出ボタン23の操作状態を判断し、当該操作状態を示す情報を生成する。この処理を終了すると、サブCPU201は、ボタン入力割込処理を終了する。
[操作手段入力処理]
図64は、サブCPU201による操作手段入力処理を示している。操作手段入力処理は、先述した副制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、操作状態を示す情報に基づいて操作状態を取得する(S231)。操作状態には、演出ボタン23であれば押下回数等が含まれ、ジョグダイヤル24であれば回転方向や回転角度、さらには回転速度等が含まれる。演出エフェクトは、操作状態に応じて決定される。この処理を終了すると、サブCPU201は、操作手段入力処理を終了する。
[コマンド解析処理]
図65は、サブCPU201によるコマンド解析処理を示している。コマンド解析処理は、先述した副制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、主制御回路70(メインCPU71)から受信後、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う(S241)。
次に、サブCPU201は、受信したコマンドに対して整合性チェックを行う(S242)。整合性チェックは、コマンド受信に際して目的とするデータが存在し、そのデータに誤りや欠けが無いことを検証するために行われる。
次に、サブCPU201は、サブ抽選処理を行う(S243)。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドである場合に、当該変動パターン指定コマンドに基づいて抽選により演出パターンを選択する。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。なお、サブ抽選処理においては、演出パターンを含む演出に係る全ての事項について抽選で選択するようにしてもよいし、演出パターンとして演出の種類(セリフ予告の有無やSU予告の有無等)のみを抽選で選択し、当該演出において実行される演出内容(エフェクトの種類やカットインの種類等)は、別途サブルーチン化された他の処理で演出情報として選択されるようにしてもよい。本実施形態では、サブ抽選処理において演出の種類を示す演出パターンが選択され、その後、当該演出パターンに基づいて実行される演出内容が演出情報として後述の演出態様決定処理により選択されるようになっている。
[コマンド送信処理]
図66は、サブCPU201によるコマンド送信処理を示している。コマンド送信処理は、先述した副制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、各制御回路205〜208に対して制御用のコマンド(メッセージ)を送信する際、メッセージ設定処理を実行する(S251)。この処理において、サブCPU201は、演出態様決定処理で得られた演出情報に基づいてメッセージ(演出指定情報)を生成し、当該メッセージを一時的にワークRAM203のディレクトバッファに格納する処理を行う。このメッセージ設定処理については、図67を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を実行する(S252)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージと演出情報とに基づいて、これらに対応するディレクトテーブルをワークRAM203の所定領域にセットする処理を行う。このディレクトテーブル登録処理については、図68を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、メッセージ送信処理を実行する(S253)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージをディレクトテーブルに基づく所定のタイミングで読み出し、当該メッセージを所定の制御回路205〜208に送信する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド送信処理を終了する。このメッセージ送信処理については、図69を参照して後述する。
[メッセージ設定処理]
図67は、サブCPU201によるメッセージ設定処理を示している。メッセージ設定処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、演出情報に基づいて送信するデバイス(制御回路205〜208)の設定を行う(S261)。
次に、サブCPU201は、システム動作の有無を設定する処理を行う(S262)。
次に、サブCPU201は、ステージ情報や各演出情報の設定を行う(S263)。
次に、サブCPU201は、予告パターンの設定を行う(S264)。これにより、ディレクトバッファには、送信先となるデバイス(制御回路205〜208)や、システム動作の有無、ステージ情報や各演出情報、予告パターンを示すメッセージが格納される。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ設定処理を終了する。
[ディレクトテーブル登録処理]
図68は、サブCPU201によるディレクトテーブル登録処理を示している。ディレクトテーブル登録処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、シングルテーブルを登録する処理を行う(S271)。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理で決定された演出情報に基づいてマスターテーブルを登録する処理を行う(S272)。
次に、サブCPU201は、マスターテーブルで使用するスレーブテーブルを登録する処理を行う(S273)。
次に、サブCPU201は、ディレクトバッファにセットされたメッセージに対応するディレクトテーブルをスレーブテーブルとして登録する処理を行う(S274)。この処理を終了すると、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を終了する。
[メッセージ送信処理]
図69は、サブCPU201によるメッセージ送信処理を示している。メッセージ送信処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、ディレクトテーブルに対応するディレクトバッファにメッセージが登録されていれば、当該メッセージに設定された「送信先デバイス」に従い各デバイス(制御回路205〜208)にメッセージを送信する処理を行う(S281)。
次に、サブCPU201は、メッセージの送信完了後、不要なディレクトテーブルを破棄する処理を行う(S282)。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ送信処理を終了する。
[確変中演出制御処理]
図70は、サブCPU201による確変中演出制御処理を示している。確変中演出制御処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際して確変遊技状態における演出態様を決定するために呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S291)。確変フラグの値は、主制御回路70から送信された記憶・遊技状態データに基づいて判別可能とされる。確変フラグの値が「1」である場合、サブCPU201は、S292の処理に移る。確変フラグの値が「1」でない場合、サブCPU201は、確変中演出制御処理を終了する。
S292において、サブCPU201は、大当り終了後の変動回数が99回以下である否かを判別する。大当り終了後の変動回数は、特別図柄当り終了表示コマンドの受信を契機に特別図柄演出開始コマンドを受信する毎に、当該受信回数を変動回数としてカウンタが累計することで計数される。大当り終了後の変動回数が99回以下の場合、サブCPU201は、「高時序」又は「高時」と判定し、S293の処理に移る。大当り終了後の変動回数が99回以下でなく、100回以上の場合、サブCPU201は、S294の処理に移る。
S293において、サブCPU201は、ストーリー&バトル演出選択処理を実行する。この処理を終了すると、サブCPU201は、確変中演出制御処理を終了する。ストーリー&バトル演出選択処理については、図71を参照して後述する。
ここで、ストーリー演出及びバトル演出、並びに関連する大役またぎ演出について、図85〜87を参照して説明する。
図85に示すように、ストーリー演出は、大当り終了後の変動回数が1〜20回までの間(高時序に相当するストーリー演出区間)に実行され得る映像表示の演出であり、主人公をモチーフとした物語的なストーリー性のある映像が表示されるものである。バトル演出は、ストーリー演出の終了後から変動回数が99回までの間(主として高時に相当するバトル演出区間)に実行され得る映像表示の演出であり、主人公に対して敵となる所定のボスキャラ(以下、単に「ボス」という)と対決することで結果として勝ち負け(本実施形態では勝ちの場合に「撃破」)を示す映像が表示されるものである。
ストーリー演出は、ストーリー演出1、2、3、…というように第1話から所定の最終話までの映像データとして用意されており、各話ごとに予め定められた時間(例えば25s等)を単位に実行される。このようなストーリー演出は、変動回数20回目において装飾図柄(特別図柄)の変動が終了(停止)するよりも前に必ず終了する。例えば図85に示すように、ストーリー演出は、変動回数15回目に終了する場合がある。この場合、変動回数15回目の変動中にストーリー演出が終了し、次の変動回数16回目の変動開始時にバトル演出に移行することから、当該15回目の変動が終了するまでにバトル準備中の映像が表示される。
図86に示すように、バトル演出は、後述する複数のステージに対応する所定のボス1、2、3、…がストーリー演出終了後の次の変動から出現するような映像データとして用意されている。例えば、ストーリー演出1の終了後、ボス1との対決で当該ボス1を撃破するバトル演出が実行されると、次の大当り終了後にストーリー演出2が実行され、ストーリー演出2の終了後、ボス2との対決で当該ボス2を撃破するバトル演出が実行されると、次の大当り終了後にさらにストーリー演出3が実行されるというように、最終的に全ての所定のボスを撃破するまでストーリー演出1、2、3、…に応じたバトル演出が繰り返し実行される。バトル演出においては、所定のボスに限らず様々な敵キャラが登場する一方、ストーリー演出では、対応するステージにおいて出現する所定のボスが必ず紹介されるようになっており、敵キャラとは別に所定のボスを撃破しない限り、ストーリー演出1、2、3、…が進行しないようになっている。そのため、例えばバトル演出においてボス撃破することなく大当りとなった場合は、当該大当り終了後にバトル演出区間となって再びバトル演出が実行されることがある。これにより、当り終了後にストーリー演出が実行されずにバトル演出区間となった場合や、上述した例のように15回目でストーリー演出が終了し、16回目からバトル演出区間となった場合には、当り終了から変動回数が20回行われるよりも前にバトル演出が実行されることとなる。そのため、「高時序」においては、選択される変動パターンに基づいてバトル演出を実行することが可能である。つまり、バトル演出は、「高時」に相当するテーブルから選択される変動パターンの変動時間よりも短い「高時序」に相当するテーブルから選択される変動パターンの変動時間であっても実行可能となるような演出も備えている。
なお、本実施形態においては、ストーリー演出の実行中に電断が発生した場合、電断復帰後にバトル演出が開始されるが、例えば電断復帰後に電断発生前と同じボスを登場させ、これを条件にストーリー演出の内容自体を進行させるようにしてもよい。演出内容が進行するとは、実行されるストーリー演出が例えば第1話から第2話に変更される場合に加え、主人公のキャラクタに対して対戦相手のキャラクタが変わったり、ミッションの達成難易度がよりイージーからノーマルやハードに変わるといった場合等を含み、キャラクタの切り替えや、背景の切り替え、あるいは音の切り替えなどによって演出の段階が変化していくことを意味する。また、本実施形態では、ストーリー演出区間における特別図柄の変動パターンが全てハズレに対応する場合において、当該変動パターンの種別が「ST通常変動」で最も短い変動時間1.3sとなることを想定した結果、ストーリー演出区間は、少なくとも20×1.3=26(s)に相当する期間として規定されている。これにより、ストーリー演出は、最長でも25s程度の時間(演出時間)で終了するように制御される。ただし、ストーリー演出は、上記の演出時間に限られるものではなく、最も長い変動時間に応じて演出時間が規定されるものでもよい。また、ストーリー演出区間内において終了し得ない演出時間であれば、ストーリー演出を強制的に終了させてもよいし、あるいは、バトル演出区間の一部をストーリー演出に割り当てるようにしてもよい。さらに、本実施形態においては、ストーリー演出及びバトル演出は、演出場面や状況等を決定付ける複数のステージのいずれかと一義的に対応付けられており、各ステージと撃破すべき所定のボス1、2、3、…とは、一義的に対応付けられている。複数のステージは、通常ステージと特定ステージとに分類され、全てのストーリー演出が実行されて、所定のボスを撃破するバトル演出が全て実行されると、遊技者は操作手段(演出ボタン23など)を用いてステージの選択を行うことが可能となる。なお、ステージの選択は、大当り中(大当り開始インターバル、大当り終了インターパルを含んでもよい)に可能であってもよいし、確変かつ時短遊技状態(ST)中の所定のタイミング(変動開始時、デモ表示中、変動が行われていない区間など)で可能であってもよいし、例えばパスワードなどの入力に応じて通常遊技状態中やST中の任意のタイミングで可能としてもよい。
また、基本的に、所定のボスを撃破するバトル演出は、確変時短遊技状態において特定の大当りに対応する演出として実行され、当該バトル演出が実行された場合にストーリー演出が進行するが、例外として、特定の遊技状態において、特定の変動パターンが選択され、かつ、特定の演出パターンが選択された場合にのみストーリーが進行する場合もある。例えば、当りに対応する演出パターンの「バトルリーチ」は、所定のボスを撃破するバトル演出に該当するが、後半変動パターンが「16H」の場合に実行される演出内容と後半変動パターンが「1AH」の場合に実行される演出内容とが同一である。そのため、確変かつ時短遊技状態(「高時」)、又は、確変かつ非時短遊技状態(「潜伏」)のいずれであっても、上記「バトルリーチ」に対応するバトル演出が実行されると、ストーリー演出としては進行する可能性がある。一方、確変かつ時短遊技状態(「高時」)においては、後半変動パターンとして「19H」が選択され、かつ、当該後半変動パターンに応じて実行可能な演出パターンの中でもバトル演出とは異なる特定の演出パターンが実行された場合に限り、ストーリー演出としては進行する可能性がある。このような特定の演出パターンとしては、後述の大役またぎ演出が該当する。なお、「潜伏」の期間については、いわゆる潜伏ゾーンとして、ストーリー演出区間(第1演出モード)及びバトル演出区間(第2演出モード)とは異なる潜伏演出区間(第3演出モード)としてもよいが、上述したようにバトル演出区間と同じ演出を行うことに加え、バトル演出区間では実行されないような特定の演出を実行するようにしてもよい。また、潜伏演出区間がバトル演出区間とは明確に異なることを示すべく、潜伏演出区間においては、例えば左右一対の可動ユニット81A、81Bを表示領域13aの前面で円を描くように近接、合体、あるいは連動させ、これらの可動ユニット81A、81Bによって形成される円の中央で装飾図柄を変動表示させる一方、バトル演出区間では、可動ユニット81A、81Bが待機位置にある通常状態の表示領域13aで装飾図柄を変動表示させるようにしてもよい。また、バトル演出区間及び「潜伏」に相当する潜伏演出区間のいずれにおいても、バトル演出が実行されるようにしたが、これに限られるものではなく、バトル演出区間でのみバトル演出が実行されるようにしてもよい。
図87に示すように、大役またぎ演出は、当りの変動中に実行された演出と関連付けられた演出であって、大当り中にも実行され得る映像表示の演出である。同図に示すように、通常のボス撃破に係る演出(バトル演出含む)では、バトル演出によるボス撃破後に再抽選演出が実行され、その結果、大当り開始インターバルに応じて大当りの開始を明示するような大当り開始映像が表示され、続いて大当り中に応じた演出が実行される。なお、再抽選演出とは、表示画面上に装飾図柄として一旦表示された数字図柄(例えば444)を異なる数字図柄(例えば777)に変更する可能性を示唆する演出を意味する。一方、大役またぎ演出では、再抽選演出や大当り開始映像、さらに大当り中の演出などが表示されず、大当り開始インターバルや大当り中に関係なく、バトル演出を経てその勝敗決着後の映像(ボス撃破からその後の状況まで示すような映像)が表示されることとなる。このような大役またぎ演出に係る映像が表示されると、遊技者は、突然に大当りが開始したかのような印象を受ける。ただし、実際には、右打ちを促す告知表示や、数字図柄が揃う装飾図柄の表示演出などが行われることから、遊技者は、これらの表示を視認することで大当りの開始を察知可能であり、大役またぎ演出では、大当り中であることが全く表示されないというわけではない。なお、大役またぎ演出の実行中においては、数字図柄が揃う装飾図柄の表示演出や、右打ちを促す告知表示などが表示されないようにしてもよい。この場合には、別途LEDや7セグ表示器によって大当りであることを報知することができる。
再び図70を参照して説明すると、S294において、サブCPU201は、大当り終了後の変動回数がちょうど100回である否かを判別する。大当り終了後の変動回数が100回の場合、サブCPU201は、「高時最終」と判定し、S295の処理に移る。大当り終了後の変動回数が100回でなく、101回以上の場合、サブCPU201は、S296の処理に移る。
S295において、サブCPU201は、「高時最終」に応じたST最終変動用演出に係る動作を制御する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、確変中演出制御処理を終了する。
S296において、サブCPU201は、大当り終了後の変動回数が101回以上でかつ123回以下である否かを判別する。大当り終了後の変動回数が101回以上でかつ123回以下の場合、サブCPU201は、「潜伏」と判定し、S297の処理に移る。大当り終了後の変動回数が123回以下でなく、124回以上の場合、サブCPU201は、S298の処理に移る。
S297において、サブCPU201は、「潜伏」に応じた潜確中演出に係る動作を制御する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、確変中演出制御処理を終了する。
S298において、サブCPU201は、大当り終了後の変動回数がちょうど124回である否かを判別する。大当り終了後の変動回数が124回の場合、サブCPU201は、「潜伏最終」と判定し、S299の処理に移る。大当り終了後の変動回数が124回でなく、125回以上の場合、サブCPU201は、確変中演出制御処理を終了する。
S299において、サブCPU201は、「潜伏最終」に応じた潜確中最終変動用演出に係る動作を制御する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、確変中演出制御処理を終了する。なお、本実施形態においては、大当り終了後からの変動回数に応じて選択する演出を異ならせるように制御しているが、これに限られるものではなく、メインCPU71が参照するテーブルと特別図柄の変動回数とに応じて演出を変更するようにしてもよい。また、メインCPU71が変動パターンを絞り込む(選択する)ことから、サブCPU201では、大当り終了後からの変動回数を判定せずとも、あくまで変動パターンに応じて演出パターンや演出内容を選択するようにしてもよい。特に、ST最終変動用演出及び潜確中最終変動用演出については、変動パターンが当りやはずれのときに対応する一の演出パターンに基づいて選択されるため、サブCPU201が大当り終了後からの変動回数を認識していなくとも当該演出を実行することが可能であるが、大当り終了後からの変動回数と、ST最終変動用演出あるいは潜確中最終変動用演出に対応する特定の変動パターンを受信するタイミングに基づき、通常であればそのような特定の変動パターンを受信する正しいタイミングであるか否かを判定することでエラー判定を行うようにしてもよい。このようなエラー判定によれば、特定の変動パターンが特定のタイミングで送信されないという異常をサブCPU201が認識することができる。
[ストーリー&バトル演出選択処理]
図71は、サブCPU201によるストーリー&バトル演出選択処理を示している。ストーリー&バトル演出選択処理は、先述した確変中演出制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、既にストーリー演出実行中か否かを判別する(S301)。既にストーリー演出実行中である場合、サブCPU201は、S306の処理に移る。ストーリー演出実行中でない場合、サブCPU201は、S302の処理に移る。
S302において、サブCPU201は、通常遊技状態(非確変遊技状態)から大当りを経て確変遊技状態に移行した状態であるか否かを判別する。すなわち、いわゆる初当りのV確大当りか連荘中のV確大当りであるかを判別する。通常遊技状態から確変遊技状態に移行した状態である場合(初当りのV確大当りの場合)、サブCPU201は、S303の処理に移る。通常遊技状態から確変遊技状態に移行した状態でない場合(連荘中のV確大当りの場合)、サブCPU201は、S309の処理に移る。
S303において、サブCPU201は、最初のストーリー演出を選択する処理を行う。
次に、サブCPU201は、ボス撃破フラグに「0」をセットする処理を行う(S304)。ボス撃破フラグは、バトル演出において所定のボスを撃破したか否かを示すものであり、「1」が所定のボスの撃破を示し、「0」が敗北を示す。なお、敗北には、所定のボスに対する撃破失敗のほか、指定された所定のボス以外の敵キャラとの対決も含まれる。
次に、サブCPU201は、ストーリー演出及びバトル演出に係るステージを選択する処理を行う(S305)。すなわち、ストーリー演出に対応する通常ステージ及び特定ステージのいずれかが選択される。各ステージには、各々対応付けられた所定のボスが存在し、一のステージに対応する所定のボスを撃破することによりストーリー演出が進行することとなる。なお、各ストーリー演出は、実行される順番が予め決まっていることが望ましいが、これに限られるものではなく、実行されるストーリー演出を抽選で選択するようにしてもよい。本実施形態では、ストーリー演出に対応するステージやボスが選択されるが、これに限られるものではなく、先にボスを選択した上で当該ボスに対応するストーリー演出やステージを選択してもよいし、いずれかの演出要素を基準に他の演出要素を選択するようにしてもよい。本実施形態においては、ストーリー演出と、ステージと、倒すべきボスとは、互いに対応するものとなっているが、例えば2つの異なるボスに対して同一のステージが存在する場合や、2つの異なるストーリー演出に対して同一のボスやステージが存在する場合があってもよい。
次に、サブCPU201は、ストーリー演出の実行中に同時進行させる他の演出を選択する処理を行う(S306)。他の演出としては、数字図柄の変動演出パターンやリーチ時の演出パターン、いわゆる先読み予告に係る演出パターン、保留変化に係る演出パターン等がある。
次に、サブCPU201は、当該変動中にストーリー演出を終了させるか否かを判別する(S307)。当該変動とは、変動回数を判別する時点での変動を意味する。当該変動中にストーリー演出を終了させる場合、サブCPU201は、S308の処理に移る。当該変動中にストーリー演出を終了させない場合、サブCPU201は、ストーリー&バトル演出選択処理を終了する。なお、ストーリー演出は、時間単位で制御されることから、複数の変動回数にわたって実行される可能性があり、各変動開始前に変動中に実行すべき演出を選択しなければならない。そのため、当該変動中に上記の判別を行うことにより、仮に変動表示が開始しても、その変動表示中にストーリー演出を終了させるか否かを判定することが可能とされる。
S308において、サブCPU201は、当該変動中にストーリー演出を終了させた後、当該変動中に限りバトル準備中の映像を表示させる処理を行う(S308)。この処理を終了すると、サブCPU201は、ストーリー&バトル演出選択処理を終了する。なお、バトル準備中の映像が表示される際の図柄変動は、はずれの図柄変動であることが望ましいが、これに限らず、当りの図柄変動に際してバトル準備中の映像を表示する場合には、バトル準備中を一旦表示してから当りを示す演出表示を行うようにしてもよい。
S309において、サブCPU201は、ボス撃破フラグが「1」であるか否かを判別する。ボス撃破フラグが「1」である場合、サブCPU201は、S310の処理に移る。ボス撃破フラグが「1」でなく「0」の場合、サブCPU201は、S311の処理に移る。すなわち、ストーリー演出を終了してバトル準備中であったり、あるいは前回の確変遊技状態でバトル演出を実行するもボス撃破していない場合、サブCPU201は、大当り終了後から所定の変動回数を経た後や大当り終了直後からバトル演出区間としてバトル演出を進行させることとなる。
S310において、サブCPU201は、ボスの撃破に応じてストーリー演出を進行させるために、次に進行するストーリー演出を選択する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、S304の処理に移る。
S311において、サブCPU201は、バトル演出選択処理を実行する。この処理については、図72を参照して後述する。この処理をを終了すると、サブCPU201は、ストーリー&バトル演出選択処理を終了する。
[バトル演出選択処理]
図72は、サブCPU201によるバトル演出選択処理を示している。バトル演出選択処理は、先述したストーリー&バトル演出選択処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、ステージに応じたバトル演出を選択する処理を行う(S321)。ただし、ステージについては、ストーリー演出に応じて選択されるため、ストーリー演出が進行しない場合には、ステージが変更されることはない。つまり、本実施形態では、倒すべきボスが変更されない限りステージが変更されないため、大当りに当選した場合でも、大当り終了前後のステージが同一となる場合がある。
次に、サブCPU201は、後半変動パターンが「16H」又は「1AH」であるか否かを判別する(S322)。すなわち、「高時」又は「潜伏」の当りに対応する「バトルリーチ」のバトル演出が選択されたか否かを判別する。後半変動パターンが「16H」又は「1AH」である場合、サブCPU201は、当りに対応する「バトルリーチ」のバトル演出が選択されたと判断し、S323の処理に移る。後半変動パターンが「16H」及び「1AH」のいずれでもない場合、サブCPU201は、当りに対応する「バトルリーチ」以外のバトル演出が選択されたと判断し、S326の処理に移る。
S323において、サブCPU201は、ステージに対応するボス撃破のバトル演出を実行するか否かを判別する。すなわち、サブCPU201は、図44に示す通常ステージ用の演出パターン決定テーブルを用いて抽選により、所定のボスを撃破するバトル演出を実行するか、又は、所定のボス以外の敵キャラと対決するバトル演出を実行するかを決定する。ボス撃破のバトル演出を実行する場合、サブCPU201は、S324の処理に移る。ボス撃破のバトル演出を実行せず、それ以外の敵キャラと対決するバトル演出等を実行する場合、サブCPU201は、S325の処理に移る。
S324において、サブCPU201は、ボス撃破フラグに「1」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、バトル演出選択処理を終了する。
S325において、サブCPU201は、ボス撃破フラグに「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、バトル演出選択処理を終了する。
S326において、サブCPU201は、後半変動パターンが「19H」であるか否かを判別する。すなわち、当りに対応する「STバトル敗北後復活」のバトル演出が選択されたか否かを判別する。後半変動パターンが「19H」である場合、サブCPU201は、当りに対応する「STバトル敗北後復活」のバトル演出が選択されたと判断し、S327の処理に移る。後半変動パターンが「19H」でない場合、サブCPU201は、当りに対応する「STバトル敗北後復活」や「バトルリーチ」以外のバトル演出、すなわち所定のボスを撃破し得ない敗北が確定するバトル演出が選択されたと判断し、S330の処理に移る。
S327において、サブCPU201は、現在のステージとして特定ステージが選択されているか否かを判別する。特定ステージが選択されている場合、サブCPU201は、S328の処理に移る。特定ステージが選択されず、通常ステージが選択されている場合、サブCPU201は、S323の処理に移る。
S328において、サブCPU201は、図44に示す特定ステージ用の演出パターン決定テーブルを用いて抽選により、「STバトル敗北後復活」のバトル演出に代えて大役またぎ演出を実行するか否かを決定する。大役またぎ演出を実行する場合、サブCPU201は、S329の処理に移る。大役またぎ演出を実行せず、「STバトル敗北後復活」のバトル演出を実行する場合、サブCPU201は、S323の処理に移る。
S329において、サブCPU201は、ボス撃破フラグに「1」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、バトル演出選択処理を終了する。なお、「STバトル敗北後復活」のバトル演出の場合は、最終的にはボスを撃破するためボス撃破フラグに「1」をセットする。
S330において、サブCPU201は、ボス撃破フラグに「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、バトル演出選択処理を終了する。
[インターフェイス予告設定処理]
図73は、サブCPU201によるインターフェイス予告設定処理を示している。インターフェイス予告設定処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際して後述するインターフェイス予告の内容を演出態様として決定するために呼び出される。
ここで、インターフェイス予告について、図88及び図89を参照して説明する。
図88(a)に示すように、インターフェイス予告は、主としてストーリー演出の内容紹介(ストーリー紹介)やキャラクタの紹介を行うためのテキストメッセージなどを表示領域13aに表示するストーリー演出等に含まれる演出である。例えば表示領域13aにおいては、基本的に、中央部において装飾図柄1000が変動表示や停止表示されるとともに、左側下部において始動入賞の保留個数を示す保留画像1010が表示され、インターフェイス予告のテキストメッセージは、右側下部のメッセージ表示領域1020に表示される。例えば、メッセージ表示領域1020には、ストーリー紹介内容がテキストメッセージとして表示される。また、装飾図柄1000の背景などを含むその余の領域1030には、ストーリー演出等の映像が表示される。
そして、図88(b)及び(c)に示すように、装飾図柄1000の変動表示中にあってメッセージ表示領域1020にストーリー紹介内容のテキストメッセージを表示中には、このメッセージ表示領域1020の前景となる動画表示を伴う演出として、シャッタが徐々に動いてテキストメッセージを覆い隠した後、同図の(d)及び(e)に示すように、シャッタが開状態となるようなシャッタ画像1040が表示される場合がある。このような場合、インターフェイス予告として「チャンス演出」が行われる可能性がある。チャンス演出においては、シャッタ画像1040が閉状態として表示されると、同図の(b)及び(c)に示すように、メッセージ表示領域1020において表示中のテキストメッセージが徐々に視認不可とされる。すなわち、シャッタ画像1040が表示されると、ストーリー演出の実行中でストーリー紹介内容のテキストメッセージを表示中にあっても、当該テキストメッセージが覆い隠される。その後、同図の(d)及び(e)に示すように、シャッタ画像1040が開状態として表示されると、メッセージ表示領域1020には、ストーリー紹介内容に代わって一時的に「チャンス」(あるいは例えば「激熱」)といったテキストメッセージが表示される。このようなチャンス演出は、大当りの期待度や確変突入の期待度(信頼度)を示唆する演出であり、変動パターンに応じて実行可否が決定されるようになっており、チャンス演出が実行されると、遊技者は、大当りや確変への期待感が高められる。なお、チャンス演出は、映像表示に係るストーリー演出が実行中か否かに関係なく実行可能とされる。
図89(a)に一例として示すように、ストーリー紹介に係るインターフェイス予告には、シャッタ可動パターン無しの場合と、シャッタ画像1040が出現するシャッタ可動パターン有りの場合とがある。シャッタ可動パターン無しの場合、装飾図柄1000の変動表示開始となるタイミングでストーリー紹介内容1、2、…の順に対応するテキストメッセージがメッセージ表示領域1020に順次表示される。一方、シャッタ可動パターン有りの場合には、同様に、装飾図柄1000の変動表示開始となるタイミングでストーリー紹介内容1、2、…の順に対応するテキストメッセージがメッセージ表示領域1020に順次表示される一方、装飾図柄1000の変動表示中にあってメッセージ表示領域1020にストーリー紹介内容を表示中にあっても、シャッタ可動によりシャッタ画像1040が出現し、ストーリー紹介内容の表示が一時中断される。そして、シャッタ画像1040が無くなると、メッセージ表示領域1020には、ストーリー紹介内容に代わって「チャンス」といったテキストメッセージが一時的に表示されることとなる。
図89(b)に示すように、ストーリー紹介に係るインターフェイス予告は、1回当りの表示時間として例えば50sが規定されており、セットごとに複数回のストーリー紹介内容が規定されている。例えば、セット1のストーリー紹介内容1〜5が実行可能回数として5回にわたり規定の表示時間で順次表示されると、次の変動表示開始から実行されるストーリー紹介のセットが抽選により選択される。ストーリー紹介内容の実行可能回数は、減算カウンタにセットされ、この減算カウンタの値が0になるまで計数される。シャッタ可動パターンの演出を実行するか否かは、ストーリー紹介のセット抽選とは別の抽選により実行タイミングも含めて決定される。シャッタ可動パターンによりシャッタ画像1040が出現した場合は、シャッタ画像1040が出現し無くなった後、次の変動表示開始から次順のストーリー紹介内容がメッセージ表示領域1020に表示される。この場合、ストーリー紹介内容1回当りの表示時間が変化することとなる。特に図示しないが、キャラクタ紹介に係るインターフェイス予告は、表示時間として例えば30sが規定されており、装飾図柄1000の変動表示開始となるタイミングで単発的に実行するか否かがカテゴリ別の抽選で決定されるようになっている。
再び図73を参照して説明すると、サブCPU201は、主制御回路70からの変動パターンや当りの抽選結果等に基づいて抽選によりインターフェイス予告を実行するか(既に実行中か)否かを判別する(S341)。インターフェイス予告を実行する場合あるいは既に実行中の場合、サブCPU201は、S342の処理に移る。インターフェイス予告の実行中になく実行しない場合、サブCPU201は、インターフェイス予告設定処理を終了する。
S342において、サブCPU201は、ストーリー紹介に係るインターフェイス予告か否かを判別する。ストーリー紹介に係るインターフェイス予告である場合、サブCPU201は、S343の処理に移る。ストーリー紹介に係るインターフェイス予告でない場合、サブCPU201は、S352の処理に移る。
S343において、サブCPU201は、ストーリー紹介の実行可能回数が0であるか否かを判別する。実行可能回数が0の場合、サブCPU201は、S344の処理に移る。実行可能回数が0でなく1以上の場合、サブCPU201は、S350の処理に移る。
S344において、サブCPU201は、実行するストーリー紹介内容を1セット単位で抽選する処理を行う。例えば、図89(b)に示すように、セット1が抽選結果として得られると、ストーリー紹介内容1〜5が決定される。
次に、サブCPU201は、ストーリー紹介の実行可能回数として減算カウンタに「5」をセットする処理を行う(S345)。
次に、サブCPU201は、現時点で実行すべきストーリー紹介内容を選択する処理を行う(S346)。これにより、選択されたストーリー紹介内容が変動表示開始に応じてメッセージ表示領域1020に表示される。
次に、サブCPU201は、1回のストーリー紹介に規定された表示時間(ストーリー紹介時間)をタイマにセットする処理を行う(S347)。
次に、サブCPU201は、ストーリー紹介の実行可能回数として減算カウンタの値を1減算する処理を行う(S348)。
次に、サブCPU201は、チャンス演出設定処理を実行する(S349)。この処理については、図74を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU201は、インターフェイス予告設定処理を終了する。
S350において、サブCPU201は、上記タイマの値に基づいてストーリー紹介時間が経過したか否かを判別する。ストーリー紹介時間が経過した場合、サブCPU201は、S346の処理に移り、次に実行すべきストーリー紹介内容を選択する処理を行う。ストーリー紹介時間が経過していない場合、サブCPU201は、S351の処理に移る。
S351において、サブCPU201は、シャッタ可動フラグが「1」であるか否かを判別する。シャッタ可動フラグは、シャッタ可動パターンの有無を示すフラグであり、シャッタ可動パターンを用いたチャンス演出を実行する場合に「1」にセットされる。シャッタ可動フラグが「1」である場合、サブCPU201は、S346の処理に移り、シャッタ可動パターンを伴うストーリー紹介内容を選択する処理を行う。シャッタ可動フラグが「1」でない場合、サブCPU201は、S349の処理に移る。
S352において、サブCPU201は、キャラクタ紹介に係るインターフェイス予告か否かを判別する。キャラクタ紹介に係るインターフェイス予告である場合、サブCPU201は、S353の処理に移る。キャラクタ紹介に係るインターフェイス予告でない場合、S349の処理に移る。
S353において、サブCPU201は、実行するキャラクタ紹介内容を抽選する処理を行う。
次に、サブCPU201は、抽選結果として得られたキャラクタ紹介内容をセットする処理を行う(S354)。これにより、セットされたキャラクタ紹介内容が変動表示開始に応じて単発的にメッセージ表示領域1020に表示される。この処理を終了すると、サブCPU201は、S349の処理に移る。つまり、キャラクタ紹介に係るインターフェイス予告は、予め規定された表示時間を経て終了するか、あるいはチャンス演出の実行に伴い終了する。
[チャンス演出設定処理]
図74は、サブCPU201によるチャンス演出設定処理を示している。チャンス演出設定処理は、先述したインターフェイス予告設定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、主制御回路70からの変動パターンや当りの抽選結果等に基づいて抽選によりチャンス演出を実行するか否かを判別する(S361)。チャンス演出を実行する場合、サブCPU201は、S362の処理に移る。チャンス演出を実行しない場合、サブCPU201は、S366の処理に移る。
S362において、サブCPU201は、シャッタ可動フラグに「1」をセットする処理を行う。
次に、サブCPU201は、装飾図柄の変動表示開始時に映像表示に係るストーリー演出を実行中か否かを判別する(S363)。ストーリー演出を実行中の場合、サブCPU201は、S365の処理に移る。ストーリー演出を実行中でない場合、サブCPU201は、S364の処理に移る。
S364において、サブCPU201は、図42に示すチャンス演出テーブル(Aパターン)を選択し、このテーブルに基づいて変動時間内の比較的遅い段階でシャッタ画像1040を出現する動画表示を実行可能な演出パターン(例えば通常変動演出B)を選択する。これにより、ストーリー演出が実行されていない場合には、シャッタ画像1040ができる限り突発的に出現しないように、装飾図柄が変動表示を開始してから比較的遅いタイミングでチャンス演出が実行される。この処理を終了すると、サブCPU201は、チャンス演出設定処理を終了する。
S365において、サブCPU201は、図42に示すチャンス演出テーブル(Bパターン)を選択し、このテーブルに基づいて変動時間内の比較的早い段階でシャッタ画像1040を出現する動画表示を実行可能な演出パターン(例えば通常変動演出C)を選択する場合がある。これにより、ストーリー演出とともにストーリ紹介のインターフェイス予告が実行されている際には、装飾図柄が変動表示を開始してから比較的早いタイミングでシャッタ画像1040が出現するようにチャンス演出が実行されることがある。この処理を終了すると、サブCPU201は、チャンス演出設定処理を終了する。
S366において、サブCPU201は、チャンス演出を実行させずにシャッタ画像1040を出現させないことから、シャッタ可動フラグに「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、チャンス演出設定処理を終了する。
[擬似連演出決定処理]
図75は、サブCPU201による擬似連演出決定処理を示している。擬似連演出決定処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際して擬似連の演出態様を決定するために呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、前半変動パターンに基づいて抽選により通常の擬似連を実行するか否かを決定する(S371)。通常の擬似連を実行する場合、サブCPU201は、S372の処理に移る。通常の擬似連を実行しない場合、サブCPU201は、S374の処理に移る。
S372において、サブCPU201は、通常擬似連演出設定処理を実行する。この処理については、図76を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU201は、S373の処理に移る。
S373において、サブCPU201は、後半変動パターンに応じてリーチ演出を選択する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、擬似連演出決定処理を終了する。
S374において、サブCPU201は、前半変動パターンに基づいて抽選により高速擬似連を実行するか否かを決定する。高速擬似連を実行する場合、サブCPU201は、S375の処理に移る。通常の擬似連を実行しない場合、サブCPU201は、S376の処理に移る。
S375において、サブCPU201は、高速擬似連演出設定処理を実行する。この処理については、図77を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU201は、S373の処理に移る。
S376において、サブCPU201は、擬似連以外のその他の演出設定処理を実行する。この処理を終了すると、サブCPU201は、擬似連演出決定処理を終了する。
[通常擬似連演出設定処理]
図76は、サブCPU201による通常擬似連演出設定処理を示している。通常擬似連演出設定処理は、先述した擬似連演出決定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、前半変動パターンに応じて擬似連回数を選択する処理を行う(S381)。この場合、擬似連回数としては、通常の1〜4回が選択される。次に、サブCPU201は、選択した擬似連回数に応じて通常の擬似連演出内容を選択する処理を行う(S382)。この処理を終了すると、サブCPU201は、通常擬似連演出設定処理を終了する。
[高速擬似連演出設定処理]
図77は、サブCPU201による高速擬似連演出設定処理を示している。高速擬似連演出設定処理は、先述した擬似連演出決定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
ここで、疑似連実行時に映像の背景色を変化させるために行われる昇格抽選について、図90を参照して説明するとともに、擬似連と関連する演出との動作タイミングについて、図91を参照して説明する。
図90(a)に示すように、本実施形態では、疑似連実行時に映像の背景色を変化させるために昇格抽選が行われ、この昇格抽選においてテーブル(1)〜(5)を基本として用いるように構成されている。テーブル(1)〜(5)は、現時点で滞在する背景色に応じて次に変化する背景色と抽選条件としての乱数範囲(図示略)を規定している。背景色は、「青」→「緑」→「赤」→「金」→「虹」と変化するほど大当りの期待度が大きいことを示唆する。例えば、現時点で滞在する背景色が「青」の場合、テーブル(1)を参照することで「青」から次に変化する背景色が昇格抽選により決定され、現時点で滞在する背景色が「緑」の場合、テーブル(2)を参照することで「緑」から次に変化する背景色が昇格抽選により決定され、背景色変化が決定されるごとに段階的に上位のテーブルが用いられる。各テーブル(1)〜(5)においては、横軸の右方にいくほど抽選確率が小さくなるように乱数範囲が規定されている。また、背景色は、高速擬似連実行時の変動パターンが大当りに対応するものか否かに応じて、大当り期待度が最も大きい「虹」に変化する確率が異なるようになっている。例えば、大当りの場合は、背景色として「虹」が選択される可能性はあるが、はずれの場合は、「虹」が選択される可能性がないように各テーブル(1)〜(5)の乱数範囲が規定されている。これにより、はずれの場合は、擬似連として「擬似4」の前半変動パターンが選択されないようになっている。
なお、図90(b)に一例として擬似連20回の場合を示すように、背景色を変化させるか否かの昇格抽選は、最終となる背景色(最終色)から逆順に実行していく。例えば、図90(b)に示す例では、最終色が「虹」であり、例えば背景色変化として「金へ」が昇格抽選の結果として得られた段階になると、その段階の直前における段階の滞在背景が「金」となる。同様に続いて、滞在背景が「金」の段階において例えば背景色変化として「赤へ」が昇格抽選の結果として得られると、その段階の直前における段階の滞在背景が「赤」となり、さらに滞在背景が「赤」の段階において例えば背景色変化として「青へ」が昇格抽選の結果として得られると、その段階の直前における段階の滞在背景が「青」となる。そうして最終色から最初に表示されるべき背景色が昇格抽選により順次決定される。なお、高速擬似連の場合、少なくとも比較的短い3.5sの再変動時に背景色変化が起こりうるが、比較的長い7sの再変動時には背景色変化が生じないようになっていてもよいし、背景色変化が生じる可能性があるようにしてもよい。
このように、背景色を変化させるための昇格抽選は、最終色から順次決まるように行われるため、図90(c)に示すように、テーブル(1)〜(5)を変換したテーブルが実際には参照されるようになっている。図90(c)に示すテーブルでは、「変化無し」から下段の変化させる色になるに従い選択確率が低くなるように規定されている。なお、このような昇格抽選は、擬似連回数が多くなるほど当選確率が高くなるようにしてもよい。また、擬似連の段階、あるいはその段階と擬似連回数に応じて当選確率を変化させることで変化しやすい色を設けてもよい。背景色の変化パターンとしては、「金」から「虹」に変化する場合よりも例えば「赤」から「虹」に変化する場合の方が大当り期待度が高くなるため、大当りの場合には、昇格抽選において例えば虹背景滞在時では「金へ」よりも「赤へ」等が選択されやすい確率を規定するようにしてもよい。また、上述したように、昇格抽選においては、最終色から逆順に演出を決定していくため、例えば「金へ」という昇格抽選に当選した場合は、テーブル(4)の「金→虹」という演出が選択されたことと同義となる。このとき、演出の抽選方法が逆順であるため、最終色から見れば「金へ」という抽選に当選したことは、降格抽選に当選したと表現することも可能であり、降格抽選に当選した場合には、該当する演出で昇格抽選を行った結果として演出内容が設定されるというように表現することもできる。また、最終色から逆順に決定するため、演出の最初の色が演出の昇格抽選(又は降格抽選)次第で異なり、最終色が同じでも例えば高速擬似連の開始時の色がランダムに決まるので、演出の幅が広がって多様性に富み、遊技者の興趣を高めることができる。
図91に示すように、擬似連としては、高速擬似連、通常の擬似連、リーチ後擬似連(特殊擬似連)が設けられている。高速擬似連は、通常の擬似連よりも多い回数にわたり装飾図柄の変動表示及び仮停止表示が繰り返し行われる擬似連であり、変動表示開始直後から開始され、直接スーパーリーチにつながる可能性があるようになっている。通常の擬似連は、1〜4回にわたり装飾図柄の変動表示及び仮停止表示が繰り返し行われる擬似連であり、変動表示開始直後から開始され、ノーマルリーチを経てスーパーリーチにつながるようになっている。リーチ後擬似連は、高速擬似連及び通常の擬似連とは異なるタイミングで実行される擬似連であり、装飾図柄の変動表示開始後にリーチとなった後に開始され、その後ノーマルリーチを経てスーパーリーチにつながるようになっている。
図91に一例として示すように、高速疑似連の実行時間は、前半変動パターンに規定された時間(前半変動時間)には制限されず、前半変動時間以上にわたって継続される場合がある。高速擬似連の終了後は、ノーマルリーチやスーパーリーチへ発展するため、後述する装飾図柄の揺れ変動の期間を設けることにより、通常の擬似連終了後にノーマルリーチやスーパーリーチへ発展するタイミングと合うようになっている。これにより、通常の擬似連、高速擬似連、リーチ後擬似連など、各擬似連終了後に実行されるノーマルリーチやスーパーリーチといった装飾図柄の変動に係る演出を共通化することができ、副制御回路200の表示処理に係る負荷を軽減することができる。
再び図77を参照して説明すると、サブCPU201は、疑似連回数を抽選により選択する処理を行う(S391)。この処理において、サブCPU201は、例えば、高速疑似連の回数として8回を選択した場合、高速疑似連8回(A)又は(B)を決定する。図45に示すように、高速擬似連8回(A)では、3.5秒の擬似連が8回(リーチ態様までの時間を含む)行われることが規定されたおり、高速擬似連8回(B)では、3.5秒の擬似連が6回(リーチ態様までの時間を含む)と7秒の擬似連が2回行われることが規定されている。ここで、3.5秒(発展)の擬似連に係る演出とは、3.5秒の変動後に「リーチ目」を表示するものである。なお、擬似連を8回とした場合には、リーチ態様も考慮しているため、リーチ態様を除けば疑似連としての仮停止回数としては7回ともいえるが、擬似連として8回の仮停止を行い、その後リーチ態様を表示するものであってもよい。この場合は、3.5秒(発展)の擬似連に係る演出として、装飾図柄が3.5秒の変動後「ばらけ目」の仮停止を行い、その後再度変動表示を行い、「リーチ目」を表示することが考えられる。また、一変動時間からSPリーチ(スーパーリーチ)に要する時間を差し引いた時間の中で実行可能な擬似連回数を選択することも可能であるが、本実施形態では、3.5秒と7秒を何回出現させるかを予め規定している(図45参照)。また、本実施形態では、例えば7秒の高速擬似連が連続しないように、3.5秒を2回以上連続して実行した後に7秒の擬似連を実行するようにしているが、これに限られず7秒の高速擬似連を連続して実行するようにしてもよい。
次に、サブCPU201は、背景色として最終的に表示する色(背景最終色)を選択する処理を行う(S392)。すなわち、この処理においては、図91のテーブル(1)〜(5)を用いて背景色変化の昇格抽選を行うのに先立ち、背景最終色が予め決定されるのである。
次に、サブCPU201は、背景最終色を元に各シナリオの背景色変化を、図91のテーブル(1)〜(5)を用いた昇格抽選により選択する処理を行う(S393)。この処理は、高速擬似連が3.5秒のときのみ背景色を変化させるために行われる。
次に、サブCPU201は、擬似連実行時における装飾図柄の仮停止パターンを選択する処理を行う(S394)。
次に、サブCPU201は、擬似連実行時に仮停止する装飾図柄を選択する処理を行う(S395)。
次に、サブCPU201は、リーチ発展までの時間に応じて揺れ変動の時間を設定する処理を行う(S396)。揺れ変動の時間は、基本的に高速擬似連の最短時間3.5秒よりも短い時間が望ましいが、本実施形態では特に制限されない。この処理を終了すると、サブCPU201は、高速擬似連演出設定処理を終了する。なお、上記した方法を用いれば、3.5秒と7秒の擬似連演出を組み合わせることによって変動時間における擬似連の演出態様にバリエーションを設けることができる。特に、7秒の擬似連演出では、リーチ演出を行う場合と、リーチ演出を伴う擬似連演出(実際にはリーチとならないが一度リーチ演出を見せてから擬似連を継続する演出)を行った後に仮停止表示を行う演出と、を実行可能であり、3.5秒の擬似連演出の場合には色変化を行う可能性を有し、夫々の擬似連演出の時間に応じて役割を異ならせることによっても、演出の効果を高めることができる。また、本実施形態では、7秒の擬似連演出が実施された場合は、その後擬似連演出が継続するか否かが分かり難くなるとともに、3.5秒の擬似連演出でリーチ演出が実行された場合には、リーチ演出を伴う擬似連演出である可能性が無いため、リーチ(リーチ演出)が確定してノーマルリーチやスーパーリーチといった演出への発展あるいは移行が確定することとなる。
[V演出設定処理]
図78は、サブCPU201によるV演出設定処理を示している。V演出設定処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際してV入賞に係る演出態様を決定するために呼び出される。
ここで、V入賞に係る演出について、図92及び図93を参照して説明する。
図92に示すように、V入賞に係る演出は、第2大入賞口(Vアタッカー)54が開放する小当り又は大当りの当選からV入賞失敗又はV入賞成功(大役大当り)となるまでの一連の演出である。同図に示すように、小当り当選又は大当り当選のタイミング1の後、Vアタッカー(第2大入賞口54)が最初に開放するタイミング2において対応する演出が実行される。このとき、内部的には、サブCPU201により小当り又は大当りの1R目に該当することが認識されるが、タイミング2における演出内容としては同一となる。
次に、Vアタッカーに入賞可能なタイミング3となった後、小当り時のタイミング4においては、Vベロ(変位部材39)がV入賞不可能な位置にある一方、大当り時の同じタイミング4においては、VベロがV入賞可能な位置にある。その後、小当り時のタイミング5においては、V入賞に失敗することになる一方、大当り時のタイミング5においては、概ねV入賞に成功することになる。その結果、小当り時のタイミング6においては、V入賞に失敗したことを示す演出が実行される一方、大当り時のタイミング6においては、大役演出が実行されることとなる。大役演出とは、大当りの開始を示すような演出である。
本実施形態のパチンコ遊技機は、いわゆるV確ST機であり、大当り中にV入賞すると、大当り終了後の遊技状態が確変遊技状態となるが、いわゆる1・2種混合機では、小当り中にV入賞可能であり、V入賞することで大当りが開始することとなる。このように、V確ST機と1・2種混合機とは、異なる遊技性を実現するようになっている。そこで、本実施形態においては、Vアタッカー(第2大入賞口)の開放態様と演出態様との発生タイミングを調節し、V入賞時に大当り当選に対応する大当り開始を示すような演出を行うことにより、V確ST機であるものの1・2種混合機であるかの如く見せるような演出を実現している。
図93は、大当り時及び小当り時のV入賞に係る動作パターンを示している。T1〜T6は、先述したタイミング1〜6に相当する。同図に示すように、大当り時には、1ラウンド目における1回目のVアタッカー(第2大入賞口54)開放時に、同時にVベロ(変位部材39)も開放状態となるが、開放時間が例えば0.1sといった極めて短い時間のため、このときにV入賞は困難とされる。その後、1ラウンド目における2回目のVアタッカー開放時には、先の開放時間に比べて比較的長いT4の時間にわたりVベロが開放状態となるため、このときに概ねV入賞が成功することとなる。その後、ラウンド間インターバルに相当するT6の時間に際して大役演出が実行される。
一方、小当り時においても、1回目のVアタッカー(第2大入賞口54)開放時には、同時にVベロ(変位部材39)も開放状態となるが、開放時間が例えば0.1sといった極めて短い時間のため、このときにV入賞は困難とされる。その後、小当り時の開放パターンとして2回目のVアタッカー開放時には、Vベロが閉鎖状態となり、Vアタッカーが閉鎖状態となった後でT4の時間にわたりVベロが開放状態となる。これにより、小当り時のT4の時間においては、そもそもVアタッカーに入賞することが困難なため、このときにV入賞が失敗することとなる。その後、大当り時のラウンド間インターバルに相当するT6の時間にわたってV入賞失敗の演出が実行されることとなる。
なお、T5のタイミングに際してV入賞成功に係る演出としては、実際に遊技球が特定領域38Aを通過することで実行されるが、V入賞失敗に係る演出は、大当り時にV入賞可能として設定されたT4の時間が経過した直後に実行されることとなる。T6の時間においては、大当り開始を示す大役演出あるいはV入賞失敗等の演出が実行されるが、これに限らず大当り時には2ラウンド目以降にも大役演出が継続されるようにしてもよい。本実施形態において、小当り中はV入賞困難となっており、当該小当り終了時に小当り当選前の遊技状態よりも有利な遊技状態に移行するはない。また、大当り時には、1ラウンド目に続いて2ラウンド目にもVアタッカーが開放状態となるが、小当りの場合にはラウンドという概念がなく、全体を通じて1.8秒までしか開放状態とならないため、本実施形態ではVアタッカーが2回目の開放を経て閉鎖することで小当りが終了するようになっている。本実施形態では、小当り時にV入賞の可能性が0とはいえないものの、仮にV入賞となっても遊技状態が変化しないようになっている。また、本実施形態では、大当り時にV入賞が容易な場合とV入賞が困難な場合とがあり、小当り時にV入賞が困難となるようにVアタッカー(第2大入賞口54)及びVベロ(変位部材39)の開放パターンが規定されているが、大当り時の1ラウンド目と小当り時の開放1回目においては、いずれもV入賞が困難となっている。なお、大当り時にのみV入賞が容易となり、小当り時にのみV入賞が困難となるように制御してもよい。このように制御することによって、V入賞が困難な大当り時が制御されているときに、V入賞していないにも関わらず2ラウンド目の演出を行うという状況が無いため、確実に1・2種混合機であるかのように見せることができる。これは、1・2種混合機の場合には、小当り中にV入賞したときに初めてその後の開放が行われるため、V入賞していないのにアタッカーの開放が継続した場合には大当りであることが報知されるためであるが、これによれば、V入賞に失敗しても出玉を得る機会が設けられていると(救済されるような感覚を)遊技者に認識させることができる。
再び図78を参照して説明すると、サブCPU201は、大当り又は小当りか否かを判別する(S401)。大当り又は小当りの場合、サブCPU201は、S402の処理に移る。大当り及び小当りでない場合、サブCPU201は、V演出設定処理を終了する。
S402において、サブCPU201は、Vアタッカー(第2大入賞口54)を開放開始するか否かを判別する。Vアタッカーを開放開始する場合、サブCPU201は、S403の処理に移る。Vアタッカーを開放開始しない場合、サブCPU201は、S404の処理に移る。
S403において、サブCPU201は、Vアタッカー開放に係る演出を選択する処理を行う。
次に、サブCPU201は、大当りか否かを判別する(S404)。大当りである場合、サブCPU201は、S405の処理に移る。大当りでなく小当りである場合、サブCPU201は、S412の処理に移る。
S405において、サブCPU201は、V入賞に成功したか否か判別する。V入賞に成功した場合、サブCPU201は、S406の処理に移る。V入賞に失敗した場合、サブCPU201は、S412の処理に移る。
S406において、サブCPU201は、V入賞演出を選択する処理を行う。本実施形態において、V入賞演出としては、大当り当選の演出が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、再び大当りか否かを判別する(S407)。大当りである場合、サブCPU201は、S408の処理に移る。大当りでなく小当りである場合、サブCPU201は、S411の処理に移る。
S408において、サブCPU201は、再びV入賞に成功したか否か判別する。V入賞に成功した場合、サブCPU201は、S409の処理に移る。V入賞に失敗した場合、サブCPU201は、S410の処理に移る。
S409において、サブCPU201は、V入賞成功時の大当り開始演出を選択する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、V演出設定処理を終了する。
S410において、サブCPU201は、V入賞失敗時の大当り開始演出を選択する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、V演出設定処理を終了する。
S411において、サブCPU201は、小当り終了演出として大当り獲得失敗演出を選択する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、V演出設定処理を終了する。
S412において、サブCPU201は、V入賞可能な期間終了か否かを判別する。V入賞可能な期間終了の場合、サブCPU201は、S413の処理に移る。V入賞可能な期間終了でない場合、サブCPU201は、S413の処理に移る。なお、小当りの場合には、必ずV入賞失敗の演出表示を行うため、V入賞したか否かの判定を行わないようにしているが、これに限られるものではなく、小当りの場合にV入賞したか否かの判定を行い、V入賞した場合には小当りであることを報知するようにしてもよい。このように制御することによって、1・2種混合機であると認識している遊技者に対して明確に遊技性を報知することができる。
S413において、サブCPU201は、V入賞失敗演出を選択する処理を行う。本実施形態において、V入賞失敗演出としては、大当り非当選の演出が実行されることとなる。なお、V入賞したときの演出として、確変に移行することを示唆する演出、例えばV表示を行うなどの演出を行い、V入賞に失敗したときの演出として、確変に移行しないことを示唆する演出、例えばV表示を行わない、キャラクターが勝負に負けるなどといった演出を実行してもよい。
[ボタン押下演出設定処理]
図79は、サブCPU201によるボタン押下演出設定処理を示している。ボタン押下演出設定処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際してボタン押下演出の態様を決定するために呼び出される。
ここで、ボタン押下演出について、図94を参照して説明する。
図94に示すように、ボタン押下演出は、演出ボタン23を模したボタン画像2000を表示領域13aに表示する演出であり、演出ボタン23の押下操作や連打を遊技者に促すために行われる場合(通常ボタンを表示する場合)と、ボタン画像2000とともにキャラクタ2010を出現させることで映像上演出効果を生じさせる場合(キャラボタンを表示する場合)とがある。通常ボタンを表示する場合、ボタンINのタイミングで通常ボタンに係るボタン画像2000が出現し、その後、ボタン押下有効期間内において遊技者が演出ボタン23を押下操作すると、例えば大当りやはずれの場合にその旨を示すような押下演出に係る表示が行われる。ボタン押下有効期間内においては、特に図示しないが、遊技者が演出ボタン23を押下するごとにボタン画像2000が押されるような演出や、ボタン押下有効時間をカウントダウン表示するためのメータなどが表示される。
一方、キャラボタンを表示する場合においても、通常ボタンを表示する場合と同様に、ボタンINのタイミングで通常ボタンに係るボタン画像2000が出現する。その後、映像上においてボタン画像2000とともにキャラクタ2010が出現し、当該キャラクタ2010がボタン画像2000を押すようなアクションの演出表示が実行される。その後、実際に遊技者が演出ボタン23を押下操作せずとも、例えば大当りやはずれの場合にその旨を示すような押下演出に係る表示が自動的に行われる。すなわち、通常ボタンを表示する場合とキャラボタンを表示する場合においては、ボタンINのタイミングで表示される演出態様(ボタン画像2000の出現)と、最終的な押下演出のタイミングで表示される演出態様(大当りやはずれの表示)とが同一になっている。また、通常ボタンを表示する場合よりもキャラボタンを表示する場合の方が大当りの期待度が高くなるようになっている。
再び図79を参照して説明すると、サブCPU201は、ボタン連打に係る演出を実行するか否かを抽選により決定する(S421)。ボタン連打に係る演出を実行する場合、サブCPU201は、S422の処理に移る。ボタン連打に係る演出を実行しない場合、サブCPU201は、S423の処理に移る。
S422において、サブCPU201は、ボタン連打演出設定処理を実行する。この処理については、図80を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU201は、ボタン押下演出設定処理を終了する。
S423において、サブCPU201は、キャラボタンに係る押下演出を実行するか否かを抽選により決定する。キャラボタンに係る押下演出を実行する場合、サブCPU201は、S423の処理に移る。キャラボタンに係る押下演出を実行しない場合、サブCPU201は、S425の処理に移る。
S424において、サブCPU201は、キャラボタン演出設定処理を実行する。この処理については、図81を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU201は、ボタン押下演出設定処理を終了する。
S425において、サブCPU201は、その他のボタン押下を促すような演出を実行する。この処理を終了すると、サブCPU201は、ボタン押下演出設定処理を終了する。
[ボタン連打演出設定処理]
図80は、サブCPU201によるボタン連打演出設定処理を示している。ボタン連打演出設定処理は、先述したボタン押下演出設定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、変動パターンや遊技状態、当りの抽選結果等に基づいて演出を抽選した結果、ボタン連打演出フラグの値が「1」であるか否かを判別する。ボタン連打演出フラグは、ボタン連打演出が抽選結果として得られた場合であってボタン操作有効時間が経過するまで「1」としてセットされるフラグである。ボタン連打演出が抽選結果として得られたとき、ボタン連打演出フラグは、初期値として「0」が設定されている。ボタン連打演出フラグの値が「1」である場合、サブCPU201は、S434の処理に移る。ボタン連打演出フラグの値が「1」でない場合、サブCPU201は、S432の処理に移る。
S432において、サブCPU201は、図46のボタン連打ランクアップシナリオテーブルに示されるシナリオ1〜8のいずれかを選択する処理を行う。
次に、サブCPU201は、ボタン連打演出フラグに「1」をセットする処理を行う(S433)。
次に、サブCPU201は、演出ボタン23が押下されたか否かを判別する(S434)。演出ボタン23が押下された場合、サブCPU201は、S435の処理に移る。演出ボタン23が押下されない場合、サブCPU201は、S440の処理に移る。
S435において、サブCPU201は、ボタン操作有効時間とシナリオとに基づいて図46のボタン連打ランクアップシナリオテーブルからランクアップの閾値を参照する。
次に、サブCPU201は、現時点での付与ポイント累計値に応じたレベルとランクアップ閾値とのレベル差が2以上であるか否かを判別する。現時点でのレベルとランクアップ閾値とのレベル差が2以上である場合、サブCPU201は、S437の処理に移る。現時点でのレベルとランクアップ閾値とのレベル差が2以上でない場合、サブCPU201は、S441の処理に移る。
S437において、サブCPU201は、ランクアップ抽選パターンの確率を「高確率」に設定する処理を行う。これにより、次のランクアップ抽選の処理において、演出ボタン23が操作有効時間内において連打で押下されるごとにポイントが付与される可能性が相対的に高まり、ポイント累計値が増加しやすくなる。
次に、サブCPU201は、ランクアップに係る抽選を行う(S438)。このランクアップに係る抽選においては、S437あるいは後述のS441で設定されたランクアップ抽選パターンの確率に基づいてポイントを付与するか否かの抽選が行われる。
次に、サブCPU201は、現時点でのポイント累計値に応じたレベルがLV4に到達すると、所定のアイコン画像を表示する処理を行う(S439)。なお、アイコン画像が表示されると、それ以降は演出ボタン23が押下されてもランクアップに係る抽選が行われないようにしてもよい。
次に、サブCPU201は、ボタン操作有効期間が終了すると、ボタン連打演出を終了し、ボタン連打演出フラグに「0」をセットする処理を行う(S440)。この処理を終了すると、サブCPU201は、ボタン連打演出設定処理を終了する。なお、このようなボタン連打演出設定処理は、ボタン連打演出フラグとともにセットされるシナリオに応じて制御されるが、ボタン操作有効時間内においてのみS438のランクアップに係る抽選が行われるようにしてもよい。
S441において、サブCPU201は、シナリオに応じて決まるランクアップ抽選パターンの確率を設定する処理を行う。例えば、現時点でのレベルとランクアップ閾値とのレベル差が2以上でなく、図46のボタン連打ランクアップシナリオテーブルを参照してランクアップ抽選パターンが「成否」や「否」に該当しない場合、ランクアップ抽選パターンの確率としては、「低確率」に設定される。この処理を終了すると、サブCPU201は、S348の処理に移る。なお、本実施形態においては、ランクアップ抽選に当選するとポイントの増加を行うが、これに限られるものではなく、ランクアップ抽選に当選した場合には直接レベルを上げるものであってもよい。
[キャラボタン演出設定処理]
図81は、サブCPU201によるキャラボタン演出設定処理を示している。キャラボタン演出設定処理は、先述したボタン押下演出設定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、出現させるボタンを選択する処理を行う(S451)。この処理において、サブCPU201は、例えば大当りの期待度に応じてボタン画像2000の色を変化させる。
次に、サブCPU201は、出現させるキャラクタを選択する処理を行う(S452)。この処理において、サブCPU201は、例えば大当りの期待度に応じてボタン画像2000とともに出現させるキャラクタ2010のタイプを決定する。
次に、サブCPU201は、キャラクタがボタンを押すアクションを選択する処理を行う(S453)。この処理において、サブCPU201は、例えば大当りの期待度に応じてキャラクタ2010がボタン画像2000を押下する様子のアクションを変化させる。
次に、サブCPU201は、最終的な押下演出を選択する処理を行う(S454)。この処理において、サブCPU201は、例えば大当りの期待度に応じてキャラクタ2010がボタン画像2000を押下するアクションの表示後に実行すべき演出表示の内容を決定する。
次に、サブCPU201は、演出ボタン23の操作を無効化する処理を行う(S455)。これにより、キャラボタンの演出表示中にあってボタン画像2000が表示されている間、演出ボタン23が押下されてもこれを契機に何らかの演出が実行されることはない。
なお、キャラボタンの演出表示中でも、演出ボタン23の押下操作に応じて所定の演出が実行されるようにしてもよい。ボタン画像2000の色は、例えば通常では白であり、大当りの期待度が通常より高くなると赤となり、大当り確定の場合は虹色となるようにしてもよい。キャラクタの選択としては、例えば通常はキャラクタAが選択され、大当りの期待度が通常より高くなるとキャラクタBが選択され、大当り確定の場合はキャラクタCが選択されるようにしてもよい。アクションの選択としては、例えば通常はキャラクタ2010がジャンプしてボタン画像2000を押下するようなアクションが選択され、大当りの期待度が通常より高くなるとキャラクタ2010が両手でボタン画像2000を押下するようなアクションが選択され、大当り確定の場合はキャラクタ2010が寝ながらボタン画像2000を押下するようなアクションが選択されるようにしてもよい。また、キャラクタのタイプごとに固有のアクションを対応付けておいてもよい。この場合、キャラクタとアクションとが一対一の組み合わせとなり、キャラクタのタイプを選択するだけで大当りの期待度が決定付けられるが、キャラクタとアクションとが多様に組み合わせられる場合は、その組み合わせに応じて大当り期待度を示唆するようにしてもよい。押下演出の選択としては、例えば通常ははずれであればハズレ演出が選択され、大当りであれば大当り確定の演出が選択されるが、大当りかつ確変が確定するタイミング(V入賞の時点)でそれに対応する内容の演出が選択されるようにしてもよい。また、押下演出としては、大当りの期待度に限らず、遊技状態を示唆するようにしてもよいし、何らかの特典(ポイントの付与)などを報知するようにしてもよい。大当りの期待度は、通常ボタンに係る表示演出よりもキャラボタンに係る表示演出の場合の方が高くなるようにしてもよい。
[セーフモード設定処理]
図82は、サブCPU201によるセーフモード設定処理を示している。セーフモード設定処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際して演出動作時のLED輝度を設定するために呼び出される。
ここで、LED輝度に関するセーフモードについて、図95を参照して説明する。
図95に示すように、サブCPU(ホスト制御回路)201は、演出指定情報として対象とするLEDやその輝度を指定するメッセージをLED制御回路207に送信し、LED制御回路207は、受信したメッセージに基づいて指定されたLED59にLED出力信号を供給するように構成されている。LED59は、指定された輝度で点灯するように制御される。より具体的にいうと、LED制御回路207には、シリアル通信用の複数のSPI(Serial Peripheral Interface)207Aが接続され、SPI207Aのそれぞれには、LED基板あるいはLED駆動回路に相当する複数のデバイス207Bが接続され、デバイス207Bのそれぞれには、複数のポート207Cを介して複数のLED59が接続されている。例えば、LED制御回路207においては、起動時にパラメータとしてSPI0、デバイス15、ポート15が設定されると、矢印で示すLED59が指定される。
サブCPU(ホスト制御回路)201は、LED制御回路207に設定されたLED59の輝度値に基づいて、セーフモードへ移行させる。セーフモードとは、例えば1分間当りのLED59の輝度値が所定の基準値以上となる場合、当該LED59の輝度値を制限した値(制限輝度値)まで低下させた状態を意味する。LED59の1フレーム(1/30s)当りの輝度値は、例えば、パルス幅ディーティ比12段階のPWM値と、D/A変換による電流値64段階のDAC値とを掛け合わせることにより、例えば100%で「768」となり、50%で「384」となる。このようなLED59の1フレーム当りの輝度値に対して、例えば1分間の平均輝度値が50%相当となる値を所定の基準値とすると、所定の基準値は、1フレーム当りの輝度値50%×1分(60s)=384×1800=691200となる。このような所定の基準値を設定した上で、サブCPU201は、1フレームごとにLED59に対して指定した輝度値を測定し、1分間測定して得られた値を累計する。そうして得られた1分間の累計値が基準値の691200を超える場合、基準値オーバーと認識してセーフモードに移行する。セーフモードでは、例えばDAC値に0.5を乗算した値が制限輝度値とされ、このような制限輝度値に基づいてLED59が点灯制御される。これにより、所定のLED59の点灯頻度が高くなって当該所定のLED59の周辺に熱だまりが生じやすい状況になると、所定のLED59に限って輝度値が自動的に低下するようにセーフモードが設定される。なお、セーフモードは、特に熱だまりが生じやすいLEDの保護を目的として設けられているが、これに限らず、単に点灯頻度が高いLEDの長寿命化を図る観点などから設けられるものとしてもよい。
再び図82を参照して説明すると、サブCPU201は、単位時間(例えば1分)当たりに対象のLEDに設定された輝度値を算出する処理を行う(S461)。
次に、サブCPU201は、S461で算出した単位時間当たりの輝度値が予め設定された基準値を超えるか否かを判別する(S462)。単位時間当たりの輝度値が基準値を超える場合、サブCPU201は、S463の処理に移る。単位時間当たりの輝度値が基準値を超えない場合、サブCPU201は、セーフモード設定処理を終了する。
S463において、サブCPU201は、基準値を超えた以後設定される輝度値を制限輝度値として設定する処理を行う。これにより、セーフモードが設定され、制限輝度値を超えない範囲でLED59が点灯制御される。
なお、制限輝度値は、次のような条件を満たす場合に解除することが考えられる。例えば、制限輝度値が設定されてから所定時間経過したことを条件に制限輝度値を解除してもよい。また、遊技者あるいはホールの店員等による人為的な操作を条件に、輝度調節機能によってセーフモード自体を解除可能としてもよい。また、電断又は電源オンオフに応じてワークRAM203の内容をクリアすることを条件に、制限輝度値を解除するようにしてもよい。また、セーフモード解除条件として単位時間当たりのLEDの使用頻度(設定回数など)を設定しておき、当該使用頻度を継続的に測定した上で測定値がセーフモード解除条件を満たしたときにセーフモード自体を解除するようにしてもよい。この場合のセーフモード解除条件とは、単位時間当たりの輝度値が例えば0となる場合である。
[特殊演出設定処理]
図83は、サブCPU201による特殊演出設定処理を示している。特殊演出設定処理は、先述したS205の演出態様決定処理に含まれるサブルーチンであり、当該演出態様決定処理の実行に際して特殊演出を設定するために呼び出される。
ここで、特殊演出について、図96〜98を参照して説明する。
まず、図96(a)〜(e)に示すように、例えば通常のリーチ態様を伴う変動演出パターン(サブ変動パターン)では、初動、高速変動、低速変動、リーチ態様表示、ハズレ表示、停止表示が実行される。同図(a)に示すように、初動では、例えば装飾図柄1000の並び順に変動表示が開始され、変動表示の開始順に上下方向に図柄が流動するような動画が表示される。
次に、図96(b)に示すように、高速変動及び低速変動では、全ての装飾図柄1000が上下方向に流動するような動画が表示される。高速変動中は、相対的に高速度で図柄が変動するかのように表示されるため、図柄が暫時停止しないことが遊技者に示唆される。一方、低速変動中は、相対的に低速度で図柄が変動するかのように表示されるため、図柄がやがて停止することが遊技者に示唆される。
次に、図96(c)に示すように、リーチ態様表示では、例えば左側と右側に位置する装飾図柄1000が同じ図柄種類で停止表示され、中央の装飾図柄1000が引き続き低速変動によって変動表示される。
次に、図96(d)に示すように、ハズレ表示では、例えば中央の装飾図柄1000が左側及び右側の図柄とは異なる図柄種類で表示されることでハズレの表示態様となる。このとき、中央並びに左側及び右側の装飾図柄1000は、若干揺れるように表示されることで完全に停止した状態になく、演出上は変動表示中とされる。
最終的に、図96(e)に示すように、停止表示では、装飾図柄1000の揺れが収まるように表示されることで変動表示が終了となり、全ての装飾図柄1000が各々所定の図柄種類に確定した状態で完全に停止表示される。
また、図97(a)、(b)に示すように、ST中のストーリー演出区間及びバトル演出区間においては、次のような順序で演出パターンが決定される。
まず、図97(a)に示すように、ST中のストーリー演出区間においては、メイン(主制御回路70)で変動パターンが確定すると、変動パターン指定コマンドがサブ(副制御回路200)に送信されることにより、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出パターン(サブ変動パターン)を決定する(2)。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて装飾図柄の停止表示態様(図柄の組み合わせ)を指定する(3)。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて予告に係る演出パターンを指定する(4)。例えば、ここで指定される演出パターンには、例えば図柄のリーチ態様を示すリーチパターンが含まれる。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて装飾図柄の変動停止時における動作パターンを指定する(5)。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて装飾図柄の変動開始時における動作パターンを指定する(6)。
一方、図97(b)に示すように、ST中のバトル演出区間においては、メイン(主制御回路70)で変動パターンが確定すると、変動パターン指定コマンドがサブ(副制御回路200)に送信されることにより、例えば保留入賞時であれば、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドと図43の先読み演出テーブルとに基づいて先読み演出に係る演出パターンの抽選を行う(1)。また、変動パターン指定コマンドの内容は、保留情報に含められる。
そうして、保留情報に基づく図柄の変動開始時になると、サブCPU201は、当該保留情報に含まれる変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出パターン(サブ変動パターン)を決定する(2)。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて装飾図柄の停止表示態様(図柄の組み合わせ)を指定する(3)。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて予告に係る演出パターンを指定する(4)。例えば、ここで指定される演出パターンには、例えば図柄のリーチ態様を示すリーチパターンが含まれる。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて装飾図柄の変動停止時における動作パターンを指定する(5)。
次に、サブCPU201は、変動演出パターンに基づいて装飾図柄の変動開始時における動作パターンを指定する(6)。
これにより、図98(a)に示すように、例えばST中にバトル演出が実行される場合は、初動から高速変動及び低速変動を経てリーチ態様表示まで通常の変動演出パターンと同様であるものの、その後、図柄のハズレ表示等ととともに映像によるバトルリーチといったバトル演出が実行される。また、例えばST中においては、初動から高速変動まで通常の変動演出パターンと同様であるものの、その後リーチ態様が表示されずに特殊演出が実行される場合がある。この特殊演出とは、例えば装飾図柄の高速変動中に可動役物を動作させるような演出や、その変動中に装飾図柄を突然フリーズさせる(例えば、変動中の態様で停止させる、又は画面を消灯させて装飾図柄を視認不可能とする)ような演出を意味する。このような特殊演出が選択された場合においても、ST中における装飾図柄のリーチ態様としての停止の指定表示の指定や予告に係る演出パターン(リーチパターンを含む)の指定が行われるため、高速変動終了後から特殊演出を実行する場合は、リーチパターンに係る装飾図柄の表示態様を表示制御回路205に送信しないように制御する必要がある。なお、高速変動終了後から特殊演出を実行するが、これに限られるものではなく、高速変動の途中から特殊演出を実行するようにしてもよい。このような場合でも高速変動の演出を中断させ、その後にリーチパターンを有さない特殊演出を円滑に実行することができる。
ところで、特殊演出は、ST中かつバトル演出区間において実行される演出であり、限定的な状況でしか発生し得ないため、本実施形態において特殊演出が実行される場合は、リーチパターンが例外処理によって送信されないようになっている。これにより、サブCPU201が演出パターンを決定するための抽選処理用プログラムは、特殊演出に専ら対応するような条件分岐が設けられておらず、できる限り簡素化されている。
例えば、図98(b)に示すように、10.0秒変動に係る変動演出パターンでは、「変動開始」→「各種予告1段階目」→「各種予告2段階目」→「各種予告3段階目(煽り)」→「各種予告3段階目(失敗)」という順に演出内容が実行され、最終的にハズレの態様で「変動停止」となる。
また、リーチ変動に係る変動演出パターンでは、「変動開始」→「各種予告1段階目」→「各種予告2段階目」→「各種予告3段階目(煽り)」→「各種予告3段階目(成功)」という順に演出内容が実行され、さらに「左右テンパイ 図柄停止(リーチ態様表示)」を経た後、「VSボスバトル」といったバトル演出が実行されるようになっている。
そして、特殊演出に係る変動演出パターンでは、「変動開始」→「各種予告1段階目」→「各種予告2段階目」→「各種予告3段階目(煽り)」→「各種予告3段階目(成功)」という順に演出内容が実行され、その後、特殊演出が実行されるようになっている。すなわち、予告演出の内容と同時に選択されるリーチパターンは、送信されないようになっている。
再び図83を参照して説明すると、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドに基づいて特殊演出を実行するか否かを判別する(S471)。特殊演出を実行する場合、サブCPU201は、S472の処理に移る。特殊演出を実行しない場合、サブCPU201は、特殊演出設定処理を終了する。
S472において、サブCPU201は、演出パターンを選択する処理を行う。
次に、サブCPU201は、図柄を選択する処理を行う(S473)。
次に、サブCPU201は、予告演出設定処理を実行する(S474)。この処理については、図84を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、変動停止パターンを選択する処理を行う(S475)。
次に、サブCPU201は、変動開始時の動作パターンを選択する処理を行う(S476)。
次に、サブCPU201は、リーチパターンの送信停止を行う(S477)。
次に、サブCPU201は、特殊演出の内容を選択する処理を行う(S478)。この処理を終了すると、サブCPU201は、特殊演出設定処理を終了する。
[予告演出設定処理]
図84は、サブCPU201による予告演出設定処理を示している。予告演出設定処理は、先述した特殊演出設定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、予告演出の内容を選択する処理を行う(S481)。
次に、サブCPU201は、予告演出は最終的に成功となるものか否かを判別する(S482)。予告演出は最終的に成功となる場合、サブCPU201は、S483の処理に移る。予告演出は最終的に成功とならず、例えば失敗となる場合、サブCPU201は、予告演出設定処理を終了する。
S483において、サブCPU201は、リーチパターンに基づいてリーチ態様を選択する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、予告演出設定処理を終了する。
なお、本実施形態の変形例としては、次のようなものとしてもよい。
例えば、図99に示すように、大当り時のV入賞に係る動作パターンとしては、図93に示す小当り時と同一の動作パターンを設けてもよい。例えば、同図に示すように、大当りA〜Dとして大当り時のラウンドパターンが16ラウンドで構成されている場合、大当りAでは、1ラウンド目と11ラウンド目に図99に示すV入賞困難な動作パターンが適用され、大当りBでは、1ラウンド目に図99に示すV入賞困難な動作パターンが適用されるとともに、11ラウンド目に図93に示すV入賞容易な動作パターンが適用され、大当りCでは、1ラウンド目に図93に示すV入賞容易な動作パターンが適用されるとともに、11ラウンド目に図99に示すV入賞困難な動作パターンが適用され、大当りDでは、1ラウンド目と11ラウンド目に図93に示すV入賞容易な動作パターンが適用される。このような大当り時のラウンドパターンによれば、大当りの種別に応じてV入賞の可能性が異なることとなり、より有利な種別の大当りに対する期待度を高めることができる。
また、大当り時の動作パターンとして図99に示すようなV入賞困難な動作パターンを適用する場合にあっても、V演出設定処理としては、図100に示すような処理を行うようにしてもよい。図100は、S401〜S407、S411〜S413の処理が図78に示すものと同様である。すなわち、図100に示すように、S407において、大当りである場合、サブCPU201は、V入賞成功かV入賞失敗かに関係なくS500の処理に移り、常に同じ大当り開始演出を選択するようにしてもよい。一方、S407において、大当りでない場合、サブCPU201は、図78と同じくS411の処理に移り、小当り終了演出として大当り獲得失敗演出を選択する処理を行う。これによれば、V入賞の結果に関わらず2ラウンド目以降に大当り開始演出を共通化することができ、大当りか小当りかを区別するだけで演出制御に係る処理を簡素化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機や封入式遊技機にも適用することができる。また、汎用的な技術については、上記に挙げた遊技機のほか、例えばゲーミングマシン、スロットマシン、あるいはパチスロ遊技機等といった各種遊技機にも適用することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
(付記Aについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行され易い演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
しかしながら、上記のような技術では、演出モードに応じて演出の実行頻度を変えたとしても、遊技者が把握する演出モードから演出の実行頻度を推測することが容易であり、実行される演出が限定され、演出に対する興趣が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に対する興趣を低下させないように、演出を適切に選択することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記A1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な主制御手段(例えば、メインCPU71)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記主制御手段による抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記識別情報の変動時間を特定可能な情報が対応付けられた第1テーブル(例えば、低プレテーブル)および第2テーブル(例えば、低テーブル)を含む複数のテーブルのうち前記特別遊技状態の終了後に用いられるテーブルが前記特別遊技状態の終了後に成立する前記所定の始動条件の成立回数(例えば、変動回数)単位で、前記特別遊技状態の実行結果に応じて予め規定された使用テーブル切替情報(例えば、遊技状態別変動パターン選択用テーブル)が設けられ、
前記演出制御手段で制御される演出として、
前記抽選結果が前記特別遊技状態に制御される抽選結果であるときに実行可能な第1演出(例えば、擬似1〜4 プレミア)と、
前記第1演出とは異なる演出であって、前記抽選結果が前記特別遊技状態に制御される抽選結果であるときに実行可能な演出であり、前記特別遊技状態に制御される可能性が前記第1演出よりも低い第2演出(例えば、擬似1〜4 当り)と、が設けられ、
前記抽選結果が前記特別遊技状態に制御される抽選結果であるときに、前記主制御手段が前記第1テーブルに基づいて抽選を行う場合は、前記第2テーブルに基づいて抽選を行う場合よりも、前記演出制御手段が前記第1演出を制御する可能性が高く、
前記主制御手段が前記第2テーブルに基づいて抽選を行う場合、前記演出制御手段が前記第1演出よりも前記第2演出を制御する可能性が高く、
前記主制御手段は、前記使用テーブル切替情報と前記所定の始動条件の成立回数とに基づいてテーブルを切り替え、かつ前記テーブルに基づいて前記識別情報の変動時間を特定し、
前記演出制御手段は、前記主制御手段が特定した前記識別情報の変動時間に応じて演出を制御することを特徴とする。
上記構成では、始動入賞が成立したときに参照されるテーブル(低プレテーブル、低テーブル)を何れのテーブルとするかが大当り遊技状態の実行結果に応じて規定され、特別図柄の変動回数に応じてテーブルが切り替えられるが、演出自体は変動時間に応じて行われるので、テーブルの切り替えについては演出からは察知されなくなる。このため、例えば、遊技者は、プレミア演出が実行されたときに実際はプレミア演出が高確率で選択されるように設定されているにもかかわらず、低確率時に選択されたと受け止めることもあり得る。このように、遊技者が内部的にテーブルが切り替えられていることを察知できなくすることで、プレミア演出に対する遊技者の興趣を高めることが可能となる。
(付記A2)
本遊技機では、更に、
前記主制御手段は、前記特別遊技状態への移行確率が相対的に高い高確率遊技状態(例えば、確変遊技状態)と、前記特別遊技状態への移行確率が相対的に低い低確率遊技状態(例えば、非確変遊技状態)と、を制御可能であり、
前記主制御手段は、前記高確率遊技状態において、前記所定の始動条件が一定回数(例えば、変動回数124回)成立すると前記低確率遊技状態に制御し、
前記使用テーブル切替情報では、前記一定回数までは前記第1テーブルおよび前記第2テーブル以外のテーブルが規定され、前記一定回数を超えると前記第1テーブルまたは前記第2テーブルが規定されていることを特徴とする。
上記構成では、大当り終了後の遊技状態が変動回数に応じて変わるような場合であっても、遊技状態に合わせて演出に関する制御を行うことが可能となり、例えば非確変遊技状態であってもテーブルを切り替えることによって演出の傾向を変えることができるため、プレミア演出を含む演出に対する遊技者の興趣を高めることが可能となる。
(付記A3)
本遊技機では、更に、
前記使用テーブル切替情報では、更に、当初の電源投入が行われたことを契機に選択されるように、前記第2テーブルが規定されていることを特徴とする。
上記構成では、当初の電源投入時は大当り遊技状態への制御が一度も行われていないため、低テーブルに基づいて演出が選択されるように制御される。このように、大当り遊技状態の実行有無によってプレミア演出の実行頻度に差を設けることが可能となるため、大当り遊技状態に対する興趣を高めることが可能となる。
(付記A4)
本遊技機では、更に、
前記使用テーブル切替情報では、更に、前記所定の始動条件が成立した回数が特定の成立回数(例えば、変動回数700回)を超える回数では前記第2テーブルが規定されていることを特徴とする。
上記構成では、大当り遊技状態が実行されてから特定の変動回数(700回)となるまで変動演出テーブルの切り替えが行われ、特定の変動回数を越えた後は変動演出テーブル(プレミア低確率)が選択される。すなわち、特定の変動回数を消化するまでにプレミア演出が選ばれ易い期間を設けることによって、変動回数とプレミア演出とに対する興趣を高めることが可能となる。
(付記Bについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行され易い演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
しかしながら、上記のような一般的な遊技機では、演出が重畳した場合に互いに視認性を阻害してしまい遊技者が演出内容を把握することを妨げるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、遊技者が演出を把握することが容易な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記B1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出制御手段で制御される演出に関する表示を行う表示手段(例えば、液晶表示装置13)と、を備え、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、時間単位で制御される時間演出(例えば、ストーリー演出)と、前記時間演出の表示と少なくとも一部が重畳して表示され得る演出であって、前記識別情報の一の変動中の何れかのタイミングで制御される時宜演出(例えば、チャンス演出)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、前記識別情報の変動開始時に前記時間演出を実行していないときに前記時間演出および前記時宜演出を実行する場合、前記識別情報の変動開始時に前記時間演出を実行しているときに前記時宜演出を実行する場合よりも、前記識別情報の変動開始時から前記時宜演出を実行するまでの時間を長く保つことを特徴とする。
上記構成では、ストーリー演出は時間単位で制御される演出であるので、ストーリー演出が装飾図柄の複数の変動に跨って実行されることがある。
一方で、チャンス演出については、ストーリー演出が行われている場合、チャンス演出の表示がストーリー演出の表示と少なくとも一部が重畳され得るので、例えば、ストーリー演出が実行されているときにチャンス演出が実行されると、ストーリー演出が見え難くなることが考えられる。
そこで、上記構成では、ストーリー演出とチャンス演出とが開始する装飾図柄の変動が同じになった場合は、ストーリー演出がチャンス演出よりも先に実行されれている場合よりもチャンス演出が実行されるタイミングを遅くすることを特徴としている。
上記構成によれば、例えば、はじめてストーリー演出が実行されるときにチャンス演出が実行されるまでの時間を確保することで、ストーリー演出を把握し易くすることができる。また、ストーリー演出がチャンス演出よりも先に実行されているときは、ある程度ストーリー演出を見終えていると考えられ、チャンス演出を早めに実行することが可能となる。このように、チャンス演出を開始するタイミングを調整することで、遊技者によるストーリー演出の把握が容易となる。
(付記B2)
本遊技機では、更に、
前記時間演出は、一連の複数の演出内容(例えば、インターフェイス予告によるストーリー紹介内容)が1組として構成され、
前記演出制御手段は、前記識別情報の一の変動において、
前記複数の演出内容のうちの一の演出内容の演出を実行し終わった場合、前記一の変動の次の変動において、前記一の演出内容の次の演出内容の演出を実行し、
前記複数の演出内容のうちの一の演出内容の演出を実行しているときに前記時宜演出を実行した場合、前記一の変動の次の変動において、前記一の演出内容の次の演出内容の演出を実行することを特徴とする。
上記構成では、ストーリー演出に含まれるインターフェイス予告については、複数のストーリー紹介内容が1組で制御され、一のストーリー紹介内容が実行される、または一のストーリー紹介内容が実行されているときにチャンス演出が実行されると、装飾図柄の次の変動では次のストーリー紹介内容とともにストーリー演出が実行される。上記構成によれば、例えば、チャンス演出実行前に一のストーリー紹介内容を見終えている場合、単純な時間経過でストーリー演出が実行される場合よりも、ストーリー演出に対する興趣を高めることができる。
(付記Cについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行され易い演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
しかしながら、上記のような技術では、演出モードに応じて演出の実行頻度を変えることができても、演出モードの移行契機が単調である場合、演出に対する興趣の低下を招くという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記C1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)を備え、
前記演出制御手段が制御する演出として、時間単位で制御され、複数段階の演出態様からなる所定の演出(例えば、ストーリー演出)と、前記特別遊技状態の終了後に制御される特定演出モード(例えば、バトル演出区間)において実行され得る特定の演出(例えば、バトル演出によるボス撃破)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、
前記特定演出モード中に前記特定の演出を実行し、かつ前記特別遊技状態が制御された場合、前回の前記特別遊技状態の終了後に実行した前記所定の演出の段階より次の段階における前記所定の演出を実行し、
前記識別情報における一の変動において前記所定の演出の実行を終了した場合、次の変動時から、前記特別遊技状態の終了後から起算して前記識別情報が特定の回数(例えば、変動回数99回)変動するまで、前記特定演出モードであるとして演出の制御を行い、
前記特定演出モード中に前記特定の演出が実行されずに、前記特別遊技状態が実行された場合、当該特別遊技状態の終了後から前記特定の回数まで前記特定演出モードであるとして演出の制御を行うことが可能であることを特徴とする。
上記構成では、ストーリー演出は時間単位で制御され、ストーリー演出が次の段階に進行する条件は、バトル演出区間中にバトル演出によるボス撃破が実行され、かつ大当り遊技状態が制御されることである。バトル演出区間は、バトル演出によるボス撃破が実行されて大当り遊技状態になると、大当り遊技状態終了後のストーリー演出の後に行われ、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動回数が例えば99回に達するまで継続する。また、バトル演出区間中にバトル演出によるボス撃破が実行されずに大当り遊技状態となると、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動回数が例えば99回に達するまでバトル演出区間となる。
つまり、バトル演出によるボス撃破を行ったときの大当り終了後はバトル演出区間が短くなり、バトル演出によるボス撃破が行われなかったときの大当り終了後はバトル演出区間が長くなる。
したがって、上記構成によれば、例えば、ストーリー演出の段階を進行させたい遊技者に対して、ストーリー演出の段階が進行しなかった場合は、ストーリー演出の段階が進行した場合よりもストーリー演出の段階を進行させる機会、即ちバトル演出区間を長く提供でき、ストーリー演出やバトル演出に対する興趣を向上させることができる。
(付記C2)
本遊技機では、更に、
前記特別遊技状態として少なくとも、第1特別遊技状態(例えば、V入賞困難な大当り遊技状態)と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態(例えば、V入賞容易な大当り遊技状態)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、前記特定演出モード中に前記特定の演出を実行し、かつ前記第2特別遊技状態が制御された場合、前回の前記第2特別遊技状態の終了後に実行した前記所定の演出の段階より次の段階における前記所定の演出を実行することを特徴とする。
上記構成によれば、演出段階の進行に関してV入賞を左右する大当り遊技状態の種類も条件として加わるので、演出段階の進行に関する興趣と、大当り遊技状態の種類に関する興趣を高めることができる。
(付記C3)
本遊技機では、更に、
前記演出制御手段は、前記特定の演出として、前記識別情報の直近の変動中に実行した演出に係る演出(例えば、大役またぎ演出)を前記特別遊技状態中に実行することが可能であることを特徴とする。
上記構成では、特別図柄が変動する時間と大当り中の時間とを合わせてボス撃破を含む大役またぎ演出を行うことができる。上記構成によれば、特別図柄の変動中に実行される演出と、大当り中に実行されるボス撃破のバトル演出と、大当り終了後に実行されるストーリー演出とにより演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
(付記Dについて)
RTC(real-time clock)を用いた連動演出中であっても擬似連演出の期待度を遊技者に伝えることが可能な遊技機が開示されている(特開2014−180295号公報参照)。
しかしながら、上記のような擬似連演出では、擬似的な識別情報の停止(仮停止)を複数回行い、更に擬似連演出が行われた後に様々な演出が連動する場合がある。このような擬似連演出を予め定められた変動時間内に行おうとすると、時間配分に困難性が生じ、演出の種類が限定的になってしまう問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に多様性をもたらすことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記D1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記識別情報の変動時間において、前記識別情報の変動表示を仮停止させた後に変動表示を再開させる再変動表示(例えば、擬似連)を実行可能な再変動制御手段(例えば、サブCPU201)を備え、
前記再変動表示が実行される時間として、第1再変動表示時間(例えば、3.5s)と、前記第1再変動表示時間よりも長い第2再変動表示時間(例えば、7s)とが規定され、
前記再変動制御手段は、前記識別情報の変動時間において、前記第1再変動表示時間と前記第2再変動表示時間とを組み合わせて前記再変動表示を実行する所定の再変動表示(例えば、高速擬似連)を行うものであって、前記第1再変動表示時間と前記第2再変動表示時間との組み合わせにより前記変動時間が同一であっても、当該変動時間において実行される変動表示の回数を異ならせることが可能であることを特徴とする。
上記構成では、いわゆる擬似連を実行するときに、その実行時間として、相対的に短い例えば3.5sの第1再変動表示時間および相対的に長い例えば7sの第2再変動表示時間を組み合わせて高速擬似連を実行することが可能であり、変動時間が同一であっても、当該変動時間において実行される変動表示の回数を異ならせることが可能である。したがって、上記構成によれば、擬似連に係る演出の種類が増加し、演出に多様性をもたらすことが可能となるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
(付記D2)
本遊技機では、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)を更に備え、
前記再変動制御手段は、前記第1再変動表示時間および前記第2再変動表示時間の何れとも異なる第3再変動表示時間(例えば、通常の擬似連1〜4回に係る時間)に応じて前記再変動表示を実行する特定の再変動表示(例えば、通常の擬似連)を行い、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、前記所定の再変動表示が行われた後、および前記特定の再変動表示が行われた後の何れの場合にも実行される特定演出(例えば、ノーマルリーチに係る演出)が設けられ、
前記演出制御手段は、前記所定の再変動表示が行われた後に実行する前記特定演出と、前記特定の再変動表示が行われた後に実行する前記特定演出とを同じタイミングで実行することを特徴とする。
上記構成では、高速擬似連を行った後にノーマルリーチに係る演出を実行するタイミングと、通常の擬似連を行った後にノーマルリーチに係る演出を実行するタイミングとが同じとなる(図91参照)。したがって、上記構成によれば、ノーマルリーチに係る演出のプロセスを共通化することが可能となり、簡易な処理で演出を実行することができるようなる。
(付記D3)
本遊技機では、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)を更に備え、
前記再変動制御手段は、前記所定の再変動表示よりも長い再変動表示であって、前記第1再変動表示時間および前記第2再変動表示時間の何れとも異なる第3再変動表示時間(例えば、通常の擬似連1〜4回に係る時間)に応じて前記再変動表示を実行する特定の再変動表示(例えば、通常の擬似連)を行い、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、前記所定の再変動表示が行われた後、および前記特定の再変動表示が行われた後の何れの場合にも実行される特定演出(例えば、ノーマルリーチに係る演出)と、前記所定の再変動表示が行われた後であって前記特定演出が行われる前に実行される特別演出(例えば、揺れ変動)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、前記所定の再変動表示が行われた後に実行する前記特定演出と、前記特定の再変動表示が行われた後であって前記特別演出の後に実行する前記特定演出とを同じタイミングで実行することを特徴とする。
上記構成では、通常の擬似連を行った後にノーマルリーチに係る演出を実行するタイミングと、高速擬似連を行って揺れ変動を行った後にノーマルリーチに係る演出を実行するタイミングとが同じとなる。したがって、上記構成によれば、ノーマルリーチに係る演出のプロセスを共通化することが可能となり、簡易な処理で演出を実行することができるようなる。
また、上記構成では、通常の擬似連は高速擬似連よりも長いので、例えば揺れ変動によってノーマルリーチに係る演出を実行するタイミングを調節することができる。
(付記Eについて)
大当り中に特定領域へ遊技球が入球すると、確変遊技状態へ移行する遊技機が開示されている(特開2014−57840号公報参照)。
しかしながら、上記のような一般的な技術では、特定領域を遊技媒体が通過するか否かが重要な演出であり、遊技者も特定領域を遊技媒体が通過したことを認識すると、確変遊技状態へ移行すると把握することが可能であるため、遊技状態に対する認識が明確である一方、それ以上に遊技状態に対する演出を行えないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、遊技状態に対する演出を用いて特定領域に係る演出の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記E1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
特定入賞(例えば、V入賞)が容易な開放態様、および前記特定入賞が困難な開放態様に可動部材(例えば、シャッタ54a及び変位部材39)を制御する可動部材制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記特別遊技状態のときに前記特定入賞した場合、前記特別遊技状態の終了後に高確率遊技状態(例えば、確変遊技状態)を制御する高確率遊技状態制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態であって、前記特定遊技状態の終了後は前記特定遊技状態が実行される直前の遊技状態よりも有利な遊技状態とならない特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)を制御する特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU71)と、
演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技状態中に前記特定入賞した場合、前記特別遊技状態に当選した旨の報知を行う第1演出(例えば、V入賞成功時の大当り開始演出)と、
前記特定遊技状態中に前記特定入賞しなかった場合、前記特別遊技状態に当選しなかった旨の報知を行う第2演出(例えば、V入賞失敗演出)と、
前記特別遊技状態中及び前記特定遊技状態中に実行される演出であって、前記第1演出又は前記第2演出が実行されるよりも前に実行される共通演出(例えば、Vアタッカー開放演出)と、
を制御することを特徴とする。
上記構成では、大当り遊技状態では第2大入賞口54のシャッタ54a及び変位部材39がV入賞容易な開放態様に制御され、小当り遊技状態ではシャッタ54a及び変位部材39がV入賞困難な開放態様に制御され、大当り中にV入賞でV入賞成功時の大当り開始演出により大当りに当選した報知がV入賞成功時の大当り開始演出により行われ、小当り中にV入賞失敗でV入賞失敗演出により大当りに非当選した報知が行われる。また、V入賞成功時の大当り開始演出やV入賞失敗演出が実行されるよりも前に共通のVアタッカー開放演出が実行される。上記構成によれば、実際は、例えばV入賞で小当り終了後の遊技状態を制御しているにもかかわらず、あたかもV入賞で大当りに当選したかのように見せることができるので、遊技者に対して斬新な遊技性を提供することが可能である。
(付記E2)
本遊技機では、
前記特別遊技状態は、前記特定入賞可能な特定のラウンド(例えば、1R及び11R)を含む複数のラウンドを含んで構成され、
前記演出制御手段は、前記特定入賞をしたか否かにかかわらず、前記特定のラウンドより後のラウンドでは、共通の演出を実行することを特徴とする。
上記構成では、大当りであるにもかかわらずV入賞しなかった場合に大当りであることを報知しないが、V入賞可能な例えば1ラウンド目の終了後に実行される演出をV入賞時も非V入賞時も共通とすることで大当り中であることを明確にすることができる。
(付記E3)
本遊技機では、更に、
前記可動部材制御手段は、前記特別遊技状態における開放態様よりも前記特定遊技状態における開放態様の方が短くなるように前記可動部材を制御し、
前記演出制御手段は、前記特定遊技状態中に前記特定入賞した場合であっても、前記特別遊技状態に当選しなかった旨の報知を行うことを特徴とする。
上記構成では、小当り遊技状態において、V入賞時に大当りに当選しなかった旨の報知を行うことで誤った認識を与えてしまう可能性があるが、V入賞するか否かにかかわらず大当りの場合よりも第2大入賞口54のシャッタ54aの開放態様を短くすることで、これを防ぐことが可能となる。
(付記Fについて)
演出中にボタンを押下することによってポイントを獲得することが可能な遊技機が開示されている(特開2013−153805号公報参照)。
しかしながら、上記のような操作演出では、遊技者に操作手段の操作を要求するため、操作の要求を見た遊技者は演出が操作手段を起点として進行することを把握してしまい、結果として操作手段を操作した後の演出の種類も類推してしまうため、演出の種類から演出の結果が把握されてしまい、演出に対する興趣を失ってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記F1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出制御手段で制御される演出に関する表示を行う表示手段(例えば、液晶表示装置13)と、
遊技者による操作を受付可能な操作手段(例えば、演出ボタン23)と、を備え、
前記演出制御手段で制御される演出として、
前記操作手段を模する特定画像(例えば、ボタン画像2000)が表示される特定演出(例えば、ボタン画像2000が出現する演出)を含み、前記操作手段の操作有効期間が設けられている第1操作演出(例えば、通常ボタンを表示する場合の演出)と、
前記特定演出と、表示された前記特定画像を所定画像(例えば、キャラクタ2010)が操作する演出である所定演出(例えば、キャラクタ2010が出現する演出)とを含み、前記操作手段の操作有効期間が設けられていない第2操作演出(例えば、キャラボタンを表示する場合の演出)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、
前記第1操作演出では、前記特定演出後の前記操作有効期間中に前記操作手段が操作されたタイミングで前記第1操作演出に続いて行われる演出を制御可能であり、
前記第2操作演出では、表示された前記特定画像を前記所定画像が操作したタイミングで前記第2操作演出に続いて行われる演出を制御可能であることを特徴とする。
上記構成では、ボタン画像2000が表示されるとともに遊技者による操作有効期間が設けられ、その操作有効期間中に操作されたタイミングで続いて演出を実行する第1操作演出と、ボタン画像2000が表示される一方で操作有効期間が設けられておらず、ボタン画像2000をキャラクタ2010が操作するような所定演出が実行される第2操作演出が設けられている。これによれば、遊技者は、第1操作演出によりボタン画像2000が表示されたときに演出ボタン23を操作する準備を行うが、第2操作演出であった場合には演出ボタン23を操作することなく、所定演出が実行されるので、遊技者に違和感を与え、その後に実行される演出に対する興趣を向上させることができる。
(付記F2)
本遊技機では、更に、
前記第1操作演出に続いて行われる演出(例えば、大当りやはずれの場合にその旨を示すような演出)と、前記第2操作演出に続いて行われる演出(例えば、大当りやはずれの場合にその旨を示すような演出)とは、共通の演出であり、
前記第2操作演出は、前記第1操作演出よりも前記特別遊技状態に移行する期待度が高いことを特徴とする。
上記構成では、第1操作演出に続いて行われる演出と、前記第2操作演出に続いて行われる演出とが共通して大当りか否かの当選結果を報知する演出であり、前記第2操作演出の方が大当りに移行する期待度が高いので、遊技者は、前記第2操作演出におけるキャラクタ2010に対する興趣を高めることが可能となる。
(付記Gについて)
演出中にボタンを連打することによってポイントを獲得することが可能な遊技機が開示されている(特開2013−153805号公報参照)。
しかしながら、上記のような操作演出では、遊技者に必要以上の操作を要求してしまうことがあり、結果として遊技者が演出に対する興趣を失ってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に対する興趣の向上と、遊技者の操作に対する負荷との調和をとることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記G1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出制御手段で制御される演出に関する表示を行う表示手段(例えば、液晶表示装置13)と、
遊技者による操作を受付可能な操作手段(例えば、演出ボタン23)と、を備え、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、操作有効期間が規定され、前記操作有効期間中に遊技者による操作が受け付けられることに応じて演出におけるランクを上げるための特定の抽選(例えば、ランクアップ抽選)を行ってランク(例えば、レベル)を上げて特定のランク(例えば、LV4)に達すると特定表示を行う特定演出(大当りの期待度が大きいことを示唆するアイコン画像を表示する演出)が設けられ、
前記演出制御手段は、前記操作有効期間を複数間隔に区切って前記特定演出を制御し、
前記操作有効期間の各間隔には予め定められたランク閾値(例えば、上限レベルとしてのLV1〜4)が設けられ、
前記演出制御手段は、現在の間隔において、現在のランクとランク閾値との間に所定のランク差(例えば、2以上のレベル差)が存在する場合、ランクを上げる確率を現在の確率よりも高確率にして前記特定の抽選を行うことを特徴とする。
遊技者による操作有効期間を複数間隔に区切って演出を制御し、遊技者による操作に応じてランクアップ抽選を行い、徐々にレベルを上げるような演出を行う場合、操作有効期間の終了に近づくにつれ、遊技者による操作の可能回数が時間的に制限され、結果としてランクアップする機会が時間経過とともに徐々に失われる。
このような場合に、操作有効有効期間の残り時間から特定のレベルに達することが絶望的になると遊技者は操作を行わなくなってしまうため、演出の興趣が低下することが考えられる。
しかしながら、操作有効期間中であれば無制限にレベルを上げられるようにすると、早急にレベルが上がって演出が終了してしまい、操作有効期間が余ることが考えられる。そうすると、演出全体に対する興趣が低下することが考えられるため、徐々にランクアップして行くことが望まれる。
これに対し、上記構成では、操作有効期間を複数間隔に区切り、各間隔に上限レベルを設け、上限レベルと現在のレベルに所定のレベル差が存在すれば、遊技者が操作したときのレベルを上げるランクアップ抽選に当選しやすいように制御される。したがって、上記構成によれば、遊技者が操作を行う限りは、ある程度レベルが上がって演出が進行するため、興趣を失い難く、かつ演出の結果に対する興趣を向上させることが可能となる。
(付記G2)
本遊技機では、更に、
前記演出制御手段は、前記識別情報の変動が前記特別遊技状態とならない変動であるときに、前記操作有効期間のうち特定の期間以降に遊技者による操作が行われた場合、現在のランクにかかわらず、ランクを上げないようにすることを特徴とする。
上記構成では、大当りとならない変動であるときに、特定の期間以降に遊技者により操作された場合、例えばランクアップ抽選の確率を「否」とすることで、現在のレベルが如何なるレベルであってもレベルを上げないように制御し、遊技結果と演出との間に矛盾が生じないようにすることが可能となる。
(付記Hについて)
PWM(Pulse Width Modulation)制御を使用してLEDを制御する遊技機が開示されている(特開2014−117600号公報参照)。
しかしながら、上記のようなLED(発光手段の一例)の制御では、輝度値の設定を行うことで発光手段の発光態様が決定されるが、遊技機の構造などの影響により、使用頻度の高い発光手段周辺の温度が高くなり、発光手段の使用に影響を及ぼしてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発光手段を適切に使用可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記H1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出制御手段で制御される演出に応じて発光する発光手段(例えば、LED59A〜59E、59e〜59h)と、
前記発光手段に対する輝度値を設定可能な設定手段(例えば、サブCPU201、LED制御回路207)と、を備え、
前記設定手段は、前記発光手段に設定した輝度値を累積し、所定の時間内に累積した値が所定の基準値を超えたと判断した場合、以降は、前記発光手段に設定する輝度値を制限することを特徴とする。
上記構成では、例えば1分間の平均輝度値が所定の基準値を超えている場合、LED59A〜59E、59e〜59hに設定される輝度値が制限されるので、LED59A〜59E、59e〜59hの冷却効果が期待でき、LED59A〜59E、59e〜59hを適切に使用することができるようになる。
(付記H2)
本遊技機では、更に、
前記設定手段は、前記発光手段に設定する輝度値を制限しているとき(例えば、セーフモードのとき)、特定の時間内に累積した値が特定の基準値(例えば、0)以下であると判断した場合、以降は、前記発光手段に設定する輝度値を制限しないことを特徴とする。
上記構成では、特定の時間内に累積した輝度値が特定の基準値以下、例えば0である場合、LED59A〜59E、59e〜59hが冷却されていると判断し、LED59A〜59E、59e〜59hに設定される輝度値の制限としてセーフモードが解除される。上記構成によれば、LED59A〜59E、59e〜59hが冷却された適切なタイミングでLED59A〜59E、59e〜59hの輝度値を元に戻すことができるようになるので、LED59A〜59E、59e〜59hをより適切に使用することができる。
(付記Iについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行され易い演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
上記のような技術では、演出を実行しようとすると演出の種類が増えるが、一般的に演出が実行されるときには様々な演出が実行される。しかしながら、様々な演出を実行することにより、演出に係るコマンドを演出実行手段に送信するタイミングの制御が複雑になってしまう問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出における複雑なコマンドの送信タイミングの制御を簡便にすることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記I1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
演出を実行する複数の演出実行手段(例えば、表示制御回路205、音声制御回路206、LED制御回路207、駆動制御回路208)と、
演出の実行に係るコマンド(例えば、メッセージ)を送信するタイミングが規定されたテーブル(例えば、ディレクトテーブル)に基づいて、前記複数の演出実行手段の各々に前記コマンドを送信可能な送信手段(例えば、サブCPU201)と、を備え、
前記テーブルの種別として少なくとも、一の演出において一のテーブルが使用される第1のテーブル群と、一の演出において複数のテーブルが使用され得る第2のテーブル群とが設けられ、
前記第1のテーブル群のテーブル(例えば、マスターテーブル)では、前記第2のテーブル群のテーブル(例えば、スレーブテーブル)を参照することを規定可能であり、
前記送信手段は、前記コマンドが所定の領域(例えば、ディレクトバッファ)に記憶されている場合、前記コマンドに対応する前記第1のテーブル群の一のテーブルを登録し、前記一のテーブルで参照する前記第2のテーブル群のテーブルを登録し、登録したテーブルに基づいて前記コマンドを送信することを特徴とする。
上記構成では、ディレクトバッファにメッセージが記憶されている場合にメッセージが送信され、メッセージを送信するタイミングが規定されたマスターテーブルとスレーブテーブルとが設けられ、マスターテーブルでは、スレーブテーブルの何れかのテーブルを参照するかを規定可能である。また、メッセージがディレクトバッファに記憶されているときにメッセージに対応するマスターテーブルでスレーブテーブルを参照可能とするため、ディレクトバッファにメッセージが記憶されているか否かによって、スレーブテーブルを使用するか否かを決定することが可能となる。したがって、上記構成によれば、送信したいメッセージをディレクトバッファにセットするだけで、一の演出において使用される一のマスターテーブルをもとにスレーブテーブルの使用有無をも決定することが可能となり、演出における複雑なメッセージの送信タイミングの制御を簡便にすることができる。
(付記I2)
本遊技機では、更に、
前記テーブルの種別として更に、前記第1のテーブル群および前記第2のテーブル群の何れとも異なる第3のテーブル群が設けられ、
前記送信手段は、
前記第2のテーブル群のテーブルについては、前記第1のテーブル群のテーブルで参照される場合に登録し、
前記第1のテーブル群の特定のテーブルを登録し、前記特定のテーブルで参照される前記第2のテーブル群の所定のテーブルを登録している場合、前記特定のテーブルを破棄すると、前記所定のテーブルを破棄し、
前記第3のテーブル群のテーブル(例えば、シングルテーブル)については、前記第1のテーブル群のテーブルの登録および破棄にかかわらず、登録および破棄を行うことを特徴とする。
上記構成では、マスターテーブルの登録を破棄したときに、参照されているスレーブテーブルも破棄されるが、シングルテーブルは、マスターテーブルの登録および破棄にかかわらず使用可能である。例えば、複数の演出において共通に使用されるメッセージの送信タイミングをシングルテーブルに規定しておくことが可能となるので、演出における複雑なメッセージの送信タイミングの制御をより簡便にすることができる。
(付記Jについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行され易い演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
上記のような技術では、演出を実行しようとすると演出の種類が増えるが、一般的に演出が実行されるときには様々な演出が実行される。しかしながら、様々な演出を実行する場合、演出に係る制御に無駄が多くなってしまう問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出における制御を効率的に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記J1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて複数の識別情報(例えば、装飾図柄)を変動し、前記複数の識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、液晶表示装置13、表示制御回路205)と、
演出に係るコマンドを前記演出実行手段に送信可能な送信手段(例えば、サブCPU201)と、を備え、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、所定演出(例えば、初動、高速変動、低速変動)後に、前記複数の識別情報の表示結果が表示されるまでに前記複数の識別情報のうち少なくとも1つの識別情報が停止するリーチ演出(例えば、リーチ態様表示)が行われる第1演出(例えば、ST中バトル演出)と、前記第1演出より実行頻度が低い演出であって、前記所定演出後に前記リーチ演出を実行せずに特殊演出(例えば、特殊演出)が行われる第2演出(例えば、ST中特殊演出)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、前記第1演出および前記第2演出の制御では、前記所定演出の演出態様および前記リーチ演出の演出態様を選択し、
前記送信手段は、前記第2演出では、前記所定演出の演出態様に係るコマンドを前記演出実行手段に送信するが、前記リーチ演出の演出態様に係るコマンドを前記演出実行手段に送信しないことを特徴とする。
上記構成では、第1演出として例えばST中バトル演出と、これよりも実行頻度が低い第2演出として例えばST中特殊演出と、が設けられ、ST中バトル演出とST中特殊演出とでは初動及び高速変動が共通している。ここで、処理の効率化を図るために、実行頻度が高い第1演出に合わせて第2演出でも初動や高速変動の演出態様およびリーチ演出の演出態様が選択されるが、リーチ演出の演出態様に係るコマンドは、表示制御回路205に送信されない。このように、実行頻度が高い第1演出に係る処理を共通化し、実行頻度が低い第2演出では不要な処理結果を使用しない処理を設けることで、実行頻度が高い第1演出に係る処理に負荷をかけることなく処理を共通化できるので、演出における制御を効率的に行うことが可能となる。
(付記J2)
本遊技機では、更に、
前記送信手段は、演出の実行に係るコマンドを送信するタイミングか規定されたテーブル(例えば、ディレクトテーブル)に基づいて、前記複数の演出実行手段の各々に前記コマンドを送信可能であり、
前記テーブルの種別として少なくとも、一の演出において一のテーブルが使用される第1のテーブル群と、一の演出において複数のテーブルが使用され得る第2のテーブル群とが設けられ、
前記第1のテーブル群のテーブル(例えば、マスターテーブル)では、前記第2のテーブル群のテーブル(例えば、スレーブテーブル)を参照することを規定可能であり、
前記送信手段は、前記コマンドが所定の領域(例えば、ディレクトバッファ)に記憶されている場合、前記コマンドに対応する前記第1のテーブル群の一のテーブルを登録し、前記一のテーブルで参照する前記第2のテーブル群のテーブルを登録し、登録したテーブルに基づいて前記コマンドを送信することを特徴とする。
上記構成では、ディレクトバッファにメッセージが記憶されている場合にメッセージが送信され、メッセージを送信するタイミングが規定されたマスターテーブルとスレーブテーブルとが設けられ、マスターテーブルでは、スレーブテーブルの何れかのテーブルを参照するかを規定可能である。また、メッセージがディレクトバッファに記憶されているときにメッセージに対応するマスターテーブルでスレーブテーブルを参照可能とするため、ディレクトバッファにメッセージが記憶されているか否かによって、スレーブテーブルを使用するか否かを決定することが可能となる。したがって、上記構成によれば、送信したいメッセージをディレクトバッファにセットするだけで、一の演出において使用される一のマスターテーブルをもとにスレーブテーブルの使用有無をも決定することが可能となり、演出における複雑なメッセージの送信タイミングの制御を簡便にすることができる。
(付記Kについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行されやすい演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
しかしながら、上記のような一般的な遊技機では、演出が複数実行された場合に互いに視認性を阻害してしまい遊技者が演出内容を把握することを妨げるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、遊技者が演出を把握することが容易な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記K1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出制御手段で制御される演出に関する表示を行う表示手段(例えば、液晶表示装置13)と、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、一連の複数の演出内容(例えば、インターフェイス予告によるストーリー紹介内容)が1組として構成され、時間単位で制御される第1時間演出(例えば、ストーリー紹介演出)と、一の演出内容として構成され、時間単位で制御される第2時間演出(例えば、キャラクタ紹介演出)と、前記第1時間演出の表示と少なくとも一部が重畳して表示され得る演出、かつ前記第2時間演出の表示と少なくとも一部が重畳して表示され得る演出であって、前記識別情報の一の変動中の何れかのタイミングで制御される時宜演出(例えば、チャンス演出)と、が設けられ、
前記演出制御手段は、前記識別情報の一の変動において、
前記第1時間演出において前記複数の演出内容のうちの一の演出内容の演出を実行しているとき、予め定められた時間実行した場合、または前記時宜演出を実行した場合、前記一の変動の次の変動において、前記一の演出内容の次の演出内容の演出を実行し、
前記第2時間演出を実行しているとき、予め定められた時間実行した場合、または前記時宜演出を実行した場合、前記第2時間演出を終了することを特徴とする。
上記構成では、ストーリー紹介演出は所定回数を1組として制御され、キャラクタ紹介演出は1回で制御される。すなわち、ストーリー紹介演出は、関連する一連の情報を表示することが可能であり、比較的情報量の多いものを表示することができ、キャラクタ紹介演出は、1回分の情報を表示することが可能であり、ストーリー紹介演出よりも情報量が少ないものを表示することが可能である。上記構成によれば、ストーリー紹介演出およびキャラクタ紹介演出を組み合わせて演出を実行することで、情報量に合わせた演出を行うことが可能となり、遊技者が演出を把握することが容易になる。
(付記K2)
本遊技機では、更に、
前記演出制御手段は、前記識別情報の変動開始時に前記第1時間演出を実行していないときに前記第1時間演出および前記時宜演出を実行する場合、前記識別情報の変動開始時に前記第1時間演出を実行しているときに前記時宜演出を実行する場合よりも、前記識別情報の変動開始時から前記時宜演出を実行するまでの時間を長く保つことを特徴とする。
上記構成では、ストーリー紹介演出は時間単位で制御される演出であるので、ストーリー演出が装飾図柄の複数の変動に跨って実行されることがある。
一方で、チャンス演出については、ストーリー紹介演出が行われている場合、チャンス演出の表示がストーリー紹介演出の表示と少なくとも一部が重畳されるので、例えば、ストーリー紹介演出が実行されているときにチャンス演出が実行されると、ストーリー紹介演出が見え難くなることが考えられる。
そこで、上記構成では、ストーリー紹介演出とチャンス演出とが開始する装飾図柄の変動が同じになった場合は、ストーリー紹介演出がチャンス演出よりも先に実行されれている場合よりもチャンス演出が実行されるタイミングを遅くすることを特徴としている。
上記構成によれば、例えば、はじめてストーリー紹介演出が実行されるときにチャンス演出が実行されるまでの時間を確保することで、ストーリー紹介演出を把握し易くすることができる。また、ストーリー紹介演出がチャンス演出よりも先に実行されているときは、ある程度ストーリー紹介演出を見終えていると考えられ、チャンス演出を早めに実行することが可能となる。このように、チャンス演出を開始するタイミングを調整することで、遊技者によるストーリー紹介演出の把握が容易となる。
(付記Lについて)
RTC(real-time clock)を用いた連動演出中であっても擬似連演出の期待度を遊技者に伝えることが可能な遊技機が開示されている(特開2014−180295号公報参照)。
しかしながら、上記のような擬似連演出では、擬似的な識別情報の停止(仮停止)を複数回行い、更に擬似連演出が行われた後に様々な演出が連動する場合がある。このような擬似連演出を予め定められた変動時間内に行おうとすると、時間配分に困難性が生じ、演出の種類が限定的になってしまう問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に多様性をもたらすことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記L1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、装飾図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出制御手段で制御される演出に関する表示を行う表示手段(例えば、液晶表示装置13)と、
前記識別情報の変動時間において、前記識別情報の変動表示を仮停止させた後に変動表示を再開させる再変動表示(例えば、擬似連)を実行可能な再変動制御手段(例えば、サブCPU201)と、を備え、
前記演出制御手段で制御される演出として少なくとも、前記再変動表示に応じて演出の表示態様(例えば、背景色)が変化し得る所定演出(例えば、背景色変化の演出)が設けられ、
前記演出制御手段は、前記変動時間において最後に実行される前記再変動表示である最終再変動表示のときに表示される前記所定演出の最終的な表示である最終表示態様(例えば、「虹」)を決定し、前記最終再変動表示から前記変動時間において最初に実行される前記再変動表示まで、前記再変動表示に応じて表示される前記所定演出の表示態様が前記最終表示態様から変化し得るか抽選を行うことで、前記所定演出の途中の表示態様(例えば、「金」、「赤」、「緑」、「青」)を決定し、
前記表示手段は、前記再変動表示に応じて、前記演出制御手段で決定された表示態様の表示を行うことを特徴とする。
上記構成では、擬似連に応じて背景色が変化し得る演出が設けられ、この演出の最終表示色を先に決定し、最終表示色に応じて途中で表示される背景色を抽選により決定することが可能である。上記構成によれば、例えば擬似連が大当りの期待度を示す高速擬似連のような場合でも、最終表示色を変更することなく最終表示色までの背景色をランダムに変更することが可能であるので、擬似連を伴う演出に多様性をもたらすことが可能となる。
(付記L2)
本遊技機では、更に、
前記再変動表示が実行される第1再変動表示時間(例えば、3.5s)と、前記第1再変動表示時間よりも長い第2再変動表示時間(例えば、7s)とが予め規定され、
前記再変動制御手段は、前記実行回数決定手段で決定された実行回数に応じて前記第1再変動表示時間および前記第2再変動表示時間を組み合わせて前記再変動表示を実行する所定の再変動表示(例えば、高速擬似連)を行い、
前記表示手段は、前記第1再変動表示時間に実行される前記再変動表示に応じて、前記演出制御手段で決定された表示態様の表示を行うことを特徴とする。
上記構成では、擬似連を実行するときに、決定された実行回数に応じて例えば3.5sおよび7sを組み合わせて高速擬似連を実行することが可能である。したがって、上記構成によれば、演出の種類が増加し、演出に多様性をもたらすことが可能となるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、例えば3.5sという短い再変動表示時間に擬似連が実行されたときに背景色が変化し得るので、短い再変動表示時間の高速擬似連に対する興趣を向上させ、かつ擬似連を伴う演出に多様性をもたらすことが可能となる。
(付記Mについて)
図柄変動表示中の演出として、その時に実行されている演出モードに応じて実行され易い演出が異なる遊技機が開示されている(特開2012−143552号公報参照)。
しかしながら、上記のような技術では、演出モードに応じて演出の実行頻度を変えたとしても、遊技者が把握する演出モードから演出の実行頻度を推測することが容易であり、実行される演出が限定され、演出に対する興趣が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、演出に対する興趣を低下させないように、演出に対する興趣を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記M1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば、始動入賞)が成立したことに応じて遊技に関する抽選を行い、抽選結果に応じて識別情報(例えば、特別図柄)を変動し、前記識別情報の表示結果が予め定められた特別表示態様(例えば、大当りの図柄表示態様)となったことに応じて遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な主制御手段(例えば、メインCPU71)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記主制御手段による抽選結果に応じて演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記主制御手段で前記特別遊技状態の終了後に制御される遊技状態として少なくとも、前記所定の始動条件の成立回数(例えば、変動回数)が所定の回数(例えば、変動回数100回)となることが終了条件に含まれる遊技状態である第1遊技状態(例えば、非確変かつ時短遊技状態)と、前記終了条件と同じ終了条件の遊技状態であって、前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態(例えば、確変かつ時短遊技状態)と、が設けられ、
前記識別情報の変動時間を特定可能な変動パターンが対応付けられた複数のテーブルのうち前記特別遊技状態の終了後に用いられるテーブルが前記特別遊技状態の終了後に成立する前記所定の始動条件の成立回数単位で、前記特別遊技状態の実行結果に応じて予め規定され、かつ、
前記所定の回数前までは、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態の何れの遊技状態においても前記主制御手段で選択可能な変動パターンが同じになるようにテーブルが規定され、前記所定の回数では、少なくとも前記特別遊技状態に当選しなかった場合に前記主制御手段で選択される変動パターンの変動時間が前記第1遊技状態および前記第2遊技状態で異なるようにテーブル(例えば、遊技状態別変動パターン選択用テーブル)が規定されれていることを特徴とする。
上記構成では、非確変かつ時短遊技状態(「低時序」及び「低時」)および確変かつ時短遊技状態(「高時序」及び「高時」)は、何れも変動回数が例えば100回に達すると非時短となることで終了する。また、これらの遊技状態では、変動回数100回に達するまでは、同じ変動パターンが選択され得るが、変動回数100回までに大当りに当選しなかった場合(いわゆるハズレの場合)、その変動回数100回目においては、非確変かつ時短遊技状態の場合は例えば「00H05H」の変動パターンが選択される一方、確変かつ時短遊技状態の場合は例えば「00H06H」の変動パターンが選択され、互いに異なる変動パターンが選択される。
このように、各遊技状態の終了時においてハズレの場合には、遊技状態に応じて異なる変動パターンが実行されるため、変動パターンの違いにより変動時間が異なることとなるので、それまで制御されていた遊技状態が何れの遊技状態であるかを変動時間によって示唆することが可能となる。
したがって、上記構成によれば、大当り終了後の遊技状態が異なる場合など遊技者の遊技性を向上させ、変動時間と演出に対する興趣を高めることが可能になる。
(付記M2)
本遊技機では、更に、
前記第1遊技状態は、前記特別遊技状態への移行確率が相対的に低い低確率遊技状態かつ時短遊技状態であり、
前記第2遊技状態は、前記特別遊技状態への移行確率が相対的に高い高確率遊技状態かつ時短遊技状態であり、
前記主制御手段は、前記所定の始動条件の成立回数が前記所定の回数に達すると、前記時短遊技状態を終了し、前記所定の始動条件の成立回数が前記所定の回数よりも多い特定の回数(例えば、変動回数124回)に達すると、前記高確率遊技状態を終了することを特徴とする。
上記構成では、第2遊技状態の終了後は高確率遊技状態が継続する。例えば、変動回数100回においてハズレの場合には、識別情報の変動時間により何れの遊技状態であったかを把握可能となり、高確率遊技状態であるか否かを把握することが可能となるので、遊技者の遊技性を向上させ、変動時間と演出に対する興趣を更に高めることが可能になる。
(その他について)
遊技機としては、例えばパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2013−13801号公報参照)。しかしながら、このパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。