JP5380584B1 - プラスチックフィルム製の袋に液体を封入した液体袋から液体を取り出すための配管器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配管器具10は、水袋1の上面フィルムに固定されたスプール状の取水ガイド2に着脱自在に結合されて底面を取水ガイド2の下フランジに接した状態で固定される台座部材51と、台座部材51の前記底面に対して直交方向にスライド可能に台座部材51に組み合わされたスライド部材52とを備えている。スライド部材52が後退位置にある場合、中空針11の先端は台座部材51の内方に収納され、かつ、カム58の楕円形がバネ58の力で横向きになり、開閉弁57が閉塞される。操作レバー55を手指で動かしてスライド部材52を前進位置にスライドさせると、中空針11が取水ガイド2の円筒軸部2aの軸線に沿って下方に突出して水袋1の上面フィルムを突き破って袋内に進入し、中空針11の内部に水袋1内の飲料水が浸入し、かつ開閉弁52が開く。
【選択図】図5A
Description
(1)プラスチックフィルム製の袋に液体を封入した液体袋に中空針を突き刺して液体を取り出すための配管器具であること
(2)液体袋のフィルムに固定されたスプール状の取水ガイドに着脱自在に結合されて底面を取水ガイドのフランジに接した状態で固定される台座部材と、当該台座部材の前記底面に対して直交方向にスライド可能に当該台座部材に組み合わされたスライド部材とを備えること
(3)前記スライド部材は、操作レバーと中空針と管継手とを一体的に備えた本体部分と、この本体部分に対して可動する開閉弁および弁駆動機構を備えること
(4)前記操作レバーは、前記スライド部材を前進位置および後退位置にスライドさせるための手動操作用のレバーであること
(5)前記中空針は、前進位置にスライドされることにより前記底面の中央から尖った先端が突出し、後退位置にスライドされることにより前記先端が前記台座部材の内方に収納されること
(6)前記管継手は、前記中空針の先端開口から続く内部管路に外部管路を接続するための継手部分であること
(7)前記開閉弁は、前記内部管路の途中を閉塞するとともに開放する弁であること
(8)前記弁開閉機構は、前記台座部材に対して前記スライド部材が前記前進位置にスライドされる変位に連動して前記開閉弁を開放するとともに、前記後退位置にスライドされる変位に連動して前記開閉弁を閉塞すること
図2Aに示すように、飲料水を封入した水袋1は、これを水平面上に置いた自由状態では、その外形寸法に比して厚さが小さい偏平な水塊をなす。この例の水袋1は7リットルの飲料水を封入しており、おおよそ30cm×35cmの外形寸法で中央部分の厚さはおおよそ5cmであり、小さめの座布団のような形態をしている。
図1は本発明の一実施例に係る給水機の全体的な外観を示しており、図1では水袋1は装填されておらず、図3A・Bに水袋1を装填した状態を示している。給水機の主構造体は図1のように縦に細長い筒状のハウジングであり、その最上部に水袋収容部3が形成され、その下方の正面部分に給水操作部4がレイアウトされている。給水操作部4とは、利用者がコップに飲料水を受給するときに操作する部分を指しており、コップ置き場5と、その真上に配置された冷水口・温水口と、さらに上方に配置された冷水ボタン6・温水ボタン7がある。冷水ボタン6・温水ボタンは後述する冷水コック・温水コックを機械的に操作するボタンである。
水袋収容部3は、手前が円形で奧方が角形の筒状の空間を形成する床および周壁と、当該空間の上方を開閉する蓋8を備えている。水袋収容部3の床はほぼ平らで、横幅は約26cm、奥行きは約28cmであり、前述した座布団状態の水袋1の外形寸法よりかなり狭くなっている。水袋収容部3の高さは約15cmもあり、座布団状態の水袋1の厚さの3倍ほどである。
給水機の主構造体(ハウジング)には図4に示す構成が装備されている。すでに説明したように水袋収容部3に水袋1が装填され、取水管路9がその水袋1の上部に接続されて連通している。水袋収容部3の下方には冷水タンク12が配設され、さらにその下方に温水タンク13が配設されている。
冷水タンク12は、その内部上方に対流を緩和するセパレータ21が水平に配設されている。セパレータ21は支持管22によりタンク12に取り付けられており、支持管22の下端側がタンク12の底に接続された第1管路23により取水管路9に繋がっており、支持管22の上端はセパレータ21の上面に開口している。この構成により、水袋1内の飲料水が取水管路9→第1管路23→支持管22を通ってセパレータ21の上面位置から冷水タンク12に導入されるようになっている。
温水タンク13の底部には前記取水管路9に繋がった第2管路14が接続され、水袋1の飲料水が取水管路9と第2管路14を通して温水タンク13の底部位置に導入される。温水タンク13には加熱器15が付設されている。加熱器15はたとえば電熱ヒーターからなり、タンク内の飲料水を設定温度に加熱する。温水タンク13の天井部には温水コック16の付いた温水口17が接続されており、温水タンク13が満水になっていて、かつ水袋1から取水管路9・第2管路14を介して水圧が加わっていると、温水口17から温水が流出する。流出分の飲料水は水袋1から補充されて満水状態に維持される。
図4に示すように、冷水タンク12内の上部と温水タンク13内の上部がオリフィス付き管路18によって接続されて連通されている。オリフィス付き管路18には、両タンクとの接続部近くにそれぞれオリフィスが設けられている。オリフィス付き管路18は、温水タンク13で発生した蒸気を冷水タンク12に導いて凝縮させるためのものである。このため温水タンク13内に蒸気が溜まって温水の流出を阻害することがなくなる。なおオリフィスがあるので、温水タンク13から冷水タンク12に飲料水が流れることはない。また、オリフィス付き管路18により冷水タンク12に蒸気を導入することにより、冷水タンク内を殺菌する効果もある。
図5A・B・Cに配管器具10の構成を詳しく示している。配管器具10は、前述したフレキシブルな取水管路9の上端に取り付けられ、水袋1のプラスチックフィルムに中空針11を突き刺し、水袋1の内部と取水管路9とを連通接続し、水袋1の飲料水を取水管路9を通して外部下方に導くための器具である。
図4に戻って説明を続ける。冷水タンク12と温水タンク13がともに空になっている初期状態において、水袋収容部3に水袋1をセットし、取水管路9の先端の配管器具10を取水ガイド2に結合してスライド部材52を前進位置にスライドさせる。すると水袋1と取水管路9が中空針11により連通接続されるところ、両タンクおよび取水管路9内が空になっているので、そのままでは水袋1の飲料水は流出しない。この初期状態においては、水袋1を軽く手で押して加圧すると、袋内の飲料水が取水管路9に流出する。流出した飲料水が取水管路9の所定位置まで達すると、あとは重力によるサイホンの原理で水袋1内の飲料水が継続的に吸い出され、冷水タンク12と温水タンク13が満水状態になるまで流出する。
通常の使用状態では、冷水タンク12と温水タンク13はほぼ満水状態に保たれ、利用者が冷水コック16や温水コック17を開いて飲料水を受給すると、そのように給水した分量の飲料水が水袋1から冷水タンク12や温水タンク13に補給される。そして、水袋1が空っぽになると、温水タンク13だけでなく、冷水タンク12もほぼ満水状態に保たれたまま、コック16・17を開いても飲料水はでなくなる。このとき取水管路9にも飲料水が詰まっている。この状態で、空になったペチャンコの水袋を満水の水袋に交換することになる。
温水タンクがなく冷水タンクのみの給水機にもこの発明は適用できる。その場合、冷水タンクの冷却器を廃止して常温タンクとしてもよい。また、下方の温水タンクの加熱器を廃止して常温タンクとし、上方の冷水タンクと下方の常温タンクの2つにしてもよい。
これまで詳述したような給水機を前提としなくても、この発明に係る配管器具10の活用の場面はある。いちばんシンプルな活用例を説明する。図5の配管器具10における管継手56にフレキシブルな長いチューブを接続し、当該チューブの先端にコックを取り付けておく。そして、水袋1を適当なバスケットなどに収容し、厨房などの棚の上に置く。その水袋1に本発明の配管器具10を上述のように結合して連通接続し、上記チューブを水袋1の位置よりも低い位置に垂れ下がる状態とする。チューブ下端のコックを開くと、チューブ下端から水袋1内の飲料水が出てくる。
液体袋と中空針とが所定の幾何学的関係性を保った状態で中空針が液体袋に突き刺さるので、操作に不慣れな人でも失敗がなく、水漏れの心配がなくなる。液体袋から中空針を抜くと、開閉弁が自動的に閉じるので、中空針からの液だれは最小限になるので、周囲を液だれで汚すことは少ない。液体袋を交換する際に、管継手に接続している取水管に液体が満たされた状態に保たれるので、新たに接続した液体袋を手で押さなくても、サイホンの原理で自動的に液体を流下させることができる。
Claims (3)
- プラスチックフィルム製の袋に液体を封入した液体袋に中空針を突き刺して液体を取り出すための配管器具であって、
液体袋のフィルムに固定されたスプール状の取水ガイドに着脱自在に結合されて底面を取水ガイドのフランジに接した状態で固定される台座部材と、当該台座部材の前記底面に対して直交方向にスライド可能に当該台座部材に組み合わされたスライド部材とを備え、
前記スライド部材は、操作レバーと中空針と管継手とを一体的に備えた本体部分と、この本体部分に対して可動する開閉弁および弁駆動機構を備え、
前記操作レバーは、前記スライド部材を前進位置および後退位置にスライドさせるための手動操作用のレバーであり、
前記中空針は、前進位置にスライドされることにより前記底面の中央から尖った先端が突出し、後退位置にスライドされることにより前記先端が前記台座部材の内方に収納され、
前記管継手は、前記中空針の先端開口から続く内部管路に外部管路を接続するための継手部分であり、
前記開閉弁は、前記内部管路の途中を閉塞するとともに開放する弁であり、
前記弁開閉機構は、前記台座部材に対して前記スライド部材が前記前進位置にスライドされる変位に連動して前記開閉弁を開放するとともに、前記後退位置にスライドされる変位に連動して前記開閉弁を閉塞する
配管器具。 - 前記管継手は前記スライド方向に対してほぼ直交方向に突出している請求項1に記載の配管器具。
- 前記台座部材の底面部分にはU字型結合部が形成され、前記取水ガイドの上下のフランジ間の円筒軸部に対して前記U字型結合部をその径方向にスライドさせて組み合わせ、前記U字型結合部のU字内に前記円筒軸部を嵌め合わせることで両者が結合する
請求項1または2に記載の配管器具。
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