JP5379676B2 - シミュレーション装置およびシミュレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のAS(Autonomous System)から構成されるネットワークにおける、各ルータの最適経路のシミュレーション技術に関する。
IP(Internet Protocol)ネットワークの運用において、ルータの増設時や、ルータのメンテナンスのためのトラフィックの迂回時等に、パラメータの一時的な変更作業が必要となる。このとき、事前にパラメータ変更の影響をコンピュータ上で再現するネットワークシミュレータを利用することで、事前に手順ミスや設計ミスを発見できる。
一方で、IPネットワークでは、さまざまなルーティングプロトコルが運用されているが、設定や運用が最も複雑なプロトコルがBGP(Border Gateway Protocol)である。BGPは、インターネットを構成する各組織(ISP(Internet Services Provider)や企業等)のネットワークを相互に接続し、経路情報を交換するプロトコルであり、設定や運用が複雑であるうえ、設定ミスがネットワークに対して大きな影響を及ぼす可能性がある。
このような状況において、BGPのプロトコルの振る舞いをコンピュータ上で再現するBGPシミュレーション技術の研究がされている(非特許文献1参照)。BGPシミュレーション技術では、ルータ同士が交換するBGPのメッセージをコンピュータ上でシミュレートし、BGPレベルでの最適経路を算出するものである。しかし、個々のメッセージの交換をシミュレートするため、シミュレーションの対象となるネットワークの規模(ルータ数や経路数)が大きくなると、シミュレーション時間が増大するという課題があった。
これに対し、BGPの最適経路選択プロセスの特徴を利用し、個々のBGPメッセージのシミュレーションを省略することで、高速なシミュレーションを実現する技術が提案されている(非特許文献2,3参照)。これらの技術は、BGPメッセージ内に記述され、最適経路選択時に参照されるBGP属性値のみを比較することで最適経路を算出する。具体的には、AS内に広告される経路情報について、AS内のすべてのノードで一意に優劣が決定できる属性値(例えば、Local-preference、ORIGIN、AS_PATH長、MED等)を比較することで、最適経路を選択する。この手法を適用することにより、最適経路選択のシミュレーション時間を大幅に削減することが可能である。
Bruno Quoltin, Steve Uhlig, "Modeling the Routing of an Autonomous System with C-BGP," IEEE Network, November/December 2005, pp.12-19 小島、井上、塩本、「BGPシミュレーション高速化方式の一検討」、08年信学会総合大会、B-6-62、2008年3月 小島、井上、塩本、「Closest Exitルーティングに対応したiBGPシミュレーション高速化方式の検討」、09年信学会ソサイエティ大会、B-6-57、2009年9月
しかし、前記したシミュレーション技術は、単一のAS内のみを対象としており、複数のASから構成されるネットワークには適用できない。これは、単一のAS内においては、最適経路を決定する際に参照される大半のBGP属性値は変化しないが、ASを超えて広告される際に(つまり、eBGPピアに広告される際に)、いくつかのBGP属性値が変化してしまうため、単純に入力された経路情報のBGP属性値を比較する手法が適用できないためである。従って、現状のシミュレーション技術は、複数のASからなる大規模なネットワークを対象とした場合には、適用できないことがある。このため大規模なネットワークにおいて、最適経路選択のシミュレーションを行う場合、多くの時間を要するという問題があった。そこで、本発明は、前記した問題を解決し、複数のASから構成されるネットワークにおいて、各ルータの最適経路選択のシミュレーションに要する時間を低減することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、BGP(Border Gateway Protocol)により経路情報を交換するルータを備える複数のAS(Autonomous System)により構成されるネットワークにおいて、(1)ルータが選択する最適経路を計算するシミュレーション装置であって、ASそれぞれに属するルータの識別情報、ルータ間の接続情報およびルータ間を接続するリンクのコストを示したネットワーク構成情報、(2)シミュレーション対象のネットワークに広告する宛先プレフィックスと、その宛先プレフィックスの経路情報を広告するルータの識別情報とを示した宛先プレフィックス情報、並びに、(3)ASのルータごとの経路情報リストを記憶する記憶部と、ネットワーク構成情報および宛先プレフィックス情報を入力部経由で受信し、記憶部に記憶する情報受信処理部と、記憶部に記憶されたネットワーク構成情報を参照して、ネットワークを構成するAS間の接続情報およびAS間を接続するeBGP(external BGP)ピアの両端となる境界ルータの識別情報とを示したASレベルネットワーク情報と、ASごとに、ASに属するルータの接続情報およびルータ間を接続するリンクのリンクコストを示したAS内ネットワーク情報とを作成し、記憶部に記憶するネットワーク情報作成部と、AS内ネットワーク情報を参照して、ASごとに、当該ASのルータそれぞれが受信する経路情報を示した経路情報リストを作成し、この経路情報リストの中から、ルータそれぞれの宛先プレフィックスごとの最適経路を選択する最適経路選択処理を行うAS内最適経路選択部と、AS内の境界ルータのうち、最適経路選択処理により選択した最適経路が、記憶部に記憶された更新前の経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがあるか否かを判定するAS外広告経路判定処理を行うAS外経路告判定部と、AS外経路広告判定処理の結果、最適経路選択処理により選択した最適経路が、記憶部に記憶された更新前の経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがあると判定されたとき、当該境界ルータである広告元ルータとeBGPピアにより接続される広告先ルータの経路情報リストにおいて、広告元ルータの最適経路選択処理により選択した最適経路の経路情報に広告元ASをAS_PATHに追加し、Local Preferenceを削除することで、記憶部に記憶された経路情報リストを更新するAS外経路広告処理を行うAS外経路広告部と、AS外経路広告判定処理の結果、最適経路選択処理により選択した最適経路が、記憶部に記憶された更新前の経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがないと判定されたとき、記憶部に記憶された経路情報リストを参照して、ルータそれぞれの宛先プレフィックスごとに、その宛先プレフィックスへの最適経路を示した最適経路情報を作成し、この作成した最適経路情報を出力部経由で出力する最適経路情報作成部とを備え、AS内最適経路選択部は、経路情報リストに示される経路情報のうち、同じ宛先プレフィックスに関する経路情報が複数あるとき、その経路情報それぞれに付加されるBGP属性値のうち、Local Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDについて、(1)Local Preference、(2)AS_PATH長、(3)ORIGIN、(4)MEDの順に値を比較し、その結果、最も優先度の高い経路情報の経路を、当該ルータにおける宛先プレフィックスへの最適経路として選択する最適経路計算処理を実行する最適経路計算部と、最適経路計算部において、複数の経路情報それぞれのLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDの値がすべて同じであるとき、ネットワーク構成情報を参照して、経路情報それぞれのNEXT_HOP属性値に示されるルータへのIGPコストの合計値を計算し、経路情報の中から、この計算したIGPコストの合計値が最も小さくなるNEXT_HOP属性値を持つ経路情報を最適経路として選択する経路情報選択処理を実行する経路情報選択部とを備え、AS内最適経路選択部は、AS外経路広告部によるAS外経路広告処理が行われた場合に、更新された前記経路情報リストに基づき、広告先ルータの属する他のASの最適経路選択処理を実行し、AS外広告経路判定部により、AS外経路広告判定処理の結果、当該最適経路選択処理により選択した最適経路が、記憶部に記憶された更新された経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがないと判定されるまで、広告先ルータの属する他のASの最適経路選択処理を繰り返すことを特徴とする。
このように、シミュレーション装置は、複数のASから構成されるネットワークにおいて、AS間の接続関係であるASレベルネットワークと、各AS内のルータの接続関係であるAS内ネットワークとに分ける。そして、このASレベルネットワークを示すASレベルネットワーク情報と、AS内ネットワークを示すAS内ネットワーク情報とを作成する。ここで、各AS内のルータそれぞれの最適経路の計算には、非特許文献2,3に記載のシミュレーション(高速シミュレーション)を適用する。また、ASレベルネットワークについては、AS間で広告される経路情報をシミュレートし、各ASが経路情報の広告を受けたときには、各ASで最適経路(ベストパス)を計算する。つまり、AS内のルータごとに最適経路選択処理を実行し、そのASから他のASへ広告すべき経路情報がある場合(経路情報リストにおける最適経路が変更になった場合、または、新たな経路情報が追加された場合)、ASレベルネットワーク情報を参照し、eBGPピアにより、他のASにどのような経路情報が広告されるかをシミュレーションする。このように、シミュレーション装置は、複数のASから構成されるネットワークにおいて、AS間と、AS内とで各ルータの最適経路選択のシミュレーションの方法を分けることで、複数のASから構成されるネットワークにおける各ルータの選択する最適経路のシミュレーションに要する時間を低減できる。
また、本発明は、ネットワーク構成情報が、eBGPピアごとに、当該eBGPピアに設定されたBGPフィルタの情報をさらに含み、AS外経路広告部は、BGPフィルタの情報に従い、経路情報リストにおける広告先ルータの経路情報を更新することを特徴とする。
このようにすることで、シミュレーション装置は、ネットワーク内の各eBGPピアに設定されたBGPフィルタに従い、各ルータの最適経路選択のシミュレーションを行うことができる。
本発明によれば、シミュレーション装置は複数のASから構成される大規模なネットワークにおける各ルータの選択する最適経路のシミュレーションに要する時間を低減できる。
本実施の形態のシミュレーション方法による最適経路のシミュレーションの対象となるIPネットワークを例示した図である。 本実施の形態のシミュレーション方法を概念的に説明した図である。 本実施の形態のシミュレーション装置の構成例を示した図である。 図3のシミュレーション装置の処理手順を示す図である。 図3のBGPベストパス選択プロセス情報を示した図である。 図1のIPネットワークに宛先プレフィックスaの経路情報が広告されたときのシミュレーション結果を例示した図である。 図4のS31の処理の詳細を示した図である。 図7のS14の処理の詳細を示した図である。 (a)〜(c)は、図3の経路情報リストを例示した図である。
以下、本発明のシミュレーション装置の実施の形態を説明する。まず、図1,2を用いて本実施の形態の概要を説明する。ここでは、本実施の形態のシミュレーション装置が、図1に示すIPネットワークの各ルータ(ノード)4において選択される最適経路(ベストパス)のシミュレーション(BGPシミュレーション)を実行する場合を例に説明する。このIPネットワークは、AS1,2,3を備え、それぞれのASは、1以上のルータ4を備える。AS内のルータ4は、iBGP(internal BGP)により接続される。ここで、AS1は、ルータ4A〜4Fを備える。また、AS2は、ルータ4G,4H,4Kを備える。さらに、AS3は、ルータ4I,4J,4Lを備える。また、このASの境界ルータ(ASBR)間にはBGPメッセージ(経路情報)を交換するためのeBGPピアが確立されている。例えば、境界ルータであるルータ4G,4C間、4H,4D間にはそれぞれeBGPピアが確立されており、AS2に入力されたプレフィックスaの経路情報は、各eBGPピアにより、AS1へ広告される。
このようなIPネットワークにおけるBGPシミュレーションを実行するとき、シミュレーション装置は、図2に示すような処理を実行する。すなわち、まず、シミュレーション装置は、図1のIPネットワークにおけるAS1〜3について、図2に示すようにASごとに、そのASを構成するルータ4の接続関係を示したAS内ネットワーク(AS内ネットワーク情報)を作成する。また、各AS内のルータ4が保持するeBGPピアを抽出し、これらのeBGPピアの両端となるルータ4(ASBR)と、このeBGPピアにより相互に接続されるASとを示したASレベルネットワーク(ASレベルネットワーク情報)を作成する。
ここで、宛先プレフィックスaの経路情報が、まず、AS2のルータ4Kへ入力される場合を考える。シミュレーション装置は、AS2に関するAS内ネットワークを参照して、AS2のルータ4Kに宛先プレフィックスaの経路情報が入力された場合における各ルータ4のベストパス選択のシミュレーションを、非特許文献2,3に記載の方法に基づき実行する。つまり、高速シミュレーションを実行する。そして、このシミュレーションの結果、AS2のeBGPピアにより、他のASに広告される経路情報があれば、ASレベルネットワークを参照して、その経路情報が、どのASのどのルータ4に広告されるかを特定する。例えば、シミュレーション装置は、AS2のルータ4GからeBGPピアによりルータ4Cへ経路情報が広告されることを特定する。そして、シミュレーション装置は、ルータ4Gからの経路情報がeBGPピアへ広告される際のBGP属性値の変更ルールにのっとり、この経路情報のBGP属性値を変更して、ルータ4Cに広告される経路情報のシミュレーションを行う。そして、シミュレーション装置は、このBGP属性値変更後の経路情報がAS1のルータ4Cに広告されたものとして、AS1内のベストパス選択のシミュレーション(非特許文献2,3に記載の方法に基づく高速シミュレーション)を実行する。このシミュレーションの結果、eBGPピアにより、他のAS(AS3)に広告される経路情報があれば、シミュレーション装置は、前記した処理と同様に、経路情報がeBGPピアへ広告される際のBGP属性値の変更ルールにのっとり、この経路情報のBGP属性値を変更して、AS3へ広告される経路情報のシミュレーションを行う。そして、このBGP属性値変更後の経路情報がAS3のルータ4(例えば、ルータ4J)に広告されたものとして、AS3内のベストパス選択のシミュレーション(高速シミュレーション)を実行する。
このように、シミュレーション装置は、複数のASからなるIPネットワークについて、AS内のシミュレーションとAS間のシミュレーションとを組み合わせることで、大規模なIPネットワークにおけるベストパス選択のシミュレーションに要する時間を低減できる。
<構成>
次に、図3を用いてシミュレーション装置の構成を説明する。シミュレーション装置10は、シミュレーション対象のIPネットワークのネットワーク構成情報131をもとに、IPネットワーク内の各ルータ4で選択されるベストパスをシミュレーションする。このシミュレーション装置10は、入力部11、処理部12、記憶部13および出力部14を備える。入力部11は、ネットワーク構成情報131、宛先プレフィックス情報132等の入力を受け付ける。処理部12は、AS内の各ルータ4の選択するベストパスをシミュレーションする。記憶部13は、処理部12がベストパスをシミュレーションするときに参照する各種情報を記憶する。出力部14は、処理部12によりシミュレーションされたベストパスを示すベストパス情報を出力する。
入力部11および出力部14(入出力部)は、入出力インタフェースや通信インタフェースから構成される。また、処理部12は、このシミュレーション装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)によるプログラム実行処理や、専用回路等により実現される。さらに、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成される。なお、処理部12の機能をプログラム実行処理により実現する場合、記憶部13には、処理部12の機能を実現するためのプログラムが格納される。
以下、処理部12の詳細と、記憶部13に記憶される情報の詳細を説明する。
処理部12は、情報受信処理部(経路情報受信部)120と、ネットワーク情報作成部121と、AS内ベストパス(最適経路)選択部122と、AS外経路広告処理部123と、ベストパス(最適経路)情報作成部124とを備える。
情報受信処理部120は、入力部11経由でネットワーク構成情報131および宛先プレフィックス情報132を受信すると、これらの情報を記憶部13に記憶する。なお、このネットワーク構成情報131は、IPネットワークを構成するASと、そのASに属するルータ4の識別情報、ルータ4間のBGPピアの接続状態およびルータ4間を接続するリンクのコストを示した情報である。宛先プレフィックス情報132は、宛先プレフィックス(アドレス)ごとに、この宛先プレフィックスの経路情報を最初に広告するルータ4(広告元ルータ)を示した情報である。なお、宛先プレフィックス情報132は、BGP属性値に関する情報も含んでいてよい。
Figure 0005379676
ネットワーク情報作成部121は、ネットワーク構成情報131を参照して、ASレベルネットワーク情報135とAS内ネットワーク情報136とを作成し、記憶部13に記憶する。このASレベルネットワーク情報135は、IPネットワークを構成するAS間の接続情報と、このAS間を接続するeBGPピアの両端となる境界ルータの識別情報とを示した情報である(図2のASレベルネットワーク参照)。また、AS内ネットワーク情報136は、ASごとに、このASに属するルータ4の接続情報およびルータ4間を接続するリンクのリンクコストを示した情報である。
AS内ベストパス選択部122は、ASレベルネットワーク情報135、AS内ネットワーク情報136、宛先プレフィックス情報132およびBGPベストパス選択プロセス情報134(後記)を参照して、シミュレーション対象のAS内の各ルータ4において選択されるベストパスのシミュレーションを行う。
このようなAS内ベストパス選択部122は、ベストパス(最適経路)計算部1221と、経路情報選択部1222と、シミュレーション部1223とを備える。
ベストパス計算部1221は、シミュレーション対象のIPネットワークのAS内ネットワーク情報136を参照して、ルータ4それぞれが受信する経路情報を示した経路情報リスト133を作成する。そして、この経路情報リスト133に示される経路情報のうち、同じ宛先アドレスに関する経路情報が複数あるとき、その経路情報それぞれに付加されるBGP属性値のうち、Local Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDについて、(1)Local Preference、(2)AS_PATH長、(3)ORIGIN、(4)MEDの順に値を比較し、その結果、最も優先度の高い経路情報の経路を、当該ルータ4における宛先アドレスへの最適経路として選択する。なお、このように(1)Local Preference、(2)AS_PATH長、(3)ORIGIN、(4)MEDの順に値を比較し、その結果、最も優先度の高い経路情報の経路を、当該ルータ4における宛先アドレスへのベストパスとして選択することについては、BGPベストパス選択プロセス情報134(後記)に記憶されているルールに基づき行われる。このベストパス計算部1221による経路情報リスト133の作成処理は、非特許文献2,3に記載の技術により実現される。
経路情報選択部1222は、ベストパス計算部1221において、複数の経路情報それぞれのLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDがすべて同じであるとき、つまり、これらのBGP属性値の比較によりベストパスが選択できなかったとき、以下の処理を行う。すなわち、経路情報選択部1222は、AS内ネットワーク情報136を参照して、経路情報リスト133に示される経路情報について、その経路情報それぞれのNEXT_HOP属性値に示されるルータ4(宛先プレフィックス宛にパケットを送信するときの自ASの出口となる境界ルータ)へのIGPコストの合計値を計算する。つまり、当該経路情報を持つルータ4が、当該経路情報に示される宛先プレフィックスへパケットを送信するとき、そのパケットが経由する境界ルータまでのコストがどの程度かを計算する。コストは、AS内ネットワーク情報136に示されるリンクコストの値を参照して計算する。経路情報選択部1222は、これらの同じ宛先アドレス宛の経路情報の中から、IGPコストの合計値が最も小さくなるNEXT_HOP属性値を持つ経路情報を選択する。これにより、シミュレーション装置10は、当該ルータ4の受信する経路情報に、同じ宛先アドレスの経路情報が複数ある場合において、その中で、最もIGPコストが小さい(つまり、自ルータから近い)ルータ4(NEXT_HOP)をベストパスとして選択する。
シミュレーション部1223は、ベストパス計算部1221において、同じ宛先アドレスに関する経路情報のLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDがすべて同じであり、かつ、経路情報それぞれのIGPコストの合計値も同じであると判断されたとき、以下の処理を行う。すなわち、シミュレーション部1223は、AS内ネットワーク情報136と、BGPベストパス選択プロセス情報134とを参照して、経路情報ごとに、当該経路情報が広告されるAS1内のルータ4間のBGPピアをトレースし、各ルータ4が選択するベストパスをシミュレーションする。ここでのシミュレーションは、例えば、非特許文献1に記載の技術により実現される。
AS外経路広告処理部123は、AS外にどのような経路情報が広告されるかをシミュレーションする。このようなAS外経路広告処理部123は、AS外広告経路判定部1231と、AS外経路広告部1232とを備える。
AS外広告経路判定部1231は、AS内ベストパス選択部122により選択されたベストパスが、経路情報リスト133に示される当該境界ルータのベストパスと異なるものか否かを判断する(AS外経路広告判定処理)を実行する。すなわち、実際のIPネットワークにおいて、ASの境界ルータのルーティグテーブルのベストパスが変更されたとき、またはベストパスが新規追加されたとき、境界ルータは、このベストパスの経路情報をeBGPピアにより他のASの境界ルータへ広告する。AS外広告経路判定部1231は、このようにASの境界ルータにおけるベストパスの変更または追加により、他のASに広告される経路情報があるか否かを判断する。
AS外経路広告部1232は、AS内ベストパス選択部122により選択されたベストパスが、経路情報リスト133に示される当該境界ルータのベストパスと異なるものであるとき、以下の処理を行う。すなわち、AS外経路広告部1232は、広告元ルータのベストパスの経路情報に、広告元ASのAS_PATHを追加し、また、この経路情報からLocal Preferenceを削除する。そして、AS外経路広告部1232は、経路情報リスト133における、この経路情報の広告先のルータ4の経路情報として、このBGP属性値を変更する。また、ASレベルネットワーク情報135を参照して、当該eBGPピアにBGPフィルタが設定されているときには、そのBGPフィルタの内容に従って、経路情報におけるBGP属性値を変更する。そして、そのBGP属性値を変更した経路情報を、経路情報リスト133における、当該広告先ルータの経路情報として追加する。このようにすることで、AS外経路広告部1232は、他のASへ広告される経路情報をシミュレーションできる。なお、このようにして経路情報リスト133が更新されると、AS内ベストパス選択部122は、この更新された経路情報リスト133を参照して、この広告先ルータの属するAS内におけるベストパス選択のシミュレーションを実行する。
AS内ベストパス選択部122は、ベストパス計算部1221、経路情報選択部1222、シミュレーション部1223により各ルータ4のベストパスを決定すると、このベストパスを示した情報をベストパス情報作成部AS外経路広告処理部123へ出力する。
ベストパス情報作成部124は、AS外広告経路判定部1231により、経路情報リスト133における各ルータ4のベストパスの変更がないと判定されたとき、ルータそれぞれの宛先プレフィックスごとに、その宛先プレフィックスへのベストパスを示した最適経路情報を作成し、この作成した最適経路情報を出力部14経由で出力する
次に、記憶部13を説明する。記憶部13は、宛先プレフィックス情報132と、ネットワーク構成情報131と、経路情報リスト133と、BGPベストパス選択プロセス情報134とを記憶する。
宛先プレフィックス情報132は、シミュレーションの対象となるAS内に広告される宛先プレフィックス(宛先プレフィックスの経路情報)を示した情報である。なお、この宛先プレフィックス情報132は、宛先アドレスと、この宛先アドレスへのNEXT_HOPと、Local Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMED等のBGP属性値とを含む。
ネットワーク構成情報131は、シミュレーションの対象となるASのルータ4の識別情報や、そのAS内におけるルータ4がどのルータ4とリンク接続されているか、どのルータ4とBGPピアを確立しているか、それぞれのリンクのコストの値はいくらか、等を示した情報である(図1参照)。
経路情報リスト133は、シミュレーションの対象となるIPネットワークのルータ4ごとに、各宛先プレフィックスに対して、それぞれのルータ4が受信する経路情報の一覧と、ベストパスとして選択された経路情報を表すものである。なお、経路情報リスト133の具体例は、後記するが、例えば、図9(a)〜(c)に示すように、ルータ4ごとに、各宛先プレフィックスに対して、それぞれのルータ4が受信する経路情報(次ホップ(NEXT_HOP)、AS_PATH等のBGP属性値を含む)の一覧と、経路情報のうち、どの経路情報がベストパスかを示す情報が含まれる。
BGPベストパス選択プロセス情報134は、各ルータ4において複数の経路情報の中からベストパスを選択するときのルールを示した情報である。図5の各ルールに付された数字は、このルールの適用の優先順位を示す。つまり、ベストパス計算部1221は、経路情報が複数あったとき、このBGPベストパス選択プロセス情報134を参照して、1.Local Preferenceの最も大きい経路を優先する、2.AS_PATH長が最も短い経路を優先する、3.ORIGINが最も小さい経路を優先する、4.MEDが最も小さい経路を優先(同じASからのみ経路のみ比較対象とする)という順にルールを適用し、各ルータ4において選択されるベストパスを判断する。つまり、1のルールでベストパスが決定できなければ、2のルールでベストパスを決定し、2のルールでベストパスが決定できなければ、3のルールでベストパスを決定する、というように順次ルールを適用してベストパスを決定する。なお、このBGPベストパス選択プロセス情報134に示されるルールの適用順は、BGPを実装した各ルータ4においてベストパスの選択に用いられるルールの適用順と同じである。
AS内ネットワーク情報136は、ASごとに、当該ASに属するルータの接続情報およびルータ4間を接続するリンクのリンクコストを示した情報である。このAS内ネットワーク情報136は、AS内ベストパス選択部122が、当該AS内のベストパスを選択する際に参照される。
ASレベルネットワーク情報135は、IPネットワークを構成するAS間の接続情報と、このAS間を接続するeBGPピアの両端となる境界ルータの識別情報とを示した情報である(図2参照)。このASレベルネットワーク情報135は、AS外経路広告処理部123が、ASの境界ルータが外部ASへ経路情報を広告する際に、どのASのどの境界ルータに広告されるのかを特定するときに参照される。
<処理手順>
次に、図4を用いて、図3のシミュレーション装置10の処理手順を説明する。まず、シミュレーション装置10の情報受信処理部120は、入力部11経由で、ネットワーク構成情報131および宛先プレフィックス情報132の入力を受け付ける(S1)。そして、入力された各情報は、記憶部13の所定領域に記憶する。その後、ネットワーク情報作成部121は、ネットワーク構成情報131をもとに、ネットワークをASごとに分割し、ASレベルネットワーク(ASレベルネットワーク情報135)と、AS内ネットワーク(AS内ネットワーク情報136)とを作成する(S2)。
このようにして、ASレベルネットワーク情報135およびAS内ネットワーク情報136を作成できたら、シミュレーション装置10は、IPネットワーク内の各ルータ4におけるベストパスの選択シミュレーションを実行する(S3)。なお、BGPでは、宛先プレフィックスごとにベストパスを選択するため、以下で説明するS3(S31〜S33)のシミュレーションは、宛先プレフィックス情報132において、同じ宛先プレフィックスをもつ経路情報ごとに実施する。すなわち、宛先プレフィックス情報132に異なるプレフィックスが100個あれば、S3のシミュレーションを100回実施することになる。
AS内ベストパス選択部122は、最初に、新たな経路情報を広告するAS内で、非特許文献2,3に記載の技術を用いてAS内の高速シミュレーションを実施する(S31)。
このS31を実施するトリガーは、以下の2つがある。(1)宛先プレフィックス情報132の入力を受け付けたとき、(2)ASレベルネットワークでのシミュレーション(S33参照)において、他のASから該当ASに経路情報が広告されてきたとき。
このようなS31の処理後、AS内の高速シミュレーションの出力結果として、該当AS内の各ルータ4に関する経路情報リスト133が得られる(図9(a)〜(c)参照)。経路情報リスト133は、各宛先プレフィックスに対して、それぞれのルータ4が受信する経路情報の一覧と、最適経路として選択された経路情報を表すものである。個々の経路情報は、宛先プレフィックス、次ホップ、AS_PATH等のBGP属性値を含んで構成される。次ホップは、該当する経路情報を広告してきたルータ4を示す。AS_PATHは、その経路情報が経由してきたASのリストを示すものであり、BGPプロトコル仕様では、AS_PATHに記載されるASの数(AS_PATH長)が少ない経路が優先される。
ここで、図9(a)〜(c)に示す経路情報リスト133は、AS内のルータ4(4G,4H,4K)の宛先プレフィックスaに関する経路情報リスト133の例を示している。図9(a)に示すルータ4Gの経路情報リスト133では、ルータ4Kとルータ4Cから宛先プレフィックスaに関する経路情報を受信しており、AS_PATH長の短い次ホップ=ルータ4Kの経路情報がベストパスに選ばれている。同様に、図9(b)に示すルータ4Hの経路情報リスト133でも、次ホップ=ルータ4Kの経路情報がベストパスに選ばれている。一方、図9(c)のルータ4Kの経路情報リスト133では、自らが広告している経路情報(次ホップ=Local)が選択されている。なお、ルータ4Gとルータ4Hの次ホップ=ルータ4C,4Dの経路情報は、図1のAS3のルータ4Lから、AS1を経由して広告されてきたものである。
次に、シミュレーション装置10のAS外広告経路判定部1231は、S31で実施したAS内ネットワークのシミュレーション結果から、他のASに広告すべき経路情報が存在するか否か判断する(S32)。BGPのプロトコル仕様においては、自ルータは、eBGPピアに対してはルーティングテーブル上で更新された全ての経路情報を広告することになっている。このため、AS外広告経路判定部1231は、AS内の境界ルータに関する経路情報リスト133を検索し、ベストパスがS31の実施前後で変更されたもの、または、経路情報リスト133に新たに経路情報として加えられたものがあるか否かを判断する。
例えば、AS内ネットワークの高速シミュレーションの結果、図9(a)〜(c)に示すような経路情報リスト133が作成され、いずれもベストパスが変更されたものとすると、AS外経路広告部1232は、AS外に広告する経路情報として、ルータ4G,4H,4Kの経路情報が該当すると判断する。
そして、AS外経路広告部1232は、ASレベルネットワーク情報135を参照して、ASレベルネットワークで、経路情報を広告し、他のASが経路情報を受信することについてシミュレーションを行う(S33)。つまり、ASレベルネットワーク情報135に示されるeBGPピアに沿って経路情報の広告をシミュレーションする。具体的には、以下の処理を実施する。
(1) ASレベルネットワーク情報135から、各境界ルータの最適経路を広告するeBGPピアを特定する。ここで、経路情報を広告するASを広告元AS、受信するASを受信側ASとする。
(2) 広告対象の経路情報に設定されているBGP属性値を変更する。ここでの変更は、BGPプロトコル仕様に沿って、広告元のASのAS番号をAS_PATHを追加、Local−Preference等のAS間で受け渡しされない属性値を削除する。また、AS外経路広告部1232は、AS内ネットワーク情報136を参照して、この経路情報が受け渡しされるeBGPピアにBGPフィルタが設定されていれば、設定内容に従ってBGP属性値を変更する。
(3) AS外経路広告部1232は、eBGPピアの対向ルータ(広告先ルータ)に関する経路情報リスト133に、この変更された経路情報を追加する。そして、この広告先ルータの属するASでのAS内の高速シミュレーションを実施する(S31へ戻る)。
例えば、AS外経路広告部1232は、AS内ネットワーク情報136から、以下のようなシミュレーションを行う。すなわち、AS2の境界ルータであるルータ4Gから対向ルータのルータ4Cへ、次ホップ=ルータ4Kの経路情報を広告する。同様に、ルータ4Hからルータ4Dへも次ホップ=ルータ4Kの経路情報を広告する。この際、BGPプロトコル仕様に従って、AS_PATHにAS2を追加する。また、該当するeBGPピアにBGPフィルタが設定されている場合には、フィルタの内容に応じてBGP属性値を変更する。その後、受信側ASであるAS1のASBR(ルータ4C,4D)がそれぞれ経路情報を受信したものとして、AS内ベストパス選択部122は、AS1を対象にAS内のシミュレーションを実施する(S31へ戻る)。
このようにしてシミュレーションした結果を図6に例示する。図6は、宛先プレフィックスaに対して、各ルータ4の最適経路(ベストパス)となる経路情報を例示したものである。AS1に存在するルータ4A〜4Fについては、AS1内のBGPフィルタの設定次第ではベストパスが変わる可能性があるが、ここでは、ルータ4A,4BはAS2への経路(次ホップ=ルータ4C)をベストパスとして選択し、境界ルータについては直接eBGPピアを確立しているASからの経路情報をベストパスとして選択するものとする。すなわち、ルータ4CはAS2への経路(次ホップ=ルータ4G)をベストパスとして選択し、ルータ4EはAS3への経路(次ホップ=ルータ4I)をベストパスとして選択する。また、ルータ4FはAS3への経路(次ホップ=ルータ4J)をベストパスとして選択とする。
なお、S31の処理の詳細を、図7を用いて説明する。まず、ベストパス計算部1221は、宛先プレフィックス情報132に示される経路情報または経路情報リスト133に追加または変更された経路情報のLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDとを用いて、AS内の各ルータ4が受信する経路情報をシミュレーションする。そして、AS内のルータ4ごとに、当該ルータ4の受信する経路情報を示した経路情報リスト133を作成すると、BGPベストパス選択プロセス情報134に基づき、その経路情報におけるLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDを用いて、各ルータ4におけるベストパス(最適経路)を選択する(S12)。ここで、ベストパス計算部1221は、AS内の全ルータでベストパスが1つに決定できれば(S13のYes)、S17へ進み、いずれかのルータ4でベストパスが1つに決定できなければ(S13のNo)、経路情報選択部1222は、AS内ネットワーク情報136および経路情報リスト133を参照して、各ルータ4が受信する経路情報における、NEXT_HOPまでのIGPコスト比較により、ルータ4ごとのベストパスを選択する(S14)。つまり、ルータ4が受信する経路情報に、同じ宛先アドレス宛の経路情報が複数あったとき、経路情報選択部1222は、この経路情報のNEXT_HOPまでのIGPコストの合計値を計算し、そのIGPコストの合計値が最も小さい経路情報の経路をベストパスとして選択する。ここで、AS内の全ルータでベストパスが1つに決定できれば(S15のYes)、S17へ進む。一方、AS内のいずれかのルータ4でベストパスが1つに決定できなければ(S15のNo)、S16へ進む。そして、シミュレーション部1223は、非特許文献1記載の技術に基づき、BGPメッセージごとのシミュレーションを実施して、各ルータ4のベストパスを決定する(S16)。そして、シミュレーション部1223は、決定したベストパスをAS外経路広告処理部123へ出力する(S17)。
ここで、前記したS14の処理の詳細を図8を用いて説明する。経路情報選択部1222は、経路情報リスト133に示される各経路情報について、当該経路情報を受信するルータ4からNEXT_HOP属性に示されるルータ4までのIGPコストの合計値を参照して計算する(S141)。なお、このIGPコストは、例えば、OSPF(Open Shortest Path First)に用いられるダイクストラ法に基づき計算され、BGPピア間のコストはAS内ネットワーク情報136に示されるルータ4間を接続するリンクのコストが参照される。
次に、経路情報選択部1222は、この経路情報リスト133に示されるルータ4ごとに、そのルータ4の同じ宛先アドレスの経路情報のIGPコストの合計値を比較し、最もIGPコストが小さい経路情報を、当該ルータ4のベストパスとして選択する(S142)。
このようにすることで、シミュレーション装置10は、AS内における各ルータ4が選択するベストパスをシミュレーションできる。
シミュレーション装置10は、以上のようなAS内のシミュレーションを実施し、その結果からAS外へ広告すべき経路情報を特定する。そして、シミュレーション装置10は、ASレベルネットワーク情報135を参照して、経路情報の広告処理を実施し、受信側ASで再度AS内シミュレーションを実施するという一連の流れを、経路情報が行き渡り、最適経路が変更されなくなるまで続けることで、IPネットワーク全体で最適経路が得られる。
4(4A〜4L) ルータ
10 シミュレーション装置
11 入力部
12 処理部
13 記憶部
14 出力部
120 情報受信処理部
121 ネットワーク情報作成部
122 AS内ベストパス選択部
123 AS外経路広告処理部
124 ベストパス情報作成部
131 ネットワーク構成情報
132 宛先プレフィックス情報
133 経路情報リスト
134 BGPベストパス選択プロセス情報
135 ASレベルネットワーク情報
136 AS内ネットワーク情報
1221 ベストパス計算部
1222 経路情報選択部
1223 シミュレーション部
1231 AS外広告経路判定部
1232 AS外経路広告部

Claims (3)

  1. BGP(Border Gateway Protocol)により経路情報を交換するルータを備える複数のAS(Autonomous System)により構成されるネットワークにおいて、前記ルータが選択する最適経路を計算するシミュレーション装置であって、
    (1)前記ASそれぞれに属するルータの識別情報、前記ルータ間の接続情報および前記ルータ間を接続するリンクのコストを示したネットワーク構成情報、(2)シミュレーション対象のネットワークに広告する宛先プレフィックスと、その宛先プレフィックスの経路情報を広告するルータの識別情報とを示した宛先プレフィックス情報、並びに、(3)前記ASの前記ルータごとの経路情報リストを記憶する記憶部と、
    前記ネットワーク構成情報および前記宛先プレフィックス情報を入力部経由で受信し、前記記憶部に記憶する情報受信処理部と、
    前記記憶部に記憶されたネットワーク構成情報を参照して、前記ネットワークを構成するAS間の接続情報および前記AS間を接続するeBGP(external BGP)ピアの両端となる境界ルータの識別情報とを示したASレベルネットワーク情報と、前記ASごとに、前記ASに属するルータの接続情報および前記ルータ間を接続するリンクのリンクコストを示したAS内ネットワーク情報とを作成し、前記記憶部に記憶するネットワーク情報作成部と、
    記AS内ネットワーク情報を参照して、前記ASごとに、当該ASの前記ルータそれぞれが受信する前記経路情報を示した経路情報リストを作成し、この経路情報リストの中から、前記ルータそれぞれの前記宛先プレフィックスごとの最適経路を選択する最適経路選択処理を行うAS内最適経路選択部と、
    前記AS内の境界ルータのうち、前記最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された更新前の前記経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがあるか否かを判定するAS外経路告判定処理を行うAS外広告経路判定部と、
    前記AS外経路広告判定処理の結果、前記最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された更新前の前記経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがあると判定されたとき、当該境界ルータである広告元ルータとeBGPピアにより接続される広告先ルータの経路情報リストにおいて、前記広告元ルータの前記最適経路選択処理により選択した最適経路の経路情報に広告元ASをAS_PATHに追加し、Local Preferenceを削除することで、前記記憶部に記憶された前記経路情報リストを更新するAS外経路広告処理を行うAS外経路広告部と、
    前記AS外経路広告判定処理の結果、前記最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された更新前の前記経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがないと判定されたとき、前記記憶部に記憶された前記経路情報リストを参照して、前記ルータそれぞれの前記宛先プレフィックスごとに、その宛先プレフィックスへの最適経路を示した最適経路情報を作成し、この作成した最適経路情報を出力部経由で出力する最適経路情報作成部とを備え、
    前記AS内最適経路選択部は、
    前記経路情報リストに示される経路情報のうち、同じ宛先プレフィックスに関する経路情報が複数あるとき、その経路情報それぞれに付加されるBGP属性値のうち、Local Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDについて、(1)Local Preference、(2)AS_PATH長、(3)ORIGIN、(4)MEDの順に値を比較し、その結果、最も優先度の高い経路情報の経路を、当該ルータにおける前記宛先プレフィックスへの最適経路として選択する最適経路計算処理を実行する最適経路計算部と、
    前記最適経路計算部において、前記複数の経路情報それぞれのLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDの値がすべて同じであるとき、前記ネットワーク構成情報を参照して、前記経路情報それぞれのNEXT_HOP属性値に示されるルータへのIGPコストの合計値を計算し、前記経路情報の中から、この計算したIGPコストの合計値が最も小さくなるNEXT_HOP属性値を持つ経路情報を前記最適経路として選択する経路情報選択処理を実行する経路情報選択部とを備え
    前記AS内最適経路選択部は、前記AS外経路広告部による前記AS外経路広告処理が行われた場合に、前記更新された前記経路情報リストに基づき、前記広告先ルータの属する他のASの前記最適経路選択処理を実行し、前記AS外広告経路判定部により、前記AS外経路広告判定処理の結果、当該最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された前記更新された経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがないと判定されるまで、前記広告先ルータの属する他のASの前記最適経路選択処理を繰り返すことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記ネットワーク構成情報は、前記eBGPピアごとに、当該eBGPピアに設定されたBGPフィルタの情報をさらに含み、
    前記AS外経路広告部は、前記BGPフィルタの情報に従い、前記経路情報リストにおける前記広告先ルータの経路情報を更新することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. BGP(Border Gateway Protocol)により経路情報を交換するルータを備える複数のAS(Autonomous System)により構成されるネットワークにおいて、前記ルータが選択する最適経路を計算するシミュレーション装置が、
    (1)前記ASそれぞれに属するルータの識別情報、前記ルータ間の接続情報および前記ルータ間を接続するリンクのコストを示したネットワーク構成情報、(2)シミュレーション対象のネットワークに広告する宛先プレフィックスと、その宛先プレフィックスの経路情報を広告するルータの識別情報とを示した宛先プレフィックス情報、並びに、(3)前記ASの前記ルータごとの経路情報リストを記憶する記憶部を備えており、
    前記ネットワーク構成情報および前記宛先プレフィックス情報を受信し、前記記憶部に記憶するステップと、
    前記記憶部に記憶されたネットワーク構成情報を参照して、前記ネットワークを構成するAS間の接続情報および前記AS間を接続するeBGP(external BGP)ピアの両端となる境界ルータの識別情報とを示したASレベルネットワーク情報と、前記ASごとに、前記ASに属するルータの接続情報および前記ルータ間を接続するリンクのリンクコストを示したAS内ネットワーク情報とを作成し、記憶部に記憶するステップと、
    記AS内ネットワーク情報を参照して、前記ASごとに、当該ASの前記ルータそれぞれが受信する前記経路情報を示した前記経路情報リストを作成し、この経路情報リストの中から、前記ルータそれぞれの宛先プレフィックスごとの最適経路を選択する最適経路選択処理を行うステップと、
    前記AS内の境界ルータのうち、前記最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された更新前の前記経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがあるか否かを判定するAS外経路告判定処理を行うステップと、
    前記AS外経路広告判定処理の結果、前記最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された更新前の前記経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがあると判定されたとき、当該境界ルータである広告元ルータとeBGPピアにより接続される広告先ルータの経路情報リストにおいて、前記広告元ルータの前記最適経路選択処理により選択した最適経路の経路情報に広告元ASをAS_PATHに追加し、Local Preferenceを削除することで、前記記憶部に記憶された前記経路情報リストを更新するAS外経路広告処理を行うステップと、
    前記AS外経路広告判定処理の結果、前記最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された更新前の前記経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがないと判定されたとき、前記記憶部に記憶された前記経路情報リストを参照して、前記ルータそれぞれの前記宛先プレフィックスごとに、その宛先プレフィックスへの最適経路を示した最適経路情報を作成し、この作成した最適経路情報を出力するステップとを実行し、
    前記最適経路選択処理において、
    前記経路情報リストに示される経路情報のうち、同じ宛先プレフィックスに関する経路情報が複数あるとき、その経路情報それぞれに付加されるBGP属性値のうち、Local Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDについて、(1)Local Preference、(2)AS_PATH長、(3)ORIGIN、(4)MEDの順に値を比較し、その結果、最も優先度の高い経路情報の経路を、当該ルータにおける前記宛先プレフィックスへの最適経路として選択する最適経路計算処理を実行するステップと、
    前記最適経路計算処理において、前記複数の経路情報それぞれのLocal Preference、AS_PATH長、ORIGINおよびMEDの値がすべて同じであるとき、前記ネットワーク構成情報を参照して、前記経路情報それぞれのNEXT_HOP属性値に示されるルータへのIGPコストの合計値を計算し、前記経路情報の中から、この計算したIGPコストの合計値が最も小さくなるNEXT_HOP属性値を持つ経路情報を前記最適経路として選択するステップとを実行し、
    前記シミュレーション装置が、
    前記AS外経路広告処理が行われた場合に、前記更新された前記経路情報リストに基づき、前記広告先ルータの属する他のASの前記最適経路選択処理を実行し、前記AS外経路広告判定処理の結果、当該最適経路選択処理により選択した最適経路が、前記記憶部に記憶された前記更新された経路情報リストにおける当該境界ルータの最適経路と異なる境界ルータがないと判定されるまで、前記広告先ルータの属する他のASの前記最適経路選択処理を繰り返すステップを実行することを特徴とするシミュレーション方法。
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