JP5379539B2 - 保湿効果の高い機能性皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明はルチンとリン酸化糖とリン脂質を配合した機能性皮膚外用剤に関するものである。
肌は加齢による影響や紫外線、活性酸素等の影響により皮膚本来の保湿性が衰え、さらには収縮性、柔軟性が衰える。肌の保湿性が低下すると皮膚ではシワが生じ、見た目の美しさが低下するだけではなく、乾燥肌、荒れ肌となる。さらにアレルギー、アトピー性皮膚炎等でも皮膚の保湿性を高めることは治癒の方法においても非常に重要である。従来より、皮膚の保湿効果を求める際には、一般に、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マルチトール等の湿潤剤が使用されてきた。
リン酸化糖を配合した皮膚外用剤はすでに特許文献1,2に公開されている。しかし、特許文献1に記載されているリン酸化糖は、グルカン、グルカンの水素添加により還元をおこなった還元グルカン、マンナン、デキストラン、寒天、シクロデキストリン、フコイダン、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、およびキサンタンガムから選択される糖であり、本発明に記載する単糖とは異なるものである。また、特許文献2には、マンノース-6-リン酸に代表されるリン酸化糖を塗布することにより、刺激を与えることなく穏やかに皮膚の落屑を促し、皮膚中のグリコサミノグリカンの合成を高める方法が記載されている。しかし、個々に記載された方法は、リン酸化糖を単独で配合する組成物の作用が記載されているだけである。
特開2006-249077 特表2005-501062
The Journal of Cell Biology,Vol. 180, No. 3, 451-458, 2008 Nature Cell Biol. 9:666-674, 2007
しかしながら、これら一般に使用されている上記の湿潤剤は、湿潤作用に優れている反面、塗布した際のべたつき感があるうえ、一時的な保湿効果を示すに過ぎず、継続的に肌の保湿性を持続するような効果を生み出すものではなかった。いわゆる天然保湿因子といわれるNMF(natural moisturizing factor)は、肌の水分維持に欠かせない保湿物質です。このNMFは、角化細胞中のケラトヒアリン顆粒から分泌されたプロフィラグリンが分解されてできたフィラグリンが、Caspase-14という酵素により分解されて生じることが報告されています。(非特許文献3) このため、Caspase-14を活性化することにより、皮膚中のNMFの産生が促進し、皮膚の水分保持能が著しく向上することが考えられる。実際に、Caspase-14ノックアウトマウスの皮膚においては、経皮水分蒸散量(TEWL)が著しく増加し、皮膚水分量が減少することが示されている。(非特許文献4) 以上のことより、従来のように単に皮膚に保湿剤を塗布するのではなく、皮膚中に存在するCaspase-14を活性化することにより、皮膚中の水分量を維持し、潤いのある肌に導くことが有用であると考えられる。
かかる実情において、本発明者らは、持続的な保湿効果を有する素材を探索すべく鋭意研究を行った結果、リン酸化糖およびリン脂質およびルチンを添加することによりCaspase-14活性が向上すると共に、肌の水分量の維持により効果的であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明はリン酸化糖、リン脂質、ルチンとを含有することを特徴とする機能性皮膚外用剤に関するものである。
リン脂質は構造中にリン酸エステル部位をもつ脂質の総称で、両親媒性を持ち、脂質二重層を形成して糖脂質やコレステロールと共に細胞膜の主要な構成成分となるほか、その乳化安定性に着目されリポソーム製剤として皮膚外用剤に広く応用されてきた。本発明に用いるリン脂質は、特にホスファチジン酸、リゾホスファチジン酸が望ましい。グリセリンのC1、C2位に脂肪酸が、C3位にリン酸がそれぞれエステル結合した分子をホスファチジン酸、ホスファチジン酸からC2位の脂肪酸が外れた分子をリゾホスファチジン酸という。リゾホスファチジン酸は、最近では細胞増殖効果、血小板凝集効果、細胞運動性亢進、神経突起退縮、抗アポトーシス作用、平滑筋収縮効果、がんの浸潤促進効果など、多岐にわたる薬理効果が知られるようになり、脂質メディエーターとして注目されている物質である。しかし、本発明はリン酸化糖およびリン脂質およびルチンを含有することにより、リン酸化糖、リン脂質、ルチン単独の配合では得られなかったCaspase-14活性化に対する相乗効果を新たに見出し、本発明の皮膚外用剤の発見に至ったものである。
本発明に用いるルチンは、当初ミカン科のヘンルーダから発見された柑橘フラボノイドの一種である。しかし、現在ではミカン科の植物に限らずマメ科のエンジュやタデ科のソバなどからも見出されている。天然ルチンは水に不溶性でアルコールには溶解する。そのため、水溶性の糖化したα-グリコシル-ルチンが食品添加物として利用される。人体に対しては、血管収縮作用、毛細血管の透過抑制作用、毛細血管壁を強くする効果があり、脳出血などの予防に効果があるといわれている。また、抗酸化能が高く、活性酸素を除去する作用を持つといわれている。またヒスタミンの遊離を抑える抗アレルギー作用があると言われている。皮膚外用剤に用いるには、適当な溶媒を用いて種子を直接抽出することが可能なほか、種子を粉砕した後に溶媒を加えてエキスを抽出する方法でも良い。
本発明で使用するルチンを植物から得るための抽出溶媒としては、供する製品の使用目的、種類、あるいは後に行う加工処理等を考慮した上で選択すれば良いが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチルなどのアルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等の1種または2種以上を用いて抽出し、精製して使用することが出来る。
抽出する植物は、採取し、乾燥したものを、重量比で1〜1000倍量、特に10〜100倍量の溶媒を用い、常温抽出の場合には、0℃以上、特に20℃〜40℃で1時間以上、特に3〜7日間行うのが好ましい。また、60〜100℃で1時間、加熱抽出しても良い。
以上のような条件で得られる上記抽出物は、抽出された溶液のまま用いても良いが、さらに必要により精製、濾過等の処理をして、濃縮、粉末化したものを適宜使い分けて用いることが出来る。また、一般にルチンとして食品添加物として販売されているものや、試薬として販売されているものをそのまま使用することも可能である。また、ルチンそのものは水溶性に乏しいため、皮膚外用剤の剤形によりグルコースを糖化したα-グリコシル-ルチン(G-ルチン)を使用することが出来る。
本発明に係るリン酸化糖としては、グルコース−1−リン酸、グルコース−6−リン酸、フルクトース−1,6−ジリン酸、ホスホエノールピルビン酸等が用いられる。また、その塩としてアルカリ金属、アルカリ土類金属等の塩が挙げられ、なかでもナトリウム、カリウム、カルシウム等が好ましい。上記のリン酸化糖は、市販されている試薬を使用しても良いし、グルコースよりグルコキナーゼ、ヘキソキナーゼなどのリン酸化酵素やグルコホスホムターゼなどの転移酵素により合成したもの、また酵母のような微生物や、動物、植物などの細胞から抽出、精製したものでも本発明に使用できる。
本発明に係るリン脂質としては、ホスファチジン酸、リゾホスファチジン酸が用いられる。また、その塩としてアルカリ金属、アルカリ土類金属等の塩が挙げられ、なかでもナトリウム、カリウム、カルシウム等が好ましい。上記のリン脂質は、市販されている試薬を使用しても良いし、大豆や卵白から抽出したリン脂質をホスホリパーゼA2のような酵素で分解した後、抽出、精製したものでも本発明に使用できる。
本発明で使用するリン酸化糖、リン脂質およびルチンの形態としては、液状、固形状、粉末状、ペースト状、ゲル状等いずれの形状でも良く、最終的な製品を構成する上で最適な形状を任意に選択することができる。
本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であり、カプセル状、粉末状、顆粒状、丸剤、錠剤状、固形状、液状、ゲル状、気泡状、乳液状、クリーム状、軟膏状、シート状、エアゾール状等の形態をとることができる。さらに、医薬品類、医薬部外品類、化粧品類に配合して用いることができる。特に、外皮に適用される医薬品,医薬部外品,化粧品組成物といった外用剤組成物に適用される。
本発明の具体的な使用形態としては、水性成分、油性成分、植物抽出物、動物抽出物、粉末、賦形剤、界面活性剤、油剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、甘味剤、色素、香料等を必要に応じて混合して適宜配合することにより外用剤組成物の化粧水、乳液、クリーム、パック、パウダー、スプレー、軟膏、分散液、および液体状、ペースト状、粉末状等種々の剤型とすることができる。
本発明の皮膚外用剤へのリン酸化糖の配合量は、期待される作用の程度によって若干異なり特に限定しないが、通常、製剤全量中、固形分換算して、0.0001質量%以上、好ましくは0.01〜10.0質量%の濃度範囲とすることが有効である。
また、本発明の皮膚外用剤へのリン脂質の配合量は、期待される作用の程度によって若干異なり特に限定しないが、通常、製剤全量中、固形分換算して、0.0001質量%以上、好ましくは0.01〜10.0質量%の濃度範囲とすることが有効である。
さらに、本発明の皮膚外用剤へのルチンの配合量は、期待される作用の程度によって若干異なり特に限定しないが、通常、製剤全量中、固形分換算して、0.0001質量%以上、好ましくは0.01〜5.0質量%の濃度範囲とすることが有効である。
以下、本発明によるリン酸化糖、リン脂質およびルチンにかかわる試験実施例を示すと共にその素材を用いた外用剤への応用処方例等について述べるが、ここに記載された実施例に限定されないのは言うまでもない。
実施例1としてヒト皮膚のケラチノサイトを培養し、培養したケラチノサイトに各試料を添加した後、細胞抽出液中のCaspase-14活性の測定を行った。Caspase-14活性の測定は文献5に記載の方法により実施した。すなわち、基質となるWEHD-pNitro anilineがCaspase-14により分解されることにより生成するpNitro anilineを吸光度で測定する方法である。
文献5:FEBS Letters 577,
2004, 446-450
[試料の調製]
ルチンは化粧品原料として市販されているグリコシルルチン(G-ルチン)を用い、水溶液を調製して細胞培養培地に添加した。リン酸化糖であるグルコース−1−リン酸、ホスホエノールピルビン酸は市販されている試薬を用い、水溶液を調製し、培養培地に添加した。
リゾホスファチジン酸は市販されている1-オレオイルリゾホスファチジン酸を用い、0.1%水溶液を調製し、培養培地に添加した。
〔細胞の調製〕
ヒト正常ケラチノサイト(NHEK)をEpi-Life KG2培地(クラボウ)で50cm2 plateで培養し、80%程度のコンフルーエントになった所で、各試料を添加し、添加後24時間後に細胞を回収した。
〔Caspase-14活性の測定〕
活性の測定は、Calbiochem社のAssay kitにより測定を行った。回収した細胞に200
μlのCell Lysis Bufferを添加し、細胞抽出液を得た。細胞抽出液のタンパク量を測定
し、タンパク量が200μgになる細胞抽出液を測定用試料として準備した。この測定用
試料にWEHD-pNA Substrate 5μlを加え、37℃で6時間インキュベートを行った後、
405mの吸光度を測定し、活性測定を行った。なお、Caspase-14活性化度は下記の
式により計算した。

Caspase-14活性化度(%)=(試料添加群の405nmの吸光度値/試料無添加群の405nmの吸光度値)×100

結果を表1に示す。表1からグリコシルルチン(G-ルチン)は161%、1-オレオイルリゾホスファチジン酸は155%のCaspase-14活性化度を示した。また、グルコース-1-リン酸、ホスホエノールピルビン酸はそれぞれ158%、139%と単独添加においても高い活性化度を示した。さらに、グルコース-1-リン酸とG-ルチンを併用することによりCaspase-14活性は336%、また、ホスホエノールピルビン酸と併用することにより371%といずれも高いCaspase-14活性を示した。グルコース-1-リン酸のCaspase-14活性は158%であり、G-ルチンのCaspase-14活性は161%である。理論的にはこの2種類の試料を添加すれば活性は、158%と161%の積で現される254%の活性を示すが、ここでは336%の活性を示しており、グルコース-1-リン酸とG-ルチンの併用による相乗効果が認められた。同様に、ホスホエノールピルビン酸とG-ルチンを併用することにより、理論的には224%の活性を示すが、371%と高い相乗効果が認められる結果となった。
次に、グルコース-1-リン酸と1-オレオイルリゾホスファチジン酸を併用することにより、Caspase-14活性は600%、またホスホエノールピルビン酸と1-オレオイルリゾホスファチジン酸を併用することにより、Caspase-14活性は553%といずれも非常に高い活性値を示した。グルコース-1-リン酸のCaspase-14活性は158%であり、1-オレオイルリゾホスファチジン酸のCaspase-14活性は155%である。理論的にはこの2種類の試料を添加すれば活性は、158%と155%の積で現される245%の活性を示すが、ここでは600%の活性を示しており、グルコース-1-リン酸と1-オレオイルリゾホスファチジン酸の併用による相乗効果が認められた。同様に、ホスホエノールピルビン酸と1-オレオイルリゾホスファチジン酸を併用することにより、理論的には215%の活性を示すが、553%と高い相乗効果が認められる結果となった。
さらにグルコース-1-リン酸と1-オレオイルリゾホスファチジン酸、G-ルチンの3種類の併用ではグルコース-1-リン酸が158%、1-オレオイルリゾホスファチジン酸が155%、G-ルチンが161%のCaspase-14活性を示す事から、理論的には158%と155%と161%の積で現される394%の活性を示すものが、実際にはCaspase-14活性が961%もの高い値を示しており明らかに3種併用の相乗効果が認められた。同じように、ホスホエノールピルビン酸と1-オレオイルリゾホスファチジン酸、G-ルチンとの3種類の併用により、理論的には347%の活性を示すものが、879%と非常に高い活性が認められ、3種類の併用による高い相乗効果が認められた。
さらに、リン酸化糖との特異性を確認するため、リン酸化されていない多糖類であるデキストラン(分子量200,000-300,000)と、連続塗布による皮膚水分量の比較を行なった。また、リン脂質の特異性を確認するため、化粧品に汎用される界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-50)を用い、連続塗布による皮膚水分量の比較を行なった。試験は表-2に示した各試料を上腕内側皮膚にフィンチャンバー(大正富山医薬品株式会社)用のペーパーディスクに含浸させ10分間塗布した。塗布24時間後に塗布部位の皮膚水分量をSKICON-200EX(I.B.S.CO.,LTD.)にて測定した。この操作を5日間繰り返した。表-6より、多糖類であるデキストランは、塗布後1時間程度は皮膚水分量が無塗布部位と比較して130%と高い値を示したが、翌日以降は最初の皮膚水分量と大きな変化は無かった。また化粧品に汎用される界面活性剤であるHCO-50についても最初の皮膚水分量と比較して大きな差は無かった。これに対して、リン酸化糖であるグルコース-1-リン酸、および、リン脂質の1-オレオイルリゾホスファチジン酸を塗布した場合は、塗布と共に皮膚水分量が上昇していることが確認された。これは塗布により、皮膚中のCaspase-14活性が上昇し、皮膚中の天然保湿因子といわれるNMF(natural moisturizing factor)の産生が促進された結果、持続的な皮膚水分量が上昇したためであると考えられた。
次に、人での効果を確認するために(表3.4)に示した皮膚外用剤を用いて、皮膚水分量の測定を行った。試験はリン酸化糖としてグルコース-1-リン酸、ホスホエノールピルビン酸を用い、G-ルチンおよび1-オレオイルホスファチジン酸を組み合わせて試験を行った。人上腕内側にラウリル硫酸ナトリウム10%水溶液:エタノール=30:70を2時間閉塞貼付した。貼付はフィンチャンバー(大正富山医薬品株式会社)のペーパーディスクに、20μlのラウリル硫酸ナトリウム溶液を添加して貼付した。2時間後フィンチャンバーを剥離し塗布部位を精製水で洗浄した後、塗布部位を精製水で洗浄し、(表3.4)に示した皮膚外用剤を7日間塗布する。その後、SKICON-200EX(I.B.S.CO.,LTD.)を用いて塗布部位の皮膚水分量を測定した。


表5に皮膚水分量の評価基準を示し、それに基づく結果を表6に示した。表6から明らかなようにグルコース-1-リン酸、ホスホエノールピルビン酸、およびG-ルチン、1-オレオイルホスファチジン酸をそれぞれ配合した皮膚外用剤は、コントロール区と比較して高い皮膚水分量を示した。
しかし、リン酸化糖であるグルコース-1-リン酸およびホスホエノールピルビン酸とG-ルチン、1-オレオイルホスファチジン酸の2種類を併用した皮膚外用剤を塗布した皮膚の皮膚水分量はさらに高い値を示し、併用による効果が高いことが確認できた。
さらに、グルコース-1-リン酸およびホスホエノールピルビン酸とG-ルチン、1-オレオイルホスファチジン酸の3種類を併用した皮膚外用剤を塗布した場合は、最も高い皮膚水分量を示し、高い相乗効果が確認できた。
(各種組成物の製造)
本発明による各種組成物を製造した。以下にその処方例を示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。なお、配合量は重量%にて示す。
(1)クリーム組成物
a)ミツロウ:3.0
b)ステアリルアルコール:5.0
c)ステアリン酸:8.0
d)スクワラン:1.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート:3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.):1.0
g)ホスファチジン酸:10.0
h)グルコース-1-リン酸:10.0
i)グリコシルルチン:5.0
j)1,3-ブチレングリコール:5.0
k)水酸化カリウム:0.3
l)防腐剤・酸化防止剤:適量
m)精製水:残部
製法 :a)〜g)までを加熱溶解し、80℃に保つ。h)〜m)までを加熱溶解し、
80℃に保ち、a)〜g)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。
(2)クリーム組成剤
a)ミツロウ:2.0
b)ステアリルアルコール:5.0
c)ステアリン酸:8.0
d)スクワラン:10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート:3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.):1.0
g)リゾホスファチジン酸:1.0
h)ホスホエノールピルビン酸:2.0
i)グリコシルルチン:2.0
j)1,3-ブチレングリコール:5.0
k)水酸化カリウム:0.3
l)防腐剤・酸化防止剤:適量
m)精製水:残部
製法 :a)〜f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜m)までを加熱溶解し、
80℃に保ち、a)〜f)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。
(3)乳液状組成物
a)ミツロウ:0.5
b)ワセリン:2.0
c)スクワラン:8.0
d)ソルビタンセスキオレエート:0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.):1.2
f)グルコース-6-リン酸:0.001
g)リゾホスファチジン酸:0.001
h)ルチン:0.001
i)1,3-ブチレングリコール:7.0
j)カルボキシビニルポリマー:0.2
k)水酸化カリウム:0.1
l)精製水:残部
m)防腐剤・酸化防止剤:適量
n)エタノール:7.0
製法 :a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。f)〜m)までを加熱溶解し、
80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。
50℃でn)を添加し、40℃まで冷却する。
(4)乳液状組成物
a)ミツロウ:0.5
b)ワセリン:2.0
c)スクワラン:8.0
d)ソルビタンセスキオレエート:0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.):1.2
f)フルクトース-1,6-ジリン酸:0.1
g)ホスファチジン酸:0.1
h)ルチン:0.1
i)グルコース-6-リン酸:0.2
j)1,3-ブチレングリコール:7.0
k)カルボキシビニルポリマー:0.2
l)水酸化カリウム:0.1
m)精製水:残部
n)防腐剤・酸化防止剤:適量
o)エタノール:7.0
製法 :a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。f)〜n)までを加熱溶解し、
80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌し、
50℃でo)を添加し、40℃まで冷却する。
(5)化粧水様組成物
a)ホスファチジン酸:0.0001
b)グルコース-1-リン酸:0.0001
c)ホスホエノールピルビン酸:0.001
d)ルチン:0.0001
e)グリセリン:5.0
f)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.):1.0
g)エタノール:6.0
h)香料:適量
i)防腐剤・酸化防止剤:適量
j)精製水:残部
製法 :a)〜j)までを混合し、均一に溶解する。
(6)ゲル様組成物
a)リゾホスファチジン酸:0.1
b)グリセリン:5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.):1.0
d)フルクトース-1,6-2リン酸:0.01
e)ホスホエノールピルビン酸:0.1
f)グリコシルルチン:0.1
g)カルボキシビニルポリマー:0.2
h)エタノール:6.0
i)香料:適量
j)防腐剤・酸化防止剤・中和剤:適量
k)精製水:残部
製法 :a)〜k)までを混合し、均一に溶解する。
(7)パック剤
a)リゾホスファチジン酸:1.0
b)ホスホエノールピルビン酸:2.0
c)グリコシルルチン:2.0
d)酢酸ビニル樹脂エマルジョン:15.0
e)ポリビニルアルコール:10.0
f)グルコース-6-リン酸:3.0
g)グリセリン:5.0
h)酸化チタン:8.0
i)カオリン:7.0
j)エタノール:8.0
k)香料:適量
l)防腐剤・酸化防止剤:適量
m)精製水:残部
製法 :a)〜m)までを混合し、よく撹拌、分散させ均一にする。

Claims (3)

  1. 以下のA成分及びB成分及びC成分を有効成分とする保湿化粧料
    A成分:ルチン
    B成分:グルコース−1−リン酸、ホスホエノールピルビン酸から選択される1種又は2種
    C成分:1−オレオイルリゾホスファチジン酸
  2. 以下のA成分及びB成分及びC成分を有効成分とするCaspase−14活性促進剤
    A成分:ルチン
    B成分:グルコース−1−リン酸、ホスホエノールピルビン酸から選択される1種又は2種
    C成分:1−オレオイルリゾホスファチジン酸
  3. 保湿効果を高める為の化粧料の製造方法であって、以下のA成分及びB成分及びC成分を有効成分として混合することを特徴とする化粧料の製造方法。
    A成分:ルチン
    B成分:グルコース−1−リン酸、ホスホエノールピルビン酸から選択される1種又は2種
    C成分:1−オレオイルリゾホスファチジン酸
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