JP5377914B2 - 薄膜トランジスター - Google Patents

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Description

この発明は、各種ディスプレイに使用される薄膜トランジスターおよびこのトランジスターを製造するための薄膜トランジスター中間体に関するものであり、特に密着性に優れたドレイン電極およびソース電極を有する薄膜トランジスターおよび薄膜トランジスター中間体に関するものである。
アクティブマトリックス方式で駆動する薄膜トランジスターを用いたフラットパネルディスプレイとして、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイなどが知られている。これら薄膜トランジスターを用いたフラットパネルディスプレイにはガラス基板表面に格子状に金属膜からなる配線が密着形成されており、この金属膜からなる格子状配線の交差点に薄膜トランジスターが設けられている。
この薄膜トランジスターは、図3の断面概略説明図に示されるように、ガラス基板1の表面に形成された純銅膜からなるゲート電極膜2と、このゲート電極膜2およびガラス基板1の上に形成された窒化珪素(SiNx)膜3と、前記窒化珪素(SiNx)膜3の上に形成されたnアモルファスSi半導体膜4と、このnアモルファスSi半導体膜4の上に形成されたnアモルファスSiオーミック膜4´と、前記nアモルファスSiオーミック膜4´の上に形成された純銅からなるドレイン電極膜5およびソース電極膜6とで構成されている。
かかる積層膜構造を有する薄膜トランジスターを作製するには、まず、図4の断面図に示されるような、ガラス基板1の表面に純銅からなるゲート電極膜2を形成し、このゲート電極膜2およびガラス基板1の上に窒化珪素(SiNx)膜3を形成し、さらに窒化珪素(SiNx)膜3の上にnアモルファスSi半導体膜4を形成し、このnアモルファスSi半導体膜4の上にnアモルファスSiオーミック膜4´を形成し、前記nアモルファスSiオーミック膜4´の全面を被覆するように純銅膜8を形成して積層体9を作製する。
次いでこの図4に示される積層体9のゲート電極2の真上の部分の純銅膜8を湿式エッチングし、さらにnアモルファスSiオーミック膜4´をプラズマエッチングすることにより分離溝7を形成してnアモルファスSi半導体膜4を露出させ、それによってドレイン電極膜5およびソース電極膜6を形成することにより図3の断面図に示される従来の薄膜トランジスター中間体10を作製する。
分離溝7を形成するために前記積層体9におけるnアモルファスSiオーミック膜4´のみをプラズマエッチンしようとしてもnアモルファスSi半導体膜4の表面はプラズマエッチングに曝されてその影響を受けることは避けることが出来ず、このため、分離溝7を形成して露出されたnアモルファスSi半導体膜4の表面は荒れ、未結合手(ダングリングボンド)が増大し、これが表面欠陥となり、この表面欠陥が薄膜トランジスターのオフ電流を増加させ、その結果、LCDのコントラストの低減や視野角を小さくするなどの問題点があった。
この問題点を解決するために、分離溝7を形成して露出されたnアモルファスSi半導体膜4の表面を水素プラズマ処理し、この水素プラズマ処理することによりnアモルファスSi半導体膜4の表面の未結合手(ダングリングボンド)を水素原子と結合させて安定化し、リーク電流を低減することができるとされている。そして前記水素プラズマ処理はガス:100%水素ガス、水素ガス流量:10〜1000SCCM、水素ガス圧:10〜500Pa、RF電流密度:0.005〜0.5W/cm2、処理時間:1〜60分の条件で行なうのが良いとされている(特許文献1参照)。
また、図示してはいないが、nアモルファスSiオーミック膜4´のSiがドレイン電極膜5およびソース電極膜6に拡散してドレイン電極膜5およびソース電極膜6の比抵抗が上昇するのを阻止するために、nアモルファスSiオーミック膜4´とドレイン電極膜5の間およびnアモルファスSiオーミック膜4´とソース電極膜6の間にそれぞれバリア膜を形成すること、並びにこのバリア膜として通常MoもしくはMo合金膜またはTiもしくはTi合金膜が使用されていることが知られている(特許文献2参照)。
さらに、一般に、前記ドレイン電極膜5およびソース電極膜6には純銅膜が多く使用されていたが、純銅膜はガラス、アルミナ、二酸化珪素からなるセラミック基板に対する密着性が弱い。このセラミック基板に対する密着性を向上させるために、セラミック基板の表面にまず酸素を含む銅膜を下地膜として形成し、この酸素を含む銅膜からなる下地膜の上に純銅膜を形成して複合銅膜とし、この複合銅膜の酸素を含む銅膜をセラミック基板に接触させてセラミック基板に対する密着性を向上させる技術も知られている(特許文献3参照)。
特開平4−349637号公報 特開2004−163901号公報 特開平8−26889号公報
前述のように、薄膜トランジスターの製造工程において、nアモルファスSi半導体膜4の表面の未結合手(ダングリングボンド)を水素原子と結合させて安定化させるための水素プラズマ処理工程は必要な工程であるが、かかる水素プラズマ処理を行うと、純銅膜からなるドレイン電極膜およびソース電極膜のnアモルファスSiオーミック膜4´に対する密着性が低下する。この密着性が低下するのを阻止するために、従来から知られている酸素を含む銅膜を下地層としこの下地層の上に純銅膜を形成した複合銅膜をドレイン電極膜およびソース電極膜に使用してみたが、水素プラズマ処理後の複合銅膜は依然としてnアモルファスSiオーミック膜4´に対する十分な密着性は得られず、剥離が生じて薄膜トランジスター不良の原因となる可能性があることが分かった。
そこで、本発明者等は、一層密着性に優れたドレイン電極膜およびソース電極膜を有する薄膜トランジスター中間体を作製し、この薄膜トランジスター中間体を用いて一層密着性に優れたドレイン電極膜およびソース電極膜を有する薄膜トランジスター作製すべく研究を行った。その結果、
(a)薄膜トランジスターのバリア膜として従来から知られているMo膜、Ti膜などの金属膜よりも酸化ケイ素(SiOx)膜をバリア膜として使用することがドレイン電極膜およびソース電極膜の密着性を一層向上させるので好ましいことから、まず、図2の断面図に示されるように、ガラス基板1の上に形成されたゲート電極膜2と、前記ガラス基板1およびゲート電極膜2の上に形成された窒化珪素膜3と、前記窒化珪素膜3の上に形成されたnアモルファスSi半導体膜4と、
前記nアモルファスSi半導体膜4の上に形成されたnアモルファスSiオーミック膜4´と、前記nアモルファスSiオーミック膜4´の上に形成された酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜11と、前記酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜11の上に形成されたCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12と、前記酸素−カルシウム含有銅合金下地層12の上に形成されたCu層13とからなる複合銅合金膜14とにより構成される積層体9´を作製し、この積層体9´におけるゲート電極2の真上の部分の複合銅合金膜14を湿式エッチングしさらに前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜11およびnアモルファスSiオーミック膜4´をプラズマエッチングすることにより分離溝7を形成してnアモルファスSi半導体膜4を露出させ、それによってドレイン電極膜5およびソース電極膜6を形成することにより図1の断面図に示される密着性に優れたドレイン電極膜5およびソース電極膜6を有するこの発明の薄膜トランジスター中間体10´を作製することができる、
(b)この図1に示されるこの発明の薄膜トランジスター中間体10´に水素プラズマ処理を施すことにより一層密着性に優れたドレイン電極膜およびソース電極膜を有するこの発明の薄膜トランジスターを作製することができ、この発明の薄膜トランジスター中間体10´に水素プラズマ処理を施すと、前記この発明の薄膜トランジスター中間体10´の酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜11に接して形成されているCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12はCaおよび酸素の濃度の一層高いCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を形成するようになり、この濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層(図示せず)に変化して酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層およびCu層とからなる複合銅合金膜を生成し、この酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層およびCu層とからなる複合銅合金膜により構成されるドレイン電極膜およびソース電極膜は密着性が格段に向上する、などの研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)ガラス基板の上に形成されたゲート電極膜と、
前記ガラス基板およびゲート電極膜の上に形成された窒化珪素膜と、
前記窒化珪素膜の上に形成されたnアモルファスSi半導体膜と、
前記nアモルファスSi半導体膜の上に形成されたnアモルファスSiオーミック膜と、
前記nアモルファスSiオーミック膜の上に形成された酸化ケイ素膜からなるバリア膜と、
前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜の上に形成されたドレイン電極膜およびソース電極膜を有する薄膜トランジスターであって、
前記ドレイン電極膜およびソース電極膜は、酸化ケイ素膜からなるバリア膜に接して形成されているCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層と、前記酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層の上に形成されたCu層とからなる複合銅合金膜により構成される薄膜トランジスター、に特徴を有するものである。
さらに、この発明は、薄膜トランジスター中間体を含むものである。したがって、この発明は、
(2)ガラス基板の上に形成されたゲート電極膜と、
前記ガラス基板およびゲート電極膜の上に形成された窒化珪素膜と、
前記窒化珪素膜の上に形成されたnアモルファスSi半導体膜と、
前記nアモルファスSi半導体膜の上に形成されたnアモルファスSiオーミック膜と、
前記nアモルファスSiオーミック膜の上に形成された酸化ケイ素膜からなるバリア膜と、
前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜の上に形成されたドレイン電極膜およびソース電極膜を有する薄膜トランジスター中間体であって、
前記ドレイン電極膜およびソース電極膜は、前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜に接して形成されているCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層と、前記酸素−カルシウム含有銅合金下地層の上に形成されたCu層とからなる複合銅合金膜により構成される薄膜トランジスター中間体、に特徴を有するものである。
この発明の薄膜トランジスターおよび薄膜トランジスター中間体の製造方法を図面に基づいて一層詳細に説明する。
図1はこの発明の薄膜トランジスター中間体の断面図であり、図2はこの発明の薄膜トランジスター中間体を作製するための積層体の断面図である。図1に示されるこの発明の薄膜トランジスター中間体を作製するには、まず、図2の断面図に示されるように、ガラス基板1の表面に銅膜からなるゲート電極膜2を形成し、このゲート電極膜2およびガラス基板1の上に窒化珪素(SiNx)膜3を形成し、さらにこの窒化珪素(SiNx)膜3の上にnアモルファスSi半導体膜4を形成し、前記nアモルファスSi半導体膜4の上にnアモルファスSiオーミック膜4´を形成し、さらにこのnアモルファスSiオーミック膜4´の上に酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜11を形成する。この酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜11は、通常のPVDまたはCVDによっても形成することができるが、スパッタ装置内の雰囲気を酸素または酸素を含む不活性ガス雰囲気となるように保持しながら空スパッタすることによりnアモルファスSiオーミック膜4´の表面を酸化させて形成することができる。
このバリア膜11の上に、Ca:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12とCu層13とからなる複合銅合金膜14を形成することにより図2に示される積層体9´を作製する。この酸素−カルシウム含有銅合金下地層12およびCu層13とからなる複合銅合金膜14は、Ca:0.01〜15モル%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有する銅合金ターゲットを用い、まず、酸素を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタすることにより酸素−カルシウム含有銅合金下地膜12形成し、その後、酸素の供給を停止して雰囲気を不活性ガス雰囲気とし、この不活性ガス雰囲気中においてスパッタすることによりCu層13を形成することができる。Ca:0.01〜15モル%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有する銅合金ターゲットを用いて酸素を含む不活性ガス雰囲気中においてスパッタするとCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層が形成されるが、同じ成分組成を有する銅合金ターゲットを用いて不活性ガス雰囲気中においてスパッタしてもCaを含有するカルシウム含有銅合金膜は形成されず、純銅に近いCaを含まない成分組成を有するCu層13が形成される。このようにして形成されたCu層13はCa:0.01〜15モル%を含有する銅合金ターゲットを用いてスパッタすることにより成膜することから、Cu層13には微量のCaが混入することがあるが、その量は極めて少なく、0.05モル%以下であり、不可避不純物の範囲内であってほぼ銅と同じ組成を有する。
図2に示される積層体9´のゲート電極2の真上の部分の複合銅合金膜14を湿式エッチングし、さらにバリア膜11およびnアモルファスSiオーミック膜4´をプラズマエッチングすることにより分離溝7を形成してnアモルファスSi半導体膜4を露出させ、それによってドレイン電極膜5およびソース電極膜6を形成することにより図1の断面図に示されるこの発明の薄膜トランジスター中間体10´を作製することができる。
プラズマエッチングした分離溝7を有するこの発明の薄膜トランジスター中間体10´を水素プラズマ処理することによりこの発明の薄膜トランジスターを作製することができる。この発明の薄膜トランジスターは、図1に示されるこの発明の薄膜トランジスター中間体10´における酸素−カルシウム含有銅合金下地層12がCaおよび酸素の濃度が一層高いCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層に変化したものであるから、その断面形状構造は図1と同じであり、したがって、この発明の薄膜トランジスターの図面に基づく説明は省略した。
この発明の薄膜トランジスター中間体を水素プラズマ処理する条件は、背景技術で述べた水素プラズマ処理の条件と同じである。
この水素プラズマ処理することによって、この発明の薄膜トランジスター中間体に形成されているCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12はCaおよび酸素の濃度が一層高いCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層(図示せず)に変化する。この酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層が生成することによって薄膜トランジスターのバリア膜に対する密着性が格段に向上する。
Ca:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12を有するこの発明の薄膜トランジスター中間体に水素プラズマ処理を施すとCaおよび酸素の濃度が一層高いCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層が生成する理由は、水素プラズマ処理を施すことによりCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12に含まれているCaおよび酸素がバリア膜11の方向に拡散移動してCaおよび酸素の濃度が一層高い濃縮層がバリア膜11近傍に生成するからであり、また、このようにして生成したCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層が酸化ケイ素からなるバリア膜に対する密着性が格段に優れている理由は、水素プラズマ処理中にCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12に水素が拡散し、膜中の酸素と反応して水が発生し、この水と膜中の酸化カルシウムが反応して水酸化カルシウムを生成し、カルシウムイオンと水酸化イオンとなって酸化ケイ素膜からなるバリア膜と反応し、強固なカルシウムシリケートが酸化ケイ素膜からなるバリア膜に接して生成することによってバリア膜に対する密着性が格段に向上するものと考えられる。
次に、この発明の薄膜トランジスター中間体のドレイン電極膜およびソース電極膜を構成する複合銅合金膜における酸素−カルシウム含有銅合金下地層の成分組成およびこの発明の薄膜トランジスターのドレイン電極膜およびソース電極膜を構成する複合銅合金膜における酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層に含まれる濃縮層の成分組成を前述のごとく限定した理由を説明する。
(イ)この発明の薄膜トランジスター中間体の酸素−カルシウム含有銅合金下地層:
この発明の薄膜トランジスター中間体のドレイン電極膜およびソース電極膜を構成する複合銅合金膜における酸素−カルシウム含有銅合金下地層にCaおよび酸素を共存させて含ませることにより、酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜に対する密着性を向上させることができる。しかし、Ca:0.01モル%未満、酸素:1モル%未満では水素プラズマ処理時の密着性低下防止作用が不足するので好ましくなく、一方、Caを10モル%を越えて含有するためにはCaを15モル%を越えて含有する銅合金ターゲットを作製しなければならず、Caを15モル%を越えて含有する銅合金ターゲットを用いて酸素を導入する反応性スパッタを行っても、スパッタ開始時に放電が立たなくなるので効率良くスパッタをおこなうことができなくなる。Caを2.5モル%を越えて含有する銅合金は熱間圧延時に割れが発生してターゲットを作製することができなくなる。したがって、Caを2.5モル%を越えて含有するターゲットを作製するにはCu−Ca母合金粉末をホットプレスすることにより作製することが好ましい。また、20%を越えて酸素を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタリングすると異常放電が生じるため、酸素を20モル%を越えて含有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層を形成することはできない。これらの理由から、この発明の薄膜トランジスター中間体の複合銅合金膜を構成する酸素−カルシウム含有銅合金下地層に含まれるCaの量を0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%に定めた。
なお、この発明の薄膜トランジスター中間体の複合銅合金膜を構成する酸素−カルシウム含有銅合金下地層に含まれるCaの量が少なくなると、この発明の薄膜トランジスターの酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層に含まれるCaの量が少なくなって薄膜トランジスターの酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層に含まれるCaの量が2モル%に達しないと考えられるが、薄膜トランジスター中間体の複合銅合金膜を構成する酸素−カルシウム含有銅合金下地層に含まれるCaの量が少ないときは薄膜トランジスター中間体の複合銅合金膜を構成する酸素−カルシウム含有銅合金下地層の厚さを一層厚くすることにより薄膜トランジスターの酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層に含まれるCaの量を2モル%以上とすることができることを確認している。
(ロ)この発明の薄膜トランジスターの酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層:
この発明の薄膜トランジスター中間体を水素プラズマ処理することにより薄膜トランジスター中間体のCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層12はCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有するCaおよび酸素の濃度の一層高い濃縮層を有するように変化し、このCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層が生成することにより酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜に対する密着性を一層向上させることができる。
この発明の薄膜トランジスター中間体は、バリア膜として酸化ケイ素(SiOx)膜が使用されており、さらにドレイン電極膜およびソース電極膜に酸素およびCaを含む酸素−カルシウム銅合金膜下地膜とする複合銅合金膜が使用されているので酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜に対する密着性が一層に優れていることから、例えば、この発明の薄膜トランジスター中間体の搬送時に振動が付与されてもドレイン電極膜およびソース電極膜の剥離による故障が起こる可能性が一段と少なく、さらにnアモルファスSiオーミック膜4´の表面を空スパッタするだけでバリア膜の酸化ケイ素(SiOx)膜を形成することができるので製造コストを下げることができるなど優れた効果を奏するものである。
さらに、この発明の薄膜トランジスター中間体を水素プラズマ処理して得られるこの発明の薄膜トランジスターはCaおよび酸素を一層高濃度で含有する濃縮層が生成し、この濃縮層を含む酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金膜下地膜の生成により、酸化ケイ素(SiOx)膜からなるバリア膜に対する密着性に一層優れたものとなり、この発明の薄膜トランジスターに激しい振動が付与されてもドレイン電極膜およびソース電極膜の剥離による故障が起こる可能性が皆無となる。
実施例1
純度:99.99質量%の無酸素銅を用意し、この無酸素銅をArガス雰囲気中、高純度グラファイトモールド内で高周波溶解し、得られた溶湯にCaを添加し溶解して表1に示される成分組成を有する溶湯となるように成分調整し、得られた溶湯を冷却されたカーボン鋳型に鋳造し、さらに熱間圧延したのち最終的に歪取り焼鈍し、得られた圧延体の表面を旋盤加工して外径:152mm、厚さ:5mmの寸法を有し、表1に示される成分組成を有するターゲットA〜Oを作製した。さらに、純度:99.999質量%の無酸素銅から純銅ターゲットPを作製した。
Figure 0005377914
表面に100nmの厚さのnアモルファスSi膜を形成したガラス板(縦:50mm、横:50mm、厚さ:0.7mmの寸法を有するコーニング社製1737のガラス板)からなる基板をスパッタ装置に設置し、さらにターゲットA〜Pを基板とターゲットの距離が70mmとなるようにスパッタ装置に設置し、スパッタ装置の電源として直流方式を採用し、スパッタ装置の真空容器を到達真空度4×10−5Paになるまで真空引きした。次に酸素を表2〜3に示される割合で含む酸素−Ar混合ガスをスパッタガスとして真空容器内に流し、スパッタ雰囲気圧力を0.67Paとした後、出力:600Wで1分間シャッターを閉じた状態で放電(空スパッタ)してnアモルファスSi膜表面に約10nm厚のシリコン酸化膜を形成し、出力:600Wで放電することにより表2〜3に示される厚さおよび成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層を成膜し、引き続いて酸素の供給を停止し、Arガスのみで0.67Paの圧力でスパッタすることにより厚さ:250nmを有し、Cuおよび不可避不純物からなるCu層を成膜することにより本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜3および従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1を成膜した。
このようにして得られた本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜3および従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1について、下記の条件で碁盤目付着試験を行った。
碁盤目付着試験:
JIS-K5400に準じ、1mm間隔で縦横11本ずつカッターで1mm間隔の切り込みを入れ、本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜3および従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1に100個の升目膜を作り、3M社製スコッチテープを密着させたのち一気に引き剥がし、ガラス基板中央部の10mm角内でガラス基板に付着していた升目膜に剥離が生じた升目膜の数を測定し、その結果を剥離した升目の数(個/100)として表2に示すことによりガラス基板に対する本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜3および従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1の密着性を評価した。
なお、本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜3および従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1における酸素−カルシウム含有銅合金下地層に含まれるCaおよび酸素の分析は、
走査型オージェ電子分光分析装置(形式:PHI700、アルバック・ファイ株式会社製)を用い、
電子銃
加速電圧:5kV、
照射電流:10nA(ファラデーカップで測定)、
ビーム径:10μm(直径)、
イオン銃
加速電圧:1kV、
エミッション電流:10mA、
ラスター幅:1×1mm、
試料ステージ
傾斜:30°、
ローテーション:Zalar、
回転スピード:0.8rpm、
分析条件
スパッターモード:Alternating W/Zalar、
スパッターインターバル:1分、
の条件で行った。
Figure 0005377914
Figure 0005377914
表2〜3に示される結果から、本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14は従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1に比べて密着性が優れていることがわかる。しかし、この発明の条件から外れた値を有する比較複合銅合金膜1〜2は密着性がやや劣るので好ましくなく、酸素を20モル%を越えて含有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層は以上放電が発生して成膜することができないことが分る。
実施例2
成膜することができた表2〜3に示される本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1〜2および従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1に、
ガス:100%水素ガス、
水素ガス流量:500SCCM、
水素ガス圧:100Pa、
処理温度:300℃、
RF電力流密度:0.1W/cm2、
処理時間:2分、
の条件の水素プラズマ処理を施すことにより表4〜5に示される成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金膜下地層およびCu層からなる本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜2および従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1を作製し、これら本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜2および従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1について四探針法により比抵抗値を測定し、さらに先の実施例1と同じ条件で碁盤目付着試験を行い、その結果を表4〜5に示すことにより本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜2および従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1の評価を行った。
なお、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14、比較薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜2および従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1に含まれる濃縮層のCaおよび酸素の分析は実施例1と同じ条件で行った。
Figure 0005377914
Figure 0005377914
表4〜5に示される結果から、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14は従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1に比べて比抵抗は同等で大差は無く、また、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14と従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1密着性を比較すると、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14は従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1よりも密着性が格段にすぐれていることから、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜14からなる電極膜を内蔵したこの発明の薄膜トランジスターは電極膜の剥離による故障が極めて少なくなることが分る。しかし、この発明の条件から外れた値を有する比較薄膜トランジスター用複合銅合金膜1〜2は比抵抗および密着性の少なくともいずれかが劣るので薄膜トランジスターの電極膜として好ましくないことが分る。
実施例3
真空排気後にArガスを導入して雰囲気をArガス雰囲気にした高周波溶解炉により溶解し鋳造してCa含有量の異なるCu−Ca母合金インゴットを作製し、これらCa含有量の異なるCu−Ca母合金インゴットを再溶解し、得られた溶湯を温度:1250℃に保持しながら圧力:3MPaのArガス流にてガスアトマイズすることにより表6に示される成分組成を有するCu−Ca母合金粉末を作製した。得られたCu−Ca母合金粉末を分級して最大粒径:100μm以下のCu−Ca母合金粉末を作製したのち、このCu−Ca母合金粉末を離型剤を塗布した黒鉛モールドに充填し、温度:800℃、圧力:15MPa、30分間保持の条件でホットプレスすることによりホットプレス体を作製した。このホットプレス体を機械加工してCu−Ca母合金粉末と表6に示される成分組成を有するターゲットa〜nを作製した。
Figure 0005377914
次に、表面に100nmの厚さのnアモルファスSi膜を形成したガラス板(縦:50mm、横:50mm、厚さ:0.7mmの寸法を有するコーニング社製1737のガラス板)からなる基板をスパッタ装置に設置し、さらに表4のターゲットa〜nを基板とターゲットの距離が70mmとなるようにスパッタ装置に設置し、スパッタ装置の電源として直流方式を採用し、スパッタ装置の真空容器を到達真空度4×10−5Paになるまで真空引きした。次に酸素を表7に示される割合で含む酸素−Ar混合ガスをスパッタガスとして真空容器内に流し、スパッタ雰囲気圧力を0.67Paとした後、出力:600Wで1分間シャッターを閉じた状態で放電(空スパッタ)してnアモルファスSi膜表面に約10nm厚のシリコン酸化膜を形成し、出力:600Wで放電することにより厚さ:50nmを有する表7に示される成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層を成膜し、引き続いて酸素の供給を停止し、Arガスのみで0.67Paの圧力でスパッタすることにより厚さ:250nmを有し、Cuおよび不可避不純物からなるCu層を成膜することにより本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜15〜27および比較薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜4を成膜した。その結果、表6のCaを15モル%を越えて含むターゲットnはスパッタ開始時に放電が立ないために成膜できなかった。
このようにして得られた本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜15〜27について、実施例1と同じ条件で碁盤目付着試験を行い、その結果を剥離した升目の数(個/100)として表7に示すことによりガラス基板に対する本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜15〜27の密着性を評価した。
なお、本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜15〜27における酸素−カルシウム含有銅合金下地層に含まれるCaおよび酸素の分析は、実施例1と同様に、
走査型オージェ電子分光分析装置(形式:PHI700、アルバック・ファイ株式会社製)を用い、
電子銃
加速電圧:5kV、
照射電流:10nA(ファラデーカップで測定)、
ビーム径:10μm(直径)、
イオン銃
加速電圧:1kV、
エミッション電流:10mA、
ラスター幅:1×1mm、
試料ステージ
傾斜:30°、
ローテーション:Zalar、
回転スピード:0.8rpm、
分析条件
スパッターモード:Alternating W/Zalar、
スパッターインターバル:1分、
の条件で行った。
Figure 0005377914
表7に示される結果から、本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜15〜27は表3の従来薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜1に比べて密着性が優れていることがわかる。
実施例4
成膜することができた表7に示される本発明薄膜トランジスター中間体用複合銅合金膜15〜27に、
ガス:100%水素ガス、
水素ガス流量:500SCCM、
水素ガス圧:100Pa、
処理温度:300℃、
RF電力流密度:0.1W/cm2、
処理時間:2分、
の条件の水素プラズマ処理を施すことにより表6に示される成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金膜下地層およびCu層からなる本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27を作製し、これら本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27について四探針法により比抵抗値を測定し、さらに先の実施例1と同じ条件で碁盤目付着試験を行い、その結果を表8に示すことにより本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27の評価を行った。
なお、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27に含まれる濃縮層のCaおよび酸素の分析は実施例1と同じ条件で行った。
Figure 0005377914
表8に示される結果から、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27は表5の従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1に比べて比抵抗は同等で大差は無く、また、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27と従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1密着性を比較すると、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27は従来薄膜トランジスター用複合銅合金膜1よりも密着性が格段にすぐれていることから、本発明薄膜トランジスター用複合銅合金膜15〜27からなる電極膜を内蔵したこの発明の薄膜トランジスターは電極膜の剥離による故障が極めて少なくなることが分る。
この発明の薄膜トランジスター中間体の断面概略説明図である。 この発明の薄膜トランジスター中間体を作製するための積層体の断面概略説明図である。 従来の薄膜トランジスター中間体の断面概略説明図である。 従来の薄膜トランジスター中間体を作製するための積層体の断面概略説明図である。
符号の説明
1:ガラス基板、2:ゲート電極、3:SiNx膜、4:nアモルファスSiオーミック膜、4´:nアモルファスSi半導体膜、5:ドレイン電極、6:ソース電極、7:分離溝、8:純銅膜、9:従来の薄膜トランジスター中間体を作製するための積層体、10:従来の薄膜トランジスター中間体、9´:この発明の薄膜トランジスター中間体を作製するための積層体、10´:この発明の薄膜トランジスター中間体、11:バリア膜、12:酸素−カルシウム含有銅合金下地膜、13:Cu層、14:複合銅合金膜。

Claims (2)

  1. ガラス基板の上に形成されたゲート電極膜と、
    前記ガラス基板およびゲート電極膜の上に形成された窒化珪素膜と、
    前記窒化珪素膜の上に形成されたnアモルファスSi半導体膜と、
    前記nアモルファスSi半導体膜の上に形成されたnアモルファスSiオーミック膜と、
    前記nアモルファスSiオーミック膜の上に形成された酸化ケイ素膜からなるバリア膜と、
    前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜の上に形成されたドレイン電極膜およびソース電極膜を有する薄膜トランジスターであって、
    前記ドレイン電極膜およびソース電極膜は、少なくとも前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜に接して形成されているCa:2〜30モル%、酸素:20〜50モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成の濃縮層を有する酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層と、前記酸素−カルシウム濃縮層含有銅合金下地層の上に形成されたCu層とからなる複合銅合金膜により構成されていることを特徴とする薄膜トランジスター。
  2. ガラス基板の上に形成されたゲート電極膜と、
    前記ガラス基板およびゲート電極膜の上に形成された窒化珪素膜と、
    前記窒化珪素膜の上に形成されたnアモルファスSi半導体膜と、
    前記nアモルファスSi半導体膜の上に形成されたnアモルファスSiオーミック膜と、
    前記nアモルファスSiオーミック膜の上に形成された酸化ケイ素膜からなるバリア膜と、
    前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜の上に形成されたドレイン電極膜およびソース電極膜を有する薄膜トランジスター中間体であって、
    前記ドレイン電極膜およびソース電極膜は、前記酸化ケイ素膜からなるバリア膜に接して形成されているCa:0.01〜10モル%、酸素:1〜20モル%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる成分組成を有する酸素−カルシウム含有銅合金下地層と、前記酸素−カルシウム含有銅合金下地層の上に形成されたCu層とからなる複合銅合金膜により構成されることを特徴とする薄膜トランジスター中間体。
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