JP5372623B2 - 質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents
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Description
(m/z63のイオンクロマトグラムの半値幅)
>(m/z125イオンクロマトグラムの半値幅)
>(m/z32のイオンクロマトグラムの半値幅)
となっており、m/zが大きいほど半値幅が小さくなる組み合わせはm/z63とm/z 125である。従って、本発明によれば、m/z63が単量体、m/z125が2量体であり、前述の「(4)m/z63は[M+H]+ 、m/z125は[2M+H]+であり、分子の質量は62」、あるいは「(5)m/z63はM+ 、m/z125は[2M-H]+であり、分子の質量は63」のいずれかが正しいと判断される。この結果は、例えば図14のようにデータ表示部に表示される。
イオンクロマトグラムのピーク幅を比較するには、強度が最大強度の一定の割合になる時間を用いてもよい。図4に、最大強度の半分になる時間を用いる例を示す。この場合、
Tp1<Tq1<Tq2<Tp2
となった時、イオンpは単量体、イオンqは2量体と推定される。
単量体>2量体>3量体>4量体
の関係となっているため、これらのピークは同一物質の単量体および多量体であると判定される。データ処理部にて、各イオンのm/zを抽出し、分子量推定部に送る。分子量推定部では、各イオンのm/zと、隣り合う各ピークのm/z差から、分子の質量を推定できる。
2量体>3量体>4量体
の関係となっているため、これらのピークは同一物質の多量体であると判定される。各イオンのm/zと、隣り合う各ピークのm/z差から、単量体が検出されない場合でも、分子の質量を推定できる。
ここで、f(m/z)は、m/zによって検出器の感度が異なる場合に、それを補正するための係数であり、質量分析装置の設定に依存する。標準試料を用いて、試料量と上記式で算出したIについて検量線を作成する。このように、多量体ピーク強度を用いることで、より広いダイナミックレンジでの物質の定量が可能である。
m量体>n量体(m, nは正の整数で、m<n)
であるかを判定する。両方の条件を満たした場合、このピークの組み合わせの情報はデータ処理部に送られ、データ処理部では、あらかじめ設定されたパラメータに基づき、分子量推定を行う。算出した推定分子量を、データ記憶部に保存する。これを、全ての組み合わせについて行う。このようなデータ処理シーケンスにより、効率的に分子量推定を行うことが出来る。
m量体>n量体(m, nは正の整数で、m<n)
であるかを判定する。両方の条件を満たした場合、このピークの組み合わせの情報はデータ処理部に送られ、データ処理部では、あらかじめ設定されたパラメータに基づき、m量体についてMS2測定を行う命令を質量分離部に送る。MS2において得られたデータはデータ処理部においてピーク抽出が行われ、ピークリストは分子量推定部に送られる。ピークリスト中に、単量体からm-1量体のうちのいずれかが検出された場合には、その情報を加えて分子量推定を行う。算出した推定分子量を、データ記憶部に保存する。これを、全ての組み合わせについて行う。測定前にあらかじめ、パラメータ入力画面において、単量体・多量体の可能性のあるピークの組み合わせの検索を行うか否か、m量体のmの最大値、保持時間の誤差許容値、m/zの誤差許容値、保持時間に対する分子質量の最大値、MS2の対象ピークの条件(強度、m/z)、MS2実行条件(m/z、電圧)などのパラメータを設定する。パラメータはデータ記憶部に格納され、データ処理部でピークの判定時に使用される。このようなデータ処理プログラムにより、効率的に分子量推定を行うことが出来る。
Claims (19)
- 試料をイオン化するイオン源と、
イオン化された前記試料の質量分析を行う質量分析部と、
前記質量分析部の分析結果を検出する検出部と、
前記検出部で検出されたデータを処理する情報処理部とを有し、
前記情報処理部は、
質量電荷比の異なるイオンの中から同一物質に由来するイオンの組み合わせを推定する手段と、
推定される組み合わせに含まれるイオンについて、イオン強度の時間変動を表すイオンクロマトグラムを生成する手段と、
生成された前記イオンクロマトグラムの各ピークの時間の一致度を判定する手段と、
生成された前記イオンクロマトグラムの各ピークの時間幅の大小関係を判定する手段と、
を備え、前記時間の一致度と前記時間幅の大小関係に基づいて、前記試料中の物質の分子量を推定する手段と、
データを保持するデータ記憶部と、
推定された分子量を出力する出力手段とを有することを特徴とする質量分析装置。 - 前記時間幅の大小関係は、各ピークの半値幅を用いることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 前記データ記憶部は、物質のイオン化傾向に関するデータを保持し、前記分子量を推定する手段は、前記イオン化傾向に関するデータに基づいて、分子量を推定することを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 前記分子量を推定する手段は、各イオンの質量電荷比と、前記各ピークの隣り合うピークの質量電荷比の差から、分子量を推定することを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記分子量推定手段は、
pを付加あるいは脱離物質の質量、Δを質量分析部の質量分解能、Xを正の数、nを正の整数とするとき、
質量スペクトルに同時に検出された複数のイオンの中の2つのイオンについて、
第1のイオンの質量電荷比が、nX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ の範囲内にあり、かつ、第2のイオンの質量電荷比が、(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δの範囲内にあることを満たす、Xおよびnが存在するイオンの組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体のイオンの組み合わせとして推定することを特徴とする質量分析装置。 - pは水素の質量であることを特徴とする請求項5に記載の質量分析装置。
- 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記分子量推定手段は、
質量電荷比がnX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ であるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn、質量電荷比が(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δであるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn+1、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn+1とし、
イオンクロマトグラムの時間誤差をtとしたとき、
Tn−t≦Tn+1≦Tn+t
かつ
Wn>Wn+1
の2式を満たす組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体のイオンの組み合わせとして判定する手段を備えることを特徴とする質量分析装置。 - 前記試料を物質毎に分離する分離手段を有し、前記分離手段により分離された物質が前記イオン源に導入されることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 前記試料を加熱する試料加熱部を有し、前記試料加熱部により加熱された物質が前記イオン源に導入されることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 前記組み合わせに含まれるイオンについて多段質量分析を行う手段を備えることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記イオン源は化学イオン化を行うことを特徴とする質量分析装置。
- 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記イオン源は大気圧化学イオン化を行うことを特徴とする質量分析装置。
- 試料をイオン化する工程と、
イオン化された試料の質量分析を行う工程と、
質量スペクトル中のピークを抽出する工程と、
前記ピークの質量電荷比から、同一物質に由来する単量体イオンおよび多量体イオンの組み合わせ候補を選出する工程と、
組み合わせに含まれるイオンについて、イオンクロマトグラムを生成する工程と、
イオンクロマトグラムが最大強度となる時間の一致度を判定する工程と、
イオンクロマトグラムピークの時間幅の大小関係を判定する工程、
前記時間の一致度と前記時間幅の大小関係から、前記単量体の質量を推定する工程と、
を有することを特徴とする質量分析方法。 - 請求項13に記載の質量分析方法であって、
pを付加あるいは脱離物質の質量、Δを質量分析部の質量分解能、Xを正の数、nを正の整数とするとき、
質量スペクトルに同時に検出された複数のイオンの中の2つのイオンについて、
1つめのイオンの質量電荷比が、nX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ の範囲内にあり、かつ、2つめのイオンの質量電荷比が、(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δの範囲内にあることを満たす、Xおよびnが存在するイオンの組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体と推定することを特徴とする質量分析方法。 - 請求項13に記載の質量分析方法であって、
質量電荷比がnX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ であるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn、質量電荷比が(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δであるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn+1、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn+1とし、
イオンクロマトグラムの時間誤差をtとしたとき、
Tn-t≦Tn+1≦Tn+t
かつ
Wn>Wn+1
を満たす組み合わせを、単量体または多量体イオンの組み合わせであると判定することを特徴とする質量分析方法。 - 請求項13の質量分析方法であって、前記試料をクロマトグラフで分離する工程を有し、分離された試料がイオン化されることを特徴とする質量分析方法。
- 請求項13の質量分析方法であって、組み合わせに含まれるイオンに多段質量分析を行う工程を有することを特徴とする質量分析方法。
- 請求項13の質量分析方法であって、前記単量体または多量体イオンの組み合わせに含まれるイオンについて、各イオンに固有の補正係数をイオン強度に乗算して値を補正し、補正後のイオン強度を加算した値を用いて物質の定量を行うことを特徴とする質量分析方法。
- 請求項14又は15の質量分析方法であって、前記Xの範囲を、前記イオンクロマトグラムが最大強度となる時間を変数とする関数で制限することを特徴とする質量分析方法。
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