JP5372623B2 - 質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスクロマトグラフ/質量分析装置、およびそれを用いた分析方法に関する。
以下では、ガスクロマトグラフィをGC(Gas Chromatography)、液体クロマトグラフィをLC(Liquid Chromatography)、質量分析計をMS(Mass Spectrometer)、ガスクロマトグラフィと質量分析計を結合した装置をGC/MS(Gas Chromatography / Mass Spectrometer)、大気圧化学イオン化をAPCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization)、化学イオン化をCI(Chemical Ionization)、電子衝撃イオン化をEI(Electron Impact)、エレクトロスプレーイオン化をESI(Electro-spray Ionization)、質量電荷比をm/zとそれぞれ略記する。
近年、環境中の物質や、生体試料など、多成分を含む混合物の網羅的分析に、質量分析が適用されるようになってきている。成分が多い複雑な試料の場合、クロマトグラフ等の分離手段を用いて成分を分離した後、質量分析する方法が用いられる。例えば、ガス試料の分析では、GC/MSを用いることで、多成分を高感度に測定できる。
質量分析のためには、試料分子を気化し、イオン化する必要があり、目的に応じて種々のイオン化方法が使用される。GC/MSでは、EIイオン化が最も普及している。EIイオン化は、熱電子を分子に衝突させる高エネルギーのイオン化方法のため、イオン化に際して分子が断片化し、1種の物質から複数種類のフラグメント(断片)イオンを生じる。つまり、質量スペクトル上に複数のピークが検出され、物質に特徴的なフラグメントパターンが得られる。今までに、10万種以上の物質のEIフラグメントパターンがデータベースとして蓄積されている。EIを用いると、このフラグメントパターンを用いて物質を同定できるという利点がある。その一方、2種類以上の物質が同時にイオン化されると、フラグメントパターンが重なった質量スペクトルとなるため、物質の特定は困難である。従って、混合物試料の分析に際しては、各試料成分を完全に分離してから質量分析することが望ましい。GC分離を向上させるには、分離に要する時間を長くする必要がある。そのため、試料成分の数が多ければ多いほど、長時間のGC分離が必要となり、分析に要する時間が長くなってしまうという欠点がある。
そこで、EIと比較してフラグメント化しにくいソフトイオン化方法として、APCI,CI,ESIなどが開発されてきた。これらのソフトイオン化方法を用いれば、分子構造を保ったままイオン化した「分子イオン」が主に生成するため、同時に複数成分が検出されても見分けることができる。したがって、多成分を含む混合物でも、短時間のGC分離で分析することができ、分析の高速化を図ることができる。EIとは逆に、フラグメントパターンによる物質同定ができないことが欠点であるが、これは多段質量分析という質量分析技術により補うことができる。多段質量分析とは、質量分析計の中で、目的のイオンを選択的にフラグメント化できる技術であり、分子構造に関する情報を得ることができる。ただし、多段質量分析によるフラグメントイオンパターンのデータベースは未だ小規模であり、未知試料の同定は現状困難である。未知試料をEI以外のイオン化方法を用いる質量分析測定で同定するには、まず、質量スペクトルから推定される分子量、多段質量分析によるフラグメントイオンパターン、GC分離やLC分離による保持時間、などの情報を総合して物質を推定する。次に、推定した物質が未知試料と一致するか確かめるため、純粋な試薬を入手して同一の測定条件にて測定し、質量スペクトル、多段質量分析によるフラグメントイオンパターン、保持時間が同じであることを確かめ、物質を同定する。
しかし、ソフトイオン化として、特にAPCIやCIを用いた場合には、正確な分子量の推定は難しい場合が多い。なぜなら、イオン化の際に、少数のフラグメントイオンが生じたり、プロトン、水、アンモニア、などの脱離や付加を伴ったり、分子が複数会合した多量体イオンとなるといった、多様な形式があるためである。この問題を解決する方法の一つとして、特許文献1では、正イオン質量スペクトルと負イオンスペクトルを取得し、正イオンではプロトンの付加、負イオンではプロトン脱離が主であることを前提とし、分子量を特定する方法について示している。しかし実際は、物質により必ずしも正イオンでプロトン付加・負イオンでプロトン脱離を伴うとは限らない点が問題である。また、別の分子量推定方法として、試料分子が複数会合した状態である多量体イオンを用いる方法がある。APCIでは多量体イオンが生成することが知られている(特許文献2)。特許文献3および特許文献4では、GCやLCなどの分離手段を用いた場合に、それぞれのイオンのイオンクロマトグラムを作成し、強度最大となる時間(保持時間)が一致することで、同一物質由来のイオンであると判別する手段が述べられている。
特開2008−298517号公報 特開2005−55370号公報 特許第2904061号公報 特開2005−221276号公報
GC/APCI−MS測定における分子量推定に多量体の情報を用いる場合、分子Mはイオン化の際にプロトン(H+)付加、ヒドリド(H-)脱離を伴う場合が多く、単量体では[M-H]+、M+、[M+H]+のいずれか、2量体では[2M-H]+、[2M]+、[2M+H]+となるなど、多量体のm/zが単量体のm/zの整数倍になるとは限らず、2つのイオンが単量体と2量体の関係にあるか判断が難しいという問題があった。また、多成分を含む試料の分析では、偶然にm/zが2倍の物質が同時に検出され、それを同一物質由来の単量体と2量体と誤認し、分子量の推定に誤りを生じる可能性があった。
本発明の質量分析装置及び質量分析方法では、質量電荷比の異なるイオンの中から同一物質に由来するイオンの組み合わせを推定する。
具体的な例としては、同一スペクトル中のピークについて、1つめのピークの質量電荷比が、nX−1またはnXまたはnX+1 であり、かつ、2つめのピークの質量電荷比が、(n+1)X−1または(n+1)Xまたは(n+1)X+1である組み合わせを、同一物質からなり会合数の異なる多量体候補とする。
さらに、組み合わせに含まれるイオンについて、イオン強度の時間変動を表すイオンクロマトグラムを生成し、組み合わせに含まれるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間の一致度と、時間幅の大小関係を判定する。つまり、イオンクロマトグラムピークの時間が一致し、なおかつ、質量電荷比の大きいピークのイオンクロマトグラムのピーク幅の方が、質量電荷比の小さいピークのイオンクロマトグラムのピーク幅よりも小さい場合、つまり負の相関がある場合に、2つのピークは同一物質からなり会合数の1つ異なる多量体であり、その物質の質量をXと判定する。
本発明の質量分析装置の例としては、試料をイオン化するイオン源と、イオン化された試料の質量分析を行う質量分析部と、質量分析部の分析結果を検出する検出部と、検出部で検出されたデータを処理する情報処理部とを有し、情報処理部は、質量電荷比の異なるイオンの中から同一物質に由来するイオンの組み合わせを推定する手段と、推定される組み合わせに含まれるイオンについて、イオン強度の時間変動を表すイオンクロマトグラムを生成する手段と、生成されたイオンクロマトグラムの各ピークの時間の一致度を判定する手段と、生成された前記イオンクロマトグラムの各ピークの時間幅の大小関係を判定する手段とを備え、時間の一致度と時間幅の大小関係に基づいて、試料中の物質の分子量を推定する手段と、データを保持するデータ記憶部と、推定された分子量を出力する出力手段とを有する。
また、質量分析方法の例としては、試料をイオン化する工程と、イオン化された試料の質量分析を行う工程と、質量スペクトル中のピークを抽出する工程と、ピークの質量電荷比から、同一物質に由来する単量体イオンおよび多量体イオンの組み合わせ候補を選出する工程と、組み合わせに含まれるイオンについて、イオンクロマトグラムを生成する工程と、イオンクロマトグラムが最大強度となる時間の一致度を判定する工程と、イオンクロマトグラムピークの時間幅の大小関係を判定する工程、時間の一致度と時間幅の大小関係から、単量体の質量を推定する工程とを有する。
本発明によれば、物質の分子量推定の精度が向上する。
本発明による質量分析装置の構成例を示す概略図 図1の装置構成を用いた測定により得られたデータ例 図1の装置構成を用いた測定により得られた質量スペクトルおよびイオンクロマトグラム例 イオンクロマトグラムのピーク幅を決定する方法を示す図 2量体にMS2測定を行って得られた質量スペクトル 2量体より大きい多量体が生成する場合の質量スペクトルおよびイオンクロマトグラム例 2量体より大きい多量体が生成する場合の質量スペクトルおよびイオンクロマトグラム例 本発明による質量分析装置の構成例を示す概略図 クロマトグラフを使用しない場合の試料量およびイオン強度の時間変化を示す図 本発明による質量分析装置の構成例を示す概略図 保持時間と分子量の関係を表すグラフ 本発明の一実施例に基づく分子量推定フローの例 本発明の一実施例に基づく分子量推定フローの例 本発明によるデータ表示の一例
図1に、本発明による質量分析装置構成の一例を示す。質量分析装置は試料導入部、クロマトグラフ、イオン源、質量分離部、検出器、コンピュータ、データ表示部、パラメータ入力部等からなる。イオン源は、分子同士が会合した多量体イオンを生成することができる、APCI、ESI、CIや、その他のソフトイオン化法が適用可能である。コンピュータはデータ記憶部とデータ処理部からなる。データ記憶部は、測定データを保存すると共に、分子量推定に必要なパラメータを格納する。データ処理部は、分子量推定部を有する。データ処理部は、得られたデータに基づいて、質量分離部の動作条件を決定することもできる。分子量推定部では、以下に述べるような手順で物質の分子量を推定する。
図2は、安息香酸をGC/APCI-MS測定し、検出されたイオンのイオンクロマトグラムである。安息香酸は、APCI-MSを用いた正イオン測定では、m/z123(単量体[M+H]+ )、m/z244(2量体[2M]+)が検出される。2量体のm/zは単量体のm/zの2倍ではないため、試料が未知物質の場合には、m/zの値のみからでは、単量体と2量体であると確定できない。そこで、イオンクロマトグラムのピークトップ(保持時間)を比較すると、m/z123は390±2秒、m/z244は389秒である。図2の例における、測定装置の性能に依存する保持時間の誤差は2秒であることから、2つのイオンの保持時間は誤差範囲内で一致している。ただし、試料が複数の成分を含んでいる場合、分子量がおよそ倍の物質が同時に検出された可能性は排除できない。そこでさらに、イオンクロマトグラムの半値幅(強度が最大強度の半分になる時間幅)を比較する。m/z123は10秒、m/z244は3秒であり、2量体の方が単量体よりも狭い。
一般に、2量体は試料濃度が一定値以上になったとき生成される。GC分離された試料がMSに導入される場合、イオン源内の試料気体濃度は、時間経過とともに0から上昇して最大値に達した後、低下して0に戻る。この試料濃度の時間変化に伴い、生成されるイオンの時間変化を見ると、始めに単量体イオンが生成し、試料濃度が一定値に達すると2量体イオンが生成し始め、試料濃度が一定値以下に低下すると2量体イオンは生成されなくなり、単量体イオンのみとなる。すなわち、2量体は単量体より短い時間範囲内で検出される。
以上のことから、イオンクロマトグラムのピーク幅を比較し、2量体の方が単量体よりも狭いことが確認されれば、未知試料であっても、m/z123は単量体、m/z244は2量体であると確認できる。
図3に、本発明による質量分析装置を用いた分子量の推定方法の一例を示す。GC/APCI−MSの正イオンモードで未知試料を測定し、保持時間95秒で得られた質量スペクトルが図3(a)である。この質量スペクトルデータはコンピュータに入力される。図3(a)のスペクトルには、m/z32,63,125の3つのイオンが検出されている。
pをイオン化の際の付加あるいは脱離物質の質量、Δを質量分析部の質量分解能、Xを正の数、nを正の整数とするとき、質量スペクトルに同時に検出された複数のイオンの中の2つのイオンについて、一方のイオンの質量電荷比が、nX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ の範囲内にあり、かつ、もう一方のイオンの質量電荷比が、(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δの範囲内にあることを満たす、Xおよびnが存在するイオンの組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体のイオンの組み合わせとして推定することができる。nの範囲、pの値とその頻度、およびΔ値は、パラメータとして測定前あるいは測定後にコンピュータに入力してデータ記憶部に保存され、分子量推定部での分子量推定において、条件として使用される。
APCIでは、イオン化に伴い、プロトン付加(+H、p=1)、ヒドリド脱離(-H、p=-1)、水の付加(+H2O,p=18)の可能性が高く、それよりも低い可能性では、水の脱離(-H2O、p=-18)、一酸化炭素の脱離(-CO、p=−28)、二酸化炭素の脱離(-CO2、p=-44)などが起こる。また、図3の実施例ではΔ=0.5である。そこで、図3(a)のスペクトルで、未知試料分子をMと表し、m/z32,63,125の3つのイオンの関係として推定されるものを挙げると、(1)3つのピークは別物質、(2)m/z32は[M+H]+ 、m/z63は[2M+H]+、m/z125は[4M+H]+であり、分子の質量Xは31、(3)m/z32はM+ 、m/z63は[2M-H]+であり、分子の質量Xは32、(4)m/z63は[M+H]+ 、m/z125は[2M+H]+であり、分子の質量Xは62、(5)m/z63はM+ 、m/z125は[2M-H]+であり、分子の質量Xは63、の5通りがあり、分子の質量Xを確定することは出来ない。
そこで次に、3つのイオンについて保持時間90秒から100秒までの各イオンのイオン強度の時間変化を示すイオンクロマトグラムを作成する(図3(b))。作成されたイオンクロマトグラムはデータ記憶部に保持される。
質量電荷比がnX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δであるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をT、イオンクロマトグラムピークの時間幅をW、質量電荷比が(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δであるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn+1、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn+1とし、イオンクロマトグラムの時間誤差をtとしたとき、単量体または多量体イオンの組み合わせでは、T-t≦Tn+1≦T+t、かつ、W>Wn+1となる。なお、t値は、分析装置の性能を加味して、定めることもでき、パラメータとして測定前あるいは測定後にコンピュータに入力してデータ記憶部に保存され、分子量推定部での分子量推定において条件として使用される。
図3の実施例の装置条件では、t=1秒である。m/z32,63,125のイオンクロマトグラムの最大値(保持時間)はt=1秒の範囲内で一致しており、同一物質由来のイオンの可能性は排除できない。
次に、イオンクロマトグラムピークトップが一致した各イオンクロマトグラムについて、ピークの幅を比較する。例えば、ピーク幅として半値幅を用いることができる。3つのイオンクロマトグラムを比較すると、
(m/z63のイオンクロマトグラムの半値幅)
>(m/z125イオンクロマトグラムの半値幅)
>(m/z32のイオンクロマトグラムの半値幅)
となっており、m/zが大きいほど半値幅が小さくなる組み合わせはm/z63とm/z 125である。従って、本発明によれば、m/z63が単量体、m/z125が2量体であり、前述の「(4)m/z63は[M+H]+ 、m/z125は[2M+H]+であり、分子の質量は62」、あるいは「(5)m/z63はM+ 、m/z125は[2M-H]+であり、分子の質量は63」のいずれかが正しいと判断される。この結果は、例えば図14のようにデータ表示部に表示される。
このように、イオンクロマトグラムの保持時間とピーク幅を用いることで、同時に検出されたイオンが、同一物質の多量体であるかを判定し、分子量を推定することができる。
(時間幅の比較の仕方)
イオンクロマトグラムのピーク幅を比較するには、強度が最大強度の一定の割合になる時間を用いてもよい。図4に、最大強度の半分になる時間を用いる例を示す。この場合、
Tp1<Tq1<Tq2<Tp2
となった時、イオンpは単量体、イオンqは2量体と推定される。
また、多段質量分析を応用し、2量体であることをより正確に判別することも可能である。2量体イオンm/z125に対して、多段質量分析の方式の1つである衝突誘起解離を行った例が図5である。衝突誘起解離では、目的とするイオンを不活性ガスに衝突させ、イオンをフラグメント化する。本発明における、多量体を判別する目的においては、多量体と推測されるイオンに対し、フラグメント化を目的とする通常の場合よりも弱いエネルギーで不活性ガスと衝突させる。これにより、会合していた分子同士が離れ、図5のように単量体が検出され、もとのイオンが2量体であることがより正確に確認できる。
表1に、各種物質をAPCIで正イオン化した場合に観測されるイオンの例を示す。APCIで生成する分子イオンは、電子脱離、プロトン付加、ヒドリド脱離のうちのいずれかの状態をとる。これは、物質の分子構造の違いにより、イオン化した分子の安定性が異なるためである。表1に示したアルコール、カルボン酸、アルデヒド、エステル、ケトンに類する物質のうち、単量体で電子脱離M+、2量体でヒドリド脱離[2M-H]+となる例は見られない。この点を考慮すると、図3の例で、測定した物質が、アルコール、カルボン酸、アルデヒド、エステル、ケトン、のいずれかの官能基をもつ化学物質であることが既知であれば、「(4)m/z63は[M+H]+ 、m/z125は[2M+H]+であり、分子の質量は62」である可能性が最も高いと考えられる。このようなデータをデータ記憶部に入れておき、分子量推定部における分子量推定において条件として使用することで、イオン化方式におけるイオン化の傾向についての知見を用いて分子の質量をより正確に推定することが可能である。
Figure 0005372623
分子の会合数が3以上の多量体が検出されることもある。図6に、単量体、2量体、3量体、および4量体が検出された質量スペクトルおよびイオンクロマトグラムの1例を示す。ここでは、全てのイオンがプロトン付加イオンである場合を示している。各イオンクロマトグラムの保持時間が誤差範囲内で一致し、なおかつ各イオンクロマトグラムピークの半値幅は、
単量体>2量体>3量体>4量体
の関係となっているため、これらのピークは同一物質の単量体および多量体であると判定される。データ処理部にて、各イオンのm/zを抽出し、分子量推定部に送る。分子量推定部では、各イオンのm/zと、隣り合う各ピークのm/z差から、分子の質量を推定できる。
また、単量体のピークは検出されず、多量体のピークのみが検出される場合もある。図7に、単量体のピークが検出されず、2量体、3量体、4量体だけが検出された場合の質量スペクトルおよびイオンクロマトグラムの例を示す。各ピークのイオンクロマトグラムで、保持時間が一致し、なおかつ各イオンクロマトグラムピークの半値幅は、
2量体>3量体>4量体
の関係となっているため、これらのピークは同一物質の多量体であると判定される。各イオンのm/zと、隣り合う各ピークのm/z差から、単量体が検出されない場合でも、分子の質量を推定できる。
図8に、本発明の質量分析装置構成の一例を示す。質量分析装置は試料導入部、イオン源、質量分離装置、検出器、コンピュータ、データ表示部、パラメータ入力部等からなる。コンピュータはデータ処理部とデータ記憶部からなる。クロマトグラフを使用せず、試料を直接イオン源に導入し、図9(a)のように一定時間だけ試料をイオン源に注入したときには、図9(b)のように物質の拡散によりイオン源内における試料気体濃度に時間変化が生じる。その結果、図9(c)のように単量体と多量体の生成に時間差が生じ、イオンクロマトグラムの幅の比較による多量体の判定が可能である。
図10に、本発明の質量分析装置構成の一例を示す。質量分析装置は試料導入部、試料加熱装置、イオン源、質量分離装置、検出器、コンピュータ、データ表示部、からなる。コンピュータはデータ処理部とデータ記憶部からなる。試料を加熱することで試料を気化し、イオン源に導入する機構の場合も、加熱装置温度の時間的な温度勾配により、図9(b)のようにイオン源内における試料気体濃度に時間変化が生じる。その結果、図9(c)のように単量体と多量体の生成に時間差が生じ、イオンクロマトグラムの幅の比較による多量体の判定が可能である。
多量体ピークを物質の定量に用いることができる。定量方法の一例を以下に述べる。ある物質について、本発明の質量分析装置により、単量体、多量体を検出する。nを正の整数とし、n量体のイオン強度をIn、m/zを(m/z)nとして、(数1)で算出されるIを、物質の定量に用いる。
Figure 0005372623

ここで、f(m/z)は、m/zによって検出器の感度が異なる場合に、それを補正するための係数であり、質量分析装置の設定に依存する。標準試料を用いて、試料量と上記式で算出したIについて検量線を作成する。このように、多量体ピーク強度を用いることで、より広いダイナミックレンジでの物質の定量が可能である。
図1のようにクロマトグラフ等の分離手段を用いた場合、物質の保持時間と分子量の関係を用いて、分子量の推定をより正確に行うことができる。例として、無極性液相キャピラリーカラムを用いたGCについて述べる。無極性液相キャピラリーカラムを分離に用いると、沸点の低い物質から順に溶出する。また、物質は、分子量が大きいほど沸点が高くなる傾向がある。したがって、ある保持時間で溶出される物質の分子量の上限値は、図11に示すようになる。データ記憶部にデータを入れて置く又はパラメータに入力し、この上限値以下であることを分子量の条件に加えることで、より正確に分子量を推定することができる。
図12に、本発明による質量分析装置の、分子量推定部における分子量推定シーケンスの一例を示す。質量分離部および検出器により得られた質量スペクトルデータはデータ処理部に送られ、データ処理部ではスペクトル中のピークを抽出したピークリストを作成する。ピークリストは分子量推定部に送られ、分子量推定部では、同一物質からなる単量体・多量体の可能性のあるピークの組み合わせを検索する。組み合わせがあった場合には、その組み合わせに含まれるピークのイオンクロマトグラムを作成し、保持時間が一致しているかを判定する。また、イオンクロマトグラムのピーク幅の関係が、
m量体>n量体(m, nは正の整数で、m<n)
であるかを判定する。両方の条件を満たした場合、このピークの組み合わせの情報はデータ処理部に送られ、データ処理部では、あらかじめ設定されたパラメータに基づき、分子量推定を行う。算出した推定分子量を、データ記憶部に保存する。これを、全ての組み合わせについて行う。このようなデータ処理シーケンスにより、効率的に分子量推定を行うことが出来る。
図13に、本発明による質量分析装置の、分子量推定部における分子量推定シーケンスの一例を示す。質量分離部および検出器により得られた質量スペクトルデータはデータ処理部に送られ、データ処理部ではスペクトル中のピークを抽出したピークリストを作成する。ピークリストは分子量推定部に送られ、分子量推定部では、同一物質からなる単量体・多量体の可能性のあるピークの組み合わせを検索し、組み合わせがあった場合には、その中に含まれるピークのイオンクロマトグラムを作成する。保持時間(イオンクロマトグラムのピークトップ)が一致しているかを判定する。また、イオンクロマトグラムのピーク幅の関係が、
m量体>n量体(m, nは正の整数で、m<n)
であるかを判定する。両方の条件を満たした場合、このピークの組み合わせの情報はデータ処理部に送られ、データ処理部では、あらかじめ設定されたパラメータに基づき、m量体についてMS2測定を行う命令を質量分離部に送る。MS2において得られたデータはデータ処理部においてピーク抽出が行われ、ピークリストは分子量推定部に送られる。ピークリスト中に、単量体からm-1量体のうちのいずれかが検出された場合には、その情報を加えて分子量推定を行う。算出した推定分子量を、データ記憶部に保存する。これを、全ての組み合わせについて行う。測定前にあらかじめ、パラメータ入力画面において、単量体・多量体の可能性のあるピークの組み合わせの検索を行うか否か、m量体のmの最大値、保持時間の誤差許容値、m/zの誤差許容値、保持時間に対する分子質量の最大値、MS2の対象ピークの条件(強度、m/z)、MS2実行条件(m/z、電圧)などのパラメータを設定する。パラメータはデータ記憶部に格納され、データ処理部でピークの判定時に使用される。このようなデータ処理プログラムにより、効率的に分子量推定を行うことが出来る。

Claims (19)

  1. 試料をイオン化するイオン源と、
    イオン化された前記試料の質量分析を行う質量分析部と、
    前記質量分析部の分析結果を検出する検出部と、
    前記検出部で検出されたデータを処理する情報処理部とを有し、
    前記情報処理部は、
    質量電荷比の異なるイオンの中から同一物質に由来するイオンの組み合わせを推定する手段と、
    推定される組み合わせに含まれるイオンについて、イオン強度の時間変動を表すイオンクロマトグラムを生成する手段と、
    生成された前記イオンクロマトグラムの各ピークの時間の一致度を判定する手段と、
    生成された前記イオンクロマトグラムの各ピークの時間幅の大小関係を判定する手段と、
    を備え、前記時間の一致度と前記時間幅の大小関係に基づいて、前記試料中の物質の分子量を推定する手段と、
    データを保持するデータ記憶部と、
    推定された分子量を出力する出力手段とを有することを特徴とする質量分析装置。
  2. 前記時間幅の大小関係は、各ピークの半値幅を用いることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  3. 前記データ記憶部は、物質のイオン化傾向に関するデータを保持し、前記分子量を推定する手段は、前記イオン化傾向に関するデータに基づいて、分子量を推定することを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  4. 前記分子量を推定する手段は、各イオンの質量電荷比と、前記各ピークの隣り合うピークの質量電荷比の差から、分子量を推定することを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  5. 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記分子量推定手段は、
    pを付加あるいは脱離物質の質量、Δを質量分析部の質量分解能、Xを正の数、nを正の整数とするとき、
    質量スペクトルに同時に検出された複数のイオンの中の2つのイオンについて、
    第1のイオンの質量電荷比が、nX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ の範囲内にあり、かつ、第2のイオンの質量電荷比が、(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δの範囲内にあることを満たす、Xおよびnが存在するイオンの組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体のイオンの組み合わせとして推定することを特徴とする質量分析装置。
  6. pは水素の質量であることを特徴とする請求項5に記載の質量分析装置。
  7. 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記分子量推定手段は、
    質量電荷比がnX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ であるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をT、イオンクロマトグラムピークの時間幅をW、質量電荷比が(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δであるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn+1、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn+1とし、
    イオンクロマトグラムの時間誤差をtとしたとき、
    −t≦Tn+1≦T+t
    かつ
    >Wn+1
    の2式を満たす組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体のイオンの組み合わせとして判定する手段を備えることを特徴とする質量分析装置。
  8. 前記試料を物質毎に分離する分離手段を有し、前記分離手段により分離された物質が前記イオン源に導入されることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  9. 前記試料を加熱する試料加熱部を有し、前記試料加熱部により加熱された物質が前記イオン源に導入されることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  10. 前記組み合わせに含まれるイオンについて多段質量分析を行う手段を備えることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  11. 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記イオン源は化学イオン化を行うことを特徴とする質量分析装置。
  12. 請求項1に記載の質量分析装置であって、前記イオン源は大気圧化学イオン化を行うことを特徴とする質量分析装置。
  13. 試料をイオン化する工程と、
    イオン化された試料の質量分析を行う工程と、
    質量スペクトル中のピークを抽出する工程と、
    前記ピークの質量電荷比から、同一物質に由来する単量体イオンおよび多量体イオンの組み合わせ候補を選出する工程と、
    組み合わせに含まれるイオンについて、イオンクロマトグラムを生成する工程と、
    イオンクロマトグラムが最大強度となる時間の一致度を判定する工程と、
    イオンクロマトグラムピークの時間幅の大小関係を判定する工程、
    前記時間の一致度と前記時間幅の大小関係から、前記単量体の質量を推定する工程と、
    を有することを特徴とする質量分析方法。
  14. 請求項13に記載の質量分析方法であって、
    pを付加あるいは脱離物質の質量、Δを質量分析部の質量分解能、Xを正の数、nを正の整数とするとき、
    質量スペクトルに同時に検出された複数のイオンの中の2つのイオンについて、
    1つめのイオンの質量電荷比が、nX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ の範囲内にあり、かつ、2つめのイオンの質量電荷比が、(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δの範囲内にあることを満たす、Xおよびnが存在するイオンの組み合わせを、同一物質に由来する単量体または多量体と推定することを特徴とする質量分析方法。
  15. 請求項13に記載の質量分析方法であって、
    質量電荷比がnX−p±ΔまたはnX±ΔまたはnX+p±Δ であるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をT、イオンクロマトグラムピークの時間幅をW、質量電荷比が(n+1)X−p±Δまたは(n+1)X±Δまたは(n+1)X+p±Δであるイオンについて、イオンクロマトグラムピークの時間をTn+1、イオンクロマトグラムピークの時間幅をWn+1とし、
    イオンクロマトグラムの時間誤差をtとしたとき、
    -t≦Tn+1≦T+t
    かつ
    >Wn+1
    を満たす組み合わせを、単量体または多量体イオンの組み合わせであると判定することを特徴とする質量分析方法。
  16. 請求項13の質量分析方法であって、前記試料をクロマトグラフで分離する工程を有し、分離された試料がイオン化されることを特徴とする質量分析方法。
  17. 請求項13の質量分析方法であって、組み合わせに含まれるイオンに多段質量分析を行う工程を有することを特徴とする質量分析方法。
  18. 請求項13の質量分析方法であって、前記単量体または多量体イオンの組み合わせに含まれるイオンについて、各イオンに固有の補正係数をイオン強度に乗算して値を補正し、補正後のイオン強度を加算した値を用いて物質の定量を行うことを特徴とする質量分析方法。
  19. 請求項14又は15の質量分析方法であって、前記Xの範囲を、前記イオンクロマトグラムが最大強度となる時間を変数とする関数で制限することを特徴とする質量分析方法。
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