JP5370294B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インテグラルイメージデータを用いて、画像の識別を行う画像処理装置に関するものである。
インテグラルイメージデータを用いた従来の画像処理装置においては、予め画像全体を対象として、画像を構成する個々の画素の画素データを積算することによりインテグラルイメージデータを生成し、記憶媒体に保存しておく。そして、画像の所定の読み出し領域に対応するインテグラルイメージデータを記憶媒体から読み出して、インテグラルイメージデータを用いて読み出し領域の画素データの総和を算出する。この算出結果を、参照データと比較することにより、画像の識別を行う。
このような従来の画像処理装置では、画像全体を対象としてインテグラルイメージデータを生成しているので、インテグラルイメージデータのサイズ(ビット数)が大きくなってしまう。その結果、インテグラルイメージデータを保存する記憶媒体も大容量のものが必要になったり、インテグラルイメージデータの読み出しに時間がかかったりするという問題があった。
そこで、特許文献1では、このような問題を解決できる画像識別装置が提案されている。この特許文献1の画像識別装置では、それぞれ画素データを有する複数の画素からなる画像を複数の積算領域に分割し、当該複数の積算領域毎にいずれかの角に位置する画素を起点とするインテグラルイメージデータを生成して、メモリに記憶しておく。そして、画像の一部又は全部が読み出し領域として指定されたとき、インテグラルイメージデータのうち、読み出し領域の総和の算出に用いられるものをメモリから読み出し、読み出されたインテグラルイメージデータに基づき、読み出し領域の画素データの総和を算出する。
特開2008−102792号公報
しかしながら、上述した特許文献1の装置では、複数の積算領域に分割してはいるが、画像全体を対象として予めインテグラルイメージデータを生成しているので、インテグラルイメージデータのサイズの低減には限界がある。さらに、インテグラルイメージデータは予め生成され、メモリに記憶されるので、インテグラルイメージデータを保存するメモリ容量の削減や、読み出し時間の低減も十分なものとはいえない。
ここで、インテグラルイメージデータのサイズを大幅に削減するには、1枚の画像において、その画像の大きさよりも小さい、画像の識別処理を行う画像処理領域を定め、その画像処理領域だけを対象としてインテグラルイメージデータを生成することが考えられる。この場合、画像処理領域を、画像において少しずつ移動させることにより、画像処理領域が画像全体をカバーすることができるようになる。
しかしながら、画像処理領域を移動させるごとに、各画像処理領域に含まれる画素の画素データを一から積算してインテグラルイメージデータを生成しようとすると、その生成のための計算に時間がかかるという問題が生じる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、画像処理領域だけを対象としてインテグラルイメージデータを生成しつつ、その画像処理領域の移動時におけるインテグラルイメージデータの生成時間を短縮することが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、
撮像手段によって撮影された画像を記憶する記憶手段と、
記憶手段によって記憶された画像に所定の画像処理領域を定め、その画像処理領域において、各画素位置ごとに、その画素位置までの各画素の画素データを積算したインテグラルイメージデータを作成し、記憶手段とは異なるインテグラルイメージデータ保存手段に保存するインテグラルイメージデータ作成手段と、
インテグラルイメージデータ保存手段に保存された画像処理領域のインテグラルイメージデータを用いて、画像処理領域において、任意の領域の画素データの積算値を算出して画像識別処理を実行する画像識別処理手段と、を備えた画像処理装置において、
インテグラルイメージデータ作成手段は、画像処理領域を所定画素単位で走査方向に移動させつつ、繰り返しインテグラルイメージデータを作成することにより、画像処理領域を画像上において走査させるものであり、
画像処理領域を所定画素移動させるときに、少なくとも画像処理領域に含まれることになる画像の画素列について、各画素列ごとに、画素位置に応じた画素データの和を算出して、保存しておくバッファ手段を備え、
インテグラルイメージデータ作成手段は、画像処理領域を走査方向に所定画素移動させる際、インテグラルイメージデータ保存手段に保存されている各画素位置のインテグラルイメージデータを、所定画素分の移動に対応する値に更新してインテグラルイメージデータ保存手段に保存するとともに、少なくともバッファ手段に保存された画素データの和を用いて、新たに画像処理領域に含まれることになる画素列の各画素位置におけるインテグラルイメージデータを算出して、インテグラルイメージデータ保存手段に保存することを特徴とする。
このように請求項1に係る画像処理装置では、画像処理領域を走査方向に所定画素移動させる際に、新たな画像処理領域におけるインテグラルイメージデータを、個々の画素の画素データを用いて一から作成するのではなく、既に作成済みのインテグラルイメージデータ、及びバッファ手段に保存された、各画素列ごとの画素位置に応じた画素データの和を利用する。具体的には、画像処理領域を走査方向に所定画素移動させる際、インテグラルイメージデータ保存手段に保存されている各画素位置のインテグラルイメージデータを、所定画素分の移動に対応する値に更新して、その更新後のインテグラルイメージデータを保存するとともに、バッファ手段に保存されている画素データの和を用いて、新たに画像処理領域に含まれることになる画素列の各画素位置におけるインテグラルイメージデータを算出して、インテグラルイメージデータ保存手段に保存する。従って、画像処理領域をインテグラルイメージデータの算出対象とし、その画像処理領域を移動させる際にも、短時間で、移動後の画像処理領域についてのインテグラルイメージデータを作成することができる。
請求項2に記載したように、バッファ手段は、画像の一端側から画像処理領域の走査を開始する際、その走査方向における画像の終端までの画素列について、算出した画素データの和を保存可能な保存領域を有するものであることが好ましい。このように、バッファ手段が、予め走査方向における画像の終端までの画素列について、算出した画素データの和を保存できていれば、インテグラルイメージデータを算出しながら、画像処理領域の画像終端までの移動を円滑に行うことができる。
請求項3に記載したように、インテグラルイメージデータ作成手段は、画像処理領域が走査方向における画像の終端まで達すると、走査方向と直交する方向に所定画素数だけ画像処理領域をずらして、画像の一端側からの画像処理領域の走査を繰り返すものであり、
バッファ手段は、インテグラルイメージデータの作成に用いられた画素列の画素データの和を、走査方向と直交する方向に所定画素分だけずらすことに応じた値に更新して前記バッファ手段に保存するとともに、新たに前記画素列に含まれることになる画素の画素データを前記記憶手段から読み出して、画素データの和を算出し、前記バッファ手段に保存することが好ましい。
このようにすれば、画像処理領域を走査方向と直交する方向にずらして、改めて画像処理領域の走査を開始する場合に備えた画素データの和を、簡単な演算処理にて算出して、バッファ手段に保存しておくことができる。
請求項4に記載したように、インテグラルイメージ作成手段は、画像処理領域を走査方向に所定画素移動させるとき、画像処理領域から外れる画素列における対応する画素位置のインテグラルイメージデータ分だけを減じつつ、インテグラルイメージデータ保存手段に保存されている各画素位置のインテグラルイメージデータを、当該インテグラルイメージデータ保存手段において所定画素だけ移動させるとともに、画像処理領域に含まれることになる画素位置のインテグラルイメージデータを、インテグラルイメージデータ保存手段に既に保存されている、走査方向に隣接する画素位置のインテグラルイメージデータと、バッファ手段に保存された画素データの和とに基づいて算出し、インテグラルイメージデータ保存手段に保存するようにしても良い。
すなわち、画像処理領域を走査方向に所定画素移動させると、走査方向の進行側とは逆側の所定画素分の領域が、画像処理領域から外れ、走査方向の進行側において、所定画素分の領域が新たに画像処理領域に含まれることになる。この際、画像処理領域の走査方向の進行側とは逆側の角部を起点とする座標系を定めてインテグラルイメージデータを生成した場合、画像処理領域から外れる領域のインテグラルイメージデータ分だけ減じることにより、画像処理領域に残る各画素位置のインテグラルイメージデータを更新することができる。さらに、新たに画像処理領域に含まれる領域のインテグラルイメージデータは、バッファ手段に保存されている画素データの和と、画像処理領域に残る画素の中で、最も走査方向の進行側寄りの画素の位置に応じたインテグラルイメージデータとを加算することにより、生成することができる。
請求項5に記載したように、バッファ手段に画素データの和が保存される各画素列に含まれる画素数は、画像処理領域の画素列に含まれる画素数よりも1つだけ少なくなっており、
インテグラルイメージ作成手段は、対応する画素データの和がバッファに保存されていない、画像処理領域の端部画素位置のインテグラルイメージデータを、画像処理領域内で走査方向に隣接する画素位置のインテグラルイメージデータ、画素列方向で隣接する画素位置の画素データの和、及び記憶手段から読み出した端部画素位置の画素データに基づいて作成しても良い。
このようにすると、バッファ手段において保存する画素データの和の数を少なくすることができるので、バッファ手段の容量を減少させることができる。なお、端部画素位置に関して、画像処理領域の移動ごとにインテグラルイメージデータを算出しても、その算出のための演算負荷や時間は極僅かなものにすぎない。
請求項6に記載したように、インテグラルイメージデータ作成手段は、画像処理領域として、矩形状の画像処理領域を画像において定めるものであり、その矩形状の画像処理領域の縦横を座標軸として、その座標軸に沿って画素データを積算する第1のインテグラルイメージデータを作成して第1のインテグラルイメージデータ保存手段に保存するとともに、矩形状の画像処理領域の縦横に対してそれぞれ所定角度傾いた2本の傾斜線を座標軸として、その軸に沿って画素データを積算する第2のインテグラルイメージデータを作成して第2のインテグラルイメージデータ保存手段に保存するものであり、
インテグラルイメージデータ作成手段は、第1及び第2のインテグラルイメージデータを作成する際に、バッファ手段に保存された、各画素列ごとの、画素位置に応じた画素データの和を共通して用いることが好ましい。
インテグラルイメージデータを用いて画像の識別を行う場合、例えば、画像処理領域において、水平方向及び垂直方向に沿った矩形状の読み取り領域を定めつつ、さらに、水平方向及び垂直方向に対して45度傾いた矩形状の読み取り領域を定め、それぞれの読み取り領域の画素データの総和から、画像の識別を行うことがある。上述したように、インテグラルイメージデータ作成手段が、第1及び第2のインテグラルイメージデータを作成して、第1及び第2のインテグラルイメージデータ保存手段に保存することにより、傾斜角度の異なる読み取り領域の画素データの総和を簡単に求めることができるようになる。そして、第1及び第2のインテグラルイメージデータを作成する際に、バッファ手段に保存された画素データの和を共通して用いることにより、バッファ手段を個別に設けなくても済むので、構成を簡素化することができる。
請求項7に記載したように、画像処理領域の各画素列の終端側の画素位置ごとに、その画素位置までの画素データの二乗値の総和を算出し、二乗和データ保存手段に保存する二乗和データ作成手段と、
画像処理領域を所定画素移動させるときに、少なくとも画像処理領域に含まれることになる画像の画素列について、画素列の終端側の画素位置における、対応する画素列に含まれる各画素データの二乗値の和を算出して、保存しておく二乗和バッファ手段と、を備え、
二乗和データ作成手段は、画像処理領域を走査方向に所定画素移動させる際、二乗和データ保存手段に保存されている各画素列の終端側の各画素位置での二乗値の総和を、所定画素分の移動に対応する値に更新して二乗和データ保存手段に保存するとともに、バッファ手段に保存された二乗値の和を用いて、新たに画像処理領域に含まれることになる画素列の終端側の画素位置における二乗値の総和を算出して、二乗和データ保存手段に保存することが好ましい。
このようにすれば、画像処理領域を所定画素移動させるとき、画像処理領域に含まれる各画素の画素データの二乗値の総和も、二乗値バッファ手段に保存された二乗値の和を用いて簡単に算出することができるようになる。なお、この画素データの二乗値の総和は、画像処理領域に含まれる各画素データの分布を正規化するために利用される。
請求項8に記載したように、二乗和バッファ手段は、画像の一端側から画像処理領域の走査を開始する際、その走査方向における画像の終端までの画素列について、算出した画素データの二乗値の和を保存可能な保存領域を有することが好ましい。このように、二乗値バッファ手段が、予め走査方向における画像の終端までの画素列について、画素データの二乗値の和を保存できていれば、二乗和データを算出しながら、画像処理領域の画像終端までの移動を円滑に行うことができる。
請求項9に記載したように、インテグラルイメージデータ作成手段は、画像処理領域が走査方向における画像の終端まで達すると、走査方向と直交する方向に所定画素数だけ画像処理領域をずらして、画像の一端側からの画像処理領域の走査を繰り返すものであり、
二乗和バッファ手段は、二乗値の総和の算出に用いられた、画素列の終端側の画素位置における各画素データの二乗値の和を、走査方向と直交する方向に所定画素分だけずらした後の値に更新して保存しておくことが好ましい。
このようにすれば、画像処理領域を走査方向と直交する方向にずらして、改めて画像処理領域の走査を開始する場合に備えた画素データの二乗値の和を、簡単な演算処理にて算出して、二乗和バッファ手段に保存しておくことができる。
実施形態における画像処理装置の全体構成を示す構成図である。 画像処理領域について説明するための説明図である。 画像処理領域の移動時に、第1のバッファ301を用いて、第1のインテグラルイメージデータを作成する方法を説明するための説明図である。 画像処理領域の移動時に、第2のインテグラルイメージデータを作成する方法を説明するための第1の説明図である。 画像処理領域の移動時に、第2のインテグラルイメージデータを作成する方法を説明するための第2の説明図である。 画像処理領域の移動時に、第2のインテグラルイメージデータを作成する方法を説明するための第3の説明図である。 画像処理領域の移動時に、第2のインテグラルイメージデータを作成する方法を説明するための第4の説明図である。 画像処理領域の移動時に、第2のバッファ501を用いて、第3のインテグラルイメージデータを作成する方法を説明するための説明図である。 (a)〜(n)は、画像処理領域において、画素データの積算値を算出するべき領域として定められる、各種の読み出し領域を例示した図である。 インテグラルイメージデータI1〜I4を用いて、読み出し領域Jの画素データの総和Ijを求める方法を説明するための説明図である。 識別器110の内部構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態による画像処理装置について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態における画像処理装置の全体構成を示す構成図である。なお、本実施形態による画像処理装置は、例えば車両に搭載され、周囲の車両や歩行者などを識別するために使用することができるものである。ただし、本画像処理装置の用途は、車載用に限られず、その他の画像認識にも広く適用可能である。
図1において、撮像部101は、主に車両前方を撮像するCCDカメラからなる。このCCDカメラ101は、車両のフロントガラスの内側やドアミラー近傍に設置される。CCDカメラ101によって撮影された画像は、画像処理ECU100に入力される。
画像処理ECU100は、CCDカメラ101によって撮影された画像を処理し、その画像に、車両や歩行者などを示す特徴的なパターンが含まれているか否かにより、車両や歩行者などを識別するものである。
画像処理ECU100は、画像入力部102を介して、CCDカメラ101による撮影画像の画像データを取り込む。取り込まれた画像データは、メモリコントローラ106を介して、外部記憶媒体107に格納される。
外部記憶媒体107に格納された画像データは、前処理部108によって呼び出され、当該前処理部108において、識別のために必要な前処理(フィルタリング処理、スケーリング処理など)が施された後、再度、外部記憶媒体107に格納される。
ここで、本実施形態の説明において、画像及び画像データは実質的に同じ意味で用いられており、格子状に配列された複数の画素の画素データの集合を指している。また、画素データとは、画像がモノクロの場合には輝度に応じた画素値に相当し、画像がカラーの場合には、RGBのそれぞれについての色素値に相当する。さらに、本実施形態では、CCDカメラ101によって撮影される画像は、画素の配列により、全体として格子状の形状を有する。
CPU104は、上述した各構成要素による動作を制御するものである。また、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)105は、外部記憶媒体107に格納された画像データの読み出し等において、CPU104を介することなく、メモリコントローラ106へ指示を与える。これにより、画像データの読み出し等における、CPU104の負荷を低減することができる。
前処理部108によって前処理された画像データは、DMAC105の指示により外部記憶媒体107から読み出され、画像の識別のために、インテグラルイメージデータ生成部109に与えられる。このとき、インテグラルイメージデータ生成部109には、画像全体の画像データが一度に与えられるのではなく、その画像全体の大きさよりも小さい、予め定められた領域(画像処理領域)の画像データと、その画像処理領域が、画像上において走査される走査方向における画像201の他端(終端)までの画像データとが与えられる。
図2に画像処理領域202の一例を示す。画像処理領域202は、図2に示すように、画像201の全体の大きさよりも小さい矩形状の領域として設定される。さらに、この画像処理領域202は、図2に示すように、画像201の一端(始端)側から他端(終端)側へと向かって、画像201上を走査するように移動される。画像処理領域202が画像の終端まで達すると、走査方向と直交する方向に所定画素数だけ画像処理領域202をずらして、画像201の一端側から、再び画像処理領域202の走査が繰り返される。
インテグラルイメージデータ生成部109は、与えられた画像処理領域202の画像データ、すなわち、画像処理領域202に含まれる全画素の画素データに基づいて、3種類のインテグラルイメージデータを生成して、それぞれメモリに記憶する。
このように、本実施形態においては、インテグラルイメージデータ生成部109が、1枚の画像201全体のインテグラルイメージデータを作成するのではなく、1枚の画像201の大きさよりも小さい画像処理領域202に含まれる画素の画素データを対象としてインテグラルイメージデータを作成する。従って、インテグラルイメージデータのサイズを大幅に削減することが可能となり、インテグラルイメージデータを記憶するメモリの容量も削減することが可能になる。さらに、生成したインテグラルイメージデータを外部記憶媒体107に記憶させておく必要が無いので、外部記憶媒体107との通信が不要となり、内部バス103等における通信を圧迫することも防ぐことができる。
以下に、インテグラルイメージデータ生成部109が生成する3種類のインテグラルイメージデータについて説明する。
まず、第1のインテグラルイメージデータとして、インテグラルイメージデータ生成部109は、画像処理領域202の縦軸及び横軸を座標軸として、その座標軸に沿って画素データを積算したインテグラルイメージデータを作成する。この第1のインテグラルイメージデータは、第1のメモリにより、該当する画素位置に対応させて記憶される。なお、当然のことながら、インテグラルイメージデータ生成部109は、第1のインテグラルイメージデータを作成するための第1演算器を備えている。
図3は、インテグラルイメージデータ生成部109の第1のメモリ300を概念的に示すものである。図3に示す例では、画像処理領域202の横軸がx軸、縦軸がy軸となっており、画像処理領域202の走査方向の進行側とは逆側の上側角部を起点とするxy座標系においてインテグラルイメージデータが生成され、第1のメモリ300に記憶されている。例えば、図3において、I(x、y)は、0〜x座標及び0〜y座標の範囲に含まれる全画素の画素データを積算したインテグラルイメージデータである。
また、インテグラルイメージデータ生成部109は、第2のインテグラルイメージデータとして、画像処理領域202の縦軸及び横軸に対してそれぞれ所定角度傾いた2本の傾斜軸を設定し、この2本の傾斜軸を座標軸として、その座標軸に沿って画素データを積算して第2のインテグラルイメージデータを作成する。この第2のインテグラルイメージデータは、第2のメモリにより、該当する画素位置に対応させて記憶される。インテグラルイメージデータ生成部109は、第2のインテグラルイメージデータを作成するための第2の演算器を備えている。ただし、第2の演算器は、上述した第1の演算器と兼用されても良い。
図4〜図7は、インテグラルイメージデータ生成部109の第2のメモリ400を概念的に示すものである。例えば、図4において、座標軸として、画像処理領域202の2本の対角線(x+y=n、x−y=1)を用いている。この2本の対角線は、画像処理領域202の縦軸及び横軸に対してそれぞれ所定角度(約45度)傾いている。ただし、座標(0,0)は、第1のメモリ300と同様に、画像処理領域202の走査方向の進行側とは逆側の上側角部に定められている。この場合、図4において、例えばI(x,y)は、網掛けを施した領域に含まれる全画素の画素データを積算したインテグラルイメージデータとなる。
さらに、インテグラルイメージデータ生成部109は、第3のインテグラルイメージデータとして、画像処理領域202の縦軸及び横軸を座標軸として、その座標軸に沿って画素データの二乗値を総計したインテグラルイメージデータ(すなわち二乗和データ)を作成する。この第3のインテグラルイメージデータは、第3のメモリに記憶される。インテグラルイメージデータ生成部109は、第3のインテグラルイメージデータを作成するための第3の演算器を備えている。
図8は、インテグラルイメージデータ生成部109の第3のメモリ500を概念的に示すものである。第3のインテグラルイメージデータに関しては、画像処理領域202全体の各画素データの二乗値の総計がわかれば良いので、第3のメモリ500は、画像処理領域202に含まれる各画素列の最下段の画素位置における第3のインテグラルイメージデータだけを記憶する。
インテグラルイメージデータ生成部109が、第1〜第3のインテグラルイメージデータを生成する理由について説明する。
インテグラルイメージデータを用いて画像の識別を行う場合、画像処理領域202において、縦軸及び横軸に沿った矩形状の読み取り領域を定めることに加え、さらに、横軸及び縦軸に対して所定角度(例えば45度)傾いた矩形状の読み取り領域を定め、それぞれの読み取り領域の画素データの総和に基づいて、画像の識別を行うことがある。上述したように、インテグラルイメージデータ生成部109が、第1及び第2のインテグラルイメージデータを作成して、第1及び第2のメモリ300,400にそれぞれ記憶しておくことにより、後述する識別器110において、傾斜角度の異なる読み取り領域の画素データの総和を簡単に求めることができるようになる。
また、画像処理領域202に含まれる全画素の画素データの二乗値の総計を求めて記憶しておくことにより、識別器110において、画像処理領域202の輝度等の補正を行うことができる。例えば、モノクロ画像において、画像処理領域202の全体が明る過ぎる場合には全画素データの二乗値の総計が大きくなり、逆に全体が暗過ぎる場合には二乗値の総計が小さくなる。二乗値の総計に応じて、画素データを補正することにより、画像処理領域202に含まれる各画素データの分布を正規化することができる。
ただし、上述したように、画像201の全体の大きさよりも小さい画像処理領域202を定め、その画像処理領域単位で識別処理を行う場合、画像201全体に対して識別処理を実行するには、図2に示すように、画像処理領域202が画像201全体をカバーするように、画像処理領域202を画像201において少しずつ移動させることが必要となる。この場合、画像処理領域202を移動させるごとに、各画像処理領域202に含まれる画素の画素データを一から積算して第1〜第3のインテグラルイメージデータを生成しようとすると、その生成のための処理に非常に時間がかかるという問題が生じる。
そのため、本実施形態では、画像処理領域202を移動させたときに、上述したインテグラルイメージの作成を高速に行うことを目的として、インテグラルイメージデータ生成部109にバッファを設けている。以下、インテグラルイメージデータ生成部109のバッファについて説明する。
インテグラルイメージデータ生成部109は、第1のバッファを有し、この第1のバッファには、画像処理領域202の走査方向に並んだ画像データに関して、走査方向と直交する画素列ごとに算出された、各画素列に含まれる画素の画素データの和が保存される。
図3には、第1のバッファ301が概念的に示されている。図3では、1画素列分のバッファ301しか示されていないが、実際には、走査方向における画像201の終端までの各画素列について、それぞれ画素データの和を保存する第1のバッファ301が設けられている。このように、第1のバッファ301が、予め走査方向における画像201の終端までの画素列について、画素データの和を保存できていると、インテグラルイメージデータを算出しながら、画像処理領域202の画像201終端までの移動を円滑に行うことができる。また、画像処理領域202が画像201の終端まで達して、画像処理領域202を走査方向と直交する方向に所定画素分だけ移動させて、再び画像処理領域202の走査が開始されることに備えて、第1のバッファの値を更新しておくことができる。
図3に示す例において、B(y)は、画素列における0〜yまでの範囲に含まれる画素の画素データの和を示している。このように、第1のバッファ301には、各画素の位置に応じた画素データの和B(y)が保存される。
この第1のバッファ301に保存された各画素列ごとの画素データの和は、画像処理領域202の移動時に第1及び第2のインテグラルイメージデータを作成する際、共通して用いられる。これにより、第1のバッファ301を個別に設けなくても済むので、構成を簡素化することができる。なお、画像処理領域202を走査方向に移動させるときの、第1及び第2のインテグラルイメージデータの作成方法は、後に詳細に説明する。
また、インテグラルイメージデータ生成部109は、第2のバッファを有し、この第2のバッファには、画像処理領域202の走査方向に並んだ画像データに関して、走査方向と直交する画素列ごとに算出された、各画素列に含まれる画素の画素データの二乗値の和が保存される。
図8には、第2のバッファ501が概念的に示されている。図8では、1画素列分しか示されていないが、第2のバッファ501は、走査方向における画像201の終端までの各画素列について、それぞれ画素データの二乗値の和を保存する容量を有している。なお、第2のバッファ501は、第1のバッファ301と異なり、画素列の各画素位置における画素データの二乗和は保存せず、画素列の下段の1行分についての二乗値の和だけを保存している。この第2のバッファ501を用いた、第3のインテグラルイメージデータの作成方法も、後に詳細に説明する。
識別器110は、インテグラルイメージデータ生成部109によって生成された画像処理領域202に対するインテグラルイメージデータを取り込んで、車両や歩行者などの識別対象が含まれているか否かを判別する識別演算を実行するものである。具体的には、識別器110においては、画像処理領域202において設定すべき読み出し領域として、図9(a)〜(n)に示されるような多数の領域が予め定められている。個々の読み出し領域は、画像処理領域202において、特定の位置において適用されたり、画像処理領域202内で移動され、繰り返し使用されたりする。
そして、画像処理領域202における読み出し領域に含まれる画素の画素データの総和を、インテグラルイメージデータを用いて算出する。例えば、図10において、Jが読み出し領域に相当する場合、読み出し領域Jの四隅のインテグラルイメージデータI1〜I4を用いて、以下のような簡単な数式を計算することにより、読み取り領域Jの画素データの総和Ijを求めることができる。
(数1)
Ij=I4−I2−I3+I1
一方、識別器110は、識別すべき対象(車両や歩行者など)に特徴的なパターンに応じた画素データの総和(参照データ)を予め記憶している。そして、上述した読み出し領域における画素データの総和と記憶している画素データの総和とを対比して、特徴的なパターンがあるか否かを判定する。そして、画像全体に渡る複数の画像処理領域での、個々の読み出し領域に関する判定結果を総合的に勘案して、画像に、識別すべき対象が含まれているか否かを判断する。
なお、識別器110における識別処理は、インテグラルイメージデータ生成部109におけるインテグラルイメージデータ生成処理に比較して時間がかかる。そのため、図11に示すように、識別器110は、識別処理を行う演算器を複数備えている。
その識別器110の判断結果は、画像出力部113を介して、表示部(モニタ)114に出力される。例えば、表示部114には、CCDカメラ101によって撮影された画像とともに、注意喚起を促すメッセージが表示されたり、撮影画像において、識別対象を強調した表示が行われたりする。
また、例えば、判断結果から、自車両に対して他車両や歩行者などが接近しているとみなされる場合には、通信I/F111を介して他の車載ECUに制御信号を出力し、車両の走行速度を低下させたり、あるいは車両を停止させたりといった制御を実行する。
次に、画像処理領域202を走査方向に移動させるときの、各インテグラルイメージデータの作成方法について説明する。
まず、画像処理領域202の移動時に、第1のバッファ301を用いて、第1のインテグラルイメージデータを作成する方法について、図3を参照しつつ説明する。
画像処理領域202を走査方向に1画素分だけ移動させる場合、走査方向の進行側とは逆側の1画素分の領域が画像処理領域202から外れ、走査方向の進行側において、1画素分の領域が新たに画像処理領域202に含まれることになる。従って、画像処理領域202の横軸及び縦軸をx軸及びy軸とするxy座標系に沿って、各画素の画素データを積算した第1のインテグラルイメージデータに関しては、画像処理領域202から外れる1画素分の画素列における同じ行の第1のインテグラルイメージデータを減じることにより、画像処理領域202に残る各画素位置の第1のインテグラルイメージデータを更新することができる。この更新された第1のインテグラルイメージデータは、第1のメモリ300において、走査方向とは反対方向に1画素分だけずれた位置に記憶される。
例えば、図3において、第1のインテグラルイメージデータI(x,y)は、画像処理領域202から外れる画素列における同じ行の第1のインテグラルイメージデータI(0、y)を減じた後、(x−1,y)の座標位置に記憶される。このような第1のインテグラルイメージデータの更新処理が、第1のメモリ300に記憶されている全ての第1のインテグラルイメージデータに関して行われる。
ただし、この更新処理のみでは、新たに画像処理領域に含まれることになる1画素分の画素列(第1のメモリ300における、走査方向の進行側端部の画素列)の第1のインテグラルイメージデータが欠損することになる。そのため、新たに画像処理領域に含まれる1画素分の画素列の第1のインテグラルイメージデータを、第1のバッファ301に保存された画素データの和を用いて作成し、第1のメモリ300に記憶する。具体的には、第1のバッファ301に保存されている各画素データの和と、画像処理領域202に残る画素の中で、最も走査方向の進行側寄りの各行の画素位置の第1のインテグラルイメージデータ、すなわち、x座標がm−1の各行の第1のインテグラルイメージデータとを加算することにより、第1のメモリ300の、走査方向進行側端部の画素列の第1のインテグラルイメージデータを作成することができる。
なお、本実施形態では、第1のバッファ301において、画素データの和が保存される各画素列の画素数は、画像処理領域202の画素列の画素数よりも1つだけ少なくなっている。このため、インテグラルイメージデータ生成部109は、対応する画素データの和が第1のバッファ301に保存されていない、画像処理領域202の角部画素位置の第1のインテグラルイメージデータI(n、m)を、画像処理領域202内で走査方向に隣接する画素位置の第1のインテグラルイメージデータI(m−1,n)、第1のバッファ301において画素列方向で隣接する画素位置の画素データの和B(n−1)、及び外部記憶媒体107から読み出した角部画素位置の画素データ302を加算することにより作成し、第1のメモリ300に記憶する。
このようにすると、第1のバッファ301において保存する画素データの和の数を少なくすることができるので、第1のバッファ301の容量を削減することができる。また、画像処理領域202の角部画素位置に関して、画像処理領域202の移動ごとに第1のインテグラルイメージデータI(n,m)を算出しても、その算出のための演算負荷や時間は極僅かなものにすぎない。
ただし、第1のバッファ301において、画像処理領域202の画素列の画素数と同数の画素数分だけ画素データの和を保存するようにしても良い。
また、画像処理領域202を、一回の移動で複数画素分、走査方向に移動させる場合には、上述した処理を、複数画素分だけ繰り返せば良い。
次に、画像処理領域202の移動時に、第1のバッファ301を用いて、第2のインテグラルイメージデータを作成する方法について、図4〜図7を参照しつつ説明する。
第2のインテグラルイメージデータの作成においては、画像処理領域202を、2本の対角線(x+y=n、x−y=1)によって4つの領域A〜Dに区分けし、その各領域ごとに異なる更新処理を行う必要がある。
まず、第1の領域Aに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータについては、図4に示すように、画像処理領域202が走査方向に1画素分移動することに伴い、第2のインテグラルイメージデータを作成する際に積算対象となっていた画素領域の内、1画素列分が、画像処理領域202から外れることになる。
例えば、図4において、第2のインテグラルイメージデータI(x、y)は、網掛けした領域に含まれる画素の画素データを積算することにより作成されている。このため、第2のインテグラルイメージデータI(x,y)に関しては、画像処理領域202から外れる画素列における、座標軸x−y=1の方向に沿った位置にある第2のインテグラルイメージデータI(0、y―x)を減じた後、(x−1,y)の座標位置に記憶される。このような第2のインテグラルイメージデータの更新処理が、領域Aに含まれる全ての画素位置の第2のインテグラルイメージデータに関して行われる。
次に、第2の領域Bに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータに関しては、図5に示すように、画像処理領域202が走査方向に1画素分移動しても、第2のインテグラルイメージを作成するための積算対象となっている画素領域が、そのまま並行移動するだけである。例えば、図5において、第2のインテグラルイメージデータI(x、y)を作成する際の積算対象領域が、網掛け領域として示されているが、画像処理領域202が1画素分移動しても、網掛け領域の形状は変化しない。このため、第2の領域Bに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータは、単に、1画素分だけ走査方向とは逆方向にずれた画素位置に移動させるだけで、第2のインテグラルイメージデータの更新を行うことができる。
第3の領域Cに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータに関しては、図6に示すように、画像処理領域202が走査方向に1画素分移動することに伴い、その走査方向進行側の1画素列分が、第2のインテグラルイメージデータを作成する際の積算対象領域に含まれることになる。
例えば、図6において、第2のインテグラルイメージデータI(x、y)は、網掛けした領域に含まれる画素の画素データを積算することにより作成されている。このため、第3の領域Cに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータI(x,y)に関しては、画像処理領域202に新たに含まれる画素列における、座標軸x+y=nの方向に沿った位置にある画素データの和B(m+1、y−(m−x+1)を加算した上で、(x−1,y)の座標位置に記憶する。なお、画素データの和は、上述した第1のバッファ301に保存されているものを利用することができる。このような第2のインテグラルイメージデータの更新処理が、領域Cに含まれる全ての画素位置の第2のインテグラルイメージデータに関して行われる。
最後に、第4の領域Dに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータに関しては、図7に示すように、画像処理領域202が走査方向に1画素分移動することに伴い、第2のインテグラルイメージデータを作成する際に積算対象となっていた画素領域の内、1画素列分が、画像処理領域202から外れることになる。さらに、走査方向進行側の1画素列分が、第2のインテグラルイメージデータを作成する際の積算対象領域に含まれることになる。
例えば、図7において、第4の領域Dに属する画素位置の第2のインテグラルイメージデータI(x、y)は、網掛けした領域に含まれる画素の画素データを積算することにより作成されている。従って、第2のインテグラルイメージデータI(x,y)に関しては、まず、画像処理領域202から外れる画素列における、座標軸x−y=1の方向に沿った位置にある第2のインテグラルイメージデータI(0、y―x)を減じる処理を行う。さらに、画像処理領域202に新たに含まれる画素列における、座標軸x+y=nの方向に沿った位置にある画素データの和B(m+1、y−(m−x+1)を加算する処理を行う。このような減算処理及び加算処理の後に、第2のインテグラルイメージデータI(x,y)は、第2のメモリ400において、(x−1,y)の座標位置に記憶される。このような第2のインテグラルイメージデータの更新処理が、領域Dに含まれる全ての画素位置の第2のインテグラルイメージデータに関して行われる。
なお、上述した第1のインテグラルイメージデータの場合と同様に、画像処理領域202を、一回の移動で複数画素分、走査方向に移動させる場合には、上述した処理を、複数画素分だけ繰り返せば良い。
また、画像処理領域202が一画素分だけ移動したときに、上述した第1及び第2のインテグラルイメージデータの更新処理が完了すると、続いて、第1のバッファ301に保存されている画素データの和の更新処理が行われる。この第1のバッファ301の更新処理は、画像処理領域202が、走査方向と直交する方向に所定画素分だけずらされて、画像201の一端側から、再び画像処理領域202の走査が繰り返されることに備えるために実施される。
具体的には、第1のバッファ301において、最上位の画素データの和(この場合は、画素データそのものとなる)B(0)を、各画素データの和から減じた上で、各々の画素データの和の保存位置を、一画素分だけ上方に移動させる。第1のバッファ301の最下段の画素データの和B(n−1)に関しては、その1画素分上段の画素データの和B(n−2)と、外部記憶媒体107から読み出した画素データ302とを加算することにより算出して、第1のバッファ301に記憶する。
なお、画像処理領域202の走査方向と直交する方向への移動が複数画素分に及ぶ場合には、上述した処理を、その複数画素分だけ繰り返せば良い。
次に、画像処理領域202の移動時に、第2のバッファ501を用いて、第3のインテグラルイメージデータを作成する方法について、図8を参照しつつ説明する。
第3のインテグラルイメージデータは、画像処理領域202の横軸及び縦軸をx軸及びy軸とするxy座標系に沿って、各画素の画素データの二乗値を積算した、二乗値の総和として算出されるものである。従って、画像処理領域202を走査方向に1画素分だけ移動させる場合、第3のメモリ500に記憶されている第3のインテグラルイメージデータに関しては、画像処理領域202から外れる1画素分の画素列の二乗値の和を減じることにより更新することができる。この更新された第3のインテグラルイメージデータは、第3のメモリ500において、走査方向とは反対方向に1画素分だけずれた位置に記憶される。
例えば、図8において、第3のインテグラルイメージデータG(m,n)は、画像処理領域202から外れる画素列の画素データの二乗値の和である第3のインテグラルイメージデータG(0、n)を減じた後、(m−1,n)の座標位置に記憶される。このような第3のインテグラルイメージデータの更新処理が、第3のメモリ500に記憶されている全ての第3のインテグラルイメージデータに関して行われる。
ただし、この更新処理のみでは、第3のメモリ500において、新たに画像処理領域202に含まれる1画素分の画素列(第1のメモリ300における、走査方向の進行側端部の画素列)の二乗値の和を含む第3のインテグラルイメージデータが欠損することになる。そのため、新たに画像処理領域に含まれる1画素分の画素列の二乗値の和を含む第3のインテグラルイメージデータを以下の数式2に従って算出し、第3のメモリ500における、(m、n)の座標位置に記憶する。
(数2)
G(m,n)=G(m−1、n)+B’(n−1)+[302]
なお、B’(n−1)は、第2のバッファ501に保存された、画像処理領域202に新たに含まれる画素数n−1の画素列の各画素データの二乗値の和を表している。また、[302]は、新たに画像処理領域202に含まれることになる、外部記憶媒体107から読み出した角部画素位置の画素データを表している。
このような簡単な演算処理を行うことにより、画像処理領域202を移動させた後の、画像処理領域202に含まれる画素の画素データの二乗値の総和を得ることができる。
そして、画像処理領域202が一画素分だけ移動したときに、上述した第3のインテグラルイメージデータの更新処理が完了すると、続いて、第2のバッファ501に保存されている画素データの二乗値の和の更新処理が行われる。この第2のバッファ501の更新処理は、画像処理領域202が、走査方向と直交する方向に所定画素分だけずらされて、画像201の一端側から、再び画像処理領域202の走査が繰り返されることに備えるために実施される。
具体的には、第3のバッファ501に保存されている、画素列の各画素データの二乗値の和から、第1のバッファ301の最上位の画素データの和B(0)の二乗値を減じるとともに、外部記憶媒体107から読み出した画素データ302の二乗値を加算して、画素データの二乗値の和の更新値を算出し、第3のバッファ501に保存する。
なお、画像処理領域202の走査方向と直交する方向への移動が複数画素分に及ぶ場合には、上述した処理を、その複数画素分だけ繰り返せば良い。
以上、説明したように、本実施形態の画像処理装置によれば、画像処理領域202を走査方向に所定画素移動させる際に、新たな画像処理領域202における第1〜第3のインテグラルイメージデータを、個々の画素の画素データを用いて一から作成するのではなく、既に作成済みの第1〜第3のインテグラルイメージデータ、第1のバッファ301に保存された、各画素列ごとの画素位置に応じた画素データの和、及び第2のバッファ501に保存された各画素列ごとの各画素データの二乗和を利用する。従って、画像処理領域202を第1〜第3のインテグラルイメージデータの算出対象とし、その画像処理領域202を移動させる際にも、短時間で、移動後の画像処理領域202についての第1〜第3インテグラルイメージデータを作成することができる。
なお、上述した実施形態は、本発明を実施する上で好ましいものではあるが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、第1〜第3のインテグラルイメージデータを作成する上で、画像処理領域202の走査方向の進行側とは逆側の角部を原点位置としていた。しかしながら、画像処理領域202のその他の角部を原点位置としても良い。例えば、画像処理領域202の走査方向の進行側の上側角部を原点位置とした場合には、第1のインテグラルイメージデータは、第1のバッファ301に保存された画素データの和を、そのまま、画像処理領域202の走査方向側の端部画素列のインテグラルイメージデータとして記憶させつつ、第1のメモリ300に保存済みの各インテグラルイメージデータに対しては、第1のバッファ301に保存された画素データの和を加えて、記憶位置を1画素分ずらすことにより更新することができる。
また、上述した実施形態では、第1〜第3のインテグラルイメージデータを作成する例について説明したが、第3のインテグラルイメージデータの作成は任意である。また、第1のインテグラルイメージデータと第2のインテグラルイメージデータのいずれかのみを作成するようにしても良い。
100…画像処理ECU
101…撮像部(CCDカメラ)
107…外部記憶媒体
109…インテグラルイメージデータ生成部
110…識別器
114…表示部(モニタ)

Claims (9)

  1. 撮像手段によって撮影された画像を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段によって記憶された画像に所定の画像処理領域を定め、その画像処理領域において、各画素位置ごとに、その画素位置までの各画素の画素データを積算したインテグラルイメージデータを作成し、前記記憶手段とは異なるインテグラルイメージデータ保存手段に保存するインテグラルイメージデータ作成手段と、
    前記インテグラルイメージデータ保存手段に保存された前記画像処理領域のインテグラルイメージデータを用いて、前記画像処理領域において、任意の領域の画素データの積算値を算出して画像識別処理を実行する画像識別処理手段と、を備えた画像処理装置において、
    前記インテグラルイメージデータ作成手段は、前記画像処理領域を所定画素単位で走査方向に移動させつつ、繰り返しインテグラルイメージデータを作成することにより、前記画像処理領域を前記画像上において走査させるものであり、
    前記画像処理領域を所定画素移動させるときに、少なくとも画像処理領域に含まれることになる前記画像の画素列について、各画素列ごとに、画素位置に応じた画素データの和を算出して、保存しておくバッファ手段を備え、
    前記インテグラルイメージデータ作成手段は、前記画像処理領域を前記走査方向に所定画素移動させる際、前記インテグラルイメージデータ保存手段に保存されている各画素位置のインテグラルイメージデータを、所定画素分の移動に対応する値に更新して前記インテグラルイメージデータ保存手段に保存するとともに、少なくとも前記バッファ手段に保存された画素データの和を用いて、新たに前記画像処理領域に含まれることになる画素列の各画素位置におけるインテグラルイメージデータを算出して、前記インテグラルイメージデータ保存手段に保存することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記バッファ手段は、前記画像の一端側から前記画像処理領域の走査を開始する際、その走査方向における前記画像の終端までの画素列について、算出した画素データの和を保存可能な保存領域を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記インテグラルイメージデータ作成手段は、前記画像処理領域が前記走査方向における前記画像の終端まで達すると、前記走査方向と直交する方向に所定画素数だけ前記画像処理領域をずらして、前記画像の一端側からの前記画像処理領域の走査を繰り返すものであり、
    前記バッファ手段は、前記インテグラルイメージデータの作成に用いられた画素列の画素データの和を、前記走査方向と直交する方向に所定画素分だけずらすことに応じた値に更新して前記バッファ手段に保存するとともに、新たに前記画素列に含まれることになる画素の画素データを前記記憶手段から読み出して、画素データの和を算出し、前記バッファ手段に保存することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記インテグラルイメージ作成手段は、前記画像処理領域を前記走査方向に所定画素移動させるとき、前記画像処理領域から外れる画素列における対応する画素位置のインテグラルイメージデータ分だけを減じつつ、前記インテグラルイメージデータ保存手段に保存されている各画素位置のインテグラルイメージデータを、当該インテグラルイメージデータ保存手段において所定画素だけ移動させるとともに、前記画像処理領域に含まれることになる画素位置のインテグラルイメージデータを、前記インテグラルイメージデータ保存手段に既に保存されている、走査方向に隣接する画素位置のインテグラルイメージデータと、前記バッファ手段に保存された画素データの和とに基づいて算出し、前記インテグラルイメージデータ保存手段に保存することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記バッファ手段に画素データの和が保存される各画素列に含まれる画素数は、前記画像処理領域の画素列に含まれる画素数よりも1つだけ少なくなっており、
    前記インテグラルイメージ作成手段は、対応する画素データの和が前記バッファに保存されていない、前記画像処理領域の端部画素位置のインテグラルイメージデータを、前記画像処理領域内で前記走査方向に隣接する画素位置のインテグラルイメージデータ、画素列方向に隣接する画素位置の画素データの和、及び前記記憶手段から読み出した前記端部画素位置の画素データに基づいて作成することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記インテグラルイメージデータ作成手段は、前記画像処理領域として、矩形状の画像処理領域を前記画像において定めるものであり、その矩形状の画像処理領域の縦横を座標軸として、その座標軸に沿って画素データを積算する第1のインテグラルイメージデータを作成して第1のインテグラルイメージデータ保存手段に保存するとともに、前記矩形状の画像処理領域の縦横に対してそれぞれ所定角度傾いた2本の傾斜線を座標軸として、その軸に沿って画素データを積算する第2のインテグラルイメージデータを作成して第2のインテグラルイメージデータ保存手段に保存するものであり、
    前記インテグラルイメージデータ作成手段は、前記第1及び第2のインテグラルイメージデータを作成する際に、前記バッファ手段に保存された、各画素列ごとの、画素位置に応じた画素データの和を共通して用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記画像処理領域の各画素列の終端側の画素位置ごとに、その画素位置までの画素データの二乗値の総和を算出し、二乗和データ保存手段に保存する二乗和データ作成手段と、
    前記画像処理領域を所定画素移動させるときに、少なくとも画像処理領域に含まれることになる前記画像の画素列について、画素列の終端側の画素位置における、対応する画素列に含まれる各画素データの二乗値の和を算出して、保存しておく二乗和バッファ手段と、を備え、
    前記二乗和データ作成手段は、前記画像処理領域を前記走査方向に所定画素移動させる際、前記二乗和データ保存手段に保存されている各画素列の終端側の各画素位置での二乗値の総和を、所定画素分の移動に対応する値に更新して前記二乗和データ保存手段に保存するとともに、二乗和バッファ手段に保存された二乗値の和を用いて、新たに前記画像処理領域に含まれることになる画素列の終端側の画素位置における二乗値の総和を算出して、前記二乗和データ保存手段に保存することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記二乗和バッファ手段は、前記画像の一端側から前記画像処理領域の走査を開始する際、その走査方向における前記画像の終端までの画素列について、算出した画素データの二乗値の和を保存可能な保存領域を有することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記インテグラルイメージデータ作成手段は、前記画像処理領域が前記走査方向における前記画像の終端まで達すると、前記走査方向と直交する方向に所定画素数だけ前記画像処理領域をずらして、前記画像の一端側からの前記画像処理領域の走査を繰り返すものであり、
    前記二乗和バッファ手段は、前記二乗値の総和の算出に用いられた、画素列の終端側の画素位置における各画素データの二乗値の和を、前記走査方向と直交する方向に所定画素分だけずらした後の値に更新して保存することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
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