幾つかの種類の垂直カラーフィルター(“VCF”)センサー群およびそれらを製造する方法はUS特許出願09/884,863(出願2001年6月18日)およびUS特許出願10/103,304(出願2002年3月20日)に記載されている。VCFセンサー群は、(近接センサー間に非センサー材料の有り無しで)お互いに関して垂直に積層した少なくとも2つの光敏感性センサーを含む。VCFセンサー群の各々のセンサーは異なるスペクトル感度(応答)を持つ。通常、各々のセンサーは、異なる波長において頂点に達するスペクトル感度を持つ。幾つかの実施形態において、VCFセンサー群(または、それらの1つ以上のセンサー)は、センサーとしては機能しないフィルターを含む。
VCFセンサー群は、画像面の同じ面積において同時に少なくとも2つの波長バンドのフォトン(光子)を感知する。対照的に、時間シーケンシャル・フォトン・センシング方法は、すべての波長バンドに関して同時にフォトン・センシングを行わない。イメージャーに含まれるVCFセンサー群によって行われるセンシングは、イメージャーのある領域において起こり(イメージャーが垂直方向に見る時)、光子はセンサー群への深さの関数として波長によって分離される。
通常、各々のセンサーは異なる波長バンドにおいて光子を検出する。(たとえば、あるセンサーは、各々の他のセンサーより「青色」波長バンドにおいてさらに多くの光子を検出する。第2のセンサーは、各々の他のセンサーより「緑色」波長バンドにおいてさらに多くの光子を検出する。さらに第3のセンサーは、各々の他のセンサーより「赤色」波長バンドにおいてさらに多くの光子を検出する。)ただし、センサー群は通常、多重センサーは同じ波長の光子を検出するという意味において、幾つかの「クロストーク」を持つ。
VCFセンサー群は種々の画像処理に使うことができる。好適な実施形態において、それらはデジタル・スチール・カメラ(DSC)である。しかし、それらは、リニアイメージャー、ビデオカメラおよびマシーンビジョン装置のような、多くの他のシステムにおいて使うことができる。
VCFセンサー群は、入射光子を検出するために、およびその群の異なる深さで異なる波長の入射光子を選択的に検出するために、少なくとも1つの半導体材料の特性を使う。半導体材料における波長を持つ光学吸収深さの変化と組み合わせてセンサー群のセンサー層を垂直に積層することにより、異なる波長の検出が可能である。VCFセンサー群を製造するコストは、実質的に下がる。VCFセンサー群は、外部カラーフィルター(カラーイメージセンサーにおいて従来使われる)を必要としないし、そのセンサー自体(そのセンサー自体は、フィルター機能をそれ自体で提供する半導体材料から作られる)と異なるカラーフィルターを必要としない。しかし、本発明の一部の実施形態において、VCFセンサー群は、そのセンサー自体と異なるカラーフィルターを含む(または、カラーフィルターを用いて使われる)。VCFカラーセンサー群のスペクトル感度は通常、非半導体ベースフィルターを持つ従来のカラーセンサーであるよりも、(製造中または製造後に存在する)温度や他の環境因子のような外部要因に、もっとずっと安定であり、敏感ではない。
VCFセンサー群は、基板(好適には半導体基板)上に好適に形成され、第1の極性の光励起したキャリア(担体)(好適には、負の電子)を集めるために、ドーピングしたりおよび/またはバイアスをかけることによって作られた、複数の垂直スタックセンサー(たとえば、センサー層)を含む。このセンサーは、反対極性の光励起したキャリア(好適には、正孔)を集め運び出すために作られた、1つ以上の基準層を含む(または、1つ以上の基準層によって複数組のセンサーが分離される)。このセンサーは、センサー群の異なる深さに基づいた、またドーピングレベルおよびバイアス条件を含む他のパラメーターで異なるスペクトル感度を持つ。動作中に、このセンサーは、バイアスおよびアクティブ・ピクセル・読み出し回路に個々に接続される。VCFセンサー群およびそれらの製造方法は、上記に引用したUS特許出願09/884,863およびUS特許出願10/103,304にもっと完全に記載されている。
VCFセンサー群のアレイは、US特許出願10/103,304に記載されたアレイ上にカラーフィルターのパターンを配置することによって修正することができる。単一のフィルター材料から作られ、センサー群の集合部分上に配置されたフィルターを使って、センサー群当たり3つのセンサーを持つアレイは、(アレイのセンサー群の異なる選択された集合部分から信号を読み出しすることによって)4つ、5つ、または6つの異なる波長バンドにおける放射線を検出するために動作可能である。これはカラー(色)精度を改良することができる。多くの種類のフィルターのいずれも、使うことができ、幾つかの従来カラーイメージセンサーにおけるように、有機着色フィルターを含み、および半導体集積回路製造プロセスによってセンサー群を用いて集積化される1つ以上の層を含むフィルターを含む(たとえば、短波長を吸収するためのポリシリコンの層、酸化物および窒化物層を交互に重ねたスタックである干渉フィルター、または干渉効果によってスペクトル感度を形成するための別の干渉フィルター)。
好適な実施形態において、VCFセンサー群は読み出し表面を持つ固体材料のブロックである。少なくとも2つの垂直積層センサーがこのブロック内に形成され、各々のセンサーは異なるスペクトル感度を持ち、またセンサーは、半導体材料の層を含み、フォトダイオードとして機能するためにバイアスされるように作られる。このセンサー群はまた、センサーの1つと読み出し表面との間のトレンチ(溝)コンタクトを含む。
他の好適な実施形態において、VCFセンサー群は、感知される放射線は伝播できる最上部表面および底面を持つ固体材料のブロックである。少なくとも2つの垂直積層センサーがこのブロック内に形成され、各々のセンサーは異なるスペクトル感度を持ち、このセンサーは半導体材料の層を含み、またこのセンサーはフォトダイオードとして機能するためにバイアスされるように作られる。このセンサー群はまた、センサーの1つと底面との間にコンタクトおよび底面に形成された少なくとも1つのトランジスターを含む。好適には、このトランジスターは、半導体集積回路製造プロセスによって底面に形成される。バイアスおよび読み出し回路はこのトランジスターに結合できる。
他の好適な実施形態において、本発明は、半導体基板上に垂直カラーフィルターセンサー群を製造する方法であり、第1のエピタキシャル層の形成を含み、第1のエピタキシャル層におけるプラグコンタクトの第1の部分を形成するためのイオン注入を行い、プラグコンタクトの第1の部分を形成後に、第1のエピタキシャル層上に第2のエピタキシャル層を形成し、さらに第2のエピタキシャル層においてプラグコンタクトの第2の部分を形成するためのイオン注入を行う。別の実施形態において、本発明はこのような方法によって形成されたプラグコンタクトを含むVCFセンサー群である。好適には、各々のイオン注入した基板は、リンの拡散係数よりも顕著に低い拡散係数を持つ。たとえば、第1のエピタキシャル層および第2のエピタキシャル層は本質的にp型シリコンからなり、イオン注入物質はヒ素である。
他の実施形態において、VCFセンサー群は、第1の極性を持つ半導体基板上に形成され、少なくとも2つの垂直積層センサーを含む。各々のセンサーは、第2の極性(第1の極性に反対の)を持つ半導体基板のキャリア収集層を含み、フォトダイオードとして機能するためにバイアスされる時、第2の極性の光励起キャリアを集めるために作られる。第1のセンサーは、第1の極性を持つ半導体材料の第1の基準体積(部分)を含み、第2のセンサーは、第1の極性を持つ半導体材料の第2の基準体積を含む。第1の基準体積および第2の基準体積は、第1のセンサーおよび第2のセンサーのキャリア収集層の間に存在し、このセンサーがフォトダイオードとして機能するためにバイアスされるとき、第1の極性の光励起キャリアを集め運び出すために形成される。このセンサー群はまた、第1の基準体積および第2の基準体積の間に、第1の極性を持つが、第1の基準体積および第2の基準体積のどちらかより多量にドープされた、半導体材料の分離層を含む。
当業者は、本発明の次の説明は説明のためだけであり、いずれの方法によっても制限されない、ということを認識するであろう。本発明の他の実施形態は、この開示の利益を持つ当業者にとって容易に示唆するものである。
ここで記載される製造プロセスのほとんどは、結晶シリコンから作られたセンサーを仮定する。しかし、この方法(または当業者にとって明確な改良)は通常、他の半導体材料または材料から作られたセンサーにも適用する。VCFセンサー群の各々のセンサーは、電子-正孔対に直接にまたは間接に光子のエネルギーを変換することによって、光子を感知する。これは半導体的材料において起こる。VCFセンサー群は通常、この群の各々のセンサーの出力が入射放射線の異なる波長バンドを示すように行われる。VCFセンサー群において各々のセンサーに達する放射線は、センサー群を形成する材料のフィルター動作のために、異なる波長強度スペクトルを持つ。この結果、VCFセンサー群のすべてのセンサーは同等であり、各々のセンサーは異なる波長バンドを示す出力を出すことができる。しかし、幾つかの実施形態において、VCFセンサー群のセンサーは必ずしもすべて同等である分けではなく(たとえば、それらは同一の材料または材料の同一の組合せから必ずしもすべて構成されるわけではない)、あらかじめ決められた応用のためにセンサー群の性能を最適化したり改良するように、各々の構造と構成は決定される。たとえば、波長の所定範囲(すなわち、このような範囲において比較的高い吸収率)まで比較的高い吸収率を持ち、他の波長では低い吸収率を持つセンサーは、VCFセンサー群を形成するために異なるスペクトル敏感性を持つ他の材料から作られるセンサーを有して垂直(縦方向)に積層することができる。
デジタル・スチル・カメラ(DSC)のためのカラー出力は、人間の視覚システムの3色特性のために、3つのスペクトルバンドの最小値を感知する必要がある。
この結果、3つの異なるスペクトルバンドを感知するために、本発明のVCFセンサー群(各々は半導体材料を含む)も多くの実施形態は3つの垂直積層センサーを持つ。3つの垂直積層センサーよりむしろ2つの垂直積層センサーを持つVCFセンサー群は、たとえばUS特許4,581,625およびUS特許4,677,289に記載された可視光および赤外光放射線の同時検出のような、他の応用において有用である。3つのスペクトル領域よりセンシングに有用性があるので、本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態は3つ以上の垂直積層センサーを持つ。付加的なスペクトル領域からの余分な上方を使って、対象物のカラーのさらに正確な表現を出すことが可能である。さらに多くのスペクトルデータを利用できるので、カラー表現の正確さが潜在的に改善する。
本発明のVCFセンサー群の実施形態において、各々のセンサーは、(図2における層X01および層X09の近接部分を含むセンサーが含む)2層の半導体材料、または(図2における層X02および層X09とX10との近接部分を含むセンサーが含む)3層の半導体材料を含み、各々の2つの近接層のセンサー間の接合(たとえば、「p−n」接合またはヘテロ接合)が存在し、およびセンサーの層の1つはコンタクト部分(バイアスや回路読み出し容易になる)を持つキャリア収集要素である。通常の動作中に、各々のセンサーの層は光励起キャリアは、少なくとも1つの空乏領域を通ってコンタクト部分で利用できる光電荷信号を作るためにコンタクトへ移動する。VCFセンサー群の通常の実施形態において、この群は光子を吸収することができる材料(たとえば、空乏領域X04にも空乏領域X05にも属さない、図2における層X09の半導体材料)を含み、このような吸収は読み出し回路によって検出される電荷を発生しやすく、そこにおいて、光励起キャリアは少なくとも2つの異なるキャリア収集要素のいずれかの方へ移動する(重要な可能性を持つ)ことが可能である。通常、VCFセンサー群のすべての層は半導体材料からなるが、必ずしもそうでなくても良い。
図1は、波長450nm、550nm、および650nmに関して、シリコンの深度の関数として、結晶シリコンにおける電磁放射線の強度(その入射強度I0に対して)のグラフである。図3は、波長450nm(カーブA)、550nm(カーブB)、および650nm(カーブC)に関して、その上にオーバーレイした(被せた)図2のセンサー群の層の位置を示すとともに、シリコンの深度の関数として、結晶シリコンにおける電磁放射線の吸収率(その入射強度I0に対して)のグラフである。図1および3のグラフは、同じデータから得られている。図3の各々のカーブは、図1の対応するカーブの「(n+1)番目」のデータと「n番目」のデータとの間の差である「n番目」の差の値を用いて、その差の値をプロットする。シリコン以外の多くの半導体における深度の関数として放射線の強度(所定の波長を持つ)は、図1においてグラフ化されたものと同様の関数である。図1は、(各々の波長に関して)放射線の相対強度(比I/I0、ここで、“I”はシリコンの深度“x”における強度で、“I0”は入射強度である)は、光子がシリコンによって吸収されるので、深度の増加と共に減少する、ということを示す。図1および3は、比較的多くの青色光(450nm)の光子は、長波長の光子であるというよりも、表面付近で吸収されるということ、また、シリコンのいずれの深度においても、青色光の光子よりももっと多くの緑色光(550nm)の光子が存在するということ、緑色光の光子よりももっと多くの赤色光(650nm)の光子が存在するということを示している(赤色光、緑色光、および青色光の光子に関して、入射強度は等しいと仮定している)。
図1(および図3)の3つのカーブの各々は、深度の増加と共に強度が指数関数的に落ちるということを示し、さらに通常のドーピングおよびプロセスにさらされる結晶シリコン内の光の測定された挙動に基づく。各々のカーブの正確な形は、ドーピングおよびプロセスのパラメーターに依存する。ドーピングおよび/またはプロセスのパラメーターの異なる組合せを仮定するカーブの間に、わずかな差だけが存在する。半導体による異なる波長の光子の吸収は、半導体のバンドギャップ・エネルギー、およびバンド端における状態の詳細に依存するということは、周知である。通常の半導体(たとえば、シリコン)は異なる波長に対して異なる吸収率を持つということもまた周知である。
図1および3から明らかなように、シリコンのもっと大きな体積における所定の深度において、VCFセンサー群におけるセンサーとして機能し、また所定の厚さを持つシリコンの体積は、緑色光より青色光に対して大きな吸収率を持ち、赤色光より緑色光に対して大きな吸収率を持つ。しかし、センサーシリコンが、より大きな体積において十分に深い場合、青色光および緑色光の殆どは、センサーシリコン上の材料によって吸収されてしまうだろう。たとえ実質的に平坦な波長強度スペクトルを持つ光がより大きな体積の表面において入射したとしても、このセンサーは、緑色光または青色光よりももっと多くの赤色光を実際に吸収することができる。また、センサーに達する緑色光および青色光の強度は、センサーに到達する赤色光の強度よりもかなり小さい。
本発明のVCFセンサー群の通常の実施形態は、半導体材料の体積における深度の異なる範囲において光子を捕獲することによって色の分離を達成する。図2は、最上部層X01(n型半導体から作られる)、最上部層下の第2の(p型)層X09、第2の層下の第3の(n型)層X02、第3の層下の第4の(p型)層X10、第4の層下の第5の(n型)層X03、および第5の層下のp型半導体基板X11を含む、VCFセンサー群の垂直ドーピングプロファイルである。
図2Aは、このVCFセンサー群の断面図(垂直面における)である。図2Aに示されるように、バイアスおよび読み出し回路は、層X01、X02、X03、X04、およびX05に,また基板X11に結合する。
青色、緑色、および赤色フォトダイオードセンサーは、図2Aのn型およびp型領域の間の接合によって形成され、半導体構造の表面下の異なる深度(深さ)に配置される。赤色、緑色、および青色光電荷信号は、3つの分離されたフォトダイオードのn型カソード(X01、X02、およびX03)からすべて取り出される。
図2Aの読み出し回路は非記憶型であり、US特許09/884,863に記載されたものと同様である。各々のセンサー読み出し回路は、RESET信号線から駆動され、フォトダイオードのカソードとリセット電位(図2AにおけるVREFと表示される)との間に結合された、リセットトランジスター(青色光に関して54b、緑色光に関して54g、および赤色光に関して54r)を含み、ゲートがフォトダイオードカソードへ結合され、ドレインが動作中に電位VSFDで保持されるソース・フォロワー増幅器トランジスター(トランジスター56b、56g、および56r)を含み、さらにROW-SELECT信号線から駆動され、関連のソース・フォロワー増幅器トランジスターのソースと列線との間に結合された列選択トランジスター(トランジスター58b、58g、および58r)を含む。添え字“r”、“g”および“b”は各々のトランジスターと関連した波長バンド(赤、緑、または青)を示すために使われる。当業者に知られているように、RESET信号は画素をリセットするために働き、照射中は働かないが、その後で、列選択線は検出信号を読み出すために働く。
p型領域X09、X10およびX11の各々は、動作中はグランド電位に保持される。n型領域X01、X02およびX03の各々は、バイアス回路および読み出し回路につながる(および結合することができる)コンタクト部分を持つキャリア収集要素である。このセンサー群の各々の読み出し前に、バイアス回路はリセット電位(上述のグランド電位)に対して各々のn型領域層をリセットする。感知される放射線に露出中に、近接したp型およびn型層の反転バイアスされたペアー(電子-正孔対)はフォトダイオード(カソードが層X01であり、アノードが層X09である第1のフォトダイオード、カソードが層X02であり、アノードが層X09およびX10である第2のフォトダイオード、カソードが層X03であり、アノードが層X10およびX111である第3のフォトダイオード)として機能する。図2に示すように、n型層X01、X02およびX03の各々は、バイアス回路および読み出し回路に結合し、この結果フォトダイオード・ターミナル(端末)として役に立つ。
通常の動作中に、図2のフォトダイオードはバイアス反転されるとき、空乏領域は、光子が吸収されるシリコンの大部分を取り囲むように形成される。図2において、第1のフォトダイオード(これは最初に青色光を感知する)に関して空乏領域は“X04”と記され、第2のフォトダイオード(これは最初に緑色光を感知する)に関して空乏領域は“X05”および“X06”と記され、第3のフォトダイオード(これは最初に赤色光を感知する)に関して空乏領域は“X07”および“X08”と記される。空乏領域内の部分は、光子の吸収によって形成される電子-正孔対を分離する。これは電荷を各々のフォトダイオードのカソード上に残し、各々のカソードに結合した読み出し回路はこの電荷を電気信号に変換する。各々のフォトダイオードのカソードの電荷は、フォトダイオードによって吸収される光子の数に比例する。この比例は量子効率QEである。
図3は、図1に示された同じカーブを示し(シリコンによる青色、緑色、または赤色の光子の吸収を示す)、またキャリア収集要素(X01、X02、およびX03)の範囲および図2の構造の空乏領域を示す線を含む。この結果、図3における「X01+X04」と記された領域は、空乏領域X04の低いほうの表面上に図2の領域を表す。また、図3における「X05+X02+X06」と記された領域は、空乏領域X05の上面と空乏領域X06の低面との間に図2の領域を表す。さらに、図3における「X07+X03+X08」と記された領域は、空乏領域X07の上面と空乏領域X08の低面との間に図2の領域を表す。図3はこの結果3つの異なった「センサー」領域を示し、図2の3つのフォトダイオードは光子を吸収し、このような吸収から生じる電荷は残存し(また電荷が発生するセンサー領域の外側に移動しない)、読み出し回路によって測定できる。3つのセンサー領域(たとえば、空乏領域X04の底面と空乏領域X05の上面との間の層X09で発生した電子-正孔対)の間に発生した電子-正孔対は、それでもセンサー領域へ拡散する(高効率で)ことが可能であり、読み出し回路によって測定できるフォトダイオード上に電荷を発生可能である。
波長によって光子の選択吸収は3つのフォトダイオードの光感度を決定する。450nm、550nm、および650nm光に関して、図3のカーブと関係するセンサー領域(「X01+X04」、「X05+X02+X06」、および「X07+X03+X08」)の位置を考慮する場合、センサー領域の深度および範囲はスペクトル感度を決定する。「X01+X04」領域において、入射青色光は、入射緑色光および赤色光よりもかなり多く吸収されるが、緑色光および赤色光は少量吸収されるだけである。「X01+X04」領域において、入射緑色光は、入射青色光よりかなり少なく吸収され、また入射緑色光は、入射赤色光よりかなり多く吸収される。「X05+X02+X06」領域において、入射緑色光は、入射青色光より多く吸収され(領域「X01+X04」における入射青色光の殆どは、その領域において吸収され、領域「X05+X02+X06」に到達しないので)、また入射緑色光は、入射赤色光より多く吸収される(たとえ、領域「X01+X04」における少量の入射赤色光だけがその領域で吸収され、その結果、殆どのこのような赤色光が領域「X05+X02+X06」に到達したとしても)。
入射光の波長の全範囲(3波長450nm、550nm、および650nmだけではない)は図2の3つのフォトダイオードのスペクトル感度を決定するが、これは図4に示されるものに類似する。図4のカーブC1は、図2の最上部(「青色光」)フォトダイオードと同様の最上部(「青色光」)フォトダイオードのスペクトル感度であり、図4のカーブC2は、図2の中間(「緑色光」)フォトダイオードと同様の中間(「緑色光」)フォトダイオードのスペクトル感度であり、図4のカーブC3は、図2の底部(「赤色光」)フォトダイオードと同様の底部(「赤色光」)フォトダイオードのスペクトル感度である。
実施形態の重要な段階において、(図2のVCFセンサー群を含む)、本発明のVCFセンサー群は3つのフォトダイオードを使用する。このようなVCFセンサー群は、DSCまたはデジタル・ビデオカメラの使用に充分適切である。しかし、他の実施形態において、本発明のVCFセンサー群は、少なくとも主に半導体材料からなる体積内で、異なる深度で配置される2つの(または3つを超える)フォトダイオードを使用する。
既に述べたように、吸収率が波長とともに変化する材料は、それらを通して深度の関数としてその材料へ伝播する放射線のスペクトル量を変化させる。このような材料はVCFセンサー群において多重機能を持つ。それらは、フィルターとして機能できる。またセンサー(センサーの要素)としても機能する。たとえば、図2において、シリコン領域X01、X02,X03,X09,X10、およびX11の各々は、フィルターとして、および少なくとも1つのセンサーの要素としても機能する。他の実施形態において、他の半導体(または、少なくとも2つの異なる半導体的材料)も同様にセンサー(または、センサーの要素)としてもフィルターとしても機能する。
実施形態のある段階において、本発明の垂直カラーフィルター(“VCF”)センサー群は垂直に積層したセンサーを含み、このセンサーは最上面を持つ最上部センサーを含み、この群のいずれの他のセンサーにも到達する前に、感知される放射線は最上面に入射し、最上部センサー(最上面を通して)へ伝播する。最上面は標準軸を定義する(および、通常少なくとも実質的に平面である)。好適には、この群の垂直軸に沿って伝播する放射線はこの群に入射するとき、標準軸に関して約30度未満の入射角を有して、この放射線が最上部センサーに入射するように、このセンサーは作られる。
次に図5、6、および7に関連して、我々は、シリコン以外の半導体材料(たとえば、InGaNまたは他のIII−V族半導体材料、またはIII−V族材料ではないシリコン以外の半導体材料)はVCFセンサー群を形成するために使われる実施形態を記載する。シリコンでもIII−V族材料でもないこのような半導体材料の1つは、シリコンカーバイドである。図5は、最上部センサー10、底部センサー14、およびセンサー10および14の間にある中間センサー12を含む、VCFセンサー群の単純化される断面図(垂直面における)である。センサー10および12の各々はInxGa1-xN半導体材料からなり、ここでセンサー10に関してx=0.475で、センサー12に関してx=0.825である。センサー14は本質的にシリコンからなる。通常、センサー10および12の各々は、フォトダイオードとして機能するために動作中にバイアスされた少なくとも1つの接合を決定するInxGa1-xN半導体の多重層からなる。またセンサー14は、フォトダイオードとして機能するために動作中にバイアスされる、異なるドーピングを持つシリコンの多重層(たとえば、n型シリコン層、およびそのn型シリコン層の上部と下部のp型シリコン層の近接部分)からなる。
1つ以上のIII−V族半導体材料から本質的になるセンサーを使い、フォトダイオードとして機能するために動作中にバイアスされる、接合(ヘテロ接合およびショットキーバリアーを含むいずれかの種類の)を決定することは、本発明の範囲内にある。
図6は、インジウム量の異なるレベル(添え字“x”の異なる値)を持つInxGa1-xN半導体の電子ボルトにおける、バンドギャップエネルギー(中心列で「エネルギーギャップ」と記されている)をリストする表である。図6はまた、各々のバンドギャップエネルギーに対応する光学波長をリストする(右列において)。この結果、図6は示す。In0.1Ga0.9Nから作られたセンサーによって吸収することができる最大波長は388nmで、図5のセンサー10(In0.475Ga0.525N半導体から作られる)によって吸収することができる最大波長は約500nmで、図5のセンサー12(In0.825Ga0.175N半導体から作られる)によって吸収することができる最大波長は約612nmである。
この結果、センサー10は、すべての(または実質的にすべての)緑色光および赤色光入射を伝達し、好適にはそれがすべての(または実質的にすべての)青色光入射を図5のセンサー群上で吸収するのに十分な厚さを持つ。同様に、センサー12はすべての(または実質的にすべての)赤色光入射を伝達し、好適にはそれがすべての(または実質的にすべての)緑色光入射を図5のセンサー群上で吸収するのに十分な厚さを持つ。センサー14は好適には、それがすべての(または、少なくとも重要な量の)赤色光入射を吸収するのに十分な厚さを持つ。
一般には、VCFセンサー群を形成するために、InxGa1-xN半導体半導体材料(または他のIII−V族半導体材料)を使うとき、その材料のパラメーター(たとえば、InxGa1-xNにおけるパラメーター"x")は、(たとえば、閾値よりも大きな波長を持つ光に対してあるセンサーを透過的にするために)VCFセンサー群の各々のセンサーに関して所望のバンドギャップエネルギーを達成するために選ばれる。
さらに一般的に、本発明の幾つかの実施形態において、シリコン以外の少なくとも1つの半導体材料が、VCFセンサー群の少なくとも1つのセンサーを実施するために使われる。またこの材料は、この群の異なるセンサーを異なる波長バンドに選択的に敏感にするように選ばれる。幾つかのこのような好適な実施形態において、少なくとも2つの異なる種類の半導体材料は、VCFセンサー群のセンサーを実施するために使われ、この材料は、この群の異なるセンサーを異なる波長バンドに選択的に敏感にするように選ばれる。
本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態は少なくとも1つの「アバランシェ」フォトダイオードを含み、それは、「アバランシェ」ゲインプロセスの結果として、吸収された光子当たり1個以上の電子を集めるフォトダイオードである。アバランシェ・ゲイン・プロセスにおいて、第1の電子-正孔対は少なくとも1つの付加的電子-正孔対を発生し、第1の電子-正孔対の電子エネルギーは、フォトダイオードセンサーを形成する半導体材料のバンドギャップエネルギーを超えると仮定する。半導体材料は、電子に関してイオン化係数(an)および正孔に関してイオン化係数(ap)を持つ。ここで1/anは、衝突イオン化によって電子-正孔対を発生する前に、電子がその材料において加速される平均距離である。1/apは、衝突イオン化によって電子-正孔対を発生する前に、正孔がその材料において加速される平均距離である。フォトダイオードが半導体材料{これにおいては、イオン化係数の比、ap/anは、フォトダイオードは半導体材料(これにおいては、イオン化係数の比、ap/anは、1よりもかなり大きいか、または1よりもかなり小さい)から形成されるという場合におけるよりも1にほぼ等しい}から形成されるとき、実際的なアバランシェフォトダイオードを実施することははるかに困難である。
本発明の幾つかの実施形態において、VCFセンサー群の少なくとも1つのセンサーは、光学的吸収領域および光学的吸収領域から分離されたアバランシェ領域を含むアバランシェ・センサーである。たとえば、図7は、VCFセンサー群に含まれ得るこのようなアバランシェ・センサーの断面図である。図7のセンサーは、基板20(n+シリコンから作られる)、基板20上に層21(n−シリコンから作られる)、層21上に層22(相対的に低いドーパント濃度を持つn型InxGa1-xN半導体材料から作られる)、および、層22上に層23(相対的に高いドーパント濃度を持つp型InxGa1-xN半導体材料から作られる)を含む。金属コンタクト27は層23上に形成され、基盤20は、n+シリコンからなる垂直方向のコンタクト領域によって、金属コンタクト25に結合される。動作中に、バイアス電圧は金属コンタクト25および27にわたり印加される。また、読み出し回路をコンタクト27に結合することができる。層21、22、および23および絶縁材料24(シリコン・ナイトライドであることもできる)の間に(および基板20および材料24の間に)、層21、22、および23、および絶縁材料24の周りに、絶縁材料27A(これはフォトレジストから構成することができる、たとえば、ポリメチルグルタリミド・レジスト)によって、分離が提供される。
動作中に、層22および23は、電子-正孔対が入射光子に応えて形成される光学的吸収領域として機能する。層22および23を形成するInxGa1-xN半導体材料は、1よりかなり大きい(または、かなり小さい)イオン化係数の比(ap/an)を持つ。この結果、層22と23はアバランシェ・ゲイン領域として利用されない。
動作中に、層21および20は、光学吸収領域において形成される電子-正孔対に応じて電子-正孔対が形成されるアバランシェ・ゲイン・領域として機能する。層22と23を形成するシリコンは、層22と23に関してイオン化係数の比(ap/an)であるよりも1に非常に近いイオン化係数の比を持つ。
一般に、本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態は、アバランシェ・フォトダイオードである少なくとも1つのセンサーを含む。ここでアバランシェ・フォトダイオードは、電子のイオン化係数がその正孔のイオン化係数よりも非常に異なる半導体材料(たとえば、InGaN)から作られた光学吸収領域を含み、また電子および正孔に関してほぼ等しいイオン化係数を持つ別の半導体材料(たとえば、シリコン)から作られる光学吸収領域から分離されるアバランシェ領域を含む。アバランシェ・フォトダイオードとして使われるセンサーの1つの重要な用途は、アバランシェ・フォトダイオードに到達する前に、少なくとも1つのフィルターおよび/または少なくとも1つの他のセンサーを通して伝播中に顕著に減少した(たとえば、吸収によって)その強度を持った放射線のような、低い強度の放射線を感知することである。
本発明のVCFセンサー群の他の実施形態において、センサー(またはセンサー要素)として機能しない少なくとも1つのフィルターは、センサーとして(または、1つの要素として、または1つ以上のセンサーとして)機能する、少なくとも1つの層の半導体材料を用いて積層される。このようなフィルターは、図2の実施形態においてシリコンが持つのと同じスペクトル感度を持つことが可能であるが、必ずしも持つ必要はない。
フィルターは次の意味において放射線から波長を除く。各々のフィルターに関して、第1および第2の波長が存在する。第1および第2の波長がそれぞれ、強度“I1”および“I2”を有してフィルターに入射する場合、第1および第2の波長の伝達された強度(フィルターを通して伝達後)は、それぞれ、“O1”および“O2”であり、この時、O1≦I1、O2≧I2、およびO1/O2<I1/I2である。
本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態に含まれるあるタイプのフィルターは、入射する電磁的放射線の波長を変化させる「変換フィルター」(たとえば、「変換層」)である。「変換」フィルターはある波長の光子を吸収し、少なくとも1つの短波長かまたは長波長で光子を放出する。通常、変換フィルターを含む材料は非線形光学材料である。あるセンサーのカットオフ(遮断)周波数以下の周波数を持つ光子を、より高い周波数へ変換するために変換フィルターを使うことができ、その結果、それらを検出できる。代替として、閾値周波数以上の周波数を持つ光子をより低い周波数へ変換するために変換フィルターを使うことができ、その結果、それらを検出できる。後者の例は、X線(X線は容易にたいていの検出材料を貫通する)を容易に検出される可視光へ変換するために使われるX線変換層である。約100μmの厚みを持つガドリニウム・オキシ・サルファイドの層か、または約100μm〜600μmの範囲の厚みを持つタリウムでドープされたセシウム・ヨウ化物の層のどちらかが、本発明の幾つかの実施形態において、このようなX線変換層として使うことができる。
スペクトルバンドの群における光子を検出する2つの関連した方法が存在し、各々は本発明を実施するために使うことができる。本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態において、少なくとも1つのフィルターは光子を少なくとも1つの波長バンドの外側へ移動し、少なくとも2つの垂直積層センサーは残存する光子を検出し、ここで各々のセンサーは各々のフィルターと異なる要素である。本発明のVCFセンサー群の他の実施形態は、非センサーフィルター(センサーでないフィルター)を含まないが、制限された波長バンドに敏感なセンサーを含む。たとえば第1のセンサーおよび第1のセンサーの下の第2のセンサーを含むことによって、本発明の他の実施形態はこれらのアプローチの組合せを実施する。ここで第1のセンサーは、制限された範囲の波長を吸収し、この範囲の外側の光子を第2のセンサーへ通し、また第2のセンサーはすべての波長に敏感である。この実施例において、第1のセンサーは、第2のセンサーのフィルターとして機能する。
本発明の幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非センサーフィルターは、VCFセンサー群の垂直積層センサーの少なくとも1組の間に、またはこの群の最上部センサーの上に、またはこの群の底部センサーの下に配置される。このようなフィルターがVCFセンサー群の垂直積層センサーの一組の間に配置されるとき、このフィルターは種々の異なるタイプのいずれかであることもでき、次を含む(がこれらに限定されない)。このフィルターはある波長バンドにおける放射線を吸収でき、どんな波長の重要な放射線も反射することなく他の波長を伝達することができる。このフィルターはある波長バンドにおける放射線を反射することができ、どんな波長の重要な放射線も吸収することなく他の波長を伝達することができる。または、このフィルターは、ある波長バンドにおける放射線に対して高い透過性があり、別の波長バンドにおける放射線に吸収性があり、第3の波長バンドにおける放射線に反射性がある。図8のVCFセンサー群は、後者のタイプの2つの非センサーフィルターを含む。すなわち、カラーフィルター43およびカラーフィルター48。図8のセンサー群は、考えられる本発明の多くの実施形態の1つの例にすぎないということを理解するべきである。
図8は、本発明のVCFセンサー群のアレイの1つの実施形態の部分の断面図(垂直面における)であり、2つの非センサーフィルター(層43および48)および4つの分離層(格差障壁42、44、47、および48)を含む。各々の分離層は二酸化シリコンから構成することができる。図8において、1つのVCFセンサー群は、層51(n型半導体から作られる)および層51の上と下にp型半導体材料50の層を含み、材料50の下に絶縁層49、層49の下にカラーフィルター48、フィルター48の下に絶縁層47、層46(n型半導体から作られる)および層46の上と下にp型半導体材料45の層、材料45の下に絶縁層44、層44の下にカラーフィルター43、フィルター43の下に絶縁層42、層41(n型半導体から作られる)および層41の上と下にp型半導体基板材料40を含む。垂直方向のプラグコンタクトは、層41、46、および51の各々をセンサー群の最上面に接続する。この結果、層41、46、および51の各々は、バイアスおよび読み出し回路に結合することができる。放射線(正常にセンサー群の最上面に入射する)をプラグコンタクトに到達する(これは、周波数選択性を減少させる)ことから防ぐために、光シールド54がプラグコンタクト上に実装される。図8のアレイはまた、第2のVCFセンサー群を含む。第2のVCFセンサー群は、層63(n型半導体から作られる)および層63の上と下にp型半導体材料50の層、材料50の下に絶縁層49、層49の下にカラーフィルター48、フィルター48の下に絶縁層47、層62(n型半導体から作られる)および層62の上と下にp型半導体材料45の層を含み、材料45の下に絶縁層44、層44の下にカラーフィルター43、フィルター43の下に絶縁層42、層61(n型半導体から作られる)および層61の上と下にp型半導体基板材料40を含む。垂直方向のプラグコンタクトは、層61、62、および63の各々をセンサー群の最上面に接続する。この結果、層61、62、および63の各々は、バイアスおよび読み出し回路に結合することができる。放射線(正常にセンサー群の最上面に入射する)をプラグコンタクトに到達することから防ぐために、光シールド54が第2のVCFセンサー群のプラグコンタクト上に実装される。
図8の実施形態のバリエーションにおいて、n型層51および63(これは垂直方向のコンタクト部分を欠く)における水平方向のバリエーションは、センサー群の最上面で露出されている(また半導体材料50によってはカバーされていない)。このような露出した
各々のn型層を、バイアスおよび読み出し回路へ直接連結する(たとえば、その上に形成される金属によって)ことが可能である。同様に、図8の実施形態のバリエーションにおいて、n型層46および62は層47の下に直接に存在し(また、p型半導体材料45によって層47から分離されない)、さらに、n型層41および61は層42の下に直接に存在する(また、p型半導体材料40によって層42から分離されない)。
図8のp型半導体層の各々は、動作中にグランド電位に保持される。n型半導体層の各々は、バイアスおよび読み出し回路につながっている(また、結合することができる)プラグコンタクトによって結合される。各々のセンサー群の各々の読み出し前に、ベース回路はn型層の各々を基準電位(上のグランド電位)にリセットする。感知される放射線に露出中に、第1のセンサー群の近接したp型およびn型層の反転バイアスされた組は、フォトダイオードとして機能する。カソードが層51であり、アノードが材料50(センサー群の最上部に白色光の入射に応答して緑色または赤色光子より多くの青色光子を吸収するので、「青色」センサーと呼ばれる)近接層である第1のフォトダイオード。カソードが層46であり、アノードが材料45(白色光がセンサー群の最上部に入射するとき、青色または赤色光子より多くの緑色光子を吸収するので、「緑色」センサーと呼ばれる)の近接層である第2のフォトダイオード。カソードが層41であり、アノードが材料40(白色光がセンサー群の最上部に入射するとき、青色または緑色光子より多くの赤色を吸収するので、「赤色」センサーと呼ばれる)の近接層である第3のフォトダイオード。感知される放射線に露出中に、第2のセンサー群の近接したp型およびn型層の反転バイアスされた組もまた、フォトダイオードとして機能する。カソードが層63であり、アノードが材料50(第2のセンサー群の最上部に白色光の入射に応答して緑色または赤色光子より多くの青色光子を吸収するので、「青色」センサーと呼ばれる)の近接層である第1のフォトダイオード。カソードが層62であり、アノードが材料45(白色光が第2のセンサー群の最上部に入射するとき、青色または赤色光子より多くの緑色光子を吸収するので、「緑色」センサーと呼ばれる)の近接層である第2のフォトダイオード。カソードが層61であり、アノードが材料40(白色光が第2のセンサー群の最上部に入射するとき、青色または緑色光子より多くの赤色を吸収するので、「赤色」センサーと呼ばれる)の近接層である第3のフォトダイオード。
層40、41、45、46、50、および51は、結晶シリコンから作られるとき(通常であるように)、層51および50はそれぞれ層46および45より好適には薄く、また層41および40はそれぞれ層51および50より薄い。これは、緑色光よりかなり多くの赤色光は各々の赤色センサーに入射すること、および、緑色光よりかなり多くの青色光は各々の青色センサーによって吸収されることを保証する一方で、各々の緑色センサーに入射する赤色光に対する緑色光の強度比は、十分に高いということを保証するのに十分な量による。通常、第1のセンサー群における層51および50(および第2のセンサー群における層63および50)の合わさった厚みは約0.3μm以下であり、または第1のセンサー群における層45および46(および第2のセンサー群における層45および62)の合わさった厚みは約5μmである。
カラーフィルター43は、赤色光に対して透過性が高いが、そこに入射する殆どまたはほぼすべての青および緑色光を反射する「赤色パス/シアン反射」フィルターである。カラーフィルター48は、そこに入射する赤色光および緑色光に対して透過性が高いが、そこに入射する殆どまたはほぼすべての青色光を反射する「黄色/青色反射」フィルターである。本発明の他の実施形態は反射性ではない透過性フィルターを使う。
フィルター43は、各々の赤色センサーによって吸収される、緑色光に対して赤色光の比を増加させる(および青色光に対して赤色光の比)ように機能し、またフィルター43を削除した場合、赤色センサーに影響を与える可能性がある赤色/緑色の識別問題を減少させるか除去することができる。同様に、フィルター48は、各々の緑色センサーによって吸収される、青色光に対して緑色光の比を増加させるように機能し、またフィルター48を削除した場合、緑色センサーに影響を与える可能性がある緑色/青色の識別問題を減らすかなくすことができる。
フィルター48から反射する青色光は青色センサーに吸収される別の機会を有するので、フィルター48はまた、各々の青色センサーによって吸収される、緑(および赤)色光に対して青色光の比を増加させるように機能する。フィルター48から赤色および緑色光の青色センサーへのわずかな反射が存在するだけであるから、青色光の各々の青色センサーの吸収は、赤色および緑色光に対する応答を増加させることなく改良される。同様に、フィルルター43から反射する緑色光は緑色センサーに吸収される別の機会を有するから、フィルター43はまた、各々の緑色センサーによって吸収される赤色光に対して緑色光の比を増加させるように機能する。フィルター43から赤色光の緑色センサーへのわずかな反射が存在するだけであるから、各々の緑色センサーの緑色光の吸収は、赤色光への応答を増加させることなく改良される。ほぼすべての青色光は青色センサーにおいて吸収されるか、フィルター48によって青色センサーの方へ反射されるので、青色光が緑色センサーに到達することはまずない。
VCFセンサー群におけるフィルターとして働く多くの種類の材料がある(たとえば、図8におけるフィルター43または48、波長バンドで反射性があり他のすべての波長に透過性があるフィルター、または波長バンドでは吸収性があるが反射性はないフィルター)。これらの材料は、組合せまたは種々の厚さで使うこともできる。この配置は、それらの光学的性質によって部分的に決定されるが、プロセスの集積事情によって最適化される。
材料および材料間の界面は光子を反射可能である。鏡の反射率は波長によって選択性であるとき、鏡(材料および材料間の界面)は本発明のVCFセンサー群においてフィルターとして機能することができる。たとえば、本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態は2色性ミラーを含み、その両方は、第1の波長バンドの放射線を透過し、第2の波長バンドの放射線を反射する。
上述したように、光学吸収は波長とともに変化する材料の積層は、本発明のVCFセンサー群の種々の実施形態においてフィルターとして使うことができる。色々ドープした半導体材料(たとえば、シリコン)の層を含む好適な実施形態において、少なくとも1つの半導体層はフィルターとしてもまたセンサーとしても使われる。半導体材料の層は、フィルターとしてもまたフォトダイオードセンサーのカソード(またはアノード)としても使われるVCFセンサー群において、センサーのスペクトル感度は、フォトダイオードのアノードおよびカソードに渡って印加された、バイアス電圧を制御することによって多少コントロールすることができるし、ドーピングレベルおよびドーパント原子およびセンサー要素の構造間隔を決定することによってコントロールすることもできる。
本発明の幾つかの実施形態に含まれる別の種類のフィルターは薄い金属膜である。薄い金属膜は部分的な反射体として作用することができ、この結果入射光子をフィルターする。反射した光子はそれらの上のどんな層も通って戻り、吸収される第2の機会をそれらに与える。
本発明の幾つかの実施形態に含まれる他の種類のフィルターは、ある波長を反射し他の波長をパス(通過)する干渉フィルター(たとえば、異なる誘電率を持つ誘電材料の積層)、および有機および無機の染料および色素である。
本発明の幾つかの実施形態において、フィルターは、たとえば、出願10/103,304に記載される、種々のパターンのいずれのアレイのVCFセンサー群の間にも分配される。このフィルターはすべて同一であることもできるが、必ずしも同一である必要もない。好適にも、各々フィルターはVCFセンサー群の1つを用いて(たとえば、半導体層上に、または半導体層の間に形成される層として)一体的に形成される。代替的に、フィルターはセンサー群から別々に製造することができ、その後でセンサー群アレイの上に配置し、VCFセンサー群へ結合する(そうでなければ、付着したり、固定位置に保持したりする)ことができる。このフィルターは、図8Aに示されるように、交互または「チェックボード」方式で提供することができ、ここに、“RGB”と記された各々の四角はVCFセンサー群を示し、“X”と記された各々の四角はフィルターの1つを含むVCFセンサー群を示す。図8Aに示すように、各々の奇数番号列における各々の奇数番号のセンサー群はフィルターの1つを含み、また、各々の偶数番号列における各々の偶数番号のセンサー群はフィルターの1つを含み、この結果、フィルターを持つカラーセンサー群とフィルターを持たないカラーセンサー群との間に最適の空間周波数を得る。
代替的に、フィルターは図8Bに示されるパターンを提供でき、そこにおいて“RGB”と記された各々の四角はVCFセンサー群を示し、“X”とマークされた各々の四角はフィルターの1つを含むVCFセンサー群を示す。フィルターは図8Bパターンに提供されるとき、画像読み出しの両方のタイプがカラーセンサー群出力およびカラーフィルターのあらゆる組合せを含むということを保証する一方で、フィルターは、完全に測定されたカラー読み出しおよびモザイク・エミュレーション読み出しの両方を可能にする方式で分配される。代替的に、フィルターは多くの他のどんなパターンにおいてもVCFセンサー群アレイのセンサー群の間に分配することができる。そのうちの幾つかは出願10/103,304に記載される。
本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態は、少なくとも1つのフィルターの代わりに、または少なくとも1つのフィルターに加えて少なくとも1つのレンズを含む。たとえば、VCFセンサー群アレイのVCFセンサー群のすべてまたは幾つかの各々の上に、マイクロレンズを形成することができる。金属化(または別の構造)はVCFセンサー群の開口のサイズ(入射放射線が少なくとも1つのセンサーへ伝播する画像面における領域)を制限するとき、フォトレジストを開口部の上に体積でき、また、その後で、露光して、その結果、フォトレジスト材料は凸または凹形状部に溶けてこれによってマイクロレンズを形成する。レンズおよびレンズ形状を含む材料の特性に依存して、レンズはレンズ自身と同様にフィルターとして機能する。たとえば、図9は、図8のVCFセンサー群アレイのバリエーションの部分の断面図(垂直面における)である。図9のアレイは、p型半導体材料に形成されたn型半導体層51、46、および41を含む第1のVCFセンサー群を含み、センサー群の最上面への層41、46、および51の各々に接続する垂直方向のコンタクト、および(コンタクトに到達することからセンサー群の最上面に垂直に入射する)放射線を防止するコンタクト上に実装された光シールド54を含む。図9のアレイはまた、p型半導体材料に形成されたn型半導体層61、62、および63を含む第2のVCFセンサー群を含む。光シールド53および54は、感知される放射線に対して透明である層64に形成される。光シールド53および54は、第1のセンサー群の開口部を囲み、また光シールド53および別の光シールド(示されていない)は第2のセンサー群の開口部を囲む。凸状マイクロレンズ65は第1の群の開口部上の層64上に形成され、凸状マイクロレンズ66は第2の群の開口部上の層64上に形成される。
マイクロレンズは、交互パターン(たとえば、図8Aに示されるもの)におけるVCFセンサー群アレイのセンサー群の間に分配されるとき、放射線に異なる敏感さを持つセンサー群の小集団は独立して選択できる。これは、全体としてアレイの拡大したダイナミックレンジを提供する。
VCFセンサー群アレイの各々のセンサー群の開口部は、通常四角形または八角形であるが、代わりに別の形状(たとえば、長方形、円形、または不規則形状)を持つ。このようなアレイのすべてのまたは幾つかのセンサー群の開口の上に形成されたマイクロレンズは通常四角形であるが、他の形状を持つこともできる。
本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態は、複合レンズ(たとえば、凸状マイクロレンズおよび凹状マイクロレンズの組合せ)である、少なくとも1つのマイクロレンズを含む。
アレイの各々のセンサー上に1つのマイクロレンズとともに、CCDイメージセンサーアレイの最上部層としてマイクロレンズを形成することは周知である。たとえば、アレイの各々のセンサーの上に2つの垂直に分離したマイクロレンズ、および垂直に分離したマイクロレンズの各々のこのような組の間にカラーフィルターとともに、CCDイメージセンサーアレイの中間層としてマイクロレンズを含むこともまた周知である。本発明の実施形態において、この群の最上部センサーへ放射線を屈折させるために、(たとえば、図9において層51を含むセンサー)、マイクロレンズ(たとえば、図9のマイクロレンズ)はVCFセンサー群のセンサーに対して配置される。その結果、少なくとも幾つかの放射線は最上部センサーを通し最上部センサーの下に配置されたセンサーの各々に伝播し、この放射線は、それが底部センサーに達することができる前にこの群に吸収されもしないしこの群の要素によって反射されもしない、少なくとも1つの波長を含む。
半導体プロセスに(他の目的で)使われる材料は、本発明の通常の実施形態において、フィルター、レンズ、およびセンサーを装備するのに非常に望ましい。何故なら、プロセスを修正することなくVCFセンサー群にそれらを付加することができるからである。このような材料の例はポリシリコン、二酸化シリコン、および窒化シリコンである。ポリシリコンの層はフィルターとして使うことができる。このフィルターの吸収スペクトルは、その結晶特性や電導性や層の厚さやVCFセンサー群の他の要素に対する深度に依存する。表面(たとえば、シリコン表面)に形成した二酸化シリコンおよび窒化シリコンの層は、VCFセンサー群に干渉フィルターを形成することができる。
本発明を具体化するVCFセンサー群の「最小サイズの」キャリア収集要素という表現は、この群の各々のキャリア収集要素を示すために使われる。この群の最上部センサーの最上面によって定義される標準軸に垂直な面上で、この投影は、このような面上にこの群の各々の他のキャリア収集要素の投影された領域よりも大きくない領域を持つ。この(この群の)「最小収集領域」という表現は、この群の最上部センサーの最上面によって定義される標準軸に垂直な面上に、この群の最小サイズのキャリア収集要素の投影された領域を示すために使われる。
本発明のセンサー群に実施形態において、図10、10Aおよび10Bのセンサー群におけるように、この群の1つのセンサーのキャリア収集要素は、この群の各々の最小サイズのキャリア収集要素を持つよりも、実質的により大きな「サイズ」(この群の最上部センサーの最上面の標準軸に垂直な面に投影された領域)を持つ。この種類における好適な実施形態において、センサー群の1つのキャリア収集要素は、少なくともこの群の最小収集領域の2倍のサイズを持つ。このキャリア収集要素は通常、アレイの少なくとも1つの他のセンサー群によって、共有され、そのサイズは通常、それを共有するすべての群のサイズの合計に少なくとも実質的に等しい。
図10のアレイは、複数のセンサー群を含み、そのうちの6つが図10に示される。各々のセンサー群は、1つの緑色センサー(そのキャリア収集領域は、他のいずれのセンサー群とも共有されない)を含み、1つの青色センサー(1つの他のセンサー群と共有される)、および1つの赤色センサー(1つの他のセンサー群と共有される)を含む。各々の赤色センサーおよび各々の青色センサーのキャリア収集領域は、緑色の光子の収集領域よりも大きい。
図10または10Bのアレイのバリエイションにおいて、少なくとも1つのキャリア収集領域は、各々の他と横方向に分離するように最初に形成され、その後で単一の有効キャリア収集領域を形成するために一緒に共有された、2つ以上の部分を含む。たとえば、各々の青色センサーは、青色光子に関して2つの横方向に分離したキャリア収集領域を含むことができ、緑色光子に関して異なるキャリア収集領域の上に各々が形成され、青色光子に関して2つのキャリア収集領域が横方向に分離して、その間のアレイの最上面上に少なくとも1つのトランジスターを形成するためにスペースを提供する。各々の青色センサーのこの2つの横方向に分離したキャリア収集領域は、青色光子に関して単一のキャリア収集領域(この領域は、緑色光子に関してアレイのキャリア収集領域の各々より大きい全体サイズを持つ)を形成するために共に短絡される。
図10に再び関連して、各々の赤色センサー上に集められた電荷は、赤色センサーを共有する2つのセンサー群に入射する赤色光強度の平均の2倍を示す電気信号に変換される。各々の青色センサー上に集められた電荷は、青色センサーを共有する2つのセンサー群に入射する青色光強度の平均の2倍を示す電気信号に変換される。この結果、緑色光に関してアレイの解像度は、赤または青色光に関してのその解像度の2倍である。このタイプのアレイは、緑色(または、ルミネッセンスのような)チャネルにおいて高い空間解像度を維持しながら、青色および赤色チャネルにおけるノイズ比に対して信号を増加させる。画素位置の半分だけに緑色センサーを持つバイヤー(Bayer)パターンを使った従来の画像センサーアレイと対比して、この高いルミネッセンス解像度が達成される。何故なら、あらゆる画素位置はアクティブ緑色センサーを持つからである。当業者は、緑色チャネルにおいて高いサンプリング速度を通じて高ルミネッセンス解像度を維持することは、このようなアレイを用いて発生した補間された画像において、人工的なエイリアシングの存在を減少させる。より大きな青色および赤色キャリア収集領域はさらに、人工的なエイリアシングの存在を減少させる。
他の実施形態において、VCFセンサー群のアレイの青色センサーのキャリア収集領域は、アレイの赤色および緑色センサーのキャリア収集領域より小さい。
VCFセンサー群のアレイの幾つかの実施形態において、1つのセンサー群は、別のセンサー群を用いて共有される少なくとも1つのセンサー(または、センサーの要素)を含む。図10Aはこのようなアレイの断面図(垂直面における)である。図10Aにおいて、第1のセンサー群は、層102(n型半導体から作られる)および層102の上と下に直接にp型材料の領域100を順に含む第1のセンサーを含み、また、層101(n型半導体から作られる)および層101の上と下に直接にp型材料の領域100を順に含む第2のセンサーを含む。図10Aはまた、第3のセンサー(それは、n型半導体から作られる層103および層103の上と下に直接にp型材料の領域100を順に含む)および第2のセンサーを含む第2のセンサー群を示す。この結果、第2のセンサー(これは層101を含む)は2つのセンサー群によって共有され、分離した第1および第2のセンサーの各々は、アレイ内で同じ垂直レベルに配置される。
図10Aのアレイは、第1のセンサーの出力は第1の画素の青色成分を示し、第3のセンサーの出力は第2の画素の青色成分を示し、第2のセンサーの出力は第1の画素および第2の画素の両方の緑色成分を示す。図10Aのアレイは、それは青色光より緑色光に関してもっと良好な解像度を持つ別の方式(たとえば、第1、第2、および第3のセンサーを別々に使うことによって)で、また、青色光および緑色光に関してもっと良好な解像度を持つ別の方式(たとえば、第1および第3のセンサーの出力を平均化し、第2のセンサーの出力を用いてこの平均化された値を使うことによって)で、好適に動作可能である。図10Aのアレイは、2つだけの深度にあるセンサーを持つ簡単な実施形態である。本発明のアレイの他の実施形態のセンサー群は、3つ以上の深度にある垂直に配列したセンサーを持つ。
図10BのVCFセンサー群アレイにおいて、各々センサー群の赤色および青色センサーのキャリア収集要素は、この群の緑色センサーのキャリア収集要素よりも大きなサイズを持つ。図10Bのアレイは、複数のセンサー群、図10Bに示される4つを含む。各々のセンサー群は、キャリア収集領域(182、183、184、または185)は他のどんなセンサー群とも共有されない1つの緑色センサーを含み、キャリア収集領域(180)は3つの他のセンサー群の各々と共有される1つの青色センサーを含み、キャリア収集領域(181)は3つの他のセンサー群の各々と共有される1つの赤色センサーを含む。青色および赤色光子のキャリア収集領域は、緑色光子のキャリア収集領域より大きい。各々の赤色センサー上に集められた電荷(光子の吸収のために)は、赤色センサーを共有する4つのセンサー群に入射する赤色光強度の平均を示す電気信号(通常は電圧)に変換される。各々の青色センサー上に集められた電荷は、青色センサーを共有する4つのセンサー群に入射する青色光強度の平均を示す電気信号(通常は電圧)に変換される。通常、図10Bアレイ(および、このようなアレイ上のバリエーション)の赤色および青色センサーの電圧出力は、緑色センサーの電圧出力に対してスケールされる必要はない。センサーのキャリア収集領域の増大による各々のセンサー上に集められた電荷の増大は、このようなキャリア収集領域の増大によるセンサーの容量の増大に比例する。
各々のセンサー群の出力は画素を決定するように、VCFセンサー群のアレイを製造するときに、画素間のクロストークを避けるために、お互いからセンサー群を分離する必要がある。1つのセンサー群で発生した電子と正孔が別の方へドリフトすることができるなら、イメージャーの解像度が減少する。本発明の好適な実施形態において、このような分離は、物理的なデザインがそれらの内部で発生した電荷を含むセンサー群を作ることによって、達成される。
まさに、「第1の」および「第3の」センサーが、n-p基板接合によってお互いから分離されるように、たとえば、図10Aに再び関連して、図10Aのアレイにおいて、下方にある大きな「第2のセンサー」(層101を含む)は、n-p基板接合によって同じ垂直のレベルにある、その隣接部(部分的に示されているが、標識はない)と分離される。
幾つかの従来センサーアレイは、出力が異なる画素を決定するセンサー間のこのような分離を行わない。たとえば、従来センサーアレイの1つのタイプは、図11や、バーテック(Bartek)の「センサーおよびアクチュエーターA、41-42(1994),pp.123-128」において記載されているように、すべての画素に関して共通するエピタキシャル・シリコン(エピ)の層(31)に作られたフォトダイオードセンサー(たとえば、フォトダイオード30)を含む。この形態において、1つのセンサー内で発生した電荷は、隣のセンサーまたはかなり離れた所へドリフトできる。図11の構造はセンサー間に分離領域(たとえば、p型半導体領域)がないので、共通のエピ層(層31)は1つの画素の下から別の画素の下へキャリアを伝導することができるパス(通路)を提供する。
種々の方法を用いて、VCFセンサー群中のセンサーをお互いから分離するために使うことが可能であり、または、本発明を具体化するVCFセンサー群中のお互いからセンサー群(画素)を分離するために使うことが可能である。プロセスの集積化は、使用されるこの方法を決定する際に重要な因子である。使用できる1つの方法は接合分離であり、これはシリコン・バイアス印加プロセスでトランジスターを分離するために普通に使われる。この接合は、リークを防止するためにそこにかかる十分な電圧に耐えることができなければならない。適切な接合分離を提供するために、基板中またはエピ層に十分なドーピング量が存在しても良い。または、お互いから分離されるために隣接領域間にドーピング量を増加することが、接合分離を行うために必要とされても良い。このドーピング量の増加は、MOSプロセスにおいて隣接するトランジスターを分離するために用いられる「フィールドイオン注入」技術を使って生産することが可能である。
本発明のVCFセンサー群およびVCFセンサー群のアレイの他の実施形態は、半導体領域間に絶縁材料を配置する絶縁分離を用いる。これは、センサー群の下に酸化物層を持つ半導体材料のブロックに各々のセンサー群を作ることによって行うことができる。このような構造を作る種々の方法がある。たとえば、サファイア上にシリコンを成長させたり、シリコンウエハの上部層を通して酸素の層をイオン注入したり、酸化物層を形成するためにシリコンと酸素を反応させたり、またウエハからプロセスされたシリコンの層を取り除きそれを絶縁基板に移動させたりすることである。
絶縁分離はVCFセンサー群のアレイ中でお互いから半導体センサー群を分離するために使うことができる。センサー群は、お互いから横方向に配置され、半導体材料体積中に形成されるときに、絶縁層の最上部でこの群を形成し、半導体材料体積中にトレンチをエッチングし、またトレンチ中に絶縁体を成長させるか積層するかすることによって、このような分離を行うことができる。さらに一般的に、少なくとも1つの絶縁体およびドープされバイアスされた(動作中に)半導体材料で満たされたおよび/または裏打ち(被覆)されたトレンチは、フィールド分離を提供するために、(たとえば、リークを防止するためにお互いから分離される近接構造間のバルクの半導体材料よりもっと多くドープされた半導体材料で裏打ちされ、その後酸化物または他の絶縁材料で満たされたトレンチ)本発明の幾つかの実施形態においてお互いから本発明のVCFセンサー群を分離するために使われる。このようなトレンチの使用(従来のCMOS構造を分離するために)は、CMOS技術において、「トレンチ分離」と呼ばれる。トレンチ分離は、本発明の通常の実施形態においてお互いからVCFセンサー群を分離するために適用することができる。何故なら、たとえば、シリコンバイアスされたVCFセンサー群の通常のアレイに作られたトレンチのような、トレンチは、数ミクロンメーターの深さで、VCFセンサー群を分離するのに十分深くエッチングすることが可能であるからである。
絶縁分離(トレンチ分離によって行われる)と接合分離の組合せの例は、図12に示される。図12において、第1のVCFセンサー群は、p型半導体材料150(これはシリコンであることも可能である)中に形成された、垂直方向に分離したn型半導体層151、152、および153(たとえば、シリコン)を含む。コンタクト154はバイアス回路にp型材料を結合するために提供される。
垂直方向のプラグコンタクトは、層151および152の各々をセンサー群の最上面に接続する。この結果、各々の層はバイアスおよび読み出し回路に結合することができる。プラグコンタクトは、上述の引用したUS出願09/884,863に記載されたように形成することができる。第2のVCFセンサー群は、p型半導体材料150中に形成される垂直に分離したn型半導体層161および162を含む。第1のセンサー群のセンサーはn-p基板接合によってお互いから分離される。第1および第2のセンサー群の間の横の分離は、トレンチ分離によって、それらの間に形成された、すなわち絶縁材料158(たとえば、これは二酸化シリコンまたは窒化シリコンであり得る)で裏打ちされたトレンチ157によって、達成される。トレンチ155(酸化物156で裏打ちされた)は、第1のセンサー群を第1のセンサー群に隣接する第3のセンサー群(図12には示されていない)から分離する。各々のVCFセンサー群の底部センサーの下の絶縁層148(これは、二酸化シリコンまたは窒化シリコンであり得る)はまた、お互いからセンサー群を分離するために機能する。
VCFセンサー群の間のトレンチ分離用の本発明に従って使われるトレンチは、低アスペクト比を持つ浅いトレンチ(たとえば、幾つかのCMOS集積回路に従来から使われるタイプの1/4ミクロンの深さを持つトレンチ)であることもできる。しかし、通常、VCFセンサー群の間のトレンチ分離のための本発明に従って使われるトレンチは、高アスペクト比を持つ深いトレンチ(たとえば、幾つかのDRAM集積回路に従来から使われるタイプのトレンチ)である。
図20〜25に関して、我々は次に、本発明のVCFセンサー群の好適な実施形態に使われる埋め込み層分離を提供するための改良技術を述べる。本発明のVCFセンサー群のこのような実施形態の各々の動作中に、2つの「キャリア収集」センサー領域(反対の半導体タイプの)の各々の間に、第1のタイプ(p型またはn型のどちらか)の半導体材料の「非収集」体積(部分)が存在する。キャリア(電子または正孔)はセンサー群の非収集体積で光励起することができる。キャリア収集領域で光励起したか、または、他の所で光励起した後でキャリア収集領域へ移動したキャリアは、読み出し回路によって集めることができる。幾つかの場合には、センサー群の非収集体積で光励起したキャリアは、隣接センサー群のキャリア収集センサー領域へ移動することができる。通常、光励起したキャリアは少なくとも2つのキャリア収集センサー領域(あるセンサー群または異なるセンサー群における)のいずれかへ非収集体積から移動することが可能である。バリア(障壁)(たとえば、以下に記載される図20のバリア205)は、望ましくない方向におけるこのような移動を防ぐために本発明によって形成することが可能である。
図20に示されるように、センサー群は、上部キャリア収集センサー領域、(n型半導体材料を含むフォトダイオード・カソード200を含む)低部キャリア収集センサー領域(n型半導体材料を含むフォトダイオード・カソード202を含む)、センサー領域200および202の間の非収集フォトダイオード・アノード層201および203(接地されたp型半導体材料を含む)、およびセンサー領域202の下の非収集フォトダイオード・アノード層204(接地されたp型半導体材料を含む)を含むことができる。
センサー群の垂直に分離したセンサーの各々の組の間に分離を提供するために、第1のタイプのさらに重くドープした半導体材料のブランケット・バリア層は、各々の非収集部分の上部および低部の間に(および、この結果センサー間に)、積層される。ここで、我々は、どんな特定の方法(たとえば、分離構造の物理的な結合、またはイオン注入プロセス)もブランケット・バリア層を形成するために使われるということを暗示しないという広い意味で、用語「積層」を使う。たとえば、図20に示すように、センサー群は、p型材料の層201および203の間に(およびこの結果、カソード200および202を含むキャリア収集センサー領域の間に)、ブランケット・バリア層205(p型半導体材料を含む)を含む。上部のキャリア収集センサー領域(カソード200を含む)は、「青色」センサーであることもできるし、下部のキャリア収集センサー領域(カソード202を含む)は、「緑色」センサーであることもできるし、およびこの群はまた層204の下に「赤色」センサー(示されていない)、および層204と赤色センサーの間にp型材料の第2のブランケット・バリア層を含むこともできる。
図21は、図20のセンサー群の深さの関数としてドーパント濃度を示すグラフであり、そこにはカソード層200および202およびバリア205の位置を示す。図20のセンサー群の動作中に、バリア205の存在は、光励起した電子をカソード層200および202の最近接層へ導く勾配を持つ電子ポテンシャルを生じ、その結果、光励起した電子は好ましくない方向へは(たとえば、カソード層200に近い点からカソード202まで、または近接のセンサー群のカソードまで)ドリフトしない。その位置のために、バリア205はまた、以下に記載された図22のセンサー群の容量の下の図20のセンサーの容量を減らす。
垂直に積層したキャリア収集センサー領域の間に(図20におけるように)本発明に従ったブランケット・バリア層の位置は、図22に示されるように、上で引用したUS出願09/884,863に記載された、各々のキャリア収集センサー領域と同じ垂直レベルに(またはわずかに下に)おいて、ブランケットバリアの位置と対比する。出願09/884,863は以下を教示する。各々のブランケットバリア(たとえば、図22に示されるp型半導体材料の層206および207の各々)は、(VCFセンサーのアレイが形成されることになっている)全体のウエハにイオン注入され、キャリア収集センサー領域(たとえば、図22に示されるn型半導体材料のカソード200および202を含む領域)は、それから、アレイの異なるセンサー群用のセンサーを作るために各々のブランケットバリアの選択された領域上にイオン注入することによって形成される。先行技術(出願09/884,863に開示された)および本発明によって作られた各々のブランケットバリアは、同じセンサー群のキャリア収集センサー領域(最近接のキャリア収集センサー領域)へ垂直方向に、また別のセンサー群の非収集部分へ水平方向に、それから他のセンサー群のキャリア収集センサー領域へ垂直方向に、非収集部分に発生するキャリアがリークすることを防ぐことを目的としている。「非収集部分」の例は、カソード200および202の間の中ほどに図22のアノード層201(p型半導体材料を含む)の部分、バリア205へ非常に近いがカソード200から比較的に遠い図20のアノード層201の部分、およびバリア205へ非常に近いがカソード202から比較的に遠い図20のアノード層203の部分である。
図23は、図22のセンサー群の深度の関数としてドーパント濃度のグラフであり、これは、カソード層200と202、およびバリア206と207の位置を示す。図22センサー群の動作中に、バリア206と207の存在は、層201において光励起した電子を望ましくない方向(たとえば、カソード層200に近い点から、カソード202へ、または近接センサー群のカソードへ全体的に)にドリフトさせる勾配を持つ電位を生じる。それらの位置によって、バリア206および207はまた、上述の図20のセンサーの容量の上の図22のセンサーの容量を増加させる。ブランケットキャリアを配置し形成する本発明の技術は、幾つかの利点を持つ。それは、フォトダイオード容量を減少させ(この結果、各々のフォトダイオードの出力電圧を増加させ、露出中に各々のフォトダイオードをリセットするために必要な時間を減少させる)、センサー群の誤ったキャリア収集領域へまたは近接センサー群へ光励起したキャリアのリークを(先行技術によって達成可能なレベルを超えて)減少させる。動作中に、垂直に分離したキャリア収集領域(あるセンサー群において)の間に本発明によって作られた電位勾配は、先行技術を使って作られた電位勾配よりも、この群の誤ったキャリア収集領域へ(または近接センサー群へ)の光励起キャリアのリークをより良好に防止する高電位バリアを提供する。
図20に関して議論したタイプのブランケットバリア層に加えて、本発明の幾つかの実施形態は、キャリア収集センサー領域の間に形成された付加的なp型バリア領域を含む。たとえば、図24に示されるように、付加的なバリア領域207(p型半導体材料を含む)は、近接センサー群の同じ深度に(たとえば、カソード200の左および右に対するカソード)ある、カソード200およびカソード群(示されていない)の間のp型半導体材料内に形成することができる。図24はまた、近接センサー群内の同じ深度にあるカソード200およびカソード群(示されていない)の間のp型半導体材料内に形成される(たとえば、カソード200の左および右に対するカソード)、付加的なバリア領域208(p型半導体材料を含む)を示す。横に配置した付加的なバリア領域207および208は、近接センサー群のキャリア収集センサー領域の間の電位勾配を変化させる。第1のカソード(たとえば、カソード200)に近い位置で発生した光励起キャリア(示された実施形態においては電子)は、第1のカソードより遠くに離れて配置したカソードへ(たとえば、図24には示されていないが、カソード200の右側に配置した別のセンサー群のカソードへ)ドリフトする。
付加的なバリア207(および208)は好適には、図25A〜25Dに関連して記載されたプロセスのような、自己整合的補助的イオン注入プロセスを使って形成される。代替的に、それらは、別々にマスクすることができる。図25Aに示されるように、SiO2膜209は、層201上に形成される。Si3N4マスクがSiO2膜上に積層され、このマスクはカソード200が形成されることになっている領域からエッチングされ、さらに、その後、イオン注入方法により膜209の露出した部分の下のn型カソード200を作る。図25Cに示すように、この後Si3N4マスクは取り除いて、別のイオン注入はp型バリア207を作るために行われる。最終的に、図25Dに示すように、全体構造の露出したSiO2表面の上にさらにSiO2を成長させ、露出したSiO2表面の部分の間の段差を最小化する。
VCFセンサー群の製造中に、他の半導体材料の最上面に半導体材料または絶縁材料を積層するために種々の方法を使うことができる。1つの方法として、あるウエハから別のウエハへ材料を物理的に移動させ、その材料を最終ウエハに結合することである。これは基板上にセンサー材料のアイランド(島)を残す。これらは絶縁性保護膜によって絶縁することができ、これはさらに別の絶縁性分離である。バルクウエハのリークおよび歩留まり特性と同程度に良好なリークおよび歩留まり特性を有して結合したウエハを作製することができ、特にこの作製プロセスは結合ウエハ内に熱的にSi/SiO2界面を作る。
図14A〜14Lに関して、我々は、上述の製造技術の幾つかが好適な方法で図8のVCFセンサー群の1つを製造するためにどのように使われるかを次に説明する。好適な製造方法により、カラーフィルター43および48をVCFセンサー群のアレイ内に安価に含むことができる。図14A〜14L(およびそれらのバリエーション)に関して記載された製造技術は、幾つかの種類の半導体集積回路(たとえば、トランジスターを含む回路)を製造することと同様に、本発明のVCFセンサー群の他の実施形態およびそれらのアレイを製造するために使うことができる。
図14Aは、プロセス・シーケンスの第1の工程を行った結果を示す。これは、p型基板40にn型層41をイオン注入し、その後熱酸化膜成長プロセスによって基板40上にSiO2層を成長する工程である。代替的に、層42(および層44、47、および49)は、別の絶縁材料、たとえばシリコン窒化膜(SiN)から作ることができる。
図14Bは、プロセス・シーケンスの次の工程を行った結果を示す。これは、層42上に「赤色透過/シアン反射」フィルター43を堆積する工程である。フィルター43は、代替として層SiNおよびSiO2から作られる干渉フィルターであることも可能である。代替的に、フィルター43は、異なる屈折率(SiNおよびSiO2の層以外の)を持つ材料、好適には、従来のCVD装置を使って行うことができる積層プロセスによる材料の層を含む干渉フィルターであることも可能である。フィルター43は代替的に、緑色および青色放射線を吸収するが余り反射しない「赤色透過/シアン反射」フィルターである。
図14Cはこのプロセスシーケンスの次の工程を示す。これは、第2のウエハを図14Bのウエハと接触させる工程である。特に、第2のウエハは基板45(p型シリコンの)およびSiO2層44(基板45上に成長した)を含む。この後、図14Dに示すように、第2のウエハの層44は第1のウエハのフィルター43に結合し、フィルター43はSiO2層42および44の間にサンドイッチされる。さらに一般に、2枚のウエハ(本発明のVCFセンサー群の幾つかの層はその上に形成される)の結合は、本発明の製造中に使うことができる。種々の周知の結合技術のいずれも、本発明の通常の実施形態を製造するために使うことができる。たとえば、量子エレクトロニクスの選択トピックスに関するIEEEジャーナル第8巻、2002年1月/2月第1号におけるパスクアリエロ(Pasquariello)らの「プラズマ・アシストによるInP・Siの低温ウエハ結合」に記載されている。
図14Eは、プロセス・シーケンスの次の工程を行った結果を示す。これは、厚さの減少が必要な場合は、p型基板45の厚さを所望の厚さまで減少させる工程である。これは、基板45の露出表面を約0.5μmの厚さまでポリッシュ(研磨)したり、切断したり、または他の幾つかの手段によって、行われる。
図14Fおよび14Gは、プロセス・シーケンスの次の工程を行った結果を示す。これは、n型層46を基板45にイオン注入し、その後、熱酸化成長プロセスにより基板45の露出した(最上の)表面上にSiO2層47を成長し(図14Fに示される)、さらにその後、図14Gに示されるように、フィルター層48(これは、SiN材料から構成することができるが、必須ではない)をSiO2層47上に積層する工程である。図14Hは、プロセス・シーケンスの次の工程を示す。これは、第3のウエハを図14Gの結合し処理されたウエハと接触させる工程である。この後、図14Iに示すように、第3のウエハの層49は層48の露出した(最上の)表面に結合(好適には熱的結合工程によって)し、層48はSiO2層47および49の間にサンドイッチされる。
(図14に示されるように)層47、48、および49は共に、「黄色光透過/青色光反射」フィルターとして機能する干渉フィルターを含む。代替的に、(図14Hに示されるタイプの)第3のウエハを結合する前に、3つ以上の交互層SiNおよびSiO2を含む干渉フィルターは、図14Gの構造の上にSiNおよびSiO2の付加層を積層することによって形成することができる。他の代替の実施形態において、(図14Hに示されるタイプだが、図14HのSiO2層49の代わりにできればSiO2以外の材料層を持つ)第3のウエハがそのスタックの最上面に結合される前に、異なる屈折率を持つ材料層の積層(スタック)(SiNおよびSiO2の層から構成されないスタック)を含む干渉フィルターを図14Eの構造の上に形成することができる。フィルター47、48および49は代替的に、青色光を吸収するが青色光を余り反射しない「黄色光透過/青色光吸収」フィルターである。第3のウエハは、図14Hに示されるように、(p型シリコンの)基板50および(基板50上に成長した)SiO2層49を含む。パスクエリエロ(Pasquariello)らによる上で引用された論文において記載された少なくとも幾つかの結合技術を含む、図14Iに関して記載される結合工程を達成するために、種々の既知の結合技術のいずれも使うことができる。
図14Jは一連の本プロセスの次の工程(厚みを減らす必要がある場合は、所望の厚みまでp型基板50の厚みを減らす工程)を行った結果を示す。これは、基板50の露出した裏面を約50μmまで研磨することによって、または切断(cleaving)によって、または他の手段によって行われる。
図14Kは一連の本プロセスの次の工程(基板50にn型層51をイオン注入により形成する工程)を行った結果を示す。この後、図14Lに示されるように、最終のCMOSプロセスが実行される。これらの最終工程は、保護膜形成、コンタクト形成(またはコンタクト形成プロセスの完成)および適切な位置に光シールド54の実装を含むこともできる。
図14Lに示される最終構造を使用するために、この構造の露出した(最上)表面へ層41、46、および51の各々から伸びるコンタクトを形成する必要がある。このコンタクトは、ここで記載されるいずれの方法においても好適に形成される。出願09/884,863に記載されているように、図15−15Hを参照して、我々はこのようなコンタクトを形成するためのある好適な技術を次に述べる。
図15A−15Hを参照して記載される技術は、高性能アナログバイポーラー(またはDRAM)プロセスに標準的に使われるタイプのトレンチエッチャーを好適に用いて、低リーク電流のトレンチコンタクトを形成する。
図15Aは一連のプロセスの第1の工程(絶縁層49まで図14Lの構造のシリコン層50および51を通してトレンチをエッチングする工程)を行った結果を示す。
次に、図15Bに示されるように、適切なエッチングプロセス(たとえば、層47、48、および49がSiNまたはSiO2から成るとき酸化膜エッチングプロセス)はシリコン層45までトレンチを伸ばす。次に、図15Cに示されるように、シリコンエッチングプロセスは絶縁層44までトレンチを伸ばす。次に、図15Dに示されるように、適切なエッチングプロセス(たとえば、層44、43、および42がSiNまたはSiO2から成るとき酸化膜エッチングプロセス)はシリコン層40までトレンチを伸ばす。
次に、図15Eに示されるように、シリコンの時間エッチングプロセスはn型シリコンカソード層41(赤色センサーのカソード)へトレンチを伸ばす。
次に、図15Fに示されるように、トレンチは、好適にはトレンチのすべての露出面にSiO2保護膜層301を成長することによって、絶縁層で被われる。次に、図15Gに示されるように、トレンチの底だけから絶縁膜を除去し、カソード層41のn型シリコン材料を露出するために、異方性エッチングがカソード層41行われる。
最終的に、図15Hに示されるように、トレンチはn型ポリシリコン材料で満たされ、層41へのトレンチコンタクトを完成する。トレンチコンタクトの最上部は、バイアスおよび読み出し回路へ(たとえば、図2Aのソースフォロワ増幅トランジスターのゲートへ)直接に連結することができる。
本発明のVCFセンサー群が形成される固体材料の1区画において、トレンチを形成し、埋め込みセンサーのカソードおよびアノードへコンタクトを形成するために半導体材料でトレンチを満たすことができる。たとえば、トレンチの周りに半導体材料をドープすることが可能で、それから保護膜層をトレンチのドープ層上に成長でき、その後でトレンチの底を開けることが可能で、その後開口したトレンチはn型半導体(たとえば、n+ポリシリコン)で満たすことができ、この結果それは埋め込みn型カソードへのn型コンタクトとして機能する。代替的に、このようなトレンチは絶縁性材料で被われるか、および/または満たされ、VCFセンサー群をお互いから分離する。トレンチコンタクト(または絶縁性構造)は、出願番号09/884,863に記載されているように、拡散により形成されるプラグコンタクトよりもはるかに狭く形成することが可能である。0.5μmの断面積および2〜3μmの深さを持つトレンチは、通常のVCFセンサー群の深いセンサーへのトレンチコンタクトを形成する既存技術を使って、容易に形成できる。このような断面積は、既存技術を使って安価に形成できる拡散プラグコンタクト(同じ深さを持つ)の最小断面積よりはるかに小さい。トレンチコンタクト(またはトレンチ分離構造)の使用は、入射光がVCFセンサー群のセンサーによって検出することができる画像面の領域を増加することが可能であるという意味において、水平的に分離したVCFセンサー群のアレイのフィルファクターを改良できる(および放射光シールドによってブロックされているか、または入射光を検出可能な電子または正孔へ変換しない構造によって占有されている画像面の面積を減少させることができる)。
好適な実施形態において、既存技術を使って安価に形成できるよりも拡散プラグコンタクト(同じ深さを持つ)の最小断面積よりもはるかに小さな断面積を持つ拡散プラグコンタクトを形成する多段イオン注入プロセスによって、少なくとも1つのプラグコンタクトがVCFセンサー群に形成される。図17に示されるように、(「緑色」センサーのn型カソードの下の約2μmで完成したセンサー群の最上面の下の約2.6μmの深さの所にある)「赤色」センサーのn型カソードへのn型プラグコンタクトは、このコンタクトの底部を形成するために、(完成したセンサー群の最上面から約1.3μmの深さの所にある)p型シリコンの露出面へ(1200KeVのエネルギーで)リンをイオン注入する先行技術によって形成することができる。その後露出面の上に付加構造(p型シリコンエピ層を含む)を形成し、その後でコンタクトの最上部を形成するためにp型シリコンの新しい露出面へ(500KeVのエネルギーで)リンをイオン注入する。しかし図17にも示されるように、これは望ましくないほどに大きな直径をもつコンタクト(使用されるn型ドーピング量やプロセスの熱処理サイクルの数に依存する2.2μm以上ほどの直径)を生じる。さらに、厚い(たとえば3μm)フォトレジスト層をセンサー群の上に置く必要があるために(センサー群の望まない領域へ高エネルギー(たとえば1200KeV)のリンのイオン注入が到達しないようにするために)、形成可能なセンサー群の形状のサイズを最小にしなければならなくなる。
図17のコンタクトを作るために使われる技術と対比して、我々は(図18および18Aを参照して)次に本発明に従って行われる多段イオン注入プロセスの実施形態を述べる。図18および18Aの本発明の多段イオン注入プロセスは、ターゲット(たとえば、図18の赤色センサーのカソード310、n型シリコンからなる)が、(たとえば、p型基板にエネルギー60KeVでヒ素をイオン注入することによって)形成され、センサー群において約2μmの深さのところにあるターッゲットまで伸びる約0.5μmの直径を持つコンタクト作ることができる。このプロセスは4つの工程を含む。
第1の工程は、コンタクトが伸びるターゲット上に第1のエピタキシャル層(エピ層)を形成することである。(たとえば、図17に示されるように、p型シリコンの層311はフォトダイオードのカソード310上に形成される)。
その後で、プラグの底の部分(たとえば、図18のプラグ部分312および313)は、第1のエピ層(311)中にイオン注入によって形成される。そうするために、層311は約1μmの厚みを持ち、その結果プラグの底部は層311を通してほんの短い距離(1μm)だけ伸びる必要がある通常の場合において、薄い窒化膜マスク314が層311上に形成され、それから小さなマスク開口部318(約0.5μmの直径を持つ)がマスク314に作られ、その後で、ヒ素が開口部318を通してイオン注入される。このようなマスクやこのような第1のエピ層の厚みを用いて、プラグの底部の第1の部分312(層310から層310の上約0.7μmまで伸びる)は、層311へエネルギー1200KeVでヒ素をイオン注入することによって形成することができる。その後、プラグの底部の第2の部分313(部分312から層311の最上面まで約0.3μm伸びる)は、層311へエネルギー500KeVでヒ素をイオン注入することによって部分312上に形成することができる。
本発明に従ってリンよりも低い拡散係数を持つ元素(たとえば、ヒ素)をイオン注入する利点は、図19の調査結果から明らかなように、かなり薄いマスクを使用できることである。図19は、5つの示されたマスク材料の各々に関して、ホウ素、リン、ヒ素、およびアンチモンの通常のイオン注入時に必要なマスクの厚みのグラフである。たとえば、図19は約0.07μmの厚みを持つSi3N4のマスクはヒ素のイオン注入(100KeVで)時に使うことができ、一方0.15μmの厚みを持つSi3N4のマスクは同じエネルギーでリンのイオン注入時に使われる。
第3の工程はマスク314を第1のエピ層311から除去し、その後、第1のエピ層311上の第2のエピ層(図18Aのエピ層で、p型シリコンからなる)を形成する工程である。
プラグの最上部分(たとえば、図18Aのプラグ部分316および317)は、その後第2のエピ層(315)におけるイオン注入によって形成される。そうするために、層315は約1μmの厚みを持ち、その結果プラグの最上部分は層315を通して短い距離(1μm)だけ拡張する必要がある通常の場合において、薄い窒化膜マスク319を層315上に形成することができ、小さなマスク開口部320(約0.5μmの直径を持つ)がマスク319に作られ、その後ヒ素が開口部320を通してイオン注入される。このようなマスクおよびこのようなエピ層の厚みを有して、プラグの底部の第1の部分316(層311上に約0.7μmまで層311から拡張する)は、層315へ1200KeVのエネルギーでヒ素をイオン注入することによって形成でき、その後、プラグの底部の第1の部分317(層315の最上面まで部分316から約0.3μm拡張する)は、層315へ500KeVのエネルギーでヒ素をイオン注入することによって部分316上に形成できる。
さらに一般に、本発明の実施形態のリンの拡散係数より低い拡散係数を持つ元素(好適には、従来使われるリン(“P”)よりむしろヒ素(“As”))を使い、拡散したプラグ形成に必要なイオン注入工程を行う。このような元素(低い拡散係数を持つ)はリンより水平方向の拡散は小さい。この結果、より狭いプラグを形成することができ、センサー群はフィルファクターを改良することができる。ヒ素はリンよりはるかに低い拡散係数(縦(垂直)方向にも横方向にも)を持つけれど、本発明の多段イオン注入プロセス(その通常の例は図18、18A、および19を参照して記載されている)においては、拡散プラグを形成するために(リンよりむしろ)ヒ素をイオン注入することが実際的である。これは、拡散プラグの形成の従来方法におけるように(たとえば、センサー群の最上部から、コンタクトが拡張している埋め込みターゲットまでどこでも)長い距離を通してではなく、ヒ素は多段イオン注入プロセスにおいて各々のエピ層を通して垂直方向に比較的短い距離を拡散するからである。
(図18、18A、および19を参照して)上述した多段イオン注入プロセスに関するバリエーションとして、ヒ素以外の低い拡散係数の元素および/またはターゲット上に3つ以上のエピ層を用いる。コンタクトの拡散部分は各々のエピ層中に形成される。
ウエハ上にVCFセンサー群を作製するとき、(各々のVCFセンサー群の1つ以上のセンサーを結合に用いるための)少なくとも1つのトランジスターをウエハの「底」面(感知される光が入射する群の「最上」面と反対の面)に形成できる。ウエハの底面上にこのようなトランジスタの形成(その群の最上面よりむしろ)は、水平方向に分離したVCFセンサー群のアレイのフィルファクターを改良する。本発明のVCFセンサー群およびVCFセンサー群のアレイの多くの異なる実施形態において、ウエハの底面上にもトランジスターを形成することができる。
ウエハの底面上にトランジスタを有するウエハにVCFセンサー群を形成する方法の例は、図16A−16Hを参照して記載される。図16A−16Hは要素40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、および51(図16Aに示される)を含む構造は前もって形成されるということを仮定する。この構造は図14Kに示されるものと同一であり、「主要」構造と呼ばれる。主要構造の記述およびそれを作製する方法は繰り返さない。
図16Aに示されるように、p型半導体基板材料91および基板91上の絶縁層90を含む「処理」ウエハは、この後、処理ウエハの絶縁層90に面する主要構造の層50を有する主要構造と合わせられる。
この後、図16Bに示されるように、処理ウエハの層90は層50の露出した(最上)面に結合し(好適には熱的結合工程によって)、層90はp型半導体層50およびp型半導体基板91の間でサンドイッチされる。
基板40の露出した底面は、この後研磨され、(図16Cに示されるように)その厚みが減少する。この結果底部からアクセス可能な(赤色センサーカソード層41、緑色センサーカソード層46、および青色センサーカソード層51を含む)センサーを作成できる。この結果生じた構造はこの後反転でき、この結果研磨された要素40の露出した「底」面は図16Cの最上面となる。図16Dに示されるように、トレンチコンタクト(96)がこの後、要素40の露出した「底」面(図16Dの最上部にある)から青色センサーカソード層51まで伸びるように形成される。これは図15A−15Hを参照して記載される方法で行うことができる。支援回路92がこの後、好適には半導体集積回路の作製プロセスによって、要素40の露出した「底」面上に形成される。支援回路92は、(図16Dの最上部において)トレンチコンタクト96の底に連結した少なくとも1つのトランジスタを含む。別のトレンチコンタクト(示されていない)が要素40の露出した底面から緑色センサーカソード層46まで形成され、また第3のトレンチコンタクト(示されていない)が要素40の露出した底面から赤色センサーカソード層41まで形成される。支援回路92の少なくとも1つのトランジスターが、トレンチコンタクトを経由して、層41、46、および51へ連結する。
図16Eに示されるように、p型半導体基板材料94および基板94上の絶縁層93を含む第2の「処理」ウエハが、絶縁層93に面した要素92のp型半導体基板の露出した(底)面を用いて図16Dの構造と合わされる。
この後、図16Fに示されるように、第2の処理ウエハの層93は要素92の露出した面に結合し(好適には低温接合工程によって)、層93は要素92のp型半導体基板およびp型半導体基板94の間に挟まれる。
この後基板91は除去され(たとえば、研磨される)、また図16Fの構造は反転される(この結果、基板94の露出した底面はフェイスダウンされ、層90の露出した最上面は図16Gに示されるようにフェイスアップされる)。
支援回路92はそれから、バイアスおよび読み出し回路に連結される。たとえば、図16Hに示されるように、支援回路92は、シェルケース構造95によってバイアスおよび読み出し回路に連結され、この装置は支援回路92および回路96の各々のトランジスタの間で接続する。工業的に使用される方法(たとえば、シェルケース社によって開発された方法)をシェルケース構造95を作るために使うことができる。バイアスおよび読み出し回路96は図2Aを参照して記載された種類のものである。
分離を作る別の方法(たとえば、隣接するVCFセンサー群の間の)は、分離構造として遮断MOSトランジスターを使うことである。分離されるセンサー群の最上層を囲むゲートを持つ厚い酸化膜トランジスタ(ゲートは閾値の充分下の電圧で保持された)または別の種類のMOSトランジスタを用いて行うことができる。それゆえ、隣接するVCFセンサー群をお互いから分離するために、図20−24を参照して上述した種類の分離方法と組み合わせて適用することもできる。
前の段落で述べた分離方法の例は、環状(ring)分離であり、これは、そのゲートが分離されるセンサー群の最上層を囲む厚いかまたは薄い酸化膜MOSトランジスタを形成することによって実現できる。動作中に、そのゲートはトランジスタを遮断するようにバイアスされる。
幾つかの利用可能な方法のどれもVCFセンサー群を作るために使うことができる。また各々のケースの最良の方法はセンサー群用の材料や条件に依存する。
シリコンの構造は、上で参照したUS特許09/884863に例として記載されているように、エピ成長およびイオン注入を使って構成することができる。イオン注入はシリコン表面の下に接合構造を形成する方法を提供する。高エネルギー(>400KeV)イオン注入を使って、深い構造が可能である。VCFセンサー群は通常、高エネルギーイオン注入を使っても作ることができるものよりも厚いシリコン構造を必要とするので、イオン注入と組み合わせたエピ成長は通常、フォトン(光子)をシリコン中の深い電子/正孔対へ変換することによって、(本発明に従って)光子を捕獲するために必要な深い構造を作るために用いられる。
本発明の幾つかの実施形態において深い構造を作るために用いられる他の方法は、シリコンの結合である。この方法は、分子レベルで、半導体または絶縁材料の層を他のものに結合することである。たとえば、シリコンウエハ中に構造を作り、それからその最上部にシリコンの薄い層を結合することが可能である。異種の半導体を結合することも可能である。たとえば、適切な材料を用いて、III−V族半導体をシリコンに結合することが可能である。2つの材料の膨張係数の相違のために、シリコンの部分上のIII−V族材料のアイランド(島)は大きくはできない。しかし、本発明のVCFセンサー群の典型的な実施形態を形成するには十分大きなIII−V族材料(たとえば、図7を参照して上で議論したInxGa1−xN材料)のアイランドをシリコンに結合することが可能である。そうすることの重要な利点は、シリコン(たとえば、シリコンは緑色光に対して顕著な吸収係数を持ち、赤色光に対してよりも緑色光に対して大きな吸収係数を持つが、III−V族材料はすべてのまたは実質的にすべての緑色および赤色入射光を伝送する)よりも異なる波長バンドにおいて光を吸収するために選択することが可能である。この結果、センサー群を作製することが可能であり、III−V族材料を下地とするシリコンから形成される各々のセンサーよりもIII−V族材料から形成される各々のセンサーは異なる波長バンドにおいて光を吸収する。
垂直構造へフィルター(たとえば、VCFカラーフィルター)を付加するために、半導体材料部分にトレンチ(または他の空洞)を形成し、その後液体または他の流動体(たとえば、スラリー)であるフィルター材料でその空間を満たすことが可能である。これを達成する1つの方法は、半導体材料部分に空洞を形成するために横方向のシリコンの過成長を使い、それから(横方向のシリコンの過成長工程中に存在する)酸化膜をエッチング除去することである。フッ酸のようなエッチング液をこのエッチング工程に使用できる。空洞がシリコン下に形成されたとき、この空洞を液体光学フィルター材料で(または、液体以外の流動体である光学フィルター材料で)満たすことができる。このフィルター材料は、VCFセンサー群構造を形成するために(たとえば、熱処理またはUV処理によって)、凝固される。代替的に、酸素をイオン注入しウエハとイオン注入した酸素の反応からSiO2(二酸化シリコン膜)を形成する反応段階によって、酸化膜領域を形成できる。
前の段落で記載したプロセスは次に図13a〜13fを参照してさらに詳細に記載される。図13aはp型半導体171(これはシリコンであることも可能)の表面に形成されたSiO2領域170、およびSiO2領域170の下にp−n接合を形成するイオン注入したn型半導体領域172を示す。イオン注入した領域172はVCFセンサー群のセンサーの1つになる。図13bはまた、領域172の右端から上方へ伸びる(n型半導体材料の)第1のプラグイオン注入を示す。
図13bは、図13aの半導体171(これはシリコンであることも可能)として同じ種類の追加のp型半導体材料171を用いて、横方向のエピ成長がSiO2領域170を被った後の同じ断面を示す。横方向のエピ成長は絶縁分離した単結晶シリコンを作るために半導体工業において使われてきた。図13cに示されるように、その後(n型半導体材料の)近接表面イオン注入がSiO2領域170の上に形成され、(n型半導体材料の)第2のプラグイオン注入が、第1のプラグイオン注入から半導体171の最上面まで上方へ伸びるように形成される。この2つのプラグイオン注入は共に、バイアスおよび読み出し回路へ層172を連結するためのプラグコンタクトを形成する。
図13dに示されるように、次の工程は下地のSiO2領域170を露出するトレンチを形成するために材料171を十分エッチング除去することである。その後、領域170から酸化膜(このSiO2)を除去するために行われ、図13eに示されるように最上層173の下に空洞を残す。最後に、(図13fに示されるように)空洞は液体フィルター材料174で満たされ、材料174は凝固される。代替的に、フィルター材料174は液体以外の流動体でも良い。
図13a−13fを参照して記載される方法に関するバリエーションは、フィルター領域(フィルター材料174で満たされた所)の下に2つ以上垂直に分離したセンサーを有して、VCFセンサー群を形成するために使うことが可能である。
本発明のVCFセンサー群の幾つかの実施形態において、結晶シリコン以外の半導体材料がウエハまたは他の基板上に積層される。このような半導体材料の2つの例は、アモルファスシリコンとポリシリコンである。
アモルファスシリコンは、種々の化学気相成長およびスパッター技術によって積層することが可能である。アモルファスシリコンは、ソースガスとしてSiHを使ってプラズマアシスト化学気相成長によって高品質で積層することもできる。積層したアモルファスシリコンのドーピングは、ホスフィン、アルシンおよびジボランのような他の水素化物を少量付加することによって達成できる。アモルファスシリコンは、センサーとして(アモルファスシリコン内にピンダイオードを作ることによって)、またはフィルターとして、またはセンサーおよびフィルターとして、VCFセンサー群に使うことができる。アモルファスシリコンは、フォトイメージング・アレイで使うこともできる。アモルファスシリコンを積層する低温(400℃未満)は有利である。何故なら、ドーパントの拡散をわずかに増加するだけであり、幾つかのフィルターと適合するからである。
同様の方法において、半導体材料がウエハまたは他の基板上に、ポリシリコンを形成することが可能である。通常、アモルファスシリコンが積層され、その後再結晶されポリシリコンを形成する。ポリシリコンはイオン注入によって、または堆積層からドープされ、pn接合を作る。トランジスターは、アモルファスシリコンかポリシリコンのどちらかに形成することも可能で、VCFセンサー群のセンサーをアドレスするのに使うこともできる。
種々のフィルターおよびフィルターの組合せは、本発明のVCFセンサー群中に含むことも可能で、光子分離、色精度、およびセンサー解像度を改善する。たとえば、VCFセンサーのアレイは、イメージセンサーの作製で通常使われる種類の有機カラーフィルターと組み合わせることも可能である。青色および赤色照明に敏感なセンサー群の色応答を調節するチェッカーボードパターンでアレイのセンサー群の一部にフィルターを形成すること(またはその一部に含むこと)が可能である。このようなフィルターパターンを用いて、各々のVCFセンサー群の半導体カラーフィルター特性と連動してフィルターが機能するという事実のおかげで、各々のフィルターの特性は非常に単純化でき、製造の変化に鈍感にできる。この得られた利点は潜在的にはもっとカラーフィルター応答を高めることである。代替的に、有機、絶縁性の、またはポリシリコンフィルターは、アレイのVCFセンサー群の一部に配置すること(または一部に含むこと)が可能であり、特定の色に応答するあらゆる他のセンサー群はまたその色応答を形成するために役立つカラーフィルターを持ち、その結果6つの異なる色応答を持つアレイを作る。後者の技術は、イメージセンサー面の最上部に有機フィルター(または他の種類のフィルター)を配置し、VCFセンサー群にフィルターを含むプロセスと関連する製造経費を最小化する一方で、多種の色応答を可能にする。
本発明および本発明の応用を実施する最善の方法はここに記載されてきたが、ここに記載された実施形態および応用に関するたくさんのバリエーションは、ここで記載されクレームされた本発明の範囲から逸脱することなく可能であるということは当業者にとっては明白である。本発明の一部の形態は図示され記載されてきたが、本発明は、記載され図示された特定の実施形態または記載された特定の方法には限定されることはないということも理解される。さらに、請求項の言い回しの中で積極的に述べない限り、方法を記載する請求項は工程の特定の順番を何も示唆することはない。