JP5366168B2 - ポリグリセロールデンドリマーの精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オスミウム酸酸化によって合成されたポリグリセロールデンドリマー(以下、PGDと称する。)の精製方法に関するものである。
デンドリマーとは、ギリシャ語の“dendra”(樹木)を語源とするもので、規則正しく分岐した構造を有する高分子である。前記デンドリマーは、そのユニークな構造から、近年、分子エレクトロニクス、薬物キャリア等、多くの分野において研究が進められている。例えば、アミドアミン(以下、PAMAMと称する。)のデンドリマーが1985年にTomaliaらによって報告され(例えば非特許文献1を参照)、その後、市販されるに至り、非常に多くの研究例が報告されるようになってきている。
近年では、バイオマテリアルとして生体との相互作用や体内動態が検討されるようになってきており、例えば細胞毒性に関する報告がなされている(例えば非特許文献2を参照)。さらには、PAMAMデンドリマー表面を生体適合性の高いポリエチレングリコール(以下、PEGと称する。)で化学修飾すること(例えば非特許文献3を参照)や、生体適合性を考慮したポリエーテル−エステルデンドリマー(例えば非特許文献4等を参照)が提案されている。
また、デンドリマーではないが、ハイパーブランチ型ポリグリセロール(以下、HyPGと称する。)も注目を集めており、その製品化にまで至っている(例えば非特許文献5を参照)。最近ではHyPGにメタクリル基などの二重結合を導入し、ラジカル重合の原理に基づく3次元架橋する方法が提案され(例えば非特許文献6を参照)、その基礎的物性について検討がなされている。ただし、HyPGはその構造が均一ではなく、分子量分布も比較的広いため、医薬品としての応用に鑑みた場合には実用化の点で懸念が残る。
一方、難水溶性薬物の溶解性を改善する技術としては、薬物の結晶微粒子を分散させ、水溶性高分子を噴霧・コーティングする方法(例えば特許文献1を参照)、薬物と流動化剤を混合して水溶性高分子含有水溶液を用いて造粒する方法(例えば特許文献2を参照)、親水性セグメントと疎水性セグメントからなるブロック共重合体を難水溶性薬物とともに有機溶媒中へ溶解し、水中油エマルジョンから有機溶媒を除去したポリマーミセルを形成する方法(例えば特許文献3を参照)、2−メタクリエオイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸n-ブチル(BMA)との共重合体水溶液に可溶化させる方法(例えば特許文献4を参照)等が知られている。
しかしながら、前述の特許文献1〜4に記載される発明では、その大部分が溶液状に難水溶性薬物を可溶化するに留まっており、生体適合性に優れたヒドロゲルを代表とする3次元架橋体のデバイス化によって可溶化からその後の放出制御に至る一連の機能を網羅できる薬物送達システムを実現することは難しいものと考えられる。とりわけ、抗ガン剤の経口投与の実現には、可溶化した抗ガン剤を小腸から効率よく吸収されるために、約2時間程度で放出する制御が必要とされているが、このような制御を特許文献1〜4に記載される発明で実現することは難しい。
このような状況の中、前述のデンドリマーの1種であるPGDの薬物送達システムへの応用についての研究も進められている。PGDは、Haggらによって初めて合成されたデンドリマーであり、分子量分布が極めて小さく、均一な構造を有するという特徴を有している。既に、世代数3〜5のPGDの合成法が確立され(例えば非特許文献7を参照)、そのナノサイズPG構造によって難水溶性薬物であるパクリタキセル(商品名タキソール)を溶解することが知られている。例えば、PGDの場合、パクリタキセルの溶解性が製薬業界にて使用されているポリエチレングリコール400(PEG400)と比較して著しく向上することが明らかとなっている(例えば非特許文献7、8を参照)。
Polym. J., 17, 117 (1985) J. Controlled Release, 65, 133(2000) Bioconjugate Chem., 11, 910(2000) J. Am. Chem.Soc.123, 2905 (2001) J. Am. Chem. Soc., 122, 2954(2000) Biomaterials, 27, 5471 (2006) Bioconjugate Chem., 15, 1221 (2004) J. Controlled Release, 93, 121(2003) 特開平7−291854号公報 特開2005−82503号公報 特開2001−226294号公報 特開2003−137816号公報
ところで、前述のPGDは、例えばトリメチロールプロパン等の第1級水酸基をテトラブチルアンモニウムを触媒としてアリル化する工程と、アリル基をオスミウム酸酸化することによって第1級水酸基あるいは第2級水酸基へと変換する工程とを繰り返し行うことにより合成される。このような合成法により、本願発明者らは世代数4のPGD−G4.0や世代数5のPGD−G5.0の合成に成功している。
しかしながら、合成したPGDを透析法等により精製しているにも関わらず、アミン臭を呈したり、外観上は黒褐色を呈する等、例えば医用材料として応用展開することを考えると、精製が不十分と言わざるを得ない。そのため、新たな精製法を検討する必要に迫られている。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、合成されたPGDに含まれる不純物を効率的に除去することができ、医用材料等としての利用を可能とするポリグリセロールデンドリマーの精製方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前述の目的を達成するために、長期に亘り種々の研究を重ねてきた。その結果、PGDの精製においては、アルミナや活性炭を用いた精製が有効であるとの知見を得るに至った。
本発明のポリグリセロールデンドリマーの精製方法は、水酸基をアリル化する工程とアリル基をオスミウム酸酸化によって水酸基に変換する工程とを繰り返すことによりポリグリセロールデンドリマーを合成し、合成された前記ポリグリセロールデンドリマーを、少なくともアルミナ又は活性炭接触させ、精製することを特徴とする。本発明は、前記アルミナと接触させてアルミナカラムクロマトグラフィーを行うか、又は、前記活性炭と接触させて活性炭カラムクロマトグラフィーを行うことを特徴とする。本発明は、前記アルミナと接触させてアルミナカラムクロマトグラフィーを行い、前記アルミナカラムクロマトグラフィーにおける展開溶媒を、水またはメタノールと水の混合溶媒とすることを特徴とする。本発明は、前記混合溶媒におけるメタノールの含有量を50体積%以下とすることを特徴とする。本発明は、前記活性炭と接触させて活性炭カラムクロマトグラフィーを行い、前記活性炭カラムクロマトグラフィーにおける展開溶媒を、メタノールまたは水、あるいはこれらの混合溶媒とすることを特徴とする。本発明は、合成された前記ポリグリセロールデンドリマーを減圧処理した後、前記アルミナ又は前記活性炭と接触させることを特徴とする。本発明は、前記減圧処理を、温度60℃〜100℃で行うことを特徴とする。
PGDをアリル基のオスミウム酸酸化によって合成すると、アミン臭が残ったり、生成物が黒褐色を呈する等、医用材料等として応用するには問題がある。これに対して、合成後のPGDをアルミナや活性炭に接触させると、不純物が効率的に吸着除去され、アミン臭が消失するとともに、着色も大幅に低減される。また、精製後のPGDは、細胞のコロニー形成を阻害する細胞毒性作用がなく、実験動物に対する毒性もないことが確認されている。
本発明によれば、合成したポリグリセロールデンドリマーに含まれる不純物を効率的に除去することができ、純度の高いポリグリセロールデンドリマーを得ることが可能である。また、アミン臭が消失され着色も大幅に低減されるので、医用材料等に適したポリグリセロールデンドリマーを得ることが可能である。
以下、本発明を適用したポリグリセロールデンドリマーの精製方法について説明する。
精製対象となるポリグリセロールデンドリマーの合成方法としては、水酸基をアリル化する工程と、アリル基をオスミウム酸酸化によって水酸基に変換する工程とを繰り返し行う方法を挙げることができる。
前記合成方法では、例えばトリメチロールプロパン等の第1級水酸基をテトラブチルアンモニウムを触媒としてアリル化する。テトラブチルアンモニウムを有機相と水相との相移動溶媒として用いることにより、デンドリマーのような高密度の水酸基の全てをアリル化することが可能である。
その後、例えばシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、オスミウム酸酸化によって第1級水酸基及び第2級水酸基へと変換する。第3級アミンの存在下でのアリル基のオスミウム酸酸化によって、95%以上の反応率でグリコールに酸化可能である。これらの工程を繰り返すことによって、順次、高世代の(分岐数の大きい)PGDを合成することが可能である。
合成されるPGDの具体的に例示するならば、化1に示す第3世代(デンドロン部分の分岐数3)のポリグリセロールデンドリマー(PGD−G3)、化2に示す第4世代(デンドロン部分の分岐数4)のポリグリセロールデンドリマー(PGD−G4)、化3に示す第5世代(デンドロン部分の分岐数5)のポリグリセロールデンドリマー(PGD−G5)等を挙げることができる。
Figure 0005366168
Figure 0005366168
Figure 0005366168
以上の合成方法により合成されたPGDは、アミン臭があり、黒褐色を呈する。オスミウム酸酸化後には、触媒として機能したアミンやオスミウム酸(OsO)等が残存しているものと考えられ、これら不純物の存在が精製度を低下する要因となっているものと考えられる。
そこで、本願発明者は、これまでに確立されているPGD合成と核磁気共鳴(NMR)スペクトル解析による構造解析を行い、得られたPGDの精製として、従来の透析法ではなく、アルミナや活性炭を用いた精製を行い、PGDの精製法としての妥当性について検討した。その結果、合成された合成物をアルミナや活性炭と接触させることにより、従来の透析法に比べて精製度を向上することができ、例えば医用材料として応用展開する上でも十分な精製度を達成できるとの結論を得るに至った。以下、合成されたPGDのアルミナ及び活性炭による精製方法について説明する。
先ず、アルミナ及び活性炭のいずれを用いて精製する場合にも、精製に先立って合成した生成物(ポリグリセロールデンドリマー)を減圧処理した後、前記精製を行うことが好ましい。この場合、減圧処理としては、エバポレータを用いて残存する溶媒を除去した後、生成物に例えばアセトンや精製水を加えて混合し、減圧乾燥する。減圧乾燥に際しては、例えばエバポレータを用いてアセトンや精製水等を除去した後、容器を真空トラップを介して真空ポンプに接続し、気泡が発生しなくなるまで減圧乾燥を行う。前記減圧乾燥に際しては、温度を60℃〜100℃に設定することが好ましい。
合成後の生成物には触媒として用いたオスミウム酸等が残存している。ここで、前記オスミウム酸は、その沸点が130℃であるため、前記温度での減圧乾燥を行うことにより、ある程度除去されるものと考えられる。
前記減圧処理の後、アルミナあるいは活性炭による接触処理を行う。例えばアルミナの場合、アルミナカラムクロマトグラフィーを行えばよい。アルミナカラムクロマトグラフィーは、所定の粒径のアルミナをカラムに充填し、展開溶媒に溶解した合成生成物を通液すればよい。用いるアルミナの粒径等は任意である。また、アルミナの種類も任意である。アルミナには種々のタイプがあるが、アルミナカラムとして、例えば酸化アルミニウム活性型酸性カラム、酸化アルミニウム活性型中性カラム、酸化アルミニウム活性型塩基性カラムのいずれかを使用することが可能である。
アルミナカラムクロマトグラフィーにおける展開溶媒としては、前記合成後の生成物を溶解し得るも溶媒が用いられ、例えば水(精製水)や水とメタノールの混合溶媒等が好適である。なお、水とメタノールの混合溶媒を用いる場合、メタノールの含有量が多くなるとPGDの回収率が急激に低下することから、前記混合溶媒におけるメタノールの含有量を50体積%以下とすることが好ましい。
アルミナによる接触処理としては、前記アルミナカラムクロマトグラフィーの他、バッチ式の処理も可能である。バッチ式の処理の場合、例えばアルミナを容器(フラスコ等)に入れ、ここに溶媒に溶解した合成生成物を加えて撹拌すれば良い。ただし、処理の効率を考えると、前記アルミナカラムクロマトグラフィーを採用することが好ましい。
活性炭を用いる場合にも、活性炭カラムクロマトグラフィーにより処理することも可能であるし、バッチ式により処理することも可能である。ただし、活性炭の場合、溶媒よりも軽くカラム内に安定して充填することが困難であることから、バッチ方式を採用することが好ましい。
前記活性炭を用いた場合の展開溶媒としては、水やメタノール、あるいはこれらの混合溶媒等を挙げることができる。さらには、精製水で処理した後、メタノールで洗浄することも可能である。これにより不純物の除去率を向上することが可能である。
PGD合成生成物を精製する方法としては、前記アルミナによる接触処理と、活性炭による接触処理とを、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。例えば、活性炭を用いたバッチ処理の後、アルミナカラムクロマトグラフィーを行ったり、逆に、アルミナカラムクロマトグラフィーの後、活性炭との接触処理を行うことも可能である。これら複合処理を行うことにより、精製度をより一層向上することが可能である。
以上説明したように、オスミウム酸酸化により合成したPGD合成生成物を、アルミナあるいは活性炭を用いて接触処理(例えばカラムクロマトグラフィー)を行うことにより、生成物に含まれる不純物を効率的に除去し、精製度を大幅に向上することが可能である。その結果、アミン臭がなく透明性に優れたPGDを得ることが可能である。精製されたPGDは、毒性もなく、医用材料として応用展開することが可能である。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実際に行った実験結果を基に説明する。
使用した試薬類について
以下の実験で使用した試薬及び溶媒は、下記の通りである。
(1)トリス(ヒドロキシル)プロパン(Mw=134.48:和光純薬社製)
(2)テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)(Mw=322.37:和光純薬社製)
(3)50wt% NaOH水溶液 (シグマ・アルドリッチ・ジャパン社製)
(4)塩化アリル(Allyl choride)98%(Mw=76.52,d=0.932g/ml)(ALDRICH社製)
(5)トルエン(脱水)(ナカライテスク社製)
(6)シリカゲル(メッシュサイズ70−230nm,シグマ−アルドリッチ社製)
(7)硫酸マグネシウム(無水)(120.37:関東化学社製)
(8)メタノール(Mw=32.04:ナカライテスク社製)
(9)石油エーテル(ナカライテスク社製)
(10)N−メチルモルフォリン−Nオキシド(N−methylmorpholine N−oxide)(Mw=117.15:アルドリッチ社製)
(11)Tert−ブチルアルコール(Mw=74.12:ナカライテスク社製)
(12)アセトン(Mw=58.08:ナカライテスク社製)
(13)4%オスミウム酸溶液(OsO)(Mw=254.23:和光純薬社製)
(14)純水
実験1.PGD−G1.0の合成及びアルミナカラムクロマトグラフィーによる精製
本実験例では、第1世代(デンドロン部分の分岐数1)のPGD(PGD−G1.0)を合成し、その精製方法について検討した。PGD−G1.0の合成方法は下記の通りである。
(PGD−G0.5の合成)
先ず、PGD−G0.5の合成を行った。反応式は化4に示す通りである。
Figure 0005366168
トリス(ヒドロキシル)プロパン4.47g(0.033mol:水酸基として0.1mol)とTBAB3.22g(0.01mol)を三口フラスコに入れ、オイルバスの温度を48℃に設定し、撹拌しながら少しずつ50wt%NaOH水溶液を40ml注いだ。その後、4秒に1滴ずつ塩化アリル50ml程度滴下した。塩化アリル50ml(0.61mol)を滴下後、トルエン100mlを反応懸濁液に入れ、さらに撹拌し続けた。撹拌後、二層に分離されたので、透明な上層のみを三角フラスコに回収した(下層は白濁した50wt%NaOH水溶液)。回収したトルエン溶液中に硫酸マグネシウムを約大さじ4杯を入れ、窒素を封入後、ゴム栓でキャップし、室温暗所にて一晩放置した。
三角フラスコ中の溶液をろ過し、なすフラスコに回収した。さらに全て入れ終わった三角フラスコに少量のトルエンを入れ、洗浄後、同様にしてろ過し、同じなすフラスコにろ液を回収した。これを三回繰り返した。回収したろ液から、エバポレーターを用いてトルエンを除去し、透明かつ液体の反応混合物を得た。この間に、1000mlシリンダーにメタノール50mlと石油エーテル450mlを入れ、よく混合した(メタノール:石油エーテル=1:9)。
ビーカーに粉末シリカゲルと上記で示した通りに調整した混合溶液を加えスラリー状とした。このとき、多量の気泡が発生するが、これは、さじ等を使ってできる限り取り除いた。スラリー状のシリカゲルをカラムに充填した。充填後、直ちに同様の溶媒(1:9)を流し、平衡化した。その後、フラスコ中の反応物をピペットを用いて静かにシリカゲルカラムの上部へ注入し、溶媒を展開した。1:9の混合溶媒を50ml流した後、メタノールと石油エーテルの割合を1:1とした混合溶媒に取り替えカラムに注いだ。このとき、50ml毎に新しいビーカーに回収した。
各ビーカーに回収した溶液をなすフラスコに入れ、エバポレーターを用いて溶媒を除去した。このとき、予め、なすフラスコの重量を測っておいた。各フラスコに回収していた液体の重量を測定し、この液体の構造解析として、H−NMR測定を行った[NMR装置:400MHzFT−NMR(ULTRASHIELD PLUS 400,Burker,Germany)]。このとき、NMRサンプルチューブへ約4cmの高さとなるように重クロロホルム(CDCl)を入れ、液体の方は、ミクロスパーテル一杯程度とした。H−NMR測定結果は下記の通りである。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ=5.85(m,3H,C=CH),5.14(m,6H,CH=C ),3.93(d,6H,CHOC CH=CH2),3.32(s,6H,C(C ),1.44(q,2H,CH ),0.85(t,3H,C
H−NMR測定結果より、目的とするPGD−G0.5に起因する全ての化学シフト値の存在を確認した。特にアリル基由来の化学シフト[5.85ppm(C=CH)5.14ppm(CH=C )、3.93ppm(CHOC CH=CH)]が確認できたことは、回収した化合物にアリル基が導入されたことを示している。H−NMRスペクトルの積分値は、1分子中のプロトン数と比例するため、定量的に合成の確認の判断となる。そこで積分値を見たところ、H−NMRスペクトルより5.85ppmのC=CHが2.9であったことから、1分子中3Hであることをを確認できた。また、5.14ppmのCH=C が5.7であったことからほぼ6Hを確認できた。さらに、CHOC CH=CHが5.9であったことから、ほぼ6Hであった。これらのことから、PGD−G0.5の理論値に近い値を得られたので、合成は成功したことが証明された。
(PGD−1.0の合成)
前記PGD−0.5を用いてPGD−1.0を合成した。反応式は化5に示す通りである。
Figure 0005366168
精製したPGD−G0.5(4.59g)(Mw=260、0.0174mol、アリル基0.0522mol)を予め重量測定した200mlなすフラスコに入れ、NMO6.73g(0.0574mol)、アセトン26ml、精製水26ml、及びtert−ブタノール(イソプロパノール)4.75mlを入れ、よく混合した。ここに4wt%OsO0.95mlをメスピペットを用いてゆっくり溶液に入れ、一晩撹拌し続けた。その後、エバポレーター(温度50℃)を用いて、アセトン、水等を除去し、さらに続けて、気泡が発生しなくなるまで減圧乾燥した。ここで減圧乾燥は、反応物の入ったナスフラスコを、真空トラップを介して直接真空ポンプに接続し、オイルバス(温度約80℃)に浸して行った。
回収した液体の重量を測定し、この液体の構造解析として1H−NMR測定を行った(NMR装置:400MHzFT−NMR(ULTRASHIELD PLUS 400, Burker,Germany))。このとき、NMRサンプルチューブへ約4cmの重メタノール(CDOD)を入れ、試料の重量は、ミクロスパーテル一杯程度とした。H−NMR測定結果は下記の通りである。
H−NMR(400MHz,CDOD):δ=4.87(s,O),3.75(m,3H,COH),3.58−3.41(m,12H),3.36(s,6H,C(C ),1.44(q,2H,C CH),0.89(t,3H,C
H−NMR測定結果より、目的とするPGD−G1.0に起因する化学シフト値の存在を確認した。特に、グリセロール由来の化学シフト[4.87ppm(OH)、3.75ppm(COH)]が確認できたことは、回収した化合物に水酸基が導入されたことを示している。さらに、PGD−G0.5で観察されたアリル基のピークが消失していたので、オスミウム酸酸化が確かに進行していたことを示している。
また、重メタノールを溶媒にした場合、水酸基のピークが4.8−4.9ppm付近に検出されることが経験則から知られている。H−NMRスペクトルにおいて4.87ppmに確認されたことから、水酸基が導入されたことが考えられる。積分値を見たところ、3.75ppmのCOHが3.00であったことから、3Hを確認することができた。すなわち、1分子中にCHOHが3つ導入されていることを示しており、このことから明らかにPGD−G1.0である。
(PGD−G1.0精製法の検討)
得られたPGD−G1.0を4つのサンプルに分け、それぞれのサンプルの重量を測定した(カラム前重量)。その上で、各サンプル1g当り10mlの水、メタノール、もしくはこれらの混合溶媒(それぞれの組成は表1に示した通り)に溶解した。そして、これら溶液10μlをマイクロピペットを用いてとり、1mlの各溶媒に希釈し(100倍希釈)、190nm−500nmの紫外・可視スペクトルを測定した(紫外・可視分光装置:Jasco V−550)。
上記各サンプル溶液を一晩室温にて放置し(なすフラスコ中、パラフィルムにて封印)、アルミナカラムに各サンプル溶液と同様の組成の展開溶媒を用いて通した。得られた溶液をエバポレータにて減圧濃縮し、その後、凍結乾燥した。乾燥後、各サンプルの重量を測定した(カラム後重量)。その上で、カラム精製前と同様に、紫外・可視スペクトルを測定した。
表1にPGD−G1.0のカラム精製前後の重量及び収率を示した。このとき収率は以下の式から算出した。
収率(%)=[カラム精製後に得られたPGD−G1.0の重量(g)/カラム精製前のPGD−G1.0の重量(g)]×100
Figure 0005366168
O:MeOHが1:1及び1:0の時、収率は80%以上であったが、0:1及び1:2の時はそれぞれ29%、あるいは56%であった。すなわち、MeOHの割合が高い場合、回収率は60%を下回った。このことから、PGDのMeOHに対する溶解性が水よりも低いとも予想されるが、定性的にはMeOH、水ともに溶解したことから、これら2つの溶媒への溶解性の違いについては判断し難い。しかしながら、水とMeOHでは回収率に極端な差があったので、その原因を考察することとした。
先ず、回収率とMeOH濃度の関係を図1に示した。図1より、MeOHの割合が0から50%までの間では、回収率は84%〜88%にまで少しずつ上昇したが、50%を超えると回収率が極端に減少していることが見受けられた。
この理由として考えられる要因の一つとして、次のような事項を挙げることができる。すなわち、アルミナカラム精製において、何らかの赤褐色不純物が吸着されていたので、不純物とアルミナの間には、何らかの分子間相互作用が働き、これにより不純物が取り除かれPGDが回収されたものと考えられる。したがって、MeOH含有量の増大によって回収率が低下したことは、不純物のみならず、デンドリマーも吸着されたものと考えられる。
ここで、それぞれの分子間相互作用の強さを考えてみた。水が100%の場合、PGDとアルミナとの分子間相互作用が低く、結果的に84%であった。さらに、MeOHを50%(HO:MeOH=1:1)とすると、収率は88%であったため、50%のMeOHは、PGDとアルミナとの相互作用には、影響を与えていなく、むしろPGDを溶出し易くしているものと考えられる。さらに、MeOH含有量を増大させて50%以上とすると、回収率が60%を下回ったことから、アルミナとデンドリマーの分子間相互作用がMeOHによって増強されていると考えられる。このためアルミナカラム内にPGDが残存していることが考えられる。以上のことから、回収率の観点からすると、アルミナカラムクロマトグラフィーの展開溶媒は、HO:MeOH=1:1のときが最適と考えられる。
しかしながら、回収率のみでは不純物の除去を定量的に判断できないため、表1の各サンプル溶液をUV/VISスペクトル測定し、精製度の定量化が可能かどうか検討した。UV/VISスペクトルの結果を図2〜図5に示す。なお、図2〜図5において、線aは精製前のUV/VISスペクトル、線bは精製後のUV/VISスペクトルである。
図2を例にとると、精製前には216.5nm(ピーク1)及び272.5nm(ピーク2)の二つのピークが確認された。しかし、精製後には、これら二つのピークが減少し、特に272.5nmのピークは、消失する傾向にあった。このような傾向は、他のサンプルでも同様であった(図3〜図5)。そこで、これら精製前の二つのピークが不純物に由来しているものと仮定し、それぞれのピーク値から、精製率を以下の式に基づいて算出した。算出結果について、表2〜表5に示す。
精製率(%)=[1−{Abs(精製後)/Abs(精製前)}]×100
Figure 0005366168
Figure 0005366168
Figure 0005366168
Figure 0005366168
ここで、精製度の指標として、これらのピークが適切かどうかを考察した。具体的にはピーク1とピーク2のどちらを基準にするかについて考えた。表2〜表5の結果から、ピーク2から算出した精製度は、いずれも90%以上であった。この結果を踏まえると、精製後の回収デンドリマーにおいても見られた薄い赤褐色は、ピーク2によるものとは考えにくい。オスミウム酸酸化後は、触媒として機能したNMOとOsOが残存していると考えられるので(PGDの水酸基は水由来である)、アルミナカラムに黒色の不純物が吸着されていることを考慮すると、OsOに由来するピークがピーク2であると推察される。一方で、ピーク1について見ると、サンプル1(表2)では79%であったのに対し、サンプル4(表4)においては54%であり、しかも赤褐色がサンプル2よりも濃く、光の透過を目視で確認することが難しいレベルであった。これらのことから、精製度に深く関係しているのは、ピーク2では無く、ピーク1であるとする方が適切であると推測される。従って、精製度の良否はピーク1を基準として定めることにした。
ピーク1を指標とした場合、最も精製度が高かったサンプルは、サンプル1(表2)であることから、アルミナカラム精製に最も適した溶媒は、HO:MeOHの割合が1:1のときであると判断した。
以上のことを総合して考えると、PGD−G1.0の精製においては、回収率、精製度の両方におけるデータより、HO:MeOHの割合が1:1であるときが最適であることが判明した。
実験2.PGD−G3.0の合成及びアルミナカラムクロマトグラフィーによる精製
(PGD−G3.0の合成)
本実験例では、第3世代(デンドロン部分の分岐数3)のPGD(PGD−G3.0)を合成し、その精製方法について検討した。
PGD−G3.0は、PGD−G1.0を原料に、実験1と同様の過程を繰り返し、PGD−G1.0→PGD−G1.5→PGD−G2.0→PGD−G2.5→PGD−G3.0の順に合成した。各過程の反応式は化6〜化9に示す通りである。
Figure 0005366168
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合成したPGD−G3.0のH−NMR測定結果は下記の通りである。
H−NMR(400MHz,CDOD):δ=4.87(s,O),3.77−3.49(m,105OH),3.34(s,6H,C(C ),1.43(q,2H,C CH),0.89(t,3H,C
H−NMR測定により目的とするG3.0に起因する化学シフト値の存在を確認した。特に、水酸基由来の化学シフト[4.87ppm(OH)]が確認できたことは、回収した化合物に水酸基が導入されたことを示している。また、アリル基のピークが消失しており、水酸基に起因するシフトが4.87ppmに確認されたことから、水酸基が導入されたことが証明された。また、積分値を見たところ、3.34ppmのC(C が、6.40であり、理論値から0.40ズレてはいるが、6Hを確認することができた。以上のことから、合成された物質は明らかにPGD−G3.0であると言える。
(PGD−G3.0精製法の検討)
PGD−G1.0の場合と同様に、PGD−G3.0を5つのサンプルに分け、それぞれのサンプルの重量を測定した(カラム前重量)。その上で、各サンプル1g当り10mlの水、メタノール、もしくはこれらの混合溶媒(それぞれの組成は表6に示した通り)に溶解した。その後のアルミナカラム精製、紫外・可視スペクトル測定は、PGD−G1.0の場合と同様である。表6にPGD−G3.0のカラム精製前後の重量及び収率を示した。
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O:MeOH=1:0の時、回収率は76%であったが、HO:MeOH=1:1、1:2、2:1の時はそれぞれ59%、38%、48%であった。またHO:MeOH=0:1においては、1.8%であった。回収率とMeOH濃度の関係を図6に示した。MeOH含有率の増大に伴って、回収率が低下する傾向にあった。このことから、PGD−G3.0のMeOHに対する溶解性が水よりも低いとも予想されるが、定性的にはMeOH、水ともに溶解したことから、これら2つの溶媒への溶解性の違いについては判断し難い。しかしながら、水とMeOHでは回収率に極端な差があったので、その原因を考察することとした。
回収率とMeOH濃度の関係を図6に示した。図6より、MeOHの割合が0から33.3%までの間では、回収率は76%〜48%に減少しているが、33.3%から50%の間では、48%〜59%と少し上昇した。さらに、50%を超えてからは、回収率が極端に減少していることが見受けられたPGD−G1.0の場合と同様に、アルミナカラムに何らかの黒褐色の不純物が吸着されていたので、OsOと思われる不純物が取り除かれたPGD−G3.0が回収されたと考えられる。したがって、MeOH含有量の増大によって回収率が低下したことは、不純物のみならず、PGD−G3.0も吸着されたことによるものと考えられる。
ここで、それぞれの混合溶媒について分子間相互作用の強さを考えてみた。水が100%の場合、デンドリマーとアルミナとの分子間相互作用が弱く、結果的に76%であった。さらに、MeOHを33.3%(HO:MeOH=2:1)とすると、回収率は48%であったため、水が100%のときより回収率が落ちていることから、MeOHによってアルミナとPGD−G3.0の分子間相互作用が増強されていると考えられる。また、MeOHを50%(HO:MeOH=1:1)にすると回収率は、59%に上がった。これは、何らかの影響で一時的に分子間相互作用が弱まったことによるものと考えられるが、単なる誤差とも受け取ることができる。MeOH含有量を増大させ50%以上とすると、回収率が段階的に減少し、66.6%の時には回収率が38%、100%のときでは1.8%であった。
以上のことから、回収率の観点からすると、HO:MeOHが1:0のときが最適と考えられる。ただ、この結果は、PGD−G1.0の時とは異なるものである。先ず、一番の大きな違いは、MeOHによる回収率の差である。PGD−G1.0の時には29%回収できていたものが、PGD−G3.0では僅か1.8%にまで減少した。これから推測されることは、PGD−G3.0では、デンドリマーの性質が変化し、PGD−G1.0と比較して、アルミナとデンドリマーの分子間相互作用がMeOHによって増強されていると考えられ、これにより回収率が下がったものと考えられる。
しかしながら、回収率のみでは不純物の除去を定量的に判断できないため、表6の各サンプル溶液をUV/VISスペクトル測定し、精製度の定量化が可能かどうか検討した。UV/VISスペクトルの結果を図7〜図10に示す。なお、サンプル6については、回収率が低く、解析に必要十分量が得られなかったため、解析を行わなかった。
図7(サンプル5)を例にとると、精製前には203nm付近にピーク(ピーク1)が確認された。これに対して、精製後にはピークが減少していることがわかる。そこで、PGD−G1.0において定めた通り、精製前の一番高いピーク値を用い、精製率を以下の式から算出した。算出結果について、表7〜表10に示す。
精製率(%)=[1−{Abs(精製後)/Abs(精製前)}]×100
Figure 0005366168
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表7〜表10を見ると、MeOHの割合が50%以上であると、精製率が60%を超えている。これに対して、MeOHの割合が50%以下であると、50%を下回っている。このことから、不純物を取り除く場合には、MeOHの割合を増やすことで精製率を向上することができるものと推測される。しかしながら、この場合においても70%を超える精製率は得られていない。PGD−G1.0の精製においては、80%近くの精製率を得られることができていることを考えると、PGD−G1.0とPGD−G3.0のデンドリマーは、全く性質の異なった物質であると考えられる。これらのことから、回収率を重視した場合は、溶媒は蒸留水のみが妥当であると考えられる。
PGD精製後に含有されているオスミウム酸は、沸点が130℃であるため、減圧乾燥を高温で行うことにより除去できるものと考えられる。したがって、長時間減圧乾燥を行うことで、PGDから発するアミン臭が無くなることが期待されたが、実際には、アルミナカラム精製後にアミン臭が消失していた。したがって、アルミナカラムによるPGDの精製は、オスミウム酸の精製に有効であると考えられる。
実験3.種々のタイプのアルミナカラムを用いたPGD−G1.0精製の検討
PGD−G1.0(63mg)に水とメタノール(1:1)の混合溶媒630mlを加え、1wt%の溶液を調製した。そして、これら溶液について190nm−500nmの紫外・可視スペクトルを測定した(紫外・可視分光装置:Jasco V−550)。その後、210mlずつに3等分し、これら溶液を酸化アルミニウム活性型酸性カラム、酸化アルミニウム活性型中性カラム、酸化アルミニウム活性型塩基性性カラムにそれぞれ通液した。得られた溶液をエバポレータにて減圧濃縮し、その後、凍結乾燥した。乾燥後、各サンプルの重量を測定した(カラム後重量)。その上で、カラム精製前と同様に、紫外・可視スペクトルを測定した。
カラム精製前後における溶液のUV−Visスペクトルを図11に示した。図11から明らかなように、酸化アルミニウム活性型酸性カラムを通すと、大幅に強度が減少した。この吸収極大は、溶液中に混入しているN−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMO)である可能性が強いことから、プロトン化されたアルミナとNMO中の酸素原子上の不対電子対が静電的相互作用している可能性が考えられる。表11に、204nm及び270nmの吸収極大から算出した精製率及び収率を示した。
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実験4.活性炭を用いたPGD−G1.0精製の検討
PGD−G1.0(1.62g)にMeOHを加えて最終的に50wt%となるようにした。この溶液について190nm−500nmの紫外・可視スペクトルを測定した(紫外・可視分光装置:Jasco V−550)。この溶液に適当量の活性炭を加えて一晩撹拌後、ろ過し、得られたろ液を回収した。回収した溶液をエバポレータにて減圧濃縮し、その後、凍結乾燥した。乾燥後、各サンプルの重量を測定した(精製後重量)。その上で、精製前と同様に、紫外・可視スペクトルを測定した。同様にして、精製水を用いて活性炭処理し[PGD−G1.0(1.74g)を使用]、精製水でろ過後、さらにMeOHでろ過を行い、活性炭を用いた精製における溶媒の違いについて検討した。
(溶媒としてMeOHを用いた場合)
活性炭を用いた精製により、1.09gのPGD−G1.0が得られた。これから、回収率は67%と算出された。カラム精製前後における溶液のUV−Visスペクトルを図12に示す。図12から、精製前には210nm及び266.5nmの二つのピークが確認された。しかしながら、精製後には、これら二つのピークが減少し、特に266.5nmのピークは消失する傾向にあった。そこで、これら精製前の二つのピークが不純物に由来しているものと仮定し、それぞれのピーク値から精製率を算出した。算出結果を表12に示す。
Figure 0005366168
(精製水を用いて処理した後、MeOHで洗浄した場合)
活性炭を用いた精製により、0.50gのPGD−G1.0が得られた。これから、回収率は29%と算出された。精製前後における溶液のUV−Visスペクトルを図13に示す。図13から、精製前には210nm及び266.5nmの二つのピークが確認された。しかしながら、精製後には、これら二つのピークが減少し、特に266.5nmのピークは消失する傾向にあった。そこで、これら精製前の二つのピークが不純物に由来しているものと仮定し、それぞれのピーク値から精製率を同様に算出した。算出結果を表13に示す。
Figure 0005366168
(検討結果)
以上のスペクトルの吸収極大値の強度を縦軸に、使用した溶媒を横軸にして、活性炭処理前後の強度変化を棒グラフにした(図14)。NMO由来と考えられている200nm−210nmの吸収ピーク強度からは、明らかに精製水に溶解後、メタノール溶出する方が除去率が高かった。オスミウム酸由来と考えられる266.5nmのピーク強度においても同様であった。これらのことは、NMOやオスミウム酸は水への溶解性が高く、活性炭へは吸着されないためであると考えられる。そして、その後のMeOHによる活性炭からのPGD−G1.0の溶出によって、精製率が100%近くなったものと推察される。しかしながら、完全に近かった精製率であったにも関わらず、回収率は29%と低かった。このことは、MeOHによる溶出が不十分であったか、もしくは、最初の精製水による洗浄操作によってPGD−G1.0が既に不純物と一緒に溶出されていた可能性も考えられる。
実験5.精製したPGD−G3.0及びPGD−G4.0を用いた細胞毒性試験
アルミナカラムで精製したPGD−G3.0及びPGD−G4.0の安全性を調べるため、チャイニーズ・ハムスター肺由来のV79細胞を用いるコロニー形成法による細胞毒性試験を実施した。PGD−G3.0及びPGD−G4.0の精製は、実験2に準じてアルミナカラムを用いて行い、展開溶媒は水とした。
なお、本試験は、「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的安全性試験の基本的考え方について」(平成15年2月13日、医薬審発第0213001号)、「Biological Evaluation of Medical Devices - Part 1: Evaluation and Testing」(ISO 10993-1,August 1, 2003)、「生物学的安全性試験の基本的考え方に関する参考資料について」(平成15年3月19日、医療機器審査No. 36、以下、医療機器審査No. 36と記す)および「Biological Evaluation of Medical Devices - Part 5: Tests for In Vitro Cytotoxicity」(ISO 10993-5, May 15, 1999)に準拠して実施した。
(被験物質)
被験物質であるPGD−G3.0(成分:ポリグリセロールデンドリマー 第3世代、分子量:1,690、純度:95%以上)及びPGD−G4.0(成分:ポリグリセロールデンドリマー 第4世代、分子量:3,500、純度:95%以上)は、いずれも若干褐色、水あめ状の粘性体であり、使用時まで室温にて保管した。
(陽性対照物質)
細胞の感度および実験条件の精度を確認するためZDBC(zinc di-n-butyldithiocarbamate:和光純薬工業社製)を陽性対照物質として用いた。陽性対照物質は、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業社製)に溶解して希釈した。
(細胞)
V79細胞はJCRB細胞バンクより入手した。入手した時点で5代のものを、さらに14代まで継代して凍結保存(マイコプラズマ陰性)した。これを解凍後9代で試験に用いた。培養は、ウシ胎児血清を10vol%含むMEM10培地を用い、COインキュベーター(CO2濃度5%、37℃)内で培養した。試験には6ウェルプレート(ウェル直径:35mm)を用いた。また、6ウェルプレートの蓋および側面に処理条件を示す記号または数値を記して識別した。1用量あたり3ウェル用いた。
(細胞毒性試験)
被験物質は水に溶解するので、被験物質に用いる溶媒は日局注射用水とし、最高処理濃度を生理的限界用量である5mg/mLとした。日局注射用水を媒体として用いることから、培地に対する被験物質の添加量を10vol%とし、最終処理濃度の10倍濃度の試験液を調製し、溶媒を用いて公比2で希釈し10段階の濃度(試験液:0.0977、0.195、0.391、0.781、1.56、3.13、6.25、12.5、25.0、50.0 mg/mL)を設定した。
V79細胞を0.25%トリプシンを用いて単離した後、細胞濃度103個/mLの懸濁液とし、この細胞懸濁液0.1mL(100個)を2mLのMEM10培地の入っている6ウェルプレート(ウェル直径:35mm)に分注した。播種翌日、ウェル内の培地を除き、新鮮なMEM10培地1.8mLを加えた後、日局注射用水(陰性対照)及び段階希釈した試験液を、それぞれ培地に200μLずつ添加し(溶媒濃度10vol%)、COインキュベーター(CO2濃度5%、37℃)で6日間培養した。
培養終了後、培地を除き、メタノールで固定し、10vol%ギムザ液で染色した。ウェルあたりのコロニー数(50個以上の細胞からなるものを1個とした。)を多目的高速画像解析装置(Model No.:PCA−11、システムサイエンス社製)で計測し、陰性対照群と比較して各処理群の相対コロニー形成率を算出し、IC50値を求めた。また、コロニー形成能(陰性対照群のコロニー数/100)を算出した。
(陽性対照物質を用いた細胞毒性試験)
前述の細胞毒性試験と同様の方法によりV79細胞を播種した。翌日、各ウェルより培地を除き、新鮮なMEM10培地2mLを加えた後、最終処理濃度(1.0、2.0、3.0、4.0、5.0μg/mL)の200倍になるように調製したZDBC溶液またはDMSO(陰性対照)を10μLずつ培地に添加し(溶媒濃度0.5vol%)、6日間培養した。以下、細胞毒性試験と同様の方法により、陰性対照群に対する各処理群の相対コロニー形成率を算出し、IC50値を求めた。
(評価)
細胞毒性試験については、1)陰性対照群でのコロニー形成能が良好(0.8以上)であること、2)陽性対照物質(ZDBC)のIC50値が1〜5μg/mLの範囲内であること、を満たしていることを確認した。
(試験結果)
表14に、PGD−G3.0及びPGD−G4.0のV79細胞におけるコロニー形成試験の結果を示す。また、表15に、陽性対照物質のV79細胞におけるコロニー形成試験の結果を示す。さらに、図15に、PGD−G3.0及びPGD−G4.0の濃度とコロニー形成率の関係を示す。図15は、PGD−G3.0及びPGD−G4.0のV79細胞におけるコロニー形成に対する影響を示すものであり、V79細胞をウエルに100個播腫し、翌日、種々の濃度のPGD−G3.0及びPGD−G4.0を添加して6日間培養を続けた後に、固定、染色してコロニー形成率を求めた。
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表14や図15から明らかなように、PGD−G3.0及びPGD−G4.0は、いずれの濃度においてもV79細胞のコロニー形成を阻害しなかった。陰性対照群でのコロニー形成能は1.02であり、良好であった。また、陽性対照物質を用いた試験におけるZDBCのIC50値は、1.7μg/mLであった(表15参照)。陰性対照群におけるコロニー形成能及び陽性対照物質を用いた試験で得られたIC50値は、「評価」の項に示した基準を満たすものであったことから、本実験は被験物質の細胞毒性作用を適正に評価していると考えられる。
以上の結果から、今回行った試験条件下において、PGD−G3.0及びPGD−G4.0には、V79細胞のコロニー形成を阻害する細胞毒性作用はないことが示された。
実験6.精製したPGD−G3.0及びPGD−G4.0のラットを用いた単回静脈内投与毒性試験
アルミナカラムで精製したPGD−G3.0及びPGD−G4.0の安全性を調べるため、ラットにおける静脈内投与による単回毒性試験を実施した。PGD−G3.0及びPGD−G4.0の精製は、実験2に準じてアルミナカラムを用いて行い、展開溶媒は水とした。
(試験ガイドライン)
本試験は、「医薬品毒性試験法ガイドライン[1]単回投与毒性試験」(平成5年8月10日、薬新薬第88号)を参考にして実施した。
(被験物質)
被験物質であるPGD−G3.0(成分:ポリグリセロールデンドリマー 第3世代、分子量:1,690、純度:95%以上)及びPGD−G4.0(成分:ポリグリセロールデンドリマー 第4世代、分子量:3,500、純度:95%以上)は、いずれも若干褐色、水あめ状の粘性体であり、使用時まで室温にて保管した。
(使用動物と飼育方法)
4週齢のSprague-Dawley (SD)系[Crl:CD(SD)]雄ラット(日本チャールス・リバー社、厚木飼育センター)を購入し、搬入した。搬入した動物は検疫と飼育環境への馴化を兼ね、入荷日も含めて6日間飼育した。検疫・馴化期間中1日1回、動物の一般状態を観察したがいずれの動物にも異常が認められなかったため、検疫終了時の測定体重をもとに体重別層化無作為抽出法により3匹ずつの6群に群分けし、18匹を試験に使用した。
動物は、許容温度21.0℃〜25.0℃、許容湿度40.0%〜75.0%、換気回数約15回/時、照明12時間(7〜19時点灯)に設定された飼育室で金属製金網床ケージ(220w×270d×190h:単位mm)に1匹ずつ収容して飼育し、固型飼料(CE−2、日本クレア社製)と水道水を自由に摂取させて飼育した。試験に使用した動物はフェルトペンで尾に個体番号を標識し識別し、また識別の補助として、試験番号、性別及び動物番号を記入したカードを飼育ケージに掛けた。検疫期間中は飼育ケージに入荷動物番号を標識した。
(投与検体の調製)
PGD−G3.0及びPGD−G4.0の投与に際しては、生理食塩液(光製薬株式会社製)で200mg/mLの濃度に希釈し、これを生理食塩液で段階10倍希釈して20mg/mL及び2mg/mL溶液を調製し、0.45μmのメンブランフィルターでろ過して使用した。なお、生理食塩液の生体への影響についてはこれまでのデータから無視できるものと判断し、溶媒投与群は設定しなかった。
(投与方法)
被験物質の毒性に関わる検討はこれまで行われていなかった。また、被験物質は粘稠であり、高濃度では静脈内投与は難しいものと考えられた。これらの事柄から、上限を1000mg/kgとし、公比10で投与量を設定し、およその毒性を調べた。
直前に測定した体重を基に個体別に投与液量を算出し、ステンレス製注射針(25G)を用いて単回静脈内投与した。投与容量は体重(kg)あたり5mLとし、約1分間で投与した。投与は10時29分〜11時59分の間に行った。群、投与物質、投与用量、投与容量および動物番号は表16の通りとした。
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(観察と検査)
投与日を観察第1日として第15日まで毎日、死亡の有無を確認した。一般状態の観察を、投与日(観察第1日)は投与前に1回、投与後は約1時間継続的に観察し、その後は約1時間毎に投与後6時間まで全例の一般状態を観察した。観察第2日以降は、毎日1回の頻度で一般状態を観察した。体重は、投与直前、観察第2、4、8、11、15日及び死亡動物発見時に測定した。観察第15日には全例をペントバルビタール麻酔下で放血致死させて剖検し、器官・組織の肉眼的観察を実施した。器官重量は測定しなかった。これらのうち、各群の1例(動物番号1、4、7、10、14及び16)及び死亡動物(動物番号11及び12)の主要器官・組織〔脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓及び与部位(尾)〕を0.1Mリン酸緩衝10%ホルマリン溶液に固定保存した。この内、PGD−G4.0を1000mg/kgの用量で投与し、死亡した2例(動物番号11及び12)の脳、心、肺および腎臓についてはヘマトキシリン・エオジン標本を作製し、病理組織学検査を実施した。
(データの解析)
体重の平均値及び標準偏差を算出した。
(試験成績)
PGD−G3.0及びPGD−G4.0単回静脈内投与後の雄ラットの生存数を表17に、PGD−G3.0及びPGD−G4.0単回静脈内投与後の雄ラットの一般状態所見を表18に、PGD−G3.0単回静脈内投与後の雄ラットの体重推移を表19に、PGD−G4.0単回静脈内投与後の雄ラットの体重推移を表20に、PGD−G3.0及びPGD−G4.0単回静脈内投与後の雄ラットの部検所見を表21に、PGD−G4.01000mg/kg単回静脈内投与後に死亡した雄ラットの病理組織学検査所見を表22にそれぞれ示す。
Figure 0005366168
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a.死亡と一般状態
PGD−G3.0を10mg/kg、100mg/kg及び1000mg/kgの用量で投与した全例で、14日間の観察期間中に死亡例及び一般状態の異常は観察されなかった(表17及び表18参照)。一方、PGD−G4.0を1000mg/kgの用量で投与した3例中の2例(動物番号11及び12)が投与直後(投与終了から3分以内)に死亡したが、残りの1例(動物番号10)は試験終了時(観察第15日)まで生存した。また、PGD−G4.0を10mg/kg及び100mg/kgの用量で投与した6例に死亡例は認められなかった(表17参照)。死亡した2例では死亡に至るまでの間に明らかな一般状態の異常は認められなかった(表18参照)。
b.体重
PGD−G3.0を投与した全例では、観察終了日までの体重増加は順調であった(表19参照)。また、PGD−G4.0を10mg/kg及び100mg/kgの用量で投与した全例、さらに1000mg/kgの用量で投与し、観察終了日まで生存した1例においても体重増加は概ね順調であった(表20参照)。
c.部検
PGD−G3.0を投与した動物ではいずれの器官・組織にも異常所見は認められなかった。PGD−G4.0を1000mg/kgの用量で投与し、死亡した2例(動物番号11及び12)では肺の退縮不全、及び暗赤色化、腎臓の皮髄境界部の暗赤色化が認められた。PGD−G4.0を10mg/kg及び100mg/kgの用量で投与した全例、さらに、1000mg/kgの用量で投与し、観察終了日まで生存した1例では剖検時に明らかな異常は認められなかった(表21参照)。
d.病理組織学検査
PGD−G4.0を1000mg/kgの用量で投与し、死亡した2例(動物番号11及び12)のヘマトキシリン・エオジン標本を作製し、病理組織学検査を実施した。いずれの例でも、肺の水腫、肺胞腔への泡沫細胞の集簇が観察された。また、腎臓では皮質に好塩基性尿細管および被膜下に限局性の嚢胞が認められた。しかし、これらの組織の変化の程度は、いずれもごく軽度であった(表22参照)。
以上の結果から、PGD−G3.0単回静脈内投与は、本試験での最高用量である1000mg/kgまでは毒性を示さないものと判断した。一方、PGD−G4.0は、10mg/kg及び100mg/kgの用量では明らかな毒性を示さなかった。
アルミナカラムを用いてPGD−G1.0を精製した場合におけるメタノール濃度と収率の関係を示す特性図である。 サンプル1における精製前後のUV/VISスペクトルである。 サンプル2における精製前後のUV/VISスペクトルである。 サンプル3における精製前後のUV/VISスペクトルである。 サンプル4における精製前後のUV/VISスペクトルである。 アルミナカラムを用いてPGD−G3.0を精製した場合におけるメタノール濃度と収率の関係を示す特性図である。 サンプル5における精製前後のUV/VISスペクトルである。 サンプル7における精製前後のUV/VISスペクトルである。 サンプル8における精製前後のUV/VISスペクトルである。 サンプル9における精製前後のUV/VISスペクトルである。 アルミナカラムのタイプの相違によるUV/VISスペクトルの相違を示す特性図である。 溶媒としてメタノールを用い活性炭と接触させて精製した場合の精製前後におけるUV/VISスペクトルを示す特性図である。 溶媒として精製水を用い活性炭と接触させて精製した後にメタノールで洗浄した場合の精製前後におけるUV/VISスペクトルを示す特性図である。 活性炭処理前後の吸収極大値の強度変化を示す特性図である。 PGD−G3.0及びPGD−G4.0のV79細胞におけるコロニー形成に対する影響を示す特性図である。

Claims (7)

  1. 水酸基をアリル化する工程とアリル基をオスミウム酸酸化によって水酸基に変換する工程とを繰り返すことによりポリグリセロールデンドリマーを合成し、合成された前記ポリグリセロールデンドリマーを、少なくともアルミナ又は活性炭接触させ、精製することを特徴とするポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
  2. 前記アルミナと接触させてアルミナカラムクロマトグラフィーを行うか、又は、前記活性炭と接触させて活性炭カラムクロマトグラフィーを行うことを特徴とする請求項記載のポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
  3. 前記アルミナと接触させてアルミナカラムクロマトグラフィーを行い、前記アルミナカラムクロマトグラフィーにおける展開溶媒を、水またはメタノールと水の混合溶媒とすることを特徴とする請求項記載のポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
  4. 前記混合溶媒におけるメタノールの含有量を50体積%以下とすることを特徴とする請求項記載のポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
  5. 前記活性炭と接触させて活性炭カラムクロマトグラフィーを行い、前記活性炭カラムクロマトグラフィーにおける展開溶媒を、メタノールまたは水、あるいはこれらの混合溶媒とすることを特徴とする請求項記載のポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
  6. 合成された前記ポリグリセロールデンドリマーを減圧処理した後、前記アルミナ又は前記活性炭と接触させることを特徴とする請求項記載のポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
  7. 前記減圧処理を、温度60℃〜100℃で行うことを特徴とする請求項記載のポリグリセロールデンドリマーの精製方法。
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