JP5360905B2 - 無線通信装置、無線ネットワークシステム、データ転送方法及びプログラム - Google Patents

無線通信装置、無線ネットワークシステム、データ転送方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、マルチキャストデータパケットを無線通信端末に転送する無線通信装置、無線ネットワークシステム、データ転送方法及びプログラムに関する。
デジタル化された音声や動画をIPネットワーク上で配信する技術が注目されている(特許文献1乃至5参照)。IPネットワーク上の配信(例えば放送)にはIPマルチキャストによる1対多型の通信が有効である。昨今のコアネットワークの広帯域化、高品質化により、このような配信技術も現実のものとなりつつある。
一方で、無線ネットワーク及び無線リンクを多段に接続した形態をとる無線メッシュネットワークの利用が広まりつつある。このようなネットワークでは、有線ネットワークと比較すると、電波伝搬のゆらぎ、フェージング及び電波の干渉によるビットエラーなどが発生する確率が高くなるのが一般的である。
無線ネットワークにおけるユニキャスト送信では、データリンク層の到達確認及び再送制御が行われ、パケット到達率の高い通信が実現されているので、データ通信の他、音声や動画配信での利用が進んでいる。一方、マルチキャスト通信は、データリンク層でブロードキャスト送信を行う形で利用可能であるが、データリンク層のブロードキャスト送信では到達確認がなく、パケットロスがアプリケーションレベルのデータ欠落につながるため、パケット到達率の高い通信を実現するのが困難になる。
無線ネットワークにおけるマルチキャスト通信のパケット到達率を高める技術として、本発明者により、WRM(Wireless Reliable Multicast)が提案されている。本出願人等は、WRMを、無線アクセスポイントと無線通信端末とのリンクに適用した無線通信装置等を開示した特許出願を行っている(例えば、特願2009−071048号)。
特開2007−129779号公報 特開2007−49382号公報 特開2007−53486号公報 特開2002−281030号公報 特許第4168058号公報
WRMを用いて、無線アクセスポイントがデータパケットを全ての無線通信端末へ逐次ユニキャスト送信すれば、パケット到達率の高い通信を実現することができる。しかしながら、1つの無線アクセスポイントに無線通信端末が多数接続される場合や、エラーパケットの再送が頻発する場合には、送信完了までに長い時間を要することとなり、結果的にパケット到達率の低下を招くおそれがある。
特許文献5に記載の情報伝送システムのように、ある無線通信端末が別のある無線通信端末へ送信されたデータパケットを傍受するようにすれば、ユニキャスト送信する無線通信端末の数を減らすことができるので、パケット到達率の低下を解消することが可能になる。しかしながら、この場合には、どの無線通信端末宛にどの順序でデータパケットを送信し、どの無線通信端末に傍受をさせるかを決定する必要がある。なお、以下では、このデータパケットの送信先の無線通信端末とその送信順序を「送信パターン」とも呼ぶ。無線通信端末の数が同じであっても、「送信パターン」、すなわち無線通信端末とその送信順序が異なると、送信完了までの時間が異なる。このことから、送信パターンは、慎重に決定される必要がある。
1つの無線アクセスポイントに接続される無線通信端末の数がN個であると、送信パターンの総数Kは、次式のようになる。
Figure 0005360905

この式からもわかるように、無線通信端末Nが増えれば増えるほど、送信パターン総数、すなわち送信パターンの候補の数Kは膨大になる。特許文献5に記載の情報伝送システムでは、ユーザの選択により送信パターンを決定しているが、ユーザが、多数の送信パターンの候補の中から、送信完了までの時間を短縮する最適な送信パターンを選び出すのは困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、無線ネットワークにおけるマルチキャストデータパケットの配信において、高い配信率を維持したまま送信回数を削減することができる無線通信装置、無線ネットワークシステム、データ転送方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る無線通信装置は、
複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信する無線通信装置であって、
前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になるという条件で、前記複数の無線通信端末を、実際に前記データパケットが送信される第1の無線通信端末と前記データパケットを傍受させる残りの第2の無線通信端末とに分けたときの前記第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外する送信パターン除外部と、
前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、前記送信パターン除外部によって除外された前記送信パターン以外の前記送信パターンの中から、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する送信パターン決定部と、
を備える。
また、本発明の第2の観点に係る無線ネットワークシステムは、本発明の無線通信装置を備える。
また、本発明の第3の観点に係るデータ転送方法は、
複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信するデータ転送方法であって、
前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になるという条件で、前記複数の無線通信端末を、実際に前記データパケットが送信される第1の無線通信端末と前記データパケットを傍受させる残りの第2の無線通信端末とに分けたときの前記第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外する送信パターン除外工程と、
前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、前記送信パターン除外工程によって除外された前記送信パターン以外の前記送信パターンの中から、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する送信パターン決定工程と、
を含む。
また、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信する無線通信装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になるという条件で、前記複数の無線通信端末を、実際に前記データパケットが送信される第1の無線通信端末と前記データパケットを傍受させる残りの第2の無線通信端末とに分けたときの前記第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外する送信パターン除外手段と、
前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、前記送信パターン除外手段によって除外された前記送信パターン以外の前記送信パターンの中から、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する送信パターン決定手段と、
して機能させる。
本発明によれば、複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信をする場合、複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、実際にデータパケットがユニキャスト送信される第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、データパケットの送信回数が最小となる最適な送信パターンを決定する。これにより、高い配信率を維持したまま送信回数を削減することができる。
また、本発明によれば、複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、送信パターンを決定するのに先立って、最適とはなりえない送信パターンを選び出し、それらを最適な送信パターンの計算対象から除外する。このようにすれば、最適な送信パターンを決定するための計算の計算量を削減することができるので、処理時間を短縮することができる。
本発明の第1の実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 図1の無線アクセスポイントの内部構成を示すブロック図である。 図2の受信端末管理テーブルの詳細を示すテーブルである。 図2の送信パターンテーブルの詳細を示すテーブルである。 図2の受信端末管理部の動作を示すフローチャートである。 図2の転送制御部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る無線ネットワークシステムに係る無線通信端末のグループ構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 図8の無線マルチホップアクセスポイントの内部構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る無線ネットワークシステム100は、マルチキャストソース11、マルチキャストネットワーク12、無線アクセスポイント13及び無線通信端末1、2、3、4、5を備える。マルチキャストソース11、無線アクセスポイント13は、通信ネットワークとしてのマルチキャストネットワーク12に接続されている。無線端末1〜5は、無線通信により、無線アクセスポイント13と通信可能である。
マルチキャストソース11は、マルチキャストネットワーク12を介して、マルチキャストデータパケット(以下、単に「データパケット」と呼ぶ)を無線アクセスポイント13に送信する。このデータパケットは、最終的に、無線通信端末1〜5に送信されるか、又は無線通信端末1〜5によって傍受されることにより、無線通信端末1〜5に到達する。すなわち、マルチキャストソース11から送信されるデータパケットは、以下の経路で無線通信端末1〜5へ配信される。
マルチキャストソース11→マルチキャストネットワーク12→無線アクセスポイント13→ 無線通信端末1〜5
図2には、無線アクセスポイント13の内部構成が示されている。図2に示すように、無線アクセスポイント13は、物理インターフェイス部21、22、通信制御部23、24、受信端末管理部25及び転送制御部26を備える。
物理インターフェイス部21及び通信制御部23は、マルチキャストネットワーク12側の通信媒体との間で信号を送受信する。物理インターフェイス部22及び通信制御部24は、無線通信端末1〜5との間で信号を送受信する。
受信端末管理部25は、複数の無線通信端末1〜5を、実際にデータパケットが送信される無線通信端末(第1の無線通信端末)と、データパケットを傍受させる残りの無線通信端末(第2の無線通信端末)とに分けて管理する。そして、受信端末管理部25は、第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンから、第1の無線通信端末の数が最小数を超えず、データパケットの送信回数の期待値の和が最小となる送信パターンを決定する。
受信端末管理部25は、受信端末管理テーブル30、送信パターンテーブル40を有する。
受信端末管理テーブル30には、複数の無線通信端末1〜5各々との間のリンクロス率に関する情報(後述する「リンクロス率」フィールド)や、複数の無線通信端末1〜5各々が第1の無線通信端末であるのか、第2の無線通信端末であるのかを示す情報(後述する「傍受」フィールド)が登録される。
送信パターンテーブル40には、第1の無線通信端末と第2の無線通信端末とから成る送信パターンが登録されている。
転送制御部26は、受信端末管理部25によって保持される受信端末管理テーブル30を参照して、決定された送信パターンに従って、受信されたデータパケットの転送制御を行う。
(受信端末管理テーブル)
図3には、受信端末管理部25によって管理される受信端末管理テーブル30の詳細が示されている。図3に示すように、受信端末管理テーブル30では、「受信端末ID」フィールド、「傍受」フィールド、「リンクロス率」フィールドが設けられ、無線通信端末1〜5のエントリが登録される。
「受信端末ID」フィールドには、無線通信端末1〜5を一意に識別できる識別子(受信端末ID)が登録される。識別子としては、例えば無線通信端末1〜5のIPアドレスを用いることができる。ここでは、便宜的に、無線通信端末1、2、3、4、5の受信端末IDをそれぞれ1、2、3、4、5とする。
「傍受」フィールドには、無線通信端末1〜5が、データパケットを傍受するのか(第2の無線通信端末であるのか)、受信するのか(第1の無線通信端末であるのか)が設定される。データパケットを受信する場合には、送信先(第1の無線通信端末)として「No」が登録され、送信先とせず、他の送信先へ送信されるデータパケットを傍受させる場合には「Yes」が登録される。
「リンクロス率」フィールドには、無線アクセスポイント13から無線通信端末1〜5へ至るリンクのリンクロス率Li(i=1〜5)が設定される。
この受信端末管理テーブル30は、1つのマルチキャストグループにつき、1つ設けられている。無線通信端末の集合は、マルチキャストグループによって異なるので、マルチキャストグループ毎に、送信先とすべき第1の無線通信端末や、通信を傍受させるべき第2の無線通信端末も違ってくるからである。
次に、本実施形態に係る無線ネットワークシステム100の動作について説明する。
ここでは、まず、受信端末管理テーブル30の「リングロス率」フィールドにエントリされるリングロス率Liを取得する方法について説明する。続いて、受信端末管理テーブル30を活用してデータパケットのユニキャスト通信の送信先とその送信順序をどのようにするかという送信パターンを決定する方法である「送信パターンの決定方法」について説明する。さらに、「送信パターン」に基づいてデータパケットを転送する「パケット転送動作」について説明する。
≪リンクロス率を取得する方法≫
リンクロス率Liを取得する方法には、例えば、以下に示す方法がある。
(1)無線アクセスポイント13と無線通信端末1〜5との距離から推定する方法
(2)試験的なユニキャストフレームまたはブロードキャストフレームを送信し、そのフレームロス率を無線通信端末にて測定し、無線アクセスポイント13へ通知する方法
(3)データ通信中のフレームロス率を、無線通信端末1〜5にて測定し、無線アクセスポイント13へ通知する方法
その他、リンクロス率Liを取得できる方法であれば、任意に採用することができる。
これらの方法のうち、(1)の無線アクセスポイント13と各無線通信端末1〜5との距離から推定する方法について説明する。
自由空間モデルにおいて、無線通信に影響を与える要素は、電波伝搬における減衰と、無線通信端末1〜5での熱ノイズである。送受信点間(無線アクセスポイント13と、無線通信端末1〜5との間)の距離をrとし、無線通信に用いられる電波の波長をλとすると、電波の伝播損失ELは、次式で表される。
Figure 0005360905
次に、送信機(無線アクセスポイント13)の送信電力をPSとし、無線アクセスポイント13の送信アンテナの利得をGSとし、無線通信端末1〜5の受信アンテナの利得をGrとするとき、無線通信端末1〜5における受信電力Prは、次式で表される。
Figure 0005360905

この式を、フリスの伝達公式ともいう。
一方、熱ノイズPNは、ボルツマン定数k、絶対温度T、無線信号の帯域幅Bを用いて、次式で表される。
Figure 0005360905
以上より、SNR(Signal to Noise Ratio)γSNRは、次式のようになる。
Figure 0005360905
この場合、例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調の場合のビットエラーレートPBERは、次式のようになる。
Figure 0005360905

ここで、erfc()とは、誤差関数である。
ビットエラーレートPBERに基づいて、Bバイト(8×Bビット)長のフレームのリンクロス率Liは、次式を用いて算出される。
Figure 0005360905

受信端末管理部25は、例えば、無線通信端末1〜5からの受信強度により得られる無線通信端末1〜5との距離(無線アクセスポイント13と無線通信端末1〜5との間の距離)rに基づいて、上記式(1−1)〜式(1−5)を演算し、最終的に、式(1−6)を演算することにより、無線通信端末1〜5各々のリンクロス率Liを求め、受信端末管理テーブル30に登録する。
なお、上記式(1−1)〜式(1−6)は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調の場合の例であり、他の変調方式の場合においても、適切な演算式を用いることによりリンクロス率Liを算出可能である。なお、リンクロス率Liの算出方法の参考文献として、例えば、以下のものがある。
(参考文献)ワイヤレス基礎理論、野本真一著、電子情報通信学会
≪送信パターンの決定方法≫
次に、送信パターンの決定方法について説明する。
「送信パターンの決定方法」は、概略、以下の手順で行われる。
(1)全送信パターンの中から最適となり得ない送信パターンを選び出す(除外する送信パターンの決定)。
(2)選択された送信パターンを除外した上で、残りの送信パターンの中から最適な送信パターンを選択する(最適な送信パターンの決定)。
(送信パターンの決定方法:除外する送信パターンを決定する方法)
まず、上記(1)の方法、すなわち除外する送信パターンを決定する方法について説明する。
無線アクセスポイント13の受信端末管理部25は、すべての無線通信端末1〜5における配信率閾値Dが事前に設定されている。受信端末管理部25は、無線通信端末1〜5のパケット受信率(配信率)がD以上となるという条件で、送信に要する時間が最小となりえないものを除外する送信パターンとして選択する。無線アクセスポイント13から無線通信端末1〜5に至るリンクのリンクロス率Liは、受信端末管理テーブル30より得られる。
図4には、無線通信端末1〜5が5個(これらをノード1、ノード2、 ノード3、ノード4、ノード5とする)のときのすべての送信パターンを数え上げた送信パターンテーブル40の詳細が示されている。図4では、例えば、データパケットをノードaに対して送信した後、ノードbに送信する場合の送信パターンについては、(a、b)と表記されている。なお、図4では、送信先の数が4、5の場合の送信パターンについては、代表してノード1より送信開始する送信パターンのみが記述され、ノード2、3、4、5より送信開始するパターンについては、その表記が省略されている。
送信パターンテーブル40より、無線通信端末が5個である場合の送信パターンの総数は、次式のように、325通りとなる。
Figure 0005360905

この325通りすべての送信パターンにおける送信完了時間を求めようとすると多くの時間が必要になる。そこで、この方法では、まず、各ノードの配信率が配信率閾値D以上となるための最低限必要な送信回数を算出し、その送信回数を越える送信パターンを後の計算対象から除外する。
無線アクセスポイント13から通信可能な範囲にN個の無線通信端末(受信端末IDは、1,2,…,N)が存在するものとする。本実施形態では、N=5となっている。また、無線アクセスポイント13から無線通信端末i(i=1〜5)に至るリンクのリンクロス率Liのうち、最大のリンクロス率をLmaxとする。
無線アクセスポイント13が、データパケットを送信する場合に、すべての無線通信端末1〜5の配信率を配信率閾値D以上とするために必要なデータパケットの送信回数をnとする。この場合、送信回数nと配信率閾値Dとの間には、次式で規定される条件式が成り立つ。
Figure 0005360905

上記式(2−1)から、次式が導き出される。
Figure 0005360905

ここでは、対数の底を10とする。なお、底は1より大きい値であれば任意の値を設定することができる。
上記式(2−2)を満たす整数nのうち、最小の整数nminは、次式のようになる。
Figure 0005360905

この最小の整数nmが、すべての無線通信端末1〜5の配信率を配信率閾値D以上とする最小の送信回数であり、送信先のノード数がnminを超え、送信完了までの時間が増大する送信パターンは、選択される余地がない。
すなわち、すべての送信パターンを考慮すると、
Figure 0005360905

通りの送信パターンでの送信時間の計算が必要となるが、送信ノード数がより大きい送信パターンを省くと、
Figure 0005360905

通りの送信パターンでの送信時間の計算ですむ。この結果、
Figure 0005360905

通りの送信パターンでの送信時間の計算を省略することができる。
例えば、本実施形態のように、無線通信端末が5個であり、Lmax=0.1、D=0.999であるとき、
Figure 0005360905

であるから、最小の送信回数nmは3回となる。そこで、全送信パターン数
Figure 0005360905

の中で、送信ノード数が3より大きい送信パターンを省くと、
Figure 0005360905

通り(送信パターンテーブル40における「送信先の数」が1と2と3である送信パターンの合計)での送信時間の計算ですむ。
(送信パターンの決定方法:最適な送信パターンの決定方法)
次に、最適な送信パターンの決定方法について説明する。この方法では、上記で残った
Figure 0005360905

通りの送信パターンについて、送信完了までに要する時間が最小になるものを選択する。この選択方法は、同様の結果が導かれる方法であれば任意の方法を適用することができる。以下ではこの方法の一例として、最適な送信パターンを解析的に求める方法について説明する。
まず、N(本実施形態では5)個の受信ノード(無線通信端末)が存在し、そのうち1個の受信ノード(ノード1)に対してデータパケットのユニキャスト送信をし、他のN−1個のノード(ノード2〜ノードN)については、ノード1宛のデータパケットのユニキャスト送信を傍受する送信パターンにおける送信完了までに要する時間の算出方法について説明する。
ここでは、ノード1〜Nの受信率d1〜dN及び送信回数の期待値t1〜tNを求める。
このユニキャスト送信において、再送を含めた最大送信回数をM(=m+1,mは最大再送回数)とすると、ノード1の受信率d1は、
1=1−L1 M …(3−1)
となる。
この場合、ノード1への送信回数の期待値t1は、以下のようにして求まる。
まず、無線アクセスポイント13の1回目の送信により、ノード1が受信成功する確率をP1,1とし、2回目の送信で受信成功する確率をP1,2とし、M−1回目の送信で受信成功する確率をP1,M-1とし、M回目の送信で受信成功する確率をP1,Mとすると、P1,1、P1,2、…、P1,M-1、P1,Mを、それぞれ以下のように規定することができる。
Figure 0005360905
これらを用いて、ノード1が受信成功する場合の中での、ノード1への送信回数の期待値t1は、次式を用いて算出される。
Figure 0005360905
続いて、ノード1へ送信されるデータパケットをノード2の受信率d2、すなわち、ノード2が傍受成功する確率(=ノード2の傍受受信率)d2を求める。ノード1へのデータパケットの送信回数ごとに、ノード2の傍受受信率d2を計算すると、以下のようになる。
まず、ノード1への送信が1回で完了する確率はP1,1であるため、そのデータパケットをノード2が受信成功する確率はP1,1×(1−L2)となる。
また、ノード1への送信が2回で完了する確率はP1,2であるため、それらのパケットのうち少なくとも1個をノード2が受信成功する確率はP1,2×(1−L2 2)となる。
同様に、ノード1への送信がM回で完了する確率は、P1,Mであるため、それらのパケットのうち、少なくとも1個をノード2が受信成功する確率はP1,M×(1−L2 M)となる。
以上のことから、次式のように、これらの確率を足し合わせれば、ノード2の傍受受信率d2を求めることができる。
Figure 0005360905

同様に、2≦n≦Nを満たす整数nを用いると、ノードnの傍受受信率dnは、次式で表される。
Figure 0005360905
次に、ノード2が傍受成功する場合における、ノード1への送信回数の期待値t2を求める。
ノード1への送信が1回で完了する確率をQ1,1とし、2回で完了する確率をQ1,2とし、M−1回で完了する確率をQ1,M-1とし、M回で完了する確率をQ1,Mとすると、これらは以下のように表される。
Figure 0005360905

上記式(3−6)に示すように、Q1,1〜Q1,M-1は、P1,1〜P1,M-1と等しいが、Q1,Mには、ノード1がM回の送信すべてを受信失敗する確率L1 Mを加算する必要がある。
これらを用いて、ノード2が傍受成功する場合におけるノード1への送信回数の期待値t2は、次式を用いて算出される。
Figure 0005360905

同様に、2≦n≦Nを満たす整数nを用いて、ノードnが傍受成功する場合における、ノード1への送信回数の期待値tnは、次式を用いて算出される。
Figure 0005360905
このようにして、この送信パターンにおいて、各ノードが受信成功又は傍受成功するまでに無線アクセスポイント13がデータパケットを送信する送信回数の期待値{t1,t2,…,tN}と、各ノードの受信率{d1,d2,…,dN}を求めることができる。
図4に示される送信パターンのうち、除外されなかった送信パターンに対して、上記と同様の計算を行い、各ノードの受信率{d1,d2,…,dN}が配信率閾値D以上のものを選び出し、その中で各ノードへの送信回数の期待値の和
Figure 0005360905

が最小となるものを選ぶ。なお、最小となるものが複数ある場合には、その中から任意に選んでよい。
図5には、リンクロス率を取得する方法及び送信パターンの決定方法を行う際の受信端末管理部25の動作のフローチャートが示されている。
図5に示すように、まず、受信端末管理部25は、無線アクセスポイント13と無線通信端末1〜5との間の距離rに基づいて、上記式(1−1)〜式(1−5)を演算し、最終的に、式(1−6)を演算することにより、無線通信端末1〜5各々のリンクロス率Liを取得する(ステップS1)。続いて、受信端末管理部25は、リンクロス率Liを、受信端末管理テーブル30に登録する(ステップS2)。
続いて、受信端末管理部25は、リンクロス率Liの中から、最大リンクロス率Lmaxを特定する(ステップS3)。続いて、受信端末管理部25は、上記式(2−2)、式(2−3)を用いて、最小の整数nminを算出する(ステップS4)。
続いて、受信端末管理部25は、現在計算中の送信パターンに係る受信端末数kを1に初期化する(ステップS5)。続いて、受信端末管理部25は、受信端末数kに係る送信パターンを選択する(ステップS6)。続いて、受信端末管理部25は、上記式(3−1)〜式(3−8)を用いて、選択された送信パターンにおける送信回数の期待値tn及び受信率dnを算出する(ステップS7)。続いて、受信端末管理部25は、受信端末数kの全送信パターンの選択が終了したか否かを判定する(ステップS8)。
受信端末数kの全送信パターンの選択が終了していなければ(ステップS8;No)、受信端末管理部25は、まだ選択されていない受信端末数kに係る送信パターンを選択し(ステップS6)、上記式(3−1)〜式(3−8)を用いて、選択された送信パターンにおける送信回数の期待値tn及び受信率dnを算出する(ステップS7)。
このようにして、ステップS6→S7→S8が繰り返され、例えば、図4に示すように、受信端末数1における送信パターン(1)、(2)、(3)、(4)、(5)(図4参照)それぞれの送信回数の期待値tn及び受信率dnが算出される。
受信端末数kの全送信パターンの選択が終了すると(ステップS8;Yes)、受信端末管理部25は、受信端末数kを1インクリメントし(ステップS9)、受信端末数kが最小の整数nminを超えたか否かを判定する(ステップS10)。受信端末数kが最小の整数nminを超えていなければ(ステップS10;No)、受信端末管理部25は、受信端末数k(ここでは2)に係る送信パターンを選択し(ステップS6)、選択された送信パターンにおける送信回数の期待値tn及び受信率dnを算出する(ステップS7)。
この後、ステップS6→S7→S8が繰り返され、受信端末数2における送信パターンである20パターン(図4参照)について、それぞれの送信回数の期待値tn及び受信率dnが算出される。
受信端末数kの全送信パターンの選択が終了すると(ステップS8;Yes)、受信端末管理部25は、受信端末数kを1インクリメントし(ステップS9)、受信端末数kが最小の整数nminを超えたか否かを判定する(ステップS10)。受信端末数kが最小の整数nminを超えていなければ(ステップS10;No)、受信端末管理部25は、受信端末数kに係る送信パターンを選択し(ステップS6)、選択された送信パターンにおける送信回数の期待値tn及び受信率dnを算出する(ステップS7)。
この後、ステップS6→S7→S8が繰り返され、受信端末数3における送信パターンである120パターン(図4参照)について、それぞれの送信回数の期待値tn及び受信率dnが算出される。
受信端末数kの全送信パターンの選択が終了すると(ステップS8;Yes)、受信端末管理部25は、受信端末数kを1インクリメントし(ステップS9)、受信端末数kが最小の整数nminを超えたか否かを判定する(ステップS10)。
最小の整数nminが3の場合、受信端末数kが4になると、最小の整数nminを超えているので(ステップS10;Yes)、受信端末管理部25は、全受信率dnが配信率閾値D以上のもののうち、各ノードへの送信回数の和(上記式(3−9))が最小となる送信パターンを決定する(ステップS11)。受信端末管理部25は、決定された送信パターンに従って、受信端末管理テーブル30の「傍受」フィールドに「Yes」又は「No」を登録、すなわち送信パターンを登録する(ステップS12)。
この後、受信端末管理部25は、処理を終了する。
なお、上記の計算の過程で、ある送信パターンにおいて、すべてのノードの受信率d1〜dnが、配信率閾値D以上である場合、その送信パターンを含みその順序が逆転しない送信パターンでは、必ず、各ノードの受信率が配信率閾値D以上であり、かつ、送信回数が大きくなる。そのような送信パターンの中には送信回数が最小となるものは存在し得ないため、計算の対象から除外することができる。
例えば、ノード2、ノード3に、この順番でデータパケットをユニキャスト送信する送信パターン(2、3)で、各ノードの受信率が配信率閾値以上である場合、(2、3)を含みその順序が逆転しない送信パターン、具体的には次の9通りの送信パターン:(1、2、3)、(2、1、3)、(2、3、1)、(2、3、4)、(2、3、5)、(2、4、3)、(2、5、3)、(4、2、3)、(5、2、3)については、計算対象から除外することができる。
≪パケット転送動作≫
次に、無線アクセスポイント13におけるデータパケットのパケット転送動作について説明する。
マルチキャストソース11がデータパケットを送信すると、そのデータパケットは、マルチキャストネットワーク12を介して無線アクセスポイント13に到達する。
無線アクセスポイント13の物理インターフェイス部21は、データパケットを受信すると、そのデータパケットを通信制御部23に出力する。通信制御部23は、データパケットを転送制御部26に出力する。
図6には、転送制御部26の動作が示されている。図6に示すように、まず、転送制御部26は、データパケットに含まれる宛先IPアドレスを取得する(ステップS21)。続いて、転送制御部26は、受信端末管理部25から、そのIPアドレスに対応する受信端末管理テーブル30の中で「傍受」フィールドが「No」に設定されている無線通信端末の受信端末IDを問い合わせて取得する(ステップS22)。
続いて、転送制御部26は、取得された受信端末IDに対応する無線通信端末宛てのデータパケットを作成し、通信制御部24に出力する(ステップS23)。通信制御部24は、入力されたデータパケットを、物理インターフェイス部22を介して、無線ネットワークの信号に変換して電波発信する。
これまで、「送信パターンの決定方法」と「パケット転送動作」について詳細に説明した。無線アクセスポイント13がこれらの方法や動作は、様々なタイミングで実行することができる。例えば、マルチキャストネットワーク12が構築された時または無線ネットワークが構築された時に、一度「送信パターンの決定方法」を実行し、その後、データパケットが到着する度に「パケット転送動作」を実行するようにしてもよい。また、一定周期で「送信パターンの決定方法」を実行し、それと平行して、データパケットが到着する度に「パケット転送動作」を実行するようにしてもよい。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態によれば、送信パターン除外部が図5のステップS2〜S10に対応し、送信パターン決定部がステップS11に対応する。また、第1の算出部が、ステップS1〜S4に対応し、第2の算出部がステップS6〜S10に対応する。また、リンクロス率算出部、リンクロス率取得部が、ステップS1に対応する。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、無線アクセスポイント13から無線通信端末1〜5へデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信する場合において、無線通信端末1〜5のリンクロス率に基づいて、実際にデータパケットがユニキャスト送信される第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、データパケットの送信回数が最小となる最適な送信パターンを決定する。これにより、高い配信率を維持したまま送信回数を削減することができる。
また、本実施形態によれば、無線通信端末1〜5のリンクロス率Liに基づいて、送信パターンを決定する計算の中で、最適とはなりえない送信パターンを選び出し、それらを最適な送信パターンを決定するための計算の計算対象から除外する。このようにすれば、最適な送信パターンを決定するための計算の計算量を削減することができるので、処理時間を短縮することができる。
≪第2の実施形態≫
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、受信端末管理テーブル30を、複数のマルチキャストグループで共有する方法について説明する。
上記第1の実施形態では、無線アクセスポイント13において個々のマルチキャストグループでそれぞれ個別に受信端末管理テーブル30を有するものとした。このようにすれば、各グループの無線通信端末のマルチキャスト参加状態を把握して、グループごとに受信ノードとするか、傍受させるかをきめ細かく決定することができる。また、送信パケットの数を最小にすることができる。
しかしながら、個々のマルチキャストグループでそれぞれ個別に受信端末管理テーブル30を有するものとすると、グループごとに送信パターンを決定するための計算を行う必要があるため、計算量が膨大になる。
そこで、本実施形態では、無線アクセスポイント13が有する受信端末管理テーブル30を1つだけとし、その受信端末管理テーブル30を、複数のマルチキャストグループに適用する。
より具体的には、すべてのマルチキャストグループの無線通信端末を1つのマルチキャストグループの無線通信端末であると仮定して、上記第1の実施形態と同様の方法で送信パターンを決定するための計算を行う。例えば、図7に示すように、無線通信端末1、2がグループ51に、無線通信端末3〜5がグループ52に、無線通信端末6〜8がグループ53にそれぞれ所属している場合、無線通信端末1〜8がグループ61に所属しているとして、上記第1の実施形態と同様の方法で送信パターンを決定する。
このようにすると、決定すべき送信パターンの数は1つだけなので、全体の計算量を少なくすることができる。ただし、この方法を用いると、各マルチキャストグループにとって最小でない送信回数になる可能性があることに留意すべきである。
さらに、無線アクセスポイント13において管理する受信端末管理テーブル30の数を少なくし、一部のマルチキャストグループでは受信端末管理テーブル30を共有し、他の部分では第1の実施形態と同様に、マルチキャストグループ1つにつき、受信端末管理テーブル30を1つずつ備えるようにすることも可能である。
≪第3の実施形態≫
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、無線ネットワークを多段に接続したマルチホップ形態をとる無線マルチホップネットワークに構築される無線ネットワークシステム100について説明する。
図8には、本実施形態に係る無線ネットワークシステム100の構成が示されている。図8に示すように、この無線ネットワークシステム100では、図1における無線アクセスポイント13が、複数の無線マルチホップアクセスポイント14、15、16、17に置き換わっている。
マルチキャストソース11から送信されるデータパケットは次の2つの経路で無線通信端末11へ配信され得る。
(1) マルチキャストソース11→ マルチキャストネットワーク12→無線マルチホップアクセスポイント14→無線マルチホップアクセスポイント15→無線マルチホップアクセスポイント17→無線通信端末1、2、3、4、5
(2) マルチキャストソース11→マルチキャストネットワーク12→無線マルチホップアクセスポイント14→無線マルチホップアクセスポイント16→無線マルチホップアクセスポイント17→無線通信端末1、2、3、4、5
無線マルチホップネットワークは、隣接する無線マルチホップネットワークとの間で、適切な経路構築プロトコルを使用してマルチキャスト配信経路を構築したり、障害状況によって配信経路を動的に変更したりすることにより、上記の2経路のうち、どちらかを選択する。この経路構築プロトコルには、上述のWRMを用いることができる。
図9に示すように、無線マルチホップアクセスポイント17は、無線アクセスポイント13の構成(図2参照)に加え、経路制御部27、データキャッシュ28及び経路管理部29をさらに備える。
経路制御部27は、無線通信端末1〜5から受信した経路制御用パケットの内容に基づいて、配信元と無線通信端末との間を結ぶ、マルチキャストデータパケットの転送経路を、ユニキャスト経路に基づいて構築する。
データキャッシュ28は、マルチキャストデータパケットを一時的に保存する。経路管理部29は、マルチキャストルーティングテーブル(MRT)60及びソースゲートウエイテーブル(SGWT)70などの管理テーブルを有し、これらの管理テーブルに基づいて、マルチキャストデータパケットの転送経路を管理する。
転送制御部26は、構築されたマルチキャストデータパケットの転送経路に沿って、データリンク層の送信方式として、到達確認及び再送制御のあるユニキャスト送信を用いて、直接接続された転送先に転送する。
なお、無線マルチホップアクセスポイント14、15、16の構成も、図9に示す構成と同じである。
なお、上記実施形態で実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
本発明は、無線ネットワーク上でのマルチキャスト通信、具体的には、映像配信、音声配信、テキストデータ配信、その他の形式の情報配信に適用できる。
以下に、請求項に係る発明をさらに詳細に特定した発明を付記する。
(付記1)前記無線通信端末において測定された前記データパケットのフレームロス率を前記リンクロス率として前記無線通信端末から受信するリンクロス率取得部をさらに備える。
(付記2)前記第1の算出部は、
前記無線通信端末との距離から求められる電波伝搬における減衰と、前記無線通信端末での熱ノイズとに基づいて、信号対雑音比を算出し、
前記信号対雑音比に基づいて、ビットエラーレートを算出し、
算出された前記ビットエラーレートに基づいて、リンクロス率を算出する。
(付記3)前記第2の算出部は、
前記最大送信回数及び前記リンクロス率に基づいて、前記第1の無線通信端末の前記データパケットの受信率を、前記配信率として求め、
前記リンクロス率に基づく送信回数に対応する受信成功確率と、前記データパケットの受信率とに基づいて、前記第1の無線通信端末への前記データパケットの送信回数の期待値を求め、
前記最大送信回数及び前記リンクロス率に基づいて、前記第1の無線通信端末へ送信される前記データパケットの前記第2の無線通信端末の傍受受信率を、前記配信率として求め、
前記第1の無線通信端末への前記データパケットの送信が完了する送信回数の確率と、その送信回数で前記第2の無線通信端末が傍受に成功する確率との積に基づいて、前記第2の無線通信端末の前記データパケットの送信回数の期待値を求める。
(付記4)前記第2の算出部は、
前記第1の無線通信端末の数が前記最小数を超えない前記送信パターンの中から、前記配信率が前記所定の閾値以上の前記送信パターンが検出されると、前記送信パターンを含む前記送信パターンを、前記配信率及び前記期待値との算出対象から除外する。
1、2、3、4、5 無線通信端末
11 マルチキャストソース
12 マルチキャストネットワーク
13 無線アクセスポイント
14、15、16、17 無線マルチホップアクセスポイント
21、22 物理インターフェイス部
23、24 通信制御部
25 受信端末管理部
26 転送制御部
27 経路制御部
28 データキャッシュ
29 経路管理部
30 受信端末管理テーブル
40 送信パターンテーブル
51、52、53 グループ
61 グループ
60 マルチキャストルーティングテーブル(MRT)
70 ソースゲートウエイテーブル(SGWT)
100 無線ネットワークシステム

Claims (10)

  1. 複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信する無線通信装置であって、
    前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になるという条件で、前記複数の無線通信端末を、実際に前記データパケットが送信される第1の無線通信端末と前記データパケットを傍受させる残りの第2の無線通信端末とに分けたときの前記第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外する送信パターン除外部と、
    前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、前記送信パターン除外部によって除外された前記送信パターン以外の前記送信パターンの中から、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する送信パターン決定部と、
    を備える無線通信装置。
  2. 前記送信パターン除外部は、
    前記複数の無線通信端末各々との間のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になる前記第1の無線通信端末の最小数を算出する第1の算出部と、
    前記第1の無線通信端末の数が前記最小数を超えない前記送信パターン各々について、前記リンクロス率と、前記ユニキャスト通信の最大送信回数とに基づいて、前記複数の無線通信端末各々の配信率と、前記複数の無線通信端末各々における前記データパケットの受信又は傍受に成功する成功回数の期待値とを算出する第2の算出部と、
    を備え、
    前記送信パターン決定部は、
    前記配信率が前記所定の閾値以上であり、前記成功回数の期待値の和が最小となる前記送信パターンを最適な前記送信パターンとして決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 決定された前記送信パターンに従って、受信された前記データパケットの転送制御を行う転送制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
  4. 前記無線通信端末との距離に基づいて、前記複数の無線通信端末各々との間のリンクロス率を算出するリンクロス率算出部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  5. 前記複数の無線通信端末が、複数のグループに分けられ、
    前記送信パターン除外部は、
    全てのグループの前記無線通信端末を、1つのグループの前記無線通信端末であると仮定したときの送信パターンについて、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外し、
    前記送信パターン決定部は、
    全てのグループの前記無線通信端末を、1つのグループの前記無線通信端末であると仮定したときの送信パターンについて、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  6. 無線ネットワークの無線中継ノードとして用いられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  7. 配信元と前記複数の無線通信端末との間を結ぶ、前記データパケットの転送経路を、ユニキャスト経路に基づいて構築する経路構築部をさらに備え、
    前記転送制御部は、
    前記経路構築部により構築された前記データパケットの転送経路に沿って、データリンク層の送信方式として、到達確認及び再送制御のあるユニキャスト送信を用いて、前記データパケットを、直接接続された転送先に転送する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の無線通信装置を備える無線ネットワークシステム。
  9. 複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信するデータ転送方法であって、
    前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になるという条件で、前記複数の無線通信端末を、実際に前記データパケットが送信される第1の無線通信端末と前記データパケットを傍受させる残りの第2の無線通信端末とに分けたときの前記第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外する送信パターン除外工程と、
    前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、前記送信パターン除外工程によって除外された前記送信パターン以外の前記送信パターンの中から、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する送信パターン決定工程と、
    を含むデータ転送方法。
  10. 複数の無線通信端末に対してデータパケットをユニキャスト通信によりマルチキャスト送信する無線通信装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、全ての前記無線通信端末の配信率が所定の閾値以上になるという条件で、前記複数の無線通信端末を、実際に前記データパケットが送信される第1の無線通信端末と前記データパケットを傍受させる残りの第2の無線通信端末とに分けたときの前記第1の無線通信端末とその送信順序である複数の異なる送信パターンの中から、送信に要する時間が最小となりえない前記送信パターンを除外する送信パターン除外手段と、
    前記複数の無線通信端末各々のリンクロス率に基づいて、前記送信パターン除外手段によって除外された前記送信パターン以外の前記送信パターンの中から、前記データパケットの送信回数が最小となる最適な前記送信パターンを決定する送信パターン決定手段と、
    して機能させるプログラム。
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