JP5360896B2 - 太陽熱蓄熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽熱を効率よく蓄熱する太陽熱蓄熱装置に関するものである。
エネルギーの多くは石油、石炭、そして電力を元にして作られている。そのために高いコストと有害な物質による公害、自然環境破壊、地球温暖化を招いてきた。再生可能エネルギーといわれる自然界の太陽、風力、水力のエネルギーを電力に変換して有効利用が図られて入るが、変換するための施設費、維持費に大きなコストがかかる。
又原子力発電も高いコストと危険性が伴う。
また、太陽光線を利用する太陽電池は開発されているが、太陽電池が高価であるばかりか蓄熱装置としては効率は低く、太陽熱を利用して水を温める温水器は従来より開発されてきたが、北海道などの寒冷地で夏場は利用できるが冬場では高温の水を得ることは困難であった。
特開2004−205183公報 特開2002−130841公報
本発明の課題は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、太陽の熱エネルギーを効率よく水に蓄熱することにより、クリーンなエネルギーを安いコストでいつでも誰でもどこでも有効活用することが出来る太陽熱蓄熱装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、円盤状あるいは多角形の底部2と該底部上にドーム部3あるいは多角錐部5の集熱部とを設けた太陽熱蓄熱装置1であって、前記底部2の床面部には黒色の黒色多孔樹脂板6を敷き詰めるとともに下部は底部水槽21を設け、前記集熱部の太陽光線に照らされる部分には二重のビニールシート34,35又はガラス53を張り巡らし、前記集熱部の太陽光線に照らされない部分の内周面には反射する鏡部36を張り巡らすとともに外周面に断熱材38を張り巡らし、該集熱部をほぼ密封状態にするとともに頂部32には噴霧部33を設け、前記水槽21の底部2と蓄熱貯水槽部4を連結して該蓄熱貯水槽部4に温水を貯留し、その温水を更にポンプ45によって前記噴霧ノズル331に供給し、該噴霧部33から温水を集熱部内に霧状に噴霧し、霧状から水滴になった水を黒色多孔樹脂板6に接触又は透過させ、底部水槽21に循環させることを特徴とする太陽熱蓄熱装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の太陽熱蓄熱装置において、前記黒色多孔樹脂板6は、黒色染料を含有した水性アクリル樹脂とシリカと笹ファイバーとを混合して硬化させた多孔素材であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の太陽熱蓄熱装置おいて、前記集熱部の二重のビニールシート34又はガラス53は、外周面側においては透明ビニールシート34又はガラスを設け、内周面側には遠赤外線を抑える半透明のビニールシート35又はガラスを張り巡らしたことを特徴とする。
本発明の太陽熱蓄熱装置によれば、ビニールシート又はガラスのドームまたは多角錐の集熱部に集熱するので、太陽熱を自然環境の変化や気象の変化にあまり影響されず、さらに、集熱部の構造はすこぶるコストが安く、耐久力があり維持費も低いとうい効果がある。また、熱の蓄積媒体もドーム部内に集熱された熱エネルギーをミスト状にして散布した水に蓄熱し、循環して用いることができるので効率よく蓄熱でき、また、二重のシートにより集熱部内の太陽熱の放熱を防ぎ、集熱を高めるために反射鏡を設置し、熱を吸収蓄積する黒色多孔樹脂板を設置して集熱効果を高めることができるという効果がある。
本発明の太陽熱蓄熱装置の実施例1の側断面図、 図1の平面図 図1の南側の部分拡大断面図、 図1の北側の部分拡大断面図、 本発明の蓄熱作用のフローチャートの図、 本発明の太陽熱蓄熱装置の実施例2の側断面図、 図6の平面図である。
本発明は、ドームあるいは多角錐の集熱部としてビニールシート(フィルム)又はガラス(又はアクリル樹脂)を二重に張り巡らし、太陽光線に照らされない部分の内周面に内部に反射する鏡部を張り、外周面に断熱材を張り、熱を吸収蓄積する黒色多孔樹脂板を床に敷き詰め、さらに、集熱部の温水を噴霧部により循環させて、集熱効果を高めることを実現した。
本発明の好適な太陽熱蓄熱装置の実施例1を図面に沿って説明する。
図1に示すように、太陽熱蓄熱装置1は円盤状の底部2と半球状のドーム3と蓄熱貯水槽部4とから構成される。
本実施例に用いたドームの規模は、円盤状の底部2の直径L=1.2m、ドーム部3の高さH=1.2mであり、底部2の下部は水槽21の深さh=15cmであり、また、蓄熱貯水槽部4は水槽21の容積の約1.5〜3倍である。
底部2の水槽21の上の全面には黒色多孔樹脂板6を敷き詰めてあり、底部2の底には蓄熱貯水槽部4の温水タンク41に通じる連通管42が設けられている。
[ドーム状の集熱部]
実施例1のドーム状の集熱部としては、底部2の上部にドーム部3が設けられるが、ドーム部3は6本(数本)の円弧状のポール31よりなる枠体部が底部2の外周に亘って等間隔に立てられ、頂部32で結合して、その頂部32には噴霧装置33が固定され噴霧装置33のドーム部3の内周側には噴霧ノズル331が設けられ、この噴霧ノズル331はドーム部3内に均一に充満するように4個設けてある。6本(数本)の円弧状のポール31の太陽光線が照らされる南側部分には外周面に透明のシート34と内周面に保温性半透明のシート35を張り巡らし、ドーム部3の太陽光線が照らさない北側部分には内周面に内部へ熱反射する鏡部(反射板)36を張り巡らして、必要に応じて外周にはシート押さえポール38(図3)を設けてもよく、底部2には内周に沿ってシートを内側から支える円形ポール23(図2)を設け、ほぼドーム内を密封状態にしている。
[集熱部のビニールシート]
このシートの部分は、図3に示すように、二重のビニールシートうち、外周面側には透明シート34を張り巡らすが、この透明シートとしては厚さ0.075mm(シーアイ化成(株):スカイエイト.透明率95%(当初)(3年使用後70%)を使用した。透明シートは太陽光線を取り込む性能が高いものが良く、透明、或いは、ほぼ透明(透明率90%以上)に近いのものがよい。また、内周面側には遠赤外線を抑える半透明シート35を張り巡らすが、この半透明としては0.1mm(シーアイ化成(株):ハイホットスカイエイト(商標))を使用した。この半透明シートの透明性は直進光線(550mm)透過率75%で全光線(550mm)透過率90%程度であるが、保温性に関する遠赤外線(5〜25μ)透過率は15%(一般農度25%)であり保温性を有するものである。そして、この二重のシートの間には、間隔0〜3cm(平均1cm)程度の空気層37が存在する。
また、図4に示すように、ドーム部3の太陽光線が照らさない部分の外側には断熱効果のあるビニールシート38を張り巡らし、その内周面に設ける熱反射の鏡部(反射板)36はビニールシートにアルミ箔を貼り付けたミラーである。
[噴霧装置]
図1に示すように、噴霧装置33には、蓄熱貯水槽部4の温水タンク41に通じる連通管43、ポンプ45、連通管44を介して接続され、噴霧装置33の噴霧ノズル331のミスト散布水量は120リットル/毎時である。また、温水タンク41で温水はさらに何度か循環され、更に温度を上昇させて蓄熱貯水槽部4の温水タンク41に温水として貯水され、必要に応じて、暖房用温水、風呂用温水等として供給管47からバルブ471(及び図示はしないポンプ)を介して 所定の装置に供給させる。空になった温水タンク41(例えば朝等)には、新たな水道水が補給管46及びバルブ461を介して満たされる。
[黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)]
熱を吸収し蓄積する機能を有する前記黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)6は、黒色染料を含有した水性アクリル樹脂とシリカと笹ファイバーとを混合して硬化させた多孔素材であり、水が透過する多孔質の素材であるが、この製法を更に詳しく説明する。
原材料内容、
(1)笹ファイバー:
一般栄養成分(エキス)を抽出した後の乾燥笹であり、腐敗や劣化のしなくなった植物繊維を主成分とするものを用いる。従来は廃棄しているものであり、これを理由することで、環境負荷を軽減する。
(2)シリカゲル:
砂上粒子で神天石(黒色天然鉱物)と呼ばれている(製造元:上の国町観光振興公社)
(3)合成樹脂塗料(水性黒色アクリル樹脂(製造元:大日本塗料(株))
上記の原料を20cm×30cm×(2〜6cm:高さ)の枠に、重量比笹ファイバー28%、シリカ22%、水性アクリル15%、水35%を混合して流し込み乾燥させて笹ファイバー黒色板を製造する。なお、笹ファイバー及びシリカと水性アクリル1の間に隙間が生じ、多孔質に水透過性の板となることが推測されるが、この水透過性は笹ファイバーの長さに強く関係し、また、板を薄くすると熱蓄積量(水に対する熱蓄積量と熱付与機能が水パイプよりも後述するデータでは大きい。)が少なく強度も小さいが、あまり厚くしすぎると透過性が消失するので、出来上がった黒色多孔樹脂板透過性は笹ファイバーの長さと板の厚さが集熱量や透水性に大きく影響し、本実施例1の熱蓄積板としての適正範囲が存在する。
笹ファイバーの長さによる水透過性の実験
黒色多孔樹脂板6の厚さを3cmとして、笹ファイバーの長さを(A)2〜3mm,(B)5〜7mm,(C)10〜12mmでの水透過性を調べた結果を[表1−1]に示す。
[表1−1]
Figure 0005360896
以上の結果から、 笹ファイバーの長さは、5mm〜12mmであれば、水の通過水量も十分に確保できることが判る。実施例1では、6mmの長さの 笹ファイバーの長さのものを使用した。
次に、6mm長の笹ファイバーを使用した場合、黒色多孔樹脂板6の厚さによる水通過率を調べた結果を[表1−2]に示す。なお、この実験での通水水量は3000gで、毎分560gを5分間を4個のノズル(孔径0.6mm)から噴霧した。
[表1−2]
Figure 0005360896
以上の結果から、黒色多孔樹脂板6の厚さは、15mm〜45mmであれば、水通過比率も高いことが判る。
以上の結果、笹ファイバーの長さを5mm〜12mmの内6mmとし、板の厚さ15mm〜45mmの範囲で、実施例1のドーム部3に使用した集熱部での蓄熱効果を調べたのが、[表1−3]である。
[表1−3]
Figure 0005360896
この試験の目的は、面積20cm×30cmの黒色板の厚さの違いにより、(1)黒色板の表面温度がどの程度にまで上昇するか(余り上昇しなければ、水の温度上昇が期待できない)。(2)黒色板表面の熱が下面にまで効率良く伝導して、板全体としての温度上昇がどの程度になるか。(3)黒色板の1時間後の放熱(熱容量)がどの程度かを調べてもので、余りに短時間で温度が下がるものは適当ではない。(4)費用対効果から適当な厚さがどの程度かである。
このような観点からすると、黒色多孔樹脂板6の厚さが15mm〜45mm範囲で、30mmの板が、表面温度もある程度上昇(67.2℃)し、下面温度もある程度上昇(54.3℃)し、戸外(23.9℃)に放置した場合の温度低下(35.1℃)も少なく、蓄熱効果及び費用対効果から適当であるので、本実施例の床全面に敷き詰める熱蓄積板としては、厚さ30mmで、面積20cm×30cmの前述した黒色多孔樹脂板を採用した。
本実施例1の太陽熱蓄熱装置1は以上の構成であるが、次に、その蓄熱作用を図4のフローチャート図で説明する。
図5において、ステップS1では、ドーム部3の内部に太陽光を二重の透明シート34及び半透明シート35を透して内部に取込む。ステップ2で、取り込まれた太陽光は熱となってドーム内部を暖めるが、半透明シート35及び鏡部(反射板)36により熱線は反射されて内部に留まり、又、半透明シート35により遠赤外線の外部への放熱を少なくする。
ある程度、ドーム部3内部の温度が上昇すると、ステップ3に進み、蓄熱貯水槽部4の温水タンク41から連通管43を介してポンプ45を稼働することによって温水を吸い上げ、更に連通管44から噴霧部33に供給し、ステップ4で噴霧部33の噴霧ノズル331から水を噴霧状にしてドーム部3内に散布する。
散布されたミストはドーム部3内の暖められている空気によって暖められ、水滴となって底部2に落下するが、ステップS5では、やはり暖められた底部2の黒色多孔樹脂板6に接触し透過して更に暖められて下部の水槽21に落下し、ステップ6で底部水槽21に集められて、ステップ7で水槽21の底に設けられた連通管42を通じて温水タンク41に貯留させる。
こうして、太陽が昇っていてドーム3が暖められている間は、ステップ7からステップ2に戻り、温水を循環させて更に温水の温度を上昇させる。
温水タンク41に所定温度になった温水は、ステップ8で必要に応じて暖房用温水、風呂用温水等として供給管47からバルブ471及びポンプを介してそれらの施設に供給する。
ここで、実施例の構成の作用につて実験結果を説明する。
[1.シートによる蓄熱効果]
ドーム部3のシートの構成は、本発明では二重のビニールシートとすることを特徴の一つとするが、先ず、シートの種類はドーム部3の内側のシートを保温性半透明シート(厚さ0.1mmシーアイ化成(株):ハイホットスカイエイト(商標))とした理由は、透明シートと半透明シートの集熱効率を比較した次の[表1−1]の実験結果であり、この表から透明シートを100%とした場合に、半透明シートの温度上昇は159%と明らかに保温性については半透明シートの方が有利であったからである。
ただし、本実験では、床面に敷く蓄熱材には黒色多孔樹脂板6ではなく、金属パイプをスノコ状に設けた構造を用いた。なお、立体多面積である金属パイプは、直径20mmのスチールパイプの表面を黒い塗料で塗って、約30本程度を平行に並べ全体を底部2の外周に合わせて、円状になるように切断し、針金等で適当な間隔に互いを連結したものを使用している。
[表2−1]

Figure 0005360896
次に、半透明シートの1枚(一重)の場合と、本実施例の外側透明シートで内側半透明シートの二重の場合と、更にその内側半透明シートの三重の場合の実験結果を[表2−2]と[表2−3]に示す。[表2−2]は天候が晴れ時々曇り日(4月)であり、[表2−3は天候が曇り時々雨の日(4月)である。以下の実験での対象蓄熱は同じ大きさの器に同じ水量の水を入れて、同じ環境下で測定した。
[表2−2]
Figure 0005360896
[表2−3]
Figure 0005360896
ここで、本実施例の外側透明シートで内側半透明シートとした理由を説明するが、意外であったのは、同じ透明と半透明の二重のシートの場合でも、半透明シートの配置位置によって集熱効果の実験値の[表2−4]に示すように異なることである。すなわち、ドーム部3の内側に熱反射効率のよい透明シートを、外側に半透明シートを配置した場合を100%とした場合に、内側に半透明シートを、外側に透明シートを配置した場合には125%も温度上昇が高くなることが判る。
[表2−4]
Figure 0005360896
上記の実験結果から、晴れであれ、曇りであれ、シートは一重(晴れ:18.0℃→48.0℃)よりも二重(晴れ:18.0℃→49.5℃)にした方が水温上昇は大きいが、三重にすると逆に水温上昇(晴れ:18.0℃→32.0℃)は鈍くなる。これはシートを重ねた方が熱反射や空気層の存在で保温効果が上がるが、あまり重ねると太陽光線の透過率が下がりドーム内の温度が上がらないものと考えられる。したがって、本実施例のように、外周に透明シート34、内周に半透明シート35の二重にする構成が最適である。
なお、透明シートのシーアイ化成(株)のスカイエイト(商標)以外にもMKVプラテック株式会社のノービエース(商標)でもよく、また、半透明のシーアイ化成(株)のハイホットスカイエイト(商標)以外にも、MKVプラテック株式会社のダンビーノ(商標)でもよく、それぞれ同等物性のシートであればよい。
[2.鏡部(反射板)の蓄熱効果]
ドーム部3の鏡部(反射板)36の構成は、ドーム部3の太陽光線が照らさない北側部分(多少の地域差はあるが)の約140度(頂部32)からの角度の範囲には内周面に内部へ反射する鏡部(反射板)36を張り巡らして、放熱を防ぐとともに、熱線を内部に反射して保温効果を高めている。この実験結果を[表3]に示す。
[表3]
Figure 0005360896
上記の実験結果から、鏡部(反射板)36を設けたほうが、比率で20%(100%→120%)も上昇することが判る。
[3.黒色多孔樹脂板とスノコ状黒色パイプとの蓄熱効果]
上述したようにドーム部3内の底部2にスノコ状に設けた立体多面積である表面黒色の金属パイプを設けたところ、この黒色の金属パイプはドーム部3内が噴霧状態であっても、かなりパイプの表面温度が上昇することを知見したので、この温度上昇をも取り込むために、噴霧した水が水滴となって落下する際に、このパイプにも接触させて更に温度上昇するように試みた。比較のため、これら金属板等の蓄熱部材を設けない場合と、平面金属板と、本実施例の表面黒色の金属パイプについて、同じ条件下で実験をした。この実験結果を[表4−1]に示す。
[表4−1]
Figure 0005360896
上記の実験結果から、金属板等の蓄熱部材を設けない場合と比較して、平面金属板をスノコ状に配置した場合は31%(100%→131%)上昇し、本実施例の立体多面積である表面黒色の金属パイプ22の場合は、63%(100%→163%)も上昇したことが判る。
次に、上記の黒色金属パイプに代えて、笹ファイバーを混入した20cm×30cm×3cmの黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)6を使用した場合の蓄熱効果を調べた。この結果を[表4−2]に示す。
[表4−2]
Figure 0005360896
上記の実験結果から、黒色金属パイプを設けた場合と比較して、黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)6を使用した場合は16%(100%→116.4%)上昇したことが判る。
したがって、実施例1のドーム型の太陽熱蓄熱装置1では、太陽に照らされる南側の面を外側を透明シート、内側を半透明シートの二重構造とし、太陽の光が当たらない北側は断熱シートで内側を反射鏡を貼り、床の前面には黒色多孔樹脂板6の厚さ3cmを敷き詰めた構造が最適である。
次に、製造が比較的簡単な多角錐型の太陽熱蓄熱装置1の実施例2を、図6、図7について説明する。
実施例1とは、集熱部5(集熱部3)が多角錐型であること以外は同じであるので、集熱部5以外の説明は省略する。
図6に示すように、底部2の上部には五角錐の集熱部5が設けられているが、頂部52で結合して、その頂部52には噴霧装置33が固定され集熱部5には噴霧ノズル331が設けられ、この噴霧ノズル331は集熱部5に均一に充満するように4個設けてある。五角錐にしたのは南側の3面が太陽に照らされ、北側の2面には日が当たらないからである。
そして、太陽光線が照らされる南側部分の三枚の三角形には外面にガラス板を、内面にビニールシートを張り巡らした。また、集熱部5の太陽光線が照らされない北側部分の二枚の三角形には内周面に内部に熱反射する鏡部(反射板)36を張り巡らし、外周面に断熱材38を張り巡らし、五角錐構造を維持するための受けを底部2に設けた。なお、五角錐のつなぎ部分には、直線状枠体51を設けて粘着力の強いテープで固定した。
集熱部5は、外周面側には透明なガラス53を張り巡らし、内周面側には黒色半透明シート54を張り巡らした。
上記のように、外側を透明ガラス53にして、内側を黒色半透明シート54にしたのは、次の[表5−1]の実験結果による。
[表5−1]
Figure 0005360896
上記の実験結果から、実施例2のように多角錐型を選定した場合、外側はガラス、内側に黒色半透明ビニールシート素材を使うことにより、集熱力が11.8%(89.2%→100%)高まることが判る。
また、実施例1と同様に、黒色金属パイプに代えて、笹ファイバーを混入した20cm×30cm×3cmの黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)6を使用した場合の蓄熱効果を調べた。この結果を[表5−2]に示す。
[表5−2]
Figure 0005360896
上記の実験結果から、黒色金属パイプの場合と比較して、黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)6を使用した場合は23%(100%→123.3%)上昇したことが判る。
したがって、実施例2の多角錐型の太陽熱蓄熱装置1では、太陽に照らされる南側の面を外側を透明ガラス、内側を黒色半透明シートの二重構造とし、太陽の光が当たらない北側は断熱シートで内側を反射鏡を貼り、床に黒色多孔樹脂板の厚さ3cmを敷き詰めた構造が最適である
[4.総合蓄熱効果]
以上の各蓄熱効果での最適なものを選択した実施例1と実施例2の太陽熱蓄熱装置1の蓄熱量と戸外の蓄熱量とを比較した実験結果を[表6]に示す。
[表6]は、曇り時々雨での実施例1及び実施例2の太陽熱蓄熱装置1との蓄熱量と外気温度との比較表である。
[表6]
Figure 0005360896
上記の実験結果は、[表6]では、曇り時々雨で外気温度上昇が僅か2.8℃程度であるにも拘わらず、最高温度は高く蓄熱量はおおむね高い蓄熱量となり、実施例2の多角錐型の太陽熱蓄熱装置1では37.2℃と1329%の高比率であり、実施例1のドーム型の太陽熱蓄熱装置1では40.2℃と1436%と高比率で、曇りでも蓄熱効果が高いことが判る。
これらの実験結果から、一般家庭一日のお湯の必要量を500リットルと想定すると直径1.8メートルのドームでまかなうことが出来る。また、ボイラーを付加することにより必要温度のコントロールでドーム面積はより少なく出来る。
以上のように、本実施例によれば、ドーム状又は多角錐の内部に集熱するので、太陽熱が自然環境の変化や気象の変化にあまり影響されず蓄熱でき、さらに、ドーム型や多角錐の構造はすこぶるコストが安く、耐久力があり、維持費も低い。なお、実施例2の多角錐を五角錐としたが、他の四角錐や六角錐の形状でも良いことは勿論である。
また、熱の蓄積媒体もドームや多角錐内に集熱された熱エネルギーをミスト状にして散布した水に蓄熱し、循環して用いることができるので効率よく蓄熱でき、また、二重のシートによりドーム内の太陽熱の放熱を防ぎ、集熱を高めるために反射鏡を設置し、床材としては黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)6を敷き詰めたので、高温となった黒色多孔樹脂板6に水滴が接触、或いは透過することにより効率的に熱を伝導でき集熱効果を高めることができる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、実施例1又は2での集熱部の材料としてビニールシートやガラスを用いたが、同等の作用・効果が得られるのであれば、透明或いは半透明のアクリル樹脂でもよいことは勿論である。
1・・ 太陽熱蓄熱装置
2・・底部、21・・底部水槽、
3・・ドーム部(集熱部)、31・・円弧状のポール、32・・頂部、
33・・噴霧部、331・・噴霧ノズル、
34・・透明(ビニール)シート、35・・保温性半透明(ビニール)シート、
36・・鏡部(反射板)、37・・空気層、38・・断熱材(ビニールシート)、
4・・蓄熱貯水槽部、41・・温水タンク、42,43,44・・連通管、
45・・ポンプ、 46・・補給管、47・・供給管、461,471・・バルブ
5・・多角錐部(集熱部)、51・・直線状枠体、52・・頂部、
53・・透明ガラス、54・・黒色半透明シート
6・・黒色多孔樹脂板(熱蓄積板)、

Claims (3)

  1. 円盤状あるいは多角形の底部と該底部上にドームあるいは多角錐の集熱部とを設けた太陽熱蓄熱装置であって、
    前記底部の床面部には黒色の黒色多孔樹脂板を敷き詰めるとともに、その下部は底部水槽を設け、前記集熱部の太陽光線に照らされる部分には二重のビニールシート又はガラスを張り巡らし、
    該集熱部の太陽光線に照らされない部分の内周面には反射する鏡部を張り巡らすとともに外周面に断熱材を張り巡らし、
    該集熱部をほぼ密封状態にするとともに頂部には噴霧部を設け、
    前記水槽の底部と蓄熱貯水槽部を連結して該蓄熱貯水槽部に温水を貯留し、その温水を更にポンプによって前記噴霧部に供給し、該噴霧部から温水を集熱部内に霧状に噴霧し、霧状から水滴になった水を黒色多孔樹脂板に接触又は透過させ、底部水槽に循環させることを特徴とする太陽熱蓄熱装置。
  2. 前記黒色多孔樹脂板は、黒色染料を含有した水性アクリル樹脂とシリカと笹ファイバーとを混合して硬化させた多孔素材であることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱蓄熱装置。
  3. 前記二重のビニールシート又はガラスは、外周面側においては透明のビニールシート、又はガラスを設け、内周面側には遠赤外線を抑える半透明のビニールシート、又はガラスを張り巡らしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽熱蓄熱装置。
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