JP5359862B2 - 無線通信装置、無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のノードが属するネットワーク内でのアドホック通信技術に関する。
アドホック無線ネットワークとは、無線通信装置間で直接通信することを可能にするとともに、直接電波が届かない無線通信装置間においてはその間にある無線通信装置が中継して相互の通信を可能にする無線ネットワークである。アドホック無線ネットワークでは、無線通信装置としての各ノードが自律的に構成され、各ノードがルータとしての処理を行うことで、ノード間の中継を可能にしている。なお、アドホック無線ネットワークは、マルチホップ無線ネットワークとも称される。
アドホック無線ネットワークにおいて、データ中継の通信経路を制御するルーティングプロトコルとしては、Reactive型プロトコルとProactive型プロトコルが知られている。Reactive型プロトコルでは、通信開始時に通信経路が検索され決定される。Proactive型プロトコルでは、非通信時に隣接ノード間でメッセージ交換が行われることで予め通信経路が決定される。Proactive型プロトコルで行われる隣接ノード間のメッセージ交換は、例えばHELLOパケット等の制御パケットをブロードキャストすることによって行われる。
アドホック無線ネットワークのルーティングプロトコル、すなわち通信経路制御方法は、様々な方法が提案されている。例えば、各ノードが隣接ノードとの間の接続性を表す接続確率を保持し、その接続確率の変化に基づいて通信経路の変更を行うようにしたものが知られている。この接続確率は、隣接ノードとの隣接リンクの信号対雑音比等によって算出される。
特開2007−243575号公報
ところで、従来のアドホック無線ネットワークの通信経路制御方法では、所定期間、例えばブロードキャストパケットの送信期間毎に宛先ノードまでのリンク品質を測定する。そして、宛先ノードまでの複数の経路候補の中から、上記所定期間の間の各経路候補におけるリンク品質の平均値に基づいて経路を決定している。
しかしながら、所定期間の間のリンク品質の平均値に基づいて経路を決定しようとすると、隣接ノード間のリンク品質が瞬時的に低下する場合には、経路の選択が適切に行われないことが生ずるという虞がある。すなわち、リンク品質の平均値が高いことをもって経路を選択したときに、その経路上の隣接ノードとの間のリンク品質が瞬時的に大きく低下した場合には、その隣接ノードへのデータ送信が正しく行われず、データの再送が発生する。これにより、ノード間のデータ通信時間が遅延する。
よって、発明の1つの側面では、アドホック通信を行う複数のノードが属する無線ネットワークにおいて、ノード間のデータ通信時間の遅延を抑制するようにした無線通信装置、無線通信方法を提供することを目的とする。
第1の観点では、アドホック通信を行う複数の無線通信装置が属する無線ネットワーク内の無線通信装置が提供される。
この無線通信装置は、
(A)データを新規に宛先ノードへ送信するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、宛先ノードまでの第1時間毎の第1リンク品質が所定の第1品質よりも良好となるような隣接ノードを送信先ノードとして選択する第1送信先決定部;
(B)データを再送するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、第1時間よりも短い第2時間毎の第2リンク品質が所定の第2品質よりも良好な隣接ノードを送信先ノードとして選択する第2送信先決定部;
を備える。
第2の観点では、アドホック通信を行う複数のノードが属する無線ネットワーク内の各ノードの無線通信方法が提供される。
この無線通信方法は、
(C)データを新規に宛先ノードへ送信するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、宛先ノードまでの第1時間毎の第1リンク品質が所定の第1品質よりも良好となるような隣接ノードを送信先ノードとして選択すること;
(D)データを再送するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、第1時間よりも短い第2時間毎の第2リンク品質が所定の第2品質よりも良好な隣接ノードを送信先ノードとして選択すること;
を含む。
開示の無線通信装置、無線通信方法によれば、アドホック通信を行う複数のノードが属する無線ネットワークにおいて、ノード間のデータ通信時間の遅延を抑制することができる。
第1の実施形態のアドホック無線ネットワークの構成例を示す図。 第1の実施形態の送信元ノードにおけるリンク情報を例示する図。 第1の実施形態の送信元ノードから宛先ノードまでのデータの通信方法を示すフローチャート。 第2の実施形態のアドホック無線ネットワークの構成例を示す図。 第2の実施形態のノードからブロードキャストされるHELLOパケットに含まれる情報の例を示す図。 第2の実施形態のノードが保持するトポロジーリストの例を示す図。 第2の実施形態のノードが保持する瞬時リンク品質リストの例を示す図。 第2の実施形態のノードの構成を示すブロック図。 第2の実施形態のノードにおいて、トポロジーリストを更新するときの処理を示すフローチャート。 第2の実施形態のノードにおいて、瞬時リンク品質リストを更新するときの処理を示すフローチャート。 第2の実施形態のノードがデータを送信するときの処理を示すフローチャート。 第3の実施形態のノードの瞬時リンク品質測定部の概略構成を示すブロック図。 第3の実施形態のノードが保持する瞬時リンク品質リストの例を示す図。 第3の実施形態のノードがデータを送信するときの処理を示すフローチャート。 第4の実施形態のノードがデータを送信するときの処理を示すフローチャート。 ノードがデータを送信するときの実施形態の変形例に係る処理を示すフローチャート。
(1)第1の実施形態
以下、第1の実施形態のアドホック無線ネットワーク(以下、適宜「ネットワーク」と略記する。)について説明する。
(1−1)本実施形態のアドホック無線ネットワーク
図1は、本実施形態のアドホック無線ネットワークの構成例を示す。図1に示すアドホック無線ネットワークは、無線通信装置としてのノードX,A1〜A3,Yを含む。このようなアドホック無線ネットワークにおいて、ノードXがノードYに対してデータを送信する場合を想定する。すなわち、ノードXは送信元ノードであり、ノードYは宛先ノードである。
本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、各ノードは、例えばHELLOパケット等の制御パケットをブロードキャストしている。すなわち、ネットワーク内の各ノードは、隣接ノードから受信した制御パケットを別の隣接ノードへ順次転送する。これにより、ネットワーク内の各ノードは、自ノード以外のノードに関する情報を取得する。各ノードから送信される制御パケットには、自ノードと通信可能な隣接ノードの情報と、自ノードと隣接ノードの間のリンク品質の指標となる情報とを含む。
各ノードは、他のノードから転送される制御パケットに含まれる、隣接ノードの情報(以下、「隣接ノード情報」という。)に基づいて、ネットワーク内のノード間の接続関係を示すトポロジー情報を逐次生成している。ネットワークへの新たなノードの参加、ネットワークからのノードの離脱、又はネットワーク内のノードの移動による当該ノードの隣接ノードの変化により、他ノードからの隣接ノード情報は刻々と変化しうる。よって、各ノードにおいて生成されるトポロジー情報は逐次更新される。
各ノードは、他のノードから転送される制御パケットに含まれる、リンク品質の指標となる情報(以下、「リンク品質値」という。)に基づいて、自ノードから、データ送信における宛先ノードまでの複数の経路ごとのリンク品質情報を逐次更新している。制御パケット内のリンク品質値は、隣接ノード間の第1時間毎のリンク品質値を含む。ここで、第1時間は、所定時間の定常的なリンク品質を取得する目的で設定される比較的長期の時間である。第1時間は、例えば制御パケットの送信間隔と同じ時間であるが、これに限定されない。第1時間毎のリンク品質値は、第1時間の間に得られた複数のリンク品質値のサンプルに対して統計処理されたリンク品質値、例えば第1時間の間の平均的なリンク品質値である。
第1時間毎のリンク品質値は、例えば、隣接ノード間の無線品質を示す値、隣接ノード間のトラフィック混雑度等である。無線品質を示す値は、例えば、SINR(Signal to Interference-plus-Noise power Ratio),SNR(Signal to Noise Ratio),CINR(Carrier-to-Interference-plus-Noise Ratio),RSSI(Received Signal Strength Indicator)等である。トラフィック混雑度は、例えば、一定時間で送信が成功する率(すなわち、再送が生じない率)、又は、送信ノード間の信号の衝突を検出するためのキャリアセンスの結果、一定時間内にデータを送信できない頻度(“Busy”となる頻度)である。トラフィック混雑度は、各ノードの送信バッファのデータの蓄積度合いと関連付けることもできる。
本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、データを宛先ノードへ送信する送信元ノードは、トポロジー情報に基づいて、隣接ノードと接続可能な1又は複数のノードを探索する。なお、ここで、「隣接ノードと接続可能なノード」とは、隣接ノードに対して直接に無線通信可能な隣接ノードに限られず、ネットワークのトポロジー上通信可能なすべてのノードである。このノード探索により、送信元ノードはデータの宛先ノードまでの1又は複数の経路候補を得る。
また、送信元ノードでは、第1時間毎のリンク品質値に基づいて、少なくとも各経路候補のリンク品質値を算出する。各経路候補のリンク品質の算出は、例えば、送信元ノードから宛先ノードまでの経路候補上のすべての隣接2ノード間のリンク品質値を乗算し、正規化すること等により行われる。
また、本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードは、自ノードと隣接ノードの間のリンク品質値として、第1時間よりも短い第2時間毎のリンク品質を測定している。第2時間毎のリンク品質は、例えばリンク品質の瞬時値であるが、これに限定されない。第2時間毎のリンク品質値は、第1時間よりも短い第2時間の間に得られた複数のリンク品質値のサンプルに対して統計処理されたリンク品質値、例えば第2時間の間の平均的なリンク品質値でもよい。
なお、上記説明では、制御パケット内のリンク品質値が隣接ノード間の第1時間毎のリンク品質値を含む、としたが、制御パケット内には第2時間毎のリンク品質値を含むようにしてもよい。この場合には、各ノードにおいて、第1時間毎の各経路候補のリンク品質値を算出するために、制御パケット内の第2時間毎のリンク品質値の複数のサンプルが統計処理、例えば平均化処理される。
(1−2)リンク情報
次に、本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードで管理するリンク情報について説明する。
図2は、図1において送信元ノードであるノードXのリンク情報を例示している。図2に示すように、リンク情報は、(a)自ノードの隣接ノードと、(b)自ノードと各隣接ノードの間の第2時間毎のリンク品質値と、(c)各隣接ノードと接続可能なノードと、(d)自ノードと(c)の各ノードの間の第1時間毎のリンク品質値、を含む。
図2に示すリンク情報について、図1を参照して説明する。
送信元ノードXは、隣接ノードと通信を確立することで自ノードの隣接ノードが分かる(図2(a))。図1に示す例では、送信元ノードXの隣接ノードはノードA1〜A3である。図2には、隣接ノードA1〜A3の内、ノードA1のみを例示している。
送信元ノードXは、各隣接ノードとの間の第2時間毎のリンク品質値を逐次測定する(図2(b))。図1及び図2に示す例では、送信元ノードと隣接ノードA1との間の第2時間毎のリンク品質値がS_a1である場合を示している。
送信元ノードXは、他のノードの制御パケットにより生成したトポロジー情報に基づいて、各隣接ノードと接続可能なノードを探索する(図2(c))。図1に示す例では、隣接ノードA1と接続可能な複数のノードの中に、データの宛先ノードYが含まれている。ここで、隣接ノードA1を経由して宛先ノードYまでデータを送信する経路は、送信元ノードXが宛先ノードYに対してデータを送信するときの複数の経路候補の内の1つである。
送信元ノードXは、少なくとも各経路候補の第1時間毎のリンク品質値を算出する(図2(d))。各経路候補の第1時間毎のリンク品質の算出は、例えば、送信元ノードXから宛先ノードYまでの経路候補上のすべての隣接2ノード間の第1時間毎のリンク品質値を乗算して正規化すること等により行われる。図2に示す例では、送信元ノードXから隣接ノードA1を経由して宛先ノードYまでの経路候補の第1時間毎のリンク品質値がS_yである場合を示している。
送信元ノードXでは、他ノードから逐次転送されてくる制御パケット内の情報に基づいて、トポロジー情報同様、自ノードで保持するリンク情報を逐次更新する。
(1−3)本実施形態の通信方法
次に、図3を参照して、本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードから宛先ノードまでのデータの通信方法について説明する。図3は、その通信方法を示すフローチャートである。図3のフローチャートでは、図1に関連して、特に送信元ノードXから宛先ノードYへのデータの通信において、データの送信先ノードとしての隣接ノードの選択方法を示している。
図3では先ず、送信元ノードXは、逐次更新されているリンク情報を参照して、自ノードと宛先ノードの間の第1時間毎のリンク品質値に基づいて、データの送信先ノードとしての隣接ノードを選択する(ステップS1)。前述したように、第1時間毎のリンク品質値は、所定時間の定常的なリンク品質を得るために比較的長期の時間であり、例えば第1時間毎の平均化されたリンク品質値である。ここで、リンク情報を参照した結果、送信元ノードXから宛先ノードYまでの経路候補として、隣接ノードA1を経由する経路と、隣接ノードA2を経由する経路の2つの経路候補が存在する場合を想定する(図1参照)。その場合、送信元ノードXは、リンク情報を参照して、各経路候補の第1時間毎のリンク品質値を比較し、リンク品質の良好な経路候補、すなわち所定の第1品質値よりも良好な、いずれかの経路候補を選択する。そして、送信元ノードXは、選択した経路を通過する隣接ノードを送信先ノード(図3の例では、隣接ノードA1)として選択する。
次に、送信元ノードXは、送信先ノードとして選択した隣接ノードA1へデータを送信するが(ステップS2)、その結果、データ送信が失敗した場合を想定する。すなわち、送信元ノードXは、隣接ノードA1からの再送制御信号 “ACK”を待つタイマを動作させ、所定時間内に“ACK”を受信しなかった場合を想定する(ステップS3)。このように、長時間の間の平均的に良好なリンク品質に基づいて経路候補を選択したにもかかわらず、送信元ノードとその隣接ノードの間の短期的なリンク品質の低下よって、“ACK”を受信できない場合が生じうる。
次に、送信元ノードXは、逐次更新されているリンク情報を参照して、自ノードと隣接ノードの間の第2時間毎のリンク品質値に基づいて、データの送信先ノードとしての隣接ノードを選択する(ステップS4)。このとき、送信元ノードXは、リンク情報を参照して、データの宛先ノードまで接続可能な複数の隣接ノードについて、第2時間毎のリンク品質値を比較し、リンク品質の良好な隣接ノード、すなわち所定の第2品質値よりも良好な、いずれかの隣接ノード(図3の例では、隣接ノードA2)を選択する。
そして、送信元ノードXは、ステップS4で選択した隣接ノードA2を送信先ノードとして、データを再送する(ステップS5)。ステップS4では、比較的短時間毎に得るリンク品質に基づいて送信先ノードとしての隣接ノードを選択しているので、送信元ノードとその隣接ノードの間のリンク品質が短期間に低下することが生じても、データ送信時点においてリンク品質の良好な隣接ノードへデータを送信することができる。その結果、データ送信が成功すると、送信元ノードXは、隣接ノードA2から再送制御信号として“ACK”を受信する(ステップS6)。
ノードA1へのデータ送信が完了すると、ノードA1がそのデータの送信元ノードとして、図3に示したノードXと同様の処理を行う。以上の動作を繰り返すことで、本実施形態のアドホック無線ネットワークでは、各ノードが自律的にデータの最適な経路を逐次更新し、ノードXからノードYへのデータ送信が行われることになる。
以上説明したように、本実施形態のアドホック無線ネットワークによれば、送信元ノードは、データを新規に宛先ノードへ送信するときには、比較的長時間の第1時間毎の宛先ノードまでのリンク品質に基づいて、送信先ノードとして隣接ノードを選択する。そして、データを再送するときには、比較的短時間の第2時間毎の隣接ノードとの間のリンク品質に基づいて、送信先ノードとして隣接ノードを選択する。すなわち、送信元ノードと、データを新規に送信した隣接ノードの間のリンク品質が短時間の間に低下した場合であっても、データの再送時には、短時間のリンク品質の変化を反映して、適切な隣接ノードが送信先ノードとして選択される。よって、ある隣接ノードとのリンク品質が短時間の間に低下した場合に、その隣接ノードに対してデータの再送を繰り返すことが防止され、ノード間のデータ通信時間の遅延が抑制される。
(2)第2の実施形態
以下、第2の実施形態のアドホック無線ネットワークについて説明する。
(2−1)本実施形態のアドホック無線ネットワーク
図4は、本実施形態のアドホック無線ネットワークの構成例を示す。図4に示すアドホック無線ネットワークは、無線通信装置としてのノードX,B〜Gを含む。このようなアドホック無線ネットワークにおいて、ノードXがノードGに対してデータを送信する場合を想定する。すなわち、ノードXは送信元ノードであり、ノードGは宛先ノードである。
ネットワーク内の各ノードは、制御パケットとしてのHELLOパケットを他ノードへブロードキャストする。各ノードからブロードキャストされるHELLOパケットは、隣接ノードの情報と、自ノードと隣接ノードの間の平均リンク品質値とを含む。平均リンク品質値は、第1実施形態における第1時間毎のリンク品質値に相当し、所定時間における複数の瞬時リンク品質値のサンプルを平均化した値である。
HELLOパケットに含まれる情報の例を図5に示す。図5は、図4に示すネットワーク内のノードXからブロードキャストされるHELLOパケットに含まれる情報の例を示している。図5に示すように、ノードXの隣接ノードはノードB,C,Dであり、各隣接ノードとの間の平均リンク品質値がそれぞれ、AS_b,AS_c,AS_dであることを示している。
第1実施形態におけるリンク情報(図2参照)は、本実施形態におけるトポロジーリスト及び瞬時リンク品質リストの情報に相当する。本実施形態において、各ノードは、トポロジーリスト及び瞬時リンク品質リストを逐次生成、更新する。
トポロジーリストには、図2に示したリンク情報の内、隣接ノードの情報(図2(a))と、各隣接ノードと接続可能なノード(図2(c))と、自ノードと他ノードとの第1時間毎のリンク品質値(図2(d))としての平均リンク品質値とが記述されている。図4に示したアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードXのトポロジーリストの例を、図6に示す。図6に示す例では、例えば、ノードXの隣接ノードBと接続可能なノードとしてノードE,Gが存在し、ノードXとノードE,Gの平均リンク品質値がそれぞれ、AS_e,AS_g1であることを示している。同様に、ノードXの隣接ノードCと接続可能なノードとしてノードF,Gが存在し、ノードXとノードF,Gの平均リンク品質値がそれぞれ、AS_f,AS_g2であることを示している。
瞬時リンク品質リストには、図2に示したリンク情報の内、自ノードXと各隣接ノードとの間の第2時間毎のリンク品質値(図2(b))としての瞬時リンク品質値とが記述されている。図4に示したアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードXの瞬時リンク品質リストの例を、図7に示す。図7に示す例では、例えば、ノードXとその隣接ノードB,C,Dの間の瞬時リンク品質値がそれぞれ、IS_b,IS_c,IS_dであることを示している。
(2−2)ノードの構成
次に、無線通信装置としてのノードの構成について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、このノードは、受信部101、平均リンク品質測定部102、トポロジーリスト作成部103、瞬時リンク品質測定部104、瞬時リンク品質リスト作成部105、宛先判定部106、データ格納部107、データ処理部108、第1送信先決定部109、送信パケット作成部110、送信バッファ111、送信部112、再送制御部113、再送パケット取得部114及び第2送信先決定部115、を含む。
(2−2−1)HELLOパケットのブロードキャスト
図8に示す構成のノードにおいて、HELLOパケットを生成して定期的にブロードキャストするときの動作は以下のとおりである。すなわち、ノードは、起動後、又は所定の間隔で隣接ノードと通信を試み、通信を確立させることによって隣接ノードが分かる。そして、平均リンク品質測定部102は、各隣接ノードからのHELLOパケットの無線品質(SINR等)及び/又はトラフィック混雑度等を測定することにより、所定の第1時間毎の平均リンク品質値を得る。この平均リンク品質値は、所定時間における瞬時リンク品質値(無線品質及び/又はトラフィック混雑度等の瞬時値)の複数のサンプルを平均化した値である。そして、隣接ノードの情報と、自ノードと隣接ノードの間の平均リンク品質値とを含むHELLOパケットは送信パケット作成部110で生成される。その後、HELLOパケットは、送信部112から隣接ノードへ向けて送信される。
(2−2−2)トポロジーリストの生成
図8に示す構成のノードにおいて、トポロジーリストを生成する動作は以下のとおりである。すなわち、受信部101が他ノードからブロードキャストされるHELLOパケットを受信して平均リンク品質測定部102へ送る。平均リンク品質測定部102は、隣接ノードからのHELLOパケットに基づき、その隣接ノードとの無線品質(SINR等)及び/又はトラフィック混雑度等を測定してトポロジーリスト作成部103へ報告する。また、平均リンク品質測定部102は、隣接ノード以外のノードから転送されてきたHELLOパケットを、トポロジーリスト作成部103へ転送する。トポロジーリスト作成部103は、平均リンク品質測定部102の測定結果、及び転送された他ノードからのHELLOパケットに含まれる情報に基づいて、図6に例示したトポロジーリストを作成する。
このとき、自ノードと、自ノードの隣接ノードと接続可能な各ノードとの間の平均リンク品質値は、2ノード間の経路上で隣接する2ノード間の平均リンク品質値を乗算した値を基に算出される。例えば、図6において、自ノードであるノードXとノードGとの間の平均リンク品質値は、以下のとおり算出される。ノードXとその隣接ノードBとの間の平均リンク品質値をAS_bは、平均リンク品質測定部102により測定される。また、ノードBとノードEの間の平均リンク品質値AS_beは、ノードB又はノードEから送信されるHELLOパケットに含まれている。ノードEとノードGの間の平均リンク品質値AS_egは、ノードE又はノードGから送信されるHELLOパケットに含まれている。そこで、ノードXは、自ノードからノードGまでの平均リンク品質値を、(AS_b)×(AS_be)×(AS_eg)の演算に基づいて算出する。
トポロジーリスト作成部103により作成されたトポロジーリストは、データ格納部107に格納されるとともに、逐次更新される。
図9は、トポロジーリストを更新するときの処理を示すフローチャートである。図9の処理は、例えば平均リンク品質値を測定するに当たって、リンク品質値の瞬時値の複数のサンプルを取得するために要する所定時間ごとに処理が行われる。その所定時間が経過すると(ステップS10)、リンク品質値の瞬時値の複数のサンプルを平均化処理して平均リンク品質値が測定される(ステップS12)。隣接ノード以外のノードから転送されてくるHELLOパケットは逐次取得される(ステップS14)。ステップS12及びS14の結果に基づいてトポロジーリストが更新される(ステップS16)。
(2−2−3)瞬時リンク品質リストの生成
図8に示す構成のノードにおいて、瞬時リンク品質リストを生成する動作は以下のとおりである。すなわち、受信部101が他ノードから受信するすべてのパケットを瞬時リンク品質測定部104へ送る。すなわち、HELLOパケットに限られず、ユニキャストのパケット、再送制御信号を含むパケット等、すべてのパケットが、自ノードと隣接ノードとの間の瞬時リンク品質を測定するために利用される。瞬時リンク品質測定部104は、自ノードと各隣接ノードとの間の第2時間毎のリンク品質値として瞬時リンク品質値を測定して、瞬時リンク品質リスト作成部105へ報告する。瞬時リンク品質リスト作成部105は、瞬時リンク品質測定部104の測定結果に基づいて、図7に例示した瞬時リンク品質リストを作成する。
瞬時リンク品質リスト作成部105により作成された瞬時リンク品質リストは、データ格納部107に格納されるとともに、逐次更新される。
図10は、瞬時リンク品質リストを更新するときの処理を示すフローチャートである。図10の処理では先ず、リンク品質値の瞬時値が測定される(ステップS20)。そして、ステップS20の結果に基づいて瞬時リンク品質リストが更新される(ステップS22)。
(2−2−4)自ノード発のデータパケットの送信
図8に示す構成の送信元ノードにおいて、自ノード発のデータパケットを送信する動作は以下のとおりである。すなわち、宛先ノードが決められたデータがデータ処理部108で生成され、第1送信先決定部109へ送られる。第1送信先決定部109は、データを新規に送信するときには、送信先ノードとしての隣接ノードをトポロジーリストを参照して決定し、その決定した送信先ノードを送信パケット作成部110へ報告する。送信パケット作成部110は、宛先ノードと第1送信先決定部109で決定した送信先ノードの情報をヘッダに含むデータパケットを作成する。このデータパケットは、送信バッファ111にいったん格納された上で、送信部112から送信される。
ここで、第1送信先決定部109は、以下のとおり、送信先ノードとしての隣接ノードを決定する。すなわち、第1送信先決定部109はトポロジーリストを参照し、自ノードの隣接ノードと接続可能なノードの中から、宛先ノードを探索する。探索の結果、宛先ノードが複数存在する、すなわち、複数の経路候補が存在する場合には、その中で自ノードとの平均リンク品質値が最も良好な経路候補が選択され、その経路候補を通過する隣接ノードが選択される。
再送制御部113は、送信先ノードから返信されてくる再送制御信号に基づいて、再送制御を行う。すなわち、所定時間内に“ACK”を受信しないときには、再送制御部113は、送信バッファ111に格納されているデータパケットを読み出して送信パケット作成部110へ供給するように、再送パケット取得部114を制御する。このとき、再送制御部113からの制御指令に応じて、第2送信先決定部115は、データパケットの再送先としての隣接ノードを、瞬時リンク品質リスト及びトポロジーリストを参照して決定する。
ここで、第2送信先決定部115は、以下のとおり、送信先ノード(再送先ノード)としての隣接ノードを決定する。すなわち、第2送信先決定部115は先ずトポロジーリストを参照し、宛先ノードと接続可能な隣接ノードを探索する。次に、第2送信先決定部115は瞬時リンク品質リストを参照し、宛先ノードと接続可能な隣接ノードの中から、自ノードとの瞬時リンク品質値が最も良好な隣接ノードを選択する。
(2−3)ノードの送信処理
次に、図11のフローチャートを参照して、本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードがデータを送信するときの処理をさらに説明する。
図11において先ず、データの送信元ノードにおいて、第1送信先決定部109がトポロジーリストを参照し、データの宛先ノードと接続可能な隣接ノードの内、自ノードと宛先ノードの間の平均リンク品質値が最も良好な隣接ノードを選択する(ステップS30)。そして、送信元ノードは、ステップS30で選択された隣接ノードを送信先ノードとして、送信対象のデータを含むデータパケットを生成して新規に送信する(ステップS32)。
なお、ステップS30では、平均リンク品質値が最も良好な隣接ノードを選択したが、これに限られない。所定の閾値よりも良好な平均リンク品質値である複数の隣接ノードの中から、任意に、又は別の条件と組合せて隣接ノードを選択するようにしてもよい。
ステップS32のデータ送信に対して、送信先ノードから再送制御信号として“ACK”を所定時間内に受信した場合には(ステップS34のYES)、データ送信が完了する。そして、その送信先ノードにおいて、同様の処理が行われる。本実施形態のアドホック無線ネットワークでは、データが宛先ノードに送信されるまで自律的に送信先ノードとしての隣接ノードが選択されていくことになる。
ステップS32のデータ送信に対して、送信先ノードから再送制御信号として“ACK”を所定時間内に受信しない場合には(ステップS34のNO)、再送処理が行われる。すなわち、データの送信元ノードにおいて、第2送信先決定部115がトポロジーリストと瞬時リンク品質リストを参照し、データの宛先ノードと接続可能な隣接ノードの内、瞬時リンク品質値が最も良好な隣接ノードを選択する(ステップS36)。そして、送信元ノードは、ステップS36で選択された隣接ノードを送信先ノードとして、送信対象のデータを含むデータパケットを生成して再送する(ステップS38)。
なお、ステップS36では、瞬時リンク品質値が最も良好な隣接ノードを選択したが、これに限られない。所定の閾値よりも良好な瞬時リンク品質値である複数の隣接ノードの中から、任意に、又は別の条件と組合せて隣接ノードを選択するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態のアドホック無線ネットワークによれば、第1実施形態と同様に、送信元ノードと、データを新規に送信した隣接ノードの間のリンク品質が瞬時的に低下した場合であっても、データの再送時には、瞬時的なリンク品質の変化を反映して、適切な隣接ノードが送信先ノードとして選択される。よって、ある隣接ノードとのリンク品質が瞬時的に低下した場合に、その隣接ノードに対してデータの再送を繰り返すことが防止され、ノード間のデータ通信時間の遅延が抑制される。
(3)第3の実施形態
以下、第3の実施形態のアドホック無線ネットワークを構成するノードについて説明する。本実施形態のノードでは、第2実施形態のノードに対して、データの再送時における送信先ノードとして、より適切な隣接ノードを選択するために、複数の瞬時リンク品質が測定される。
(3−1)ノード構成
図12に、本実施形態のノードの瞬時リンク品質測定部104の概略構成を示す。本実施形態のノードにおいて、瞬時リンク品質測定部104以外の構成については、図8に示したものと同一であり、重複説明を行わない。
図12を参照すると、本実施形態のノードにおいて、瞬時リンク品質測定部104は、隣接ノード判定部1041と、トラフィック混雑度測定部1042と、フェージングピッチ測定部1043と、無線品質測定部1044とを備える。
隣接ノード判定部1041は、受信部101からの受信パケットが隣接ノードから送信されたものか否かを判定する。受信パケットが隣接ノードから送信されたものである場合には、その受信パケットが、トラフィック混雑度測定部1042、フェージングピッチ測定部1043及び無線品質測定部1044へ送られる。
トラフィック混雑度測定部1042は、隣接ノード毎に、隣接ノードとの間のトラフィック混雑度を測定する。フェージングピッチ測定部1043は、隣接ノード毎に、隣接ノードからのパケットに含まれる基準信号の電界強度の落ち込みの間隔、すなわち、フェージングピッチを測定する。無線品質測定部1044は、隣接ノード毎に、隣接ノードからのパケットの無線品質を示す値(以下、「無線品質値」という。)として、前述したSINR,SNR,CINR、又はRSSIのいずれかを測定する。各測定部は、短時間(前述した第2時間)毎に瞬時値を測定して、逐次瞬時リンク品質リスト作成部105へ送る。
瞬時リンク品質リスト作成部105は、隣接ノード毎に、瞬時リンク品質値として、無線品質値、トラフィック混雑度、フェージングピッチを含む瞬時リンク品質リストを作成する。この瞬時リンク品質リストの例を図13に示す。瞬時リンク品質リスト作成部105により作成された瞬時リンク品質リストは、データ格納部107に格納されるとともに、逐次更新される。
(3−2)ノードの送信処理
次に、図14のフローチャートを参照して、本実施形態のアドホック無線ネットワークにおいて、送信元ノードがデータを送信するときの処理を説明する。
図14において先ず、データの送信元ノードにおいて、第1送信先決定部109がトポロジーリストを参照し、データの宛先ノードと接続可能な隣接ノードの内、自ノードと宛先ノードの間の平均リンク品質値が最も良好な隣接ノードを選択する(ステップS30)。そして、送信元ノードは、ステップS30で選択された隣接ノードを送信先ノードとして、送信対象のデータを含むデータパケットを生成して新規に送信する(ステップS32)。
ステップS32のデータ送信に対して、送信先ノードから再送制御信号として“ACK”を所定時間内に受信した場合には(ステップS34のYES)、データ送信が完了する。そして、その送信先ノードにおいて、同様の処理が行われる。本実施形態のアドホック無線ネットワークでは、データが宛先ノードに送信されるまで自律的に送信先ノードとしての隣接ノードが選択されていくことになる。
以上の処理は、図11に示したものと同一である。
ステップS32のデータ送信に対して、送信先ノードから再送制御信号として“ACK”を所定時間内に受信しない場合には(ステップS34のNO)、再送処理が行われる。このとき、データの送信元ノードにおいて、第2送信先決定部115がトポロジーリストと瞬時リンク品質リストを参照し、データの宛先ノードと接続可能な隣接ノードの内、無線品質値が良好な順に隣接ノードを選択する(ステップS36a)。さらに、送信元ノードは、瞬時リンク品質リストを参照して、ステップS36aで選択された隣接ノードとの間のトラフィック混雑度が所定の閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS37a)。トラフィック混雑度が所定の閾値よりも小さい場合にはステップS38へ進み、ステップS36aで選択された隣接ノードを送信先ノードとして、送信対象のデータを含むデータパケットを生成して再送する(ステップS38)。このように、無線品質が良好で、かつトラフィックがそれほど混雑していない隣接ノードが優先的に選択されることになるので、データ再送が成功する確率が高くなる。
一方、ステップS37aでトラフィック混雑度が所定の閾値以上である場合には、ステップS37bへ進む。宛先ノードと接続可能な隣接ノードが複数あれば(ステップS37bのYES)、ステップS36aへ戻り、次に無線品質値が良好な隣接ノードが選択される。
なお、ステップS36aで選択可能な隣接ノードは、その隣接ノードとの無線品質値が所定の閾値よりも良好な場合に限ることが好ましい。ある程度無線品質が良好でなければ、トラフィックが混雑していないとしても、隣接ノードとの間で無線通信が確立できない可能性が高いと考えられるためである。
以上説明したように、本実施形態のアドホック無線ネットワークによれば、送信元ノードがデータを再送するときの送信先ノードとして、無線品質が良好で、かつトラフィックがそれほど混雑していない隣接ノードが優先的に選択される。よって、第2実施形態のノードと比較して、再送先ノードとして、より適切な隣接ノードが選択される可能性を高めることができる。
(4)第4の実施形態
以下、第4の実施形態のアドホック無線ネットワークを構成するノードについて説明する。本実施形態のノードは、第3実施形態のノードと同一の構成を備えているが、ノードの送信処理が第3実施形態のものと異なる。
本実施形態のノードの送信処理を示すフローチャートを図15に示す。図15は、図14と比較して、ステップS37cの処理のみが異なる。
図15に示す送信処理では、トラフィック混雑度の代わりに、フェージングピッチについて判定を行う。すなわち、送信元ノードは、瞬時リンク品質リストを参照して、ステップS36aで選択された隣接ノードとの間の無線通信におけるフェージングピッチが再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定する(ステップS37c)。フェージングピッチが再送制御信号の待機時間よりも短い場合にはステップS38へ進み、データ再送が行われる。ここで、再送制御信号の待機時間は、隣接ノードへデータパケットを送信してから、その隣接ノードから再送制御信号(“ACK”,“NACK”又は“DTX”)を受信するまでの時間である。再送制御信号の待機時間として予め所定時間を設定しておいてもよいし、ステップS32〜S34の処理過程で、ステップS32の送信時刻と、例えば“NACK”を受信するまでの時刻とに基づき上記待機時間の実時間を測定してもよい。
本実施形態に係る処理で、フェージングピッチと再送制御信号の待機時間を比較するのは、以下の理由による。すなわち、ステップS32における新規のデータ送信が成功しなかったことが、フェージングにより送信元ノードと隣接ノードの間の信号の電界強度が落ち込むタイミングでデータ送信がなされたことに起因すると考えられる。このとき、フェージングピッチが再送制御信号の待機時間よりも長ければ、再送制御信号を受けてデータを再送するタイミングまで信号の電界強度が落ち込んだ状態が継続しており、再び信号の電界強度が落ち込んだタイミングでデータ再送が行われる可能性が高い。一方、フェージングピッチが再送制御信号の待機時間よりも短ければ、再送制御信号を受けてデータを再送するタイミングまで信号の電界強度が落ち込んだ状態が継続せず、信号の電界強度が回復したタイミングでデータ再送が行われる可能性が高い。よって、図15のフローチャートでは、フェージングピッチが再送制御信号の待機時間よりも短い場合に、データ再送が成功する確率が高いと判断している。
以上説明したように、本実施形態のアドホック無線ネットワークによれば、送信元ノードがデータを再送するときの送信先ノードとして、無線品質が良好で、かつ無線通信のフェージングピッチが再送制御信号の待機時間よりも短い隣接ノードが優先的に選択される。よって、第3実施形態と同様、第2実施形態のノードと比較して、再送先ノードとして、より適切な隣接ノードが選択される可能性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の無線通信装置、無線通信方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
各々の実施形態で言及した個々の特徴は適宜組み合わせることができる。例えば、図16に示すように、図14及び図15の各々の判定プロセスであるステップS37a及びステップS37cを組み合わせてノードの送信処理を行うようにしてもよい。これにより、再送先ノードとして、さらに適切な隣接ノードが選択される可能性を高めることができる。
以上の各実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
アドホック通信を行う複数の無線通信装置が属する無線ネットワーク内の無線通信装置であって、
データを新規に宛先ノードへ送信するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、宛先ノードまでの第1時間毎の第1リンク品質が所定の第1品質よりも良好となるような隣接ノードを送信先ノードとして選択する第1送信先決定部と、
前記データを再送するときには、前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、前記第1時間よりも短い第2時間毎の第2リンク品質が所定の第2品質よりも良好な隣接ノードを送信先ノードとして選択する第2送信先決定部と、
を備えた無線通信装置。(1)
(付記2)
前記第1リンク品質は、隣接ノードとの間の無線品質、又は隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度のいずれかを含み、
前記第2リンク品質は、隣接ノードとの間の無線品質、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度、又は隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチのいずれかを含む、
付記1に記載された無線通信装置。(2)
(付記3)
前記第2送信先決定部は、
前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度が所定の第1閾値よりも低いか否かを判定することで、隣接ノードを選択する、
付記2に記載された無線通信装置。(3)
(付記4)
前記第2送信先決定部は、
前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチが前記隣接ノードからの再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定することで、隣接ノードを選択する、
付記2に記載された無線通信装置。(4)
(付記5)
前記第2送信先決定部は、
前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度が所定の第1閾値よりも低いか否か、及び、隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチが前記隣接ノードからの再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定することで、隣接ノードを選択する、
付記2に記載された無線通信装置。(5)
(付記6)
アドホック通信を行う複数のノードが属する無線ネットワーク内の各ノードの無線通信方法であって、
データを新規に宛先ノードへ送信するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、宛先ノードまでの第1時間毎の第1リンク品質が所定の第1品質よりも良好となるような隣接ノードを送信先ノードとして選択し、
前記データを再送するときには、前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、前記第1時間よりも短い第2時間毎の第2リンク品質が所定の第2品質よりも良好な隣接ノードを送信先ノードとして選択する、
無線通信方法。(6)
(付記7)
前記データを再送するときに隣接ノードを送信先ノードとして選択することは、
前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度が所定の第1閾値よりも低いか否かを判定すること、を含む、
付記6に記載された無線通信方法。
(付記8)
前記データを再送するときに隣接ノードを送信先ノードとして選択することは、
前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチが前記隣接ノードからの再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定すること、を含む、
付記6に記載された無線通信方法。
(付記9)
前記データを再送するときに隣接ノードを送信先ノードとして選択することは、
前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度が所定の第1閾値よりも低いか否か、及び、隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチが前記隣接ノードからの再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定すること、を含む、
付記6に記載された無線通信方法。
X,A1,A2,A3,B,C,D,E,F,G,Y…ノード
101…受信部
102…平均リンク品質測定部
103…トポロジーリスト作成部
104…瞬時リンク品質測定部
105…瞬時リンク品質リスト作成部
106…宛先判定部
107…データ格納部
108…データ処理部
109…第1送信先決定部
110…送信パケット作成部
111…送信バッファ
112…送信部
113…再送制御部
114…再送パケット取得部
115…第2送信先決定部

Claims (6)

  1. アドホック通信を行う複数の無線通信装置が属する無線ネットワーク内の無線通信装置であって、
    データを新規に宛先ノードへ送信するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、宛先ノードまでの第1時間毎の平均的な第1リンク品質が所定の第1品質よりも良好となるような隣接ノードを送信先ノードとして選択する第1送信先決定部と、
    前記データを再送するときには、前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、前記第1時間よりも短い第2時間毎の平均的な第2リンク品質が所定の第2品質よりも良好な隣接ノードを送信先ノードとして選択する第2送信先決定部と、
    を備えた無線通信装置。
  2. 前記第1リンク品質は、隣接ノードとの間の無線品質、又は隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度のいずれかを含み、
    前記第2リンク品質は、隣接ノードとの間の無線品質隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度及び隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチ含む、
    請求項1に記載された無線通信装置。
  3. 前記第2送信先決定部は、
    前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度が所定の閾値よりも低いか否かを判定することで、隣接ノードを選択する、
    請求項2に記載された無線通信装置。
  4. 前記第2送信先決定部は、
    前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチが前記隣接ノードからの再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定することで、隣接ノードを選択する、
    請求項2に記載された無線通信装置。
  5. 前記第2送信先決定部は、
    前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、無線品質の良好な順に、隣接ノードとの間のトラフィックの混雑度が所定の閾値よりも低いか否か、及び、隣接ノードとの間の無線通信のフェージングピッチが前記隣接ノードからの再送制御信号の待機時間よりも短いか否かを判定することで、隣接ノードを選択する、
    請求項2に記載された無線通信装置。
  6. アドホック通信を行う複数のノードが属する無線ネットワーク内の各ノードの無線通信方法であって、
    データを新規に宛先ノードへ送信するときには、宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、宛先ノードまでの第1時間毎の平均的な第1リンク品質が所定の第1品質よりも良好となるような隣接ノードを送信先ノードとして選択し、
    前記データを再送するときには、前記宛先ノードへ接続可能な隣接ノードの中から、前記第1時間よりも短い第2時間毎の平均的な第2リンク品質が所定の第2品質よりも良好な隣接ノードを送信先ノードとして選択する、
    無線通信方法。
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