JP5359822B2 - 血液透析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、目標とする透析量を達成することの出来る透析装置に関する。
一回の血液透析治療における治療量は透析量として定義されている。透析量の指標としては尿素除去率とKt/Vがあるが、一般にはKt/Vが使用されている。
Kt/Vは、通常、血液透析治療の開始時と終了時の血清尿素濃度と、除水量、治療時間とを、所定の演算式に代入して算出する。ここで、血液透析治療終了時の血清尿素濃度に影響を与えるファクターとしては、患者の体液量、治療時間、除水量、使用する透析器の総括物質移動面積係数(所謂、KoA)、血流量、透析液流量があり、通常、医療スタッフは、血液透析治療の開始前に、これらのファクターのうち血流量を調整することにより、血液透析治療終了時の血清尿素濃度を調整し、Kt/Vを調整している。
現在、多くの調査研究により、死亡率を最小にするKt/V(所謂、至適Kt/V値)が明らかにされており、至適Kt/V値が達成されるような血液透析治療が要望されている。血液透析現場では、現在、過去の血液透析治療における治療開始時と終了時の血清尿素濃度と、除水量と、治療時間とを所定の演算式に代入して、その過去の血液透析治療におけるKt/V値を算出し、この算出されたKt/V値と至適Kt/V値を見比べた上で、これから行おうとしている血液透析治療のKt/V値が至適Kt/V値に一致するように、過去の血液透析治療における血流量を参考にしながら、試行錯誤で血流量を調整している。
しかし、血液透析治療終了時における血清尿素濃度を決定するファクターの一つであり、また、Kt/Vを算出する演算式に代入される項目の一つでもある除水量は、過去の血液透析治療とこれから行おうとする血液透析治療では必ずしも等しくはない。
また、血液透析治療における血流量とKt/Vとの関係も患者や使用する透析器によって異なる。従って、血流量を調整しても、血液透析治療の終了後にKt/V値が目標通りに達成されることは困難であり、しかも、目標とするKt/V値を達成するために必要な血流量を決定するための作業は、多大な時間と労力を要するものであった。また、最近では、コスト面から、透析液の使用量を出来るだけ抑制しようとする考えもある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、コストを低く抑えつつ、簡単な作業で目標クリアランスを算出し、使用する血液透析器の総括物質移動面積係数と、設定された血流量または透析液流量から、この目標クリアランスを達成するために必要な透析液流量または血流量を求めることの出来る血液透析装置を提供する。
本発明の血液透析装置は、血液透析器と血液回路、前記血液透析器の上流側に設けられた血液ポンプ、透析液供給ラインおよび除水ラインを含んでなり、
血液透析治療の開始時と終了時の実測血清尿素濃度、透析時間、除水量から、体液量を理想体重の一定比率とする尿素カイネティックモデルを解析して、この尿素カイネティックモデルにおける血液透析器の尿素クリアランス(モデルのクリアランス)を算出するとともに、すでに与えられている血流量、透析液流量、使用した血液透析器の総括物質移動面積係数から、使用した血液透析器の尿素クリアランス(実際のクリアランス)を算出して、実際のクリアランスとモデルのクリアランスの比を算出するクリアランス比(実際/モデル)算出手段と、
このクリアランス比算出の後に行われる血液透析治療の開始前に、設定透析量に対応する血清尿素濃度の透析前後比を算出し、予定除水量、予定透析時間から前記尿素カイネティックモデルを解析して、血清尿素濃度の該透析前後比が得られる尿素クリアランス(モデルクリアランス)を算出し、このモデルクリアランスとすでに算出されている前記クリアランス比を掛け合わせることによりこのモデルクリアランスを補正して目標クリアランスを算出する目標クリアランス算出手段と、
使用する血液透析器の総括物質移動面積係数と共に、血流量または透析液流量のどちらか一方を設定したときに、目標クリアランスが得られるもう一方の透析液流量または血流量を算出し表示する目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段と、を備えてなることを特徴とする。
ここで、透析条件算出・表示手段は、設定可能範囲内の透析液流量の下限値における目標クリアランスが得られる血流量を算出・表示するようになっていてもよく、また、血流量を変更する場合に、血流量の変更にともなって、目標クリアランスが得られるような新たな透析液流量を連続的に算出・表示するようになっていても、透析液流量を変更する場合に、透析液流量の変更にともなって、目標クリアランスが得られるような新たな血流量を連続的に算出・表示するようになっていてもよい。
尚、クリアランス比算出手段と目標クリアランス算出手段、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段は、後述する制御装置に内蔵されていても良い。
以上、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることが出来る。これらの実施例は本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り、限定的なものではない。
本発明によれば、以下のような効果が期待できる。すなわち、1)血流量、透析液流量、使用した血液透析器の総括物質移動面積係数から算出される、使用した血液透析器の実際のクリアランスと、血液透析治療の開始時と終了時の実測血清尿素濃度、透析時間、除水量から、体液量を理想体重の一定比率(通常、60%である)とする尿素カイネティックモデルを解析して得られるモデルのクリアランスとの比は短期間では安定しているので、凡そ1ヶ月に1回の頻度で行われる定期採決検査の日に行われる血液透析治療において、クリアランス比算出手段によって、この実際のクリアランスとモデルのクリアランスの比が算出されておれば、
それ以後の凡そ1ヶ月間に行われる血液透析治療については、血液透析治療の開始前に、目標クリアランス算出手段によって、設定透析量に対応する血清尿素濃度の透析前後比が算出され、この血清尿素濃度の透析前後比と予定除水量、予定透析時間から前記尿素カイネティックモデルが解析されて、この血清尿素濃度の透析前後比が得られる尿素クリアランス(モデルクリアランス)が算出され、このモデルクリアランスとすでに算出されている前記クリアランス比が掛け合わされて目標クリアランスが算出され、次に、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段によって、使用する血液透析器の総括物質移動面積係数とともに、血流量または透析液流量のどちらか一方を設定するという簡単な操作で、目標クリアランスを達成するのに必要なもう一方の透析液流量または血流量が容易に算出・表示され、目標クリアランスを達成し、それにより、設定透析量を達成する血液透析治療が行われる。
2)目標クリアランスが決まれば、透析液流量の設定可能範囲の下限値を設定することにより、目標クリアランスを達成するための血流量を調整することができるので、透析治療コストを低減でき、患者の経済的負担を軽減することができる。
本発明の血液透析装置を示す概略説明図である。 局所血流モデルを説明する概略説明図である。 目標Kt/Vと本発明の透析装置によって達成されたKt/Vとの関係を示すグラフである。
血液透析器と血液回路、前記血液透析器の上流側に設けられた血液ポンプ、透析液ラインおよび除水ラインを含み、
血液透析治療の透析開始時と終了時の実測血清尿素濃度、透析時間、除水量から、体液量を理想体重の60%とする尿素カイネティックモデルを解析して、この尿素カイネティックモデルにおける血液透析器の尿素クリアランス(モデルのクリアランス)を算出するとともに、すでに与えられている血流量、透析液流量、使用した血液透析器の総括物質移動面積係数から、使用した血液透析器の尿素クリアランス(実際のクリアランス)を算出して、実際のクリアランスとモデルのクリアランスの比を算出するクリアランス比(実際/モデル)算出手段と、
このクリアランス比算出の後に行われる血液透析治療の開始前に、設定透析量に対応する血清尿素濃度の透析前後比を算出し、予定除水量、予定透析時間から前記尿素カイネティックモデルを解析して、この血清尿素濃度の透析前後比が得られる尿素クリアランス(モデルクリアランス)を算出し、このモデルクリアランスとすでに算出されている前記クリアランス比を掛け合わせることによりこのモデルクリアランスを補正して目標クリアランスを算出する目標クリアランス算出手段と、
使用する血液透析器の総括物質移動面積係数とともに、血流量または透析液流量のどちらか一方を設定したときに、この目標クリアランスを達成するのに必要なもう一方の透析液流量または血流量を算出し表示する目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段と、を備えている。
先ず、実施例1について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施例1に係る血液透析装置の概略説明図である。
本発明の血液透析装置は、図1に示すように、血液透析器1と血液回路2、血液透析器1の上流側(動脈側血液回路21)に設けられた血液ポンプ3、透析液供給ライン4および除水ライン6を含んでなり、クリアランス比算出手段9と目標クリアランス算出手段10、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11を備えている。血液透析装置は制御装置8によって制御されており、クリアランス比算出手段9と目標クリアランス算出手段10、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11はこの制御装置8に電気的に接続されている。クリアランス比算出手段9と目標クリアランス算出手段10、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11はこの制御装置8に内蔵されていても良い。尚、図中、22は静脈側血液回路、41は透析液供給ライン、42は透析液排出ライン、5は透析液ポンプ、7は除水ポンプ、12はクリアランス比算出手段9と目標クリアランス算出手段10、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11への入力手段である。
クリアランス比算出手段9は、凡そ1ヶ月に1回の頻度で行われる定期採決検査の日に行われる血液透析治療において、入力手段12によって入力された、血液透析治療の開始時と終了時の実測血清尿素濃度、透析時間、除水量から、尿素カイネティックモデルのうちの、体液量を理想体重の60%とする局所血流モデルを解析して、この局所血流モデルにおける血液透析器の尿素クリアランス(モデルのクリアランス)を算出するとともに、すでに制御装置8に入力されている血流量、透析液流量、使用した血液透析器1の総括物質移動面積係数から、使用した血液透析器1の尿素クリアランス(実際のクリアランス)を算出して、実際のクリアランスとモデルのクリアランスの比を算出する。算出されたクリアランス比は表示できるようにされていても良い。
目標クリアランス算出手段10は、クリアランス比算出の後に行われる血液透析治療の開始前に、入力手段12によって入力された設定透析量から、これに対応する血清尿素濃度の透析前後比を算出し、この血清尿素濃度の透析前後比と制御装置8に入力された予定除水量、予定透析時間から前記局所血流モデルを解析して、設定透析量に対応するこの血清尿素濃度の透析前後比が得られる尿素クリアランス(モデルクリアランス)を算出し、このモデルクリアランスとすでに算出されている前記クリアランス比を掛け合わせることによりこのモデルクリアランスを補正して目標クリアランスを算出する。算出された目標クリアランスは表示できるようにされていても良い。
目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11は、使用する血液透析器の総括物質移動面積係数とともに、血流量または透析液流量のどちらか一方を設定したときに、目標クリアランス算出手段10によって算出された目標クリアランスを達成するのに必要なもう一方の透析液流量または血流量を算出し表示する。
さて、透析液ポンプ5には最適吐出量範囲があり、その結果として、透析液流量には設定可能範囲があり、透析液流量はその範囲内でしか設定することができない。ところが、与えられた血流量の下における、設定したKt/Vが得られる透析液流量は、透析液流量の該設定可能範囲の外にあることもある。そのような場合には、血流量を変更して、設定したKt/Vが得られる透析液流量を算出し直し、新たな血流量の下における、設定したKt/Vが得られる新たな透析液流量が、透析液流量の該設定可能範囲内に入るようにしなければならない。そして、そのような新たな血流量の決定は、通常、試行錯誤で行わざるを得ない。このような問題を解決するため、本実施例の血液透析装置では、血流量を変えていくに従って、目標クリアランスを達成するのに必要な透析液流量が連続的に算出・表示されるようになっている。したがって、本実施例の血液透析装置では、設定したKt/Vが得られる透析液流量が透析液流量の設定可能範囲内に入るように、血流量を試行錯誤で決定する必要がなくなる。すなわち、本実施例の血液透析装置には、設定したKt/Vが得られる透析液流量が設定可能範囲内に入るような血流量を、表示板を目視することで決定できるという利点がある。
同様に、血液ポンプ3にも最適吐出量範囲があり、その結果として、血流量には設定可能範囲があり、血流量はその範囲内でしか設定することができない。ところが、与えられた透析液流量の下における、設定したKt/Vが得られる血流量が、血流量の設定可能範囲の外にあることもある。そのような場合には、透析液流量を変更して、設定したKt/Vが得られる血流量を算出し直し、新たな透析液流量の下における、設定したKt/Vが得られる新たな血流量が、血流量の該設定可能範囲内に入るようにしなければならない。そして、そのような新たな透析液流量の決定は、通常、試行錯誤で行わざるを得ない。このような問題を解決するため、本実施例の血液透析装置では、透析液流量を変えていくに従って、目標クリアランスを達成するのに必要な血流量が連続的に算出・表示されるようになっている。したがって、本実施例の血液透析装置では、設定したKt/Vが得られる血流量が血流量の設定可能範囲内に入るように、透析液流量を試行錯誤で決定する必要がなくなる。すなわち、本実施例の血液透析装置には、設定したKt/Vが得られる血流量が設定可能範囲内に入るような透析液流量を、表示板を目視することで決定できるという利点がある。
次に、クリアランス算出手段9によるクリアランス比の算出、目標クリアランス算出手段10による目標クリアランスの算出および、目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11による目標クリアランスが得られる血流量または透析液流量の算出について説明する。
クリアランス比および目標クリアランスを求めるための解析に使われる局所血流モデルとは、生体は水分含有量が多いにも拘わらず血流は少ない臓器(低血流臓器:筋肉、骨、皮膚、脂肪組織など)と、水分含有量は少ないが血流が多い臓器(高血流臓器:心臓、脳、消化器系臓器、肺など)からなるという観察結果に基づく尿素動態モデルである。これを図示すると図2のようになる。
図2において、高血流臓器と低血流臓器における尿素量の変化は、血液透析器における尿素の除水量に等しい。従って、時間tにおける高血流臓器の尿素量をMH、低血流臓器の尿素量をMLとし、尿素クリアランスをK、動脈血中の尿素濃度をCAとすると、以下の式が得られる。
dMH(t)/dt+dML(t)/dt=−K×CA(t)
ここで、高血流臓器の尿素量MHは、高血流臓器の尿素濃度CHと水分含有量VHの積として示され、一方、低血流臓器の尿素量MLは、低血流臓器の尿素濃度CLと水分含有量のVLの積として示される。
MH(t)=CH(t)×VH(t)
ML(t)=CL(t)×VL(t)
また、高血流臓器における尿素量の変化は、血流によって高血流臓器に単位時間に運び込まれる尿素量と単位時間に運び出される尿素量の差に等しい。ここで、高血流臓器の血流量をQH、動脈血中の尿素濃度をCA、高血流臓器の尿素濃度をCHとすると、以下の式が成り立つ。
dMH(t)/dt=CA(t)×QH−CH(t)×QH
同様に、低血流臓器における尿素の動態は、低血流臓器の血流量をQL、尿素濃度をCLとすると、以下の式で示される。
dML(t)/dt=CA(t)×QL−QL(t)×QL
一方、除水速度をF、相対液量をVTとすると、除水に伴う総体液量の変化は、以下の式により示される。
dVT(t)/dt=−F
尚、体液量は理想体重の大凡60%である。理想体重(kg)をIBWとし、身長(cm)をHとすると、理想体重は次の式から求められる。
IBW=0.9(H−100)
局所血流モデルでは、体外循環血流量を差し引いた心拍出量の15%が低血流臓器を還流し、残りの85%が高血流臓器を還流する一方、体液量の80%が低血流臓器に分布し、残りの20%が高血流臓器に分布するとされている。
従って、局所血流モデルは、さらに以下の式を含む。
VH(t)=0.2VT(t)
VL(t)=0.8VT(t)
QH=0.85(QA−QB)
QL=0.15(QA−QB)
但し、QAは心拍出量、QBは体外循環血流量を示す。
局所血流モデルに用いる血液透析器の尿素クリアランス(K)は、血流量(QB)、透析液流量(QD)、使用したダイアライザーのKOAから、以下の所定の式を用いて算出される。これが実際のクリアランスである。
Figure 0005359822
また、設定される目標透析量の指標として用いる目標Kt/Vとして、single-poolKt/Vを採用し、これを単にKt/Vと記載すると、Kt/Vは、透析開始時の動脈血中尿素濃度に対する透析終了時の動脈血中尿素濃度の比、透析時間、除水量、透析終了時の体重から以下の式により算出される。
Figure 0005359822
但し、Tdは透析時間、CA(0)は透析開始時の動脈血中尿素濃度、CA(Td)は透析終了時の動脈血中尿素濃度、BW(Td)は透析終了時の体重を表す。
尚、実測Kt/Vを求める際には動脈血中尿素濃度の代わりに血清尿素濃度を使用する。
クリアランス比算出手段9では、月に1回の定期採決の日の透析について、血流量と透析液流量、使用した血液透析器の総括物質移動面積係数から、数式1を用いて使用した血液透析器の実際のクリアランスが算出され、一方、血液透析治療の開始時と終了時の実測血清尿素濃度、透析時間、除水量から、体液量を理想体重の60%とする局所血流モデルが解析され、この局所血流モデルにおける血液透析器の尿素クリアランス(モデルのクリアランス)が算出されて、クリアランス比(実際/モデル)が算出される。
目標クリアランス算出手段10では、先ず、血液透析治療の開始前に、予定除水量、予定透析時間、透析終了時の予定体重および目標Kt/V値から、数式2により、設定透析量に対応する動脈血中尿素濃度の透析前後比[CA(Td)/CA(0)]が算出される。次に、局所血流モデルの体液量を理想体重の60%として、この動脈血中尿素濃度の透析前後比と予定除水量、予定透析時間から前記局所血流モデルが解析されて、この動脈血中尿素濃度の透析前後比が得られる尿素クリアランス(モデルクリアランス)が算出される。ところが、このようにして算出された尿素クリアランスには、諸臓器の水分量と血流のバラツキに由来する誤差が生じる。また、高血流臓器における水分量と低血流臓器における水分量の比は患者毎に異なる。このようなメカニズムから生じる尿素クリアランスの誤差を補正するために、このモデルクリアランスとすでに算出されている前記クリアランス比が掛け合わされて目標クリアランスが算出される。
目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11では、目標クリアランス算出手段10によって算出された目標クリアランス(K)と使用する血液透析器の総括物質移動面積係数(KOA)と血流量(QB)とから、数式1により透析液流量(QD)が算出されるか、あるいは目標クリアランス(K)と使用する血液透析器の総括物質移動面積係数(KOA)と透析液流量(QD)とから、数式1により血流量(QB)が算出される。このようにして算出された透析液流量(または血流量)は、目標クリアランスを実現する透析液流量(または血流量)である。
目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段11に表示された目標クリアランスを達成するために必要な血流量と透析液流量を、医療スタッフが確認し、血液透析装置を作動させれば目標クリアランスが達成される血液透析治療が行われる。
尚、図3は目標Kt/Vと本発明の透析装置によって達成されたKt/Vとの関係を示すグラフであり、設定透析量に対応して算出された目標Kt/Vと、本発明の透析装置によって達成されたKt/Vとが、非常に強い相関を示すことが分かる。
1 血液透析器
2 血液回路
21 動脈側血液回路
22 静脈側血液回路
3 血液ポンプ
4 透析液ライン
41 透析液供給ライン
42 透析液排液ライン
5 透析液ポンプ
6 除水ライン
7 除水ポンプ
8 制御装置
9 クリアランス比算出手段
10 目標クリアランス算出手段
11 目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段
12 入力手段

Claims (4)

  1. 血液透析器と血液回路、前記血液透析器の上流側に設けられた血液ポンプ、透析液供給ラインおよび除水ラインを含んでなり、
    血液透析治療の透析開始時と終了時の実測血清尿素濃度、透析時間、除水量から、体液量を理想体重の一定比率とする尿素カイネティックモデルを解析して、該尿素カイネティックモデルにおける血液透析器の尿素クリアランス(モデルのクリアランス)を算出するとともに、すでに与えられている血流量、透析液流量、使用した血液透析器の総括物質移動面積係数から、使用した血液透析器の尿素クリアランス(実際のクリアランス)を算出して、実際のクリアランスとモデルのクリアランスの比を算出するクリアランス比(実際/モデル)算出手段と、
    該クリアランス比算出の後に行われる血液透析治療の開始前に、設定透析量に対応する血清尿素濃度の透析前後比を算出し、予定除水量、予定透析時間から前記尿素カイネティックモデルを解析して、血清尿素濃度の該透析前後比が得られるモデルクリアランスを算出し、該モデルクリアランスとすでに算出されている前記クリアランス比を掛け合わせることにより該モデルクリアランスを補正して目標クリアランスを算出する目標クリアランス算出手段と、
    使用する血液透析器の総括物質移動面積係数と共に、血流量または透析液流量のどちらか一方を設定したときに、目標クリアランスが得られるもう一方の透析液流量または血流量を算出し表示する目標クリアランスが得られる透析条件の算出・表示手段と、を備えてなる血液透析装置。
  2. 透析条件算出・表示手段が、設定可能範囲内の透析液流量の下限値における目標クリアランスが得られる血流量を算出・表示するようになっている請求項1に記載の血液透析装置。
  3. 透析条件算出・表示手段が、血流量を変更する場合に、血流量の変更にともなって、目標クリアランスが得られるような新たな透析液流量を連続的に算出・表示するようになっている請求項1に記載の血液透析装置。
  4. 透析条件算出・表示手段が、透析液流量を変更する場合に、透析液流量の変更にともなって、目標クリアランスが得られるような新たな血流量を連続的に算出・表示するようになっている請求項1に記載の血液透析装置。
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