JP5357627B2 - 液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法 - Google Patents
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Description
一般に、工業用の液化ガスには、その製造プロセス等に由来する、水、酸素、窒素、水素、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、炭化水素等が不純物成分として含まれているが、液化ガスの液相中と気相中では、これらの不純物成分濃度は異なっている。
従来、これらの工業用液化ガス中に含まれる不純物成分濃度の測定は、容器中の液相と気相の両相における不純物成分濃度測定、または、液化ガスの液相を気化させて、実際に使用される液相中の不純物成分濃度を気体状態にして測定することにより製造時、もしくは精製時の不純物成分濃度管理、又は供給時の液化ガスの品質管理が行われてきた。
一方、下記特許文献1には、冷媒に使用される液化ガスの液相試料を気化して分析する際に、気化が低沸点成分から先に起こり高沸点成分の気化が遅れるため、気化させた後に、ガス均質化手段を有するバッファ容器内で均質化された混合冷媒ガスのガス分析装置が開示されている。
特許文献4には容器に貯蔵された液化ガスの気相中に存在する微量不純物成分を高感度に分析する方法が開示されているが、容器に貯蔵された液化ガスの液相中に存在する微量不純物成分の分析方法については開示されていない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、液相不純物成分分析用サンプリング容器、液相不純物成分分析用ライン、液相不純物成分分析用気化器などの専用設備を設けることなく、また、液化ガスの液相中に含まれる不純物成分濃度を測定するために直接液相から試料を採取することなく、気相部から試料を採取して分析することにより、容器内に貯蔵された液化ガスの液相中の不純物成分の濃度を容易に推定する方法を提供することを目的とする。
[1]主成分である液化ガスよりも易揮発性の不純物成分(In)を1成分以上含む液化ガスが一定温度下に気液平衡状態で貯蔵されている容器内の液相中の不純物成分濃度(Cln)の推定方法であって、
該容器における気相中の不純物成分濃度の実測値(Cvn)と、該容器内において前記一定温度(t℃)で気液平衡状態にある該液化ガス液相中と気相中における各不純物成分(In)の濃度比(気液平衡定数Kn=[液相中の不純物成分濃度(Cln)]/[気相中の不純物成分濃度(Cvn)])から、
下記式〔1〕により、該液相中の不純物成分濃度(Cln)を推定することを特徴とする、液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
液相中の不純物成分濃度(Cln)=Kn×気相中の不純物成分濃度(Cvn)・・〔1〕
[2]前記気液平衡定数Knが一定温度(t℃)で液化ガスが貯蔵されている容器内の、気液平衡状態にある液相部と気相部からそれぞれ試料を採取して定量分析により求められる実測値Kmであることを特徴とする、前記[1]に記載の液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
[3]前記気液平衡定数Knが一定温度(t℃)で気相中に含まれる不純物成分量と液相中に含まれる不純物成分量の関係を示す、ソアブ・レドリッヒ・クゥオン(Soave-Redlich-Kwong)状態方程式(SRK状態方程式)と指数型混合則から求められる計算値Kcであることを特徴とする、前記[1]に記載の液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
[4]前記液化ガスが液化アンモニアであり、液相中の不純物成分(In)が少なくともメタン、及び/又は酸素であることを特徴とする、前記[1]ないし[3]のいずれかに記載の、液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
又、気液平衡定数Knは実測により求めることも可能であるが、気液平衡データを利用して理論式から算出することも可能であるので液化ガスを供給する際の品質管理、及び液化ガス中の易揮発性ガス濃度を低減化するために液化ガス容器中の気相部のガスを排出して液化ガスを高純度化する際に液相中の易揮発性の不純物成分濃度を推定するのに実用上極めて有用である。
主成分である液化ガスよりも易揮発性の不純物成分(In)を1成分以上含む液化ガスが一定温度下に気液平衡状態で貯蔵されている容器内の液相中の不純物成分濃度(Cln)の推定方法であって、
該容器における気相中の不純物成分濃度の実測値(Cvn)と、該容器内において一定温度(t℃)で平衡状態にある該液化ガス液相中と気相中における各不純物成分(In)の濃度比(気液平衡定数Kn=[液相中の不純物成分濃度(Cln)]/[気相中の不純物成分濃度(Cvn)])から、
下記式〔1〕により、該液相中の不純物成分濃度(Cln)を推定することを特徴とする。
液相中の不純物成分濃度(Cln)=Kn×気相中の不純物成分濃度(Cvn)・・〔1〕
本発明の「液化ガスの液相中に含まれる不純物成分濃度の推定方法」は、主成分である液化ガス中に、該液化ガスよりも易揮発性の1以上の不純物成分(I1、I2、I3、・・・)が含まれている場合に、容器内において一定温度で気液平衡状態にある気相中のこれらの不純物成分のそれぞれの濃度(Cv1、Cv2、Cv3、・・・)を測定した後、前記温度におけるこれらの成分の液相と気相のそれぞれの成分濃度比(気液平衡定数K1、K2、K3、・・・)から下記式により、該容器内の液相中の不純物成分濃度(Cl1、Cl2、Cl3、・・・)をそれぞれ下記式から推定することが可能である。
Cl1=K1×Cv1、 Cl2=K2×Cv2、 Cl3=K3×Cv3、・・・
このような気液平衡定数Knは、後述する実測値、及び理論式からの計算値によりそれぞれ求めることができる。以下、実測値から求められる気液平衡定数をKm、気液平衡データを利用して理論式からの計算により求められる気液平衡定数をKcということがある。
(2)実測値に基づく気液平衡定数Kmの求め方
気液平衡定数Kmの測定対象となる不純物成分(In)の濃度の異なる複数の試料を用意して、それぞれの容器内に供給し、次に一定温度で気液平衡状態に維持した後、各不純物成分(In)について、気相中の各不純物成分濃度(Cvn)と液相中の不純物成分濃度(Cln)とをそれぞれ測定して、気液平衡データを作成し、各々についてKmを算出して平均すればよい。また、その都度測定しなくとも、実験に基づくデータを文献やデータ集等から求めることも可能である。
尚、気液平衡データとは混合物の気相と液相との間の平衡状態のデータであり温度、圧力、気相組成、液相組成のことをいい、相平衡データの一種である。
気相中の各不純物成分の濃度(Cvn)の測定は、特に制限されるものではなく、公知のガスクロマトグラフ法を用いて行うことができる。ガスクロマトグラフとしては例えば、GLサイエンス社製、型式:パルス放電式検出器付ガスクロマトグラフ(以下、「パルス放電式検出器付ガスクロマトグラフ」をGC−PDDということがある)が使用可能であり、また、水素炎イオン検出器付きガスクロマトグラフ(以下、GC−FIDということがある)を用いても、同様に測定を行うこともできる。
尚、液相中の不純物成分濃度の測定を行う場合には、前記各容器内の液相から試料を採取して、この液相を気化器にて気化させて均質化して、前記GC−PDD、GC−FID等を用いて測定を行うことができる。
一定温度(t℃)で気相中に含まれる不純物成分量と液相中に含まれる不純物成分量の関係は、状態方程式として、ソアブ・レドリッヒ・クゥオン(Soave-Redlich-Kwong)状態方程式(SRK状態方程式)、BWR状態方程式等のいずれかを用いることができ、また、複数からなる成分系には混合則を適用する必要があるので、該混合則として指数型混合則、簡易型混合則、PSRK混合則等のいずれかを組み合わせて気液平衡定数Kcを求めることができる。
前記状態方程式と混合則の組み合わせについては特に制限されるものではない。
本明細書において、前記SRK状態方程式と指数型混合則を用いて、気液平衡定数Kcを求めることが好ましく、以下に該方法について説明する。
尚、SRK状態方程式と指数型混合則については、それぞれ下記非特許文献1〜4において説明されている。
(a)非特許文献1(状態方程式についての文献)
高松洋、外1名、“九州大学大学院総合理工学研究科 機能物質科学研究所 報告”第4巻、第1号、1990年 p.39−46
(b)非特許文献2(指数型混合則についての文献)
小渕茂寿、外2名、“分離技術”第38巻、第6号、2008年 p.387−393
(c)非特許文献3(状態方程式についての文献)
Sandarusi et al. “Ind. Eng. Chem. Process. Des. Dev.”, 25, 1986 P.957−963
(d)非特許文献4(指数型混合則についての文献)
Haruki.M et al. “J. Chem. Eng. Jpn.”, 32, 1999 P.535−539
以下に、上記理論式からの計算値に基づく気液平衡定数Kcの求め方について記載する。
また、すべてを理論的に推算する場合だけでなく、実測値を用いて半理論値を算出する方法もある。このような方法として、例えばUNIFACといった原子団寄与法、状態方程式中のパラメータを実験値から決定する方法などをあげることができる。
状態方程式を用いた混合物の物性の推算は、状態方程式と混合則とに基づいて、相平衡(気液平衡)の計算より行うことができる。この場合、単物質各々の臨界定数や蒸気圧、異種の分子間相互作用パラメータ等が必要となる。このような異種の分子間相互作用パラメータは、経験的パラメータとして、気液平衡データを相当の精度で表すことが可能であり、かつ有用であることは、一般に知られている。
気液平衡定数Kcを理論的に推算する場合、前記異種の分子間相互作用パラメータを決定する際に、一度は実測に基づく気液平衡データを利用することで、より精度が向上した推算が可能になる。
以下に状態方程式にSRK状態方程式を、混合則に指数型混合則を用いた場合の気液平衡定数Kcの求め方を説明する。
SRK状態方程式は次式で表され(非特許文献1、40頁参照)、3変数対応状態原理に基づいているので、Tc、Pc、ωを与えれば物性値を計算することができる。
上記式中、Pは全圧力、Rは一般ガス定数、Tは絶対温度、vはモル体積である。
上記式中、aは引力項の係数、bは排除体積であるが、純物質の場合にこれらの値は、下記式より求められる。尚、acはエネルギーパラメータαの温度補正係数、Tcは臨界温度、Pcは臨界圧力、ωは分子の球形分子からの偏倚を表す偏心係数であり、Ωa及びΩbは臨界点の条件より与えられる数値である。
a及びbは、定数であってもよいが、温度と物質に依存する関数としてもよい。
xi、xjはi、j成分の濃度、kij、lij、βは異種の分子間相互作用を表すパラメータであり、kijは分子間の引力の補正項、βは標準状態から高温高圧状態に至る程度の補正項、lijは物質の状態を示す補正項(純物質の場合には偏心係数から求められる)である。以上、kij、lij、βの値が決定されれば、純物質の定数(Tc、Pc、ω)を用いて混合物の物性が計算できることになる。
液相中のi成分のフガシティfi=気相中のi成分のフガシティfi
ここで、fはフガシティを表す。
気液平衡定数Kcは、i成分とj成分からなる2成分系において、例えば下記手順により求めることができる。
(ロ−1)先ず、異種の分子間相互パラメータを決定する。気液平衡データから、異種分子間相互作用を表すパラメータkij、lij、βを決める必要がある。
尚、後述するように、kijとβはデータ集等から容易に決めることができるが、lijは一義的に決定することは出来ない場合に、仮定値を用いて計算を行い、液相中の成分のフガシティと、液相中の該成分のフガシティが等しくなるときに得られる気液平衡定数の計算値を、気液平衡定数の実測値でその妥当性をチェックする試行錯誤の計算を行うことにより、lijを決定することができる。
(ロ−2)上記異種分子間相互作用を表すパラメータを指数型混合則等に適用して、aijb、bijをそれぞれ求める。
aij上記は上記式にkij等をあてはめて求めることができる。
b、bijは上記式にlij、β等をあてはめて求めることができる。
Tl=Tv=T
Pl=Pv=T
成分iについて、液相のフガシティ(fi)=気相のフガシティ(fi)
成分jについて、液相のフガシティ(fj)=気相のフガシティ(fj)
また、気液両層の組成は定義により、成分i、成分jについて
液相中の、i成分の濃度(xi)+j成分の濃度(xj)=1、
及び、気相中の、i成分の濃度(xi)+j成分の濃度(xj)=1
の関係にあるので、上式から、例えばj成分については
[液相中のj成分の濃度(xj)]/[気相中のj成分の濃度(xj)]から気液平衡定数Kcを求めることができる。
lijの仮定値を変更して気液平衡定数の計算値Kcが実測値Kmと等しくなるまで繰り返し計算を行い、気液平衡計算を行う。
計算値Kcが実測値Kmと等しくなったとき、上記仮定値lijは、i成分とj成分からなる2成分系における気液平衡データとして使用することが可能になる。
このように、i成分とj成分からなる2成分系においては、一度は気液平衡定数の実測値Kmを求めておく必要があるが、上記試行錯誤の計算から、気液平衡定数の計算値Kcが実測値Kcと等しくなる「l12」が求められたら、以後、同じ混合系での気液平衡定数の計算に該「l12」を使用することができるので、その都度「l12」を求める必要はなくなる。
尚、共沸組成を形成しない系においては、上述の通り気液平衡定数の計算値Kc又は実測値Kmを利用して、気相中の不純物成分濃度(Cvn)から液相中の不純物成分濃度(Cln)を推定することが可能である。また、共沸組成を形成する系においても、共沸組成を形成しない系と同様に、一定温度(t℃)で気液平衡状態にある該液化ガス液相中と気相中における各不純物成分(In)の濃度比を利用して、気相中の不純物成分濃度(Cvn)から液相中の不純物成分濃度(Cln)を推定することが可能である。
上記では、SRK状態方程式に混合則として指数型混合則を適用したが、この組み合わせに限ら図、前述した通り、SRK状態方程式に混合則として簡易型混合則(例えば、下記非特許文献6参照)を適用してもよいし、SRK状態方程式に混合則としてPSRK混合則(例えば、下記非特許文献7参照)を用いることができ、さらには、状態方程式もSRK状態方程式に限らずBWR状態方程式(例えば、下記非特許文献5参照)等を用いることもできる。
(a)非特許文献5(BWR状態方程式についての文献)
高松洋、池上康之、九州大学大学院総合理工学研究科、機能物質科学研究所報告、第4巻、第1号、1990年、p.23−37
(b)非特許文献6(簡易型混合則についての文献)
三島健司、外5名、福岡大学工学集報、第59巻、1997年、p.125−129
(c)非特許文献7(PSRK状態方程式についての文献)
春木将司、東秀憲、高圧力の科学と技術、第16巻、2006年、p.260
本発明の液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法に適用可能である液化ガスとしては、特に限定されるものではないが、適用可能な液化ガスとしては、半導体製造プロセスに使用可能な液化アンモニア、液化塩素、三塩化ホウ素、セレン化水素、プロパン等の液化ガスについても、それぞれ同様に各液化ガスより易揮発性の不純物成分であれば、気液平衡定数Knから液相中の不純物成分濃度を気相部の試料を採取して分析することにより、推定することが可能である。
このような液化ガス中の不純物成分(In)はそれぞれの原料と製造プロセスに基づくものであるが、主な製造プロセスにおいて各液化ガス中に含まれていている易揮発性の不純物成分(In)について以下に記載する。
アンモニアは沸点が−33.34℃で、特有の強い刺激臭を持つ、常温常圧では無色の気体である。一般に天然ガス、ナフサ等から水蒸気改質によって製造される工業用液化アンモニア中には、該アンモニアより易揮発性の不純物成分(In)として、メタン、窒素、水素、二酸化炭素、及び一酸化炭素が含有され、また難揮発性の不純物成分として水が含有されている。
これらの不純物成分のうち実用上、又は工業上除去が必要なのは通常、易揮発性成分のメタンと酸素、及び難揮発性成分の水である。25℃程度の温度における気液平衡定数Knは、本明細書の実施例1、2において示されている通り、メタンについては0.0031、酸素については0.0072程度である。
塩素は沸点が−34.1℃であり、半導体の分野でエッチング用等に使用されている。
工業用の液体塩素ガス中には、易揮発性の微量不純物成分として、例えば酸素、水素等が含まれているので、容器内の気相中に含まれるこれらの不純物成分濃度と気液平衡定数Knから、液相中の不純物成分濃度を推定することは可能である。
(ハ)三塩化ホウ素(BCl3)
三塩化ホウ素は、沸点が12.5℃で半導体、液晶等のアルミニウム配線のドライエッチングに使用されている。
工業用の三塩化ホウ素には、易揮発性の微量不純物成分として、例えば酸素、塩素を含んでいるので、容器内の気相中に含まれるこれらの不純物成分濃度と気液平衡定数Knから,液相中の不純物成分濃度を推定することは可能である。
セレン化水素は、沸点:−41.2℃であり、半導体用に使用されている。
工業用のセレン化水素には、易揮発性の微量不純物成分として、例えば水素を含んでいるので、容器内の気相中に含まれる水素濃度と気液平衡定数Knから、液相中の水素濃度を推定することは可能である。
(ホ)プロパン
高純度のプロパンはパワー半導体素子の有望な材料である炭化ケイ素デバイスの製造原料として近年注目されている。工業用や一般燃料用のプロパンガスは、一般に易揮発性の不純物成分として炭素原子数1〜2の炭化水素を多く含んでいるので、容器内の気相中に含まれるこれらの不純物成分濃度と気液平衡定数Knから、液相中の不純物成分濃度を推定することは可能である。
このように液化ガス中の液相中に含まれる、該液化ガスよりも易揮発性の不純物成分濃度(Cln)が推定された該液化ガスを気化して得られるガスは、高純度半導体材料ガスとして半導体製造装置に供給することができる。
[実施例1]
実施例1において、容器内に不純物成分としてメタンを含有する液化アンモニアが、一定温度、圧力で、かつ気液平衡状態で貯蔵されている場合の、気液平衡定数の実測値Kmと計算値Kcを求めた。
(1)実測値に基づく気液平衡定数Km
液化アンモニア中のメタン含有濃度の異なる、表1に示す試料1―1〜9を、それぞれ容器内に供給して、25℃、0.898MPaに維持された状態で該容器内の気相中のメタン濃度と液相中のメタン濃度を測定した。
前記容器中の気相部からの試料を採取する際、その採取環境温度は前記容器温度以上の雰囲気中として、採取した試料の一部が液化しない条件下にて行った。また、測定環境温度も同様とした。
気相部から採取した試料中のメタン濃度を、ガスクロマトグラフGC−PDD(GLサイエンス社製、型式:パルス放電式検出器付ガスクロマトグラフ)により測定した。
また、液相中のメタン濃度の測定を行った。前記各容器内の液相部から試料を採取して、この液相を気化器にて気化させて均質化して、前記GC−PDDを用いて測定を行った。
試料1―1〜9についてそれぞれ気液平衡定数Km(液相中のメタン濃度/気相中のメタン濃度)を求めた結果を表1に示す。各試料の気液平衡定数Kmはいずれも0.003の近傍にあり、その平均値は0.0031であった。
容器内に、不純物成分としてメタンを含有する液化アンモニアが25℃で0.898MPaに維持されている場合のKcの計算例である。
下添字「1」はアンモニア、下添字「2」はメタンを示すものとする。
(イ)アンモニアについて
アンモニアについての公知の気液平衡データを以下に記載する。
Tc1=132.5℃
Pc1=11.33MPa
ω1=0.25
α1=1.26
メタンについての公知の気液平衡データを以下に記載する。
Tc2=−82.4℃
Pc2=4.63MPa
ω2=0.008
α2=1.77
(ハ)異種分子間相互作用パラメータk12、l12、βについて
k12:アンモニア−メタン間に作用する引力は非常に小さいので、k12=0とした。
β:高温高圧下を想定しない範囲内で適用できるβの値である、β=1とした。
l12:仮定値をそれぞれ下記l12=0、l12=−0.6として計算を行った。
25℃で0.898MPaで、アンモニア液相中のメタン濃度が240vol.ppbのとき、アンモニア気相中のメタン濃度が74000vol.ppb(いずれも実測値)となるケースについて以下の手順で決定した。
〈1〉l12を0と仮定したとき
〈1−1〉l12=0と仮定して、液相のフガシティf2、と気相のフガシティf2を計算した。
〈1−2〉液相のフガシティf2=気相のフガシティf2となるときの液相中のメタン濃度と気相中のメタン濃度とを算出した。
〈1−3〉上記〈1−2〉の計算から求められる、液相中のメタン濃度と気相中のメタン濃度から得られる気液平衡定数の計算値Kcと、実測値Km(0.0032=240/74000)とを比較評価する。
〈1−4〉上記〈1−3〉の結果、計算値Kcは実測値Kmから乖離していたので、次の再計算を行った。
〈2〉l12を−0.6と仮定したとき
〈2−1〉l12=−0.6と仮定して、上記〈1〉に記載したと同様の計算を行った。
〈2−2〉計算から求められる、液相中のメタン濃度と気相中のメタン濃度から得られる気液平衡定数の計算値Kcと、実測値Km(0.0032)とがほぼ同じ値となった。
〈3〉このようにして、異種の分子間相互作用パラメータk12、l12、βが決定されたので、以後、これらの気液平衡データを用いてアンモニア−メタン系の気液平衡定数等を求めることができる。
図1に、表1のアンモニア液相中及び気相中のメタンの濃度実測値をプロットして示した。このプロットを結んで得られる仮想線の傾きから気液平衡定数Km(0.0031)が求められた。
また、図1に、SRK状態方程式と指数型混合則から上記計算により得られた、気液平衡定数Kc(240/74000=0.0032)を実線で示す。
上記から、気相中のメタン濃度(測定値)と、気液平衡定数Km又はKcから、液相中のメタン濃度を高い精度で推定することが可能である。
実施例2において、容器内に不純物成分として酸素を含有する液化アンモニアが、一定温度、圧力で、かつ気液平衡状態で貯蔵されている場合の、気液平衡定数の実測値Kmと計算値Kcを求めた。
(1)実測値に基づく気液平衡定数Km
前記と同様に、25℃、0.898MPaに維持された状態で容器内のアンモニア−酸素系の気相中の酸素濃度と液相中の酸素濃度をGC−PDDにより測定した。その測定値を表2にまとめて示す。
容器内に、不純物成分として酸素を含有する液化アンモニアが、25℃、0.898MPaに維持されている場合の計算例である。
下添字「1」はアンモニアを、下添字「2」は酸素を示すとする。
(イ)アンモニアについて
アンモニアについての公知の気液平衡データを以下に記載する。
Tc1=132.5℃
Pc1=11.33MPa
ω1=0.25
α1=1.26
(ロ)酸素について
酸素についての公知の気液平衡データを以下に記載する。
Tc2=−118.57℃
Pc2=5.05MPa
ω2=0.292
α2=1.77
(ハ)異種分子間相互作用パラメータk12、l12、βについて
アンモニア−酸素間に作用する引力は非常に小さいので、k12=0とした。
高温高圧下を想定しない範囲内で適用できるβの値である、β=1とした。
l12:仮定値をそれぞれ下記l12=0、l12=−1.1として計算を行った。
〈1〉l12を0と仮定したとき
〈1−1〉l12=0と仮定して、液相のフガシティf2、と気相のフガシティf2を計算した。
〈1−2〉液相のフガシティf2=気相のフガシティf2となるときの液相中のメタン濃度と気相中のメタン濃度とを算出した。
〈1−3〉上記〈1−2〉の計算から求められる、液相中のメタン濃度と気相中のメタン濃度から得られる気液平衡定数の計算値Kcと、実測値Km(0.0077=10/1300)とを比較評価する。
〈1−4〉上記〈1−3〉の結果、計算値Kcは実測値Kmから乖離していたので、次に再計算を行った。
〈2〉l12を−1.1と仮定したとき
〈2−1〉l12=−1.1と仮定して、上記〈1〉に記載したと同様の計算を行った。
〈2−2〉計算から求められる、液相中のメタン濃度と気相中のメタン濃度から得られる気液平衡定数の計算値Kc(0.0077)と、実測値Km(0.0072)とがほぼ同じ値となった。
〈3〉このようにして、異種の分子間相互作用パラメータk12、l12、βが決定されたので、以後、これらの気液平衡データを用いてアンモニア−酸素系の気液平衡定数等を求めることができる。
図2に、表2のアンモニア液相中及び気相中の酸素の濃度実測値をプロットして示した。このプロットを結んで得られる仮想線の傾きから気液平衡定数Km(0.0072)が求められた。
また、図2に、SRK状態方程式と指数型混合則から上記計算により得られた、気液平衡定数Kc([10/1300]=0.0077)を実線で示す。
上記から、気相中の酸素濃度(測定値)と、気液平衡定数の実測値Km又は計算値Kcから、液相中の酸素濃度を推定することが可能である。
実施例3において、容器内に不純物成分としてメタンを含有する液化アンモニアが、一定温度、圧力で、かつ気液平衡状態で貯蔵されている場合の、気相中のメタン濃度と気液平衡定数Kmから液相中のメタン濃度の推定を行った。
内容積100リットルの容器中に25℃、0.898MPaに維持された工業用アンモニアが50kg貯蔵されている。該容器の気相部から、貯蔵量の2質量%である1kgに相当するアンモニアガスを放出した。
アンモニアガスを放出終了後、1時間以上経過させて液相部及び気相部温度が25℃、0.898MPaで気液平衡状態にある気相中から試料を採取してガスクロマトグラフ(GLサイエンス社製、型式:パルス放電式検出器付ガスクロマトグラフ)により、メタン濃度の測定を行った。メタン濃度は2600(vol.ppb)であった。このときの液相中のメタン濃度を,上記気相中のメタン濃度と前記実施例1で実測された気液平衡定数Km(0.0031)から推定すると8(vol.ppb)となった。
工業的価値の高い高純度アンモニアは、液相アンモニアを直接取出して供給する場合、液相中のメタン濃度は通常10(vol.ppb)以下とされている。
本実施例3のように、工業用アンモニアであっても気相中のメタン濃度の測定により、容器気相部から、放出するアンモニアガス量を想定後、該アンモニアガス量を放出して、該液化ガス中に含まれていた該液化ガスよりも易揮発性の不純物成分を低減化し、放出後の容器気相中のアンモニアガスの不純物成分の濃度測定をしておけば、容器内液相の液化アンモニア濃度の管理可能となるので、工業用液化アンモニアを高純度アンモニアとして利用することが可能になる。
実施例4に於いて、実施例2に記載した容器内に貯蔵された、一定温度、圧力に維持されて気液平衡状態にある工業用液化アンモニアの液相中の酸素濃度の推定を行った。
実施例2において、25℃、0.898MPaで気液平衡状態にある液化アンモニア中の酸素の気液平衡定数の実測値Kmは0.0072であった。
25℃、0.898MPaに1時間以上維持して、気液平衡状態にある工業用液化アンモニアガスの気相部から試料を採取してガスクロマトグラフ(GLサイエンス社製、型式:パルス放電式検出器付ガスクロマトグラフ)により、酸素濃度の測定を行った。酸素濃度は2600(vol.ppb)であった。このときの液相中の酸素濃度は、上記気相中の酸素濃度と前記気液平衡定数Km=0.0072から推定すると19(vol.ppb)となる。
前記気相部から試料を採取する際に、液相部からも試料を採取して、この液相を気化器にて気化させて均質化して、前記GC−PDDを用いて測定を行った。酸素濃度の測定値は20(vol.ppb)であり、前記推定値にほぼ一致した。
実施例5において、実施例3で使用した工業用液化アンモニアガス50kgが貯蔵されている容器内の液化アンモニアの気相部から該気相中の酸素濃度が1000(vol.ppb)になるまで該容器内の液相部と気相部を温度25℃、圧力0.898MPa程度に維持しながらアンモニアガスを放出して、該放出したアンモニアガスを再冷却して内容積20リットル(L)の回収容器に移充填した。
アンモニアガス6.5kgを20L回収容器に移充填した時点で気相中の不純物酸素濃度は1000(vol.ppb)になった。この時の工業用液化アンモニアが貯蔵されていた容器内の液相中の酸素濃度は、気液平衡定数Km=0.0072から7.2(vol.ppb)となることが推定された。前記気相部から試料を採取する際に、液相部からも試料を採取して、この液相を気化器にて気化させて均質化して、前記GC−PDDを用いて測定を行った。酸素濃度の測定値は7.6(vol.ppb)であり、前記推定値にほぼ一致した。
以上のように、工業用液化アンモニアの液相中の酸素濃度と、容器内気相部のアンモニアガス放出により液化アンモニア精製後の液相酸素濃度をそれぞれ気相中酸素濃度の測定値から推定することにより、酸素濃度10(vol.ppb)以下を規格値又は実測値とする、不純物成分濃度が管理された高純度アンモニアを製造、及び移充填等により供給することが容易になる。
また、液化ガス中に含まれる該液化ガスよりも易揮発性の不純物成分を減少させるために液化ガスが貯蔵されている容器内の気相ガスを放出する場合に気相中の不純物成分の濃度測定により、液相中の不純物成分の濃度を容易に推定できるので、液化ガスの濃度管理が容易になる。
本発明の液化ガスの液相中に含まれる不純物成分濃度の推定方法の採用により、濃度管理された高純度半導体材料ガスを半導体製造装置に供給でき、該半導体製造装置で形成される製造物がより良質なものとなる。
Claims (4)
- 主成分である液化ガスよりも易揮発性の不純物成分(In)を1成分以上含む液化ガスが一定温度下に気液平衡状態で貯蔵されている容器内の液相中の不純物成分濃度(Cln)の推定方法であって、
該容器における気相中の不純物成分濃度の実測値(Cvn)と、該容器内において前記一定温度(t℃)で気液平衡状態にある該液化ガス液相中と気相中における各不純物成分(In)の濃度比(気液平衡定数Kn=[液相中の不純物成分濃度(Cln)]/[気相中の不純物成分濃度(Cvn)])から、
下記式〔1〕により、該液相中の不純物成分濃度(Cln)を推定することを特徴とする、液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
液相中の不純物成分濃度(Cln)=Kn×気相中の不純物成分濃度(Cvn)・・〔1〕 - 前記気液平衡定数Knが一定温度(t℃)で液化ガスが貯蔵されている容器内の、気液平衡状態にある液相部と気相部からそれぞれ試料を採取して定量分析により求められる実測値Kmであることを特徴とする、請求項1に記載の液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
- 前記気液平衡定数Knが一定温度(t℃)で気相中に含まれる不純物成分量と液相中に含まれる不純物成分量の関係を示す、ソアブ・レドリッヒ・クゥオン(Soave-Redlich-Kwong)状態方程式(SRK状態方程式)と指数型混合則から求められる計算値Kcであることを特徴とする、請求項1に記載の液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
- 前記液化ガスが液化アンモニアであり、液相中の不純物成分(In)が少なくともメタン、及び/又は酸素であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の、液化ガスの液相中の不純物成分濃度の推定方法。
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