本発明の態様が、本発明の特定の実施形態を対象とする以下の説明、および関連する図面において開示される。代替の実施形態が、本発明の範囲を逸脱することなく考案されることが可能である。さらに、本発明のよく知られた要素は、本発明の関係のある詳細を不明瞭にしないように、詳細には説明されない、または省略される。
「例示的」および/または「例」という語は、「例、実例、または例示の役割をする」を意味するように本明細書で使用される。「例示的」および/または「例」として本明細書で説明されるいずれの実施形態も、必ずしも、他の実施形態より好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。同様に、「本発明の実施形態」という言葉は、本発明のすべての実施形態が、説明される特徴、利点、または動作モードを含むことは要求しない。
さらに、多くの実施形態は、例えば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されるべきアクションのシーケンスに関連して説明される。本明細書で説明される様々なアクションは、特定の回路(例えば、ASIC(特定用途向け集積回路))によって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されているプログラム命令によって、または特定の回路とそのようなプログラム命令の組合せによって実行され得ることが理解されよう。さらに、本明細書で説明されるアクションのこれらのシーケンスは、実行されると、関連するプロセッサに、本明細書で説明される機能を実行させるコンピュータ命令の対応するセットを格納している任意の形態のコンピュータ可読媒体内で完全に実現されると考えられ得る。このため、本発明の様々な態様は、いくつかの異なる形態で実施されることが可能であり、これらの形態のすべてが特許請求される主題の範囲に含まれることが企図されている。さらに、本明細書で説明される実施形態のそれぞれに関して、任意のそのような実施形態の対応する形態が、例えば、説明されるアクションを実行する「ように構成されたロジック」として、本明細書で説明されることが可能である。
本明細書でUE(ユーザ機器)と呼ばれるHDR(ハイデータレート)加入者局は、モバイル型であっても、移動型であってもよく、さらにノードBと呼ばれることが可能な1つまたは複数のアクセスポイント(AP)と通信することが可能である。UEは、ノードBの1つまたは複数を介してRNC(無線ネットワークコントローラ)を相手にデータパケットの送受信を行う。ノードBおよびRNCは、RAN(無線アクセスネットワーク)と呼ばれるネットワークの部分である。無線アクセスネットワークは、複数のアクセス端末装置の間で音声パケットおよびデータパケットをトランスポートすることができる。
無線アクセスネットワークは、特定の通信事業者関連のサーバおよびデバイス、ならびに企業イントラネット、インターネット、PSTN(公衆交換電話網)、SGSN(サービングGPRS(汎用パケット無線サービス)サポートノード)、GGSN(ゲートウェイGPRSサポートノード)などの他のネットワークに対する接続を含むコアネットワークなどの、無線アクセスネットワークの外部のさらなるネットワークにさらに接続されることが可能であり、さらに各UEとそのようなネットワークの間で音声パケットおよびデータパケットをトランスポートすることが可能である。1つまたは複数のノードBを相手にアクティブのトラフィックチャネル接続を確立したUEは、アクティブのUEと呼ばれることが可能であり、さらにトラフィック状態にあると呼ばれ得る。1つまたは複数のノードBを相手にアクティブのTCH(トラフィックチャネル)接続を確立するプロセスにあるUEは、接続セットアップ状態にあると呼ばれ得る。UEは、無線チャネルを介して、または有線チャネルを介して通信する任意のデータデバイスであることが可能である。UEはさらに、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)デバイス、外部モデムもしくは内部モデム、または無線電話機もしくは有線電話機を含むが、以上には限定されないいくつかのタイプのデバイスのいずれであってもよい。UEがノードBに信号を送信する通信リンクは、アップリンクチャネル(例えば、逆方向トラフィックチャネル、制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。ノードBがUEに信号を送信する通信リンクは、ダウンリンクチャネル(例えば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書で説明されるTCH(トラフィックチャネル)という用語は、アップリンク/逆方向トラフィックチャネルを指すことも、ダウンリンク/順方向トラフィックチャネルを指すことも可能である。
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による無線通信システム100の1つの例示的な実施形態のブロック図を示す。システム100は、パケット交換データネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、および/またはコアネットワーク126)とUE102、108、110、112の間でデータ接続を提供するネットワーク機器にアクセス端末装置102を接続することができるアクセスネットワークまたはRAN(無線アクセスネットワーク)120を相手に、無線インタフェース104を介して通信状態にある、セルラ電話機102などのUEを含むことが可能である。図示されるとおり、UEは、セルラ電話機102、携帯情報端末108、または、この図では双方向テキストポケットベルとして示される、ポケットベル110であることが可能であり、あるいは無線通信ポータルを有する別個のコンピュータプラットフォーム112であることさえ可能である。このため、本発明の実施形態は、限定なしに、無線モデム、PCMCIAカード、パーソナルコンピュータ、電話機、または以上の任意の組合せもしくは部分的組合せを含む、無線通信ポータルを含む、または無線通信能力を有する任意の形態のアクセス端末装置上で実現され得る。さらに、本明細書で使用される、他の通信プロトコル(すなわち、W-CDMA以外の)における「UE」という用語は、「アクセス端末装置」、「AT」、「無線デバイス」、「クライアントデバイス」、「モバイル端末装置」、「移動局」、および以上の変種の名称で互換的に呼ばれることが可能である。
図1を再び参照すると、無線通信システム100の構成要素、ならびに本発明の例示的な実施形態の要素の相互関係は、例示される構成に限定されない。システム100は、単に例示的であるに過ぎず、互いの間で無線で、さらに/または無線インタフェース104、ならびにコアネットワーク126、インターネット、PSTN、SGSN、GGSN、および/またはその他の遠隔サーバを限定なしに含むRAN120を介して接続された構成要素の間で、無線クライアントコンピューティングデバイス102、108、110、112などの遠隔UEが通信することを許す任意のシステムを含み得る。
RAN120は、RNC122に送信されるメッセージ(通常、データパケットとして送信される)を制御する。RNC122は、SGSN(サービングGPRSサポートノード)とUE102/108/110/112の間でベアラチャネル(すなわち、データチャネル)をシグナリングし、確立し、解体することを担う。リンク層暗号化が使用可能にされる場合、RNC122は、無線インタフェース104を介してコンテンツを転送する前に、コンテンツを暗号化することも行う。RNC122の機能は、当技術分野でよく知られており、簡明のため、さらに説明することはしない。コアネットワーク126は、ネットワーク、インターネット、および/またはPSTN(公衆交換電話網)によってRNC122と通信することが可能である。代替として、RNC122は、インターネットまたは外部ネットワークに直接に接続されてもよい。通常、コアネットワーク126とRNC122の間のネットワーク接続またはインターネット接続は、データを転送し、PSTNは、音声情報を転送する。RNC122は、複数のノードB124に接続され得る。コアネットワーク126と同様の仕方で、RNC122は、通常、データ転送および/または音声情報のためにネットワーク、インターネット、および/またはPSTNによってノードB124に接続される。ノードB124は、セルラ電話機102などのUEに無線でデータメッセージをブロードキャストすることができる。ノードB124、RNC122、およびその他の構成要素は、当技術分野で知られているとおり、RAN120を形成することが可能である。しかし、代替の構成が使用されることも可能であり、本発明は、例示される構成に限定されない。例えば、別の実施形態において、RNC122の機能と、ノードB124のうち1つまたは複数のノードB124の機能が、RNC122とノードB124の両方の機能を有する単一の「ハイブリッド」モジュールにまとめられることが可能である。
図2Aは、本発明の或る実施形態によるコアネットワーク126を示す。詳細には、図2Aは、W-CDMAシステム内で実施されるGPRS(汎用パケット無線サービス)コアネットワークの構成要素を示す。図2Aの実施形態において、コアネットワーク126は、SGSN(サービングGPRSサポートノード)160、GGSN(ゲートウェイGPRSサポートノード)165、およびインターネット175を含む。しかし、インターネット175および/またはその他の構成要素のいくつかの部分が、代替の実施形態において、コアネットワークの外部に配置されてもよいことが理解される。
一般に、GPRSは、IP(インターネットプロトコル)パケットを伝送するためにGSM(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ)によって使用されるプロトコルである。GPRSコアネットワーク(例えば、GGSN165および1つまたは複数のSGSN160)は、GPRSシステムの集中化された部分であり、W-CDMAベースの3Gネットワークのサポートも提供する。GPRSコアネットワークは、GSMコアネットワークの統合された部分であり、GSMネットワークおよびW-CDMAネットワークにおけるIPパケットサービスのための移動性管理、セッション管理、およびトランスポートを提供する。
GTP(GPRSトンネリングプロトコル)は、GPRSコアネットワークの定義的なIPプロトコルである。GTPは、GSMネットワークまたはW-CDMAネットワークのエンドユーザ(例えば、アクセス端末装置)が、GGSN165における1つのロケーションからであるかのようにインターネットに継続的に接続されながら、転々と移動することを許すプロトコルである。このことは、加入者のデータを、加入者の現在のSGNS160から、加入者のセッションを扱っているGGSN165に転送して達せられる。
以下の3つの形態のGTP,すなわち、(i)GTP-U、(ii)GTP-C、および(iii)GTP'(GTPプライム)が、GPRSコアネットワークによって使用される。GTP-Uは、各PDP(パケットデータプロトコル)コンテキストに関して分離されたトンネルの中でユーザデータを転送するために使用される。GTP-Cは、制御シグナリング(例えば、PDPコンテキストのセットアップおよび削除、GSN連絡可能性(reachability)の検証、加入者が1つのSGSNから別のSGSNに移動した際の更新または変更など)のために使用される。GTP'は、GSNから課金機能に課金データを転送するために使用される。
図2Aを参照すると、GGSN165が、GPRSバックボーンネットワーク(図示せず)と外部パケットデータネットワーク175の間のインタフェースの役割をする。GGSN165が、SGSN160から来るGPRSパケットから、関連するPDP(パケットデータプロトコル)フォーマット(例えば、IPまたはPPP)を有するパケットデータを抽出し、それらのパケットを対応するパケットデータネットワーク上で送出する。逆の方向で、着信データパケットが、GGSN165によって、RAN120によるサービスを受ける宛先UEのRAB(無線アクセスベアラ)を管理し、制御するSGSN160に向かわされる。その結果、GGSN165は、ターゲットUEの現在のSGSNアドレス、およびターゲットUEのプロファイルをGGSN165のロケーションレジスタの中に(例えば、PDPコンテキスト内に)格納する。GGSNは、IPアドレス割当てを担うとともに、接続されたUEのためのデフォルトのルータである。また、GGSNは、認証機能および課金機能も実行する。
SGSN160は、或る例における、コアネットワーク126内の多くのSGSNの1つを表す。各SGSNは、関連する地理的サービスエリア内のUEからのデータパケット、およびUEへのデータパケットの配信を担う。SGSN160のタスクは、パケットのルーティングおよび転送、移動性管理(例えば、アタッチ/デタッチ管理およびロケーション管理)、論理リンク管理、ならびに認証機能および課金機能を含む。SGSNのロケーションレジスタは、例えば、各ユーザまたは各UEに関する1つまたは複数のPDPコンテキスト内で、SGSN160に登録されたすべてのGPRSユーザのロケーション情報(例えば、現在のセル、現在のVLR)およびユーザプロファイル(例えば、パケットデータネットワークにおいて使用されるIMSI、PDPアドレス)を格納する。このため、SGSNは、(i)GGSN165からのダウンリンクGTPパケットを逆トンネリングする(de-tunneling)こと、(ii)IPパケットをGGSN165に向けてアップリンクトンネリングすること、(iii)UEがSGSNサービスエリア間で移動するにつれ、移動性管理を実行すること、および(iv)モバイル加入者に料金請求することを担う。当業者には理解されるとおり、(i)〜(iv)の他に、GSM/EDGEネットワークのために構成されたSGSNは、W-CDMAネットワークのために構成されたSGSNと比べて、わずかに異なる機能を有する。
RAN120(またはUMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)システムアーキテクチャにおいて、UTRAN)は、フレームリレーまたはIPなどの伝送プロトコルを使用して、Iuインタフェースを介してSGSN160と通信する。SGSN160は、SGSN160および他のSGSN(図示せず)と、内部GGSNとの間のIPベースのインタフェースであるGnインタフェースを介してGGSN165と通信し、前段で定義されたGTPプロトコル(例えば、GTP-U、GTP-C、GTP'など)を使用する。図2Aには示されないが、Gnインタフェースは、DNS(ドメインネームシステム)によっても使用される。GGSN165は、PDN(公共データネットワーク)(図示せず)に接続され、次に、直接に、またはWAP(無線アプリケーションプロトコル)ゲートウェイ経由で、IPプロトコルを使用してGiインタフェースを介してインターネット175に接続される。
PDPコンテキストは、或る特定のUEがアクティブのGPRSセッションを有する場合に、そのUEの通信セッション情報を含む、SGSN160とGGSN165の両方の上に存在するデータ構造である。UEがGPRS通信セッションを開始することを所望する際、UEはまず、SGSN160にアタッチされ、次に、GGSN165を相手にPDPコンテキストをアクティブ化しなければならない。このことは、加入者が現在、滞在しているSGSN160、およびUEのアクセスポイントにサービスを提供するGGSN165においてPDPコンテキストデータ構造を割り当てる。
図2Bは、図1の無線通信システム100の例をより詳細に示す。詳細には、図2Bを参照すると、UE1〜Nが、異なるパケットデータネットワークエンドポイントによるサービスを受けるロケーションにおいてRAN120に接続されているものとして示される。図2Bの例示は、W-CDMAのシステムおよび用語に固有であるが、どのように図2Bが1xEV-DOシステムに適合するように変更され得るかが理解されよう。したがって、UE1および3は、第1のパケットデータネットワークエンドポイント162によるサービスを受ける部分(例えば、SGSN、GGSN、PDSN、HA(ホームエージェント)、FA(外部エージェント)などに対応することが可能な)においてRAN120に接続される。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162は、ルーティングユニット188を介して、インターネット175に、さらに/またはAAA(認証、許可、およびアカウンティング)サーバ182、プロビジョニングサーバ184、IMS(IP(インターネットプロトコル)マルチメディアサブシステム)/SIP(セッション開始プロトコル)登録サーバ186、および/またはアプリケーションサーバ170の1つまたは複数に接続される。UE2およびUE5〜Nが、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164によるサービスを受ける部分(例えば、SGSN、GGSN、PDSN、FA、HAなどに対応することが可能な)においてRAN120に接続される。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162と同様に、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164も、ルーティングユニット188を介して、インターネット175に、さらに/またはAAAサーバ182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186、および/またはアプリケーションサーバ170の1つまたは複数に接続される。UE4が、インターネット175に直接に接続され、さらにインターネット175を介して、前述したシステム構成要素のいずれにも接続され得る。
図2Bを参照すると、UE1、UE3、およびUE5〜Nが、無線セル電話機として示され、UE2が、無線タブレットPCとして示され、さらにUE4が、有線デスクトップステーションとして示される。しかし、他の実施形態では、無線通信システム100は、任意のタイプのUEに接続されることが可能であり、さらに図2Bに示される例は、このシステム内で実施されることが可能なUEのタイプに限定するものでなないことが理解されよう。また、AAA182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186、およびアプリケーションサーバ170はそれぞれ、構造的に別々のサーバとして例示されるが、これらのサーバの1つまたは複数は、本発明の少なくとも1つの実施形態において統合されてもよい。
さらに、図2Bを参照すると、アプリケーションサーバ170が、複数のMCC(メディア制御複合体)1〜N 170B、および複数の地域ディスパッチャ1〜N 170Aを含むものとして図示される。ひとまとめにして、地域ディスパッチャ170AとMCC170Bは、アプリケーションサーバ170内に含められ、サーバ170は、少なくとも1つの実施形態において、無線通信システム100内の通信セッション(例えば、IPユニキャストプロトコルおよび/またはIPマルチキャストプロトコルを介する半二重グループ通信セッション)を調停するように一緒になって機能する複数のサーバの分散ネットワークに対応することが可能である。例えば、アプリケーションサーバ170によって調停される通信セッションは、理論上、システム100内の任意の場所に位置するUEの間で生じ得るため、複数の地域ディスパッチャ170Aおよび複数のMCCが、調停される通信セッションに関する待ち時間を低減するように配置される(例えば、北米大陸にあるMCCが、中国に位置するセッション参加者の間で行き来するようにメディアを中継していることがないように)。このため、アプリケーションサーバ170について述べる場合、関連する機能は、地域ディスパッチャ170Aの1つまたは複数、および/またはMCC170Bの1つまたは複数によって実施され得ることが理解されよう。地域ディスパッチャ170Aは、一般に、通信セッションを確立することと関係する任意の機能(例えば、UEの間でシグナリングメッセージを扱うこと、告知メッセージをスケジュールすること、および/または送信することなど)を担うのに対して、MCC170Bは、着信呼(in-call)シグナリング、調停される通信セッション中のメディアの実際の交換を行うことを含め、呼インスタンスの持続時間中に通信セッションをホストすることを担う。
図3を参照すると、セルラ電話機などのUE200(この場合は、無線デバイス)が、究極的にはコアネットワーク126、インターネット、および/または他の遠隔サーバおよび遠隔ネットワークから来ることが可能な、RAN120から伝送されたソフトウェアアプリケーション、データおよび/またはコマンドを受信し、実行することができるプラットフォーム202を有する。プラットフォーム202は、特定用途向け集積回路(「ASIC」208)、または他のプロセッサ、マイクロプロセッサ、論理回路、または他のデータ処理デバイスに動作上、結合されたトランシーバ206を含むことが可能である。ASIC208または他のプロセッサは、無線デバイスのメモリ212の中の任意の常駐プログラムとインタフェースをとるアプリケーションプログラミングインタフェース(「API」)210を実行する。メモリ212は、RAMまたはROM(ランダムアクセスメモリまたは読み取り専用メモリ)、EEPROM、フラッシュカード、あるいはコンピュータプラットフォームに一般的な任意のメモリから成ることが可能である。また、プラットフォーム202は、メモリ212の中で活発に使用されないアプリケーションを保持することが可能なローカルデータベース214を含むことも可能である。ローカルデータベース214は、通常、フラッシュメモリセルであるが、磁気媒体、EEPROM、光媒体、テープ、ソフトディスクもしくはハードディスクなどの、当技術分野で知られている任意の二次ストレージデバイスであることが可能である。内部プラットフォーム202構成要素は、当技術分野で知られているとおり、他の構成要素のなかでもとりわけ、アンテナ222、ディスプレイ224、プッシュツートークボタン228、およびキーパッド226などの外部デバイスに動作上、結合されることも可能である。
したがって、本発明の実施形態は、本明細書で説明される機能を実行する能力を含むUEを含むことが可能である。当業者によって理解されるとおり、これらの様々な論理要素は、ディスクリートの要素、プロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュール、あるいは本明細書で開示する機能を実現するソフトウェアとハードウェアの任意の組合せで実施され得る。例えば、ASIC208、メモリ212、API210、およびローカルデータベース214がすべて、本明細書で開示される様々な機能を協働してロードし、格納し、実行するのに使用されることが可能であり、このため、これらの機能を実行するロジックは、様々な要素にわたって分散されることが可能である。代替として、機能は、1つのディスクリートの構成要素に組み込まれることも可能である。したがって、図3のUE200の特徴は、単に例示的であるに過ぎないものと考えられるべきであり、本発明は、例示される特徴または構成に限定されない。
UE102または200とRAN120の間の無線通信は、CDMA(符号分割多元接続)、W-CDMA、TDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)、OFDM(直交周波数分割多元接続)、GSM(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ)、あるいは無線通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークにおいて使用されることが可能な他のプロトコルなどの、様々な技術に基づくことが可能である。例えば、W-CDMAにおいて、データ通信は、通常、クライアントデバイス102、ノードB124、およびRNC122の間で行われる。RNC122は、コアネットワーク126、PSTN、インターネット、仮想プライベートネットワーク、SGSN、GGSNなどの複数のデータネットワークに接続されて、これにより、UE102または200が、より広い通信ネットワークにアクセスすることを許すことが可能である。以上に説明され、当技術分野で知られているとおり、音声伝送および/またはデータは、様々なネットワークおよび構成を使用してRANからUEに伝送され得る。したがって、本明細書で与えられる例示は、本発明の実施形態を限定することは意図しておらず、本発明の実施形態の態様の説明を助けるに過ぎない。
以下で、本発明の実施形態は、概ね、W-CDMAプロトコル、および関連する用語に従って説明される(例えば、MS(移動局)、MU(モバイルユニット)、AT(アクセス端末装置)などの代わりにUE、EV-DOにおけるBSCに対してRNC、EV-DOにおけるBSまたはMPT/BSに対してノードBといった具合に)。しかし、どのように本発明の実施形態がW-CDMA以外の無線通信プロトコルに関連して適用され得るかが、当業者には直ちに理解されよう。
従来のサーバによって調停される通信セッション(例えば、半二重プロトコル、全二重プロトコル、VoIP、グループセッションオーバIPユニキャスト、グループセッションオーバIPマルチキャスト、PTT(プッシュツートーク)セッション、PTX(プッシュツートランスファー)セッションなどを介する)において、セッション発信者または呼発信者が、通信セッションを開始する要求をアプリケーションサーバ170に送信し、すると、サーバ170は、呼の1つまたは複数のターゲットに伝送するようにRAN120に呼告知メッセージを転送する。
UTRAN(UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズサービス)地上無線アクセスネットワーク)におけるUE(ユーザ機器)(例えば、RAN120)は、アイドルモードまたはRRC(無線リソース制御)接続モードに入っていることが可能である。
RRC接続モードに入っている間のUE移動性およびUE活動に基づき、RAN120は、以下のとおり特徴付けられることが可能な、いくつかのRRC下位状態、すなわち、CELL_PCH状態、URA_PCH状態、CELL_FACH状態、およびCELL_DCH状態の間で遷移するようUEを誘導することが可能である。
・ CELL_DCH状態では、専用物理チャネルが、アップリンクおよびダウンリンクにおいてUEに割り当てられ、UEは、UEの現在のアクティブセットに従ってセルレベルで知られており、さらにUEには、専用トランスポートチャネル、ダウンリンク共有トランスポートチャネルおよびアップリンク(TDD)共有トランスポートチャネルが割り当てられており、さらにこれらのトランスポートチャネルの組合せがUEによって使用され得る。
・ CELL_FACH状態では、UEに専用物理チャネルは全く割り当てられず、UEは、FACH(順方向アクセスチャネル)を絶えず監視し、UEには、UEが、そのトランスポートチャネルに関するアクセス手順に従って送信することができるアップリンクにおけるデフォルトの共通トランスポートチャネルまたは共有トランスポートチャネル(例えば、チャネルを獲得するのに、さらに送信電力を調整するのに電力ランプアップ手順を伴う競合ベースのチャネルであるRACH(ランダムアクセスチャネル))が割り当てられ、UEの位置は、UEが前回のセル更新を最後に行ったセルに応じて、セルレベルでRAN120によって知られており、さらにTDDモードにおいて、1つ、またはいくつかのUSCHトランスポートチャネルまたはDSCHトランスポートチャネルが確立されていることが可能である。
・ CELL_PCH状態では、UEに専用物理チャネルは全く割り当てられず、UEは、アルゴリズムを用いてPCHを選択し、さらに選択されたPCHを関連するPICHを介して監視するためにDRXを使用し、アップリンク活動は全く可能ではなく、UEの位置は、UEがCELL_FACH状態でセル更新を最後に行ったセルに応じて、セルレベルでRAN120によって知られている。
・ URA_PCH状態では、UEに専用物理チャネルは全く割り当てられず、UEは、アルゴリズムを用いてPCHを選択し、さらに選択されたPCHを関連するPICHを介して監視するためにDRXを使用し、アップリンク活動は全く可能ではなく、UEの位置は、CELL_FACH状態における最後のURA更新中にUEに割り当てられたURA(UTRAN登録区域)に応じて、登録区域レベルでRAN120に知られている。
したがって、URA_PCH状態(またはCELL_PCH状態)は、UEが定期的に起動して、PICH(ページング標識チャネル)を確認し、必要とされる場合、関連するダウンリンクPCH(ページングチャネル)も確認し、さらにUEが、以下のイベント、すなわち、セル再選択、定期的セル更新、アップリンクデータ送信、ページング応答、再び入ったサービスエリアに関して、CELL_FACH状態に入って、セル更新メッセージを送信することが可能な、休眠状態に対応する。CELL_FACH状態において、UEは、RACH(ランダムアクセスチャネル)上でメッセージを送信することが可能であり、さらにFACH(順方向アクセスチャネル)を監視することが可能である。FACHは、RAN120からのダウンリンク通信を伝送し、S-CCPCH(二次共通制御物理チャネル)にマップされる。CELL_FACH状態から、UEは、CELL_FACH状態におけるメッセージングに基づいてTCH(トラフィックチャネル)が獲得された後、CELL_DCH状態に入ることが可能である。RRC(無線リソース制御)接続モードにおける従来のDTCH(専用トラフィックチャネル)-トランスポートチャネルマッピングを示すテーブルが、以下のとおりのTable1(表1)である。すなわち、
注記(rel.8)および(rel.7)は、示されるチャネルが監視されるように、またはアクセスされるように導入された関連する3GPPリリースを示す。
図4は、所与のGPRS通信セッションをセットアップするための従来のプロセスを示す。詳細には、図4は、その所与のGPRS通信セッションに関してPDPコンテキストをアクティブ化するとともに、そのアクティブ化されたPDPコンテキストに基づいて、その所与のGPRS通信セッションをサポートするためにUEにリソースを割り当てる従来の仕方を示す。
図4を参照すると、UE1が、GPRS通信セッションを行うかどうかを決定する(400)。例えば、400の決定は、GPRS通信セッションがグループPTT呼(例えば、マルチキャスト呼など)に対応する場合、UE1上のPTT(プッシュツートーク)アプリケーションの起動に対応することが可能である。UE1がGPRS通信セッションを行うことを決定した場合、UE1は、このセッションに関してPDPコンテキストをアクティブ化することを要求される。このため、UE1は、GPRS通信セッションに関してUE1と関係する情報を含むPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを構成する(405)。例えば、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージは、セッションに関する要求されるQoS、GGSN165のAPN(アクセスポイント名)(例えば、DNSクエリ後に獲得されることが可能な)などを含むように構成されることが可能である。GPRS通信セッション中にパケットがアドレス指定されるPDPアドレスが、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージの中でGGSN165によって動的に割り当てられる場合、PDPアドレスフィールドは、UE1のセッションに関するPDPコンテキストがまだアクティブ化されていないため、空である。
405でPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを構成した後、UE1は、構成されたPDPアクティブ化要求メッセージを、RAN120を介してSGSN160に送信する(410)。SGSN160が、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを受信し、GGSN165にPDPコンテキスト作成要求メッセージを送信する(415)。GGSN165が、SGSN160からPDPコンテキスト作成要求メッセージを受信し、UE1の通信セッションに関するPDPコンテキストをアクティブ化する(420)。SGSNとGGSNがともに、HLRから、契約されたQoSプロファイルを取得し、PDPコンテキストに関する要求されるQoSを変更する。420におけるPDPコンテキストのアクティブ化は、UE1の通信セッションにPDPアドレス(例えば、IPv6アドレス)を割り当てることを含む。GGSN165が、415からのPDPコンテキスト作成要求メッセージが受け入れられたことを示し、さらにUE1の通信セッションのPDPアドレスも伝えるPDPコンテキスト作成受入れメッセージをSGSN160、425に送り返す。SGSN160が、PDPコンテキストに基づくUE1の通信セッションに関するRAB割当て要求をRAN120に送信する(430)。例えば、SGSN160は、UE1の通信リンク上のQoS要件を含む、RAB割当て要求の中のRABパラメータフィールドを使用して、通信セッション中にUE1に割り当てるための所与のレベルのQoSリソースに関してRAN120に命令することが可能である。RAN120が、RAB割当て要求を受信し、RABパラメータに基づいてUE1の通信セッションに関する無線ベアラセットアップメッセージを送信する(435)。UE1が、無線ベアラセットアップメッセージを受信し、それに相応して無線ベアラを構成し、無線ベアラセットアップ完了メッセージをRAN120に送信する(440)。次に、RAN120が、SGSN160にRAB割当て応答メッセージを送り返す(445)。この時点で、SGSN160が、RAN120を介してUE1にPDPコンテキストアクティブ化受入れメッセージを送信し(450)、このメッセージは、410からのPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージが受け入れられたことを示し、さらにUE1の通信セッションのPDPアドレスも伝える。
450でPDPコンテキストアクティブ化受入れメッセージ(例えば、セッションに関して使用されるべきPDPアドレスを伝える)を受信した後、UE1は、確立された通信セッションと関係するメッセージを送受信することを開始することが可能である(455)。
当業者には理解されるとおり、PDPコンテキストは、PDPタイプ(例えば、一次または二次)、PDPパラメータ(例えば、ToS、APN、QoS、PDPアドレスなど)、識別子(例えば、NSAPI、TI、TEIDなど)、および/または他のパラメータを示すことができるが、従来のPDPコンテキストは、アクティブ化されているGPRS通信セッションに関連し、さらにUE1によってサポートされるアプリケーションまたはサービスと関係する情報を含まない。例えば、GPRS通信セッションが、UE1が開始すること、または参加することを所望するPTT呼のシグナリングに相当する場合、そのPTT呼のシグナリングは、極めて遅延センシティブな対話型アプリケーションである。しかし、SGSN160およびGGSN165は、そのアプリケーションが発信側の対話型呼(originating interactive call)であると認識することが可能であるが、そのアプリケーションの性質に関して特別な知識は必ずしも有さず、このため、そのセッションが遅延センシティブまたは時間センシティブであることを知らない。このため、SGSN160およびGGSN165は、必ずしも、UE1に積極的なリソースは許可せず、このことが、UE1の通信セッションに関するパフォーマンスを低下させ得る。
後段でより詳細に説明される実施形態は、アプリケーション固有またはサービス固有の情報を、PDPコンテキストアクティブ化を要求するUEからRAN120、SGSN160、および/またはGGSN165に伝送すること、および伝送されたアプリケーション固有またはサービス固有の情報をPDPコンテキストの中に格納することに向けられる。次に、RAN120、SGSN160、および/またはGGSN165が、少なくとも部分的に、そのアプリケーション固有またはサービス固有の情報に基づいて、通信セッションのために要求側UEにリソースを割り当てることが可能である。
したがって、図5が、本発明の或る実施形態によるPDPコンテキストをアクティブ化するためのプロセスを示す。詳細には、図5は、所与のGPRS通信サービスおよび/またはアプリケーションに関して、そのサービスおよび/またはアプリケーションのために呼び出される潜在的なセッションと関係するアプリケーション固有またはサービス固有の情報を含むように構成されたPDPコンテキストをアクティブ化する仕方を示す。
図5を参照すると、UE1が、PDPコンテキストをアクティブ化するかどうかを決定する(500)。例えば、400の決定は、UE1がPTT呼もしくは他の遅延センシティブなアプリケーションに即時に参加する、またはPTT呼もしくはそのようなアプリケーションを即時に開始することを所望しない場合でさえ、UE1に電源が投入されると、実行されることが可能であり、したがって、UE1は、そのアプリケーションおよび/またはサービスのために通信セッションを行うことが即時に所望されない状況においてさえ、そのアプリケーションおよび/またはサービスに関してPDPコンテキストをアクティブ化することを決定する。したがって、PDPコンテキストアクティブ化は、特定のサービスまたはアプリケーションがかかわる通信セッションのセットアップに先立って行われる、その特定のサービスまたはアプリケーションに対するプリエンプティブのアクティブ化であることが可能であることが理解されよう。例えば、このプリエンプティブのアクティブ化は、UE1が、現在、通信セッションを行っていない、または通信セッションの開始を要求していない場合でさえ、UE1に電源が投入されて、RAN120、SGSN160、および/またはGGSN165が、その特定のサービスおよび/またはアプリケーションに関してUE1がアクティブであることを認識するようになると、行われることが可能である。
500で、所与のGPRS通信セッション、サービス、および/またはアプリケーションに関してPDPコンテキストをアクティブ化することを決定した後、UE1は、可能な場合、GPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションと関係するアプリケーション固有またはサービス固有の情報を特定する(505)。本明細書で使用されるアプリケーション固有またはサービス固有の情報とは、UE1によってサポートされるサービスまたはアプリケーションと関係する任意の情報と定義される。グループPTT呼の例に関して、アプリケーション固有またはサービス固有の情報は、UE1が1つまたは複数のPTTグループのグループメンバであるという認識に相当することが可能である。
510で、UE1が、505で特定されたアプリケーション固有またはサービス固有の情報をSGSN160および/またはGGSN165に伝送するかどうかを決定する。例えば、GPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションが遅延センシティブでない場合、UE1は、510でアプリケーション固有の情報を送信しないことを決定することが可能であり、プロセスは、前述したとおり、図4の405に進むことが可能である。さもなければ、UE1が、505で特定されたアプリケーション固有またはサービス固有の情報をSGSN160および/またはGGSN165に伝送することを決定した場合(例えば、GPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションが遅延センシティブである場合など)、プロセスは、515に進む。
515で、UE1が、図4の405と同様に、GPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションに関してUE1と関係する情報を含むPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを構成する。例えば、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージは、GGSN165のUE1のAPN(アクセスポイント名)を含むように構成されることが可能である。PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージの中で、GPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションのために呼び出されるセッション中にパケットがアドレス指定されるPDPアドレスフィールドは、UE1のサービスおよび/またはアプリケーションに関するPDPコンテキストがまだアクティブ化されていないため、空である。
しかし、図5の515で、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージは、図5の505で特定されたGPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションと関係するアプリケーション固有またはサービス固有の情報を示すようにさらに構成される。アプリケーション固有またはサービス固有の情報は、いくつかの仕方でPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージ内に含められることが可能である。例えば、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージ内の1つまたは複数のフィールド自体が、アプリケーション固有またはサービス固有の情報を示すフラグを含むように変更されることが可能である。
より具体的な例において、UE1は、515でPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージ(例えば、一次PDPコンテキストに関する)、および/または二次PDPコンテキストアクティブ化要求(例えば、二次PDPコンテキストに関する)を、特別なQoS構成を含むように構成することが可能であり、したがって、GGSN165およびSGSN160は、その特別な構成に基づいて、事業者のネットワーク内のUE1を一意に識別することができる。また、SGSN160は、RAB割当て要求メッセージの中の、RAN120におけるRNCにQoSを送るので(RABパラメータフィールドを利用して)(例えば、後段の540を参照)、RNCまたはRAN120が、その特別なQoS構成に基づいてUE1を識別することもでき、したがって、マルチメディアアプリケーションによって要求されるUTRANリソース(例えば、UE1におけるページングサイクルを決定するのに使用される積極的なUTRAN_DRX_CYCLE)を割り当てることができる。
さらに別の例において、515で、UE1が、予約されたNSAPI(例えば、標準によって、現在、禁止されており、使用されていない0から4までなどの)を選択し、その予約されたNSAPIをPDPコンテキストアクティブ化要求および/または二次PDPコンテキスト要求の中に含めることができる。前述の例の場合と同様に、GGSN165およびSGSN160は、メッセージを読み取り、さらにその予約されたNSAPIを、或る特定のマルチメディアアプリケーションおよび/またはマルチメディアサービス(例えば、高レベルまたは積極レベルのQoSを要求することが知られているアプリケーションまたはサービスなどの)に関するものとして一意に識別することができる。また、RAB割当て要求の中のRAB ID(例えば、後段の540を参照)は、同一の値のNSAPIであることが規定されるので、RAN120は、RAB IDに基づいてUE1を識別することができる。
代替の実施形態において、特別なビット、または所定のビットが、NSAPI IE(情報要素)の中に埋め込まれることが可能である。NSAPI IEは、8ビットであり、ただし、最初の4つのLSBは、NSAPIを伝送するのに使用され、最後の4つのLSBは、予備のビットである。このため、この例において、UE1は、SGSN160およびGGSN165がUE1を識別するようにNSAPI IEの中の4つの予備のビットを利用することができる。標準によりRAB ID IE=NSAPI IEであるので、RAN120は、UE1を識別することができ、さらに積極的なUTRAN_DRX_CYCLEをUE1に割り当てることができる。
さらに別の代替の例において、APNが、GGSN165を選択するのに使用される、PDPコンテキストアクティブ化要求の中に含められる文字列パラメータである。したがって、515で、UE1が、高QoS要件を有するものとしてUE1を識別するためのキーワードをAPNの中に入れることができる。GGSN165およびSGSN160が、PDPコンテキストアクティブ化要求の中でそのAPNを受信することができる。しかし、RAN120は、この例において、特定のアプリケーションおよび/またはサービスに関するUE1の高QoS要件を必ずしも知らされていない可能性がある(例えば、RAN120が、後段の540で、SGSNからのRAB割当て要求メッセージを介して積極的なQoSセットを割り当てることを命令され得るものの)。例えば、SGSNが、PDPコンテキストアクティブ化要求の中の要求されるQoSを無効にすることが可能であり、さらにRAB割当てメッセージの中のRABパラメータフィールド内で、RAN120におけるサービングRNCに新たなQoS、または無効にされたQoSを送信することができる。新たなQoSは、サービングRNCが、特定のアプリケーション(例えば、PTTサービス)、またはより具体的には、アプリケーションのRABに契約するUEを一意に識別するように、要求されるQoSの中に入っていない構成またはQoS属性(例えば、対話クラストラフィックに関して、ARP(割当て/保持優先度)の属性は、SGSN/GGSNによってしか割り当てられ得ない)を含むことが可能である。
515でPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを構成した後、UE1は、構成されたPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを、RAN120を介してSGSN160に送信する(520)。SGSN160が、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを受信し、GGSN165に、アプリケーション固有またはサービス固有の情報も含むPDPコンテキスト作成要求メッセージを送信する(525)。GGSN165が、SGNS160からPDPコンテキスト作成要求メッセージを受信し、UE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションに関してPDPコンテキストをアクティブ化する(530)。530におけるPDPコンテキストのアクティブ化は、UE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションにPDPアドレス(例えば、IPv6アドレス)を割り当てることを含む。また、530のアクティブ化は、PDPコンテキスト内に、UE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションに関するアプリケーション固有またはサービス固有の情報を格納することも含む。
GGSN165は、SGSN160にPDPコンテキスト作成受入れメッセージを送り返し(535)、このメッセージは、525からのPDPコンテキスト作成要求メッセージが受け入れられたことを示し、さらにPDPアドレス、ならびにUE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションに関するアプリケーション固有またはサービス固有の情報も伝送する。SGSN160が、RAB割当て要求を生成し、さらに、このRAB割当て要求内に情報を含め、この情報から、RAN120(例えば、より具体的には、RAN120におけるサービングRNC)は、UE1のアプリケーション固有またはサービス固有の情報を特定することができる。次に、SGSNが、RAN120にRAB割当て要求を送信する(540)。例えば、RAB割当て要求の中で、SGSN160は、UE1の通信リンクに関するQoS要件を含む、RAB割当て要求の中のRABパラメータフィールドを使用して、通信サービスおよび/または通信アプリケーションのために呼び出されるセッション中にUE1に割り当てるための所与のレベルのQoSリソースに関して、RAN120に命令することが可能である。アプリケーション固有またはサービス固有の情報が、この例におけるSGSN160に、高レベルのQoSリソースが要求されることを示す場合、SGSN160は、さもなければ540で割り当てられるのと比べて、より多くの量のQoSリソースをUE1に割り当てるよう、RAN120に命令することができる。別の例において、541から544に関連して前述したとおり、アプリケーション固有またはサービス固有の情報が、この例におけるSGSN160に、UE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションが、そのサービスおよび/またはアプリケーションが遅延センシティブであることにより、より積極的なページングサイクルから利益を得る可能性があることを、この例におけるSGSN160に示す場合、UE1が起動する頻度(例えば、DRXサイクル)が、増加されることが可能である。
CELL_PCH状態および/またはURA_PCH状態(例えば、「休眠」状態)に通常、関連する特性に関して前述したとおり、これらの状態のいずれかの状態にあるUEは、選択されたPCHを、関連するPICHを介して監視するために所与のDRXサイクルまたはページング間隔を使用する。このため、各DRXサイクルで、CELL_PCH状態および/またはURA_PCH状態にあるUEは、起動し、PICHおよび/またはPCHを確認して、その特定のUEにページングが行われているかどうかを判定する。従来、同一のDRXサイクルが、CELL_PCH状態またはURA_PCH状態にあるすべてのUEに関して使用される。しかし、本発明の少なくとも1つの実施形態において、UE1からのアプリケーション固有またはサービス固有の情報によって示されるところにより、遅延センシティブなGPRS通信サービスまたはGPRS通信アプリケーションに契約するUEに関して、より積極的な、つまり、より短いDRXサイクルまたはページングサイクルが使用され得る。
したがって、541において、RAN120におけるサービングRNCが、UE1からのPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージの中に含められたアプリケーション固有またはサービス固有の情報を評価して(例えば、RAN120による特別な処理プロトコルをトリガするアプリケーション固有またはサービス固有の情報を示す、RAB割当て要求の中のRABパラメータに基づいて)、UE1のGPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションが遅延センシティブであるかどうかを判定する。RAN120のサービングRNCが、542で、UE1のGPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションが遅延センシティブではないと判定した場合、プロセスは、545に進み、RAN120が、RABパラメータに基づいて、UE1が休眠状態(例えば、URA_PCH状態またはCELL_PCH状態)中に使用するデフォルトの、または汎用のDRXサイクルを割り当てる、UE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションに関する無線ベアラセットアップメッセージを送信する(545)。代替として、RAN120のサービングRNCが、542で、UE1のGPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションが遅延センシティブであると判定した場合、プロセスは、544に進み、RANのサービングRNCが、積極的なDRXサイクルを選択する(544)。
したがって、RAN120が、RAB割当て要求を受信し、RABパラメータに基づいて、UE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションに関する無線ベアラセットアップメッセージ(例えば、ブロック541から544の評価に基づいて、通常のDRXサイクルまたは積極的なDRXサイクルを伴う)を送信する(545)。UE1が、その無線ベアラセットアップメッセージを受信し、RAN120に無線ベアラセットアップ完了メッセージを送信する(550)。すると、RAN120が、SGSN160にRAB割当て応答メッセージを送り返す(555)。
この時点で、SGSN160が、RAN120を介してUE1にPDPコンテキストアクティブ化受入れメッセージを送信し(560)、このメッセージは、520からのPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージが受け入れられたことを示し、さらにUE1の通信サービスおよび/または通信アプリケーションのPDPアドレスも伝える。図5には示されないが、PDPコンテキストアクティブ化受入れメッセージ(サービスおよび/またはアプリケーションに関して使用されるべきPDPアドレスを伝える)を受信した後、UE1は、アクティブ化されたGPRS通信サービスおよび/またはGPRS通信アプリケーションのために確立されたセッションと関係するメッセージを送受信することを開始することができる。
したがって、当業者によって理解されるとおり、図5は、RAN120(例えば、RAN120のサービングRNC)、SGSN160、および/またはGGSN165がどのように、UE1によって、UE1が特定のアプリケーションおよび/またはサービスに関して「アクティブ」であることについて知らされることが可能であるかを示す。また、遅延センシティブなアプリケーションおよび/またはサービスの場合、UE1に、RAN120(例えば、UE1のサービングRNC)によって、UE1のURA_PCH状態および/またはCELL_PCH状態に関して、より積極的なDRXサイクルが割り当てられることが可能であり、したがって、UE1は、図6に関連して次に説明されるとおり、潜在的に、より迅速にページングされることが可能である。
したがって、サーバによって調停される通信セッションがセットアップされ得るプロセスが、図6に関連して説明される。詳細には、図6は、システム100が、W-CDMA(広帯域符号分割多元接続)を使用するUMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)に相当する、サーバによって調停されるセッションセットアッププロセスを示す。しかし、図6がどのように、W-CDMA以外のプロトコルに準拠する通信セッションを対象とするように変更され得るかが当業者には理解されよう。
図6を参照すると、600から698は、本特許出願の譲受人に譲渡され、参照により全体が本明細書に明確に組み込まれている、2009年5月22日に出願した「ANOUNCING A COMMUNICATION SESSION WITHIN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の米国特許仮出願第61/180,645号の図4のブロック400から498にそれぞれ概ね対応する。したがって、本明細書に含まれる説明は、簡明のため図6の640から656に限定する。
アプリケーションサーバ170が、呼発信者(「UE2」)からの呼要求メッセージを処理し(640)、ターゲットUE1に通信セッションを告知するための告知メッセージを生成し、その告知メッセージをRAN120に転送する(644)。当業者には理解されるとおり、RAN120は、アプリケーションサーバ170から呼告知メッセージを受信した直後に、単にその告知メッセージをUE1に伝送することはできない。そうではなく、RAN120は、ターゲットUE1が、ページングがないか監視しているものと予期される次のDRXサイクルまたはページングサイクルを待つ(648)。或る例において、図5のプロセスは、UE1に関して既に実行されており、さらにUE1には、積極的なDRXページングサイクルが割り当てられているものと想定されたい。UE1には、図5のプロセスの前の実行によって、より積極的なDRXページングサイクルが与えられているものと想定されているため、RAN120は、より長いDRXサイクルが使用される場合と比べて、648で、より短い期間しか待たない。説明の便宜上、UE1は、この時点でURA_PCH状態にあり(652)、積極的な、つまり、より短いDRXサイクルに従ってPCHおよび/またはPICHを監視しているものと想定されることが可能である。図6に示されないが、UE1がアクティブのTCH(トラフィックチャネル)を既に有していたとすると、RAN120は、その既に割り当てられたTCH上で告知メッセージを単に送信することも可能である。RAN120が、UE1のDRXサイクルまたはページングサイクルを待った後、タイプ1ページングメッセージがUE1に送信される。次に、図6の残りの部分が、本特許出願の譲受人に譲渡され、参照により全体が本明細書に明確に組み込まれている、2009年5月22日に出願した「ANOUNCING A COMMUNICATION SESSION WITHIN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の、前述した米国特許仮出願第61/180,645号において説明されるとおり実行され得る。
W-CDMAシステムにおいて、UL(アップリンク)CLPC(閉ループ電力制御)は、従来、以下の2つの部分、すなわち、UL ILPC(内側ループ電力制御)およびUL OLPC(外側ループ電力制御)から成る。ILPCは、ノードBにおけるSIR(信号対干渉比)目標を満たすようにUE送信電力を制御するのに使用される。ILPCは、比較的高速の制御プロセス(例えば、1.5kHz)と考えられることが可能である。従来、OLPCは、SIR目標に関して受信品質を制御するのに使用される。OLPCは、SRNCによって扱われる、比較的遅い制御プロセスと考えられる(例えば、ILPCと比較した場合)。OLPCは、受信されたデータのBER(ビット誤り率)および/またはBLER(ブロック誤り率)などの要因を考慮して、SIR目標を調整する。
PTT通信などの遅延センシティブな低データ転送速度のアプリケーションは、従来のOLPC制御による悪影響を受ける可能性がある。遅いOLPC機構は、通信開始(例えば、呼要求メッセージ)に関する待ち時間要件を満たさない可能性がある。例えば、PTT通信は、トラフィックチャネルセットアップの後、最初のULデータパケット(すなわち、呼要求メッセージまたは呼受入れメッセージ)に関して高い成功率を必要とする。初期SIR目標が低過ぎる場合、OLPCは、そのSIR目標を適切な値に調整するのに長い時間を要し、PTT呼セットアップメッセージの初期アップリンクデータ伝送は、より高い誤り率を被る可能性がある。低いデータ活動は、UL(アップリンク)伝送に関する要求されるSIR目標のOLPCによる推定の精度に影響を与える可能性がある。例えば、PTTセッションにおけるターゲットUEは、最低限であるアップリンクデータ活動を有する可能性がある。OLPCは、ULデータ活動が少ないことから、長い期間にわたってCRC誤りを全く得ない可能性があり、このため、SIR目標を下げる可能性があり、このことは望ましくない。
従来のOLPC技術の抱える前述した問題のいくつかに対処するのに、本発明の実施形態は、遅延センシティブなアプリケーション(例えば、PTT呼)の初期化の際に、事前定義されたタイマの満了の前に積極的なSIR目標を維持することが可能である。
例えば、PTTシステム中の1つのシナリオにおいて、UEは、最初、休止状態にある(例えば、URA/CELL_PCH状態にある)ことが可能である。このシナリオの詳細が、第1に、UEが発信元である場合で、第2に、UEがターゲットである場合で、以下に扱われる。
UEが発信元である第1の例示的な構成において、セル更新メッセージは、以下のように構成されることが可能である。すなわち、
・ U-RNTIが、PTTサービスに関して少なくとも1つのアクティブのRABを有するPTT UEに対応する
・ CNドメイン=「PSドメイン」である
・ セル更新事由=「アップリンクデータ伝送」
・ 確立事由=「会話呼を開始すること」(この情報要素がセル更新の中で提示される場合)
UEが発信元である第2の例示的な構成において、セル更新メッセージは、以下のように構成されることが可能である。すなわち、
・ CNドメイン=「PSドメイン」
・ セル更新事由=「アップリンクデータ伝送」
・ TVI(トラフィック量標識)=「真」
UEがターゲットであるものと想定して、以下がセル更新メッセージの中に入っている。
・ U-RNTIが、PTTサービスに関して少なくとも1つのアクティブのRABを有するPTT UEに対応する
・ CNドメイン=「PSドメイン」
・ セル更新事由=「ページング応答」
第1のシナリオに関する以上の条件(発信元/ターゲット)のそれぞれにおいて、RNCは、初期UL SIR目標を、他のUE(すなわち、遅延センシティブであると識別されていないUE、例えば、PTT UE)に関して設定された通常のSIR目標と比べて、より高い値に設定する。このより高い値は、所定の値であることが可能であり、あるいはXSIRdB高いなどのファクタに基づくことが可能であり、ただし、XSIRは、構成可能な変数である。UEは、前述の説明において述べた技術を使用して識別され得ることに留意されたい。さらに、図7Aに示されるとおり、遅延センシティブなアプリケーションに専用であるタイマ(例えば、701/702)が開始されることが可能である(図7Aの呼フローの詳細は、701および702のタイマ開始は別として、前段の開示で説明されており、ここで繰り返すことはしない)。このタイマは、RAN120/RNCが、タイマの満了前に、初期UL SIR目標より下にSIR目標を低減することを防止するように使用され得る。このタイマは、例えば、初期フロア許可トーン698および/または初期メディア伝送が実行されるまで、SIR目標が、より高い初期値に保たれるように、適切に設定されなければならない。タイマ702/701は、RAN/RNCがUL SIR目標値を再設定することを防止するようにそれぞれの発信元/ターゲットサービングRAN(例えば、RANにおけるRNC)上で動作することが理解されよう。さらに、前述したとおり、この動作は、遅延センシティブであると識別された特定の識別されたUE(例えば、PTT UE)に関してだけ実行されることが可能である。
図7Bは、図7Aのプロセス中にRAN120において行われる動作をより詳細に示す。したがって、700Bにおいて、RAN120が、図7Aの612における発信元UE2、または図7Aの663におけるターゲットUE1などの所与のUEからセル更新メッセージを受信する。次に、RAN120が、そのセル更新メッセージが遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーション(例えば、PTT(プッシュツートーク)アプリケーション、PTX(プッシュツートランスファー)アプリケーション)に関連するかどうかを判定する(705B)。或る例において、705Bの判定は、図5のプロセスの前の実行に基づくことが可能であり、このプロセスにより、UEは、RAN120が、UEのセル更新メッセージを遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーションに関連付けることができるように、RAN120に(例えば、SGSNおよびGGSNを介して)アプリケーション固有またはサービス固有の情報を伝送する。つまり、RAN120は、セル更新メッセージに関連付けられたRABが、図5の540からのRAB割当て要求メッセージの中に含まれる遅延センシティブなサービスのRABに対応すると判定することができ、この関連付けは、セル更新メッセージが遅延センシティブな通信セッション、および/または低データ転送速度の通信セッションに関連するというRAN120の判定をもたらす。
RAN120が、705Bで、セル更新メッセージが遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーションに関連すると判定した場合、RAN120は、UEに関する初期SIR目標を、遅延センシティブなアプリケーションに関連しないUEに関して設定されるよりも高い初期レベルに設定する(710B)。例えば、このより高い値は、所定の値であることが可能であり、あるいはXSIRdB高いなどのファクタに基づくことが可能であり、ただし、XSIRは、構成可能な変数である。また、RAN120は、715Bでタイマを開始することもする。理解されるとおり、図715Bのタイマ開始手順は、RAN120が、663におけるUE1からのセル更新メッセージに応答しているか、612におけるUE2からのセル更新メッセージに応答しているかに依存して、図7Aの701または702に対応することが可能である。タイマが進行している間、タイマが満了するまで、RAN120は、関連するUE(すなわち、UE1またはUE2)に関するUL SIR目標を、「より高い」初期SIR目標から更新することを控える(720B)。前述したとおり、このタイマの有効期限は、例えば、初期フロア許可トーン698および/または初期メディア伝送が実行されるまで、SIR目標が、より高い初期値に保たれるように確立されることが可能である。その後、RAN120は、タイマの満了の後、必要な場合、関連するUEに関する「より高い」初期UL SIR目標を更新することができる(725B)。
代替として、図7Aに明示的に示されないが、RAN120が、セル更新メッセージが、705Bで、遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーションに関連しないと判定した場合、RAN120は、UEに関する「デフォルトの」初期SIR目標を設定し(730B)、タイマを開始することはしない(735B)。この場合、RAN120は、タイマに関連する遅延なしに、必要な場合、関連するUEに関するデフォルトの初期UL SIR目標を更新することができる(735B)。
図8Aに示される第2のシナリオにおいて、UEは、最初、有効なC-RNTIを有するCELL_FACH状態にあることが可能であり、この状態において、RANは、RACH上でTVM(トラフィック量測定)の構成を含む測定制御メッセージ804/803をUEに送信している。この場合、従来、UEは、イベント4aがトリガされる(806)と、RAN/RNCに測定レポートを送信し、このトリガは、測定されるトランスポートチャネル(すなわち、この例では、RACH)にマップされた論理チャネルのすべてのRLCエンティティの総バッファ占有率が所定のしきい値を超えると行われる。(測定されるトランスポートチャネルにマップされた各無線ベアラのRLCバッファ占有率は、TVMに関する測定レポートの中でリストアップされることに留意されたい。)2つのUEの発信元/ターゲットに関する詳細が、以下に与えられる。
発信元:測定レポートにおけるTVMが、遅延センシティブなアプリケーション(例えば、PTT)に関する無線ベアラのUL RLCバッファ占有率が0でない(例えば、呼要求のため)ことを示す場合、
・ RNCが、物理チャネル再構成によってUEをCELL_FACHからCELL_DCHに移す
・ RNCが、初期UL SIR目標を、他のUE(遅延センシティブであると識別されていない、例えば、PTT UEでない)に関して設定された通常のSIR目標より高い値に設定する。
・ 遅延センシティブな(例えば、PTT)アプリケーションに専用のタイマを開始し(802)、RNCは、タイマの満了前に、初期UL SIR目標より低くSIR目標を低減してはならない。
ターゲット:アプリケーション(例えば、PTT)トラフィックに関するDL RLCバッファが空ではない場合、
・ RNCが、物理チャネル再構成によってUEをCELL_FACHからCELL_DCHに移す。
・ RNCが、初期UL SIR目標を、他のUE(遅延センシティブであると識別されていない、例えば、PTT UEでない)に関して設定された通常のSIR目標より高い値に設定する。
・ 遅延センシティブな(例えば、PTT)アプリケーションに専用のタイマを開始し(801)、RNCは、タイマの満了前に、初期UL SIR目標より低くSIR目標を低減してはならない。
図8Bは、図8Aのプロセス中にRAN120において行われる動作を、より詳細に示す。したがって、800Bで、RAN120が、所与のUEに関連してトラフィック活動が存在するかどうかを判定する。トラフィック活動は、アップリンクトラフィック活動であることも、ダウンリンクトラフィック活動であることも可能である。RAN120が、トラフィック活動が存在すると判定し、したがって、プロセスは、図8Bの803Bに進むものと想定されたい。その結果、803Bで、RAN120が、図8Aの806における発信元UE2からの測定レポート、または図8Aの644におけるターゲットUE1に伝送するためのアプリケーションサーバ170からの呼告知メッセージなどの、所与のUEに関連するトラフィック、またはトラフィックの通知を受信する。RAN120が、受信されたトラフィック、またはトラフィック通知が、遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーション(例えば、PTT(プッシュツートーク)アプリケーション、PTX(プッシュツートランスファー)アプリケーションなど)に関連するかどうかを判定する(805B)。
或る例において、805Bの判定は、図5のプロセスの前の実行に基づくことが可能であり、このプロセスにより、UEは、RAN120が、UEに関連するトラフィック、またはトラフィック通知(例えば、測定レポート)を遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーションに関連付けることができるように、RAN120に(例えば、SGSNおよびGGSNを介して)アプリケーション固有またはサービス固有の情報を伝送する。つまり、RAN120は、トラフィックに関連付けられたRAB IDが、図5の540からのRAB割当て要求メッセージの中に含まれるRAB IDに対応すると判定することができ、この関連付けは、トラフィックが遅延センシティブな通信セッション、および/または低データ転送速度の通信セッションに関連するというRAN120の判定をもたらす。
図8Aに明示的に示されないが、RAN120が、805Bで、トラフィックまたはトラフィック通知が遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーションに関連していないと判定した場合、RAN120は、UEに関して「デフォルトの」初期SIR目標を設定し(810B)、SIR目標遅延タイマを開始することはしない(815B)。この場合、RAN120は、SIR目標遅延タイマに関連する遅延なしに、必要な場合、関連するUEに関するデフォルトの初期UL SIR目標を更新することができる(820B)。
そうではなく、RAN120が、805Bで、トラフィックまたはトラフィック通知が遅延センシティブなアプリケーション、および/または低データ転送速度のアプリケーションに関連していると判定した場合、RAN120は、UEに関する初期SIR目標を、遅延センシティブなアプリケーションに関連していないUEに関して設定されるよりも高い初期レベルに設定する(803B)。例えば、このより高い値は、所定の値であることが可能であり、あるいはXSIRdB高いなどのファクタに基づくことが可能であり、ただし、XSIRは、構成可能な変数である。また、RAN120は、835Bでタイマを開始することもする。理解されるとおり、835Bのタイマ開始手順は、RAN120が、発信元UE2からの測定レポートを受信するか、ターゲットUE1に伝送するための呼告知メッセージを受信するかに依存して、図8Aの801または802に対応することが可能である。タイマが進行している間、タイマが満了するまで、RAN120は、関連するUE(すなわち、UE1またはUE2)に関するUL SIR目標を、「より高い」初期SIR目標から更新することを控える(840B)。前述したとおり、このタイマの有効期限は、例えば、初期フロア許可トーン698および/または初期メディア伝送が実行されるまで、SIR目標が、より高い初期値に保たれるように確立されることが可能である。その後、RAN120は、タイマの満了の後、必要な場合、関連するUEに関する「より高い」初期UL SIR目標を更新することができる(845B)。
本明細書で使用されるRANは、RNC、または類似した機能を提供する他のデバイスを含むことが可能である。したがって、RNCは、例えば、図6〜図8Bでは、特に示されないが、RNCは、本発明の実施形態によるRAN(無線アクセスネットワーク)の要素の1つであるものと理解される。
以上では、RAN/RNCが、タイマの満了によって管理される所与の期間にわたって初期SIR目標値を再設定すること、または更新することを防止することによって、初期SIR目標を維持するシナリオを扱ってきた。さらに、遅延センシティブな通信中にSIR目標を適切なレベルに保つことを助けるアクションを実行することが有益である可能性がある。そうすることは、UEのいくつか、またはほとんどが、限られたULトラフィックを経験する可能性があるアプリケーション(例えば、PTT)に関して、特に役に立ち得る。したがって、本発明の実施形態において、通信の行われている間(例えば、PTT呼の間)、UEが、OLPC(外側ループ電力制御)がSIR目標を適切なレベルに調整することを助けるダミーパケットを定期的に送信することが可能である。さらに、アプリケーションサーバが、UEからのACKメッセージをトリガするダミーパケットを定期的に送信して、OLPCがSIR目標を適切なレベルに調整することを円滑にすることが可能である。
例えば、「ダミー」メッセージは、RAN120が、そのメッセージを無視し(例えば、そのメッセージを別のエンティティに転送せず)、単に、UEに関する伝送統計を計算する、または測定するのにそのメッセージを使用し、したがって、必要な場合、UEの送信電力レベルが更新され得るという意味で、より低位の層のメッセージである低負荷メッセージに相当することが可能である。別の実施形態において、この低負荷メッセージは、所与のエンドポイント(例えば、アプリケーションサーバ170)に中継される比較的小さいアプリケーション層メッセージ(例えば、IPデータパケット)に相当することが可能である。本明細書で使用される「低負荷」データメッセージとは、UEの伝送統計が、UEのセクタ内で大きい干渉を生じさせることなしに測定され得るように、比較的小さい長さの任意のメッセージに相当する。また、低負荷メッセージは、RAN120において小さい量の処理負荷を被るように構成されることが可能である(例えば、伝送統計の計算以外では、その低負荷メッセージを無視するようにというRAN120のためのフラグに基づくなどして)。
理解されるとおり、異なる目的、および異なる宛先を有する多くの異なるタイプのデータメッセージが、RAN120においてUEの伝送統計が更新されることをもたらすようにUEによって送信され得るが、低負荷データメッセージは、タイマの満了に応答してのみ生成されることが可能であり、タイマの満了は、送信電力レベル設定点ドリフト(例えば、データ伝送中に所与の成功率を維持するための理想的な、または適切な送信電力レベル設定点からの実際の送信電力レベル設定点の「ドリフト」)を低減するように確立される。このため、本明細書で説明されるダミーメッセージは、例えば、パケットが、接続が解体されることを防止するように生成される「キープアライブパケット」とは区別されることが可能である(例えば、一般に、UEは、キープアライブパケットを送信することなしに、通信セッションを監視することを続けることができる)。このことは、生成されたメッセージがキープアライブパケットに相当することが不可能であることを暗示することは意図しておらず、むしろ、ダミーメッセージに関するトリガ基準が、接続が失われることをもたらす可能性がある伝送の活動の低さではなく、送信電力レベル設定点ドリフトをもたらす可能性がある伝送の活動の低さであることを暗示することを意図している。同様に、低負荷データメッセージ(ダミーメッセージ)は、UEに関する伝送統計を測定するのにパイロット信号は使用されないので、前述したとおり、パイロット信号とも区別される。ダミーメッセージを送信した後、UEは、不活動タイマをリセットして、通信セッションを監視することを続けることができる。(このタイマは、UEにおけるローカルタイマであり、前述したRAN/RNCにおけるタイマではないことに留意されたい。)
RAN120に注目すると、RAN120は、UEから低負荷データ/ダミーメッセージを受信し、それぞれに関する伝送統計を測定する。測定された伝送統計に基づいて、RAN120は、各UEに関するOLPCを増加させるか、減少させるかを決定し、電力レベル調整メッセージをUEに送信する。電力レベル調整メッセージを送信した後、RAN120は、505に戻り、通信セッションに関連するデータを伝送することを続ける。電力レベル調整メッセージに応答して、1つまたは複数のUEが、RAN120から受信された電力レベル調整メッセージに基づいて、UEのUL/送信電力レベル設定点を更新することが可能である。ダミーメッセージを使用して、UL電力レベルを向上させることのさらなる態様および詳細は、本特許出願の譲受人に譲渡され、整理番号090534P1を有し、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2009年4月8日に出願した「MANAGING A REVERSE LINK TRANSMISSION POWER LEVEL SETPOINT DURING PERIODS OF INACTIVITY ON THE REVERSE LINK IN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の同時係属の米国特許仮出願第61/167,707号において与えられる。
本発明の前述した実施形態は、概ね、CDMAプロトコル、W-CDMAプロトコル、および/またはEV-DOプロトコルに特有の用語法に関連して説明されてきたが、本発明の他の実施形態は、例えば、UMTS LTEおよび/またはSAEなどの他の無線遠隔通信プロトコルに準拠するように変更され得ることが理解されよう。例えば、UMTS実施形態において、前述した呼フローは、依然として、概ね該当する。しかし、PDPコンテキストの用語法であるRNC(またはRNC122)、SGSN、およびGGSNは代わりに、それぞれ、EPS(発展型パケットシステム)ベアラ、eNodeB、サービングGW(ゲートウェイ)、およびPDN(パケットデータネットワーク)GWとして説明されることが可能である。したがって、前述したCDMA実施形態をUMTS実施形態に適合するようにする技術的変更は、全く当業者の能力の範囲内にある。
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれを使用して表されることも可能であることが当業者には理解されよう。例えば、前述した説明の全体にわたって言及されている可能性があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁気粒子、光の場または光の粒子、あるいは以上の任意の組合せによって表されることが可能である。
さらに、本明細書で開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェアとして実施されても、コンピュータソフトウェアとして実施されても、あるいは電子ハードウェアとコンピュータソフトウェアの組合せとして実施されてもよいことが、当業者には理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すのに、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、前段において、概ね機能の点で説明されてきた。そのような機能が、ハードウェアとして実施されるか、ソフトウェアとして実施されるかは、全体的なシステムに課せられる特定の応用上、および設計上の制約に依存する。当業者は、説明される機能を、それぞれの特定の用途のために様々な仕方で実施することができるが、そのような実施上の決定が、本発明の範囲からの逸脱を生じさせると解釈してはならない。
本明細書で開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートのゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートのハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明される機能を実行するように設計された以上の任意の組合せを使用して実施される、または実行されることが可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであることが可能であるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであってもよい。また、プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実施されることも可能である。
本明細書で開示される実施形態に関連して説明される方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、ハードウェアで直接に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはハードウェアとそのようなソフトウェアの組合せで実現されることが可能である。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている他の任意の形態の記憶媒体の中に存在することが可能である。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、その記憶媒体から情報を読み取ること、およびその記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体になっていてもよい。プロセッサと記憶媒体は、ASIC内部に存在することが可能である。ASICは、ユーザ端末装置(例えば、アクセス端末装置)内部に存在することが可能である。代替として、プロセッサと記憶媒体は、ユーザ端末装置内部にディスクリートの構成要素として存在してもよい。
1つまたは複数の例示的な実施形態において、説明される機能は、ハードウェアで、ソフトウェアで、ファームウェアで、または以上の組合せで実施されることが可能である。ソフトウェアで実施される場合、それらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に格納される、またはコンピュータ可読媒体を介して伝送されることが可能である。コンピュータ可読媒体には、1つの場所から別の場所にコンピュータプログラムを移すことを容易にする任意の媒体を含め、コンピュータ記憶媒体と通信媒体がともに含まれる。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であることが可能である。例として、限定としてではなく、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望されるプログラムコードを伝送する、または格納するのに使用されることが可能であり、さらにコンピュータによってアクセスされ得る他の任意の媒体を備えることが可能である。また、任意の接続も、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、デジタル加入者線(DSL)、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、DSL、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術が、媒体の定義に含められる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクが含まれ、ただし、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再現するのに対して、ディスク(disc)は、レーザを使用してデータを光学的に再現する。また、以上の媒体の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められなければならない。
以上の開示は、本発明の例示的な実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書において様々な変更および変形を加えることができることに留意されたい。本明細書で説明される本発明の実施形態による方法クレームの機能、ステップ、および/またはアクションは、いずれの特定の順序で実行される必要もない。さらに、本発明の要素は、単数形で説明される、または特許請求される可能性があるものの、単数形に限定されることが明記されない限り、複数形も企図される。