JP5355343B2 - タービン装置補修方法 - Google Patents
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Description
本発明は、タービン装置の内部車室部等の補修を行うためのタービン装置補修方法に関する。
軸流蒸気タービン等のタービン装置は、一般に軸周りを回転するロータと、このロータの外側に配置されて蒸気流路等を形成するノズルと、このノズルを収容して固定する内部車室と、この内部車室を収容する外部車室と、を有する。この内部車室は、ノズルおよびロータの間に形成された所定の間隙を保持するように、ノズル等を固定している。また、内部車室は、シール機能を有する圧力容器でもある。この内部車室は、上半および下半に分割可能で、それぞれに分割面(接合面)が形成されている。
当該タービン装置を長期使用すると、ロータの損傷や内部車室の接合面の侵食等の不具合が起こることがある。ロータの補修については、例えば特許文献1に開示されているような方法が知られている。
一方、内部車室の接合面は、熱影響等により変形、流体(蒸気)等による侵食等が発生することがある。これにより、ノズルの固定位置の変化やシール機能の低下等の不具合が生じることがある。このような不具合が発生すると、回転しているロータがノズルに接触して発生する振動や、蒸気漏れ等のトラブルが発生する。このため、上記のような変形や侵食を補修する必要がある。
従来の内部車室の補修は、先ずタービン装置を分解して、内部車室を補修するための専用の加工設備がある工場へ移送して、修理を行っていた。このため、移送のために長時間を必要としていた。また、従来の補修は、フライス加工等によって異常部位を削り込んで健全な面を形成して補修していた。この方法では、異常部位の他に、異常が発生していない健全な部分まで削り込む必要がある。このため、補修加工は長時間を必要としていた。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、タービン装置を効率よく補修することである。
上記目的を達成するための本発明に係るタービン装置補修方法は、軸周りを回転するロータと、このロータの半径方向外側に配置されたノズルと、このノズルを半径方向外側から覆いながら固定可能で軸に平行な平坦な接合面で2つに分割可能な内部車室部と、この内部車室部を収容可能な外部車室部と、を有するタービン装置の、少なくとも前記接合面を補修するためのタービン装置補修方法において、前記内部車室部の前記接合面それぞれに形成されて、健全な状態の健全接合面よりも前記各内部車室部が互いに離れる方向に変形して窪むように形成された異常部位を検出して、当該異常部位の変形量を計測する検査工程と、前記検査工程の後に、前記異常部位の表面を所定の面粗さにする下地処理工程と、前記下地処理工程の後に、前記異常部位の少なくとも一部に、少なくともクロム系合金材料を含む溶射材を、前記健全接合面よりも突出する突出部が形成されるように溶射する溶射工程と、前記溶射工程の後に、溶射部の表面位置が、前記健全接合面と同じ位置になるように前記突出部を除去する仕上げ工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るタービン装置補修方法は、軸周りを回転するロータと、このロータの半径方向外側に配置されたノズルと、このノズルを半径方向外側から覆いながら固定可能で軸に平行な平坦な接合面で2つに分割可能な内部車室部と、この内部車室部を収容可能な外部車室部と、を有するタービン装置の、少なくとも前記接合面を補修するためのタービン装置補修方法において、前記内部車室部の前記接合面それぞれに形成されて、健全な状態の健全接合面よりも前記各内部車室部が互いに離れる方向に変形して窪むように形成された異常部位を検出して、当該異常部位の変形量を計測する検査工程と、前記検査工程の後に、一方の前記内部車室部の前記異常部位の表面を所定の面粗さにする下地処理工程と、前記下地処理工程の後に、前記異常部位の少なくとも一部に、少なくともクロム系材料を含む溶射材を、前記健全接合面よりも突出する突出部が形成されるように溶射する溶射工程と、前記突出部の窪み方向突出量が、もう一方の前記内部車室部の前記接合面に形成された前記異常部位の深さとほぼ同じになるように、前記溶射部の表面を除去する仕上げ工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、タービン装置を効率よく補修することが可能である。
以下、本発明に係るタービン装置の補修方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係るタービン装置の補修方法の第1の実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。図1は、本実施形態のタービン装置補修方法の手順を示すフローチャートである。図2は、図1の下半外部車室部1および下半内部車室部2の概略斜視図である。図3は、図2の下半内部車室部2のIII-III矢視概略正断面図で、異常部位20を含む接合面の上方に基準バー10を配置した状態を示す。図4は、図3の下半内部車室部2の異常部位20に下地処理した状態を示す概略部分正断面図である。図5は、図4の異常部位20に溶射している状態を示す概略正断面図である。図6は、図5の溶射が完了した状態を示す概略正断面図である。図7は、図6の余盛層32を除去した状態を示す概略正断面図である。
本発明に係るタービン装置の補修方法の第1の実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。図1は、本実施形態のタービン装置補修方法の手順を示すフローチャートである。図2は、図1の下半外部車室部1および下半内部車室部2の概略斜視図である。図3は、図2の下半内部車室部2のIII-III矢視概略正断面図で、異常部位20を含む接合面の上方に基準バー10を配置した状態を示す。図4は、図3の下半内部車室部2の異常部位20に下地処理した状態を示す概略部分正断面図である。図5は、図4の異常部位20に溶射している状態を示す概略正断面図である。図6は、図5の溶射が完了した状態を示す概略正断面図である。図7は、図6の余盛層32を除去した状態を示す概略正断面図である。
先ず、本実施形態のタービン装置の構成について説明する。
このタービン装置は水平に延びて水平軸周りを回転するロータ(図示せず)と、このロータの半径方向外側に配置されたノズル(図示せず)と、ノズルを半径方向外側から覆いながら固定する内部車室部2、3と、この内部車室部を収容する外部車室部と、を有する。
内部車室2、3は、水平軸を含む水平な分割面(接合面)12、20を境界にして、上下に2つ、すなわち、上半内部車室部3および下半内部車室部2に分割可能である。これら上半内部車室部3および下半内部車室部2は、低炭素鋼で形成されている。
外部車室は、水平軸を含む水平な外部車室分割面1aを境界にして、上半外部車室部(図示せず)および下半外部車室部1に分割可能である。図2では、下半内部車室部2および下半外部車室部1のみを示し、上半側の図示は省略している。
このように構成のタービン装置を長期間使用すると、上半内部車室部3および下半内部車室部2それぞれの接合面の一部に異常部位20が生じる。ここで、異常部位20が生じていない接合面を健全接合面12とする。異常部位20は、各接合面が互いに離れる方向に変形して、窪むように形成される。この異常部位20は、後で説明するタービン装置補修方法によって、補修される。
以下に、本実施形態のタービン装置補修方法によって、下半内部車室部2の接合面の補修する手順について説明する。
タービン装置は、通常、定期的にメンテナンスが行われる。このときに、下半内部車室部2の接合面と、上半内部車室部3の接合面との間に隙間が形成されているか否かを、例えば目視等で検査する。
接合面同士の間に隙間が認められたときには、隙間ゲージ等を用いて当該隙間の鉛直方向幅を測定する。上半内部車室部3および下半内部車室部2それぞれの接合面の間に形成される隙間は、各接合面が互いに離れる方向に変形する異常部位20である。ここで、所定値以上の隙間が形成されているとき、すなわち異常部位20が所定値より大きいときには、後述する補修作業を行う。
以下に、下半内部車室部2の接合面の補修作業の手順について図1のフローチャートに基づいて説明する。当該補修作業は、異常部位20に後述する溶射材52を溶射して、使用前の健全な状態にする作業である。
先ず、図3に示すように、基準バー10を下半内部車室部2の接合面の上方に、回転軸方向に垂直で且つ水平に配置する。基準バー10の詳細な図示は省略しているが、この基準バー10は、鋼材の棒で、配置したときの横断面形状は、アルファベットの「H」を横にしたような形状で、上面および下面それぞれに基準となる水平な測定基準面10aが形成されている。
このとき、接合面のうちロータの回転中心から水平方向両側それぞれに離れた健全な部分、すなわち健全接合面12の上に架台11を設置して、この架台11上面に測定基準面10aが接するように基準バー10を設置する。
基準バー10を設置した後に、当該測定基準面10aと、異常部位20との鉛直方向距離を測定して、異常部位20の鉛直方向深さを計測する(ステップS1)。具体的には、先ず、測定基準面10aと、健全接合面12との距離を測定して、この距離を基準距離とする。次に、測定基準面10aと、各異状部位との鉛直方向距離を測定して、基準距離との相対的な距離を求めて異常部位20の深さを計測する。
次に、異常部位20に形成されたボルト穴(図示せず)等を塞ぐマスキングを行う(ステップS2)。このマスキングは、溶射によって当該ボルト穴等が塞がれてしまうことを抑制するために行うものである。このときボルト穴は、ゴム栓等で塞いでおくとよい。また、異常部位20の周囲の健全な部位(表面)には、マスキングテープ等で覆うとよい。
次に、図4に示すように、異常部位20の下地処理を行う(ステップS3)。この下地処理では、異常部位20に溶射するときに、溶射材52の密着性を高めるために、異常部位20の表面を所定の面粗さになるようにする。上記の通り、下半内部車室部2は、低炭素鋼で形成されている。炭素鋼の表面を粗くするには、アルミナ等を溶射するプライマー(下塗り)処理を行えばよい。図4の例では、異常部位20の表面上にプライマー処理された下地層25が形成されている。
この下地処理は、所定の面粗さになればよく、アルミナ溶射等に限らない。下地層25を形成することなく、例えばグライダ等で機械的に面粗さを粗くしてもよい。
下地処理の後に、図5に示すように、異常部位20の溶射材52を吹き付ける溶射を行う(ステップS4)。溶射装置50の構成について詳細な説明は省略するが、ワイヤ状の溶射材52をアセチレンガスや酸素等で燃焼させて溶かした状態で、異常部位20に吹き付けるように構成されている。
このとき、溶射材52が溶射されて形成される溶射層30は、図6に示すように、健全接合面12よりも上方に突出する突出部(余盛層)32が形成されるまで溶射する。溶射層30は、余盛層32と、異常部位20に埋め盛られた有効溶射層31を含む。ここで、溶射材52は、下半内部車室部2の材質(低炭素鋼)と同系の合金材料がよい。また、本実施形態では、溶射材52にクロム系合金材料を含有させている。これにより、密着性、耐衝撃性、耐食性等を高めることができる。
また、溶射の方法は、メタルスプレー法、アーク法等の一般的な溶射方法を用いることができる。
次に、図7に示すように、溶射層30の上面が健全接合面12と同じ位置になるように、すなわち、溶射層30の表面と健全接合面12が同じ平面上にあるように、除去装置等によって余盛層32を除去する(ステップS5)。これにより、有効溶射層31が残った状態になる。
この除去装置の詳細な図示は省略しているが、水平移動可能距離が1m程度の簡易フライス加工機等を下半内部車室部2の上方に配置して、当該装置に正面フライス41等の工具を取り付けて切削加工する。これにより、余盛層32を除去すると共に、有効溶射層31の表面が平坦になるように仕上げることができる。
この後に、有効溶射層31の表面に形成されたツールマーク等をグラインダ等で除去して、有効溶射層31の表面が健全接合面12と同等の表面粗さになるように仕上げる(ステップS6)。この後に有効溶射層31が剥離していないこと等を検査する(ステップS7)。この検査で、有効溶射層31の表面が、健全接合面12と同じ位置になっているか否かを、基準バー10等を用いて再度検査してもよい。また、基準バー10の測定基準面10aを、有効溶射層31の表面に接触させて、平坦度を目視検査してもよい。以上の手順によって、補修作業が完了する。
以上の説明からわかるように本実施形態によれば、予め異常部位20の鉛直方向距離(深さ)を計測しているため、溶射材52を溶射する量等を最適に調整して、溶射層30の厚みを所定値にすることが可能なる。また、溶射材52にクロム系合金材料を含有させているため、密着性等が向上するため、高品質な溶射層30を得ることができる。
また、当該補修方法は、異常部位20を溶射するだけで、異常部位20以外の健全な部位はほとんど加工しない。このため、補修時に健全な部位も含めて内部車室部2、3の形状を再び加工する必要がない。よって、当該異常部位20を効率よく使用前の正常な状態に補修することが可能である。
また、当該補修方法は、タービン装置が設置されている現場で、内部車室部2、3の補修を行うことができるため、内部車室部2、3等を移送するための時間が不要になり、補修工期を短縮することができる。
[第2の実施形態]
本発明に係るタービン装置の補修方法の第2の実施形態について、図1および図8を用いて説明する。図8は、本実施形態のタービン装置補修方法で下半内部車室部2の接合面の異常部位20に溶射材52を溶射した状態を示す下半内部車室部2の部分正断面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本発明に係るタービン装置の補修方法の第2の実施形態について、図1および図8を用いて説明する。図8は、本実施形態のタービン装置補修方法で下半内部車室部2の接合面の異常部位20に溶射材52を溶射した状態を示す下半内部車室部2の部分正断面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
第1の実施形態では、異常部位20の深さが浅い場合(例えば1mm以下)には、余盛層32を除去するときに、有効溶射層31の厚みが極端に薄くなる場合がある。この場合、余盛層32を除去しているときに、有効溶射層31が剥離してしまう可能性がある。
本実施形態は、検査工程(ステップS1)の後で下地処理工程(ステップS2)の前に、異常部位20を、窪んでいる方向に所定の量だけ掘り下げて、除去部27を形成する除去工程を有する。有効溶射層31の厚みが約1mmになるように、当該異常部位20を掘り下げるとよい。
これにより、有効溶射層31の剥離等の不具合を抑制することが可能になり、第1の実施形態に比べて、補修の仕上がり品質が向上する。
[第3の実施形態]
本発明に係るタービン装置の補修方法の第3の実施形態について、図9および図10を用いて説明する。図9は、本実施形態のタービン装置補修方法で、下半内部車室部2の接合面の異常部位20に溶射材52を溶射した状態を示す下半内部車室部2の部分正面図である。図10は、図9のX-X矢視側面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本発明に係るタービン装置の補修方法の第3の実施形態について、図9および図10を用いて説明する。図9は、本実施形態のタービン装置補修方法で、下半内部車室部2の接合面の異常部位20に溶射材52を溶射した状態を示す下半内部車室部2の部分正面図である。図10は、図9のX-X矢視側面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
通常、健全接合面12は、ロータの回転軸から離れた部位、すなわち水平方向外側にあることが多く、異常部位20は、当該回転軸に近い側、すなわち内側であることが多い。このため、第1の実施形態では、異常部位20に溶射をするときに、溶射層30の厚みを確認しにくいことがある。
本実施形態では、下地処理工程(ステップS3)の後で溶射工程(ステップS4)の前に、異常部位20の底部から健全接合面12までの距離を把握するための基準部材61を設置する基準部材設置工程を有する。
この基準部材61は、直方体の形状で、異常部位20付近に配置される。このとき、当該基準部材61の上面および下面が、水平になるように配置される。ここで、配置された基準部材61の下面と、健全接合面12との鉛直距離を予め計測する。これにより、溶射するときに、当該下面と、溶射層30の表面とを鉛直方向距離(図中のh)を測定することで、溶射層30の厚みを所定値になるようにすることができる。すなわち、溶射工程(ステップS4)は、基準部材61の下面から溶射層30の表面までの距離hを測定する工程が含まれる。
これにより、余分な溶射層30が形成されることが抑制されるため、第1の実施形態に比べて、溶射のための作業時間を少なくすることが可能となり、工期を短縮できる。
[第4の実施形態]
本発明に係るタービン装置の補修方法の第4の実施形態について、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態のタービン装置補修方法で、下半内部車室部2の異常部位20付近の部分正面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本発明に係るタービン装置の補修方法の第4の実施形態について、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態のタービン装置補修方法で、下半内部車室部2の異常部位20付近の部分正面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態は、溶射工程(ステップS4)の後で余盛層32を除去する(ステップS5)前に、溶射層30の表面を加熱装置71で350℃程度に加熱する加熱工程を有する。これにより、余盛層32の除去加工等を容易に行うことができ、補修作業時間を短縮することができる。よって、第1の実施形態に比べて工期を短縮することができる。
[第5の実施形態]
本発明に係るタービン装置の補修方法の第5の実施形態について、図12および図13を用いて説明する。図12は、本実施形態のタービン装置補修方法で、内部車室部の異常部位20を含む断面を示す概略正断面図である。図13は、図12の下半内部車室の異常部位20に溶射材52を溶射した状態を示す概略正断面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本発明に係るタービン装置の補修方法の第5の実施形態について、図12および図13を用いて説明する。図12は、本実施形態のタービン装置補修方法で、内部車室部の異常部位20を含む断面を示す概略正断面図である。図13は、図12の下半内部車室の異常部位20に溶射材52を溶射した状態を示す概略正断面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態の補修方法は、下半内部車室部2の接合面の異常部位20を計測すると共に、上半内部車室部3の接合面の異常部位20も計測する。図12に示すように、上半内部車室部3および下半内部車室部2それぞれの接合面は、ほぼ同じように変形することが多い。
第1〜第4の実施形態は、下半内部車室部2の接合面を、使用前の状態、すなわち平坦な水平面になるように仕上げている。これに対して、本実施形態では、図13に示すように、下半内部車室部2の接合面の異常部位20に溶射するときに、健全接合面12よりも上方に突出させる。このときの突出量は、上半内部車室部3の接合面の異常部位20の窪み分と同じになるように調整する。
これにより、上半内部車室部3の接合面を溶射する工程を省けるため、より短時間で補修作業を行うことが可能になる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、第1〜第4の実施形態の特徴を互いに組み合わせることが可能である。また、第5の実施形態の特徴に、第2〜第4の実施形態の特徴を組み合わせることも可能である。
1…下半外部車室部、1a…外部車室分割面、2…下半内部車室部、3…上半内部車室部、10…基準バー、10a…測定基準面、11…架台、12…健全接合面、20…異常部位、25…下地層、27…除去部、30…溶射層、31…有効溶射層、32…突出部(余盛層)、41…正面フライス、50…溶射装置、52…溶射材、61…基準部材、71…加熱装置
Claims (6)
- 軸周りを回転するロータと、このロータの半径方向外側に配置されたノズルと、このノズルを半径方向外側から覆いながら固定可能で軸に平行な平坦な接合面で2つに分割可能な内部車室部と、この内部車室部を収容可能な外部車室部と、を有するタービン装置の、少なくとも前記接合面を補修するためのタービン装置補修方法において、
前記内部車室部の前記接合面それぞれに形成されて、健全な状態の健全接合面よりも前記各内部車室部が互いに離れる方向に変形して窪むように形成された異常部位を検出して、当該異常部位の変形量を計測する検査工程と、
前記検査工程の後に、前記異常部位の表面を所定の面粗さにする下地処理工程と、
前記下地処理工程の後に、前記異常部位の少なくとも一部に、少なくともクロム系合金材料を含む溶射材を、前記健全接合面よりも突出する突出部が形成されるように溶射する溶射工程と、
前記溶射工程の後に、溶射部の表面位置が、前記健全接合面と同じ位置になるように前記突出部を除去する仕上げ工程と、
を有することを特徴とするタービン装置補修方法。 - 前記下地処理工程は、アルミナ材を含む溶射材を溶射する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のタービン装置補修方法。
- 前記検査工程の後で前記下地処理工程の前に、前記異常部位を、窪んでいる方向に所定の量だけ掘り下げるように除去する除去工程を有すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のタービン装置補修方法。
- 前記溶射工程の後で前記仕上げ工程の前に、前記溶射部の表面を加熱する加熱工程を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のタービン装置補修方法。
- 前記下地処理工程の後で前記溶射工程の前に、前記異常部位の底部から前記健全接合面までの距離を把握するための基準部材を、前記異常部位のうち前記健全接合面が広がる方向に前記健全接合面から離れた位置に設置する基準部材設置工程と、
前記基準部材設置工程の後で前記溶射工程の前に、前記基準部材の底面から前記健全接合面までの基準距離を測定する基準距離測定工程と、
を有し、
前記溶射工程は、前記基準部材の底面から溶射部の表面までの距離を測定する工程を含むこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のタービン装置補修方法。 - 軸周りを回転するロータと、このロータの半径方向外側に配置されたノズルと、このノズルを半径方向外側から覆いながら固定可能で軸に平行な平坦な接合面で2つに分割可能な内部車室部と、この内部車室部を収容可能な外部車室部と、を有するタービン装置の、少なくとも前記接合面を補修するためのタービン装置補修方法において、
前記内部車室部の前記接合面それぞれに形成されて、健全な状態の健全接合面よりも前記各内部車室部が互いに離れる方向に変形して窪むように形成された異常部位を検出して、当該異常部位の変形量を計測する検査工程と、
前記検査工程の後に、一方の前記内部車室部の前記異常部位の表面を所定の面粗さにする下地処理工程と、
前記下地処理工程の後に、前記異常部位の少なくとも一部に、少なくともクロム系材料を含む溶射材を、前記健全接合面よりも突出する突出部が形成されるように溶射する溶射工程と、
前記突出部の窪み方向突出量が、もう一方の前記内部車室部の前記接合面に形成された前記異常部位の深さとほぼ同じになるように、前記溶射部の表面を除去する仕上げ工程と、
を有することを特徴とするタービン装置補修方法。
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