JP5352911B1 - 光走査装置および光走査方法 - Google Patents

光走査装置および光走査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5352911B1
JP5352911B1 JP2012199288A JP2012199288A JP5352911B1 JP 5352911 B1 JP5352911 B1 JP 5352911B1 JP 2012199288 A JP2012199288 A JP 2012199288A JP 2012199288 A JP2012199288 A JP 2012199288A JP 5352911 B1 JP5352911 B1 JP 5352911B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical member
side magnetic
magnetic body
optical
oscillating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012199288A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014056008A (ja
Inventor
将彰 芦原
裕治 青柳
和正 川邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukui Prefecture
Original Assignee
Fukui Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukui Prefecture filed Critical Fukui Prefecture
Priority to JP2012199288A priority Critical patent/JP5352911B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5352911B1 publication Critical patent/JP5352911B1/ja
Publication of JP2014056008A publication Critical patent/JP2014056008A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、1つの光学部材の動作により光偏向角が容易に制御可能であり、しかも構造が簡便であり、精度低下の原因となるモータの発熱による光学部材の温度上昇が抑制可能となる光走査装置及び光走査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
光学部材11の動作により光を走査する光走査装置であって、光学部材11と揺動側磁性体12が一体になって形成している揺動体14と、揺動体14を揺動可能に保持する保持機構及び前記揺動体が基準位置からずれた場合に基準位置に復元する復元機構を有する保持手段10と、揺動体を揺動させる回動側磁性体21を有した動作手段20とを備えていることを特徴とする光走査装置およびそれを利用したレーザ加工装置。
揺動体14の揺動運動を非接触で誘起し、それに基づき光の偏向角の制御を行うことができる光走査方法およびそれを利用したレーザ加工方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材の動作により光を走査する光走査装置及び光走査方法に関し、光を走査させ加工を行うレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
レーザ加工は穴あけ、切断、溝加工、溶接など幅広い分野で利用されている。
レーザ加工は、非接触加工であり、エネルギー密度が高い、加工速度が速いなどの特徴を持つため、以前から産業上利用されているが、近年では機械精度の要求の高まりにより、レーザ加工の高精度・高品質化が求められている。
レーザ加工の一例として穴加工の場合には、次の代表的な3つの手法があり、レーザ光を1ショット照射し貫通穴を加工するシングルパルス、レーザ光を固定した状態で同一箇所に繰返しレーザパルスを照射するパーカッション,レーザ光を環状に走査し穴加工を行うトレパニングである。
加工品質を重視する場合にはトレパニングが用いられる。加工穴径を制御する際に、シングルパルス、パーカッションでは、加工穴径に応じてビーム径を変える必要があり、ビーム径の拡大に伴い、レーザ出力も併せて増加させる必要がある。一方、トレパニングではレーザ光を環状に走査させることで、加工径を制御することが可能となるため、ビーム径を変える必要がない。つまり、トレパニングは、より小さい出力のレーザ発振器での加工が可能となる点や曲率の大きい材料に対する加工が可能となる点、加工穴の真円度向上が期待できることから、加工品質を重視する際に用いられる。
通常のレーザのビームプロファイルはビーム中心部が最もエネルギー密度が高いため、ビームを静止して照射した場合では、加工痕の断面はテーパ状になる。レーザビームを回動させた場合では、加工対象物に対して斜め入射させることで、ストレート穴や逆テーパ形状の加工断面を形成することができる。また、レーザビームを回動させることで従来のレーザ加工よりもアスペクト比が高い加工が実現できることが知られている。
最近では超短パルスレーザの出現により、熱溶融層の極めて少ない精密加工が可能である。このため、自動車用燃料噴射ノズルの穴あけ加工に超短パルスレーザとビーム回動装置を併用する手法が提案されている。(特許文献2)
超短パルスレーザの中でもピコ秒レーザは高繰り返し化が進んでいるが、このようなレーザでは同一箇所に照射されるレーザパルスの重畳が増加し、熱蓄積が無視できなくなることから、加工品質が低下する。このため、レーザ加工の高速・高品質化のためにはレーザビームの高速回動が必要となる。
ビームを回動走査させる方法として、
(イ)プリズムを回動させる方法
(ロ)ウェッジ板を回動させる方法
(ハ)光軸に対し傾斜した状態の光学部材を自転させる方法
(ニ)振動子を用いる方法が知られている。
前記(イ)項のプリズムを自転させる方法として、特許文献1、2に記載されているようにドーププリズムまたはアッベ・キング・プリズムを回動させることで、レーザ光を所望の半径で回動させる装置が提案されている。しかし、この手法は平行ブロック、ウェッジ板、プリズムといったレーザ光が通過する媒質の長さが長い光学部品を多用しているため、レーザパルスのパルス幅が広がる、色収差による集光スポット径が拡大するという問題がある。
前記(ロ)項のウェッジ板を自転させる方法は、2枚のウェッジ板を近接配置させ、別々に自転させることにより、ビームを任意の半径で回動させるものであり、特許文献3にこの方法を利用したレーザ加工装置が提案されている。しかし、この手法は2枚のウェッジ基板を同期して回動させる必要があるため、制御機構が複雑であり、ビームの回動半径の変更の際に調整に手間がかかる。この課題を解決するために特許文献4に開示されているように1枚のウェッジ板によりビームを回動させる方法が提案されているが、ビーム回動半径の変更の際にウェッジ板を取り替える必要があるため、ビーム回動半径の変更毎にレーザビームの照射を止めなければならないという課題が残っている。
前記(ハ)項の光軸に対し傾斜した状態の光学部材を自転させる方法は、非特許文献1に示されるように光学部材の傾斜角度によりビーム回動半径を制御することができ、特許文献5、6に示されるような装置が提案されている。しかし、この手法では回動体の内部に設置された光学部材の傾斜角度を調整しなければならないため、外部制御機構により光学部材の傾斜角度を調整することは困難であり、ビームの回動半径の変更の際に調整に手間がかかる。また、前記(イ)(ロ)項の方法でも同様であるが、ビーム回動数の増加に伴い褶動部の温度が上昇し、それに伴い光学部材の温度が上昇、寸法変化および屈折率変化を引き起こす危険性があるため、高速回動の長期運転時には回動部に対して冷却機構を備える必要がある。また、高回動数の動作時には、自転している光学部材が破損する危険性が高まる。
前記(ニ)項の振動子を用いる方法は、光学部材に3個以上の振動子を連結させレーザビームを揺動させる方法であり、特許文献7に開示されている。この手法はレーザビームの高速回動を実現でき、光学部材の自転を伴わないため熱制御も容易であるが、このような電磁駆動機構においてはビーム回動数とレーザビームの光偏向角はトレードオフの関係になり、ビーム回動数の増加に伴い、レーザビームの光偏向角は小さくなる。このため、利用できる走査範囲は小さな光偏向角に限定される。
特表2001−516648
特表2008−543576
特開2009−50869
特開2006−272384
特開2006−82130
特表2007−511368
特開2000−305037
レーザ加工の基礎工学 理論からシミュレーションまで、新井 武ニ著、丸善株式会社出版、平成19年1月31日発行、p.242〜244
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、1つの光学部材の動作により光偏向角が容易に制御可能であり、しかも構造が簡便であり、精度低下の原因となるモータの発熱による光学部材の温度上昇が抑制可能となる光走査装置及び光走査方法を提供することを目的とする。
本発明は光を透過する光学部材の動作により光を走査する光走査装置であって、前記光学部材と揺動側磁性体が一体となって外力、復元力の作用により揺動する揺動体と、前記揺動体に外力が働かず復元力のみ働く状態における揺動体の静止位置である基準位置を基点として前記揺動体を揺動可能に保持する保持機構及び前記揺動体が基準位置からずれた場合に基準位置に復元する復元機構を有した保持手段と、前記基準位置を基点として揺動体を揺動させるため、前記揺動側磁性体の磁力に常に干渉し揺動側磁性体と一定距離を保つように保持された状態で、前記揺動体に外力として作用する磁場を前記光学部材の光軸を軸として公転するよう回動させる回動側磁性体を有した動作手段とを少なくとも備えていることを特徴とする。さらに、前記復元機構は、前記揺動側磁性体の外側に対向配置された復元側磁性体を備え、前記揺動側磁性体と前記復元側磁性体の磁力の作用により前記揺動体を前記基準位置に復元することを特徴とする。さらに、前記回動側磁性体および前記復元側磁性体の片方もしくは両方に対し電流により磁力を設定する手段を有していることを特徴とする。さらにレーザ加工装置に対し本発明による光走査装置を備えることを特徴とする。
また、本発明は光を透過する光学部材の動作により光を走査する光走査方法であって、前記光学部材に対し前記光学部材を揺動させる力となる外力が働かず前記光学部材が静止している位置である基準位置を基点として前記光学部材を揺動可能に保持するとともに前記光学部材が基準位置からずれた場合に基準位置に復元させる復元力を磁力により作用させた状態で、前記外力を磁力により非接触で作用させて、前記光学部材に前記外力を作用させる磁場の回動運動を起点として、前記光学部材を揺動させることで、前記光学部材を通過した光が走査されることを特徴とする。さらに、前記光学部材の動作により与えられる光偏向角は、前記外力、前記外力として作用し前記光学部材の光軸を軸として公転する磁場の単位時間当たりの回転数、前記外力および前記復元力から成る振動系の共振周波数に基づいて設定されることを特徴とする。さらに、本発明による光走査方法によりレーザ光を走査して被加工物を加工することを特徴とする。
本発明は、上記のような構成を備えることで、簡便な装置構成により、レーザ光が通過する光学部材の長さを抑制可能、精度低下の原因となるモータの発熱による光学部材の温度上昇が抑制可能、かつ光偏向角を常時外部から制御することが可能である。また、本発明は共振型の光走査装置であるため、高速回動時においても光偏向角の大きい走査が可能となる。
本発明に係る光走査を実施する装置例に関する縦断面構成図である。 本発明に係る光走査を実施する装置例に関する斜視図である。 本発明に係る光走査装置の揺動角、光偏向角に関する説明図である。 実施例1の揺動角の変位を計測した結果である。 本発明に係る光走査を実施する別の装置例に関する縦断面構成図である。 本発明に係るレーザ加工を実施する装置例に関する概略構成図である。 実施例3の加工穴のSEM写真である。
以下、本発明による実施形態を説明する。以下の装置構成は本発明の具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。また、以下の装置構成は、その技術分野の当事者であれば、本発明の様々な変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
図1は本発明に係る光走査装置の縦断面構成図であり、図2は当該装置の斜視図である。光走査装置1は、光学部材11と揺動側磁性体12が一体になって形成されている揺動体14と、揺動体14を揺動可能に保持する保持機構とともに前記揺動体が基準位置からずれた場合に基準位置に復元する復元機構を有した保持手段10と、揺動体を揺動させる回動側磁性体21を有した動作手段20とを少なくとも有している。
光学部材11は、光を透過する平面または曲面を有する。光学部材11が光を透過する曲面を有する場合において、当該光走査装置が及ぼす光偏向角θbは前記曲面の曲率に依存する。光偏向角θbを大きく設定したい場合は曲率を大きくし、光偏向角θbを小さくしたい場合には曲率を小さく設定することが望ましい。ここで、光偏向角θbは、光学部材11の入射前後において光の進行方向が変位した角度を表す。揺動角θaは、揺動体14が揺動した際に基準位置から変位した角度を表す。外力は揺動体14を基準位置から変位させるために揺動体14に加わる力であり、復元力は揺動体14を基準位置に復元させるために揺動体14に加わる力である。
揺動体14は、光学部材11の対称軸と中空形状の揺動側磁性体12の対称軸が一致するように、光学部材11と揺動側磁性体12が一体となって形成している。ここで、対称軸は物体が線対称となる基準の軸を表す。
揺動側磁性体12は、中空形状を有していることを特徴とする。
本発明における磁性体は、永久磁石、鉄などの強磁性体、電磁石を表す。
揺動体14は、支持部材15により保持され、外力、復元力の作用により基準位置を基点として揺動する。ここで、光を透過する光学部材11が基準位置にある場合において、光学部材11を透過した光は、通過前の光軸と同一線上にあり、光軸がずれないことが望ましい。基準位置は揺動体14に外力が働かず復元力のみ働く状態における揺動体14の静止位置を示す。
揺動体14の外側の側面は凸状の曲面形状を有している。本発明において光を環状に走査させる場合には、揺動体14の外側の側面は凸状の球面形状を有しており、支持部材15の内側の側面に接することで球面揺動するように保持されることが望ましい。光を線状に走査させる場合には、1軸方向のみ揺動するように保持されることが望ましい。
支持部材15は、揺動体14を揺動可能に保持するためのもので前記保持機構に該当する。
図1において支持部材15の内側の側面は凹状の曲面形状を有しているが、揺動体14が揺動可能に保持されていれば、前記以外の方法であっても良い。
揺動体14の外側の側面および支持部材15の内側の側面は、揺動体14が駆動する時の摺動面となるために低摩擦かつ耐摩耗性に優れていることが望ましい。
復元力は、磁性体の磁力またはバネの弾性力により与えることができるが、装置の耐久性の観点から磁力を用いることが望ましい。
本装置の駆動可能な回動数の上限は復元力に依存するため、必要となる回動数に基づき、復元機構に使用する材料の磁束密度またはバネ定数を決定する必要がある。
復元力に磁力を用いる際に前記復元機構の簡便な構成は、図1に示すように揺動側磁性体12に干渉するように揺動側磁性体12の外側に復元側磁性体13を対向配置することである。ここで、復元側磁性体13が復元機構に該当する。
復元側磁性体13は中空形状であることを特徴とする。復元側磁性体13の内径は揺動側磁性体12の外径よりも大きく、揺動側磁性体12と復元側磁性体13を同心円状に配置する。互いの磁極が反対となる状態で揺動側磁性体12を復元側磁性体13の内側に配置することで、揺動側磁性体12の位置が変位した際に復元側磁性体13と平行な状態を基準位置として復元力が働く。図1の場合に、揺動側磁性体12の基準位置は、復元側磁性体13と平行な位置であるため、復元側磁性体13の対称軸は光軸と一致するように配置している。前記のような揺動側磁性体12と復元側磁性体13の同心円状配置の際に、揺動側磁性体12と復元側磁性体13の中心点はそれぞれ光軸上にあるが、前記中心点が必ずしも一致する必要はなく、光軸方向にずれていても構わない。
図1の構成例において、支持部材15、復元側磁性体13は前記保持手段10に該当する。
復元側磁性体13は電磁石とすることで、復元力の大きさを外部から制御することができる。
動作手段20は、揺動体14を非接触で揺動させるために磁場を回動させて外力を与える手段である。動作手段20の構成例は、図1に示すように中空形状の回動体23に連動して棒状の回動側磁性体21を公転運動させることである。この際、回動側磁性体21の公転運動の軸が光軸と一致している。別の構成例として、図示していないが、回動体を用いずに電磁作用により回動する磁場を作り出すことも可能である。
回動側磁性体21は回動体23により公転した際に、揺動側磁性体12の磁力に常に干渉し、回動側磁性体21と揺動側磁性体12が一定距離を保つように磁性体固定具22により保持されている。回動側磁性体21と揺動側磁性体12に働く磁力の方向は、反発、吸引どちらの場合も使用が可能である。回動側磁性体21は揺動体14および支持部材15と非接触で動作する。
磁性体固定具22は光を透過するように中空形状を有しており、回動体23に付設し回動する。
回動側磁性体21は磁性体固定具22に保持した状態で複数使用することが可能である。
揺動角θaは回動側磁性体21と揺動側磁性体12の間で作用する磁力に依存するため、永久磁石を用いる場合には前記揺動角θaの制御のために、揺動側磁性体12と回動側磁性体21の距離を変化させる直動機構24が必要となる。別の構成例として回動側磁性体21に電磁石を使用した場合には、回動側磁性体21の磁力を変化させることが可能であるため、直道機構24は必ずしも必要ではない。
直動機構24は、回動体23が付設されおり、回動体23の回動中心が光軸上を直動するように保持されている。
図1の構成において、回動側磁性体21、磁性体固定具22,回動体23および直動機構24が前記動作手段20に該当する。
前記保持手段10および前記動作手段20は連結部材31により保持される。連結部材31の材質には回動体23からの発熱を遮断するよう断熱材を用いられることが望ましい。
動作手段20のその他の手段としては、回動側磁性体21に電磁石を用いて磁力の周期点な変動により磁場を回動させる手段がある。
図6に示すように、レーザ光を入射する場合に本装置1の光軸前方に平行光学部材32を配置し、光学部材11と平行光学部材32をガリレオ式およびケプラー式平行光学系とすることで、光学部材11を通過した後に平行光に戻すことができるため、光走査装置として幅広い光学系に組み込むことが可能となる。
本実施の形態に係る光走査方法は、図1のように構成された光走査装置1を用い、以下のように実施される。
直動機構24により揺動側磁性体12と回動側磁性体21の距離を縮めることで前記外力が増加し、揺動体14が基準位置から変位する。この状態で光学部材11に光を入射することで、光学部材11を通過した光が偏向する。
図3は、揺動体14が揺動した際の光の偏向を表している。図3において、揺動体14の基準位置は水平の位置であり、水平からの変位量が揺動角θaとなる。揺動角θaの増加に応じて、光学部材11を通過した光は光偏向角θb偏向する。
回動側磁性体21の磁場が静止している状態において、光偏向角θbは前記外力および前記復元力に基づいて設定することができる。光の走査位置は、光偏向角θbおよび回動側磁性体21の磁極の位置により定まる。
回動側磁性体21が回動している状態において、回動側磁性体21の回動運動に伴い、揺動体14が揺動運動を誘起する。揺動体14が揺動を誘起する回動数は、前記外力および前記復元力から成る振動系の共振周波数に依存する。回動側磁性体21の回動数が共振周波数に近いほど揺動角θaが大きくなり、それに従い光偏向角θbが大きくなる。回動側磁性体21の回動数が共振周波数を超えた場合でも共振周波数に近い場合においては、揺動体14が揺動を誘起するが、揺動角θaが小さくなり、回動側磁性体21の回動運動と揺動体14の揺動運動に位相差が生まれる。
揺動体14と支持部材15の摺動部の摩擦が小さい場合に、揺動体14は揺動運動に併せて自転運動を引き起こす場合がある。この際、前記自転運動の回動数は回動側磁性体21の回動数と比べて小さい。光偏向角θbは、揺動体14の揺動運動および自転運動の両方に依存するため、揺動運動に併せて自転運動が生じている際に、光学部材11を通過した光は回動径の異なる2つの回動運動を合成した軌跡を描く。
前記光走査装置によりレーザ加工を行う場合において、前記自転運動が生じている際には2つの回動運動が合成されるため、加工径は拡大するが、加工外周部の真円度が向上する。
前記光走査装置により単純な環状走査を望む場合には、揺動体14の自転運動を防止する機構を付随することが望ましい。また、回動径の異なる2つの回動運動の合成により、レーザの照射幅を拡大したい場合には、揺動体14の自転機構を付随することが望ましい。
本発明による光の走査速度は回動側磁性体21の回動数により定まる。ここで、光の最大走査速度は前記共振周波数に基づいて定まる。前記最大走査速度を大きくする場合には、前記共振周波数が大きくなるように、復元力を大きくする、揺動体14の重量を小さくすることが望ましい。
回動側磁性体21が回動している状態において、光の走査速度は、回動体23の回動数により制御を行うことができ、光偏向角θbは前記外力、前記復元力および回動体23の回動数により制御を行うことができる。
回動体23と光学部材11が独立しており、揺動体14の揺動は回動側磁性体21の回動運動により磁場を通じて非接触で誘起されるため、回動体23駆動時の発熱による光学部材の精度低下を防ぐことが構造上可能となる。
本発明において揺動体14は必ずしも自転する必要がないため、高速駆動時に光学部材11が損傷する危険性を軽減することができる。
従来技術では2枚のウェッジ板を用いて、ビーム回動を実現する手法が公知であるが、この場合ではビームの回動角を変える場合に、2つの回動ステージの同期制御が必要となるが、本発明は、回動ステージが1つで済むため従来技術と比べて制御が容易となる。また、レーザ光が通過する光学部材を減らすことができるため、超短パルスレーザを用いる際にパルス幅の広がりを抑制することができる。
本装置における駆動可能な回動数の上限は揺動体14の共振周波数に基づいて決定する。揺動体14の共振周波数は揺動体14の重量、復元力の大きさに依存する。図1の構成において復元力は復元側磁性体13の磁力で与えられるため、復元側磁性体13の磁力を変化させることで前記共振周波数の制御が可能となる。
復元側磁性体13に電磁石を使用した場合には、復元力となる復元側磁性体13の磁力を変化させることが可能となるため、本装置の駆動可能な回動数の上限および揺動角θaを外部から制御することが可能となる。また、回動側磁性体21の磁力または直道機構24による揺動側磁性体12と回動側磁性体21の磁性体間距離を変化させることによっても揺動体14の揺動角θaを外部から制御することが可能となる。
以上のように、復元側磁性体13の磁力および回動側磁性体21の磁力または直道機構24による揺動側磁性体12と回動側磁性体21の磁性体間距離をそれぞれ選定することで、揺動角θaを任意に選定することが可能である。
本装置は動作中においても随時、揺動角θa及び光偏向角θbを変更することができるため、ディンプル加工を行う際などに加工断面形状の制御を行うことが可能となる。
図1は本実施例の光走査装置1に関する縦断面構成図である。本実施例の光走査装置1は、光学部材11と揺動側磁性体12が一体になって形成している揺動体14と、揺動体14を揺動可能に保持する支持部材15と、前記揺動体が基準位置からずれた場合に基準位置に復元する復元側磁性体13と、揺動体を揺動させる回動側磁性体21と、磁性体固定具22と、回動側磁性体21を回動させる回動体23と、揺動側磁性体12と回動側磁性体21の磁石間距離を変えるための直動機構24と、直動機構24と支持部材15を連結する連結機構31と、を設置した。
揺動体14は、凸状球面形状の側面を有しており、同じ曲率を持つ支持部材15の内側の凹状側面に接することで球面揺動するように保持した。
光学部材11は、焦点距離35mmの合成石英製平凸レンズを使用した。
揺動側磁性体12は、磁束密度529mTのリング状永久磁石であり、図1の上側極をN極とした。
復元側磁性体13は、リング状永久磁石であり、揺動側磁性体12と同心円状かつ図1の上側極をS極となるように対向配置した。本実施例では、復元側磁性体13の磁束密度の違いによる揺動角θaの変化を検討するため、磁束密度343mTのリング状磁石Aと、磁束密度554mTのリング状磁石Bと、2種類使用した。上記2種類のリング状磁石ともに磁極の向きは同一とした。
回動側磁性体21は、磁束密度502mTの円柱状永久磁石である。揺動側磁性体12と互いに引き合うように図1の下側極をS極とした。
磁性体固定具22は、中空形状を有しており、回動側磁性体21が公転した状態で揺動側磁性体12と干渉するよう回動側磁性体21を固定した。
回動体23は、中空モータで、回動数は最大12,000rpmまで可能であり、外部から回動数の制御を行なった。
直動機構24は、直動の電動ステージであり、外部から駆動制御が行われる。
図4に揺動側磁性体12と回動側磁性体21の光軸方向の距離と回動側磁性体21の回動数における揺動角θaの関係を示す。揺動体の揺動角θaはハイスピードカメラを用いて揺動体14の動作時の画像から算出した。上図の結果から特定の回動数のときに揺動角θaがピークになることが確認でき、本装置が共振型であることを示している。また、復元側磁性体13の磁束密度を変化させた結果、復元力を大きくすることで、前記揺動角θaのピークが高回動側に移動した。さらに、図4より揺動側磁性体12と回動側磁性体21の磁石間距離により前記揺動角θaが変化した。前記磁石間距離が変化した場合でも前記揺動角θaのピークは変化していなかった。
図5に本実施例の光走査装置に関する縦断面構成図を示す。本実施例の光走査装置は、実施例1で示した光走査装置1に対して、光学部材11の前方に平行光学部材32、レーザ光34を照射する光源33を取り付けた。それ以外の構成は実施例1と同様である。
平行光学部材32は、焦点距離100mmの平凸レンズであり、光学部材11とケプラー型平行光学系となるように設置した
光源33に連続発振のヘリウムネオンレーザを用いた。
光学部材11を通過したレーザ光34が平行光の状態で、回動走査することを確認した。また、実施例1の前記揺動角θaと同様に、回動側磁性体21の回動数及び揺動側磁性体12と回動側磁性体21の磁石間距離により、光偏向角θbが変化することを確認した。
図6に本実施例のレーザ加工装置の概略構成図を示す。本実施例のレーザ加工装置は、実施例1で示した光走査装置1に対して、レーザ光34を照射する光源33、レーザ光照射部を観察する観察機構35、シャッター36、1/4波長板37、ダイクロイックミラー38、制御用パソコン39を取り付けた。光走査装置1の構成は実施例1と同様であり、制御用パソコン39により外部から制御を行なった。
本実施例の復元側磁性体13は実施例1で示したリング状磁石Aを用いた。
光源33は、波長780nm、パルス幅が200fs、繰返し周波数1kHzのフェムト秒レーザを用いた。
観察機構35は、加工対象物の表面観察像をレーザ光と同軸で得るためのもので、CCDカメラ、白色光源、ハーフミラー、ミラーからなる。集光レンズの焦点位置での観察像を得るように調整した。
シャッター36は、制御用パソコン39に接続されており、シャッター36の開閉によりレーザ光34の照射の有無を制御した。
被加工物40は、厚さ0.5mmのステンレス板とし、貫通穴加工を行った。
まず、揺動体14が基準位置にある状態において、観察機構35を用いて集光系となる光学部材11の焦点位置に被加工物40を設置した。その後、直動機構24を駆動させ、揺動側磁性体12と回動側磁性体21の磁石間距離を任意の距離に設定した後、回動体23を任意の回動数で駆動させ、揺動体14が球面揺動を誘起した後に、シャッター36を開き、被加工物40にレーザ光を照射した。
図7に回動体23を100、3000rpmで回動させた場合の加工結果を示す。図中の2つの加工穴について、回動数以外の条件は同じであり、右側の加工穴が100rpm、左側の加工穴が3000rpmの結果である。レーザ光の照射エネルギーは同一条件において、揺動体14の揺動角θaを変化させることで、加工穴径を制御できることを確認した。また、本実施例のレーザ加工装置を用いれば、光学素子11のみでレーザ光の回動および集光が可能となることを確認した。
1 光走査装置
10 保持手段
11 光学部材
12 揺動側磁性体
13 復元側磁性体
14 揺動体
15 支持部材
20 動作手段
21 回動側磁性体
22 磁性体固定具
23 回動体
24 直動機構
31 連結機構
32 平行光学部材
33 光源
34 レーザ光
35 観察機構
36 シャッター
37 1/4波長板
38 ダイクロイックミラー
39 制御用パソコン
40 被加工物

Claims (7)

  1. 光を透過する光学部材の動作により光を走査する光走査装置であって、前記光学部材と揺動側磁性体が一体となって外力、復元力の作用により揺動する揺動体と、前記揺動体に外力が働かず復元力のみ働く状態における揺動体の静止位置である基準位置を基点として前記揺動体を揺動可能に保持する保持機構及び前記揺動体が基準位置からずれた場合に前記基準位置に復元する復元機構を有する保持手段と、前記基準位置を基点として揺動体を揺動させるため、前記揺動側磁性体の磁力に常に干渉し揺動側磁性体と一定距離を保つように保持された状態で、前記揺動体に外力として作用する磁場を前記光学部材の光軸を軸として公転するよう回動させる回動側磁性体を有した動作手段とを少なくとも備えていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記復元機構は、前記揺動側磁性体の外側に対向配置された復元側磁性体を備え、前記揺動側磁性体と前記復元側磁性体の磁力の作用により前記揺動体を前記基準位置に復元することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記回動側磁性体および前記復元側磁性体の片方もしくは両方に対し電流により磁力を設定する手段を有していることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の光走査装置を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 光を透過する光学部材の動作により当該光学部材を通過する光を走査する光走査方法において、前記光学部材に対し前記光学部材を揺動させる力となる外力が働かず前記光学部材が静止している位置である基準位置を基点として前記光学部材を揺動可能に保持するとともに前記光学部材が前記基準位置からずれた場合に前記基準位置に復元させる復元力を磁力により作用させた状態で、前記外力を磁力により非接触で作用させて、前記光学部材に前記外力を作用させる磁場の回動運動を起点として、前記光学部材を揺動させることで、前記光学部材を通過した光が走査されることを特徴とする光走査方法。
  6. 前記光学部材の動作により与えられる光偏向角は、前記外力、前記外力として作用し前記光学部材の光軸を軸として公転する磁場の単位時間当たりの回転数、前記外力および前記復元力から成る振動系の共振周波数に基づいて設定されることを特徴とする請求項5に記載の光走査方法。
  7. 請求項5又は6に記載の光走査方法によりレーザ光を走査して被加工物を加工することを特徴とするレーザ加工方法
JP2012199288A 2012-09-11 2012-09-11 光走査装置および光走査方法 Active JP5352911B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012199288A JP5352911B1 (ja) 2012-09-11 2012-09-11 光走査装置および光走査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012199288A JP5352911B1 (ja) 2012-09-11 2012-09-11 光走査装置および光走査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5352911B1 true JP5352911B1 (ja) 2013-11-27
JP2014056008A JP2014056008A (ja) 2014-03-27

Family

ID=49765002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012199288A Active JP5352911B1 (ja) 2012-09-11 2012-09-11 光走査装置および光走査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5352911B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110231688A (zh) * 2019-05-21 2019-09-13 中国科学院上海光学精密机械研究所 可复位升降杆座
JP2023029493A (ja) * 2018-11-29 2023-03-03 デクセリアルズ株式会社 レーザ加工方法及びレーザ加工装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023029493A (ja) * 2018-11-29 2023-03-03 デクセリアルズ株式会社 レーザ加工方法及びレーザ加工装置
CN110231688A (zh) * 2019-05-21 2019-09-13 中国科学院上海光学精密机械研究所 可复位升降杆座
CN110231688B (zh) * 2019-05-21 2022-11-08 中国科学院上海光学精密机械研究所 可复位升降杆座

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014056008A (ja) 2014-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6868024B2 (ja) 機械加工装置
JP6071641B2 (ja) 加工装置、加工方法
JP5580479B2 (ja) 時計ムーブメントの可動構成要素又は時計のばね−テンプ組立体の、発振周波数調整及び/又は慣性調整及び/又はバランス修正のための方法
RU2758425C2 (ru) Способ и система для сварки с использованием энергетического луча
JP2021506593A (ja) 電磁波ビームを整形するための光学装置およびその使用、ビーム処理装置およびその使用、ならびにビーム処理方法
CN103317233A (zh) 一种用于激光加工的光束运动轨迹控制装置
JP5352911B1 (ja) 光走査装置および光走査方法
JP2013091095A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2009178720A (ja) レーザ加工装置
JP2010207889A (ja) 周期構造の作製方法及び作製装置
TWI459066B (zh) 改善景深之光學裝置與系統
CN116710226A (zh) 用于加工材料的设备
KR20200072984A (ko) 취성재료로 구성된 구조물의 절단 방법 및 장치
JP6643442B1 (ja) レーザ加工機及びレーザ加工方法
JP2005319477A (ja) レーザ加工機
JP6497894B2 (ja) 微細周期構造の形成方法および形成装置
JPH09248684A (ja) レーザ加工装置
JP2022065693A (ja) 光学ユニット、並びにレーザー加工装置、レーザー加工方法、及び三次元加工装置
JP2009269084A (ja) レーザー加工装置のビーム偏芯光学系
JP2003285182A (ja) レーザ加工装置
JPH0669928U (ja) レーザビームオッシレータ装置
JP5087739B2 (ja) シリンダブロックの周期構造体加工方法とシリンダブロックの周期構造体加工装置
JP4848296B2 (ja) 円筒内周面の周期構造体加工方法と円筒内周面の周期構造体加工装置
CN116551195A (zh) 一种飞秒涡旋激光加工装置及方法
JP2017205788A (ja) レーザー溶接装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5352911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250