JP5352243B2 - 熱伝導流体 - Google Patents
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Description
HCF2O(CF2O)a(CF2CF2O)bCF2H
を有する、H-ガルデン(Galden)(登録商標)ZTとしてソルヴェイ ソレクシスにより市販されているハイドロフルオロポリエーテル、例えばH-ガルデン(登録商標)ZT 85、ZT 130、ZT 150、ZT 180である(Marchionniらにより、Journal Fluorine Chemistry, 95(1999), 41〜50頁に発表されている論文"Hydrofluoropolyethers"を参照)。
RhO(CF2O)a(CF2CF2O)bRh
(式中、Rh = -CH3、-C2H5である)
を有するものである。
例えば、熱衝撃試験において、ただ1つの作動流体が-65℃および200℃での浴に対して用いられる。例えばUS特許4,995,726を参照。
− 低いGWP、
− 金属および/またはルイス酸の存在下での安定性、
− 広い温度範囲、高温および低温の両方での良好な熱伝導性
− 広い温度範囲、例えば-120℃〜+250℃にさらされたとき、その時間中、初期の性能を変化させずに維持する、物理化学的安定性
の組み合わせを有する利用可能な熱伝導流体を有することの必要性を感じた。
本発明の目的は、
(A) 環境条件(25℃、1気圧)下で液体のハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテル;
(B) (CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)、(CF2CF(CF3)O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)から選択される、1以上の繰返し単位を含み;ピリジン、アミン、アリールのクラスから選択される末端基を有し、400〜10,000、好ましくは800〜5,000の範囲の数平均分子量を有する、フルオロポリエーテル構造を有する化合物
を含む混合物の、金属および/またはルイス酸の存在下における、熱伝導流体としての使用である。
クラス(A)のハイドロフルオロポリエーテルは、統計的にポリマー主鎖に分布する-(CF2O)-、-(CF2CF2O)-、-(CF2(CF2)cO)-(ここで、c = 2、3である)から選択されるオキシフルオロアルキレン単位を含む。
T1O-(CF2O)a-(CF2CF2O)b-(CF2(CF2)cO)d-T2 (I)
(式中、
cは2または3であり;係数a、b、dは、数平均分子量が120〜5,000、好ましくは180〜2,000の範囲にあるような0を含む整数であり;T1、T2は互いに同一または異なって、-CF2H、-CF2CF2H、-CH3、-C2H5、-C3H7から選択される)
である。特に好ましい化合物は、構造:
T1O-(CF2CF2O)b-(CF2O)a-T2 (II)
(式中、
T1、T2 = -CF2Hであるか、またはT1、T2 = -CH3であり;a、bは式(I)で定義されたとおりである)
を有する化合物(ここで、d = 0である)である。
− R1-O-R2 (III)
(式中、R1、R2は互いに同一または異なって、両者合わせて少なくとも3の炭素原子を含み、全水素原子の数は、多くてもフッ素原子の数に等しい)。具体的な例は、C3F7-OCH3、C4F9-OCH3、C4F9-O-C2H5、C7F15-O-C2H5、C4F9-OCF2H、C4F9-OCF2CF2H、C6F13-O-CH3である);
(式中、Rf、Rf'は独立して、パーフルオロ脂肪族またはフルオロ脂肪族基であり、Rf、Rf'は少なくとも1つの水素原子を含み;
Rhは独立して、2〜8の炭素原子および少なくとも4の水素原子を有する、直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキレン基である)。具体的な例は:
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOC3F7;
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3;
CF3CFHCF2OC3H6OCF2CFHCF3;
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3;
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3;
CF3CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
CF3CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF2CF3;
CF3CF2CF[CF(CF3)2]OCH2CH2CH2OCF[CF(CF3)2]CF2CF3;
C4F9OC3H6OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
C4F9OC4H8OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
CF3OCF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2OCF3
である。
(C2F5)(CF3CFH)CFOC2H4OCF(CFHCF3)(C2F5)構造を有する異性体およびそれらの混合物が挙げられ得る。
式(IV)のハイドロフルオロエーテルは、例えば、ここに参照として組み込まれるUS特許出願 US2005/126,756およびUS2005/127,322から公知である。
T'1O-(CF2CF(CF3)O)a'-(CF(CF3)O)b'-(CF2CF2O)d'-(CF2O)e'-T'2 (V)
(式中、
T'1、T'2は互いに同一または異なって、-CF2X1(X1 = -F、-CF3である)、-C3F7から選択され;
a'、b'、d'、e'は、化合物(V)の数平均分子量が200〜1,550の間に含まれるような、0を含む整数である)
のパーフッ素化末端基を有する液体パーフルオロポリエーテルから選択され、
20℃で20 cStより低い粘度を有する。これらの化合物は、公知であり、ガルデン(登録商標) HTとして商品化されている。該パーフルオロポリエーテルは、全組成物に対して、10重量%〜90重量%の間、好ましくは10重量%〜60重量%の間、より好ましくは15重量%〜40重量%の間に含まれる量で用いられる。
化合物(B)は、好ましくは、次のクラス:
(a) T''1-CFW1-O-Rf-CFW2-T''2 (VI)
[式中、
T''1、T''2は互いに同一または異なって、次の意味:
− F、CF3、C2F5、(C2F4)Cl;
− CH2-B-Y、CH(CF3)O-Y
(ここで、
B = O、Sであり;
を有し、但し、末端基T''1、T''2の少なくとも1つは上記で定義されたCH2-B-YまたはCH(CF3)O-Yであり;
(式中、
R1、R2は互いに同一または異なって、H、C1-C12アルキル鎖、C3-C12、好ましくはC5-C10脂環式、または12までの炭素原子を含むアリール鎖から選択され、但し、R1、R2は共にHであることはなく;RFは、クラス(a)のRfとして定義されたパーフルオロポリオキシアルキレン鎖である)
X、Y、X'、Y'は同一または異なって、互いに独立して、H、NO2、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、好ましくはメトシキから選択され;
Z = -CH2-;>C=O(カルボニル)であり;
mおよびnは、mが両端を含んで0〜80の間に含まれ;nが両端を含んで0〜20の間に含まれるような整数であり;m+nは好ましくは>1であり;数平均分子量は500〜10,000、好ましくは1,000〜4,000の範囲である)
から選択される。
(i) -(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-、または
-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)bCF2(R'f)CF2O(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-
(式中、R'fは1〜4のC原子のパーフルオロアルキレン基であり;XはFまたはCF3であり;aおよびbは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、aまたはbの少なくとも1つは0でない);
(式中、c、dおよびhは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、c、d、hの少なくとも1つは0でなく、zは2または3である);
(式中、XはFまたはCF3であり;e、f、gは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、e、f、gの少なくとも1つは0でない);
(式中、sは、上記の分子量を与えるような整数であり、zは既に定義された意味を有する);
-(CR5R6CF2CF2O)p'-R'f-O-(CR5R6CF2CF2O)q'-
(式中、R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Clまたは1〜4のC原子のパーフルオロアルキルから選択され;R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j'、p'およびq'は、上記の分子量を有するような整数である);
-(CF(CF3)CF2O)k-R'f-O-(CF(CF3)CF2O)j''-
(式中、R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j、k、j''は上記の分子量を与えるような整数である)
から選択される。
を有する。
クラス(a)、(b)、(c)の化合物の混合物も用いられ得る。
成分(B)がクラス(c)に属する場合、成分(A)は、好ましくは、-CH3および-C2H5から選択される、同一または異なったターミナル(terminal)末端基を有するハイドロフルオロポリエーテルである。
それゆえ、成分(B)の選択は、流体の作動する温度範囲に依存する。
成分(B)は、全組成物に対して、好ましくは30重量%まで、より好ましくは0.01〜10重量%、さらにより好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。
実施例
特徴付け
安定性
フルオロポリエーテル流体の分解の加速試験に対して一般に用いられる、ルイス酸として粉末状のAlF3を用いることによる、ルイス酸に対する耐性試験によってそれを評価した。該ルイス酸を使用する前に加熱により無水化(anhydrified)した。試験温度は、ハイドロフルオロ(ポリ)エーテルまたはそれのパーフルオロポリエーテルとの混合物の沸騰温度近くである。
376 MHzの周波数で作動するNMR Varian Mercury 400スペクトロメーターを用いることによる19F-NMR分析によってそれを行なう。官能性タイプの末端基は、カルボン酸、アシルフルオライド、フルオロホルメートおよびケトンを意味する。
これらの官能性誘導体に対する感度限界は5 meq/Kgである(しかし、許容される誤差を維持して、2 meq/Kgまで検出可能である)。
電位差測定分析によって測定し、DG 115-SC タイプ電極を備えたMettler Toledo DL 55滴定器を用い、溶媒混液 水-アセトン 15/30および滴定液として0.02Mトリエチルアミンを用いることによってそれを行なった。
その結果、電位差測定分析による酸性度の測定(カルボン酸末端基およびHF)は、化合物B)の3%の濃度においても、変化しないか、または影響されないことを確認した。さらに、感度限界も影響されない結果であり、それは1 meq/Kgである。
酸性度は、金属および/またはルイス酸の存在によるフルオロポリエーテル化合物の分解指標である
実施例1
混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/化合物(VIii)
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサー(bubble condenser)を備えたガラスフラスコ中に、19F-NMR分析で決定された数平均分子量640、m = 1.88;n = 3.44および178℃の沸点を有し、H-ガルデン(登録商標) ZT 180として商業的に知られている、式
HF2CO(CF2O)m(CF2CF2O)nCF2H
のハイドロフルオロポリエーテル(50.0 g)を入れ、次いで、2,300の数平均分子量および式(VIii)
を有する化合物(1.5 g)およびルイス酸の存在下においても、温度処理により前もって無水化したアルミニウム トリフルオライド(0.25 g)を加える。
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、49.3 gの残留HFPE流体(1.4%の重量損失)に相当する51.05 gを得る。
それは、初期のものと変わらない数平均分子量の結果となり、酸タイプの末端基は観測されない。酸末端基は、パーフルオロポリエーテル鎖の分解の指標である。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/化合物(VIIii)
2,230の数平均分子量を有する、式(VIIii)
(CH3CH2CH2)2NCH2CF2O(CF2O)d(CF2CF2O)cCF2CH2N(CH2CH2CH3)2
(式中、d = 10.04;c = 10.54である)
の化合物(1.5 g)を、式(VIii)の化合物に代わって用いる以外は、実施例1と同じ操作および同じ反応物を用いる。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。
それは、初期のものと変わらない数平均分子量の結果となり、酸タイプの末端基は観測されない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/化合物(VIIIc)
式(VIii)の化合物に代わって、2,350の数平均分子量を有する、式(VIIIc)
の化合物(1.5 g)の存在下以外は、実施例1と同じ操作および同じ反応物を用いる。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体をNMR分析にかける。
それは、初期のものと変わらない数平均分子量の結果となり、酸タイプの末端基は観測されない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
成分(B)およびアルミニウム トリフルオライドの非存在下以外は、実施例1を繰り返す。
試験の最後に、1.6%の重量損失に相当する49.2 gの残留HFPEの重量を測定する。
NMR分析により、平均分子量の変化および酸末端基の存在は観測されない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
このことは、実施例1、2および3の重量損失は、より軽いハイドロフルオロポリエーテルフラクションの蒸発による損失によるだけであることを示している。
ルイス酸の存在下、成分(B)の非存在下に実施例1を繰り返した。
処理の2時間後、フラスコ内の流体温度は167℃に下がる。
試験の最後(4時間)に、得られた混合物の重量を量り、47.4 gの残留HFPE流体(5.2%の重量損失)に相当する47.65 gを得る。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体をNMR分析にかける。
電位差測定分析は、226 meq/Kgのカルボン酸末端基(-OCF2COOH)および846 meq/KgのHFの存在を示す。
酸末端基の形成および重量損失と一緒に測定される高い酸性値は、成分(B)が存在しないとき、ルイス酸の存在による生成物の分解を示している。
混合物 HFE(商標)-7500/化合物(VIii)
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対およびバブルコンデンサーを備えたガラスフラスコ中に、414の分子量および128℃の沸点、GWP = 90を有し、HFE(商標)-7500として商業的に知られている、式
C3F7CF(OC2H5)CF(CF3)2
のハイドロフルオロエーテル(50.0 g)を入れ、次いで、実施例1の式(VIii)の化合物(1.5 g)および温度における処理により前もって無水化したアルミニウム トリフルオライド(2.5 g)を加える。
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、47.5 gの残留HFE流体(5.0%の重量損失)に相当する51.5 gを得る。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。生成物は構造的観点から変化していな結果となる。
成分(B)およびアルミニウム フルオライドの非存在下以外は、実施例5を繰り返した。試験の最後に、5.2%の重量損失を測定する。19F-NMR分析により、平均分子量の不変化および酸末端基の非存在を観測する。
実施例5(ルイス酸の存在下に行なわれた試験)の重量損失は、実施例6のそれに実質的に匹敵することを観測する:したがって、実施例5の重量損失は、蒸発による損失のみよる。
成分(B)の非存在下以外は、実施例5を繰り返した。
試験の間、フラスコ内部の測定された流体温度の128℃から18時間後に122℃への漸進的減少を観測する。
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、44.0 gの残留流体(12%の重量損失)に相当する46.5 gを得る。固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。5.7モル%の量で、構造:
(CF3)2CFC(=O)CF2CF2CF3
を有するケトンの存在を観測する。
さらに、フロオロエタンC2H5Fの分解およびHFとフラスコのガラスとの反応にそれぞれ由来する微量のエチレンおよびSiF4を検出した。ケトンと一緒に、フルオロエタンは、試験条件下でのHFE(商標)-7500の分解生成物である。
成分(VIii)と混合状態にある、混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/ガルデン(登録商標) HT 170 60/40
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサーを備えたガラスフラスコ中に、760の分子量、1.8 cStの粘度および170℃の沸点を有する、市販のHFPE H-ガルデン(登録商標) ZT 180と市販のPFPE ガルデン(登録商標) HT 170との60/40混合物(50.0 g)を入れ、次いで、実施例1の式(VIii)の化合物(1.5 g)および温度処理により前もって無水化したアルミニウム フルオライド(0.25 g)を加える。
重量損失は1.4%である。実施例1のそれに匹敵するこの値は、本パーフルオロポリエーテルがハイドロフルオロポリエーテルの挙動を変えないことを示している。
成分(VIii)と混合状態にある、混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/ガルデン(登録商標) HT 170 60/40
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサーを備えたガラスフラスコ中に、市販のHFPE H-ガルデン(登録商標) ZT 180と市販のPFPE ガルデン(登録商標) HT 170との40/60混合物(50.0 g)を入れ、次いで、実施例1の式(VIii)の化合物(1.5 g)および温度での処理により前もって無水化したアルミニウム フルオライド(0.25 g)を加える。
重量損失は1.4%である。実施例1のそれに匹敵するこの値は、本パーフルオロポリエーテルがハイドロフルオロポリエーテルの挙動を変えないことを示している。
実施例9
クラス(a)の成分(B)の溶解性
H-ガルデン(登録商標) ZT 180中およびHFE(商標)-7500中それぞれに、実施例1の成分(B)を10重量%含む2つの溶液を調製した。該組成物は透明となるので、該化合物は20℃、0℃、-15℃、-50℃で2つの流体に完全に溶解する。
2つの溶液を、アセトン中のドライアイス浴により-78℃に冷却した。これらの状態で、化合物(VIii)は2つの溶液中に溶解している。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後でさえ、いかなる相分離を示すことなく透明であった。
クラス(b)の成分(B)の溶解性
H-ガルデン(登録商標) ZT 180中およびHFE(商標)-7500中それぞれ、実施例2の成分(B)の10重量%で、2つの溶液を調製した。該組成物は完全に透明となるので、式(VIIii)の化合物は20℃、0℃、-15℃、-50℃で2つの流体に完全に溶解する。
2つの溶液を、アセトン中のドライアイス浴により-78℃に冷却した。これらの状態で、該化合物は2つの溶液中に完全に溶解している。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後、いかなる相分離を示すことなく透明である。
クラス(c)の成分(B)の溶解性
H-ガルデン(登録商標) ZT 180およびHFE(商標)-7500中それぞれに、実施例3の化合物の0.5重量%を含む、2つの溶液を調製した。該組成物は透明なので、化合物(VIIIc)は、HFE(商標)-7500中15℃以上の温度で、H-ガルデン(登録商標) ZT 180中0℃以上の温度で完全に溶解する。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後でさえ、いかなる相分離を示すことなく透明である。
-CH3末端基を有するハイドロフルオロポリエーテル中のクラス(a)の成分(B)の溶解性
分子量460および沸点179℃、ならびに推定GWP約250(J. Phys. Chem. A. 2004, 108巻, 1964〜1972頁のWallingtonらによる論文による)を有し、次の式:
CH3OCF2CF2OCF2OCF2CF2OCF2CF2OCH3
のハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)中に、実施例1の化合物を10重量%含む溶液を調製した。
溶液を、アセトン中のドライアイス浴により-78℃に冷却した。これらの状態で、該化合物(VIii)はまだ完全に溶解している。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後でさえ、いかなる相分離を示すことなく透明である。
-CH3末端基を有するハイドロフルオロポリエーテル中のクラス(c)の成分(B)の溶解性
実施例12で用いたHFPE中に、実施例3の化合物(B)の0.5重量%を含む溶液を調製した。
該組成物は透明であるので、化合物(VIIIc)は20℃、0℃、-15℃で完全に溶解する。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後、いかなる相分離を示すことなく透明である。
約20℃の温度で、ガルデン(登録商標)を含む組成物は、わずかに乳白色を発し、0℃で、同組成物は2成分の明白な分離を示す。
この事実は、低温(室温より低い温度)で、類似の構造を有するフルオロ(ポリ)エーテル中のクラス(B)の化合物の溶解性の予測不可能性を確証する。
実施例14
ハイドロフルオロポリエーテル/化合物(VIii)の混合物
19F-NMR分析により決定された数平均分子量1,240、m = 3.49、n = 7.68を有する、次の式:
HF2CO(CF2O)m(CF2CF2O)nCF2H
のハイドロフルオロポリエーテル(50 g)を、ボイラー(boiler)として機能する小さなガラス球、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサーを備えたガラスフラスコに入れ、次いで、それに、実施例1の化合物(B)(0.3 g)および前もって標準手順に従って鏡のように磨かれ、残渣を除くために適当な溶媒で洗浄された100Cr6スチール金属シート(直径2.5 cm;厚さ0.2 cm)を加える。
試験の最後で、残留ハイドロフルオロポリエーテル48.7 gに相当する混合物49 gを回収する(最初の量に対して2.6 gの重量損失)。
19F-NMR分析にかけられた流体は、最初のものに対して不変の数平均分子量を示し、酸タイプの末端基を観測しない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
実施例1の化合物(B)および金属シートの非存在下以外は実施例14を繰り返した。試験の最後で、2.8%の重量損失を測定する。
19F-NMR分析により、平均分子量の変動および酸末端基の存在を観測しない。電位差滴定は、酸性の存在を示さない(分析限界より低い)。
実施例14(金属シートの存在下に行なわれた試験)の重量損失値は、実施例15のそれと実質的に類似するが注目される;したがって、実施例14の重量損失は、蒸発による損失のみによる。
実施例1の化合物(B)の非存在下以外は実施例14を繰り返した。
試験の最後(30時間)で、残留HFPE流体46.3 gを回収する(7.4%の重量損失)。試験の最後で回収された金属シートは、元の輝きを完全に失っており、顕微鏡レベルで、元の状態に対して形態変化も示す。
酸末端基の形成ならびに試験の最後で重量損失を伴って測定される高い酸性値および金属表面の様相は、化合物(B)が存在しないとき、金属表面に発生するルイス酸の存在による生成物の分解を示す。
アルミニウム トリフルオライドに加えて、チップの形態下の100Cr6スチール4 gの存在下でもルイス酸に対する耐性試験を行なうことにより、実施例1を繰り返した。
試験の最後において、重量損失は実施例1のそれと実質的に同じである。同様に、電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
Claims (16)
- 次の成分:
(A) 環境条件(25℃、1気圧)下で液体のハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテル;
(B) (CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)から選択される1以上の繰返し単位を含み;下記に示すピリジン類、アミン類およびアリール類から選択される末端基を有し、400〜10,000の範囲の数平均分子量を有する、フルオロポリエーテル構造を有する化合物
を含む混合物であって、
前記(A)成分の、ハイドロフルオロエーテルが、次の式:
− R1-O-R2 (III)
(式中、R1、R2は互いに同一または異なって、両者合わせて少なくとも3の炭素原子を含み、全水素原子の数は、多くてもフッ素原子の数に等しい);
− Rf-O-Rh-O-Rf' (IV)
(式中、RfおよびRf'の少なくとも1つは、少なくとも1つの水素原子を含むフルオロ脂肪族基であり、他方はパーフルオロ脂肪族またはフルオロ脂肪族基であり;Rhは独立して、2〜8の炭素原子および少なくとも4の水素原子を有する、直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキレン基である)
の1つを有し、
ハイドロフルオロポリエーテルが、次の式:
T1O-(CF2O)a-(CF2CF2O)b-(CF2(CF2)cO)d-T2 (I)
(式中、cは2または3の整数であり;a、b、dは、数平均分子量が120〜5,000の範囲にあるような0を含む整数であり;T1、T2は互いに同一または異なって、-CF2H、-CF2CF2H、-CH3、-C2H5、-C3H7から選択される)
を有し、
前記(B)成分が、
(a) T''1-CFW1-O-Rf-CFW2-T''2 (VI)
[式中、
T''1、T''2は互いに同一または異なって、次の意味:
− F、CF3、C2F5、(C2F4)Cl;
− CH2-B-Y、CH(CF3)O-Y
(ここで、
B = O、Sであり;
を有し、但し、2つの末端基T''1、T''2の少なくとも1つはCH2-B-YまたはCH(CF3)O-Yであり;
W1、W2は互いに同一または異なって、-F、-CF3であり;Rfは、統計的にその主鎖に分布する、次の構造:(CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)を有する1以上の繰返し単位を含む(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖であり;Rfの数平均分子量は400〜10,000である]
で表されるピリジン類、
(b) NR1R2-CH2-CF2O-RF-CF2-CH2NR1R2 (VII)
(式中、
R1、R2は互いに同一または異なって、H、1〜12の炭素原子のアルキル鎖、3〜12の炭素原子の脂環式、または12までの炭素原子を含むアリール鎖から選択され、但し、R1、R2は共にHであることはなく;RFは、ピリジン類(a)のRfとして定義されたパーフルオロポリオキシアルキレン鎖である)
で表されるアミン類、および
(c)
X、Y、X'、Y'は同一または異なって、互いに独立して、H、NO2、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
Z = -CH2-;>C=O(カルボニル)であり;
mおよびnは、mが両端を含んで0〜80の間に含まれ、nが両端を含んで0〜20の間に含まれるような整数であり;数平均分子量は500〜10,000の間である)
で表されるアリール類から選択される、フルオロポリエーテル構造を有する化合物である、
前記成分(A)と成分(B)を含む混合物の、金属および/またはルイス酸の存在下における、熱伝導流体としての使用。 - 成分(A)が、構造:
T1O-(CF2CF2O)b-(CF2O)a-T2 (II)
(式中、
T1、T2 = -CF2Hであるか、またはT1、T2 = -CH3であり;a、bは式(I)で定義されたとおりである)
を有する式(I)(ここで、d = 0である)の化合物である、請求項1に記載の使用。 - 前記化合物が、
CF3CFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3;
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOC3F7;
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3;
CF3CFHCF2OC3H6OCF2CFHCF3;
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3;
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3;
CF3CFHCF2OCH2C3F6CH2OCF2CFHCF3;
CF3CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
CF3CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF2CF3;
CF3CF2CF[CF(CF3)2]OCH2CH2CH2OCF[CF(CF3)2]CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
C4F9OC3H6OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
C4F9OC4H8OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3;
CF3OCF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2OCF3;
構造(C2F5)(CF3CFH)CFOC2H4OCF(CFHCF3)(C2F5)を有する立体異性体またはそれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載の使用。 - 成分(A)が、300〜1,550の間に含まれる数平均分子量および20℃で20 cStより低い粘度を有する1以上のパーフルオロポリエーテルとの混合物の状態にある、請求項1〜3のいずれか1つに記載の使用。
- パーフルオロポリエーテルが、20℃で20 cStより低い粘度を有し、式:
T'1O-(CF2CF(CF3)O)a'-(CF(CF3)O)b'-(CF2CF2O)d'-(CF2O)e'-T'2 (V)
(式中、
T'1、T'2は互いに同一または異なって、-CF2X1(X1 = -F、-CF3である)、-C3F7から選択され;
a'、b'、d'、e'は、化合物(V)の数平均分子量が300〜1,550の間に含まれるような、0を含む整数である)
の液体パーフルオロポリエーテルから選択され、全組成物に対して、10重量%〜90重量%の間に含まれる量で、成分(A)との混合物の状態で存在する、請求項4に記載の使用。 - 成分(B)のピリジン、アミン、アリール末端基が置換されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の使用。
- ピリジン類(a)の式(VI)における(パー)フルオロポリエーテル鎖Rfが、次の:
(i) -(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-、または
-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)bCF2(R'f)CF2O(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-
(式中、R'fは1〜4のC原子のパーフルオロアルキレン基であり;XはFまたはCF3であり;aおよびbは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、aまたはbの少なくとも1つは0でない);
(ii) -(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zO)h-
(式中、c、dおよびhは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、c、d、hの少なくとも1つは0でなく、zは2または3の整数である);
(iii) -(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-
(式中、XはFまたはCF3であり;e、f、gは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、e、f、gの少なくとも1つは0でない);
(iv) -(CF2(CF2)zO)s-
(式中、sは、上記の分子量を与えるような整数であり、zは既に定義された意味を有する);
(v) -(CR5R6CF2CF2O)j'-または
-(CR5R6CF2CF2O)p'-R'f-O-(CR5R6CF2CF2O)q'-
(式中、R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Clまたは1〜4のC原子のパーフルオロアルキルから選択され;R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j'、p'およびq'は、上記の分子量を有するような整数である);
(vi) -(CF(CF3)CF2O)jまたは
-(CF(CF3)CF2O)k-R'f-O-(CF(CF3)CF2O)j''-
(式中、R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j、k、j''は上記の分子量を与えるような整数である)
から選択される、請求項1に記載の使用。 - ピリジン類(a)の式(VI)におけるパーフルオロポリエーテル構造Rfが(i)および(ii)から選択される、請求項7に記載の使用。
- ピリジン類(a)の式(VI)の化合物が、ピリジン環Yの窒素原子に対してアルファ位においてエーテル結合によって炭素原子に結合している(パー)フルオロポリエーテル鎖を有する、請求項7または8に記載の使用。
- ピリジン類(a)の化合物が、式(VIii):
を有する、請求項7〜9のいずれか1つに記載の使用。 - 3級アミン末端基を有するアミン類(b)の化合物が、R1、R2 = C1-C6脂肪族基を有するものである、請求項1に記載の使用。
- アリール類(c)化合物が、式(VIIIc):
を有する、請求項1に記載の使用。 - 成分(B)が、ピリジン類(a)、アミン類(b)の化合物の間から選択される、請求項1に記載の使用。
- 成分(B)としてアリール類(c)の化合物が用いられ、成分(A)として-CH3および-C2H5から選択されるターミナル末端基を有するハイドロフルオロポリエーテルが用いられる、請求項1に記載の使用。
- 成分(B)が、全組成物に対して、30重量%までの範囲の量である、請求項1に記載の使用。
- 成分(B)が、ピリジン類(a)およびアミン類(b)の化合物から選択される、請求項1〜15のいずれか1つに記載の熱伝導流体。
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