JP5350189B2 - 液体圧送装置 - Google Patents

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本発明は、温水や燃料等の液体を圧送する液体圧送装置に関するものである。本発明の液体圧送装置は、各種蒸気使用装置で発生した復水をボイラーや廃熱利用箇所に送る装置として特に適するものである。
従来の液体圧送装置は、例えば特許文献1に開示されている。これは、密閉容器に作動蒸気導入口と作動蒸気排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられ、作動蒸気導入口に給気弁が設けられ、作動蒸気排出口に排気弁が設けられ、液体流入口に密閉容器への液体の流れだけを許容する流入側逆止弁が設けられ、液体排出口に液体圧送先への流体の流れだけを許容する圧送側逆止弁が設けられ、密閉容器内にフロートとスナップ機構が内蔵され、スナップ機構は、密閉容器内に支持された揺動軸と、揺動軸の周りに回転するフロートアーム及び副アームと、フロートアームに支持された第1の軸と、副アームに支持された第2の軸と、第1及び第2の軸の間に取り付けられたバネを有し、フロートがフロートアームに連結され、給気弁と排気弁が副アームに連結され、フロートの昇降に応じてスナップ機構を動作させて副アームをスナップ移動させることにより、給気弁と排気弁の開閉を切り換えて、初めに排気弁を開き給気弁を閉じることにより液体を液体流入口から密閉容器内に流入させ、次いで排気弁を閉じ給気弁を開くことにより密閉容器内に溜った液体を液体排出口から液体圧送先へ圧送するものである。
特開2008−309285
上記従来の液体圧送装置は、排気弁を開き給気弁を閉じたときに、圧送側逆止弁の閉弁が遅れて作動蒸気導入口から密閉容器内に導入された作動蒸気の一部が圧送側逆止弁の下流側に流出するために、圧送側逆止弁の下流側でハンマを起こす問題点があった。
したがって本発明が解決しようとする課題は、排気弁を開き給気弁を閉じたときに、液体圧送先側でハンマを起こすことのない液体圧送装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の液体圧送装置は、密閉容器に作動蒸気導入口と作動蒸気排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられ、作動蒸気導入口に給気弁が設けられ、作動蒸気排出口に排気弁が設けられ、液体流入口に密閉容器への液体の流れだけを許容する流入側逆止弁が設けられ、密閉容器内にフロートとスナップ機構が内蔵され、スナップ機構は、密閉容器内に支持された揺動軸と、揺動軸の周りに回転するフロートアーム及び副アームと、フロートアームに支持された第1の軸と、副アームに支持された第2の軸と、第1及び第2の軸の間に取り付けられたバネを有し、フロートがフロートアームに連結され、給気弁と排気弁が副アームに連結され、フロートの昇降に応じてスナップ機構を動作させて副アームをスナップ移動させることにより、給気弁と排気弁の開閉を切り換えて、初めに排気弁を開き給気弁を閉じることにより液体を液体流入口から密閉容器内に流入させ、次いで排気弁を閉じ給気弁を開くことにより密閉容器内に溜った液体を液体排出口から液体圧送先へ圧送する液体圧送装置において、液体排出口を開閉する液体排出口開閉弁を副アームに連結し、排気弁を開き給気弁を閉じたときに液体排出口開閉弁を閉じ、排気弁を閉じ給気弁を開いたときに液体排出口開閉弁を開くことを特徴とする。
本発明によれば、液体排出口を開閉する液体排出口開閉弁を副アームに連結し、排気弁を開き給気弁を閉じたときに液体排出口開閉弁を閉じ、排気弁を閉じ給気弁を開いたときに液体排出口開閉弁を開くものであるので、排気弁を開き給気弁を閉じたときに液体排出口開閉弁を素早く閉じることができ、作動蒸気導入口から密閉容器内に導入された作動蒸気が液体排出口開閉弁の下流側に流出することを防止でき、液体圧送先側でハンマを起こすことがないという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係わる液体圧送装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。本実施例の液体圧送装置1は密閉容器2内にフロート3と切替え弁4及びスナップ機構5が配されたものである。密閉容器2は本体部7と蓋部8が図示しないネジによって結合され、内部に液体溜空間10が形成されたものである。蓋部8には作動蒸気導入口11,作動蒸気排出口13,液体流入口16,液体排出口17が設けられている。作動蒸気導入口11の内側に給気弁20が取り付けられ、作動蒸気排出口13の内側に排気弁21が取り付けられている。給気弁20は弁ケース22と弁体23及び昇降棒24によって構成される。弁ケース22は軸方向に貫通孔を有し、貫通孔の上端面は弁座25として機能する。弁ケース22の中間部には前記した貫通孔と外部とを連通する4つの開口26が設けられている。弁体23は半球状で作動蒸気導入口11側にあり、昇降棒24の上端に一体に取り付けられている。昇降棒24は弁ケース22の貫通孔を通って密閉容器2側に抜け、連接板27に当接するようになっている。連接板27は動力伝達軸28に連結され、動力伝達軸28はスナップ機構5と連結されている。排気弁21は弁ケース29と弁体30と昇降棒31によって構成される。弁ケース29は軸方向に貫通孔を有し、貫通孔の内部に弁座32があり、弁座32の下から昇降棒31の上端に保持固定された弁体30が当接して開閉を行うものである。昇降棒31の下端はピンで動力伝達軸28に連結されている。液体排出口17の内側に液体排出口開閉弁19が配置されている。液体排出口開閉弁19は液体排出口開閉弁体63と連結板64によって構成される。液体排出口17の右端部に弁座65があり、弁座65の左から液体排出口開閉弁体63が当接して液体排出口17の開閉を行うものである。連結板64は平行に対向した2枚の板よりなり、右端部に液体排出口開閉弁体63が一体に取り付けられている。連結板64は液体排出口17を貫通して密閉容器2側に抜け、かきの副アーム52の下端部に掛け渡された第3の軸66に回転可能に支持されている。給気弁20と排気弁21で切替え弁4が構成され、排気弁21が開き給気弁20が閉じると液体排出口開閉弁19は閉じ、排気弁21が閉じ給気弁20が開くと液体排出口開閉弁19は開く。
フロート3はレバー34及び軸35を介してブラケット36によって支持され、スナップ機構5は揺動軸37を介してブラケット38によって支持されている。ブラケット36とブラケット38は図示しないネジによって結合され、密閉容器2の蓋部8に一体的に取り付けられている。レバー34は板を「U」字状に曲げ加工して作られたものであり、2枚の板が平行に対向し、曲げ加工された部分にフロート3が結合されている。レバー34の他端部には軸40が取り付けられている。ブラケット36は「L」字状をした2枚の板よりなり、軸35及び軸41,42が掛け渡されて連結されたものである。軸35を中心としてフロート3は回転する。軸41,42はそれぞれフロート3の上下限のストッパを兼用している。ブラケット38も同様に「L」字状をした2枚の板よりなり、揺動軸37及び軸43が掛け渡されて連結されたものである。軸43は下記の副アーム52のストッパを兼ねている。スナップ機構5はフロートアーム51、副アーム52、圧縮状態のコイルバネ54、バネ受け部材55及びバネ受け部材56からなる。フロートアーム51は平行に対向した2枚の板よりなり、2枚の板の左端部には溝57が設けられている。フロートアーム51の溝57にはレバー34の軸40が嵌合している。フロートアーム51は揺動軸37によって右端部が回転可能に支持されている。そのためフロートアーム51はフロート3の浮沈に追従し、揺動軸37を中心として上下に揺動する。フロートアーム51の右端部は下方に脹れ、その下端部には揺動軸37と平行な第1の軸58が掛け渡され、バネ受け部材55が第1の軸58によって回転可能に支持されている。揺動軸37に副アーム52の上端部が回転可能に支持されている。副アーム52は平行に対向した2枚の板よりなり、夫々の板は逆「L」字状をしている。副アーム52の中段部には揺動軸37及び第1の軸58と平行な第2の軸59が掛け渡され、バネ受け部材56が第2の軸59によって回転可能に支持されている。両バネ受け部材55,56の間に圧縮状態のコイルバネ54が取り付けられている。また副アーム52の上左端部に軸60が掛け渡され、動力伝達軸28の下端が連結されている。フロートアーム51には、軸60の動きを妨げないように、窓61が開けられている。
次に本実施例の液体圧送装置1の作用について説明する。まず液体圧送装置1の外部配管は作動蒸気導入口11が高圧の蒸気源に接続され、作動蒸気排出口13は蒸気循環配管に接続される。液体流入口16は外部から液体流入口16に向かって開く流入側逆止弁67を介して蒸気使用装置等の負荷に接続され、液体排出口17はボイラー等の液体圧送先へ接続される。本実施例の液体圧送装置1の液体溜空間10内に復水が無い場合は、図1に示すようにフロート3は底部に位置する。このとき、切替え弁4における給気弁20が閉じられ排気弁21が開かれている。また、液体排出口開閉弁19が閉じられている。そして、蒸気使用装置等の負荷内で復水が発生すると、復水は液体流入口16から液体圧送装置1に流下して、液体溜空間10内に溜る。液体溜空間10内に溜った復水によってフロート3が浮上すると、レバー34が軸35を中心に時計回り方向に回転し、レバー34の回転による軸40の下方への移動に連動して、フロートアーム51が揺動軸37を中心に反時計回り方向に回転し、コイルバネ54との連結部である第1の軸58が右方に移動して揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線に近付き、コイルバネ54は圧縮変形する。そしてフロート3が更に上昇し、第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線上に並び、なおもフロート3が上昇して第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線よりも右方に移動すると、コイルバネ54は急激に変形を回復し、副アーム52が時計回り方向にスナップ移動し、動力伝達軸28が上側に移動する。その結果、給気弁20が開かれ排気弁21が閉じられると共に液体排出口開閉弁19が開かれる。
給気弁20が開かれて作動蒸気導入口11が開放されると、密閉容器2内に高圧蒸気が導入されて内部の圧力が上昇し、液体溜空間10に溜った復水が蒸気圧に押されて液体排出口17から外部のボイラーや廃熱利用装置へ排出される。復水の排出によって復水溜空間10内の水位が低下すると、フロート3が降下して、レバー34が軸35を中心に反時計回り方向に回転し、レバー34の回転による軸40の上方への移動に連動して、フロートアーム51が揺動軸37を中心に時計回り方向に回転し、コイルバネ54との連結部である第1の軸58が左方に移動して揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線に近付き、コイルバネ54は圧縮変形する。そしてフロート3が更に降下し、第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線上に並び、なおもフロート3が降下して第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線よりも左方に移動すると、コイルバネ54は急激に変形を回復し、副アーム52が反時計回り方向にスナップ移動し、弁軸操作棒28が下側に移動する。その結果、給気弁20が閉じられ排気弁21が開かれると共に液体排出口開閉弁19が閉じられる。給気弁20が閉じられ排気弁21が開かれたときに液体排出口開閉弁19が閉じられるので、作動蒸気導入口11から密閉容器2内に導入された作動蒸気が液体排出口開閉弁19の下流側に流出することを防止でき、液体圧送先側でハンマを起こすことがない。
本発明は、各種蒸気使用装置で発生した復水をボイラーや廃熱利用箇所に送る復水圧送装置に限らず、温水や燃料等の液体を圧送する液体圧送装置に利用することができる。
1 液体圧送装置
2 密閉容器
3 フロート
4 切替え弁
5 スナップ機構
10 液体溜空間
11 作動蒸気導入口
13 作動蒸気排出口
16 液体流入口
17 液体排出口
19 液体排出口開閉弁
20 給気弁
21 排気弁
28 動力伝達軸
37 揺動軸
51 フロートアーム
52 副アーム
54 コイルバネ
58 第1の軸
59 第2の軸
63 液体排出口開閉弁体
64 連結板
65 弁座
66 第3の軸
67 流入側逆止弁

Claims (1)

  1. 密閉容器に作動蒸気導入口と作動蒸気排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられ、前記作動蒸気導入口に給気弁が設けられ、前記作動蒸気排出口に排気弁が設けられ、前記液体流入口に前記密閉容器への液体の流れだけを許容する流入側逆止弁が設けられ、前記密閉容器内にフロートとスナップ機構が内蔵され、前記スナップ機構は、前記密閉容器内に支持された揺動軸と、前記揺動軸の周りに回転するフロートアーム及び副アームと、前記フロートアームに支持された第1の軸と、前記副アームに支持された第2の軸と、前記第1及び前記第2の軸の間に取り付けられたバネを有し、前記フロートが前記フロートアームに連結され、前記給気弁と前記排気弁が前記副アームに連結され、前記フロートの昇降に応じて前記スナップ機構を動作させて前記副アームをスナップ移動させることにより、前記給気弁と前記排気弁の開閉を切り換えて、初めに前記排気弁を開き前記給気弁を閉じることにより液体を前記液体流入口から前記密閉容器内に流入させ、次いで前記排気弁を閉じ前記給気弁を開くことにより前記密閉容器内に溜った液体を前記液体排出口から液体圧送先へ圧送する液体圧送装置において、前記液体排出口を開閉する液体排出口開閉弁を前記副アームに連結し、前記排気弁を開き前記給気弁を閉じたときに前記液体排出口開閉弁を閉じ、前記排気弁を閉じ前記給気弁を開いたときに前記液体排出口開閉弁を開くことを特徴とする液体圧送装置。
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