JP5349931B2 - 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、矩形領域内の信号値の合計及び平均等を求めるフィルタ演算並びにこのようなフィルタ演算を用いたパターン識別等に好適な情報処理装置及び情報処理方法等に関する。
情報処理の分野では、多次元配列を頻繁に扱う。その中で、特定範囲内の要素の和を求めることが多い。そして、非特許文献1には、コンピュータ・グラフィックスの処理に関し、長方形の累積情報(summed-area table)の概念が記載されている。累積情報とは、任意の点における要素値が、元画像の原点とその任意の点とを対角とする領域内の画素値の総和となるようなデータである。
ここで、図13を用いて累積情報を用いた矩形領域内の画素値の総和の算出処理について説明する。図13は、累積情報の例を示す図である。この例では、元画像の左上の点を原点としている。そして、図13中の要素1は、元画像における領域Aに含まれる全画素の画素値の総和を要素値として持つ。このため、元画像における領域Dに含まれる全画素の画素値の合計は、4の要素値から要素2及び要素3の要素値を減算し、要素1の要素値を加算することによって算出される。つまり、元画像での矩形領域の画素値の総和が、累積情報を用いれば、矩形領域の4隅のデータ値を加減算することで高速に求めることができる。
つまり、入力画像の画素値をI(x,y)として、累積情報C(x,y)を数1に示すように定義した場合、入力画像に置かれた任意の矩形領域内のI(x,y)の和は、数2に示す式を使って累積情報上の4点を参照するのみで、求めることができる。
Figure 0005349931
Figure 0005349931
ここで、(x0,y0)は長方形の左上の頂点座標、(x1,y1)は右下の頂点座標である。このような処理により、画像上の矩形領域内の値の和を高速に求めることが可能となる。ただし、座標は0から始まるものとし、C(x,−1)及びC(−1,y)は0とする。
また、画像認識の分野においては、非特許文献2に、上記のような累積情報(Integral Image)を使って高速な顔検出を行うことが記載されている。
Crow, "Summed-Area Tables For Texture Mapping", Computer Graphics, Vol. 18(3), pp. 207-212, July 1984. P. Viola, M. Jones, "Rapid Object Detection using a Boosted Cascade of Simple Features", Proc. IEEE Conf. on Computer Vision and Pattern Recognition, Vol. 1, pp. 511-518, December 2001.
このような累積情報の要素値は、元画像の原点から離れるほど、図13に示す例では、右下に向かうほど単調に増加する。従って、累積情報を配列(メモリ)に格納しようとした場合、その配列は、累積情報の右下のデータ値(元画像の原点である左上から最も離れた位置の累積情報値、つまり、累積情報の最大の要素値)が格納できるだけのビット幅を持つ必要がある。
この場合、元画像のサイズが大きくなればなるほど、累積情報の桁数が増加し、そのため累積情報を格納するのに必要な配列のビット幅が大きくなり、その結果、配列全体のサイズが巨大になる。
この課題に対し、非特許文献1には、元画像を分割し、その分割した元画像単位で累積情報を算出すると同時に、別の配列に、元画像の原点から分割画像の原点までの累積値を記憶しておく処理が記載されている。
しかしながら、このような処理を行うためには、累積値を記憶しておくための配列(メモリ)が別途必要となってしまう。
本発明は、累積情報を扱う際の配列(メモリ)を小さくすることができる情報処理装置及び情報処理方法等を提供することを目的とする。
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明に係る情報処理装置は、画像上で処理ウィンドウを順次移動させて当該処理ウィンドウ中の画像情報を処理する情報処理装置であって、前記画像において初期位置に置かれた前記処理ウィンドウを含む部分領域内の各画素位置に対応する累積情報値として、当該部分領域の所定の原点位置と当該部分領域に属する各画素位置とを対角とする領域内の全ての画素値の総和値を算出する第1の累積情報算出手段と、前記処理ウィンドウが現在の前記部分領域以外を含む位置に移動するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により移動すると判定された場合に、移動後の前記処理ウィンドウを含むように前記部分領域を更新し、更新により追加された領域内の各画素位置に対応する累積情報値を算出する第2の累積情報算出手段と、前記第1または第2の累積情報算出手段により算出された累積情報値を用いて、前記処理ウィンドウ中の特定の矩形領域内の画素値の総和を算出する総和算出手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る情報処理方法は、画像上で処理ウィンドウを順次移動させて当該処理ウィンドウ中の画像情報を処理する情報処理方法であって、前記画像において初期位置に置かれた前記処理ウィンドウを含む部分領域内の各画素位置に対応する累積情報値として、当該部分領域の所定の原点位置と当該部分領域に属する各画素位置とを対角とする領域内の全ての画素値の総和値を算出する第1の累積情報算出ステップと、前記処理ウィンドウが現在の前記部分領域以外を含む位置に移動するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより移動すると判定された場合に、移動後の前記処理ウィンドウを含むように前記部分領域を更新し、更新により追加された領域内の各画素位置に対応する累積情報値を算出する第2の累積情報算出ステップと、前記第1または第2の累積情報算出ステップにより算出された累積情報値を用いて、前記処理ウィンドウ中の特定の矩形領域内の画素値の総和を算出する総和算出ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、2次元以上の複数次元配列である処理対象情報の累積情報を算出する際の累積情報の桁数の増加を抑制することができる。このため、累積情報を格納するためのバッファ容量を低減したり、累積情報を用いた演算回路の規模を縮小したりすることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、情報処理として、矩形領域内の画素値の総和を算出する画像処理を行う。また、矩形領域内の画素の総和を算出する際には、累積情報を用いる。
第1の実施形態に係る情報処理装置には、図1に示すように、CPU101、情報入力部102、DMAコントローラ(DMAC)103、処理対象情報格納メモリ104、バス105及び累積情報演算処理部100が設けられている。CPU101が累積情報演算処理部100を兼用してもよい。
CPU101は、バス105を介して接続される各部を制御し、情報処理装置が目的とする所望の処理を実現する。
情報入力部102は、複数次元の処理対象情報を入力する。例えば処理対象となる入力画像データを装置内に取り込む。情報入力部102は、CCD等の画像センサによって構成されてもよく、また、ネットワーク等の所定の通信経路を持って外部装置から処理したいデータを受信するI/F装置であってもよい。
処理対象情報格納メモリ104は、例えば、ROM、RAM又はHDD等のストレージ装置で構成されており、バス105に接続されている。処理対象情報格納メモリ104は、処理対象情報を保持する領域として用いられる。また、CPU101の動作内容を示すプログラムコードを記憶したり、各種処理を行ったりする作業領域(図示せず)を兼用してもよい。ここで、処理対象情報は、例えば画像データであり、本実施形態では、図5に示すように、256画素×256画素のサイズで、画素値が8ビットで表されている画像データが、処理対象情報格納メモリ104に格納されているとする。
DMAコントローラ103は、CPU101が設定して動作指令を行うと、情報入力部102、処理対象情報格納メモリ104及び累積情報演算処理部100間での所定サイズのデータ転送を自立的に連続して制御する。そして、指令された転送動作が完了すると、バス105を介して割り込み信号をCPU101に通知する。
累積情報演算処理部100には、バス105に接続するバスI/F110、累積情報生成部111、累積情報利用演算部112、累積情報保持部113及び分割制御部114が設けられている。
累積情報保持部113には、詳細は後述するが、図2に示すように、累積情報を保持する累積情報保持メモリ、及びこのメモリへの入出力を制御するメモリコントローラが設けられている。
累積情報生成部111は、情報入力部102から入力され、処理対象情報格納メモリ104に格納された処理対象画像の累積情報(処理対象情報内の各要素位置に対応する累積情報値)を生成し、この累積情報を累積情報保持部113へ格納する。この際に、分割制御部114による制御に基づき、単純な累積情報ではなく、分割領域累積情報を算出する。ここで、処理対象画像を分割した夫々の画像を分割領域といい、分割領域累積情報とは、処理対象画像を分割領域に分割し、分割領域毎に算出する累積情報をいう。なお、本実施形態では、CPU101の制御により、処理対象情報格納メモリ104に格納された画像情報が、1画素ずつラスタスキャン順に累積情報演算処理部100に送られ、累積情報生成部111が、この画像情報に対して分割領域累積情報を算出する。なお、累積情報生成部111の詳細は、図2を参照しながら後述する。
累積情報利用演算部112は、CPU101からの要求に従って累積情報保持部113に保持されている領域分割累積情報を用いた演算処理を行い、その結果をCPU101に返す。なお、累積情報利用演算部112の詳細は、図3を参照しながら後述する。
分割制御部114には、予め分割パラメータが設定されている。分割パラメータとは、処理対象画像をどのように分割するのかを規定するパラメータである。例えば、本実施形態では、図5に示すように、64画素×64画素のサイズを単位として全て同サイズの分割領域に分割するということが分割パラメータによって規定されている。分割パラメータのフォーマットは、分割の状態が表現できるものであれば、任意である。分割パラメータは、予め何らかの手段(例えばCPU101)により、分割制御部114に設定されている。
そして、分割制御部114は、分割パラメータにしたがって、分割境界情報を累積情報生成部111及び累積情報利用演算部112に出力する。分割境界情報のフォーマットは、分割の状態が表現できるものであれば、任意である。例えば、本実施形態では、図5に示すように、x座標及びy座標の夫々について、64の手前(63と64との間)、128の手前(127と128との間)、及び192の手前(191と192との間)の位置で、垂直方向及び水平方向に分割が行われているという情報が分割境界情報となっている。
ここで、図2を参照しながら累積情報生成部111の詳細について説明する。図2は、累積情報生成部111の構成、並びにバスI/F110及び累積情報保持部113との接続関係を示すブロック図である。
累積情報生成部111には、図2に示すように、入力情報サイズ記憶レジスタ201、アドレスカウンタ202、入力要素値保持レジスタ203、水平方向累積値保持レジスタ204、及び前ライン累積情報値参照レジスタ205が設けられている。更に、累積加算処理部206及び初期化制御部207も設けられている。
入力情報サイズ記憶レジスタ201は、情報入力部102より入力される複数次元配列情報(例えば、2次元の画像情報)のサイズを記憶し、バスI/F110を介してCPU101により処理開始前に値が設定される。
入力要素値保持レジスタ203は、バスI/F110を介してCPU101又はDMAC103の制御により入力される入力配列情報の1要素値(例えば、画素値)を、順に一時保持する。本実施形態では、前述のように、処理対象情報格納メモリ104に格納された画像情報が、1画素ずつラスタスキャン順に累積情報演算処理部100に送られる。
アドレスカウンタ202は、入力情報サイズ記憶レジスタ201に記憶されている入力配列情報のサイズに基づき、入力値保持レジスタに要素値が入力される毎に、対応して生成される累積情報値を格納すべき累積情報保持部のメモリアドレスを計算する。入力情報の最初の画素(原点位置)が入力されると、格納すべきアドレスは0または所定のオフセット値にリセットされ、以後画像の終端画素の入力まで、格納先アドレスを1ずつインクリメントする。
また、アドレスカウンタ202は、入力情報サイズ記憶レジスタ201に記憶されている入力配列情報のサイズを参照し、処理対象情報格納メモリ104からラスタスキャン順で送られてくる画素の位置(処理対象情報上での座標)を算出する。そして、アドレスカウンタ202は、算出した入力画素値座標を初期化制御部207に出力する。更に、アドレスカウンタ202は、入力画素が2ライン目以降のものになった場合、1ライン前の同列位置の累積情報が格納されている前ライン累積情報アドレスを計算する。これは、先に算出した格納先アドレスから、1ラインの要素個数を引くことにより得られる。アドレスカウンタ202が計算したアドレスは、累積情報保持部113内のメモリコントローラ113−2に与えられ、同じく累積情報保持部113内の累積情報保持メモリ113−1の当該アドレスへの書き込み又は読み出しが行われる。
前ライン累積情報値参照レジスタ205は、アドレスカウンタ202が算出した前ライン累積情報アドレスを用いて、累積情報保持メモリ113−1から読み出された累積情報値を一時保持する。但し、初期化制御部207が初期化指示を出力していれば、累積情報保持メモリ113−1から読み出された累積情報値に関わらず、前ライン累積情報値参照レジスタ205には0がセットされる。
水平方向累積値保持レジスタ204は、現在投入中の画素が属する分割領域内の1ラインのみについて、分割領域の先頭画素からの累積加算情報を保持する。入力要素値保持レジスタ203に画素が投入された時点では、その前回までの画素の累積加算値が保持された状態となっている。このレジスタ値は投入中の画素が属する分割領域内の1ラインについてのみ保持するものである。従って、入力してくる画素が分割領域を超えた場合や、次ラインになった場合には、水平方向累積値保持レジスタ204は、初期化制御部207からの初期化指示により0にセットされる。
初期化制御部207は、分割制御部114から送られてくる分割境界情報を用いて、水平方向累積値保持レジスタ204及び前ライン累積情報値参照レジスタ205に対して初期化の指示を行う。これは、累積情報演算処理部100で算出されているのが、1つの累積情報でなく、分割領域毎に算出された累積情報(分割領域累積情報)であるからである。
初期化制御部207は、前ライン累積情報値参照レジスタ205に対しては、入力してくる画素が、各分割領域の上端のラインに属する画素である場合に初期化を指示し、前ライン累積情報値参照レジスタ205を0にする。一方、水平方向累積値保持レジスタ204に対しては、入力してくる画素が、各分割領域の左端の列に属する画素である場合に初期化を指示し、水平方向累積値保持レジスタ204を0にする。
累積加算処理部206には、加算器206−1及び206−2が設けられている。加算器206−1は数3に加算を行い、加算器206−2は数4に示す加算を行う。ここで、I(x,y)は入力画像の画素値を示し、C(x,y)は累積情報を示し、S(x,y)はある垂直方向座標yにおける水平方向の画素値の累積値を示す。但し、座標は0から始まり(原点は画像左上)、S(0,y)=I(0,y)、及びC(x,0)=S(x,0)の関係が成り立つ(つまり、S(−1,y)及びC(x,−1)は0である)。初期化制御部207が上記の初期化の指示を行うのは、このようなS(−1,y)及びC(x,−1)を0とする設定を各分割領域に対しても行うためである。
Figure 0005349931
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つまり、加算器206−1は、水平方向累積値と入力画素値との加算を行う。加算された結果は、新たな水平方向累積値として、水平方向累積値保持レジスタ204へフィードバック格納され、次の画素が入力されてきたときに使用される。
また、加算器206−2は、加算器206−1の出力と前ライン累積情報値参照レジスタ205に保持されている分割領域累積情報値との加算を行う。この加算結果が当該入力画素位置に対応する分割領域累積情報値となり、メモリコントローラ113−2を介して、累積情報保持メモリ113−1のアドレスカウンタ202で計算された格納アドレスに格納される。
次に、このように構成された累積情報生成部111の動作、即ち累積情報の算出手順について説明する。累積情報生成部111では、主として、加算器206−1及び206−2の動作により、累積情報が順次算出される。
但し、数3及び数4の加算により分割領域累積情報を算出する場合、垂直方向の分割境界(図5において矢印Aで示されるような境界)では、水平方向の画素値の累積値Sを初期化する。つまり、初期化制御部207が、S(64,y)=I(64,y)とし、S(128,y)=I(128,y)とし、S(192,y)=I(192,y))とする。同様に、水平方向の分割境界(図5において矢印Bで示されるような境界)では、累積情報値Cを初期化する。つまり、初期化制御部207が、C(x,64)=S(x,64)とし、C(x,128)=S(x,128)とし、C(x,192)=S(x,192))とする。
このように、分割領域累積情報を算出する際には、垂直方向の分割境界及び水平方向の分割境界において、水平方向累積値(S)及び累積情報値(C)を初期化する必要があり、そのために分割制御部114から受け取る分割境界情報を利用する。
次に、図3を参照しながら累積情報利用演算部112の構成及び動作の詳細について説明する。図3は、累積情報利用演算部112の構成、並びにバスI/F110及び累積情報保持部113との接続関係を示すブロック図である。本実施形態では、前述のように、累積情報を利用した画像処理の内容として、矩形領域内の画素値の総和を算出する処理とする。
累積情報利用演算部112には、図3に示すように、特定領域指定レジスタ301、参照アドレス計算部302、参照値一時保持レジスタ303、加減算処理部304、演算結果保持レジスタ305、及び特定領域分割部306が設けられている。
なお、入力情報サイズ記憶レジスタ201は、累積情報生成部111内のものであり、前述のように、累積情報の生成前にCPU101によりバスI/F110を介して予め入力情報のサイズが設定されている。
特定領域指定レジスタ301は、CPU101により行われた画素値の総和を求めたい特定領域(例えば、矩形領域)の指定を保持する。特定領域の指定とは、その特定領域の形状を規定するのに必要な座標を指定することを意味する。従って、特定領域が矩形領域の場合、CPU101は、この矩形領域を表す2点の対角座標を、バスI/F110を介して特定領域指定レジスタ301に設定する。本実施形態では、図5に示すように、特定領域として、座標(80,160)及び座標(223,207)を対角座標とする矩形領域が指定されるとする。このため、座標(80,160)及び座標(223,207)が特定領域指定レジスタ301に設定される。
特定領域分割部306は、特定領域指定レジスタ301にて指定されている特定領域を、分割制御部114から送られてくる分割境界情報に従って分割する。本実施形態では、累積情報が分割領域毎に算出されるため、特定領域分割部306が、特定領域を分割領域に応じて分割する。この分割領域に応じて分割された特定領域を分割特定領域という。その上で、分割特定領域毎に、対応する分割領域の分割領域累積情報を用いることで、第2の算出手段として分割特定領域内の画素値の総和を夫々算出する。更に、分割特定領域毎の総和を合計して、特定領域内の画素値の総和を算出する。特定領域分割部306は、分割制御部114から送られてくる分割境界情報に応じて、分割した分割特定領域内の画素値の総和を算出するのに必要な座標を算出する。
本実施形態では、特定領域が矩形領域で、分割領域も矩形領域であるので、分割特定領域も矩形領域になる。矩形領域内の画素値の総和は、前述のように矩形の4隅の座標が判明していれば、対応する4点の累積情報の値(累積情報値)を用いて求めることができる。従って、特定領域分割部306は、分割特定領域の夫々の2点の対角座標を算出する。本実施形態では、図5に示すように、分割特定領域の2点の対角座標として、(80,160)及び(127,191)の組み合わせ、(128,160)及び(191,191)の組み合わせ、(192,160)及び(223,191)の組み合わせ、(80,192)及び(127,207)の組み合わせ、(128,192)及び(191,207)の組み合わせ、並びに(192,192)及び(223,207)の組み合わせを算出する。以下、これらの2点の対角座標により表わされる分割特定領域を、順に分割特定領域A〜Fということとする。
参照アドレス計算部302は、特定領域分割部306が分割特定領域毎に算出した2点の対角座標を利用して、累積情報を参照するアドレスを算出する。例えば分割特定領域Aは、4隅が、夫々、左上(80,160)、右上(127,160)、左下(80,191)、右下(127,191)という座標を持つ。従って、参照アドレス計算部302は、これらの座標(79,159)、(127,159)、(79,191)及び(127,191)に対応する累積情報を格納しているアドレスを算出する。そして、このアドレスを順にメモリコントローラ113−2に受け渡す。他の分割特定領域B〜Fについても同様の処理を行う。なお、累積情報は、例えば数1で表わされる。
メモリコントローラ113−2は、送られてくるアドレスに基づき累積情報保持メモリ113−1にアクセスし、分割特定領域毎に順次取得した4点の累積情報値を参照値一時保持レジスタ303に設定する。但し、以下に示すように、分割特定領域の上側境界と分割領域の上側境界とが一致している場合、及び、分割特定領域の左側境界と分割領域の左側境界とが一致している場合には、累積情報保持メモリ113−1を参照して取得した累積情報値に拘わらず、0を設定する場合がある。これは、累積情報保持メモリ113−1に格納されている情報が、1つの累積情報でなく、分割領域毎に算出された累積情報(分割領域累積情報)だからである。つまり、上述のように、数3及び数4に示す加算の際にC(x,−1)及びC(−1,y)を0としており、これと同様の設定を各分割領域に対しても行うためである。
このような分割特定領域の上側境界と分割領域の上側境界とが一致しているという情報、及び、分割特定領域の左側境界と分割領域の左側境界とが一致しているという情報は、特定領域分割部306によって算出される。そして、参照値一時保持レジスタ303は、この情報に基づいて必要なレジスタに0を設定する。なお、0が設定されると判明している累積情報値に関しては、累積情報保持メモリ113−1への参照を省略することも可能である。
上側境界が、分割領域の上側境界と一致している分割特定領域(例えば、図5の分割特定領域D、E、F)に関し、分割特定領域の4隅のうち、上側境界と接している角に対応する累積情報値を格納するレジスタには、累積情報値として0が設定される。例えば、分割特定領域Dは、4隅が、夫々、左上(80,192)、右上(127,192)、左下(80,207)、右下(127,207)という座標を持つ。従って、分割特定領域Dの画素値の総和を求めるには、座標(79,191)、(127,191)、(79,207)及び(127,207)に対応する累積情報を参照する。このとき、分割特定領域Dの上側境界と分割領域の上側境界が一致しているので、上側境界と接している角に対応する累積情報値、つまり、座標(79,191)及び(127,191)に対応する累積情報値は、0として参照値一時保持レジスタ303に格納される。
同様に、左側境界が、分割領域の左側境界と一致している分割特定領域(例えば、図5の分割特定領域B、C、E、F)に関しても、分割特定領域の4隅のうち、左側境界と接している角に対応する累積情報値を格納するレジスタには、累積情報値として0が設定される。例えば、分割特定領域Bは、4隅が、夫々、左上(128,160)、右上(191,160)、左下(128,191)、右下(191,191)という座標を持つ。従って、分割特定領域Bの画素値の総和を求めるには、座標(127,159)、(191,159)、(127,191)、及び(191,191)に対応する累積情報を参照する。このとき、分割特定領域Bの左側境界と分割領域の左側境界が一致しているので、左側境界と接している角に対応する累積情報値、つまり、座標(127,159)及び(127,191)に対応する累積情報値は、0として参照値一時保持レジスタ303に格納される。
参照値一時保持レジスタ303に分割特定領域毎に4点の値が保持されると、加減算処理部304が、4点の値を用いた所定の加減算処理を実行し、その分割特定領域の画素値の総和を算出する。所定の加減算処理としては、例えば数1に示す演算の処理が挙げられる。加減算処理部304は、それぞれの分割特定領域の画素値の総和の算出を、全ての分割特定領域に対して行った後、それらを合計することにより、特定領域の画素値の総和を算出する。
この演算結果は、演算結果保持レジスタ305に保持される。CPU101は演算完了を、バスI/F110を介して割り込み通知や完了フラグの参照等によって知ることができる。そして、演算結果保持レジスタ305の値を取得し、設定した矩形領域の総和値として使用する。
次に、上述のように構成された情報処理装置による画像処理の動作について説明する。図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
先ず、ステップS41において、累積情報生成部111が、処理対象情報格納メモリ104に格納されている処理対象画像のデータを読み出して、処理対象画像の累積情報を作成する。この際に、累積情報生成部111は、分割制御部114の制御により、単純な累積情報ではなく、分割領域累積情報を算出する。算出された分割領域累積情報は、累積情報保持部113に格納される。
次いで、ステップS42において、累積情報生成部111が、累積情報保持部113に格納されている分割領域累積情報の必要な累積情報値を読み出す。この際に、累積情報生成部111は、分割制御部114の制御により、累積情報保持部113からどの累積情報値を読み出すのかを算出する。読み出した累積情報値は、累積情報利用演算部112に受け渡され、累積情報利用演算部112が、特定領域(例えば、矩形領域)内の画素値の総和(特定領域内総和値)を算出する。
このように、本実施形態により行われる画像処理は、分割領域累積情報を算出する処理と、算出された分割領域累積情報を利用して特定領域内総和値を算出する処理との2つの処理に大別することができる。
そして、このような本実施形態によれば、累積情報を格納するための配列(メモリ)の大きさを削減することができる。例えば、上述のように、256画素×256画素のサイズで、画素値が8ビットで表されているような画像データに対し従来の累積情報を作成すると、累積情報保持メモリに必要なビット幅は24ビットになる。これに対し、本実施形態によれば、分割領域のサイズは64画素×64画素となるため、累積情報保持メモリ113−1に必要なビット幅は20ビットでよい。
また、分割領域をより小さくすれば(例えば32画素×32画素)、累積情報保持メモリ113−1に必要なビット幅を更に小さくすることも可能である。但し、分割領域を小さくすればするほど、特定領域の分割数(分割特定領域の数)が増加するので、特定領域の画素値の総和を算出するのに必要となる累積情報保持メモリ113−1へのアクセス回数が増加する。つまり、特定領域の画素値の総和を算出するのに必要な時間が増加する。つまり、処理時間と分割領域の大きさとはトレードオフの関係にある。従って、処理時間の短縮を優先する場合には、回路規模の制約が許す限り、分割領域を大きくすればよく、逆に回路規模の縮小を優先する場合には、処理時間の制約が許す限り、分割領域を小さくすればよい。
また、このような情報処理において、画素値の総和を算出する特定領域のサイズが予め判明している場合には、分割領域のサイズと特定領域のサイズとを等しくすることが好ましい。これらを等しくすることにより、検出対象画像上のどの位置に特定領域を設定しても、特定領域の分割数(分割特定領域の数)を4個以下にすることが可能となり、処理のスケジューリングが容易となるからである。
同様に、特定領域として設定するサイズが複数ある場合には、その中の最大のものと、分割領域のサイズとを等しくすれば、特定領域の分割数(分割特定領域の数)を4個以下にすることが可能となり、処理のスケジューリングが容易となる。
また、本実施形態を応用することにより、非特許文献2に示されたような顔検出を行うことも可能である。
非特許文献2では、図6に示すように、処理対象画像600内で、処理ウインドウ601とよばれる領域を移動させ、各移動先の処理ウインドウ内に顔が含まれるか否かを判定している。そして、この判定に当たり、各移動先の処理ウインドウ601内で、特定の矩形領域内の画素値の総和を求めることを、数多くの矩形領域602に対し行うことで実現している。
このような処理に対して本実施形態を応用する場合、累積情報利用演算部112内の特定領域指定レジスタ301に対し、矩形領域602に対応する特定領域の指定を何度も行えばよい。
そして、このような処理を行うに際して、前述のように、分割領域のサイズを、矩形領域602の最大のサイズ(非特許文献2では、設定する位置やサイズの異なる矩形領域602を複数用意している)と等しくすることが好ましい。上述のように、検出対象画像上のどの位置に特定領域を設定しても、特定領域の分割数(分割特定領域の数)を4個以下にすることが可能となり、処理のスケジューリングが容易となるからである。
また、処理ウインドウ601のサイズと、矩形領域602の最大のサイズとを比較すると、両者は同じであるか、又は処理ウインドウ601のサイズの方が大きい。従って、分割領域のサイズを、処理ウインドウ601のサイズと等しくしても同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述のように、第1の実施形態によれば、処理対象画像全体にわたって分割領域累積情報を予め算出し、累積情報保持メモリ113−1に格納することにより、顔検出を行うことが可能である。第2の実施形態は、このような処理を行う際の累積情報保持メモリ113−1の容量の更なる縮小を図ったものである。図7は、第2の実施形態に係る情報処理装置の動作(バンドバッファにより分割領域累積情報を保持した際の動作)を示すフローチャートである。また、図8は、第2の実施形態において、分割領域累積情報全域に対し一時に保持されるバンドバッファの様子を示す図である。ここでは、説明の簡単のため、分割領域のサイズが処理ウインドウのサイズに等しいものとする。
先ず、ステップS91において、累積情報生成部111が、先頭に位置する所定高さのバンド領域702のみについて、分割領域累積情報を生成し、累積情報保持部113内の累積情報保持メモリ113−1に、バンド領域702の分割領域累積情報を格納する。
次いで、ステップS92において、累積情報生成部111が、処理ウインドウがバンドの先頭(左端)位置701にあるときに、その処理ウインドウ内で、特定の矩形領域内の画素値の総和を求める処理を、数多くの矩形領域に対して行う。そして、処理ウインドウを先頭位置701から右に1画素ずらした位置に移動させ、再び同様の処理を行う。以後、処理ウインドウがバンド領域702の右端に達するまで、処理ウインドウをずらしながら、同様の処理を繰り返す。
このように、ステップS91〜S92において、所定のバンド位置に対して、バンドのサイズ分の分割領域累積情報を算出し、算出した分割領域累積情報を用いて特定領域内の総和の算出を行う。
1バンド領域分の特定領域内の総和の算出(ステップS72)が完了すると、累積情報生成部111が、現在処理していたバンド領域が入力情報の最終ラインを含む位置であったかどうかを、ステップS93において判別する。
最終ライン位置でなければ、ステップS94において、ステップS91と同様の処理により、次の1ライン分の分割領域累積情報を生成して保持する。本実施形態におけるバンドバッファは、ライン単位のリングバッファとして構成されているので、新たな1ラインを生成する際には、最も古い1ラインを破棄してこの領域に新たなラインを保持する。このとき、前ライン分の分割領域累積情報は既に累積情報保持メモリのバンドバッファ上に存在しているので、第1の実施形態と同様の処理により1ライン分の累積情報を生成できる。即ち、この演算において、バンドバッファにしたことによるオーバーヘッドは生じない。つまり、分割領域累積情報の所望の位置が、現在のバッファ中のどのアドレスに相当するかを換算する必要はあるが、全域を一度に保持するときに比べて処理のオーバーヘッドはほとんど無い。
次ライン生成・保持後は、累積情報がバンド領域703に移った状態となり、累積情報生成部111が、再びステップS92の処理を実行する。以後、ステップS93において最終ラインと判別されるまで、1ラインずつバンド領域を下方に移動させつつ、同様の処理を繰り返す。
このように、ステップS92〜S94において、最初のバンド内での特定領域内総和算出の完了後に、バンド位置を1ライン下方にスライドし、そのバンド位置に対して、前回算出した分割領域累積情報に追加する1ライン分の分割領域累積情報を算出する。そして、今回算出した1ライン分の分割領域累積情報を、これまでに算出した分割領域累積情報のもっとも古い1ラインに置き換えることで、今回のバンド位置に対する分割領域累積情報とする。続いて、今回のバンド位置に対する分割領域累積情報を用いて特定領域内の総和の算出を行う。
そして、ステップS93で最終ラインに到達したことが判別されると処理を完了する。
このように、本実施形態では、バンド領域702は、累積情報保持メモリ113−1に一時に保持する所定高さのバンド領域であり、累積情報保持メモリ113−1は、一度にはバンド領域702の大きさの分割領域累積情報しか格納しない。そして、バンド領域702の所定の高さは顔検出処理の処理ウインドウ領域の高さと等しく、幅は処理対象画像情報の幅と等しい。
また、本実施形態では、特定領域内の総和の算出がバンド領域単位で行われる。
そして、本実施形態では、累積情報保持メモリ113−1のサイズとして、バンド領域702のサイズの分割領域累積情報が格納できるものであればよい。これに対し、第1の実施形態では、累積情報保持メモリ113−1のサイズとして、分割領域累積情報700が格納できるサイズが必要である。つまり、本実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、ほとんど演算のオーバーヘッドを生じさせることなく、累積情報保持メモリ113−1のメモリ容量を大幅に削減することが可能となる。
第1の実施形態と同様に、処理対象画像を256画素×256画素のサイズで、画素値が8ビットで表されている画像データとし、処理ウインドウサイズ(=分割領域のサイズ)64画素×64画素とした場合、一時に保持する必要のあるサイズは1バンド分である。従って、最低限用意すべき累積情報保持メモリのサイズ(深さ)は、64×256ですむ。一方、第1の実施形態では、必要な累積情報保持メモリのサイズ(深さ)は256×256である。なお、累積情報保持メモリの幅は、いずれの実施形態でも20である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、バッファ容量の更なる削減を図ったものである。図9は、第3の実施形態に係る情報処理装置の動作(ブロックバッファにより分割領域累積情報を保持した際の動作)を示すフローチャートである。また、図10は、第3の実施形態において、分割領域累積情報全域に対し一時に保持されるブロックバッファの様子を示す図である。ここでも、説明の簡単のため、分割領域のサイズが処理ウインドウのサイズに等しいものとする。また、ブロックバッファは縦方向線分単位のリングバッファとして構成される。ここで縦方向線分とは、処理ウインドウ高さに一致する長さの線分である。
先ず、ステップS1101において、累積情報生成部111が、処理対象画像の左上を分割領域累積情報算出の原点1005として設定する。
次いで、ステップS1102において、累積情報生成部111が、現在の原点を左上に含むブロックの分割領域累積情報を生成・記憶する。即ち、図10における領域1001の累積情報を生成する。
その後、ステップS1103において、累積情報生成部111が、その処理ウインドウ内で、特定の矩形領域内の画素値の総和を求める処理を、数多くの矩形領域に対し行う。
続いて、ステップS1104において、累積情報生成部111が、処理した処理ウインドウ位置が最右列に到達したかを判定する。
最右列に到達していなければ、ステップS1105において、累積情報生成部111が、処理ウインドウの右端に隣接する線分領域1004の分割領域累積情報を生成し、線分領域1003の分割領域累積情報を保持していたバッファ領域に保持する。線分領域1004は分割領域の左端に該当するので、線分領域1004の分割領域累積情報は容易に算出可能である。つまり、線分領域1004の最上端画素から順に累積加算すればよい。なお、線分領域1004の更に右の線分領域の分割領域累積情報は、当該右の線分領域の最上端画素から順に累積加算した値と、線分領域1004の分割領域累積情報とを加算すれば算出できる。つまり、数3及び数4に示す加算(累積情報算出)におけるx軸とy軸とを入れ替えたような演算を行えば算出できる。
次線分累積情報を生成し、処理ウインドウを右へ1画素ずらしたら、累積情報生成部111が、当該領域に対しステップS1103の特定領域内の総和の算出処理を行う。以後、ステップS1104にて、処理ウインドウが右端まで達したと判定されるまで、同様の処理を繰り返す。
このように、ステップS1101〜S1105の処理により、ブロックバッファに保持される分割領域累積情報が、領域1001の位置から領域1002の位置に移る際、縦方向の線分領域1003の分割領域累積情報が記憶されている領域が破棄される。そして、この領域に縦方向の線分領域1004の分割領域累積情報が保持される。このような処理が、処理ウインドウが右端に到達するまで順次繰り返される。
右端位置までの処理が完了したら、ステップS1106において、累積情報生成部111が、全入力情報の最終ライン位置を処理したかどうかを判定する。
現処理ブロック位置が最終ライン位置に到達していなければ、ステップS1107において、累積情報生成部111が、処理ウインドウ位置を1ライン下方の左端に設定し直す。そのとき、分割領域累積情報を算出するための原点を原点1005から1ライン下の原点1006にずらす。
そして、ステップS1102において、累積情報生成部111が、新たに設定した処理ウインドウにおいて、新たに設定した分割領域累積情報を算出するための原点を用いて、現在の原点を左上に含むブロックの分割領域累積情報を生成・記憶する。
次いで、累積情報生成部111が、ステップS1103のブロック毎の特定領域内総和算出処理を繰り返す。以後、ステップS1106において最終ラインに到達するまで、順に処理を繰り返して入力情報全域に対する処理を行う。
このように、ステップS1106〜S1107では、処理ウインドウが右端に到達したことをトリガとして、処理ウインドウを1ライン下にずらし、左端1007からステップS1102〜S1105の処理が繰り返される。このとき、分割領域累積情報を算出するための原点は、新たな原点1006となる。つまり、処理ウインドウが1ライン下にずれると、分割領域累積情報を算出するための原点も1つ下にずれる。
そして、ステップS1160で最終ラインに到達したことが判別されると処理を完了する。
このように、本実施形態では、領域1001は、現在ブロックバッファに保持している分割領域累積情報の領域であり、累積情報保持メモリ113−1は、一度には領域1001の大きさの分割領域累積情報しか格納しない。また、現在ブロックバッファに保持している累積情報の領域1001は、現在の処理ウインドウの位置と一致する。図10では、開始位置(左上端)の分割領域累積情報を格納していることを示している。また、領域1002は、処理ウインドウが右に1画素分ずれた領域を示し、この領域を処理する際にはブロックバッファには同領域の分割領域累積情報が保持されることになる。
このような本実施形態では、累積情報保持メモリ113−1のサイズとして、上述のブロックバッファのサイズさえあればよい。例えば、本実施形態におけるバッファ容量を、第1及び第2の実施形態で説明した例と同条件で計算すると、一時に保持する必要のあるサイズは1ブロック分であるので、最低限用意すべき累積情報保持メモリのサイズ(深さ)は、64×64ですむ。累積情報保持メモリの幅は20で同じである。
また、本実施形態では、処理ウインドウのサイズと分割領域のサイズが同じであり、処理ウインドウが1ライン下にずれると、分割領域累積情報を算出するための原点も下にずれる。従って、水平方向の領域分割は実質的に生じない。
但し、本実施形態のブロックバッファによる実装では分割領域累積情報を計算する上でのオーバーヘッドが生じやすい。つまり、処理対象情報のある位置の画素に対応する分割領域累積情報を複数回算出する必要がある。一方、第1及び第2の実施形態では、処理対象情報のある位置の画素に対応する分割領域累積情報の算出は1度ですむ。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第1〜第3の実施形態は、2次元の処理対象情報に対し分割領域累積情報を算出し、その分割領域累積情報を利用して、2次元の特定領域の要素値の総和を求める処理に関するものである。第4の実施形態は、3次元以上の処理対象情報の処理に関する。
累積情報は2次元配列情報のみならず、3次元以上の多次元配列情報に対しても生成することができる。図11は、3次元の場合の累積情報の様子を示す図である。3次元配列の入力情報とは、例えば動画情報であって、2次元画像に時間軸の1次元が加わり3次元情報となる。
図11(a)において、3次元累積情報配列の点Xの位置の要素の要素値は、入力3次元情報における原点と点Xを対角とする直方体の中に含まれる要素の総和値となる。このような3次元累積情報を用いて、例えば図11(b)の直方体1201内の要素の総和値を求めることが可能である。ここで、直方体1201の対角を示す2点の座標を(x0,y0,t0)及び(x1,y1,t1)とする。また、直方体の各頂点に関する累積情報値をA、B、C、D、E、F、G及びHとすると、これらは、表1に示す座標の累積情報値となる。
Figure 0005349931
このような定義を行った場合、入力情報の直方体1201内要素の総和値S3dは、
3d=H−D−F+B−(G−C−E+A)
と表わされる。
このような3次元累積情報に対し、第1〜第3の実施形態の2次元の分割領域累積情報を3次元の分割領域累積情報で代替すれば、同様の処理により累積情報を作成することができる。この場合の分割領域は3次元になる。例えば、図11の3次元累積情報に対し、3次元の分割領域累積情報は図12のようになる。図12では、図が煩雑になるので、一つの分割領域1301のみを図示しているが、処理対象情報に対し分割領域1301を単位として分割し、分割した領域内で3次元の累積情報を算出すればよい。
更に、3次元を超える多次元入力情報に対する累積情報も、同様に超直方体領域で考えれば、同様の処理を行うことが可能である。
なお、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
つまり、本発明はハードウェア回路のみでなく、ソフトウェアによる処理であっても適用可能である。例えば、従来の累積情報であれば、32bitのlong型配列を用いる必要があったところを、本発明の分割領域累積情報を用いることで16bitとすることができれば、16bitのshort型配列を使用することが可能となる。つまり使用するバッファ容量を半分に削減することができる。
また、上述の実施形態では、バンドバッファ又はブロックバッファをリングバッファとして使用しているが、本発明はこのようなメモリの使用方法に限るわけではない。例えば、リングカウンタに対応するメモリアドレステーブルを有し、当該テーブルを参照することで、不連続な領域を所定の処理単位で割り当てながら処理してもよい。即ち、本発明で述べたリングバッファとは狭義のリングバッファ又は循環バッファに限定するものではない。
また、分割領域累積情報を用いた情報処理としては、パターン認識処理に限定するものではない。本発明は、従来技術で述べたようなコンピュータグラフィクス等の他分野の処理であっても、累積情報を用いる処理であれば、適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。 累積情報生成部111の構成、並びにバスI/F110及び累積情報保持部113との接続関係を示すブロック図である。 累積情報利用演算部112の構成、並びにバスI/F110及び累積情報保持部113との接続関係を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。 特定領域等の一例を示す図である。 顔検出処理を示す図である。 第2の実施形態に係る情報処理装置の動作(バンドバッファにより分割領域累積情報を保持した際の動作)を示すフローチャートである。 第2の実施形態において、分割領域累積情報全域に対し一時に保持されるバンドバッファの様子を示す図である。 第3の実施形態に係る情報処理装置の動作(ブロックバッファにより分割領域累積情報を保持した際の動作)を示すフローチャートである。 第3の実施形態において、分割領域累積情報全域に対し一時に保持されるブロックバッファの様子を示す図である。 3次元の場合の累積情報の様子を示す図である。 3次元の分割領域累積情報を示す図である。 累積情報の例を示す図である。
符号の説明
100:累積情報演算処理部
101:CPU
102:情報入力部
103:DMAコントローラ
104:処理対象情報格納メモリ
105:バス
110:バス・インターフェース部
111:累積情報生成部
112:累積情報利用演算部
113:累積情報保持部
113−1:累積情報保持メモリ
113−2:メモリコントローラ
114:分割制御部
201:入力情報サイズ記憶レジスタ
202:アドレスカウンタ
203:入力要素値保持レジスタ
204:水平方向累積値保持レジスタ
205:前ライン累積情報値参照レジスタ
206:累積加算処理部
206−1、206−2:加算器
207:初期化制御部
301:特定領域指定レジスタ
302:参照アドレス計算部
303:参照値一時保持レジスタ
304:加減算処理部
305:演算結果保持レジスタ
306:特定領域分割部

Claims (6)

  1. 画像上で処理ウィンドウを順次移動させて当該処理ウィンドウ中の画像情報を処理する情報処理装置であって、
    前記画像において初期位置に置かれた前記処理ウィンドウを含む部分領域内の各画素位置に対応する累積情報値として、当該部分領域の所定の原点位置と当該部分領域に属する各画素位置とを対角とする領域内の全ての画素値の総和値を算出する第1の累積情報算出手段と、
    前記処理ウィンドウが現在の前記部分領域以外を含む位置に移動するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により移動すると判定された場合に、移動後の前記処理ウィンドウを含むように前記部分領域を更新し、更新により追加された領域内の各画素位置に対応する累積情報値を算出する第2の累積情報算出手段と、
    前記第1または第2の累積情報算出手段により算出された累積情報値を用いて、前記処理ウィンドウ中の特定の矩形領域内の画素値の総和を算出する総和算出手段と、
    を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記累積情報値を記憶する記憶手段と、
    前記第2の累積情報算出手段により算出された累積情報値を、前記記憶手段に記憶されている累積情報値のうち、前記処理ウィンドウに含まれなくなった領域内の画素値に代えて記憶する記憶制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記部分領域は所定の高さのバンド領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記部分領域は所定サイズのブロック領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  5. 画像上で処理ウィンドウを順次移動させて当該処理ウィンドウ中の画像情報を処理する情報処理方法であって、
    前記画像において初期位置に置かれた前記処理ウィンドウを含む部分領域内の各画素位置に対応する累積情報値として、当該部分領域の所定の原点位置と当該部分領域に属する各画素位置とを対角とする領域内の全ての画素値の総和値を算出する第1の累積情報算出ステップと、
    前記処理ウィンドウが現在の前記部分領域以外を含む位置に移動するか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにより移動すると判定された場合に、移動後の前記処理ウィンドウを含むように前記部分領域を更新し、更新により追加された領域内の各画素位置に対応する累積情報値を算出する第2の累積情報算出ステップと、
    前記第1または第2の累積情報算出ステップにより算出された累積情報値を用いて、前記処理ウィンドウ中の特定の矩形領域内の画素値の総和を算出する総和算出ステップと、
    を有することを特徴とする情報処理方法。
  6. 画像上で処理ウィンドウを順次移動させて当該処理ウィンドウ中の画像情報を処理するコンピュータに、
    前記画像において初期位置に置かれた前記処理ウィンドウを含む部分領域内の各画素位置に対応する累積情報値として、当該部分領域の所定の原点位置と当該部分領域に属する各画素位置とを対角とする領域内の全ての画素値の総和値を算出する第1の累積情報算出ステップと、
    前記処理ウィンドウが現在の前記部分領域以外を含む位置に移動するか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにより移動すると判定された場合に、移動後の前記処理ウィンドウを含むように前記部分領域を更新し、更新により追加された領域内の各画素位置に対応する累積情報値を算出する第2の累積情報算出ステップと、
    前記第1または第2の累積情報算出ステップにより算出された累積情報値を用いて、前記処理ウィンドウ中の特定の矩形領域内の画素値の総和を算出する総和算出ステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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