以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるパチンコ遊技機は、ユーザ(遊技者)の操作に応じて発射される遊技球が、遊技盤の遊技領域に設けられた複数の入賞口のうち、特定領域を有する入賞口(例えば、始動口)に入球したことを契機として、大当り抽選手段により、遊技者にとって極めて有利な遊技状態である大当り遊技への移行抽選(大当り抽選)を実行するようにしている。
そして、大当り抽選にて大当りに当選すると、遊技価値付与手段により、遊技領域に備えられた特別入賞口(以下、大入賞口という)への遊技球の入球が容易となる遊技、すなわち、大当り遊技が遊技価値として付与される。これによって、遊技者に短時間で所定数の出玉(賞球)を獲得させる構成としている。つまり、当該パチンコ遊技機における遊技者にとっては、大当りに当選することが最大の遊技目的といえる。
前述した大入賞口は、前面に開閉自在のシャッタ等の可動部材を備え、大当り遊技の実行時以外は大入賞口前面のシャッタを閉鎖状態にして、大入賞口内部に設けられた特別入賞領域への遊技球の入球を不可としているが、大当り遊技の実行時には、大入賞口前面のシャッタを所定時間(例えば、30秒)開放状態にして、特別入賞領域への遊技球の入球を可能とするのである。そして、大入賞口前面のシャッタの開放が所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は、所定数(例えば、10個)の遊技球の入球を検知すると大入賞口前面のシャッタを閉鎖状態にする。
上述したように、本実施形態の大当り遊技は、大当り遊技の実行時における大入賞口前面のシャッタを開放して、所定の条件を満たしたことで閉鎖するまでを、1回のラウンド遊技として、ラウンド遊技を所定の回数(例えば、15回)繰り返すことで、遊技者に対して所定数の賞球を提供する構成としている。ところが、大当り遊技の実行時に繰り返されるラウンド遊技の実行回数は、常に一定の回数(例えば、15回)とは限らず、当選した大当りの種類によって、例えば、3回、5回、7回又は10回という異なるラウンド遊技の実行回数が設定される場合がある。つまり、遊技価値付与手段により付与される遊技価値は、当選した大当りの種類に応じて異なるようになっている。
また、本実施形態における前述した各手段としては、例えば、CPUからなる中央演算処理装置と、ROMやRAMなどからなる記憶装置と、その他必要に応じて設定される回路などを備えた制御回路を構成し、前記ROMに記憶されたプログラムに基づいて、大当り抽選手段、表示手段等の機能を担わせることが望ましい。
以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下では遊技機をパチンコ遊技機としている。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1から図3を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図1から図3に示すように、ガラスドア11a、木枠12、ベースドア11、遊技盤14、皿ユニット20、画像の表示が行われる液晶表示装置(画像表示手段)32、遊技球を発射する発射装置26、各種の制御基板を含む基板ユニット170、遊技球を付与する球払出ユニット180などから構成されている。
上述したガラスドア11aは、ベースドア11に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11aの中央には、開口11bが形成されており、その開口11bには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。また、上述した木枠12は、その前方にベースドア11が軸着される。
上述した皿ユニット20は、ガラスドア11aの下方に位置するように、ベースドア11に配設されている。皿ユニット20には、その上方に上皿21が、その下方に下皿22が設けられている。上皿21及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口90,91が形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿21には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留されることとなる。
上述した発射装置26は、皿ユニット20の側方に位置するように、ベースドア11に配設されている。この発射装置26の表面側には、回動自在な発射ハンドル27が配設されている。また、発射装置26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。本実施の形態においては、遊技者によって発射ハンドル27が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。
具体的には、発射ハンドル27が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿21に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
次に、図2及び図3を用いて遊技盤14について説明する。遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するようにベースドア11の前方に配設されており、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域であり、ガイドレール30の外側には遊技領域外域16が形成されている。
また、遊技盤14には、図3に示すように、2つのガイドレール30(30a及び30b)、複数の遊技釘(図示せず)、第1遊技部材57、第2遊技部材55、球通過検出器54、羽根部材23が付設された始動口25、開閉自在のシャッタ40を備えた大入賞口39、一般入賞口56、アウト口38が設けられている。
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技領域15の上部に移動し、複数の遊技釘、遊技領域15上に設けられた第1遊技部材57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域15の下方に向かって流下する。そして、遊技領域15に設けられた各種入賞口(始動口25、大入賞口39、一般入賞口56等)に入賞しなかった遊技球は、遊技領域15の下端中央に設けられたアウト口38で回収されて遊技盤14の外部に排出される。
第1遊技部材57が、左右端が中央付近よりも下方に位置する傘状に形成されているのに対し、第2遊技部材55は左右端が中央付近よりも僅かに上方に位置して湾曲形成されたステージ状に構成されており、遊技領域15を転動した遊技球の一部は、この第2遊技部材55に一旦受け止められて、第2遊技部材55の中央部に凹状に形成された案内溝55aを通過して、始動口25に向かって流下するようになっている。
始動口25は本実施形態における特定領域を有する入賞口に規定されており、遊技領域15の略中央に設けられた第2遊技部材55の下部かつ大入賞口39の上方に設けられるとともに、ソレノイドなどで駆動する可変部材としての羽根部材23が付設されている。
この羽根部材23は、始動口25の左右の両側に設けられており、遊技球が当該始動口25に入賞しやすくなる(遊技球が特定領域を通過しやすくなる)開放状態と、遊技球が始動口25に入賞し難くなる(遊技球が特定領域を通過し難くなる)閉鎖状態とに選択的に変動可能となっている。
ここで、羽根部材23の開放状態とは、羽根部材23が逆八字状に開口して遊技球が始動口25に入賞し易くなる状態のことである。また、羽根部材23の閉鎖状態とは、羽根部材23が閉じて遊技球が始動口25に入賞し難くなる状態のことである。
このような羽根部材23は、遊技領域に設けられ、遊技球が特定領域を通過しやすい開放状態と通過し難い閉鎖状態とに選択的に変動可能な可変部材の一例である。
そして、遊技領域15に設置された第2遊技部材55や遊技釘と衝突しながら転動した遊技球がこの始動口25へ入賞(つまり、特定領域を通過)すると、後述する特別図柄ゲーム(可変表示ゲーム)及び大当り抽選が開始される。すなわち、始動口25は、特別図柄ゲーム及び大当り抽選の契機となる特定の入賞口である。
また、始動口25の下部に設けられた大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、後に詳述する特別図柄表示装置33(図3)において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、当該停止表示態様が、遊技状態が特別遊技である大当り遊技に移行されることを示す態様であった場合に、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39の内部には、カウントセンサ104(図4参照)が設けられ、遊技球を所定個数(例えば10個)検知するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲーム(ラウンド遊技)と呼び、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。本実施形態では、このラウンドゲームを実行する遊技を大当り遊技という。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数されるため、大当り遊技における1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、所定時間(例えば、1秒)経過後に再度開放状態に駆動される。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまで継続した遊技状態を大当り遊技状態という。大当り遊技状態は、多数の賞球を獲得可能であることから、遊技者にとって極めて有利な遊技状態である。
また、前述した始動口25、一般入賞口56、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が遊技球貯留部である上皿21又は下皿22に賞球として払い出される。
また、図4に示すように、上述した球通過検出器54、一般入賞口56、大入賞口39、始動口25の後方には、それぞれ、通過球センサ114、一般入賞球センサ106、カウントセンサ104、始動入賞球センサ117が配設され、それぞれの通過又は入球が検知される。また、羽根部材23、シャッタ40の後方には、それぞれ、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が配設され、それぞれの駆動が行われる。
遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置33、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置33a〜33d、及び普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置35a〜35dを有する電飾ユニット160が設けられている。
本実施形態に係る電飾ユニット53は、図3に示すように、その中央に配置された表示器ケース37に、始動口25に対応した特別図柄表示装置33を収容している。特別図柄表示装置33は、7セグメントLEDで構成されており、この7セグメントLEDは、始動口25に遊技球が入賞した場合に、特別図柄表示装置33の7セグメントLEDが点灯・消灯することによって、“0”から“9”までの10個の数字図柄や「−」等の図柄が、特別図柄として変動表示される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が異なってくるゲームを、本実施形態では「特別図柄ゲーム」という。
表示器ケース37の左右両側には、この表示器ケース37を挟んで始動口25に対応した特別図柄保留ランプ33a〜33dが設けられている。この特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄表示装置33において、既に特別図柄の変動表示中に遊技球が前記始動口25へ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(所謂、「可変表示ゲームの保留数」)を点灯によって表示するものである。そして、変動表示していた特別図柄が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
具体的に説明すると、特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄の変動表示の実行が保留された回数に対応して左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、前記始動口25への遊技球の入賞に対して4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、本実施形態における可変表示ゲームが特別図柄の変動表示の開始にあわせて、例えば数字などを含む演出用の装飾図柄の変動表示により開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の装飾図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示(つまり、可変表示ゲーム)の実行(開始)は保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。つまり、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行われる演出用の装飾図柄の変動表示と、特別図柄の変動表示とは同期しており、その変動開始及び変動停止は同じタイミングで行なわれることとなる。
すなわち、本実施形態では、前記特別図柄及び装飾図柄は、共に識別情報として機能するものであり、特別図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした前記特別図柄ゲームと、特別図柄と同期して行われる装飾図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした可変表示ゲームが同時に実行される構成としている。そして、この可変表示ゲームを行う遊技を通常遊技と呼ぶ。
また、遊技領域15の略中央の左側に設けられた球通過検出器54(図3参照)を遊技球が通過すると、特別図柄表示装置33の右側に設けられた普通図柄表示装置35において、普通図柄を示す“○”、“×”等の記号で構成された2つの表示用ランプが、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって変動表示される。
さらに、表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ35a〜35dが設けられている。この普通図柄保留ランプ35a〜35dは、前述した普通図柄(本実施形態では“○”、“×”等の記号)の変動中に、前記球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、点灯又は消灯によって、保留されている普通図柄の変動表示の実行可能な回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。つまり、普通図柄保留ランプ35a〜35dは、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に可変部材として設けられた羽根部材(所謂「普通電動役物」)23が閉鎖状態から開放状態に変動して、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
遊技盤14の後方には、液晶表示装置32の表示領域32aが視認可能に配設されている。また、ベースドア11の上方には、スピーカ46R,46Lが配設される。
液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、遊技盤14に形成された開口14(図2)の後方(背面側)に配設されることとなる。この液晶表示装置32における表示領域32aには、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
また、この液晶表示装置32では、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄が可変表示される。この装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せとなり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
また、本実施の形態における液晶表示装置32は、遊技盤14に形成された開口14の後方(背面側)に配設されていたが、これに限られず、例えば、遊技盤の少なくとも一部を透光性を有する部材(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など)。で構成し、液晶表示装置32は、当該透光性を有する部分の背面側に配設されるようになっていてもよい。この場合、遊技機10の前方に位置する遊技者は、遊技盤における透光性を有する部分を介して液晶表示装置32を視認できるようになる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図5に示す。
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技全般の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものに位置付けられている。
主制御回路60は、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、遊技実行制御手段、遊技価値付与手段、大当り遊技実行手段、さらには大当り抽選手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の遊技の進行を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り抽選テーブル(図12参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。ここで、主制御回路60から副制御回路200に供給されたコマンドは、当該副制御回路200におけるコマンドバッファに一時的に格納される。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。
そして、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、シリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
さらに、主制御回路60には、電飾ユニット53(図3参照)の各種表示器、表示ランプを制御する表示器制御回路(図示せず)が備えられている。この表示器制御回路はメインCPU66からの指示に従い、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて、特別図柄表示装置33、普通図柄表示装置35の変動の制御(例えば、変動の開始及び所定の図柄での表示停止)を行い、さらに、特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35dの点灯及び消灯の制御を行うものである。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。例えば、図示するように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、通過球センサ114、始動入賞球センサ117、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106は、各一般入賞口56にそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106は、一般入賞口56に入賞した遊技球を検知した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、球通過検出器54に設けられている。この通過球センサ114は、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動入賞球センサ117は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ117は、始動口25に遊技球が入賞したこと(特定領域を遊技球が通過したこと)を検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、シャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
さらに、主制御回路60には、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ121が接続されている。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置26、カードユニット150が接続されている。
また、本実施形態における払出・発射制御回路126は、遊技場で遊技者が購入可能な所定の記憶媒体(磁気カード、ICチップが埋め込まれたコイン等)又は紙幣等の現金をカードユニット150に投入して、遊技者が所定の貸し玉ボタン(図示せず)を操作すると、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に所定金額(例えば、千円単位)の貸し玉をパチンコ遊技機10の上皿21に払い出させる。つまり、遊技球の貸出制御を実行するものである。なお、カードユニット150は、遊技者が投入した前記記憶媒体や現金等の残り(残度数)があった場合は、遊技者が返却ボタン(図示せず)を操作することにより、残度数が記憶された記憶媒体を遊技者に返却する。
また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御も行なうものである。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル27が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿21に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133(装飾ランプとは、遊技機10の各所に備え付けられているランプやLED等の総称である)などを含むランプの制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、視点位置選択手段、音発生制御手段等の各種制御手段として機能するサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、画像に関するデータが記憶された画像データROM205b、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ133などを含むランプの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。そして、副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種コマンド信号に従って、各種演出制御を行う。そして、サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、パチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連してサブCPU206により実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当り遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、演出表示期間を定めた時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
また、プログラムROM208には、サブCPU206が、主制御回路60から出力される各種コマンドに基づいて表示制御回路250を処理制御するための制御プログラム(演出データ)、音声制御回路230を処理制御するための制御プログラム、後述する仮想空間を形成するための仮想空間形成プログラム、ランプ制御回路240を処理制御するための制御プログラム、複数種類の報知態様に関するデータなどが格納されている。
ワークRAM210は、サブCPU206が上記制御プログラムに従って処理制御を行う際の一時的な記憶手段となるものであり、メインCPU66から送信されたコマンド等を記憶するコマンドバッファ領域(図示せず)と、処理制御するのに必要なデータなどを記憶する作業領域(図示せず)とが割り当てられている。
画像データROM205bには、画像に関するデータが記憶されている。具体的には、オブジェクト記憶手段である画像データROM205bには、立体画像を描画するためのオブジェクトに関するデータ(例えば、オブジェクトを構成するポリゴンのデータや、テクスチャの種類を示すデータ、テクスチャデータなど)や、視点位置、視点方向に関するデータなどが記憶されており、サブCPU206によって、電源投入後に、後述する表示制御回路250のバッファ250cに供給されることとなる。本実施の形態における画像データROM205bは、多面体を示すオブジェクト(図13乃至図18に示すオブジェクト401)を構成するためのデータを記憶している。なお、本実施形態において、この画像データROM205bは、パチンコ遊技機10に着脱可能としているが、これに限らない。また、上述したプログラムROM208と画像データROM205bとを一体としてもよいし、更に、プログラム、テーブル、画像データ等を別の記憶媒体に記憶させてもよい。
上記オブジェクト401は、立方体の集まりとして表現できる。さらに各立方体は順序づけられた頂点の集まりと表現できる。たとえば、オブジェクト401における立方体の一つである立方体410は、6つのポリゴンで構成されており、各ポリゴンは8つの頂点で表現できる(図13参照)。
この方法では、立方体の定義を画面座標(スクリーン座標系)で直接記述しなくても、現実の空間座標(ワールド座標)またはモデリングされた仮想空間座標(モデリング座標系)で表現することができる。ワールド座標系で定義した立方体をスクリーン座標系に移すには、ビューイング変換を行う。以上のことを概念的に表したのが図13(c)である。図からもわかるように、立方体は8つ頂点の三次元座標として表現できるから、データ数は3×8個である。
また、各立方体には、識別情報としての装飾図柄が表現されている。具体的には、識別情報としての装飾図柄は別個に用意され、各立方体に張り付けられることにより表現される。この立方体を特徴づける色や粗さ情報をもった装飾図柄をテクスチャといい、これを立方体に張り付ける操作をテクスチャマッピングという。以上の操作を概念的に表したのが図8である。テクスチャは現実の物体の特徴を表す識別情報をもつことから、アニメーションと同じビットデータである。しかしこのデータは、各装飾図柄に対して1つだけでよく、アニメーションのようにコマごとのデータは不要である。ここで、オブジェクト401における各立方体には、1〜7までの数字図柄のうち何れかが装飾図柄として張り付けられる。但し、本発明はこれに限られず、各立方体には、1〜7以外の図柄が張り付けられるようになっていてもよい。
装飾図柄は、図13、図14に示すように3×3に配列され、各装飾図柄(コマ)はルービックキューブの小区画(ルービックキューブを構成する立方体の1つの面)になっている。図13(a)では(A1)〜(A3)、(B1)〜(B3)、(C1)〜(C3)で示してある。すなわち、多面体であるオブジェクト401における各外面には、複数の装飾図柄がマトリクス状に配置されている。このように、通常のルービックキューブの各面は色情報だけであるが、本実施の形態では装飾図柄となっている。
本実施の形態ではルービックキューブを模倣しているから、コマは縦または横の3コマが一単位になって同時に移動する。具体的には、左側の行であるイ行(図13(a))に位置する装飾図柄、中央の行であるロ行(図13(a))に位置する装飾図柄、右側の行であるハ行(図13(a))に位置する装飾図柄が、それぞれ一単位になって同時に移動する。さらに、上段の列であるニ列(図13(a))に位置する装飾図柄、中央の列であるホ列(図13(a))に位置する装飾図柄、下段の列であるヘ列(図13(a))に位置する装飾図柄が、それぞれ一単位になって同時に移動する。
図15(a)は、ハ列が3コマずつ縦1列に立体回転する例を示しており、図15(b)は、ヘ列が3コマずつ横一列に立体回転する例を示している。
オブジェクト401における装飾図柄は、大当り抽選手段による大当り抽選が行われたことに応じて、縦または横の3コマが一単位になって同時に移動し、所定時間の移動が行われた後に当該大当り抽選手段による大当り抽選結果を示す態様にて停止する。
本実施の形態によれば、同一線上に位置する装飾図柄が一括して変位するようになる。つまり、同一線上に位置する装飾図柄の動きがそれぞれ相互に関連するようになる。これによれば、装飾図柄を規則性を保ちつつ変位させることができ、当該装飾図柄の動きによって遊技機10の演出効果をより高めることが可能となる。
ここで、仮想空間とは、三次元の空間を擬似的に表すための仮想空間形成プログラムにより形成された仮想的な空間のことである。液晶表示装置32においては、当該仮想空間内に配置された視点位置からオブジェクト401を見た画像が表示される。
次に、上述したオブジェクト401および視点位置Pが配置される仮想空間Zについて図14(a)を用いて以下に説明する。図14(a)は、3次元の仮想空間Zを斜め上方から見た説明図、図14(b)は、3次元の仮想空間Zを上方から見た説明図である。
仮想空間Z内においては、図14(a)に示すように、オブジェクト(例えば、オブジェクト401)が配置される座標Kが設定されている。また、仮想空間Z内におけるオブジェクト401の正面方向には、視点位置選択手段であるサブCPU206により選択される視点位置Pが設定されている。
例えば、図14(a),(b)に示すように、オブジェクト401の前方に視点位置Pが位置する場合、液晶表示装置32には、視点位置選択手段により選択された視点位置Pからオブジェクト401を見た立体画像が表示される(図16(a)〜(d)および図17(a)〜(c)参照)。
これによれば、装飾図柄を立体画像で表すことができるので、当該装飾図柄が平面画像で表されていた場合に比べて、装飾図柄の変位の態様に迫力を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
表示制御回路250は、サブCPU206からの指示(ワークRAM210の所定の作業領域にセットされた演出データに基づいた指示)に応じて、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)250a、画像データをバッファするバッファ250c、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ(図示せず)などから構成されている。また、表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
上述したサブCPU206は、電源投入時(リセット時)において、画像データROM205bに記憶された画像に関する画像データの全部または一部(例えば、複数のオブジェクトのデータなど)を表示制御回路250に供給し、表示制御回路250においては、VDP250aが画像データの全部または一部を受け取り、バッファ250cの一部に記憶する。そして、サブCPU206は、仮想空間内に配置するオブジェクトの種類および当該オブジェクトの配置位置、視点位置および視点方向を決定し、所定のタイミングで、画像を表示させる旨の画像表示命令(例えば、オブジェクトの種類、配置位置や、視点位置および視点方向などを含むデータ)を表示制御回路250に供給する。そして、表示制御回路250において、VDP250aは、受け取った画像表示命令に基づいて、バッファ250cに一時的に記憶されたオブジェクトのデータを読み出し、仮想空間内にオブジェクトや視点を配置する。更には、VDP250aは、オブジェクトに設定されるテクスチャを決定する。VDP250aは、このように決定したオブジェクトと、視点との位置関係によって、視点から見たオブジェクトなどの立体画像データや、当該オブジェクトにおける装飾図柄のうち同一線上に位置する装飾図柄が一括して変位する立体画像等を生成する。そして、VDP250aは、生成した立体画像データや装飾図柄を示す装飾図柄画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置21に表示させるための画像データを一時的にバッファ250cに格納する。そして、VDP250aは、所定のタイミングで、バッファ250cに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
このように、オブジェクト決定手段および視点位置選択手段であるサブCPU206は、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類、そのオブジェクトの位置、オブジェクトに設定するテクスチャ等を決定するとともに、視点位置および視点方向を選択する。また、表示制御回路250は、決定された種類のオブジェクト(例えば、オブジェクト401)を、決定された配置位置に配置するとともに、選択された視点位置に、選択された視点方向で視点を配置する。また、表示制御回路250は、オブジェクトにテクスチャを設定する。そして、表示制御回路250は、そのテクスチャが設定されたオブジェクトと視点位置との仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置から見た立体画像を生成することとなる。また、表示制御回路250は、生成された立体画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。また、画像データROM205bには、仮想空間内に配置される複数種類のオブジェクトや、それらオブジェクトに対して設定され、明度、色相、彩度が異なる複数種類のテクスチャが予め記憶されており、バッファ250cには、それらデータが一時的に記憶されることとなる。また、画像データROM205bには、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類および位置が記憶されている。なお、本実施形態において、このような表示制御回路250は、画像生成手段、画像表示制御手段の一例に相当する。また、本実施形態において、このような画像データROM205bやバッファ250cは、オブジェクト記憶手段、テクスチャ記憶手段の一例に相当する。なお、本実施形態においては、オブジェクトの種類、そのオブジェクトの位置、オブジェクトに設定するテクスチャ、視点位置などを示すデータが画像データROM205bやバッファ250cに記憶されていたが、これに限らず、これらデータは、例えば、画像データROM205bやバッファ250cとは別の記憶媒体(例えば、プログラムROM208など)に記憶されていてもよい。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46R,46Lから音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133の発光制御を行うものである。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技について簡潔に説明する。本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技は、大別して通常遊技(大当り抽選を行いながら遊技球を消費する遊技であり、大当り遊技に比べて遊技者には相対的に不利な遊技)と大当り遊技(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な遊技)とに分かれる。
上記大当り遊技は、大当り抽選手段による大当り抽選にて大当りに当選した場合に、遊技価値付与手段であるメインCPU66により付与される。また、付与された大当り遊技は、大当り遊技実行制御手段(遊技実行制御手段)により実行される。
ここで、大当りとしては、15R確変大当り、15R通常大当り、10R確変大当り、10R通常大当り、7R確変大当り、7R通常大当り、5R確変大当り、5R通常大当り、3R確変大当り、3R通常大当り等が挙げられる。
そして、上記大当りは、後述の特別図柄記憶チェック処理(図9参照)において、大当り抽選テーブル(図12参照)を参照し、通常遊技の通常モード又は確変モードに応じてそれぞれ異なる抽選確率で抽選される。
このとき、大当りに当選すると、当該大当りに対応する特別図柄が特別図柄表示装置33(図3参照)に停止表示される。例えば、15R確変大当りの場合は、特別図柄表示装置33に“9”の特別図柄が停止表示され、15R通常大当りの場合は、特別図柄表示装置33に“8”の特別図柄が停止表示され、10R確変大当りの場合は、特別図柄表示装置33に“7”の特別図柄が停止表示され、10R通常大当りの場合には、特別図柄表示装置33に“6”の特別図柄が停止表示され、7R確変大当りの場合には、特別図柄表示装置33に“5”の特別図柄が停止表示され、7R通常大当りの場合は、特別図柄表示装置33に“4”の特別図柄が停止表示され、5R確変大当りの場合には、特別図柄表示装置33に“3”の特別図柄が停止表示され、5R通常大当りの場合には、特別図柄表示装置33に“2”の特別図柄が停止表示され、3R確変大当りの場合には、特別図柄表示装置33に“1”の特別図柄が停止表示され、3R通常大当りの場合には、特別図柄表示装置33に“0”の特別図柄が停止表示される。
さらに、15R確変大当り、15R通常大当り、10R確変大当り、10R通常大当り、7R確変大当り、7R通常大当り、5R確変大当り、5R通常大当り、3R確変大当り、及び3R通常大当りのうち何れか一つに当選した場合に、上記特別図柄表示装置33(図3参照)に特別図柄が停止表示されるのと同じタイミングで、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、オブジェクト401における装飾図柄が、大当り抽選手段による大当り抽選結果を示す態様にて停止する。
例えば、装飾図柄は、大当りの抽選結果が3R確変大当りもしくは3R通常大当りであった場合には、オブジェクト401における(1)〜(8)のライン(図13)のうち何れか一つのライン上に同一の数字が3つ揃った状態で停止表示(例えば、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(a))で停止表示)される。
また、大当りの抽選結果が5R確変大当りもしくは5R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のラインのうち何れか二つのライン上に同一の数字が3つ揃った状態で停止表示(例えば、(4)、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(b))で停止表示)される。
また、大当りの抽選結果が7R確変大当りもしくは7R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のラインのうち何れか三つのライン上に同一の数字が3つ揃った状態で停止表示(例えば、(2)、(4)、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(c))で停止表示)される。
また、大当りの抽選結果が10R確変大当りもしくは10R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のラインのうち何れか四つのライン上に同一の数字が3つ揃った状態で停止表示(例えば、(2)、(4)、(6)、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(d))で停止表示)される。
また、大当りの抽選結果が15R確変大当りもしくは15R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のライン全てに同一の数字が3つ揃った状態で停止表示(例えば、(1)〜(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(e))で停止表示)される。
さらに、大当りの抽選結果がはずれであった場合には、(1)〜(8)のライン全てにおいて、同一の数字が3つ揃わない状態で停止表示される。
また、15R確変大当り、15R通常大当り、10R確変大当り、10R通常大当り、7R確変大当り、7R通常大当り、5R確変大当り、5R通常大当り、3R確変大当り、3R通常大当りのうち何れかに応じた大当り遊技が付与されると、これら大当りにそれぞれ応じた所定の回数(15R確変大当りもしくは15R通常大当りでは15回、10R確変大当りもしくは10R通常大当りでは10回、7R確変大当りもしくは7R通常大当りでは7回、5R確変大当りもしくは5R通常大当りでは5回、3R確変大当りもしくは3R通常大当りでは3回)を上限として、大入賞口39に付設されたシャッタ40(図3参照)が所定時間(例えば、30秒)の開放を繰り返すラウンドゲームが実行される。これにより、遊技領域15に発射された遊技球の大入賞口39への入賞が容易となり、遊技者は短時間で大量の賞球を獲得することが可能となる。かかる大当り遊技の獲得(大当り遊技への当選)は、一般の遊技者の最大の目的であり、パチンコ遊技の醍醐味ともいえる。
なお、本実施形態では、当選した大当りの種類に応じて、ラウンドゲームの実行回数を、15ラウンド、10ラウンド、7ラウンド、5ラウンド、3ラウンドとしているが、ラウンドゲームの実行回数はこれに限定されるものではない。例えば、ラウンド数抽選手段(メインCPU66を含む主制御回路60(図5参照))による抽選処理により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意の実行回数であって構わない。
他方、本実施形態における通常遊技は、通常モード(通常低確率遊技状態)、確変モード(特別高確率遊技状態)、時短モード(特別遊技モード)の3種類の遊技モードの下で実行される。ここで、前記3種類の通常遊技(通常モード、確変モード、時短モード)のモードの移行及びそれぞれの特徴を、以下に簡単に説明する。
通常モードは、パチンコ遊技機10における基本モードであり、パチンコ遊技機10に電源を投入すると、この通常モードから遊技が開始される。なお、この通常モードは、確変モードにおける大当りの当選確率よりも大当り当選確率が低確率に設定される。
確変モードは、通常遊技において、15R確変大当り、10R確変大当り、7R確変大当り、5R確変大当り、3R確変大当りのうち何れかに当選すると、当該大当りに応じた大当り遊技の終了後に移行する特別高確率遊技状態である。この確変モードにおける大当りの抽選確率は、通常モードにおける大当りの抽選確率よりも相対的に高確率に設定される。具体的に説明すると、本実施形態においては、通常モードにおける大当りの抽選確率は「1/300」であるのに対して、確変モードにおける大当りの抽選確率は「1/30」と10倍の抽選確率が設定(図12、大当り抽選テーブル参照)されている。
つまり、確変モードでは通常モードと比較して、10倍の頻度で大当り遊技が発生することになるので遊技者にとって有利な遊技状態であり、特に、15R確変大当りに応じた大当り遊技は、ラウンドゲームが最大15ラウンド継続されることで、遊技者が獲得できる賞球数が最も多いため、遊技者に最も有利な遊技といえる。
最後に、時短モード(特別モード)は、大当り遊技の終了後に設定される遊技モードである。この通常遊技における時短モードとは、普通図柄が変動表示を開始して停止表示されるまでの変動時間が、通常モードよりも短く設定され、さらに、普通図柄の抽選の結果が“当たり”の場合(つまり、前述した普通図柄表示装置35(図3参照)において、表示用ランプが“○”で停止表示された場合)、始動口25に付設された羽根部材23の開放時間が通常モードよりも長く設定される。すなわち、時短モードとは、単位時間あたりにおける羽根部材(可動部材)23の開状態時間の総和が相対的に大きくなる遊技モードである。なお、かかる制御を、本実施形態では、「電チューサポート」と呼ぶ場合がある。
このように、「電チューサポート」が実行されると、始動口25に遊技球が入賞し易くなるので、単位時間当たりの大当り抽選回数が通常モードに比べて著しく増加し、かつ始動口25への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが少なく(所謂「球持ち」がよい状態となる)、遊技者にとって有利な状態といえる。
また、この時短モードは、当選した大当りに対応して、継続期間が定められる。15R通常大当り、10R通常大当り、7R通常大当り、5R通常大当り、3R通常大当りのうち何れかに当選した場合は、当該大当りに応じた大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数(例えば、50回又は100回)が継続期間として設定される。また、15R確変大当り、10R確変大当り、7R確変大当り、5R確変大当り、3R確変大当りのうち何れかに当選した場合の継続期間は、当該大当りに応じた大当り遊技終了後、実質的に次回の大当り遊技への当選が期待できる特別図柄の変動回数(例えば、10000回)に設定される。
以上説明したように、本実施形態においては、「通常モード」、「確変モード」、「通常モード+時短モード」及び「確変モード+時短モード」の4つの遊技モードの下で通常遊技が行われることになり、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化(つまり、大当りに当選して、当該大当りに対応する遊技価値が付与される等)に応じて遊技状態が変化してゆくことになる。
[メイン処理]
最初に、図6に示すように、メインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域の初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図8を用いて後述するが、メインCPU66は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置33に表示される特別図柄、及び液晶表示装置32に表示される装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。
そして、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。具体的には、メインCPU66は、球通過検出器54を遊技球が通過したことを条件として抽出される普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とに基づいて普通当り抽選を行い、この普通当り抽選の結果に基づいて、普通図柄表示装置35における普通図柄の変動表示パターンを選択する。そして、普通図柄表示装置35が当該変動表示パターンに従って変動表示した後に、当該普通図柄表示装置35に「普通当り図柄(例えば、”○”図柄)が表示された場合(すなわち、上記普通当り抽選が当りである場合)、メインCPU66は、羽根部材23の開放制御を行う。
次に、メインCPU66は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(ステップS14)。
このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12〜ステップS14の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図12を用いて説明する。
図7に示すように、最初に、メインCPU66は、大当り抽選用乱数値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。
さらに、この入力検出処理(ステップS22)において、メインCPU66は、始動口25への遊技球の入賞を検出すると、前記乱数更新処理(ステップS21)において更新された乱数値を読み出して、最大4個を保留個数の上限として、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ここでメインRAM70の所定の領域に記憶された始動口25への遊技球の入賞と乱数値は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図8参照)の大当り抽選処理(ステップS64)において参照されることとなる。
ステップS23においては、タイマ更新処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当り遊技が発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。そして、この処理が終了するとステップS24へ処理を移す。
ステップS24においては出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定の領域に記憶されている各種の出力要求に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する。すなわち、後述する各処理において、メインCPU66は、各種駆動遊技部材(パチンコ遊技機10の遊技領域15に配設されており、なおかつ遊技状態に応じて、その形態を変化させる遊技部材)に対する信号出力要求がメインRAM70の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する。例えば、始動口25に付設されている羽根部材23を開放又は閉鎖するための普通電動役物ソレノイド118、大入賞口39に付設されているシャッタ40を開放又は閉鎖するための大入賞口ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行なう。
さらに、この出力処理において、メインCPU66は、電飾ユニット53(図3参照)に設置されている各種表示器類(始動口25に対応した特別図柄表示装置33、普通図柄表示装置35、始動口25に対応した特別図柄保留表示装置33a〜33d、普通図柄保留表示装置35a〜35d)のそれぞれに対応した図柄の変動要求又は停止要求、或いはランプの点灯要求又は消灯要求がメインRAM70の所定の領域に記憶されていた場合は、それに対応した電飾ユニット53(図3参照)に設置されている各種表示器類の、図柄の変動又は停止、或いはランプの点灯又は消灯を制御する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンド信号を副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンド信号としては、例えば、液晶表示装置32に導出表示されるデモ表示コマンド、後述する特別図柄記憶チェック処理(図9)にてセットされた導出図柄指定コマンド等が含まれる。また、後述する特別図柄記憶チェック処理(図9)のステップS68にて、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄の態様や演出時間が決定された場合には、メインCPU66は、当該決定結果を示す変動パターン指定コマンドを生成して副制御回路200に供給する。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出処理を実行する。この賞球払出処理では、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、予め定められた数の賞球払出を行うための賞球制御コマンド信号を払出・発射制御回路126へ供給する。そして、この処理が終了すると本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
ここで、本実施形態においては、前記乱数更新処理(ステップS21)において所定の範囲(例えば1〜30000)内で更新された乱数値を、前記始動口25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、大当り抽選にかかる乱数値として用いるようにしている。しかし、乱数値の取得手段は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、専用の乱数発生器等を主制御回路60に備え、そこで所定の範囲(例えば1〜30000)内でランダムに更新される乱数値を、前記始動口25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、大当り抽選にかかる乱数値として用いるようにしてもよい。
[特別図柄制御処理]
図6のステップS12において実行される特別図柄制御処理について、図8を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、“大当り”の抽選、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36へ処理を移す。
ステップS36においては、メインCPU66は、特別図柄停止処理を行なう。この特別図柄停止処理では、メインCPU66は、始動口25に対応して変動表示中の特別図柄の変動停止要求を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、この処理でメインRAM70の所定の領域に記憶された特別図柄の変動停止要求は、前述したシステムタイマ割込処理の出力処理(図7、ステップS24)において電飾ユニット53(図3参照)へ出力され、始動口25に対応して変動表示中の特別図柄が変動停止される。また、これと同期して、変動表示中の装飾図柄が変動停止される。この処理が終了するとステップS37へ処理を移す。
そして、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当りか否かを判断し、大当りでなければステップS39に処理を移す。一方、大当りであった場合(特別図柄表示装置33における特別図柄、及び液晶表示装置32における装飾図柄が、特定の表示態様(大当り抽選に当選したことを示す表示態様)で停止表示された場合)、所定の遊技価値(当選した大当りの種類に対応する回数だけ大入賞口39が開放する遊技価値)を付与するためにステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして本サブルーチンを終了する。このような、メインCPU66は、液晶表示装置32の表示結果が所定の表示結果となる場合(例えば、大当り当選を示す表示態様となる場合)に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段の一例である。
例えば、遊技価値付与手段は、同一ライン(同一線)上に所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、(8)ライン上に「7」が3つ並んだ場合(図18(a)参照))には、3回のラウンド遊技を遊技価値として付与する。
この場合、装飾図柄を所定位置に並ばせて停止させることよって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
また、本発明によれば、遊技者は、オブジェクト401の所定面における同一線上に所定の装飾図柄が並ぶことを期待しながら遊技を行うようになる。これによれば、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることができる。
ステップS39においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず大入賞口39の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大入賞口開放タイマに大入賞口39の開放時間(例えば、30秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS49に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマがタイムアップされておらず、且つ大入賞口39に規定の個数の遊技球が入賞していなければ本サブルーチンを終了する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(3R通常大当り遊技もしくは3R確変大当り遊技では3回、5R通常大当り遊技もしくは5R確変大当り遊技では5回、7R通常大当り遊技もしくは7R確変大当り遊技では7回、10R通常大当り遊技もしくは10R確変大当り遊技では10回、15R通常大当り遊技もしくは15R確変大当り遊技では15回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS48で特別図柄制御フラグに大当り終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47において、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大入賞口39の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS49においては、遊技価値付与手段であるメインCPU66は、大当り終了処理を行う。大当り終了処理では、上記ステップS36にて、3R確変大当り、5R確変大当り、7R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当りのうち何れかに応じた特別図柄が停止表示された場合は、通常遊技を「確変モード+時短モード」とするとともに、時短モードの継続期間として、所定の特別図柄の変動回数(例えば、10000回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。また、大当り図柄が3R通常大当り、5R通常大当り、7R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当りのうち何れかである場合は、通常遊技を「通常モード+時短モード」とするとともに、所定の特別図柄の変動回数(例えば、100回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図9のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図9を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、始動口25に遊技球が入賞した場合に保留された特別図柄の保留個数が“0”であるか否かを判断し、特別図柄の保留個数が“0”の場合にはステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動要求がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、メインCPU66は、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当り抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、パチンコ遊技機10の現在の遊技モード(通常モード、確変モード)と、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当り抽選用乱数値と、前記選択された大当り抽選テーブル(図12参照)を参照し、大当りを抽選(15R確変大当り、15R通常大当り、10R確変大当り、10R通常大当り、7R確変大当り、7R通常大当り、5R確変大当り、5R通常大当り、3R確変大当り、3R通常大当り、又は“はずれ”のうちのいずれかを決定)する。例えば、メインCPU66は、確変モードのときにおいて、大当り抽選用乱数値が29001〜29031の範囲であった場合には、15R確変大当りを決定する。
ここで、本実施形態に係る大当り抽選テーブルについて説明する。図12に示すように、例えば、通常モードにおける大当り抽選テーブルと確変モードにおける大当り抽選テーブルでは、乱数値を1〜30000に設定した中で、大当りの抽選値は、通常モードでは「100/30000」に設定されているのに対し、確変モードでは「1000/30000」と設定されている。
すなわち、15R確変大当り、15R通常大当り、10R確変大当り、10R通常大当り、7R確変大当り、7R通常大当り、5R確変大当り、5R通常大当り、3R確変大当り、及び3R通常大当りの大当り抽選値の合計、つまり、大当りに当選する確率は、通常モードでは1/300であるのに対し、確変モードでは10/300(1/30)に設定されている。つまり、遊技モード(通常モードと確変モード)によって、大当りに当選する確率が異なっており、通常遊技が確変モードの下で行われている場合には、大当りに当選する確率は、通常モードよりも10倍向上することとなるので、確変モードは、遊技者にとって極めて有利な状態といえる。
図9に示す特別図柄記憶チェック処理の説明に戻る。
上述した大当り抽選テーブルを用いたステップS64の大当り抽選処理が終了すると、メインCPU66は処理をステップS65に移す。
ステップS65においては、メインCPU66は、大当りであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当り抽選処理における抽選結果が大当りであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当りでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
ステップS66においては、大当り図柄である特別図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当りの種類に対応して停止表示される特別図柄を決定する。本ステップにおいては、例えば、「15R確変大当り」に対する特別図柄としては“9”が決定され、「15R通常大当り」に対する特別図柄としては“8”が決定され、「10R確変大当り」に対する特別図柄としては“7”が決定され、「10R通常大当り」に対する特別図柄としては“6”が決定され、「7R確変大当り」に対する特別図柄としては“5”が決定され、「7R通常大当り」に対する特別図柄としては“4”が決定され、「5R確変大当り」に対する特別図柄としては“3”が決定され、「5R通常大当り」に対する特別図柄としては“2”が決定され、「3R確変大当り」に対する特別図柄としては“1”が決定され、「3R通常大当り」に対する特別図柄としては“0”が決定される。このように、それぞれの大当りに対応して停止表示される特別図柄は決定される。さらに、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当りの種類に対応する装飾図柄の停止態様をサブCPU(識別情報決定手段)206に決定させるために、ステップS64における大当り抽選結果を示す導出図柄指定コマンドを生成してメインRAM70の所定領域にセットする。
ここで、決定された特別図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、電飾ユニット53(図3参照)に設置されている始動口25に対応した特別図柄表示装置33において、大当りに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。本ステップの処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特別図柄(例えば、“−”)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、電飾ユニット53(図3参照)に設置されている始動口25に対応した特別図柄表示装置33において、はずれに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。さらに、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当り抽選の結果に対応する装飾図柄の停止態様をサブCPU(識別情報決定手段)206に決定させるために、ステップS64における大当り抽選結果を示す導出図柄指定コマンドを生成してメインRAM70の所定領域にセットする。
ステップS68においては、メインCPU66は、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄の移動演出の態様や、特別図柄や装飾図柄の変動表示時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66又はステップS67で記憶された”大当り”又は”はずれ”のデータ等に基づいて、装飾図柄の移動演出の態様や、特別図柄や装飾図柄の変動表示時間の決定処理を行う。
そしてステップS69又はステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータ、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間を決定し、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
ステップS70において、メインCPU66は、ステップS68の処理にて決定された特別図柄の変動表示時間を特別図柄変動タイマにセットする。
また、本ステップにおいて、メインCPU66は、遊技球が入賞した始動口25に対応した特別図柄表示装置33(図3参照)に対し、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶する。この処理によって、本ステップで特別図柄変動タイマにセットされた変動時間にあわせて、始動口25に対応した特別図柄表示装置33において特別図柄の変動表示が行なわれる。
なお、特別図柄表示装置33における特別図柄の変動表示は、ステップS70によって特別図柄変動タイマにセットされた変動表示時間の間、所定の変動表示パターンに基づいて行われる。セットされた変動表示時間が終了すると、変動表示される特別図柄は、ステップS66もしくはステップS67にて決定された特別図柄が表示された状態で停止する。
また、装飾図柄の変位(変動表示)は、ステップS70によって特別図柄変動タイマにセットされた変動表示時間の間、ステップS68にて決定された変動表示パターンに基づいて行われる。変動表示時間が終了すると、サブCPU(識別情報決定手段)206により決定された表示態様が表示された状態で停止する。
ステップS71において、メインCPU66は、今回の特別図柄記憶チェック処理に用いられた乱数値などを、所定の記憶領域から消去する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図10を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。詳しくは図11を用いて後述するが、サブCPU206は、コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66から送られてきた各種コマンド(例えば、導出図柄指定コマンド等)を解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、後述するコマンド解析処理(図11)においてセットした演出データを確認し、当該セットされた演出データに基づいて表示制御処理を実行する。
例えば、識別情報表示制御手段であるサブCPU206は、ステップS203−4(図11)において装飾図柄の変動表示パターンに対応する演出データがセットされた場合、サブCPU206は、オブジェクト401及びそのオブジェクト401の位置を示すデータや、視点位置選択手段により選択される視点位置(例えば、視点位置P)および視点方向を示すデータなど、演出を示す演出データを表示制御回路250に供給することにより、表示制御回路250に対して、オブジェクト401と視点位置Pとの位置関係に基づいた立体画像を生成させ、当該生成させた立体画像を液晶表示装置32に表示させる。これにより、視点位置Pから見たオブジェクト401が液晶表示装置32に表示されることとなる。そして、次にサブCPU206は、ステップS203−4(図11)にてセットされた演出データに含まれる態様に従った装飾図柄の変位(変動表示)を行うように、VDP305aに指示するためのデータを経時的に変化させる。VDP305aが所定時間ごとに送信される上記指示を実行することにより、液晶表示装置32において、オブジェクト401に配置された装飾図柄が、変動表示時間の間、セットされた演出データに応じて変位する(例えば、同一線上に位置する装飾図柄が一括して変位する)。上記変動表示が終了した後は、後述するステップS203−7(図11)にて決定された停止態様が停止表示される。
また、上述した表示制御回路250は、オブジェクト401と視点位置Pとの位置関係に基づいて、立体画像を生成し、液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。つまり、表示制御回路250は、仮想空間内に配置されると決定されたオブジェクト401と、視点位置Pとの仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置から見た立体画像を生成し、その生成される立体画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。なお、本実施形態において、このような表示制御回路250は、画像生成手段、画像表示制御手段の一例に相当する。
ステップS205において、サブCPU206は、音声制御処理を実行する。
具体的には、音声制御処理においてサブCPU206は、コマンド解析処理(図11)でセットした演出データに、音声に関する演出データが含まれているか否かを確認する。確認の結果、音声に関する演出データが含まれている場合には、当該演出データ(以下、「音声演出データ」という)を音声制御回路230に送る。音声制御回路230は、音声演出データに基づいて、スピーカ46R,46Lに、例えば、所定の遊技状態を遊技者に報知するための音信号を出力させる。この処理が終了した場合には、ステップS206に処理を移す。
ステップS206において、サブCPU206は、ランプ制御処理を実行する。
具体的には、ランプ制御処理においてサブCPU206は、コマンド解析処理(図11)でセットした演出データに、ランプやLEDに関する演出データが含まれているか否かを確認する。確認の結果、ランプやLEDに関する演出データが含まれている場合には、当該演出データ(以下、「ランプ演出データ」という)をランプ制御回路240に送る。ランプ制御回路240は、ランプ演出データに基づいて、装飾ランプ133に、例えば、所定の点灯・消灯パターンに従った点灯・消灯を行わせる。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202〜ステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図10のコマンド解析処理について図11を用いて説明する。
最初に、図11に示すように、サブCPU206は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS203−1)。この処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出す(ステップS203−2)。これ以降の処理については以下に詳しく説明する。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
受信コマンドがあると判別した場合には、サブCPU206は、読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS203−3)。サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、読み出した変動パターン指定コマンドに対応する演出データをワークRAM210の作業領域にセットする。これにより、表示制御処理(図10)にて、変動パターン指定コマンドに対応する装飾図柄の変位(変動表示)が行われた後に、後述するステップS203−6にて決定された態様が停止表示される。
一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、読み出したコマンドデータに基づいて、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS203−5)。サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信した導出図柄指定コマンドに基づいて、大当り抽選結果を示す停止態様を決定する(ステップS203−6)。
例えば、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が3R確変大当りもしくは3R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のライン(図13)のうち何れか一つのライン上に同一の数字が3つ揃う停止態様(例えば、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(a)))を決定する。
また、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が5R確変大当りもしくは5R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のラインのうち何れか二つのライン上に同一の数字が3つ揃う停止態様(例えば、(4)、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(b)))を決定する。
また、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が7R確変大当りもしくは7R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のラインのうち何れか三つのライン上に同一の数字が3つ揃う停止態様(例えば、(2)、(4)、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(c)))を決定する。
また、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が10R確変大当りもしくは10R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のラインのうち何れか四つのライン上に同一の数字が3つ揃う停止態様(例えば、(2)、(4)、(6)、(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(d)))を決定する。
また、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が15R確変大当りもしくは15R通常大当りであった場合には、(1)〜(8)のライン全てに同一の数字が3つ揃う停止態様(例えば、(1)〜(8)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図18(e)))を決定する。
さらに、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果がはずれであった場合には、(1)〜(8)のライン全てにおいて、同一の数字が3つ揃わない停止態様を決定する。
また、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が確変大当り(すなわち、15R確変大当り、10R確変大当り、7R確変大当り、5R確変大当り、3R確変大当りのうち何れか)であった場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が終了した後に、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか二つの行(例えば、ホ行及びヘ行)を3コマずつ横一列に立体回転させる旨を決定する。
これによれば、確変大当りに当選した場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が終了した後に、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか二つの行(例えば、ホ行及びヘ行)が3コマずつ横一列に立体回転し、その後、本ステップにて決定された停止態様が停止表示される。
例えば、3R確変大当りに当選した場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が行われ(例えば、図17(a)〜(e)に示すように、イ行、ロ行及びハ行が縦一列に立体回転した後に、イ行、ロ行、ハ行の順に停止表示する変位が行われる)た後に、ホ行及びヘ行が3コマずつ横一列に立体回転し、その後、本ステップにて決定された停止態様(例えば、(1)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図17(g)))が停止表示される。
さらに、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドの示す大当りの抽選結果が通常大当り(すなわち、15R通常大当り、10R通常大当り、7R通常大当り、5R通常大当り、3R通常大当りのうち何れか)であった場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が終了した後に、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか一つの行(例えば、ヘ行)を3コマずつ横一列に立体回転させる旨を決定する。
これによれば、通常大当りに当選した場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が終了した後に、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか一つの行(例えば、ヘ行)が3コマずつ横一列に立体回転し、その後、本ステップにて決定された停止態様が停止表示される。
例えば、3R通常大当りに当選した場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が行われ(例えば、図16(a)〜(e)に示すように、イ行、ロ行及びハ行が縦一列に立体回転した後に、イ行、ロ行、ハ行の順に停止表示する変位が行われる)た後に、ヘ行が3コマずつ横一列に立体回転し、その後、本ステップにて決定された停止態様(例えば、(1)のラインに「7」が3つ揃う停止態様(図16(g)))が停止表示される。
ここで、例えば、遊技価値付与手段であるメインCPU66は、装飾図柄が3R確変大当りに応じて変位した後に当該大当りに応じた態様で停止表示した場合(図17(f)、(g)参照)には、当該3R確変大当りに応じて、3回のラウンド遊技及び「確変モード+時短モード」を、遊技価値として付与し、また、装飾図柄が3R通常大当りに応じて変位した後に当該大当りに応じた態様で停止表示した場合(図16(f)、(g)参照)には、メインCPU66は、当該3R通常大当りに応じて、3回のラウンド遊技及び「通常モード+時短モード」を、遊技価値として付与する。
このような遊技価値付与手段は、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか二つの行の装飾図柄が最後に停止表示された場合(例えば、ホ行及びヘ行の装飾図柄が最後に停止表示した場合(図17(f),(g)参照))には、確変モード及び時短モードを遊技価値として付与し、また、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか一つの行の装飾図柄が最後に停止表示された場合(例えば、ヘ行の装飾図柄が最後に停止表示した場合(図16(f),(g)参照))には、通常モード及び時短モードを遊技価値として付与している。このように、遊技価値付与手段は、最後まで変位していた装飾図柄の停止位置(例えば、最後まで変位していた装飾図柄の停止位置が、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか一つの行のみであるか、もしくは何れか二つの行であるか)に応じて、付与する遊技価値を異ならせている。
この場合、最後まで変位していた装飾図柄の停止位置によって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、ヘ行の装飾図柄(オブジェクト401における視点位置Pとの対向面に位置する装飾図柄、当該対向面とは反対側の面に位置する装飾図柄、オブジェクト401の側面に位置する装飾図柄のうち、ヘ行の装飾図柄は12個である)が最後まで変位していた場合には、遊技価値付与手段により通常モード及び時短モードが遊技価値として付与され、ホ行及びヘ行の装飾図柄(オブジェクト401における視点位置Pとの対向面に位置する装飾図柄、当該対向面とは反対側の面に位置する装飾図柄、オブジェクト401の側面に位置する装飾図柄のうち、ホ行及びヘ行の装飾図柄は24個である)が最後まで変位していた場合には、遊技価値付与手段により確変モード及び時短モードが遊技価値として付与される。
つまり、本実施の形態によれば、最後まで変位していた装飾図柄が12個である場合と24個である場合とで、遊技価値付与手段により付与される遊技価値が異なるようになる。
このように、最後まで変位していた装飾図柄の数(もしくはラインの数)に応じて、付与される遊技価値が異なる本実施の形態によれば、最後まで変位していた装飾図柄の数(ラインの数)によって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
また、遊技価値付与手段であるメインCPU66は、装飾図柄の変位が終了して停止表示されたときにおいて何れか一つのラインに所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、図18(a)に示すように、(8)のライン上に「7」が3つ並んだ場合)には遊技価値として3回のラウンド遊技を付与し、装飾図柄の変位が終了して停止表示されたときにおいて何れか二つのラインに所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、図18(b)に示すように(4)、(8)のライン上に「7」が3つ並んだ場合)には遊技価値として5回のラウンド遊技を付与し、装飾図柄の変位が終了して停止表示されたときにおいて何れか三つのラインに所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、図18(c)に示すように(2)、(4)、(8)のライン上に「7」が3つ並んだ場合)には遊技価値として7回のラウンド遊技を付与し、装飾図柄の変位が終了して停止表示されたときにおいて何れか四つのラインに所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、図18(d)に示すように(2)、(4)、(6)、(8)のライン上に「7」が3つ並んだ場合)には遊技価値として10回のラウンド遊技を付与し、装飾図柄の変位が終了して停止表示されたときにおいて全てのラインに所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、図18(e)に示すように(1)〜(8)のライン全てに「7」が3つ並んだ場合)には遊技価値として15回のラウンド遊技を付与している。
つまり、本実施の形態における遊技価値付与手段は、所定の装飾図柄が並んだライン(線)の数に応じて、付与する遊技価値を異ならせている。
この場合、所定の装飾図柄が並んだラインの数によって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができる。
さらに、装飾図柄の変位の態様、及び当該装飾図柄の変位が終了したときにおける当該装飾図柄の表示態様に応じて、遊技価値付与手段により付与される遊技価値が異なる本実施の形態によれば、三次元的に表現された装飾図柄の動きに対して、遊技価値付与手段により付与される遊技価値を報知するという意味合いを持たせることができるので、当該装飾図柄に対する遊技者の注目度を高めることができ、遊技意欲を持続させることが可能となる。
ステップS203−7において、サブCPU206は、ステップS203−6にて決定した回転態様に対応する演出データ、及び停止態様に対応する演出データをそれぞれワークRAM210の作業領域にセットする。この場合、表示制御処理(図10)にて、変動パターン指定コマンドに対応する装飾図柄の変位が行われた後に、当該装飾図柄が、上記ステップS203−6にて決定された回転態様に応じて回転し、その後、同ステップにて決定された停止態様にて停止表示される。
これによれば、確変大当りに当選した場合には、装飾図柄の変動パターン指定コマンドに対応する変位が終了した後に、ニ行、ホ行、ヘ行のうち何れか二つの行(例えば、ホ行及びヘ行)が3コマずつ横一列に立体回転し、その後、上記ステップS203−6にて決定された停止態様が停止表示される。
また、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(ステップS203−8)、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これは本発明を具体的に例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。
例えば、本実施の形態において、視点位置選択手段であるサブCPU206は、視点位置として視点位置P(図14)を選択していたが、これに限られず、他の位置を視点位置として選択するようになっていてもよい。また、視点位置選択手段により選択される視点位置は、遊技状態によって異なるようになっていてもよいし、所定の抽選によって決定されるようになっていてもよい。さらに、視点位置選択手段により選択される視点位置は、時間の経過に応じて変化するようになっていてもよい。
また、本実施の形態においては、オブジェクト401のうち、視点位置Pとの対向面に位置する装飾図柄の停止態様に応じた遊技価値が、遊技価値付与手段により付与されるようになっていたが、これに限られず、当該対向面とは異なる面に位置する装飾図柄の停止態様に応じた遊技価値が、遊技価値付与手段により付与されるようになっていてもよい。
例えば、遊技価値付与手段は、視点位置Pとの対向面とは反対側の面(以下、当該面を「面B」という(図19(a)参照))において、同一線上に同一の装飾図柄が3つ揃った場合(例えば、図19(a)に示すように8つの線上に「7」が3つ揃った場合)には、当該停止態様に応じた大当り遊技(例えば、ラウンド遊技が15回行われる大当り遊技)を付与するようになっていてもよい。なお、図19においては、視点位置Pとの対向面に配置される装飾図柄及び面B以外に配置される装飾図柄以外の装飾図柄を省略している。
また、表示制御回路250は、視点位置Pとの対向面以外の面において、同一線上に同一の装飾図柄が3つ揃った場合には、当該面を、視点位置Pと対向する位置に移動させる制御を行うようになっていてもよい。
この場合、例えば面Bにおいて、同一線上に同一の装飾図柄が3つ揃った場合(例えば、図19(a)に示すように8つの線上に「7」が3つ揃った場合)には、オブジェクト401が矢印C方向に半回転することによって、当該面Bが視点位置Pと対向する位置に移動する。
これによれば、液晶表示装置32では、視点位置Pとの対向面が表示されている画像(図20(a))が、面Bに切り替わるようになり(図20(b))、より多彩な演出を実現することが可能となる。
尚、本実施形態においては、主制御回路と副制御回路との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路と主制御回路とをワンボードに構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、液晶表示装置32付きのパチンコ遊技機10を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称されるパチンコ遊技機、権利モノと称されるパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
尚、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチスロ遊技機やゲーム機など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。
以上説明したように、本実施のサブCPU(画像生成手段)206は、仮想空間Z内に位置するオブジェクト(多面体)401と、視点位置選択手段によって選択された視点位置Pとの仮想空間Z内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置Pからオブジェクト(多面体)401を見た立体画像を生成し、画像表示制御手段であるサブCPU206は、画像生成手段によって生成される立体画像を液晶表示装置(画像表示手段)32に表示させる制御を行う。
これによれば、装飾図柄(識別情報)を立体画像で表すことができるので、当該装飾図柄が平面画像で表されていた場合に比べて、装飾図柄の変位の態様に迫力を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、本発明によれば、装飾図柄の変位の態様、及び当該装飾図柄の変位が終了したときにおける当該装飾図柄の表示態様に応じて、メインCPU(遊技価値付与手段)66により付与される遊技価値が異なるようになっている。
この場合、三次元的に表現された装飾図柄の動きに対して、遊技価値付与手段により付与される遊技価値を報知するという意味合いを持たせることができるので、当該装飾図柄に対する遊技者の注目度を高めることができ、遊技意欲を持続させることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、オブジェクト(多面体)401における所定面(例えば、視点位置Pとの対向面)において、同一線(同一ライン)上に所定の装飾図柄が並んだ場合(例えば、「7」が3つ並んだ場合)に、所定の遊技価値が付与される。
この場合、装飾図柄を所定位置に並ばせて停止させることよって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
また、本発明によれば、遊技者は、所定面における同一線上に所定の装飾図柄が並ぶことを期待しながら遊技を行うようになる。これによれば、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることができる。
また、本実施の形態によれば、同一線(同一ライン)上に位置する装飾図柄が一括して変位するようになる。つまり、同一線上に位置する装飾図柄の動きがそれぞれ相互に関連するようになる。これによれば、装飾図柄を規則性を保ちつつ変位させることができ、当該装飾図柄の動きによって遊技機の演出効果をより高めることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、最後まで変位していた装飾図柄の停止位置に応じて、付与される遊技価値が異なるようになる。
この場合、最後まで変位していた装飾図柄の停止位置によって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、最後まで変位していた装飾図柄の数に応じて、付与される遊技価値が異なるようになる。
この場合、最後まで変位していた装飾図柄の数によって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、所定の装飾図柄が並んだ線(ライン)の数に応じて、付与される遊技価値が異なるようになる。
この場合、所定の装飾図柄が並んだ線の数によって、付与される遊技価値を報知することができるようになるので、装飾図柄に対する遊技者の注目度をより高めることができ、遊技意欲をより持続させることが可能となる。
また、本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。