JP5340196B2 - 送信ウェイト決定方法 - Google Patents

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本発明は、複数の送信アンテナを用いて無線通信を行う無線通信方法に係り、特に、マルチユーザMISO(Multiple Input Single Output)ダウンリンクにおける線形プリコーディングの改良を図った送信ウェイト決定方法に関する。
マルチユーザMISOダウンリンクにおける線形プリコーディングは、主に3つの方法に分類できる。一番目の方法としては、希望信号の電力の最大伝送を行なう方法であり、TxMFと表現される。Txは送信、MFはマッチドフィルタを意味している。二番目の方法としては、干渉信号を最小にする方法であり、TxZFと表現され、ZF(Zero FoRCIng)規範である。三番目の方法としては、前記二つの方法の中間の方法であり、TxWFと表現され、平均自乗誤差を最小化するMMSE(Minimum Mean Square Error)規範である。WFはウィナーフィルタを意味している。SNR(Signal to Noise Ratio)が小さいときは、雑音が大きいため、干渉信号が多少大きくなっても希望信号を大きくすることが得策なので、TxMFがTxZFより良い特性を示す。一方、SNRが大きくなると、雑音が小さくなるため、雑音よりも干渉が支配的になり、TxZFにより干渉を存在しなくする方がTxMFより良い特性を示す。しかし、TxMFもTxZFも、共にトレードオフの関係に有り、干渉と雑音のバランスが偏っている。一方、TxWFはMSE(mean squared error)を最小化する方法であり、雑音と干渉のバランスを最適にする方法であるので、全てのSNR領域において優れた特性を示す。マルチユーザMISOダウンリンクにおけるZF法(TxZF)の代表方法は、CI(Channel Inversion)法である
。一方、TxWF(MMSE基準)の良く知られた方法としては、RCIRegularized Channel Inversion)法(非特許文献1参照)が知られている。
従来方法である上記のTxMF、TxZF、TxWFの線形プリコーディングは、生BER(Bit Error Rate)を最適化(最小化)する規範ではなく、それぞれ、希望信号の最大伝送、干渉信号の完全除去、MSE(SINR)の最小化規範であり、希望信号と判定座標軸の間の距離を最小化できていない。ここで、生BERとは、ECC補正の適用前に示されるBERを指している。
希望信号と判定座標軸の間の最小距離を最大化するためには、全てのストリームの状態を考慮に入れて総当り的に、最適解を見つけなければならない。しかしながら、例え、変調方法としてBPSK(Binary Phase Shift Keying)が用いられる場合であっても、総ストリーム数が10である場合は、総当り数が2の十乗となり、1024の総当り数が必要である。瞬時毎のチャネル行列とストリームの乗算を求める必要があるため、乗算の数は1024×100=102400となり、現実には実装することがほぼ不可能である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、従来の手法に比べて、少ない演算量で、良好なBER特性を得ることができる線形プリコーディングを実現する送信ウェイト決定方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、前記基地局の制御部が最初に設定する送信ウェイトを求める際、 前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記基地局の制御部は、収容ユーザ数が2の場合、最初に設定する送信ウェイトを最大比合成法送信ウェイトにして、その送信ウェイトを用いて送信した場合に、希望信号の受信電力が等しくなるように正規化することを特徴とする。
請求項に記載された発明は、基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、前記基地局の制御部が最初に設定する送信ウェイトを求める際、 前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記基地局の制御部は、収容ユーザ数が2より大きな偶数である場合、偶数ユーザを、複数ペアに分割し、ペア以外のユーザにヌルを向けるウェイトを求め、該ウェイトで送信した時のペアのチャネルを求め、そのチャネルに対して、請求項の方法で収容ユーザ数を2として送信ウェイトを求めて、該送信ウェイトをペア以外のユーザにヌルを向けるウェイトに乗算して送信ウェイトを決定することを特徴とする。
請求項に記載された発明は、基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、前記基地局の制御部が最初に設定する送信ウェイトを求める際、 前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記基地局の制御部は、収容ユーザが2より大きな奇数である場合、偶数ユーザの複数ペアに対しては、請求項の方法で収容ユーザ数が2より大きな偶数であるとして送信ウエイトを求め、残った一つのユーザは、他のユーザにヌルを向ける送信ウェイトを求めることを特徴とする。
請求項に記載された発明は、請求項2または請求項3に記載の送信ウェイト決定方法において、前記複数ペアを作る際、相関の高いユーザをペアリングすることを特徴とする。
請求項に記載された発明は、請求項2から請求項のうちいずれか一項に記載の送信ウェイト決定方法において、前記ヌルを向ける部分を、所定範囲内の漏洩は許容するようにして、送信ウェイトを決定することを特徴とする。
請求項に記載された発明は、基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、前記基地局の制御部が最初に設定する送信ウェイトを求める際、 前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記制御部が前記端末局の全体のチャネル行列の行ベクトルの内積を正規化した空間相関値により、前記端末局A1との空間相関値が高い順に優先順序を設定し、処理初期端末局の信号が漏洩することを許容する端末局B1を、前記端末局A1に対して前記優先順序に従い選択し、前記制御部が前記端末局A1および前記端末局B1以外の全端末局のアンテナを考慮して、前記SINR基準の送信ウェイトを算出し、前記制御部が前記端末局A1に対応する送信ウェイトを前記端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記制御部が前記端末局A1を端末局群Gの一要素に追加し、以下、前記端末局B1を前記処理初期端末局として同様な処理を行い、上記の処理において、漏洩を許容する端末局がすでに前記端末局群Gに含まれる場合、空間相関値の前記優先順序の一段階低い端末局を漏洩を許容する端末局として選択することを特徴とする。
請求項に記載された発明は、基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、前記基地局の制御部が最初に設定する送信ウェイトを求める際、 前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記制御部が空間相関値基準に従い、前記端末局のなかから前記端末局A1を任意に選択し、当該端末局A1の信号が漏洩することを許容する単数もしくは複数の端末局から構成される端末局群BG1を選択し、前記制御部が前記端末局A1および前記端末局群BG1以外の全端末局を考慮して、前記SINR基準の送信ウェイトを算出し、前記制御部が前記端末局A1に対応する送信ウェイトを、当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、前記制御部が前記端末局A1を端末局群Gの一要素に追加し、次に、前記制御部が前記端末局群BG1に含まれる一の端末局B1の信号が漏洩することを許容する単数もしくは複数の端末局による端末局群BG2を選択し、前記一の端末局B1を前記処理初期端末局として同様の処理を行い、以下、上記処理を繰り返し、上記処理において、漏洩を許容する端末局が前記端末局群Gに含まれるならば、当該端末局に対して漏洩を許容せず、漏洩を許容する候補の全端末局がすでに前記端末局群Gに含まれるならば前記処理初期端末局以外の全ての端末局を考慮に入れて前記SINR基準の送信ウェイトを算出して処理初期端末局に対応する送信ウェイトを、当該処理初期端末局の送信ウェイトとして用いることを特徴とする。
以上説明したように、この発明によれば、少ない演算量で、良好なBER特性を得ることができ、これにより、雑音及び干渉への耐性を高めることができる効果がある。
本発明の実施形態による方法を説明するための図である。 本発明の実施形態の無線通信方法を用いる無線通信システムのシステム構成を示す模式図である。 図2の基地局APの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態による方法を説明するための図である。 本発明の実施形態による方法の効果を説明するための図である。 同実施形態による方法を説明するための図である。 同実施形態による方法の効果を説明するための図である。 MRC送信ビームを適用した後の各ユーザのコンスタレーションを表す図である。 本実施形態について説明するための模式図である。 本実施形態について説明するための特性を表す図である。 本実施形態について説明するための特性を表す図である。
以下、本発明の一実施形態による無線通信方法を図面を参照して説明する。
以下の説明では、マルチユーザMISOの開発技術の具体的方法を説明する。本方法の特徴は、最初にある送信ウェイト(オリジナルの送信ウェイト)を設定して、仮想的に(計算上だけで)チャネルを通過させ、受信信号の中の希望信号と干渉信号を仮想的に(計算上だけで)個別に求め、干渉信号の位相を回転させることによりオリジナルの送信ウェイトを修正し、最小距離最大化規範で準最適化する方法におけるオリジナルの送信ウェイトを工夫した点にある。
本提案方法を実現するためには、二つの主な方法の組み合わせをする必要がある。一つの方法は、変調方式がBPSKの場合、支配的な干渉ストリームを位相回転して希望ストリームと直交するようにして送信することにより最小距離最大化規範の点で準最適化を行なう方法である。この方法を仮に方法Aと名づける。方法Aが良好なBER特性を示すのは、あるスレッショルドを超える支配的な干渉ストリーム数が一つの場合、当該支配的な干渉ストリームのみを位相回転することにより、最小距離をかなりの程度、最大化させることが出来るからである。他方の方法Bは、変調方法としてBPSKを用いる場合、方法Aの干渉を位相回転させれば、その干渉の大きさは幾ら大きくても良好なBER特性を示すことに着目した方法である。方法Bは、予めオリジナルの送信ウェイトを、あるユーザのアンテナに対しては任意の干渉を許容(ユーザ間における信号の漏洩を許容)するように形成することにより、オリジナルの送信ウェイトを求める際の制約条件を緩め、希望ビームの電力を大きくすることが出来るため、雑音及び干渉に対する耐性を高め、BER特性を良好に出来るのである。方法Bが、本提案方法の核である。
以下に方法Aの基本原理を、図1を用いて説明する。図1(a)は、ある送信ウェイトを適用した後のユーザのコンスタレーションを示している。一般的に、希望信号と干渉信号のコンスタレーション距離が近い場合にはBERが悪化するという課題がある。ここで、コンスタレーション(constellation)とは、信号点配置を意味し、信号点の振幅と位相の状態をIQ平面上に表したものである。IQ平面は、同相成分(=I;In-phase)を横軸、直交成分(=Q;Quadrature-Phase)を縦軸とする平面であり、コンスタレーション距離はこのIQ平面上における信号点間距離を意味する。
以下の説明において、変調方式としてBPSKを用い、K(ユーザ数)=3の場合を図示している。本実施形態における提案方法は、図1(b)のように、“支配的”な干渉ユーザに対応する送信ウェイトを回転するように送信ウェイトを修正することを特徴とする。提案方法を用いると、修正後のコンスタレーション距離、すなわち最小信号点距離(Minimum distance)は最初のコンスタレーション距離に比べて大きくなる。そのため、誤り率特性が改善されることが期待できる。BPSKの場合には、送信ウェイトを制御して希望信号に直交するように送信ウェイトを回転させ。すなわち“支配的”干渉ユーザの干渉信号に対する送信ウェイトを回転させると良い。
以上の記述は、定性的な図を用いた説明であったが、以下、式を用いて詳細に説明する。マルチユーザMISOのダウンリンクモデルは、M本の送信アンテナと、一本の受信アンテナを有するKユーザから構成される。本実施形態においては、図2に示すように、最もプリコーディングのアルゴリズムの影響を受け易いK=Mの場合を考慮する。ユーザ1からユーザKまでの端末局それぞれがアンテナANT2を1本ずつ有し、基地局APがアンテナANT1をM本有している。
図3は、図2に示す基地局APの構成の一例を示すブロック図である。図3の基地局APは、4本の送受信アンテナANT1を備えている。基地局APは、情報源11と、変調部12と、4個のスイッチ13と、4個の乗算器14と、4個のスイッチ15と、チャネル推定部16と、ウェイト生成部17と、回転行列生成部18とを備えて構成されている。基地局APにおける送信時において、図示していない外部の装置から入力された信号などに基づき、情報源11で生成した4系統の信号に基づいて変調部12で変調信号を生成する。次に、4個のスイッチ13を閉じ、変調部12から出力された変調信号に対して、乗算器14によって、ウェイト生成部17で生成された送信ウェイトを乗算する(すなわち線形処理する)ことで、プリコーディングが行われる。そして、プリコーディング処理がなされた変調信号が、アンテナANT1から送信される。上述したウェイト生成部17と、回転行列生成部18とが、送信ウェイトの生成と修正とを行うウェイト制御部として動作する。
したがって、ウェイト生成部17が方法Bにより送信ウェイトを算出した後に、回転行列生成部18が後述する方法Aによる送信ウェイトの修正を行う。
他方、受信時には、4個のスイッチ15が閉じられて、アンテナANT1で受信された信号がチャネル推定部16へ入力される。チャネル推定部16は、受信信号に基づいてチャネル行列を推定してウェイト生成部17と回転行列生成部18へチャネル行列ほかの情報を出力する。
回転行列生成部18は、受信信号のコンスタレーションなどから変調方式に応じてRCI法による送信ウェイトを修正するための回転行列を生成する。ウェイト生成部17は、RCI法に基づいて線形プリコーディングで用いられる送信ウェイトを生成するとともに、回転行列生成部18から入力された回転行列を用いて生成した送信ウェイトを修正する。この修正された送信ウェイトが乗算器14へと出力される。
上記の構成において、変調部12は例えば複数のサブキャリアを用いたOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)方式による変調信号を生成するが、各サブキャリアに対しては例えば送受信間のチャネルの状態に対応させて4本の送信ストリーム毎に変調方式を複数種類に切り替えながら変調処理が行われる。複数種類の変調方式としては、例えばBPSK、QPSK、16QAM、64QAMなどを用いることができる。
受信信号yは、
y=HWs+n
と表される。ここで、Hはチャネル行列、Wは送信ウェイト、sは希望信号、nは雑音信号ベクトルを表している。Hの各要素は、平均=0、分散=1の複素正規分布である。瞬間の送信電力を一定にするために、||Ws||=1と正規化される。そしてE||nnH||2=σIである。送信電力対雑音電力(PT/N)はρ=1/σとなる。オリジナルウェイトとして、従来のRCI法の送信ウェイトを用いた場合を一例として記載する。但し、本提案方法の真髄はオリジナルウェイトの作成方法にあるので、以下の説明は方法Aの理解を深めるための一例に過ぎない。従来のRCIは以下の式で示される。
Figure 0005340196
(1)
方法Aの一例では、ウェイト生成部17がRCIでSINR(Single to Interference and Noise Ratio;信号対干渉雑音比)を最大化する送信ウェイトを求める。その後、回転行列生成部18が上記送信ウェイトを修正する回転対角行列Rを後述するように生成し、ウェイト生成部17が回転対角行列Rを用いて上記送信ウェイトを修正して、最小信号点距離を最大化するように干渉信号のコンスタレーションの位相を回転させる。式で表現すると、以下の式となる。
Figure 0005340196
(2)
この時、受信信号・復号ストリーム信号
Figure 0005340196
は以下の式で表される。
Figure 0005340196
(3)
以下に、回転行列生成部18が行う送信ウェイトを修正する回転行列Rを求める処理全体のアルゴリズムを詳述する。アルゴリズムのフローチャートは図4に示されている。グラフの頂点集合(ユーザに対応)Vから無向グラフG:=(F,V,E)を逐次作成する。ここでEは、エッジ集合(”支配的”干渉関係に対応)を表している。最初の状態では、エッジ集合Eは空集合であり、Eの元の両端頂点a1,a2から構成されるエッジ(a1,a2)を要素とする集合Fも空集合である。最初の状態から逐次的に無向グラフを形成する。最初に、回転行列生成部18は、各ユーザを、“一番支配的”な干渉電力成分の希望信号電力に対する比が大きい順にソートして、オーダーリングされ、order(i)という関数が作成される。以下、本オーダーに従い以下の過程が実行される。回転行列生成部18は、最初にi=1とする(ステップS0)。頂点集合S(i)は、最初の状態では空集合である。 iは、優先順位の順番を表している。次に、回転行列生成部18は、希望ユーザk=order(i)に対する干渉の相対値比が一番大きい“一番支配的”な干渉ユーザpとして(ステップS2)、両端頂点(k,p)をエッジe1とする(ステップS3)。
そして、回転行列生成部18は、pを集合S(i)の一要素に含める(ステップS3)。このとき、回転行列生成部18は、集合S(i)の元aと、集合S(i)には属さない頂点bから構成されるエッジ(a,b)が集合Fに含まれているかいなかを判定し(ステップS4)、エッジ(a,b)が集合Fに含まれている場合に頂点bを集合S(i)に加える(ステップS5)。また、回転行列生成部18は、S(i)にkが含まれているか否かを判定し(ステップS6)、S(i)にkが含まれている場合にS(i)を空集合に設定し(ステップS7)、iをi+1にインクリメントして(ステップS10)、ステップS1に処理を戻す。一方、回転行列生成部18は、S(i)にkが含まれているか否かを判定し(ステップS6)、S(i)にkが含まれていない場合にステップS4に処理を戻す。なお、回転行列生成部18は、ステップS4において集合S(i)の元aの全てに対して、集合S(i)には属さず(a,b)が集合Fに含まれるような頂点bが存在しない場合、ステップS8に移行し、Sの要素ユーザに対して、以下の回転行列の更新式を実行する(ステップS8)。
Figure 0005340196
(4)
そして、回転行列生成部18は、ステップS3で定義したエッジe1をエッジ集合Eの一要素に含める(ステップS9)とともに、エッジ(k,p)を集合Fに含める。次に、回転行列生成部18は、i=i+1(iにi+1を代入)し(ステップS10)、処理をステップS1に戻し、この動作過程i=K+1になるまで繰り返す(ステップS11)。
以上が方法Aの実現手順であるが、以下に方法Bの実現手順を示す。方法Bを実現する具体的方法として以下に二つの例を記す。
一番目の例は、請求項7に対応しており、後述する二番目の例は請求項8に対応している。
まず、初めに最初に請求項2に対応している一番目の具体的実現例について説明する。
以下の処理については、ウェイト生成部17が行う。
ウェイト生成部17は、ユーザ全体から、任意の1つのユーザを処理初期ユーザとして最初に選択する。本具体的実現例において、ウェイト生成部17は、上記処理初期ユーザとの空間相関値が大きい順番に他のユーザが順位付けし、優先順位の高い順番に漏洩許容ユーザを選択する(すなわち、漏洩許容ユーザの候補の選択を行う)。
そして、ウェイト生成部17は、順次、矢印によりユーザ間を結び、連鎖関係を示すグラフ(図5)を生成する。このグラフは、グラフ理論のグラフ(有向グラフ)に対応してユーザをノードとし、優先順位の高い順に矢印にてノードの繋がり、すなわち連鎖関係を示すものである。
ここで、本実施形態において、空間相関値とは、MISOにおいて、全体のチャネル行列Hの行ベクトルの内積を正規化した値と定義する。
また、上述した連鎖関係のグラフの生成において、ウェイト生成部17は、優先順位が最も高いユーザが、既に漏洩許容ユーザとして選ばれたユーザ(すでに連鎖を構成するユーザ)に一致する場合、すなわち、ユーザ間の連鎖関係を表すグラフの中でループ(ユーザがグループ内にて矢印先及び矢印元の双方となる状態)が発生する場合、優先順位を一段階低くして、漏洩許容ユーザを選択する。すなわち、ウェイト生成部17は、漏洩許容ユーザを追加することによりループが発生した場合、この漏洩許容ユーザをグループに追加しない。すなわち、ウェイト生成部17は、連鎖関係において矢印元と矢印先となっているループの元となるユーザから見て、最も優先順位の高いユーザに代え、次に優先順位の高い(一段低い)ユーザを新たな矢印元のユーザを漏洩許容ユーザの候補として選択し、上述した連鎖関係の形成を行う。この場合、ウェイト生成部17は、上記次に優先順位の高いユーザを矢印元とする。また、ウェイト生成部17は、代えられた次に優先順位の高いユーザの送信ウェイトを、全てのユーザのアンテナを考慮して計算し、得られた送信ウェイト行列において、最も優先順位の高かったユーザに対応する列ベクトルを用いる。
ここで、矢印元とは矢印が他のユーザに対して矢印が向いているユーザを示し、矢印先とは矢印が他のユーザから向けられているユーザを示している。
ここで、ループとは、あらたに連鎖関係に加えられる漏洩許容ユーザが、すでに属するグループに属するユーザと一致することである。グループとは、あるユーザと漏洩許容ユーザの関係を関係Aと表して、関係Aで連鎖しているユーザ群のことである。以上の操作によりユーザの連鎖関係が生じる。
つまり、ウェイト生成部17は、ユーザと漏洩許容ユーザとの関係を求める操作を逐次的に繰り返して、ユーザのチェーン(連鎖関係)を作成するのである。図5に、このユーザの連鎖関係の概念図を示す。
そして、ウェイト生成部17は、ユーザの上記連鎖関係を用いて、処理初期ユーザと漏洩許容ユーザとを除外した他のユーザのアンテナを考慮してMMSE(SINR)規範の送信ウェイト行列を求め、処理初期ユーザに対応する送信ウェイト列ベクトルを処理初期ユーザの送信ウェイト列ベクトルとして用いる。以上の操作により、連鎖関係の最後のユーザを除いて全てのユーザの送信ウェイト列ベクトルが求まる。また、ウェイト生成部17は、連鎖関係の最後のユーザに対して、処理初期ユーザ以外の全てのユーザを考慮してMMSE規範の送信ウェイト行列を求め、処理初期ユーザに対応する送信ウェイト列ベク
トルを処理初期ユーザの送信ウェイト列ベクトルとして用いる。
本発明をシミュレーション上で実装し、BER特性を取得した。図6は、その結果である。CIはChannel Inversionを表し、RCIはRegularized Channel Inversionを表し、RCI−PRはオリジナルの送信ウェイトウェイトにRCIを用いた場合、SDA−PRは、本提案方法で作成したオリジナルの送信ウェイトを用いた場合である。SDA−PRが、良好な特性を示しているのが分かる。
次に方法Bを実現する請求項8に対応する具体例を説明する。以下の処理については、方法Aと同様にウェイト生成部17が行う。本方法において、ウェイト生成部17は、最初に、全てのユーザのなかから、他のユーザとの間の空間相関が最大であるユーザを選択する。例えば、MISOにおいて、ウェイト生成部17は、全体のチャネル行列Hにおける他のユーザに対応する行ベクトルとの内積が最大である行ベクトルに対応するユーザを、処理初期ユーザとして選択する。
次に、ウェイト生成部17は、逐次的にユーザを選択し、処理初期ユーザとの空間相関が大きな単数もしくは複数ユーザを漏洩許容ユーザとする。
このとき、ウェイト生成部17は、追加する漏洩許容ユーザの全てにおいてループが発生する場合、処理初期ユーザの送信ウェイトを、全てのユーザを考慮に入れてMMSE規範のRCI送信ウェイトを作成する。ここで、ループとは漏洩許容ユーザが、処理初期ユーザが属するグループに属するユーザに一致することである。ここで、グループとは、あるユーザと漏洩許容ユーザの関係を関係Aと表して、この関係Aで連鎖しているユーザ群のことである。
以上の動作を、図7を用いて説明する。図7は本発明の提案方法を説明する図である。
まず(a)は、最大空間相関関係Aを示す図である。以下の説明において、ユーザは各端末局を示している。ステップ1ではウェイト生成部17がユーザ1を選択して(処理初期ユーザとして選択し)、また、ユーザ1との空間相関が最大であるユーザ2,3が選択される。そして、ウェイト生成部17は、ユーザ2,3を端末局群の連鎖に追加することによりループは出来ないことを検出し、ユーザ2及び3を漏洩許容ユーザとし、漏洩許容ユーザ2,3を除外した全てのユーザのアンテナを考慮に入れてMMSE規範に従いRCI送信ウェイトを算出して作成する。そして、ウェイト生成部17は、ユーザ1に対応する送信ウェイトをユーザ1の送信ウェイト(RCI送信ウェイト行列における列ベクトル)として用いる。次に、ウェイト生成部17は、ユーザ2を選択すると、ユーザ2から発している矢印が存在しないため、漏洩許容ユーザは存在しないことを検出する。この検出により、ウェイト生成部17は、結果的に全ユーザを考慮に入れてRCI送信ウェイトをMMSE規範に従いにより算出して形成し、ユーザ2に対応する送信ウェイトをユーザ2の送信ウェイト(RCI送信ウェイト行列における列ベクトル)として用いる。
次に、ウェイト生成部17は、ユーザ3を選択した(処理初期ユーザとして選択し)場合、ステップ2において、ユーザ3との空間相関が最大であり、ユーザ3の矢印の先がユーザ4であるため、ユーザ4を除外した全てのユーザを考慮に入れてRCI送信ウェイト(すなわち、送信ウェイト行列)を算出して求める。そして、ウェイト生成部17は、算出された送信ウェイト行列におけるユーザ3に対応する送信ウェイトをユーザ3の送信ウェイトとして用いる。
ユーザ3の送信ウェイトが求まると、次に、ウェイト生成部17は、ユーザ4を漏洩許容ユーザの候補として選択する。ここで、ユーザ4の関係Aの矢印の先は、ユーザ1であるので、ループが発生する。
ループが発生したことを検出すると、ウェイト生成部17は、ループが発生したユーザ4の送信ウェイトは全てのユーザを考慮に入れて送信ウェイト行列を算出し、この送信ウェイト行列においてユーザ4に対応する送信ウェイトのユーザ4に対応する列ベクトルをユーザ4の送信ウェイトとする。
次に、ウェイト生成部17は、ユーザ5を選択する。ここで、ウェイト生成部17は、ユーザ5の矢印先は存在しないことから、漏洩許容ユーザが存在しないことを検出する。これにより、ウェイト生成部17は、矢印元も存在しないことから、ユーザ5がユーザ1から始まったグループ1とは孤立していることを検出する。そして、ウェイト生成部17は、グループ1のユーザ1が処理初期ユーザであり、他のユーザの漏洩許容ユーザではないことを検出する。
上述した検索結果から、ウェイト生成部17は、ユーザ5の漏洩許容ユーザとしてユーザ1を選択し、ユーザ5の送信ウェイトを形成するときの制約条件を緩めることとする。
以上で、ウェイト生成部17は、全てのユーザの送信ウェイトを求めたこととなる。図7に最終状態が示されている。ユーザ1,3,5が漏洩許容ユーザを有しているので、制約条件の緩いRCI法で形成された送信ウェイト行列の列ベクトル(送信ウェイト)であり、ユーザ2,4が全てのユーザを考慮に入れたRCI法で形成された送信ウェイト行列の列ベクトル(送信ウェイト)である。
本方法をシミュレーション上で実装し、BER特性を取得した。図8は、その結果である。CIはChannel Inversionを表し、RCIはRegularized Channel Inversionを表し、RCI−PRはオリジナルの送信ウェイトにRCIを用いた場合、SDA−PRは、本提案方法で作成したオリジナルの送信ウェイトを用いた場合である。SDA−PRが、良好な特性を示しているのが分かる。
以上詳述したように、本実施形態による方法は、マルチユーザMISOにおける干渉の位相回転による最小距離最大化規範の送信ビームフォーミングにおいて、変調方式としてBPSKを用いる場合、位相回転させる干渉は、幾ら大きくても良いことに着目して、全てのユーザを考慮することなく、処理初期ユーザとの空間相関が最大であるユーザは除外してRCI法の送信ビームフォーミングを行ない、処理初期ユーザに対応するRCI送信ウェイト行列の列ベクトルを処理初期ユーザの送信ウェイトとして用いる。これにより、雑音及び干渉への耐性を高める効果を有する。
次に、請求項2のユーザ数が2の場合のウェイト決定法について記載する。なお、本発明の請求項は、初期送信ウェイトの決定法について述べているが、このセクションでは、位相回転まで含めた送信ウェイト決定法について具体的な説明を行う。
まず、初期送信ウェイトとして、ユーザに対して最大比合成(MRC:Maximal Ratio Combining)の送信ビーム形成を行う。MRC送信ビームは、希望ユーザに対して最大電力伝送が可能である。しかしながら、他のユーザ(対となるユーザ)に対して希望信号が漏洩し、他のユーザにとっては干渉信号となる。MRC送信ビームを適用した後の各ユーザのコンスタレーションが図9の(a)に示されている。提案法では、送信信号の変調方式をASK(Amplitude Shift Keying)にする。図9(a)からわかるように希望信号に対して干渉信号が重畳している。その時、干渉信号の変調方式はASKであるので、希望信号が同じの場合の干渉信号のコンスタレーション上での信号点は、一直線上に並んでいる。この干渉信号点が構成している線分と、希望信号が構成している線分は、ある角度をもっている。ユーザ1、2の角度をθ1、θ2とすると、θ1=−θ2の関係がある。この事実は以下の式変形から明らかである。
Figure 0005340196
以上のことより、ユーザ2の干渉信号(ユーザ1の信号)の位相を−θ2+π/2回転させると、ユーザ2に関しては、ユーザ1の希望信号の構成する線分は、ユーザ1の干渉信号の構成する線分と直交し、判定軸(y軸)の距離は、干渉がない時と同じとなり、干渉信号の影響を完全に除去できることがわかる。同時に、ユーザ1の希望信号の構成する線分は、ユーザ1の干渉信号の構成する線分と直交する。なぜなら−θ2+π/2=θ1+π/2であるからである。以上のことからユーザ1に関しても干渉信号の影響を完全に除去できる(図9(b))。
ところで、M本のアンテナを有するAPが、最初にMRC送信ビーム形成を行っているので、送信ダイバーシチゲインがMとなる。以上のことから、提案法は優れたBER特性を示す。ただし、送信ウエイトは、チャネルを通過した後の希望信号電力が等しくなるように正規化される。
次に請求項3の収容ユーザ数が2より大きな偶数である場合の提案法についての具体的方法について述べる。ユーザ集合を複数のペアに分割し、各ペア
Figure 0005340196
に対して、他のユーザに対してはヌルを向けるようなビームを形成する送信ウェイトV(0)を決定し、その送信ウェイトにチャネル
Figure 0005340196
を乗算した仮想チャネルHからから請求項2の送信ウェイトW
を計算し、他のユーザに対してはヌルを向けるようなビームを形成する送信ウェイトV(0)に当該送信ウェイトWを乗算するというものである。式で表すと以下のようになる。
最初にペア
Figure 0005340196
のチャネル行ベクトルを除いたチャネル行列を
Figure 0005340196
とする。
Figure 0005340196
(5)
次に
Figure 0005340196
を特異値(SVD)分解し、固有値がゼロに対応する右特異値行列をV(0)とする。
Figure 0005340196
(6)
この右特異値行列V(0)は、各ペア
Figure 0005340196
に対して、他のユーザに対してはヌルを向けるようなビームを形成する送信ウェイトである。次に、この右特異値行列V(0)をユーザペアのチャネル行列
Figure 0005340196
に乗算して仮想チャネルHを形成する。
Figure 0005340196
(7)
仮想チャネルHから請求項2と同じ方法で、送信ウェイトWを計算する。
Figure 0005340196
(8)
ここで、
Figure 0005340196
は行列
Figure 0005340196
の(1,1)成分を表している。Wは、基本的にMRC送信ウェイトであり、希望受信電力で正規化している。回転行列Rは、以下の式であらわされる。
Figure 0005340196
(9)
Figure 0005340196
は、複素数
Figure 0005340196
の複素平面上での角度を表している。
最後に、他のユーザに対してはヌルを向けるようなビームを形成する送信ウェイトV(0)に当該送信ウェイトWを乗算して、全ユーザペアに対して、送信ウェイトWを計算し、全体の送信ウェイトWを求める。
Figure 0005340196
(10)
請求項3において、ペアを生成するとき、相関の強いユーザをペアにすることが請求項5で記述されている。模式図が図10に示されている。相関の強いユーザがペアになっているので、ペア同士の相関は弱い。そのため、ペア以外の他のユーザに対してヌルを向けるとき、制約条件が弱まり、ヌルを向ける送信ウェイトを用いても電力損を少なくすることができる。ユーザ数が4であるときで、チャネルがi.i.d.の時のBER特性を、常にマルチユーザMIMOを行う従来方式と比較すると、図11、図12に示すような特性となる。
図11、図12は、BPSK・QPSKの場合をそれぞれ表している。なお、図11において、ZF規範というのは、完全なヌルを向ける方法であり、MMSE規範というのは、請求項6の少量の漏洩を許容する場合を表している。
請求項2は、収容ユーザ数が2の場合の提案法である。収容ユーザが2ユーザの場合、APがM本のアンテナを有しているとすると、従来方法では、ダイバーシチオーダーはM−1である。しかしながら、提案法では、各ユーザにMRC送信ビーム形成を行っても、ASKの持っている信号のコンスタレーションの1次元(虚数次元)を用いて干渉の影響が完全に除去できるため、ダイバーシチオーダーはMである。そのためBER特性を改善できる効果を有する。
請求項3、請求項4は、収容ユーザ数が2より大きい数の場合の提案法である。収容ユーザ数が2より大きい数の場合で、APのアンテナ本数と一本のアンテナを具備するユーザの数がAPのアンテナ数と同じ場合、複数ペアを生成して、ペア以外のユーザにヌルを向けるような送信ウェイトを求める。この段階で、2以上の自由度が残されているが、収容ユーザが2ユーザの場合と同じ手法を用いて、送信ウェイトを求めれば、ダイバーシチオーダーは2である。そのため、合成ウェイトを用いれば、2以上のダイバーシチオーダーが期待できる。そのためBER特性を改善できる効果を有する。ペア以外のユーザにヌルを向けるような送信ウェイトを求める段階で、2以上の自由度が残されているのは、相関の高いユーザをペアにしているため、ペア以外の他のユーザへの相関は低いため、ペア以外の他のユーザへのヌル生成によるSNRロスは、比較的少なく、実質的にダイバーシチオーダーが2より大きくなるからである。
請求項4は、収容ユーザ数が2より大きな奇数である場合の提案法である。相関の強いユーザをペアにして、請求項3、請求項5の送信ウェイトを生成し、残った一つのユーザに対しては、他のユーザに対してヌルを向けるように送信ウェイトを決定する。残った一つのユーザは他のユーザに対して相関が低い確率が高いので、ヌルを向ける送信ウェイトを用いても電力損を少なくすることができる。
請求項6は、他のユーザに対してヌルを生成するのではなく、所定範囲内の漏洩を許容するものである。所定範囲内の漏洩を許容することにより、制約条件が弱まり、より強い電力で希望信号のビームを生成できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ペアユーザにMRC送信ビーム形成を行っても、ASKの持っている信号のコンスタレーションの1次元(虚数次元)を用いて干渉の影響が完全に除去できるため、送信アンテナ数が2の場合、2のダイバーシチオーダーが得られる。さらにユーザ数が2より大きな偶数である場合、もしくは5以上の奇数ユーザ数の場合、相関の高いユーザをペアにしているため、ペア以外の他のユーザへの相関は低いため、ペア以外の他のユーザへのヌル生成によるSNRロスは少なく、ダイバーシチオーダーが2より大きくなるようにすることができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
AP 基地局
TM 端末局
ANT1、ANT2 アンテナ
11 情報源
12 変調部
13 スイッチ
14 乗算器
15 スイッチ
16 チャネル推定部
17 ウェイト生成部
18 回転行列生成部

Claims (7)

  1. 基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、
    前記基地局の制御部が
    最初に設定する送信ウェイトを求める際、前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、
    前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記基地局の制御部は、収容ユーザ数が2の場合、
    最初に設定する送信ウェイトを最大比合成法送信ウェイトにして、その送信ウェイトを用いて送信した場合に、希望信号の受信電力が等しくなるように正規化する
    とを特徴とする送信ウェイト決定方法。
  2. 基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、
    前記基地局の制御部が
    最初に設定する送信ウェイトを求める際、前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、
    前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記基地局の制御部は、収容ユーザ数が2より大きな偶数である場合、偶数ユーザを、複数ペアに分割し、ペア以外のユーザにヌルを向けるウェイトを求め、該ウェイトで送信した時のペアのチャネルを求め、そのチャネルに対して、請求項1の方法で収容ユーザ数を2として送信ウェイトを求めて、該送信ウェイトをペア以外のユーザにヌルを向けるウェイトに乗算して送信ウェイトを決定する
    とを特徴とする送信ウェイト決定方法。
  3. 基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、
    前記基地局の制御部が
    最初に設定する送信ウェイトを求める際、前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、
    前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記基地局の制御部は、収容ユーザが2より大きな奇数である場合、偶数ユーザの複数ペアに対しては、請求項2の方法で収容ユーザ数が2より大きな偶数であるとして送信ウェイトを求め、残った一つのユーザは、他のユーザにヌルを向ける送信ウェイトを求める
    とを特徴とする送信ウェイト決定方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の送信ウェイト決定方法において、
    前記複数ペアを作る際、相関の高いユーザをペアリングすることを特徴とする送信ウェイト決定方法。
  5. 請求項から請求項のうちいずれか一項に記載の送信ウェイト決定方法において、
    前記ヌルを向ける部分を、所定範囲内の漏洩は許容するようにして、送信ウェイトを決定することを特徴とする送信ウェイト決定方法。
  6. 基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、
    前記基地局の制御部が
    最初に設定する送信ウェイトを求める際、前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、
    前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記制御部が前記端末局の全体のチャネル行列の行ベクトルの内積を正規化した空間相関値により、前記端末局A1との空間相関値が高い順に優先順序を設定し、処理初期端末局の信号が漏洩することを許容する端末局B1を、前記端末局A1に対して前記優先順序に従い選択し、
    前記制御部が前記端末局A1および前記端末局B1以外の全端末局のアンテナを考慮して、前記SINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記制御部が前記端末局A1に対応する送信ウェイトを前記端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記制御部が前記端末局A1を端末局群Gの一要素に追加し、
    以下、前記端末局B1を前記処理初期端末局として同様な処理を行い、
    上記の処理において、漏洩を許容する候補としての端末局がすでに前記端末局群Gに含まれる場合、空間相関値の前記優先順序の一段階低い端末局を漏洩を許容する端末局として選択する
    とを特徴とする送信ウェイト決定方法。
  7. 基地局の複数のアンテナによって送信された信号を、端末局が単一のアンテナによって受信する無線通信に用いられ、送信時に、送信ウェイトを適用した場合の支配的干渉波の位相回転により線形プリコーディングの送信ウェイトを修正し、信号点間距離を最大化する規範によってビットエラーレート特性を改善する送信ウェイト決定方法において、
    前記基地局の制御部が
    最初に設定する送信ウェイトを求める際、前記端末局のなかから処理初期端末局として端末局A1を任意に設定し、当該端末局A1からの干渉を許容する単数もしくは複数の漏洩許容端末局である端末局B1を設定し、
    前記端末局A1及び前記端末局B1以外の端末局のアンテナを考慮して、平均自乗誤差を最小化するSINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記端末局A1に対応する送信ウェイトを当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記制御部が空間相関値基準に従い、前記端末局のなかから前記端末局A1を任意に選択し、当該端末局A1の信号が漏洩することを許容する単数もしくは複数の端末局から構成される端末局群BG1を選択し、
    前記制御部が前記端末局A1および前記端末局群BG1以外の全端末局を考慮して、前記SINR基準の送信ウェイトを算出し、
    前記制御部が前記端末局A1に対応する送信ウェイトを、当該端末局A1の送信ウェイトとして用い、
    前記制御部が前記端末局A1を端末局群Gの一要素に追加し、
    次に、前記制御部が前記端末局群BG1に含まれる一の端末局B1の信号が漏洩することを許容する単数もしくは複数の端末局による端末局群BG2を選択し、
    前記一の端末局B1を前記処理初期端末局として同様の処理を行い、
    以下、上記処理を繰り返し、
    上記処理において、漏洩を許容する候補としての端末局が前記端末局群Gに含まれるならば、前記処理初期端末局以外の全ての端末局を考慮に入れて前記SINR基準の送信ウェイトを算出して処理初期端末局に対応する送信ウェイトを、当該処理初期端末局の送信ウェイトとして用いる
    とを特徴とする送信ウェイト決定方法。
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