JP5339579B2 - 硫酸基を付与したアンモニア吸着用の天然ゼオライトとその製造方法 - Google Patents

硫酸基を付与したアンモニア吸着用の天然ゼオライトとその製造方法 Download PDF

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本発明は、気体のアンモニア吸着機能の維持と吸着力(吸着速度)及び吸着容量を付与したゼオライト及びその製造方法に関する。
微量のアンモニアの存在は人に対して臭いと刺激、不快感を与え、長時間に渡る暴露は健康被害も考えられる。また、人への影響だけではなく、半導体産業においてもアンモニアの存在はCPU(中央演算処理装置)等の製造工程で問題になっている。
生活環境の空気中に存在するアンモニアの除去を対象とした吸着剤で液体や固体が考えられている。大量にアンモニアが発生する施設では、一般的に、アンモニアが水に良く溶ける性質を利用し、そのまま水に吸収させるか、酸性の水に吸収する方法をとっている。水に溶けたアンモニアはアンモニウムイオンとなり、これをさらにイオン交換体でイオン交換しアンモニアを除去している。微量にアンモニアが発生する場所での除去は水等の液体への吸着では装置が大がかりになり、実用的ではない。このため、そのような装置の開発例は見あたらない。他方、固体によるアンモニアの吸着除去は活性炭やゼオライトで行われているが、アンモニアだけを選択的に吸着除去するのではないため、吸着機能の持続は難しいし、吸着力、吸着容量は十分でない。
アンモニアの発生する施設での臭気化合物は、気体で存在しており、低濃度でも不快感を与える。気体のアンモニアの除去技術は液に吸収させる方法が主流で、直接気体のアンモニアを選択的に除去する吸着材は限られている。アンモニアを選択的に除去する可能性がある吸着剤としては特定の構造のゼオライトが挙げられるが、吸着力と吸着容量が必ずしも十分でない。また、それら臭気化合物の除去にゼオライトがこの用途に使われていない。ほかにも吸着剤として活性炭もこの用途として考えられるが、ベンゼンやメルカプタン等の有機化合物、アンモニアや窒素酸化物等の無機化合物も吸着するが、アンモニアに対しての選択吸着性は無い。
気体のアンモニアを選択的に吸着するゼオライトを選び、ゼオライトのアンモニア吸着機能を維持させながら、さらに吸着力を上げ、吸着容量を増やす。そのために、ゼオライトの表面をアンモニアと結合しやすいリン酸や硫酸などの化合物で、表面修飾を行い、リン酸基や硫酸基化する。これにより、ゼオライトの細孔と硫酸基の双方によるアンモニアの吸着が行われ、吸着力の向上と吸着容量の増加が行われる。こうした新たなアンモニア吸着剤をフィルターに担持することにより、直接、気体のアンモニアを吸着除去する安価な材料を供給できる。
具体的には、ゼオライトの孤立表面水酸基と硫酸を反応させ1水素硫酸基として表面修飾させた吸着機能を有する材料の製造工程において、珪素とアルミニウムが含まれるクリノプチロライトを主成分とする天然ゼオライト、シャバサイトを主成分とする天然ゼオライト、または、モルデナイトを主成分とする天然ゼオライトを使用し、その天然ゼオライトに対して硫酸水溶液で表面修飾を行う際の硫酸濃度を、0.05重量パーセントから35重量パーセント(好ましくは5重量パーセントから20重量パーセント)とし、表面修飾反応で処理する温度を、160℃から300℃(好ましくは230℃から250℃)とすることを特徴とする硫酸基を付与したアンモニア吸着用天然ゼオライトの製造方法である。
前記天然ゼオライトは、好ましくは、アンモニア分子が入る大きさの細孔を有するもので、細孔の大きさが0.3〜0.7nm(3〜7オングストローム)、好ましくは0.3〜0.5nm(3〜5オングストローム)であるものとする。
また、気体状のアンモニアを吸着処理するための材料であって、珪素とアルミニウムが含まれるクリノプチロライトを主成分とする天然ゼオライト、シャバサイトを主成分とする天然ゼオライト、または、モルデナイトを主成分とする天然ゼオライトを使用し、その天然ゼオライトを1水素硫酸基で表面修飾してなることを特徴とする、硫酸基を付与したアンモニア吸着用天然ゼオライトである。
天然ゼオライトとしては、アンモニア分子が入る大きさの細孔を有するもので、細孔の大きさが0.3〜0.7nm(3〜7オングストローム)、好ましくは0.3〜0.5nm(3〜5オングストローム)であるものを使用するのが好ましい。
更に、上記の硫酸基を付与したアンモニア吸着用天然ゼオライトを、PVA(ポリビニールアルコール)などのバインダーを用いてフィルターに担持したことを特徴とする気体状アンモニア吸着剤である
本発明によれば、アンモニアの吸着性能に優れ、且ついったんゼオライトに組み込まれたアンモニア(NH)は脱着せず、吸着力が強く、吸着容量の大きい、安価な吸着用材料の供給が出来る。
使用する天然ゼオライトとしてはアンモニア分子が入る大きさの細孔を有するものが好ましく、その細孔は0.3〜0.7nm(3〜7オングストローム)、好ましくは0.3〜0.5nm(3〜5オングストローム)とするのが好ましい。その天然ゼオライトの孤立表面水酸基と硫酸を反応させ1水素硫酸基として表面修飾させて、アンモニア吸着用天然ゼオライトを得る。表面水酸基は赤外スペクトルで確認される3700cm−1から3500cm−1の範囲にある中心が3627cm−1付近のピークである。硫酸と反応することでピークは減少する。天然ゼオライトとしては、珪素やアルミニウム含まれているものが好ましい。これに最も適する材料として挙げられるのはクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトである。そのほかにはシャバサイトを主成分とした天然ゼオライトが挙げられる。クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトよりは性能が落ちるが、モルデナイトを主成分とした天然ゼオライトでも可能である。

図11にモルデナイト構造モデルを示し、図12にアンモニア分子のHOMO軌道(上)とVDWの円で囲った分子構造図(下)示した。
次に、アンモニアVDWの分子径と各種ゼオライトの細孔径を表1に示した。
Figure 0005339579
前記の如く、アンモニアの吸着処理性と各種ゼオライトの細孔径との関連性が認められる。
こうして作製された1水素硫酸基として表面修飾されたクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトは吸着量がもとのクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの3倍以上で吸着力は2倍を持つものである。モルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの吸着量はクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの半分程度である。モルデナイトを主成分とした天然ゼオライトでも無処理での材料の倍の吸着量は示している。
本発明により得られる硫酸基を付与したアンモニア吸着用の天然ゼオライトをまとめてみると下記記載の如くなる。
(1)0.05重量パーセントから35重量パーセントの硫酸水溶液により処理したクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライト。
(2)クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの水酸基と硫酸が反応し1水素硫酸基で修飾したアンモニア吸着剤。
(3)0.05重量パーセントから35重量パーセントの硫酸水溶液により処理したシャバサイトを主成分とした天然ゼオライト。
(4)シャバサイトを主成分とした天然ゼオライトの水酸基と硫酸が反応し1水素硫酸基で修飾したアンモニア吸着剤。
(5)0.05重量パーセントから35重量パーセントの硫酸水溶液により処理したモルデナイトを主成分とした天然ゼオライト。
(6)モルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの水酸基と硫酸が反応し1水素硫酸基で修飾したアンモニア吸着剤。
(7)モルデナイトやクリノプチロライト等を含有する天然ゼオライトでその細孔部と表面修飾された1水素硫酸基によりアンモニア吸着の特性を有する吸着剤。
(8)上記天然ゼオライト材料をPVA等をバインダーとしてフィルターに担持したアンモニア吸着剤。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を説明する。
実施例1は、クリノプチロライトならびにモルデナイトを主成分とした天然ゼオライトを使用したものを示します。
0.05重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の0.05重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の一定温度とした電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。反応に要する時間は8時間程度である。この試料を試料名:Cln_S1と表記する。
0.5重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾のクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の0.5重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、250℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。反応に要する時間は8時間程度である。この試料を試料名:Cln_S2と表記する。
5重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の5重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、250℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Cln_S3と表記する。
20重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の20重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Cln_S4と表記する。
35重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の35重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Cln_S5と表記する。
0.05重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾のモルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、モルデナイトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の0.05重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉にいれ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Mor_S1と表記する。
0.5重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾のモルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、モルデナイトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の0.5重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Mor_S2と表記する。
5重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾のモルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、モルデナイトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の5重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Mor_S3と表記する。
20重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾モルデナイトを主成分とした天然ゼオライト作製方法はモルデナイトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の20重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉に入れ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Mor_S4と表記する。
35重量パーセントの硫酸水溶液による1水素硫酸基表面修飾のモルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの作製方法は、モルデナイトを主成分とした天然ゼオライト、粒度100μm〜200μmを100部に対し、100部の35重量パーセントの硫酸水溶液を加え、良くかき混ぜる。この状態で静置後、230℃の電気炉にいれ、水を蒸発させ、濃縮された硫酸と天然ゼオライト中に含まれる珪素あるいはアルミニウムの水酸基との縮合反応により天然ゼオライト表面に1水素硫酸基を修飾する。この試料を試料名:Mor_S5と表記する。
実施例1から実施例10までの試料を用いて、ゼオライト表面の1水素硫酸基の確認方法とその結果を示します。
クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの表面に1水素硫酸基を修飾した状態の確認をFTIR(フーリエ変換赤外分光法)にて行った(図1、図2)。測定は試料の一定量、約10mgを臭化カリウム約500mgとよく混ぜ粉末を拡散反射測定で測定した。試料は無処理の試料のCln_S0と硫酸処理した試料のCln_S2〜Cln_S5を対象にした。作製試料のCln_S1と無処理の試料Cln_S0と測定スペクトルの差はほとんど見られなかった。クリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの赤外スペクトルは3800cm−1から2842cm−1の範囲に表面水酸基と吸着された水のピークが、1735cm−1から1554cm−1の範囲に変角振動による吸着された水分子のピークが、1376cm−1から862cm−1からの範囲に珪素と酸素の結合とアルミニウムと酸素の結合による伸縮振動によるピークが、852cm−1から500cm−1の範囲には珪素と酸素の結合やアルミニウムと酸素による変角振動が観測されている。図1はCln_S2とCln_S3の赤外スペクトルはCln_S0のクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの無処理の試料の1066cm−1のピーク高さに揃えた。
図2のスペクトルは硫酸と反応したクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトで硫酸濃度が増すにつれ3623cm−1を中心とするピークは減少を示している。このとき、孤立水酸基に吸着している水はこの基が無くなることで吸着している水も無くなるが、これは1635cm−1のピークの減少に現れている。図3に硫酸修飾したCln_S3、Cln_S4およびCln_S5赤外スペクトルから硫酸処理していないもとの天然ゼオライトのクリノプチロライト赤外スペクトルを引き算した差赤外スペクトルを示す。図3より、1水素硫酸基を修飾した状態は1300cm−1から800cm−1の範囲に吸収が現れていることで確認できる。実際、1200cm−1から1000cm−1と1000cm−1から900cm−1の範囲に硫酸基による吸収が観測され、同時に1水素硫酸基の水酸基に水が吸着した状態のピークが3500cm−1から2700cm−1も観測されている(図3)。モルデナイト系天然ゼオライトについてもクリノプチロライト系天然ゼオライトと同様であった(図4,図5)。クリノプチロライトとモルデナイトでは結晶構造が異なるため1300cm−1〜400cm−1の範囲で異なるスペクトルが観測された。
作製したクリノプチロライトならびにモルデナイトを主成分とした天然ゼオライトの表面を1水素硫酸基で修飾した試料のアンモニア吸着実験は以下のように行った。
密封した約10リットルの内容積のデシケータに10cmの直径のガラス製シャーレに濾紙を敷き、ここに約20ppmのアンモニア水を10マイクロリットル滴下し、デシケータ内のアンモニア濃度が均一となるまで放置し、その後、アンモニア用の検知管によりアンモニア濃度を測定した。1回の測定に100mlを採取し、その時、中が負圧にならないように乾燥空気を同量加えた。初めに、デシケータの密閉性とアンモニアの容器壁の吸着による濃度低下が無いかの確認を行い、濃度の低下はほとんど無いことを確認した(図6)。これらゼオライトの試料の量は100mgと1gを用い、アンモニアを投入後に吸収をするように容器内に蓋をした状態にし、アンモニアがデシケータ内で十分拡散したあとに、アンモニアに接触を行った。図7には、種々の硫酸濃度で表面改質したクリノプチロライト系天然ゼオライトのアンモニア吸着特性(アンモニア初期濃度:20〜25ppm)が示されている。図8にはモルデナイト系天然ゼオライト及び硫酸基化天然ゼオライトのアンモニア吸着特性、図9には不織布に担持した天然ゼオライト及び硫酸基化天然ゼオライトのアンモニア吸着特性が示されている。図10には不織布に担持した天然ゼオライト及び硫酸基化天然ゼオライトの相対アンモニア吸着特性が示されている。
まとめてみると、天然ゼオライトのクリノプチロライトの硫酸修飾した試料は、硫酸濃度の上昇にともないアンモニアの吸着速度が増すことが得られた。その結果を[表2]に示す。アンモニアの吸着速度は吸着開始から20分までの観測データにより求めた。その速度は、無処理の試料に対して、硫酸濃度20重量%で処理したCln_S4では1.7倍、硫酸濃度35重量%で処理したCln_S5では2.1倍に、フィルターに担持することにより硫酸濃度5重量%で処理したCln_S3(F)では2.9倍である。
また、天然ゼオライトのモルデナイトの硫酸修飾した試料は、クリノプチロライトと同様に硫酸濃度の上昇にともないアンモニアの吸着速度が増すことが得られた。その結果を[表3]に示す。その速度は、硫酸濃度20重量%で処理したMor_S4では1.9倍、硫酸濃度35重量%で処理したMor_S5では3.7倍である。
このように、天然ゼオライトの表面を硫酸基化することで吸着量だけでなく吸着速度を増すことができる。
Figure 0005339579
Figure 0005339579
本発明での、硫酸基を付与して天然ゼオライトのアンモニア吸着能を向上させる技術手段は、他の触媒材料などの触媒能の向上をはじめ、各種材料の表面化修飾の技術手段としての利用が考えられる。
硫酸処理したクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの赤外スペクトル(1) 硫酸処理したクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの赤外スペクトル(2) 硫酸処理したクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの差赤外スペクトル 硫酸処理したモルでナイトを主成分とした天然ゼオライトの赤外スペクトル 硫酸処理したクリノプチロライトを主成分とした天然ゼオライトの差赤外スペクトル 天然ゼオライトのアンモニア吸着特性(Cln:クリノプチロライト、Mor:モルデナイト) 種々の硫酸濃度で表面改質したクリノプチロライト系天然ゼオライトのアンモニア吸着特性(アンモニア初期濃度:20〜25ppm) モルデナイト系天然ゼオライト及び硫酸基化天然ゼオライトのアンモニア吸着特性 不織布に担持した天然ゼオライト及び硫酸基化天然ゼオライトのアンモニア吸着特性 不織布に担持した天然ゼオライト及び硫酸基化天然ゼオライトの相対アンモニア吸着特性 モルデナイト構造モデル(引用文献:Chem3D Ultra量子化学計算ソフト中のゼオライト構造モデル) アンモニア分子HOMO軌道(上)とVDWの円で囲った分子構造図(下)(理論計算結果)

Claims (9)

  1. クリノプチロライトを主成分とする天然ゼオライト、または、シャバサイトを主成分とする天然ゼオライト、または、モルデナイトを主成分とする天然ゼオライトと、濃度が0.05重量パーセントから35重量パーセントまでの硫酸水溶液とを、160℃から300℃までの温度で反応させ、もって前記天然ゼオライトに1水素硫酸基を表面修飾させることを特徴とする、硫酸基を付与した気体状アンモニア吸着用天然ゼオライトの製造方法。
  2. 前記硫酸水溶液の濃度が、5重量パーセントから20重量パーセントまでである請求項1に記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライトの製造方法。
  3. 前記天然ゼオライトが、アンモニア分子が入る大きさの細孔を有しており、その細孔の大きさが0.3〜0.7nmである請求項1または2に記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライトの製造方法。
  4. 前記天然ゼオライトと前記硫酸水溶液とを反応させる温度が、230℃から250℃までである請求項1〜3のいずれかに記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライトの製造方法。
  5. 前記細孔の大きさが0.3〜0.5nmである請求項3または4に記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライトの製造方法。
  6. クリノプチロライトを主成分とする天然ゼオライト、または、シャバサイトを主成分とする天然ゼオライト、または、モルデナイトを主成分とする天然ゼオライトと、濃度が0.05重量パーセントから35重量パーセントまでの硫酸水溶液とを、160℃から300℃までの温度で反応させ、もって前記天然ゼオライトに1水素硫酸基を表面修飾させることによって製造されたことを特徴とする、硫酸基を付与した気体状アンモニア吸着用天然ゼオライト。
  7. 前記天然ゼオライトが、アンモニア分子が入る大きさの細孔を有しており、その細孔の大きさが0.3〜0.7nmである請求項6に記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライト。
  8. 前記細孔の大きさが0.3〜0.5nmである請求項6に記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライト。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の気体状アンモニア吸着用天然ゼオライトを、バインダーを用いてフィルターに担持したことを特徴とする気体状アンモニア吸着剤。
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