JP5339347B2 - 医療用生体吸収性部材とその製造方法。 - Google Patents

医療用生体吸収性部材とその製造方法。 Download PDF

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本発明は、生体内での溶解時期を調整する耐食性皮膜にてマグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材の表面が覆われてなる医療用生体吸収性部材に関し、より詳しくは、各種ステント、ミニプレート、スキャホールドなどの医療用生体吸収性デバイスに関する。
マグネシウム材は、体液のような塩化物イオンを含む溶液中で腐食し、溶解・消失すること、およびマグネシウムの生体為害性が低いこと、およびポリ乳酸のような生分解性高分子よりも強度が高いことから、医療用生体吸収性金属材料としての応用が検討されている。生体吸収性材料は、患部が治癒するまでの期間は周囲組織に加わる荷重を支えるために強度を保持し、患部が治癒した後には溶解、吸収されて消失する材料である。したがって、生体吸収性部材においては、埋入後の任意の期間にわたって必要な強度を保持するために、必要な期間にわたって腐食が抑制されていることが求められる。
生体吸収性デバイスに要求される強度保持期間は、デバイスの種類や患部の状態に応じて、長短の非常に広い範囲にわたる。例えば骨折固定材の場合、骨折が治癒するまでの3ヶ月から1年の期間はデバイスが荷重を支持し、その後デバイス全体の分解が8ヶ月から5年の期間でほぼ終了することが望まれる。しかし、生体内で3ヶ月以上腐食が抑制されうるマグネシウム材は開発されていない。また、所望の腐食抑制期間と強度を兼ね備えたマグネシウム材の開発を、合金組成や合金組織制御により達成するのは非常に困難である。そこで、必要な機械的特性を有するマグネシウム材表面に耐食性皮膜を形成することで、生体内で腐食が抑制されている期間を長くすることが求められている。また、長期間にわたって埋入する場合、耐食性皮膜には高い生体適合性も求められる。
アパタイト結晶は生体内環境のような中性塩類溶液中での熱力学的安定性が比較的高いリン酸カルシウムであることから、表面皮膜中に存在させることによって基材の耐食性を向上できると考えられる。また、アパタイト結晶は骨の成分であることから、基材の生体適合性を向上できると考えられる。
チタン合金やステンレス鋼などの生体内に半永久的に留置する生体用金属材料においては、骨伝導性や軟組織適合性向上のためにアパタイト結晶を表面にコーティングすることが多い。これらの場合においては、基材の耐食性が非常に高いため、アパタイト結晶コーティング層には耐食性向上の役割は求められていない。また、基材の耐食性が高いために、体液組成に近い水溶液に浸漬させて基材表面にアパタイト結晶を析出させることが容易である。チタン合金やステンレス鋼などの表面における水溶液からのアパタイト結晶の析出方法として、リン酸カルシウム水溶液を塗布して焼成する方法(特許文献1)や、水溶液中でのカソード分極によりアパタイト結晶を析出させる方法(特許文献2、特許文献3)がある。
さらに、チタン合金やステンレス鋼の融点はマグネシウム材よりも非常に高いことから、アパタイト結晶のコーティング方法に、プラズマ溶射やスパッタリングのように基材が高温になる方法を用いることができる。
これらの知見より、チタン合金やステンレス鋼などの生体用金属材料に比べて耐食性や融点が低いマグネシウム材表面へのアパタイト結晶を主成分とする皮膜の作製に、従来の生体用金属材料のために開発された手法を応用することは不可能なことが明らかである。
さらに、マグネシウムはアパタイトの結晶化を阻害する元素であるために、マグネシウム材表面に水溶液中で直接アパタイトを析出させるのは困難と考えられてきた。このために、マグネシウム材表面にアパタイト結晶を主成分とする皮膜を直接に析出させた材料、およびアパタイト結晶を主成分とする皮膜を作製する水溶液および作製方法は報告されていない。
医療用マグネシウム材においては、アパタイト結晶の粉末を二酸化チタンゲルとともに焼き付ける方法(特許文献4)が報告されているが、チタン合金やステンレス鋼表面におけるように水溶液から直接アパタイト結晶を主成分とする皮膜を形成させる方法ではない。また、特許文献4の方法を生体吸収性部材に適用する場合、生体内で二酸化チタンが溶け残り、マクロファージなどの免疫細胞を誘起して炎症を起こす可能性がある。また、アパタイト結晶粉末−二酸化チタンゲルを焼き付けるプロセスでマグネシウム基材の機械的強度が変化してしまう可能性がある。つまり、特許文献4のものは、生体吸収性とは言い難いものである。
このため、生体吸収性部材表面にアパタイト結晶を比較的低温で直接析出させる溶液系の表面処理技術が求められている。
特開2004−33589 特開平5−285212 特開平5−285213 特開2007−202782
本発明は、このような実情に鑑み、二酸化チタンのような生体非吸収性材料を含まないアパタイト結晶からなる耐食性皮膜を有する、基材がマグネシウム又はマグネシウム合金からなる医療用生体吸収性部材を提供することを目的とする。
発明1は、生体内での溶解時期を調整する耐食性皮膜にてマグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材の表面が覆われてなる医療用生体吸収性部材であって、前記耐食性皮膜がアパタイト結晶を主成分とする生体吸収性の皮膜であり、前記耐食性皮膜と基材とが水酸化マグネシウム層を介して一体化されてなる医療用生体吸収性部材の製造方法であって、所定の形状に成型したマグネシウム又はマグネシウム合金基材を、リン酸イオンおよびカルシウムイオンが過飽和状態で溶解している水溶液中に浸漬して、前記基材の表面にアパタイト結晶を主成分とする生体吸収性皮膜を析出させる方法であって、前記水溶液のカルシウムイオンがカルシウムキレート化合物の溶解により得られたものであり、その濃度が10mM以上であることを特徴とする。
発明1の製造方法により製造された生体吸収性部材は、中性塩類溶液中での溶解度が非常に低いアパタイト結晶を主成分とする皮膜を有しているため、生体内でのマグネシウム材の腐食速度を、大気酸化皮膜のみを有するマグネシウム材におけるよりも大きく抑制することができる。このため、マグネシウムおよびその合金の機械的特性の劣化を所望期間抑制し、マグネシウムおよびその合金が本来的に有する強度や延性などの機械的特性を、生体内埋入時から所望の期間発揮させるとともに、生体適合性を向上することができる。
また、水酸化マグネシウムを主成分とする境界層を基材とアパタイト皮膜の間に有することにより、基材と皮膜との接着がより強固となり、安定した抑制効果が得られた。 さらに、この水酸化マグネシウム層が結晶性である場合は、より安定した抑制効果がえられるものである。なお、大気酸化皮膜は通常アモルファス状態の水酸化マグネシウムが主成分であることが、本発明の皮膜を有する生体吸収性部材が大気酸化皮膜を有するマグネシウム材よりも高い耐食性を示す要因の一つである。
発明による、マグネシウムおよびその合金表面でのアパタイト結晶を主成分とする皮膜の作製は、過飽和のリン酸イオンおよびカルシウムイオンを含む水溶液、より好ましくは、体液中よりも高濃度のリン酸イオンおよびカルシウムイオンを含む水溶液への浸漬処理により可能となった。
また、このような高濃度の溶液を生成するのに、カルシウムイオンのキレート化合物を用いることにより中性付近からアルカリ性の水溶液中でのカルシウムイオンの溶解性を増加させて、実現した。
このようにすることで、基材の溶出を抑えながら、その表面にアパタイト結晶を析出させることができたもので、部材としての形状変形を伴わずに医療用生体吸収性部材の表面にアパタイト結晶を主成分とする皮膜を生成することができた。
本発明のアパタイト結晶を主成分とする皮膜の構造・厚さなどの形態およびアパタイトの結晶化度は、溶液組成や処理温度、時間などの浸漬処理条件によって多様に変化させることができる。これにより、皮膜の腐食速度を変化させることができるため、生体内でのデバイスの強度保持期間を所望の期間に制御することができる。
本発明の生体吸収性部材は、最表面にアパタイト結晶が存在するため、生体組織との適合性が高い。また、生体内に埋入後も表面でのアパタイト形成を促進することができる。これにより、骨折固定材などの骨に沿わせて使用するデバイスの場合、骨折の治癒を促進する可能性がある。また、生体内でのアパタイト析出により耐食性がさらに向上するため、比較的長期間にわたって強度を保持する必要のあるデバイスに適した表面処理方法となる。
本発明の生体吸収性部材の耐食性皮膜は、中性塩類溶液中での溶解度が非常に低いアパタイト結晶を主成分としているため、マグネシウム材の通常の大気酸化皮膜に比べて高い耐食性を示すことができる。アパタイト結晶が主成分の皮膜は、処理溶液からのアパタイト結晶の析出により形成される。
また、処理条件によって基材との境界層に結晶性水酸化マグネシウム層を介在させた場合は、通常大気中で形成されるアモルファス状態の水酸化マグネシウムよりも溶解度が非常に低いため、マグネシウム材の腐食抑制を増進する。
XRD測定やSEM観察レベルで水酸化マグネシウム層がみられない試料の処理条件は、処理時間が2時間以下で短い場合(試料K)や、カルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度が高くてかつ処理溶液のpHが比較的低い場合(試料M)、基材がマグネシウム合金であった場合(試料P〜S)、カルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度が非常に低い場合(試料T)であった。
しかし、これらの知見は、あくまでもXRD測定やSEM観察レベルで水酸化マグネシウム層の確認にすぎず、水溶液中で表面近傍のpHが上昇すると、不可避に水酸化マグネシウムが形成されることから考えれば、ナノレベルでみれば、全ての条件で水酸化マグネシウムが存在していることを否定するものではない。
形成される皮膜には、生体為害性を示す元素やイオンが含まれないようにするために、浸漬処理に用いる溶液には、例えばMnやCrなどの生体為害性を示す元素を含んではならないとするのが原則である。
ただし、生体為害性元素であっても、その溶出によっても実質的に生体に害を及ぼさない程度のわずかな量が含まれることを否定するものではない。
マグネシウム基材の減肉や表面の荒れを抑制しながら処理を行うためには、処理溶液に塩化物イオンなどのマグネシウムの腐食の原因となるイオンを含まないことが望ましい。チタンなどの生体用金属材料表面への水溶液からのアパタイト析出処理には、通常Simulated Body Fluid (SBF)やHanks液などが用いられるが、これらは塩化カルシウムを含むため、マグネシウム基材の処理溶液としては望ましくない。
アパタイト結晶相は、通常、溶液のpHが7以上で安定に存在する。また、マグネシウム基材は、溶液のpHが高いほど高い耐食性を示す。一方、水酸化カルシウムや塩化カルシウムなどのカルシウム塩の溶解度はpHの増加にともない減少する。このため、マグネシウム基材表面にアパタイト結晶を析出させる処理溶液は、pHが中性付近よりアルカリ側であるにもかかわらず、ある濃度以上のカルシウムイオンを含むことが望ましい。
本発明では、アパタイトの結晶化を阻害するマグネシウム元素が存在する環境で処理を行うため、処理溶液中のカルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度は、チタン合金などの表面処理に用いられるSBFやHanks液などの疑似体液中よりも高いことが望ましい。
通常、疑似体液は、溶解度が比較的高い塩化カルシウムを用いることで過飽和の濃度のカルシウムイオンを溶解させている。これに対し、本発明ではカルシウムキレート化合物を用いることで、水溶液中でのカルシウムのイオン状態を安定化させ、疑似体液以上〜疑似体液の250倍の濃度のカルシウムイオンを含んだ水溶液を得ることに成功している。高濃度のカルシウムイオンの存在が、アパタイト結晶化を阻害するマグネシウム元素を放出するマグネシウム材表面へのアパタイト結晶の析出を可能にしていると考えられる。
広いpH範囲で高濃度のカルシウムイオンを溶解させることができるカルシウム化合物としては、EDTA,NTA,HEDTE,アミノポリカルボン酸等のキレートのカルシウム化合物などが挙げられる。
また、中性付近から酸性の処理溶液であれば、水酸化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸2水素カルシウム、チオ硫酸カルシウムなどの無機塩を用いることもできる。
このときは、無機塩とともにキレート剤を加えることで、カルシウムイオン濃度を増加させることもできる。ただし、キレート剤濃度が高いと、基材マグネシウム表面が荒れる傾向がある。例えば、純マグネシウムにおいてEDTA濃度が2.5×10mMより高いと、マグネシウム基材表面の荒れが大きく、アパタイト結晶を主成分とする皮膜は表面を均質に覆うことができなかった。一方、キレート剤の存在により、皮膜形成と併行して基材表面の脱脂やスマットの除去を進めるため、形成される皮膜中の不純物が軽減されることが期待できる。
このようなことより、キレート剤は、最大でも2.5×10mM以下、好ましくは1.5×10mM以下、より好ましくは5×10mM以下とするのが望ましい。
またその下限は、疑似体液中よりも高い濃度のカルシウムイオンを溶解するために、1mMよりも高いことが望ましい。
また、溶液中のカルシウムイオン濃度は、1mM〜2.5×10mM、好ましくは5×10mM〜1.5×10mM、さらに好ましくは5×10mM〜5×10mMとするのが望ましい。
この範囲を超えると、カルシウムキレート化合物により基材表面が荒れるという問題が生じ、範囲未満であるとマグネシウム材表面でのpH上昇によるアパタイト析出が起こらない問題が生じる。
処理溶液を構成する無機リン酸塩としては、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、リン酸1水素カルシウム、リン酸3カリウム、リン酸3ナトリウムなどの種々のアルカリ塩、アンモニウム塩、アルカリ土類オルト2水素塩などが挙げられる。
カルシウム塩およびリン酸塩濃度がHanks液などの疑似体液中よりも低く、5×10−1mM未満であると、アパタイト結晶の析出量が非常に小さい傾向がみられた。この場合は、浸漬時間を長くする必要がある。
このようなことより、無機リン酸塩濃度は、最小でも5×10−1mM以上、好ましくは2.5×10mM以上、より好ましくは2.5×10mM以上とするのが望ましい。
またその上限は、アパタイト結晶中のCa/P比は1.67であることから、カルシウムイオンに対してリン酸イオンが過剰な環境ではアパタイト結晶は生成しにくいと考えられるため、カルシウムイオン濃度を超えないことが望ましい。
処理溶液中のCa/P比をアパタイトのCa/P比である1.67に近づけるとアパタイトが形成されやすくなる。Ca/P比は、0.8〜2.0、好ましくは、1.0〜1.8とするのが望ましい。
上記のカルシウム化合物および無機リン酸塩より調整した処理溶液のpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ性溶液を用いる。
調整するpHの範囲はpH4以上、好ましくはpH5以上、より好ましくはpH6以上とするのが望ましい。
これは、処理溶液に浸漬したマグネシウム基材の溶解が起こり、溶解反応によるpH上昇により、マグネシウム基材表面近傍のpHが、アパタイト結晶相が安定なpH7以上になりうるpHだからである。pH11以上の水酸化マグネシウムが不溶になるpH範囲においてもアパタイト結晶相が安定なため、マグネシウム基材表面にアパタイトを析出させることができる。
また、pHが大きすぎると、マグネシウム基材の微量な溶解に伴うpHの上昇が起こらず、アパタイト結晶が析出する駆動力がなくなる問題が生じるので、pH13以下、好ましくはpH12以下、より好ましくはpH11以下とするのが望ましい。
pHを高くするとアパタイト結晶相の安定性が増加する。所望する皮膜の耐食時間を考慮した場合は、これも調整要素の一つである。
治癒期間が比較的短い患部に用いる生体吸収性部材においては、皮膜の耐食性を下げるためにアパタイトの結晶性を下げる方法が考えられる。このためには、処理溶液中に炭酸イオンやケイ酸イオンなどのアパタイトの結晶化を妨げるイオンを添加することが望ましい。
処理溶液以外の浸漬処理条件については、所望する皮膜の耐食性および形態に応じて、処理温度、処理時間、溶液のpH、溶液中のCa/P比を変化させることができる。
一般的には、処理温度を高くするとアパタイト結晶が形成されやすくなるので、溶液の処理温度は、得るべき皮膜の厚さや部材の大きさ(溶液の使用量に対する)などに対応して、40〜100℃、好ましくは、60〜100℃の範囲で調整するのが望ましい。
処理時間を長くするとアパタイトの結晶化度および析出量が増加するので、得るべき皮膜の厚さや部材の大きさ(溶液の使用量に対する)などに対応して、0.5〜168時間、好ましくは、1〜24時間の範囲で調整するのが望ましい。
以上要するに、溶液のpH、処理温度、処理時間及びCa/P比は、皮膜生成の調整要素であり、これらを適宜調整することで、所望する皮膜の耐食時間を持った医療用生体吸収性部材を製造することができるものである。
前記皮膜は、厚くなりすぎると剥離して、所期した耐食時間を得ることが困難になる。
本発明のアパタイト結晶を主成分とする皮膜の厚さは、1×10−2μm〜5×10μmが好ましい。より好適には1×10−1μm以上であり、さらに好適には5×10−1 μm以上である。また、より好適には2.5×10μm以下であり、さらに好適には1×10μm以下である。皮膜の厚さが薄すぎると表面を均一に覆うことができずに耐食性が悪くなるおそれがあり、厚すぎると基材表面から剥離しやすくなる。
本発明のアパタイト結晶を主成分とする皮膜を形成するマグネシウム基材の種類は特に限定されず、純マグネシウムであっても良く、マグネシウム合金であってもよい。マグネシウム合金としては、AZ31、AZ61およびMg−1.0wt%Al合金などの固溶強化型合金であってもよく、AZ91など析出強化型合金であってもよい。
基材表面の脱脂、スマット除去や活性化処理などの前処理は行う方が望ましいが、必ずしも行わなくてもアパタイト結晶を主成分とする皮膜を形成することができる。前処理方法は、基材のマグネシウム合金の組成や合金組織、デバイスの用途や所望の腐食速度などに合わせて選択する。
医療用生体吸収性マグネシウムデバイスの具体的な例としては、下記に示すようなデバイスとして用いるのが有効である。ボーンプレート、ミニプレートなどの骨折固定材、人工骨や頭蓋骨プレートなどの再生医療デバイスのスキャホールド(足場材料)、ステントや動脈瘤塞栓用コイルや心房中隔欠損症治療デバイスなどの循環器の治療用デバイス。また、血管、胆管や食道などの消化器官、および気管などの管状の器官用ステント。さらに、体内の骨や血管などの組織中に留置して使用する薬物徐放医療用デバイス。
これらのデバイスでは、決められた所定形状にマグネシウム基材を成型加工した後に、以下の実施例に示す皮膜生成処理を施すことで、本発明を実施することができる。
表1に示す、50mMのCa−EDTA/50mMのKHPO水溶液に対して、0、1/40、1/20もしくは3/40の1N NaOH溶液を添加してpHを調整した溶液に、表面を0.1μmアルミナラッピングフィルムで仕上げた純マグネシウムを基材として浸漬し、95℃にて8時間静置し、試料A〜Dを作製した。
図1に処理した試料A〜DのXRDパターンを示す。いずれの試料においても、ヒドロキシアパタイト(HAp)およびMg(OH) (Brucite型)のピークが観察された。処理溶液のpHの上昇にともないHApピーク強度は増加し、Mg(OH) (Brucite)ピーク強度は減少した。
試料BおよびCの表面および断面の電子顕微鏡写真を図2〜5に示す。いずれの試料も表面をアパタイト結晶が均一に覆っていることが確認された。アパタイトは径1μmから10μm程度の板状もしくは針状結晶であった。断面観察、EDS分析およびXRD測定より、処理皮膜はCa、PとO濃度が高いアパタイト結晶を主成分とする層と、OとMg濃度が高いMg(OH)が主成分の境界層で構成されていた。形成された皮膜の厚さを表1に示す。処理溶液のpHの上昇にともない、厚さが増加する傾向がみられた。
これらの結果より、処理溶液のpH制御により、アパタイト結晶のサイズや皮膜の厚さを制御できることが示された。
表2に示す、1N NaOHを1/40もしくは1/20添加してpHを調整した50mMのCa−EDTA/50mMのKHPO水溶液中に、実施例1と同様の表面仕上げをした純マグネシウムを基材として浸漬し、95℃にて24時間、96時間および168時間静置し、試料E〜Jを作製した。1N NaOH溶液を1/20添加した溶液中では、浸漬時間を2時間および4時間とした試料KおよびLも作製した。図6にpH7.1〜7.4溶液で処理した試料H〜Jの表面のXRDパターンを、図7に試料KおよびLのXRDパターンを示す。いずれの処理時間でもHApのピークが観察され、処理時間が長い試料ではMg(OH) (Brucite)のピークも観察された。一方、処理時間が2時間の試料KではMg(OH) (Brucite)のピークは観察されなかった。
処理時間の増加に伴いHApピークは先鋭になり、強度が大きく増加した。Mg(OH)ピーク強度も処理時間の増加にともない増加した。一方、基材のマグネシウムピーク強度は、処理時間の増加にともない大きく減少した。pH6.1〜6.5溶液で処理した試料E〜Gにおいてもほぼ同様の結果が得られた。形成された皮膜の厚さを表2に示す。処理時間が2時間と短い場合でも、アパタイト結晶は表面を均一に覆っており、処理時間が長くなるのにともない、アパタイト結晶層の厚さが増加する傾向がみられた。また、処理時間が96時間以上と長い場合では、アパタイト結晶の析出量は増加したが、基材表面から皮膜の一部又は全部が剥離する場合が多かった。
これらの結果は、処理時間が短くてもアパタイト結晶層を作製できること、および処理時間を変化することによりアパタイトの結晶の析出量を変化させて膜厚を調整できることを示している。しかし、処理時間が長すぎて皮膜厚さが50μmを超えると皮膜の剥離の原因になることがわかった。
表3に示す、250mMのCa−EDTA/250mMのKHPO水溶液に1/40、1/20もしくは3/40の1N NaOH溶液を添加してpHを調整した溶液中に、実施例1と同様の表面仕上げをした純マグネシウムを基材として浸漬し、95℃にて8時間静置し、試料M〜Oを作製した。本処理溶液中のリン酸イオンおよびカルシウムイオン濃度は、実施例1および実施例2で使用した溶液の5倍である。
図8に処理した試料M〜OのXRDパターンを示す。いずれの試料においても、HApのピークが観察された。処理溶液のpHの上昇にともない、HApピーク強度が増加した。Mg(OH) (Brucite)のピークは試料NおよびOでは観察されたが、処理溶液のpHが比較的低い試料Mでは明瞭に観察されなかった。また、試料NおよびOのMg(OH)のピークは試料A〜Dに比較して非常に小さかった。これより、カルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度が高い溶液中では、水酸化マグネシウム層は形成されにくいことが示された。形成された皮膜の厚さを表3に示す。
実施例1で50mMのCa−EDTA/50mMのKHPO溶液で処理した表面と比較すると、HApピーク強度は250mMの溶液中における方が高い傾向がみられた。一方、Mg(OH)ピーク強度は、250mMの溶液中における方が小さい傾向がみられた。
これらの結果は、処理溶液中のリン酸イオンおよびカルシウムイオン濃度の増加により、アパタイト結晶の析出量を増加できること、および境界層のMg(OH)層の成長を抑制できることを示している。
実施例1および実施例3で作製した試料(試料B,C,D,N,O)および比較材である研磨まま(大気酸化皮膜)試料の疑似体液中での腐食抵抗を、インピーダンス試験により求めた。用いた疑似体液は、表4に示すように血漿と同等の無機イオン組成の疑似体液であり、主な無機イオンとして、塩化物イオン、リン酸イオンおよびカルシウムイオンを含む。
疑似体液に0時間および6時間浸漬した試料の腐食抵抗をそれぞれ図9および図10に示す。浸漬時間によらず、本発明の表面処理試料は研磨まま試料よりも高い腐食抵抗を示した。これより、アパタイト結晶を主成分とする皮膜により、マグネシウム材の疑似体液中における耐食性が向上されることが明らかである。
浸漬直後の腐食抵抗は、試料B、CおよびDの方が試料NおよびOよりも高かったが、6時間の浸漬後には処理溶液による差は小さくなった。本耐食性試験の6時間浸漬後では、試料Cの耐食性が最も高かった。これらの結果より、表面の処理条件により、皮膜の耐食性を制御できることが示された。
図11〜14に、疑似体液に6時間浸漬後の試料表面の写真を示す。試料BおよびCの処理皮膜および腐食生成物は除去した。研磨まま試料ではほぼ全面に糸状腐食が形成されていた。一方、表面処理した試料の中央付近には目立った腐食孔はみられなかったが、試料の縁のあたりにいくつかの小さな腐食孔がみられた。試料の縁のあたりは、基材である押出材作製時に欠陥が入りやすく、表面処理時には皮膜に不均一な部分が生じやすい箇所である。したがって、試料中央付近に腐食孔がみられないことから、本発明の皮膜の疑似体液中における耐食性は非常に高いことがわかる。
実施例1、実施例2および実施例3で作製した試料(試料B,C,M,N,O,H)および比較材である研磨まま試料の表4に示す疑似体液中でのアノード分極試験を行った。試料Cおよび研磨まま試料のアノード分極曲線を図15に示す。いずれの試料も試料Cと同様に、腐食電位付近から10−6〜10−5Acm−2のほぼ一定の電流密度を示し、ある電位で急激に電流が上昇した。分極曲線の形状より、本発明のマグネシウム材は、疑似体液中で疑似不働態化するが、ある電位で疑似不働態皮膜が局所的に破壊すると考えられる。そこで、疑似不働態域の電流密度と、電流が急増する皮膜破壊電位を求め、それぞれ図16および図17に示す。
表面処理した試料の疑似不働態域の電流密度は研磨まま試料よりも小さかったことから、作製した皮膜の保護性は研磨まま表面の大気酸化皮膜よりも高いことが明らかである。また、表面処理した試料の皮膜破壊電位は研磨まま試料よりも貴であったことから、作製した皮膜は大気酸化皮膜よりも局所破壊しにくいことが示された。
実施例4および実施例5の結果より、本発明の皮膜はマグネシウム材の生体環境での耐食性を向上させることが明らかである。
表5に示す、pHを調整した50mMのCa−EDTA/50mMのKHPO水溶液中に、表面を0.1μmアルミナラッピングフィルムで仕上げたAZ31合金、AZ61合金、AZ91合金およびMg−1.0Al合金を基材として浸漬し、95℃にて8時間静置し、試料P〜Sを作製した。図18に試料P〜SのXRDパターンを示す。いずれの試料でもHApのピークが観察された。AZ系合金の場合、合金中のAl濃度が増加するにともない、HApの基材合金に対する相対ピーク強度が増加した。一方、Mg(OH) (Brucite)の明瞭なピークは観察されなかった。これより、基材の種類によって水酸化マグネシウム層の形成されやすさが異なることが示された。皮膜の厚さを表5に示す。基材合金の種類により皮膜の厚さが変化した。
これより、基材であるマグネシウム合金の組成にかかわらず、本発明の処理により表面にアパタイト結晶を主成分とする皮膜を形成できることが明らかになった。
表6に示すCa/P比をHApと同様の1.67になるようにCa−EDTAおよびKHPO濃度を決めた水溶液中に、表面を0.1μmアルミナラッピングフィルムで仕上げた純マグネシウムを基材として浸漬し、95℃にて8時間静置し、試料T〜Vを作製した。図19に試料T〜VのXRDパターンを示す。カルシウムイオン濃度が1mMの時にはHAp(002)面に由来するピーク以外は痕跡程度のHApピークしか現れなかったが、カルシウムイオン濃度の増加にともないHApピークは増加した。これより、HAp結晶化を阻害するマグネシウムが主成分である材料表面にアパタイト結晶を主成分とする皮膜を形成するには、処理溶液中のカルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度が高い方がよりよいことが示された。また、カルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度が低い試料TおよびUでは、Mg(OH)の明瞭なピークは得られなかった。これより、水酸化マグネシウム層の存在は処理溶液中のカルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度に依存することが示された。
試料A〜DのXRDパターンを示すグラフ。 試料Bの表面の電子顕微鏡写真。 試料Bの断面の電子顕微鏡写真。 試料Cの表面の電子顕微鏡写真。 試料Cの断面の電子顕微鏡写真。 試料H〜JのXRDパターンを示すグラフ。 試料K,LのXRDパターンを示すグラフ。 試料M〜OのXRDパターンを示すグラフ。 疑似体液浸漬直後の腐食抵抗を示すグラフ。 疑似体液浸漬6時間後の腐食抵抗を示すグラフ。 疑似体液浸漬6時間後の研磨まま試料の表面の写真。 疑似体液浸漬6時間後の試料B表面から、表面処理層および腐食生成物を除去した表面の写真。 疑似体液浸漬6時間後の試料C表面から、表面処理層および腐食生成物を除去した表面の写真。 疑似体液浸漬6時間後の試料D表面から、表面処理層および腐食生成物を除去した表面の写真。 疑似体液中での試料Cおよび研磨まま試料のアノード分極曲線を示すグラフ。 疑似体液中でのアノード分極曲線上の疑似不働態域の電流密度を示すグラフ。 疑似体液中でのアノード分極曲線上の皮膜破壊電位を示すグラフ。 試料P〜SのXRDパターンを示すグラフ。 試料T〜VのXRDパターンを示すグラフ。

Claims (1)

  1. 生体内での溶解時期を調整する耐食性皮膜にてマグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材の表面が覆われてなる医療用生体吸収性部材であって、前記耐食性皮膜がアパタイト結晶を主成分とする生体吸収性の皮膜であり、前記耐食性皮膜と基材とが水酸化マグネシウム層を介して一体化されてなる医療用生体吸収性部材の製造方法であって、
    所定の形状に成型したマグネシウム又はマグネシウム合金基材を、リン酸イオンおよび非塩化系カルシウムイオンが過飽和状態で溶解している水溶液中に浸漬して、前記基材の表面にアパタイト結晶を主成分とする生体吸収性皮膜を析出させる方法であって、
    前記水溶液のカルシウムイオンがカルシウムキレート化合物の溶解により得られたものであり、その濃度が10mM以上であることを特徴とする医療用生体吸収性部材の製造方法。
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