JP5337132B2 - 光源レーザビームの周波数をシフトするテラヘルツ周波数領域の分光計 - Google Patents

光源レーザビームの周波数をシフトするテラヘルツ周波数領域の分光計 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波、及びサブミリ波の分光システム及び部品に関し、より特定的には、テラヘルツ分光のための、送受信機に用いられる光ビームの一方又は両方の周波数を正確に調整するための装置及び方法に関する。
本出願は、その出願が2008年5月19日付で出願された米国特許仮出願第61/054,344号に基づく優先権を主張する、現在は米国特許第7,781,736号である、2009年5月13日付で出願された米国特許出願第12/465,219号の一部継続出願である。これらの出願の各々は、その全体が引用により本明細書に組み入れられる。
テラヘルツ・デバイス及びシステムは、一般に、電磁スペクトルのサブミリ波領域又は遠赤外領域とも呼ばれる、300GHzから3テラヘルツ(3THz)までの間の電磁エネルギー、すなわち100ミクロンから1000ミクロンまで(0.1ミリメートルから1.0ミリメートルまで)の波長を利用する。
テラヘルツ・システムの1つの重要な用途は、THz分光法である。化合物又は物体を透過する又は化合物又は物体から反射されるテラヘルツ信号の周波数依存の吸収、拡散、及び/又は反射によって、特定の化合物及び物体を同定し、特徴づけることができるので、テラヘルツ分光法は、多くの新しい機器及び測定用途を提示する。
光混合によるテラヘルツ放射線の生成は、光ヘテロダイン変換器又はフォトミキサを用いて準光学信号を生成する一つの方法である。典型的なフォトミキサ・デバイスは、最大5THzまでの周波数においてコヒーレント放射線を生成するのに用いられている低温成長(LTG)GaAs半導体デバイスを含む。分光システムは、典型的には、ダイオード・レーザのような単一周波数の調整可能な2つのレーザを用いて、フォトミキサの表面に向けられる2つの光レーザ・ビームを生成する。半導体材料における2つのビームの光伝導混合によって、2つの光レーザ周波数間のテラヘルツ差周波数が生じする。特に、第1のレーザは、第1の周波数の放射線を生成し、第2のレーザは、第2の周波数の放射線を生成する。第1のレーザの周波数と第2のレーザの周波数との間の差に等しい差周波数は、レーザの温度を変え、それにより一方又は両方のレーザの周波数を粗く変えることにより、マイクロ波からテラヘルツ周波数まで、ユーザによって掃引(sweep)される。複数の電極、格子を装荷した外部キャビティ等を有する分布ブラッグ反射型ダイオード・レーザのような、他のタイプの調整(tuning)メカニズムが存在する。テラヘルツ波送信機は、第1及び第2の光源に光学的に結合された第1のフォトミキサを含む。第1の放射要素又はアンテナが、第1のフォトミキサに電気的に結合される。作動において、第1のアンテナは、差周波数において第1のフォトミキサが生成したテラヘルツ信号を放射する。受信機は、第1のアンテナが放射した、ターゲットからの信号を受け取るように配置された第2のアンテナを含む。第2のアンテナは、テラヘルツの戻り信号に比例する時間変動電圧を生成する。第2のフォトミキサは、第2のアンテナに電気的に結合され、第1及び第2の光源に光学的に結合される。第2のフォトミキサは、第2のアンテナによりもたらされる時間変動電圧に応答して、ホモダイン式ダウンコンバート電流信号を生成する。ダウンコンバート信号は、各々のテラヘルツ周波数における材料の吸収又は反射の測定値である。これは、例えば、測定結果を参照スペクトルのライブラリと比較することによって未知の試料を同定するために、コンピュータ処理と併せて用いられるときに有用である。この装置はまた、テラヘルツ周波数で動作するように設計された、導波路、フィルタ、増幅器、混合器、ダイオード等の受動部品又は能動部品及びデバイスの周波数応答特性を特徴づけるために用いることもできる。
米国特許出願第12/722,825号 米国特許第7,126,078号 米国特許出願第12/062,772号
Izutsu,M他著、IEEE Journal of Quantum Electronics、QE−17、pp.2225−2227、1981年11月
本発明の1つの目的は、光ビームの相対周波数が、それぞれの光源及び電子的に調整可能な検出器の光伝導スイッチに適用された、2つの連続的に調整可能な半導体レーザを用いる、改善された周波数領域のテラヘルツ分光計を提供することである。
本発明の別の目的は、1つ又は複数の周波数帯域におけるCW放射線を生成し、これらの帯域の少なくとも幾つかにおけるテラヘルツ放射線を「精密に調整」し、スペクトル・シグネチャを同定することによって、分解能及び関心ある吸収帯域の検出感度が高い、ターゲットのスペクトルを同定するためのテラヘルツ分光計を提供することである。
本発明の別の目的はまた、精密に制御可能な周波数により、周波数領域テラヘルツ分光計における干渉効果を軽減させることである。
本発明の1つの目的は、周波数領域テラヘルツ分光計に用いられる複合光ビームを形成する2つの光源レーザ間の周波数差を、独立して粗くかつ精密に調整する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、基準発振器を用いて関心ある周波数帯域におけるテラヘルツ放射線を「精密に調整」することにより、光伝導スイッチを用いるテラヘルツ分光計におけるレーザの周波数を調整し、より正確な周波数の特異性及び分解能を提供する方法を提供することである。
本発明の別の目的はまた、特定の周波数帯域又は関心ある吸収領域においてHz又は数十Hzの桁の調整可能な分解能を有するテラヘルツ分光計を提供することである。
本発明の別の目的は、まず関心ある周波数帯域におけるテラヘルツ放射線を「粗く調整し」、次に「精密に調整」することにより、光伝導スイッチを用いるテラヘルツ分光計におけるレーザの周波数を調整し、より正確な周波数の特異性及び分解能を提供する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、関心ある周波数帯域におけるテラヘルツ放射線を「精密に調整」することにより、光伝導スイッチを用いるテラヘルツ分光計においてレーザの周波数を調整し、より正確な周波数の特異性及び分解能を提供する方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、電子的に調整可能又は制御可能な周波数を有するレーザを用いて物体を同定する又は画像化することができる、非常にコンパクトな構成の内蔵式携帯型テラヘルツ分光計システムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、操作者が手動で配置できる別々にパッケージ化された光源及び検出器ヘッドを有する携帯型テラヘルツ分光計システムを提供することである。
幾つかの実施形態は、上記の目的の全てを必ずしも実現できない場合がある。
手短に、かつ、大まかに言えば、本開示は、調整可能な周波数を有し、それぞれ第1の光ファイバ及び第2の光ファイバに結合された第1のレーザ及び第2のレーザを含む第1のハウジングと、(i)100GHzより大きい周波数範囲における電磁放射線を生成するための、第1の光ファイバからの光ビームによって作動される第1の光伝導スイッチと、(ii)放射線をターゲットに向けるためのラジエータとを含む第2のハウジングと、(i)ターゲットからの100GHzより大きい周波数範囲の電磁放射線を取得するための受信機と、(ii)第2の光ファイバからの光ビームにより作動され、受信機からの電磁放射線に結合され、ターゲットの幾つかの特性を表す電気信号を生成するように働く第2の光伝導スイッチとを含む第3のハウジングとを含む、ターゲットを分析し、同定し、又は画像化するための装置を提供する。
別の態様において、本開示は、物体に向けられる100GHzより大きい周波数範囲のCW信号源と、物体から反射された又は物体を透過したスペクトル情報を取得し、ヘテロダイン・ダウンコンバージョンを行なって、物体の幾つかの特性を表す電気信号を生成するための検出器とを含む、物体を分析し、同定し、又は画像化するための装置を提供する。
別の態様において、本開示は、100GHzより大きい周波数範囲のCW信号を生成し、それらを物体に向け、物体から反射される又は該物体を透過したスペクトル情報を取得し、ヘテロダイン・ダウンコンバージョンを行なって、物体の幾つかの特性を表す電気信号を生成することを含む、物体を分析し、同定し、又は画像化する方法を提供する。
別の態様において、本開示は、異なる周波数を有する、それぞれ第1の出力ビーム及び第2の出力ビームを有する第1のレーザ及び第2のレーザを準備し、第1の出力ビームを周波数シフトして第3の出力ビームを生成し、第1の光伝導スイッチを用いて、第1のビーム及び第3のビームから100GHzより大きい周波数範囲のCW放射ビームを生成し、CW放射ビームがターゲット上に又はターゲットを通って実質的に同時に集光されるようにし、第1の出力ビームと第2の出力ビームを結合して第4の複合ビームにし、第4の複合ビームにより作動される第2の光伝導スイッチを用いて、ターゲットからスペクトル情報信号を取得し、スペクトル情報信号及び第4の複合ビームを用いて、ターゲットの特性を表す電気信号を生成することによって、ターゲットを分析し、同定し、又は画像化する方法を提供する。
別の態様において、本開示は、異なる周波数を有する、それぞれ第1の出力ビーム及び第2の出力ビームを有する第1のレーザ及び第2のレーザを準備し、第1の光ビームを周波数シフト又は変調して、精密に調整可能な周波数シフトされた第3の光ビームを生成し、第2の光ビーム及び第3の光ビームから第4の複合ビームを生成し、第1の光ビーム及び第2の光ビームから第5の複合光ビームを生成し、第4の光ビームを第1の光伝導スイッチに結合して100GHzより大きい周波数範囲のCW放射ビームを生成し、ターゲット上に又は該ターゲットを通って集光されるようにCW放射ビームを向け、第5の複合光ビームに結合された第2の光伝導スイッチによって、ターゲットから反射された又は該ターゲットを透過した放射ビームを検出し、ターゲットの幾つかの特性を表す電気信号を生成することを含む方法を提供する。
別の態様において、本開示は、第1の複合光レーザ・ビームにより作動される第1の光伝導スイッチを含む、100GHzより大きい周波数範囲にわたってCW放射ビームの光源を掃引し、ターゲット上に集光されるように放射ビームを向け、第2の複合光ビームに結合された第2の光伝導スイッチによりターゲットからスペクトル情報を取得し、第1の複合光ビームを生成するために用いられる第1の光ビーム及び第2の光ビームのうちの一方の経路における周波数変調器により、第1の複合ビームと第2の複合光ビームとの間の周波数差を精密に調整して、選択された周波数帯域におけるターゲットの幾つかの特性を表す付加的な電気信号を生成することを含む、テラヘルツ分光方法を提供する。
別の態様において、本開示は、100GHzより大きい周波数範囲にある1つ又はそれ以上の所定の周波数帯域においてCW放射ビームの光源を掃引し、ターゲットからスペクトル情報を取得し、スペクトル情報を処理し、特定のスペクトル・シグネチャの存在を判断して、関心ある化合物を同定することを含む、テラヘルツ分光方法を提供する。
別の態様において、本開示は、所定の化合物のスペクトル・100GHzより大きい周波数範囲にある少なくとも1つの周波数帯域にわたってシグネチャを格納し、CW放射ビームを掃引し、放射ビームをターゲットに向け、ターゲットからスペクトル情報を取得し、スペクトル・シグネチャの周波数域において100MHzより小さい周波数増分でCW放射ビームの周波数を調整することにより、取得されたスペクトル情報の中に所定の化合物のスペクトル・シグネチャが存在するかどうかを判断することによって、テラヘルツ分光法を用いてターゲットにおける化合物を同定する方法を提供する。
幾つかの実施及び実施形態は、上記の概要に示されたものより少ない態様又は特徴を組み込む又は実装する場合がある。
本発明の付加的な目的、利点、及び新規な特徴は、以下の詳細な説明及び本発明の実施を含む本開示から、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、好ましい実施形態を参照して以下に説明されるが、本発明がそれに限定されるものではないことを理解すべきである。本明細書での教示にアクセスできる当業者であれば、ここに開示され特許請求されるような本発明の範囲内にあり、本発明が有用である、他の分野における付加的な用途、修正、及び実施形態を認識するであろう。
本発明のこれらの及び他の特徴並びに利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より良く理解され、より完全に認識されるであろう。
本開示の新規な特徴及び特性は、添付の特許請求の範囲に示される。
本開示による、試料からの反射を用いる周波数領域テラヘルツ分光計のブロック図である。 本開示による、試料からの透過を用いる周波数領域テラヘルツ分光計のブロック図である。 本開示の周波数領域テラヘルツ分光計のブロック図である。 ヘテロダイン検出システム・サブアセンブリのブロック図である。 本開示の一実施形態による、周波数シフタを有するテラヘルツ分光計のブロック図である。
ここで、例示的な態様及びその実施形態を含む本開示の詳細を説明する。図面及び以下の説明に関して、同様の参照符号は、同様の要素又は機能上類似した要素を識別するために用いられ、例示的な実施形態の主要な特徴を高度に単純化した図で示すことを意図するものである。さらに、図面は、実際の実施形態のあらゆる特徴、又は示される要素の相対的な寸法を示すことを意図するものではなく、縮尺通りには描かれていない。
本明細書の全体を通して、「1つの実施形態」、又は「一実施形態」とは、その実施形態に関連して記述される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所における「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態のことを指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が、1つ又はそれ以上の実施形態において、いずれかの適切な方法で組み合わされることもある。
上述のように、テラヘルツ分光法のための周波数領域技術において、低温成長GaAsフォトミキサ又はPCSにおける2つの単一周波数ダイオード・レーザの結合された出力を光混合することによって、CW THz放射線が生成される。レーザの温度を調整することにより、レーザの一方(又は両方)の波長を調整して、THz出力周波数を粗く変更し、よって、それを、関心ある1つ又はそれ以上の周波数帯域にわたって掃引し、ターゲット又は試料材料を特徴づけることができる。
殆どの周波数領域分光計において、戻りTHz信号も入射する検出器PCSにおいてダイオード・レーザからの同じ光放射を混合することにより、室温でコヒーレント(ホモダイン)検出を達成することができる。これにより、インコヒーレント技術と同様の又はそれより高い感度及びより速いデータ取得が可能になる。
テラヘルツ分光計においては、テラヘルツ放射線が、分析されるターゲット試料に集光され又は向けられ、そのターゲットを通って伝播される又は該ターゲットから反射される信号を集めるように、検出器又は検出器アレイが配置される。ターゲットからの透過又は反射の2つのモードが、図1A及び図1Bに示される。図1Aの構成又は配置は反射を示し、図1Bは、光源ヘッド又はモジュール201及び検出器ヘッド又はモジュール202の適切な配置によるターゲット又は試料の透過を示す。ハウジング100(図2に示される)は、図1A及び図1Bの結合された分光計ヘッドと関連したユーザ・インターフェース並びに光学部品並びに電気光学部品を組み込んでいる。本開示の1つの実施形態において、モジュール201及び202は、異なるハウジング内に封入されており、操作者により、その各々を、試験中の試料に対して手動で移動する又は配置することができる。光ファイバ・ケーブル117及び電気ケーブル217は、ハウジング100をモジュール201に結合し、光ファイバ・ケーブル118及び電気ケーブル215は、ハウジング100をモジュール202に結合する。ハウジング201の外部上のシリコン・レンズ205は、ユーザにより、テラヘルツ放射線をターゲットに集光する又は向けることを可能にし、ハウジング202の外部上のシリコン・レンズ208は、これがターゲットを透過する又はターゲットから反射される放射線を集めるように、ユーザにより配置される。特定の測定状況の要件に従って、これらに限られるものではないが、レンズ、集光ミラー、パラボラ反射器、サブ反射器、ビームスプリッタ/結合器、及びビーム成形光学系(明確にするため図示されていない)を含む付加的な光学要素を用いて、放射されたテラヘルツ波ビームを集光又は操作できることにも留意されたい。
図1Bは、試料の透過を用いるように配置された代表的な分光計のブロック図である。種々の部品の動作は、図1Aの動作と実質的に同一であり、ここで繰り返す必要はない。この図は、操作者により、ターゲットに対して光源ハウジング201及び検出器ハウジング202をどのように手動で移動及び配置できるかを示す。代替的に、光源ハウジング201及び検出器ハウジング202を組み合わせて、1つの共通のハウジングにすることができる。
図2を参照すると、図1A及び図1Bの結合された分光計ヘッドと併せてサブアセンブリとして用いるのに適した光学部品及び電気光学部品を組み込んでいるハウジング100が示される。幾つかの実施形態においては、ハウジングは、軽量で携帯可能であり、操作中にユーザにより着用又は支持されるようなサイズにされ、設計されている。レーザ・サブアセンブリ101及び102は、それぞれレーザ105及び106を含み、これらは、様々な供給業者(例えば、ドイツ国ベルリン所在のEagleyard Photonics GmbH社、又はテキサス州Richardson所在のPhotodigm,Inc.社)から入手可能な、所望の波長範囲にわたって単一の長手方向モード動作及び単一の空間モード動作を有する2つの783nmの分布帰還型(DFB)又は分布ブラッグ反射型(DBR)半導体レーザ・ダイオードであることが好ましい。幾つかの実施形態においては、2010年3月12日付で出願された特許文献1に開示されるように、カリフォルニア州Newark所在のEmcore Corporation社から入手可能なような、1つ又はそれ以上のパッケージ化された外部キャビティ調整可能半導体レーザを用いることも可能である。1つの実施形態において、一方のレーザの出力は783nmに調整され、他方のレーザの出力は784nmに調整される。ダイオード・レーザのパッケージ化により、レーザ・ビームの相互コリメーションを非常に高い精度で行えるようになり、この設計は、温度及び/又は電子調整、及びデジタル信号処理によるレーザ出力の監視による、レーザの非常に正確な周波数制御を可能にし、レーザ出力ビーム周波数にわたる正確な制御を達成する。
1つの実施形態においては、レーザ・ダイオード・チップ105及び106が、独立したペルチェ熱電冷却器(TEC)103及び104上に取り付けられる。レーザの中心波長は、25°Cにおいて公称783nmであるが、1°C当たり約0.1nmの調整(tuning)係数を有するように、波長を粗く温度調整することができる。従って、−10度Cから+40度Cまでの50度Cの動作温度範囲は、ほぼ5nmの周波数範囲をもたらす。説明のみの目的で、25度Cにおける中心波長がそれぞれ782nm及び784nmになるようにDFBレーザが選択された場合、各レーザ・チップにおける−10度Cから+40度Cまでの熱調整範囲は、0Hzから3.4THzまでのオフセット周波数範囲に対応する、オフセット波長0nmから約7nmまでの生成を可能にする。TECの制御面上の熱質量は、迅速な周波数の調整を可能にする。DBRレーザ・ダイオード・チップの場合には、各レーザのブラッグ反射セクションを電子的に調整して、レーザ周波数を変えることができる。より広い温度逸脱を利用することによって、或いは、DBR又は外部キャビティ・レーザを用いることによって、より広いオフセット周波数範囲も可能になる。
レーザ105及び106からの出力ビームは、それぞれ、サブミクロンの調整能力をもつ精密レンズ・マウント上に取り付けられた非球面レンズ120及び121によってコリメートされる(例えば、特許文献2を参照されたい)。レンズを通過した後、レーザへのフィードバックを防止し、かつ、出力ビームをそれぞれピグテール光ファイバ107及び108に結合するために、レーザ出力ビームは、それぞれの光アイソレータ122及び123を通して向けられる。
図2はまた、レーザ105に結合されて、これを駆動し、低周波数416kHzのトーンで変調する第1の電流源401と、レーザ106に結合されて、これを駆動し、第2の低周波数430kHzのトーンで変調する第2の電流源402とを含む、分光計システムの幾つかの実施形態における1つの態様も示す。こうしたトーンを複合光信号と併せて用いることは、2008年4月4日付で出願された特許文献3に記載されている。意図される用途に便利又は適切なように、他のトーンの周波数を選択することができる。
50/50の導波路結合器、すなわちビームスプリッタBS1及びBS2が、それぞれ、ピグテール光ファイバ107及び108に結合され、ファイバ107の出力ビームは、一次複合ビーム109及び二次ビーム110に分割され、ファイバ108の出力ビームは、一次複合ビーム111及び二次ビーム112に分割される。
本開示に示される実施形態において、一次出力ビーム109は、ファイバ又は第1の経路に沿って、周波数シフタ113又は周波数変調器(元の中心周波数からシフト又はオフセットされた側波帯を生成することによって周波数シフト機能を実行する)のような周波数制御要素に向けられる。周波数シフタ113は、メリーランド州Sparks所在のBrimrose Corporation of America,Inc.社製等のもののような、音響光学素子とすることができる。代替的に、非特許文献1で記載されるような単側波帯周波数シフタを用いることもできる。周波数シフタ113により、ユーザが、(予めプログラムされたソフトウェアによって)自動的に又は手動で、レーザ出力ビーム109の周波数を非常に精密に調整することが可能になり、それにより、放出されたCWテラヘルツ・ビームの周波数も調整される。次いで、周波数シフタ113の出力は、導波路結合器又はビームコンバイナBC1に結合される。
周波数を正確に増減させるために、調整可能な基準発振器114が周波数シフタ113に接続される。
ビーム110は、ファイバ又は第1の経路に沿って、導波路結合器又はビームコンバイナBC2に向けられ、同様に、ビーム112は、ファイバ又は第1の経路に沿って、導波路結合器又はビームコンバイナBC2に向けられる。ビームスプリッタBS2からの出力ビームは、ファイバ118、すなわち第1の経路に沿って、モジュール100を出るように向けられ、次いでファイバ118によって検出ヘッド202に向けられる。
ビームスプリッタBS2からの出力ビーム111は、ファイバ又は第1の経路に沿って・ビームコンバイナBC1に向けられる。周波数シフタ113の出力はファイバ116に沿ってビームコンバイナBC1に向けられる。次いで、ビームコンバイナBC1の出力は、ファイバ117に適用され、この出力は、モジュール100を出て、その後光源ヘッド201に向けられる。
レーザの下流にあり、ユニット100の全体にわたる光伝播経路は、適切な単一モードの偏光保持光ファイバ(PMF)又は自由空間とすることができる。光ファイバ構成の場合には、ビームスプリッタを、好適な光導波路結合器と置き換えることができる。理解されるように、図2に示す基本的なトポロジーは、種々の光路を容易に示す光ファイバの実装を用いるが、図4は自由空間の実装を示す。
ビームコンバイナBC1からのビームは、ファイバ117に結合され、次に、このビームは、上述の外部光源ヘッド201に結合される。次いで、光源ヘッド201において、2つの別個のレーザ源の複合出力ビームが、レンズ203に適用され、レンズ203は、低温成長(LTG)ヒ化ガリウム(GaAs)光伝導スイッチ(PCS)204の表面上の直径約10ミクロンのスポットにビームを集光させる。2つの光ビームは、PCS204において結合され又は光混合される。他のタイプの光伝導スイッチを用いることもできる。幾つかの実施形態において、間隙が螺旋の中心に配置された図2に示される螺旋として実装される、PCSの表面上にパターン化されたアンテナ回路内の間隙に、レーザ・ビームを集光させることができる。PCS上のアンテナ端子にわたって、ケーブル217により光源ヘッドに結合された定常DC電気バイアスを印加することもできる。幾つかの実施形態においては、従来技術において周知のように、PCS上のアンテナ端子の両端に、ゆっくりと時間変動する(すなわち「チョッピングされた」)電気バイアス信号を与えることができる。
混合の強度におけるテラヘルツ変動、すなわち2つのレーザ周波数間の差信号は、「ヘテロダイン・レーザ信号」と呼ばれることが多く、PCS材料内にコンダクタンスのテラヘルツ変調を生じさせ、これは、PCSの表面上にパターン化されたアンテナにおいてテラヘルツ電流フローを生じさせる。アンテナにおけるこの電流は、周囲空間に伝播し、2つのレーザ源の差周波数に応じて、一般的に100GHzから2THzを超える周波数範囲を有する電磁場、すなわちテラヘルツ放射線を生じさせる。このように生じたテラヘルツ放射線は、PCSデバイス204から放出され、その後、コリメートされ、直径約2センチメートルから3センチメートルまでの好ましくは半球面形状の構造体であるシリコン・レンズ205によって集光される。TEFLON(商標)又は他の好適な材料から成る付加的なレンズ(図示せず)をレンズ205の下流に配置して、RFビームを出力テラヘルツ・ビームにコリメートすることができる。光源ヘッド201におけるシリコン・レンズ205の代わりに又はこれに加えて、ビーム成形ミラーを用いることもできる。
現在利用可能なPCSデバイスから出ていくテラヘルツ放射ビームは、比較的低出力、すなわち約1マイクロワットから10マイクロワットまでのものである。ターゲット試料(図示せず)は、典型的には、光源ヘッド及び検出ヘッドの比較的近くに配置され、一部のテラヘルツ放射線を吸収又は透過し、また、図1Aの戻りTHzビームで示されるように、テラヘルツ放射線の一部を再度光源又はユーザの方向に反射させる。
分光計の受信機側においては、ビームコンバイナBC2からのビームがファイバ118に結合され、このファイバ118は、次いで、上述の外部検出器ヘッド202に結合される。検出器ヘッド202において、2つの別個のレーザ源からの複合出力ビームは、次いで低温成長(LTG)ヒ化ガリウム(GaAs)の光伝導スイッチ(PCS)207の表面上の直径約10ミクロンのスポットにビームを集光させる、レンズ206に適用される。2つの光ビームは、PCS207において結合又は光混合される。他のタイプの光伝導スイッチを用いることもできる。レーザ・ビームは、幾つかの実施形態において、間隙が螺旋の中心に配置された図2に示される螺旋として実装される、PCS207の表面上にパターン化されたアンテナ回路内の間隙に集光される。幾つかの実施形態においては、検出器PCS207上の螺旋形アンテナは時計回りに実装され、対照的に、光源PCS204上の螺旋形アンテナは反時計回りに実装される。
試料又はターゲットからのテラヘルツ戻り信号は、検出器ヘッド202内の適切に配置された第2のシリコン・レンズ208によって捕捉され、シリコン・レンズ208は、戻りテラヘルツ・ビームを、テラヘルツ放射線検出器として働くPCS207の表面上のアンテナに集光させる。
従来技術の実施形態においては、試料から受け取ったテラヘルツ信号のアンテナにおけるテラヘルツ電流フローの結果として、PCS材料におけるコンダクタンスのテラヘルツ変調と組み合わされた、混合強度のテラヘルツ変動、すなわち2つのレーザ周波数間の差信号は、「チョッピング」周波数と等しいベースバンド周波数へのホモダイン・ダウンコンバートをもたらし、次いで、ベースバンド周波数を、「ロック・イン」増幅器又は類似構成等の同期回路により検出することができる。
本開示により企図される実施形態においては、試料から受け取ったテラヘルツ信号のアンテナ内のテラヘルツ電流フローの結果である、PCS材料におけるコンダクタンスのテラヘルツ変調と組み合わされた、混合強度のテラヘルツ変動、すなわち2つのレーザ周波数間の差信号は、基準発振器114の周波数と等しいベースバンド周波数へのヘテロダイン化及びダウンコンバートもたらす。同期検出回路は、周波数シフタ113に適用される、その結果、光源PCS204に適用される基準発振器114の信号を、同期検出プロセスのための基準として利用する。さらに、光源PCS204へのバイアス電圧218を変調し、これをヘテロダイン検出システム(接続は図示せず)に供給するので、「ロック・イン」増幅器構成を用いて、雑音除去及び検出感度を改善することも可能である。
このヘテロダイン検出システム209の結果として得られる信号は、プロセッサ210に結合すること、及び、プロセッサ210により処理することができる。分光計はさらに、ターゲットの識別又は組成を自動的に判断するためのソフトウェアと、ユーザが分析、同定、又は画像情報を容易に使用できるように、結果を印刷又は表示するための他の電子要素を組み込むこともできる。図2は、ユーザ又は操作者にインターフェースを提供する要素の例として、(結果を外部のユーザ又はネットワーク要素に通信するための無線RF送受信機とすることができる)通信インターフェース211、ディスプレイ212、及びキーパッド214を示す。バッテリ213又は他の内蔵電源を設けてユニットを携帯型にすることもできる。
1つの実施形態において、一連の周波数又は個別の特定の周波数帯域のシーケンスを通して、レーザの一方の周波数及びその結果としてテラヘルツ放射周波数を掃引又は調整することができる。戻りテラヘルツ信号Soutが検出器によって集められ、プロセッサ210に転送され、関心ある特定の周波数の各々のデータ収集及び分析が行なわれる。このように、テラヘルツ・エネルギーの全てが単一のトーンに集められ、ロック・イン増幅器が雑音帯域幅を制限するため、高分解能及び高信号雑音比で試験中の試料の吸収又は反射スペクトルを集めることができる。ちなみに、このことは、テラヘルツ・エネルギーが多くの周波数にわたって拡散される時間領域技術と比べて、周波数領域技術の主な利点である。幾つかの実施形態においては、調整及びテラヘルツ波の放出を、関心ある特定の材料の固有のスペクトル・シグネチャに対応するスペクトル吸収ピークを有する周波数帯域の特定のシーケンス又は組に適合させることができる。従って、関心ある特定の材料のスペクトル・シグネチャと関連したテラヘルツ周波数帯域のみを生成し、掃引し、記録、分析するように分光計内のプロセッサ及びソフトウェアを予めプログラムできるので、ユーザのアプリケーションが「試料内に化合物Xが存在するか?」という質問のみであった場合、周波数掃引時間を最小化することができる。
図3は、図2に示すヘテロダイン検出システム・サブアセンブリ209の拡大ブロック図である。基準発振器114は、1Hzから1GHzまでの範囲の選択可能なステップ・サイズ又は間隔で、操作者により0GHzから10GHzまでの間で調整できる基準信号をもたらす。検出器PCSからの信号は、ライン215上で低雑音増幅器(LNA)301に適用され、次いで、同期検出回路302に適用される。次いで、同期検出回路302のダウンコンバートされた出力が、プロセッサ210に送られる。上述のように、この作動モードが用いられる場合、随意的な「ロック・イン」信号が、バイアス218から得られる。
ここで図4を参照すると、周波数シフトされたヘテロダイン検出スキームを用い、1つの実施形態においては分光計の光源又は送信機部分として第2の周波数シフタを用いる、本開示の別の実施形態及び態様による構成が、概略的に示されている。その出力が、それぞれ周波数ν1における出力401及び周波数ν2における出力402である、2つのレーザ、すなわちレーザ1及びレーザ2が、図4に示される。レーザ1からの光出力ビームは、ビームスプリッタBS4に向けられるビーム401として示され、そこで、2つのビームすなわちビーム403及びビーム404に分割される。
レーザ1が出力した分割ビーム403及び404は、別個の光路に沿って導かれる。分割ビーム403は、周波数シフタFS1に向けられる。幾つかの実施形態においては、幾何学的形状又は他のパッケージングの問題により、反射器又は他の光学要素450を用いて、ビームを周波数シフタFS1に向け直すこと又は集光させることが有利になることがある。もちろん、こうした向け直しは、ここでは周波数シフタFS1の前に置くものとして示されるが、実際には、適宜、周波数シフタFS1の下流に配置することもできる。
1つの実施形態において、周波数シフタFS1は、ビーム408において実質的にΔν1の周波数シフトを行ない、それにより、周波数ν1+Δν1を有するビーム409がもたらされる。
同様に、レーザ2からの光出力である、ν2の周波数を有するビーム402は、ビームスプリッタBS5に向けられ、そこで、2つのビームすなわちビーム405及びビーム406に分割される。同様に、レーザ2が出力した分割ビーム405及び406を、別個の光路に沿って導くこともできる。分割ビーム406は、周波数シフタFS2に向けられる。前述され、分かっているように、幾何学的形状又は他のパッケージングの問題により、ミラー451又は向け直された分割ビーム410を有利に生成することができる他の光学部品の効果によって、分割ビームを向け直すこと又は集光させることが有利になることもある。もちろん、こうした向け直しは、ここでは周波数シフタFS1の前に置くものとして示されるが、実際には、適宜、周波数シフタFS2の下流に配置することもできる。
1つの実施形態において、周波数シフタFS2は、ビーム410において実質的にΔν2の周波数シフトを行ない、それにより、実質的に周波数ν2+Δν2のビーム411がもたらされる。言い換えれば、周波数ν2の元のビーム410は、量Δν2だけ周波数シフトされ、ν2+Δν2の周波数となる。
それぞれレーザ1及びレーザ2が発した、2つの別個の周波数シフトされた分割ビーム409及び411は、ビームコンバイナBC7の効果によって結合され、結合された周波数シフト・ビーム412となる。この結合された周波数シフト・ビーム412は、周波数ν1+Δν1を有する光と、周波数ν2+Δν2を有する光との組み合わせであり、後のターゲット試料の照射のためにテラヘルツ・ビームの生成を行なうために、検出器PCS1(要素204として平面図で示される)に向けられる。
レーザ1及びレーザ2からの他の分割ビーム、すなわち、それぞれビーム404及び405は、ビームコンバイナBC6の効果によって結合される。より具体的には、個々の分割ビーム404及び405は、コンバイナBC6の効果によって結合され、周波数ν1及びν2の両方を有する結合されたビーム407になる。この結合されたビーム407は、次に、検出器PCS2(要素207として平面図に示される)に向けられる。
図4に示される実施形態は、2つの周波数シフタFS1及びFS2を用いるが、他の実施形態では、ビーム408又は410のいずれかと関連した単一周波数シフタのみを用いることができる。
要約すれば、本開示の特定の態様は、100GHzより大きい特定の識別される周波数帯域において連続的な調整又は個々の調整を行なう、コンパクトな周波数領域テラヘルツ・コヒーレント分光計を提供することができる。こうした構成は、高度にコンパクトな光集積技術と、室温でのコヒーレントTHz検出を用いることができる。こうしたデバイスが、標準大気圧の固体相及び気相の両方において、化学物質、生体物質、及び爆発性物質を迅速に同定できることは利点をもたらす。幾つかの実施形態では、可動部分を使用しない半導体ダイオード・レーザを用いる高度に統合された光アセンブリを用いることができるので、これは、本質的に頑丈であり、現場利用用途に適している。周波数シフトされた光ビームは、光源PCS(又は代替的に、他の実施形態においては、検出器PCS、又は両方)に入射し、極めて高分解能の分光を行なうための手段を提供する。一般的に、レーザのみの熱制御を用いて可能なものより精密な分解能で、光源の光ヘテロダイン信号の周波数を調整することができる。光源レーザの典型的な熱調整分解能及び精度は、約0.01nmの間隔又はステップ・サイズで、15nmまでの波長範囲にわたって粗い調整を行なうことができる。
もちろん、当業者には、本開示の種々の修正及び改善もまた明らかであろう。従って、本明細書に説明され、示された部品の特定の組み合わせは、本発明の特定の実施形態のみを表すことを意図するものであり、本発明の精神及び範囲内の代替的なデバイスを制限として働くことを意図するものではない。
上述の要素のそれぞれ、或いは2つ又はそれ以上を合わせたものも、上述されたタイプとは異なる他のタイプの構成において有用な用途を見出すことができることが理解されるであろう。具体的には、本発明の特定の態様に従って提示された特定の構成が、別個の要素、すなわち、レーザ、スプリッタ、コンバイナ、ミラー、レンズ、シフタ、光ファイバ・ケーブル等として示され、説明された。当業者であれば、これらの個々の別個部品の多く又は全てを、一体型の要素として製造、及び/又はパッケージングできることを容易に認識するであろう。特定の例として、説明された構造及び配置に関して、一体型導波路及び関連した構造の使用が考えられる。代替的に、別個の要素、すなわち、レーザ、スプリッタ、コンバイナ、ミラー、レンズ、シフタ等を、光ファイバ相互接続により個々のモジュールにパッケージングし、同じトポロジー及び機能を達成することもできる。
本開示はテラヘルツ送受信機又は分光計システムを示し、説明するものであるが、本発明の精神から決して逸脱することなく、種々の修正及び構造上の変更を行うことができるので、示される詳細に限定されることを意図するものではない。
更なる分析を行なうことなく、上記のことから、他の人が、現在の知識を適用することによって、開示された技術を様々な用途に容易に適合させることができる。かかる適合は、以下の特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に包含されるべきであり、包含されることが意図されている。
上述の実施形態は、他の異なる部品内に含まれる、又はこれと接続される異なる部品を示すものである。このような示されたアーキテクチャは、単なる例示にすぎないこと、及び、実際には、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャを実装できることを理解すべきである。概念的な意味においては、同じ機能を達成するための如何なる部品構成も効果的に「関連づけられている」ので、所望の機能が達成される。従って、特定の機能を達成するように組み合わされた本明細書中のいずれかの2つの部品が互いに「関連づけられている」ので、アーキテクチャ又は中間の部品に関係なく、所望の機能が達成される。同様に、そのように関連づけられたいずれかの2つの部品は、所望の機能を達成するために互いに「作動的に接続されている」又は「作動的に結合さている」と見なすこともできる。
本発明の特定の実施形態が示され、説明されたが、本明細書の教示に基づいて、本発明とその広範囲の態様から逸脱することなく、変更及び修正を加え得ることは、当業者には理解されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、このような全ての変更及び修正を、本発明の真の精神及び範囲内にあるものとして含むものである。さらに、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることを理解すべきである。一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)に用いられる用語は、通常、「開かれた(open)」用語として意図される(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「含んでいるが、それらに限定されない」と解釈すべきであり、「有している(having)」という用語は、「少なくとも有する」と解釈すべきであり、「含む(include)」という用語は、「含むが、それらに限定されない」と解釈すべきであり、「備える(comprises)」及び「備えている(comprising)」のような「備える(comprise)」及びその変形は、「備えるが、それらに限定されない」といった、限定的ではなく包括的な意味に解釈すべきである)ことを、当業者であれば理解するであろう。導入された特許請求項の詳述(recitation)の特定の数が意図されている場合には、このような意図は、特許請求項において明示的に詳述されており、そのような詳述がない場合にはそうした意図は存在しないことを。当業者によりさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、下記の添付の特許請求項は、特許請求項の詳述を導入するために、「少なくとも1つの」及び「1つ又はそれ以上の」といった導入句の使用を含むことがある。しかしながら、このような句の使用は、同じ特許請求項が、導入句「1つ又はそれ以上の」又は「少なくとも1つの」並びに「a」又は「an」などの不定冠詞を含むときであっても、不定冠詞「a」又は「an」による特許請求項の詳述の導入が、このような導入された特許請求項の詳述を含む特定の特許請求項を、このような詳述を1つだけ含む発明に限定することを意味するものと解釈すべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」又は「1つ又はそれ以上の」を意味するように解釈すべきである)。同様のことは、特許請求項の詳述における定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、導入された特許請求項の詳述の特定の数が明示的に詳述されている場合でも、当業者であれば、こうした詳述が、一般的には、少なくとも1つの詳述された数を意味するものと解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾子をもたない、「2つの詳述」という裸の詳述は、典型的には、少なくとも2つの詳述、或いは2つ又はそれ以上の詳述を意味する)。
100、201、202:ハウジング
101、102:レーザ・サブアセンブリ
103、104:ペルチェ熱電冷却器
105、106:レーザ
107、108:光ファイバ
109、110、111、112:出力ビーム
113:周波数シフタ
114:基準発振器
116、117、118:ファイバ
120、121、203、205、206、208:レンズ
122、123:光アイソレータ
204、207:光伝導スイッチ(PCS)
205:ラジエータ
208:受信機
209:ヘテロダイン検出システム
210:プロセッサ
215、217:ケーブル
301:低雑音増幅器(LNA)
302:同期検出回路
401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412:ビーム
450:光学要素
BS1、BS2、BS4、BS5:ビームスプリッタ
BC1、BC2、BC6、BC7:ビームコンバイナ
FS1、FS2:周波数シフタ

Claims (10)

  1. テラヘルツ分光法のための装置であって、
    調整可能な周波数を有し、それぞれ第1の光ファイバ及び第2の光ファイバに結合された第1のレーザ及び第2のレーザを含む第1のハウジング(100)と、
    100GHzより大きい周波数範囲にある電磁放射線を生成するための、前記第1の光ファイバからの第1の光ビームと前記第2の光ファイバからの第2の光ビームとにより作動される第1の光伝導スイッチ(204)と、
    前記放射線をターゲットに向けるためのラジエータ(205)と、
    を含む第2のハウジング(201)と、
    前記ターゲットからの100GHzより大きい周波数範囲にある電磁放射線を取得するための受信機(208)と、
    前記第1の光ファイバからの第1の光ビームと前記第2の光ファイバからの光ビームにより作動され、前記受信機(208)からの前記電磁放射線に結合され、前記ターゲットの幾つかの特性を表す電気信号を生成するように働く第2の光伝導スイッチ(207)と、
    を含む第3のハウジング(202)と、
    0GHzから10GHzまでの間の周波数範囲の少なくとも一部にわたって、前記第1のレーザと前記第2のレーザとの間の周波数の差を調整し、ヘテロダイン検波を可能とするための周波数シフタ(113)と、
    該第1のレーザ及び該第2のレーザの少なくとも一方に結合され、電子的に調整可能なバイアス(218)を有する周波数変調器と、
    を含むことを特徴とする装置。
  2. 前記第1のハウジング(100)は、前記電気信号を分析し、かつ、100GHzより大きい周波数範囲にある前記ターゲットの吸収特性に基づいて該ターゲットの1つ又はそれ以上の特性を判断するための、前記第2の光伝導スイッチからの該電気信号に結合されたプロセッサを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 約0.01nmの間隔又はステップ・サイズで約5nmの波長範囲にわたって前記レーザの各々を別個に粗く調整するための、それぞれ前記第1及び前記第2のレーザに結合された第1の熱電冷却器(103)及び第2の熱電冷却器(104)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  4. 前記周波数シフタが、前記第1の光ビームの周波数をシフトする第1の周波数シフタ(FS1)と、前記第2の光ビームの周波数をシフトする第1の周波数シフタ(FS2)とからなる請求項1記載の装置。
  5. 前記第2の光伝導スイッチ(207)は、基準発振器の周波数と等しいベースバンド周波数への、前記受信機(208)から取得された前記電磁放射線のヘテロダイン・ダウンコンバージョンを行なうことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  6. 調整可能な周波数を有し、それぞれ第1の光ファイバ及び第2の光ファイバに結合された第1のレーザ及び第2のレーザを含む第1のハウジング(100)と、
    100GHzより大きい周波数範囲にある電磁放射線を生成するための、前記第1の光ファイバからの第1の光ビームと前記第2の光ファイバからの第2の光ビームとにより作動される第1の光伝導スイッチ(204)と、
    前記放射線をターゲットに向けるためのラジエータ(205)と、
    を含む第2のハウジング(201)と、
    前記ターゲットからの100GHzより大きい周波数範囲にある電磁放射線を取得するための受信機(208)と、
    前記第1の光ファイバからの第1の光ビームと前記第2の光ファイバからの光ビームにより作動され、前記受信機(208)からの前記電磁放射線に結合され、前記ターゲットの幾つかの特性を表す電気信号を生成するように働く第2の光伝導スイッチ(207)と、
    を含む第3のハウジング(202)と、
    0GHzから10GHzまでの間の周波数範囲の少なくとも一部にわたって、前記第1のレーザと前記第2のレーザとの間の周波数の差を調整し、ヘテロダイン検波を可能とするための周波数シフタ(113)と、
    該第1のレーザ及び該第2のレーザの少なくとも一方に結合され、電子的に調整可能なバイアス(218)を有する周波数変調器と、
    を含むことを特徴とするテラヘルツ分光法のための装置における、テラヘルツ分光方法であって、
    100GHzより大きい周波数範囲にあるCW放射ビームを前記第1の光伝導スイッチから生成し、
    前記CW放射ビームを前記ラジエータによりターゲットに向け、
    前記ターゲットから反射される又は該ターゲットを透過したスペクトル情報を前記受信機により取得し、
    前記第2の光伝導スイッチによって、ヘテロダイン・ダウンコンバージョンを行なって該ターゲットの幾つかの特性を表す電気信号を生成する、
    ことを含むことを特徴とする方法。
  7. 記CW放射ビームを生成することは、前記第1のレーザ及び前記第2のレーザからの第1の複合光ビームによって第1の光伝導スイッチを作動させることを含み、前記ヘテロダイン・ダウンコンバージョンを行なうことは、周波数が前記第1の複合光ビームからオフセットした、該第1のレーザ及び該第2のレーザからの第2の複合光ビームによって第2の光伝導スイッチを作動させることを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記周波数範囲にある少なくとも1つの周波数帯域にわたって前記CW放射ビームを掃引し、
    前記CW放射ビームの前記周波数を100MHzより小さい周波数増分で精密に調整し、前記少なくとも1つの周波数帯域における前記ターゲットの幾つかの特性を表す付加的な電気信号を生成する、
    ことさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 前記ターゲット内の化合物のスペクトル・シグネチャを格納し、
    前記周波数範囲にある少なくとも1つの周波数帯域にわたって前記CW放射ビームを掃引し、
    前記CW放射ビームの前記周波数を100MHzより小さい周波数増分で調整することによって、前記取得されたスペクトル情報内に前記化合物の前記スペクトル・シグネチャが存在するかどうかを判断する、
    ことをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  10. 異なる周波数をもつ、それぞれ第1の出力ビーム及び第2の出力ビームを有する第1のレーザ及び第2のレーザを準備し、
    前記第1の出力ビームを周波数シフトさせて、第3の出力ビームをもたらし、
    前記第1の出力ビーム及び前記第3の出力ビームから前記CW放射ビームを生成し、
    前記CW放射ビームが前記ターゲット上に実質的に集光される又は該ターゲットを透過するようにすることによって、前記CW放射ビームを該ターゲットに向け、
    前記第1の出力ビーム及び前記第2の出力ビームを結合して、第4の複合出力ビームにし、
    前記第4の複合ビームによって作動される第2の光伝導スイッチを用いて、前記ターゲットから前記スペクトル情報を取得し、
    前記スペクトル情報及び前記第4の複合出力ビームを用いて、前記ターゲットの幾つかの特性を表す前記電気信号を生成する、
    ことをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
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