JP5337017B2 - マグネット錠 - Google Patents
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Description
一方、マグネットとばねを使用したマグネット錠が知られている(特許文献1参照)。
以下、本発明の第1実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、マグネット錠10は、磁力によって互いに反発するように同極を対向して支持されたマグネット5a,5bと、一方である左側のマグネット5aを固定し、他方である右側のマグネット5bを移動自在にしている支持手段4と、マグネット5a,5bが互いに離間するように支持手段4を保持するストッパ部材3とを備えている。
または、図9、図10に示すように、両方のマグネット5a,5bを移動自在にして、互いに離間または接近するように支持する支持手段4を備えている。
さらに、図2に示すように、支持手段4は、一方のマグネット5aを、ブロック8を介して固定するケース本体3と、他方のマグネット5bを支持し、ケース本体3に回動自在に設けられたレバー6とを備えている。また、ケース本体3の上部には上蓋2が配置されている。上蓋のロック部材固定具2にはレバー6と係合してロックするロック棒2aが装着されている。
<マグネットの構成>
マグネット5a,5bは、ネオジウム磁石であり、ネオジム磁石とも呼ばれている。ネオジウム磁石は、ネオジム・鉄・ボロン等を主成分とする焼結材の永久磁石であり、フェライト磁石やサマリウム磁石よりも強力な永久磁石である。ネオジウム磁石の磁束密度は、従来のフェライト磁石の6〜4倍を有する。このため、マグネット5a,5bは、ネオジウム磁石を採用することにより、フェライト磁石の1/4〜1/6に小さくすることが可能である。
また、マグネットは、同極同士では反発して離間し、異極同士では磁着力が発生し引き合う性質があり、その磁着力はその距離の二乗に反比例する点であり、接近すればするほど磁着力は強くなり、離れれば離れるほど磁着力は弱くなるという特徴を有している。
図1の(a)に示すように、ケース本体3の正面は四角形であり、各稜はR面取りが施されている。ケース本体3のサイズは例えば60mm×60mm×20mmほどである。ケース本体3の正面には円形の凸部3aが形成され、この凸部3aの中央部にはカギ穴3bが設けられている。ケース本体3の背面は開口部になっており、図1の(b)に示すように、その背面と上面の開口部はL字形状のカバー3cによって閉鎖されている。
図2に示すように、一方のマグネット5aの支持手段であるケース本体3はブロック8を介してマグネット5aを支持している。ケース本体3の背面を開口部として窪み形状に形成されており、このケース本体3の正面視で上部の左側にブロック8が固定されている。また、他方のマグネット5bの支持手段であるレバー6は、ケース本体3の窪みに段差付きのピン7が設けられ、このピン7に回動自在のレバー6が配設され、このレバー6の左側面にマグネット5bが固定されている。
レバー6は、図2に示すように、他方のマグネット5bが回動可能に支持された支持手段4の一つである。レバー6は、ケース本体3に移動(回動)可能に設けられ、レバー6にはマグネット5bが固定されている。
レバー6は、平面視で、U字状に折り曲げられ、上端部の右側には三角片が突設されている。この三角片には傾斜部6aが形成され、さらに、ロック棒2の水平部2cと係合する係合部6bが形成されており、上端部の左側面には他方のマグネット5bがさら小ねじ5dおよびナット5eによって固定されている。
また、ケース本体3の内周面には、ちょうどレバー6が直立した状態の姿勢を保つことができるようにストッパ部材であるストッパ3dが凸状に形成されている。
ブロック8は、一方のマグネット5aをケース本体3に固定するためのブロック状の支持部材である。また、カギ穴3b(図1(a)参照)に挿通したキー9(図5参照)の位置決め、および、案内の役目を有する部材である。ブロック8は、非磁性体の合成樹脂(ABS)からなり、カギ穴3bの2辺を構成する段差8aと段差8bが形成され、さらに、非磁性体のステンレス板(SUS304)で略L字状に形成されたガイド8dによってカギ穴3bの1辺の側面を覆うように形成されている。そして、一方のマグネット5aがブロック8の傾斜面8cにガイド8dを挟持して共締めされて固定されている。
なお、ケース本体3にブロック8を含めて一体としてもよい。
また、ガイド8dは、マグネット5bの磁力により、キー9が右方向へ引張られてもずれないようにガードする役目も有している。
図2に示すように、ブロック8の傾斜面8cの角度は、約45度であるが、それ以外の角度であっても構わない。このもう傾斜面8cの目的は、マグネット5bの接近により傾斜するのに合わせて、磁着力を高めるためであるが、このスペースの中ではこの傾斜面8cにより、最も接近させることができる。
マグネット5aは、丸小ねじ5cによってブロック8の傾斜面8cに固定され、ケース本体3と干渉しないように逃がし3eが施されている。また、下面には水抜き穴3hが設けられている。
図2に示すように、ロック部材固定具2はロック部材であるロック棒2aを固定する固定具であり、ケース本体3の上面をカバーする上蓋の機能も有している。ロック部材固定具2にはロック部材であるロック棒2aの位置決めをするための溝2bが設けられ、ロック棒2aはこの溝2bに挿入されて位置決めされ、図1の(b)に示す押え板2dによって固定されている。
ロック棒2aは、ボックス1の蓋1aを閉鎖する際にロックするロック部材である。ロック棒2aは、例えば、非磁性体のステンレス(SUS304)製のパイプ材であり、直角に曲げられ、ロック部材固定具2の下面から全長の約半分が下方に突出しており、その最下端部は、約1/3が前方へ直角に曲げられて水平部2cを形成した形状になっている。この水平部2cは、施錠時、後記するレバー6に係合して係止する。なお、このステンレス製のパイプ材は、非磁性体の丸棒であっても構わない。
なお、マグネット5a,5b以外の、強磁性体はキー9のみであり、ロック部材固定具2、および、ケース本体3は、すべて非磁性体で形成されている。
ここで、マグネット錠10の開錠の動作を説明する。
図3の(a)に示すように、これは施錠されている状態を示し、2つのマグネット5a,5bは、同極同士で反発し合っている。
図6の(a)に示すように、2つのマグネット5a,5bは、例えば、N極同士が対向して配置され、各N極からは磁力線が放出され、反発し合う様子が判る。
そのため、図3の(a)に示すように、レバー6はピン7を中心に時計方向へ回動し、ストッパ3dが一方のマグネット5aから離間して直立の状態に保持し、ロック棒2aがレバー6の係止部6bに係止される。
図4の(a)に示すように、開錠時、2つのマグネット5a,5bは反発し合ってレバー6は時計方向(ストッパ3d方向)へ回動して直立状態になっている。蓋1aが上方へ開放されている。
そして、図4の(c)に示すように、さらに、水平部2cが係合部6bより下まで下降すると、2つのマグネット5a,5bの反発力に抗してレバー6は左に傾き、ついにレバー6の係合部6bとロック棒2aとの係止状態になり、レバー6は2つのマグネット5a,5bの反発力により、また元の位置にもどる。これにより、確実に施錠される。
このように、施錠する場合は、上蓋のロック部材固定具2をケース本体3上に当接されるように閉鎖することにより、確実にロック状態にすることができる。つまり、蓋1aがされている場合はすべて施錠されており、この状態で開錠されているケースはない。
図7の(b)に示すように、マグネット錠10のカギ穴3bにキー9が挿入されると、ロック部材固定具2のロック棒2aはレバー6との係合が外れ、蓋1aが開口する。
図1の(a)に示すように、今度はカギ穴3bからキー9が抜き取られた状態で、ボックス1の蓋1aが閉鎖されると、蓋1aのロック棒2aがレバー6に係合し、施錠する。
これに対して、(b)の本実施形態の場合は、図8の(b)に示すように、まず、第1工程は、キーをカギ穴へ挿入(開錠)する。第2工程は、キーを抜く。第3工程は、蓋を開けて、書類を取り出す。第4工程は、蓋を閉め、施錠する、の4工程から構成されている。
この結果、この工程分析によれば、6工程を4工程に工程を短縮されており、33%の工程短縮を可能にしている。これにより、煩雑な操作がなくなり、蓋が閉まっていれば施錠されていることになるから、施錠を忘れることもない。
図9に示す第2実施の形態のマグネット錠11は、ダブルロック方式である。図2に示すキー9を中心に左右対称にして右側のレバー6と同じサイズのレバー16を設けた構成になっている。この構成では、2つのレバー6、レバー16は、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にしている。
つまり、両方のマグネット5a、5bが互いの反発力で離間、または、磁着力で接近するように支持するレバーの支持手段で構成されている。
また、ロック部材固定具(上蓋)2には、2本のロック棒2aが設けられ、それぞれのレバー6,16の係合部6b,16bに係合する。これにより、強力なロックが可能であり、信頼性を高めることができる。なお、ロック部材の2本のロック棒2aは左右対称に一本で成形してもよい。
図10は、第2実施の形態の変形例を説明する説明図である。図10に示すように、このマグネット錠12の構成では、2つのレバー6、レバー26は、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にしている点は同様であるが、レバー26のサイズは、レバー6よりも小さく、また、ロック棒2aと係合する係合部はない。このような構成にすることにより、余り、全幅を広げる必要がない。このような構成であっても構わない。
なお、ストッパ部材3d,3eには、レバー6,26が当接しているが、ストッパ部材3d,3eに直接マグネット5a,5bが当接するようにしてもよい。
本発明は、2つのマグネット5a,5bが反発する例えばN極−N極の同極同士を対向に設け、その間に磁性体を挿入すると、瞬時に磁気誘導が起こり、磁性体が磁石になってS極とN極が両端に現われ、磁石のN極とキーのS極とが強く引き合う。この引き付け合う磁石の原理を利用している。そこで、本実施の形態は、2つのマグネット5a,5bを極力近づけて、2倍の吸着力でロックを解除するように配置している。ここではマグネットはN極−N極の2つとしたが、S極−S極の組み合わせであっても構わない。
また、カギ穴3bからの雨水の浸入対策として、キーを覆う袋状のケースを設けてもよい。
1a 蓋
1b ボックス本体
2 ロック部材固定具(上蓋)
2a ロック部材(ロック棒)
2b 溝
2c 水平部
2d 押え板
3,13,23 ケース本体
3a 凸部
3b カギ穴
3c カバー
3d,3e ストッパ部材(ストッパ)
3e,3f,3g 逃がし
3h 水抜き穴
4 支持手段
5a,5b マグネット
5c 丸小ねじ
5d さら小ねじ
6,16,26 レバー
6a 傾斜部
6b,16b 係合部
7 ピン
8 ブロック
8a,8b 段差部
8c ガイド
8d 傾斜部
9 キー
10,11,12 マグネット錠
Claims (2)
- 磁力によって互いに反発するように同極を対向して支持されたマグネット(5a,5b)と、
一方のマグネット(5a)を固定して他方のマグネット(5b)を移動自在にし、または、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にして、互いに離間または接近するように支持する支持手段(4)と、
前記マグネット(5a,5b)が互いに離間するように前記支持手段(4)を保持するストッパ部材(3)と、を備え、
前記離間されて保持された前記マグネット(5a,5b)の間に強磁性体からなるキー(9)を挿入することで、対向する前記マグネット(5a,5b)同士が反発状態から吸着状態に変わって接近することにより施錠状態から開錠状態にすることを特徴とするマグネット錠(10)。 - 前記支持手段(4)は、
一方のマグネット(5a)を固定するケース本体(3)と、
他方のマグネット(5b)を支持し、前記ケース本体(3)に回動自在に設けられたレバー(6)と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のマグネット錠(10)。
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