JP5335525B2 - 親液性パターン形成方法、及び該方法によって得られた塗布ローラー - Google Patents

親液性パターン形成方法、及び該方法によって得られた塗布ローラー Download PDF

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Description

本発明は、親液性パターン形成方法、該方法によって得られた基材、該基材を用いる中間転写体および塗布ローラー、並びに前記中間転写体を用いた記録物の製造方法および画像記録装置に関するものである。
インクジェット記録技術の1つの応用例として、中間転写体上にインク画像を形成し、その転写体上に形成されたインク画像を所望の記録媒体に転写し、所望の記録媒体にインク画像を記録する方式がある。この方式では、インクジェットヘッドから吐出したインクを一旦転写体に付着させて、インクの流動性をある程度低下させた状態のインク画像を転写体上に形成し、その後、そのインク画像を転写体から記録媒体に転写するものである。
中間転写方式を採用した場合、中間転写体上に一旦インク画像を形成するために、紙などの記録媒体の影響を受けずに画像形成し得る。この場合、中間転写体は転写性やクリーニング性の面から非吸収性の表面が用いられることになる。しかし非吸収性の表面に液体であるインクを付与すると、インクが流れてしまったり、弾かれてしまったりするため、高品質な画像を形成することが非常に困難となる。
そこで、中間転写体上にインクと反応する液体(反応液)を塗布しておき、ここにインク滴が接触することで生じる二液反応によってインクの流動性を制御する方法が提案されている。しかし、この場合インク滴は反応液の層を介して中間転写体に付与することになるので、画像品質は反応液の塗布状態に大きく左右される。すなわち、中間転写体上に反応液が適切に形成されていない場合、例えば均一な厚みの薄膜として形成されていない場合には、インク滴の着弾ずれやドット形状の変形が起こり、中間転写体への高品位の画像形成ひいては記録媒体への高品質な画像記録が阻害される。
この問題に対し、本出願人は、親液部と撥液部とからなるパターンを表面に有する中間転写体を用い、親液部のみに反応液を付着させることが効果的であることを見い出した(特許文献1)。すなわち、この方法を用いれば、反応液を受容する面積を制御することによって、反応液の塗布状態を制御することができるからである。
しかしながら、中間転写体となる基材上に微細な撥液部/親液部のパターンを形成することは容易ではない。同文献ではフォトレジストを用いたリソグラフィー法によるパターニングが例示されているが、所望のパターンを得るためにはパターンに応じた高精細な露光マスクを要し、かつ、塗布,露光,現像などの工程を繰り返し実行しなければならない。また、パターンを変更する必要がある場合、その都度パターンに応じた露光マスクを作製し、印刷版を作製したり、対象物上にレジストパターンを作製したりするなどが必要である。さらに、同文献にはレーザー等を用いて対象物に直接パターンを形成する手法を用いることも例示されているが、所要の解像度が得られにくかったり、レーザースキャンに多大な時間を必要としたりするなどの課題があった。
特開2006−321350号公報
よって本発明は、親液性部分と撥液性部分とを有するパターンを対象物の表面に精度高くかつ容易に形成できるようにすることを主たる目的とする。
そのために、本発明親液性パターン形成方法は、撥液性の表面を有する対象物の前記表面に界面活性剤を含有する液体を付与して液滴を形成する液滴形成工程及び前記液滴が形成されている前記表面にプラズマ処理を行うプラズマ処理工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明は、前記方法によって得られた塗布ローラーに存する
本発明方法によれば、基材表面にリング状の親液部を有する親液性パターンが形成される。内径およびリング幅(ひいては外径)などリングのサイズは、付着させる液滴の量や付与密度、界面活性剤の種類や濃度、プラズマ処理時の条件等を調整することで容易にコントロール可能である。この結果、基材上に形成した微細な親液化パターンにより薄層かつ均一に液体を塗布することができるため、良好な状態で反応液を塗布し得る中間転写体の製造が可能となり、ひいては品位高い画像記録に資することが可能となる。
(a)〜(f)は本発明親液性パターン形成方法の説明図である。 (a)〜(c)は表面全体が親液性である基材上に液体を塗布した状態の説明図である。 本発明の実施形態によって親液性パターンが形成された基材上に液体を塗布した状態の説明図である。 (a)および(b)は、それぞれ、円形状の親液部およびリング形状の親液部に液体が付着している状態を示す説明図である。 リング形状の親液部が複数配置されてなる中間転写体表面の模式図である。 本発明に係る記録物の製造方法および画像記録装置の一実施形態の概略を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
1.親液性パターン形成方法の実施形態
対象物表面をプラズマ照射により親液化した後に界面活性剤を吸着させると、親液持続性が著しく向上する。本発明は基本的にこの現象を利用したものである。そして本発明親液性パターン形成方法は、パターンを形成したい対象物(例えば撥液性の中間転写体表面)に界面活性剤含有液体を液滴状に付与する工程と、その後プラズマ照射などのエネルギー付与による表面改質を行う工程とを含む。以下に、各工程を追いつつ、上記現象がどのように利用されて本発明が実現されるかを説明する。
界面活性剤含有液体を対象物表面に液滴状に付与する工程
まず、親液性パターンを形成したい対象物であるが、後述する具体的な応用例として挙げる中間転写式インクジェット記録の中間転写体に適する材料は、離型性が高くゴム弾性を有することが好ましい。離型性が高いと言うことは一般的に撥液性も高い。具体的には、シリコーンゴムやフロロシリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。とりわけシリコーンゴムは好ましい特性を持つ。
微細パターンを生成する上でも撥液性の表面であることが好ましく、撥液水性の目安としては、界面活性剤含有液体に対して接触角60°以上であることが望ましい。
界面活性剤含有液体の付与は、例えばインクジェット方式を始め、フレキソ印刷のような有版方式でドットを印刷したり、スプレー等を用いて行うことができる。とりわけインクジェット方式はパターンを自在に形成でき、かつ精度高く界面活性剤含有溶液を付与できるので好ましい。
用いる界面活性剤は特に制限を受けず、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが例に挙げられる。パターニングを施す中間転写体などの対象物の材料や、界面活性剤含有溶液の付与を行う手段に応じて最適な材料を選ぶことが好ましい。
図1(a)〜(f)は親液性パターン形成方法の説明図であり、特に(a)〜(c)は界面活性剤含有溶液の付与工程における液滴の挙動を示している。
撥液性を呈するパターニング対象物1の表面に、例えばインクジェットヘッドHにより界面活性剤水溶液を液滴2として吐出することで付与する(図1(a))。すると、着弾した瞬間には運動エネルギーの影響で液滴は広がるが(図1(b))、短時間のうちに弾かれて非常に小さな径(β)を有するものとなる(図1(c))。
プラズマ照射工程
この状態でプラズマ照射装置Pによりプラズマを照射すると、対象物1の表面には親液化部3が形成されるが、界面活性剤の液滴が付着した直径βの部分は、界面活性剤がマスクとして働くために親液化されない状態となる(図1(d))。しかし界面活性剤の液滴の縁は親液化部3と接しているので、プラズマ処理の効果で対象物1の表面の親液化が進むと界面活性剤液滴は自動的に親液化部3上に広がり、拡大した直径γを持つに至る(図1(e))。
プラズマ処理部3上に広がった界面活性剤液滴のこのリング状の部分(リング幅α)のみが、プラズマ処理後に界面活性剤が付与された状態となる。プラズマ処理によりエネルギーを高められた表面に界面活性剤が接触すると界面活性剤成分が強固に付着し、水洗程度では脱落しない。
この状態で弗素原子を含むガスなどを導入して再びプラズマ照射を行うと、液滴の外側は即時に撥液性を呈するに至る。一方、幅αのリング状の部分の内側の内径βをもつ部分は、元々撥液性を呈している表面に界面活性剤が付着しているだけであるので、水で界面活性剤を洗い流すなどしてこれを除去する工程を経ることで、元の撥液性表面が現れる。これに対し、幅αのリング状部分は界面活性剤が親液面をマスクしているため、親液性を保つ。以上のようにして、リング状の親液部とそれ以外の撥液部とを有するパターンが対象物の表面に形成される(図1(f))。
なお、図1(e)における液滴の外側部分はプラズマ処理のみが施された状態であり、時間経過と共に親液性が失われてゆく。従って、あえて弗素ガスなどを導入して再びプラズマ照射する撥液化処理などを行わずとも、適宜の時間をおくことで所望のパターニングを行うことが可能である。また、加熱を行うことで撥液化を促進することも可能である。
2.リング状親液部のサイズのコントロール
本発明は、リング状親液部のサイズを容易にコントロールすることができる。インクジェット記録技術を適用してパターニングを行う場合には、インクジェットヘッドHからの界面活性剤の吐出量や付与密度を調整することでパターンサイズをコントロールすることが可能である。また、同じ吐出量および付与密度であっても、作り出すパターンを変化させることが可能である。このことはすなわち、仕様が同じインクジェットヘッドHないし装置を用いる場合であっても、自由にパターンサイズをコントロールできると言うことであり、これは非常に有意義な特徴である。
リング状親液部のサイズをコントロールする方法を具体的に説明する。
本発明を適用することで形成される親液部はリング状であるが、その内径および幅共に(すなわち外径も)制御することができる。上述の説明から明らかなように、親液部の内径はプラズマ処理直前の基材上の界面活性剤の液滴径となる。液滴径は液滴体積と濡れ性で制御できる。濡れ性は主に、界面活性剤の表面張力に依存するので、種類や濃度を調整すればよい。同じ付与量で液滴体積を制御するには、液滴を付与した後に乾燥工程を加えることによって界面活性剤液滴中の水分を除去し、体積を小さくすることで可能である。
リング幅はプラズマ処理時の界面活性剤の広がりで決定される。従って、プラズマ処理による親液化の強さ、処理雰囲気(主に湿度)、プラズマ処理時の界面活性剤の粘度および表面張力などを調整することでリング幅を制御できる。
すなわち、例えば液体付与量が大きいインクジェットヘッドを用いる場合であっても、界面活性剤濃度の低い液体を基材に付与した後に十分に乾燥させて体積を減少させれば、体積が小さく高粘度の界面活性剤液滴が基材上に形成される。従って、非常に小径でリング幅が小さい親液部を得ることができる。
3.実施形態の利点およびその他の応用例
本実施形態を適用して得られた親液部/撥液部のパターンの表面は、リング状親液部に保持できる液量が、付与される液体(反応液などの液体)の表面張力により一定となる。従って、ディップコート,スキージ,エアナイフ塗布,ローラー塗布など、広範囲かつ簡便な塗布手段を用いて反応液を付与する場合、中間転写体上での安定した液量制御が可能となる。
また、本発明のパターニング方法を用いれば、上述した撥液性ゴム以外にも親液部/撥液部パターンを形成できる。例えばシリコーン樹脂や、フッ素樹脂,ポリエチレン等の撥液性プラスチックをはじめ、メタルベース表面に撥液材料をコーティングしたような基材に対しても凹凸のない親液部/撥液部パターンを形成することができる。
よって、本発明は中間転写体以外の種々の基材にも適用することができる。例えばパターニングしたローラーを水性フレキソ印刷のアニロックスローラーとして用いれば、安定したインキピックアップが実現できるので、立ち上げ時間の短縮や印刷品質の安定化に大きく貢献する。また、表面に凹凸がないので、ピックアップローラー機能と塗りローラー機能とを一本のローラーで実現することもできる。
さらに、本発明は基材表面を部分的に親液化したパターンを形成するものである。そのため、表面全体が親液性である基材に比べて塗布液体の流動が少ないという利点を有する。
図2および図3を用いてその効果を説明する。図2(a)および(b)は、それぞれ、表面全体が親液性を呈する基材10’の表面に反応液などの液体5が塗布されている状態を模式的に示す平面図および断面図である。このように、静止状態で均一な厚みに液体5が塗布されていたとしても、基材は中間転写体や塗布ローラーなどの形態として適用され、基本的に回転運動させながら用いられるため、重力や加速度などの外力が働く。従って、基材10’の表面全体が親液性であると、図2(c)に示すように、塗布された液体5が外力の作用によって偏った状態になり易い。これに対し、図3(a)および(b)は、それぞれ、本発明を適用してリング状の親液部を部分的に形成した基材10の表面に反応液などの液体が塗布されている状態を模式的に示している。本発明では、親液部4の周囲は撥液部で囲まれているため、図3(c)に示すように、液体5の流動が抑制されることになる。
さらに、本件のパターニング方法により得られる親液部はリング状であり、外径の等しい円形状より液体の受容量を少なくできるため、結果として液体を薄膜状に塗布することが可能となる。
図4はその概念を示した図である。(a)は外径γを有する円形状の親液部4’に液体が付着している状態を、(b)は同じくリング形状の親液部4に液体が付着している状態をそれぞれ示す断面図である。ここで、親液部4’および4の面積を揃えて考察するため、リング形状の親液部4の内径βは極小(実質的にβ=0)としている。円形状の親液部4’に対し、リング形状の親液部4は、同図(c)に示すハッチング分だけ断面積すなわち液体受容量が少ない。例として外径10μmの円形状の親液部と外径10μm・内径が実質的に0μmのリング形状の親液部とについて、いずれも図4のように断面半円状に液体が付着すると仮定して受容量を計算すると、前者に対して後者の液体受容(付着)量は、58.9%となる。
4.実施例
次に、本発明のより具体的な実施例および比較例を説明する。なお、以下の説明において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(4.1)実施例1
本発明を中間転写方式のインクジェット記録装置の中間転写体に適用し、これを用いて画像記録を行う実施例を説明する。これは、中間転写体を用意するための(a)界面活性剤含有液体を対象物表面に液滴状に付与する工程、(b)プラズマ照射による親液化処理を行う工程、および(c)リング状親液部形成工程を含む。さらに、画像記録を行うための(d)反応液塗布工程、(e)中間転写体上にインク画像を形成する工程、および(f)記録媒体にインク画像を転写する工程を含む。なお、実施例1の工程(a)が図1の(a)〜(c)に対応し、実施例1の工程(b)が図1の(d)〜(e)に対応し、実施例1の工程(c)が図1の(f)に対応する。
(a)界面活性剤含有液体を対象物表面に液滴状に付与する工程
本実施例では、中間転写体表面層基材となる対象物として、0.2mmのPETフィルム表面に、ゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.3mmの厚さでコーティングした材料を用いた。この表面に、インクジェット記録装置(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4.8pl)を用いて2パス記録にて下記組成の界面活性剤水溶液を1200dpi間隔で一様に、液滴状に付与した。
界面活性剤水溶液
界面活性剤(日本ユニカー社製 silwet L−77):2部
純水:98部
(b)プラズマ照射による親液化処理を行う工程
中間転写体上の液滴直径が6μmとなるまで温風乾燥したのち、平行平板型大気圧プラズマ処理装置(積水化学製 APT−203)を用いてプラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件
使用ガス;流量:air;1000cc/min
2 ;6000cc/min
入力電圧:230V
周波数:10kHz
処理速度:200mm/min
(c)リング状親液部形成工程
プラズマ処理が終了した中間転写体を水洗し、余剰の界面活性剤を洗い流した後、常温・常湿の環境下(25℃、60%)で12時間放置し、液滴の外側を撥液化した。この結果、1200dpi間隔で、内径β=7μm、外径γ=14μmのリング状の親液部が規則的に形成された図5に示すようなパターンをもつ中間転写体が得られた。
(d)反応液塗布工程
次いで、自作した簡便なロールコーターを用いて中間転写体上に下記組成の反応液を塗布した。
反応液組成
CaCl2・2H2O:10%
界面活性剤(川研ファインケミカル製 アセチレノールEH):1%
ジエチレングリコール:30%
純水:59%
このとき、中間転写体上に付与された反応液量は平均で約0.5g/m2であり、塗布面を25分割して塗布量のばらつきを判定したところ、上記平均値(0.5g/m2)に対し2.7%の範囲内であった。
(e)中間転写体上にインク画像を形成する工程
インクジェット記録装置(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数12kHz)にて、反応液が塗布されている中間転写体上にミラー反転させた文字画像を形成した。ここでは、下記処方のインク(色材として各色顔料をそれぞれ含む4色のインク)を用いた。
インク処方
下記の各顔料: 3部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製:MCF88)
シアン: ビグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体: 1部
(酸価240、重量平均分子量5000)
グリセリン: 10部
エチレングリコール: 5部
界面活性剤: 1部
(川研ファインケミカル製:アセチレノールEH)
イオン交換水: 80部
この際、インク画像が中間転写体上に形成された時点で、ビーディングおよびブリーディングは起こらず、高画質なインク像が形成された。また、中間転写体上に形成された孤立インクドット径は約40μmであった。
(f)記録媒体にインク画像を転写する工程
中間転写体上のインク画像の水分を除去し、流動性を低下させた後に記録媒体(日本製紙製 オーロラコート 連量40.5)を加圧ローラーにて接触させて画像を転写した。 この結果、記録媒体上に高品質な画像が記録されたことを確認した。また、転写後の中間転写体表面には残存インクが殆どなく、そのまま次の画像を受けても、好ましくない影響はみられなかった。
(4.2)比較例1
実施例1と同様の中間転写体表面層基材となる対象物を用意し、その全面に工程(b)で説明したプラズマ処理を施して中間転写体を作製した後、実施例1と同様の条件にて反応液塗布(工程(d))を行った。このとき、中間転写体上に付与された反応液量は平均で約10g/m2となり、塗布面を25分割して塗布量のばらつきを判定したところ、上記平均値(10g/m2)に対し8.7%の範囲内であった。
その後、実施例1と同様の条件にて中間転写体へのインク画像の形成(工程(e))および記録媒体へのインク画像の転写(工程(f))を行った。中間転写体上に形成された画像は、実施例1に比べ、インク滴のずれに由来する画像のゆがみが確認された。
(4.3)実施例2
上述したように、本発明は、中間転写体以外にも適用が可能である。そこで、本発明を塗布ローラーに利用した実施例を説明する。
芯としてアルミニウムを用い、この芯の表面にゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.2mmの厚さでコーティングしてなる塗布ローラーを用意した。そして、実施例1と同様の条件にて、下記組成の界面活性剤含有液体を塗布ローラー表面に液滴状に付与した(工程(a))。
界面活性剤水溶液
界面活性剤(市販アルキル硫酸エステル系):1部
純水:99部
次に、塗布ローラー上の液滴直径が6μmとなるまで温風乾燥したのち、ライン状電極を有するプラズマ処理装置を用い、下記条件にてプラズマ処理を行った。尚、グランドは、上記塗布ローラーの芯とした。
プラズマ処理条件
使用ガス;流量:air;1200cc/min
2 ;6600cc/min
入力電圧:230V
周波数:20kHz
処理速度:200mm/min
次に、リングの外側部分を撥液化するために、下記条件にてプラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件
使用ガス;流量:air;1200cc/min
2 ;6600cc/min
CF4;195cc/min
入力電圧:190V
周波数:20kHz
処理速度:200mm/min
その後、実施例1と同様に処理が終了した塗布ローラーの水洗等を行うことで、1200dpi間隔で、内径β=6μm、外径γ=12μmのリング状の親液部が規則的に形成されたパターンをもつ塗布ローラーが得られた。
次いで、この塗布ローラーを用いて、親液性PET上に実施例1と同じ組成の反応液を塗布した。このとき、親液性PET上に塗布された反応液の量は平均で0.45g/m2であった。また、塗布面を25分割して塗布量のばらつきを判定したところ、上記平均値(0.45g/m2)に対し4.1%の範囲内であった。
5.記録物の製造方法および画像記録装置の実施形態
図6は本発明に係る記録物の製造方法および画像記録装置の一実施形態の概略を示す模式図である。この実施形態の画像記録装置は、基本的に、中間転写体上にインク画像を形成するプロセスと、その転写体上に形成されたインク画像を所望の記録媒体に転写するプロセスとを、基本的に含む記録工程を実施する。
図6において、符号11は、軸11Aのまわりに矢印F方向に回転駆動される円筒状の中間転写体を示し、親液部と撥液部とからなるパターンが上述のようにして形成された表面層12を有している。中間転写体11の外周すなわち表面層12に対向する部位には、水系の反応液14を付与する塗布装置13、インクを吐出してインク画像を形成するインクジェットヘッド15、および記録媒体19に転写を行うための加圧ローラー20などが設けられている。
すなわち、中間転写体11は図中の矢印の方向に回転し、その表面にまず塗布装置13によって反応液14が付与される。ここで、反応液は水系であるため、付与された反応液は中間転写体表面の親液部に保持される。これにより、常に一定量の反応液を転写体上に均一に存在させることができる。なお、塗布装置13に実施例2で説明した塗布ローラーを適用することも可能である。
次いで、インクジェットヘッド15からインクが例えば滴として吐出されて、中間転写体11の表面層12上にインク画像(ミラー反転した画像)16が形成される。このとき、インクは反応液との接触により瞬時に凝集反応が起こり、色材の流動性が低下するため、インク画像が乱れることがない。そして、中間転写体11上に形成された画像に記録媒体19の被記録面を接触させ、転写部を構成する加圧ローラー20により裏面側から加圧することで、記録媒体19上に画像が転写される。
図6に例示した装置では、中間転写体11上の画像を構成するインク中の水分ないし溶剤成分を蒸発させて除去する目的で、送風機形態の水分除去促進装置17が配置されている。これにより、転写に先立って、インクの水分量は記録媒体の許容量まで低減される。なお図示の装置では、これとともに、中空状とした中間転写体11の裏面側に接触して加熱を行う加熱ローラー18を用いている。しかしこれらはいずれかが用いられるものでもよい。
そして図6に例示した装置ではさらに、インク画像を記録媒体19に転写した後の中間転写体を複数回にわたって繰り返し使用するために次の画像を受け取るのに備え、次段のクリーニングユニット22で洗浄される。
1 パターニング対象物
2 界面活性剤含有液滴
4 親液部
5 塗布液

Claims (10)

  1. 撥液性の表面を有する対象物の前記表面に界面活性剤を含有する液体を付与して液滴を形成する液滴形成工程及び前記液滴が形成されている前記表面にプラズマ処理を行うプラズマ処理工程を有することを特徴とする親液性パターン形成方法。
  2. 前記プラズマ処理工程におけるプラズマ処理によって前記表面の前記液滴が付与された領域の外側の領域を親液化する請求項1に記載の親液性パターン形成方法。
  3. 前記プラズマ処理工程の後に前記表面の前記液体を除去する液体除去工程を有する請求項1または2に記載の親液性パターン形成方法。
  4. 前記液体除去工程が、水洗である請求項3の親液性パターン形成方法。
  5. 前記液滴形成工程の後、前記プラズマ処理工程に先立って、前記液滴の体積を減少させる工程をさらに有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
  6. 前記プラズマ処理工程の後に、前記表面を撥液化処理する工程をさらに有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
  7. 前記撥液化処理が、弗素原子を含むガスを用いたプラズマ処理である請求項6に記載の親液性パターン形成方法。
  8. 前記対象物の前記表面がシリコーンゴムである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
  9. 前記液滴形成工程において、前記界面活性剤を含有する液体をインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して前記液滴を形成する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法を用いて形成された親液性パターンを表面に有する塗布ローラー。
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