JP5335525B2 - 親液性パターン形成方法、及び該方法によって得られた塗布ローラー - Google Patents
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Description
対象物表面をプラズマ照射により親液化した後に界面活性剤を吸着させると、親液持続性が著しく向上する。本発明は基本的にこの現象を利用したものである。そして本発明親液性パターン形成方法は、パターンを形成したい対象物(例えば撥液性の中間転写体表面)に界面活性剤含有液体を液滴状に付与する工程と、その後プラズマ照射などのエネルギー付与による表面改質を行う工程とを含む。以下に、各工程を追いつつ、上記現象がどのように利用されて本発明が実現されるかを説明する。
まず、親液性パターンを形成したい対象物であるが、後述する具体的な応用例として挙げる中間転写式インクジェット記録の中間転写体に適する材料は、離型性が高くゴム弾性を有することが好ましい。離型性が高いと言うことは一般的に撥液性も高い。具体的には、シリコーンゴムやフロロシリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。とりわけシリコーンゴムは好ましい特性を持つ。
この状態でプラズマ照射装置Pによりプラズマを照射すると、対象物1の表面には親液化部3が形成されるが、界面活性剤の液滴が付着した直径βの部分は、界面活性剤がマスクとして働くために親液化されない状態となる(図1(d))。しかし界面活性剤の液滴の縁は親液化部3と接しているので、プラズマ処理の効果で対象物1の表面の親液化が進むと界面活性剤液滴は自動的に親液化部3上に広がり、拡大した直径γを持つに至る(図1(e))。
本発明は、リング状親液部のサイズを容易にコントロールすることができる。インクジェット記録技術を適用してパターニングを行う場合には、インクジェットヘッドHからの界面活性剤の吐出量や付与密度を調整することでパターンサイズをコントロールすることが可能である。また、同じ吐出量および付与密度であっても、作り出すパターンを変化させることが可能である。このことはすなわち、仕様が同じインクジェットヘッドHないし装置を用いる場合であっても、自由にパターンサイズをコントロールできると言うことであり、これは非常に有意義な特徴である。
本実施形態を適用して得られた親液部/撥液部のパターンの表面は、リング状親液部に保持できる液量が、付与される液体(反応液などの液体)の表面張力により一定となる。従って、ディップコート,スキージ,エアナイフ塗布,ローラー塗布など、広範囲かつ簡便な塗布手段を用いて反応液を付与する場合、中間転写体上での安定した液量制御が可能となる。
次に、本発明のより具体的な実施例および比較例を説明する。なお、以下の説明において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
本発明を中間転写方式のインクジェット記録装置の中間転写体に適用し、これを用いて画像記録を行う実施例を説明する。これは、中間転写体を用意するための(a)界面活性剤含有液体を対象物表面に液滴状に付与する工程、(b)プラズマ照射による親液化処理を行う工程、および(c)リング状親液部形成工程を含む。さらに、画像記録を行うための(d)反応液塗布工程、(e)中間転写体上にインク画像を形成する工程、および(f)記録媒体にインク画像を転写する工程を含む。なお、実施例1の工程(a)が図1の(a)〜(c)に対応し、実施例1の工程(b)が図1の(d)〜(e)に対応し、実施例1の工程(c)が図1の(f)に対応する。
本実施例では、中間転写体表面層基材となる対象物として、0.2mmのPETフィルム表面に、ゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.3mmの厚さでコーティングした材料を用いた。この表面に、インクジェット記録装置(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4.8pl)を用いて2パス記録にて下記組成の界面活性剤水溶液を1200dpi間隔で一様に、液滴状に付与した。
界面活性剤水溶液
界面活性剤(日本ユニカー社製 silwet L−77):2部
純水:98部
中間転写体上の液滴直径が6μmとなるまで温風乾燥したのち、平行平板型大気圧プラズマ処理装置(積水化学製 APT−203)を用いてプラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件
使用ガス;流量:air;1000cc/min
N2 ;6000cc/min
入力電圧:230V
周波数:10kHz
処理速度:200mm/min
プラズマ処理が終了した中間転写体を水洗し、余剰の界面活性剤を洗い流した後、常温・常湿の環境下(25℃、60%)で12時間放置し、液滴の外側を撥液化した。この結果、1200dpi間隔で、内径β=7μm、外径γ=14μmのリング状の親液部が規則的に形成された図5に示すようなパターンをもつ中間転写体が得られた。
次いで、自作した簡便なロールコーターを用いて中間転写体上に下記組成の反応液を塗布した。
反応液組成
CaCl2・2H2O:10%
界面活性剤(川研ファインケミカル製 アセチレノールEH):1%
ジエチレングリコール:30%
純水:59%
このとき、中間転写体上に付与された反応液量は平均で約0.5g/m2であり、塗布面を25分割して塗布量のばらつきを判定したところ、上記平均値(0.5g/m2)に対し2.7%の範囲内であった。
インクジェット記録装置(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数12kHz)にて、反応液が塗布されている中間転写体上にミラー反転させた文字画像を形成した。ここでは、下記処方のインク(色材として各色顔料をそれぞれ含む4色のインク)を用いた。
インク処方
下記の各顔料: 3部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製:MCF88)
シアン: ビグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体: 1部
(酸価240、重量平均分子量5000)
グリセリン: 10部
エチレングリコール: 5部
界面活性剤: 1部
(川研ファインケミカル製:アセチレノールEH)
イオン交換水: 80部
この際、インク画像が中間転写体上に形成された時点で、ビーディングおよびブリーディングは起こらず、高画質なインク像が形成された。また、中間転写体上に形成された孤立インクドット径は約40μmであった。
中間転写体上のインク画像の水分を除去し、流動性を低下させた後に記録媒体(日本製紙製 オーロラコート 連量40.5)を加圧ローラーにて接触させて画像を転写した。 この結果、記録媒体上に高品質な画像が記録されたことを確認した。また、転写後の中間転写体表面には残存インクが殆どなく、そのまま次の画像を受けても、好ましくない影響はみられなかった。
実施例1と同様の中間転写体表面層基材となる対象物を用意し、その全面に工程(b)で説明したプラズマ処理を施して中間転写体を作製した後、実施例1と同様の条件にて反応液塗布(工程(d))を行った。このとき、中間転写体上に付与された反応液量は平均で約10g/m2となり、塗布面を25分割して塗布量のばらつきを判定したところ、上記平均値(10g/m2)に対し8.7%の範囲内であった。
上述したように、本発明は、中間転写体以外にも適用が可能である。そこで、本発明を塗布ローラーに利用した実施例を説明する。
界面活性剤水溶液
界面活性剤(市販アルキル硫酸エステル系):1部
純水:99部
プラズマ処理条件
使用ガス;流量:air;1200cc/min
N2 ;6600cc/min
入力電圧:230V
周波数:20kHz
処理速度:200mm/min
プラズマ処理条件
使用ガス;流量:air;1200cc/min
N2 ;6600cc/min
CF4;195cc/min
入力電圧:190V
周波数:20kHz
処理速度:200mm/min
その後、実施例1と同様に処理が終了した塗布ローラーの水洗等を行うことで、1200dpi間隔で、内径β=6μm、外径γ=12μmのリング状の親液部が規則的に形成されたパターンをもつ塗布ローラーが得られた。
図6は本発明に係る記録物の製造方法および画像記録装置の一実施形態の概略を示す模式図である。この実施形態の画像記録装置は、基本的に、中間転写体上にインク画像を形成するプロセスと、その転写体上に形成されたインク画像を所望の記録媒体に転写するプロセスとを、基本的に含む記録工程を実施する。
2 界面活性剤含有液滴
4 親液部
5 塗布液
Claims (10)
- 撥液性の表面を有する対象物の前記表面に界面活性剤を含有する液体を付与して液滴を形成する液滴形成工程及び前記液滴が形成されている前記表面にプラズマ処理を行うプラズマ処理工程を有することを特徴とする親液性パターン形成方法。
- 前記プラズマ処理工程におけるプラズマ処理によって前記表面の前記液滴が付与された領域の外側の領域を親液化する請求項1に記載の親液性パターン形成方法。
- 前記プラズマ処理工程の後に前記表面の前記液体を除去する液体除去工程を有する請求項1または2に記載の親液性パターン形成方法。
- 前記液体除去工程が、水洗である請求項3の親液性パターン形成方法。
- 前記液滴形成工程の後、前記プラズマ処理工程に先立って、前記液滴の体積を減少させる工程をさらに有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
- 前記プラズマ処理工程の後に、前記表面を撥液化処理する工程をさらに有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
- 前記撥液化処理が、弗素原子を含むガスを用いたプラズマ処理である請求項6に記載の親液性パターン形成方法。
- 前記対象物の前記表面がシリコーンゴムである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
- 前記液滴形成工程において、前記界面活性剤を含有する液体をインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して前記液滴を形成する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の親液性パターン形成方法を用いて形成された親液性パターンを表面に有する塗布ローラー。
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