JP5332190B2 - 表面処理鋼板のレーザ溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理鋼板のレーザ溶接方法およびそれに用いるビーズ状間隙材の定着装置に関し、特に合金化溶融亜鉛めっき鋼板等のめっき鋼板が重なるような板組のもとでレーザ溶接を施すにあたり、めっき層の蒸発による二次的不具合を防止するべく、溶接する母材間にビーズ状間隙材を挟み込むことにより所定の隙間を確保して、発生する蒸気を脱出させることにより溶融部での巻き込みを防止し、健全な溶接ができるような表面処理鋼板のレーザ溶接方法とそれに用いるビーズ状間隙材の定着装置およびレーザ溶接用治具に関するものである。
二枚以上の母材を重ね合わせた上でいわゆる重ね継手の形態でレーザ溶接を施す場合、少なくとも下側となる母材表面がめっき鋼板であると溶接時の熱でめっき層が蒸発して気体となり、これが溶接ビード内に気泡(ポロシティ)となって残り、結果として溶接強度が低下することになる。
この対策として、溶接する母材間に隙間を設けて、溶接中に発生した気泡を積極的に外部に排出することが有効であるが、上記隙間が大きすぎると逆に母材同士の溶着が阻害されることになるため、例えば特許文献1に記載のように溶接母材同士の重合部にビーズ状間隙材を介在させて、その状態でビーズ状間隙材を含む母材同士を上下から加圧することで溶接母材間の隙間の大きさを管理する方法が考えられている。
特開平8−141761号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、予めビーズ状間隙材を混入した溶剤を塗布した上で溶接母材同士を重ね合わせたならば、その状態で実際の溶接に先立って溶剤を蒸発(揮発)させる乾燥工程が必須であり、工程数の増加とコストアップが余儀なくされることとなって好ましくない。
しかも、特許文献1に記載の技術では、ビーズ状間隙材そのものが転がりやすいためにビーズ状間隙材の定着性が悪く、例えば溶接母材が複雑な三次元形状の車体パネルである場合には、ビーズ状間隙材を混入した溶剤を塗布してから溶接するまでの間にビーズ状間隙材が転がり、必要な部位に必要な量のビーズ状間隙材をとどめておくことが難しく、十分な効果を期待することができない。
例えばビーズ状間隙材の定着量が少ないと母材同士の間に必要な大きさの隙間を確保することができずになおもポロシティが発生するほか、ビーズ状間隙材の定着量が多すぎると溶接ビードに穴あき、凹凸等の欠陥が発生して、必要な溶接強度を確保することができなくなる。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、従来と同様に転がりやすいビーズ状間隙材の使用を前提としつつも、そのビーズ状間隙材の定着性、すなわち必要な部位に必要な量のビーズ状間隙材をとどめておくことができるように考慮された表面処理鋼板のレーザ溶接方法とそれに用いるビーズ状間隙材の定着装置を提供しようとするものである。
本発明は、表面処理鋼板が下側となるようにその表面処理鋼板を含む少なくとも二枚の母材同士を重ね合わせた上で重ね継手の形態でレーザ溶接を施す方法であって、予めビーズ状間隙材を混入してある不揮発性の油脂を下側となる母材の上に塗布することにより、上記油脂の粘度をもってビーズ状間隙材を下側となる母材の上に定着保持させる工程と、上記定着保持させたビーズ状間隙材の上から上側となる母材を重ね合わせて、当該上側の母材側よりレーザビームを照射してレーザ溶接を施す工程と、を含んでいて、上記ビーズ状間隙材を混入してある油脂の塗布は、レーザ加工ヘッドとともに産業用ロボットに持たせた塗布ガンにより行うことを特徴とする。
本発明によれば、不揮発性の油脂の粘度をもってビーズ状間隙部材を定着保持させるようにしたため、従来のように乾燥工程を必要としないので、工程数の増加やコストアップを招くことがないだけでなく、母材が複雑な三次元形状を有する場合であってもビーズ状間隙材の転がりを抑制して、必要な部位に必要な量のビーズ状間隙材をとどめておくことができ、そのビーズ状間隙材を使用したことによる溶接母材間の隙間確保が確実に行え、ポロシティの発生や溶接強度不足の発生を未然に防止して溶接品質が向上する。
図1は本発明の前提となるレーザ溶接方法の手順を模式的に示している。
ここでは、表面処理鋼板である例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板を母材として二枚の母材W1,W2同士を重ね継手の形態で連続的に溶接する場合を示しており、実際の溶接に先立って二枚の母材W1,W2同士の間に微小隙間を確保する手段に特徴がある。
最初に同図(A)に示すように、溶接に先立って下側となる母材W1の上に少なくとも溶接線に沿った所定範囲に大きさが均一の微小径のガラスビーズやスチールビーズ等のビーズ状間隙材1を定着保持させるべく、下側となる母材W1の上に不揮発性の粘稠な油脂として例えば比較的粘度の高い粘稠な防錆油2を均一に塗布するとともに、その塗布した防錆油2のなかにビーズ状間隙材1を均一に混在させて定着保持させる。
より具体的には、図2に示すように、予めビーズ状間隙材1を混入した防錆油2をタンク3に貯留しておく一方、シーリングロボット(産業用ロボット)4のロボットアーム5に持たせた塗布ガン6からビーズ状間隙材1入りの防錆油2を噴射して、下側となる母材W1の上にビーズ状間隙材1を含んだ防錆油2を均一に塗布する。または、図3に示すように、間隙材定着装置10のオイル塗布ローラ13にて下側となる母材W1の上に防錆油2を塗布した上で、その塗布した防錆油2の上から間隙材散布ローラ14にてビーズ状間隙材1を均一に散布する。なお、間隙材定着装置10の詳細は後述する。
このように防錆油2の粘度をもってビーズ状間隙材1を定着保持させることにより、例えば下側となる母材W1が複雑な三次元形状を呈していたとしても、その母材W1上でのビーズ状間隙材1の転がりを未然に防止して、溶接までの間、所定の位置に必要な量のビーズ状間隙材1をとどめておくことができる。
こうして下側となる母材W1の上にビーズ状間隙材1を定着保持させたならば、図1の(B)に示すように、それらの上から上側となる母材W2を重ね合わせて、二枚の母材W1,W2同士の間に防錆油2とともに多数のビーズ状間隙材1を介在させる。この時、予め下側の母材W1上にある多数のビーズ状間隙材1は防錆油2の粘度にて定着保持されたままであるから、上側の母材W2を重ね合わせたとしても多数のビーズ状間隙材1は不動であり、それらのビーズ状間隙材1は上下の母材W1,W2同士の間にそのまま介在して、ビーズ状間隙材1の直径に相当する所定の隙間Gが上下の母材W1,W2間に確保されることになる。
この状態で、同図(C)に示すように、母材W1,W2とレーザ加工ヘッド7とを相対移動させて、例えば母材W1,W2側を固定側としたならばレーザ加工ヘッド7を所定速度で連続的に移動させて、上側の母材W2側よりレーザビームLを照射することにより母材W1,W2同士を溶接する。
より具体的には、例えば図4に示すように、溶接ロボットのロボットアーム8に持たせたレーザ加工ヘッド7に加圧ピン9を予め付帯させておき、上下の母材W1,W2同士を加圧ピン9にて加圧して、その加圧位置を後追いするようにしてレーザビームLを移動させることで母材W1,W2同士を溶接する。なお、別のクランプ手段にて溶接線の近傍を加圧拘束した状態でレーザ溶接を施す場合には上記加圧ピン9は不要である。
この場合において、溶接対象となる母材W1,W2同士が合金化溶融亜鉛めっき鋼板であるため、溶接部での母材W1,W2の溶融に伴いその母材W1,W2の表面のめっき層が蒸発してガスが発生することは周知のとおりであるが、これらのガスは母材W1,W2同士の間に予め確保されている隙間Gを通して外部にスムーズに排出されることから、溶接ビード部にポロシティや未溶着等の不具合が発生することはない。
ここで、上下の母材W1,W2間に介在するビーズ状間隙材1の量が少なすぎると、その母材W1,W2同士の間に必要な隙間Gを溶接ビード全長にわたって確保することができずに溶接ビードにポロシティ等が発生する一方、またビーズ状間隙材1の量が多すぎると、同様に溶接ビードに穴あき、凹凸等の欠陥が発生して必要な溶接強度を確保することができなくなる可能性があるので、上下の母材W1,W2間に介在させるべきビーズ状間隙材1の量は試験等を行って予め定量的に把握しておくものとする。
また、使用するビーズ状間隙材1の融点が母材W1,W2に比べて極端に低いと溶接時に飛散して穴あきが発生し、ポロシティのような気泡が溶接ビード内に残る可能性がある一方、逆にビーズ状間隙材1の融点が母材W1,W2に比べて高すぎるとビーズ状間隙材1が溶けずに溶接ビード内に粒子状になって残るので、ビード本来の溶接強度を低下させる原因となる。そして、ビーズ状間隙材1の融点が母材W1,W2と同程度であればそのビーズ状間隙材1が溶接ビードに溶け込んで溶接強度の低下を防ぐことができる。このようなことから、使用するビーズ状間隙材1はその融点が母材W1,W2である鉄の融点より高い材料が望ましく、例えばガラスビーズ(融点は1700℃程度)を使用するものとする。
さらに、例えば自動車の車体パネルの場合、上下の母材W1,W2間に確保する隙間Gの大きさが0.1〜0.3mm(母材板厚×0.4)程度であればめっき層の蒸発による溶接ビード部でのポロシティ等の不具合が発生しないとされていることから、上記ビーズ状間隙材1として使用するガラスビーズの直径は例えば直径が0.1〜0.3mm程度で極力ばらつきのないものを使用する。
その一方、上記のようなビーズ状間隙材1の定着保持に使用する不揮発性の粘稠な油脂としては、例えば下側の母材W1が複雑な三次元形状を呈しているような場合でもビーズ状間隙材1の転がりを防止して定位置にとどめておく機能がれば良く、先に例示したような例えば比較的粘度の高い粘稠な防錆油2を使用する。この防錆油2の使用は、溶接時にめっき層が飛散して消失しまった場合でも母材W1,W2の防錆性を確保できる利点がある。
ここで、図3に示した間隙材定着装置10の詳細を説明すると、この間隙材定着装置10は、シーリングロボット(産業用ロボット)等のロボットアーム11に持たせることを前提として、そのロボットアーム11に支持されることになる支持体としてのフレーム12に、先の不揮発性の粘稠な油脂としての防錆油2を塗布するための流体塗布ローラ(流体塗布手段)たるオイル塗布ローラ13とビーズ状間隙材1であるガラスビーズを散布するための間隙材散布手段たる間隙材散布ローラ14とを共に支持させたものである。
オイル塗布ローラ13はフレーム12の下部に回転可能に軸受支持されているとともに、ローラ13自体の内部に予め所定量の防錆油2が貯留されているか、または図示しない防錆油供給源から防錆油が供給されるようになっていて、下側となる母材W1上を転動させることでそのローラ13の表面から防錆油が浸出して母材W1上に防錆油2を均一に塗布する機能を有する。
一方、間隙材散布ローラ14はフレーム12のうちオイル塗布ローラ13よりも上方位置に支持されていて、後述するようにオイル塗布ローラ13との間に掛け渡されたチェーン等のエンドレスな巻掛伝達手段15を介してそのオイル塗布ローラ13と同期回転駆動されるようになっている。
より詳しくは、間隙材散布ローラ14は、図5,6に示すように有底円筒状の外筒16と、その外筒16に内挿可能であって且つガラスビーズ等のビーズ状間隙材1の貯留容器として機能する円筒状の内筒17、およびエンドキャップ18とから構成されていて、内筒17には予め所定量のガラスビーズ等のビーズ状間隙材1が収容される。また、外筒16には長手方向に沿って下向きの開口部19が形成されている一方、内筒17の円筒面にはビーズ状間隙材1が通過可能な多数の穴20がランダムにまたは規則性をもって形成されていて、外筒16を固定側としてその外筒16に対し内筒17を回転駆動させることにより、外筒16側の開口部19と内筒17側のいずれかの穴20との合致を条件に、間隙材散布ローラ14からビーズ状間隙材1が流出するようになっている。
なお、図3に示すように、フレーム12のうち間隙材散布ローラ14の下方位置には拡散プレート21が付設されていて、間隙材散布ローラ14から流出した直後のビーズ状間隙材1を拡散プレート21に当接させることで、間隙材散布ローラ14の下方側にビーズ状間隙材1を拡散させつつ散布することが可能となっている。
したがって、図3に示すように、間隙材散布ローラ14がオイル塗布ローラ13よりも上方で且つ進行方向後方側に位置するようにフレーム12を傾けた状態のままで、オイル塗布ローラ13を下側の母材W1に軽く押し付けて下側の母材W1上で転動させ、その下側の母材W1に防錆油2を連続的に且つ均一に塗布する。
このオイル塗布ローラ13の転動に伴い間隙材散布ローラ14が同期回転、すなわち間隙材散布ローラ14の外筒16に対して内筒17が同期回転することから、外筒16の開口部19から内部のビーズ状間隙材1が所定量ずつ流出することになる。間隙材散布ローラ14から流出したビーズ状間隙材1は拡散プレー21に当接することで拡散し、先に塗布されている防錆油2の上にランダムに散布され、その防錆油2自体の粘性をもって下側の母材W1上に定着保持されることになる。
この場合、オイル塗布ローラ13と間隙材散布ローラ14との速比を調整することでビーズ状間隙材1の流出量ひいては下側の母材W1に対するビーズ状間隙材1の散布量をコントロールすることが可能となる。
ここで、図2の例では、予めビーズ状間隙材1を混入した不揮発性の粘稠な油脂としての防錆油2をタンク3に貯留しておき、シーリングロボット4のロボットアーム5に持たせた塗布ガン6からビーズ状間隙材1入りの防錆油2を噴射して、下側となる母材W1の上にビーズ状間隙材1を含んだ防錆油2を塗布するものであることは先に説明した通りである。
その一方、防錆油2はその種類、特に粘度によってはビーズ状間隙材1との比重差のためにタンク3内でそのビーズ状間隙材1が沈殿,分離してしまい、撹拌手段にて撹拌しなければいけない場合がある。
そこで、不揮発性の粘稠な油脂として、先の防錆油2に代えて、例えばワセリン、パラフィンワックス、グリセリン等のように粘度および熱容量が共に大きな高粘度油脂を用いることがより望ましい。その理由は、粘度および熱容量が大きいほど溶接部でのめっき層からの蒸気の発生を抑制する上で有利となるからである。
図7は本発明に係るレーザ溶接方法のより具体的な第1の実施の形態を示す図である。同図に示すように、タンク3内には、ガラスビーズ等のビーズ状間隙材1を混入した高粘度油脂22を貯留してある。このビーズ状間隙材1を混入した高粘度油脂22は、先に述べたワセリン、パラフィンワックス、グリセリン等のような粘性および熱容量の大きな高粘度油脂22のなかにビーズ状間隙材1を投入して撹拌または混練し、あたかも乳化させるようにしてビーズ状間隙材1を全体的に均等に分散させたものである。このように不揮発性の粘稠な油脂として高粘度油脂22を用いると、図7から明らかなように高粘度油脂22自体の粘度が大きく且つビーズ状間隙材1の周りに表面張力がはたらいて、タンク3内でビーズ状間隙材1が沈殿,分離してしまうことがなく、均等な分散状態を維持することが可能となる。
より具体的には、図7に示したように、図4と同様のレーザ加工ヘッド7を支持させたロボットアーム5に同時にブラケット23を介して塗布ガン26を支持させ、その塗布ガン26の先端のノズル24は伸縮可能に構成してある。なお、符号25はエアノズルを示し、レーザビーム照射による溶接の際に発生する生成物を飛散,除去させるためのものである。
そして、タンク3から塗布ガン26までは、ビーズ状間隙材1を予め混入してある高粘度油脂22をポンプ27にて圧送する一方、レーザ加工ヘッド7による溶接に先立って、下側の母材W1の上に溶接線に沿って塗布ガン26のノズル24から高粘度油脂22を吐出して塗布する。この場合、溶接線に倣って正確に高粘度油脂22を塗布するためにノズル24を伸長させて、そのノズル24を下側の母材W1に一段と近付けて塗布することが望ましい。
このように高粘度油脂22をもってビーズ状間隙材1を下側の母材W1の上に定着保持させることにより、例えば下側となる母材W1が複雑な三次元形状を呈していたとしても、その母材W1上でのビーズ状間隙材1の転がりを未然に防止して、溶接までの間、所定の位置に必要な量のビーズ状間隙材1をとどめておくことができることは言うまでもない。
ここで、図8に示すように溶接線W・Lが直線状の場合には、その下側の母材W1の上に塗布される高粘度油脂22の塗布軌跡は、上記溶接線W・Lとほぼ一致していることが望ましい。その理由は、同図(B)に示すように高粘度油脂22の塗布した下側の母材W1の上に上側の母材W2を重ね合わせて押し付けると、高粘度油脂22が押し潰されて周囲に拡がるためにその高粘度油脂22に含まれているビーズ状間隙材1もまた溶接線W・Lの周囲に拡がることになる。その結果として、溶接線W・Lの周囲ではビーズ状間隙材1の分散化により均等な隙間を確保することが可能となる。
同様の理由から、図9に示すように溶接線W・Lが円弧状の場合には、溶接線W・Lで囲まれる部分の中央部にビーズ状間隙材1を予め混入してある高粘度油脂22を塗布して、下側の母材W1の上に上側の母材W2を重ね合わせて押し付けたときに、そのビーズ状間隙材1を含んだ高粘度油脂22が溶接線W・Lとほぼ同心円状に拡がるようにすることが望ましい。
なお、上記実施の形態では表面処理鋼板として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を例にとって説明したが、めっき鋼板以外にも例えば各種の塗装やコーティング等を施した表面処理鋼板にも本発明を適用することが可能である。
さらに、本発明は、レーザ溶接とMIG溶接とを併用するいわゆるハイブリッド溶接法にも適用することが可能である。
本発明の前提となるレーザ溶接方法の手順を模式的に示す工程説明図。 図1の(A)で使用されるビーズ状間隙材入りの防錆油を塗布するための装置の一例を示す構成説明図。 同じく図1の(A)で使用される防錆油の塗布とビーズ状間隙材の散布に用いられる間隙材定着装置の構成説明図。 図1の(C)で使用されるレーザ加工ヘッドの詳細を示す説明図。 図3に示した間隙材定着装置における間隙材散布ローラの分解斜視図。 同じく図3に示した間隙材定着装置における間隙材散布ローラの断面説明図。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、ビーズ状間隙材入りの高粘度油脂を塗布するための塗布ガンの構成説明図。 ビーズ状間隙材入りの高粘度油脂の塗布形態の一例を示す説明図。 ビーズ状間隙材入りの高粘度油脂の塗布形態の別の例を示す説明図。
符号の説明
1…ビーズ状間隙材
2…不揮発性の粘稠な油脂としての防錆油
4…シーリングロボット
5…ロボットアーム
6…塗布ガン
7…レーザ加工ヘッド
8…ロボットアーム
10…間隙材定着装置
11…ロボットアーム
12…支持体としてのフレーム
13…流体塗布ローラ(流体塗布手段)としてのオイル塗布ローラ
14…間隙材散布ローラ(間隙材塗布手段)
16…外筒
17…内筒
21…拡散プレート
22…不揮発性の粘稠な油脂としての高粘度油脂
24…ノズル
26…塗布ガン
G…隙間
L…レーザビーム
W1…下側の母材(表面処理鋼板としての合金化溶融亜鉛めっき鋼板)
W2…上側の母材(表面処理鋼板としての合金化溶融亜鉛めっき鋼板)

Claims (4)

  1. 表面処理鋼板が下側となるようにその表面処理鋼板を含む少なくとも二枚の母材同士を重ね合わせた上で重ね継手の形態でレーザ溶接を施す方法であって、
    予めビーズ状間隙材を混入してある不揮発性の油脂を下側となる母材の上に塗布することにより、上記油脂の粘度をもってビーズ状間隙材を下側となる母材の上に定着保持させる工程と、
    上記定着保持させたビーズ状間隙材の上から上側となる母材を重ね合わせて、当該上側の母材側よりレーザビームを照射してレーザ溶接を施す工程と、
    を含んでいて、
    上記ビーズ状間隙材を混入してある油脂の塗布は、レーザ加工ヘッドとともに産業用ロボットに持たせた塗布ガンにより行うことを特徴とする表面処理鋼板のレーザ溶接方法。
  2. 上記ビーズ状間隙材がガラスビーズであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理鋼板のレーザ溶接方法。
  3. 上記油脂が防錆油であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理鋼板のレーザ溶接方法。
  4. 表面処理鋼板が下側となるようにその表面処理鋼板を含む少なくとも二枚の母材同士を重ね合わせた上で重ね継手の形態でレーザ溶接を施す方法であって、
    予めガラスビーズを混入してある不揮発性の油脂を産業用ロボットに持たせた塗布ガンにより下側となる母材の上に塗布し、
    上記ガラスビーズを上記油脂の粘度をもって下側となる母材の上に定着保持させた後にその上から上側となる母材を重ね合わせて、
    その上側の母材側より上記塗布ガンとともに産業用ロボットに持たせたレーザ加工ヘッドにてレーザビームを照射してレーザ溶接を施すことを特徴とする表面処理鋼板のレーザ溶接方法。
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