JP5331909B2 - 燃焼器 - Google Patents

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本発明は燃焼器及びその運転方法に関する。
環境に対する規制や社会的要求が日増しに強くなっており、ガスタービンにおいてもさらなる高効率化,低NOx化が求められている。
ガスタービンを高効率化させるための一方策として、タービン入口ガス温度を上昇させることが考えられるが、この場合ガスタービン燃焼器での火炎温度の上昇に伴ってNOxの排出量増加が懸念される。
特許文献1には、燃焼室に燃料を供給する燃料ノズルと、この燃料ノズルの下流側に位置し、酸化剤を供給する酸化剤ノズルとを備え、燃料ノズルの噴出孔と酸化剤ノズルの噴出孔とを同軸上に配置した燃料燃焼用ノズルを開示されている。また、特許文献1では、燃料と空気による同軸噴流で生成した火炎が吹き消えても再着火可能とするために、酸化剤ノズルを備えたプレートの外周側部材が中心側部材に比べ厚く形成されている(図1)。
特開2005−106305号公報
しかし、引用文献1ではNOx低減について考慮されていなかった。
そこで本発明の目的は、燃焼器において、低NOxと燃焼安定性を両立する構造を提供することにある。
本発明は、燃料と空気とを混合燃焼させる燃焼室と、前記燃焼室の上流側壁を形成する空気孔プレートと、前記空気孔プレートに、その中心軸に対して傾斜して穿設された複数の空気孔と、前記複数の空気孔それぞれに燃料を供給する燃料ノズルとを備えた燃焼器であって、前記空気孔プレートは燃焼室側に、それぞれ前記空気孔プレートの中心軸方向と垂直な平面である内周側平面と、外周側平面とを有し、前記内周側平面は前記外周側平面よりも下流側に位置し、前記内周側平面と前記外周側平面とは、平面または滑らかな面で接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、燃焼器において、低NOxと燃焼安定性を両立する構造を提供できる。
実施例1におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図1に示した実施例1の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 実施例1のガスタービン燃焼器が適用されるガスタービンプラントの概略構成を示すプラントの系統図である。 実施例1におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置における燃焼室内の燃料流と空気流の流動状態を示した図である。 実施例1におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図(変形例)である。 実施例1におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図(変形例)である。 図6に示した実施例1の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図(変形例)である。 実施例1であるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置における燃焼室内の燃料流と空気流の流動状態を示した図(変形例)である。 実施例2であるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図9に示した実施例2の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 実施例3であるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図11に示した実施例3の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 実施例4であるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図13に示した実施例4の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 図3のA部・B部を拡大した図である。 実施例5におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図16に示した実施例1の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 実施例5におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図(変形例)である。 実施例5におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図(変形例)である。 実施例6におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図20に示した実施例6の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 図20に示した実施例6のバーナを7つ配置したガスタービン燃焼器の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 ガスタービン燃焼器のガスタービン負荷に対する燃料を供給しているバーナにおける燃空比条件の一例である。 図22に示すガスタービン燃焼器のガスタービン負荷に対する燃料を供給しているバーナにおける燃空比条件の一例である。 実施例7におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図25に示した実施例7の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。 実施例8におけるガスタービン燃焼器の燃料供給部を構成する燃料ノズルヘッダと燃料ノズル及び空気孔プレートとの配置状況の詳細を示す部分構造図である。 図27に示した実施例8の空気孔プレートを燃焼室側から見た正面図である。
以下、各実施例について説明する。
図3は発電用ガスタービンプラント1000の全体構成を表すシステム図である。
図3において、発電用ガスタービンは、吸い込み空気100を加圧して高圧空気101を生成する圧縮機1と、圧縮機1で生成した高圧空気101と燃料200とを燃焼させて高温燃焼ガス102を生成する燃焼器2と、燃焼器2で生成した高温燃焼ガス102によって駆動されるタービン3と、タービン3の駆動によって回転され電力を発生させる発電機20と、圧縮機1,タービン3及び発電機20を一体に連結するシャフト21を備える。
そして、燃焼器2は、ケーシング4の内部に格納されている。
また、燃焼器2は、その頭部にバーナ6を備え、このバーナ6の下流側となる燃焼器2の内部に、高圧空気と燃焼ガスとを隔てる概略円筒状の燃焼器ライナ10を備える。
この燃焼器ライナ10の外周に、高圧空気を流下させる空気流路を形成する外周壁となるフロースリーブ11が配設されている。フロースリーブ11は燃焼器ライナ10よりも直径が大きく、燃焼器ライナ10とほぼ同心円の円筒状に配設されている。
燃焼器ライナ10の下流側は、燃焼器2の燃焼室50で発生した高温燃焼ガス102をタービン3に導くための尾筒内筒12が配設されている。また、尾筒内筒12の外周側に、尾筒外筒13が配設されている。
吸い込み空気100は、圧縮機1によって圧縮された後に高圧空気101となる。高圧空気101は、ケーシング4内に充満した後、尾筒内筒12と尾筒外筒13の間の空間に流入し、尾筒内筒12を外壁面から対流冷却する。
さらに高圧空気101は、フロースリーブ11と燃焼器ライナ10との間に形成された環状の流路を通って燃焼器の頭部に向かって流れる。高圧空気101は流れる途中で、燃焼器ライナ10の対流冷却に使用される。
また、高圧空気101の一部は、燃焼器ライナ10に設けられた多数の冷却孔から燃焼器ライナ内へ流入し、燃焼器ライナ10のフィルム冷却に使用される。
燃焼器ライナ10のフィルム冷却に使用されなかった高圧空気101は、燃焼室50の上流側壁面に位置する空気孔プレート33に設けられた多数の空気孔32から燃焼器ライナ10内に流入する。
多数の空気孔32から燃焼器ライナ10に流入した高圧空気101は、燃料ノズル31から噴出される燃料200とともに、燃焼室50で燃焼して高温燃焼ガス102を生成する。この高温燃焼ガス102は尾筒内筒12を通じてタービン3に供給される。
高温燃焼ガス102は、タービン3を駆動した後に排出されて、排ガス103となる。
タービン3で得られた駆動力は、シャフト21を通じて圧縮機1及び発電機20に伝えられる。
タービン3で得られた駆動力の一部は、圧縮機1を駆動して空気を加圧し高圧空気を生成する。また、タービン3で得られた駆動力の他の一部は、発電機20を回転させて電力を発生させる。
次に、燃焼器2の構成について説明する。
本実施例の燃焼器2のバーナ6には、燃料を噴出する多数の燃料ノズル31が燃料ノズルヘッダ30に取り付けられている。また、空気孔プレート33に多数備えられた空気孔32は、燃料ノズル31の1本1本に対応し、それぞれ対応する燃料ノズル31の下流側に位置する。
図15のA部詳細図・B部詳細図は、図3に記載した燃焼器2において、A部及びB部における一対の燃料ノズル31と空気孔32との配置関係を表している。
A部では、燃料ノズル31と空気孔プレート33に設けた空気孔32は、両者の軸線が同一線上に位置するように配置されている。一方、B部では、燃料ノズル31の中心軸に対して、空気孔32の中心軸が傾斜している(詳細は後述する)。そのため、空気孔プレートの中心軸を含む平面による空気孔プレートの切断面形状は、B部詳細図のように表される。なお、図1〜図14における全ての空気孔形状は、便宜的に直管形状で表す。A部・B部のように、空気孔の内部では、燃料噴流35の周囲を空気噴流36が包み込むように流れる。このような燃料噴流35及び空気噴流36の同軸噴流は、燃料ノズル31と空気孔32との対の数だけ多数形成される。本発明では、一対の燃料ノズルと空気孔の組を同軸噴流ノズルと呼ぶ。
燃料噴流35と空気噴流36との小さな同軸噴流を多数形成することにより、燃料と空気の界面が増加する。そのため、空気孔32の出口側では燃料噴流35と空気噴流36との混合が促進した混合気が形成される。この混合気を燃焼器2の燃焼室50で燃焼させることによって、火炎温度を均一化させることができ、NOxの発生量を抑制することができる。
さらに、バーナ6はF1燃料201とF2燃料202の二つの燃料系統を備える。それぞれの燃料系統は燃料流量調整弁211,212を備えている。そして、F1燃料201の流量は燃料流量調整弁211で、F2燃料202の流量は燃料流量調整弁212でそれぞれ調節される。そして、ガスタービンプラント1000の発電量が制御される。
図1は、図3のガスタービンプラントにおける、燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図である。図2(a)は空気孔プレート33を燃焼室50側から見た正面図である。
本実施例において、空気孔32は同心円状に3列配置されており、バーナ内周側から6個,12個,18個の空気孔32が設けられている。なお、それぞれの空気孔列は、内周側から第1列の空気孔32a,第2列の空気孔32b,第3列の空気孔32cとする。
また、燃焼室50に旋回流を形成するため、第1列の空気孔32aはバーナ軸方向(燃料ノズルの中心軸)に対してθだけ傾斜して配設されている。図2(b)は、第1列の空気孔32aをバーナの円周方向に切断した図を示す。
さらに、本実施例の燃料系統は、F1燃料201を供給する系統とF2燃料202を供給する系統の2つに分かれている。ここで、F1燃料201は第1列の空気孔32aに対応する燃料ノズル31a(第1の燃料ノズル群)に供給され、F2燃料202は第2列の空気孔32b及び第3列の空気孔32cに対応する燃料ノズル31b及び31c(第2の燃料ノズル群)に供給される。
本実施例では、F1燃料201が供給される第1列の燃料ノズル31aと、これと対を成す空気孔32aを内周同軸噴流ノズル群51と呼ぶ。F2燃料202が供給される第2列の燃料ノズル31b及び第3列の燃料ノズル31cと、これと対を成す第2列の空気孔32b及び第3列の空気孔32cを外周同軸噴流ノズル群52と呼ぶ。そして、図1の一点鎖線で囲まれた部分が一つのバーナ6を構成する。すなわちバーナ6は、空気孔プレートと、空気孔プレートに設けられた複数の空気孔32a,32b,32cのそれぞれに対応した燃料ノズル31a,31b,31cとを有する。
空気孔プレート33の燃焼室側壁面は、空気孔出口が位置する面である。そして、燃焼室側壁面については内周側壁面が外周側壁面より燃焼室下流側に位置する。そのため、内周側壁面に位置する第1列の空気孔32aの噴出口は、外周側壁面に位置する第3列の空気孔32cの噴出口と比べ、燃焼室下流側に位置する。また、空気孔プレート中心軸からの半径距離が燃焼室上流側に比べ下流側を減少させるように、燃焼室側の内周側壁面と外周側壁面とを接続する接続部壁面を中心軸に対して傾斜させている。従って、空気孔プレートの接続部壁面は、円錐台形状となる。
このような空気孔プレート形状により、内周同軸噴流ノズル群51に対して外周同軸噴流ノズル群52をバーナ軸方向の上流側に配設させている。
図4は、本実施例のバーナを用いて得られる火炎の概略形状と流体の流れを示す。
内周同軸噴流ノズル群51を構成する、空気孔プレート33の燃焼室側壁面は、バーナ軸(即ち、空気孔プレートの中心軸)に対して垂直である。そのため、第1列の空気孔32aの出口に近い領域に、淀み領域42a及び42bが形成される。
淀み領域42a,42bの近傍は流れが淀むために流速が遅くなり、局所的に燃焼速度と流速が釣り合う部分が生じる。その燃焼速度と流速が釣り合う部分を基点として、火炎41が形成される。さらに、第1列の空気孔32aは、バーナ軸(空気孔プレートの中心軸)に対して傾斜して配設されているため、循環流40が生じる。この循環流40によって、火炎41の下流から上流に高温の燃焼ガスが輸送され、熱エネルギーも下流から上流に輸送される。よって、空気孔32から燃焼室に供給される未燃混合気が加熱されて反応性が高まり、燃焼安定性を高めることができる。以上より、内周同軸噴流ノズル群51を燃焼安定性の高いバーナとすることができる。
一方、外周同軸噴流ノズル群52は、内周側壁面と外周側壁面とを接続する接続部43を備える。この接続部壁面の空気孔プレート中心軸からの半径距離を、燃焼室上流側に比べ下流側が近くなるように、接続部壁面を傾斜させている。第2列の空気孔32bの出口と第3列の空気孔32cの出口の間の接続部壁面は、バーナ軸に対して傾斜しているために流れが淀みにくい。したがって、外周同軸噴流ノズル群52を構成する空気孔プレート33の近傍に火炎は形成されない。そのため、図4に示すように、内周同軸噴流ノズル群51を火種とした火炎41が形成される。また、接続部壁面の空気孔プレート中心軸からの半径距離は、燃焼室上流側に比べ下流側を近くするように接続部壁面を傾斜させているため、接続部壁面における予混合気流の剥離を抑制でき、流れが淀みにくくなる。
本実施例では、空気孔32の内部流路を流れる同軸噴流の燃料と空気が内部流路内で混合する。また、内部流路から燃焼室空間に流路を急拡大させている。そのため燃料と空気が燃焼室に流入した後も、燃料と空気の混合はさらに進行する。
燃料と空気の混合が十分に進行すると、局所燃焼温度が均一化される。そのため、本実施例の構造は低NOx化に有効である。すなわち、本実施例のような、燃料と空気の多数の同軸噴流から構成されるバーナにおいては、燃料と空気の混合が十分に進行した位置で燃料を燃焼させることが望ましい。つまり、空気孔32の出口から離れた位置で火炎41を形成することが好ましい。
本実施例は、図4に示すように、燃焼安定性の高いバーナである内周同軸噴流ノズル群51を基点に、火炎41が安定に形成される。したがって、空気孔プレートの燃焼室側壁面において、内周側壁面が外周側壁面より燃焼室下流側に形成されることによって、外周同軸噴流ノズル群52が備える第2列の空気孔32bの出口及び第3列の空気孔32cの出口から離間して火炎41が形成される。すなわち、燃料と空気の混合は空気孔32の出口における急拡大の効果だけでなく、空気孔32の出口から火炎41に到達するまでの間にも進行する。そのため、外周同軸噴流ノズル群52では火炎温度が均一化して低NOx燃焼が実現される。
このように、本実施例の内周同軸噴流ノズル群と外周同軸噴流ノズル群を備えることにより、低NOxと燃焼安定性を両立した構造を提供できる。
また、本実施例においては内周側壁面及び外周側壁面とを接続する接続部壁面はテーパ加工されている。但し同様の燃焼器は、図5に示すように内周同軸噴流ノズル群51と外周同軸噴流ノズル群52を曲線で接続しても実現できる。
すなわち、内周側壁面と外周側壁面とが、平面または滑らかな面で接続されていれば、低NOx効果が得られる。内周側壁面の下流側に形成される火炎と、接続面や外周側壁面に設けられた空気孔32b,32cとの距離を確保することができ、これらの空気孔32b,32cを通過する燃料と空気の混合を促進することができるからである。
ここで滑らかな面とは、その傾き具合の変化が、流れの淀みや剥離を必要以上に引き起こさない程度に滑らかな面であればよい。空気孔プレート33中心付近の下流側に形成される火炎の保炎に大きな悪影響を及ぼさなければ、上記効果が得られるからである。この限りであれば、軸方向に対する角度の違う平面の組み合わせや、これらと曲面の組み合わせでもよい。
本実施例で内周側壁面とは、内周同軸噴流ノズル群51を構成する、空気孔プレート33の燃焼室側壁面を意味する。内周側壁面は、空気孔プレート33の中心軸方向に対して垂直な平面である。外周側壁面も、空気孔プレート33の中心軸方向に対して垂直な平面である。本実施例で外周側壁面は、図5に示した、空気孔32cをつなぐ線の外側の面を意味する。
また、本実施例では内周同軸噴流ノズル群51に供給されるF1燃料201と外周同軸噴流ノズル群52に供給されるF2燃料202という二つの燃料系統を備えている。
ここで、空気流量に対する燃料流量の比率を上げることは、燃焼安定性を高める有効な方法である。すなわち、燃料ノズル31b,31cに供給する1本あたりの燃料流量に比べ、燃料ノズル31aに供給する1本あたりの燃料流量を増加させることによって、内周同軸噴流ノズル群51における空気流量に対する燃料流量の比率が増加し、火炎41の保炎点の温度が上昇する。そのため、バーナ6が形成する火炎41の燃焼安定性を高めることができる。
しかし、内周同軸噴流ノズル群51から噴出するF1燃料201の流量を増加させただけでは、バーナ6全体に供給される燃料200の流量が変化するため、得られる出力も変化してしまう。そこで本実施例では、F1燃料201の流量比率を上げると同時にF2燃料202の流量比率を下げている。そうすると、バーナ6全体に供給される燃料200の燃料流量を増加させることなく、内周同軸噴流ノズル群51において空気流量に対する燃料流量の比率を高められる。
すなわち本実施例では、第一の空気孔32a群に対応する第一の燃料ノズル31a群に供給する、一本の燃料ノズルあたりの燃料の流量を、前記第二の空気孔32b,32c群に対応する第二の燃料ノズル31b,31c群よりも多くしている。
このようにして、バーナ6全体に供給される燃料200の流量を変化させないため、得られる出力も変わらない。そのため、バーナ6が形成する火炎41の燃焼安定性を高めるとともに、バーナ6全体から排出されるNOx排出量の増加も抑制することができる。
図6は、空気孔プレートの内周側壁面及び外周側壁面とを接続する接続部壁面の幅を広くした変形例を示す。具体的には、内周同軸噴流ノズル群51の空気孔32aの最外周位置(図中Aの位置)から外周方向にテーパ加工とする構造である。
ここで、図7は図6を燃焼室50側から見た正面図である。
図8は、図6のバーナを用いて得られる火炎の概略形状と流体の流れを示す。図8では、流速と燃焼速度が釣り合う位置は、淀み42の領域すなわち第1列の空気孔32aの内側領域に形成される。したがって、火炎41は図8に示すように形成される。
次に、実施例2のガスタービン燃焼器について図9を用いて説明する。
本実施例のガスタービン燃焼器の構成は、実施例1のガスタービン燃焼器の構成と基本的な部分が共通しているので、両者に共通した構成の説明は省略して相違した構成についてのみ以下に説明する。
図9は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図であり、図10は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。
本実施例は、空気孔プレート33の厚みが半径方向でほぼ同一である。即ち、空気孔プレートの燃焼室側壁面と燃料ノズル側壁面が平行である。
本実施例では、空気孔プレート33の厚みが半径方向でほぼ同一であるため、全ての空気孔の内部流路長さも同一である。従って、空気噴流36が空気孔32を通過する際に生じる圧力損失を空気孔32の位置に拠らず一定にできる。
さらに、燃料ノズル31の噴出孔から空気孔32の入口までの距離を全て同一とするために、第3列の燃料ノズル31の長さに比べて、第1列と第2列の燃料ノズル31の長さを長くしている。これにより空気孔入口部の流動分布を等しく保つことができ,空気孔32に空気噴流36が流入する際に生じる入口圧力損失を,空気孔32の位置に拠らず一定とすることができる。
このようにして、空気噴流36が空気孔32の内部を通過する際、及び空気噴流36が空気孔32に流入する際に生じる圧力損失を空気孔32の位置に拠らず一定とする。そして、空気孔プレート33の上流側と下流側の圧力差を、空気孔32の配設位置に関わらず一定とする。
そうすることで、空気孔プレート33における空気孔32の配設位置によって空気噴流36の流量に偏差が生じることを防ぐことができる。
したがって、空気孔プレート33における空気孔32の配設位置に拠らず、燃料流量に対する空気流量の比率を一定とすることができるため、意図しない局所的な火炎温度の上昇を防ぎ低NOx燃焼とすることができる。
かくして、内周同軸噴流ノズル群51では十分な燃焼安定性が確保され、外周同軸噴流ノズル群52では低NOx燃焼が実現されるため、燃焼安定性と低NOx燃焼を両立させることができる。
次に、実施例3のガスタービン燃焼器について図11を用いて説明する。
本実施例のガスタービン燃焼器の構成は、実施例1のガスタービン燃焼器の構成と基本的な部分が共通しているので、両者に共通した構成の説明は省略して相違した構成についてのみ以下に説明する。
図11は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図であり、図12は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。
本実施例では、内周同軸噴流ノズル群51の構成は実施例1と同じである。ただし、外周同軸噴流ノズル群52に配設された空気孔32b及び32cの空気孔径が、空気孔プレート33上での配設位置によって異なる。すなわち、外周同軸噴流ノズル群52に配設された第3列の空気孔32cのうち、第2列の空気孔32bとの孔間距離が大きいものは孔径を拡大し、小さいものについては孔径を縮小する。
具体的に図12を用いて説明する。
まず、外周同軸噴流ノズル群52に配設された空気孔32のうち第3列の空気孔32cの一部である空気孔32c−1に注目する。円周方向における空気孔32c−1の位置は、空気孔32c−1と隣接し、円周方向に並ぶ第2列の空気孔32bの間に設けられている。即ち、第3列の空気孔32c−1と第2列の空気孔32bとの孔間が最も離間しているため、図示するように孔径を拡大する。
一方で、第3列の空気孔32cの空気孔32c−1とは異なる部分の空気孔32c−2に注目する。ここで、この空気孔32c−2は第2列の空気孔32bとの孔間が近接しているために、図示するように孔径を縮小する。
このように、隣接する第2列の空気孔32bとの孔間距離に応じて、空気孔32cの孔径を拡大又は縮小させる。すなわち、第3列の空気孔32cと第2列の空気孔32bとの間の空気孔プレート33の残肉量を空気孔プレート33上でほぼ等しくする。
空気孔プレート33の燃焼室側壁面において、空気孔32が配設されていない部分の領域43a及び43bを小さくして、流れが淀むことを抑制する。こうして流れが淀む箇所をなくすことで、領域43a,43bの近傍において燃焼速度と流速が釣り合う点が生成せず、火炎41は領域43a,43bの近傍に形成しにくくなる。
一方で、内周同軸噴流ノズル群51には実施例1と同じく、淀み42の近傍で流速が燃焼速度と釣り合う位置を基点とした、安定な火炎41が形成される。
したがって、外周同軸噴流ノズル群52では空気孔32b及び32cの出口から離間させた位置に火炎41が形成される。よって、燃料と空気が十分に混合した位置に火炎41が形成されるために、火炎温度は均一化され、外周同軸噴流ノズル群52では低NOx燃焼が実現される。
かくして、内周同軸噴流ノズル群51では十分な燃焼安定性が確保され、外周同軸噴流ノズル群52では低NOx燃焼が実現されるため、燃焼安定性と低NOx燃焼を両立させることができる。
次に、実施例4のガスタービン燃焼器について図13を用いて説明する。
本実施例のガスタービン燃焼器の構成は、実施例1のガスタービン燃焼器の構成と基本的な部分が共通しているので、両者に共通した構成の説明は省略して相違した構成についてのみ以下に説明する。
本実施例は、実施例1に示すバーナ6を7個組み合わせて1つの燃焼装置を構成している。
図13は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図であり、図14は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。
図13に示すように、中心に一つのバーナを配設して、そのバーナの外周側に6個のバーナを配設している。これらのバーナ6には、それぞれ燃料系統が2系統ずつ接続されている。また、全てのバーナ6において図1のバーナ構造を採用している。
図13に示すように、燃料系統を各バーナ6の内周同軸噴流ノズル群51と外周同軸噴流ノズル群52に分けることで、ガスタービン負荷に応じて燃焼させるバーナ本数を制御することができる。したがって、ガスタービンの起動条件から100%負荷条件まで各バーナのF1燃料201及びF2燃料202の流量を変化させて安定に燃焼させることができる。また、バーナごとに燃料系統を分けてもよい。この場合、燃料系統の総数は増えるが、部分負荷条件の運用性が向上し、全負荷範囲で安定にガスタービンを運転することができる。
また、実施例1〜3に示すバーナ6の構造を組み合わせて1つの燃焼装置とすることもできる。
かくして、本実施例の構成によって燃焼安定性と低NOx燃焼を両立させることができる。
以上説明した各実施例の燃焼器2は、燃料と空気とが供給され、これらを混合燃焼させる燃焼室50と、燃焼室50の主流方向で上流側に位置し、複数の空気孔32を有する空気孔プレート33と、空気孔プレート33の上流側に位置し空気孔32に燃料を供給する燃料ノズル31を備えている。この空気孔プレート33は、燃焼室50の上流側壁を形成し、同心円状に複数の空気孔32を有している。この空気孔32は、空気孔プレート33の中心軸に対して傾斜して穿設されており、火炎の下流側から上流側に流れる循環流40の発生を促す構造になっている。
各実施例の燃焼器2は、空気孔プレート33の燃焼室側(下流側)の面の中心が、最も外周側の空気孔32cの出口よりも、燃焼室側(下流側)に位置している。さらに言えば、空気孔プレート33の燃焼室側の面における、任意の点(例えば図8の43a)の空気孔プレート中心軸からの距離が、この任意の点よりも燃焼室上流側の点(例えば図8の43b)の空気孔プレート中心軸からの距離以下である。このような構造を採用したことにより、空気孔プレート33の外周側に設けられた空気孔と、空気孔プレート33の中心部下流側に形成される火炎との距離を離すことができる。その結果、外周側の空気孔を通過する燃料と空気の混合を促進することができ、NOxの発生量を低く抑えることができる。
さらに各実施例の燃焼器2は、空気孔プレート33の内周側、すなわち燃焼室50側壁面の中心付近が、空気孔プレート中心軸方向と垂直な平面になっている。そのため、この内周側壁面上には、淀み領域42a,42bが形成される。
この淀み領域には、空気孔32aから噴出した燃料と空気の混合気の一部が流入する。そうすると、十分に流速の遅い領域に混合気が供給されるため、循環流40によって淀み領域に燃焼ガスから熱が供給されることにより安定な火炎を形成することができる。この内周側壁面の下流側には火炎41が保炎されるが、淀み領域に安定な火炎が形成されるため、火炎41全体のこの保炎能力を高めることができる。
本実施例ではこのように、空気孔プレート33の燃焼室50側側面の中心が、火炎41の保炎を強化するよう構成されているため、失火を抑制し、高い信頼性を達成できる。
第5の実施例を図16,図17に示す。図16は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図であり、図17は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。
本実施例では、空気孔32の出口位置は空気孔プレート33の内周側壁面及び外周側壁面を接続する接続部壁面に位置している。バーナ中心軸から接続部壁面までの半径距離は、燃焼室上流側に比べ下流側を近くさせるように接続部壁面を、空気プレートの上流面よりも傾斜させている。そのため、接続部壁面における予混合気流の剥離を抑制し、予混合気流が淀みにくい。
一方で、本実施例の空気孔32はすべてバーナ中心軸に対し傾斜して配設されている。そのため燃焼室50に強い旋回流が形成され、大きな循環流40が生じている。循環流40が燃焼室50に突き出た位置で形成されるため、図16に示すように循環流40によるエントレインにより空気プレート壁面近傍では循環流40に向かう流れ44が生じる。この流れ44により、中央部の高温燃焼ガスが1列目の空気孔32aに向かって流れ出ることを防いでいる。
以上のことから、1列目空気孔32a周囲には熱が供給されず、よどみ領域も発生しにくいため火炎の付着が抑制され、空気孔プレート頭頂部の内周側燃焼室壁面から火炎41が形成されることになる。
本実施例では、空気孔プレート33の下流側の面に空気孔32を設けていない。すなわち、最も内周側にある空気孔が、内周側平面と前記外周側平面とを接続する接続面に設けられている。そのため、1列目同軸噴流ノズルについても空気孔32の出口における急拡大と空気孔32の出口から火炎41に到達するまでの距離をとることにより燃料と空気の混合が促進され、バーナから排出されるNOxを大幅に低減することができる。
本実施例は、燃焼安定性についても優れている。空気孔の傾斜角を大きくすることで旋回流を強化し、空気孔プレート頭頂部の領域を広くすることにより、大きな循環流40を形成することができ、安定な火炎41を形成することができるからである。また、さらなる燃焼安定性改善策として、図18に示すように空気孔プレートの頭頂部を窪ませる等、さらなる淀み促進構造を採用しても良い。この部分での淀み促進は、保炎強化につながるからである。淀み42の領域を広くすれば、火炎41の安定性を改善することができる。
なお、本実施例の燃焼器2は、全ての空気孔32が、内周側平面と外周側平面とを接続する接続面に設けられている。循環流40のエントレインにより生じる流れ44の効果とあいまって、このような構成により、各空気孔32の出口周囲での淀み領域の発生を抑制することができる。そのため、不要な部分での火炎の保炎の可能性を低く抑えることができる。
また本実施例の空気孔プレート33は内周側平面に空気孔が設けられていない。これは淀みを促進する構成といえ、この部分が保炎を強化するように構成されているともいえる。
本実施例では、燃料系統を簡略化してコストを低減するため、3列の燃料ノズル群は同一燃料系統より燃料を供給している。ただし本実施例においても第1の実施例と同様に燃料系統を複数化しても良い。
第5の実施例において、図19に示すように内周側壁面及び外周側壁面を接続する接続部壁面の傾斜角度を途中で変え、傾斜角θ2をθ1よりも大きくしても良い。このような形状とすることで、空気孔プレート33の厚みを最小限に抑えつつ、空気孔プレート33の頭頂部近傍において循環流40によるエントレインによって生じる流れ44の速度ベクトルのバーナ軸方向成分を大きくすることができる。そうすると、循環流40内の燃焼ガスが1列目空気孔に向かって流れ出ることを押しとどめる効果がさらに強くなる。この他にも、接続部壁面を円弧状にしても同様の効果を得ることができる。
第6の実施例を図20,図21に示す。図20は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図であり、図21は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。本実施例では、空気孔プレート33は第5の実施例と同様の形状であるが、バーナ中心部(空気孔プレート33の中心部)には、燃料供給手段であるパイロットノズル60が配設されている。このパイロットノズル60から空気孔プレート頭頂部の淀み42に直接少量の燃料を噴出することにより、火炎41の保炎点で燃料が拡散燃焼し、火炎41の平均の燃焼ガス温度が低くても安定に燃焼させることができる。また、パイロットから供給する燃料の割合は少量でも十分な効果を得られるため、NOx排出量の増加を抑制しつつ燃焼安定性を向上させることができる。
第6の実施例のバーナを7つ配置したガスタービン燃焼器の燃焼室からの正面図を図22に示す。また、パイロットノズルを用いない場合のガスタービン燃焼器の運転例を図23に示す。ガスタービンは起動から定格負荷条件まで幅広い燃空比条件を安定に運転する必要がある。そのため、燃料を供給するバーナの個数を燃料流量条件にあわせて制御している。
図23に、運転例70のバーナ局所燃空比の推移を示す。図23(及び後述する図24)では、●は燃料を供給するバーナ、○は燃料を供給しないバーナを示す。運転例70では、全燃料流量の少ない条件では中央のバーナのみに燃料を供給するmode1で運転する。次に、負荷の上昇による燃料流量の増加にあわせて3つのバーナに燃料を供給するmode2に切り替える。そして、さらなる燃料流量の増加とともに順次5つのバーナに燃料を供給するmode3、7つ全てのバーナに燃料を供給するmode4に順次切り替える。このように、燃料を供給するバーナの数を増やす。
燃料系統の切替直後はバーナ局所の燃空比は下がる。しかし、燃空比が下限条件71を下回ると火炎が不安定になり場合によっては失火する。そのため、バーナ局所の燃空比を下限条件71以上で運転する必要がある。ガスタービンでは、発電で運用される負荷範囲をバーナの局所燃空比が急激に変動する燃料切替を含まない範囲にする必要があるため、mode3からmode4への切替負荷条件を下げ、運用負荷範囲を拡大し、ガスタービンの運用性を向上させることが求められている。
そこで本実施例では、バーナ中央部に燃料供給手段であるパイロットノズル60を備え、燃料を供給するバーナの数を増やす際に、そのパイロットノズル60から燃料を噴出するようにしている(mode4′)。図4の二重丸の●は、パイロットノズル60からも燃料を供給していることを示す。
このように、mode3からmode4への切り替えの際にmode4′を挟んだ運転とすることで、図24に示すように火炎の失火や多量の未燃分が発生し運用できなくなる燃空比の下限値を下限条件71から下限条件72に下げることができる。そのため、図23で示したmode3からmode4の燃料系統切替条件に比べて、図24ではより低い負荷条件でmode3から次のmode、すなわち、バーナすべてに燃料を供給しかつパイロットノズルから燃料を供給するmode4′に切り替えることができている。
mode4′からmode4への燃料系統の切り替えは各系統の燃料流量が急激に変動することなくすべてのバーナに火がついた状態で連続的に運転することができる。そのため、mode4′からmode4までを運用負荷範囲とすることができ、運用負荷範囲を拡大することができる。また、mode4ではすべて予混合燃焼となるためNOx排出量を大幅に低減することができ、NOx排出量の低減と燃焼安定性の向上を両立することができる。
第7の実施例を図25,図26に示す。図25は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図であり、図26は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。
本実施例は、空気孔プレート33に同心円状に4列の空気孔列が配設されている。それぞれの空気孔列は、内周側から第1列の空気孔32a,第2列の空気孔32b,第3列の空気孔32c、第4列の空気孔32dとする。本実施例は第5の実施例と同様に、第1列の空気孔32aから第3列の空気孔32cの出口位置は空気孔プレート33の内周側壁面及び外周側壁面とを接続する接続部壁面に位置している。つまり、第4列の空気孔32dは、接続部に設けられた空気孔32a,32b,32cとは別の空気孔である。また、バーナ中心軸から接続部壁面までの半径距離は、燃焼室上流側に比べ下流側を近くするように接続部壁面を傾斜させている。
一方、第4列の空気孔32dの出口位置は、バーナ中心軸に対し垂直な外周側壁面上である。そのため、空気孔32d出口周囲には淀み領域42dが生じ、火炎の燃焼速度と予混合気流の流速がつり合う条件が存在する。しかし、この淀み領域42dと火炎形成位置が離れているため燃焼速度と予混合気流の流速がつり合う領域に熱が供給されず、淀み領域42dには火炎が保炎しないため、第4列の空気孔32dから噴出された燃料と空気は火炎41に到達するまでに距離があるため、十分に混合してから燃焼させることができる。
サイズの大きいバーナの場合、空気孔出口をすべて傾斜面に配置しようとすると、バーナ中心部が厚くなってしまい加工コストが増加してしまう。そのため、サイズの大きいバーナに対し本実施例を採用することでバーナ中心部の厚みを抑えることができ、加工コストを抑制できる。
本実施例では、第4列の燃料ノズル31dのみ燃料系統が別系統になっている。バーナの燃焼負荷にあわせて燃料供給量を調整することで燃焼安定性とNOx排出量の低減を両立することができる。また、コスト低減のため、燃料系統を1系統に統一しても良い。
第8の実施例を図27,図28に示す。図27は燃料ノズル31と空気孔32の周辺部位を拡大した概略断面図である。図28は空気孔プレート33を燃焼室50から見た正面図である。本実施例では、第5の実施例と同様な部分は説明を省略する。本実施例では空気孔プレート33の傾斜面がバーナ中心軸近傍まで延びており、空気孔プレートは円錐の形をしている。そのためバーナ頭頂部の淀み42の領域が非常に小さく、循環流40も小さくなる。
本実施例は、石炭をガス化して得られる改質ガスなどの水素を含むような燃料に対し有効である。水素を含む燃料は、燃焼速度が速く火炎の安定性が良い。一方で、燃焼速度が速いため空気孔プレートに火炎が接近しやすい。そのため、図27に示すように循環流領域を狭くし、第1列の空気孔32aから距離を離すことにより、空気孔出口周囲での火炎の保炎を防ぎ、燃料と空気の噴流が火炎に到達するまでの距離を長く取ることができる。そうすると混合が進むため、NOxの排出量を抑制することができる。また、循環流領域が狭くても燃焼速度が速いため安定に燃焼させることができる。
水素を含む燃料以外にも、高効率化のためタービン入口温度を高くしたガスタービンなどでは、火炎の温度が上昇し燃焼速度が速くなるため、本実施例のような構造は有効である。
本発明は発電用のガスタービン燃焼器だけでなく、熱と電力を併給可能なコジェネレーションシステム、あるいはポンプ・圧縮機などの機械駆動用エンジンとしてのガスタービン燃焼器やその他様々な燃焼器に適用可能である。
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
4 ケーシング
6 バーナ
10 燃焼器ライナ
11 フロースリーブ
12 尾筒内筒
13 尾筒外筒
20 発電機
21 シャフト
30 燃料ノズルヘッダ
31 燃料ノズル
32 空気孔
33 空気孔プレート
35 燃料噴流
36 空気噴流
40 循環流
41 火炎
42 淀み
43 接続部
43a,43b 領域
44 流れ
50 燃焼室
51 内周同軸噴流ノズル群
52 外周同軸噴流ノズル群
60 パイロットノズル
70 運転例(バーナ局所燃空比)
71,72 下限条件
100 吸い込み空気
101 高圧空気
102 高温燃焼ガス
200 燃料
201 F1燃料
202 F2燃料
211,212 燃料流量調整弁
1000 ガスタービンプラント

Claims (7)

  1. 燃料と空気とを混合燃焼させる燃焼室と、
    前記燃焼室の上流側壁を形成する空気孔プレートと、
    前記空気孔プレートに、その中心軸に対して傾斜して穿設された複数の空気孔と、
    前記複数の空気孔それぞれに燃料を供給する燃料ノズルとを備えた燃焼器であって、
    前記空気孔プレートは燃焼室側に、それぞれ前記空気孔プレートの中心軸方向と垂直な平面である内周側平面と外周側平面とを有し、
    前記内周側平面は前記外周側平面よりも下流側に位置し、
    前記内周側平面と前記外周側平面とは、平面または滑らかな面で接続されていることを特徴とする燃焼器。
  2. 請求項1に記載の燃焼器において、
    最も内周側にある空気孔が、前記内周側平面と前記外周側平面とを接続する平面または滑らかな面に設けられていることを特徴とする燃焼器。
  3. 請求項1に記載の燃焼器において、
    全ての空気孔が、前記内周側平面と前記外周側平面とを接続する平面または滑らかな面に設けられていることを特徴とする燃焼器。
  4. 請求項1に記載の燃焼器において、
    前記空気孔プレートは燃焼室側に、前記空気孔プレートの中心軸方向と垂直な平面である外周側平面とを有し、
    前記外周側平面には、前記内周側平面と前記外周側平面とを接続する平面または滑らかな面に設けられた空気孔とは別の空気孔が設けられていることを特徴とする燃焼器。
  5. 請求項1に記載の燃焼器において、
    前記空気孔プレートの燃焼室側面の中心が、保炎を強化する構造を有していることを特徴とする燃焼器。
  6. 請求項1に記載の燃焼器において、
    前記空気孔プレートの燃焼室側面の中心が、淀みを促進するよう構成されていることを特徴とする燃焼器。
  7. 請求項1−6に記載の燃焼器において、
    前記空気孔プレートの燃焼室側の面の中心に、燃料供給手段を備えていることを特徴とする燃焼器。
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