JP5324651B6 - 弾道抵抗性の防護服物品 - Google Patents
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Description
本発明は、弾道抵抗性の防護服に関する。
弾道の脅威に抵抗するための防護服のデザインが多く提案されており、多くが市販されている。着用者の快適性を向上させてそれらの使用が増大するように、デザインがされている。一般的にそれらをより軽くそしてさらに柔軟にすることにより、快適性が向上し、着用者の動きを自由にする。しかしながら、より速い速度そしてより大きい重みを伴う発射体に対する保護を提供するには、衣服の重量を増大する必要がある。衣服を作製するコストを最小限に抑えることも望まれるが、防護服に使用される慣習的な材料は、相対的に高価である。
弾道物に抵抗するための防護服の最小限の性能を確保するために、規格が提案され、世界中で採用されている。2000年9月に発行された、NIJ規格−0101.04「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」を参照のこと。それは、レベルIIA、II、IIIAおよびIII保護のための防護服の性能を定義する。レベルII保護を達成するために、防護服は、非貫通でなければならず、かつ1430フィート/秒プラスまたはマイナス(+/−)30フィート/秒(436m/秒+/−9m/秒)として定義した速度(Vo)での.357マグナム弾のような発射体による背面変形が44mm以下でなければならない。レベルIIIA保護を達成するためには、防護服は、非貫通でなければならず、かつ1430フィート/秒プラスまたはマイナス(+/−)30フィート/秒(436m/秒+/−9m/秒)として定義した速度(Vo)での.44マグナム弾のような発射体による背面変形が44mm以下でなければならない。防護服は、規格の要件を超える安全限界でデザインされることが多い。しかしながら、安全限界を上げると、一般にコストおよび重量が増大し、防護服の柔軟性が低下する。従って、防護服は、一般に、安全限界が小さいが十分である認定基準を満たすように、作られる。
スパイク(例、アイスピックなど)またはナイフの貫通もしくは刃傷の脅威に抵抗するための防護服のデザインも数多くある。しかしながら、このようなデザインは、一般に弾道の脅威に対して最適ではなく、弾道の脅威から保護することさえも必ずしもできない。弾道抵抗性の防護服に関する規格に匹敵する、上記の耐スパイクまたは耐ナイフ防護服に関する別の試験および要件を提供する別個の規格が、公表されている。従って、当業者は、耐スパイクまたは耐ナイフ防護服を作製または最適化する際の教示が弾道抵抗性の防護服のデザインにおいて有用であると、考えていない。
NIJ弾道規格レベルIIまたはIIIA保護を満たす防護服は、高い引張強さのマルチフィラメント糸から作られる(例、パラアラミドから作られる)織布層だけで作製できる。このような織布層は、銃弾および破片に対して非常に良好な耐貫通性を提供する。しかしながら、織布層だけでは、背面変形に対して不良な保護を提供し、安全限界もしくは規格までも満たすために、さらに多くの層が必要となり重量が増大する。レベルIIまたはIIIA保護を満たすハイブリッド防護服は、マトリックス樹脂内の平行する高い引張強さのマルチフィラメント糸の配列からなる一方向テープを含んでなる複数の一方向集合体(assembly)と組み合わせて積層した複数の上記の織布層を用いて、作製されることができ、一方向テープは、それらの糸を備える隣接テープと共に隣接テープに対して傾斜角度で積層される。一般に、テープ内の糸は、隣接テープ内の糸に対して直角である。これらのハイブリッド防護服は、銃弾に対して良好な耐貫通性、背面変形に対して非常に優れた保護を提供するが、織布層を一方向集合体と取替えると、破片に対する保護が低下し、剛性が増し、コストが増大する。レベルIIまたはIIIA保護を満たす防護服は、複数の一方向集合体を用いるだけで、作製されうる。それらは、銃弾に対して良好な耐貫通性、背面変形に対して非常に良好な保護を提供するが、それらは、一般に、破片に対して最も不良の保護を提供し、他のオプションよりも剛く、最も高価である。
一方向集合体およびそれらの付随した欠点を組み込まずに、上に記載した織布層の利点を利用した改良された防護服のデザインを提供することは、本発明の目的である。
これらの本発明の目的および他の本発明の目的は、以下の説明から明らかになる。
本発明は、弾道物に抵抗するための防護服物品に関し、
物品は、少なくとも7.3グラム/dtexの引張強さおよび少なくとも100グラム/dtexのモジュラスを有する糸から織成された複数の織布層と、
ランダム配向繊維の不織シートおよび/または非繊維状フィルムを含んでなる複数のシート層であって、シート層の各々が、少なくとも0.013mm(0.5ミル)の厚みを有するシート層とを含んでなり、
織布層とシート層は一緒に積層され、順番に少なくとも1層の織布層とその上の少なくとも1層のシート層との少なくとも2つの繰り返し単位を含む第一芯部を構成し、および
シート層は、物品の総重量の0.5〜30重量%を構成する。
物品は、少なくとも7.3グラム/dtexの引張強さおよび少なくとも100グラム/dtexのモジュラスを有する糸から織成された複数の織布層と、
ランダム配向繊維の不織シートおよび/または非繊維状フィルムを含んでなる複数のシート層であって、シート層の各々が、少なくとも0.013mm(0.5ミル)の厚みを有するシート層とを含んでなり、
織布層とシート層は一緒に積層され、順番に少なくとも1層の織布層とその上の少なくとも1層のシート層との少なくとも2つの繰り返し単位を含む第一芯部を構成し、および
シート層は、物品の総重量の0.5〜30重量%を構成する。
本発明は、本開示の一部を形成する例証的で好適な実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、さらに容易に理解されるであろう。特許請求の範囲は本明細書に記載されるおよび/または示される具体的なデバイス、方法、条件もしくはパラメーターに限定されず、本明細書に用いられる専門用語は一例としてのみ特定の実施形態を記載する目的のためのものであり、そして特許請求される本発明を限定することを意図されないことが理解されるべきである。また、添付される特許請求の範囲を含む本明細書で用いられるように、単数形(「a」、「an」、および「the」)は複数を含み、ある特定の数値についての言及は、文脈が特に明らかに指示しない限り、少なくともその特定値を含む。値の範囲が表される場合、別の実施形態は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行する「約」を用いて、近似値として表される場合、特定の値は、別の実施形態を形成すると理解されるであろう。すべての説明、限定および範囲は、包括的であり、そして組み合わせ可能である。
本発明は、弾道物に抵抗するための防護服物品10に関する。防護服物品10は、防護服に組み込まれるためのものであり、一緒に積層され、第一芯部16を構成する、複数の織布層12と複数のシート層14を含んでなる。第一芯部16は、順番に少なくとも1層の織布層12とその上の少なくとも1層のシート層14との繰り返し単位22を少なくとも2つ含む。シート層14は、物品の総重量の0.5〜30重量%を構成する。
織布層
布層12は、織成されている。用語「織」は、本明細書において、織成により(つまり、少なくとも2本の糸18、20を一般に直角に織編または編成することにより)、作製されることが可能な任意の布であることを意味する。一般的に上記の布は、たて糸と称される一連の糸18をよこまたは緯糸と称される別の一連の糸20とを織編することにより、作製される。織布は、本質的に任意の織り(例、平織、千鳥綾織、バスケット織、朱子織、綾織、アンバランスな織等)を有することが可能である。平織が最も一般的であり、かつ好適である。
布層12は、織成されている。用語「織」は、本明細書において、織成により(つまり、少なくとも2本の糸18、20を一般に直角に織編または編成することにより)、作製されることが可能な任意の布であることを意味する。一般的に上記の布は、たて糸と称される一連の糸18をよこまたは緯糸と称される別の一連の糸20とを織編することにより、作製される。織布は、本質的に任意の織り(例、平織、千鳥綾織、バスケット織、朱子織、綾織、アンバランスな織等)を有することが可能である。平織が最も一般的であり、かつ好適である。
いくつかの実施形態において、各織布層12は、50〜800g/m2の坪量を有する。いくつかの好適な実施形態において、各織層の坪量は、100〜600g/m2である。いくつかの最も好適な実施形態において、1層の織層の坪量は、130〜500g/m2である。
いくつかの実施形態において、布の糸密度は、たて糸において5〜100エンド/インチ(2〜39エンド/センチメートル)、好ましくは8〜60エンド/インチ(3〜24エンド/センチメートル)である。いくつかの最も好適な実施形態において、糸密度は、たて糸において10〜45エンド/インチ(4〜18エンド/センチメートル)である。いくつかの実施形態において、よこ糸または緯糸における布の糸密度は、5〜100エンド/インチ(2〜39エンド/センチメートル)、好ましくは8〜60エンド/インチ(3〜24エンド/センチメートル)である。いくつかの最も好適な実施形態において、よこ糸または緯糸における糸密度は、10〜45エンド/インチ(4〜18エンド/センチメートル)である。
織布層12は、マトリックス樹脂で包覆も被覆もされないのが好ましい。言い換えれば、それらは、マトリックス樹脂を含まない。「マトリックス樹脂」は、その中に糸を埋封した本質的に均質の樹脂または高分子材料を意味する。
糸およびフィラメント
布層12は、複数のフィラメントを有するマルチフィラメント糸から織成される。糸は、縒り合わせられるおよび/または撚られることが可能である。この目的のために、用語「フィラメント」は、長さ/幅(その長さに垂直なその横断面を横切る)の高い比率を有する、相対的に柔軟性の、巨視的に均質の物体(body)と、定義される。フィラメントの断面は、任意の形状であることが可能であるが、一般に円形または豆形である。本明細書において、用語「繊維」は、用語「フィラメント」と相互に交換して使用され、用語「エンド」は、用語「糸」と相互に交換して使用される。
布層12は、複数のフィラメントを有するマルチフィラメント糸から織成される。糸は、縒り合わせられるおよび/または撚られることが可能である。この目的のために、用語「フィラメント」は、長さ/幅(その長さに垂直なその横断面を横切る)の高い比率を有する、相対的に柔軟性の、巨視的に均質の物体(body)と、定義される。フィラメントの断面は、任意の形状であることが可能であるが、一般に円形または豆形である。本明細書において、用語「繊維」は、用語「フィラメント」と相互に交換して使用され、用語「エンド」は、用語「糸」と相互に交換して使用される。
フィラメントは、任意の長さでありうる。フィラメントは、連続であるのが好ましい。パッケージ内のボビンに紡糸されたマルチフィラメント糸は、複数の連続フィラメントを含む。マルチフィラメント糸は、ステープル繊維に切断され、本発明の使用に適切なスパンステープル糸になりうる。ステープル繊維は、約1.5〜約5インチ(約3.8cm〜約12.7cm)の長さを有することが可能である。ステープル繊維は、直線状(つまり、捲縮していない)でも、約3.5〜約18捲縮/インチ(約1.4〜約7.1捲縮/cm)の捲縮(または繰り返し屈曲)の頻度で、その長さに沿って鋸歯形状の捲縮を有するように捲縮されてもよい。
糸は、少なくとも7.3グラム/dtexの糸引張強さと、少なくとも100グラム/dtexのモジュラスとを有する。糸は、50〜4500dtexの線密度、10〜65g/dtexの引張強さ、150〜2700g/dtexのモジュラスおよび1〜8パーセントの破断時伸びを有するのが好ましい。糸は、100〜3500dtexの線密度、15〜50g/dtexの引張強さ、200〜2200g/dtexのモジュラスおよび1.5〜5パーセントの破断時伸びを有するのがさらに好ましい。
布層繊維ポリマー
本発明の糸は、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアゾール、およびこれらの組み合わせをはじめとする高強度繊維を生産する任意のポリマーから作製されるフィラメントで作られてよい。
本発明の糸は、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアゾール、およびこれらの組み合わせをはじめとする高強度繊維を生産する任意のポリマーから作製されるフィラメントで作られてよい。
ポリマーがポリアミドである場合、アラミドが好適である。用語「アラミド」は、アミド(‐CONH‐)結合の少なくとも85%が2つの芳香環に直接結合しているポリアミドを意味する。適切なアラミド繊維は、Man−Made Fibres−Science and Technology,2巻,章題Fibre−Forming Aromatic Polyamides,297頁,W.Blackら,Interscience Publishers,1968年に記載されている。アラミド繊維とそれらの物品は、また、米国特許第3,767,756号明細書、米国特許第4,172,938号明細書、米国特許第3,869,429号明細書、米国特許第3,869,430号明細書、米国特許第3,819,587号明細書、米国特許第3,673,143号明細書、米国特許第3,354,127号明細書、および米国特許第3,094511号明細書に開示されている。
好適なアラミドは、パラアラミドである。好適なパラアラミドは、PPD−Tと称されるポリ(p‐フェニレンテレフタルアミド)である。PPD−Tは、p‐フェニレンジアミンとテレフタロイルクロリドとのモル対モル重合から生成するホモポリマーを意味し、p‐フェニレンジアミンと共に少量の他のジアミンの導入と、テレフタロイルクロリドと共に少量の他の二酸クロリドの導入から生成する共重合体も意味する。通例において、他のジアミンと二酸クロリドが重合反応を妨げる反応性基を1つももたない場合に限り、他のジアミンと他の二酸クロリドは、p−フェニレンジアミンまたはテレフタロイルクロリドの約10モル%ほどまでの量で、或いは、おそらく若干多い量で使用されうる。PPD−Tは、同様に、他の芳香族ジアミンと他の芳香族二酸クロリド(例えば、2,6‐ナフタロイルクロリドまたはクロロもしくはジクロロテレフタロイルクロリド或いは3,4’‐ジアミノジフェニルエーテル等)の導入から生成する共重合体を意味する。
添加剤をアラミドと共に使用することが可能であり、10重量%ほどまでの或いはそれ以上の他の高分子材料をアラミドとブレンドできることが判明した。アラミドのジアミンの代わりに10パーセント以上の他のジアミンを有する共重合体或いは二酸クロリドまたはアラミドの代わりに10パーセント以上の他の二酸クロリドを有する共重合体を用いることが可能である。
ポリマーがポリオレフィンである場合、ポリエチレンまたはポリプロピレンが好適である。用語「ポリエチレン」は、好ましくは100万を超える分子量の主に鎖状のポリエチレン材料を意味し、主鎖の炭素原子100個当り5個以下の変性単位の僅かな量の分岐鎖或いは共重合体を含んでもよく、さらに約50重量パーセント以下の1種以上の、高分子添加剤(例、アルケン‐1‐ポリマー、特に低密度ポリエチレン、プロピレン等)、または一般的に導入される低分子量の添加剤(例、酸化防止剤、滑剤、紫外線遮蔽剤、着色剤等)をポリエチレンと混合して含有していてもよい。上記は、伸びきり鎖ポリエチレン(ECPE)または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)として一般的に知られている。ポリエチレン繊維の調製は、米国特許第4,478,083号明細書、米国特許第4,228,118号明細書、米国特許第4,276,348号明細書および特開昭60‐047,922号公報、特開昭64‐008,732号公報に論じられている。高分子量の鎖状ポリオレフィン繊維は、市販されている。ポリオレフィン繊維の調製は、米国特許第4,457,985号明細書に論じられる。
いくつかの好適な実施形態において、ポリアゾールは、ポリアレンアゾール(例、ポリベンゾアゾールおよびポリピリダゾール等)である。適切なポリアゾールとして、ホモポリマーおよび共重合体が挙げられる。添加剤をポリアゾールと共に使用することが可能であり、10重量%ほどまでの他の高分子材料をポリアゾールとブレンドすることが可能である。さらに、ポリアゾールのモノマーの代わりに10パーセント以上ほどの他のモノマーを有する共重合体を使用することが可能である。適切なポリアゾールのホモポリマーおよび共重合体は、公知の手順(米国特許第4,533,693号明細書(Wolfeら、1985年8月6日)、米国特許第4,703,103号明細書(Wolfeら、1987年10月27日)、米国特許第5,089,591号明細書(Gregoryら、1992年2月18日)、米国特許第4,772,678号明細書(Sybertら、1988年9月20日)、米国特許第4,847,350号明細書(Harrisら、1992年、8月11日)、および米国特許第5,276,128号明細書(Rosenbergら、1994年1月4日)等に記載される手順或いはそれらから導かれる手順)によって、作ることが可能である。
好適なポリベンゾアゾールは、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、およびポリベンゾオキサゾールであり、30gpd以上の糸引張強さを有する繊維を形成できる上記のポリマーが、さらに好ましい。ポリベンゾアゾールが、ポリベンゾチオアゾールであるならば、それがポリ(p‐フェニレンベンゾビスチアゾール)であるのが好ましい。ポリベンゾアゾールが、ポリベンゾオキサゾールであるならば、それがポリ(p‐フェニレンベンゾビスオキサゾール)であるのが好ましく、PBOと称されるポリ(p‐フェニレン‐2,6‐ベンゾビスオキサゾール)がさらに好ましい。
好適なポリピリダゾールは、ポリピリドイミダゾール、ポリピリドチアゾール、およびポリピリドキザゾール(polypyridoxazole)であり、30gpd以上の糸引張強さを有する繊維を形成できる上記のポリマーが、さらに好ましい。いくつかの実施形態において、好適なポリピリダゾールは、ポリピリドビスアゾール(polypyridobisazole)である。好適なポリ(ピリドビスオザゾール(pyridobisozazole))は、PIPDと称されるポリ(1,4−(2,5‐ジヒドロキシ)フェニレン‐2,6‐ピリド[2,3−d:5,6−d‘]ビスイミダゾールである。適切なポリピリダゾールとして、ポリピリドビスアゾール(polypyridobisazole)が挙げられ、米国特許第5,674,969号明細書に記載されるような公知の手順で作られることが可能である。
シート層
シート層14は、ランダム配向繊維の不織シートおよび/または非繊維状フィルムを含んでなる。
シート層14は、ランダム配向繊維の不織シートおよび/または非繊維状フィルムを含んでなる。
「ランダム配向繊維の不織シート」は、一緒に「織成」されていない繊維の一体形(unitary)網目状構造または配列を意味する。ランダム配向繊維の不織シートは、ランダム配向繊維で作られる。ランダム配向繊維の不織シートの適切な例として、スパンボンド繊維ウェブ、フェルト、繊維バット等が挙げられる。ランダム配向繊維の不織シート中の繊維は、シート形態において無作為に堆積(laid down)できる繊維を生産する任意のポリマー(例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアゾール、およびこれらの組み合わせを含む)から作ることができる。スパンボンド繊維ウェブは、押出され、延伸された後、連続ベルト上に堆積するフィラメントによって、成形されうる。いくつかの方法により(例、熱ロールカレンダ処理により或いは高圧で飽和流チャンバを通してウェブを通過させることにより)、接着を達成することができ、ランダム配向繊維の不織シートは、スパンボンド繊維ウェブであるのが好ましい。好適なスパンボンド繊維ウェブは、E.I.du Pont de Nemours and Company with offices in Wilmington,Delaware,U.S.A.により製造されるTyvek(登録商標)ブランド高密度ポリエチレンシートである。
「非繊維状フィルム」とは、押出、共押出および鋳込みのような方法で生産される、つまり繊維フィラメントを含まない連続の可撓性高分子フィルムまたはシートを意味する。ジカルボン酸とジヒドロキシアルコールの重縮合生成物(例、ポリエステル等)、イオノマー、熱可塑性フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリイミドおよびそれらの組み合わせから、非繊維状フィルムを作製してよい。適切なポリエステルとして、飽和ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネートおよびポリブチラート等)が挙げられる。有用なポリエチレンテレフタラートの一つは、商標名Mylar(登録商標)で入手可能である。適切なイオノマーは、エチレンメタクリル酸共重合体であり、適切なイオノマーの一つは、商標名Surlyn(登録商標)で入手可能である。フルオロポリマーの例として、ポリビニルフルオリド、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリビニルクロリドおよびポリビニリデンフルオリドが挙げられる。適切なポリビニルフルオリド材料は、商標名Tedlar(登録商標)で入手可能である。適切なポリオレフィンとして、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。適切なポリイミドは、芳香族複素環式ポリイミドおよび鎖状ポリイミド(例、商標名Kapton(登録商標)、Apical(登録商標)およびKaptrex(登録商標)で入手可能なポリイミド)である。
シート層14の各々は、少なくとも0.013mm(0.5ミル)の厚みを有する。シート層14の各々が、0.152mm(6ミル)以下の厚みを有するのが好ましい。シート層14の各々が、0.015〜0.142mmの厚みを有するのがさらに好ましい。
シート層14は、好ましくは少なくとも600m/秒、さらに好ましくは少なくとも700m/秒、なおさらに好ましくは少なくとも1500m/秒の平均音速を有する材料から作製される。
シート層14の各々は、ASTM方法D882に基づいて試験された場合、1〜5、好ましくは1〜3の最小破断点歪み値に対する最大破断点歪み値の比を有する。言い換えれば、シート層14は、等方性または実質的に等方性である。
シート層14は、物品10、26、40、48の総重量の0.5〜30重量%、さらに好ましくは3〜28重量%、そしてなおさらに好ましくは5〜26重量%を構成する。
芯部
織布層12とシート層14は一緒に積層され、第一芯部16を構成する。第一芯部16は、3〜60層の織布層12と3〜60層のシート層14を含むのが好ましい。8〜50層の織布層12と5〜50層のシート層14を含むのがさらに好ましい。10〜45層の織布層12と8〜45層のシート層14を含むのが、なおさらに好ましい。
織布層12とシート層14は一緒に積層され、第一芯部16を構成する。第一芯部16は、3〜60層の織布層12と3〜60層のシート層14を含むのが好ましい。8〜50層の織布層12と5〜50層のシート層14を含むのがさらに好ましい。10〜45層の織布層12と8〜45層のシート層14を含むのが、なおさらに好ましい。
芯部16は、順番に少なくとも1層の織布層12とその上の少なくとも1層のシート層14との繰り返し単位22を少なくとも2つ含むのが好ましい。繰り返し単位22は、1層だけの織布層12と少なくとも2層のシート層14を順番に含んでなってもよい。繰り返し単位22は、別の方法として或いは加えて、少なくとも2層の織布層12と1層だけのシート層14を順番に含んでもよい。本発明では、複数のシート層に隣接して積層された複数の織布層を有する繰り返し単位23の一実施形態を含む。好ましくは3〜50、さらに好ましくは5〜40、なおさらに好ましくは8〜35の繰り返し単位22、23が存在する。
芯部16は、一方の端に織布層12そして他方の末端にシート層を有することができる。別の方法として、芯部24は、両端に織布層12を有することができる。
芯部16は、第一被弾端面30と第二の身体に面する端面32とを有する。物品40は、第一被弾部42と身体に面する部分44をさらに含んでなってもよい。第一被弾部42は、一緒に積層された複数の織布層12を含んでなり、芯部16の第一被弾端面30上に積層されうる。身体に面する部分44は、一緒に積層された複数の織布層12を含んでなり、芯部16の身体に面する部分32上に積層されうる。
第一被弾部42は、一緒に積層された2〜30層の織布層を有すことが可能であり、身体に面する部分44は、一緒に積層された2〜30層の織布層を有すことが可能である。所望に応じて、第一被弾部42の織布層12と身体に面する部分44の織布層12は、同一でも異なることもできる。
芯部50は、複数の芯部の細区分(core subsection)52、54を含んでなることが可能であり、各芯部の細区分52、54は、繰り返し単位56を有する。
防護服物品
物品10、26、40、48は、2000年9月に発行された、NIJ規格−0101.04「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に従って、1430フィート/秒プラスまたはマイナス(+/−)30フィート/秒(436m/秒+/−9m/秒)の発射体の速度(Vo)で、44mm以下の背面変形を有するのが好ましい。
物品10、26、40、48は、2000年9月に発行された、NIJ規格−0101.04「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に従って、1430フィート/秒プラスまたはマイナス(+/−)30フィート/秒(436m/秒+/−9m/秒)の発射体の速度(Vo)で、44mm以下の背面変形を有するのが好ましい。
織布層12とシート層14は、それらの表面積の10%以下だけで一緒に接合され、層の残りの全てまたは大部分を隣接層に対して横に移動させるおよび/または離れさせるのが好ましい。層は、縁でおよび/またはクロスパターン(×)で、両方で、或いはキルトに一般に施される正方形のパターンで、縫合または接着もしくは溶融接合により、接合されうる。ステッチパターンは、追加の縁のステッチを伴うキルティングステッチパターンと呼ばれる。それらは、さらに好ましくは層の表面積の5%未満、なおさらに好ましくは3%未満で接合される。さらにステッチパターンが、正方形である場合、ステッチ間隔60は、好ましくは約48〜約54mm、さらに好ましくは約50〜約52mmである。「ステッチ間隔」を、層の面上の正方形のステッチパターン内の隣接する平行なステッチ間の距離60と定義する。同様に、ステッチ長さ62は、好ましくは約3〜約7mm、さらに好ましくは約4〜約6mmである。「ステッチ長さ」を、層の面を横切るステッチ糸の最短の繰り返し長さ62と定義する。
物品10、26、40、48は、いかなる一方向テープも一方向集合体も含まないのが好ましい。「一方向テープ」は、一般的にマトリックス樹脂内の平面に一般的に平行な高い引張強さのマルチフィラメント糸の配列を意味する。「一方向集合体」は、隣接テープに対して傾斜角度で、それらの糸を備える隣接テープと共に積層した複数の一方向テープを意味する。一般に、テープ中の糸は、隣接テープ中の糸と直角である。一方向テープおよび集合体は、米国特許第5,160,776号明細書(Liら)に開示されている。
織布層12とシート層14は、一緒に積層され、好ましくは2.5〜5.7kg/m2、さらに好ましくは3.0〜5.2kg/m2の面密度を有する。
工業適用
物品は、発射体から身体を保護する保護被服または防護服(例、チョッキ、ジャケット等)を含む。用語「発射体」は、本明細書において、銃器から発砲されたような銃弾または他の物体もしくはそれらの破片の意味で用いられる。
物品は、発射体から身体を保護する保護被服または防護服(例、チョッキ、ジャケット等)を含む。用語「発射体」は、本明細書において、銃器から発砲されたような銃弾または他の物体もしくはそれらの破片の意味で用いられる。
試験方法
以下の試験方法を以下の実施例で用いる。
以下の試験方法を以下の実施例で用いる。
温度:全ての温度をセルシウス温度(℃)で測定する。
線密度:ASTM D1907−97およびD885−98に記載されている手順に基づいて、既知の長さの糸または繊維を秤量して、糸または繊維の線密度を求める。デシテックスまたは「dtex」を、10,000メートルの糸または繊維のグラムでの重量と定義する。デニール(d)は、デシテックス(dtex)の9/10倍である。
引張特性:ASTM D885−98に記載されている手順に基づいて、試験する繊維を順化した後、引張試験をした。試験繊維をInstron試験機で破断して、引張強さ(破断引張強さ)、弾性率および破断時伸びを求める。
面密度:選択されたサイズ(例えば、10cm×10cm)の各単一層の重量を測定して、布層の面密度を求める。個々の層の面密度を合計して、複合構造体の面密度を求める。
平均音速:音速は、引張応力波が材料を通って伝わる速度であり、ASTM E494に従って様々な方向で測定し、平均音速を算出した。それらをm/秒で報告する。報告された平均音速は、正のx軸(x軸に沿って位置する機械またはロール方向とy軸に沿って位置する幅または横方向を備える)に対して、(0,0)に設定したシート層の着弾点から、0°、45°、90°、135°、180°、−45°、−90°、−135°で放射状に移動して測定した音速の平均値である。
弾道貫通および背面変形性能:2000年9月に発行された、NIJ規格‐0101.04「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に従って、多層パネルの弾道試験を実施する。報告されたV50値は、各実施例で発射された発砲数に対する平均値である。1実施例当り、2発または4発、射撃した。
以下の実施例は、本発明を例証するために記載され、本発明を限定すると決して解釈されるべきではない。全ての部およびパーセントは、特に明記しない限り、重量%である。本発明の方法に従って調製される実施例を数値で示す。対照例または比較例を文字で示す。比較例および本発明の実施例に関するデータおよび試験結果を表1および2に示す。
層の説明
高い引張強さの繊維の布およびシート構造体の層を調製して、以下のように弾道試験のための様々な複合体を作製した。
高い引張強さの繊維の布およびシート構造体の層を調製して、以下のように弾道試験のための様々な複合体を作製した。
布層「F1」は、Kevlar(登録商標)パラアラミドブランド129糸の商標名でE.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な、840デニール(930dtex)のポリ(p‐フェニレンテレフタルアミド)(またはPA)糸の平織布であり、26×26エンド/インチ(10.2×10.2エンド/センチメートル)で、織成された。
布層「F2」は、Kevlar(登録商標)パラアラミドブランドX300糸の商標名でE.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な、600デニール(660dtex)のポリ(p‐フェニレンテレフタルアミド)(またはPA)糸の平織布であり、23×23エンド/インチ(9.1×9.1エンド/センチメートル)で、織成された。
布層「F3」は、Zylon(登録商標)ブランドPBO糸の商標名で、東洋紡績株式会社から入手可能な、500デニール(550dtex)のポリ(p‐フェニレン‐2,6‐ベンゾビスオキサゾール)(またはPBO)糸の平織布であり、30×30エンド/インチ(11.8×11.8エンド/センチメートル)で、織成された。
布層「F4」は、Spectra(登録商標)の商標名でHoneywell International,Inc.から入手可能な、215デニール(239dtex)の超高分子量ポリエチレン(またはUHMWPE)糸の平織布であり、55×55エンド/インチ(21.7×21.7エンド/センチメートル)で、織成された。
布層「F5」は、各シートが0°/90°/0°/90°で直交に重ねられ(crossplied)、熱可塑性フィルム間に挟み込まれたアラミド糸の4層の一方向テープまたは単一層シートの一方向集合体であった。集合体の総坪量は、一平方メートル当り234グラムであった。このような集合体は、Gold Flex(登録商標)の商標名でHoneywell International,Inc.から入手可能である。
布層「F6」は、各シートが0°/90で直交に重ねられ、さらに糸の中に注入された熱可塑性フィルム間に挟み込まれたポリエチレン糸の2層の一方向テープまたは単一層シートの一方向集合体であった。集合体の総坪量は、一平方メートル当り134グラムであった。このような集合体は、Dyneema(登録商標)SB31の商標名でDSM(Geleen,Holland)から入手可能である。
シート層「S1」は、平均音速2045m/s、厚み0.74ミル(0.019mm)、あらゆる2つの所与の方向の破断時伸びの最大最小比1.71を有する、Mylar(登録商標)P25の商標名で、帝人デュポンフィルム株式会社から入手可能な、ポリエチレンテレフタラート(またはPET)ポリエステルフィルムもしくはシート構造体であった。
シート層「S2」は、平均音速1770m/s、厚み0.16ミル(0.004mm)、あらゆる2つの所与の方向の破断時伸びの最大最小比1.42を有する、Mylar(登録商標)Cの商標名で、帝人デュポンフィルム株式会社から入手可能な、ポリエチレンテレフタラート(またはPET)ポリエステルフィルムまたはシート構造体であった。
シート層「S3」は、平均音速752m/s、厚み4.6ミル(0.115mm)、あらゆる2つの所与の方向の破断時伸びの最大最小比2.33を有する、DuPont(商標)Surlyn(登録商標)の商標名で、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な、イオノマー性エチレンメタクリル酸(またはE/MAA)共重合体のフィルムまたはシート構造体であった。
シート層「S4」は、平均音速809m/s、厚み5.6ミル(0.140mm)、あらゆる2つの所与の方向の破断時伸びの最大最小比1.92を有する、Tyvek(登録商標)の商標名で、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な、高密度ポリエチレン繊維からフラッシュ紡糸されたポリエチレン(またはPE)の不織シート構造体であった。
シート層「S5」は、平均音速280m/s、厚み1.5ミル(0.038mm)、あらゆる2つの所与の方向の破断時伸びの最大最小比6.69を有する、Tetratex(登録商標)3101の商標名で、Donaldson Company Inc.(Ivyland,PA)から入手可能な、ポリテトラフルオロエチレンのフィルム膜またはシート構造体であった。
シート層「S6」は、平均音速1506m/s、厚み1.1ミル(0.030mm)、あらゆる2つの所与の方向の破断時伸びの最大最小比1.3を有する、Tedlar(登録商標)の商標名で、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な、ポリビニルフルオリド(またはPVF)フィルムまたはシート構造体であった。
比較例A
2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチにより、約15”×15”の21層の布層F1を一緒に縫合して、約4.14kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃に対する弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと43mmの背面変形、および良好な弾道V50が見られる。
2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチにより、約15”×15”の21層の布層F1を一緒に縫合して、約4.14kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃に対する弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと43mmの背面変形、および良好な弾道V50が見られる。
比較例B
この比較例において、(a)10層の布層F1の第一被弾部と、(b)10層の布層F5の身体に面する部分とを順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を10F1+10F5として参照する。物品は、クロスステッチで一緒にまとめてかつ縁の周りを縫った約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.30kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果は、表2に示すように、34mmと37mmの背面変形を示した。
この比較例において、(a)10層の布層F1の第一被弾部と、(b)10層の布層F5の身体に面する部分とを順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を10F1+10F5として参照する。物品は、クロスステッチで一緒にまとめてかつ縁の周りを縫った約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.30kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果は、表2に示すように、34mmと37mmの背面変形を示した。
実施例1
本実施例において、(a)4層の布層F1の第一被弾部、(b)1層の布層F1その上の1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)4層の布層F1を含んでなる身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F1+11(F1+S1)+4F1として参照する。この積重物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.04kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、32mmと33mmの背面変形値を示した。V50性能は良好である。
本実施例において、(a)4層の布層F1の第一被弾部、(b)1層の布層F1その上の1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)4層の布層F1を含んでなる身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F1+11(F1+S1)+4F1として参照する。この積重物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.04kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、32mmと33mmの背面変形値を示した。V50性能は良好である。
実施例2
本実施例において、(a)4層の布層F2を有する第一被弾部、(b)1層のシート層S1その上の1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、21回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)3層の布層F2を有する身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F2+21(S1+F2)+3F2として参照する。この積重物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.04kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、32mmと32mmの背面変形値、良好なV50が見られる。
本実施例において、(a)4層の布層F2を有する第一被弾部、(b)1層のシート層S1その上の1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、21回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)3層の布層F2を有する身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F2+21(S1+F2)+3F2として参照する。この積重物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.04kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIに関する試験プロトコルに基づいて、.357マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、32mmと32mmの背面変形値、良好なV50が見られる。
実施例1および2から、比較例Aの面密度よりも小さい(良好な)面密度を有する本発明に係る構造体が、比較例Aよりも実質的に小さい背面変形を有し、かつ貫通の安全限界Vo(貫通の安全限界はV50マイナスVoである)が、本業界において慣習的に必要とされているよりも実質的に高いことがわかる。慣習的には、貫通の安全限界は、28m/秒である。実施例1および2は、比較例Aよりも背面変形を少なくとも8mm低減したことを示す。弾道結果から、実施例1および2は、全ての糸が織成されており、マトリックス樹脂を含有しないが、織成されたアラミド繊維とマトリックス樹脂内に包覆された一方向アラミド繊維の両方を含んでなる構造体である比較例Bと比べてもさほど遜色がないことがわかる。
比較例C
2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチにより、約15”×15”の布層F1の24層を一緒に縫合して、約4.73kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。統計目的のために、4つのパネルを試験した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は良好であるが、平均で約49.9mmの大きい背面変形が見られた。
2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチにより、約15”×15”の布層F1の24層を一緒に縫合して、約4.73kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。統計目的のために、4つのパネルを試験した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は良好であるが、平均で約49.9mmの大きい背面変形が見られた。
比較例D
この比較例において、(a)11層の布層F1の第一被弾部、(b)15層の布層F6を含んでなる芯部、および(c)4層の布層F1の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を11F1+15F6+4F1として参照する。物品は、クロスステッチで一緒にまとめてかつ縁の周りを縫った約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約5.03kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと41mmの背面変形値を示し、良好な弾道V50を維持した。
この比較例において、(a)11層の布層F1の第一被弾部、(b)15層の布層F6を含んでなる芯部、および(c)4層の布層F1の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を11F1+15F6+4F1として参照する。物品は、クロスステッチで一緒にまとめてかつ縁の周りを縫った約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約5.03kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと41mmの背面変形値を示し、良好な弾道V50を維持した。
実施例3
本実施例において、(a)3層の布層F1を有する第一被弾部、(b)1層のシート層S1その上の1層の布層F1の繰り返し単位(繰り返し単位は、17回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)3層の布層F1を有する身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を3F1+17(S1+F1)+3F1として参照する。この積重物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.99kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、背面変形にかなりの低減が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)3層の布層F1を有する第一被弾部、(b)1層のシート層S1その上の1層の布層F1の繰り返し単位(繰り返し単位は、17回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)3層の布層F1を有する身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を3F1+17(S1+F1)+3F1として参照する。この積重物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.99kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、背面変形にかなりの低減が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
実施例4
本実施例において、(a)6層の布層F1の第一被弾部、(b)1層のシート層S4その上の1層の布層F1の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)6層の布層F1の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を6F1+11(S4+F1)+6F1として参照する。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.98kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、かなり低い背面変形が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)6層の布層F1の第一被弾部、(b)1層のシート層S4その上の1層の布層F1の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)6層の布層F1の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を6F1+11(S4+F1)+6F1として参照する。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.98kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、かなり低い背面変形が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
実施例5
本実施例において、(a)5層の布層F1を有する第一被弾部、(b)1層のシート層S6その上の1層の布層F1の繰り返し単位(繰り返し単位は、13回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)5層の布層F1を有する身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を5F1+13(S6+F1)+5F1として参照する。シート層S6に使用したTedlar(登録商標)のグレードは、タイプ1であった。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約5.13kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、背面変形にかなりの低減が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)5層の布層F1を有する第一被弾部、(b)1層のシート層S6その上の1層の布層F1の繰り返し単位(繰り返し単位は、13回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)5層の布層F1を有する身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を5F1+13(S6+F1)+5F1として参照する。シート層S6に使用したTedlar(登録商標)のグレードは、タイプ1であった。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約5.13kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、背面変形にかなりの低減が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本発明の実施例3、4および5は、44マグナム弾を使用し、本発明に係る構造体が、アラミド織布だけを含んでなる比較例C、およびアラミド織布と一方向ポリエチレン繊維とを両方含んでなる実施例Dと比較した場合、僅かに大きい面密度を有するが、背面変形が約25%の減少したことを示す。
比較例E
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチにより、約15”×15”の40層の布層F2を一緒に縫合し、かつ縁の周りを縫って、約4.96kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は優秀であるが、47〜60mmの過度に大きい背面変形が見られた。
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチにより、約15”×15”の40層の布層F2を一緒に縫合し、かつ縁の周りを縫って、約4.96kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は優秀であるが、47〜60mmの過度に大きい背面変形が見られた。
比較例F
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチにより、約15”×15”の41層の布層F2を一緒に縫合し、かつ縁の周りを縫って、約4.96kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は優秀であるが、48〜54mmの過度に大きい背面変形が見られた。
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチにより、約15”×15”の41層の布層F2を一緒に縫合し、かつ縁の周りを縫って、約4.96kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は優秀であるが、48〜54mmの過度に大きい背面変形が見られた。
比較例G
この比較例において、(a)4層の布層F2の第一被弾部、(b)2層のシート層S2と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、30回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)F2の4層の布層の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F2+30(2S2+F2)+4F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチを備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約5.06kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、優秀な弾道V50を維持するが、かなり大きい背面変形が見られた。これは、シート構造体の材料が1770m/sの音速を有したが、布層間のシート構造体の0.32ミルの厚みが、十分な弾道保護を提供するには低すぎたことを示す。
この比較例において、(a)4層の布層F2の第一被弾部、(b)2層のシート層S2と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、30回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)F2の4層の布層の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F2+30(2S2+F2)+4F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチを備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約5.06kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、優秀な弾道V50を維持するが、かなり大きい背面変形が見られた。これは、シート構造体の材料が1770m/sの音速を有したが、布層間のシート構造体の0.32ミルの厚みが、十分な弾道保護を提供するには低すぎたことを示す。
比較例H
この比較例において、(a)4層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S5と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、29回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)の4層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F2+29(S5+F2)+4F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチを備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約5.07kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、優秀な弾道V50を維持するが、かなり大きい背面変形が見られた。これは、シート構造体の材料が1.5ミルの厚みを有したが、280m/sの音速が、十分な弾道保護を提供するには小さくすぎたことを示す。
この比較例において、(a)4層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S5と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、29回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)の4層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を4F2+29(S5+F2)+4F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチを備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約5.07kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。4発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、優秀な弾道V50を維持するが、かなり大きい背面変形が見られた。これは、シート構造体の材料が1.5ミルの厚みを有したが、280m/sの音速が、十分な弾道保護を提供するには小さくすぎたことを示す。
実施例6
本実施例において、(a)6層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S1その上の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、24回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)F2の5層の布層の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を6F2+24(S1+F2)+5F2として参照する。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた各層を備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約4.99kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmの背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)6層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S1その上の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、24回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)F2の5層の布層の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を6F2+24(S1+F2)+5F2として参照する。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた各層を備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約4.99kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmの背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
実施例7
本実施例において、(a)7層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S4その上の1層の繊維層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、20回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)5層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を7F2+20(S4+F2)+5F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで一緒にまとめた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約5.04kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、36mmと38mmの背面変形が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)7層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S4その上の1層の繊維層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、20回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)5層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を7F2+20(S4+F2)+5F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで一緒にまとめた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約5.04kg/m2であった。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、36mmと38mmの背面変形が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
実施例8
本実施例において、(a)3層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S3と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、30回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)2層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を3F2+30(S3+F2)+2F2として参照する。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.97kg/m2であった。シート層の重量パーセントは、層全体の約12.7%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと41mmの背面変形が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)3層の布層F2の第一被弾部、(b)1層のシート層S3と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、30回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)2層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を3F2+30(S3+F2)+2F2として参照する。この物品は、2インチ(5cm)のステッチ間隔と約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するキルティングステッチパターンを形成するステッチで一緒にまとめられた約15インチ×15インチ(38cm×38cm)の各層で作られた。物品の面密度は、約4.97kg/m2であった。シート層の重量パーセントは、層全体の約12.7%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと41mmの背面変形が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
実施例9
本実施例において、1層のシート層S1と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、33回繰り返す)を含んでなる芯部から積重物品を作製した。露出したシート層S1を有する端は、被弾面であった。本明細書において、この物品構成を33(S1+F2)として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、層全体の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、36mmと39mmの背面変形値を示し、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、1層のシート層S1と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、33回繰り返す)を含んでなる芯部から積重物品を作製した。露出したシート層S1を有する端は、被弾面であった。本明細書において、この物品構成を33(S1+F2)として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、層全体の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、36mmと39mmの背面変形値を示し、優秀な弾道V50を維持した。
実施例10
本実施例において、1層の布層F2と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、33回繰り返す)を含んでなる芯部から積重物品を作製した。露出した布層F2を備える端は、被弾面であった。本明細書において、この物品構成を33(F2+S1)として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層の重量パーセントは、層全体の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと41mmで背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、1層の布層F2と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、33回繰り返す)を含んでなる芯部から積重物品を作製した。露出した布層F2を備える端は、被弾面であった。本明細書において、この物品構成を33(F2+S1)として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層の重量パーセントは、層全体の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、40mmと41mmで背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
実施例11
本実施例において、1層のシート層S1と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)から、芯部の細区分を作製した。この芯部の細区分は、層を通ってXの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。これらの芯部の細区分を3つ作製し、一緒に積層させ、縁の周りを縫って芯部を形成した。本明細書において、この芯部構成を11(S1+F2)+11(S1+F2)+11(S1+F2)として参照する。露出したシート層S1を備える端面は、被弾面であった。芯部の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、芯部の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、38mmの背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、1層のシート層S1と1層の布層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)から、芯部の細区分を作製した。この芯部の細区分は、層を通ってXの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。これらの芯部の細区分を3つ作製し、一緒に積層させ、縁の周りを縫って芯部を形成した。本明細書において、この芯部構成を11(S1+F2)+11(S1+F2)+11(S1+F2)として参照する。露出したシート層S1を備える端面は、被弾面であった。芯部の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、芯部の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、38mmの背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
実施例12
本実施例において、1層の布層F2と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)から、芯部の細区分を作製した。この芯部の細区分は、層を通ってXの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。これらの芯部の細区分を3つ作製し、一緒に積層させ、縁の周りを縫って、連続する芯部を形成した。本明細書において、この芯部構成を11(F2+S1)+11(F2+S1)+11(F2+S1)として参照する。露出した布層F2を備える端は、被弾面であった。芯部の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層の重量パーセントは、芯部の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、38mmの背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、1層の布層F2と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、11回繰り返す)から、芯部の細区分を作製した。この芯部の細区分は、層を通ってXの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。これらの芯部の細区分を3つ作製し、一緒に積層させ、縁の周りを縫って、連続する芯部を形成した。本明細書において、この芯部構成を11(F2+S1)+11(F2+S1)+11(F2+S1)として参照する。露出した布層F2を備える端は、被弾面であった。芯部の面密度は、約4.98kg/m2であった。シート層の重量パーセントは、芯部の約17.9%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、38mmの背面変形を示し、優秀な弾道V50を維持した。
実施例13
本実施例において、(a)3層の布層F2の第一被弾部、(b)2層のシート層S1と1層の繊維層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、24回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)3層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を3F2+24(2S1+F2)+3F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで一緒にまとめた各層を備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約5.02kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、物品の約25.8%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、39mmと40mmの背面変形値を示し、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、(a)3層の布層F2の第一被弾部、(b)2層のシート層S1と1層の繊維層F2の繰り返し単位(繰り返し単位は、24回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)3層の布層F2の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を3F2+24(2S1+F2)+3F2として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで一緒にまとめた各層を備える約15インチ×15インチ(38cm×38cm)で作られた。物品の面密度は、約5.02kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、物品の約25.8%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、39mmと40mmの背面変形値を示し、優秀な弾道V50を維持した。
実施例6〜12は、同様な材料を用いるが異なる積層(lay up)パターンを有する物品構成である。それらの全ては、36〜40mmの背面変形を有し、その背面変形は、全ての布構成を有するほぼ同じ重量の比較例EおよびFよりも22〜30パーセント低い。実施例7および8は、実施例6および9〜12とは異なるシート材料組成を有するが、実施例6および9〜12とほぼ同じ性能傾向を有する。
比較例I
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15”×15”の35層の布層F3を一緒に縫合して、かつ縁の周りを縫って、約4.83kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は優秀であったが、52mmと58mmの非常に大きい背面変形が見られた。
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15”×15”の35層の布層F3を一緒に縫合して、かつ縁の周りを縫って、約4.83kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は優秀であったが、52mmと58mmの非常に大きい背面変形が見られた。
実施例14
本実施例において、1層の布層F3と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、29回繰り返す)を含んでなる芯部から、積重物品を作製した。露出した布層F3を備える端は、被弾面であった。本明細書において、この物品構成を29(F3+S1)として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約4.79kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、物品の約16.4%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、背面変形にかなりの低減が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
本実施例において、1層の布層F3と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、29回繰り返す)を含んでなる芯部から、積重物品を作製した。露出した布層F3を備える端は、被弾面であった。本明細書において、この物品構成を29(F3+S1)として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約4.79kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、物品の約16.4%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、背面変形にかなりの低減が見られ、優秀な弾道V50を維持した。
実施例14は、比較例Iの集合体(シート構造体層を含まない)と比較した場合、集合体中に適切なシート構造体を含むことにより、背面変形が27%低減したことをさらに実証する。実施例Iおよび14において、布層用の糸は、ポリベンゾビスオキサゾールであった。
比較例J
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15”×15”の47層の布層F4を一緒に縫合して、縁の周りを縫って、約5.26kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は良好であるが、44mmと45mmの非常に大きい背面変形が見られた。
約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチで、約15”×15”の47層の布層F4を一緒に縫合して、縁の周りを縫って、約5.26kg/m2の面密度を有する物品にした。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。2発の射撃の弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、その弾道V50は良好であるが、44mmと45mmの非常に大きい背面変形が見られた。
実施例15
本実施例において、(a)8層の布層F4の第一被弾部、(b)1層の布層F4と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、25回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)8層の布層F4の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を8F4+25(F4+S1)+8F4として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約5.27kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、物品の約12.8%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、優秀な弾道V50を維持し、背面変形にかなりの低減が見られた。
本実施例において、(a)8層の布層F4の第一被弾部、(b)1層の布層F4と1層のシート層S1の繰り返し単位(繰り返し単位は、25回繰り返す)を含んでなる芯部、および(c)8層の布層F4の身体に面する部分を順番に含んでなる積重物品を作製した。本明細書において、この物品構成を8F4+25(F4+S1)+8F4として参照する。この物品は、Xの形状を形成する約0.2インチ(0.5cm)のステッチ長さを有するクロスステッチと層の縁の周りのステッチで、約15インチ×15インチ(38cm×38cm)から作られた。物品の面密度は、約5.27kg/m2であった。シート層S1の重量パーセントは、物品の約12.8%を占めた。NIJ規格−0101.04表題「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載されるNIJレベルIIIAに関する試験プロトコルに基づいて、.44マグナム弾を用いて、弾道試験を実施した。弾道試験の結果(V50と背面変形の両方を含む)は、表2に示すように、優秀な弾道V50を維持し、背面変形にかなりの低減が見られた。
実施例Jの背面変形は、少しばかり規格外であるが、実施例15において集合体中にシート構造体層を含ませることにより、申し分なく規格内である40mmまで背面変形を低減させた。実施例Iおよび14において、布層用の糸は、超高分子量ポリエチレンであった。実施例14および15は、本発明が、アラミド以外の高い引張強さの糸材料から織成される布層に適用できることがわかる。
1. 弾道物に抵抗するための防護服物品であって、
少なくとも7.3グラム/dtexの引張強さと少なくとも100グラム/dtexのモジュラスを有する糸から織成された複数の織布層と、
ランダム配向繊維の不織シートおよび/または非繊維状フィルムを含んでなる複数のシート層であって、前記シート層の各々が、少なくとも0.013mmの厚みを有する前記シート層とを含んでなり、
前記織布層とシート層が一緒に積層され、順番に少なくとも1層の前記織布層とその上の少なくとも1層の前記シート層との繰り返し単位を少なくとも2つ含む第一芯部を構成し、
前記シート層が、前記物品の総重量の0.5〜30重量%を構成する物品。
2. 前記糸が、50〜4500dtexの線密度、10〜65g/dtexの引張強さ、150〜2700g/dtexのモジュラス、および1〜8パーセントの破断時伸びを有する上記1に記載の物品。
3. 前記糸が、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアゾール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーから作られるフィラメントで作製される上記1に記載の物品。
4. 前記織布シートが、マトリックス樹脂で包覆も被覆もされていない上記1に記載の物品。
5. 前記シート層の各々が、0.152mm以下の厚みを有する上記1に記載の物品。
6. 前記シート層が、ジカルボン酸とジヒドロキシアルコールとの重縮合生成物、イオノマー、熱可塑性フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリイミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製される上記1に記載の物品。
7. 前記シート層の各々が、少なくとも600m/秒の平均音速を有する上記1に記載の物品。
8. 前記シート層の各々が、1〜5の最小破断点歪み値に対する最大破断点歪み値の比を有する上記1に記載の物品。
9. 前記シート層が、等方性または実質的に等方性である上記1に記載の物品。
10. 前記芯部が、3〜60層の前記織布層と3〜60層の前記シート層を含む上記1に記載の物品。
11. 3〜50の前記繰り返し単位が存在する上記1に記載の物品。
12. 前記芯部が、第一被弾端面と身体に面する端面を有し、前記物品が、第一被弾部と身体に面する部分をさらに含んでなり、前記第一被弾部が、一緒に積層された複数の前記織布層を含んでなり、前記芯部の前記第一被弾端面の上に積層され、前記身体に面する部分が、一緒に積層された複数の前記織布層を含んでなり、前記芯部の前記身体に面する面の上に積層された上記1に記載の物品。
13. 前記第一被弾部が、一緒に積層された2〜30層の織布層を有し、前記身体に面する部分が、一緒に積層された2〜30層の織布層を有する上記12に記載の物品。
14. 前記芯部が、織布端面とシート端面を有し、前記芯部の前記シート端面の上に積層された少なくとも1層の前記織布層をさらに含んでなる上記1に記載の物品。
15. 前記芯部が、複数の芯部の細区分を含んでなり、芯部の細区分の各々が繰り返し単位を備える上記1に記載の物品。
16. 前記物品が、2000年9月に発行された、NIJ規格−0101.04「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に基づいた、1430フィート/秒プラスまたはマイナス30フィート/秒(436m/秒プラスまたはマイナス9m/秒)の発射体の速度(V o )で、44mm以下の背面変形を有する上記1に記載の物品。
17. 前記織布層と前記シート層が、それらの表面積の10%以下だけで一緒に接合され、前記層の残りの全てまたは大部分を隣接層に対して横に移動させるおよび/または離れさせる上記1に記載の物品。
18. 前記織布層と前記シート層が、一緒に積層され、2.5〜5.7kg/m 2 の面密度を有する上記1に記載の物品。
Claims (1)
- 弾道物に抵抗するための防護服物品であって、
少なくとも7.3グラム/dtexの引張強さと少なくとも100グラム/dtexのモジュラスを有する糸から織成された複数の織布層と、
ランダム配向繊維の不織シートおよび/または非繊維状フィルムを含んでなる複数のシート層であって、前記シート層の各々が、少なくとも0.013mmの厚みを有し、かつ少なくとも600m/秒の平均音速を有する前記シート層とを含んでなり、
前記織布層とシート層が一緒に積層され、順番に少なくとも1層の前記織布層とその上の少なくとも1層の前記シート層との繰り返し単位を少なくとも2つ含む第一芯部を構成し、
前記シート層が、前記物品の総重量の0.5〜30重量%を構成し、ここで、前記織布層と前記シート層が、それらの表面積の10%以下だけで一緒に接合され、前記層の残りの全てまたは大部分を隣接層に対して横に移動させるおよび/または離れさせるようになっている、前記物品。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US12/152,308 US8015617B1 (en) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | Ballistic resistant body armor articles |
US12/152,308 | 2008-05-14 | ||
PCT/US2009/043916 WO2010019297A2 (en) | 2008-05-14 | 2009-05-14 | Ballistic resistant body armor articles |
Publications (4)
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---|---|
JP2011522201A JP2011522201A (ja) | 2011-07-28 |
JP2011522201A5 JP2011522201A5 (ja) | 2012-06-28 |
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Family
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