JP5317964B2 - レーザマーキング - Google Patents

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Description

この発明は、レーザマーキングに関する。
WO02/01250は、レーザマーキングにおけるオキシ金属塩の使用を開示している。AOM(オクタモリブデン酸アンモニウム(ammonium octamolybdate))は、10,600nmのレーザ照射によって直接的にマーキングできる材料の一例である。しかしながら、NIR(近赤外線)レーザの使用には、さらなる利点があるであろう。
WO05/068207は、NIRを吸収する金属塩が、かなり長い波長(〜10,600nm)で通常変色反応を受ける物質(例えばAOM)と組み合わせて用いられる場合に、変色反応を引き起こすためのNIRレーザ照射(つまり800〜2000nm)の使用を開示している。多くの金属塩が記載されており、特に好ましい塩は銅、例えばCHP(ヒドロキシリン酸銅(copper hydroxy phosphate))である。
WO05/095516は、不定比化合物であるr−ITO(還元されたインジウムスズ酸化物)を加熱可塑性物質に混和でき、そして、非レーザのNIR加熱ランプを用いて、例えば射出成形されたプリフォームからPET飲料ボトルを生産する際に延伸ブロー成形を行うように、ガラス転移温度を超えて加熱することを開示している。r−ITOは、可視領域においてほとんど透明であるので、この目的に特に適している。
特開平8−127670号公報(JP8127670)は、成形製品のレーザマーキングのための、熱可塑性物質に混和される還元された酸化チタン化合物の使用を開示している。
US5578120は、レーザビーム吸収無機物質および顔料の使用を記載している。使用可能な顔料の例には、特開昭49−82340号公報(JP−A−49−82340)に記載されている、例えば、酸化亜鉛半導体や二酸化チタン半導体が含まれる。
US5911921は、例えばステルス(stealth)バーコードをプリントするためのNIR吸収インクを生成するのに、不定比イッテルビウムリン酸塩の使用を開示している。
US6602595は、インクに使用される不定比ナノ材料の使用を開示している。r−ITOは、NIR吸収体として記載されている。
発明の要約
本発明は、例えばナノパウダー状のr−ITOなどの不定比化合物が、900から2500nmの領域の近赤外照射の非常に有効な吸収体として機能することができ、たとえばAOMベースのインク組成物に混和され電磁スペクトル(780から2500nm)の近赤外領域のレーザ照射を受けたときにコントラストのあるイメージを生じさせるという知見に基づく。1066nmで、r−ITOは、より低い流束量レベルでCHPよりも濃いイメージを生じた。CHPがイメージを全く生じなかった1550nmでも、r−ITOはコントラストのあるイメージを生じた。
より一般的に、本発明は、r−ITOが不定比化合物であるという事実に基づく。不定比化合物は、各元素の原子の数が整数の比として表現することができない化合物として定義され、そのように表現することができる定比化合物とは相対する化合物である。定義は、http://en.wikipedia.org/wiki/Non-stoichiometric_compoundにおいて見出すこともできる。例は、US6602595において挙げられている。
本発明が基づく実験で用いられる不定比のITOサンプルは、「還元された」ものであった。還元は、酸素を取り除き、それにより、過剰な金属を残す。理論によって限定しようとするものではないが、これにより、固体格子を通って自由に移動することができる自由電子を生成する。この自由電子は、電気伝導特性を与え、そして、r−ITOの場合には、NIR吸収特性を与える。
本発明は、レーザ源から放射の吸収時に、ある成分と組み合わせた場合には色生成反応を直接起こすことができ、さもなければ、より長い波長での照射時に所望の反応を受けることになる、機能的なIR吸収体/顕色体材料として金属塩を利用する。例えば、それを、塗布されたコーティングにおけるオキシ金属アニオン成分と組み合わせて用いることができ、これにより、はっきりと色付けられたイメージを生成できる。あるいは、色生成成分は、はっきりしたイメージを生成するために用いられる。
本発明では、例えばパッケージングのイメージングアプリケーションにファイバ、ダイオード、ダイオードアレイおよびCO2レーザを利用する可能性を実現しうる。液状のフィルム形成インクを種々の基体へ塗布し、これにより、はっきりと色変化可能なコーティングを生成することによって、近IR源による露光が主としてインク組成物に応じて好結果をもたらすことが示された。
好ましい実施形態の説明
本発明において用いられるIR吸収体は、変色の化学(color change chemistry)にも対応し、吸収スペクトルの可視領域における吸収がないか最小限であり、780〜2500nmの波長での照射の効率的な吸収体であるものである。好ましくは、IR吸収体は、性質上、無機である。それは、200℃を超える温度で、熱的安定性と、良好な光安定性と、耐候性と、を有するものである。それは、完成したコーティング組成物では、無色であるか、あるいは最小限の色を与えるものである。さらに好ましいIR吸収体の特徴は、それが、水に対して安定であり、水への溶解性を最小限とし、水性バインダに対応し/一般的な有機溶媒に対応し、環境にやさしく、容易に入手可能で、無毒であるものであるということである。
好ましい無機化合物は、不定比金属酸化物および混合金属酸化物である。特に好ましい無機不定比混合金属酸化物は、還元されたインジウムスズ酸化物である。
本発明において用いられる無機化合物は、10nmから10μmの、好ましくは1μm未満の、より好ましくは100nm未満の範囲のD3,2平均粒径を有する粒子の態様とすることができる。粒子は、変色材料からなる内側コアと、NIR吸収化合物を備える外側のシェルと、を有するコアシェル構造を備えることができる。
本発明において用いられる無機化合物は、また、スパッタリングプロセスによって、マーキング成分を含む基体に塗布することができる。スパッタリングの定義は、http://en.wikipedia.org/wiki/Sputteringにおいて見出すことができる。スパッタリングにより、無機不定比NIR吸収化合物の薄膜が変色材料を含む基体の表面上に形成される。スパッタリングされたフィルムは、膜厚が、10nmと10μmとの間、好ましくは2.5μm未満、より好ましくは1000nm未満であってもよい。変色材料もまた、無機不定比化合物を含む基体上へスパッタリングすることができる。
不定比化合物以外にも、本発明の、および本発明に用いられる化合物は、上記公報(それらすべては参照によってここに援用される)において記載されているタイプの材料を備えてもよい。本発明の一の特定の実施形態において、ポリ金属塩が追加的なマーキング成分と組み合わせて用いられるとき、その後、合成色を達成することができる。マーキング成分は、例えば、染料前駆物質(dye precursor)、顕色体+染料前駆物質、オキシ金属塩、オキシ金属塩+染料前駆物質、オキシ金属塩複合体、あるいはオキシ金属塩複合体+染料前駆物質などの部類の材料の1つ以上であってもよい。他の適当な成分は、色素前駆物質を含む。いずれかのあるいはすべてのそのような成分は、重合化あるいはハロゲン化されてもよく、セルロース系材料あるいは糖を、また、用いてもよい。黒くなることが可能なポリマーおよび糖の例は、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、フルクトース、グルコース、蔗糖およびデンプンである。
上に述べたそのような活性な物質はすべて、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンあるいは雲母など不活性な材料上で支持することができる。
本発明において用いる好ましいマーキング成分は、オキシ金属アニオンを含む化合物である。これは、塩と組み合わせて、典型的には、ファイバ、ダイオード、ダイオードアレイあるいはCO2レーザによるマーキングを可能にする。適当なオキシ金属アニオン成分は、例えば、オクタモリブデン酸アンモニウム、ビス[2−(エチルヘキシルアミン)]モリブデン酸塩、あるいはジ(シクロヘキシルアミン)モリブデン酸塩の部類の材料の1つ以上であってもよい。適当なインク組成物は、この成分を10〜50%w/w備える。
色生成成分を含んでもよい。そのような材料は、当業者には、よく知られている。適当な色生成体の例は、例えば、フタリド、フルオラン、およびロイコ染料等の電子供与性材料のような従来の部類の材料であって、例えば、クリスタルバイオレットラクトンを1つ以上含む。電子受容性(electron-accepting)であれ酸生成性(acid-generating)であれ、ルイス酸を用いてもよい。例えば、ヒドロキシベンゾアート、ビスフェノールA、ステアリン酸亜鉛などである。
本発明において用いられる合成物を、タンポ印刷用インクやUV硬化インク等のような、ソルベント、ノンソルベントおよびソルベントレスバインダシステムにおいて生成することができる。適当なバインダは、水溶性の、アルカリ溶解性の、またはエマルジョンのポリマーであり、例えば、10〜50%w/wの量の、ポリビニルアルコール(Gohsenol GH-17として入手可能)、アクリルエマルジョン(Texicryl 13-011としてスコットベイダー社(Scott Bader)から入手可能)、Ineos Elvacite 2013, 2028, 2043あるいは30として入手可能な材料、ポリビニルブチラール(ピオロフォルム(Pioloform)として入手可能)、およびニトロセルロースである。
例えば、10〜50%w/wの量の、ヒュームド・シリカ(fumed silica)あるいはステアリン酸亜鉛などの色素をまた、使用してもよい。使用してもよい他の材料は、酸化防止剤、還元剤、潤滑剤、界面活性剤、色素、増感剤および消泡剤のいずれか1つ以上を含む。
本発明において用いられるインクとして調合される場合、例えば、溶液、分散液あるいは懸濁液として、適当なキャリア液体あるいは溶剤は、水性あるいは有機的であってもよく、また、それに応じて他の成分も選択されるであろう。例えば、液体は、水、あるいはイソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、エタノールあるいは酢酸エチルなど有機溶媒であっても、または、これらを備えていてもよく、任意選択的に、例えば20〜80%w/wの量でアミンおよび/または界面活性剤とともに備えていてもよい。合成物を、ポリビニルアルコールなどの水性ポリマーバインダー溶液およびアクリル樹脂などのフィルム形成エマルジョンにおける成分の分散によって調製することができる。これらの合成物は以下を用いることによって生成してもよい:
a)機械的混合、例えばリーディングエッジトレーリングブレードによる撹拌(leading edge-trailing blade stirring)
b)セラミックボールによるグラインディングおよびミリング
c)シルバーソン社のミキサーによるミキシング(silverson mixing)
d)例えばエイガートーランス社のモーターミル(Eiger Torrance motormill)での、ガラスビーズによる機械的なミリング、
e)ウルトラタラックス社(Ultra Turrax)のホモジナイザー
f)乳鉢および乳棒によるグラインディング
種々の基体上への液状フィルム形成インクの塗布によって、はっきりとした色の変化が可能なコーティングを生成できる。主としてインク組成物によって、近IR源への露光が、非常に異なる結果をもたらすことができる。
ファイバ、ダイオード、またはダイオードアレイのレーザ波長で照射して黒いイメージを生成する際、例えば、不定比化合物およびオキシ金属アニオンを含む場合に、本発明は有効であるため、駆動源(activating sources)を区別することによって、さらにこれを利用してもよい。
本発明の、あるいは本発明に用いられる合成物を用いて、フラッドコーティング、フレキソ/グラビア印刷等の部類の方法により塗布可能なIR感光コーティングを生成することができる。コーティングは、紙、板紙、柔軟なプラスチックフィルム、段ボール等の部類の基体に施すことができる。
本発明において用いてもよいさらなる媒体は、UV硬化オフセット印刷インク、従来のオフセット印刷インク、溶融押し出し可能なポリマー(melt-extrudable polymer)およびパウダーコーティング(powder coatings)である。
以下の例は、本発明を例示する。
AdNano(R)還元されたITO25%分散水が、デグサアドバンスドナノマテリアルズ(Degussa Advanced Nano Materials)によって提供された。
PureNano還元されたITOナノパウダーが、アメリカ合衆国コロラド州ロングモントのナノプロダクツコーポレーション(NanoProducts Corp)で提供された。平均粒径=30.9nm。
XMZL r−ITOナノパウダーが、中国のアモイチョンリテクノロジー社(Xiamen Zhongli Technology)によって提供された。平均粒径=40nm。
銅(II)水酸化物リン酸塩(Copper (II) hydroxy phosphate (CHP))パウダーが、シグマアルドリッチ社(Sigma-Aldrich)から提供された。
還元されたアンチモン酸化スズが、中国のアモイチョンリテクノロジー社(Xiamen Zhongli Technology)によって提供された。平均粒径=60nm。
ベースの水性インクは以下のように組成した:
Figure 0005317964
そして、上記の組成物を、6000rpmで60分間、シルバーソンのミキサーによりミキシングした。
基体=Hi−Fi社から提供された50μmの白いPETフィルム(製品コード125)
上記のインクを、RKプリントコートインスツルメント社(RK Printcoat Instruments)のKコントロールコーターを用い、30M Kバーを用いて速度設定4で、PET基体に塗布した。この結果、塗布重量(coat weights)は、8.1〜9.9gm-2であった。
1066nmで動作しおよそ4Wのパワー出力を有するファイバレーザを用いてマーキングを行なった。
1cm2の「正方形」ブロックの黒/グレーイメージを生成するためにレーザを用いた。次の各流束量レベルにおいて、3つの正方形を生成した:0,2.156,2.61,2.844,3.123,3.546,4.077,4.856Jcm-2
そして、各マーク速度におけるイメージの平均光学濃度を、マクベス(R)TR924のスペクトロフォトメーターを用いて測定した。
(i) CHP 8.3%
ベースのインク 1.0g
CHPパウダー 0.25g
水 1.75g
(ii)CHP 4.2%
ベースのインク 1.0g
CHPパウダー 0.125g
水 0.1875g
(iii)r−ITO 8.3%
ベースのインク 1.0g
AdNano(R)r−ITO分散水 1.0g
水 1.0g
(iv)r−ITO 4.2%
ベースのインク 1.0g
AdNano(R)r−ITO分散水 0.5g
水 1.5g
以下の結果が得られた:
Figure 0005317964
これらのデータは、明らかに、塗布した単位%当たりで(per unit % applied)、r−ITOが、CHPよりも効果的だったことを示している。
以下のインク組成物を構成した:
(i) PureNano r−ITOパウダー 5g
AOM 27.5g
UH−5000 66.5g
オクタフォーム(Octafoam)E−235(Octel;消泡剤) 1.0g
(ii) CHP 5g
AOM 27.5g
UH−5000 66.5g
オクタフォーム E−235 1.0g
(iii)CHP 10.6g
AOM 27.5g
UH−5000 61g
オクタフォーム E−235 1.0g
(iv) CHP 20g
AOM 27.5g
UH−5000 51.5g
オクタフォーム E−235 1.0g
インクを、50ml容量のエイガートーランス社のビーズミル(bead-mill)を用いて、4000rpm、15分の動作で、ミリングした。インクを、10±1.5gm-2の塗布重量となるように、PETフィルム上に、上述の通り、引き延ばした。
5%の配合における以下の光学濃度結果が得られた:
Figure 0005317964
これらのデータは、明らかに、CHPに対して向上しているr−ITO有効性を示している。
光学濃度値を、5,10.6および20%の配合のCHPと、5%のr−ITOに関して、4.856Jcm-2の流束量で得た。また、これらのデータを、光学濃度=1を得るために必要とされる吸光度(the ABSorbance needed to get an Optical Density=1(ABS OD-1))と、そして塗布した%当たりのABS OD-1(ABS OD-1 % applied-1)と、を計算するために用いた。
Figure 0005317964
r−ITO関して得られたより低いAbs per ODは、その機構が、NIR吸収を越えて、さらに、驚くべき効果が得られたことを実証している。
以下の非水性インク組成物を組成した:
エタノール(アルドリッチ社) 211.8g
酢酸エチル(アルドリッチ社) 70.5g
ピオロフォルム BN−18(ウォッカー社(Wacker)) 32.7g
ニトロセルロースDCX3−5 9.3g
(ノルウェルエンタープライジーズ(Norwell Enterprises))
Casothane (トマススワン社(Thomas Swan)) 11.4g
セバシン酸ジブチル(アルドリッチ社) 4.8g
Vilosyn 339 (VILレジン社(VIL Resins)) 5.4g
タイザー(Tyzor) ZEC (デュポン社) 7.8g
Crayvalla WS−4700(クレイバレー社(Cray Valley)) 8.7g
AOM 142.5g
組成物を、2000rpmで動作するオーバーヘッドメカニカルスターラー(overhead mechanical stirrer)を用いて、構成した。
上記の非水性のベースの組成物を、以下の通り、無機化合物とともに、エイガートーランスの容量50mlのビーズミルを用いて15分間ミリングした。
(i) 非水性のベースの組成物 65g
CHP 30g
(ii)非水性のベースの組成物 65g
PureNano r−ITOパウダー 30g
インクを、前と同様に、PETフィルム上へプリントした:
Figure 0005317964
1.5345Jcm-2の流束量より上で、r−ITOプリントは黒くなった。
1.5345 Jcm-1の流束量におけるAbs OD-1を測定した。
Figure 0005317964
この実験は、非水性のインクにおけるr−ITOの効果を示す。CHPはほとんど2倍の塗布重量を有しても、まだ、r−ITOの効果と対等にも及ばない。
実施例1、実施例2および実施例3において調製されて引き延ばされたものを、1550nmのダイオードレーザを用いて、0.1Wのパワー出力で、照射した。このレーザは、基体上に「スクラッチ/マーク」を生成できただけであった。CHPを含むいずれのNIR吸収体ももたないインク組成物すべてに関して、いかなる変化も観測されなかった。r−ITOを含むインク組成物すべてに関しては、視覚的に、目に見えて分かるスクラッチ/マークが見られた。
本実施例は、領域780〜2500nmにおけるNIR吸収に必要とされるのは、定比の/通常のITO(s−ITO)ではなく、不定比の/還元されたITOであることを実証している。定比のITOは、還元されたITOのグレー/青の色と比較して、明るい黄色である。
(i) 通常の/定比のITOを含むインク
s−ITOパウダー(アルドリッチ社) 5.0g
AOM 29g
オクタフォーム E−235 1.0g
UH−5000 65g
(ii)還元された/不定比のITOを含むインク
XMZL r−ITOパウダー 5.0g
AOM 29g
オクタフォーム E−235 1.0g
UH−5000 65g
上記インクを、50ml容量のエイガートーランス社のビーズミルを用いて、4000rpm、15分の動作で、ミリングした。そして、インクをPET上に、上述の通り、10±1.5gm-2で引き延ばした。
サンプルを、1066および1550nmのレーザで照射した。
Figure 0005317964
1550nmにおいて:
s−ITO=変化は観察されなかった。
r−ITO=視覚的に、目に見えて分かるスクラッチ/マークが見られた。
熱変色性インク組成物においてNIR吸収体として作用するr−ITOの機能が実証された。
以下のインク組成物を構成した:
(i) 従来のNIR吸収体
CHP 10g
UH−5000 90g
(ii) 不定比のNIR吸収体
PureNano r−ITOパウダー 10g
UH−5000 90g
(iii)顕色剤
Nipabenzyl BHB 20g
(ニパラボラトリーズ(Nipa Laboratories))
UH−5000 80g
(iv) 色生成体
Pergascript Red I6B 10g
(チバSC社(CibaSC))
UH−5000 90g
(v) 色生成体
Pergascript Blue I2RN(チバSC社) 10g
UH−5000 90g
(vi) 色生成体
Pergascript Black IR(チバSC社) 10g
UH−5000 90g
上記インクを、50ml容量のエイガートーランス社のビーズミルを用いて、4000rpm、15分の動作で、ミリングした。そして、それらを以下のように混合した:
a.CHPと各色生成体とは、1:1の比率
b.r−ITOと各色生成体とは、1:1の比率
c.CHPと、顕色剤と各色生成体とは、1:1:1の比率
d.r−ITOと、顕色剤と各色生成体とは、1:1:1の比率
そして、それぞれのインク組成物を、PETフィルム上で、上述の通り、引き延ばした。塗布重量を、8.0±2.0gm-2で実現した。
そのプリントを、4.8Wで動作する1066nmのファイバレーザで照射した。3つの1cm2イメージの平均光学濃度を得て、そして、流束量(Jcm-2)対光学濃度のプロットを得た。結果を下の表に示す:
Figure 0005317964
Figure 0005317964
熱変色性のインク塗布においてCHPより大きい効果を有するNIR吸収体としてはたらくr−ITOの機能が、上記の結果によって実証されている。
以下の水性の組成物を構成した:
(i) r−ATO 5g
AOM 35g
UH−5000 59g
オクタフォーム E235 1g
(ii)r−ITO 5g
AOM 35g
UH−5000 59g
オクタフォーム E235 1g
インクを、50ml容量のエイガートーランスのビーズミルを用いて、15分間ミリングし、そして、PETフィルム上で引き延ばした。引き延ばしたものを、200ミリワットのパワー出力で動作する1550nmのファイバレーザを用いて、イメージ形成した。レーザ照射が引き延ばし面に当たったところでは、r−ATOおよびr−ITOベースの引き延ばしたものは、どちらも、コントラストのある黒いイメージを生じた。

Claims (19)

  1. マーキング成分と
    定比化合物と
    を備え、
    前記マーキング成分は、前記不定比化合物がない状態では、780〜2500nmの間ではなく2500nmを超える波長のレーザ照射に応じて変色を受け、
    前記不定比化合物は還元されたインジウムスズ酸化物であり、780〜2500nmのレーザ照射を吸収しこれにより前記マーキング成分を変色させる、
    組成物。
  2. 前記不定比化合物は過剰に金属を含んでいる、請求項1に記載の組成物。
  3. マーキング成分と、
    780〜2500nmのレーザ照射を吸収し、これにより前記マーキング成分を変色させる不定比化合物と、
    を備え、
    前記不定比化合物は、還元されたインジウムスズ酸化物であるインク組成物。
  4. 前記不定比化合物は、10nmから10μmの範囲にあるD3,2平均粒径を有する粒子の態様で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 前記径は1μm未満である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記径は100nm未満である、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記マーキング成分は、オキシ金属アニオンを含む化合物である、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記マーキング成分はモリブデン酸塩である、請求項4に記載の組成物。
  9. 前記マーキング成分はオクタモリブデン酸塩である、請求項4に記載の組成物。
  10. 前記マーキング成分はオクタモリブデン酸アンモニウムである、請求項4に記載の組成物。
  11. 色生成化合物をさらに備える、請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
  12. バインダをさらに備える、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
  13. 水性である、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
  14. 有機溶媒を備える、請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の組成物でコートされた基体。
  16. 紙、段ボール紙、プラスチック、布地、木材、金属、ガラス、革、食料あるいは薬剤組成物である、請求項15に記載の基体。
  17. 請求項15または16に記載の基体をレーザで照射するステップを備える、基体上にイメージを形成する方法。
  18. 前記レーザは、ファイバ、ダイオード、ダイオードアレイ、またはCO2レーザである、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記レーザは780〜2500nmの範囲にある動作波長を有する、請求項18に記載の方法。
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