JP5315497B2 - 耳鳴り軽減情報設定装置、耳鳴り軽減装置及び耳鳴り軽減情報設定方法 - Google Patents

耳鳴り軽減情報設定装置、耳鳴り軽減装置及び耳鳴り軽減情報設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、人間の耳鳴り音を軽減するための情報の耳鳴り軽減情報設定装置、耳鳴り軽減装置及び耳鳴り軽減情報設定方法に関する。
従来、例えば、下記特許文献1によれば、耳鳴りリハビリテーション装置が開示されている。この耳鳴りリハビリテーション装置は、選択された周波数での音響信号の強度を変更するように患者の聴力損失特性に合わせ仕上げられる所定のマスク用アルゴリズムに対応するソフトウエアを用いて、患者の耳鳴りの断続的なマスキングを行うことで、音響信号のピークの間、耳鳴りを実質的に弱めるように構成されている。
特開2005−118565号公報
しかしながら、上記耳鳴りリハビリテーション装置によれば、患者の耳鳴りを実質的に弱めることができるとしても、患者の耳鳴りの断続的なマスキングを行っているにすぎない。従って、患者の耳鳴りを連続的にマスキングすることはできない。これでは、患者の耳鳴り音を良好には軽減することができない。このようなことは、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含む場合に著しい。
そこで、本発明は、上述のようなことに対処するため、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含んでいても、当該耳鳴り音の主要周波数成分を有効に活用し、患者の耳鳴り音を良好に軽減するための情報を設定する耳鳴り軽減情報設定装置、この耳鳴り軽減情報設定装置を利用した耳鳴り軽減装置及び耳鳴り軽減情報設定方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者等は、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含んでいても、当該耳鳴り音の主要周波数成分を有する純音を位相調整して患者に負荷することで、耳鳴り音を軽減できるのではないかという着想のもとに、多数の被験者に対し、耳鳴り音の軽減について試行評価してみた。その結果、上記着想は正しいことが分かった。
このような前提のもと、本発明に係る耳鳴り軽減情報設定装置は、請求項1の記載によれば、
患者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分を純音データとして発生する純音データ発生手段(10、20)と
上記純音データのうちの基準となる基準位相に対し進み位相方向或いは遅れ位相方向に位相調整するにあたり第1操作をし、耳鳴り音が消えたとの患者の判断に伴い第2操作をし、また、耳鳴り音が消えていないとの患者の判断に伴い第3操作をするようになっている操作手段(30a)と、
上記純音データの上記基準位相に対し調整すべき位相角が操作手段の上記第1操作の回数(P、Q)に応じて変化するように予め定めた調整位相角−回数データに基づき、上記第1操作の回数に応じた上記純音データの上記基準位相に対する調整位相差を決定して位相調整データとして作成する位相調整データ作成手段(111、120、121、122)と
上記純音データの上記基準位相に対する上記調整位相差に対応した第1識別色から当該第1識別色とは異なる第2識別色であって上記純音データの上記基準位相に対する反転位相差に対応した第2識別色にかけて順次変化するように予め定めた識別色データ−位相調整データに基づき、上記位相調整データの調整位相差に対応する識別色を識別色データとして決定して当該識別色データを上記位相調整データとともに表示するカラー表示手段(123、125、30d)と、
上記位相調整データの調整位相差を有する位相調整音信号を生成して患者の聴覚部に出力する位相調整音信号出力手段(124、126、40、41)と、
患者が、その聴覚部への位相調整音信号出力手段からの上記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて、カラー表示手段による上記表示識別色の上記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づきカラー表示手段による上記表示調整位相差が上記純音データの上記基準位相に対し半周期になったことを認識して上記耳鳴り音が消えたと判断したとき、上記第2操作が操作手段によりなされることによって、上記耳鳴り音が消えたと感じたときの上記位相調整データの上記調整位相差を患者のための耳鳴り軽減情報として設定する耳鳴り軽減情報設定手段(130、131)とを備える。
このように、患者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分が純音データとして発生されると、位相調整データが、上記調整位相角−回数データに基づき、上記純音データに対し操作手段の第1操作の回数に応じた上記純音データの上記基準位相に対する調整位相差を有するように作成され、上記位相調整音信号が、上記位相調整データの調整位相差を有するように生成されて患者の聴覚部に出力される。
また、識別色データが、上記識別色データ−位相調整データに基づき、上記位相調整データの調整位相差に対応する識別色として、上記位相調整データとともに表示される。
そして、患者が、その聴覚部への位相調整音信号出力手段からの上記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて、カラー表示手段による上記表示識別色の上記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づきカラー表示手段による上記表示調整位相差が上記純音データの上記基準位相に対し半周期になったことを認識して上記耳鳴り音が消えたと判断したとき、上記第2操作が操作手段によりなされることによって、上記耳鳴り音が消えたと感じたときの上記位相調整データの上記調整位相差が患者のための耳鳴り軽減情報として設定される。なお、上記純音データの上記基準位相に対する位相調整は、操作手段の第1操作の開始時点に対応する上記純音データの位相を起点とする。
従って、このように設定された耳鳴り軽減情報によれば、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含んでいても、上記耳鳴り音が消えたと感じたときの位相調整音信号を耳鳴り軽減音信号として容易に設定することができる。
また、上記位相調整音信号は、上述のごとく純音データの位相、換言すれば、患者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分の位相を調整することで生成される。従って、上記位相調整音信号は、上記正弦波成分とは位相を異にするだけで、上記耳鳴り音に応じた上記正弦波成分に対応して連続する信号となる。このことは、上述のように設定された耳鳴り軽減音信号も同様に連続する信号となることを意味する。
その結果、このような耳鳴り軽減音信号を患者の聴覚部に出力すれば、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含んでいても、当該耳鳴り音を良好に軽減することができる
ここで、上述したごとく、純音データは、患者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分からなる。従って、この純音データから生成される位相調整音信号も、耳鳴り音に同期する近似音の単一周波数の正弦波成分からなる。
また、上記調整位相データは上記純音データの上記基準位相に対し調整することで作成されている。従って、カラー表示手段による上記表示識別色の上記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づきカラー表示手段による上記表示調整位相差が上記純音データの上記基準位相に対し半周期になったときには、位相調整音信号の位相は、純音データの位相に対し反転位相となっている。このことは、位相調整音信号が純音データと相殺し合うことを意味する。その結果、患者はその耳鳴り音が良好に消えたと感じ得る。
また、上述のごとく、患者は、カラー表示手段による上記表示識別色の上記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づきカラー表示手段による上記表示調整位相差が上記純音データの上記基準位相に対し半周期になったことを認識するので、患者は耳鳴り音の消滅との判断をし易い。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の耳鳴り軽減情報設定装置において、
操作手段は、さらに、耳鳴り音が軽減している或いは増強されているとの患者の判断に伴い上記第2操作をし、また、耳鳴り音が消えてはいないが増強されてはいないとの患者の判断に伴い上記第3操作をするようになっており、
患者が、その聴覚部への位相調整音信号出力手段からの上記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて上記純音データの上記基準位相に対する位相調整が進み位相方向及び遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向になされるように上記第1操作が操作手段により繰り返されているとき、上記耳鳴り音の増強か否かの判断に伴いなされる操作手段の操作状態を判定する判定手段(130、130a、130b、130d)を備えて、
患者による上記耳鳴り音の増強状態ではないとの判断に伴い上記第2操作或いは上記第3操作が操作手段によりなされたと判定手段により判定されたとき、上記いずれか一方の位相方向への上記位相調整を継続するように上記第1操作が操作手段によりなされることで、位相調整データ作成手段は、上記純音データに対し操作手段の上記第1操作の回数に対応した位相差を有するように、上記位相調整データの作成を継続し、
また、患者による上記耳鳴り音の増強状態との判断に伴い上記第2操作が操作手段によりなされたと判定手段により判定されたとき、上記純音データの上記基準位相に対する位相調整が上記いずれか一方の位相方向とは逆位相方向になされるように操作手段により上記第1操作がなされることで、当該第1操作の回数に対応した位相差を上記純音データに対し有するように上記位相調整データを位相調整データ作成手段により作成するようにしたことを特徴とする。
これによれば、操作手段は、さらに、耳鳴り音が軽減している或いは増強されているとの患者の判断に伴い上記第2操作をし、また、耳鳴り音が消えてはいないが増強されてはいないとの患者の判断に伴い上記第3操作をするようになっている。
これを前提に、患者が、上述のごとく、位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて操作手段の第1操作が純音データの基準位相に対する位相調整が進み位相方向及び遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向になされるように繰り返されているときに、上記耳鳴り音の増強か否かの判断に伴いなされる操作手段の操作状態が判定される。
ここで、患者による上記耳鳴り音の増強状態ではないとの判断に伴い上記第2操作或いは上記第3操作が操作手段になされたと判定されたときには、上記いずれか一方の位相方向への上記位相調整を継続するように上記第1操作が操作手段によりなされることで、上記位相調整データの作成が継続される。
また、患者による上記耳鳴り音の増強状態との判断に伴い上記第2操作が操作手段によりなされたと判定されたときには、操作手段の第1操作が、純音データの基準位相に対する位相調整が上記いずれか一方の位相方向とは逆位相方向になされるようになされることで、当該第1操作の回数に対応した位相差を上記純音データに対し有するように上記位相調整データが作成される。
従って、上記耳鳴り音の状態が増強状態にあるときには、上記いずれか一方の位相方向への上記位相調整を継続するように操作手段の第1操作をするのではなく、純音データの基準位相に対する位相調整を上記いずれか一方の位相方向とは逆位相方向にするように操作手段の第1操作を行うことで、上記純音データに対する上記位相調整データの位相差が、患者の耳鳴り音を軽減するに要する位相差となるように調整される。このことは、患者の耳鳴り音の軽減に要する耳鳴り調整音信号の生成或いはカラー表示手段による識別色データ及び位相調整データの表示が逸速くなされ得ることを意味する。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果が逸速く達成され得る。
また、本発明に係る耳鳴り軽減装置は、請求項3の記載によれば、
請求項1または2に記載の耳鳴り軽減情報設定装置と、
当該耳鳴り軽減情報設定装置の耳鳴り軽減情報設定手段により設定された上記耳鳴り軽減情報を有する耳鳴り軽減音信号を出力する出力手段(132)とを備える
これにより、請求項1または2に記載の発明の作用効果が達成され得るのは勿論のこと、患者の耳鳴り音が良好に軽減され得る耳鳴り軽減装置の提供が可能となる。
また、本発明に係る耳鳴り軽減情報設定方法では、請求項4の記載によれば、
患者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分を純音データとして発生する純音データ発生ステップと、
上記純音データの上記基準位相に対し調整すべき位相角が進み位相方向或いは遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向への操作手段(30a)による第1操作の回数(P、Q)に応じて変化するように予め定めた調整位相角−回数データに基づき、上記第1操作の回数に応じた上記純音データの上記基準位相に対する調整位相差を決定して位相調整データとして作成する位相調整データ作成ステップ(111、120、121、122)と、
上記純音データの上記基準位相に対する上記調整位相差に対応した第1識別色から当該第1識別色とは異なる第2識別色であって上記純音データの上記基準位相に対する反転位相差に対応した第2識別色にかけて順次変化するように予め定めた識別色データ−位相調整データに基づき、上記位相調整データの調整位相差に対応する識別色を識別色データとして決定して当該識別色データを上記位相調整データとともに表示する表示ステップ(113)と、
上記位相調整データの調整位相差を有する位相調整音信号を生成して骨導端子部材(40)により患者の聴覚部に出力する位相調整音信号出力ステップ(124、126)と、
患者が、その聴覚部への位相調整音信号出力ステップにおける上記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて、カラー表示手段による上記表示識別色の上記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づきカラー表示手段による上記表示調整位相差が上記純音データの上記基準位相に対し半周期になったことを認識して耳鳴り音が消えたと判断したとき、当該判断の際になされる第2操作を操作手段により行うことによって、耳鳴り音が消えたと感じたときの上記位相調整データの上記調整位相差を患者のための耳鳴り軽減情報として設定する耳鳴り軽減情報設定ステップ(130、131)とを備える。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る耳鳴り軽減情報設定方法の提供が可能となる。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項4に記載の耳鳴り軽減情報設定方法において、
患者が、その聴覚部への位相調整音信号出力ステップにおける上記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて上記純音データの上記基準位相に対する位相調整が進み位相方向及び遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向になされるように上記第1操作が操作手段により繰り返されているとき、耳鳴り音の増強か否かが判断されるに伴いなされる操作手段の操作状態を判定する判定ステップ(130、130a、130b、130d)を備えて、
患者による耳鳴り音の増強状態ではないとの判断に伴い当該判断の際になされる第2操作或いは第3操作が操作手段によりなされたと判定ステップにて判定されたとき、上記いずれか一方の位相方向への上記位相調整を継続するように上記第1操作が操作手段によりなされることで、位相調整データ作成ステップにて、上記純音データに対し操作手段の上記第1操作の回数に対応した位相差を有するように、上記位相調整データの作成を継続し、
また、患者による耳鳴り音の増強状態との判断に伴い、当該判断の際になされる第2操作が操作手段によりなされたと判定ステップにて判定されたとき、上記純音データの上記基準位相に対する位相調整が上記いずれか一方の位相方向とは逆位相方向になされるように操作手段により上記第1操作がなされることで、当該第1操作の回数に対応した位相差を上記純音データに対し有するように上記位相調整データを位相調整データ作成ステップにて作成するようにしたことを特徴とする。
これによれば、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる耳鳴り軽減情報設定方法の提供が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用される耳鳴り軽減装置の第1実施形態を示している。当該耳鳴り軽減装置は、耳鳴りを自覚する患者に適用されるもので、この耳鳴り軽減装置は、シグナルジェネレータ10と、アナログーディジタル変換器20(以下、A−D変換器20という)、ノート型パーソナルコンピュータ30(以下、パソコン30という)とを備えている。
シグナルジェネレータ10は、当該患者に固有の耳鳴り音に最も近似する音(近音)を入力されて、当該近似音の周波数解析を行い、当該近似音の主要周波数成分を検索し、この主要周波数成分を純音信号として発生する。但し、上述の主要周波数成分は、上記患者の耳鳴り音を特定する周波数成分、即ち、当該患者が上記近似音のうち自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一主要周波数の正弦波成分であって上記耳鳴り音に同期した正弦波成分である。本第1実施形態において、シグナルジェネレータ10としては、米国のGWイントルメント社製GAA−810型オーディオジェネレータが採用されている。
A−D変換器20は、シグナルジェネレータ10からの純音信号をデジタル変換して純音データとしてパソコン30に出力する。
パソコン30は、キーボード30aと、コンピュータ本体30bと、表示駆動回路30cと、液晶型ディスプレイ30dとにより構成されている。キーボード30aは、そのキー操作により、操作入力をコンピュータ本体30bに出力する。
コンピュータ本体30bは、図2及び図3にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを実行するもので、このコンピュータ本体30bは、その実行中において、キーボード30aからの操作入力やA−D変換器20の出力に基づき、聴力検査用骨導端子部材40への出力に要する種々の演算処理を行う。
本第1実施形態では、上記コンピュータプログラムは、コンピュータ本体30bのROMに予め読み出し可能に記憶されている。さらに、調整位相角−操作回数データ(図4参照)及び識別色−調整位相差データ(図5参照)が、コンピュータ本体30bのROMに予め読み出し可能に記憶されている。
上記調整位相角−操作回数データは、進みキー或いは遅れキーの操作により純音データ(後述する)の位相を調整するために用いられるもので、この調整位相角−操作回数データは、上記純音データに対する調整位相角Φ(i)(i=0、1、2、・・・、m、m+1、・・・、2m)と上記進みキーの操作回数データP或いは遅れキーの操作回数Qとの対応関係を表す。なお、Φ(i)において、mは正の整数とする。
ここで、上記進みキーは、上記純音データの位相を進めるときに操作される操作キーであって、キーボード30aにおいて「←」を付した操作キーに相当する。また、上記遅れキーは、上記純音データの位相を遅らせるときに操作される操作キーであって、キーボード30aにおいて「→」を付した操作キーに相当する。
また、上記進みキー或いは上記遅れキーの操作1回当たりの調整位相角は、所定位相角Φo(例えば、5°)である。また、上記進みキーの操作に対する調整位相角は、進み位相角であり、一方、上記遅れキーの操作に対する調整位相角は、遅れ位相角である。従って、調整位相角Φ(i)は、進み側或いは遅れ側における操作回数Nに応じて、+側或いは−側へ変化する。
上記識別色−調整位相差データは、図5にて示すごとく、識別色データと調整位相差ΔΦとの対応関係を表すもので、調整位相差ΔΦは、上記純音データの位相角と、操作回数データP(又はQ)の変化に伴う上記純音データの位相に対する調整位相角との差を表す。また、上記識別色データは、調整位相差ΔΦ=±Φ(0)=0°〜ΔΦ=±mΦo=±180°の変化に伴い第1色から第m色(例えば、第36色)にかけて、ΔΦ=±所定位相角Φo(例えば、5°)ごとに、段階的に変化するとともに、調整位相差ΔΦ=±mΦo=±180°〜ΔΦ=±2mΦo=±360°の変化に伴い第m色(例えば、第36色)から第2m色(例えば、第72色)にかけて、ΔΦ=±所定位相角Φo(例えば、5°)ごとに、段階的に変化する。
本第1実施形態では、上記識別色データは、ΔΦ=0°或いは±360°のとき、第1識別色或いは第2m識別色(例えば、第72識別色)であり、ΔΦ=±180°のとき、第m識別色(例えば、第36識別色)である。ここで、第1識別色或いは第2m識別色(例えば、第72識別色)は、赤色であり、第m識別色(例えば、第36識別色)は青色である。そして、上記識別色データは、第1識別色から第m識別色にかけて、赤色から青色に順次段階的に近づくように変化し、第m識別色から第2m識別色にかけて、青色から赤色に順次段階的に近づくように変化するように設定されている。また、上記識別色データは、0°を基準にして、位相の進み側及び遅れ側へ、対称的に色変化する。
ディスプレイ30dは、コンピュータ本体30bによる制御のもと、表示駆動回路30cにより駆動されて、表示データを表示する。
骨導端子部材40は、上記患者の頭部Mの耳後骨部に取り付けられるもので、この骨導端子部材40は、その振動部にて、ケーブル41を介しコンピュータ本体30bから出力を受けて振動しこの振動を頭部Mの耳後骨部に入力する。なお、上記患者の耳後骨部に入力した上記振動は、当該患者の蝸牛に減衰や時間遅れを伴うことなく達することで、上記患者は、その聴覚により、コンピュータ本体30bからの出力を迅速に認識する。
以上のように構成した本第1実施形態において、パソコン30が作動状態におかれると、コンピュータ本体30bが、図2及び図3のフローチャートに従い上記コンピュータプログラムの実行を開始する。すると、ステップ100において、各操作回数データがP=0及びQ=0とクリアされる。なお、操作回数データPは、上記進みキーの操作回数を表すデータであり、一方、操作回数データQは、上記遅れキーの操作回数を表すデータである。
ついで、ステップ110において、純音データの入力の有無が判定される。現段階では、純音データがA−D変換器20から発生されていないことから、ステップ110において、NOとの判定が繰り返される。
ここで、上記純音データは次のようにしてA−D変換器20から発生される。この純音データの発生に先立ち、上述のようにシグナルジェネレータ10に入力すべき当該患者の耳鳴り音の近似音は、次のようにして特定される。
まず、上記患者に対する問診のもと、耳鳴検査装置(図示しない)を用いて、上記患者の耳鳴りの検査を行う。ここで、上記耳鳴検査装置は、その操作により、上記患者の耳鳴り音に最も近似する音であって上記耳鳴り音に同期する音を上記近似音として発生する。
このように発生する患者の耳鳴り音の近似音が上記耳鳴検査装置からシグナルジェネレータ10に入力されると、上記近似音が、当該シグナルジェネレータ10により周波数解析される。そして、当該近似音の上記主要周波数成分が上記周波数解析に基づきシグナルジェネレータ10により上記近似音に同期する成分として検索されると、この主要周波数成分が、純音信号として、シグナルジェネレータ10から出力され、A−D変換器20によりデジタル変換されて、純音データとして発生される。
このようにしてA−D変換器20から純音データが発生されると、当該純音データはコンピュータ本体30bに入力される。すると、ステップ110においてYESと判定される。
ついで、ステップ111において、純音データのセット処理がなされる。これに伴い、A−D変換器20から入力された純音データが、コンピュータ本体30b内のRAMに記憶される。このことは、コンピュータ本体30bにおける上記純音データのセットを意味する。
然る後、ステップ112において、識別色データの読み出し処理がなされる。現段階では、操作回数データP=Q=0であり、調整位相差ΔΦ=0°であることから、ステップ112において、第1識別色(赤色)が、識別色データとして、上記識別色−調整位相差データに基づきコンピュータ本体30bのROMから読み出される。
このようにステップ112における処理が終了すると、次のステップ113において、合成表示データの作成出力処理がなされる。これに伴い、ステップ111における純音データが直交座標面a1(図6参照)に重畳されるとともにステップ112における第1識別色(赤色)を表す識別色データが四角領域cに重畳されて、表示データとして合成された後、この合成表示データがアナログ変換されて表示駆動回路30cに出力される。
このため、ディスプレイ30dが、コンピュータ本体30bからの合成表示データに基づき表示駆動回路30cにより駆動されて、その表示画面において、図6にて示すごとく、純音データを正弦波aでもって直交座標面a1と共に表示するとともに、第1識別色(赤色)を表す識別色データ(図6にて図示斜線領域参照)を四角領域cとともに表示する。これにより、上記患者は、自己の耳鳴り音を特定する純音が、正弦波aで特定されることを視認し、かつ、純音データの位相が未調整であることを、四角領域c内の赤色表示でもって視認し得る。なお、正弦波aは、位相角=0°にて零レベルとなり、1周期後の位相角=360°にて零レベルとなるような正弦波である。
上述のようにステップ113における処理が終了すると、次のステップ120において進みキー又は遅れキーの操作の有無が判定される。現段階では、上記進みキー又は上記遅れキーは、未だ操作されていないことから、ステップ120においてNOとの判定が繰り返される。
ここで、上記患者が、上記進みキーを1回操作すると、ステップ120における判定がYESとなり、次のステップ121において、上記進みキーの操作回数が操作回数データP=P+1=1と加算更新される。
然る後、ステップ122において、純音データに基づく位相調整データの作成処理がなされる。この作成処理では、調整位相角Φ(i)が、上記調整位相角−操作回数データ(図4参照)から、操作回数データP=1に基づき、+Φ(1)=+Φo(例えば、+5°)として読み出される。ついで、調整位相角Φ(i)=+Φ(1)=+Φoが上記進みキーの操作に対応する進み位相角であることから、この進み位相角+Φoに基づき、上記純音データが、その位相角において、+Φoだけ進められ、位相調整データとして作成される。このことは、位相調整データが、純音データを調整位相差ΔΦ=+Φoだけ進むように位相調整することで、作成されることを意味する。
このようにしてステップ122における処理が終了すると、次のステップ123において、識別色データの読み出し処理がなされる。この読み出し処理においては、操作回数データP=1及び調整位相差ΔΦ=+Φoであることから、ステップ123において、第2識別色が、識別色データとして、上記識別色−調整位相差データに基づきコンピュータ本体30bのROMから読み出される。
このようにステップ123における処理が終了すると、次のステップ124において、位相調整音信号の生成処理がなされる。この生成処理では、ステップ122における位相調整データに基づきこの位相調整データに対応する位相調整音信号(調整位相差ΔΦ=+Φoの位相を有する)が生成される。
然る後、ステップ125において、合成表示データの作成出力処理がなされる。この作成出力処理では、ステップ111における純音データが直交座標面a1に重畳され、ステップ122における位相調整データが直交座標面b1(図6参照)に重畳され、ステップ123における識別色データが四角領域cに重畳されて、表示データとして合成された後、この合成表示データがアナログ変換されて表示駆動回路30cに出力される。
このため、ディスプレイ30dが、コンピュータ本体30bからの合成表示データに基づき表示駆動回路30cにより駆動されて、図6にて示すごとく、純音データを正弦波aでもって直交座標面a1と共に表示し、位相調整データを直交座標面b1と共に正弦波b(図6にて破線参照)でもって表示し、かつ第2識別色を表す識別色データを四角領域cと共に表示する。これにより、位相調整データに対応する正弦波bが正弦波aに対し位相差+Φoだけ進んでいることが、四角領域c内の2識別色表示でもって上記患者により視認され得る。
また、ステップ125の処理後、ステップ126において、位相調整音信号の出力処理がなされる。この出力処理では、ステップ124において生成された位相調整音信号(調整位相差ΔΦ=+Φoの位相を有する)が、アナログ変換されて、ケーブル41を介し骨導端子部材40に出力される。すると、この骨導端子部材40は、その振動部にて、上記位相調整音信号を受けて振動して、この振動を上記患者の頭部Mの耳後骨部に入力する。このため、上記患者は、その聴覚により、迅速にコンピュータ本体30bからの出力を位相調整音として認識する。これにより、当該患者の耳鳴り音の状態が当該患者によりその聴覚でもって認識され得る。
ステップ126の処理後、ステップ130において、上記患者の耳鳴り音が消えたか否かが判定される。現段階において、耳鳴り音が消えていないと上記患者が判断したとき、キーボード30aの「N」を付したキー(以下、Nキーという)が上記患者により操作されると、ステップ130においてNOと判定される。
しかして、ステップ130における判定がNOとなると、現段階では、P<2m及びQ<2mであることから、ステップ140においてNOと判定される。このステップ140におけるNOとの判定後、ステップ120〜ステップ130の処理が、上記進みキーの操作ごとの操作回数データPの加算更新のもとに繰り返される。そして、最新の各ステップ122〜126の処理後、耳鳴り音が消えたと上記患者により判断されたとき、キーボード30aの「Y」を付したキー(以下、Yキーという)が上記患者により操作されると、ステップ130において、YESと判定される。
これに伴い、ステップ131において位相調整データの純音データとの位相差決定処理がなされる。この位相差決定処理では、ステップ122における最新の位相調整データのステップ111における純音データとの位相差が決定される。このことは、当該位相差によって、患者の耳鳴りの軽減音の位相(耳鳴り音が消える位相)が設定されることを意味する。
上述のように決定された位相差は、耳鳴り音が消えていることから、+mΦo=+180°に相当する。換言すれば、上記最新の調整位相データは、上記純音データに対し逆位相(反転位相)、換言すれば、上記純音データに対する反転位相差180°を有する正弦波bo(図6にて実線で示す正弦波参照)でもって特定される。
しかして、ステップ131の処理後、ステップ132において、上記決定位相差(+180°)を有する位相の耳鳴り軽減音信号の出力処理がなされる。これに伴い、純音データの正弦波aに対し180°の進み位相を有する耳鳴り軽減音信号が、上記最新の調整位相データに基づき生成されてアナログ変換後ケーブル41を介し骨導端子部材40に出力される。
すると、この骨導端子部材40は、その振動部にて、上述の耳鳴り軽減音信号を受けて振動して、この振動を上記患者の頭部Mの耳後骨部に入力する。ここで、当該耳鳴り軽減音信号は、純音データの正弦波aの位相に対し反転位相を有する。また、上記患者の耳鳴り音の近似音は、当該患者によりその耳鳴り音に近似すると認識されたものであり、かつ、上記純音は、上述のごとく、上記近似音の主要周波数成分に相当する。
従って、上記純音、ひいては、上記患者の上記近似音、換言すれば、当該患者の耳鳴り音が、上記鳴り軽減音信号に基づく骨導端子部材40の振動でもって良好に相殺される。その結果、耳鳴り音が消えたことを上記患者により認識され得る。このことは、当該耳鳴り軽減装置によって、上記患者の耳鳴り音が軽減(具体的には消滅)することを意味する。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含んでいても、当該耳鳴り音の近似音が特定できれば、当該耳鳴り軽減装置において、上記近似音のうちの主要周波数成分、即ち、単一の主要周波数の正弦波成分であって上記耳鳴り音に同期した正弦波成分に対応する純音データを、上述の調整位相角−操作回数データ及び識別色−調整位相差データのもとに位相調整して識別色表示するだけで、患者の耳鳴り音を軽減するに適した耳鳴り軽減音信号、具体的には患者の耳鳴り音を消すに適した耳鳴り軽減音信号を容易に設定できる。
また、上記位相調整音信号は、上述のごとく純音データの位相を調整することで生成される。従って、上記主要周波数成分が、単一の主要周波数を有する正弦波成分であることから、上記位相調整音信号は、上記正弦波成分とは位相を異にするだけで、上記耳鳴り音に応じた上記正弦波成分に対応して連続する信号となる。このことは、上述のように設定された耳鳴り軽減音信号も同様に連続する信号となることを意味する。従って、このような耳鳴り軽減音信号を利用すれば、患者の耳鳴り音を連続的に良好に消すことができる。
また、ディスプレイ30dによる識別色表示が赤色から青色になったときに、患者は、自己の耳鳴り音の軽減(具体的には消滅)に適した位相調整データの純音データに対する位相差を決定すればよいので、この位相差の決定は容易である。
また、上述のように、主要周波数成分が、耳鳴り検査装置から得られる患者の耳鳴音に最も近似する近似音であって上記耳鳴り音に同期する近似音から検索されて上記純音データを特定するので、上記主要周波数成分は、患者の耳鳴り音に適正に対応することとなる。従って、患者の耳鳴り音を連続的に軽減(具体的には消滅)させるに適した耳鳴り軽減音信号を上記耳鳴り音に適正に対応させるように設定できる。これにより、このような耳鳴り軽減音信号を利用すれば、患者の耳鳴り音をより一層良好に消すことができる。
また、本第1実施形態では、上述のごとく、骨導端子部材40から患者の頭部Mの耳後骨部への耳鳴り軽減音信号の入力及びディスプレイ30dによる調整位相データの表示の双方でもって、上記患者は、その耳鳴り音が消えたことを認識し得るので、この認識の確度がより一層高くなる。
また、上記背景技術にて述べた耳鳴りリハビリテーション装置によれば、所定のマスク用アルゴリズムは、選択された周波数での音響信号の強度を変更するように患者の聴力損失特性に合わせ仕上げられるものであるから、当該所定のマスク用アルゴリズム、換言すれば、これに対応するソフトウエアの構成が複雑にならざるを得ない。そして、このようなことは、患者の耳鳴り音が複数の周波数成分を含む場合に特に著しい。
しかしながら、本第1実施形態では、単に、上述のように設定した純音データを用いて、この純音データに対する位相差をキーボード30aのキー操作でもって、調整するだけで、上述のごとく、患者の耳鳴り音を消すことができる位相調整データを間単に決定することができる。従って、上述した耳鳴りリハビリテーション装置にいうような複雑なソフトウエアの構成は不要である。
また、本第1実施形態ではキーボード30aの進みキーの操作が、純音データを示す正弦波a(図6参照)の位相角0°を起点として開始される例を示すために、純音データを示す正弦波aが、位相角0°から立ち上がる例について図6にて示されているが、これに限ることなく、キーボード30aの進みキーの操作が、正弦波aのどの位相角を起点として開始されてもよい。例えば、キーボード30aの進みキーの操作が、正弦波aの位相角45°或いは90°を起点として開始されれば、上述の純音データに対する位相調整データの反転位相差は、135°或いは90°となる。
なお、上述した所定位相角Φoは、5°であることを例示したが、この所定位相角Φoは、小さい程、ステップ130における判定精度が高くなる。また、上記進みキーの操作に代えて上記遅れキーの操作によっても、上述と同様のコンピュータ本体30bによる処理のもとに、上記進みキーの操作による場合と同様の作用効果が達成され得る。
(第2実施形態)
図7及び図8は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態は、上記第1実施形態にて述べた純音データに対する位相調整をさらに迅速に行うために提案されたものである。これに伴い、この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたコンピュータ本体30bが、図2及び図3のフローチャートに代えて、図7及び図8にて示すフローチャートに従い、上記コンピュータプログラムを実行するように変更されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、ステップ100〜ステップ113の処理のもと、純音データが正弦波aでもって直交座標面a1と共に表示され、かつ第1識別色(赤色)が四角領域cとともに表示されると、上記患者は、自己の耳鳴り音を特定する純音が、正弦波aで特定されることを視認し、かつ、純音データを、四角領域c内の赤色表示でもって視認し得る。
ステップ113の処理後、本第2実施形態では、ステップ120a(図7参照)において、進みキーの操作か否かが判定される。ここで、上記進みキーが上記患者により操作されると、ステップ120aにおける判定がYESとなる。ついで、ステップ120bにおいて、初回のキー操作か否かが判定される。現段階では、先の進みキーの操作(ステップ120aにおける進みキーの操作)が初回のキー操作であることから、ステップ120bにおける判定がYESとなる。すると、ステップ121aにおいて、操作回数データPがP=P+1=1と加算更新される。
然る後、上記第1実施形態と同様にステップ122〜ステップ126(図7、図8、図2及び図3参照)の処理が行われる。これに伴い、上記第1実施形態と同様に、純音データが正弦波aでもって直交座標面a1と共に表示され、位相調整データが直交座標面b1と共に正弦波b(図6にて破線参照)でもって表示され、かつ第2識別色を表す識別色データが四角領域cと共に表示されるとともに、コンピュータ本体30bからの出力である位相調整音信号(調整位相差ΔΦ=+Φoの位相を有する)に基づく振動が、骨導端子部材40により、上記患者の頭部Mの耳後骨部に入力される。
これにより、位相調整データに対応する正弦波bが正弦波aに対し位相差+Φoだけ進んでいることが、四角領域c内の第1識別色表示でもって上記患者により視認され得るとともに、コンピュータ本体30bからの出力に基づく位相調整音が上記患者によりその聴覚でもって認識され得る。その結果、当該患者の耳鳴り音の状態が当該患者によりその聴覚でもって認識され得る。
上述のようにステップ122〜ステップ126における処理が終了すると、次のステップ127a(図8参照)において、P=1又はQ=1か否かが判定される。現段階では、P=1であることから、ステップ127aにおける判定はYESとなる。
ついで、ステップ130において耳鳴り音が消えたか否かが判定される。上述のように患者により認識された耳鳴り音の状態に基づき、耳鳴り音が消えていないと当該患者が判断した場合には、キーボード30aのNキーの操作に伴い、ステップ130における判定がNOとなる。
これに伴い、ステップ130aにおいて、耳鳴り音の軽減か否かが判定される。現段階では、耳鳴り音は消えていないが軽減されていれば、キーボード30aのYキーの操作に伴い、ステップ130aにおいてYESと判定される。
また、ステップ130aにおける判定がNOとなる場合には、ステップ130bにおいて、耳鳴り音の増強か否かが判定される。現段階では、上述のように患者により認識された耳鳴り音の状態に基づき、耳鳴り音が増強されていなければ、キーボード30aのNキーの操作に伴い、ステップ130bにおける判定はNOとなる。
しかして、上述のようにステップ130aにおけるYESとの判定或いはステップ130bにおけるNOとの判定がなされた場合には、ステップ140において、P=2m或いはQ=2mか否かが判定される。現段階では、P=1であることから、ステップ140における判定はNOとなり、ステップ141において、先回のキー操作は、遅れキーの操作ではないことから、NOと判定されて、上記コンピュータプログラムはステップ120aに進む。
ここで、上記進みキーが再び操作されると、ステップ120aにおけるYESとの判定後、この進みキーの操作が初回でないことから、ステップ120bにおいて、NOと判定される。ついで、ステップ120cにおいて、先回のキー操作は進みキーの操作か否かが判定される。然るに、先回のキー操作は、上述のごとく、上記進みキーの操作であることから、ステップ120cにおける判定は、YESとなり、ステップ121aにおいて、操作回数データはP=P+1=2と加算更新される。
これに伴い、操作回数データP=2のもとにステップ122〜ステップ126の処理がなされる。すると、上記第1実施形態と同様に、純音データが正弦波aでもって直交座標面a1と共に表示され、位相調整データが直交座標面b1と共に正弦波b(図6にて破線参照)でもって表示され、かつ第3識別色を表す識別色データが四角領域cと共に表示されるとともに、コンピュータ本体30bからの出力である位相調整音信号(調整位相差ΔΦ=+Φ(2)=+2Φoの位相を有する)に基づく振動が、骨導端子部材40により、上記患者の頭部Mの耳後骨部に入力される。
これにより、位相調整データに対応する正弦波bが正弦波aに対し位相差+2Φoだけ進んでいることが、四角領域c内の第2識別色表示でもって上記患者により視認され得るとともに、コンピュータ本体30bからの出力に基づく位相調整音が上記患者によりその聴覚でもって認識され得る。その結果、当該患者の耳鳴り音の状態が当該患者によりその聴覚でもって認識され得る。
上述のようにステップ122〜ステップ126における処理が終了すると、次のステップ127aにおいて、P=2に基づきNOと判定される。現段階において、上述の患者の耳鳴り音の状態に基づき耳鳴りが消えていないと判断されると、ステップ130dにおける判定がNOとなり、P=2のもとに、ステップ140における判定がNOとなる。
しかして、ステップ141におけるNOとの判定及び操作回数データPの加算更新のもとにおけるステップ120a〜ステップ127aの繰り返し処理中において上述の患者の耳鳴り音の最新の状態に基づき耳鳴りが消えたと判断されると、当該患者が、上記Yキーを操作する。このため、ステップ130dにおいて、YESと判定され、各ステップ131、132の処理がなされる。これに伴い、上記第1実施形態と同様に、最新の操作回数データPの値のもとに、最新の位相調整データの純音データとの位相差が決定されるとともに、最新の位相調整データに基づく耳鳴り軽減音信号が骨導端子部材40により上記患者の頭部Mの耳後骨部に入力される。従って、上記第1実施形態と同様に耳鳴り音が消えたことを上記患者によって認識され得る。
また、上述のように上記コンピュータプログラムがステップ130bに進んだとき、上述とは異なり耳鳴り音が増強されているために、キーボード30aのYキーの操作によりステップ130bにおいてYESと判定される場合には、ステップ130cにおいて、遅れキーの操作か否かが判定される。換言すれば、耳鳴り音が増強傾向にあることから、上記進みキーの操作の継続では、当該進みキーの操作回数が増大して上記位相調整に時間がかかると判断される。このため、上記遅れキーが操作される。これに伴い、ステップ130cにおける判定がYESとなり、ステップ133において、操作回数データがP=0とクリアされる。
ついで、ステップ120cにおいて、先回のキー操作は進みキーの操作か否かが判定される。ここで、先のステップ130cにおける判定が遅れキーの操作に基づくものであることから、ステップ120cにおける判定はNOと判定される。すると、ステップ121bにおいて、ステップ100においてクリア済みの操作回数データQがQ=Q+1=1と加算更新される。これに伴い、ステップ122〜ステップ126の処理が、Q=1のもとに、なされる。即ち、ステップ122における純音データに基づく位相調整データの作成処理において、調整位相角Φ(i)が、上記調整位相角−操作回数データ(図4参照)から、操作回数データQ=1に基づき、−Φ(1)=−Φo(例えば、−5°)として読み出される。ついで、調整位相角Φ(i)=−Φ(1)=−Φoが上記遅れキーの操作に対応する遅れ位相角であることから、この遅れ位相角−Φoに基づき、上記純音データが、その位相角において、−Φoだけ進められ、位相調整データとして作成される。このことは、位相調整データが、純音データを調整位相差ΔΦ=−Φoだけ遅れるように位相調整することで、作成されることを意味する。
このようにしてステップ122における処理が終了すると、次のステップ123における識別色データの読み出し処理においては、操作回数データQ=1及び調整位相差ΔΦ=−Φoであることから、第2識別色が、識別色データとして、上記識別色−調整位相差データに基づきコンピュータ本体30bのROMから読み出される。
すると、次のステップ124における位相調整音信号の生成処理において、ステップ122における位相調整データに基づきこの位相調整データに対応する位相調整音信号(調整位相差ΔΦ=−Φoの位相を有する)が生成される。然る後、ステップ125における合成表示データの作成出力処理において、ステップ111における純音データが直交座標面a1に重畳され、ステップ122における位相調整データ(ΔΦ=−Φoに対応)が直交座標面b1に重畳され、ステップ123における識別色データ(第2識別色に対応)が四角領域cに重畳されて、表示データとして合成された後、この合成表示データがアナログ変換されて表示駆動回路30cに出力される。
このため、ディスプレイ30dが、上記合成表示データに基づき表示駆動回路30cにより駆動されて、純音データを正弦波aでもって直交座標面a1と共に表示し、位相調整データを直交座標面b1と共に正弦波でもって表示し、かつ第2識別色を表す識別色データを四角領域cと共に表示する。これにより、位相調整データに対応する正弦波が正弦波aに対し位相差−Φoだけ遅れていることが、四角領域c内の2識別色表示でもって上記患者により視認され得る。
また、ステップ125の処理後、ステップ126における位相調整音信号の出力処理において、ステップ124において生成された位相調整音信号(調整位相差ΔΦ=−Φoの位相を有する)が、アナログ変換されて、ケーブル41を介し骨導端子部材40に出力される。このため、上記患者は、上述と同様にコンピュータ本体30bからの出力を位相調整音として認識する。これにより、調整位相差ΔΦ=−Φoのときの当該患者の耳鳴り音の状態が当該患者により認識され得る。
上述のようにステップ126の処理が終了すると、現段階では、Q=1であるから、ステップ127aにおいてYESと判定される。そして、上述のようにP=1のもとにおける両ステップ130、130aの判定と同様に、両ステップ130、130aの判定がなされる。しかして、上述のごとく上記進みキーの操作では患者の耳鳴り音が増強されるために上記遅れキーの操作に変更したのであるから、患者の耳鳴り音は、消えていなくても減少傾向にあると判断される。
従って、ステップ127aにおけるYESとの判定後には、ステップ130でNOと判定されても、ステップ130aにおいてYESと判定される。これに伴い、ステップ140において、Q<2mであるためにNOと判定されると、次のステップ141において、先回のキー操作は上記遅れキーの操作であることから、YESと判定される。
すると、ステップ142(図7参照)において遅れキーの操作か否かが判定される。このステップ142におけるNOとの判定の繰り返し中に、上記遅れキーが再び操作されると、ステップ142における判定がYESとなり、ステップ121bにおいて、操作回数データQがQ=Q+1=2と加算更新される。
その後、ステップ122〜ステップ126において、操作回数データQ=2のもとに、純音データに基づく位相調整データ(−Φ(2)=−2Φoに対応)の作成、色識別データの読み出し(第2識別色に対応)、位相調整音信号の生成(−Φ(2)=−2Φoに対応)及び合成表示データの作成出力及び位相調整音信号の出力が、操作回数データP=2の場合と実質的に同様にしてなされる。これにより、操作回数データQ=2のもとにおける純音データの遅れ位相調整に対する作用効果が、操作回数データP=2のもとにおける純音データの進み位相調整に対する作用効果と実質的に同様に得られる。
以後、各ステップ127a、130d、140、141、142、121b、122〜126を通る演算処理の繰り返し中において、操作回数データQの加算更新のもとに、患者の耳鳴り音が消えて、ステップ130dにおける判定がYESになると、各ステップ131、132の処理がなされる。
これに伴い、最新の操作回数データQの値のもとに、最新の位相調整データの純音データとの位相差が決定されるとともに、最新の位相調整データに基づく耳鳴り軽減音信号が骨導端子部材40により上記患者の頭部Mの耳後骨部に入力される。従って、耳鳴り音が消えたことを上記患者によって認識され得る。
ここで、上述のごとく、上記進みキーの操作後、Yキーの操作によりステップ130bにおいて耳鳴り音の増強に基づきYESと判定された場合には、そのまま上記進みキーの操作を継続するのではなく、上記遅れキーを繰り返し操作することで、各ステップ120c、121b、122〜126、127a、130dを通る演算処理の繰り返し中において、上述のように各ステップ131、132の処理が逸速く達成され得る。このことは、患者の耳鳴り音の軽減(具体的には消滅)に要する耳鳴り軽減音信号の出力が逸速くなされ得ることを意味する。その結果、耳鳴り音が消えたことを上記患者によって逸速く認識され得る。その他の作動及び作用効果は上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)識別色データ及び四角領域c(図6参照)による表示に代えて、識別色データ及び円領域による表示を採用してもよい。この場合、操作回数データP又はQ=0〜2mに対応させて、±Φ(0)=0°〜±Φ(2m)=±2mΦo=360°に亘り、所定位相角Φo毎に上記円領域の円周に沿い目盛りを設けて、調整位相角Φ(i)に対応して、上記円領域に識別色データを円弧状斜線領域として表示するようにしてもよい。
(2)本発明の実施にあたり、所定位相角Φoは、5°に限ることなく、例えば、1°、3°、7°或いは10°等であってもよく、所定位相角Φoが小さい程、調整位相角Φ(i)の精度が向上する。
(3)本発明の実施にあたり、位相調整音信号を、骨導端子部材40に代えて、例えば、イヤホーンやヘッドホンにより患者の耳に入力するようにしてもよい。イヤホーンやヘッドホンを使用すると、他の外音が聞き難くなるが、純音データに対する位相調整データの位相差を決定するにあたっては、特に支障はない。
(4)本発明の実施にあたり、A−D変換器20の機能は、コンピュータ本体30bに設けるようにしてもよい。
(5)本発明の実施にあたり、パソコン30は、ノート型に限ることなく、デスクトップ型のものであってもよい。
(6)シグナルジェネレータ10が検索する主要周波数成分は、上記単一主要周波数の正弦波成分であって上記耳鳴り音に同期した正弦波成分に代えて、例えば、上記単一主要周波数の余弦波成分であって上記耳鳴り音に同期した余弦波成分等の波形成分であってもよい。
(7)本発明の実施にあたり、位相調整データの純音データに対する位相差決定処理(ステップ131参照)において、位相調整データの純音データに対する位相差は、上記反転位相差に限ることなく、上記耳鳴り音が消えたと当該患者が感じる程に当該耳鳴り音を軽減させる位相差であってもよい。これによっても、上記各実施形態と同様の作用効果が実質的に達成され得る。
本発明が適用される耳鳴り軽減装置のブロック回路図である。 図1のコンピュータ本体による実行されるコンピュータプログラムを表すフローチャートの前段部である。 図1のコンピュータ本体による実行されるコンピュータプログラムを表すフローチャートの後段部である。 調整位相角Φ(i)と操作回数データP又はQとの関係を表す図表である。 識別色データと調整位相差ΔΦとの関係を表す図表である。 ディスプレイの表示画面の表示例示図である。 本発明の第2実施形態の要部を示すフローチャートの前段部である。 本発明の第2実施形態の要部を示すフローチャートの後段部である。
符号の説明
10…シグナルジェネレータ、20…A−D変換器、30…パソコン、
30a…キーボード、30b…コンピュータ本体、30c…表示駆動装置、
30d…ディスプレイ、40…骨導端子部材、41…ケーブル。

Claims (5)

  1. 者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分を純音データとして発生する純音データ発生手段と
    前記純音データのうちの基準となる基準位相に対し進み位相方向或いは遅れ位相方向に位相調整するにあたり第1操作をし、耳鳴り音が消えたとの前記患者の判断に伴い第2操作をし、また、耳鳴り音が消えていないとの前記患者の判断に伴い第3操作をするようになっている操作手段と、
    前記純音データの前記基準位相に対し調整すべき位相角が前記操作手段の前記第1操作の回数に応じて変化するように予め定めた調整位相角−回数データに基づき、前記第1操作の回数に応じた前記純音データの前記基準位相に対する調整位相差を決定して位相調整データとして作成する位相調整データ作成手段と
    前記純音データの前記基準位相に対する前記調整位相差に対応した第1識別色から当該第1識別色とは異なる第2識別色であって前記純音データの前記基準位相に対する反転位相差に対応した第2識別色にかけて順次変化するように予め定めた識別色データ−位相調整データに基づき、前記位相調整データの調整位相差に対応する識別色を識別色データとして決定して当該識別色データを前記位相調整データとともに表示するカラー表示手段と、
    前記位相調整データの調整位相差を有する位相調整音信号を生成して前記患者の聴覚部に出力する位相調整音信号出力手段と、
    前記患者が、その聴覚部への前記位相調整音信号出力手段からの前記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて、前記カラー表示手段による前記表示識別色の前記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づき前記カラー表示手段による前記表示調整位相差が前記純音データの前記基準位相に対し半周期になったことを認識して前記耳鳴り音が消えたと判断したとき、前記第2操作が前記操作手段によりなされることによって、前記耳鳴り音が消えたと感じたときの前記位相調整データの前記調整位相差を前記患者のための耳鳴り軽減情報として設定する耳鳴り軽減情報設定手段とを備える耳鳴り軽減情報設定装置。
  2. 前記操作手段は、さらに、耳鳴り音が軽減している或いは増強されているとの前記患者の判断に伴い前記第2操作をし、また、耳鳴り音が消えてはいないが増強されてはいないとの前記患者の判断に伴い前記第3操作をするようになっており、
    前記患者が、その聴覚部への前記位相調整音信号出力手段からの前記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて前記純音データの前記基準位相に対する位相調整が進み位相方向及び遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向になされるように前記第1操作が前記操作手段により繰り返されているとき、前記耳鳴り音の増強か否かの判断に伴いなされる前記操作手段の操作状態を判定する判定手段を備えて、
    前記患者による前記耳鳴り音の増強状態ではないとの判断に伴い前記第2操作或いは前記第3操作が前記操作手段によりなされたと前記判定手段により判定されたとき、前記いずれか一方の位相方向への前記位相調整を継続するように前記第1操作が前記操作手段によりなされることで、前記位相調整データ作成手段は、前記純音データに対し前記操作手段の前記第1操作の回数に対応した位相差を有するように、前記位相調整データの作成を継続し、
    また、前記患者による前記耳鳴り音の増強状態との判断に伴い前記第2操作が前記操作手段によりなされたと前記判定手段により判定されたとき、前記純音データの前記基準位相に対する位相調整が前記いずれか一方の位相方向とは逆位相方向になされるように前記操作手段により前記第1操作がなされることで、当該第1操作の回数に対応した位相差を前記純音データに対し有するように前記位相調整データを前記位相調整データ作成手段により作成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の耳鳴り軽減情報設定装置。
  3. 請求項1または2に記載の耳鳴り軽減情報設定装置と、
    当該耳鳴り軽減情報設定装置の前記耳鳴り軽減情報設定手段により設定された前記耳鳴り軽減情報を有する耳鳴り軽減音信号を出力する出力手段とを備える耳鳴り軽減装置。
  4. 患者の耳鳴り音に最も近似する音であって当該耳鳴り音に同期する音を表す近似音のうち患者が自己の耳鳴り音に最も近いと認識する単一周波数の正弦波成分を純音データとして発生する純音データ発生ステップと、
    前記純音データの前記基準位相に対し調整すべき位相角が進み位相方向或いは遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向への操作手段による第1操作の回数に応じて変化するように予め定めた調整位相角−回数データに基づき、前記第1操作の回数に応じた前記純音データの前記基準位相に対する調整位相差を決定して位相調整データとして作成する位相調整データ作成ステップと、
    前記純音データの前記基準位相に対する前記調整位相差に対応した第1識別色から当該第1識別色とは異なる第2識別色であって前記純音データの前記基準位相に対する反転位相差に対応した第2識別色にかけて順次変化するように予め定めた識別色データ−位相調整データに基づき、前記位相調整データの調整位相差に対応する識別色を識別色データとして決定して当該識別色データを前記位相調整データとともに表示する表示ステップと、
    前記位相調整データの調整位相差を有する位相調整音信号を生成して骨導端子部材により前記患者の聴覚部に出力する位相調整音信号出力ステップと、
    前記患者が、その聴覚部への前記位相調整音信号出力ステップにおける前記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて、前記カラー表示手段による前記表示識別色の前記第1及び第2の識別色の一方から他方への変化に基づき前記カラー表示手段による前記表示調整位相差が前記純音データの前記基準位相に対し半周期になったことを認識して前記耳鳴り音が消えたと判断したとき、当該判断の際になされる第2操作を前記操作手段により行うことによって、前記耳鳴り音が消えたと感じたときの前記位相調整データの前記調整位相差を前記患者のための耳鳴り軽減情報として設定する耳鳴り軽減情報設定ステップとを備える耳鳴り軽減情報設定方法。
  5. 前記患者が、その聴覚部への前記位相調整音信号出力ステップにおける前記位相調整音信号の出力のもとに耳鳴り音を聴覚により認識している状態にて前記純音データの前記基準位相に対する位相調整が進み位相方向及び遅れ位相方向のいずれか一方の位相方向になされるように前記第1操作が前記操作手段により繰り返されているとき、前記耳鳴り音の増強か否かが判断されるに伴いなされる前記操作手段の操作状態を判定する判定ステップを備えて、
    前記患者による前記耳鳴り音の増強状態ではないとの判断に伴い当該判断の際になされる第2操作或いは第3操作が前記操作手段によりなされたと前記判定ステップにて判定されたとき、前記いずれか一方の位相方向への前記位相調整を継続するように前記第1操作が前記操作手段によりなされることで、前記位相調整データ作成ステップにて、前記純音データに対し前記操作手段の前記第1操作の回数に対応した位相差を有するように、前記位相調整データの作成を継続し、
    また、前記患者による前記耳鳴り音の増強状態との判断に伴い、当該判断の際になされる第2操作が前記操作手段によりなされたと前記判定ステップにて判定されたとき、前記純音データの前記基準位相に対する位相調整が前記いずれか一方の位相方向とは逆位相方向になされるように前記操作手段により前記第1操作がなされることで、当該第1操作の回数に対応した位相差を前記純音データに対し有するように前記位相調整データを前記位相調整データ作成ステップにて作成するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の耳鳴り軽減情報設定方法。
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