JP5314615B2 - 移動通信用基地局アンテナ - Google Patents
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Description
CDMA;Code Division Multiple Access)などの手法が提案されており、商用のシス
テムに導入されている。
しかし、近年の移動通信の普及に伴うユーザの急激な増加のため、移動通信システムに割り当てられた周波数チャネルの許容量以上の通信要求が発生し、周波数資源を逼迫する問題が発生している。
そこで、周波数の利用効率を上げてチャネル容量の拡大を実現するために、1つの周波数帯域で複数のユーザとの通信を実現する空間分割多重アクセス(SDMA;Space Division Multiple Access)が提案されている。空間分割多重アクセスでは、基地局アンテナの指向性の主ビーム方向を所望のユーザの方向に向け、他のユーザ方向には指向性のヌル方向を向けることで、複数のユーザを空間の違いによって分離して、多重アクセスを実現している。
また、非特許文献1では、V−H偏波および斜め45度偏波を用いたアレイアンテナ4つを水平方向に並べて配置して空間分割多重アクセスを実現する、という移動通信用基地局アンテナが提案されている。
また、複数のアレイアンテナをアンテナの長手方向に直線状に設けることは、設置上の不都合や景観上の不都合があるので、やはり好ましくない。しかも、アレイアンテナの場合、アレイアンテナを構成するアンテナ素子の数は移動通信用基地局で要求されるアンテナ指向性に基づいて決定されるので、設置上の不都合や景観上の不都合があるからと云って、アンテナ素子の数を減らすことは不可能である。
また、MIMO技術を導入する場合においても、周波数の利用効率を上げてチャネル容量の拡大を実現するためには、アレイアンテナを複数配置することが必要となるが、アンテナ全体の設置占有面積が大きくなることは、上述の通り好ましくない。
スを可能とする移動通信用基地局アンテナの実現が強く望まれるようになってきている。
また、上記の特許文献1、非特許文献1にて提案された技術以外で、移動通信用基地局アンテナの設置占有面積を大幅に増大させることなく空間分割多重アクセスを実現するためには、2つのアレイアンテナ間の距離を小さくすればよいようにも考えられる。ところが、そのようにすると、2つのアレイアンテナ間のアイソレーションが低下し、それに因ってアンテナ利得などのアンテナ特性が低下するという、別の不都合が生じてしまうという問題がある。
このように、従来の技術では、移動通信用基地局アンテナ全体の設置占有面積が大きくなってしまうことを回避しつつ、空間分割多重アクセスを実現することは、極めて困難ないし不可能であった。
この遮蔽板2としては、金属またはそれに類する導電体からなる遮蔽板を用いることができる。また、遮蔽板2としては、磁性体や誘電体からなる電波吸収体を用いることもできる。
反射板3は、この移動通信用基地局アンテナ10における各アンテナ素子対アレイ1a、1bの全体的な指向性(例えば図1におけるy方向を主軸とする指向性)をより確実に得るために、アンテナ素子対アレイ1の背面に設けられたものである。
うに設定されている。
従来の技術では、2つのアンテナ素子対アレイを水平方向に並列して隣接配置すると、それらアンテナ素子対アレイ同士の間のアイソレーション確保が困難となり、その結果として、アンテナ素子対アレイ同士の間の距離を大きく取らなければならなくなって、アンテナ設置占有面積が増大するという問題が発生していた。
しかし、本発明の実施の形態に係る移動通信用基地局アンテナでは、水平方向に並列して隣接配置されたアンテナ素子対アレイ1a、1bの間に、垂直方向に伸びた遮蔽板2を備えるようにしたので、それらアンテナ素子対アレイ1a、1b同士の間のアイソレーションを飛躍的に改善することができ、その結果、アンテナ素子対アレイ1a、1b間の距離を大きく離す必要がなくなり、アンテナ設置占有面積の増大を回避することが可能となる。
他方、アンテナ24は、図2(c)の正面図および図2(d)の平面図に示したように、遮蔽板22(金属遮蔽板)を備えたアンテナであり、遮蔽板22以外の構成はアンテナ20と同様に、給電ポート7に接続された垂直偏波アンテナ素子21a、50Ω終端が接続された垂直偏波アンテナ素子21b、反射板23を備えている。そして、反射板23と遮蔽板22とは、電気的に接続されている。
このシミュレーション結果から、垂直偏波アンテナ素子21a、21b間に遮蔽板22を設けることで、それら水平方向に左右一対で隣接配置された垂直偏波アンテナ素子21aと垂直偏波アンテナ素子21bとの間でのアイソレーションを、飛躍的に改善することができるので、アンテナ素子間距離を大きく取る必要がなくなる。あるいは、従来技術の場合に生じていた、設置占有面積の増大を回避するために無理に垂直偏波アンテナ素子21aと垂直偏波アンテナ素子21bとの間の距離を縮めることに起因して指向性などのアンテナ特性が低下するという問題を、垂直偏波アンテナ素子21a、21b間に遮蔽板22を設けることによって、解消することができる。
テナ素子と給電ポートとの電気的接続に関する構成の一態様を示した図である。なお、ここでは説明の簡潔化のために、垂直偏波アンテナ素子5と水平偏波アンテナ素子6とを直交して一対に組み合わせてなるアンテナ素子対4の代りに、水平偏波アンテナ素子6のアレイは省略して、垂直偏波アンテナ素子31のアレイのみを備えたものについて説明する。また、この図3では、電力供給系ごとに図3(a)と図3(b)とに分けて図示してあるが、これは便宜上、図示の煩雑化を回避するために敢えて分けて図示しているのであって、実際には、図3(a)に示した電力供給系と図3(b)に示した電力供給系とが組み合わされた構成となっている(以下同様)。
図3(a)に示したように、一方の電力供給系の構成では、給電ポート35が電力分配器36に接続されている。そして電力分配器36は、給電ポート35から供給されて来た電力をA:Bの比率でアンテナ素子対アレイ1a、1bに分配するように設定されている。その各電力は、配線回路系34、37を介してそれぞれ分配される。
また、同様に、図3(b)に示したように、他方の電力供給系の構成では、給電ポート35は電力分配器36に接続されており、電力分配器36は、給電ポート35から供給されてきた電力をC:Dの比率でアンテナ素子対アレイ1a、1bに分配するように設定されている。その各電力は、配線回路系39、40を介してそれぞれ分配される。AとBは、ほぼ等しく、またCとDは、ほぼ等しい値に設定されている。
また、図3(a)、(b)に示した各電力供給系を有する構成の移動通信用基地局アンテナ30、38では、いずれの場合も、一方のアンテナ素子対アレイ1aにおける給電ポート35からの給電の対象となるアンテナ素子数は4個であり、かつ他方のアンテナ素子対アレイ1bにおける給電ポート35からの給電の対象となるアンテナ素子数は4個であり、それらの個数は等しくなっている。
すなわち、各電力系統において、電力分配器36によって2つのアンテナ素子対アレイ1a、1bに分配された2系統の電力は、2つのアンテナ素子対アレイ1a、1bにおける互いに等しい個数のアンテナ素子へと、それぞれ給電されている。但し、各電力供給系において、電力分配器36によって2つのアンテナ素子対アレイ1a、1bに分配された2系統の電力は、遮蔽板22を挟んで水平方向に左右一対になって並んでいる各2つの垂直偏波アンテナ素子31a、31b毎について着目すると、そのうちの一方のみに供給されると共に他方には供給されないように設定されている。また、1つのアンテナ素子対アレイ1における電力が供給される垂直偏波アンテナ素子31は、そのアンテナ素子対アレイ1の配列内で2個ずつ連続して2個置きに(いわゆる「2個ずつ飛び飛びに」)選択されている。
ここで、上記の「ほぼ等しい」とは、例えば何らかの外乱や誤差の混入等に起因して電力の供給に若干の差異が生じたとしても、それが実質的にアンテナ素子対アレイ1の水平面主ビーム41の有意な偏りを生じさせない程度のものである場合を意味している。なお、以下では、表現の簡潔化のために、そのような「ほぼ等しい」ということも含めて、単に「等しい」と記載するものとする。
また、例えば9個のような奇数個のアンテナ素子対アレイ1を上方の略半分と下方の略半分との2つのグループに分ける、といった場合には、例えば上方の4個と下方の5個との2つのグループに分ける、もしくは逆に上方の5個と下方の4個との2つのグループに分けるようにすることなどが可能である。
図7(a)に移動通信用基地局アンテナ70として示したような一つの電力供給系の構成では、給電ポート75は、電力分配器76に接続されており、電力分配器76では、1:1の比率に電力を分配して、それらの電力を垂直偏波アンテナ素子71a、71bへとそれぞれ送出するように設定されている。
また、図7(b)に移動通信用基地局アンテナ78として示したような他の一つの電力供給系の構成の場合も同様に、給電ポート75は、電力分配器76に接続されており、電力分配器76では、1:1の比率に電力を分配して、それらの電力を垂直偏波アンテナ素子71a、71bへとそれぞれ送出するように設定されている。
いずれの構成も、アンテナ素子対アレイ1における給電ポート75からの電力分配器76を介しての給電の対象となるアンテナ素子数は、4個ずつであり、その個数は等しくなっている。但し、移動通信用基地局アンテナ70と移動通信用基地局アンテナ78とでは、アンテナ素子対アレイ1a、1bにおける給電の対象となる垂直偏波アンテナ素子71a、71bの配置が、互いに左右対称的に逆になっている。
また、図7(d)に移動通信用基地局アンテナ78として示したような他の一つの電力供給系の構成も同様に、給電ポート84は、電力分配器85に接続されており、電力分配器85は、1:1の比率に電力を分配して、それらの電力を水平偏波アンテナ素子81a、81bへとそれぞれ送出するように設定されている。
いずれの構成も、アンテナ素子対アレイ1における給電ポート75からの電力分配器76を介しての給電の対象となるアンテナ素子数は、4個ずつであり、その個数は等しくなっている。但し、移動通信用基地局アンテナ70と移動通信用基地局アンテナ78とでは
、アンテナ素子対アレイ1a、1bにおける給電の対象となる水平偏波アンテナ素子81a、81bの配置が、互いに左右対称的に逆になっている。
図8(a)は、図7(a)の構造の場合の主ビーム放射パターン88aを示している。図8(b)は、図7(b)の構造の場合の主ビーム放射パターン88bを示している。図8(c)は、図7(c)の構造の場合の主ビーム放射パターン88cを示している。図8(d)は、図7(d)の構造の場合の主ビーム放射パターン88dを示している。
いずれの場合においても、水平面主ビーム88は、アンテナの正面方向(y方向)となる。これは、2つのアンテナ素子対アレイ1a、1bに対して等しい電力を供給しているためであり、水平面における放射導体構造がアンテナ正面方向(y方向)に対して概ね対称構造となるためである。
また、図7(b)に示した移動通信用基地局アンテナ78の場合では、給電ポート75からの電力は、電力分配器76で分配された後、一方の配線回路系79を介して、下半分の4個の垂直偏波アンテナ素子71aに供給され、他方の配線回路系80を介して、上半分の4個の垂直偏波アンテナ素子71bに供給されるように設定されている。
また、図7(c)に示した移動通信用基地局アンテナ70の場合では、給電ポート84からの電力は、電力分配器85で分配された後、一方の配線回路系82を介して、上半分の4個の水平偏波アンテナ素子81aに供給され、他方の配線回路系83を介して、下半分の4個の水平偏波アンテナ素子81bに供給されるように設定されている。
また、図7(d)に示した移動通信用基地局アンテナ78では、給電ポート84からの電力は、電力分配器85で分配された後、一方の配線回路系86を介して、下半分の4個の水平偏波アンテナ素子81aに供給され、他方の配線回路系87を介して、上半分の4個の水平偏波アンテナ素子81bに供給されるように設定されている。
設けた場合について説明したが、複数の遮蔽板を水平方向に並べて配置することも、本発明における好ましい一態様である。
このようにすることにより、2つのアンテナ素子対アレイ1a、1b間のアイソレーションを、さらに効果的に改善することが可能となる。
アンテナ90は、図9(a)の正面図および図9(b)の平面図に示したように、金属遮蔽板92を1枚のみ備えたアンテナであり、給電ポート7(図9では図示省略、以下同様)に接続された垂直偏波アンテナ素子91a、50Ω終端が接続された垂直偏波アンテナ素子91b、反射板93を備えている。反射板93と金属遮蔽板92とは、電気的に接続されている。
他方、アンテナ94は、図9(c)の正面図および図9(d)の平面図に示したように、2枚の金属遮蔽板95、96を、所定の間隙97を隔てて設けてなるアンテナであり、その他の構成はアンテナ90と同様に、給電ポート7に接続された垂直偏波アンテナ素子91a、50Ω終端が接続された垂直偏波アンテナ素子91b、反射板23を備えている。そして、反射板93と金属遮蔽板95、96とは、電気的に接続されている。
このように、垂直偏波アンテナ素子21a、21b間に遮蔽板22を設けることで、それら隣接配置された垂直偏波アンテナ素子21aと垂直偏波アンテナ素子21bとの間でのアイソレーションをさらに効果的に改善することができる。あるいは、従来技術の場合に生じていた、設置占有面積の増大を回避するために無理に垂直偏波アンテナ素子21aと垂直偏波アンテナ素子21bとの間の距離を縮めることに起因してアンテナ特性が低下するという問題を、それら垂直偏波アンテナ素子21a、21b間に、1枚の遮蔽板2の代りに2枚の金属遮蔽板95、96を所定の間隙97を有して設けることにより、さらに効果的に解消することができる。
2 遮蔽板
3 反射板
4 アンテナ素子対
5 垂直偏波アンテナ素子
6 水平偏波アンテナ素子
7 給電ポート
36 電力分配器
Claims (9)
- 同一の偏波特性を有するアンテナ素子が垂直方向に複数個配列された、少なくとも2つのアレイアンテナを、水平方向に隣接して並べて配置してなる移動通信用基地局アンテナであって、
前記2つのアレイアンテナの背面に設けられた反射板と、
前記2つのアレイアンテナの間に設けられ、両アレイアンテナ間における電磁気的な干渉を遮蔽する遮蔽板と、
前記2つのアレイアンテナに電力を供給するための給電ポート、前記給電ポートに接続され、前記電力を前記2つのアレイアンテナに略等しく分配する電力分配器、及び分配された電力を前記2つのアレイアンテナのアンテナ素子に供給する配線回路系を備えた2つの電力供給系と
を備え、
各電力供給系において、分配された電力は、前記遮蔽板を挟んで水平方向に並んでいる2つのアンテナ素子のうち一方にのみ供給され、
前記2つの電力供給系が給電するアンテナ素子の配置は、水平方向において、互いに左右対称的に逆になっている
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
各電力供給系において、前記電力分配器によって前記2つのアレイアンテナに分配された2系統の電力は、前記2つのアレイアンテナにおける互いに略等しい個数のアンテナ素子へと、それぞれ給電される
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1または2記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
各電力供給系において、前記電力分配器によって前記2つのアレイアンテナに略等しく分配された2系統の電力は、それぞれ、各アレイアンテナにおける配列内で少なくとも1箇所連続している部分を有する複数個のアンテナ素子に供給される
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1ないし3のうちいずれか1つの項に記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
前記遮蔽板と前記反射板とは、電気的に接続されている
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
各電力供給系において、前記電力分配器によって前記2つのアレイアンテナに略等しく分配された2系統の電力は、その一方が、前記2つのアレイアンテナのうちの一方のアレイアンテナにおける複数個配列されているアンテナ素子のうちの上方に配列されているアンテナ素子に供給され、かつ他方が、前記2つのアレイアンテナのうちの他方のアレイアンテナにおける複数個配列されているアンテナ素子のうちの下方に配列されているアンテナ素子に供給される
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
複数枚の前記遮蔽板が、所定の間隙を有して、隣り合うアレイアンテナ間に平行に設けられている
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1ないし6のうちいずれか1つの項に記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
前記アンテナ素子は、偏波特性が互いに直交または所定の角度で交差する2個のアンテナ素子を組み合わせたアンテナ素子対である
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1ないし7のうちいずれか1つの項に記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
前記遮蔽板は、金属またはそれに類する導電体からなる
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。 - 請求項1ないし8のうちいずれか1つの項に記載の移動通信用基地局アンテナにおいて、
前記アレイアンテナは、空間分割多重アクセス方式の通信に用いられるものである
ことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ。
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