JP5313606B2 - シリンジ - Google Patents

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Description

本発明は、シリンジに関するものである。
患部(生体内の目的部位)の内部の圧力を一定に保ちつつ、その患部に薬液を注入するには、2つのカテーテルまたは2つのルーメンを有するカテーテルが用いられる。すなわち、一方のルーメンを用いて患部に薬液を注入しつつ、他方のルーメンを用いて患部から液体(体液等)を吸引する。
しかしながら、この方法では、患部の圧力を一定に保つために、薬液の注入量(流量)と、液体の吸引量(流量)とを等しくすることが必要であり、これにより、多大な労力を必要とする。
ところで、生体内の目的部位に薬液を注入しつつ、その目的部位から液体を吸引する装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが挙げられる。
特許文献1の薬液持続注入吸引装置では、薬液貯留室内に薬液を充填することにより、バネが収縮し、薬液を目的部位に注入する準備が完了する。そして、薬液を目的部位に注入する際は、薬液の出口を開く。薬液の出口を開くと、バネの弾性力(復元力)により、薬液貯留室側のピストンが移動し、薬液が注入され、その薬液貯留室側のピストンの移動により、薬液貯留室側のピストンと廃液室側のピストンとの間の空間(廃液室内等)が負圧状態となることで、廃液室側のピストンが移動し、廃液室内に液体が吸引される。
しかしながら、特許文献1の薬液持続注入吸引装置では、薬液貯留室内に薬液が充填され、薬液を注入する準備が完了した状態で、廃液室側のピストンの先端側の空気の量をゼロにすることができず、このため、廃液室側の応答性(レスポンス)が悪い。これにより、目的部位に薬液を注入している最中に、薬液貯留室側(注入側)の薬液の流量(注入速度)と、廃液室側(吸引側)の液体(廃液)の流量(吸引速度)とを等しくすることができず、その目的部位の圧力を一定に保つことができない。また、特許文献1の薬液持続注入吸引装置では、バネの弾性力によりピストンを移動させ、薬液貯留室の薬液を注入するが、その薬液の注入量の調節が容易ではない。このため、特許文献1の薬液持続注入吸引装置を用いて、例えば、動脈瘤内に薬液を注入しつつ、動脈瘤内から血液を吸引すると、動脈瘤内の圧力が変動し、動脈瘤が、収縮したり、拡張したりし、破裂する虞がある。
特開2000−271215号公報
本発明の目的は、液体の注入と液体の吸引とを同時に、かつ容易に行うことができ、注入側と吸引側の一方に対する他方の応答性に優れるシリンジを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 先端部に突出形成された口部を有する第1のシリンジ外筒と、先端部に突出形成された口部を有する第2のシリンジ外筒とを備え、それらの口部同士が並設された本体部と、
前記第1のシリンジ外筒内に摺動可能に挿入された第1のガスケットと、
前記第2のシリンジ外筒内に摺動可能に挿入された第2のガスケットと、
前記第1のガスケットを前記第1のシリンジ外筒の長手方向に沿って移動操作する第1の押し子と、
前記第2のガスケットを前記第2のシリンジ外筒の長手方向に沿って移動操作する第2の押し子とを備えるシリンジであって、
前記第1の押し子と前記第2の押し子とのうちの一方を移動させたとき、他方が前記一方の押し子と反対方向に移動するように連動させ得る駆動力伝達機構と、
前記第1の押し子と前記第2の押し子とが連動する第1の状態と、連動しない第2の状態とを切り替える切替機構とを備え
前記駆動力伝達機構は、前記第1の押し子の長手方向に沿って形成された第1のラックギヤと、前記第2の押し子の長手方向に沿って形成された第2のラックギヤと、少なくとも1つのピニオンギヤを有する伝達ギヤとを備え、前記伝達ギヤを介して、前記第1のラックギヤと前記第2のラックギヤとが連結し得るよう構成され、
前記切替機構は、前記第1のラックギヤおよび前記第2のラックギヤのそれぞれと前記伝達ギヤとが噛合した状態と、前記第1のラックギヤと前記第2のラックギヤとのうちの少なくとも一方と前記伝達ギヤとが噛合しない状態とを切り替えるものであることを特徴とするシリンジ。
(2)前記第1の押し子と前記第2の押し子とのうちの一方は、前記伝達ギヤに対して接近・離反可能であり、
前記切替機構は、前記第1の押し子と前記第2の押し子とのうちの一方を、前記伝達ギヤに対して接近・離反させるものである上記(1)に記載のシリンジ。
(3) 前記伝達ギヤは、前記第1の押し子と前記第2の押し子の間に配置され、前記第1の押し子は、前記伝達ギヤに対して接近・離反可能であり、
前記切替機構は、前記第1の押し子の長手方向に対して略垂直な方向に沿って移動可能に設置され、前記第1の押し子を支持するスライダと、
前記第1の押し子の長手方向と略平行な方向に沿って移動可能に設置され、前記スライダに当接し、前記スライダを移動させるシャフトとを有し、
前記シャフトを移動させることにより、前記第1の押し子が前記伝達ギヤに対して接近・離反するよう構成されている上記(1)に記載のシリンジ。
(4) 前記伝達ギヤは、前記第1の押し子と前記第2の押し子の間に配置され、前記第2の押し子は、前記伝達ギヤに対して接近・離反可能であり、
前記切替機構は、前記第2の押し子の長手方向に対して略垂直な方向に沿って移動可能に設置され、前記第2の押し子を支持するスライダと、
前記第2の押し子の長手方向と略平行な方向に沿って移動可能に設置され、前記スライダに当接し、前記スライダを移動させるシャフトとを有し、
前記シャフトを移動させることにより、前記第2の押し子が前記伝達ギヤに対して接近・離反するよう構成されている上記(1)に記載のシリンジ。
(5) 前記切替機構は、前記シャフトの先端部に設置され、前記第2のシリンジ外筒の前記口部が挿通し得る開口を有する板状体を備える上記(3)または(4)に記載のシリンジ。
(6) 前記第2の状態では、前記第2のシリンジ外筒の前記口部の先端部の位置と、前記板状体の前記開口の位置とが略一致しており、
前記板状体により前記シャフトを基端方向に移動操作することにより、前記開口から先端側に、前記第2のシリンジ外筒の前記口部の先端部が突出すると共に、前記第2の押し子が前記伝達ギヤに対して接近して前記第1の状態となるよう構成されている上記(5)に記載のシリンジ。
(7) 前記第1の押し子の基端部に固着され、前記第2の押し子が通過し得る通過部を有する、前記第1の押し子および前記第2の押し子に共通の操作部を備え、
前記第1の状態では、前記第2の押し子は、前記操作部の前記通過部を挿通し得る位置に位置し、
前記第2の状態では、前記第2の押し子は、前記第2の押し子の基端部が前記操作部に当接し得る位置に位置する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のシリンジ。
(8) 前記切替機構により前記第2の状態とすることで、前記第1のシリンジ外筒内での前記第1のガスケットの位置と、前記第2のシリンジ外筒内での前記第2のガスケットの位置とをそれぞれ独立して調整し得るよう構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシリンジ。
(9) 当該シリンジは、前記第1のシリンジ外筒内に液体を充填し、この状態で、前記切替機構により前記第1の状態とし、前記第1の押し子により前記第1のガスケットを先端方向に移動操作して使用するものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のシリンジ。
(10) 前記第2のガスケットの先端の中央部にピンが設けられている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のシリンジ。
本発明によれば、液体の注入と液体の吸引とを同時に、かつ容易に行うことができる。
また、薬液の注入量、注入速度の調節を容易に行うことができる。
また、切替機構を有しているので、その切替機構により第1の押し子と第2の押し子とが連動しない第2の状態とし、第1のシリンジ外筒内での第1のガスケットの位置と、第2のシリンジ外筒内での第2のガスケットの位置とをそれぞれ独立して調整することで、第1のシリンジ外筒内の第1のガスケットの先端側の空気と、第2のシリンジ外筒内の第2のガスケットの先端側の空気とをそれぞれ排出することができ、これにより、注入側と吸引側の一方に対する他方の応答性が向上する。
以下、本発明のシリンジを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明は、例えば、生体内に液体を注入しつつ、生体内から液体を吸引する際に用いられるシリンジに適用することができるが、下記の実施形態では、代表的に、本発明を動脈瘤内に薬液を注入しつつ、動脈瘤内から血液を吸引する際に用いられるシリンジ(動脈瘤に対して用いられるシリンジ)に適用した場合について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のシリンジの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示すシリンジのスライダを示す背面図、図3は、図1に示すシリンジのシャフトを示す側面図、図4は、図1に示すシリンジのスライダおよびその近傍を示す斜視図、図5は、図1に示すシリンジの本体部の図1中のA−A線での断面図(横断面図)、図6は、図1に示すシリンジの本体部の図1中のB−B線での断面図(横断面図)、図7〜図10は、それぞれ、図1に示すシリンジの作用を説明するための斜視図である。
なお、説明の都合上、図1、図3、図4、図7〜図10中の右側を「先端」、左側を「基端(後端)」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図2、図5および図6中の右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
また、図1、図7〜図10では、理解が容易になるように、本体部を2点鎖線で示し、本体部の内部に設置されている各部材を実線で示す。また、図4では、スライダよりも基端側の本体部の図示を省略している。
これらの図に示すように、シリンジ1は、一体的に形成された外筒(第1のシリンジ外筒)3および外筒(第2のシリンジ外筒)4を有する本体部2と、外筒3内に摺動可能に挿入されたガスケット(第1のガスケット)5と、外筒4内に摺動可能に挿入されたガスケット(第2のガスケット)6と、ガスケット5を外筒3の長手方向(軸方向)に沿って移動操作する押し子(第1の押し子)(第1のプランジャロッド)7と、ガスケット6を外筒4の長手方向(軸方向)に沿って移動操作する押し子(第2の押し子)(第2のプランジャロッド)8とを備えている。ガスケット5は、押し子7の先端部に固着(固定)され、また、ガスケット6は、押し子8の先端部82に変位可能に連結されている。
本体部2の外筒3の部分は、有底筒状をなし、その先端側底部の中央部には、外筒3の胴部に対し縮径した縮径部(口部)31が一体的に突出形成されている。
同様に、本体部2の外筒4の部分は、有底筒状をなし、その先端側底部の中央部には、外筒4の胴部に対し縮径した縮径部(口部)41が一体的に突出形成されている。
外筒3と外筒4とは、それらの縮径部同士(縮径部31と縮径部41)が並設され、それらの軸同士が略平行となるように配置されている。なお、外筒3が下側に位置し、外筒4が上側に位置している。
また、外筒3と外筒4の内径(横断面における内部の面積)およびその長手方向の長さは、それぞれ等しく、外筒3の長手方向におけるガスケット5の位置と、外筒4の長手方向におけるガスケット6の位置とが一致しているときの後述する貯液空間32と貯液空間42の容積(体積)は、等しい。
また、外筒3および4の外周面には、それぞれ、液量を示す目盛り(図示せず)が付されている。
また、本体部2の基端外周には、側方に向って突出する1対の突出部21が一体的に形成されている。各突出部21は、それぞれ、本体部2の上下方向の中央部から下端まで形成されている。各突出部21は、それぞれ、シリンジ1を操作する際、指を掛ける指掛け部として機能する。なお、各突出部21に換えて、例えば、フランジ(全周にわたって形成された突出部)を形成してもよい。
本体部2の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、成形が容易であり、かつ水蒸気透過性が低い点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステルのような樹脂が好ましい。なお、本体部2、特に、外筒3および4の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
外筒3内には、弾性材料で構成されたガスケット5が収納されて(挿入されて)いる。ガスケット5の外周部には、複数のリング状の突部(図示せず)が全周にわたって形成されているのが好ましく、これらの突部が外筒3の内周面に密着しつつ摺動することで、液密性をより確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
ガスケット5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
押し子7は、長尺な板状(棒状)をなしており、その先端部には、ガスケット5の基端側が固着されている。押し子7の形状は、特に限定されず、例えば、丸棒状であってもよい。これらガスケット5と押し子7とは、例えば、接着、融着等により固着することができる。なお、ガスケット5と押し子7は、前記固着に限らず、例えば、螺合、凹凸嵌合等により連結された構成、一体成形された構成等であってもよい。
また、押し子7の押し子8側(上側)の側部には、その長手方向に沿ってラックギヤ(第1のラックギヤ)71が形成されている。
この押し子7は、外筒3の長手方向に沿って移動可能で、その他の方向には移動しないように、本体部2に設置されている。
押し子7の構成材料としては、特に限定されず、前述した本体部2の構成材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
外筒4内には、弾性材料で構成されたガスケット6が収納されて(挿入されて)いる。ガスケット6の外周部には、複数のリング状の突部(図示せず)が全周にわたって形成されているのが好ましく、これらの突部が外筒4の内周面に密着しつつ摺動することで、液密性をより確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
また、ガスケット6の先端の中央部には、ピン17が固着されている。
ガスケット6の構成材料としては、特に限定されず、前述したガスケット5の構成材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
押し子8は、長尺な板状(棒状)をなしており、その先端部82には、ガスケット6の基端側が変位可能に連結されている。すなわち、押し子8は、その先端部82を支点として回動可能に、ガスケット6の基端側に連結されている。押し子8の形状は、特に限定されず、例えば、丸棒状であってもよい。
また、押し子8の押し子7側(下側)の側部には、その長手方向に沿ってラックギヤ(第2のラックギヤ)81が形成されている。
この押し子8は、外筒4の長手方向に沿って移動可能で、かつ、先端部82を支点として上下方向に回動可能(移動可能)(変位可能)、すなわち、押し子7(後述するピニオンギヤ11)に対して接近・離反(離間)可能に、本体部2に設置されている。なお、押し子8は、厳密には、先端部82を支点として回動可能に設置されているが、以下の説明では、判り易くするため、「回動」とは言わず、「移動」と言う。
押し子8の構成材料としては、特に限定されず、前述した本体部2の構成材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
図1に示すシリンジ1の状態がシリンジ1の初期状態であり、この初期状態では、外筒3の長手方向におけるガスケット5の位置と、外筒4の長手方向におけるガスケット6の位置とが一致しており、また、ピン17は、縮径部41内に挿入されている。
なお、外筒3とガスケット5とで囲まれ、ガスケット5より先端側の空間が貯液空間32であり、本実施形態では、その貯液空間32に、動脈瘤内に注入する薬液(液体)が充填される。
また、外筒4とガスケット6とで囲まれ、ガスケット6より先端側の空間が貯液空間42であり、本実施形態では、その貯液空間42に、動脈瘤内の血液(液体)が吸引される。
また、シリンジ1は、ラックギヤ71とラックギヤ81とを連結させ得る伝達ギヤとして、本体部2の基端部に設置されたピニオンギヤ11を有している。
このピニオンギヤ11は、ラックギヤ71(押し子7)とラックギヤ81(押し子8)との間に配置され、ラックギヤ71と常に噛合している。一方、ラックギヤ81に対しては、押し子8の回動(ピニオンギヤ11に対して接近・離反)により、ラックギヤ81とピニオンギヤ11とが噛合した状態と、噛合していない状態とが切り替わるよう構成されている。すなわち、ピニオンギヤ11を介して、ラックギヤ71とラックギヤ81とが連結した状態と、連結していない状態とが切り替わるよう構成されている(ピニオンギヤ11を介して、ラックギヤ71とラックギヤ81とが連結し得るよう構成されている)。
シリンジ1の初期状態(図1に示す状態)では、ラックギヤ81は、ピニオンギヤ11から所定距離離間し、ピニオンギヤ11と噛合していない(ラックギヤ71とラックギヤ81とが連結していない)。この状態では、押し子7と押し子8とは連動せず、押し子7と押し子8とをそれぞれ独立して移動させることができる。
一方、ラックギヤ81とピニオンギヤ11とが噛合しているときは、押し子7と押し子8とのうちの一方を移動させたとき、他方が前記一方の押し子と反対方向に、同一の速度(移動速度)で移動するように連動する。
すなわち、押し子7を先端方向に移動させると、その押し子7と共にガスケット5が先端方向に移動し、その駆動力がラックギヤ71と、ピニオンギヤ11と、ラックギヤ81とにより、押し子8に伝達され、押し子8は、基端方向に移動し、その押し子8と共にガスケット6が基端方向に移動する。押し子7を基端方向に移動させた場合も同様に、押し子8は、先端方向に移動する。
同様に、押し子8を先端方向に移動させると、その押し子8と共にガスケット6が先端方向に移動し、その駆動力がラックギヤ81と、ピニオンギヤ11と、ラックギヤ71とにより、押し子7に伝達され、押し子7は、基端方向に移動し、その押し子7と共にガスケット5が基端方向に移動する。押し子8を基端方向に移動させた場合も同様に、押し子7は、先端方向に移動する。
なお、前記ラックギヤ71、81およびピニオンギヤ11により、駆動力伝達機構の主要部が構成される。
また、前記押し子7と押し子8とが連動する状態を「第1の状態」と言い、前記押し子7と押し子8とが連動しない状態を「第2の状態」と言う。
前記第2の状態では、押し子7と押し子8とをそれぞれ独立して移動させることができ、これにより、外筒3内でのガスケット5の位置と、外筒4内でのガスケット6の位置とをそれぞれ独立して調整することができる。
また、シリンジ1は、スライダ12、1対のシャフト13、バネ(付勢手段)14、ガイドシャフト15およびプレート(板状体)16を有している(図4参照)。
スライダ12は、平板状(板状)をなし、押し子8(押し子7)の長手方向に対して略垂直な方向に沿って移動可能に、本体部2の基端部に設置されている。また、スライダ12は、押し子8(押し子7)の長手方向に対して略垂直となるような姿勢で設置されている。
また、スライダ12は、その中央部に開口(貫通孔)121を有しており(図2参照)、その開口121を押し子8が挿通し、これにより押し子8が支持(保持)されている。これによって、押し子8の上下方向の位置が規制される。
また、スライダ12は、1対のシャフト13に当接する1対の当接部122を有している(図2参照)。各当接部122は、それぞれ、スライダ12の下部(下端部)の側方端部に形成されており、シャフト13の下面に当接している。各当接部122のシャフト13に当接する当接面は、それぞれ、平面をなしている。
これらの当接部122が、それぞれ、対応するシャフト13の下面に当接することにより、スライダ12の上方への移動が阻止される。
また、スライダ12の下部の中央部には、切り欠き部123が形成されている(図2参照)。この切り欠き部123は、図示の構成では三角形をなしており、スライダ12が移動する際の後述する本体部2の突起22の逃げ部として機能する。
また、スライダ12の下部には、溝124が形成されている。この溝124は、図2中左右方向に沿って延在している。
各シャフト13は、それぞれ、押し子8(押し子7)の長手方向と略平行な方向に沿って移動可能に、本体部2の側部に設置されている。各シャフト13の構成は、同様であるので、以下、代表的に、一方のシャフト13について説明する。
図3に示すように、シャフト13の先端部は、本体部2の先端部よりも先端側に突出し、また、シャフト13の基端部は、本体部2の基端部よりも基端側に突出している。
また、シャフト13の基端部の下部には、凹部131が形成されている。この凹部131は、基端側に、シャフト13の軸に対して略垂直な垂直面132を有し、先端側に、所定角度傾斜した傾斜面133を有している。
シリンジ1の初期状態では、シャフト13は、その凹部131がスライダ12の位置に位置するように配置され、凹部131に、スライダ12の当接部122が挿入されている。この状態では、シャフト13は、基端方向にのみ移動し得る。すなわち、凹部131の垂直面132がスライダ12の当接部122に当接することにより、シャフト13の先端方向への移動が阻止(防止)される。
図4に示すように、バネ14は、弾性を有する線状体を1回または複数回(図示の構成では1回)巻回してなる捻りバネであり、1対の直線部141と、その間に配置された巻回部142とで構成されている。このバネ14は、本体部2の基端部に設置されている。すなわち、本体部2の基端部の内部におけるスライダ12の切り欠き部123の下側には、突起22が形成されており、バネ14の巻回部142にその突起22が挿入され、これによりバネ14が支持(保持)されている。そして、バネ14は、その各直線部141がスライダ12の下部に当接し、スライダ12を上方に付勢している。これによって、スライダ12の下方への移動が阻止される。なお、バネ14の各直線部141は、スライダ12の溝124内に挿入されており、これにより、バネ14がスライダ12からずれてしまうことを防止することができる。
一方、前述したように、各シャフト13の下面に、それぞれ、スライダ12の対応する当接部122が当接することにより、スライダ12の上方への移動が阻止される。これにより、スライダの上下方向の位置が規制される。
シリンジ1の初期状態では、前述したように、各シャフト13の凹部131に、スライダ12の当接部122が挿入されており、これにより、ラックギヤ81は、ピニオンギヤ11よりも上側に位置し(ピニオンギヤ11から離間し)、ピニオンギヤ11と噛合していない。すなわち、シリンジ1は、第2の状態になっている。
ガイドシャフト15は、押し子8(押し子7)の長手方向と略平行な方向に沿って移動可能に、本体部2の先端部の上部(上端部)に設置されている。ガイドシャフト15の先端部は、本体部2の先端部よりも先端側に突出している。
プレート16は、各シャフト13およびガイドシャフト15の先端部に固着され、、外筒4の先端側に配置されている。
このプレート16は、図示の構成では、三角形をなしており、その各頂点付近に、それぞれ、各シャフト13およびガイドシャフト15の先端部が固着されている。
また、プレート16の中央部、すなわち、外筒4の縮径部41に対応する位置には、その縮径部41が挿通し得る開口(貫通孔)161が形成されている。
シリンジ1の初期状態では、外筒4の縮径部41の先端部の位置と、プレート16の開口161の位置とが略一致している。
また、シリンジ1は、押し子7および8に共通の操作部9を有している。操作部9は、押し子7の基端部に固着されており、押し子8が通過し得る通過部として、開口(貫通孔)91を有している。なお、通過部は、開口に限らず、例えば、切り欠き部(溝)等であってもよい。
シリンジ1が第1の状態のときは、押し子8の基端部は、操作部9の開口91に対応する位置、すなわち、開口91を挿通し得る位置に位置している(図9参照)。
また、シリンジ1が第2の状態のときは、押し子8の基端部は、操作部9の開口91よりも上方にずれた位置、すなわち、その押し子8の基端部が操作部9に当接し得る位置に位置している(図1参照)。特に、シリンジ1の初期状態では、押し子8の基端部は、操作部9に当接している。
ここで、シリンジ1が第2の状態のとき、プレート16を基端方向に移動させると、各シャフト13が基端方向に移動し(プレート16により各シャフト13を基端方向に移動操作すると)、これにより、スライダ12は、凹部131の傾斜面133に沿って下方に移動し、これによって、押し子8は、下方に移動し(ピニオンギヤ11に接近し)、ラックギヤ81がピニオンギヤ11に噛合し、第1の状態となる。また、外筒4の縮径部41の先端部が、プレート16の開口161から先端側に突出する。
また、シリンジ1が第1の状態のとき、プレート16を先端方向に移動させると、各シャフト13が先端方向に移動し(プレート16により各シャフト13を先端方向に移動操作すると)、これにより、スライダ12は、凹部131の傾斜面133に沿って上方に移動し、これによって、押し子8は、上方に移動し(ピニオンギヤ11から離反し)、ラックギヤ81がピニオンギヤ11から離反し(ラックギヤ81とピニオンギヤ11とが噛合しなくなり)、第2の状態となる。また、外筒4の縮径部41の先端部の位置と、プレート16の開口161の位置とが略一致する。
従って、スライダ12、1対のシャフト13、バネ14、ガイドシャフト15およびプレート16により、ラックギヤ71および81のそれぞれとピニオンギヤ(伝達ギヤ)11とが噛合した状態(第1の状態)と、ラックギヤ71と第2のラックギヤ81とのうちの少なくとも一方とピニオンギヤ(伝達ギヤ)11とが噛合しない状態(第1の状態)とを切り替える切替機構(クラッチ機構)(継断機構)の主要部が構成される。
次に、シリンジ1の使用方法(作用)について説明する。ここでは、予め、図示しない2つのカテーテルのカテーテル本体が生体内に挿入され、各カテーテルのカテーテル本体の先端部が動脈瘤内(生体内の所定部位)に留置されていることとする。
[1] 図1に示すシリンジ1の初期状態(第2の状態)で、まず、図7に示すように、操作部9を先端方向に押圧する(押し込む)。これにより、押し子7が先端方向に移動する。また、押し子8の基端部は、操作部9に当接しているので、押し子8も先端方向に移動する。
これら押し子7および8と共に、ガスケット5および6が先端方向に移動し、これにより、貯液空間32および42の空気が、それぞれ、縮径部31および41から外部に排出される。すなわち、ガスケット5および6が、それぞれ、貯液空間32および42の先端まで移動し、貯液空間32および42の空気がすべて外部に排出される。
特に、貯液空間42については、外筒4の縮径部41の内面形状にフィットした(対応した)形状であるピン17により、その貯液空間42内の空気は、ほぼ完全に排出される。
これにより、注入側に対する吸引側の応答性が向上し、注入側の流量(注入速度)と吸引側の流量(吸引速度)とを常に等しくすることができる。
また、前記貯液空間32および42の空気を排出する操作を、操作部9を先端方向に押圧するだけの1操作で行うことができるので、その作業を容易かつ迅速に行うことができる。
[2] 次に、外筒3の縮径部31に、図示しない中空の穿刺針(針)を接続し、薬液が充填されているアンプルの栓体に、その穿刺針を穿通させ(穿刺し)、図8に示すように、操作部9を基端方向に引く。これにより、押し子7が基端方向に移動し、これと共に、ガスケット5が基端方向に移動し、貯液空間32に薬液が充填される。この際、シリンジ1は、第2の状態であるので、押し子8は、移動しない。このようにして、薬液が貯液空間32に必要量充填される。
[3] 次に、外筒3の縮径部31から穿刺針を取り外し、その縮径部31に、図示しない一方のカテーテルのコネクタを接続する。
また、図9に示すように、外筒4の縮径部41に、図示しない他方のカテーテルのコネクタを接続する。この際、そのコネクタにより、プレート16が、基端方向に押圧され、基端方向に移動する。これにより、各シャフト13が基端方向に移動し、これによって、スライダ12は、凹部131の傾斜面133に沿って下方に移動し、これにより、押し子8は、下方に移動し、ラックギヤ81がピニオンギヤ11に噛合し、シリンジ1は、第1の状態となる。また、外筒4の縮径部41の先端部は、プレート16の開口161から先端側に突出する。
このように、前記外筒4の縮径部41に他方のカテーテルのコネクタを接続する操作が、シリンジ1を第2の状態から第1の状態にする操作を兼ねるので、操作が容易であり、動脈瘤内に薬液を注入する準備を容易かつ迅速に行うことができる。
[4] 次に、図10に示すように、操作部9を先端方向に押圧する。これにより、押し子7が先端方向に移動し、その押し子7と共にガスケット5が先端方向に移動し、その駆動力がラックギヤ71と、ピニオンギヤ11と、ラックギヤ81とにより、押し子8に伝達され、押し子8は、基端方向に移動し、その押し子8と共にガスケット6が、ガスケット5と同一の速度で、基端方向に移動する。
これにより、貯液空間32に充填されている薬液が、外筒3から流出し、一方のカテーテルを通過し、そのカテーテルの先端部から吐出され、動脈瘤内に注入される。
これと同時に、動脈瘤内の血液等が、他方のカテーテルの先端部からそのカテーテル内に流入し、カテーテルを通過し、外筒4の貯液空間42に吸引され、充填される。
このようにして、動脈瘤内への薬液の注入と、動脈瘤内からの血液の吸引とが、同時に行われ、また、注入される薬液の流量と、吸引される血液の流量とを常に等しくすることができ、すなわち、薬液の注入速度と、血液の吸引速度とを常に等しくすることができ、これにより、動脈瘤内の圧力を一定に保つことができる。
これによって、容易、迅速、かつ安全に、動脈瘤内に薬液を注入することができる。
以上説明したように、このシリンジ1によれば、シリンジ1を通常のシリンジと同様の感覚で使用することができ、また、動脈瘤内への薬液の注入と、動脈瘤内からの血液の吸引とを同時に、容易かつ迅速に行うことができる。
また、注入速度と、吸引速度とを常に等しくすることができ、これにより、動脈瘤内の圧力を一定に保つことができ、安全性が高い。
なお、本発明では、外筒3の内径や外筒4の内径を変更することで、吸引側の流量(吸引速度)と、注入側の流量(注入速度)の比率を変更することができる。
また、本実施形態では、押し子8がピニオンギヤ(伝達ギヤ)11に対して接近・離反可能であり、切替機構は、押し子8をピニオンギヤ11に対して接近・離反させるものであるが、本発明では、これに限らず、例えば、押し子7がピニオンギヤ11に対して接近・離反可能であり、切替機構は、押し子7をピニオンギヤ11に対して接近・離反させるものであってもよく、また、押し子7および8がそれぞれピニオンギヤ11に対して接近・離反可能であり、切替機構は、押し子7および8をそれぞれピニオンギヤ11に対して接近・離反させるものであってもよい。
すなわち、本発明では、切替機構は、ラックギヤ71および81のそれぞれとピニオンギヤ(伝達ギヤ)11とが噛合した状態(第1の状態)と、ラックギヤ81とピニオンギヤ(伝達ギヤ)11とが噛合しない状態(第1の状態)とを切り替えるものに限らず、例えば、ラックギヤ71および81のそれぞれとピニオンギヤ11とが噛合した状態と、ラックギヤ71とピニオンギヤ11とが噛合しない状態とを切り替えるものでもよく、また、ラックギヤ71および81のそれぞれとピニオンギヤ11とが噛合した状態と、ラックギヤ71および第2のラックギヤ81のそれぞれとピニオンギヤ11とが噛合しない状態とを切り替えるものでもよい。
例えば、切替機構が、ラックギヤ71および81のそれぞれとピニオンギヤ11とが噛合した状態と、ラックギヤ71とピニオンギヤ11とが噛合しない状態とを切り替えるよう構成する場合は、前記押し子7側と前記押し子8側の所定部の構成を逆にすればよい。
具体的には、押し子7が、スライダ12により支持され、先端部を支点として上下方向に回動(移動)し得るよう構成し(ピニオンギヤ11に対して接近・離反し得るよう構成し)、各シャフト13を移動させることにより、押し子7が、ピニオンギヤ11に対して接近・離反するよう構成する。すなわち、ラックギヤ81とピニオンギヤ11とが常に噛合し、押し子7の回動(移動)により、ラックギヤ71とピニオンギヤ11とが噛合した状態(第1の状態)と、噛合しない状態(第2の状態)とが切り替わるよう構成する。
<第2実施形態>
図11は、本発明のシリンジの第2実施形態におけるスライダを示す背面図、図12は、本発明のシリンジの第2実施形態におけるシャフトを示す側面図である。
なお、説明の都合上、図11中の右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図12中の右側を「先端」、左側を「基端(後端)」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、本発明のシリンジの第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態は、スライダ12および1対のシャフト13の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
すなわち、第2実施形態のシリンジ1では、バネ14が省略され、各シャフト13がスライダ12の上下方向の位置を規制するよう構成されている。各シャフト13の構成は、同様であるので、以下、代表的に、一方のシャフト13について説明する。
図12に示すように、シャフト13の基端側の凹部131に対応する位置の上部(凹部131の反対側)には、凸部134が形成されている。この凸部134は、凹部131に対応する形状をなしており、これにより、シャフト13は、その外径がシャフト13の長手方向に沿って一定となるよう構成されている。
一方、図11に示すように、スライダ12は、1対のシャフト13が挿通する1対の開口(貫通孔)125を有している。各開口125は、それぞれ、スライダ12の下部(下端部)の側方端部に形成されている。また、各開口125は、それぞれ、シャフト13の横断面の形状に対応した形状をなしており、各シャフト13がそれぞれ開口125を挿通することにより、スライダ12の上下方向の位置が規制される。
このシリンジ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このシリンジ1では、第1実施形態に比べ、部品点数を削減することができ、構造を簡素化することができる。
<第3実施形態>
図13は、本発明のシリンジの第3実施形態における伝達ギヤおよびその近傍を示す側面図である。
なお、説明の都合上、図13中の右側を「先端」、左側を「基端(後端)」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、本発明のシリンジの第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態は、伝達ギヤの構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
すなわち、図13に示すように、第3実施形態のシリンジ1では、伝達ギヤ18が、互いに異なるギヤ比(歯数)を有し、同心的に配置された2つのピニオンギヤ181および182で構成されている。図示の構成では、ピニオンギヤ181の歯数は、ピニオンギヤ182の歯数よりも少なく設定されており、これらのピニオンギヤ181および182は、一体的に形成されている。
この伝達ギヤ18のピニオンギヤ181は、ラックギヤ71と常に噛合している。一方、ラックギヤ81に対しては、押し子8の回動(ピニオンギヤ11に対して接近・離反)により、ラックギヤ81とピニオンギヤ182とが噛合した状態と、噛合していない状態とが切り替わるよう構成されている。すなわち、伝達ギヤ18を介して、ラックギヤ71とラックギヤ81とが連結した状態と、連結していない状態とが切り替わるよう構成されている(伝達ギヤ18を介して、ラックギヤ71とラックギヤ81とが連結し得るよう構成されている)。
これにより、吸引側の流量(吸引速度)を注入側の流量(注入速度)よりも多くすることができる。
なお、前記と逆に、伝達ギヤ18のピニオンギヤ181が、ラックギヤ81と常に噛合し、ラックギヤ71とピニオンギヤ182とが噛合した状態と、噛合していない状態とが切り替わるよう構成しえてもよい。この場合は、前記とは逆に、注入側の流量(注入速度)を吸引側の流量(吸引速度)よりも多くすることができる。
このシリンジ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このシリンジ1では、ピニオンギヤ181とピニオンギヤ182のギヤ比を変更することで、外筒3の内径や外筒4の内径を変更することなく、吸引側の流量(吸引速度)と、注入側の流量(注入速度)の比率を自在に変更することができる。
なお、本発明では、伝達ギヤは、3以上のピニオンギヤで構成されていてもよい。
また、第3実施形態は、前述した第1実施形態および第2実施形態に適用することができる。
以上、本発明のシリンジを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明のシリンジの用途は、特に限定されず、動脈瘤内に薬液を注入しつつ、動脈瘤内から血液を吸引する場合に限らず、この他、例えば、眼球、各関節、各臓器等の生体内に、液体(例えば、薬液、生理食塩水等の洗浄液等)を注入しつつ、液体を吸引する場合等にも用いることができる。すなわち、本発明のシリンジは、生体内の所定部位に対し、薬液の注入、交換(置換)を行ったり、また、洗浄を行う場合等に用いることができる。
本発明のシリンジの第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示すシリンジのスライダを示す背面図である。 図1に示すシリンジのシャフトを示す側面図である。 図1に示すシリンジのスライダおよびその近傍を示す斜視図である。 図1に示すシリンジの本体部の図1中のA−A線での断面図(横断面図)である。 図1に示すシリンジの本体部の図1中のB−B線での断面図(横断面図)である。 図1に示すシリンジの作用を説明するための斜視図である。 図1に示すシリンジの作用を説明するための斜視図である。 図1に示すシリンジの作用を説明するための斜視図である。 図1に示すシリンジの作用を説明するための斜視図である。 本発明のシリンジの第2実施形態におけるスライダを示す背面図である。 本発明のシリンジの第2実施形態におけるシャフトを示す側面図である。 本発明のシリンジの第3実施形態における伝達ギヤおよびその近傍を示す側面図である。
符号の説明
1 シリンジ
2 本体部
21 突出部
22 突起
3 外筒
31 縮径部
32 貯液空間
4 外筒
41 縮径部
42 貯液空間
5 ガスケット
6 ガスケット
7 押し子
71 ラックギヤ
8 押し子
81 ラックギヤ
82 先端部
9 操作部
91 開口
11 ピニオンギヤ
12 スライダ
121 開口
122 当接部
123 切り欠き部
124 溝
125 開口
13 シャフト
131 凹部
132 垂直面
133 傾斜面
134 凸部
14 バネ
141 直線部
142 巻回部
15 ガイドシャフト
16 プレート
161 開口
17 ピン
18 伝達ギヤ
181、182 ピニオンギヤ

Claims (10)

  1. 先端部に突出形成された口部を有する第1のシリンジ外筒と、先端部に突出形成された口部を有する第2のシリンジ外筒とを備え、それらの口部同士が並設された本体部と、
    前記第1のシリンジ外筒内に摺動可能に挿入された第1のガスケットと、
    前記第2のシリンジ外筒内に摺動可能に挿入された第2のガスケットと、
    前記第1のガスケットを前記第1のシリンジ外筒の長手方向に沿って移動操作する第1の押し子と、
    前記第2のガスケットを前記第2のシリンジ外筒の長手方向に沿って移動操作する第2の押し子とを備えるシリンジであって、
    前記第1の押し子と前記第2の押し子とのうちの一方を移動させたとき、他方が前記一方の押し子と反対方向に移動するように連動させ得る駆動力伝達機構と、
    前記第1の押し子と前記第2の押し子とが連動する第1の状態と、連動しない第2の状態とを切り替える切替機構とを備え
    前記駆動力伝達機構は、前記第1の押し子の長手方向に沿って形成された第1のラックギヤと、前記第2の押し子の長手方向に沿って形成された第2のラックギヤと、少なくとも1つのピニオンギヤを有する伝達ギヤとを備え、前記伝達ギヤを介して、前記第1のラックギヤと前記第2のラックギヤとが連結し得るよう構成され、
    前記切替機構は、前記第1のラックギヤおよび前記第2のラックギヤのそれぞれと前記伝達ギヤとが噛合した状態と、前記第1のラックギヤと前記第2のラックギヤとのうちの少なくとも一方と前記伝達ギヤとが噛合しない状態とを切り替えるものであることを特徴とするシリンジ。
  2. 前記第1の押し子と前記第2の押し子とのうちの一方は、前記伝達ギヤに対して接近・離反可能であり、
    前記切替機構は、前記第1の押し子と前記第2の押し子とのうちの一方を、前記伝達ギヤに対して接近・離反させるものである請求項1に記載のシリンジ。
  3. 前記伝達ギヤは、前記第1の押し子と前記第2の押し子の間に配置され、前記第1の押し子は、前記伝達ギヤに対して接近・離反可能であり、
    前記切替機構は、前記第1の押し子の長手方向に対して略垂直な方向に沿って移動可能に設置され、前記第1の押し子を支持するスライダと、
    前記第1の押し子の長手方向と略平行な方向に沿って移動可能に設置され、前記スライダに当接し、前記スライダを移動させるシャフトとを有し、
    前記シャフトを移動させることにより、前記第1の押し子が前記伝達ギヤに対して接近・離反するよう構成されている請求項1に記載のシリンジ。
  4. 前記伝達ギヤは、前記第1の押し子と前記第2の押し子の間に配置され、前記第2の押し子は、前記伝達ギヤに対して接近・離反可能であり、
    前記切替機構は、前記第2の押し子の長手方向に対して略垂直な方向に沿って移動可能に設置され、前記第2の押し子を支持するスライダと、
    前記第2の押し子の長手方向と略平行な方向に沿って移動可能に設置され、前記スライダに当接し、前記スライダを移動させるシャフトとを有し、
    前記シャフトを移動させることにより、前記第2の押し子が前記伝達ギヤに対して接近・離反するよう構成されている請求項1に記載のシリンジ。
  5. 前記切替機構は、前記シャフトの先端部に設置され、前記第2のシリンジ外筒の前記口部が挿通し得る開口を有する板状体を備える請求項3または4に記載のシリンジ。
  6. 前記第2の状態では、前記第2のシリンジ外筒の前記口部の先端部の位置と、前記板状体の前記開口の位置とが略一致しており、
    前記板状体により前記シャフトを基端方向に移動操作することにより、前記開口から先端側に、前記第2のシリンジ外筒の前記口部の先端部が突出すると共に、前記第2の押し子が前記伝達ギヤに対して接近して前記第1の状態となるよう構成されている請求項5に記載のシリンジ。
  7. 前記第1の押し子の基端部に固着され、前記第2の押し子が通過し得る通過部を有する、前記第1の押し子および前記第2の押し子に共通の操作部を備え、
    前記第1の状態では、前記第2の押し子は、前記操作部の前記通過部を挿通し得る位置に位置し、
    前記第2の状態では、前記第2の押し子は、前記第2の押し子の基端部が前記操作部に当接し得る位置に位置する請求項1ないし6のいずれかに記載のシリンジ。
  8. 前記切替機構により前記第2の状態とすることで、前記第1のシリンジ外筒内での前記第1のガスケットの位置と、前記第2のシリンジ外筒内での前記第2のガスケットの位置とをそれぞれ独立して調整し得るよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載のシリンジ。
  9. 当該シリンジは、前記第1のシリンジ外筒内に液体を充填し、この状態で、前記切替機構により前記第1の状態とし、前記第1の押し子により前記第1のガスケットを先端方向に移動操作して使用するものである請求項1ないし8のいずれかに記載のシリンジ。
  10. 前記第2のガスケットの先端の中央部にピンが設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載のシリンジ。
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