JP5311392B2 - 生体内結石検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体を超音波ビームで走査して得られる超音波断層像に基づいて、生体内に存在する腎結石等の結石の位置を検出する装置に関する。
超音波は医療分野にて診断や治療に用いられている。例えば、超音波診断装置は、超音波ビームで生体内を走査し、生体内の音響インピーダンスの差に応じて生成される断層画像を診断の用に供する。また、超音波のエネルギーを患部等に集中させて破壊・壊死させる治療装置も存在する。例えば、近年では、高密度焦点式超音波(High intensity focused ultrasound:HIFU)法を用いた癌治療が行われており、この治療では、患部に集中させた超音波により患部だけを高温度に加熱することができ、癌組織を熱凝固、壊死させる。
また、HIFU法を用いた腎臓結石の非侵襲な破砕の研究も行われている。HIFU法で破砕された結石は現存の体外衝撃波結石破砕術(ESWL)よりも細かくなり、破砕片を無痛で尿道から排出させることが可能となる。
ESWL等においては、衝撃波を結石に集束させるためなどのため、体内における結石の位置を検出することが必要である。この結石の位置検出はX線を用いて行われている。また、X線とは異なり放射線被曝がないという利点から、超音波断層画像を用いた結石位置の検出も提案されている。
特開2005−000633号公報 特開平06−189973号公報
ESWLやHIFUによって体外から結石を破砕する治療においてはその安全性及び精度を確保するために結石の位置をリアルタイムで精度良く自動検出できることが重要な課題となる。特に、HIFUは超音波の集束度合いが高いので、治療を効果的に行う観点から、高い位置検出精度が要求される。また、HIFUは焦点領域に高いエネルギーを集中させるため、他の組織への誤照射を避ける必要があり、この点でも高い位置検出精度が求められる。
超音波断層像を用いて、結石の位置を検出する際には、結石以外の領域に生じるスペックルパターンなどのノイズの中から結石に起因する領域を抽出する必要があり、ノイズの影響の除去が精度・信頼性の向上のための課題となる。
特にHIFUによる治療中は集束超音波がその焦点に位置する結石の周りにマイクロ・バブルを発生させ、これは超音波画像上にて高輝度のノイズ領域を形成する。この高輝度のノイズ領域は、結石に起因する高輝度領域と一体的に超音波断層像から抽出され得る結果、超音波断層像上での結石の追跡を困難にする要因になる。
また、結石が存在する腹部は呼吸等によって運動しており、それに伴い結石も運動し得る。よって、この運動に対する補償も検出位置の精度向上に関する課題となる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、超音波断層像を用いて、生体内における結石を好適なリアルタイム性及び位置精度で自動検出することができる生体内結石検出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る生体内結石検出装置は、送出した超音波に対する反射波の強度に応じた画素データを有する生体内の超音波断層像に基づいて、前記生体内の結石を検出するものであって、前記画素データの原データ分布からレイリー分布に従う成分を減じて、前記原データ分布のピーク位置での強度を抑圧し、これにより残る残差データ分布を求める残差分布抽出手段と、前記ピーク位置よりも前記反射波の強度が大きなデータ範囲であって、前記原データ分布の強度に対する前記残差データ分布の強度が所定の割合以上となる抽出対象データ範囲を求め、当該抽出対象データ範囲に属する画素からなる高反射領域を前記結石の候補領域として抽出する候補領域抽出手段と、を有する。この生体内結石検出装置における前記候補領域抽出手段は、前記残差データ分布と前記原データ分布から減じた前記レイリー分布とが等しい強度となる前記画素データを閾値とし、当該閾値以上を前記抽出対象データ範囲とする構成とすることができる。また、上記生体内結石検出装置における前記残差分布抽出手段は、前記原データ分布と前記レイリー分布とがそれぞれのピーク点と前記ピーク位置を超えるデータ範囲に存在する変曲点とで互いに一致するように前記レイリー分布を定める構成とすることができる。
別の本発明に係る生体内結石検出装置は、さらに、前記超音波の送受波位置から見た前記高反射領域の背後領域からの前記反射波の強度を、その隣接領域からの前記反射波の強度と比較する背後領域反射強度判定手段を有し、前記候補領域抽出手段が、前記隣接領域よりも前記反射波の強度が小さい前記背後領域を伴う前記高反射領域を前記結石の候補領域として抽出するものである。この生体内結石検出装置において、前記背後領域反射強度判定手段は、前記高反射領域を通過する超音波ビームの走査線における前記背後領域に属する注目区間での前記画素データの平均値である背後データ強度と、前記高反射領域の両脇を通過する2本の走査線についての前記注目区間に対応する区間での前記画素データの平均値である隣接データ強度との比を求め、前記候補領域抽出手段は、前記隣接データ強度に対する前記背後データ強度の比が所定の閾値未満となる前記高反射領域を前記候補領域として抽出する構成とすることができる。
さらに別の本発明に係る生体内結石検出装置は、検出対象とする前記結石であって予め輪郭が特定されている特定結石について当該輪郭を表すテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段を有し、前記候補領域抽出手段は、前記テンプレートと前記高反射領域の輪郭とが適合する前記テンプレートの配置を探索し、当該配置の前記テンプレートに対応する前記高反射領域を前記特定結石の候補領域として抽出するテンプレート照合手段を有し、前記テンプレート記憶手段は、前記テンプレートを表す情報として、前記特定結石の輪郭に沿って所定の順序で配置される複数の代表点それぞれについて、当該代表点での前記結石の輪郭の形状に関する形状特徴情報と、前記結石の輪郭に対して所定の位置に設定される基準点と当該代表点との相対的な位置関係を表す特徴ベクトル情報とを記憶し、前記テンプレート照合手段は、前記各代表点毎に、前記高反射領域の輪郭上にて前記形状特徴情報に適合する適合点を探索し、当該適合点が当該代表点であるとした場合に前記基準点に対応する点となる仮想基準点を前記特徴ベクトル情報に基づいて求め、前記複数の代表点に対応して複数得られる前記仮想基準点の分布から前記超音波断層像における前記基準点の位置を推定し、当該推定された基準点に基づいて前記超音波断層像での前記テンプレートの配置を決定するものである。
本発明の好適な態様は、前記複数の代表点が、前記結石の輪郭形状に応じた凸多角形の頂点である凸頂点を含み、前記形状特徴情報が、前記各凸頂点に接続される前記凸多角形の辺の向きを含む生体内結石検出装置である。この態様において、前記凸頂点は、前記結石の輪郭上に設定される探査の始点、及び当該始点から前記結石の輪郭を所定の凸頂点探査手順で所定の回転方向に一周順次探査して得られる複数の点であり、前記凸頂点探査手順は、前記回転方向を示すベクトルをhとし、先行して得られた前記凸頂点を基準凸頂点とし、当該基準凸頂点から次の前記凸頂点の候補点へ向かうベクトルhC1と前記基準凸頂点から次の探査点へ向かうベクトルhS1との外積(hC1×hS1)を前記ベクトルhのk倍(ここでkは実数である)と置いたときに、前記kがε>0なる所定の閾値ε以下である場合には、前記候補点を前記探査点で置き換えて探査を継続し、前記kが閾値εより大きい場合には、現在の前記候補点を前記基準凸頂点の次の前記凸頂点と定めるものとすることができる。
本発明の他の好適な態様は、前記複数の代表点がさらに、前記凸頂点で前記結石の輪郭を区切って得られる各輪郭区間における凹頂点を含み、前記形状特徴情報が、前記各輪郭区間における前記凸頂点及び前記凹頂点を順次接続する辺の向きを含む生体内結石検出装置である。この態様において、前記凹頂点は、前記結石の輪郭を周回する所定の回転方向を探査順序の方向として、前記輪郭区間をその一方端から所定の凹頂点探査手順で順次探査して得られる点であり、前記凹頂点探査手順は、当該探査の始点となる前記凸頂点又は先行して得られた前記凹頂点を基準頂点とし、当該基準頂点から次の前記凹頂点の候補点へ向かうベクトルhC2と前記基準頂点から次の探査点へ向かうベクトルhS2との外積(hC2×hS2)を前記ベクトルhのk倍(ここでkは実数である)と置いたときに、前記kがε<0なる所定の閾値ε以上である場合には、前記候補点を前記探査点で置き換えて探査を継続し、前記kが閾値ε未満である場合には、現在の前記候補点を前記凹頂点と定めるものとすることができる。
他の本発明に係る生体内結石検出装置は、さらに、前記テンプレートの配置に基づいて把握される、過去の時系列での前記結石の位置からなる結石軌跡情報を記憶する結石軌跡記憶手段と、前記結石の位置に関する前記生体の呼吸に応じた周期的な時間変化を表す運動モデルを記憶する運動モデル記憶手段と、現時刻における前記結石軌跡情報を前記運動モデルと照合し、前記運動モデルの周期における現時刻の位相を検出し、所定時間後の前記結石の予測位置を求める結石位置予測手段と、を有するものである。
本発明によれば、原データ分布に占める残差データ分布の割合が所定値以上となるデータ範囲の画素を抽出することで、生体内の軟組織が生じやすいスペックルノイズに対応する画素を好適に除去し、結石が存在し得る高反射領域を好適に抽出することができる。
また、結石は超音波を透過しにくく、その背後領域にいわば影となる反射波強度が低い領域を生じ得る。本発明によれば、当該影の有無の判断に基づいて、高反射領域のうち結石に対応する部分をより好適に抽出することができる。
本発明によれば、輪郭が特定されている特定結石について、高反射領域のうち当該特定結石の輪郭に適合する部分を抽出することによって、例えば、結石の周囲の一部にマイクロ・バブルが生じている場合などのように、結石による高反射領域の近傍に高反射のノイズ領域が付随している場合でも、結石の位置を精度良く検出することができる。
本発明によれば、呼吸に応じて運動する結石の位置を好適に検出することができる。
本発明の実施形態である超音波診断・治療システムの概略のブロック図である。 原データ分布、及びこれに対する一般化レイリー曲線を示す模式図である。 原データ分布、一般化レイリー曲線及び残差データ分布を示す模式図である。 高反射領域を近似する楕円形のモデルを示す模式図である。 楕円モデルのパラメータを説明する模式図である。 ターゲットの輪郭に配置された代表点の一つ、基準点、及び特徴ベクトルを示す模式図である。 輪郭、及び近似的な凸包モデルを示す模式図である。 凸頂点探査手順を説明するための模式図である。 図7に示した輪郭及び凸包モデルに対して得られた簡易輪郭モデルの例を示す模式図である。 凹頂点を有する輪郭区間pk+1の模式図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1は実施形態である超音波診断・治療システム2の概略のブロック図である。本システムは、超音波断層像に基づいて患者の腎臓結石を検出し、検出した結石をHIFU法により破砕する。本システム2は、エンドエフェクタ4、移動機構6、本体8を有する。エンドエフェクタ4はプローブ10と圧電トランスデューサ12とを備え、本システム2による診断・治療時に患者に当接される。移動機構6は、本体8からの制御に応じて、エンドエフェクタ4の位置・姿勢を変える。
プローブ10は、超音波パルスの送出及びエコーの受波を行う超音波探触子である。このプローブ10は振動子アレイを有している。振動子アレイは患者の体内へ超音波ビームを送出する。超音波ビームは電子的にアレイ方向に走査される。超音波ビームの送出はパルス状に行われ、振動子アレイは超音波ビームの送出後、体内からのエコーを受波する。体内での結石の三次元的な移動に対応できるように、2つの振動子アレイが互いの走査面を基本的に直交させてエンドエフェクタ4に配置される。2つの振動子アレイは、交互に送受波を行う。
圧電トランスデューサ12は、HIFU治療のための集束超音波を発生する。プローブ10及び圧電トランスデューサ12は、プローブ10の2つの振動子アレイの走査面の交線上に集束超音波の焦点位置が存在するように、互いの位置関係が設定されている。
プローブ10及び圧電トランスデューサ12は、本体8からの駆動信号に応じて超音波を送出する。またプローブ10の受信信号は本体8へ送られる。
本体8は、送受波回路20、DSC(Digital Scan Converter)22、パルス発生回路24、演算処理装置26、記憶装置28を含んで構成されている。演算処理装置26は記憶装置28に格納されたプログラム等に基づいて動作し、例えば、結石検出部30や制御部32として機能する。
送受波回路20は、制御部32による制御に従って、プローブ10から体内への超音波の送信、及びプローブ10が受信したエコー信号の処理を行う。送信時には、送受波回路20は、振動子アレイの各チャネルごとに、対応するチャネルの振動子を励振駆動するための送信パルスを生成しプローブ10へ出力する。送受波回路20は、チャネル毎に送信パルスに与える遅延量を調整して、プローブ10から送信される超音波が所望の方向に送信ビームを形成するように各振動子の励振タイミングを制御する。
一方、受信時には、送受波回路20は、プローブ10から振動子アレイの各チャネルごとの受信信号を入力される。送受波回路20は、チャネルごとの受信信号を増幅した後、チャネル間の受信信号の位相差を調整して互いに加算する整相加算処理を行って受信ビームを形成する。また、送受波回路20は、受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、受信信号を超音波ビームの方向に沿ったエコーデータ列として出力する。
振動子アレイの電子走査によって超音波ビームが電子的に走査されることによって一つの走査面が形成され、この走査面から1フレームのエコーデータが取得される。DSC22は、送受波回路20から出力される超音波ビームに沿ったエコーデータ列を、内蔵のフレームメモリに一旦格納する。DSC22は、エコーデータが定義される空間座標系を、超音波ビームの走査方向(i座標とする。)とビーム方向の深さ(j座標とする。)とで指定される送受波座標系(円座標系)から、断層画像表示を行う表示装置(図示せず。)の走査方式に適合した二次元直交座標系(水平方向をu座標、垂直方向をv座標とする。)に変換する。
パルス発生回路24は、制御部32の制御に従い、圧電トランスデューサ12への駆動信号を生成し出力する。
結石検出部30は、本発明に係る生体内結石検出装置に相当する。結石検出部30は、DSC22からエコー強度に応じた画素データを有する生体内の超音波断層像を読み込み、当該超音波断層像に基づいて演算処理を行い生体内の結石を検出する。なお、結石検出部30での演算に用いる超音波断層像のデータを、座標変換前のものと変換後のものとのいずれにするかは任意に設計することができる。結石検出部30の演算処理については後述する。
制御部32は、本システム2の各部の動作を制御する。例えば、制御部32は、送受波回路20やパルス発生回路24を制御する。また制御部32は、結石検出部30から得られる結石の位置に基づいて移動機構6を制御することができ、例えば、治療時には、結石の運動に応じてエンドエフェクタ4を移動させ、圧電トランスデューサ12から発せられる集束超音波の焦点を結石に追従させる。
次に結石検出部30の機能・処理等について説明する。結石検出部30は、(1)超音波断層像の画素データの分布に基づいて所定の高反射の領域を結石の候補領域として抽出する処理(以下、高反射領域抽出処理)、(2)結石の背後ではエコーが弱くなるという特徴に基づいて結石の候補領域を特定する処理(以下、影判定処理)、(3)予め得られた結石の輪郭に適合する候補領域を探索する処理(以下、テンプレート照合処理)、及び、(4)呼吸に応じて動く結石の位置を予測する処理(以下、位置予測処理)を備えている。以下、各処理について順番に説明する。
(1)高反射領域抽出処理
腎臓結石は、その周囲の生体の軟組職に比べて音響インピーダンスが高く、超音波に対して高い反射を示す。なお、一般に、超音波断層像の画素データはエコー強度が強いほど大きな値で定義され、表示装置上にて高い輝度で表現される。ちなみに、結石の周囲には超音波断層像にて背景となるものとして腎臓、筋肉、血液、水分が存在し、これらと比較した結石の反射率は、7.09〜12.75倍であるとの研究結果が報告されている。
結石検出部30は、超音波断層像中の結石を背景から分離するために、画素データのヒストグラム上で当該背景の部分に起因する分布をモデリングして、結石に起因し得る高反射の領域を抽出するための閾値を決定する。
以下、この処理を説明する。結石検出部30は、関心領域(Region of Interest:ROI)の画素データを抽出する。なお、ROIの設定は、例えば、表示装置に表示される超音波断層画像に基づいて、医師等の操作者が本システム2のキーボード、マウス、タッチスクリーン等の操作手段(図示せず。)を用いて行うことができる。
結石検出部30は、抽出したROIの画素データのヒストグラムを生成し、さらに、当該画素データの分布の概形を抽出するために、ヒストグラムを平滑化する。例えば、重み付き移動平均等で平滑化する。
超音波断層画像においてスペックルパターンを生じる軟組織の画素データは、レイリー分布(Rayleigh probability density function)に好適に従う。そこで、結石検出部30は、平滑化したヒストグラムを画素データの原データ分布として、当該原データ分布からレイリー分布に従う成分を減じて、背景以外の画素データに対応する残差データ分布を求める。ここで、一般に、結石以外の背景がROI中にて主要な比率を占めるので、原データ分布のピークは基本的に背景に起因する。よって、結石検出部30は、原データ分布のピーク位置での強度を抑圧するようにレイリー分布と相似の関数を定める。具体的には、レイリー分布と相似の関数として下記(1)式で表現される一般化レイリー曲線の関数を仮定し、そのパラメータσ,S,xを定める。なお、変数xが画素データを表す。
Figure 0005311392
パラメータは、原データ分布のピーク点PHP(≡(Gpk,Npk))及び変曲点PHI(≡(Ginf,Ninf))と一般化レイリー曲線のピーク点PRP及び変曲点PRIとが互いに一致するように定められる。この条件は下記(2)式及び(3)式で表される。
Figure 0005311392
Figure 0005311392
(2)式,(3)式それぞれの左辺は一般化レイリー曲線のピーク点PRP及び変曲点PRIの座標である。ピーク点PRPは(1)式の1階微分が0となることに基づいて、また変曲点PRIは2階微分が0となることに基づいてそれぞれ定められる。
原データ分布のピーク点PHPは原データ分布が最大となる点に定めることができる。原データ分布を表す曲線は必ずしも解析的な関数ではないので、その変曲点PHIを一般化レイリー曲線におけると同様に2階微分が0となるという条件から決めることは困難である。そこで本実施形態では、一般化レイリー曲線におけるピーク点PRPでの度数(画素数)に対する変曲点PRIでの度数の比が、(2)式,(3)式より、一定値k(k≒0.637)となるという特徴を利用して変曲点PHIを求める。すなわち、原データ分布上にてピーク点PHPでの度数Npkに対する変曲点PHIでの度数Ninfの比(Ninf/Npk)がkに最も近い値となる点を変曲点PHIと定義する。なお、一般化レイリー曲線の変曲点PRIはピーク点PRPより大きな画素データ範囲に存在することに対応して、原データ分布の変曲点PHIもGpkを超える画素データ範囲にて探索される。
(2)式,(3)式の左辺に現れるPRP,PRIの座標を用いて一般化レイリー曲線のピーク点PRPと変曲点PRIとを結ぶ直線の傾きaを計算すると、パラメータS,xを消去できaはσだけに依存する。よって、例えば、原データ分布のピーク点(Gpk,Npk)と変曲点(Ginf,Ninf)とを結ぶ直線の傾きaがaに一致するという条件からまずσを決定し、そのσを(2)式,(3)式に代入して、S及びxを決定することができる。
図2は原データ分布40と一般化レイリー曲線42とを示す模式図であり、横軸が画素データの値、縦軸が画素数である。軟組織からの弱いエコーは一般化レイリー曲線42に好適に従うので、結石が存在しないROIから得られた原データ分布40は一般化レイリー曲線42によく一致し得る。これに対し、ROIに結石が存在する場合には、画素データが小さい領域(例えば、変曲点PHIより左側の領域)では原データ分布40と一般化レイリー曲線42とは結石が存在しない場合と同様によく一致し得るが、画素データが大きい領域では、結石に起因する大きなデータ値の画素の存在により、原データ分布40は一般化レイリー曲線42から乖離し得る。
結石検出部30は上述のように、原データ分布に適合する一般化レイリー曲線を決定すると、原データ分布から一般化レイリー曲線が表す強度(度数)を減じて、残差データ分布を求める。一般化レイリー曲線はスペックルパターンなどに対応し、その成分を減算することで、結石検出におけるノイズ成分が除去される。すなわち、残差データ分布を形成する画素は、結石に対応するものである可能性が高い。
図3は原データ分布40、一般化レイリー曲線42、及び残差データ分布44を示す模式図であり、図2と同様、横軸が画素データの値、縦軸が画素数である。結石検出部30は、原データ分布のピーク位置Gpkよりも値が大きな範囲にて、原データ分布の強度に対する残差データ分布の強度が所定の割合以上となる画素データを閾値として定め、当該閾値以上を抽出対象データ範囲とし、当該抽出対象データ範囲に属する画素からなる高反射領域を結石の候補領域として抽出する。
本実施形態では、結石検出部30は、残差データ分布と一般化レイリー曲線とが等しい強度となる画素データを閾値Gth(図3参照)とする。この閾値Gthは一般化レイリー曲線42と残差データ分布44とが交差するデータ値であり、閾値Gthを超えると、残差データ分布44が一般化レイリー曲線42を上回る。このことから、閾値Gth以上の高反射領域にはノイズに起因する部分は少なく結石の像が占める割合が高いことが期待できる。そこで、結石検出部30は、閾値Gth以上の画素からなる高反射領域を、結石の候補領域として抽出する。
(2)影判定処理
一方、マイクロ・バブルのように、結石以外にも高反射を生じる場合がある。そこで、結石検出部30は、上述の高反射領域抽出処理で抽出される高反射領域に基づく候補領域から結石の像以外の部分を除外し、候補領域を絞り込むフィルタリング処理の一つとして、影判定処理を行う。
結石は、その周囲の組織等に比べて高い音響インピーダンスを有するので、結石に向けて送出された超音波のほとんどはその表面で反射され、透過する成分はわずかとなる。そのため、結石の背後にはエコー強度の低い低反射領域が生じる。この現象をここでは「音響的影効果」と称し、低反射強度である背後領域を「影」領域と称する。
本発明における影判定処理の原理は、プローブ10から見た高反射領域の背後領域からのエコー強度を、その隣接領域からのエコー強度と比較するというものである。結石検出部30は背後領域反射強度判定手段としてこの影判定処理を行い、候補領域抽出手段として、隣接領域よりも低反射強度である背後領域を伴う高反射領域を結石の候補領域として抽出する処理を行う。
結石検出部30は、背後領域反射強度判定手段として、例えば、(4)式に示すように、高反射領域を通過する超音波ビームの走査線(i=i)における背後領域に属する注目区間(jst≦j≦jed)での画素データI(i,j)の平均値である背後データ強度と、高反射領域の両脇を通過する2本の走査線(i=i及びi)についての注目区間に対応する区間での画素データI(i,j)及びI(i,j)の平均値である隣接データ強度との比で定義する影係数fshadowを求める。そして、結石検出部30は、影係数fshadowが所定の閾値未満となる高反射領域を結石の候補領域として抽出する。
Figure 0005311392
結石検出部30は、例えば、図4に示すように高反射領域50を近似する楕円形のモデル52を求め、その楕円の中心(u,v)を通過するビーム54の座標をi=iとし、当該楕円に接する2本のビームの座標56,58をi=i,Iとする。また、楕円中心(u,v)から長軸半径(l/2)深い深さをjstと設定することができる。なお、jedは(jed−jst)が所定の値となることに基づいて定めることができ、例えば、(jed−jst)は楕円の長軸の長さや、iとiとの差など、高反射領域の大きさに応じた値に設定することができる。
図5は、楕円モデルのパラメータを説明する模式図である。楕円モデルは、長軸l、短軸w、中心座標u,v、及び傾斜角θからなる5つのパラメータで表すことができる。これらのパラメータは、近似対象とする高反射領域を構成する各画素(u,v)について(5)式で定義されるモーメントmpqに基づき、(6)〜(8)式により求められる。
Figure 0005311392
Figure 0005311392
Figure 0005311392
Figure 0005311392
なお、結石検出部30は、上述の楕円モデルそのものに基づいて別途のフィルタリングを行って、これを上述の音響的影効果に基づくフィルタリングと併用して結石の候補領域を絞り込むことができる。具体的には、0次モーメントm00で与えられる楕円の面積Sや、(1−w/l)で定義される扁平率Cを閾値判定して、候補領域をフィルタリングすることができる。
例えば、HIFU法などによる破砕が行われるのは4mm程度より大きな腎臓結石であることに対応して、面積Sの閾値を定めることができる。例えば、結石検出部30は、Sが6.45mmを超える領域を抽出する。また、結石の像は一般に円形に近く、扁平率はそれほど大きくならないことから、結石検出部30は、Cが0.6未満の候補領域を抽出する。また、結石検出部30は上述の影係数fshadowが0.7未満の影領域を伴う候補領域を抽出するように設定することができる。
(3)テンプレート照合処理
既に述べたように、超音波治療の際に集束超音波によって発生するマイクロ・バブルは超音波画像上に高輝度領域を形成する。集束超音波の焦点は破砕対象の結石、すなわち、ターゲットの位置に設定しているため、焦点の周りに発生した高輝度のノイズは実際の結石の像と一体の高反射領域として捉えられる。その結果、例えば、上述のように楕円モデルなどを用いて高反射領域の重心点を結石の位置として特定する際に当該位置の精度が低下し、ターゲットの追跡が困難になり得る。
テンプレート照合処理は、この問題への解決策を与えるものである。集束超音波の焦点領域は1mm程度と小さく、ノイズもその近傍で生成されるため、ターゲット物体の像は基本的にノイズによって部分的にしか影響を受けない。そこで、ターゲット物体においてノイズによって影響されていない部分の形状を認識することにより、実際のターゲット像の重心点を検出する。
HIFUによる治療対象とする結石は、集束超音波をしない状態での超音波断層像にて特定できる。結石検出部30は、当該超音波断層像を二値化して、特定結石(ターゲット)の高反射領域の輪郭を、集束超音波によるノイズの影響を受けていない状態で抽出し、得られたターゲット像の形状を、後述する照合処理に用いるテンプレートとする。得られたテンプレートを表す情報(ターゲットモデルと称する)は記憶装置28に記録される。
集束超音波の照射による治療が開始されると、現在の超音波断層像の二値化画像においてターゲットに対応する高反射領域の位置が、ターゲットの過去の運動軌跡から推定される。結石検出部30は、当該位置の高反射領域がターゲットの像を包含するものであるとして、その輪郭に好適に適合するテンプレートの配置を探索する。そして、高反射領域のうち、探索により決定された配置のテンプレートに対応する部分をターゲットの候補領域として抽出する。
記憶装置28に格納されるターゲットモデルは、ターゲットの輪郭に沿って所定の順序で配置される複数の代表点それぞれについて、当該代表点でのターゲットの輪郭の形状に関する形状特徴情報と、ターゲットの輪郭に対して所定の位置に設定される基準点と当該代表点との相対的な位置関係を表す特徴ベクトル情報とを含んでいる。
このターゲットモデルに基づいて、結石検出部30は、テンプレート照合処理として、各代表点毎に、高反射領域の輪郭上にて形状特徴情報に適合する適合点を探索し、当該適合点が代表点であるとした場合に基準点に対応する点となる仮想基準点を特徴ベクトル情報に基づいて求める。そして、複数の代表点に対応して複数得られる仮想基準点の分布から現在の超音波断層像における基準点の位置を推定し、当該推定された基準点に基づいて超音波断層像でのテンプレートの配置を決定する。
図6は、ターゲットの輪郭60に配置された代表点62の一つ、基準点64、及び特徴ベクトル66を示す模式図である。
輪郭60は、二値化された超音波断層像における高反射領域の境界であり、その境界上に位置する画素の連鎖からなる。代表点62は、当該輪郭60上の各画素とすることもできるが、一般には当該画素の数は大きく、処理負荷が高くなる。そこで、輪郭60の形状を凸包モデル(convex hull model)で近似し、その凸多角形の頂点である複数の凸頂点を代表点62とすることで、代表点62の数を減らすことができる。また、この場合の各代表点での輪郭60の形状の特徴は、各凸頂点に接続される凸多角形の辺の向きを含む形状特徴情報で表すことができる。
ここで、凸包モデルを厳密に適用し、内側に輪郭60が完全に包含されるように凸多角形を定めると、凸頂点の数は一般に多くなる。そこで、本実施形態では、近似的に凸包モデルを適用することで凸頂点の数を減らして、演算処理装置26の処理負荷を軽減し、治療中のリアルタイムでのターゲットの追跡を可能とする。代表点の数は、処理負荷の軽減の観点からは少なくされるが、テンプレート照合で決定される位置精度の向上の観点からは或る程度の数の確保が必要であり、これらのトレードオフに基づいて適切な数の凸頂点の数が設定される。
結石検出部30は、凸頂点として、ターゲットの輪郭60上に設定される探査の始点、及び当該始点から輪郭60を所定の凸頂点探査手順で所定の回転方向に一周順次探査して得られる複数の点を抽出する。
図7は輪郭60と、その近似的な凸包モデル68とを示す模式図である。図7に示す凸包モデル68は、始点pから反時計回りに凸頂点探査を行って10個の凸頂点p(i=1〜10)が得られた例を示している。図8は、凸頂点探査手順を説明するための模式図である。超音波断層像上での水平方向の座標軸uは右向きが正の方向、垂直方向の座標軸vは下向きが正の方向に設定される。ここで、超音波断層像に垂直な軸ξを導入して三次元直交座標(u,v,ξ)を定義する。ξ軸は超音波断層像を臨む視点から遠ざかる方向を正に設定される。輪郭60上を反時計回りに周回して探査を行う場合、その周回方向(回転方向)を示すベクトルhはξ軸の負の方向に向かう。結石検出部30は、先行して得られた凸頂点p(k=1〜9)を基準凸頂点とし、当該基準凸頂点から次の凸頂点pk+1の候補点pへ向かうベクトルhC1と基準凸頂点から次の探査点pへ向かうベクトルhS1との外積(hC1×hS1)をベクトルhのk倍(ここでkは実数である)と置いたときに、kがε>0なる所定の閾値ε以下である場合には、候補点pを現在の探査点pで置き換えて探査を継続し、kが閾値εより大きい場合には、現在の候補点pを基準凸頂点の次の凸頂点pk+1と定める。
具体的には、ベクトルhC1,hS1のξ成分は0であることから、外積(hC1×hS1)の成分のうち非零となり得るのはξ成分のみであり、これをCP1と表す。p,p,pのu−v平面上の座標をそれぞれ(x,y),(x,y),(x,y)と表すと、CP1は次式で与えられる。
P1=(x−x)(y−y)−(x−x)(y−y) (9)
便宜上、ベクトルvの大きさを1とすれば、v=(0,0,−1)であり、k=−CP1となる。pがベクトルhC1と同じ方向にあればCP1=0(又はk=0)であり、pがベクトルhC1の向きにより右側に位置すればCP1>0(又はk<0)、左側に位置すればCP1<0(又はk>0)である。例えば、εが0であるとするならば、上述の探査手順は、輪郭60を反時計回りに移動したときに左に曲がる点、すなわち凸頂点を探査することになり、この場合、凸包モデルを好適な精度で求めることができる。本実施形態では、ε>0なる閾値を設定することで、εの大きさに応じた或る程度の左曲がりは許容して凸頂点として検出しないことで凸頂点間の距離を広げ、凸頂点の数を減らした近似的な凸包モデル68を得ることができる。なお、凸頂点の数は閾値εによって調節することができる。
結石検出部30は、上述の凸頂点探査手順により、輪郭60における凸頂点pを求める。また、結石検出部30は各辺pk+1の向きφを求め、各頂点pのインデックスkにpの座標及び、形状特徴情報として辺pk+1の向きを対応付けて、記憶装置28に格納する。なお、辺の向きφは、例えば、点pから点pk+1に向かうベクトルがu軸の正の方向に対してなす角度で表すことができる。例えば、当該角度φ[rad]は−π<φ≦πなる範囲で定義することができる。
また、結石検出部30は、各凸頂点pについて、特徴ベクトル66を表す情報として、pから基準点64に向かうベクトルの長さr及び向きαを求め、記憶装置28に格納する。例えば、基準点64を楕円モデル52の中心(u,v)に設定して特徴ベクトルを定義することができる。向きαはφと同様にu軸の正の方向に対してなす角度で表すことができる。
以上、凸包モデルに基づくターゲットモデルを説明した。上述の凸包モデルはテンプレートの一例であり、結石検出部30はより好適に輪郭60の形状特徴を表すテンプレートを採用することができる。例えば、上述の凸頂点に加えて、凸頂点で輪郭60を区切って得られる各輪郭区間における凹頂点を代表点62に含めたモデル(簡易輪郭モデルと称する)を用いれば、より精度の高いテンプレート照合が可能となる。
以下、簡易輪郭モデルについて説明する。図9は図7に示した輪郭60及び凸包モデル68に対して得られた簡易輪郭モデル80の例を示す模式図である。
結石検出部30は、輪郭60を所定の回転方向に辿り、各輪郭区間pk+1にて凹頂点を探査する。図10は凹頂点を有する輪郭区間pk+1の模式図である。ここでは、輪郭60を反時計回りに周回する方向に凹頂点探査を行う例を説明する。この場合、凸頂点pとpk+1とに挟まれた輪郭区間において、pからpk+1へ向けて探査が行われる。当該輪郭区間にて設定された凹頂点をp側からpk+1側へ向けて順に付すインデックスj(j=1〜jm)を用いてqと表す。また、当該輪郭区間にて、pからqへ向かうベクトルをg,qからqj+1(1≦j≦jm−1)に向かうベクトルをg,qjmからpk+1に向かうベクトルをgjmと表す。
結石検出部30は、探査の始点となる凸頂点p又は先行して得られた凹頂点qを基準頂点とし、基準頂点から次の凹頂点の候補点qへ向かうベクトルhC2と基準頂点から次の探査点qへ向かうベクトルhS2との外積(hC2×hS2)を、探査を行う周回方向を示すベクトルhのk倍(ここでkは実数である)と置いたときに、kがε<0なる所定の閾値ε以上である場合には、候補点qを現在の探査点qで置き換えて探査を継続し、kが閾値ε未満である場合には、現在の候補点qを凹頂点と定める。
この凹頂点探査手順は、上述の凸頂点探査手順と比較すれば、当該凸頂点探査手順と対称なものであることが理解される。すなわち、凸頂点探査手順が基本的に輪郭60を反時計回りに移動したときに左に曲がる点を探査することにより凸頂点を見つけるものであったのに対し、上述の凹頂点探査手順は基本的に右に曲がる点を探査するものであり、これにより凹頂点を見つけることができる。
凸頂点と凹頂点とを合わせた代表点の全体について、輪郭60を例えば反時計回りに周回する方向に順にインデックスkを付し、各代表点について、そのインデックスkと当該代表点の座標及び、形状特徴情報を対応付けて記憶装置28に格納する。例えば、簡易輪郭モデルにおける形状特徴情報は、凸包モデルと同様、代表点からなる多角形の各辺の向きφを含むことができる。
また、当該φと併せて、各代表点が属する輪郭区間の両端を結ぶ直線の向き、すなわち凸包モデルにおける辺の向きを表すφcvxを形状特徴情報とすることができる。この場合、例えば、頂点pとpk+1とに挟まれる隣接区間内の各代表点に対しては、当該代表点を始点とするベクトルg(0≦j≦jm−1)の角度φと、pからpk+1へ向かうベクトルの角度φcvxとが形状特徴情報として対応付けられる。
さらに、結石検出部30は、各代表点について、特徴ベクトル66を表す情報として、凸包モデルの場合と同様、各代表点62から基準点64に向かうベクトルの長さr及び向きαを求め、記憶装置28に格納する。
結石検出部30は、集束超音波を照射している状態において得られる現在の超音波断層像の高反射領域と、記憶装置28に格納されたターゲットモデルとを照合し、当該高反射領域中におけるテンプレートの配置を決定する。
このテンプレート照合処理では、結石検出部30は、集束超音波を照射している状態である現在の高反射領域の輪郭の代表点及び形状特徴情報を、ターゲットモデルを決定したのと同様の方法で求める。そして、現在の各代表点に対応付けられた形状特徴情報とターゲットモデルの形状特徴情報とを照合することにより、ターゲットモデルの代表点それぞれについて、現在の高反射領域の代表点のうちで対応するものを適合点として求める。なお、この照合に際しては、ターゲットの回転や移動を考慮して、ターゲットモデルと現在の高反射領域との角度調整や倍率の調整を行うことが好適である。
得られた各適合点には、ターゲットモデルの特徴ベクトル66が対応付けられ、適合点を始点とする特徴ベクトルの終点は仮想的な基準点となる。現在の高反射領域の輪郭のうち、マイクロ・バブル等のノイズの影響を受けていない部分の適合点からの特徴ベクトルの終点は一点に集中することが期待され、一方、ノイズの影響を受けて変形した輪郭部分にて得られた適合点については、当該適合点からの特徴ベクトルの終点は基本的にはばらつく。そこで、結石検出部30は、既に述べたように、仮想基準点の分布から現在の超音波断層像における基準点の位置を推定し、当該推定された基準点に基づいて超音波断層像でのテンプレートの配置を決定する。例えば、終点にピークを有し、終点からの距離が大きくなるにつれて値が小さくなる二次元の分布関数の値を各終点の近傍画素にて定義し、各終点に起因する分布関数値の合計が最も高くなる画素を基準点の位置とすることができる。
(4)位置予測処理
本システム2は、集束超音波の照射により結石の破砕を行う。照射する期間内にて結石は移動し得るので、制御部32は、上述のように検知された結石の位置に基づき、移動機構6を駆動してエンドエフェクタ4を移動させ、集束超音波の焦点位置をターゲットの運動に対して補償する。
その際、超音波断層像の取得、結石位置の決定、移動機構6の制御という一連の過程により制御遅延が生じて追随精度が低下し得る。そこで、本システム2では、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を利用し、現在までに得られた結石の位置運動の周期的な成分に対してはフィードフォワード制御を適用する。ちなみに、フィードバック制御は、主に、運動の非周期的な成分に対して適用される。
結石の運動に影響を与える大きな要因の一つは患者の呼吸である。呼吸によるターゲットの運動は周期的な運動成分と非周期的な運動成分とから構成される。制御部32は、結石検出部30により得られたテンプレートの配置に基づいて把握される結石の位置を記憶装置28に蓄積する。制御部32は、記憶装置28に蓄積された結石位置から、呼吸に応じた周期的な時間変化を表す運動モデルを抽出し、演算処理装置26の内部メモリや記憶装置28に記憶する。また、結石検出部30は当該運動モデルは、過去の時系列での結石の位置からなる結石軌跡情報を記憶装置28に記録する。
制御部32は、現時刻における結石軌跡情報を運動モデルと照合し、運動モデルの周期における現時刻の位相を検出し、移動機構6の移動完了までの遅延時間に応じた所定時間後の結石の予測位置を求める。
具体的に、まず、制御部32は、記憶装置28に記録したターゲットの運動履歴をフーリエ解析し、例えば、最も大きな振幅を有する周波数を求め、その運動周期と振幅とで表される正弦波振動を運動モデルとする。次に、現在の患部の位置を周期的な運動モデルと同期させるため、結石軌跡情報として記憶装置28に記録されている直近の運動履歴と、運動モデルとの相関値を計算し、当該相関値が最大となる位相を現在の運動の位相とする。そして、超音波断層像の取得から移動機構6の移動完了までの想定される遅延時間に対応したフィードフォワード項を運動モデルから生成し、フィードバック項と合成して移動機構6に対する操作量を決定する。
2 超音波診断・治療システム、4 エンドエフェクタ、6 移動機構、8 本体、10 プローブ、12 圧電トランスデューサ、20 送受波回路、22 DSC、24 パルス発生回路、26 演算処理装置、28 記憶装置、30 結石検出部、32 制御部、40 原データ分布、42 一般化レイリー曲線、44 残差データ分布、50 高反射領域、52 楕円モデル、62 代表点、64 基準点、66 特徴ベクトル、68 凸包モデル、80 簡易輪郭モデル。

Claims (11)

  1. 送出した超音波に対する反射波の強度に応じた画素データを有する生体内の超音波断層像に基づいて、前記生体内の結石を検出する生体内結石検出装置であって、
    前記画素データの原データ分布からレイリー分布に従う成分を減じて、前記原データ分布のピーク位置での強度を抑圧し、これにより残る残差データ分布を求める残差分布抽出手段と、
    前記ピーク位置よりも前記反射波の強度が大きなデータ範囲であって、前記原データ分布の強度に対する前記残差データ分布の強度が所定の割合以上となる抽出対象データ範囲を求め、当該抽出対象データ範囲に属する画素からなる高反射領域を前記結石の候補領域として抽出する候補領域抽出手段と、
    を有することを特徴とする生体内結石検出装置。
  2. 請求項1に記載の生体内結石検出装置において、
    前記候補領域抽出手段は、前記残差データ分布と前記原データ分布から減じた前記レイリー分布とが等しい強度となる前記画素データを閾値とし、当該閾値以上を前記抽出対象データ範囲とすること、を特徴とする生体内結石検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の生体内結石検出装置において、
    前記残差分布抽出手段は、前記原データ分布と前記レイリー分布とがそれぞれのピーク点と前記ピーク位置を超えるデータ範囲に存在する変曲点とで互いに一致するように前記レイリー分布を定めること、を特徴とする生体内結石検出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の生体内結石検出装置において、
    前記超音波の送受波位置から見た前記高反射領域の背後領域からの前記反射波の強度を、その隣接領域からの前記反射波の強度と比較する背後領域反射強度判定手段を有し、
    前記候補領域抽出手段は、前記隣接領域よりも前記反射波の強度が小さい前記背後領域を伴う前記高反射領域を前記結石の候補領域として抽出すること、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  5. 請求項4に記載の生体内結石検出装置において、
    前記背後領域反射強度判定手段は、前記高反射領域を通過する超音波ビームの走査線における前記背後領域に属する注目区間での前記画素データの平均値である背後データ強度と、前記高反射領域の両脇を通過する2本の走査線についての前記注目区間に対応する区間での前記画素データの平均値である隣接データ強度との比を求め、
    前記候補領域抽出手段は、前記隣接データ強度に対する前記背後データ強度の比が所定の閾値未満となる前記高反射領域を前記候補領域として抽出すること、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の生体内結石検出装置において、
    検出対象とする前記結石であって予め輪郭が特定されている特定結石について当該輪郭を表すテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段を有し、
    前記候補領域抽出手段は、前記テンプレートと前記高反射領域の輪郭とが適合する前記テンプレートの配置を探索し、当該配置の前記テンプレートに対応する前記高反射領域を前記特定結石の候補領域として抽出するテンプレート照合手段を有し、
    前記テンプレート記憶手段は、前記テンプレートを表す情報として、前記特定結石の輪郭に沿って所定の順序で配置される複数の代表点それぞれについて、当該代表点での前記結石の輪郭の形状に関する形状特徴情報と、前記結石の輪郭に対して所定の位置に設定される基準点と当該代表点との相対的な位置関係を表す特徴ベクトル情報とを記憶し、
    前記テンプレート照合手段は、前記各代表点毎に、前記高反射領域の輪郭上にて前記形状特徴情報に適合する適合点を探索し、当該適合点が当該代表点であるとした場合に前記基準点に対応する点となる仮想基準点を前記特徴ベクトル情報に基づいて求め、前記複数の代表点に対応して複数得られる前記仮想基準点の分布から前記超音波断層像における前記基準点の位置を推定し、当該推定された基準点に基づいて前記超音波断層像での前記テンプレートの配置を決定すること、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  7. 請求項6に記載の生体内結石検出装置において、
    前記複数の代表点は、前記結石の輪郭形状に応じた凸多角形の頂点である凸頂点を含み、
    前記形状特徴情報は、前記各凸頂点に接続される前記凸多角形の辺の向きを含むこと、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  8. 請求項7に記載の生体内結石検出装置において、
    前記凸頂点は、前記結石の輪郭上に設定される探査の始点、及び当該始点から前記結石の輪郭を所定の凸頂点探査手順で所定の回転方向に一周順次探査して得られる複数の点であり、
    前記凸頂点探査手順は、前記回転方向を示すベクトルをhとし、先行して得られた前記凸頂点を基準凸頂点とし、当該基準凸頂点から次の前記凸頂点の候補点へ向かうベクトルhC1と前記基準凸頂点から次の探査点へ向かうベクトルhS1との外積(hC1×hS1)を前記ベクトルhのk倍(ここでkは実数である)と置いたときに、前記kがε>0なる所定の閾値ε以下である場合には、前記候補点を前記探査点で置き換えて探査を継続し、前記kが閾値εより大きい場合には、現在の前記候補点を前記基準凸頂点の次の前記凸頂点と定めるものであること、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の生体内結石検出装置において、
    前記複数の代表点はさらに、前記凸頂点で前記結石の輪郭を区切って得られる各輪郭区間における凹頂点を含み、
    前記形状特徴情報は、前記各輪郭区間における前記凸頂点及び前記凹頂点を順次接続する辺の向きを含むこと、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  10. 請求項9に記載の生体内結石検出装置において、
    前記凹頂点は、前記結石の輪郭を周回する所定の回転方向を探査順序の方向として、前記輪郭区間をその一方端から所定の凹頂点探査手順で順次探査して得られる点であり、
    前記凹頂点探査手順は、当該探査の始点となる前記凸頂点又は先行して得られた前記凹頂点を基準頂点とし、当該基準頂点から次の前記凹頂点の候補点へ向かうベクトルhC2と前記基準頂点から次の探査点へ向かうベクトルhS2との外積(hC2×hS2)を前記ベクトルhのk倍(ここでkは実数である)と置いたときに、前記kがε<0なる所定の閾値ε以上である場合には、前記候補点を前記探査点で置き換えて探査を継続し、前記kが閾値ε未満である場合には、現在の前記候補点を前記凹頂点と定めるものであること、
    を特徴とする生体内結石検出装置。
  11. 請求項6から請求項10のいずれか1つに記載の生体内結石検出装置において、
    前記テンプレートの配置に基づいて把握される、過去の時系列での前記結石の位置からなる結石軌跡情報を記憶する結石軌跡記憶手段と、
    前記結石の位置に関する前記生体の呼吸に応じた周期的な時間変化を表す運動モデルを記憶する運動モデル記憶手段と、
    現時刻における前記結石軌跡情報を前記運動モデルと照合し、前記運動モデルの周期における現時刻の位相を検出し、所定時間後の前記結石の予測位置を求める結石位置予測手段と、
    を有することを特徴とする生体内結石検出装置。
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