JP5310971B2 - 潜像表示方法、真偽判定方法および情報伝達方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パッケージなどの内容物や各種情報、それに商品などの偏光潜像デバイス自身などの各種認証分野において用いられる偏光潜像デバイスを用いた潜像表示方法、真偽判定方法および情報伝達方法を提供することを目的とする。
従来、カードやパスポートなどの認証媒体、商品券や株券などの有価証券媒体には、偽造の困難なデバイスを貼付することにより、目視もしくは検証器を用いた真偽判定方法が用いられている。
また、近年では、製品の贋造品の流通が問題となり、これら流通を防ぐため、有価証券類と同等の技術を用いることが増えている。
このような状況の中で、偏光技術を用いた潜像技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、ネマチック液晶の複屈折性を利用し、偏光フィルムを重ねることにより、潜像を出現させるセキュリティデバイスが提案されている。
また、特許文献2では、2色性染料の2色性吸収を利用し、偏光フィルムを重ねることにより、潜像を出現させるセキュリティデバイスが提案されている。
従来技術は以下の通り。
特開平8−43804公報 特開平9−183287公報
これらの偏光潜像デバイスでは、偏光フィルターや円偏光フィルターや偏光光源などの専用の検証器が必要になっている。
通常、小売業者もしくはサービス業者は、消費者から受け取る金券やチケット、製造者や卸業者から入荷される商品を想定して、真偽判定用の検証器を事前に準備し、真偽判定行うことができる。しかし、一般消費者はこれら状況を想定して事前に検証器を入手しているとは考えづらく、設けてある真偽判定手段を活用することなく、商品を購入する場合が多い。
この問題を解決するため、まず、われわれは、液晶ディスプレーから発せられる光が偏光光であることに目をつけ、液晶ディスプレーが偏光潜像デバイス用の検証機として利用できないか検討した。
その結果、請求項1では、偏光光の受光によって表示が変化する偏光子が少なくとも一部に形成された偏光潜像デバイスの潜像表示方法であって前記潜像デバイスは、偏光子の方向の異なる部分で暗部と明部が判別できるようにパターンされ、かつ、前記潜像デバイスの背面が黒であり、液晶ディスプレーを設けた装置の液晶ディスプレー部より反射もしくは発光した偏光光を受光して潜像を表示させる潜像表示方法を提供するものである。
この場合の偏光子は、偏光光の作用を受けることによって明暗もしくは色調が変化するものであり、これがパターン状に設けられることによって通常状態では表示を認識できない潜像となっているものである。
次に、われわれは携帯電話機、PHS電話機、ノートパソコン、PDAが、近年普及率が高まったこと、外出時携帯されることが多いこと、多くの機種が液晶ディスプレーを採用していることに目をつけた。これらを利用すれば、本発明の課題である消費者が、専用の検証器を入手し持ち歩くことなく、判定手段が活用できることに気付いた。
そこで、請求項2では、請求項1記載の潜像表示方法において、携帯電話機、PHS電話機、ノートパソコン、PDAなどの液晶ディスプレーを設けた装置が携帯用装置であることを特徴とする潜像表示方法を提供するものである。
また、請求項では、請求項1または2記載の潜像表示方法により表示された潜像を用いて情報伝達を行うことを特徴とする情報伝達方法を提供するものである。
さらに、本発明の偏光潜像デバイスもしくはこれを貼付する有価証券媒体やパッケージにURLなどのサーバアクセス情報を記載もしくは形成した場合、携帯電話もしくはPHSのインターネットアクセス機能により、これら潜像デバイスに関する情報および検証時に液晶ディスプレーに表示させる画像や映像をサーバよりダウンロードできることが可能な機能があることに着目した。
また請求項4に係る発明は、請求項3記載の情報伝達方法において、液晶ディスプレーを設けた装置に少なくとも情報通信機能、情報処理装置、カメラ機能、バーコード処理機能を設けてあり、偏光潜像デバイスにサーバーアクセスコードが1次元もしくは2次元バーコードで潜像として、もしくは偏光潜像デバイスを設けた有価証券媒体類もしくは商品パッケージ上にサーバーアクセスコードが1次元もしくは2次元バーコードで非潜像情報として設けることによりカメラ機能により該1次元もしくは2次元バーコードを撮影し、撮影した画像を処理して、該サーバアクセスコードを認識することにより該情報通信機能でサーバーにアクセスして得られた検証方法の説明文章、検証時に表示させるための画像もしくは動画を該液晶ディスプレーに表示しながら偏光潜像デバイスの情報を読み取ることを特徴とする情報伝達方法を提供するものである。
特殊な認証装置を必要とせず、偏光潜像デバイスに液晶ディスプレーから発せられる偏光光を当てることにより、潜像が現れた。また、携帯電話のインターネットアクセス機能を用いて、サーバより暗号画像および暗号映像をダウンロードし、偏光潜像デバイスを復号画像として作用させることにより、新たな画像が現れた。
本発明の実施の形態を説明する。図1は、液晶ディスプレーから発光した偏光光を偏光潜像デバイスの偏光子部分に反射方式にて作用させ、潜像を顕像化させる概要である。また、図2は、液晶ディスプレーから発光した偏光光を偏光潜像デバイスの偏光子部分に透過方式にて作用させ、潜像を顕像化させる概要である。また、図3は、復号鍵画像である偏光潜像デバイスの偏光子部分と暗号文画像を表示させた液晶ディスプレーの例である。図4は、図3の暗号文画像に復号鍵画像を重ねて平文画像を表示させた例である。
本発明で用いる偏光潜像デバイスの偏光子部分は、偏光光の照射により、特定の方向の偏光を吸収もしくは反射するデバイスであり、偏光光を生成できる装置を検証器として用いることができ、それが液晶ディスプレーである。
液晶ディスプレーの多くは、直線偏光フィルムをクロスニコルに配置し、その間にITO膜などによる透明電極とTN液晶セルを設けることにより作製される。動作原理としては、透明電極に電圧をかけない場合にはTN液晶の旋光性により明部となり、電圧をかけた場合にはTN配向が崩され、クロスニコルの偏光子を透過できず、暗部となる。このように、クロスニコル偏光子を出てきた光、即ち、液晶ディスプレーから発せられる光は直線偏光である。これは、液晶ディスプレーが偏光潜像デバイスの検証器となり得ることを意味している。液晶ディスプレーは、モノクロ、カラーを問わない。また、バックライトを持たない反射型液晶ディスプレー、バックライトを持つ自己発光型液晶ディスプレーを問わないが、光量が比較的大きいバックライトを設けた自己発光型液晶ディスプレーの利用が望ましい。
なお、本発明では、液晶ディスプレーより反射もしくは発光した偏光光を検証に用いることを発明の主目的とするが、偏光フィルターなどを専用検証器として併用することも可能である。
ここで、本発明で用いることのできる偏光潜像デバイスを形成する偏光子は、PVAに
ヨウ素もしくは2色性染料を含浸させ、延伸配向させた吸収型偏光子、もしくは、2色性染料を配向膜の上で配向させた吸収型偏光子、もしくは、コレステリック液晶にλ/4位相差子を組み合わせた反射型偏光子、複屈折性多層フィルムを積層した反射型偏光子(3M社製)、ブルースター角でレンチキュラーレンズ状に形成したプリズム偏光子、複屈折物質を回折格子状に形成した複屈折回折偏光子、回折構造の溝を深く形成した回折偏光子などを利用することができる。この他にも、反射光、もしくは、透過光にて特定偏光成分を分離もしくは抽出できる素子であれば、利用可能であり、本発明での偏光子とする。
これら偏光子を全面もしくはパターンにて潜像偏光デバイスに設ける。また、これら全面もしくはパターンで設けた偏光子は、部分的に光軸の方向を変えることによりパターン化した場合、より高度な潜像を提供することができる。
偏光子をパターンで設ける方法としては、光分解性ポリマー中で配向したヨウ素もしくは2色性染料系偏光子を光分解にて部分的に配光を崩す(特開平9−258025公報)などの方法を用いることができる。
また、部分的に偏光子の方向を変える方法としては、パターン露光した光配向膜上で2色性染料もしくは2色性染料を混ぜた液晶を配向させることにより、実現可能である。このような部分的に光軸を変えた偏光子では、液晶ディスプレーより反射もしくは照射される偏光光の向きにより、ネガポジを反転させることが可能となり、より偽造の困難なデバイスとなる。
また、λ/2位相差子または旋光子をパターンもしくは光軸を部分的に変えて、偏光子と液晶ディスプレーとの間に形成することにより、偏光子の光軸を部分的に変えた場合と同等の効果を生むことができる。
λ/2位相差子は、偏光子光軸に対して角度θずらした時、偏光面は2θ回転する。例えば、偏光子光軸に対して45°の角度でλ/2位相差子を部分的に形成した場合、偏光面は90°回転する。即ち、垂直の光軸でパターニングした偏光子と同等の効果を発現する。
また、偏光子にコレステリック液晶を用いる場合には、反射光が円偏光であるため、λ/4位相差子を光軸の方向を変えて設ける。
λ/2もしくはλ/4位相差子を部分的に光軸を変えてパターンで設ける方法としては、光配向膜をパターン露光し、その上で液晶を配向させる方法、もしくは、桂皮酸誘導体などの感光剤をパターン露光することにより、複屈折を発現させ、これら位相差子を作製する方法などがある。
さらに、λ/2もしくはλ/4位相差子を用いる他に、特開2000−221898公報に記述されるように位相差子を構成する材料の複屈折波長分散を利用し、位相差値を変化させることにより、カラー化が可能である。
また、これら偏光潜像デバイスのコントラストを向上させるため、背面を黒にしたり、金属反射層を設けることができる。
このような偏光子を含む光学エレメントを、シート状、ステッカー状、転写箔状、漉き込み安全線状に加工することによりデバイス化可能である。
シート状にデバイス化する場合には、支持体上に上記、偏光子を含む光学エレメントを
形成もしくはそれ自体を支持体とすることにより、実現できる。シート状に加工した偏光潜像デバイスは、印刷もしくは加工することにより、有価証券媒類もしくは製品パッケージとすることができる。
また、ステッカー状にデバイス化する場合には、上記シート状に加工した偏光潜像デバイスに粘着剤加工を施すことにより、実現可能である。これらステッカー状に加工した偏光潜像デバイスは、有価証券類もしくは製品もしくは製品パッケージに添付することが可能である。
また、転写箔状にデバイス化するには、基材上に剥離層を設けその上に偏光子を含む光学エレメントを形成し、さらに接着剤を形成することにより、実現可能である。これらステッカー状に加工した偏光潜像デバイスは、有価証券類もしくは製品もしくは製品パッケージに転写することが可能である。
また、漉き込み安全線状にデバイス化するには、シート状に加工した偏光潜像デバイスをスリットし、紙に漉き込むことにより実現可能である。これら漉き込み安全線を漉き込んだ用紙は、印刷もしくは加工することにより、有価証券媒類もしくは製品パッケージとすることができる。
これら偏光潜像デバイスもしくは偏光潜像デバイスを設けた有価証券媒体、もしくは、製品パッケージで検証する場合、液晶ディスプレー(12)から反射もしくは発光した偏光光を受光する時、偏光潜像デバイス(13)に反射させることにより、反射により顕像化したパターンを以て判定を行うことができる。
図1は、その概要図で、液晶ディスプレー(12)を設けた携帯電話機(11)から発せられた偏光光を偏光潜像デバイス(13)で受光し、偏光子の方向の異なる部分で暗部(14a)と明部(14b)が判別できる様にパターンすることで顕像化した反射光によりコントラストを付いたパターンを観測者(15)が観察しパターン認識可能になり、この観測されたパターンをもとに判定を行う。この場合、偏光潜像デバイスの設け方により、例えば直交する直線偏光性の偏光子の場合などは、偏光潜像デバイスを回転させる等により、画像のネガポジを反転させることが可能である。
また、これら偏光潜像デバイスもしくは偏光潜像デバイスを設けた有価証券媒体、もしくは、製品パッケージで検証する場合、液晶ディスプレー(22)から反射もしくは発光した偏光光を偏光潜像デバイス(23)に透過させることにより、同様に判定を行うことができる。液晶ディスプレー(22)を設けた携帯電話機(21)から発せられた偏光光を偏光潜像デバイス(23)で透過させ、偏光子の方向の異なる部分で暗部(24a)と明部(24b)により判定情報が現れ、観測者(25)が判定を行う。この際、偏光潜像デバイスを回転させることにより同様にコントラストが変化する。さらに、偏光潜像デバイスの設け方により、偏光潜像デバイスを回転させることにより、画像のネガポジを反転させることが可能である。
また、ここで用いた液晶ディスプレーを設けた装置は、携帯できることが望ましく、液晶ディスプレーを設けた携帯電話機、PHS電話機、ノートパソコン、PDAなどが挙げられる。
また、これら液晶ディスプレーを設けた装置に情報通信機能および情報処理装置を設けてある場合には、偏光潜像デバイスもしくは偏光潜像デバイスを設けた有価証券媒体類もしくは商品パッケージ上にURLなどのサーバアクセスコードを潜像もしくは非潜像にて記載もしくは設けることにより、ダイヤルキーもしくはキーボードからアクセスコードを
入力し、サーバから検証方法の説明文章、検証時に表示させるための画像、動画もしくはこれらを表示させるアプリケーションソフトウェアをダウンロードすることができる。
また、これら液晶ディスプレーを設け、かつ、情報通信機能および情報処理装置を設けた装置にカメラ機能とバーコード処理機能を設けてある場合、サーバアクセスコードを1次元もしくは2次元のバーコードで設けることにより、カメラ機能によりバーコードを撮影し、撮影した画像を処理して、サーバアクセスコードを認識することにより、ダイヤルキーもしくはキーボードでの入力作業を簡略化できる。特に、キー数の少ない携帯電話機やPHS電話機で用いた場合、効果的である。
判定時に装置の液晶ディスプレーに表示させる画像は、全面白色の時、コントラストコントラストが最大になる。この全面白色の画像もしくは動画、もしくはこれら画像もしくは動画を生成、表示することができるアプリケーションは、サーバからダウンロードすることができる。
また、偏光潜像デバイスを復号鍵画像(31)として設け、暗号文画像もしくは動画(36)を画像もしくは動画、もしくはこれら画像もしくは動画を生成、表示することができるアプリケーションでダウンロードし、これらを重ね合わせる等で作用させることにより、平文画像、つまり暗号化されていない、もしくは暗号化前の画像もしくは平文動画(43)を表示させることができる。
次に、暗号文から平文に戻す復号方法を説明する。図3は、部分的に光軸方向を変えた偏光潜像デバイス(31)であり、縦方向偏光子部分(32)および横方向偏光子部分(33)により復号鍵画像が設けられている。携帯電話機(34)は、偏光方向(36)の液晶ディスプレーに暗号文画像もしくは暗号文動画(37)が表示されている。暗号文画像もしくは動画(37)の左上部および右下部は黒色の表示であり、液晶ディスプレーから光が出ておらず、また、左下部および右上部は、白色の縦方向の偏光が反射もしくは発光している。図4は、この携帯電話機(42)の液晶ディスプレーの上に偏光潜像デバイス(41)を重ねた時の概要図である。暗号文画像もしくは動画の左下部は、液晶ディスプレーから反射もしくは発光された縦方向の偏光光を通さないため、暗部となり、平文画像もしくは動画を現すことが可能となる。また、暗号文画像もしくは動画(41)を回転させることにより、別の画像を現すことができる。例えば、90°右に回転させた場合、左上部が黒となり複数の画像を設けることができる。
液晶ディスプレーがカラーで、偏光潜像デバイスが複屈折物質の複屈折波長分散を利用することにより、RGBそれぞれで透過、不透過を切り替えることができ、カラーの平文画像もしくは動画を暗号化可能である。
本発明は、有価証券媒体および製品パッケージの認証分野において用いられる、可視化などの潜像保表示方法、真偽判定方法および情報伝達方法を提供することを目的とする。
液晶ディスプレーから発光した偏光光を偏光潜像デバイスに反射させ、顕像化して観察する状態を示す概要側面図である。 液晶ディスプレーから発光した偏光光を偏光潜像デバイスで透過させ、顕像化して観察する状態を示す概要側面図である。 復号鍵画像である偏光潜像デバイスと暗号文画像を表示させた液晶ディスプレーの例を示す平面図である。 図3の暗号文画像に復号鍵画像を重ねて平文画像を表示させた平面図である。11 21 携帯電話機12 22 液晶ディスプレー13 23 偏光潜像デバイス14a 24a暗部14b 24b明部15 25 観測者31 復号鍵画像を設けた偏光潜像デバイス32 縦方向偏光子33 横方向偏光子34 携帯電話機35 液晶ディスプレー36 液晶ディスプレーの偏光方向41 復号鍵画像を設けた偏光潜像デバイス42 携帯電話機

Claims (4)

  1. 偏光光の受光によって表示が変化する偏光子が少なくとも一部に形成された偏光潜像デバイスの潜像表示方法であって、前記潜像デバイスは、偏光子の方向の異なる部分で暗部と明部が判別できるようにパターンされ、かつ、前記潜像デバイスの背面が黒であり、液晶ディスプレーを設けた装置の液晶ディスプレー部より反射もしくは発光した偏光光を受光して潜像を表示させる潜像表示方法。
  2. 請求項1記載の潜像表示方法において、液晶ディスプレーを設けた装置が携帯用装置であることを特徴とする潜像表示方法。
  3. 請求項1または2記載の潜像表示方法により表示された潜像を用いて情報伝達を行うことを特徴とする情報伝達方法。
  4. 請求項3記載の情報伝達方法において、液晶ディスプレーを設けた装置に少なくとも情報通信機能、情報処理装置、カメラ機能、バーコード処理機能を設けてあり、
    偏光潜像デバイスにサーバーアクセスコードが1次元もしくは2次元バーコードで潜像として、もしくは偏光潜像デバイスを設けた有価証券媒体類もしくは商品パッケージ上にサーバーアクセスコードが1次元もしくは2次元バーコードで非潜像情報として設けることにより
    カメラ機能により該1次元もしくは2次元バーコードを撮影し、撮影した画像を処理して、該サーバアクセスコードを認識することにより該情報通信機能でサーバーにアクセスして得られた検証方法の説明文章、検証時に表示させるための画像もしくは動画を該液晶ディスプレーに表示しながら偏光潜像デバイスの情報を読み取ることを特徴とする情報伝達方法。
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