以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の回線障害処理システムを含む発注処理システム10の全体構成が示されている。図2には、注文データ記憶手段41の構成が示され、図3には、1次注文履歴記憶手段42の構成が示され、図4には、障害対応措置用データ記憶手段44の構成が示され、図5には、待機時間テーブル記憶手段46の構成が示されている。また、図6は、回線が即時復旧した場合の処理の流れの説明図であり、図7は、回線が即時復旧しない場合の処理の流れの説明図であり、図8は、国内および現地の注文履歴の形成の流れの概略説明図である。さらに、図9には、比較照合処理の詳細が示され、図10には、回線障害処理の流れがフローチャートで示されている。
図1において、発注処理システム10は、国内に設置された第1の金融機関システムである国内証券会社システム20と、海外(例えば中国等)に設置された第2の金融機関システムである現地証券会社システム60とを備えて構成されている。国内証券会社システム20には、第1の通信回線であるインターネット1を介して顧客の操作する顧客端末装置70が接続されている。また、国内証券会社システム20と現地証券会社システム60とは、国際的な回線会社(回線ベンダー)が管理する第2の通信回線2により接続され、この第2の通信回線2の途中には、この第2の通信回線2を構成する専用線2A,2B,2C,2Dで接続された国内側接続部80と、国内証券会社システム20から受信した顧客の注文データをFIXプロトコルに従ったFIXデータに変換する処理およびその逆方向の変換処理を実行するデータ変換システム81と、FIX接続部82とが設けられている。さらに、現地証券会社システム60には、第3の通信回線である専用線3を介して市場システムである現地取引所システム90が接続されている。なお、現地証券会社システム60は、1カ国だけの設置としてもよいが、本実施形態では、国内証券会社システム20と、複数国(例えば、3カ国)に設置された現地証券会社P,Q,Rの現地証券会社システム60とが、それぞれ第2の通信回線2により接続された構成となっている(図5参照)。
また、国内証券会社システム20には、例えばLANやイントラネット等により形成された第4の通信回線である社内ネットワーク4、または第1の通信回線であるインターネット1を介して第1の金融機関である国内証券会社の発注担当者の操作する担当者端末装置100が接続され、さらに、通信回線5を介して国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110が接続されている。なお、国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110は、社内ネットワーク4またはインターネット1を介して国内証券会社システム20に接続されていてもよい。また、国内証券会社の発注担当者と、国内証券会社のシステム担当者とは、同一人物であってもよい。
さらに、現地証券会社システム60には、通信回線6を介して第2の金融機関である現地証券会社の担当者の操作する担当者端末装置120が接続されている。そして、現地証券会社の担当者の操作する担当者端末装置120と、国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110とは、第1の通信回線であるインターネット1により接続されている。なお、現地証券会社の担当者については、国内証券会社のように発注担当者とシステム担当者とを分けた記載を行っていないが、国内証券会社の担当者端末装置100,110の場合と同様に、発注担当者とシステム担当者との端末装置を分けた構成としてもよい。
国内証券会社システム20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、顧客からの注文データを受け付けて現地証券会社システム60へ転送する通常時の発注処理および回線障害時の対応処理を実行する処理手段20Aと、この処理手段20Aに接続されて通常時の発注処理および回線障害時の対応処理に必要な各種のデータを記憶する記憶手段40とを備えて構成されている。
処理手段20Aは、注文受付処理手段21と、2次注文履歴入力設定処理手段22と、検査データ送受信処理手段23と、回線障害監視処理手段24と、障害対応措置決定処理手段25と、障害対応措置用発注データ作成処理手段26と、ファイル作成処理手段27と、メール送信処理手段28と、障害対応措置実行指令送出処理手段29と、発注処理手段30と、待機時間テーブル入力設定処理手段31とを含んで構成されている。
記憶手段40は、注文データ記憶手段41と、1次注文履歴記憶手段42と、2次注文履歴記憶手段43と、障害対応措置用データ記憶手段44と、ファイル記憶手段45と、待機時間テーブル記憶手段46と、FIXログ翻訳テーブル記憶手段47と、発注データ記憶手段48と、送信メール記憶手段49と、検査データ記憶手段50とを含んで構成されている。また、障害対応措置用データ記憶手段44は、新規発注用注文データ記憶手段44Aと、取消・訂正用データ記憶手段44Bと、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cと、全注文データリスト記憶手段44Dとにより構成されている。
注文受付処理手段21は、顧客端末装置70からインターネット1を介して送信されてくる顧客の注文データ(取消や訂正のための注文データも含む。)を受信するとともに、受信した注文データが新規注文の注文データであれば、その注文データに注文識別情報(注文ID)を付与し、受信した注文データ(取消や訂正のための注文データも含む。)を、注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文データ記憶手段(図2参照)および1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
また、注文受付処理手段21は、現地取引所システム90から送信された注文受付結果データまたは取消完了や訂正完了を示すデータを、現地証券会社システム60から第2の通信回線2を介して受信し、受信した注文受付結果データまたは取消完了や訂正完了を示すデータを、注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文データ記憶手段(図2参照)および1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶させる処理も実行する。
2次注文履歴入力設定処理手段22は、第2の通信回線2に回線障害が発生した後に、国内証券会社のシステム担当者の操作により担当者端末装置110から通信回線5を介して送信されてくる、第2の金融機関システムである現地証券会社システム60に記憶されている顧客の注文データの履歴(本実施形態では、一例として、FIXログ記憶手段62に記憶されているFIXデータのログ)を、2次注文履歴記憶手段43に入力設定して記憶させる処理を実行するものである。
検査データ送受信処理手段23は、回線障害が発生しているか否かを検査するための検査データを第2の通信回線2に繰り返し送信するとともに、第2の通信回線2から回線状態を示すデータを付加されて戻ってくる検査データを受信し、受信した検査データを、検査データ記憶手段50に記憶させる処理を実行するものである。この検査データは、例えばPINGデータ等であり、データの大きさは、例えば、32バイト程度等であり、本実施形態では、検査データは、専用線2A、国内側接続部80、専用線2B、データ変換システム81、専用線2C、FIX接続部82の順に、第2の通信回線2が繋がっている箇所まで進んでいき、FIX接続部82まで到達したところで、専用線2Dの回線状態を示すデータを付加されて戻ってくる。そして、第2の通信回線2が正常に繋がっていれば、国内証券会社システム20に戻ってきて検査データ記憶手段50に記憶された検査データには、成功を示す文字(successful)および時刻(戻ってきた検査データの受信時刻)が付加されており、一方、第2の通信回線2に回線障害が発生していれば、国内証券会社システム20に戻ってきて検査データ記憶手段50に記憶された検査データには、回線障害の発生箇所(場所とclosed)および時刻(戻ってきた検査データの受信時刻)が付加されている。検査データを送信する時間間隔は、例えば1分間隔等であるが、これに限定されるものではない。また、検査データ送受信処理手段23による検査データの送受信処理は、第2の通信回線2に回線障害が発生した後も継続して行われる。
より具体的には、検査データ送受信処理手段23は、第2の通信回線2から戻ってきた検査データを受信し、受信した検査データを、受信時刻に対応付けて検査データ記憶手段50に記憶させる処理を実行する場合と、第2の通信回線2へ送信した検査データが送信時点から所定の制限時間内に戻ってこないときに、回線接続不能を示すデータを、回線接続不能と判断した時点(所定の制限時間を経過した時点)の時刻に対応付けて検査データ記憶手段50に記憶させる処理を実行する場合とがある。通常、第2の通信回線2へ送信した検査データが第2の通信回線2から戻ってくるのは、上述した検査データの送信時間間隔(例えば1分間隔等)に比べ、短い時間であるため、後者の場合の制限時間も、検査データの送信時間間隔(例えば1分間隔等)に比べ、短い時間とすることができる。また、制限時間は、送信時点から、検査データ送受信処理手段23によるタイマーで計測する。
例えば、国内側接続部80、専用線2B、データ変換システム81、専用線2C、またはFIX接続部82のいずれかに障害が発生した場合には、送信された検査データは、国内証券会社システム20に戻ることはないので、検査データ記憶手段50には、ログとして、回線接続不能を示すデータおよび回線接続不能と判断した時点(所定の制限時間を経過した時点)の時刻が記憶され、回線会社に障害があることだけがわかる状態となる。また、専用線2Aに障害が発生した場合も同様である。一方、専用線2Dに障害が発生した場合には、回線会社に障害がないので、データ変換システム81から、専用線2Dの回線状態を示すデータを付加された検査データが国内証券会社システム20に戻ってきて、検査データ記憶手段50には、専用線2Dの回線状態を示すデータおよび時刻(戻ってきた検査データの受信時刻)が付加された状態の検査データが記憶される。
回線障害監視処理手段24は、検査データ送受信処理手段23により受信して検査データ記憶手段50に記憶された最新の検査データ(直近の時点で送信した検査データが戻ってこないときのログも含む。)を受信の都度に参照することにより、第2の通信回線2に回線障害が発生したか否かを監視し、参照した検査データに回線障害ありの回線状態を示すデータ(回線障害の発生箇所)が付加されているか、または検査データが所定の制限時間内に戻ってこない(つまり、回線接続不能を示すデータがログに記憶されている)場合に、回線障害が発生したと判断し、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信を中止させるための処理を実行するとともに、担当者端末装置110にその旨(回線障害が発生した旨)を画面表示して国内証券会社のシステム担当者に知らせる処理を実行するものである。なお、現地証券会社の担当者の操作する担当者端末装置120にもインターネット1を介して直接に回線障害が発生した旨の情報を送信してもよい。また、国内証券会社の発注担当者の操作する担当者端末装置100に社内ネットワーク4またはインターネット1を介して回線障害が発生した旨の情報を送信してもよい。
また、回線障害監視処理手段24は、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信を中止させるための処理として、具体的には、例えば、国内証券会社システム20に設けられた障害フラグ記憶手段(不図示)に記憶された障害フラグを立てる(例えば、回線障害なしのときが「0」で、回線障害ありのときが「1」である場合には、「0」から「1」にする。)処理、または回線正常フラグ記憶手段(不図示)に記憶された回線正常フラグを降ろす処理を実行する。このようなフラグ処理を行うことで、発注データ(但し、ここでは、障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)を作成する処理を実行する発注処理手段30に、障害フラグまたは回線正常フラグを参照させれば、これらのフラグが回線障害ありを示している場合には、発注処理手段30による発注データ(障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)の送信処理を中止することができる。あるいは、発注データ(障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)を作成する処理を実行する発注データ作成処理手段(不図示)に、障害フラグまたは回線正常フラグを参照させれば、これらのフラグが回線障害ありを示している場合には、発注データ作成処理手段(不図示)による発注データ(障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)の作成処理を中止することができる。さらには、注文受付処理手段21に、障害フラグまたは回線正常フラグを参照させれば、これらのフラグが回線障害ありを示している場合には、注文受付処理手段21による顧客の注文データの受付処理を中止することができる。要するに、最終的に、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信処理を中止させることができればよい。
なお、各営業日において、その日の最初に、検査データ送受信処理手段23により検査データを送信し、戻ってきて検査データ記憶手段50に記憶された検査データを、回線障害監視処理手段24により参照し、第2の通信回線2が正常に繋がっていることを確認してから、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信処理を開始するようになっている。また、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信処理を行う際に、毎回、上記のように検査データを送信して第2の通信回線2が正常に繋がっていることを確認することも考えられるが、このように毎回確認した場合でも、確認のための検査データの送信の瞬間と、顧客の注文データの送信の瞬間とは、僅かに異なるため、顧客の注文データの送信の瞬間に、第2の通信回線2が正常に繋がっていることの保証は得られないことから、本実施形態では、毎回の確認をするのではなく、前述したように、所定の時間間隔(例えば1分間隔等)で検査データの送信を行い、回線障害監視処理手段24による定期的な監視処理を行うようにしている。
さらに、回線障害監視処理手段24は、回線障害が発生したと判断し、前述した障害フラグ記憶手段(不図示)に記憶された障害フラグを立てた時点、または回線正常フラグ記憶手段(不図示)に記憶された回線正常フラグを降ろした時点で、検査データ記憶手段50に記憶された検査データを参照することによる監視処理を中止する構成としてもよく、あるいは検査データ記憶手段50に記憶された検査データの参照は継続するものの、既に障害フラグが立っているか、あるいは回線正常フラグが降ろされている場合には、検査データの参照により回線障害が発生していることを検出しても、その後の障害対応措置をとるための処理(障害対応措置決定処理手段25による処理等)への移行を行わない構成としてもよく、いずれの構成とするにせよ、その後の障害対応措置をとるための処理(障害対応措置決定処理手段25による処理等)が重複して行われることはない。
障害対応措置決定処理手段25は、回線障害監視処理手段24により回線障害が発生したと判断した場合に、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴と、2次注文履歴記憶手段43に記憶された顧客の注文データの履歴(但し、本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成した履歴となる。)とを比較照合し、同一の注文識別情報(注文ID)を有する顧客の注文データについての履歴が異なっているときに、これらの履歴を一致させるために必要となる障害対応措置(本実施形態では、新規注文の発注、取消または訂正のための発注、注文受付結果入力のいずれかの措置)を注文識別情報(注文ID)毎に決定し、決定した障害対応措置をとるための障害対応措置用データを作成し、作成した障害対応措置用データを、注文識別情報(注文ID)と関連付けて障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶させる処理を実行するものである。なお、比較照合の対象となる注文履歴は、例えば、回線障害が発生した日の全ての注文履歴(朝からの注文履歴)である。このように回線障害が発生した日の全ての注文履歴(朝からの注文履歴)とするのは、現地証券会社の担当者が、FIXログ記憶手段62からFIXデータのログを取り出して国内証券会社のシステム担当者に渡す際に、ログについて何ら特別の加工作業を行わずに、そのまま取り出して渡すことができるので、作業を迅速に行うことができるうえ、信頼性も向上するからである。
具体的には、障害対応措置決定処理手段25は、FIXログ翻訳テーブル記憶手段47に記憶されたFIXログ翻訳テーブルを用いて、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログを、1次注文履歴記憶手段42(図2参照)に記憶された顧客の注文データの履歴と同じ形式の履歴に変換し、変換して得られた履歴と、1次注文履歴記憶手段42(図2参照)に記憶された顧客の注文データの履歴とを比較照合し、次のような処理を実行する。
すなわち、障害対応措置決定処理手段25は、図9中の(A)に示すように、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴中に、新規注文の注文データが存在し、2次注文履歴記憶手段43に記憶された顧客の注文データの履歴中(本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成された履歴中)に、新規注文の注文データが存在しない場合には、新規注文を発注する障害対応措置が必要と判断し、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された新規注文の注文データを用いて、障害対応措置用データとして新規発注用注文データを作成し、作成した新規発注用注文データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて新規発注用注文データ記憶手段44A(図4参照)に記憶させる処理を実行する。なお、図9中の(A)は、図8のステップS2の送信処理が行われなかった場合の比較照合処理である。
また、障害対応措置決定処理手段25は、図9中の(B)に示すように、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴中に、受け付けられた注文の内容を示す注文受付結果データ(注文を受け付けた現地取引所システム90から送信されてきた注文受付結果データ)が存在せず、2次注文履歴記憶手段43に記憶された顧客の注文データの履歴中(本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成された履歴中)に、注文受付結果データが存在する場合には、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴に注文受付結果データを追加入力して反映させる障害対応措置が必要と判断し、2次注文履歴記憶手段43に記憶された注文受付結果データ(本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成された履歴中の注文受付結果データ)を用いて、障害対応措置用データとして注文受付結果入力用データ(ここでは、新規注文の注文受付結果入力用データ)を作成し、作成した注文受付結果入力用データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文受付結果入力用データ記憶手段44C(図4参照)に記憶させる処理を実行する。なお、図9中の(B)は、図8のステップS5の送信処理が行われなかった場合の比較照合処理である。
さらに、障害対応措置決定処理手段25は、図9中の(F)または(C)に示すように、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴中に、取消または訂正の注文データが存在し、2次注文履歴記憶手段43に記憶された顧客の注文データの履歴中(本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成された履歴中)に、取消または訂正の注文データが存在しない場合には、取消または訂正を行う障害対応措置が必要と判断し、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された取消または訂正の注文データを用いて、障害対応措置用データとして取消用データまたは訂正用データを作成し、作成した取消用データまたは訂正用データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて取消・訂正用データ記憶手段44B(図4参照)に記憶させる処理を実行する。なお、図9中の(F)または(C)は、図8のステップS22,S7の送信処理が行われなかった場合の比較照合処理である。
そして、障害対応措置決定処理手段25は、図9中の(G),(D),または(E)に示すように、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴中に、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データが存在せず、2次注文履歴記憶手段43に記憶された顧客の注文データの履歴中(本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成された履歴中)に、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データが存在する場合には、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴に、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データを追加入力して反映させる障害対応措置が必要と判断し、2次注文履歴記憶手段43に記憶された取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ(本実施形態では、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成された履歴中の取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を用いて、障害対応措置用データとして注文受付結果入力用データ(ここでは、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を作成し、作成した注文受付結果入力用データ(ここでは、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文受付結果入力用データ記憶手段44C(図4参照)に記憶させる処理を実行する。なお、図9中の(G),(D),または(E)は、図8のステップS25,S10,S12の送信処理が行われなかった場合の比較照合処理である。
また、障害対応措置決定処理手段25は、障害対応措置用データとして、新規発注用注文データ記憶手段44Aに記憶させた新規発注用注文データ、取消・訂正用データ記憶手段44Bに記憶させた取消用データまたは訂正用データ、および注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶させた注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を含み、かつ、障害対応措置の必要のない正常に処理された注文データの全てを含む全注文データリストを作成し、作成した全注文データリストを、全注文データリスト記憶手段44Dに記憶させる処理も実行する。
障害対応措置用発注データ作成処理手段26は、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データを用いて、第2の通信回線2を介して第2の金融機関システムである現地証券会社システム60へ送信するための障害対応措置用の発注データを作成し、作成した障害対応措置用の発注データを、発注データ記憶手段48に記憶させる処理を実行するものである。具体的には、障害対応措置用発注データ作成処理手段26は、通常時に顧客の注文データを発注する際の送信ルートと同じ送信ルートを使って発注するための障害対応措置用の発注データとして、新規発注用注文データ記憶手段44A(図4参照)に記憶された新規発注用注文データを用いて、新規注文を行うための発注データを作成し、作成した発注データを、発注データ記憶手段48に記憶させるとともに、取消・訂正用データ記憶手段44B(図4参照)に記憶された取消用データまたは訂正用データを用いて、取消または訂正を行うための発注データを作成し、作成した発注データを、発注データ記憶手段48に記憶させる処理を実行する。
ファイル作成処理手段27は、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データを用いて、障害対応措置用データを格納したファイル(例えばCSV形式のデータのファイル等)を作成し、ファイル記憶手段45に記憶させる処理を実行するものである。本実施形態では、ファイル作成処理手段27は、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)を構成する新規発注用注文データ記憶手段44A、取消・訂正用データ記憶手段44B、注文受付結果入力用データ記憶手段44C、および全注文データリスト記憶手段44Dに記憶された各データを用いて、新規発注用注文データを格納したファイル、取消用データまたは訂正用データを格納したファイル、注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を格納したファイル、および全注文データリストを格納したファイルを作成する処理を実行する。なお、障害対応措置をとるために電子メールに添付して現地証券会社側へ送信するのは、新規発注用注文データを格納したファイル、並びに取消用データまたは訂正用データを格納したファイルであり、残りのファイルは、障害対応措置をとるための電子メールの送信処理には使用しないため、残りのファイルの作成を省略してもよい。但し、顧客からのデータ提出要求等に対応するため、あるいは国内証券会社のデータ管理上の観点等から、注文受付結果入力用データを格納したファイル、および全注文データリストを格納したファイルについても、作成することが好ましい。
メール送信処理手段28は、ファイル作成処理手段27により作成されてファイル記憶手段45に記憶されている、障害対応措置用データを格納したファイルのうち、新規発注用注文データを格納したファイル、並びに取消用データまたは訂正用データを格納したファイルを添付した国内証券会社の発注担当者宛の電子メールを自動作成し、作成した添付ファイル付きの電子メールを、送信メール記憶手段49に記憶させるとともに、送信メール記憶手段49に記憶された添付ファイル付きの電子メールを、第4の通信回線である社内ネットワーク4、または第1の通信回線であるインターネット1を介して国内証券会社の発注担当者の操作する担当者端末装置100へ送信する処理を実行するものである。なお、送信メール記憶手段49に記憶された添付ファイル付きの電子メールの送信処理は、障害対応措置とは無関係の電子メールの送信処理と同様である。また、電子メールの宛先となる国内証券会社の発注担当者のメールアドレスは、図示されない障害対応措置用データ送信先アドレス記憶手段に記憶されている。さらに、現地証券会社の担当者のメールアドレスについても、この障害対応措置用データ送信先アドレス記憶手段(不図示)に記憶しておき、添付ファイル付きの電子メールの宛先に、現地証券会社の担当者のメールアドレスも加え、国内証券会社の発注担当者および現地証券会社の担当者の双方へ、同時送信または別便にて、添付ファイル付きの電子メールを送信する構成としてもよい。
障害対応措置実行指令送出処理手段29は、障害対応措置決定処理手段25による障害対応措置用データの作成後(本実施形態では、さらにファイル作成処理手段27によるファイルの作成後)に、待機時間テーブル記憶手段46(図5参照)に記憶された待機時間テーブルを用いて、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データのうち電子メールによる送信対象となる障害対応措置用データの数(新規発注用注文データの数と、取消用データまたは訂正用データの数との合計数であり、1つの注文IDを1と数える。)および回線障害が発生した第2の通信回線2で接続されている現地証券会社システム60の識別情報から、対応する待機時間を取得し、検査データ送受信処理手段23により受信されて検査データ記憶手段50に記憶されている検査データを、受信の都度に参照して当該検査データに回線障害なしの回線状態を示すデータ(成功を示す文字)が付加されているか否かにより回線障害が復旧したか否かを繰り返し判断し、回線障害監視処理手段24により回線障害が発生したと判断した時点、または障害対応措置決定処理手段25による障害対応措置用データの作成が完了した時点若しくはファイル作成処理手段27によるファイルの作成が完了した時点から、取得した待機時間が経過する時点まで回線障害が復旧しなかった場合と、取得した待機時間が経過する時点までに回線障害が復旧した場合とに分けて、次のような障害対応措置をとるための処理を実行するものである。
すなわち、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、取得した待機時間が経過する時点まで回線障害が復旧しなかった場合には、メール送信処理手段49に対して電子メールの送信処理を実行させる指令を送るとともに、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶された注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を用いて、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴のうち、注文受付結果入力用データに含まれる注文識別情報(注文ID)と同一の注文識別情報(注文ID)を有する顧客の注文データの履歴に、注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を追加入力し、かつ、注文データ記憶手段41(図2参照)に注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を入力する処理を実行する。
また、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、取得した待機時間が経過する時点までに回線障害が復旧した場合には、回線障害が復旧したと判断した時点で、障害対応措置用発注データ作成処理手段26に対して障害対応措置用の発注データ(新規注文、取消または訂正を行うための発注データ)の作成処理を実行させる指令を送るとともに、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶された注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を用いて、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴のうち、注文受付結果入力用データに含まれる注文識別情報(注文ID)と同一の注文識別情報(注文ID)を有する顧客の注文データの履歴に、注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を追加入力し、かつ、注文データ記憶手段41(図2参照)に注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を入力する処理を実行する。
ここで、待機時間が経過したか否かを判断する際には、待機時間のカウント開始時点である回線障害監視処理手段24により回線障害が発生したと判断した時点、または障害対応措置決定処理手段25による障害対応措置用データの作成が完了した時点若しくはファイル作成処理手段27によるファイルの作成が完了した時点から、タイマーによる計時処理を行ってもよく、あるいは待機時間のカウント開始時点の時刻を待機時間開始時刻記憶手段に記憶させておき、この待機時間開始時刻記憶手段に記憶された時刻と、復旧したか否かの判断時点の時刻とを比較してもよい。
なお、取得した待機時間が経過する時点まで回線障害が復旧しなかった場合に、メール送信処理手段49に対してではなく、ファイル作成処理手段27に対して電子メールに添付するためのファイルの作成処理を実行させる指令を送る構成としてもよく、このような構成とした場合には、電子メールの送信処理により障害対応措置をとるという選択が行われた後に、ファイル作成処理手段27によるファイルの作成処理、およびメール送信処理手段49による添付ファイル付きの電子メールの作成および送信処理が連続して行われることになる。また、取得した待機時間が経過する時点までに回線障害が復旧した場合に、障害対応措置用発注データ作成処理手段26に対して障害対応措置用の発注データの作成処理を実行させる指令を送ると、作成された障害対応措置用の発注データが発注データ記憶手段48に記憶され、発注データ記憶手段48に記憶された障害対応措置用の発注データについて発注処理手段30による送信処理が自動的に行われることになる。
さらに、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、回線障害が復旧していると判断した場合には、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信を再開させるための処理を実行する。ここで、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、再開させるための処理として、具体的には、例えば、国内証券会社システム20に設けられた障害フラグ記憶手段(不図示)に記憶された障害フラグを降ろす(例えば、回線障害なしのときが「0」で、回線障害ありのときが「1」である場合には、「1」から「0」にする。)処理、または回線正常フラグ記憶手段(不図示)に記憶された回線正常フラグを立てる処理を実行する。このようなフラグ処理を行うことで、発注データ(但し、ここでは、障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)を作成する処理を実行する発注処理手段30に、障害フラグまたは回線正常フラグを参照させれば、これらのフラグが回線障害なしを示した場合には、発注処理手段30による発注データ(障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)の送信処理を再開することができる。あるいは、発注データ(障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)を作成する処理を実行する発注データ作成処理手段(不図示)に、障害フラグまたは回線正常フラグを参照させれば、これらのフラグが回線障害なしを示した場合には、発注データ作成処理手段(不図示)による発注データ(障害対応措置用の発注データではなく、通常の発注データ)の作成処理を再開することができる。さらには、注文受付処理手段21に、障害フラグまたは回線正常フラグを参照させれば、これらのフラグが回線障害なしを示した場合には、注文受付処理手段21による顧客の注文データの受付処理を再開することができる。要するに、最終的に、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信処理を再開させることができればよい。
発注処理手段30は、発注データ記憶手段48に記憶された障害対応措置用の発注データおよび通常時の発注データ(新規注文、取消または訂正のための発注データ)を、第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ送信するとともに、現地証券会社システム60から第2の通信回線2を介して送信されてくる約定データを受信し、受信した約定データを、注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文データ記憶手段(図2参照)および1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
待機時間テーブル入力設定処理手段31は、国内証券会社の発注担当者の操作する担当者端末装置100からの社内ネットワーク4またはインターネット1を介しての待機時間テーブルの構成データの入力設定、または国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110からの通信回線5を介しての待機時間テーブルの構成データの入力設定を受け付け、入力設定されたデータを、待機時間テーブル記憶手段46(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
注文データ記憶手段41は、図2に示すように、顧客識別情報である顧客コードと、注文識別情報である注文IDと、市場識別情報である市場コードと、銘柄識別情報である銘柄コードと、売買区分と、指値注文の場合の指値と、数量(株式の場合には、株数)と、注文の現在の処理状態を示すステータスと、現地取引所システム90から送信された注文受付結果データ(現地取引所が受け付けた注文の内容を示すデータであり、指値、数量等が含まれる。)と、現地取引所システム90から送信された約定データ(現地取引所で取引が成立した注文の約定内容を示すデータであり、約定単価、約定数量等が含まれる。)とを含む注文データを記憶するものである。
ここで、注文データ記憶手段41のステータスには、例えば、未処理、発注中、発注済、訂正、訂正完了、訂正失敗、取消、取消完了、取消失敗等を示すデータがある。なお、本実施形態では、現地取引所で注文受付がなされたか否かを示すデータ、および約定したか否かを示すデータは、ステータスになっておらず、注文受付がなされたか否かおよび約定したか否かは、これらの内容を示す注文受付結果データ、および約定データの格納の有無で判断することができるようになっている。
1次注文履歴記憶手段42は、図3に示すように、顧客識別情報である顧客コードと、注文識別情報である注文IDと、市場識別情報である市場コードと、銘柄識別情報である銘柄コードと、売買区分と、単価(指値注文の場合の指値、または約定単価)と、数量(株式の場合には、株数)と、注文履歴の構成レコードの種別を示すステータスと、同一の注文識別情報(注文ID)について履歴が形成された順番を示す履歴番号と、注文識別情報(注文ID)とは無関係に全ての顧客の全ての注文について履歴が形成された順番を示す履歴通番とを対応させて記憶するものである。
ここで、1次注文履歴記憶手段42のステータスには、例えば、新規注文、注文受付、訂正、訂正完了、取消、取消完了、約定等を示すデータがある。図8には、注文履歴の形成の流れが、これらのステータスとともに示されている。また、図9に示された国内と現地との注文履歴の比較照合処理の詳細説明図においては、これらのステータスおよび履歴番号が示されている。
2次注文履歴記憶手段43は、2次注文履歴入力設定処理手段22により入力設定された、第2の金融機関システムである現地証券会社システム60における顧客の注文データの履歴(本実施形態では、FIXログ記憶手段62に記憶されたFIXデータのログとなる。)を記憶するものである。ここで、FIXデータとは、FIX(Financial−Information−eXchange)プロトコルと称される、証券会社等のシステム間で取引を電子的に統一的な仕様で実現するためのプロトコルに従ったデータであり、データの長さ、データの種別(受付、約定等)、データ番号、送信時間、データ送信先会社、データ送信元会社、データの最後部、注文識別情報(注文ID)、銘柄コード、注文数量、売買区分、指値・成行の別、値段(単価)、システム発注時間、取引所、通貨等の情報を含むものである。
障害対応措置用データ記憶手段44は、図4に示すように、新規発注用注文データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて記憶する新規発注用注文データ記憶手段44Aと、取消用データまたは訂正用データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて記憶する取消・訂正用データ記憶手段44Bと、注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を注文識別情報(注文ID)と関連付けて記憶する注文受付結果入力用データ記憶手段44Cと、正常に処理された注文も含めて全ての注文データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて記憶する全注文データリスト記憶手段44Dとにより構成されている。いずれの記憶手段44A,44B,44C,44Dも、顧客識別情報である顧客コードと、注文識別情報である注文IDと、市場識別情報である市場コードと、銘柄識別情報である銘柄コードと、売買区分と、単価(指値注文の場合の指値、または約定単価)と、数量(株式の場合には、株数)と、必要な障害対応措置の種別を示すステータスとを対応させて記憶するものであり、ステータスが異なっているだけである。新規発注用注文データ記憶手段44Aのステータスには、新規注文の発注が必要であることを示すデータが記憶され、取消・訂正用データ記憶手段44Bのステータスには、取消または訂正が必要であることを示すデータが記憶され、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cのステータスには、注文受付結果データの入力が必要であることを示すデータ、取消完了の入力が必要であることを示すデータ、訂正完了の入力が必要であることを示すデータ、または約定データの入力が必要であることを示すデータが記憶され、全注文データリスト記憶手段44Dのステータスには、他の記憶手段44A,44B,44Cのステータスに記憶されたものと同じステータスが記憶されるとともに、正常に処理された注文であることを示すデータ(但し、正常な場合は、空欄またはNULLとしてもよい。)も記憶される。
ファイル記憶手段45は、ファイル作成処理手段27により作成された、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データを格納したファイル(例えばCSV形式のデータのファイル等)を、障害対応措置の種別毎に分けて記憶するもの、すなわち新規発注用注文データ記憶手段44Aに記憶された新規発注用注文データを格納したファイルと、取消・訂正用データ記憶手段44Bに記憶された取消用データまたは訂正用データを格納したファイルと、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶された注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を格納したファイルと、全注文データリスト記憶手段44Dに記憶された全注文データリストを格納したファイルとに分けて記憶するものである。
待機時間テーブル記憶手段46は、図5に示すように、待機時間と障害対応措置用データの数(新規発注用注文データの数と、取消用データまたは訂正用データの数との合計数であり、1つの注文IDを1と数える。)の範囲との対応関係、および待機時間と第2の金融機関システムである現地証券会社システム60の識別情報との対応関係を定める待機時間テーブルを記憶するものである。
FIXログ翻訳テーブル記憶手段47は、FIXデータのログを1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴と同じ形式の履歴に変換するためのルール、すなわちFIXデータの構成データと、国内証券会社で取り扱う形式の注文データの構成データとの対応関係(FIXデータの何番目のデータが、国内証券会社で取り扱う形式の注文データの何番目のデータに対応しているか)を定めるFIXログ翻訳テーブルを記憶するものである。
発注データ記憶手段48は、発注処理手段30により第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ送信される対象となる発注データ(顧客識別情報である顧客コード、注文識別情報である注文ID、市場識別情報である市場コード、銘柄識別情報である銘柄コード、売買区分、指値注文の場合の指値、数量(株式の場合には、株数)、および新規注文、取消、訂正のいずれの種別の注文なのかを示すデータを含む。)を記憶するものである。この発注データ記憶手段48に記憶される発注データには、障害対応措置用発注データ作成処理手段26により作成された障害対応措置用の発注データと、障害対応措置とは関係ない通常時の発注データ(新規注文、取消または訂正のための発注データ)とがある。
送信メール記憶手段49は、メール送信処理手段28により作成した添付ファイル付きの電子メール(新規発注用注文データを格納したファイル、並びに取消用データまたは訂正用データを格納したファイルを添付した国内証券会社の発注担当者宛の電子メール)を記憶するものである。
検査データ記憶手段50は、検査データ送受信処理手段23により受信した検査データを蓄積記憶するものである。
そして、国内証券会社システム20の処理手段20Aに含まれる各処理手段21〜31は、国内証券会社システム20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、国内証券会社システム20の記憶手段40に含まれる各記憶手段41〜50は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、国内証券会社システム20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
現地証券会社システム60は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、FIX接続部ゲートウェイ61と、このFIX接続部ゲートウェイ61を通過するFIXデータのログを記憶するFIXログ記憶手段62と、データ変換システム81から送信されてくるFIXデータを用いて専用線3を介して現地取引所システム90への発注処理を実行する注文管理発注システム63とを備えて構成されている。なお、注文管理発注システム63には、国内証券会社システム20の注文データ記憶手段41(図2参照)に記憶されているような注文の最新状態は記憶されているが、国内証券会社システム20の1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶されているような注文履歴は記憶されていない。従って、注文管理発注システム63には、例えば、注文内容の訂正があった場合には、訂正後の状態だけが記憶され、訂正前の状態は残っていない。
そして、FIXログ記憶手段62は、例えば、ハードディスク、EEPROM、フラッシュ・メモリ、MO、CD−RW、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
また、注文管理発注システム63は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、注文の管理および現地取引所システム90への発注処理を実行する処理手段と、注文の最新状態を記憶する記憶手段(国内証券会社システム20の注文データ記憶手段41(図2参照)に相当するもの)とを備えている。処理手段は、CPUおよびこのCPUの動作手順を規定するプログラムにより実現され、記憶手段は、ハードディスク等により構成されている。
顧客端末装置70および担当者端末装置100,110,120は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段と、印刷手段とを備え、Webブラウザおよびメーラー(電子メール閲覧用プログラム)が搭載されている。
現地取引所システム90は、コンピュータにより構成され、海外に設置されて有価証券の売買取引を行うシステムである。本実施形態では、複数国に現地証券会社P,Q,Rの現地証券会社システム60が設置されている構成をとっているので(図5参照)、現地取引所システム90についても、複数国に設置されているものとする。
なお、以上に述べた発注処理システム10は、通常時における有価証券の売買注文に関する処理を行う部分と、回線障害の発生の監視および回線障害が発生した場合のリカバリ処理を行う部分とが混在した状態となっているが、以上で説明した構成は、何らかの意味で回線障害に関する処理に繋がっている。従って、発注処理システム10の構成の全体、特に国内証券会社システム20の構成の全体が、本発明の障害回線処理システムに該当するものとなっている。
このような本実施形態においては、以下のようにして発注処理システム10のうち障害回線処理システムに該当する部分により、回線障害の発生の監視および回線障害が発生した場合のリカバリ処理が行われる。
先ず、回線障害発生時のリカバリ処理(障害対応措置をとるための処理)は、回線障害が発生した際の注文の状態によって異なるので、どのような注文の状態で回線障害が発生すると、どのようなリカバリ処理が必要となるのかを示すため、国内および現地の注文履歴の形成の流れの概略について説明する。
図8において、顧客端末装置70、第1の通信回線であるインターネット1、国内証券会社システム20、第2の通信回線2、現地証券会社システム60、第3の通信回線である専用線3、現地取引所システム90の順に、顧客の注文データの送信ルートが形成されている場合(図1参照)に、顧客が、顧客端末装置70で新規注文の注文データを入力すると、この注文データは、インターネット1を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS1)、国内証券会社システム20で「新規注文」が履歴に入力され、続いて、注文データは、国内証券会社システム20から第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS2)、現地証券会社システム60で「新規注文」が履歴に入力され、さらに、注文データは、専用線3を介して現地取引所システム90へ送信される(ステップS3)。その後、受け付けた注文の内容を示す注文受付結果データが、現地取引所システム90から専用線3を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS4)、現地証券会社システム60で「注文受付」が履歴に追加入力され、続いて、注文受付結果データは、現地証券会社システム60から第2の通信回線2を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS5)、国内証券会社システム20で「注文受付」が履歴に追加入力される。
なお、第2の通信回線2では、国内証券会社システム20から現地証券会社システム60へ送信される注文データについては、データ変換システム81によりFIXデータの形式への変換処理が行われ、逆方向に送信される注文受付結果データについては、国内証券会社システム20の取扱い形式への変換処理が行われる。以下においても、データ変換システム81による同様なデータの形式変換が行われるが、説明は省略する。また、現地証券会社システム60の履歴は、本実施形態では、FIXログ記憶手段62に蓄積保存されたFIXデータのログであるが、障害対応措置決定処理手段25による国内と現地との履歴の比較照合処理の際に、FIXログ翻訳テーブル記憶手段47に記憶されたFIXログ翻訳テーブルを用いたデータ形式の変換処理が行われるので、ここでは、国内および現地の注文履歴のデータ形式の相違までは言及しないものとする。
それから、顧客が、顧客端末装置70で訂正の注文データを入力すると、この訂正の注文データは、インターネット1を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS6)、国内証券会社システム20で「訂正」が履歴に追加入力され、続いて、訂正の注文データは、国内証券会社システム20から第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS7)、現地証券会社システム60で「訂正」が履歴に追加入力され、さらに、訂正の注文データは、専用線3を介して現地取引所システム90へ送信される(ステップS8)。その後、訂正完了を示すデータが、現地取引所システム90から専用線3を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS9)、現地証券会社システム60で「訂正完了」が履歴に追加入力され、続いて、訂正完了を示すデータは、現地証券会社システム60から第2の通信回線2を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS10)、国内証券会社システム20で「訂正完了」が履歴に追加入力される。
そして、現地取引所システム90で顧客の注文に係る取引が約定すると、約定データが、現地取引所システム90から専用線3を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS11)、現地証券会社システム60で「約定」が履歴に追加入力され、続いて、約定データは、現地証券会社システム60から第2の通信回線2を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS12)、国内証券会社システム20で「約定」が履歴に追加入力される。
また、顧客が、顧客端末装置70で取消の注文データを入力すると、この取消の注文データは、インターネット1を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS21)、国内証券会社システム20で「取消」が履歴に追加入力され、続いて、取消の注文データは、国内証券会社システム20から第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS22)、現地証券会社システム60で「取消」が履歴に追加入力され、さらに、取消の注文データは、専用線3を介して現地取引所システム90へ送信される(ステップS23)。その後、取消完了を示すデータが、現地取引所システム90から専用線3を介して現地証券会社システム60へ送信され(ステップS24)、現地証券会社システム60で「取消完了」が履歴に追加入力され、続いて、取消完了を示すデータは、現地証券会社システム60から第2の通信回線2を介して国内証券会社システム20へ送信され(ステップS25)、国内証券会社システム20で「取消完了」が履歴に追加入力される。
例えば、図3の1次注文履歴記憶手段42に記憶された国内証券会社システム20における1次注文履歴の数値例は、大和太郎による注文ID=T0001の注文については、上記のステップS5までが行われ、大和花子による注文ID=T0002の注文については、上記のステップS12までが行われ(但し、訂正はない。)、大和二郎による注文ID=T0003の注文については、上記のステップS6までが行われ、大和桃子による注文ID=T0004の注文については、上記のステップS12までが行われ、大和一郎による注文ID=T0005の注文については、上記のステップS10までが行われた状態を示している。また、図2の注文データ記憶手段41に記憶された注文データの数値例は、図3の数値例に対応している。
以上のようにして国内証券会社システム20および現地証券会社システム60の双方で注文履歴が形成されるが、この際、第2の通信回線2で回線障害が発生すると、上記の図8の処理のうち、ステップS2,S5,S7,S10,S12,S22,S25の送信処理が妨げられることになる。その結果、国内および現地の注文履歴は、前述した障害対応措置決定処理手段25の機能説明で詳述したように、図9中の(A)〜(G)に示すような不正常な状態となるので、以下のようにして回線障害の発生の監視処理および回線障害が発生した場合のリカバリ処理(障害対応措置をとるための処理)を行うことが必要となる。
図10において、国内証券会社システム20で回線障害に関する一連の処理を開始する(ステップS31)。先ず、国内証券会社のシステム担当者が、担当者端末装置110を操作し、通信回線5を介して待機時間テーブルの構成データを入力するか、または国内証券会社の発注担当者が、担当者端末装置100を操作し、社内ネットワーク4またはインターネット1を介して待機時間テーブルの構成データを入力し、待機時間テーブル入力設定処理手段31により、この入力された待機時間テーブルの構成データを受け付けて待機時間テーブル記憶手段46(図5参照)に記憶させる。
また、回線障害監視処理手段24により回線障害の発生の監視処理を行うにあたり、図10中での図示は省略されているが、検査データ送受信処理手段23により、回線障害が発生しているか否かを検査するための検査データを、例えば1分間隔等の所定の時間間隔で第2の通信回線2に繰り返し送信するとともに、第2の通信回線2から回線状態を示すデータを付加されて戻ってくる検査データを順次受信し、受信した検査データを、検査データ記憶手段50に蓄積保存していく。この検査データ送受信処理手段23による検査データの送受信処理および検査データ記憶手段50への蓄積保存処理は、第2の通信回線2に回線障害が発生した後も継続して行われ、後述するステップS39の障害対応措置実行指令送出処理手段29による回線障害が復旧したか否かの判断処理に利用される。
そして、検査データ送受信処理手段23による検査データの送信処理、受信処理、および検査データ記憶手段50への蓄積保存処理と並行して、回線障害監視処理手段24により回線障害の発生の監視処理を行う。具体的には、回線障害監視処理手段24により、検査データ記憶手段50に記憶された最新の検査データ、すなわち最も直近の時点で受信された検査データを読み込み(ステップS32)、この検査データを参照することにより、第2の通信回線2に回線障害が発生したか否かを判断し(ステップS33)、回線障害が発生していないと判断した場合には、ステップS32に戻り、次に受信された最新の検査データの読込処理を行い、以降、回線障害が発生したと判断するまで、ステップS32,S33の監視処理を繰り返す。
なお、ステップS33での回線障害が発生したか否かの判断処理は、検査データ記憶手段50から読み込んだ検査データに、成功を示す文字(successful)が付加されている場合には、回線障害が発生していないと判断し、検査データ記憶手段50から読み込んだ検査データに、回線障害の発生箇所(場所とclosed)および受信時刻が付加されている場合、または検査データ記憶手段50から読み込んだログが、回線接続不能を示すデータおよび回線接続不能と判断した時点(所定の制限時間を経過した時点)の時刻である場合(第2の通信回線2へ送信した検査データが送信時点から所定の制限時間内に戻ってこない場合)には、回線障害が発生したと判断する処理である。また、本実施形態では、複数国に現地証券会社システム60が設置され、第2の通信回線2が複数あるので(図5参照)、いずれの第2の通信回線2に送信した検査データにより回線障害が発生したと判断したのかにより、通信が遮断された現地証券会社システム60を特定するか、または検査データに付加された回線障害の発生箇所(場所とclosed)を参照することにより、通信が遮断された現地証券会社システム60を特定する。ここで特定した現地証券会社システム60の識別情報は、後述するステップS40の処理で用いる待機時間を、待機時間テーブル記憶手段46(図5参照)に記憶された待機時間テーブルから取得する際に用いられる。
一方、ステップS33で、回線障害が発生したと判断した場合には、回線障害監視処理手段24により、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信を中止させるための処理を実行するとともに、担当者端末装置110にその旨(回線障害が発生した旨)を画面表示して国内証券会社のシステム担当者に知らせる。これにより、国内証券会社のシステム担当者は、現地証券会社の担当者へ電話等により回線障害の発生を連絡し、現地証券会社の担当者は、この連絡を受けて、担当者端末装置120を操作してFIXログ記憶手段62からFIXデータのログを取得し、取得したFIXデータのログを格納したファイル(例えばCSV形式のデータを格納したファイル等)を作成し、作成したファイルを電子メールに添付し、このファイルを添付した電子メールを、担当者端末装置120から、インターネット1を介して国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110へ送信する。国内証券会社のシステム担当者は、担当者端末装置110で、電子メールにより受け取ったファイルに格納されたFIXデータのログを入力設定する操作を行い、2次注文履歴入力設定処理手段22により、この入力設定操作が受け付けられてFIXデータのログが2次注文履歴記憶手段43に記憶される(ステップS34)。
続いて、障害対応措置決定処理手段25により、FIXログ翻訳テーブル記憶手段47に記憶されたFIXログ翻訳テーブルを用いて、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログを、1次注文履歴記憶手段42(図2参照)に記憶された顧客の注文データの履歴(国内証券会社システム20における1次注文履歴)と同じ形式の履歴に変換することにより、現地証券会社システム60における2次注文履歴を作成する(ステップS35)。
それから、障害対応措置決定処理手段25により、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された1次注文履歴と、2次注文履歴記憶手段43に記憶されたFIXデータのログから作成した2次注文履歴とを比較照合し、同一の注文識別情報(注文ID)を有する顧客の注文データについての履歴が異なっているときに、これらの履歴を一致させるために必要となる障害対応措置を注文識別情報(注文ID)毎に決定し、決定した障害対応措置をとるための障害対応措置用データを作成し、作成した障害対応措置用データを、障害対応措置の種別毎に分けて、注文識別情報(注文ID)と関連付けて障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶させる(ステップS36)。
より詳細には、本実施形態では、障害対応措置決定処理手段25により、障害対応措置として、新規注文の発注と、取消または訂正のための発注と、注文受付結果入力(新規注文の注文受付結果の入力のみならず、取消完了または訂正完了の入力、約定結果の入力を含む。)とのうち、いずれの措置が必要であるかを決定する。そして、前述した図9中の(A)の状態の場合(図8のステップS2の送信処理が行われなかった場合)には、障害対応措置決定処理手段25により、新規注文の発注を行う障害対応措置が必要と判断し、障害対応措置用データとして、新規発注用注文データを作成し、作成した新規発注用注文データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて新規発注用注文データ記憶手段44A(図4参照)に記憶させる(ステップS36)。
また、前述した図9中の(B)の状態の場合(図8のステップS5の送信処理が行われなかった場合)には、障害対応措置決定処理手段25により、新規注文の注文受付結果データを1次注文履歴へ追加入力する障害対応措置が必要と判断し、障害対応措置用データとして、注文受付結果入力用データ(ここでは、新規注文の注文受付結果入力用データ)を作成し、作成した注文受付結果入力用データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文受付結果入力用データ記憶手段44C(図4参照)に記憶させる(ステップS36)。
さらに、前述した図9中の(F)または(C)の状態の場合(図8のステップS22,S7の送信処理が行われなかった場合)には、障害対応措置決定処理手段25により、取消または訂正を行う障害対応措置が必要と判断し、障害対応措置用データとして、取消用データまたは訂正用データを作成し、作成した取消用データまたは訂正用データを注文識別情報(注文ID)と関連付けて取消・訂正用データ記憶手段44B(図4参照)に記憶させる(ステップS36)。
そして、前述した図9中の(G),(D),または(E)の状態の場合(図8のステップS25,S10,S12の送信処理が行われなかった場合)には、障害対応措置決定処理手段25により、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データを1次注文履歴へ追加入力する障害対応措置が必要と判断し、障害対応措置用データとして、注文受付結果入力用データ(ここでは、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を作成し、作成した注文受付結果入力用データ(ここでは、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を注文識別情報(注文ID)と関連付けて注文受付結果入力用データ記憶手段44C(図4参照)に記憶させる(ステップS36)。
また、障害対応措置決定処理手段25により、障害対応措置用データとして、新規発注用注文データ記憶手段44Aに記憶させた新規発注用注文データ、取消・訂正用データ記憶手段44Bに記憶させた取消用データまたは訂正用データ、および注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶させた注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を含み、かつ、障害対応措置の必要のない正常に処理された注文データの全てを含む全注文データリストを作成し、作成した全注文データリストを、全注文データリスト記憶手段44Dに記憶させる(ステップS36)。
その後、ファイル作成処理手段27により、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データを用いて、障害対応措置用データを格納したファイル(例えばCSV形式のデータのファイル等)を作成し、ファイル記憶手段45に記憶させる(ステップS37)。より詳細には、ファイル作成処理手段27により、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)を構成する新規発注用注文データ記憶手段44A、取消・訂正用データ記憶手段44B、注文受付結果入力用データ記憶手段44C、および全注文データリスト記憶手段44Dに記憶された各データを用いて、新規発注用注文データを格納したファイル、取消用データまたは訂正用データを格納したファイル、注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を格納したファイル、および全注文データリストを格納したファイルを作成する。
続いて、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、待機時間テーブル記憶手段46(図5参照)に記憶された待機時間テーブルを用いて、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データのうち電子メールによる送信対象となる障害対応措置用データの数(新規発注用注文データの数と、取消用データまたは訂正用データの数との合計数であり、1つの注文IDを1と数える。)および回線障害が発生した第2の通信回線2で接続されている現地証券会社システム60の識別情報から、対応する待機時間を取得する。例えば、新規発注用注文データ記憶手段44Aに記憶された新規発注用注文データの数と、取消・訂正用データ記憶手段44Bに記憶された取消用データまたは訂正用データの数との合計数が、500件以上であり、第2の通信回線2の回線障害により国内証券会社システム20との通信を遮断された現地証券会社システム60が、現地証券会社Pであれば、図5の例の待機時間テーブルでは、待機時間は、10分間となる。
それから、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、検査データ記憶手段50に記憶されている最新の検査データを読み込み(ステップS38)、読み込んだ検査データに回線障害なしの回線状態を示すデータ(成功を示す文字)が付加されているか否かにより回線障害が復旧したか否かを判断し(ステップS39)、回線障害が復旧していないと判断した場合には、待機時間が経過したか否かを判断し(ステップS40)、待機時間が経過していないと判断した場合には、再び、ステップS38に戻り、次に受信した最新の検査データを読み込み、以降、回線障害が復旧したと判断されるか、または待機時間が経過するまで、ステップS38〜S40の処理を繰り返す。
そして、ステップS40で、待機時間が経過したと判断した場合には、第2の通信回線2の回線障害が復旧していないために通常時の送信ルートを使っての発注処理は行えないことから、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、図7に示すような回線が即時復旧しない場合の処理を実行する。
すなわち、国内証券会社システム20内で処理することができる障害対応措置として、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶された注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を用いて、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴のうち、注文受付結果入力用データに含まれる注文識別情報(注文ID)と同一の注文識別情報(注文ID)を有する顧客の注文データの履歴に、注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を追加入力し、かつ、注文データ記憶手段41(図2参照)に注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を入力する処理を実行する。
また、現地証券会社システム60での処理が必要となる障害対応措置として、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、メール送信処理手段49に対して電子メールの送信処理を実行させる指令を送る。
続いて、メール送信処理手段28により、障害対応措置実行指令送出処理手段29からの指令を受け取ると、前述したステップS37でファイル作成処理手段27により作成されてファイル記憶手段45に記憶されている、障害対応措置用データを格納したファイルのうち、新規発注用注文データを格納したファイル、並びに取消用データまたは訂正用データを格納したファイルを添付した国内証券会社の発注担当者宛の電子メールを自動作成し、作成した添付ファイル付きの電子メールを、送信メール記憶手段49に記憶させる(図10のステップS41、図7参照)。
それから、メール送信処理手段28により、送信メール記憶手段49に記憶された添付ファイル付きの電子メールを、第4の通信回線である社内ネットワーク4、または第1の通信回線であるインターネット1を介して国内証券会社の発注担当者の操作する担当者端末装置100へ送信する(図10のステップS42、図7参照)。
国内証券会社の発注担当者は、担当者端末装置100で、電子メールに添付されたファイルの内容を参照し、必要な障害対応措置を把握すると、電話やファクシミリ等により、現地証券会社の担当者に対し、必要な障害対応措置をとるように連絡する。また、この連絡は、ファイルを添付した電子メールを、インターネット1を介して現地証券会社の担当者の操作する担当者端末装置120へ送信することにより行ってもよい。
続いて、現地証券会社の担当者は、国内証券会社の発注担当者からの連絡を受け、必要な障害対応措置を把握すると、担当者端末装置120を操作し、注文管理発注システム63から専用線3を介して現地取引所システム90へ発注データを送信することにより、必要な障害対応措置をとる。
一方、ステップS39で、回線障害が復旧したと判断した場合には、通常時の送信ルートを使っての発注処理が可能となることから、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、図6に示すような回線が即時復旧した場合の処理を実行する。
すなわち、国内証券会社システム20内で処理することができる障害対応措置として、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、注文受付結果入力用データ記憶手段44Cに記憶された注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)を用いて、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴のうち、注文受付結果入力用データに含まれる注文識別情報(注文ID)と同一の注文識別情報(注文ID)を有する顧客の注文データの履歴に、注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を追加入力し、かつ、注文データ記憶手段41(図2参照)に注文受付結果データ(新規注文の注文受付結果データ、取消完了を示すデータ、訂正完了を示すデータ、または約定データ)を入力する処理を実行する。
また、現地証券会社システム60での処理が必要となる障害対応措置として、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、障害対応措置用発注データ作成処理手段26に対して障害対応措置用の発注データの作成処理を実行させる指令を送る。
続いて、障害対応措置用発注データ作成処理手段26により、障害対応措置実行指令送出処理手段29からの指令を受け取ると、障害対応措置用データ記憶手段44(図4参照)に記憶された障害対応措置用データを用いて、第2の通信回線2を介して第2の金融機関システムである現地証券会社システム60へ送信するための障害対応措置用の発注データを作成し、作成した障害対応措置用の発注データを、発注データ記憶手段48に記憶させる(図10のステップS43、図6参照)。
より詳細には、障害対応措置用発注データ作成処理手段26により、通常時に顧客の注文データを発注する際の送信ルートと同じ送信ルートを使って発注するための障害対応措置用の発注データとして、新規発注用注文データ記憶手段44A(図4参照)に記憶された新規発注用注文データを用いて、新規注文を行うための発注データを作成し、作成した発注データを、発注データ記憶手段48に記憶させるとともに、取消・訂正用データ記憶手段44B(図4参照)に記憶された取消用データまたは訂正用データを用いて、取消または訂正を行うための発注データを作成し、作成した発注データを、発注データ記憶手段48に記憶させる(図10のステップS43、図6参照)。
それから、発注処理手段30により、発注データ記憶手段48に記憶された障害対応措置用の発注データを、第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ送信する(図10のステップS44、図6参照)。この障害対応措置用の発注データの送信処理は、通常時の発注データの送信処理と同様にして行われ、また、現地証券会社システム60を通過した後の処理も通常時と同様である。
また、回線障害が復旧したと判断した場合には、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、障害フラグ記憶手段(不図示)に記憶された障害フラグを降ろすか、または回線正常フラグ記憶手段(不図示)に記憶された回線正常フラグを立て、第2の通信回線2を介して現地証券会社システム60へ顧客の注文データを送信する処理(障害対応措置用の発注データの送信処理のことではなく、通常の発注データの送信処理のことである。)を再開させる。以上により、回線障害に関する一連の処理を終了する(図10のステップS45)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、回線障害処理システムの機能を備えた発注処理システム10は、国内証券会社システム20と現地証券会社システム60とを接続する第2の通信回線2で回線障害が発生した場合の障害対応措置をとるにあたり、障害対応措置をとるためのデータについての国内証券会社から現地証券会社への伝達を、電子メールの送信処理で行うか、あるいは第2の通信回線2を介して通常時における注文データの送信ルートを使って行うかを、障害対応措置決定処理手段25による障害対応措置用データの作成後に、障害対応措置実行指令送出処理手段29により、検査データを参照して回線障害が復旧しているか否かを判断して選択決定することができる。従って、障害対応措置実行指令送出処理手段29による復旧の有無の判断時に、第2の通信回線2の回線障害が復旧していれば、障害対応措置をとるためのデータを、通常時における注文データの送信ルートを使って送信することができるので、人手を介さないシステム処理での障害対応措置を実現することができる。このため、障害対応措置をとるためのデータについての国内証券会社から現地証券会社への伝達を、一律に、電子メールの送信処理で行うと定めておく場合に比べ、通常時における注文データの送信ルートを使った送信処理の実行の可能性を追求し、人手を介した障害対応措置をなるべく避ける選択処理を実現することができるので、障害対応措置を効率的に実現することができる。
また、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、待機時間が経過する時点まで回線障害が復旧したか否かを繰り返し判断する構成とされているので、通常時における注文データの送信ルートを使った障害対応措置用の発注データの送信処理の実行の可能性を、より一層徹底して追求し、人手を介した障害対応措置をなるべく避ける選択処理を、より一層徹底して実現することができる。
さらに、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、待機時間と障害対応措置用データの数の範囲との対応関係を定める待機時間テーブルを用いて判断処理を行う構成とされているので(図5参照)、電子メールによる送信処理が選択されたときに電子メールによる送信対象となる障害対応措置用データの数に応じ、待機時間を変化させることができる。このため、例えば、障害対応措置用データの数(リカバリが必要なデータの数)が多い場合に、電子メールによる送信処理が選択されると、人手によるリカバリ作業量が多くなり大変であるから、待機時間を長くし、通常時における注文データの送信ルートを使った障害対応措置用の発注データの送信処理の実行の可能性が高まるようにすること、すなわち、回線障害が復旧するか否か、もう少し待って様子を見てみるという処理を実現することができる。
そして、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、待機時間と現地証券会社システム60の識別情報との対応関係を定める待機時間テーブルを用いて判断処理を行う構成とされているので、回線障害が発生した第2の通信回線2が国内証券会社システム20といずれの現地証券会社システム60とを接続するものなのかによって、待機時間を変化させることができる。このため、電子メールによる送信処理が選択された場合において、各現地証券会社についての障害対応措置をとる際の体制や事情(例えば、人員配置、即応性の程度、現地証券会社の国の事情や慣習、国民性等)を考慮し、リカバリ作業の混乱や遅滞等の事態の発生やその程度を予測し、通常時における注文データの送信ルートを使った障害対応措置用の発注データの送信処理の実行の可能性が高まるように、あるいは逆に低くなるように、待機時間を調整することができる。
また、国内証券会社システム20は、待機時間テーブル入力設定処理手段31を備えているので、待機時間テーブル、すなわち待機時間と障害対応措置用データの数の範囲との対応関係、あるいは待機時間と現地証券会社がどこなのかということとの対応関係を、自在に設定することができる。このため、これらの対応関係について、現地証券会社についての障害対応措置をとる際の体制や事情等の変化に応じた調整を行うことができる。また、国内証券会社の事情に応じた調整を行うこともできる。
さらに、障害対応措置用データ記憶手段44は、障害対応措置用データを、新規発注用注文データと、取消用データまたは訂正用データと、注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)とに分けて記憶する構成とされているので(図4参照)、新規発注用注文データ、並びに取消用データまたは訂正用データは、現地証券会社システム60側に送るべきデータであり、注文受付結果入力用データ(新規注文の注文受付結果入力用データ、取消完了入力用データ、訂正完了入力用データ、または約定結果入力用データ)は、国内証券会社システム20側で行う処理に用いるデータであるから、障害対応措置用データの各種別の内容に応じた処理を円滑に実行することができる。
また、障害対応措置決定処理手段25は、FIXログ翻訳テーブル記憶手段47に記憶されたFIXログ翻訳テーブルを用いてFIXデータのログを変換して得られた履歴(現地証券会社システム60における2次注文履歴)と、1次注文履歴記憶手段42(図3参照)に記憶された顧客の注文データの履歴(国内証券会社システム20における1次注文履歴)とを比較照合する構成とされているので、現地証券会社システム60において、国内証券会社システム20における1次注文履歴と比較照合することができるような完全な形式での2次注文履歴を残していないときであっても、FIXデータのログから、比較照合可能な形式での現地証券会社システム60における2次注文履歴を作成することができるので、必要な障害対応措置をとることができる。
さらに、回線障害監視処理手段24は、回線障害の発生を検出した場合に、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信を中止させる構成とされているので、障害対応措置の対象となる顧客の注文データが回線障害の発生の検出後に増加することを防ぐことができ、障害対応措置の処理量の増大を防ぐことができる。
そして、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、回線障害が復旧していると判断した場合に、第2の通信回線2を介しての現地証券会社システム60への顧客の注文データの送信を再開させる構成とされているので、通常時の処理への移行を円滑に行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、国内証券会社システム20と現地証券会社システム60とを接続する第2の通信回線2で回線障害が発生した場合の処理を取り扱っていたが、本発明の回線障害処理システムは、有価証券の売買注文を、国内の証券会社(第1の金融機関)から海外の現地証券会社(第2の金融機関)を経由して現地取引所へ発注する場合のみならず、例えば、国内の証券会社(第1の金融機関)から別の国内の証券会社(第2の金融機関)を経由して国内のPTS市場へ発注する場合、あるいは証券仲介業者(第1の金融機関)を介して国内の証券会社(第2の金融機関)から国内の取引所へ発注する場合等にも適用することができる。
また、前記実施形態では、障害対応措置実行指令送出処理手段29は、待機時間テーブル記憶手段46(図5参照)に記憶された待機時間テーブルを用いて判断処理を行う構成とされていたが、待機時間と障害対応措置用データの数の範囲との対応関係、あるいは待機時間と現地証券会社がどこなのかということとの対応関係を定める待機時間テーブルを用いて判断処理を行うのではなく、障害対応措置用データの数の大小、あるいは現地証券会社がどこなのかということとは無関係に定めた1つの待機時間を用いて判断処理を行う構成としてもよい。このような構成とする場合には、国内証券会社システム20に、国内証券会社の発注担当者の操作する担当者端末装置100からの社内ネットワーク4またはインターネット1を介しての待機時間の入力、または国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110からの通信回線5を介した待機時間の入力を受け付ける処理を実行する待機時間受付処理手段と、この待機時間受付処理手段により受け付けた待機時間を記憶する待機時間記憶手段とを設け、障害対応措置実行指令送出処理手段29を、待機時間記憶手段に記憶された待機時間を用いて回線障害が復旧したか否かの判断を繰り返す処理を実行する構成とすることができる。このような構成とした場合には、国内証券会社や現地証券会社の事情に応じて、待機時間を自在に調整することができる。例えば、国内証券会社や現地証券会社についての障害対応措置をとる際の体制の整備が進み、あるいは対応能力が向上し、人手によるリカバリ作業の効率向上が見込まれる場合には、待機時間を短くする等の調整を行うことができる。
また、待機時間を自在に入力することができる構成とするのではなく、プログラム内に記述され、または待機時間記憶手段に記憶された、固定された1つの待機時間を用いて判断処理を行う構成としてもよい。但し、事情の変化に応じることができるという点で、待機時間を自在に調整入力可能な構成とすることが好ましく、さらには、より詳細な調整が可能になるという点で、待機時間テーブルを備えた構成とすることが好ましい。
さらに、前記実施形態では、回線障害監視処理手段24により回線障害が発生したと判断した場合には、担当者端末装置110にその旨を画面表示して国内証券会社のシステム担当者に知らせる処理を実行する構成とされていた。従って、電話等により国内証券会社のシステム担当者から現地証券会社の担当者へ回線障害が発生した旨の連絡が行き、この連絡を受けて、現地証券会社の担当者が、FIXログ記憶手段62に記憶されたFIXデータのログを、電子メールにより担当者端末装置120からインターネット1を介して国内証券会社のシステム担当者の操作する担当者端末装置110へ送信する作業を行っていた。しかし、人手による作業を減らすという観点から、国内証券会社システム20側から現地証券会社システム60側への回線障害が発生した旨の連絡、および現地証券会社システム60側から国内証券会社システム20側へのFIXデータのログの送信を、すべてシステム化してもよい。すなわち、国内証券会社システム20側については、回線障害監視処理手段24を、回線障害が発生したと判断した場合にFIXデータのログの送信要求信号(より一般には、2次注文履歴の送信要求信号)をインターネット1を介して現地証券会社システム60へ自動送信する処理を実行する構成とするとともに、2次注文履歴入力設定処理手段22を、現地証券会社システム60からインターネット1を介して送信されてきたFIXデータのログ(より一般には、2次注文履歴)を受信し、受信したFIXデータのログ(より一般には、2次注文履歴)を2次注文履歴記憶手段43に記憶させる処理を実行する構成としてもよい。また、現地証券会社システム60側については、注文管理発注システム63に、国内証券会社システム20からインターネット1を介して送信されてきたFIXデータのログの送信要求信号(より一般には、2次注文履歴の送信要求信号)を受信し、FIXログ記憶手段62に記憶されたFIXデータのログ(より一般には、現地証券会社システム60に設けられた2次注文履歴記憶手段(不図示)に記憶された2次注文履歴)を、インターネット1を介して国内証券会社システム20へ自動送信する処理を実行する2次注文履歴送信処理手段を設けた構成としてもよい。