JP5308035B2 - アルミニウム基合金複合材料 - Google Patents

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Description

本発明はアルミニウム基合金複合材料に関し,より詳細には,処理対象となるアルミニウム基合金に強化相となる粒子(本発明において「強化粒子」という。)を分散させることにより高強度化,特に疲労強度の改善を図ったアルミニウム基合金複合材料に関する。
構造用の金属としては最も軽いマグネシウム又は,このマグネシウムに次いで軽いアルミニウムを主成分とするマグネシウム基合金又はアルミニウム基合金は,軽量化が要求される各種の分野,例えば自動車用の部品等に用いられる展伸材の原料,鋳造,鍛造用の合金として広く利用されている。
その一方で,これらの合金の主成分であるアルミニウムは強度が低く,また,マグネシウムもアルミニウムに比較して強度が高いとはいえさほど高くはないことから,このようなアルミニウム又はマグネシウムを主成分とするアルミニウム基合金又はマグネシウム基合金によって製造された各種物の機械的性質を改善するための各種の方法が提案されている。
一例として,アルミニウム基合金の高強度化技術を例に挙げて説明すると,このような高強度化には従来から溶体化時効処理又は冷間加工およびこれらを組み合わせた手法が適用され,これにより一例としてアルミニウム基合金の展伸材では引張強さを630MPa程度にまで高めることが可能であり,疲労限度も200MPa程度まで高めることができる。
しかし,こうした手法は板材又は棒材などの展伸材にのみ適用可能な手法であり,複雑形状の鍛造品又は鋳造材およびダイキャスト材には適用できない場合が多い。
一方,自動車のエンジン部品などに代表される鋳造,あるいはダイカストにより製造されるニアネットシェイプ(Near Net Shapes:NNS「部品の最終形状に限りなく近づけた形状」)のアルミ合金部材ではケイ素(Si)および遷移金属元素を添加することによってSi相又はアルミニウムとの金属間化合物の生成により強度の向上が図られてきた。
このような合金化によって強度を向上するには,Si等の合金元素の含有量を高めればよいが,この方法では合金元素の含有量を増すと脆さも増すことから自ずと含有量,従って強度の向上にも限界があり,これらのアルミニウム基合金部材では高い疲労限度が望めなかった。
このような課題に対し,二種以上の材料を組み合わせて一体化した「複合材料」によって強度の向上を図ることも提案されている。
このような複合材料としては,炭素繊維等の高強度繊維で強化した繊維強化金属(FRM)又は,溶湯中に炭化ケイ素(SiC)の微粒子を分散させたものを鋳造等することにより得られる粒子分散複合材がすでに開発されているが,量産性が低く価格競争力に劣ること,そして,炭素繊維又はSiC微粒子等の強化相と母相との界面がき裂の起点となってかえって脆化する危険性もあることから広く普及していないのが現状である。すなわち,SiCのような共有結合性が高い無機物質では界面をはさんで両物質の相互拡散は全く生じておらず,金属結合の母相と共有結合の無機物質であるために原子レベルでの結合も起こりにくく,剥離又はき裂発生の原因になりやすい脆弱な界面を形成するためである。
なお,高強度化又は疲労強度の改善を目的としたものではないが,処理対象の表面に微粒子を衝突等させ,この衝突による機械的なエネルギによって処理対象の表面に該微粒子の成分を含んだ合金化層を形成することにより金属材料から成る物品の耐食性の向上等を図る加工技術も提案されている。
このような加工技術の一例として,Al合金ベースの金属製部材の表面に,該金属製部材とは組成が異なる物質(Ti,Ni,Fe等)が存在する状態において,前記金属製部材表面に機械的エネルギを付与し,該金属製部材と前記供給物質との原子レベルでの混合により両者間で金属間化合物を形成して得た合金化層を形成することが提案されている(特許文献1の請求項1,「0019」,「0031」欄)。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開平10−30190号公報
既知のアルミニウム基合金の高強度化技術のうち,溶体化時効処理又は冷間加工にあっては,前述したように棒材又は板材等の展伸材については強度向上が可能であるが,複雑な形状を有する鍛造品又は鋳造材およびダイキャスト材についてはこれを適用することができない。
また,Si等の添加による合金化技術にあっては,合金化成分の添加量の限界に伴う高強度化の限界がある。
更に,複雑な形状を有する鍛造品又は鋳造材およびダイキャスト材の高強度化に有効であると考えられる前述の複合化技術(複合材料)にあっては,前述したように量産性が低いこと,そして価格競争力の点で劣ることの他,強化相と母相との界面がき裂の起点となってかえって脆化する危険性があるといった新たな問題を有するものとなっている。
上記問題点のうち,き裂の起点となる強化相と母相との界面を無くすべく,前述した炭素繊維又は炭化ケイ素粒子との複合化に代えて,金属材料,例えばTi,Ni,Fe等の金属粒子を複合化することも考えられる。
しかし,処理対象がアルミニウム基合金である場合,このアルミニウム合金は多くの遷移金属元素(前掲のTi,Ni,Feはいずれも遷移金属元素)と反応してこれらの元素との間に脆い金属間化合物を形成してしまう。そのため,例えばTi,Ni,Fe等の金属材料を複合化する場合,この方法によってき裂の起点となる界面をなくすことができたとしても疲労強度の改善は期待できない。
なお,前掲の特許文献1に記載の方法によって形成される合金化層は,供給物質を原子レベルで混合することにより形成するものであり(引用文献1「0019」欄),強化相としての金属粒子を母相中に分散させる技術を開示しない。
また,前記合金化相は,供給物質と母相との間に形成された「金属間化合物」により形成されるものであるために(特許文献1「0031」欄),前述のような脆い金属間化合物の形成により高強度化又は,疲労強度の向上は期待できない。
そこで本発明の発明者らは,高融点金属であるためにアルミニウム中での拡散速度が遅いタングステン及び/又はタンタル,及びこれらの合金の粒子を強化粒子として分散することにより,前述した脆い金属間化合物が生成されるのを抑止できるのではないかという仮定を立てた。
そして,この仮定に基づき,既知の複合化技術によってアルミニウム基合金の溶湯中にタングステン粒子を分散させて鋳造を行い,これによりアルミニウム基合金複合材料の製造を試みたところ,両者の融点と比重があまりにも異なるために,タングステン粒子はるつぼの下部に沈殿し,しかも凝固後にインゴットを取り出してみると,タングステン粒子とアルミニウム母相が全く結合していないために,タングステン粒子が脱落してしまった。すなわち,溶製法でタングステン粒子分散アルミニウム基合金を製造することは不可能であることが判明した。かように,上記の母材であるアルミニウム基合金とタングステン粒子間の界面が(この場合には,界面とも言えず,単に,両金属間の境界に相当するが,)き裂の基点となり疲労強度が低下するという,炭化ケイ素(SiC)の粒子を分散させて得た物と同様の問題を引き継ぐことが確認された。
そこで,溶製法による既知の複合化技術に代え,タングステンの粒子を,機械的エネルギの付与によって処理対象の表面付近に分散する方法を試みたところ,前掲の特許文献1の記載に反し,遷移金属であるタングステンと,アルミニウム基合金との間で金属間化合物は生成されず,処理対象の表面に強化粒子であるタングステン粒子を分散できることができることを見出した。
しかも,このようにして分散されたタングステンの粒子は,母相であるアルミニウム基合金に単に埋め込まれた状態となっているのではなく,強化粒子と母相とが,界面を介して相互に拡散した固溶領域が形成された状態で前記母相と前記強化粒子が一体的に複合化されている粒子分散層を形成するものであった。
そこで,このような固溶領域を更に子細に分析すると,強化粒子であるタングステン粒子と,母相であるアルミニウム基合金の境界部分には,母相のアルミニウムと,強化粒子中のタングステンが「固溶」することによって合金化した領域(固溶領域)が形成されており,この「固溶領域」の形成によって強化粒子と母相との,き裂の起点となる界面は,これを消失させることができることを見出した。
なお,この「固溶領域」は,前述のようにタングステンとアルミニウムが「固溶」した領域であり,金属間化合物が生成される場合のように,脆化を生じさせるものではない。
以上の知見から,本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,展伸材,鍛造,鋳造あるいはダイキャスト等の製造方法,製造後の形状に拘わらず,各種のアルミニウム基合金から成る物品を対象として疲労強度の改善を図ることができると共に,疲労強度の改善にとって障害となる脆い金属間化合物を生成することなく,前記強化粒子と母相とが相互に拡散する複合化形成された粒子分散層を有する構造のアルミニウム基合金複合材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明のアルミニウム基合金複合材料は,アルミニウム基合金から成る処理対象の表面付近に,タングステン又はその合金製の強化粒子,及び/又はタンタル又はその合金製の強化粒子を機械的なエネルギの付与によって分散させることにより,
前記処理対象の表面付近に,前記強化粒子と前記アルミニウム基合金である母相とが界面を介して相互に拡散した固溶領域が形成された状態で前記母相と前記強化粒子が複合化して形成された粒子分散層を有することを特徴とする(請求項1)(固溶領域について図1参照)。
また,前記構成のアルミニウム基合金複合材料において,前記機械的エネルギの付与は,これを直径53μm以下(JIS規格:282メッシュ)の前記強化粒子に対して行うものとすることが好ましく,前記粒子分散層を,処理対象の表面から1μm以上20μm未満の範囲に形成すると共に,前記粒子分散層における前記強化粒子の分散量が1vol.%〜80vol.%,前記固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタル含有率が0.1mass%以上15mass%未満となるように形成する(請求項2)。
更に,前記アルミニウム基合金複合材料において,前記機械的エネルギの付与は,直径1μm以上,53μm以下の前記強化粒子に対して行うものとしても良く,前記粒子分散層を,処理対象の表面から1μm以上20μm未満の範囲に形成すると共に,前記粒子分散層における前記強化粒子の分散量が10vol.%〜20vol.%,前記固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタル含有率が0.1mass%以上,15mass%未満となるように形成しても良い(請求項3)。
なお,前記粒子分散層は,母相に対して10%以上高い表面硬度を有するものとして形成することが好ましい(請求項4)。
更に,前記機械的エネルギの付与は,例えば既知のブラスト加工装置等を使用して前記強化粒子を処理対象の表面に投射すると共に衝突させることによって行うことができる(請求項5)。
また,前記アルミニウム基合金は,これをボルトとすることができる(請求項6)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明のアルミニウム基合金複合材料は以下の顕著な効果を有する。
展伸,鍛造,鋳造,ダイキャスト等によって得られた金属製の物を処理対象とし,この処理対象の表面付近に機械的エネルギの付与によって事後的に強化粒子を分散させてアルミニウム基合金複合材料を得るものであることから,展伸,鍛造,鋳造,ダイキャスト等の製造方法を問わず,また,複雑な形状から成る処理対象についても疲労強度の改善を図ることが可能である。
また,前述のようにして強化粒子を分散すること,及び,強化粒子としてアルミニウム基合金に対して極めて高い溶融温度を有し,従って拡散速度が遅いタングステン,タンタル,又はこれらの合金製の強化粒子を使用したことにより,母相中のアルミニウムと,強化粒子中のタングステン又はタンタルとが金属間化合物を形成することを好適に抑制することができるだけでなく,分散された強化粒子は,前記母相と相互に拡散し母相中に複合化されこの複合化した粒子と母相の界面部分に固溶領域が形成されることにより,疲労強度の改善にとって障害となる,強化粒子の界面を基点としたき裂の発生を防止することができた。
その結果,本発明のアルミニウム基合金複合材料にあっては,炭化ケイ素(SiC)の粒子を分散させた複合材料などに比較して,より高い疲労強度を有するものであった。
なお,アルミニウムに対して極めて高い溶融温度を有すると共に,高硬度であるタングステン又はタンタル及びその合金から成る強化粒子を分散させた本発明のアルミニウム基合金複合材料では,前述した疲労強度のみならず,耐熱性,耐摩耗性等の他の機械的特性についても改善することができた。
前記母相と前記強化粒子が界面を介して相互に拡散し,強化粒子と母相との界面にアルミニウムと,タングステン及び/又はタンタル又はそれらの合金とが固溶した固溶領域の形成により行われることにより,前記固溶領域において強化粒子と母相間に合金化が生じており,両者が一体化して強固に複合化されているだけでなく,このような「固溶」による合金化は,「金属間化合物」の生成による合金化とは異なり脆化を生じない。その結果,高強度であると共に高い疲労強度を備えたアルミニウム基合金複合材料を得ることができた。
強化粒子の直径を53μm以下,好ましくは1μm〜53μmとすることにより,強化粒子を好適に分散させることができると共に,強化粒子を基点としたき裂の発生をより確実に防止することができた。
また,粒子分散層の厚みを1〜20μm,粒子分散層における前記強化粒子の分散量を1vol.%〜80vol.%,前記固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタルの含有率を0.1mass%以上,15mass%未満とすることで,強化粒子を分散していないアルミニウム基合金から成る処理対象に対して10%以上(試験例において約33%),高い疲労強度の向上を得ることができた。
粒子分散層の表面硬度を,母相に対して10%以上高いものとすることにより,疲労強度のみならず,耐摩耗性等のその他の機械的特性の向上を得ることができた。
機械的エネルギの付与を,例えばブラスト加工装置によって前記強化粒子を投射することにより行うことで,投射速度の調整等によって加工条件の変更が容易であると共に,処理対象の表面中の適宜任意の範囲に対して強化粒子の分散を行うことが可能であった。
前記アルミニウム基合金複合材料から成る処理対象が,加工されたボルト表面にタングステンを投射する方法の他,丸棒素材の表面にタングステン粒子を投射した後に,これを,切削加工ではなく,転造する方法等で製造されたボルトである場合には,高い疲労強度,従ってかじり等の生じにくいアルミニウム基合金製のボルトを提供することができた。
本発明の実施形態につき以下説明する。
〔処理対象(母相)〕
以上のように,本発明のアルミニウム基合金複合材料は,溶湯中に強化粒子を分散させる等,鋳造等による製造過程において強化粒子を分散させる既知の溶化法による複合化とは異なり,所望の形状に製造された処理対象の表面に対し,事後的に強化粒子を機械的なエネルギの付与によって分散させるものである。
そのため,本発明では,展伸,鋳造,鍛造,ダイキャスト等の如何なる方法によって製造された物品であっても,これを処理対象として本発明のアルミニウム基合金複合材料から成る物品に加工することが可能であり,製造方法又は形状等に制約されることなく,各種のアルミニウム基合金から成る物品を処理対象とすることが可能である。
また,これらの処理対象の構成成分は,アルミニウムを主たる成分とするアルミニウム基合金,例えば,Al70%以上が一つの基準として,例えば,融点500℃以上700℃未満のものであれば如何なるものを対象としても良く,合金成分又は組成等についても特に限定はなく処理対象とすることが可能である。
〔強化粒子〕
処理対象の表面付近に分散される強化粒子としては,例えば,一般的に,融点は,Ta:2977℃ W:3380℃,比重は,Ta:16.6g/cm3 W:19.3g/cm3であり,純タングステンの粒子,純タンタルの粒子,ここでは,融点が2500℃以上,比重が15.0g/cm3以上のタングステン合金の粒子,タンタル合金の粒子をそれぞれ使用することができ,これらの粒子は,いずれかを単独で,又はこれらを2以上組み合わせた状態(例えば混在した状態)で使用するものとしても良い。
強化粒子の大きさは,直径53μm以下(JIS規格:282メッシュ)とする。粒子の直径が53μmを越えると機械的なエネルギの付与によって処理対象の表面に分散させることが困難となるだけでなく,粗大な強化粒子は,分散後,この部分を起点としてき裂が生じ易くなる等,かえって得られた本願アルミニウム基合金複合材料から成る物品を脆弱化させる。
一方,強化粒子は小さすぎても高強度化又は疲労強度の改善に寄与せず,特に強化粒子を分散するための機械的エネルギの付与を,強化粒子を投射して処理対象の表面に衝突することにより行う場合には,十分な機械的エネルギ(衝突時のエネルギ)を付与することができず,強化粒子の分散又は複合化を好適に行うことができず,好ましくは強化粒子の直径は1〜53μmとする。
〔機械的エネルギの付与〕
処理対象の表面に対する前記強化粒子の分散は,この強化粒子に対して機械的エネルギを付与することによって行う。
このような機械的エネルギの付与は,前記強化粒子を処理対象の表面付近に分散させて複合化させることができるものであれば如何なる方法を用いても良く,例えば処理対象がボルト又はナット等の比較的小型のものであれば,この処理対象と前述の強化粒子を,例えば鋼球でできたメジアと共に容器内に投入して攪拌することにより,処理対象の表面に前記強化粒子が介在した状態で前記メジアを衝突させて前記強化粒子を処理対象の表面に分散するものとしても良い。
本実施形態にあっては,強化粒子を処理対象の表面にむけて高速で投射することにより,強化粒子が処理対象の表面に衝突した際の機械的エネルギにより,これらの強化粒子を処理対象の表面に分散させている。
高融点金属であるタングステン又はタンタルは比重が大きく,衝突時の運動エネルギが高いために,このような衝突によって高い機械的エネルギを付与することができ,前記微粒子の分散と複合化を好適に行うことができる。
このような強化粒子の投射は,一例として既知のブラスト加工装置によって行うことができ,このようなブラスト加工装置としては,遠心力によって強化粒子を投射する遠心式のもの,回転する羽根車による打撃によって強化粒子を投射する打撃式のもの,圧縮空気等の圧縮ガスと共に強化粒子を噴射するガス噴射式のもの等,既知の各種の構造のものを使用することができ,特に,噴射ガスの圧力調整等によって噴射速度又は噴射圧力等の加工条件の調整が比較的容易であるガス噴射式のブラスト加工装置の使用が好ましい。
このような機械的エネルギの付与は,前記強化粒子が分散し,この分散した強化粒子が前記母相との固溶領域により,複合化した粒子分散層を処理対象の表面に形成し得る条件は,例えば,以下のとおりである。
機械的エネルギの付与は,更に前記粒子分散層における強化粒子の分散量が1vol.%〜80vol.%の範囲となるように行うことが好ましい。これは,強化粒子の分散量が80vol.%を超えると脆化を起こし,疲労強度の低下が見られる一方,分散量が1vol.%未満では疲労強度の向上が得られないためである。
好ましくは,粒子分散層における強化粒子の分散量は1vol%〜80vol%,より好ましくは40〜60vol.%の範囲となるように機械的エネルギの付与量,本実施形態にあってはブラスト加工条件を調整する。
更に,前記機械的エネルギの付与は,分散した強化粒子と母相との少なくとも境界部分に,強化粒子中のタングステン及び/又はタンタルと母相中のアルミニウムが固溶して合金化した固溶領域が形成されるように行い,好ましくはこの固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタルの含有率が0.1mass%以上,15.0mass%未満となるように行う。なお,このような固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタルの含有率は,X線マイクロアナライザー分析法による定量分析値として得ることができる。なお,分散粒子と母相とが金属間化合物を形成しないことは,X線回折法による相分析結果から知ることができる。
ガス噴射式のブラスト加工装置により53μm以下の強化粒子を処理対象の表面に投射することで,前述の機械的エネルギの付与を行う本実施形態の例では,前述のガス噴射式のブラスト加工装置として重力式のブラスト加工装置を使用する場合,一例として,ノズル径をφ1〜φ12mm,噴射圧力0.1〜1.0MPa,処理対象表面とノズル先端間の距離を30〜150mmとして,加工時間1〜100sec/cm2とすることで,処理対象の表面から1〜20μm の範囲に,前述した条件に対応する粒子分散層を形成することができた。なお,噴射速度は,50m/sec以上が好適である。
このようにして形成された粒子分散層は,母相に対して表面硬度が10%以上高いものである。
〔アルミニウム基合金複合材料の製造試験〕
アルミニウム基合金の母相中に,タングステン粒子を強化粒子として分散すると共に複合化させた本発明のアルミニウム基合金複合材料の製造試験を行った結果を以下に示す。
(1)処理対象
展伸材アルミニウム合金であるA2017合金(T351処理材)製の板材を処理対象とした(A2017合金の組成につき表1参照)。
(2)処理方法
粒子の直径が53μm以下である純タングステンの粒子を強化粒子とし,上記処理対象の表面に,重力式ブラスト加工装置(不二製作所(株)社製「ニューマブラスター」)を用いて噴射した。
使用したノズルのノズル径はφ9mmであり,ノズル先端と処理対象表面との距離を50mmとして空気圧0.8MPaにて処理対象の表面に対して垂直方向に前記強化粒子を噴射した。
強化粒子の噴射は,8.5cm2の加工範囲に対して約20秒間行った。
(3)試験結果
図2,3は,上記方法により純タングステンの粒子を強化粒子として噴射した後の処理対象の表面付近における断面走査型電子顕微鏡の反射電子像である。
この図2,3において,白色に見える部分がタングステンであり,図2,3より,噴射された強化粒子は,処理対象の表面付近に分散されると共に強化粒子と母相とが複合化されて,処理対象の表面から約10μm程度の範囲内に,前述した粒子分散層を形成していることが確認できる。ここで注目すべきは,分散されたタングステン粒子の粒径が,投射されるタングステン粒子の粒径分布(53μm以下)と比較して格段に微細なことである。かような微細分散組織が機械的特性の向上に寄与する点で,好適であることが示唆される。
なお,X線回折法による相分析結果から,タングステン粒子と母相アルミニウム及び母相に添加された合金元素との間に金属間化合物が形成されていないことを確認した。
このようにして形成された粒子分散層を,X線マイクロアナライザー分析法によって定量分析を行ったところ,強化粒子と母相との境界部分には,タングステン含有率が0.1〜15.0mass%の範囲となっている領域の形成が確認された。
なお,断面走査電子顕微鏡の反射電子像から画像解析により測定した結果,前記粒子分散層内における強化粒子の分散量は,1〜80vol.%の範囲内であった。
以上の結果から,強化粒子と母相との境界部分に,タングステン含有率が0.1〜15.0mass%の領域,即ち,強化粒子中のタングステンと母相のアルミニウムとが,「金属間化合物」を形成することなく「固溶」して合金化した領域(前掲の「固溶領域」)が形成され,本発明のアルミニウム基合金複合材料にあっては,単なる強化粒子の埋め込みとは異なり,強化粒子と母相とのき裂の原因となる界面が消失して固溶領域を有する両者の一体的な複合化が行われていることを確認できた。
これにより母相と強化粒子間の硬度差が緩和される等して強化粒子と母相との境界部分を起点としたき裂の発生が生じにくくなっているものと考えられる。
〔疲労強度試験〕
本発明のアルミニウム基合金複合材料(実施例),炭化ケイ素(SiC)粒子を分散させて得た複合処理対象(比較例1),及び未処理のアルミニウム基合金の板材(比較例2)のそれぞれにつき,疲労強度試験を行った結果を以下に示す。
(1)実施例
6×20×68mmに矩形状に切り出したA2017合金(T351処理材)の20×68mm面をバフ研磨にて仕上げた板材を処理対象とし,この処理対象の前記バフ研磨面に,直径53μm未満の純タングステン粒子を強化粒子としてブラスト加工装置により噴射して本発明(実施例)のアルミニウム基合金複合材料を得た。
なお,ブラスト加工条件については,前述した表面処理試験例と同様である。
(2)比較例
比較例として,前記実施例における処理対象と同様の板材のバフ研磨面に対し,直径53μm未満の炭化ケイ素微粒子を前記実施例と同様のブラスト加工条件で噴射して得たアルミニウム基合金複合材料(比較例1),及び前記実施例における処理対象と同様の板材(未処理:比較例2)をそれぞれ用意した。
(3)試験方法
図4に示す方法による4点曲げ疲労試験方法によって,前述した実施例及び比較例1,2の各試料に対して疲労強度試験を行った。
(4)試験結果
図5に曲げ疲労強度試験の結果を示す。図5より明らかなように,本発明のアルミニウム基合金複合材料である実施例の試料にあっては,炭化ケイ素の微粒子を噴射して得た比較例1の試料,及び未処理である比較例2の試料のいずれに対しても高い疲労強度を有することが確認できた。
特に,未処理の試料である比較例2との比較では,本願発明のアルミニウム基合金複合材料(実施例)は,約33%の疲労強度の改善が得られていることが確認できた。
なお,図6は,本発明のアルミニウム基合金複合材料である実施例の試料,及び比較例1,2の各試料のビッカース硬さを測定した結果である。
図6に示すように,本発明のアルミニウム基合金複合材料(実施例)の粒子分散層におけるビッカース硬さは,炭化ケイ素の微粒子を噴射して得た比較例1の試料との間にさほど大きな差が存在していないことが判る。
しかし,前掲の図5からも明らかなように,実施例の試料にあっては,炭化ケイ素(SiC)粒子を噴射して得た試料(比較例1)に対して,高い疲労強度の改善が得られていることが判る。
このことから,本願のアルミニウム基合金複合材料(実施例)にあっては,炭化ケイ素(SiC)粒子の分散によっては成し得ない,強化粒子と母相との界面を起点としたき裂の発生が抑制される結果,より高い疲労強度の改善が得られているものと考えられる。
なお,本発明のアルミニウム基合金複合材料(実施例)に形成された前述の粒子分散層は,未処理のアルミニウム基合金,即ち母相に対して少なくとも10%以上高い表面硬度を有すること,また,高融点金属であるタングステン粒子の分散により,疲労強度の向上のみならず,耐摩耗性又は耐熱性,耐食性等の他の機械的特性についても改善されているものと考えられる。
本発明は,アルミニウム基合金によって製造される各種の物品の疲労強度向上に有効に活用することができる。
本発明のアルミニウム基合金複合材料から成る処理対象が,前述したボルト又はナット等である場合,疲労強度又は耐熱性,耐食性等の向上によりアルミサッシなど建材用の締結ネジ,ボルト類に使用してもかじり又は破損などが生じ難く,これらの機械,器具,装置等の軽量化を実現することが可能である。
また,このようなボルト又はナット等の締結部材に限定されず,各種の機械,器具,装置の部品又はボディ,例えば家電又はプリンタ,パソコン,携帯電話などの駆動系部品(ヒンジ)など高い疲労強度が求められる各種の分野において利用可能である。
本発明のアルミニウム基合金複合材料の図3の顕微鏡写真に相当する複合組織の模式図。 図1(A)の部分拡大模式図。 図1(A)における固溶領域と強化粒子との界面の拡散状態のW濃度を示すグラフ。 粒子分散層の電子顕微鏡写真(走査電子顕微鏡の反射電子像)。 粒子分散層の電子顕微鏡写真(走査電子顕微鏡の反射電子像)。 疲労強度試験方法の説明図。 実施例,比較例1,2の各試料における疲労強度測定結果を示したグラフ。 実施例,比較例1,2の各試料におけるビッカース硬さの測定結果を示したグラフ。 (A)は,セラミックス(Sic分散粒子)の分散複合組織の界面模式図。(B)は,Sic粒子とアルミニウム基合金母材との界面におけるSi濃度からその不拡散状態を示すグラフ。

Claims (6)

  1. アルミニウム基合金の表面付近に,タングステン及び/又はタンタル又はそれらの合金から成る強化粒子を機械的なエネルギの付与によって分散させることにより,
    前記基合金の表面付近に,前記強化粒子と前記アルミニウム基合金である母相とが界面を介して相互に拡散した固溶領域が形成された状態で前記母相と前記強化粒子が複合化して形成され粒子分散層を有することを特徴とするアルミニウム基合金複合材料。
  2. 前記機械的エネルギの付与を直径53μm以下の前記強化粒子に対して行い,
    前記粒子分散層を,前記基合金の表面から1μm以上20μm未満の範囲に形成すると共に,前記粒子分散層における前記強化粒子の分散量を1vol.%〜80vol.%,前記固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタルの含有率を0.1mass%以上15mass%未満としたことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基合金複合材料。
  3. 前記機械的エネルギの付与を直径1μm以上,53μm以下の前記強化粒子に対して行い,
    前記粒子分散層を,処理対象基合金の表面から1μm以上20μm未満の範囲に形成すると共に,前記粒子分散層における前記強化粒子の分散量を40vol.%〜60vol.%,前記固溶領域におけるタングステン及び/又はタンタルの含有率を0.1mass%以上,15mass%未満としたことを特徴とする請求項2記載のアルミニウム基合金複合材料。
  4. 前記母相に対して10%以上高い硬度を有する領域が表面から1μm以上100μm未満の範囲で存在することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のアルミニウム基合金複合材料。
  5. 前記機械的エネルギの付与を,前記強化粒子を処理対象となる基合金の表面に向けて投射すると共に衝突させることによって行うことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のアルミニウム基合金複合材料。
  6. 前記アルミニウム基合金がボルトであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のアルミニウム基合金複合材料。
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