本開示のさらに完全な理解のために、以下の詳細な説明および添付図面を参照すべきである。類似の参照符号は、図面を通じて類似の要素を識別する。
プロセス制御システムと、プロセス制御システムにおける制御ループに関するプロセスモデルを自動的に同定する技術を実装する方法が、本願明細書に開示されているが、これらは、適応制御のためにプロセスモデルを現在利用することが必ずしも必要ではない。したがって、適応制御の実装以外の理由のために(または、適応制御の実装に加えて別の理由のために)、プロセスモデルは、作成される。例えば、どの制御ループがそれに適用される適応制御を有するべきかに関するに決定は、開示された技術によって同定されたプロセスモデルの評価によってさらに容易に行われる。
一部の場合において、プロセスモデルの同定は、プロセス制御システムにおけるすべての制御ループに拡張される。このように、プロセスモデルは、プロセス制御システムのあらゆるノードに関して生成されてもよい。しかし、開示されたシステムの特定の実施形態において、プロセスモデルがあらゆる制御ループまたはノードに関して同定されているにもかかわらず、非適応制御ループへのプロセスモデル同定の拡張には、多くの利点があり、特に、オンデマンド制御装置チューニング、異常状態監視および診断が挙げられる。
一部の場合において、プロセス制御データは、制御ループに関する多数のプロセスモデルを同定するために収集され、それにより、プロセスモデルの履歴を生成する。プロセスモデル履歴から生じるプロセス制御データは、プロセスの日常の動作中に、プロセスの日常の動作に関連して、プロセスの日常の動作の結果として生成されてもよい。これらの場合において、結果として生じるプロセスモデル履歴は、制御ループの最近のオンライン性能の表示を提供する。そのとき、特殊な試験法または試験手順は、必要ではない。
制御ループが、適応制御スキーム(例えば、適応PID制御)を実装中である場合には、次に、プロセスモデル履歴は、適応制御が現在の動作状態に関して適切であるかどうか、またはさらに一般的には、適応制御が制御ループ自体に関して適切であるかどうかを示してもよい。逆に言えば、非適応制御ループに関するプロセスモデル履歴もまた、適応制御スキームが有益である可能性があるかを示してもよい。
一部の場合において、プロセスモデルは、制御ルーチンを実装するプロセス制御装置に埋め込まれるルーチンによって、同定(例えば、生成)されてもよい。このために、制御装置は、プロセスモデルの生成を支援するために、プロセス制御データを格納するために、プロセスの変更によって始動されてもよい。プロセスの変更またはトリガとして作用する他の事象は、設定点変更、制御装置出力において自動的に導入される摂動または開制御ループまたは閉制御ループに対する任意の他の変更を含んでもよい。これらの点および他の点において、プロセスモデル同定ルーチンは、制御装置(またはシステムの他の要素)によって連続的に実装され、日常動作を通じたプロセス制御データを捕捉してもよい。さらに、プロセスが依然としてオンライン状態にある間に、バックグラウンドで生じる計算のすべてを利用して、プロセスモデルは、プロセスの変更(または他のトリガ事象)の検出時にこのように自動的に同定されてもよい。
一旦、同定および/または格納されると、プロセスモデルは、解析、処理、適用または他の方法による利用を行って、プロセス制御システムの管理に関して実装される多数のプロセス制御タスク、例えば、性能監視、オンデマンドチューニング、制御アルゴリズムの勧告、ループ応答のシミュレーション、プロセス監視、制御診断および適応制御などを支援してもよい。例えば、以下に記載するように、プロセスモデルを用いて、同定された制御ループに関するモデルに基づく性能指数を計算してもよい。
開示された技術によって同定されたプロセスモデルはまた、モデルに基づく制御スキーム(例えば、適応制御)を実装するために依存される可能性もあるが、開示された技術の実装は、制御ループ、プロセス制御装置、プロセス制御システムまたはプロセス制御ネットワークアーキテクチャの任意の特定のタイプに限定されるわけではない。さらに、開示された技術は、個別にまたは分散方式のいずれであれ、プロセス制御システムの多数の要素によって1つまたは複数のレベル(例えば、プロセス制御装置レベル、制御ループレベルなど)で実装されてもよい。さらに、開示された技術は、任意の特定のプロセスモデルタイプに限定されるわけではなく、例えば、プロセスの任意のパラメータ化動的モデルを利用してもよい。
ここで、図1を参照すると、プロセス制御システム10は、データヒストリアン12および1つまたは複数のホストワークステーションまたはコンピュータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの任意のタイプであってもよい)13に接続されたプロセス制御装置11を含み、それぞれは、ディスプレイスクリーン146を有する。制御装置11はまた、入力/出力(I/O)カード26および28を介して、フィールドデバイス15〜22に接続される。データヒストリアン12は、データを格納するために、メモリの任意の所望のタイプおよび任意の所望または周知のソフトウェア、ハードウェアまたはファームウェアを有するデータ収集ユニットの任意の所望のタイプであってもよい。データヒストリアン12は、ワークステーション13から分離されていてもよく(図1に示されている)、またはワークステーション13の一部であってもよい。制御装置11は、一例として、Fisher Rosemound Systems, Inc.によって販売されているDeltaV制御装置であってもよく、例えば、イーサネット(登録商標)接続または任意の他の所望の通信ネットワークを介して、ホストコンピュータ13およびデータヒストリアン12に通信可能に接続される。制御装置11はまた、例えば、標準的な4〜20mAデバイスおよび/または任意のスマート通信プロトコル、例えば、FOUNDATIONフィールドバスプロトコル、HARTプロトコルなどに関連する任意の所望のハードウェアまたはソフトウェアを用いて、フィールドデバイス15〜22に通信可能に接続される。
フィールドデバイス15〜22は、デバイスの任意のタイプ、例えば、センサ、バルブ、トランスミッタ、ポジショナなどであってもよく、I/Oカード26および28は、任意の所望の通信プロトコルまたは制御装置プロトコルに適合する任意のタイプのI/Oデバイスであってもよい。図1に示された実施形態において、フィールドデバイス15〜18は、アナログ線を介してI/Oカード26と通信する標準的な4〜20mAデバイスであり、フィールドデバイス19〜22は、Fieldbusプロトコル通信を用いて、ディジタルバスを介してI/Oカード28と通信するFieldbusフィールドデバイスなどのスマートデバイスである。当然のことながら、フィールドデバイス15〜22は、将来開発される任意の標準またはプロトコルを含め、任意の他の所望の標準またはプロトコルに適合することが可能である。
制御装置11は、(メモリ24に格納された)1つまたは複数のプロセス制御ルーチンを実装または監督するプロセッサ23を含み、その中に制御ループが格納されるか、または他の方法で関連付けられた制御ループを含んでもよく、デバイス15〜22、ホストコンピュータ13およびデータヒストリアン12と通信し、任意の所望の態様でプロセスを制御する。本願明細書に記載された任意の制御ルーチンまたはモジュールは、所望に応じて、異なる制御装置または他のデバイスによって実装または実行されるその一部を有してもよいことを留意すべきである。同様に、プロセス制御システム10の中に実装することになっている本願明細書に記載された制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアをはじめとする任意の形態をとってもよい。本開示の目的のために、プロセス制御モジュールは、任意のコンピュータ読み出し可能媒体上に格納される、例えば、ルーチン、ブロックまたはその任意の要素をはじめとするプロセス制御システムの任意の一部または部分であってもよい。制御ルーチンは、モジュールまたはサブルーチンなどの制御手順の任意の一部、サブルーチンの一部(コードのラインなど)などであってもよく、任意の所望のソフトウェアフォーマットで、例えば、オブジェクト指向プログラミング、ラダー論理、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図または任意の他のソフトウェアプログラミング言語または設計パラダイムを用いて、実装されてもよい。同様に、制御ルーチンは、例えば、1つまたは複数のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)または任意の他のハードウェア要素またはファームウェア要素にハードコード化されてもよい。さらに、制御ルーチンは、任意の設計ツール、例えば、グラフィカル設計ツールまたは任意の他のタイプのソフトウェア/ハードウェア/ファームウエアプログラミングまたは設計ツールなどを用いて設計されてもよい。したがって、制御装置11は、任意の所望の態様で制御戦略または制御ルーチンを実装するように構成されてもよい。
一部の実施形態において、制御装置11は、機能ブロックと一般に呼ばれるものを用いて制御戦略を実装し、各機能ブロックは、オブジェクトまたは全体の制御ルーチンの他の部分(例えば、サブルーチン)であり、プロセス制御システム10の中でプロセス制御ループを実装するために、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと連動して動作する。機能ブロックは通常、トランスミッタ、センサまたは他のプロセス制御システムパラメータ測定デバイスに関連するような入力機能、PID、ファジー論理などの制御を行う制御ルーチンに関連するような制御機能またはバルブなどの一部のデバイスの動作を制御する出力機能の1つを実行して、プロセス制御システム10内の一部の物理的機能を実行する。当然のことながら、ハイブリッドおよび他のタイプの機能ブロックが、存在する。機能ブロックは、制御装置11に格納され、制御装置11によって実行されてもよく、このことは、これらの機能ブロックが、標準的な4〜20mAおよびHARTデバイスなどのスマートフィールドデバイスの一部のタイプのために用いられるか、または関連付けられる場合に通常、当てはまる。または、機能ブロックは、フィールドデバイス自体に格納され、フィールドデバイス自体によって実装されてもよく、これは、Fieldbusデバイスを用いる場合に当てはまる。制御システムの説明は、本願明細書では、機能ブロック制御戦略を用いて提供されているが、開示された技術およびシステムはまた、ラダー論理、シーケンシャルファンクションチャートなどの他の慣例または任意の他の設計プログラミング言語またはパラダイムを用いて、実装または設計されてもよい。
図1の展開されたブロック30によって示されているように、制御装置11は、ルーチン32および34として示されている多数の単独ループ制御ルーチンを含み、所望に応じて、制御ループ36として示されている1つまたは複数の高度な制御ループを実装してもよい。それぞれのそのようなループは通常、制御モジュールと呼ばれる。単独ループ制御ルーチン32および34は、バルブなどのプロセス制御デバイス、温度トランスミッタおよび圧力トランスミッタなどの測定デバイス、またはプロセス制御システム10内の任意の他のデバイスに関連付けられてもよい適切なアナログ入力(AI)機能ブロックおよびアナログ出力(AO)機能ブロックにそれぞれ接続された単独入力/単独出力ファジー論理制御ブロックおよび単独入力/単独出力PID制御ブロックを用いて、単独のループ制御を実行するものとして示されている。高度制御ブロック36は、1つまたは複数のAI機能ブロックに通信可能に接続される入力および1つまたは複数のAO機能ブロックに通信可能に接続される出力を有する高度制御ブロック38を含むものとして示されているが、高度制御ブロック38の入力および出力は、任意の他の所望の機能ブロックまたは制御要素に接続されて、他のタイプの入力を受信し、他のタイプの制御出力を提供してもよい。高度制御ブロック38は、任意の他のモデル予測制御(MPC)ブロック、ニューラルネットワークモデル化または制御ブロック、多変数ファジー論理制御ブロック、実時間最適化ブロックなどであってもよい。高度制御ブロック38をはじめとする図1に示されている機能ブロックは、制御装置11によって実行されることができ、またはあるいは、例えば、ワークステーション13の1つまたはフィールドデバイス19〜22の1つであってもよい任意の他の処理デバイスに位置して実行されることができる。
ここで図2を参照すると、制御装置11は、オンラインプロセスを制御するために、対応するプロセス制御ルーチンを定義して実装する任意の数の制御モジュール50、52および54を有してもよい。したがって、制御モジュール50、52および54は、モジュール56によって制御され、一般にプロセスの正常なスケジュール化された制御に関連付けられる動作環境またはモードに関連して実装されてもよい。上述したように、各制御モジュール50、52および54は、制御機能ブロックをはじめとする任意の数の機能ブロックを有してもよい。
開示された技術の一部の実施形態によれば、パラメータ値および他の動作状態データは、制御モジュール50、52および54からモデル同定ルーチンまたはモジュール60のデータ収集機能58に送られる。一般的に言えば、制御モジュール50、52および54、その機能ブロックの実行中に、パラメータ値および他の動作状態データは、利用可能である(または他の方法で通信される)。そのような実行は、スケジュール化されたプロセス制御活動中にある程度連続しているため、パラメータ値および他の動作状態データの通信もまた、連続していてもよい。
機能ブロックのように、データ収集機能58は、オブジェクト指向方式でオブジェクト(またはオブジェクトエンティティ)として実装されてもよいが、必要ではない。その構造にかかわらず、データ収集機能58は、任意のデータ処理手順をはじめとするデータ収集において実装されることになっている手順を定義する1つまたは複数のルーチンを含んでもよい。したがって、データ収集機能58のルーチンは、例えば、1つまたは複数のレジスタ62および他のメモリにおいて収集データの格納の調整、支援または実装を行ってもよい。以下に記載するように、データ収集機能58によって実行される手順は、制御モジュール50、52および54からのデータをいつ収集するかを決定することを含んでもよい。
さらに一般的には、データ収集機能58は、自動収集、収集、受信またはパラメータおよび他の動作状態データの他の処理を支援するために、1つまたは複数のルーチンを含んでもよい。パラメータおよびデータの自動収集または他の処理が、データ収集機能58によって実装される限りにおいて、より少ない計算要件が、モジュール56、制御モジュール50、52および54およびその任意の制御ブロックの上に配置される。制御機能ブロックからのモデル同定手順のそのような分離の結果として、機能ブロックメモリ要件および実行要件は、モデル同定が有効であるか、または無効であるかについて同一である。さらに、適応(すなわち、適応制御)を支援するために制御ブロックに追加されるパラメータおよび関連付けられるメモリ要件の数が、最小化される。
モジュール56および60の分離はまた、一部の実施形態がモデル同定モジュール60(これによりデータ収集機能58)を無効にするためのオプションを提供することを可能にする。モデル同定の無効化は、例えば、制御装置11が、計算および他の処理のために有するメモリまたは時間が不十分であると決定される場合に、有用である可能性がある。関連した話では、適応制御を提供するために同定されたモデルの使用もまた、ループ、エリア、システムまたは制御装置ベースで有効または無効であってもよい。
別個のモデル同定機能性はまた、プロセス入力変更の調整を支援する。そのような調整は、制御装置の中でのモデル同定が1つのプロセスにおいて中心に集められているために可能である。例えば、設定点変更が行われない場合には、モデル同定モジュール60(または他の要素またはルーチン)は、制御装置出力において変更を自動的に導入してもよい。これらの変更は、プロセス動作に及ぼす影響を最小限に抑えるように、調整されてもよい。したがって、これらの変更は、時間に関して分散されてもよい。
別個のモデル同定機能性はまた、モデル同定に関するデータの処理が、制御装置11に関する自由時間または動作不能時間に、または制御装置11によって適切だと思われる任意の他の時間で実行されてもよいことを意味する。結果として、モデル同定処理の実装は、例えば、モジュール56によって提供されるスケジュール化された制御機能性に悪影響を及ぼすことを回避する。結果として、一部の実施形態において、モデル同定モジュール60は、バックグラウンドにおいて制御装置11によって実装されてもよく、プロセスは、オンラインで、制御装置11の他のモジュールまたは構成要素によって行われるスケジュール化された制御および他の活動中に戦略的に有利な時間に行われる。
別の実施形態において、モデル同定機能性は、制御機能ブロック自体に組み込まれてもよい。
一部の実施形態において、制御ブロックが実行中であるときは常に、パラメータおよび他のデータは、制御モジュール50、52および54からデータ収集機能58に自動的に送り込まれる。この意味では、データ収集機能58は、プロセスの動作中に任意の時間にデータ収集手順を支援するように、連続的に実装されてもよい。制御が実行するためにスケジュール化されていない時間中、データ収集機能58は、次に、収集データを調べ、プロセスモデルが生成(例えば、作成または同定)されるべきかどうかを決定してもよい。別の実施形態において、制御装置11は、収集データを定期的に、または何か他のスケジュール化された態様で調べるか、または他の方法で処理してもよい。当然のことながら、さらに他の実施形態において、例えば、計算の必要性を最小限に抑えるため、または任意の他の所望の理由のために、データ収集機能58は、制御装置11によって、または制御装置11の一部として実装されなくてもよい。そのような処理が制御装置11において埋め込まれなくてもよい事例に関するさらなる詳細は、開示された技術が既存のプロセス制御システムに階層構造にされる(または他の方法で組み込まれる)実施形態に関連して、以下に記載される。
データ収集機能58によるデータ収集は一般に、プロセス入力および出力に関する値または制御装置11(またはさらに一般的には、プロセス制御システム10)によって実装される特定の制御ループに関する動作設定点に関する値を含んでもよい。これらのパラメータのそれぞれに関して、値は、トリガ事象の前に始まり、安定状態に達して終わる時間期間にわたって収集され、格納される。一部の場合において、トリガ事象は、例えば、データ収集機能58によるプロセス入力または設定点における変更の検出を必要とする可能性がある。
一部の場合において、トリガ事象を構成するものは、制御ループの動作モードに左右される可能性がある。制御ループが動作の「自動」モードにある場合には、オペレータが指定した設定点におけるプロセス出力(すなわち、ループの制御されたパラメータ)を維持するために、ループは、制御装置の出力(すなわち、操作されたプロセス入力)を連続的に調整中である。したがって、自動モードにおいて、設定点における変更は、プロセス入力および出力における変更を解析し、したがって、モデルを開発するために、トリガを構成する。オペレータが、設定点を決して(またはめったに)変更せず、ループが依然として自動モードのままである場合には、モデルを作成するためのトリガであるように、小さな変更が、制御装置の出力に導入されてもよい。
ループが「手動」モードにある場合には、制御装置の出力は、オペレータによって設定される。すなわち、制御アルゴリズムは、出力を調整しない。したがって、手動モードにおいて、オペレータによって導入される出力における変更は、モデルを得るために、プロセス入力および出力を解析するためのトリガを構成する。
3つの上述のトリガ事象は、フィードバックモデルの開発のために用いられてもよい。フィードフォーワードモデル同定のためには、トリガ事象は、フィードフォーワード入力値における変更であってもよい。
トリガ事象が検出されると、モジュール56および58は、任意の所望の態様で、データ収集を支援するために通信する。一部の実施形態において、データ収集は、モジュール56によって促進され、トリガ事象の検出もまた示してもよい。さらに詳細には、制御モジュール50、52および54によって実装される制御ループは、データへのアクセスまたは他の方法でデータを利用可能にすることを連続的に行ってもよい。結果として、トリガ事象の前にしばらくの期間に収集されたデータはまた、解析されて、プロセスモデルを決定してもよい。例えば、データが収集されるPID制御ループは、ブロック実行において用いられるプロセス変数(例えば、PV)、ブロック出力値(例えば、OUT)、フィードフォーワード制御入力値(例えば、FF_VAL)、設定点および動作のループモードを示す任意の1つまたは複数のパラメータに関する現在のデータ値にアクセスしてもよい。一部の場合において、データ収集機能58は、パラメータ値または他のデータ値の選択を促進してもよい。あるいはまたはさらに、モデル同定モジュール60は、どのパラメータを収集する必要があるかを決定する構成リストブロック64を含んでもよい。そのために、構成リストブロック64は、リストデータ用のメモリまたは他の格納媒体を含んでもよい。同定されたパラメータと共に格納されるのは、モデルが生成されることになっている制御ブロックまたはモジュールのリストまたは他の同定であってもよい。
トリガ事象に関連するデータ収集後のある時点で、モデル同定モジュール60は、モデル同定アルゴリズムまたは計算ルーチン66を実装してもよい。モデル計算ルーチン66はまた、計算を行うだけでなく、計算されたモデルを解析してもよい。そのような解析は、特に、モデルの品質を決定するために、診断の処理および/または制御を行うことを必要とする可能性がある。計算されたモデルは次に、各制御ループに関して最後に同定されたモデルを保持する記憶装置または他のブロック68に転送されてもよい。一部の場合において、制御ループは、例えば、フィードバック制御およびフィードフォーワード制御の両方を支援するために格納される2つのモデルを有してもよい。図2に示されているように、計算されたモデルは、後に、ルーチン66のモデル診断によって決定されたようなモデルの品質に応じて、ブロック68に送られる。
モデルの品質はまた、モデルが、制御モジュール50、52および54の制御機能ブロックに転送されるかの決定要因である。図2の例示の実施形態において、制御モジュール50、52および54のそれぞれは、適応制御を有する少なくとも1つの制御ループを組み込み、したがって、図示されるように、モデル同定ルーチン60からプロセスモデルを受信する。しかし、開示された技術によって計算され、他の方法で同定されたモデルは、ブロック66によって決定された上述のモデル品質に基づいて、一部の場合において、新たなモデルを受信する制御機能ブロックの動作状態に基づいて、処理されて提供される。
ここで図3を参照すると、ワークステーション13のうちの1つのユーザが、ワークステーション13上に実装されたチューニングアプリケーションまたは他のアプリケーション70を介して提供される実時間データまたは履歴データを選択することによって、プロセスモデルの作成を開始してもよい。そのようなユーザによって開始されるプロセスモデル作成は、図2に関連して記載した処理に加えられえもよい。事実、図3に示された例示の実施形態において、チューニングアプリケーション70によって作成されたモデルが、送り込まれる制御装置11はまた、モデル同定ルーチン60およびその構成部分、すなわち、データ収集機能58、モデル計算ルーチン66などを含む。
プロセスモデルを作成するために用いられるパラメータ値および他の動作状態データの供給源とは異なり、ワークステーション13は、プロセスモデルの作成に関して同一のステップまたは類似のステップを実装してもよい。例えば、ワークステーション13は、制御装置11のブロック66と類似のモデル計算および診断モジュールまたはブロック72を含んでもよい。したがって、モデル計算ブロック72は、図示されているように、制御装置11および格納ブロック68にブロックを送り込む前に、または制御装置11および格納ブロック68にブロックを送り込むことに関連して、作成されたブロックの品質および他の態様を決定してもよい。
一部の実施形態において、ワークステーション13は、類似の機能性を提供するさらなるアプリケーションまたは別のアプリケーションを有してもよい。ある場合において、他のアプリケーションは、開示された技術を介して同定されたプロセスモデルの解析および/または検査を支援する1つまたは複数のディスプレイインターフェイスを提供してもよい。このアプリケーションに関するさらなる情報が、本願明細書において以下に記載される。しかし、さらなるプロセスモデルの生成に関連して、これらのワークステーションアプリケーションは、モデル生成において用いるためにプロセスデータを選択する機会を提供するトレンドウィンドウまたはディスプレイインターフェイスを生成してもよい。これらのトレンドウィンドウまたは他のインターフェイスを用いて、ユーザは、時間ウィンドウをはじめとするデータを選択してもよい。したがって、これらの場合において、状態を安定させるための時間は、ユーザによって選択された時間ウィンドウを介して決定されてもよい。別の実施形態は、時間ウィンドウを手動また自動で選択するための他の機構を提供してもよい。
開示された技術の実行は、プロセス制御システム10の制御装置11またはワークステーション13のいずれかに位置しているモデル同定ルーチンに限定されるわけではない。さらに一般的には、本願明細書に記載されたモデル同定手順は、個別にまたは分散方式のいずれであれ、他のデバイスまたはシステムにおいて、基本的なパラメータまたはデータが収集される制御ループとの連携および/または通信のさまざまな程度において、実装されてもよい。例えば、一部の場合において、モデル同定手順は、リモート態様で、および/またはOPCまたは他のインターフェイスを介したプロセス制御システムに階層構造を形成するシステムによって、実装されてもよい。
上述のように、開示された技術の実行は、適応制御ルーチンを実装するシステムに限定されるわけではない。しかし、開示された技術によるプロセスモデルの同定は、所望である場合には、そのようなルーチンを支援するために利用されてもよい。
図4に示されているように、開示された技術に関連して用いるための適応制御機能ブロック74は、上述したように同定された所定の数(例えば、5つ)のプロセスモデルを保存または格納するために、1つまたは複数のメモリまたは他の格納機構76を含んでもよい。動作において、メモリ76に格納されたプロセスモデルの1つが、次に、1つまたは複数のパラメータに応答して、論理ブロック78を介して用いるために選択されてもよい。図4の例示の実施形態において、ブロック78は、入力80によって提供される選択されるかまたは他の方法で決定されたプロセス状態パラメータに基づいて、プロセスモデルを選択する。2つの他のパラメータ82および84はまた、決定のために依存されてもよく、フィードバックルールおよび/またはフィードフォーワードルールまたは動作状態を変化しつつある状態に適合させることを可能にする設定に対応してもよい。
機能ブロック74に関するプロセスモデルは、動作領域(例えば、図示されているように、領域1、領域2など)に関連付けられてもよいが、必ずしも必要ではない。プロセスモデルはまた、機能ブロックの制御スキームによれば、対で同定されてもよい。この例示の事例において、各領域は、フィードフォーワード処理およびフィードフォーワード処理の両方を支援する1対のプロセスモデルを決定するものである。領域の選択時に、フィードバックモデルおよびフィードフォーワードモデルの対は、ブロック78によって、フィードバックチューニングパラメータおよびフィードフォーワードチューニングパラメータをそれぞれ計算するために利用されてもよい。図4に示されている例示の事例において、フィードフォーワードチューニングパラメータは、例えば、不動作時間およびリード/ラグ動的補償に関するフィードフォーワード制御入力値(例えば、FF_VAL)にも応じて、動的補償ブロック88に提供される。フィードバックチューニングパラメータと共に、動的補償の結果は、機能ブロックに関する制御アルゴリズムの実装に関与するブロックまたはルーチン88に送られてもよい。この場合において、フィードバックパラメータおよびフィードフォーワードパラメータは、PIDアルゴリズムおよびファジー論理アルゴリズムを修正するが、任意の制御スキームまたは制御スキームの組み合わせが、利用されてもよい。
機能ブロック74はまた、制御ループチューニングのオンデマンド修正を支援するために、ブロックまたはルーチン90を含む。このために、ブロック90は、プロセス制御システム10の制御装置11、ワークステーション13または任意の他の要素、あるいはプロセス制御システム10と通信中のデバイスを介して入力されるユーザコマンドに応答してもよい。一般に、ループに関して自動的に同定されたモデルは、オンデマンドでループチューニングを設定するために選択されたチューニングルールと共に用いられてもよい。モデルがまだ、同定されていなかった場合には、ユーザコマンドは、リレー発振または制御装置の出力に変化を導入するための他の技術を開始してもよい。制御装置の出力における変化に応じて、プロセスから開発された結果として生じるプロセスモデルは、次に、ループチューニングを設定するため、またはチューニング勧告を提供するために、選択されたチューニングルールと共に用いられてもよい。
一部の場合において、ブロック90を介して、またはトリガリング事象(例えば、設定点または他のパラメータ値の変更)の結果として、生成されたプロセスモデルは、制御装置11または機能ブロック74へのダウンロード前に表示するために、最初に保持されてもよい。例えば、そのようなモデルは、ユーザインターフェイスを介して解析が、実装のための承認を提供するまで、「未承認モデル」と分類されてもよい。一部の実施形態において、そのような承認は、あるいはまたはさらに、制御装置11またはワークステーション13における診断または他の機能性を介して自動的に提供されてもよい。
図5は、適応MPC制御ブロック92に関連する適応ブロックフレームワークを示しており、多数の異なる作動領域もまた支援される。これに関連して、モデル同定ルーチン60によって同定された複数のプロセスモデルは、依然として、図示されているように、(図4のメモリ76と類似の)メモリまたは記憶装置94に送られてもよいが、モデルパラメータは、機能ブロック92における実装の前に、MPC制御装置生成ルーチン96によって処理されてもよい。さらに詳細には、ルーチン96は、同定されたモデルに基づいてメモリ98における格納のために対応するMPC制御装置を生成してもよい。論理ブロック100は次に、図示されているように、入力またはメモリ102、104および106によって提供される状態パラメータおよび他のパラメータにおける変更に基づき、MPC制御装置を生成するために用いられるモデル間の選択または切り替えを行ってもよい。
選択されたプロセスモデルに関連するMPC制御装置は次に、オンラインプロセスにおける実装のために、MPC制御装置ブロック108に提供されてもよい。MPC制御装置ブロック108は、選択されたMPC制御装置の自動化されたオンデマンド試験法を支援してもよく、所望に応じて、外乱入力110の導入または他の方法によって開始されてもよい。
一部の場合において、図4および図5に示された例示の適応制御機能ブロック(開示された技術と共に用いるための他のブロックも同様)は一般に、3つのモードの動作、すなわち学習モード、スケジュールモードおよび適応モードを支援する。学習モードにおいて、プロセスモデルは、収集されてもよいが、ループチューニングを決定するために自動的に用いられなくてもよい。スケジュールモードにおいて、新たなプロセスモデルが、収集されてもよく、承認されるそれらのモデルは、ループチューニングパラメータを決定するために自動的に用いられる。適応MPCブロックの場合において、制御装置が、現在の動作領域によって自動的に切り替えられるとき、そのような承認および適用されたモデルは次に、現在の動作領域に応じた制御生成において用いられる。適応モードにおいて、プロセスモデルが収集され、自動的に承認されて、次に、自動的に用いられてループチューニングパラメータを決定する。各機能ブロックに関するデフォルト設定は、学習モードであってもよいが、例えば、ワークステーション13で実装されるアプリケーションの1つによって提供されるディスプレイインターフェイスは、所望に応じて、設定を変更する機会を提供してもよい。
ここで図6を参照すると、ワークステーション13によって実装された1つまたは複数のアプリケーションは、開示された技術によって同定された制御ループおよびプロセスモデルに関して、性能監視、解析、管理および関連する機能性を提供する。例えば、性能監視機能は、同定されたプロセスモデルを表すデータが、次の使用または解析のために入力されるプロセスモデル履歴の生成を含んでもよい。プロセスモデル履歴生成および使用に関するさらなる詳細は、以下に記載される。1つのレベルで、履歴データは、開示された技術によって同定された各プロセスモデルを完全に定義するプロセスモデルパラメータ(例えば、不動作時間、時間定数およびゲイン)を指定してもよい。履歴データで武装し、多数の解析は、制御ループ、そのチューニング、制御スキーム(例えば、適応型または非適応型)などに関して行われてもよい。
一部の実施形態において、プロセスモデル履歴の1つの態様は、同定されたプロセスモデルに関する事象クロニクルの生成に向けられている。さらに詳細には、プロセスモデルが制御装置11において自動的に(図2)または実時間または履歴データからオンデマンドで(図3)同定されるときは常に、モデル同定ルーチン60は、警告(または他のメッセージ)を事象クロニクルまたは追跡モジュール112に送信してもよい。事象クロニクルモジュール112は、特定の制御ループ、デバイス、プラント領域などとモデルの関連付けを容易にするための任意の他のデータと共に、モデル同定の時間および日付を指定するデータを生成することによって、警告に応答する。図6に示される例示の実施形態において、各事象に関して格納されたデータは、ノードまたは制御ループと関連付けられたデバイスに関するタグ名、日付/時間スタンプ、モデルタイプ(例えば、不動作時間、時間定数およびゲイン)、制御ループタイプ(例えば、機能ブロック)、プラント領域番号、チューニングルールおよび制御性能に関する診断表示を含む。前の(または他の)データは、例えば、データ集合に1つまたは複数の要素を追加する場合もあるアプリケーション116による処理後に、データベース114にプロセスモデル履歴の一部として格納されてもよい。アプリケーション116は、各制御ループのチューニングの監視および/または管理に向けられた1つまたは複数のルーチンに対応してもよい。
データベース114は、システム10内の複数の制御装置11に存在する制御ループに関するそのような履歴データを格納してもよく、制御装置の任意の1つの特定のタイプと共に用いることに限定される必要はない。例えば、データベース114は、第三者の制御装置に関するそのようなデータを格納してもよい。
さらに一般的には、図7の例示の実施形態において示されているように、開示されたシステム、方法および技術の実装は、レガシーまたは第三者のプロセス制御システムに適用されてもよい。言い換えれば、開示されたシステムおよび技術は、レガシーまたは他のプロセス制御システムの「上に」実装されてもよい。
これらの場合(および他の別の実施形態)において、ワークステーション13は一般に、制御装置11において他の方法で実装された上述のモデル同定機能性を含む。例えば、ワークステーション13は、データ収集機能120を有するモデル同定モジュール118、構成リストモジュール122、モデル計算ルーチン124および各制御ループに関して最後に同定されたモデルを格納するためのメモリ126を含んでもよい。上述の制御装置11のモデル同定モジュール60の要素に対応するそれらの要素に加えて、ワークステーション13はまた、プロセスモデルが同定されている制御システム用の仮想制御装置128を維持してもよい。仮想制御装置128は、例えば、そのそれぞれのパラメータの表示と共に、各制御ループの現在の構成を反映するモジュールを含み、格納してもよい。すなわち、開示された技術によって生成されたモデルおよび診断情報は、そのノードのために自動的に作成されたモジュールに保存される。このように、仮想制御装置128は、制御装置11に実装されたループに関連して行われる態様と全く同一の態様で、チューニング、診断などによって情報を提供するために利用されてもよい。制御システムの命名規則が、ワークステーション13の命名規則とは異なる場合において、パラメータと相関がある定義は、ワークステーション13のインターフェイス構成ブロック134または他の要素によって行われてもよい。
開示された技術の広汎なアプリケーションを支援するために、ワークステーション13は、ブロック134によって構成されたOPC(オープンプロセス制御:Open Process Control)または他のクライアントインターフェイス132を含み、ループの動的パラメータにアクセスしてもよい。一般的に言えば、ワークステーション13とレガシーまたは第三者の制御システムとの間の通信リンクは、そのOPCサーバ136を同定することによって確立されてもよく、一部の場合において、モデル同定プロセスにおいて必要とされる1つまたは複数の制御装置138の同定などの他の通信設定を同定することによって確立されてもよい。多くの(例えば、不必要な)通信ポートを開放することを回避するために、そのようなOPC接続は、トンネラソフトウェアを用いて行われてもよい。
開示された技術の実装を制御し管理するために、(レガシーまたは標準的な統合された意味のいずれにおいても)ワークステーション13によって提供されるアプリケーションに関するさらなる詳細が、ここで提供される。アプリケーションは一般に、上述したように、プロセスモデルの同定を支援し、同定されたモデルの使用に関連する機能性も提供する。上述したように、プロセスモデルは、適応制御スキームに関連して使用するためだけに生成される必要はない。開示された技術によるプロセスモデルの同定は、制御ルーチンが適応制御ルーチンであるかどうかに関係なく、実装される。適応型であれ非適応型であれ、制御ループのすべてに関してプロセスモデルを同定することは一般に、プロセス、プロセス制御システムおよびその特定の要素の多数の異なる解析を行う能力を提供する。とはいえ、一部の場合において、開示されたシステムは、ノードごと(またはループごと)に基づいて、モデル同定を無効にするために、ダイアログ・ボックス、ウィンドウ、フェイスプレートまたは他のディスプレイインターフェイスを介してオプションを提供してもよい。ディスプレイインターフェイスは、ワークステーション13上で実行中のアプリケーションの実装によって生成された多数のディスプレイインターフェイスのうちの1つであってもよい。そのようなディスプレイインターフェイスの実施例は、図9〜図16において提供されている。
再び図1を参照すると、一般的な問題として、ワークステーション13は、(個別に、分散方式または任意の他の方式のいずれであれ)、プロセスプラント10内に接続されたデバイス、ユニットなどに関して機能性を表示して提供するために、任意の権限の付与されたユーザ(例えば、構成エンジニア、オペレータなど)によってアクセスされてもよいオペレータインターフェイスアプリケーションおよび他のデータ構造140のスイートを含む。オペレータインターフェイスアプリケーション140のスイートは、ワークステーション13のメモリ142に格納され、アプリケーション140のスイートの中のアプリケーションまたはエンティティのそれぞれは、各ワークステーション13に関連付けられるそれぞれのプロセッサ144で実行されるように適合される。アプリケーション140の全体的なスイートは、ワークステーション13に格納されているものとして図示されているが、これらのアプリケーションまたは他のエンティティの一部は、システム10内またはシステム10に関連付けられるか、またはシステム10と通信中の他のワークステーションまたはコンピュータデバイスに格納されて、実行されてもよい。さらに、アプリケーション140のスイートは、ワークステーション13に関連付けられるディスプレイスクリーン146または任意の他の所望のスクリーンまたはディスプレイデバイス、例えば、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、他のワークステーション、プリンタなどへのディスプレイ出力を提供してもよい。同様に、アプリケーション140のスイート内のアプリケーションは、2台またはそれ以上のコンピュータまたはマシンに分散されて実行されてもよく、互いに連動して動作するように構成されてもよい。
図8は、開示されたシステム、方法およびモデル同定技術の実装に関連してさらに詳細に例示のワークステーション13を示している。特に、アプリケーション140のスイートは、本願明細書に記載されたように、制御システム10のモデルに基づく監視および管理の実装に向けた多数のアプリケーション、ルーチン、モジュールおよび他の手順要素を含んでもよい。アプリケーション、ルーチン、モジュールおよび要素は、ソフトウェア、ファームウェアおよびハードウェアの任意の組み合わせによって実装されてもよく、図8に示された例示の構成に限定されるわけではない。例えば、1つまたは複数のアプリケーションは、任意の所望の範囲まで統合されてもよい。
アプリケーションスイートは、モデルが上述の技術によって同定されるとき、プロセスモデルデータ(例えば、パラメータ)の記録の支援を専用とするヒストリアンアプリケーション148を含んでもよい。このために、ヒストリアンアプリケーション148は、ヒストリアンデータベース12、モデルデータベース114または任意の他のメモリまたは格納機構と通信してもよい。上述したように、プロセスモデルデータは、プロセスモデルの同定(またはそれをもたらすデータの収集)を年代順に記録するデータに関して、またはそのようなデータに関連付けて格納されてもよい。ヒストリアンアプリケーション148はまた、選択されたモデルパラメータに関する合計値、平均値および他の値の計算などの解析的な機能性を提供してもよい。ヒストリアンアプリケーション148は、1つまたは複数のディスプレイインターフェイスによって、そのような計算値のほか、基本的な格納データの表示を容易にしてもよい。
第三者インターフェイスアプリケーション150は、図7に関連して記載したように、第三者またはレガシーのプロセス制御システムとの通信リンクを支援して維持するために設けられてもよい。そのために、アプリケーション150は、多数のディスプレイインターフェイスを生成して、通信リンクの構成を容易にし、仮想制御装置128を維持して利用し、インターフェイスを他の方法で支援してもよい。
さらなるディスプレイインターフェイスは、制御装置11との通信を支援することに向けられたアプリケーション152によって提供されてもよい。そのような通信は、制御装置11において実行中の適応制御ルーチンの構成および保守点検を必要とするか、または含んでもよい。アプリケーションスイート全体に当てはまるように、ディスプレイインターフェイスは、ダイナモ、フェースプレート、詳細ディスプレイ、ダイアログ・ボックスおよびウィンドウなどを無制限に含む任意の形態をとってもよく、異なるディスプレイタイプでの表示のために構成されてもよい。
アプリケーションスイートは、チューニングに関連してプロセスモデル情報の使用を専用とするアプリケーション154を含んでもよい。上述のモデル同定技術の結果として、チューニングアプリケーション154は、プラントにおける正常な日常的変化またはオンデマンドチューニングテストから自動的にチューニングパラメータを計算することによって、プロセス制御性能を改善することに向けられる。チューニングの結果は、「開ループ」チューニング勧告および「閉ループ」適応制御の両方のために用いられてもよい。
さらに詳細には、チューニングアプリケーション154は、開ループ動作または閉ループ動作のいずれであれ、すべての制御ループに関して連続的なチューニング計算の性能を支援するために、多数のディスプレイインターフェイスを生成してもよい。チューニング計算は、PID制御装置、ファジー論理制御装置およびMPC制御装置において標準的な制御および適応制御の両方を支援し、したがって、フィードバック制御およびフィードフォーワード制御の両方に関するチューニング勧告を提供する。チューニングアプリケーション154はまた、上述したように、リレー発振または他の手順のいずれかを用いて、オンデマンドチューニングを提供してもよい。
チューニングアプリケーション154は、ヒストリアンデータベース12および/またはモデルデータベース114(または所望に応じて他の場所)に格納されたモデルパラメータおよびプロセス値をはじめとするプロセスモデル履歴データにアクセスし、したがって、履歴プロセスモデルデータを用いて最適なチューニングを計算してもよい。そのために、ディスプレイインターフェイスは、そのようなチューニング計算に適したデータの位置を特定し、そのようなデータを選択するために、履歴を容易に詳細に調べるために、ツールを提供するか、または含んでもよい。チューニングアプリケーション154によって生成されたディスプレイインターフェイスのこの態様は一般に、ユーザが、モデルパラメータ(例えば、状態を安定化させるための時間、事象トリガ閾値)を変更し、モデルを再同定するか、または自動モデル同定ではこれまで可能でなかったループに関するモデルを同定することを可能にする。
チューニングアプリケーションはまた、チューニング計算結果の履歴の解析を支援するために、インターフェイスを提供してもよい。この能力は、適応制御の機会の解析および適応制御構成の改善を容易にする可能性がある。
上述したように、チューニングアプリケーション154は、プロセスに対する手動変動がほとんどない(すなわち、制御装置出力における自動導入である)場合、制御装置のチューニングを同定するのに役立つ制御「摂動(perturbations)」の導入を支援するために、インターフェイスを提供してもよい。良好なチューニングが計算されると、摂動を無効にするために、インターフェイスによってオプションが提供されてもよい。複数の制御ループが摂動状態にある場合には、プロセスの外乱を分散して最小限に抑えるために、動きが同期化されてもよい。
チューニングアプリケーション154は、プロセス状態および他の状態表示に応答してもよく、その結果、任意の計算結果が、それに応じて同定される。このように、開示されたシステムは、最悪の状態においてまたは不良なプロセスデータによって計算された情報の使用を回避する。そのために、モデルに関連する計算は、適切である場合には、説明と共に、結果が、良好か、不良かまたは利用可能でないかを表してもよい。
チューニングアプリケーション154はまた、特に、チューニング勧告情報およびユーザログを伝達して、チューニング変更および任意の適応制御チューニング解析を文書化するために、概要報告を生成してもよい。
(単独でまたは他のアプリケーションと連動してのいずれであれ)チューニングアプリケーション154によって生成されるディスプレイインターフェイスに関するさらなる詳細は、図12〜図16に関連して提供される。これらの図は、上述した機能性を容易にするために、ユーザに提供されるプロセスモデルおよび制御ループの図を一般的に示している。
図8を続けて参照すると、アプリケーション156は一般に、開示された技術によって同定されたプロセスモデルを利用する性能監視を自動的に制御することに向けられる。アプリケーション156はさらに詳細には、(i)性能改善のための機会の同定、(ii)制御問題の原因の解析および診断および(iii)動作、制御および保守点検を行う人材に関する重要な実績報告の生成を促進するか、または自動的に実装することによって、プロセス制御性能を改善することに向けられる。このために、アプリケーション156は、プロセスモデルに基づく制御性能指数を生成してもよい。この「モデルに基づく」指数は、再チューニングを必要とする制御ループを同定するためのよりよいベンチマークを提供する。新たな指数は、プロセス妥当性、同定されたプロセスモデル、既存の制御装置チューニングなどの要因に基づいて、性能を改善する機会を判定する。そのような性能監視は、適用可能である場合には、ユニットの状態を考慮し、ループが不適切なユニット状態である場合、または他の状態表示(例えば、Fieldbus状態)またはI/O通信が良好でない場合には、性能計算を除外してもよい。バルブの静摩擦、緩みおよび他のバルブの診断指数もまた、すべてのバルブに関して提供されてもよい。
前述の特徴および以下に記載される特徴は一般に、開示された技術によって自動的に作製されるプロセスモデルを利用することによって行われる制御性能の比較によって提供される。プロセスモデルの使用を通じて、チューニングの芳しくない制御ループおよび制御性能に影響を及ぼすプロセスにおける変化が、同定されてもよい。履歴の値からのプロセスモデルにおける偏差は、潜在的なプロセス問題として制御ループにフラグを立てるために用いられてもよい。
また、プロセスモデルを用いて、発振中であるループを同定するために、発振指数もまた、アプリケーション156によって生成されてもよい。さらに詳細には、発振解析ツールは、同一の発振期間を有し、主要ループと相互に作用する可能性がある他のループを同定してもよい。この情報は次に、プロセスの相互作用および可能な設計勧告を同定するために用いられてもよい。
アプリケーション156によって提供された診断情報は、不良な制御性能が予想される原因の表示を付随してもよい。例えば、診断は、不良な制御性能が命令エラー、バルブの静摩擦または緩み、プロセスの相互作用または制御装置のチューニングによって生じているかどうかを表してもよい。
一般的に言えば、制御性能監視情報は、多数のカスタマイズされたディスプレイインターフェイスおよび報告を含む任意の所望の形態で提供されてもよい。履歴性能報告は、制御ループがユーザの指定した時間期間にわたってどのように実行されたかを示すために提供されてもよい。そのような報告に関するデフォルトの時間期間は、最後の時間、最後のシフト(8時間)、最後の日、最後の週、最後の月を含む。ユーザは、詳細なループ情報にアクセスするために、概要報告から「掘り下げる」ために、オプションを提供してもよい。インターフェイスの報告は、例えば、プラントの広さおよび個別のプロセスユニット、前の期間と現在の期間を比較する傾向および/または表、対応する性能尺度を有する上位優先度のループのリストに関して全体に重み付けされた性能指数によって、管理概要に関してカスタマイズされてもよい。保守点検報告は、制御ループ性能指数を提示し、プラント動作に対する関連する重要性に基づいて、作業品目に優先順位を付けてもよい。他の報告は、制御性能指数、標準偏差、発振指数、プロセスモデル(利用可能である場合)、自動相互相関、ヒストグラム、パワースペクトルなどに関するデータを含む統計を提供してもよい。
アプリケーション156によって提供される情報に関するさらなる詳細は、図9〜図12に示される例示のディスプレイインターフェイスによって提供される。
アプリケーションスイートはまた、個別の制御ループ解析アプリケーション158を含んでもよい。一部の実施形態において、アプリケーション158は、アプリケーション156によって生成されたディスプレイインターフェイスを介して利用可能である。いずれにしても、アプリケーション158は、上述したモデル同定技術に関して収集されるヒストリアンまたは実時間データの解析を支援する。データは、未測定の外乱および測定雑音から制御における変動の調査を容易にするインターフェイスを介して提示されてもよい。例えば、アプリケーション154および156を介して同定された問題は、診断のための解析アプリケーション158を用いてさらに調査されてもよい。そのために、それによって生成されたディスプレイインターフェイスは、パワースペクトラム、自動相関およびヒストグラムのデータを計算するためのオプションを提供してもよい。
アドバイザアプリケーション160は一般に、チューニングまたはアルゴリズムの修正によって、制御スキームを改善するために、異常状態または機会を検出するために、診断に関連して同定されたモデルを利用する機能性を提供してもよい。アドバイザアプリケーション160によって提供される情報は、システム10と通信状態にあるワークステーション13、制御装置11または任意の他の要素によって生成されるフェースプレートを含む任意のタイプのディスプレイインターフェイスに提供されてもよい。1つの特定の実施例において、ディスプレイインターフェイスは、「チューニングを確認してください」などの新たな助言メッセージの表示を示すためのフラグを有してもよい。
さらに一般的には、アドバイザアプリケーション160は、スイートにおけるアプリケーションの任意の1つによって行われる解析または診断の結果として生成される勧告を提供してもよい。さらに、勧告は、アドバイザアプリケーションによって生成されるディスプレイインターフェイスによって提供される必要はなく、スイートにおけるアプリケーションのうちの任意の1つまたは複数に表示を送信してもよい。したがって、勧告およびメッセージ、例えば、「新たなチューニングが利用可能です」「プロセスを調べてください。プロセスにおいて著しい変更が検出されました」「バルブを確認してください。不感帯/ヒステリシス大です」「チューニングを確認してください。ループが不安定です」および「制御は、MPC/適応を用いて改善可能です」などが一般に、プロセス制御システム10と通信中のワークステーション13または他のデバイスによって提供されてもよい。メッセージまたは勧告の表示に加えて、基本的な状態に関する詳細が、制御ループに関する履歴または他のパラメータとして格納されてもよい。制御ループに関して格納されたデータの次のアクセスまたは使用は、次に、スイートにおけるアドバイザアプリケーションまたは他のアプリケーションのユーザに対して詳細または関連メッセージを表示させてもよい。
開示された技術の実装もまた支援する他のアプリケーションは、プロセス制御システム10内のナビゲーションを容易にするための制御スタジオアプリケーション162と、上述の報告の生成のための報告生成アプリケーション164と、を含む。最後に、1つまたは複数のメモリまたはデータベース166はまた、アプリケーションスイートの一部として提供されてもよい。
図9は、プロセスモデル検査解析から生じる概要情報を提示するために、性能監視アプリケーション156(または、あるいは他のアプリケーションのうちの任意の1つまたは複数)によって生成されてもよい例示のディスプレイインターフェイス168を示している。この特定の実施例において、ディスプレイインターフェイス168は、全体的なプロセス制御システム10において、制御ルーチンまたはモジュールの状態を表す情報および階層木パネル170を介して選択されたその任意のエリアを提示する。制御性能は、「不正確なモード」「制限された制御」「不確かな入力」および「大きな変動」を含むカテゴリによってチャートパネル172に指定され、概要を示している。制御モジュール、機能ブロックまたはルーチンのこれらのカテゴリの1つへの割り当てまたは分類は一般に、開示された技術によって同定されたプロセスモデルによって可能であり、この同定されたプロセスモデルを用いて自動的に実装されてもよい。ディスプレイインターフェイス168はまた、機能不全と思われるか、すぐに保守点検を必要とするか、助言警告があるか、または通信障害を被っている種々の資産に関して統計情報を提示するために、資産警告チャートパネル174も含む。
図10は、これも性能監視アプリケーション156によって生成されてもよい例示のディスプレイインターフェイス176を示している。ディスプレイインターフェイス176はまた、一般に、制御性能情報を提示するが、さらに詳細なレベルである。この実施例において、性能情報は、階層木パネルにおいて選択されたエリアにおいて、各制御ループまたはモジュールに関して提示される。具体的な制御ループに関して検出された各異常状態は、異常モード、制限された制御、入力状態、高い変動または機能していない関連デバイスに関する問題の間で識別する表に記載されてもよい。異常状態を記載した報告が生成されたかどうかに関する表示と共に、優先順位もまた、表示されてもよい。
図11は、これも性能監視アプリケーション156によって生成されてもよい例示のディスプレイインターフェイス178を示している。ディスプレイインターフェイス178は、図10のインターフェイス176と類似であり、性能情報が提示される制御レベルにおいて異なる。この場合には、モジュールまたはループは、パネル170によって選択され、性能情報は、その各機能ブロックに関して提示される。具体的なブロックに関する診断情報は次に、表に表示されたブロック名で選択(例えば、右クリック)することによってアクセスされてもよい。
図12は、チューニングアプリケーション154および性能監視アプリケーション156を含むアプリケーションのうちの1つまたは複数によって生成されてもよい例示のディスプレイインターフェイス180を示している。一般的に言えば、ディスプレイインターフェイス180は、選択された制御要素(例えば、PID1)に関する診断計算の結果の調査を促進する。計算によって導出された統計量に関する制限値もまた、所望に応じて、比較およびユーザによる修正のために表示される。制限を超えると、アラームが関連情報を表示してもよい。さらに一般的には、ディスプレイインターフェイス180および基本的な計算において提示された情報は、制御ループの安定性が、本願明細書に開示されたプロセスモデル同定技術の結果としてどのように連続的に監視されているかを表している。
図13は、自動プロセスモデル同定のほか、オンデマンドモデル同定に関する制御ループの設定を容易にする例示のディスプレイインターフェイス182を示している。トリガ事象タイプ、トリガ事象レベル、パラメータ変更最大値などを指定するために、多数のパネルが、インターフェイス182によって提供される。このように、ディスプレイインターフェイス182は、ノードごとまたはループごとに、プロセスモデル同定手順をユーザにカスタマイズすることが可能である。
図14は一般に、ユーザが、特に、どれほど多くの領域が必要とされるかを決定するために、保存されたプロセスモデルを可視化してもよい方法を示している。さらに一般的には、ディスプレイインターフェイス184は、プロセスモデル履歴情報を列挙するパネル186と、それぞれの水平線によって、承認されたモデル値を示し、ドットによって、履歴データベースにおいて同定および格納されたプロセスモデルのパラメータを示すモデルグラフパネル188と、を示している。上述したように、それぞれのモデルは、多数(例えば、5つ)の領域に関して承認されてもよく、モデルパラメータの分散は、領域の同定を容易にしてもよく、チューニング勧告によって他の方法で助けてもよい。
図15および図16は、それぞれファジー論理制御ブロックおよびMPCブロックに関して最近同定されたモデルに関するプロセスモデル情報を示している。そのために、ディスプレイインターフェイス190および192は、試験、チューニング計算、制御装置パラメータ設定、チューニングシミュレーションおよびチューニング選択を支援するために、多数のパネル192、194、196および198と共に、プロセスモデルのそれぞれのグラフィカル表示を提供する。
図17は、プロセスモデルメモリ(例えば、データベース114、制御装置メモリなど)または他のプロセスモデル履歴リポジトリの動的管理に関連する本開示の別の態様に向けられる。プロセスにおいて変更が検出されるたびに、プロセスモデルが更新または同定されてもよいとすれば、新たなモデルがプロセスに関して連続的に同定されるため、データベース114内のプロセスモデルは、成長し続けてもよい。一部の実施形態において、プロセスモデルは、1つまたは複数の異なる制御ルーチンの異なる動作領域に関して、1日に数回同定されてもよい。例えば、制御機能ブロックに関して制御ルーチンの異なる動作領域に関するプロセスモデルが、制御装置11のメモリに格納されてもよい。複数の制御装置に連結されたワークステーションにおいて、異なる制御ルーチンに関するプロセスモデルは、種々の制御ルーチンの異なる動作領域に関する複数のプロセスモデルの上に、メモリまたはデータベースに格納されてもよい。有用なプロセスモデルを保持すると同時に、冗長なプロセスモデル情報または擬似的なプロセスモデル情報を排除するために、以下では、ハードウェアおよびソフトウェアの両方をはじめとするメモリ、データベースまたは他のそのような知識リポジトリにおいて格納されるようなプロセスモデル履歴を管理するための技術の一例を提供する。例えば、一部の実施形態において、プロセスモデルの数および対応するメモリ要件は、高い信頼性(例えば、品質)係数を有する関連プロセスモデルを維持することと釣り合いをとって管理されてもよい。
本願明細書に記載されるプロセスモデル管理技術は、プロセスがオンラインである間、実時間で行われてもよく、ワークステーション13、制御装置11またはバックグランドプロセスとしてプロセスモデル履歴を維持する任意の他のデバイスによって実行されてもよい。言い換えれば、プロセスモデル管理技術は、他のアプリケーションより低い優先度で実行されてもよく、その結果、他のアプリケーションは、システムリソースに関する優先度を有する。例えば、プロセスモデル管理技術は、システムリソースが利用可能である場合に限り、プロセスモデル履歴からプロセスモデルを除去するバッチプロセスとして実行されてもよい。すなわち、プロセスモデル管理技術が実行される場合には常に、2つ以上のプロセスモデルがモデルデータベースから除去されてもよい。一部の実施形態において、プロセスモデル管理技術は、プロセスループに基づいて、自動的に行われ、その結果、新たなプロセスモデルが同定されるため、プロセスモデル履歴が管理される。例えば、プロセスループに基づく実行によるバッチプロセスを用いて、プロセスモデル履歴が200個のプロセスモデルを格納し、10個のプロセスモデルが一度に除去/消去されることになっている場合には、次に、201番目のプロセスモデルが同定されると、プロセスモデル管理技術が実行され、プロセスモデル履歴における190個のプロセスモデルに191番目(201番目のプロセスモデルに対応する)を加えた結果を生じる。一度に消去/除去されることになっている10個のプロセスモデルの上記の例は、例示のために過ぎず、実際の数は、所望に応じて構成または実装されてもよいことを留意すべきである。プロセスモデルは、プロセスモデル履歴のメモリまたはデータベースからプロセスモデルを消去することによって、除去されてもよく、解析、傾向化などのために有用である場合があるプロセスモデルの長期格納を提供する大容量格納データシステムに消去されたプロセスモデルをコピーすることを含んでもよい。
本願明細書に記載されたプロセスモデル管理技術は、モデル同定が制御装置の中で行われてもよい場合には、上述したシステムを含め、知的制御システムにおいて特に有用である可能性がある。一般に、プロセスモデル管理技術は、少なくとも制御装置11および/またはワークステーション13に対して、もはや関連しないか、または有用ではないプロセスモデルのプロセスモデル履歴を「切り詰める(prunes)」。この技術は一般に、プロセスモデルの関連優先度を決定するために、予め決定された優先度基準を利用する。例えば、優先度基準は、モデル品質の尺度およびモデル年数の尺度(例えば、時間)を含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。そのような優先度基準は、例えば、より古いプロセスモデルに比べて、最近のプロセスモデルを重要視してもよく、より低い品質指数を有するプロセスモデルに比べてより高い品質指数を有するプロセスモデルを重要視してもよい。
モデル年数は、種々の基準、例えば、プロセスモデルが最初に同定された時間、同定プロセスがモデルを同定し始めた時間、モデルが制御プロセスにおいて最初に利用された時間、モデルが制御プロセスにおいて最後に利用された時間、プロセスモデルが同定または利用された順序などに応じて、測定されてもよい。モデル品質の尺度もまた、種々の基準に基づいてもよい。例えば、プロセスモデルを同定する場合に、新たに同定されたプロセスモデルは、品質検査を受けてもよく、その結果は、プロセスモデルに対して品質指数または他の品質を起因する。
一般に、モデル品質は、プロセスモデルの信頼性の指標であり、各動作領域に関するモデルの履歴に基づいてもよい。例えば、品質係数および時間に関するモデルの偏差を考慮してもよい。一部の実施形態において、モデル品質係数は、経験則およびプロセスモデルの各パラメータに関する最後の3つのエラーの合成物であってもよい。また、一部の実施形態において、各パラメータに関する品質係数は、複数のステップで決定されてもよい。最初に、3つのエラーの最小値(min3error)および最大値(max3error)が、決定される。次に、中間のエラー(error_middle)が最小のエラーであるかどうかが決定される。最大対最小のエラー比(error_min_max)が、自己調整プロセスの場合には1.75より高いかどうか、または統合プロセスの場合には1.25より高いかどうかがさらに決定される。モデルパラメータに関するモデル品質係数が、次に、以下のように計算されてもよい。
式中、quality_biasおよびquality_modifierは、以下の単独のモデルパラメータ品質係数計算定数の表に基づいて、計算されてもよい。
全体としてモデル同定に関する最終的な品質係数は、上述したモデル同定技術から同定された各モデルパラメータに関する品質係数の合成物である。一例として、モデルパラメータがゲイン、不動作時間および/または時間定数を含むと仮定すると、自己調整プロセスおよび統合プロセスに関する品質係数の合成物はそれぞれ、以下のように決定されてもよい。
式中、gain_qfは、自己調整プロセスに関するゲイン品質係数であり、int_gain_qfは、統合プロセスに関するゲイン品質係数であり、tc_qfは、時間定数品質係数であり、dt_qfは、不動作時間品質係数である。定数a、bおよびcは、以下の表における品質係数計算定数によって定義されてもよい。
最終モデル結果は、同定された動作領域において前に同定されたモデルと新たに同定されたモデルの混合として提供されてもよい。例えば、モデル同定結果は、下限と上限との間の範囲によって乗算された構成値(例えば、0.1...0.5)によって限定(固定)される割合であってもよい。さらに、新たなプロセスモデルは、プロセスのタイプ(自己調整型または統合型)に応じて、上記の式による最終的な品質係数によって重み付けされてもよい。例えば、新たなモデルは、以下のように重み付けされてもよい。
制御機能74においてモデル計算の一部として、新たなモデルは、モデル同定が行われた動作領域76において格納されてもよい。一例において、5つのモデルゲインのプロセスモデル履歴および品質係数の実行平均は、一例において、各動作領域に関して格納されてもよい。上述の技術によって同定されたモデルの品質を更新するために、品質係数の実行平均は、以下の式を用いて更新されてもよい。
最後の5つのモデルゲインの平均、最小値および最大値は、平均比に対する偏差と同様に、計算されてもよい。一例において、平均比に対する偏差は、
として計算されてもよく、0.0と1.0との間に制限されてもよい。最終的なモデル品質は、次に、
として計算されてもよい。上記のモデル品質係数は、例示のためだけに提供されており、当業者は、品質の種々の尺度が、各プロセスモデルに関して用いられてもよいことを理解するであろう。しかし、プロセスモデルの優先順位付けが、基準の同一の設定に基づいているように、年数、品質または任意の他の優先度基準の尺度は、種々のプロセスモデルの中で一貫していなければならないことも理解すべきである。
以下にさらに記載される一実施形態において、プロセスモデル管理技術は、優先度基準が多次元空間の軸(例えば、次元)であり、個別のプロセスモデルが軸座標に基づいて定義された多次元空間における点として表示される場合に、多次元空間における最小距離地点を求める問題を解決するものとして提示されている。一般に、図17を参照すると、多次元空間は、2つまたはそれ以上の優先度基準に基づいて定義される。プロセスモデルは、優先度基準に基づいて多次元空間内で体系化される。優先度基準は、説明だけの目的のために、モデル年数(モデル番号)およびモデル品質(品質)として開示されている。しかし、3つ以上の優先度基準を利用して、多次元空間を定義し、多次元空間内でプロセスモデルを体系化してもよいことを認識すべきである。
図17において示されているように、モデル年数およびモデル品質の優先度基準のそれぞれは、具体的な値に基づいて定量化される。例えば、優先度基準がモデル年数に基づいている場合には、モデル年数は、速いプロセスループまたは遅いプロセスループの種々のタイプに関して一般化するために、モデル番号として提示されてもよい。尚、より高いモデル番号が、より新しいプロセスモデルに対応する。同様に、モデル品質係数は、モデル品質指数(図17では「品質」として表される)などの値として提示されてもよく、より高い指数値が、より低い指数値を有するプロセスモデルより高い品質または信頼性のプロセスモデルを表す。
優先度基準のいずれかまたはすべてが、他の優先度基準に比べて重み付けされてもよい。重み付け、さらに詳細には、重み付け値は、他の優先度基準に対する一部の優先度基準の相対的な重要性に対応する。例えば、より高い重みは、モデル年数と比べた場合のモデル品質優先度に合致してもよい。すなわち、モデル年数に関してモデル品質に優先順位を付けるために、最大値モデル品質(Max Q)は、最大値モデル年数(例えば、モデル番号がモデル年数を表すために用いられる場合には、最大値モデル番号)の2倍に設定されてもよい。図17および上記で提供された実施例を参照すると、プロセスモデルの総数が200を超えると(例えば、201番目のプロセスモデルが同定される)、プロセスモデル履歴から一度に10個のモデルが消去/除去されることになっており、それにより、プロセスモデル履歴には最大で190個のプロセスモデルが残っている場合には、最大値モデル品質は、380である。各プロセスモデルに関するモデル品質の基準値は次に、以下の指数に正規化されてもよい。
モデル品質またはそのことに関する任意の他の優先度基準は、任意の実装された値(例えば、Max Q=1.0)に正規化されてもよいことを認識すべきである。
プロセスモデル履歴におけるプロセスモデルのそれぞれまたは具体的な制御ルーチンおよび/または動作領域に関して格納された少なくともプロセスモデルのそれぞれは、優先度基準に基づいて体系化されてもよい。特に、プロセスモデルのそれぞれは、優先度基準軸に関連する座標値に応じて、多次元空間内で体系化されてもよい。図17を参照すると、「+」は、モデル年数およびモデル品質(モデル番号、品質)に対応する座標値に応じて体系化された個別のプロセスモデルを表す。
基準点が多次元空間内で体系化されたすべてのプロセスモデルに対して共通である場合には、多次元空間における座標に応じて各プロセスモデルを体系化することによって、基準点からの距離または分離度が、計算されてもよい。すなわち、除去/消去のために選択されたプロセスモデルは、基準点に対するプロセスモデルの近接性に基づいて決定されてもよい。例えば、基準点がモデル年数(例えば、最も古い可能性がある年数または最小のモデル番号)およびモデル品質(例えば、最小の可能性がある品質)の最も適当でない値を表す優先度基準値に対応する場合には、基準点と各プロセスモデルとの間の距離は、多次元空間において計算されてもよい。最短の距離に対応するプロセスモデルは次に、プロセスモデル履歴から除去するための候補であってもよい。別の実施例において、基準点は、モデル年数およびモデル品質の最も適当な値を表す優先度基準に対応してもよく、そのような場合には、最長の距離に対応するプロセスモデル(例えば、基準点から最大の分離度)は、除去のための候補であってもよい。
図17を参照すると、座標(1,0)から始まる線は、モデルA、B、CおよびDに関して図示されているように、起点からのモデルの距離を表す。基準点が多次元空間の起点に対応する場合には、各プロセスモデルと基準点との間の距離または分離度の計算は、プロセスモデルに関する各座標値の平方の和に簡略化されてもよい。
優先度基準の正規化された値が、式において利用されてもよい。したがって、優先度基準に関して用いられる具体的な値に関係なく、分離度または距離は、基準点からプロセスモデルまでの分離度または距離の平方として表される。プロセスモデルは次に、この分離度に基づいて優先順位が付けられてもよく、基準点が最も適当でない基準値である場合には、最低の値(例えば、最小の10個の値)は、プロセスモデル履歴から除去するために選択されるか、または基準点が最も適当な基準値である場合には、最高の値が除去するために選択される。計算において、正規化された距離または分離度を用いてもよい。
除去のために選択され、次に除去/消去されるプロセスモデルの数は、多数の決定基準またはパラメータに左右されやすい。一部の実施形態において、プロセスモデル履歴におけるプロセスモデルの数の上限または閾値が仮定され、その値を超えると、プロセスモデル管理技術が実行される。例えば、200個以上のプロセスモデルが具体的な制御機能ブロックに関してプロセスモデル履歴において格納されている場合には、プロセスモデル履歴から過剰なプロセスモデルを除去するために、プロセスモデル管理技術が実行されてもよい。これらのパラメータは、追加のパラメータ、例えば、所与の動作領域に関して保持されることになっているプロセスモデルの数に関する制限(例えば、動作領域当たり20個のプロセスモデルの最小閾値)などによって制限されてもよい。したがって、制御機能ブロック当たりのプロセスモデルの総数は、200未満、または200に等しく制限されてもよく、制御機能ブロックにおける動作領域当たりのモデルの数は、20より大きいものとして、または20に等しいものとして確立されてもよい。これらのパラメータを前提として、プロセスモデル履歴におけるプロセスモデルは、第2のパラメータ状態が満たされるように、第1のパラメータ状態が破られるときは常に、プロセスモデル管理技術に基づいて除去される。
プロセスモデル履歴からプロセスモデルを除去する場合に利用されてもよい追加決定基準またはパラメータの例としては、プロセスモデルが多次元空間内でどのように体系化されたかに関係なく、最後に同定されたプロセスモデルが、より高い品質番号を有するプロセスモデルに関する優先傾向、より新たなプロセスモデルに関する優先傾向および/または領域の現在の設定、状態変数などを維持することが挙げられてもよい。たとえ、ユーザが、動作領域においてモデルがないように領域の境界を次に変更してもよいとしても、最後に決定された基準の一例として、プロセスモデル管理技術の結果として、現在の動作領域においてプロセスモデルを除去/消去することが許容可能である。
さらに、除去/消去のために選択されたモデルは、依然として有用性および/または関連性があるプロセスモデルを保持するために、有用性および/または関連性が少ないプロセスモデルを除去/消去すると同時に、優先度基準の釣り合いをとる機能によって制限されてもよい。例えば、プロセスモデル管理技術は、高い品質指数を有する古いプロセスモデルを保持し、低い品質指数を有するより新しいプロセスモデルを保持することによって、モデル品質およびモデル年数の釣り合いをとってもよい。この釣り合いは、優先度基準の一次関数または動径関数によって表されてもよい。図17を参照すると、破線は、プロセスモデル管理技術の概念化のために、モデルがプロセスモデル履歴からの除去/消去のために選択される第1の削減としての線形境界を表す。この線形境界は、モデル品質およびモデル年数の関数として提供される。
上述の例示の一次関数は、プロセスモデル管理技術が起動される前に、380の最大指数に正規化されるモデル品質および200の最大モデル年数に基づいている。プロセスモデルに関する座標値(例えば、優先度基準値)が上述の式を用いて400未満の値を結果として生じる場合には、そのプロセスモデルは、除去/消去のための候補である。座標値が、上述の式に基づいて400または400を上回る値を結果として生じる場合には、プロセスモデルは、除去/消去から排除されてもよい。したがって、プロセスモデルの年数および品質または他の優先度基準は、関連する高い品質係数に起因して依然として有用性および関連性があると思われるより古いモデルが保持され、関連する適時性に起因して有用性および関連性があると思われる低品質モデルもまた、保持されてもよいように、釣り合いをとってもよい。上述の一次式は、多数の異なる優先度基準のいずれかに関する所望であるか、または実装される最大値または他の閾値に基づいて、必要に応じて可変であってもよい。
上述の閾値関数は、一次関数として与えられたが、実際には、実際の閾値は、図17において四分円として図示されている動径関数として提供されてもよい。尚、半径は、消去されることになっている最後のプロセスモデルに対する距離である。すなわち、10個のプロセスモデルが、プロセスモデル管理技術の実行のたびに消去されることになっている場合には、10番目の最小の分離度または距離(再び、最も適当でない基準値に対応する基準点を仮定する)を有するプロセスモデルが、閾値に関する基準として用いられる。すなわち、10番目の最小の分離度または距離より短い分離度または距離を有する任意のプロセスモデルは、除去/消去されやすい。言い換えれば、10番目の最小の分離度または距離を有するプロセスモデルは、起点としての基準点を用いて、動径関数の半径として用いられ、その半径内に収まるすべてのプロセスモデルは、除去/消去用の候補である。
例えば、多次元空間の次元として優先度基準によって定義される多次元空間における座標に基づいて、各プロセスモデルを体系化することによって、種々の基準によるプロセスモデルのそれぞれを体系化した後、分離度または距離が、共通の基準点から計算されてもよい。分離度または距離を用いて、プロセスモデルが、除去/消去のために選択され、次に、多数の決定基準、パラメータまたは閾値に従って、プロセスモデル履歴から除去/消去されてもよい。例えば、プロセスモデルは、優先度基準の関数(例えば、一次関数または動径関数)に基づいてプロセスモデルの関連性および有用性の釣り合いをとる閾値に左右されてもよい。そのために、優先度基準は、別の優先度基準に比べて1つの優先度基準に対してさらなる重要性を得るために重み付けされてもよい。プロセスモデル管理技術は、単に実行されるだけであってもよく、および/または同一の制御ルーチンに関して同定されたプロセスモデルの総数および/または同一の動作領域に関して同定されたプロセスモデルの総数など、具体的な決定基準または閾値に基づいて、具体的にプロセスモデル履歴、制御ルーチンまたは動作領域に関してプロセスモデルを除去/消去してもよい。
上述のプロセスモデル管理技術に基づいて、技術の特徴としては、モデルデータベースにおける情報の妥当性を維持し、異なるプロセスおよび動作状態(例えば、遅い/速い応答、安定/変化中の状態など)を自動的に処理し、解析のために一貫した情報を供給し、システムメモリ要件において合理的な範囲を実現し、管理または「クリーンアップ」タスクを実行するために、ユーザの介入を未然に防ぐことが挙げられてもよい。この技術は、SISO、MIMOなどをはじめとする種々のプロセスタイプにおいて実装されてもよいが、これらに限定されるわけではない。この技術はまた、モデル、統計量、エキスパートシステムなどをはじめとする種々のプロセス情報に関して実装されてもよいが、これらに限定されるわけではない。この技術は、最も関連性のある情報を自動的に決定してもよく、それにより、自己学習してもよい。この技術はさらに、自己チューニング制御装置に関する最も関連性のあるプロセスモデルを自動的に決定し、モデル年数およびモデル品質に基づいて、いずれのモデルが放棄されるかを自動的に決定してもよい。
「同定する」「同定」なる語およびその任意の派生語は、プロセスモデルの使用に関して広義で本願明細書において用いられ、全体的なプロセスモデル、それを定義するための1つまたは複数のパラメータまたはその任意の他の定義特性のいずれかで達成するプロセスモデルの作製、生成および他の処理を含む。
上述のアプリケーションおよび技術のいずれかは、1つまたは複数の統合アプリケーションのルーチン、モジュールまたは他の構成要素として実装されてもよく、今度は、1つまたは複数のネットワーク化された(または他の方法で通信可能に相互接続される)ワークステーション、ホストコンピュータまたはメモリおよびプロセッサを有する他の計算デバイスの中で分散され、実装されてもよい。アプリケーション機能性の開示された構成は、説明において容易にするためだけに提供され、機能性がオペレータまたは他のユーザに適用してもよい広範囲の態様を表しているわけではない。さらに、上述のアプリケーションは、所望に応じて、ユーザプロファイル、文脈および他のパラメータに基づいて種々の形態で提供されてもよい。例えば、1つのユーザタイプ(例えば、エンジニアリング)に関して生成されたディスプレイインターフェイスビューは、異なるユーザタイプ(例えば、保守点検)に関して生成されたビューとは、内容および他の点で異なっていてもよい。
実装される場合には、本願明細書に記載されたソフトウェアのいずれが、コンピュータまたはプロセッサなどのRAMまたはROMにおいて、磁気ディスク、レーザディスクまたは他の格納媒体などの上の任意のコンピュータ読み出し可能メモリに格納されてもよい。同様に、このソフトウェアは、ユーザ、プロセスプラントまたは任意のオペレータワークステーションに、例えば、コンピュータ読み出し可能ディスクまたは他の輸送可能なコンピュータ格納機構または電話線、インターネット、ワールドワイドウェブ、任意の他のローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク(供給は、輸送可能な記憶媒体を介してそのようなソフトウェアを提供することと同一であるか、または互換性があるものと見なす)などの通信チャネルにわたって、任意の周知または所望の供給方法を用いて供給されてもよい。さらに、このソフトウェアは、変調または暗号化を行うことなく、直接的に提供されてもよく、または通信チャネルにわたって伝送される前に、任意の適切な変調搬送波および/または暗号技術を用いて変調および/または暗号化されてもよい。
本発明は、特定の実施例を参照して記載してきたが、それらの実施例は、説明のために過ぎず、本発明を限定することを意図しているわけではなく、変更、追加または削除が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、開示された実施形態に対して行われ得ることは当業者には明白と思われる。
「関連出願」
これは、2007年9月28日に提出された「プロセス制御システムのプロセスモデルリポジトリ動的管理(Dynamic Management of a Process Model Repository for a Process Control System)」という名称の米国仮出願第60/976,346号に基づき、その優先権を主張する正規に提出された出願であり、これにより、その全体の開示内容は、本願明細書に参照によって援用されるものとする。