JP5306854B2 - 寒冷地用ケーブル接続部材 - Google Patents

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Description

本発明は、CVケーブル、EPゴム絶縁EPゴムシースケーブルなどの電力ケーブルと変圧器や開閉器などの電力機器とを接続する機器直結型ケーブル接続部材、及び電力ケーブル同士を接続するために使用されるケーブル接続部材に関し、特に、80℃〜−40℃、好ましくは80℃〜−60℃のような、低温領域を含む環境温度で使用される寒冷地用ケーブル接続部材に関する。
従来、電力ケーブルと電力機器との接続や電力ケーブル同士の接続において、例えば図8に示すようなケーブル接続部材が用いられている。
図8は、従来の機器直結型(T型)ケーブル接続部材を概略的に示す断面図である。
図8において、機器直結型ケーブル接続部材800は、ケーブル850の端部を収容すると共に該ケーブルとの電気的な絶縁を補強するゴム絶縁筒801と、該ゴム絶縁筒の内部に設けられた内部半導電層802に挿入されるゴムスペーサ803とを有する。また、ゴムスペーサ803のケーブル挿入側端部には、電界集中を緩和する外部半導電層804が形成されている。ゴムスペーサ803は、使用されるケーブル850の絶縁被覆851の外径より内部半導電層802の内径が大きい場合や、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通のゴム絶縁筒を適用可能とするために、嵌合径差を埋めるアダプタとして使用される。ゴム絶縁筒801、内部半導電層802及びゴムスペーサ803はエチレン・プロピレンゴム(以下、単に「EPゴム」という)から成る。或いは、ゴム絶縁筒801、内部半導電層802及びゴムスペーサ803はシリコーンゴムから成る。尚、図8では、ケーブルの外部半導電層や金属遮蔽層、及びゴムスペーサ内の外部半導電層とケーブルの外部半導電層を電気的に接続する半導電性融着ゴムテープ等による接続処理や接地線の引き出し処理等については図示せず、その説明を省略する。
このように構成される機器直結型ケーブル接続部材において、ゴムスペーサ803をケーブル850の絶縁被覆851の端部に挿入し、内部に内部半導電層802が設けられたゴム絶縁筒801にゴムスペーサ803を挿入すると、ゴム絶縁筒801のゴム弾性によりゴムスペーサ803とゴム絶縁筒801との界面が所定の面圧で保持され、これにより絶縁特性が確保される。同様にして、ケーブル850の絶縁被覆851とゴムスペーサ803との界面でも絶縁特性が確保される。
ここで、寒冷地ではケーブル接続部材が設置されている環境温度が常温から−30℃以下まで低下することがある。この場合、EPゴムの引張弾性率は、図2に示すような温度依存性を示し、−30℃以下で急増傾向を示す。EPゴムは引張弾性率が増加するにつれて硬くなる傾向があるため、ゴムスペーサとの界面の面圧が低下する。ケーブルの通電電流が小さく、導体の温度上昇が小さい場合、ケーブル接続部材の温度は、外部環境に曝されているゴム絶縁筒から低下し、最終的に内部のゴムスペーサやケーブルの絶縁被覆、導体などの温度が、ゴム絶縁筒の温度に追従して低下する。例えば、ゴム絶縁筒が−50℃まで低下し、EPゴムの引張弾性率が常温の値の3倍以上になるようなレベルまで増加して、EPゴムがほぼ完全に硬くなった場合、ゴムスペーサの内側の温度は、ゴム絶縁筒の温度に追従して低下しておらず、ゴム絶縁筒の温度より高いときがある。このとき、時間経過とともにゴムスペーサの内側の温度もゴム絶縁筒と同等の温度まで低下し、ゴムスペーサのEPゴムもほぼ完全に硬くなるが、ゴム絶縁筒のEPゴムが硬くなりその形状を保持したままゴムスペーサの内部の温度が更に低下するために、ゴム絶縁筒が硬くなった時のゴム絶縁筒の内径よりもゴムスペーサの外径が縮小し、ゴム絶縁筒とゴムスペーサとの界面に隙間が発生する。この隙間が数十ミクロン以上に大きくなると、この隙間で部分放電が発生し、界面の放電劣化により使用電圧下で絶縁破壊を起こすことがある。また、ゴムスペーサとケーブルの絶縁被覆との界面にも隙間が発生し、その結果ゴムスペーサとケーブルの絶縁被覆との界面でも絶縁破壊を起こすこともある。
このような問題を解消すべく、図9に示すようなケーブル接続部材が用いられている。従来の他の機器直結型(T字型)ケーブル接続部材を図9に示す。図9において、ケーブル接続部材900は、架橋シリコーンゴムで構成される絶縁層901と、架橋シリコーンゴムで構成される内部半導電層902と、架橋EPゴムで構成される外部半導電層903とを備える。このケーブル接続部材では、電力ケーブルの導体に端子を取り付けた電力ケーブル端子をケーブル端子収容部904に挿入し、また、機器の導体にブッシングを取り付けた機器端子を機器端子収容部905に挿入する。これにより、電力ケーブル端子と機器の導体とが機械的に接続される(例えば、特許文献1参照)。
シリコーンゴムは、常温から−50℃までの引張弾性率の増加量が小さいため(図2参照)、環境温度が−50℃であるときでも硬くなる傾向を示さず、常温でのゴム弾性と同等のゴム弾性を有する。したがって、絶縁層901の内側の温度が外部半導電層903の温度に追従して低下するまで、ケーブル端子収容部904とケーブル絶縁体との界面に隙間が発生せず、絶縁破壊が起こらない。
特開平2003−348744号公報
しかしながら、従来の寒冷地用機器直結型ケーブル接続部に関する特許文献1の技術では、絶縁層が外部半導電層内のほぼ全体に亘って形成され、また、シリコーンゴムの機械的強度がEPゴムと比較して低いため、機械的損傷を受け易く、絶縁性能が低下する可能性が高いという問題がある。また、シリコーンゴムは吸水性が高いため、降雪・降雨時などの多湿条件下では絶縁性能が低下するという問題がある。さらに、ケーブル端子収容部の挿入口を画定する外部半導電層がEPゴムから成るため、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通のゴム絶縁筒を適用するのが困難である。
本発明の目的は、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通のゴム絶縁筒を容易に適用することができると共に、機械的強度を低下させることなく、環境温度の低い寒冷地でも高い絶縁性能を実現することができる寒冷地用ケーブル接続部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、ケーブルの端部を収容すると共に前記ケーブルとの電気的な絶縁を補強するゴム絶縁筒と、前記ゴム絶縁筒と前記ケーブルの端部との間に挿入されるゴムスペーサとを備え、前記ゴム絶縁筒の引張弾性率が常温での前記ゴム絶縁筒の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度でのゴムスペーサの引張弾性率が、常温での前記ゴムスペーサの引張弾性率の3倍未満であることを特徴とする。尚、ここでいう常温とは日本工業規格JIS Z 8703で規定している20℃±15℃(5〜35℃)の範囲をいう。
請求項2記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、ケーブルの端部を収容すると共に前記ケーブルとの電気的な絶縁を補強するゴム絶縁筒と、前記ゴム絶縁筒と前記ケーブルの端部との間に挿入されるゴムスペーサと、前記ゴム絶縁筒のスペーサ収容側表面に形成される加硫ゴム層と、前記加硫ゴム層上に形成される保護層とを備え、前記ゴム絶縁筒の引張弾性率が常温での前記ゴム絶縁筒の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度でのゴムスペーサの引張弾性率が、常温での前記ゴムスペーサの引張弾性率の3倍未満であり、かつ、当該温度での加硫ゴム層の引張弾性率が、常温での前記加硫ゴム層の引張弾性率の3倍未満であることを特徴とする。
請求項3記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、請求項1又は2記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、前記ゴム絶縁筒はエチレン・プロピレンゴムを主成分とする組成物から成り、前記ゴムスペーサはシリコーンゴムを主成分とする組成物から成ることを特徴とする。
請求項4記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、請求項3記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、前記ゴム絶縁筒は、エチレン・プロピレン共重合体又は第三成分を含む三元共重合体であるゴム組成物から成ることを特徴とする。
請求項5記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、前記ゴムスペーサは、前記ゴム絶縁筒に設けられ前記ゴムスペーサが挿入されるスペーサ収容部の内周面と当接する外周面を有し、前記ゴムスペーサの外径が、前記ゴムスペーサが挿入されるスペーサ収容部の内径以上であることを特徴とする。
請求項6記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、前記ゴム絶縁筒は、前記ゴムスペーサが収容されるスペーサ収容部の内周面に形成された内部半導電層を有し、前記内部半導電層は、前記ゴムスペーサの外周面と当接することを特徴とする。
請求項7記載の前記ゴムスペーサは、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、前記ケーブルの絶縁被覆の端面と当接する最奥面を有し、前記最奥面には前記ケーブルの導体が挿通される導体用孔部が設けられることを特徴とする。
請求項8記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、ケーブルの端部を機器に接続するための機器直結型接続部材であることを特徴とする。
請求項9記載の寒冷地用ケーブル接続部材は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材において、ケーブルの端部同士を接続するための直線型接続部材であることを特徴とする。
請求項1記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、ゴム絶縁筒とケーブルの端部との間にゴムスペーサが挿入されるので、外径の異なるケーブルを用いる場合であってもゴム絶縁筒とケーブルとの間の径差を容易に埋めることができる。また、ゴム絶縁筒の引張弾性率が常温でのゴム絶縁筒の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度でのゴムスペーサの引張弾性率が常温でのゴムスペーサの引張弾性率の3倍未満であるので、ゴム絶縁筒の引張弾性率が急激に増加するような低温環境下でも、ゴムスペーサとゴム絶縁筒との間に隙間が発生せず、絶縁破壊が起こることがない。これにより、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通のゴム絶縁筒を容易に適用することができると共に、機械的強度を低下させることなく、環境温度の低い寒冷地でも高い絶縁性能を維持することができる。また、ゴムスペーサのみを新たに作製すればよいため、安価且つ簡単な構成で、高い絶縁性能を維持することができる。
請求項2記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、低温でも加硫ゴム層の機械的保護機能が高いため、シリコーンゴム製スペーサの低温柔軟性と合わせて、ケーブル接続部の高い低温電気特性を維持することができる。
請求項3記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、シリコーンゴムはエチレン・プロピレンゴムに比して機械的強度が低いため、該シリコーンゴムを有効に保護し、吸水防止性を高めることができる。
請求項4記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、ゴム絶縁筒は、エチレン・プロピレン共重合体又は第三成分を含む三元共重合体であるゴム組成物から成るので、上記効果を更に確実に奏することができる。
請求項5記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、ゴムスペーサは、ゴム絶縁筒に設けられ該ゴムスペーサが挿入されるスペーサ収容部の内周面と当接する外周面を有し、ゴムスペーサの外径が、該ゴムスペーサが挿入されるスペーサ収容部の内径以上であるので、低温環境下でもゴムスペーサとゴム絶縁筒の間に隙間が発生せず、もって高い絶縁性能を確実に実現することができる。
請求項6記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、ゴム絶縁筒は、ゴムスペーサが収容されるスペーサ収容部の内周面に形成された内部半導電層を有し、内部半導電層は、ゴムスペーサの外周面と当接するので、低温環境下でもゴムスペーサと内部半導電層の間に隙間が発生せず、もって高い絶縁性能を確実に実現することができる。
請求項7記載の寒冷地用ケーブル接続部材によれば、ゴムスペーサは、ケーブルの絶縁被覆の端面と当接する最奥面を有し、該最奥面にはケーブルの導体が挿通される導体用孔部が設けられるので、ケーブルをゴム絶縁筒に確実に固定することができ、また、ゴムスペーサの外部に配された端子に導体を確実に固定することができる。
本発明の実施の形態に係る寒冷地用ケーブル接続部材の構成を概略的に示す断面図である。 試験温度とEPゴム又はシリコーンゴムの引張弾性率との関係を示す図である。 試験温度とEPゴム又はシリコーンゴムの線膨張係数との関係を示す図である。 試験温度とEPゴム又はシリコーンゴムの圧縮永久歪との関係を示す図である。 図1の寒冷地用ケーブル接続部材の変形例を示す図である。 図1の寒冷地用ケーブル接続部材の他の変形例を示す図である。 図1の寒冷地用ケーブル接続部材の他の変形例を示す断面図である。 従来の機器直結型(T型)ケーブル接続部材を概略的に示す断面図である。 従来の他の機器直結型(T型)ケーブル接続部材を概略的に示す断面図である。
発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、ゴム絶縁筒の引張弾性率が常温でのゴム絶縁筒の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度でのゴムスペーサの引張弾性率が、常温でのゴムスペーサの引張弾性率の3倍未満であると、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通のゴム絶縁筒を容易に適用することができると共に、機械的強度を低下させることなく、環境温度の低い寒冷地でも高い絶縁性能を実現できることを見い出した。また、ゴムスペーサのみを新たに作製すればよいため、安価且つ簡単な構成で、高い絶縁性能を維持できることを見い出した。
本発明は、上記研究結果に基づいてなされたものである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る寒冷地用ケーブル接続部材の構成を概略的に示す断面図である。尚、本実施の形態では、機器直結型(T型)ケーブル接続部材を例にとって説明する。
図1において、寒冷地用ケーブル接続部材1は、ケーブル20の端部を収容すると共に該ケーブルとの電気的な絶縁を補強する略T字型のゴム絶縁筒10と、ゴム絶縁筒10内に設けられたテーパ形状の絶縁栓11と、絶縁栓11内で同絶縁栓と同軸上に配置され、ケーブル20の導体21と圧縮端子30を介して電気的に接続されるスタッドボルト12と、ゴム絶縁筒10の端部とケーブル20の端部との間に挿入されるゴムスペーサ15とを備える。ゴム絶縁筒10から突出するゴムスペーサ15の端部近傍には、不図示の半導電層が形成されている。また、ゴムスペーサ15が外部に露出する部分には上記半導電層を覆うように絶縁テープ40が巻かれている。尚、図1では、ケーブルの外部半導電層や金属遮蔽層、及びゴムスペーサ内の外部半導電層とケーブルの外部半導電層を電気的に接続する半導電性融着ゴムテープ等による接続処理や接地線の引き出し処理等については図示せず、その説明を省略する。
ゴム絶縁筒10は、絶縁栓11の軸方向に沿う端部において、機器が接続される機器用孔10aと、機器用孔10aの外周縁部に配されたブッシング16とを有する。ゴム絶縁筒10は、エチレン・プロピレンゴム(以下、単に「EPゴム」と称する)を主成分とするゴム組成物から成り、好ましくは、エチレン・プロピレン共重合体又は第三成分を含む三元共重合体であるゴム組成物からなる。ゴム絶縁筒10のスペーサ収容側の外径は、例えば90φである。ブッシング16は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする組成物から成る。ゴム絶縁筒10が機器に固定されている状態では、ゴム絶縁筒10がブッシング16によって機器の筐体と絶縁され、機器の接続端子がスタッドボルト12に電気的に接続される。
ゴム絶縁筒10には、その内部において絶縁栓11の軸方向に対して略垂直に設けられゴムスペーサ15が挿入されるスペーサ収容部13が設けられている。また、ゴム絶縁筒10は、スペーサ収容部13の内周面に形成された内部半導電層101と、内部半導電層101及びゴムスペーサ15の外周面を覆うように配され、内部半導電層101及びゴムスペーサ15を電気的に絶縁する絶縁層102と、絶縁層102の外周面に設けられると共にゴム絶縁筒10の枠体を構成する外部半導電層103とを有する。内部半導電層101、絶縁層102及び外部半導電層103は一体成形され、絶縁筒10を構成する。例えば、内部半導電層101、絶縁層102及び外部半導電層103はゴムモールド成形されている。
絶縁筒10のスペーサ収容部13には、後述するゴムスペーサ15の外周面15aと当接する内周面13aが形成されている。ゴムスペーサ15が取り付けられたケーブル20がゴム絶縁筒10に挿入されると、ゴム絶縁筒10及び/又はゴムスペーサ15のゴム弾性により、ゴムスペーサ15の外周面15aがゴム絶縁筒10の内周面13aと圧接し、ゴムスペーサ15がゴム絶縁筒10に収容される。このとき、ゴムスペーサ15及び/又は絶縁筒10のゴム弾性によって、ゴム弾性筒10とゴムスペーサ15の界面が所定の面圧で保持され、これにより絶縁特性が確保される。
内部半導電層101の奥側には、圧縮端子30が挿入される孔13bが設けられている。内部半導電層101は、EPゴムを主成分とするゴム組成物から成り、好ましくは、エチレン・プロピレン共重合体又は第三成分を含む三元共重合体を主成分とするゴム組成物からなる。
ゴムスペーサ15は、略筒型の部材であって、スペーサ収容部13の内周面13aと当接する外周面15aと、ケーブル20の絶縁被覆22の外周面22aと当接する内周面15bとを有している。ゴムスペーサ15の外径は、スペーサ収容部13の内周面13aの内径以上となるように設計される。また、ゴムスペーサ15の内径は、絶縁被覆22の外周面22の外径以下となるように設計される。ゴムスペーサ15は、例えば、シリコーンゴムを主成分とするゴム組成物から成る。
また、ゴムスペーサ15は、ケーブル20の絶縁被覆22の端面22bと当接する最奥面15cを有しており、最奥面15cには、ケーブル20の導体21が挿通される導体用孔部15dが設けられている。これにより、ケーブル20を内部半導電層101に確実に固定することができ、また、導体21を圧縮端子30に確実に固定することができる。
ゴムスペーサ15がケーブル20に取り付けられると、ゴムスペーサ15の内周面15bが絶縁被覆22の外周面22aと当接し、又はゴムスペーサ15のゴム弾性によりゴムスペーサ15の内周面15bが絶縁被覆22の外周面22aと圧接し、これによりゴムスペーサ15がケーブル20に嵌め込まれる。このとき、ゴムスペーサ15及び/又は絶縁被覆22のゴム弾性により、ゴムスペーサ15と絶縁被覆22の界面が所定の面圧で保持され、これにより絶縁特性が確保される。
この寒冷地用ケーブル接続部材1では、ケーブル20の導体21に圧縮端子30を取り付けた状態でケーブル20をゴム絶縁筒10に挿入し、圧縮端子30を孔13bに挿入する。そして、ケーブル接続部材1の機器用孔10aに機器の接続端子を挿入する。これにより、ケーブル20の導体21が圧縮端子30を介して機器の接続端子と電気的に接続される。
ここで、ゴム絶縁筒がブッシングを介して機器に接続される場合(又はEPゴム製絶縁部材が挿入されたエポキシ樹脂製絶縁部材を介して接続される場合)、低温環境下でのEPゴム/エポキシ樹脂界面の挙動や、EPゴム/シリコーンゴム界面の挙動を解明することが絶縁性能を評価する上で重要となる。
<EPゴム/エポキシ樹脂界面について>
エポキシ樹脂は引張弾性率が大きく且つ剛性が高いために、常温でのEPゴム/エポキシ界面の面圧はEPゴムの弾性に大きく依存している。ところが、環境温度が−30℃以下のような低温領域まで降下する場合には、EPゴムの引張弾性率は常温の値の3倍以上に増加し、EPゴムの弾性が失われていく。
エポキシ樹脂の線膨張係数は、ガラス転移温度以下では、一般的に3.0〜4.0×10−5/Kであり低温領域でも大きく変わらない。一方、EPゴムの線膨張係数は、常温で4.1×10−4/K、−30℃で2.51×10−4/K、−40℃で2.07−4/K、−50℃で1.40×10−4/Kである。すなわち、EPゴムの線膨張係数は、常温から−30℃以下の低温領域に至るまで下降傾向を示すものの、この低温領域に至るまでは、エポキシ樹脂の線膨張係数よりも常に一桁大きい。したがって、EPゴム製部材がエポキシ樹脂製部材を外側から締め付けるような構造では、温度収縮によってEPゴム/エポキシ界面に隙間を生じることはない。
また、EPゴムの−30〜−50℃での低温圧縮永久歪は、解放してから1時間経過後において60%であるが、温度収縮によるEPゴム/エポキシ樹脂界面の隙間を生じないことから、EP/エポキシ界面の絶縁性能は維持される。
以上より、EPゴム製部材がエポキシ樹脂製部材を外側から締め付けるような構造では、環境温度の低下による絶縁性能の低下は生じず、EPゴム/エポキシ樹脂界面の挙動を考慮する必要は殆どない。
<EPゴム/EPゴム界面について>
ケーブル接続部材は外側から冷えていくため、外側のゴム絶縁筒と内側のゴムスペーサの温度差が発生し、ゴム絶縁筒/ゴムスペーサ界面に圧力変動が生じる。
ケーブル接続部材の全体温度が環境温度に追従するまではゴムスペーサの温度はゴム絶縁筒より高く、ゴムスペーサの引張弾性率はゴム絶縁筒よりも低い。したがって、ゴムスペーサのゴム弾性はゴム絶縁筒のゴム弾性よりも高い状態にある。
このため、環境温度の変化によるゴム絶縁筒/ゴムスペーサ界面の圧力変動を弾性の高いゴムスペーサのゴム弾性で補うことができず、圧縮永久歪として残留する。
常温から−20℃までの温度領域では、EPゴムの引張弾性率は常温の値の3倍以下であり、EPゴムは依然としてゴム弾性を有している。しかし、−20℃以下になるとEPゴムの引張弾性率は急激に増大傾向を示し、常温の値の3倍以上となりゴム弾性を失っていく(図2)。また、EPゴムの線膨張係数は、常温で4.1×10−4/K、−30℃で2.51×10−4/K、−40℃で2.07×10−4/K、−50℃で1.40×10−4/Kであり(図3)、常温の値から低温領域に至るまで下降傾向である。
環境温度が−30℃から−50℃程度まで低下していくと、外側のゴム絶縁筒がゴムスペーサと嵌合したまま硬くなり、寸法変動しない拘束状態となる。このとき、ゴムスペーサの温度はゴム絶縁筒よりも高く、ゴムスペーサの線膨張係数はゴム絶縁筒よりも大きいので、ゴム絶縁筒がゴム弾性を失って寸法変動の拘束状態になった時点では、温度変化による収縮量がゴム絶縁筒よりも大きいことになる。
その後、ゴムスペーサの温度も周囲温度に追従して下降していき、ゴム弾性を失って寸法変動の拘束状態となっていく。この温度変化の過程において、ゴム絶縁筒が最初に寸法変動の拘束状態になった時点のゴムスペーサの収縮寸法を当該ゴムスペーサの弾性で完全に補填できないまま、ゴムスペーサも硬くなりそのまま寸法変動の拘束状態に至る。
ここで対象としている接続部のEPゴム絶縁筒/EPゴムスペーサの一般的な寸法は、例えば以下の通りである。
EPゴムスペーサ肉厚:10〜20mm程度
ゴム絶縁筒/EPゴムスペーサ界面嵌合半径:20〜30mm
一般に、ゴムスペーサはゴム絶縁筒の組立時に挿入されるため、嵌合状態でのゴム絶縁筒によるゴムスペーサの圧縮歪は5%程度である。
−20℃以下の温度領域におけるゴムスペーサの圧縮永久歪が60%に達することから(図4)、圧縮歪は5%から上記圧縮永久歪60%を除いた40%分に相当する2%程度まで低下する。この結果、界面の嵌合半径差は20mm×0.02=0.4mmとなる。更に温度が低下し、ゴムスペーサの引張弾性率も常温の3倍以上になってくると、弾性を失って、ゴム絶縁筒/ゴムスペーサ界面嵌合半径の位置でゴム絶縁筒と単に当接しただけの状態となる。
ここで、ゴム絶縁筒の温度が−50℃でゴムスペーサの温度が−30℃の場合は、温度差によるゴムスペーサの界面収縮が発生する。その場合のゴムスペーサの界面収縮寸法は、以下のように算出される。
[ゴムスペーサの界面収縮寸法]=(2.51−1.40)×10−4[/K]×20[deg]×(10〜20)[mm](ゴム絶縁筒/ゴムスペーサの界面嵌合半径)=0.022〜 0.044[mm]
したがって、ゴムスペーサは、温度低下による剛性化で当接しただけの上記界面の嵌合半径位置から0.022〜0.044mm収縮する。この結果この界面に隙間が生じることになる。
すなわち、常温において挿入限界の1mm程度の嵌合径差を示すゴムスペーサの温度が、EPゴムの引張弾性率が常温の値から急激に増加する温度領域まで低下することにより、EPゴムが硬くなることと温度収縮に起因して界面に隙間を生じる可能性がある。
EPゴムの引張弾性率が常温の3倍以上となる温度よりも低い温度領域において、ゴム絶縁筒/ゴムスペーサの界面では締め付け圧力は0となり、界面には隙間が発生し、電気的なストレスの高い部分で部分放電が発生し、やがて放電劣化により絶縁破壊を起こす。
<EPゴム/シリコーンゴム界面について>
ゴムスペーサがシリコーンゴムで構成され、引張弾性率が常温の値の3倍以上に増加するときのシリコーンゴムの温度が−70℃である場合について説明する。
シリコーンゴム製ゴムスペーサ肉厚:10〜20mm程度
ゴム絶縁筒/ゴムスペーサ界面嵌合半径:20〜30mm
一般に、ゴムスペーサは施工時にゴム絶縁筒に圧縮挿入されるが、嵌合状態でのゴム絶縁筒によるシリコーンゴム製スペーサの圧縮歪は、10%程度である。
−30℃以下でのシリコーンゴム製スペーサの圧縮永久歪が15〜35%に達することから(図4)、−30℃以下でのゴムスペーサの圧縮歪みは、常温での値である10%から上記圧縮永久歪15〜35%を除いた85%〜65%分に相当する8.5〜6.5%程度まで低下する。しかし、EPゴム製スペーサの場合と異なり、シリコーンゴム製スペーサは弾性を失わないので、この圧縮歪8.5〜6.5%程度が締め付け半径差として機能している。
ここで、ゴム絶縁筒の温度が−50℃でゴムスペーサの温度が−30℃の場合は、温度差による寸法収縮が発生する。
一方、シリコーンゴムの線膨張係数は、常温で3.4×10−4/Kで、−30℃で3.4×10−4/K、−50℃で6.8×10−4/Kであり、−20℃以下で急激に増大する。
例えば、ゴム絶縁筒の温度が−50℃でゴムスペーサの温度が−30℃の場合、ゴムスペーサの界面収縮寸法は以下のように算出される。
[ゴムスペーサの界面収縮寸法]=(6.8−1.4)×10−4[/K]×20[deg]×(20〜30)[mm]=0.22〜0.33[mm]
この時点でゴムスペーサは常温時と同等の高い弾性を有しており、前記の8.5%〜6.5%程度の締め付け半径差で補うことが可能である。このため、遅れることなくこの寸法変動が補填される。したがって、EPゴム/シリコーンゴムの界面には隙間が発生しない。
ゴムスペーサの温度が周囲温度に追従するまでにゴム絶縁筒が硬くなって寸法変動が拘束状態となっても、ゴムスペーサの弾性により過渡的な収縮による寸法変動を吸収できる。これに加えて、ゴムスペーサが周囲温度に追従すると、温度差により発生した寸法変動は消滅する。ゴムスペーサは弾性を有しており、これによりゴム絶縁筒/ゴムスペーサ界面の良好な絶縁性能が維持される。
シリコーンゴムの引張弾性率は、引張弾性率が常温の3倍以上となる温度領域(−50℃以下の温度領域)では、EPゴムの引張弾性率と同様に、急激に増大する傾向を示す。したがって、ゴム絶縁筒10の引張弾性率の値が常温での引張弾性率の値の3倍以上に増加する温度(約−50℃以下)において、当該温度におけるゴムスペーサ15の引張弾性率の値が常温での引張弾性率の値(約2MPa)の3倍未満であれば、ゴム絶縁筒/ゴムスペーサ界面の良好な絶縁性能が維持される。このとき、図2に示すように、ゴムスペーサ15の常温での引張弾性率(約2MPa)に対して3倍以上の値(約6MPa)に増加するときの温度(約−65℃)(第1の温度)は、ゴム絶縁筒10の常温での引張弾性率(約6MPa)に対して3倍以上に増加する温度(約−30℃)(第2の温度)より10℃以上低い(図2)。上述したように、シリコーンゴムは、常温から−50℃までの引張弾性率の増加量が小さいため、環境温度が−50℃であるときでも硬くなる傾向を示さず、常温でのゴム弾性と同等のゴム弾性を有する。よって、ゴムスペーサの内側の温度がゴム絶縁筒の温度に追従して低下するまで、ゴム絶縁筒とゴムスペーサとの界面に隙間が発生せず、絶縁破壊が起こらない。また、ゴム絶縁筒にEPゴムを使用し、スペーサのみにシリコーンゴムを使用するため、機械的損傷を受け難く、また、降雪・降雨時などの多湿条件下でも高い絶縁性能が維持される。
また、シリコーンゴムは弾性が高いため、ゴムスペーサとゴム絶縁筒との嵌合径差を3mm程度まで大きくすることが可能である。このとき、ゴムスペーサをゴム絶縁筒に挿入する際の作業性が損なわることはない。これにより、低温領域における高い絶縁性能を容易に且つ確実に実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ゴム絶縁筒10とケーブル20の端部との間にゴムスペーサ15が挿入されるので、外径の異なる数種類のケーブルを用いる場合であってもゴム絶縁筒10とケーブルとの嵌合径差を容易に埋めることができる。また、ゴム絶縁筒10の引張弾性率の値が常温での引張弾性率の値の3倍以上に増加する温度(約−30℃以下)において、当該温度におけるゴムスペーサ15の引張弾性率の値が常温での引張弾性率の値(約2MPa)の3倍未満であれば、ゴムスペーサ15とゴム絶縁筒10との間に隙間が発生せず、絶縁破壊が起こることがない。これにより、ゴム絶縁筒10の機械的強度を低下させることなく、−30〜−60℃の低温領域でも高い絶縁性能を維持することができる。
また、本実施の形態によれば、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通のゴム絶縁筒を利用することができると共に、ゴムスペーサ15のみをシリコーンゴムで作製すればよいので、安価且つ簡単な構成で、高い絶縁性能を維持することができる。加えて、施工時にゴムスペーサ15をゴム絶縁筒10に差込挿入するだけで高い絶縁性能を維持することができるので、施工時におけるケーブル接続部材の組立作業性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ゴム絶縁筒10はEPゴムを主成分とする組成物、好ましくはエチレン・プロピレン共重合体又は第三成分を含む三元共重合体を主成分とするゴム組成物から成り、ゴムスペーサ15はシリコーンゴムを主成分とする組成物から成るので、上記効果を確実に奏することができる。
尚、本実施の形態では、ゴムスペーサ15は、シリコーンゴムを主成分とする組成物から成るが、これに限るものではない。ゴム絶縁筒の引張弾性率の値が常温での引張弾性率の値の3倍以上に増加する温度において、当該温度におけるゴムスペーサの引張弾性率の値が常温での引張弾性率の値の3倍未満であれば、絶縁筒及びゴムスペーサは他の材料を主成分とする組成物から成るものであってもよい。
図5は、図1の寒冷地用ケーブル接続部材1の変形例を示す図である。図5に示す寒冷地用ケーブル接続部材は機器直結型(I型)ケーブル接続部材であり、その構成が図1の機器直結型(T字型)ケーブル接続部材と基本的に同じであるため、対応する要素の説明を省略する。
図5において、寒冷地用ケーブル接続部材50は、ゴム絶縁筒51と、ゴム絶縁筒51内に配され、後述するゴムスペーサの端部を収容する内部半導電層52と、ゴム絶縁筒51とケーブル20の端部との間に挿入されるゴムスペーサ53とを備える。この機器直結型(I型)ケーブル接続部材では、ゴムスペーサ53の外径がゴム絶縁筒51の内径以上となるように設計される。このため、取付け時には、ゴムスペーサ53及び/又はゴム絶縁筒51のゴム弾性により、ゴムスペーサ53とゴム絶縁筒51の界面が所定の面圧で保持され、これにより絶縁特性が確保される。
図6は、図1の寒冷地用ケーブル接続部材1の他の変形例を示す図である。図6に示す寒冷地用ケーブル接続部材は、電力ケーブルの端部同士を接続するために使用される直線型ケーブル接続部材であり、その構成が図1の機器直結型(T字型)ケーブル接続部材と基本的に同じであるため、対応する要素の説明を省略する。
図6に示すように、寒冷地用ケーブル接続部材60は、ゴム絶縁筒61と、ゴム絶縁筒61内に配され、後述するゴムスペーサの端部を収容する内部半導電層62と、ゴム絶縁筒61とケーブル20との間に挿入されるゴムスペーサ63とを備える。ゴムスペーサ63の両端部には2本のケーブル20が挿入され、該2本のケーブルの導体が、ゴムスペーサ63の中心に配された圧縮スリーブ64を介して互いに接続される。また、寒冷地用ケーブル接続部材60は、内部半導電層62内において2つのゴムスペーサ間に嵌挿され、内部に圧縮スリーブ64を収容する半導電ゴム製スリーブカバー65を備えている。この直線型ケーブル接続部材では、ゴムスペーサ63の外径がゴム絶縁筒61の内径以上となるように設計される。このため、取付け時には、ゴムスペーサ63及び/又はゴム絶縁筒61のゴム弾性により、ゴムスペーサ63とゴム絶縁筒61の界面が所定の面圧で保持され、これにより絶縁特性が確保される。
図7は、図1の寒冷地用ケーブル接続部材1の他の変形例を示す断面図である。図7に示す寒冷地用ケーブル接続部材は、その構成が図1の機器直結型(T字型)ケーブル接続部材と基本的に同じであるため、対応する要素の説明を省略する。
図7において、寒冷地用ケーブル接続部材70は、ゴム絶縁筒10のスペーサ収容側表面に巻かれた加硫ゴムテープ71と、加硫ゴムテープ71上に巻かれた保護テープ72とを備える。加硫ゴムテープ71はクロロプレンゴムあるいはEPゴムなどを主成分とする材料から成り、保護テープ72は、ポリ塩化ビニルを主成分とする材料から成る。
加硫ゴムテープ71は、断面図において、ゴム絶縁筒10のスペーサ収容側端部から内部半導電層101と重なる位置に亘ってゴム絶縁筒10の外周面に巻かれている。加硫ゴムテープ71は、粘着層を有しておらず、ゴム絶縁筒10上に1〜2回巻いた状態で固定される。加硫ゴムテープ71は、常温での引張弾性率がゴム絶縁筒10の常温での引張弾性率よりも大きい材料から成る。また、ゴム絶縁筒10の引張弾性率が常温でのゴム絶縁筒10の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度での加硫ゴムテープ71の引張弾性率が、常温での加硫ゴムテープ71の引張弾性率の3倍未満である。
加硫ゴムテープ71の材質にはクロロプレンゴム、EPゴムなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
保護テープ72は、断面図において、ケーブル20の端部から加硫ゴムテープ71の端部に亘って巻かれる。保護テープ72は、その一方の面に接着層を有しており、加硫ゴムテープ71を完全に覆った状態で固定される。保護テープ72は、塩化ビニルを主成分とする材料からなるが、これに限定されるものではない。
本変形例によれば、ゴム絶縁筒10の引張弾性率が常温でのゴム絶縁筒10の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度での加硫ゴムテープ71の引張弾性率が、常温での加硫ゴムテープ71の引張弾性率の3倍未満である。シリコーンゴムはエチレン・プロピレンゴムに比して機械的強度が低いため、該シリコーンゴムを有効に保護し、吸水防止性を高めることができる。加えて、低温でも加硫ゴムテープ71の機械的保護機能が高いため、ゴムスペーサ15の低温柔軟性と合わせて、ケーブル接続部の高い低温電気特性を維持することができる。
尚、本変形例では、保護テープ72は接着層を有しているが、これに限るものではなく、粘着層を有していてもよい。
また、本変形例では、寒冷地用ケーブル接続部材70は、ゴム絶縁筒10のスペーサ収容側表面に巻かれた加硫ゴムテープ71を備えるが、これに限るものではなく、ゴム絶縁筒10のスペーサ収容側表面に形成される加硫ゴム層を備えていても良い。また、寒冷地用ケーブル接続部材70は、加硫ゴムテープ71上に巻かれた保護テープ72を備えるが、これに限るものではなく、加硫ゴムテープ71上に形成される保護層を備えていても良い。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明者は、低温環境下におけるケーブル接続部材の絶縁特性を研究した。
先ず、EPゴムを主成分とする組成物でゴム絶縁筒を、シリコーンゴムを主成分とする組成物でゴムスペーサを夫々作製し、該EPゴム製絶縁筒及びシリコーンゴム製スペーサを用いて、図7に示すようなケーブル接続部材を作製した。その後、表1に示すようなI〜IVの試験種別にて環境温度を20℃から−50℃まで変化させてケーブル接続部材の絶縁特性を評価した。その評価結果を表2に示す。
Figure 0005306854
Figure 0005306854
本実施例では、EPゴムを主成分とする組成物で絶縁筒を、シリコーンゴムを主成分とする組成物でスペーサを夫々作製すると、外径が異なる数種類のケーブルに対して共通の絶縁筒を適用することができると共に、機械的強度を低下させることなく、環境温度の低い寒冷地でも高い絶縁性能を維持できることが分かった。
1 寒冷地用ケーブル接続部材
10 ゴム絶縁筒
11 絶縁栓
12 スタッドボルト
13 スペーサ収容部
13a,15b 内周面
13b 孔
15 ゴムスペーサ
15a 外周面
16 ブッシング
20 ケーブル
21 導体
22a 外周面
30 圧縮端子

Claims (9)

  1. ケーブルの端部を収容すると共に前記ケーブルとの電気的な絶縁を補強するゴム絶縁筒と、前記ゴム絶縁筒と前記ケーブルの端部との間に挿入されるゴムスペーサとを備え、
    前記ゴム絶縁筒の引張弾性率が常温での前記ゴム絶縁筒の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、当該温度でのゴムスペーサの引張弾性率が、常温での前記ゴムスペーサの引張弾性率の3倍未満であることを特徴とする寒冷地用ケーブル接続部材。
  2. ケーブルの端部を収容すると共に前記ケーブルとの電気的な絶縁を補強するゴム絶縁筒と、前記ゴム絶縁筒と前記ケーブルの端部との間に挿入されるゴムスペーサと、
    前記ゴム絶縁筒のスペーサ収容側表面に形成される加硫ゴム層と、前記加硫ゴム層上に形成される保護層とを備え、
    前記ゴム絶縁筒の引張弾性率が常温での前記ゴム絶縁筒の引張弾性率の3倍以上に増加する温度において、
    当該温度でのゴムスペーサの引張弾性率が、常温での前記ゴムスペーサの引張弾性率の3倍未満であり、かつ、
    当該温度での加硫ゴム層の引張弾性率が、常温での前記加硫ゴム層の引張弾性率の3倍未満であることを特徴とする寒冷地用ケーブル接続部材。
  3. 前記ゴム絶縁筒はエチレン・プロピレンゴムを主成分とする組成物から成り、
    前記ゴムスペーサはシリコーンゴムを主成分とする組成物から成ることを特徴とする請求項1又は2記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
  4. 前記ゴム絶縁筒は、エチレン・プロピレン共重合体又は第三成分を含む三元共重合体であるゴム組成物から成ることを特徴とする請求項3記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
  5. 前記ゴムスペーサは、前記ゴム絶縁筒に設けられ前記ゴムスペーサが挿入されるスペーサ収容部の内周面と当接する外周面を有し、
    前記ゴムスペーサの外径が、前記ゴムスペーサが挿入されるスペーサ収容部の内径以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
  6. 前記ゴム絶縁筒は、前記ゴムスペーサが収容されるスペーサ収容部の内周面に形成された内部半導電層を有し、前記内部半導電層は、前記ゴムスペーサの外周面と当接することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
  7. 前記ゴムスペーサは、前記ケーブルの絶縁被覆の端面と当接する最奥面を有し、
    前記最奥面には前記ケーブルの導体が挿通される導体用孔部が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
  8. ケーブルの端部を機器に接続するための機器直結型接続部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
  9. ケーブルの端部同士を接続するための直線型接続部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の寒冷地用ケーブル接続部材。
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