JP5303918B2 - L−アミノ酸の製造法 - Google Patents
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Description
L-アミノ酸の発酵生産においては、炭素源として糖類、すなわち、グルコース、フラクトース、スクロース、廃糖蜜、澱粉加水分解物等が使用されている。
(1)腸内細菌科に属し、L−アミノ酸生産能を有する細菌を、脂肪酸を含む培地に培養し、培地または菌体内にL−アミノ酸を生産蓄積させ、該培地または菌体からL−アミノ酸を採取することを特徴とするL−アミノ酸の製造方法。
(2)前記脂肪酸が炭素数14以上の脂肪酸を含むことを特徴とする(1)の方法。
(3)前記脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール酸から選ばれる1種類以上の脂肪酸を含むことを特徴とする(1)または(2)の方法。
(4)前記培地が脂肪酸を0.2〜10w/v%含む、(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5)前記培地がさらに脂肪酸以外の炭素源を含む、(1)〜(4)のいずれかの方法。(6)前記脂肪酸は乳化処理されたものである(1)〜(5)のいずれかの方法。
(7)前記脂肪酸の乳化処理が界面活性剤添加、ホモジナイザー処理、および超音波処理から選ばれる1種類以上である(6)の方法。
(8)前記脂肪酸の乳化処理が、界面活性剤を含むアルカリ条件下での、ホモジナイザー処理および/または超音波処理である(7)の方法。
(9)前記細菌がエシェリヒア属に属する細菌である(1)〜(8)のいずれかの方法。(10)前記L-アミノ酸が、L-スレオニン、L-リジン、L-フェニルアラニン、L-トリプトファン、L-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-メチオニンから選択される1種以上のアミノ酸である(1)〜(9)のいずれかの方法。
(11)前記L-アミノ酸が、L-スレオニンおよびL-リジンから選択される1種以上のアミノ酸である(1)〜(9)のいずれかの方法。
<1>本発明の方法
本発明の方法は、腸内細菌科に属し、L-アミノ酸生産能を有する細菌を脂肪酸を培地中に含む培地に培養し、培地中または菌体内にL-アミノ酸を生成蓄積させ、該培地または菌体からL-アミノ酸を採取することを特徴とするL-アミノ酸の製造法である。ここで本発明の方法は、回分培養(batch culture)、流加培養(Fed-batch culture)、連続培養法(continuous culture)のいずれも用いることができ、培地中の脂肪酸は初発培地に含まれていてもよいし、流加培地に含まれていてもよいし、これらの両方に含まれていてもよい。
油脂の加水分解によって長鎖脂肪酸の混合物を得ることが可能であり、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等を含む脂肪酸の混合物をパーム油などの油脂の加水分解物として得ることが可能であり、これを培養に用いてもよい。また、本発明で使用する脂肪酸は、動物油、植物油、廃食油やその他の混合油脂や、チョコレート等の脂肪分を含む食品から抽出されたもののいずれを用いてもよい。また脂肪酸は、油脂精製工程で抽出されたものを用いてもよい。
また、流加培地として使用する場合は、流加培地に単独の炭素源として添加する場合、培地中の濃度を5w/v%以下、好ましくは2w/v%以下、さらに好ましくは1w/v%以下含まれることが好ましい。また、流加培地に単独の炭素源として添加する場合、0.2w/v%以上、好ましくは0.5w/v%以上、さらに好ましくは1.0w/v%以上の量にて制御することが好ましい。
なお、脂肪酸の濃度は、ガスクロマトグラフィ(Hashimoto, K., Kawasaki, H., Akazawa, K., Nakamura, J., Asakura, Y., Kudo, T., Sakuradani, E., Shimizu, S., Nakamatsu, T. 1996. Biosci. Biotechnol. Biochem. 70:22-30)やHPLC(Lin, J. T., Snyder,
L. R., and McKeon, T. A. 1998. J. Chromatogr. A. 808: 43-49)により測定することが可能である。
(オキシエチレン)ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween 80)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、n-オクチルβ-D-グルコシドなどのアルキルグルコシド、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、アルキルベタインであるN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインなどが挙げられる。これ以外にも、トライトンX-100(Triton X-100)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(Brij-58)やノニルフェノールエトキシレート(Tergitol NP-40)等の一般的に生物学の分野で用いられる界面活性剤が利用可能である。
さらに、脂肪酸の乳化や均一化を促進するための操作も有効である。この操作は、脂肪酸の乳化や均一化を促進する操作であれば、どのような操作でも構わない。具体的には、ホモジナイザー処理、ホモミキサー処理、超音波処理、高圧処理、高温処理などが挙げられるが、ホモジナイザー処理、超音波処理およびこれらの組合せがより好ましい。
上記界面活性剤による処理と、ホモジナイザー処理及び/または超音波処理を組合わせることが特に好ましく、これらの処理は、脂肪酸がより安定なアルカリ条件下で行われることが望ましい。アルカリ条件としては、pH9以上が望ましく、より望ましくはpH10以上である。
ン、グルタチオン等の含硫アミノ酸が望ましく、なかでも硫酸アンモニウムが望ましい。
流加培地に加えるその他の炭素源としては、グルコース、スクロース、フルクトースが好ましく、増殖促進因子としては、窒素源、リン酸、アミノ酸等が好ましい。窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ウレア等のアンモニウム塩または硝酸塩等を使用することができる。またリン酸源としては、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2カリウムが使用でき、アミノ酸としては、栄養要求性変異株を使用する場合には要求される栄養素を補添することが好ましい。また、流加培地は1種でもよく、2種以上の培地を混合してもよい。2種以上の流加培地を用いる場合、それらの培地は混合して1つのフィード缶により流加させてもよいし、複数のフィード缶で流加させてもよい。
本発明においては、腸内細菌科に属し、脂肪酸を炭素源として代謝することが可能なL-アミノ酸生産能を有する細菌を使用する。
腸内細菌科細菌は、エシェリヒア、エンテロバクター、エルビニア、クレブシエラ、パントエア、フォトルハブドゥス、プロビデンシア、サルモネラ、セラチア、シゲラ、モルガネラ、イェルシニア等の属に属する細菌を含む。特に、NCBI (National Center for Biotechnology Information)のデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Taxonomy/Browser/wwwtax.cgi?id=91347)で用いられている分類法により腸内細菌科に分類されている細菌が好ましい。
ology/Second Edition, American Society for Microbiology Press, Washington, D.C)に記述されている系統のものが含まれる。具体的には、プロトタイプの野生株K12株由来のエシェリヒア・コリ W3110 (ATCC 27325)、エシェリヒア・コリ MG1655 (ATCC 47076)等が挙げられる。
Box 1549, Manassas, VA 20108, 1, United States of America)より分譲を受けることが出来る。すなわち各菌株に対応する登録番号が付与されており、この登録番号を利用して分譲を受けることが出来る。各菌株に対応する登録番号は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載されている。
本発明の方法においては、脂肪酸を資化できるものである限り、これまでに報告されたL-アミノ酸生産菌を使用できる。以下、本発明の方法において使用することのできる各L-アミノ酸生産菌について説明する。
L-スレオニン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、E. coli TDH-6/pVIC40 (VKPM B-3996) (米国特許第5,175,107号、米国特許第5,705,371号)、E. coli 472T23/pYN7 (ATCC 98081) (米国特許第5,631,157号)、E. coli NRRL-21593 (米国特許第5,939,307号)、E. coli FERM BP-3756 (米国特許第5,474,918号)、E. coli FERM BP-3519及びFERM BP-3520 (米国特許第5,376,538号)、E. coli MG442 (Gusyatiner et al., Genetika (in Russian), 14, 947-956 (1978))、E. coli VL643及びVL2055 (EP 1149911 A)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
リアル・マイクロオルガニズムズ(VKPM) (1 Dorozhny proezd., 1 Moscow 117545, Russia) に、受託番号B-3996で寄託されている。
-スレオニンによるフィードバック阻害に耐性のアスパルトキナーゼホモセリンデヒドロゲナーゼIをコードする変異thrA遺伝子
-ホモセリンキナーゼをコードするthrB遺伝子
-スレオニンシンターゼをコードするthrC遺伝子
-推定トランスメンブランタンパク質をコードするrhtA遺伝子
-アスパルテート-β-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードするasd遺伝子
-アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(アスパルテートトランスアミナーゼ)をコードするaspC遺伝子
GenBank accession number AAA218541, gi:440181)と同一であり、pexB遺伝子とompX遺伝子との間に位置する。ORF1によりコードされるタンパク質を発現するユニットは、rhtA遺伝子と呼ばれている(rht: ホモセリン及びスレオニンに耐性)。また、rhtA23変異が、ATG開始コドンに対して-1位のG→A置換であることが判明している(ABSTRACTS of the 17th
International Congress of Biochemistry and Molecular Biology in conjugation with Annual Meeting of the American Society for Biochemistry and Molecular Biology,
San Francisco, California August 24-29, 1997, abstract No. 457, EP 1013765 A)。
エシェリヒア属に属するL-リジン生産菌の例としては、L-リジンアナログに耐性を有する変異株が挙げられる。L-リジンアナログはエシェリヒア属に属する細菌の生育を阻害するが、この阻害は、L-リジンが培地に共存するときには完全にまたは部分的に解除される。L-リジンアナログの例としては、オキサリジン、リジンヒドロキサメート、S-(2-アミノエチル)-L-システイン(AEC)、γ-メチルリジン、α-クロロカプロラクタムなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらのリジンアナログに対して耐性を有する変異株は、エシェリヒア属に属する細菌を通常の人工変異処理に付すことによって得ることができる。L-リジンの生産に有用な細菌株の具体例としては、E. coli AJ11442 (FERM BP-1543, NRRL B-12185; 米国特許第4,346,170号参照)及びE. coli VL611が挙げられる。これらの微生物では、アスパルトキナーゼのL-リジンによるフィードバック阻害が解除されている。
リジンデカルボキシラーゼ活性を低下または欠損させるためには、リジンデカルボキシラーゼをコードするcadA遺伝子とldcC遺伝子の両方の発現を低下させることが好ましい。両遺伝子の発現低下は、例えば、後述の実施例2に記載の方法に従って行うことができる。
cadA遺伝子としては、配列番号5の塩基配列を有するDNA(エシェリヒア・コリ由来のcadA遺伝子)、または配列番号5の塩基配列の相補配列もしくはこの相補配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつリジンデカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAが挙げられる。
ldcC遺伝子遺伝子としては、配列番号7の塩基配列を有するDNA(エシェリヒア・コリ由来のldcC遺伝子)、または配列番号7の塩基配列の相補配列もしくはこの相補配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつリジンデカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAが挙げられる。
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC,0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDS、さらに好ましくは、68℃
、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度、温度で、1回、より好ましくは2〜3回洗浄する条件が挙げられる。
L-システイン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、フィードバック阻
害耐性のセリンアセチルトランスフェラーゼをコードする異なるcysEアレルで形質転換されたE. coli JM15(米国特許第6,218,168号、ロシア特許出願第2003121601号)、細胞に毒性の物質を排出するのに適したタンパク質をコードする過剰発現遺伝子を有するE. coli W3110 (米国特許第5,972,663号)、システインデスルフォヒドラーゼ活性が低下したE. coli株 (JP11155571A2)、cysB遺伝子によりコードされる正のシステインレギュロンの転写制御因子の活性が上昇したE. coli W3110 (WO0127307A1)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
L-ロイシン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、ロイシン耐性のE. coli株 (例えば、57株 (VKPM B-7386, 米国特許第6,124,121号))またはβ-2-チエニルアラニン、3-ヒドロキシロイシン、4-アザロイシン、5,5,5-トリフルオロロイシンなどのロイシンアナログ耐性のE. coli株(特公昭62-34397号及び特開平8-70879号)、WO96/06926に記載された遺伝子工学的方法で得られたE. coli株、E. coli H-9068 (特開平8-70879号)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
L-ヒスチジン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、E. coli 24株 (VKPM B-5945, RU2003677)、E. coli 80株 (VKPM B-7270, RU2119536)、E. coli NRRL B-12116 - B12121 (米国特許第4,388,405号)、E. coli H-9342 (FERM BP-6675)及びH-9343 (FERM BP-6676) (米国特許第6,344,347号)、E. coli H-9341 (FERM BP-6674) (EP1085087)、E. coli AI80/pFM201 (米国特許第6,258,554号)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
L-ヒスチジン生産能を有する株の具体例としては、L-ヒスチジン生合成系酵素をコードするDNAを保持するベクターを導入したE. coli FERM-P 5038及び5048 (特開昭56-00509
9号)、アミノ酸輸送の遺伝子を導入したE. coli株(EP1016710A)、スルファグアニジン、DL-1,2,4-トリアゾール-3-アラニン及びストレプトマイシンに対する耐性を付与したE. coli 80株(VKPM B-7270, ロシア特許第2119536号)などが挙げられる。
L-グルタミン酸生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、E. coli VL334thrC+ (EP 1172433)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。E. coli VL334 (VKPM B-1641)は、thrC遺伝子及びilvA遺伝子に変異を有するL-イソロイシン及びL-スレオニン要求性株である(米国特許第4,278,765号)。thrC遺伝子の野生型アレルは、野生型E. coli K12株 (VKPM B-7)の細胞で増殖したバクテリオファージP1を用いる一般的形質導入法により導入された。この結果、L-イソロイシン要求性のL-グルタミン酸生産菌VL334thrC+ (VKPM B-8961) が得られた。
E. coli W3110sucA::Kmr
E. coli AJ12624 (FERM BP-3853)
E. coli AJ12628 (FERM BP-3854)
E. coli AJ12949 (FERM BP-4881)
株は、α-ケトグルタレートデヒドロゲナーゼを完全に欠損している。
づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP-6616が付与されている。Pantoea ananatis AJ13356は、αKGDH-E1サブユニット遺伝子(sucA)の破壊によりα-ケトグルタレートデヒドロゲナーゼ活性が欠損している。この株は、単離された時には、Enterobacter agglomeransと同定され、Enterobacter agglomerans AJ13356として寄託された。しかし、16S rRNAの塩基配列などに基づき、Pantoea ananatisに再分類された。AJ13356は、上記寄託機関にEnterobacter agglomeransとして寄託されているが、本明細書では、Pantoea ananatisとして記載する。
L-フェニルアラニン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、E. coli AJ12739 (tyrA::Tn10, tyrR) (VKPM B-8197)、変異型pheA34遺伝子を保持するE. coli HW1089 (ATCC 55371) (米国特許第 5,354,672号)、E. coli MWEC101-b (KR8903681)、E.coli NRRL B-12141, NRRL B-12145, NRRL B-12146及びNRRL B-12147 (米国特許第4,407,952号)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。また、親株として、E. coli K-12 [W3110 (tyrA)/pPHAB] (FERM BP-3566)、E. coli K-12 [W3110 (tyrA)/pPHAD] (FERM BP-12659)、E. coli K-12 [W3110 (tyrA)/pPHATerm] (FERM BP-12662)及びAJ 12604と命名されたE. coli K-12 [W3110 (tyrA)/pBR-aroG4, pACMAB] (FERM BP-3579)も使用できる(EP 488424 B1)。さらに、yedA遺伝子またはyddG遺伝子にコードされるタンパク質の活性が増大したエシェリヒア属に属するL-フェニルアラニン生産菌も使用できる(米国特許出願公開2003/0148473 A1及び2003/0157667 A1)。
L-トリプトファン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、変異trpS遺伝子によりコードされるトリプトファニル-tRNAシンテターゼが欠損したE. coli JP4735/pMU3028 (DSM10122)及びJP6015/pMU91 (DSM10123) (米国特許第5,756,345号)、セリンによるフィードバック阻害を受けないフォスフォグリセリレートデヒドロゲナーゼをコードするserAアレル及びトリプトファンによるフィードバック阻害を受けないアントラニレートシンターゼをコードするtrpEアレルを有するE. coli SV164 (pGH5) (米国特許第6,180,373号)、トリプトファナーゼが欠損したE. coli AGX17 (pGX44) (NRRL B-12263)及びAGX6(pGX50)aroP (NRRL B-12264) (米国特許第4,371,614号)、フォスフォエノールピルビン酸生産能が増大したE. coli AGX17/pGX50,pACKG4-pps (WO9708333, 米国特許第6,319,696号)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。yedA遺伝子またはyddG遺伝子にコードされるタンパク質の活性が増大したエシェリヒア属に属するL-トリプトファン生産菌も使用できる(米国特許出願公開2003/0148473 A1及び2003/0157667A1)。
L-プロリン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、ilvA遺伝子が欠損し、L-プロリンを生産できるE. coli 702ilvA (VKPM B-8012) (EP 1172433)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
L-アルギニン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、E. coli 237株 (VKPM B-7925) (米国特許出願公開2002/058315 A1)、及び、変異N-アセチルグルタメートシンターゼを保持するその誘導株(ロシア特許出願第2001112869号)、E. coli 382株 (VKPM B-7926) (EP1170358A1)、N-アセチルグルタメートシンテターゼをコードするargA遺伝子が導入されたアルギニン生産株(EP1170361A1)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
の例としては、N-アセチルグルタミルフォスフェートレダクターゼ遺伝子(argC)、オルニチンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(argJ)、N-アセチルグルタメートキナーゼ遺伝子(argB)、アセチルオルニチントランスアミナーゼ遺伝子(argD)、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子(argF)、アルギノコハク酸シンテターゼ遺伝子(argG)、アルギノコハク酸リアーゼ遺伝子(argH)、カルバモイルフォスフェートシンテターゼ遺伝子(carAB)が挙げられる。
L-バリン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、ilvGMEDAオペロンを過剰発現するように改変された株(米国特許第5,998,178号)が挙げられるが、これらに限定されない。アテニュエーションに必要なilvGMEDAオペロンの領域を除去し、生産されるL-バリンによりオペロンの発現が減衰しないようにすることが好ましい。さらに、オペロンのilvA遺伝子が破壊され、スレオニンデアミナーゼ活性が減少することが好ましい。
L-バリン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、アミノアシルt-RNAシンテターゼの変異を有する変異株(米国特許第5,658,766号)も挙げられる。例えば、イソロイシンtRNAシンテターゼをコードするileS 遺伝子に変異を有するE. coli VL1970が使用できる。E. coli VL1970は、1988年6月24日、ルシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオルガニズムズ(VKPM) (1 Dorozhny proezd., 1 Moscow
117545, Russia)に、受託番号VKPM B-4411で寄託されている。
さらに、生育にリポ酸を要求する、及び/または、H+-ATPaseを欠失している変異株(WO96/06926)を親株として用いることができる。
L-イソロイシン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、6-ジメチルアミノプリンに耐性を有する変異株(特開平5-304969号)、チアイソロイシン、イソロイシンヒドロキサメートなどのイソロイシンアナログに耐性を有する変異株、さらにDL-エチオニン及び/またはアルギニンヒドロキサメートに耐性を有する変異株(特開平5-130882号)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、スレオニンデアミナーゼ、アセトヒドロキシ酸シンターゼなどのL-イソロイシン生合成に関与するタンパク質をコードする遺伝子で形質転換された組換え株もまた親株として使用できる(特開平2-458号, FR 0356739
, 及び米国特許第5,998,178号)。
L-メチオニン生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、L-スレオニン要求株、ノルロイシンに耐性を有する変異株が挙げられるが、これらに限定されない(特開2000-139471号)。さらに、メチオニンリプレッサーを欠損した株や、ホモセリントランスサクシニラーゼ、シスタチオニンγ−シンテースなどのL-メチオニン生合成に関与するタンパク質をコードする遺伝子で形質転換された組換え株もまた親株として使用できる(特開2000-139471号)。
L-スレオニン生産菌であるエシェリヒア・コリ B-5318を、ストレプトマイシン硫酸塩20mg/Lを含有するLB寒天培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 10g/L、寒天15g
/L)にて37℃で24時間培養した。寒天培地上の細胞を掻き取り、本培養培地20mLを入れた500mLのバッフル付フラスコに植菌し、培養温度40℃にて、24時間培養を行った。本培養は、炭素源として、オレイン酸ナトリウムを用いた培地で実施した。総炭素源量はいずれも20g/Lとした。
[本培養培地組成]
炭素源 20g/L
(NH4)2SO4 16g/L
KH2PO4 1g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・4H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2g/L
ストレプトマイシン硫酸塩 20mg/L
KOHでpH7.0に調整し、120℃で20分オートクレーブを行なった。但し、炭素源とMgSO4・7H2Oはそれぞれ別殺菌した後、混合した。CaCO3は乾熱滅菌後に添加した。
オレイン酸のみを炭素源とした培養にて、良好なL-スレオニンの蓄積が認められた。
<2-1>リジンデカルボキシラーゼをコードするcadA及びldcC遺伝子破壊株の構築
まずリジンデカルボキシラーゼ非産生株の構築を行った。リジンデカルボキシラーゼは、cadA遺伝子(Genbank Accession No. NP_418555:配列番号5)、ldcC遺伝子(Genbank
Accession No. NP_414728:配列番号7)によってコードされている(WO96/17930)。ここで親株は、エシェリヒア・コリのL-リジン生産株として、AEC(S-(2-アミノエチル)-システイン)耐性株であるWC196株(WO96/17930)を用いた。
PCRの鋳型として、プラスミドpMW118-attL-Cm-attR(特開2005-058227)を使用した。pMW118-attL-Cm-attRは、pMW118(宝バイオ社製)にλファージのアタッチメントサイトであるattL及びattR遺伝子と抗生物質耐性遺伝子であるcat遺伝子を挿入したプラスミドであり、attL-cat-attRの順で挿入されている
97: 6640-6645)は、アラビノース誘導性ParaBプロモーターに制御されるλRed相同組換えシステムのRed レコンビナーゼをコードする遺伝子(γ、β、exo遺伝子)を含むλファージの合計2154塩基のDNAフラグメント(GenBank/EMBL アクセッション番号 J02459、第31088番目〜33241番目)を含む。プラスミドpKD46はPCR産物をWC196株の染色体に組み込むために必要である。
次に、pMW-intxis-tsプラスミドを除去するために、L-寒天培地上、42℃で2回継代し、得られたコロニーのアンピシリン耐性、及びクロラムフェニコール耐性を試験し、att-cat及びpMW-intxis-tsが脱落しているcadA破壊株であるクロラムフェニコール、アンピシリン感受性株を取得した。この株をWC196ΔcadAと名づけた。
WC196ΔcadA 株におけるldcC遺伝子の欠失は、上記手法に則って、ldcC破壊用プライマーとして、配列番号3、4のプライマーを使用して行った。これによって、cadA ldcC破壊株であるWC196ΔcadAΔldcCを得た。
WC196ΔcadAΔldcC株をdapA、dapB、lysC及びddh遺伝子を搭載したリジン生産用プラスミドpCABD2(WO95/16042)で常法に従い形質転換し、WC196ΔcadAΔldcC/pCABD2株(WC196LC/pCABD2)を得た。
WC196LC/pCABD2株のグリセロールストックを融解し、各100 μLを、25 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/8量の菌体を、500 mL容坂口フラスコの、25 mg/Lのストレプトマイシンを含む以下に記載の発酵培地の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において48時間培養した。本培養における炭素源としては、オレイン酸ナトリウム、あるいは、オレイン酸ナトリウムとパルミチン酸ナトリウムの混合物を、非イオン性界面活性剤であるポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween 80)(ナカライテスク社製)の添加と非添加にて溶解したものを用いた。総炭素源量はいずれも20g/Lとした。培養に用いた培地組成を以下に示す。
炭素源 20g/L
(NH4)2SO4 24g/L
KH2PO4 1g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・7H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2g/L
CaCO3(日本薬局方) 30g/L
KOHでpH7.0に調整し、120℃で20分オートクレーブを行なった。但し、炭素源とMgSO4・7H2Oはそれぞれ別殺菌した後、混合した。CaCO3は乾熱滅菌後に添加した。
本培養条件では、オレイン酸を炭素源とした場合に、L-リジン生産が認められ、Tween
80を添加することにより、その蓄積量は顕著に増大した。さらに、オレイン酸にパルミチン酸を等量混合した炭素源においては、L-リジンの蓄積量はオレイン酸単独の炭素源の場合に比して著しく増加し、Tween 80の添加によりさらに増加が認められた。
WC196LC/pCABD2株のグリセロールストックを融解し、各100 μLを、25 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/8量の菌体を、500 mL容坂口フラスコの、25 mg/Lのストレプトマイシンを含む以下に記載の発酵培地の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において48時間培養した。本培養における炭素源としては、オレイン酸ナトリウム、あるいは、オレイン酸ナトリウムとパルミチン酸ナトリウムの混合物を、界面活性剤Tween 80の添加と非添加にて溶解し、超音波処理(シャープ社製UT-250にて5分間)を行ったものを用いた。総炭素源量はいずれも20g/Lとした。培養に用いた培地組成を以下に示す。
炭素源 20g/L
(NH4)2SO4 24g/L
KH2PO4 1g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・7H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2g/L
CaCO3(日本薬局方) 30g/L
KOHでpH7.0に調整し、120℃で20分オートクレーブを行なった。但し、炭素源とMgSO4・7H2Oはそれぞれ別殺菌した後、混合した。CaCO3は乾熱滅菌後に添加した。
本培養条件は、表2における培養条件に超音波処理を加えてあるだけであり、表2と比較することによりその効果を検証できる。オレイン酸を炭素源とした場合には、Tween 80を添加、非添加いずれにおいてもL-リジン生産は超音波処理により著しく増加した。さらに、オレイン酸にパルミチン酸を等量混合した炭素源においては、Tween 80非添加においては、L-リジンの蓄積量は低下が認められたが、Tween 80添加条件ではL-リジン蓄積量
の増加が認められた。
WC196LC/pCABD2株のグリセロールストックを融解し、各100 μLを、25 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/8量の菌体を、500 mL容坂口フラスコの、25 mg/Lのストレプトマイシンを含む以下に記載の発酵培地の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において48時間培養した。本培養における炭素源としては、オレイン酸ナトリウム、あるいは、オレイン酸ナトリウムとパルミチン酸ナトリウムの混合物に対して、非添加、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween 80)添加、アルキルグルコシドの1種であるn-オクチルβ-D-グルコシド(Octyl-Glucoside)(ナカライテスク社製)添加、あるいは、両性イオン界面活性剤アルキルベタインの1種であるであるN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(製品名EMPIGEN BB)(Fluka社製)添加の条件にて溶解した。総炭素源量はいずれも20g/Lとした。培養に用いた培地組成を以下に示す。
炭素源 20g/L
(NH4)2SO4 24g/L
KH2PO4 1g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・7H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2g/L
CaCO3(日本薬局方) 30g/L
KOHでpH7.0に調整し、120℃で20分オートクレーブを行なった。但し、炭素源とMgSO4・7H2Oは別殺菌した後、混合した。CaCO3は乾熱滅菌後に添加した。
オレイン酸を炭素源とした場合、オレイン酸にパルミチン酸を等量混合した炭素源にした場合、いずれにおいてもTween 80、Octyl-Glucoside、EMPIGEN BB の全ての界面活性剤添加において非添加よりも高いL-リジン生産が認められた。
WC196LC/pCABD2株のグリセロールストックを融解し、各100 μLを、25 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/8量の菌体を、500 mL容坂口フラスコの、25 mg/Lのストレプトマイシンを含む以下に記載の発酵培地の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において48時間培養した。本培養における炭素源としては、オレイン酸ナトリウムに対するパルミチン酸ナトリウムの混合比を変えた混合物を、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween 80)(ナカライテスク社製)を添加して溶解したものを用いた。総炭素源量はいずれも20g/Lとした。培養に用いた培地組成を以下に示す。
炭素源 20g/L
Tween 80 5.0 g/L
(NH4)2SO4 24g/L
KH2PO4 1g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・7H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2g/L
CaCO3(日本薬局方) 30g/L
KOHでpH7.0に調整し、120℃で20分オートクレーブを行なった。但し、炭素源とMgSO4・7H
2Oはそれぞれ別殺菌した後、混合した。CaCO3は乾熱滅菌後に添加した。
本培養条件では、オレイン酸に対するパルミチン酸の混合比を上げていくことで、L-リジン蓄積の増大が認められた。ただし、オレイン酸1に対しパルミチン酸を1.5混合した炭素源においては、L-リジンの蓄積量は著しく減少した。このことからアミノ酸生産に適正なオレイン酸とパルミチン酸の混合比は、1:1.22までであることが判明した。
L-スレオニン生産菌であるエシェリヒア・コリ B-5318を、ストレプトマイシン硫酸塩20mg/Lを含有するLB寒天培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 10g/L、寒天15g/L)にて37℃で24時間培養した。寒天培地上の細胞を掻き取り、本培養培地20mLを入れた500mL容のバッフル付フラスコに植菌し、培養温度40℃にて、48時間培養を行った。本培養においては、炭素源となる各種脂肪酸液を80℃程度の水に20g/Lとなるように溶かした。リノール酸に対しては、3N NaOHでpHを10まで上昇させた。ポアサイズ0.2μmのフィルターにて滅菌したTween 80を終濃度1%となるように添加した。この後、ホモジナイザー(Polytron社製PT3100)による乳化処理を10,000rpmで10min行い、pHを7に調製した後、110℃で10分オートクレーブを行なったものを炭素源溶液として用いた。培養に用いた培地組成を以下に示す。
炭素源 10g/L
Tween 80 5.0 g/L
(NH4)2SO4 16g/L
KH2PO4 1g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・4H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2g/L
PIPES (pH7.0) 20g/L
KOHでpH7.0に調整し、110℃で10分オートクレーブを行なった。但し、炭素源、MgSO4・7H2O、PIPES緩衝液(pH7.0)は、それぞれ別殺菌した後、混合した。
本培養では、いずれの脂肪酸を炭素源としてもL-スレオニン生産が認められた。特に、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸では良好なL-スレオニン生産を認めた。
WC196LC/pCABD2株のグリセロールストックを融解し、各50 μLを、25 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/4量の菌体を、500mL容のバッフル付フラスコの、25 mg/Lのストレプトマイシンを含む以下に記載の発酵培地の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において48時間培養した。本培養においては、炭素源となる各種脂肪酸液を80℃程度の水に20g/Lとなるように溶かした。リノール酸に対しては、3N NaOHでpHを10.5まで上昇させた。ポアサイズ0.2μmのフィルターにて滅菌したTween 80を終濃度1%となるように添加した。この後、ホモジナイザー(Polytron社製PT3100)による乳化処理を10,000rpmで10min行い、pHを7に調製した後、110℃で10分オートクレーブを行なったものを炭素源溶液として用いた。培養に用いた培地組成を以下に示す。また、対照として同濃度のグルコースを添加して培養を実施した。
脂肪酸 あるいはグルコース 10g/L
Tween 80(脂肪酸に添加) 5g/L
(NH4)2SO4 24g/L
KH2PO4 1.0g/L
MgSO4・7H2O 1.0g/L
FeSO4・7H2O 0.01g/L
MnSO4・7H2O 0.01g/L
Yeast Extract 2.0g/L
PIPES (pH7.0) 20g/L
KOHでpH7.0に調整し、110℃で10分オートクレーブを行なった。但し、炭素源、MgSO4・7H2O、PIPES緩衝液(pH7.0)は、それぞれ別殺菌した後、混合した。
いずれの脂肪酸を炭素源としてもL-リジン生産が認められ、特にミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸では良好なL-リジン生産を認め、グルコースと比較しても遜色のないL-リジン蓄積であった。
配列番号1:cadA遺伝子破壊用PCRプライマー
配列番号2:cadA遺伝子破壊用PCRプライマー
配列番号3:ldcC遺伝子破壊用PCRプライマー
配列番号4:ldcC遺伝子破壊用PCRプライマー
配列番号5:cadA遺伝子の塩基配列
配列番号6:cadA遺伝子によってコードされるアミノ酸配列
配列番号7:ldcC遺伝子の塩基配列
配列番号8:ldcC遺伝子によってコードされるアミノ酸配列
Claims (8)
- エシェリヒア属に属し、L−アミノ酸生産能を有する細菌を、乳化処理された脂肪酸を含む培地に培養し、培地または菌体内にL−アミノ酸を生産蓄積させ、該培地または菌体からL−アミノ酸を採取することを特徴とするL−アミノ酸の製造方法であって、前記脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸から選ばれる1種類以上の脂肪酸を含むことを特徴とする、L−アミノ酸の製造方法。
- 前記培地が脂肪酸を0.2〜10w/v%含む、請求項1に記載の方法。
- 前記培地がさらに脂肪酸以外の炭素源を含む、請求項1または2に記載の方法。
- 前記脂肪酸の乳化処理が界面活性剤添加、ホモジナイザー処理、および超音波処理から選ばれる1種類以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記脂肪酸の乳化処理が、界面活性剤を含むアルカリ条件下での、ホモジナイザー処理および/または超音波処理である請求項4に記載の方法。
- 前記L-アミノ酸が、L-スレオニン、L-リジン、L-フェニルアラニン、L-トリプトファン、L-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-メチオニンから選択される1種以上のアミノ酸である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記L-アミノ酸が、L-スレオニンおよびL-リジンから選択される1種以上のアミノ酸である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細菌がエシェリヒア・コリである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
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