JP5303895B2 - 電縫鋼管の高効率熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電縫鋼管に係り、とくに溶接部の加工性、靭性の向上を目的として、高精度、高効率に電縫管溶接部の熱処理を行うための、電縫鋼管溶接部の高効率熱処理方法に関する。
通常、電縫鋼管5は、図1に示すように、コイル状の鋼帯1を、アンコイラー6、レベラー7を介し、ロール成形機2により管状に成形したのち、板端面を突き合せて、高周波溶接機3で電縫溶接し、ビード部切削機8によりビードを切削され、さらにはサイザー9により所定の径に調整され、管切断機10により所定長さに切断された鋼管として製造されている。この電縫溶接では、突き合わせ部に高周波溶接機(誘導加熱装置)3で高周波電流を流し、ジュール熱を集中させて突き合わせ部を溶融しスクイズロール4で圧着して、溶接部を形成し、電縫鋼管5とする。形成された溶接部は、急速加熱されかつ急速冷却されるため、母材(鋼帯)と異なる組成、組織、強度を有し、加工性、靭性、さらには耐食性が他の部位(母材)に比べて低下した状態となっている。溶接部の加工性、靭性、耐食性を管の他の部位(母材)と同等以上とするために、一般的に、シームアニールと称して、電縫鋼管溶接部に熱処理を施すことが行なわれている。
電縫鋼管溶接部に施す熱処理は、図2に示すように、電縫鋼管製造ラインのスクイズロール4の出側に、設置されたシームアニーラ11により行われているのが一般的である。このシームアニーラ11には、管外面長手方向に誘導コイルを設けた高周波誘導加熱手段を複数スタンド配置し、溶接部およびその周辺に誘導電流を発生させて加熱する誘導加熱装置が、通常、用いられている。
このような問題に対し、管内部まで充分に加熱するために、高周波誘導加熱手段の投入電力を増加し、誘導電流を増加させると、管外面の温度が高くなりすぎて、結晶粒が粗大化し、かえって靭性が低下する場合がある。また、造管速度を極低速とし、シームアニーラによる加熱後の伝熱時間を十分に確保して、管内外面の温度差を低減する方法では、誘導加熱手段を直列に多数基配置した長尺の設備とする必要があり、設備費が増大するとともに、投入電力量が増加し、ランニングコストの増加を招くことになる。また、造管速度を極低速とすると、電縫溶接部に欠陥が増加しやすくなり、溶接部特性の低下を招くという問題もある。また、造管時のトラブルにより製造ラインが停止した場合には、設備が長尺であるために電縫溶接部の不均一が増加し、歩留りが低下するという問題もある。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、厚肉電縫鋼管溶接部に高周波誘導加熱装置で、溶接部外面温度が(Ac点+100℃)〜(Ac点+300℃)となるように加熱する第1回目の焼ならしと、引続いて溶接部外面温度がAc点以下に降下した時点で、Ac点〜(Ac点+100℃)の温度範囲となるように加熱する第2回目の焼ならし・焼なましとからなる熱処理を行なう厚肉電縫鋼管の製造方法が記載されている。この技術によれば、複雑でしかも処理時間の長い工程を付加することなく、溶接部靭性の極めて優れた厚肉電縫鋼管を製造できるとしている。
また、特許文献2には、厚肉電縫鋼管溶接部に高周波誘導加熱装置で、溶接部内面の温度が(Ac点+50℃)以上となるように加熱する第1回目の加熱と、第1回目の加熱後水冷または空冷によって外面温度が被加熱材のベイナイト変態終了温度以下まで冷却し、ついでAc変態域が第1回目の加熱・冷却によるベイナイト組織の発生領域をカバーしうる温度で、かつベイナイト組織が発生する温度以下まで加熱する第2回目の加熱とからなる熱処理を施す、厚肉電縫鋼管の熱処理方法が記載されている。この技術によれば、複雑でしかも処理時間の長い工程を付加することなく、溶接部靭性に優れた厚肉電縫鋼管を製造できるとしている。
特開昭59−129729号公報 特開平06−220547号公報
特許文献1に記載された技術では、第1回目の加熱後に所定の温度以下まで冷却するが、しかし、この温度が高く未変態のオーステナイトが残存して、第2回目の加熱後の冷却時に低温変態生成物に変態するため、所望の靭性向上が得られないという問題があった。
また、特許文献1、2に記載された技術では、第1回目の加熱後に冷却することから、熱処理設備を長くする必要があり、設備費の増大を招くとともに、非効率な製造となり、製造コスト(ランニングコスト)の増大を招くという問題がある。また、さらに冷却速度が水温、気温により微妙に変化するため、第1回加熱後の冷却時の到達温度を、精度よく一定の所望温度とすることが難しく、安定して十分な靭性の向上が得られにくいという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、電縫鋼管溶接部の靭性向上を安定的に、しかも少ないスタンドでランニングコストを低減しつつ高効率に、達成できる電縫鋼管溶接部の高効率熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するため、電縫鋼管溶接部の靭性を向上できる熱処理を効率よく施しうる加熱パターンについて鋭意研究し、まず、Ac変態点到達までの加熱パターンに着目した。
従来の加熱パターンは、シームアニーラ出側の電縫鋼管溶接部(略して管溶接部)の外面側および内面側の温度がそれぞれ目標温度となればよく、経験任せの加熱パターンが設定されていた。本発明者らはこの加熱パターンを種々変更して、管溶接部およびその近傍の材料特性を詳細に調査したところ、加熱パターンの工夫により、シームアニーラの設備長さが短くとも十分な加熱が可能であって、外面側を過加熱状態とすることなく内面側の加熱不足を防ぐことが可能であることを把握した。
すなわち、従来の加熱パターンは、目標となるAc変態点+αの温度域に管溶接部の外面側を加熱する際、その加熱パターンにこだわらず、シームアニーラの各スタンド出側の管溶接部の外面側の温度はスタンド毎に高い場合も低い場合もあった。従って、管溶接部の外面側が目標温度に到達した場合でも内面側の温度は特定温度にならず、制御ができていなかった。そこで、外面側のみAc変態点以上の温度に達した後、シーム熱処理の中間で一旦徐冷して、熱伝導を利用して温度の均一化を図り、その後再び加熱して、内面側の温度を目標に向けて微調整する方法が提案されていたわけである。
本発明者らは、加熱途中のAc変態点を超える温度までの管溶接部の外面側の温度に着目した。すなわち、Ac変態点を超える温度に外面側の温度をできるだけ速く到達させれば、加熱に必要なスタンド数を低減できて、複数スタンドによる加熱・放冷の繰り返しによる熱損失を防止できることにより、効率良い加熱が可能になるわけである。
従って、全スタンド中第1スタンドの投入電力(加熱能力)を最大にするとよい。また、可能な限り第1スタンドで前記外面側の温度をAc変態点に到達させるとよいわけである。また、第1スタンドのみで前記外面側の温度をAc変態点に到達させることができない場合は第2スタンドも活用して、急速加熱する加熱パターンをとると良い。前記外面側は、これらによって目標温度に早期に到達できて、設備長さが短くて済み、投入電力が少なくてランニングコストが小さくなり、効率的な電縫管製造が可能になるわけである。
続いて、本発明者らは管溶接部の内面側の温度に着目した。前記外面側の温度を急速に上昇させると、前記内面側の温度が追随するのが難しいといわれており、従来は経験的にもこの加熱パターンをとることがためらわれたわけである。
そこで、本発明者らは、前記外面側の温度がAc変態点を超えた後に前記内面側の温度を速やかに目標温度に到達させる方法を検討した。この検討の中で前記外面側がAc変態点を超える温度に加熱された状態の管溶接部断面について、電磁場解析、伝熱解析および温度実測により磁束分布および温度分布を観察し、誘導加熱に与かる磁束はキュリー点以上の温度の領域を迂回することを見出した。すなわち、管を外面側から誘導加熱するためにキュリー点以上となる管溶接部の外面側には磁束が集中せずに、その内面側に磁束が集中し渦電流が発生して管溶接部が加熱される。その結果、管溶接部の肉厚中央と内面側が効率良く加熱されて、外面側の加熱が抑制されるために、管の内外面温度差は低減して、均一加熱が可能になるわけである。この効果を得るには、前記外面側の温度がキュリー点を超える、ある適正な温度に保たれるように、誘導加熱すればよい。
本発明は、上述の知見に基づき、さらに検討を重ねてなされたものであり、以下のとおりである。
1. 管外面長手方向に誘導コイルを配置した高周波誘導加熱手段を複数スタンド、直列に配置した高周波誘導加熱装置に、電縫鋼管を送給し該管の外面側から該管の溶接部を誘導加熱する電縫鋼管溶接部の熱処理方法において、前記高周波加熱手段の第1スタンドの投入電力を全スタンド中最大とし、該第1スタンドで該第1スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えるように加熱するか、または前記第1スタンドおよびその次の第2スタンドで該第2スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えるように加熱し、前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えたのちは、前記管溶接部の外面側の温度がキュリー点未満になる中間冷却を行うことなく、その後段の各スタンドで、前記管溶接部の外面側の温度がキュリー点を超える所定温度に保たれつつ同管溶接部の内面側が目標温度に達するように加熱することを特徴とする電縫鋼管溶接部の高効率熱処理方法。
2. 前記目標温度をAc変態点以上の温度とすることを特徴とする前項1に記載の電縫鋼管溶接部の高効率熱処理方法。
本発明によれば、電縫鋼管溶接部の靭性向上を安価で、効率よく、かつ安定して達成でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、誘導加熱装置(シームアニーラ)の設備長さが短くでき、熱処理が効率よく行え、投入電力を低減でき、製造コスト(ランニングコスト)を低減できるという効果もある。
本発明では、対象とする電縫鋼管を、高周波誘導加熱手段が複数スタンド、直列に配置された高周波誘導加熱装置に送給し、該電縫鋼管の溶接部の熱処理を行なう。ここで使用する高周波誘導加熱装置11は、図2(a)に示すように、スクイズロール4の出側に配設することが、生産性向上の観点から好ましい。本発明で使用する高周波誘導加熱装置11は、図2(b)に示すように、高周波誘導加熱手段(スタンド)11aを複数基(複数スタンド)、直列に配置した構成とする。また、高周波誘導加熱手段11aは、被加熱体である電縫鋼管の管外面長手方向に誘導コイルを有し、管外面側から溶接部およびその周辺に誘導電流を発生させて、溶接部を局部加熱可能な構成とする。なお、各スタンド11aの出側には、電縫鋼管溶接部(略して管溶接部)の外面側の温度を計測しうる温度計12を配置することが好ましい。また、各スタンド11aは、所望の周波数に随時適合可能なように周波数可変装置(図示せず)を備えることが好ましい。
本発明では、高周波加熱手段11aの第1スタンドの投入電力を全スタンド中最大とする。そして、該第1スタンドで該第1スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えるように加熱する。あるいは、前記第1スタンドおよびその次の第2スタンドで該第2スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えるように加熱する。このような急速な加熱を行うスタンド(第1スタンドあるいはさらに第2スタンド)における周波数、投入電力量は、第1スタンドの投入電力を全スタンド中最大とすること以外は特に限定されず、外面側が効率よく目標温度に到達できるように調整すればよい。ここで、Ac変態点は、鋼組成から予測式(例えば、(社)日本金属学会編:改訂3版金属データブック、p.152、平成5年3月25日、丸善発行)で予測した値、あるいは実験で測定した値を用いる。この予測あるいは実測には厳密には管溶接部の組成を用いるべきであるが、管の母材組成と溶接部組成との相違が無視できる程度であれば、母材組成を用いてもよい。
なお、スタンド11a出側の管溶接部の外面側の温度は、当該スタンド出側に配置した温度計12により計測するとよい。この温度計12の計測温度と目標温度とのずれがなくなるようにスタンドの周波数や投入電力を調整することで、高精度な急速加熱が可能である。
次いで、スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えたスタンド(第1スタンドまたは第2スタンド)より後段のスタンドでは、前記管溶接部の外面側の温度がキュリー点を超える所定温度に保たれつつ同管溶接部の内面側が目標温度に達するように加熱する。
このような加熱を行うには、外面側がキュリー点以上に加熱された状態の管溶接部を、さらに外面側から周波数および投入電力を違えて誘導加熱する過程について、電磁場解析および伝熱解析(例えば文献:鉄と鋼、vol93、No.5(2007)、P373〜378参照)により管溶接部断面内の温度分布と磁束密度分布を計算し、その計算結果から、可及的に小さい投入電力下で磁束密度が内面側に最も効果的に集中する状態になる外面側の温度を求めてこれを前記所定温度とし、かかる状態に対応した周波数および投入電力の組み合わせを、前記後段のスタンドに設定してやればよい。
なお、管溶接部の内面側の目標温度は、外面側と同じくAc変態点以上の温度とすることが、溶接部靭性をさらに向上できて好ましい。
質量%で、0.05%C-0.2%Si-1.4%Mn系の熱延鋼帯(Ac変態点:860℃)を、図1に示すような、アンコイラー6、レベラー7、ロール成形機2、高周波溶接機3、スクイズロール4、サイザー9等を有する造管機で、電縫鋼管(外径600φmm×肉厚25.4mm)とした。ついで、これら電縫鋼管を被処理材として、図2に示すような、シームアニーラ(高周波誘導加熱装置)11を用いて、管溶接部の熱処理を行なった。なお、使用したシームアニーラ11は、7スタンドの高周波誘導加熱手段11aを配し、各スタンド出側に管溶接部の外面側の温度測定用の温度計12を配置した。これら温度計12を用いて、各スタンド出側の管溶接部の外面側の温度を測定した。
(従来例)
まず、被処理材の管溶接部外面側の到達温度が目標の880℃となるように、各スタンドの投入電力を、従来どおり(操業経験のまま)各スタンドの効率がほぼ均等になるように調整して、熱処理を行なった結果、5スタンドで管溶接部外面側の温度が目標温度に到達した。その後に、第5スタンド出側で一旦、外面側の温度をAc変態点以下まで冷却し、再び、第6スタンドから加熱した結果、さらに2スタンドの加熱で管溶接部の内面側の温度が目標のAc変態点を超える880℃に到達した。すなわち、合計7スタンドの高周波誘導加熱手段の利用で、管溶接部の外面側および内面側を目標温度に到達させることができた。
(本発明例)
シームアニーラ11の第1スタンドの投入電力を全スタンド中最大として、この第1スタンドに加え、第2スタンドを援用して、管溶接部およびその周辺を急速加熱し、第2スタンド出側の管溶接部の外面温度をAc変態点(860℃)を超える目標温度(880℃)に到達させた。引き続き、中間冷却を行うことなく、第3スタンド以降のスタンドにより、管溶接部の外面側の温度が、伝熱解析および電磁場解析から得た、可及的に小さい投入電力で内面側に磁束が最も集中する管溶接部の外面側の温度(キュリー点以上)となるように、高周波誘導加熱手段11aの使用周波数および投入電力を調整して、被処理材に熱処理を施した。その結果、3スタンドの追加のみで、管溶接部の内面側の温度がAc変態点を超える目標温度(880℃)に到達した。すなわち、合計5スタンドの高周波誘導加熱手段の利用で、管溶接部の外面側および内面側を目標温度に到達させることができた。
上記各例の熱処理後の管溶接部についてシャルピー衝撃を行い、靭性を評価した。試験方法は次のとおりとした。
(シャルピー衝撃試験)
得られた電縫鋼管の溶接部から、JIS Z 2242の規定に準拠して、衝撃試験片(Vノッチ試験片)を採取した。試験片の採取位置は、管長手方向の異なる10箇所で、試験片長さ方向を管周方向に平行とし、試験片ノッチ位置を溶接部中心として、管溶接部の外面側および内面側からそれぞれ1本ずつ採取した。これら試験片を用いて、JIS Z 2242の規定に準拠して、試験温度:−46℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギーおよび脆性破面率を求めた。
内面側の吸収エネルギーおよび脆性破面率(いずれも10本の平均値)を表1に示す。外面側については内面側と同等または内面側よりやや良好な値であった。
Figure 0005303895
本発明例では、従来例に比べ少ないスタンド数の高周波誘導加熱手段の利用で管溶接部の内外面をAc3変態点(860℃)を超える目標温度に到達でき、本発明によれば、高周波誘導加熱手段のスタンド数を低減することが可能となる。
また、本発明例では、吸収エネルギー値が高く、脆性破面率が低く靭性に優れた管溶接部となっており、信頼性の高い製品管となっている。一方、従来例では、吸収エネルギー値が低く、脆性破面率が高く溶接部靭性が低下して、信頼性の低い製品管となっている。
本発明に好適な電縫鋼管製造ラインの一例を模式的に示す説明図である。 本発明に好適な(a)シームアニーラの設置位置、(b)構成の一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 鋼帯
2 ロール成形機
3 高周波溶接機
4 スクイズロール
5 鋼管(電縫鋼管)
6 アンコイラ
7 レベラー
8 ビード切削機
9 サイザー
10 管切断機
11 シームアニーラ(高周波誘導加熱装置)
11a 高周波誘導加熱手段(スタンド)
12 温度計

Claims (2)

  1. 管外面長手方向に誘導コイルを配置した高周波誘導加熱手段を複数スタンド、直列に配置した高周波誘導加熱装置に、電縫鋼管を送給し該管の外面側から該管の溶接部を誘導加熱する電縫鋼管溶接部の熱処理方法において、前記高周波加熱手段の第1スタンドの投入電力を全スタンド中最大とし、該第1スタンドで該第1スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えるように加熱するか、または前記第1スタンドおよびその次の第2スタンドで該第2スタンド出側の前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えるように加熱し、前記管溶接部の外面側の温度がAc変態点を超えたのちは、前記管溶接部の外面側の温度がキュリー点未満になる中間冷却を行うことなく、その後段の各スタンドで、前記管溶接部の外面側の温度がキュリー点を超える所定温度に保たれつつ同管溶接部の内面側が目標温度に達するように加熱することを特徴とする電縫鋼管溶接部の高効率熱処理方法。
  2. 前記目標温度をAc変態点以上の温度とすることを特徴とする請求項1に記載の電縫鋼管溶接部の高効率熱処理方法。
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