JP5301917B2 - 地盤改良方法及び削孔機 - Google Patents

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本発明は、地中に埋設された、あるいは地上に設けられた、狭隘な内空を有する管状構造部材の下部地盤を改良する技術に関するものである。
鉄道線路や道路の下方に立体交差する地下構造物を構築する工法の一つとして、長尺の多数の鋼製エレメントを地山に挿入して覆工を行う工法、例えばHEP&JES工法がある。HEP&JES工法では、鉄道線路下や道路下等の地下を横断する地下構造物を構築するに当たり、線路や道路の横断方向両側に立坑を設け、一方の立坑内から地中を通り他方の立坑内に連通する管状のエレメントを、エレメントの延在方向と直交する方向に並設するとともに隣接するエレメント相互を連結して、一部又は全てが断面矩形又は円形の函体を構築した後、エレメント内にコンクリートを充填・固化して地中建設物を構築する(例えば特許文献1、2参照)。この際、地盤が軟弱であると、構築中又は構築後の地中建設物そのもの、ひいては地上建設物が沈下又は変状するおそれがある。
このような沈下や変状を抑制するために、従来は、地上若しくは既設構造要素内部から所定範囲への地盤改良を行うか、又は構造物の構築後又は構築前に、立坑を利用して構造物下部周辺に対して水平方向に沿って地盤改良を行うことが行われている。前者の場合、上部施設が利用中であれば時間などの施工条件が厳しく制限され、工期の延長及び費用の高騰を招く。特に、鉄道線路等の施設の場合は、線路が閉鎖されている時間しか作業できないという厳しさがある。一方、後者の場合、構造物の構築前であれば、地盤改良材がエレメントの挿入範囲に回り込むことによりエレメントの挿入が困難になる可能性があり、構築後であれば構造物の隆起が懸念される。これらは、注入による改良であっても、高圧噴射による改良であっても同様に問題となる。
他方、HEP&JES工法等では、複数のエレメントを連結して函体を形成した後、内部の地盤を掘削排出するため、この内部地盤の排出後の空間を作業空間として地盤改良することも考えられたが、当該空間における他の作業がほとんど不可能になることや、作業空間としての安全性を確保するために別途周辺地盤の改良や、水位低下を図る必要がある等、工程面でも費用面でも問題がある。
特許2966765号公報 特許3262530号公報
そこで、本発明の主たる課題は、確実性が高く、効率的で、他の作業との競合が少なく、十分な改良効果が得られる改良技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を行った結果、地中に埋設された狭隘な内空を有する管状構造部材内からその下部地盤の改良を行うことによって、上記課題を一挙に解決しうるとの知見を得て本発明をなしたものである。すなわち、本発明は、次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
狭隘な内空を有する既設構造要素の下部地盤を改良する方法であって、
前記内空の底部の所定部位に挿入口を開口するとともに、前記内空の底部における前記挿入口から改良体半径の1/2〜1/1程度離間した位置に排泥口を開口し、
前記挿入口を介して噴射ロッドを下部地盤に挿入し、前記排泥口から排泥を行いつつ、前記噴射ロッドを軸心周りに回転し且つ噴射ロッドからその周囲地盤に硬化材を高圧噴射しながら引き抜いて、前記硬化材を前記既設構造要素の底面近傍まで供給することにより、前記既設構造要素の下部地盤に改良体を造成することを特徴とする、地盤改良方法。
(作用効果)
本発明では、既設構造要素の狭隘な内空内からその下部地盤の改良を行うため、構造部材の底面から十分に深い改良体を造成することができ、確実かつ十分な改良効果を得ることができる。またそのため、効率的な施工が可能であり、特に既設構造要素内からの作業になる(上述したHEP&JES工法等に応用する場合には既設構造要素たるエレメント内での作業になる)ため、他の作業との競合も極めて少なくなる。
さらに、本発明では、このような排泥口による排泥を行うことで、既設構造要素の底面まで十分な改良径をもって均質な改良体を形成することができ、改良体の頂部を既設構造要素の底面に密着させることができる。しかも、改良に際して硬化材の供給圧を排泥により逃がすことができるため、既設構造要素の下部地盤が隆起することもない。よって、より優れた改良効果を得ることができる。
<請求項2記載の発明>
前記改良体の造成後に、前記改良体の頂面に発生するブリージング水を前記排泥口及び前記挿入口の少なくとも一方を介して排出除去し、しかる後、前記既設構造要素の底面と前記改良体の頂面との隙間に硬化材を充填する、請求項1記載の地盤改良方法。
(作用効果)
上述のような排泥を組み合わせた改良を行っても、ブリージング水の発生により、改良体の頂部が既設構造要素の底面に隙間が発生する場合があるため、必要に応じてブリージング水を排出除去するとともに、隙間に硬化材を充填することにより、改良体の頂部を既設構造要素の底面に密着させるのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記硬化材を圧縮空気と混合した状態で高圧噴射するか、又は水及び圧縮空気を混合状態で噴射しつつその噴射位置よりもロッド先端側から前記硬化材を噴射する、請求項1又は2記載の地盤改良方法。
(作用効果)
上述したように、本発明では、硬化材の供給圧を排泥により逃がすことができるため、より大径の改良を可能にするべく、圧縮空気を併用する高圧噴射を使用しても既設構造要素の下部地盤が隆起することがない。よって、本発明は、圧縮空気を併用する高圧噴射にも好適である。
<請求項4記載の発明>
前記内空内の両側面にレールをそれぞれ設けるとともに;
前記噴射ロッドが取り付けられる削孔機本体と、この削孔機本体の幅方向両側部にそれぞれ設けられた車輪と、幅方向一方の車輪と他方の車輪との車輪間隔を拡縮させる拡縮手段とを有する削孔機を用い、
前記車輪を前記レール上に載せ、前記削孔機本体を前記レールに沿って前記内空内の所定位置に移動するとともに、この所定位置で前記拡縮手段により前記車輪間隔を拡大し、前記車輪を介して前記内空内の両側面に対して突っ張ることにより前記削孔機本体を固定した後、この削孔機本体に噴射ロッドを取り付けて前記改良体の造成を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
(作用効果)
本発明では既設構造要素内から地盤改良作業を行うため、本項記載のような削孔機を用いると、既設構造要素内での装置の移動、位置決めを容易かつ迅速に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
<請求項5記載の発明>
一対の立坑を設け、一方の立坑内から地中を通り他方の立坑内に連通する管状のエレメントを、エレメントの延在方向と直交する方向に並設するとともに隣接するエレメント相互を連結して、一部又は全てが断面矩形又は円形の函体を構築した後、前記エレメント内に硬化材を充填・固化して地中建設物を構築するにあたり、前記硬化材の充填に先立って前記エレメントを前記既設構造要素として前記改良体の造成を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
(作用効果)
本発明は、多くの既設構造物に適用できるが、本項記載のような地中建設物を構築する場合に好適であり、特に、前述したHEP&JES工法による構築方法に好適である。
<請求項6記載の発明>
前記エレメントが上下方向に複数連結される部分を有している場合において、この連結部位の最下段のエレメントを含む複数のエレメントの隣接壁を一時的に切除して、最下段のエレメント内からその上側の一つ又は複数のエレメントまで上下方向に連続する作業空間を形成し、この作業空間内における最下段のエレメントの底面に前記挿入口を開口するとともに、この作業空間内から前記噴射ロッドを前記挿入口を介して下部地盤に挿入する、請求項5記載の地盤改良方法。
(作用効果)
このようにエレメントが上下方向に複数連結される部分を利用して、より高い作業空間を確保すると、作業が容易になり、また作業効率も向上するため好ましい。
<請求項7記載の発明>
狭隘な内空を有する既設構造要素の下部地盤を改良するのに使用される削孔機であって、
硬化材の噴射ロッドが取り付けられる削孔機本体と、この削孔機本体の幅方向両側部にそれぞれ設けられた車輪と、幅方向一方の車輪と他方の車輪との車輪間隔を拡縮させる拡縮手段とを有しており、
前記車輪を前記レール上に載せ、前記削孔機本体を前記レールに沿って前記内空内の所定位置に移動するとともに、この所定位置で前記拡縮手段により前記車輪間隔を拡大し、前記車輪を介して前記内空内の両側面に対して突っ張ることにより前記削孔機本体を固定した後、この削孔機本体に噴射ロッドを取り付けて前記改良体の造成を行うように構成されている、
ことを特徴とする削孔機。
(作用効果)
かかる削孔機を用いることにより、狭隘な内空を有する既設構造要素であっても、装置の移動、位置決めを容易かつ迅速に行うことができ、精度、作業効率、安全性の向上を図ることができる。
以上のとおり本発明によれば、地中に埋設された、狭隘な内空を有する既設構造要素の下部地盤を改良するにあたり、確実性が高く、効率的で、他の作業との競合が少なく、十分な改良効果が得られるようになる、等の利点がもたらされる。
より詳細には、本発明によれば、既設構造要素の狭隘な空間を利用して構造物直下の地盤改良が可能となり、構造物を隆起させることなく、したがって、上部の線路や道路などの施設への影響も生じさせることなく作業が可能となる。また、作業現場を大きく占有することもなく他の作業との競合も最小限に止められ、連続的、効率的に作業することができる。さらに、本発明ならば、硬化材の噴射圧力、吐出量、ロッドの引き上げ時間、改良深度、改良体の数など施工の条件を変更することによって、地盤条件や構造物の大きさ、重量などの条件に自在に対応することが可能である。
以下、本発明の一実施形態について、HEP&JES工法への応用例に基づき詳説する。
図1は、鉄道線路下横断工事におけるHEP&JES工法の適用例を示している。この工法では、横断部の一方側に発進立坑を、他方側に到達立坑をそれぞれ構築し、発進立坑にエレメント1を用意するとともに到達立坑に油圧伸縮ジャッキ等の牽引装置2を設置し、エレメント1の先端に掘削装置3を取り付けるとともに、掘削装置3と牽引装置2とをPC鋼より線等の牽引部材4を介して連結し、到達立坑側からの牽引により発進立坑側からエレメント1を引き込む。エレメント1はその軸方向に継ぎ足すことにより、多様な施工距離に対応することができる。図2に示すように、エレメン1トはJES工法によるものであり、エレメント1の軸直角方向に力を伝達可能な継手5を有する鋼製の函状構造要素である。符号5sは鋼板、5rは防錆シート、5gはグラウト、5cはコーキングをそれぞれ示している。通常の場合、エレメント1の内空は、高さ及び幅がそれぞれ0.8〜1.5m程度の寸法とされる。隣接するエレメント1の継手5を相互に連結し、エレメント1内にコンクリート1c等の硬化材を充填することにより、図3に示すように、地中に非開削で箱型ラーメン形式又は円形などの構造物を構築することができる。構造物の構築後においては、構造物の内部の地盤が掘削排除され、この内部地盤の排出後の空間に舗装等の仕上げが施される。
このような工事において、エレメント1の設置後、好ましくは構造物の構築後であってエレメント1内に硬化材1cを充填する前に、本発明に係る地盤改良が実施される。すなわち、先ず改良部位10を決定する。改良部位10はエレメント1の下部地盤であれば特に限定されないが、図3に示すようなエレメント1からなる函体の場合、函体底部の下部地盤が改良部位10となり、特にエレメント1が上下方向に複数連結される部分を有している場合は、その下部地盤を改良部位10とするのが好ましい。図3に示す例では、幅方向中央のエレメント1の縦列の下部地盤のみを改良部位10としているが、他の部位であっても良く、また複数箇所、例えば図3に示す函体における幅方向両側のエレメント1の縦列の下部地盤を改良部位としても良い。改良深度10yは、例えばエレメント1の底面から支持層までとするほか、改良体を摩擦杭とする場合には改良体径、改良体本数及び所望の摩擦支持力から公知の方法で算出される深度とすることができる。改良径(直径)10dは適宜定めれば良いが0.5〜2m程度とするのが好ましい。
改良部位10が決定したならば、次いで改良部位10の上に位置するエレメント1内に作業員が入り、当該エレメント1内から改良部位に噴射ロッド32を挿入し、改良作業を行う。図4〜図6は、エレメント1の上下方向連結部分の下部地盤に柱状の改良体を構築する場合における好ましい施工形態を示している。この形態では、先ず、改良部位10の上方において、最下段のエレメント1から3段分のエレメントの隣接壁を必要分(例えば縦0.1〜1.0m×横0.1〜1.0m程度)切除して、最下段のエレメント1内からその上側のエレメント1まで上下方向に連続する作業空間6を形成する。切除部分は符号1xにより示されている。また、この作業空間6内における最下段のエレメント1の底面に内外に連通する噴射ロッド32の挿入口7を設けるとともに、図6に示すように挿入口7から改良体半径の1/2〜1/1程度離間した位置に排泥口8を設ける。これら挿入口7及び排泥口8は、エレメント1の底壁に貫通孔を穿孔し、この貫通孔にキャップや後述する口元装置等を気密に接続するためのソケット7s,8sを溶接等で固定することにより設けることができる。
次いで、かかる準備の上で、作業空間6に通じるエレメント1内を通して発進立坑又は到達立坑から地盤改良を行うための削孔機20を搬入する。削孔機20はエレメント1内に搬入可能なものであれば特に限定されないが、特に図8及び図9に示すように、エレメント1の軸方向に沿ってエレメント1内の両側面にそれぞれ設けられたレール1r上を走行するように構成された削孔機20を用いるのが好適である。
この削孔機20は、より詳細には、削孔機本体30と、削孔機本体30に設けられた移動機構部21とから構成されており、噴射ロッド32を除く装置外寸がエレメント1の内寸以下となるものである。移動機構部21は、削孔機本体30の幅方向に沿って伸縮するように削孔機本体30に対して固設されたスクリュージャッキ等の伸縮ジャッキ26と、この伸縮ジャッキ26の伸縮方向一端部及び他端部に対してそれぞれに取り付けられた車輪支持部22とを有している。また、この車輪支持部22の外面(エレメントの側壁と対向する面)上側には、幅方向に沿う回転軸を有してレール1rの上面を走行する主前輪及び主後輪23,23が前後方向に所定の間隔を空けてそれぞれ軸支されており、車輪支持部22の外面下側には、幅方向に沿う回転軸を有してレール1rの下面に沿って走行する補助前輪及び補助後輪24,24が前後方向に所定の間隔を空けてそれぞれ軸支されている。また、削孔機本体30の下側における幅方向両側には、エレメント1の底面上を走行する補助輪25がそれぞれ突出されている。さらに、図示例では、車輪支持部22の四隅に貫通ボルト孔が形成されるとともに、このボルト孔に固定ボルト22bが螺入されており、固定ボルトの螺入度合いにより、車輪支持部22の外面から固定ボルト22bを突出させてエレメント1内面に当接させることにより、削孔機20をエレメント1に対して固定支持できるようになっている。補助輪24,25及び固定ボルト22は省略しても良い。
一方、削孔機本体30は、幅方向中央部下側に突出するとともに、上下方向に移動可能なように且つ軸心周りに回転可能なように支持されたロッド取付部31と、ロッド取付部に対して着脱自在に取り付けられるとともに、所定長さのロッドユニットを連結することにより延長されるように構成された噴射ロッド32と、ロッド取付部31を上下方向に移動させる油圧伸縮ジャッキ等の駆動源33及びロッド取付部31を軸心周りに回転させる油圧モータ等の駆動源34とを備えている。
噴射ロッド32は、個々のユニットを作業空間6内に持ち込むことができ、継ぎ足し及び取り外し等の取り回しが可能な程度の外寸を有する必要がある。また、噴射ロッド32は適所に硬化材の噴射口を有するものであれば良い。例えば高圧噴射注入工法では、噴射ロッド32として先端部に噴射孔を有する単管を使用し、噴射孔からの硬化材の噴射で切削を行い、ロッドを回転しながら引き上げることにより改良体を造成するA工法のほか、噴射ロッド32として先端部に噴射孔を有する二重管を使用し、噴射孔からの硬化材及び圧縮空気の噴射で切削を行い、ロッドを回転しながら引き上げることにより、改良体を造成するB工法、噴射ロッド32として先端部に硬化材噴射孔を有し、その上側に高圧水及び圧縮空気の噴射孔を有する三重管を使用し、上側の噴射孔からの高圧水及び圧縮空気の噴射で切削を行い、下側の噴射孔から硬化材を高圧噴射しつつ、ロッドを回転しながら引き上げることにより、改良体を造成するC工法があるが、いずれを採用しても良い。
使用に際しては、噴射ロッド32を取り外した状態で、作業員が削孔機20をレール1r及び車輪23,24によって作業空間6まで推し進めた後、所望の設置位置で伸縮ジャッキ26を伸張する。これにより、幅方向一方の車輪23,24と他方の車輪23,24との車輪間隔が拡大して、車輪23,24の側面がレール1rの側面に押し当たり(エレメント1の側面に直接に当接させても良い)、伸縮ジャッキ26がエレメント1の両側面間で突っ張ることによって、削孔機20の設置位置が固定される。
また、噴射ロッド32は別途作業員がエレメント1内に搬入し、作業空間6内で削孔機20に取り付る。また、図示例では、挿入口7及び排泥口8には口元装置がそれぞれ取り付けられる。挿入口7に取り付けられる口元装置は、ボールバルブ等の開閉装置7b、中間部7m、及び止水パッカー7pを挿入口側からこの順に有する管状体であり、中間部7mの側面には内外に連通する排出口7xが形成されているものである。この口元装置においては、上面開口から、止水パッカー7p、中間部7m、開閉装置7bを通して挿入口7へ噴射ロッド32が挿し通されるようになっている。この状態で、挿入口7外部と排出口7xとは、噴射ロッド32と口元装置内部との隙間を介して連通するが、当該隙間は上方では止水パッカー7pによりシールされる。一方、排泥口8に取り付けられる口元装置は、排泥口8側から順にボールバルブ等の開閉装置8b及び排出口7xを有する管状体である。図示しないが、これらの口元装置の排出口7x,8xは、排泥ホースを介して排泥処理設備の吸引ポンプに接続される。
かかる準備が完了したならば、噴射ロッド32を挿入口7から下部地盤内に挿入した後、ロッド32を回転しながら引き上げる過程で(又は改良方法によっては貫入過程で)目的の改良深度からエレメント1の底面近傍まで硬化材を供給するとともに、口元装置の排出口7x,8xから吸引を行うことで、改良部位10の中心部においてロッドに沿って上昇する排泥を挿入口7から、及び切削範囲の周囲部に沿って上昇する排泥を排泥口8から排出させる。これにより、エレメント1の底面まで十分な改良径をもって均質な改良体を形成することができ、改良体の頂部をエレメント1の底面に密着させることができる。しかも、改良に際して硬化材の供給圧を排泥により逃がすことができるため、エレメント1の下部地盤が隆起することもない。
なお、排泥口8の下側に排泥誘導孔8iを予め形成しておくと、改良体の上端部における外周形状が安定するため好ましい。排泥誘導孔8iは改良深度10y全体にわたり設けることもできるが、上端部のみでも良い。また、一旦削孔した排泥誘導孔8iは地盤性状によっては崩れて閉塞することがある。よって、排泥誘導孔8i内にホースやパイプ等の管路を挿入し、この管路を介して水を供給したり、排泥誘導孔内にストレーナを挿入したりすることができる。これら管路やストレーナは、排泥中において、その先端を噴射ロッド32の先端に合せて引き上げるようにすることも可能である。
改良が完了したならば、噴射ロッド32を分解して、削孔機20から取り外し、削孔機20及びロッド32を別の改良部位に移動するか、又は発進立坑又は到達立坑に搬出する。また、少なくとも改良体が固化するまでは、挿入口7及び排泥口8に取り付けた口元装置は取り外さずに、開閉装置7b,8bを閉じておく。
また、図10(a)に示すように、改良体11の造成後に、硬化材の硬化に伴い改良体11が締まり、改良体11の頂面にブリージング水12が発生し、改良体11の頂部とエレメント1の底面との間に隙間が発生するおそれがある。よって、改良から所定期間経過した後、図10(b)に示すように、開閉装置7bを空けて吸引ホース40を挿入し、改良体11の頂面に溜まったブリージング水12を挿入口7(排泥口8でも良い)を介して排出除去し、しかる後、図10(c)に示すように、挿入口7に硬化材供給ホース41を挿入し、エレメント1の底面と改良体11の頂面との隙間に硬化材13を充填するのが望ましい。
(その他)
上記例はエレメント1の設置に、到達立坑側からの牽引により発進立坑側からエレメント1を引き込むHEP工法を採用し、エレメント1の連結にJES工法を採用しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、エレメントを発進立坑側から元押し推進するパイプルーフ工法やパイプビーム工法においても、本発明を適用できる。また、これらに限られず、ダクト等を地中に埋設する場合にも本発明を適用できる。
硬化材としては公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば上記例のように高圧噴射注入工法を用いる場合には、耐久性や経済性の観点からセメント系硬化材が適しており、必要に応じて(例えば対象地盤や施工条件によって)、遅延効果の分散剤や粘性低減剤、ベントナイトを含む増粘材や、分離防止剤、早硬性を付与する急硬性混和材等を組み合わせて用いることができる。
上記例では、削孔機固定用の伸縮ジャッキ26を一本で構成しているが、幅方向各側の車輪支持部に対して伸縮ジャッキを個別に設け、幅方向各側の車輪の位置を個々独立に移動させて車輪間隔を拡縮させ、削孔機20の固定を行うことも可能である。
本発明は、高さ2〜3m、幅0.8〜1.5m程度の狭隘な内空を有する既設構造要素の下部地盤を改良するために好適に利用できるものである。また、本発明は、内空の断面形状が矩形や円形以外の既設構造要素や、内空が筒状に連続延在しない既設構造要素、地中に埋設されない地上既設構造要素にも適用できるものである。より具体的には、本発明は、上記実施形態のようなエレメントや、トンネル側部に残された狭隘なスペースからなる通路空間、小口径の推進管等の地中に埋設される構造要素の他、地上配管等の地上に設けられる構造要素にも適用できるものである。
HEP工法の概要図である。 JES工法の概要図である。 エレメント構造物における改良部位を示す縦断面図である。 エレメント構造物における作業空間を概略的に示す斜視図である。 作業空間における作業を正面側から概略的に示す縦断面図である。 作業空間における作業を側面側から概略的に示す縦断面図である。 改良工程の要部拡大図である。 削孔機の正面図である。 削孔機の(a)要部拡大正面図、及び(b)要部拡大側面図である。 ブリージング処理工程の概略図である。
1…エレメント、1x…切除部分、6…作業空間、7…挿入口、8…排泥口、10…改良部位、20…削孔機、32…噴射ロッド。

Claims (7)

  1. 狭隘な内空を有する既設構造要素の下部地盤を改良する方法であって、
    前記内空の底部の所定部位に挿入口を開口するとともに、前記内空の底部における前記挿入口から改良体半径の1/2〜1/1程度離間した位置に排泥口を開口し、
    前記挿入口を介して噴射ロッドを下部地盤に挿入し、前記排泥口から排泥を行いつつ、前記噴射ロッドを軸心周りに回転し且つ噴射ロッドからその周囲地盤に硬化材を高圧噴射しながら引き抜いて、前記硬化材を前記既設構造要素の底面近傍まで供給することにより、前記既設構造要素の下部地盤に改良体を造成することを特徴とする、地盤改良方法。
  2. 前記改良体の造成後に、前記改良体の頂面に発生するブリージング水を前記排泥口及び前記挿入口の少なくとも一方を介して排出除去し、しかる後、前記既設構造要素の底面と前記改良体の頂面との隙間に硬化材を充填する、請求項1記載の地盤改良方法。
  3. 前記硬化材を圧縮空気と混合した状態で高圧噴射するか、又は水及び圧縮空気を混合状態で噴射しつつその噴射位置よりもロッド先端側から前記硬化材を噴射する、請求項1又は2記載の地盤改良方法。
  4. 前記内空内の両側面にレールをそれぞれ設けるとともに;
    前記噴射ロッドが取り付けられる削孔機本体と、この削孔機本体の幅方向両側部にそれぞれ設けられた車輪と、幅方向一方の車輪と他方の車輪との車輪間隔を拡縮させる拡縮手段とを有する削孔機を用い、
    前記車輪を前記レール上に載せ、前記削孔機本体を前記レールに沿って前記内空内の所定位置に移動するとともに、この所定位置で前記拡縮手段により前記車輪間隔を拡大し、前記車輪を介して前記内空内の両側面に対して突っ張ることにより前記削孔機本体を固定した後、この削孔機本体に噴射ロッドを取り付けて前記改良体の造成を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
  5. 一対の立坑を設け、一方の立坑内から地中を通り他方の立坑内に連通する管状のエレメントを、エレメントの延在方向と直交する方向に並設するとともに隣接するエレメント相互を連結して、一部又は全てが断面矩形又は円形の函体を構築した後、前記エレメント内に硬化材を充填・固化して地中建設物を構築するにあたり、前記硬化材の充填に先立って前記エレメントを前記既設構造要素として前記改良体の造成を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
  6. 前記エレメントが上下方向に複数連結される部分を有している場合において、この連結部位の最下段のエレメントを含む複数のエレメントの隣接壁を一時的に切除して、最下段のエレメント内からその上側の一つ又は複数のエレメントまで上下方向に連続する作業空間を形成し、この作業空間内における最下段のエレメントの底面に前記挿入口を開口するとともに、この作業空間内から前記噴射ロッドを前記挿入口を介して下部地盤に挿入する、請求項5記載の地盤改良方法。
  7. 狭隘な内空を有する既設構造要素の下部地盤を改良するのに使用される削孔機であって、
    硬化材の噴射ロッドが取り付けられる削孔機本体と、この削孔機本体の幅方向両側部にそれぞれ設けられた車輪と、幅方向一方の車輪と他方の車輪との車輪間隔を拡縮させる拡縮手段とを有しており、
    前記車輪を前記レール上に載せ、前記削孔機本体を前記レールに沿って前記内空内の所定位置に移動するとともに、この所定位置で前記拡縮手段により前記車輪間隔を拡大し、前記車輪を介して前記内空内の両側面に対して突っ張ることにより前記削孔機本体を固定した後、この削孔機本体に噴射ロッドを取り付けて前記改良体の造成を行うように構成されている、
    ことを特徴とする削孔機。
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