JP5300428B2 - 演算装置及び演算処理方法 - Google Patents
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Description
クロックを供給されて演算を実行する演算装置であって、所定のクロック周波数が供給される高クロックモードと、前記高クロックモードよりも低い所定のクロック周波数が供給される低クロックモードとのいずれのモードでも演算の実行可能な演算装置において、
前記高クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、異なる複数の基本演算から構成される処理対象演算のうちの一つの前記基本演算を実行し、
前記低クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの少なくとも2つの前記基本演算を順次に実行する演算実行部を備えたことを特徴とする。
図1〜図3を参照して実施の形態1のICカードを説明する。以下の実施の形態1〜3では動作モード(演算処理方式)を切り替えるケースとして、接触、非接触の例を挙げて説明するが、これは一例である。例えば、製品用途に応じて、ICカードの動作電圧、動作周波数、消費電流などの仕様が相違するからである。製品用途としては、ETCなどの交通用途向け、キャッシュカードやクレジットカードなどの金融用途向け、携帯電話などの通信用途向け、あるいはこれらの複合用途向けなどが考えられる。
fc>>fl
である。
fcは、例えば、「20MHz」程度であり、flは例えば「3.6MHz」程度である。さらに、基本処理OP1から基本処理OPnは、fc以下のクロック周波数において、それぞれ1サイクルで処理可能な演算器を構成可能な処理とする。
以下の実施の形態1〜3に示す暗号コプロセッサの特徴は、接触・非接触環境の動作モードの通知を受け取る制御用レジスタ102を備え、接触環境時(動作クロックfc程度)には基本処理OP1からOPnのうちの任意の1つの演算を、1サイクルで、基本演算回路群103によって処理し、また、非接触環境(動作クロックfl程度)では基本処理OP1からOPnのある特定の組み合わせの処理を、同一の基本演算回路群103によって、1サイクルで、処理する機能を備える点である。以下に動作を説明する。
次に動作について説明する。
(1)まず、外部回路20は、制御用レジスタ102に動作環境を設定する(S11)。
(2)次に外部回路20は、入力レジスタ104に演算対象データを設定する(S12)。
(3)また、外部回路20は、入力レジスタ104への演算対象データ設定が完了次第、制御用レジスタ102に「演算開始通知」を設定する(S13)。
(4)暗号コプロセッサ101では制御用レジスタ102に「演算開始通知」が設定されると、暗号コプロセッサ101が、入力レジスタ104の演算対象データを中間値格納レジスタ106へ転送する(S14)。
(5)中間値格納レジスタ106に格納された演算対象データは、基本演算回路群103が、暗号コプロセッサ制御回路107から指定される演算を、1サイクルで処理する(S15)。
(6)そして、基本演算回路群103は演算結果を、再び中間値格納レジスタ106に格納する(S16)。
(1)このとき、制御用レジスタ102に設定された「動作環境」が接触環境(高クロックモード情報の一例)を表すならば、基本演算回路群103によって1サイクルで実行される演算は、基本処理OP1からOPnのどれか1つの演算となる。すなわち、制御用レジスタ102に「動作環境」として「接触環境」(高クロックモード情報)が設定されている場合には、暗号コプロセッサ制御回路107は、基本演算回路群103に対して基本処理OP1からOPnのどれか1つの実行を指定する。この場合、クロックジェネレータ10はfc相当のクロックを供給する。fcは高い周波数であり、基本演算回路群103は1サイクルで一つの基本処理(基本演算)のみを実行する。
(2)一方、制御用レジスタ102の設定が「非接触環境」(低クロックモード情報)を表すならば、1サイクルで実行される演算は、基本処理OP1からOPnにおける複数の演算の組み合わせとなる。すなわち、制御用レジスタ102に「動作環境」として「非接触環境」が設定されている場合には、暗号コプロセッサ制御回路107は、基本演算回路群103に対して基本処理OP1からOPnのうちの複数の基本演算の組み合わせを指定する。この場合、当然にクロックジェネレータ10はfl相当の、fcに比べて低いクロックを供給する。flはfcに比べてきわめて低い周波数のため、基本演算回路群103は1サイクルで複数の基本処理(基本演算)を実行する。
(3)以降、基本演算回路群103は、中間値格納レジスタ106に格納されたデータに対して演算を行い、基本演算回路群103により暗号アルゴリズムとして必要な全ての演算が実行される。この基本演算回路群103による演算が完了した段階で、中間値格納レジスタ106のデータは出力レジスタ105に転送される。また、暗号コプロセッサ制御回路107は外部回路20へ演算完了を通知する。
(1)ShiftRow演算、
(2)SubBytes演算、
(3)MixColumns演算、
(4)AddRoundKey演算、
の4つの演算を組み合わせて構成される演算を繰り返し行う処理である。ここで、図2では、これらの処理を実行する回路をAES基本演算回路群203で持つものとする。
接触環境におけるAESコプロセッサ201による暗号化処理の動作は、中間値格納レジスタ206のデータに対して、暗号コプロセッサ制御回路207で指定する1演算(基本演算)を、AES基本演算回路群203で実行し、中間値格納レジスタ206へ格納する。従って、AESにおけるラウンド関数と呼ばれる処理を実行するためには、次の手順で処理する。
(2)(1)の結果に対してSubBytes回路209によりSubBytes演算を行う。
(3)(2)の結果に対してMixColumns回路210によりMixColumns演算を行う。
(4)(3)の結果に対してAddRoundKey回路211によりAddRoundKey演算を行う。
一方、非接触環境下の場合、接触環境下のクロックに比べてfl相当の低クロックが供給されるが、この場合、AES基本演算回路群203では、前記4つの組み合わせを1サイクルで実行するような、接触環境fcからの動作モードの切り替えを行い、上記(1)から(4)の処理を1サイクルで処理する。
接触環境下においては、図3の上部にある3つのマルチプレクサ311〜313はAES制御用レジスタ202の設定に従い、0側の入力を選択する。また、暗号コプロセッサ制御回路207からの指定される信号値によって、どの演算を行うかを下部にあるマルチプレクサ321で選択して出力する。例えば、SubBytes演算を行う場合、暗号コプロセッサ制御回路207からの指定される演算選択の信号値は「1」となる。
一方、非接触環境下においては、図3の上部にある3つのマルチプレクサ311〜313はAES制御用レジスタ202の設定に従い、1側の入力を選択する。また、暗号コプロセッサ制御回路207からの指定される信号値は「3」に設定され、4つの演算を全て実行した結果を選択する。
次に図4、図5を参照して実施の形態2を説明する。ICカードにおける暗号コプロセッサでは、実装上の安全性要件を満たすためにアルゴリズムの処理を「初期化処理」と「通常処理」の2段階に分ける実装方法がある。この場合、暗号アルゴリズムが基本処理(基本演算)OP1からOPnまでのn種類の処理で構成されるものとすれば、各基本処理(通常処理)を実行する前にそれぞれ初期化処理を行うこととなる。つまり、基本処理OP1の処理を行う場合は、OP1初期化処理を実行したあとにOP1通常処理を行う。従って、初期化処理を行う場合は、通常処理のみをおこなった場合と比較して、2倍のサイクル数を必要とする。このようなケースにおける場合を実施の形態2として説明する。
(1)ShiftRow演算、
(2)SubBytes演算、
(3)MixColumns演算、
(4)AddRoundKey演算、
の4つの演算を組み合わせて構成される演算を繰り返し行う処理であるが、それぞれの演算を行う前に初期化処理を行う必要がある。ここで、図4は、これらの処理を実行する回路をAES基本演算回路群403で持つものとする。接触環境における暗号化処理の動作は、中間値格納レジスタ406のデータに対して、暗号コプロセッサ制御回路407で指定する1演算を、AES基本演算回路群403で実行し、中間値格納レジスタ406へ格納する。従って、AESにおけるラウンド関数と呼ばれる処理を実行するためには、次の手順で処理する。
(2)ShiftRow回路409によりShiftRow演算を行ない、中間値格納レジスタ406に再格納する。
(3)中間値格納レジスタ406の値に対して、SubBytes初期化回路410によりSubBytes演算の初期化を行う。
(4)SubBytes回路411によりSubBytes演算を行ない、中間値格納レジスタ406に再格納する。
(5)中間値格納レジスタ406の値に対して、MixColumns初期化回路412によりMixColumns演算の初期化を行う。
(6)MixColumns回路413によりMixColumns演算を行ない、中間値格納レジスタ406に再格納する。
(7)中間値格納レジスタ406の値に対して、AddRoundKey初期化回路414によりAddRoundKey演算の初期化を行う。
(8)AddRoundKey回路415によりAddRoundKey演算を行う。
ここで、「接触環境」の場合、上記(1)から(8)の処理をそれぞれ1サイクル毎に実行するので、この処理には8サイクルかかることになる。
一方、非接触環境下の場合、AES基本演算回路群403では初期化演算と通常演算の組み合わせを1サイクルで実行するような切り替えを行い、上記(1)から(8)の処理を4サイクルで処理する。
接触環境下においては、図5のAES基本演算回路群501のマルチプレクサ504は、AES制御用レジスタ402の設定に従い、0側の入力を選択する。従って、中間値格納レジスタ406から入力されたデータは、SubBytes初期化回路502によって初期化演算され、内部レジスタ503に演算結果として格納される。次サイクルでは、内部レジスタ503のデータに対してSubBytes演算回路505により処理され、演算結果が中間値格納レジスタ406に返される。
一方、非接触環境下においては、図5のマルチプレクサ504はAES制御用レジスタ402の設定に従い、1側の入力を選択する。従って、中間値格納レジスタ406から入力されたデータは、内部レジスタ503を経由せず、1サイクルでSubBytes初期化回路502及びSubBytes演算回路505により処理され、演算結果として中間値格納レジスタ406に返される。
図6、図7を参照して実施の形態3を説明する。実施の形態3は、その他、公開鍵暗号の処理に対して有用な、算術演算(乗算や加減算)を処理するコプロセッサに対しても、同様のアイデアが適用可能なことを説明する実施形態である。
接触環境下においては、コプロセッサ601のマルチプレクサ604は、制御用レジスタ102の設定(接触環境)に従い、0側の入力を選択する。従って、中間値格納レジスタ106から入力されたデータ(A,B)は、2入力乗算回路602によって乗算され、内部レジスタ603に演算結果として格納される。次サイクルでは、内部レジスタ603のデータ(A*B)と、中間値格納レジスタ106からのデータCとに対して、3入力加算回路605が処理を行い、演算結果(A*B+C)を中間値格納レジスタ106に返す。
一方、非接触環境下においては、コプロセッサ601のマルチプレクサ604は、制御用レジスタ102の設定(非接触環境)に従い、1側の入力を選択する。従って、1サイクルで、中間値格納レジスタ106から入力されたデータ(A,B)は2入力乗算回路602によって乗算され内部レジスタ603に格納されることなく中間値格納レジスタ106からのデータCと3入力加算回路605によって処理されて演算結果(A*B+C)として中間値格納レジスタ106に返される。
接触環境下においては、コプロセッサ701のマルチプレクサ709は、制御用レジスタ102の設定(接触環境)に従い、0側の入力を選択する。従って、中間値格納レジスタ106から入力されたデータ(A,B、E)は、1サイクルで、2入力乗算回路702、3入力加算回路704を経て、内部レジスタ703に格納される。そして次サイクルでは、内部レジスタ703のデータ(A*B+E)と、2入力乗算回路703を経た(C*D)とが、3入力加算回路705によって加算され、(A*B+C*D+E)となり、中間値格納レジスタ106に返される。
非接触環境下においては、コプロセッサ701のマルチプレクサ709は、制御用レジスタ102の設定(非接触環境)に従い、1側の入力を選択する。従って、この場合は、内部レジスタ703にデータは格納されることなく、1サイクルで、(A*B+C*D+E)の演算処理が実行される。すなわち、1サイクルで、中間値格納レジスタ106から入力されたデータ(A,B、E)は、2入力乗算回路702、3入力加算回路704を経てマルチプレクサ709を経由(この時点で、A*B+E)し、2入力乗算回路708により乗算された(C*D)と3入力加算回路705によって加算され(この時点で、A*B+C*D+E)、中間値格納レジスタ106に返される。
Claims (9)
- クロックを供給されて演算を実行する演算装置であって、所定のクロック周波数が供給される高クロックモードと、前記高クロックモードよりも低い所定のクロック周波数が供給される低クロックモードとのいずれのモードでも演算の実行可能な演算装置において、
前記高クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、異なる複数の基本演算から構成される処理対象演算のうちの一つの前記基本演算を実行し、
前記低クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの少なくとも2つの前記基本演算を順次に実行する演算実行部を備えたことを特徴とする演算装置。 - 前記演算装置は、
前記高クロックモードのクロック周波数が供給される場合には前記高クロックモードを示す高クロックモード情報を出力し、前記低クロックモードのクロック周波数が供給される場合には前記低クロックモードを示す低クロックモード情報を出力する外部回路から、前記高クロックモード情報と前記低クロックモード情報とのいずれかを、供給されるクロック周波数に対応して入力し、記憶するクロックモード記憶部を備え、
前記演算実行部は、
前記クロックモード記憶部に前記高クロックモード情報が記憶された場合には前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの一つの前記基本演算を実行し、
前記クロックモード記憶部に前記低クロックモード情報が記憶された場合には前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの少なくとも2つの前記基本演算を順次に実行することを特徴とする請求項1記載の演算装置。 - クロックを供給されて演算を実行する演算装置であって、所定のクロック周波数が供給される高クロックモードと、前記高クロックモードよりも低い所定のクロック周波数が供給される低クロックモードとのいずれのモードでも演算の実行可能な演算装置において、
前記演算装置によって実行される処理対象演算は、
異なる複数の基本演算と、
各前記基本演算ごとに、前記基本演算の前に実行するべき初期化処理とを有し、
前記基本演算を実行する演算実行部は、
前記高クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、一つの前記基本演算と一つの前記初期化処理とのいずれかを実行し、
前記低クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、少なくとも一つの前記基本演算と少なくとも一つの前記初期化処理とを順次に実行することを特徴とする演算装置。 - 前記演算装置は、
前記高クロックモードのクロック周波数が供給される場合には前記高クロックモードを示す高クロックモード情報を出力し、前記低クロックモードのクロック周波数が供給される場合には前記低クロックモードを示す低クロックモード情報を出力する外部回路から、前記高クロックモード情報と前記低クロックモード情報とのいずれかを、供給されるクロック周波数に対応して入力し、記憶するクロックモード記憶部を備え、
前記演算実行部は、
前記クロックモード記憶部に前記高クロックモード情報が記憶された場合には前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの一つの前記基本演算と一つの前記初期化処理とのいずれかを実行し、
前記クロックモード記憶部に前記低クロックモード情報が記憶された場合には前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの少なくとも一つの前記基本演算と少なくとも一つの前記初期化処理とを順次に実行することを特徴とする請求項3記載の演算装置。 - 前記演算装置は、
接触方式と非接触方式とのいずれの方式によっても相手方の装置から電力の供給を受けて動作可能であると共に、
前記クロックモード記憶部は、
前記接触方式により前記相手方の装置から電力の供給を受ける時には前記外部回路から前記高クロックモード情報を入力して記憶し、前記非接触方式により前記相手方の装置から電力の供給を受ける時には前記外部回路から前記低クロックモード情報を入力して記憶することを特徴とする請求項2または4記載の演算装置。 - 前記クロックモード記憶部は、
前記外部回路から製品用途に応じて、前記高クロックモード情報と前記低クロックモード情報とのいずれかを入力して記憶することを特徴とする請求項2または4記載の演算装置。 - 前記処理対象演算は、
暗号化演算であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の演算装置。 - 前記請求項1〜7のいずれかに記載の演算装置を備えたことを特徴とするIC(Integrated Circuit)カード。
- クロックを供給されて演算を実行すると共に、所定のクロック周波数が供給される高クロックモードと、前記高クロックモードよりも低い所定のクロック周波数が供給される低クロックモードとのいずれのモードでも演算の実行可能な演算装置が実行する演算処理方法において、
前記演算装置は、
前記高クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、異なる複数の基本演算から構成される処理対象演算のうちの一つの前記基本演算を実行し、
前記低クロックモードでは、前記クロック周波数の1サイクルで、前記処理対象演算のうちの少なくとも2つの前記基本演算を順次に実行することを特徴とする演算処理方法。
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